特許第6182289号(P6182289)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6182289
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】燃料電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/02 20160101AFI20170807BHJP
   H01M 8/2484 20160101ALI20170807BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20170807BHJP
   H01M 8/0612 20160101ALI20170807BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20170807BHJP
【FI】
   H01M8/02 Z
   H01M8/02 E
   H01M8/02 R
   H01M8/24 M
   H01M8/04 N
   H01M8/06 G
   !H01M8/12
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-92499(P2017-92499)
(22)【出願日】2017年5月8日
【審査請求日】2017年5月8日
(31)【優先権主張番号】特願2016-114229(P2016-114229)
(32)【優先日】2016年6月8日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 遥平
(72)【発明者】
【氏名】大森 誠
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−171072(JP,A)
【文献】 特開2015−056267(JP,A)
【文献】 特開2015−185280(JP,A)
【文献】 特開2011−134542(JP,A)
【文献】 特開2006−127826(JP,A)
【文献】 特開2004−281299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/02
H01M 8/24
H01M 8/04
H01M 8/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料マニホールドと、
支持基板、前記支持基板内を上下方向に延びるガス流路、及び前記支持基板上に配置される発電素子部、を有し、前記燃料マニホールドから上方に延びる燃料電池セルと、
前記ガス流路の排出側端部を覆うように前記燃料電池セルの上方に配置された多孔質部材と、
を備え、
前記多孔質部材は、側面部が内部よりも緻密である、
燃料電池スタック。
【請求項2】
前記多孔質部材は、上下方向に延びる複数の流路と、前記各流路を仕切る多孔質の隔壁と、一部の前記流路内に配置されて上方に流れるガスの流れの抵抗となる抵抗部と、を有する、
請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
前記抵抗部の気孔率は、前記隔壁の気孔率よりも低い、
請求項2に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
前記多孔質部材は、前記多孔質部材の内部を上方に流れるガスの流れの抵抗となる抵抗部を有する、
請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
前記抵抗部の気孔率は、前記多孔質部材の他の部分の気孔率よりも低い、
請求項4に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
前記多孔質部材は、加熱対象部材の下方に配置され、
前記多孔質部材の上面は、前記加熱対象部材と対向する対向領域と、前記対向領域の外側に配置される外側領域とを有し、
前記外側領域は、前記対向領域よりも緻密である、
請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
前記多孔質部材は、前記燃料電池セルの上面に載置される、
請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
前記多孔質部材は、前記燃料電池セルの上面と間隔をあけて配置される、
請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
前記多孔質部材は、下方に開口する凹部を有しており、
前記燃料電池セルの上端部は、前記多孔質部材の凹部に嵌合する、
請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池スタックは、燃料マニホールドと、燃料マニホールドから上方に延びる複数の燃料電池セルとを備えている(特許文献1参照)。燃料マニホールドは、各燃料電池セルに燃料ガスを分配する。
【0003】
各燃料電池セルに供給された燃料ガスの一部は、各燃料電池セルから未反応の状態で排出される。この排出された燃料ガスを燃焼させることによって、例えば、改質器や、周りを流れる空気などのような加熱対象部材を加熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−319420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように構成された燃料電池スタックにおいて、燃料ガスの利用効率を向上させると、各燃料電池セルの上端部から排出される燃料ガスが少なくなり、加熱対象部材を十分に加熱できなくなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、加熱対象部材を十分に加熱することのできる燃料電池スタックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある側面に係る燃料電池スタックは、燃料マニホールドと、燃料電池セルと、多孔質部材と、を備えている。燃料電池セルは、燃料マニホールドから上方に延びている。燃料電池セルは、支持基板、支持基板内を上下方向に延びるガス流路、及び支持基板上に配置される発電素子部を有している。多孔質部材は、ガス流路の排出側端部を覆うように燃料電池セルの上方に配置されている。多孔質部材は、側面部が内部よりも緻密である。
【0008】
この構成によれば、燃料電池セルのガス流路から排出された燃料ガスと、各燃料電池セルの外側面を流れる空気とが多孔質部材内に供給される。そして、この燃料ガスと空気とが、多孔質部材内において混合されるため、燃料ガスの燃焼は予混合燃焼となる。このため、本発明に係る燃料電池スタックは、従来の拡散燃焼に比べて燃焼の安定性が向上し、加熱対象部材を十分に加熱することができる。また、多孔質部材の側面部が内部よりも緻密であるため、多孔質部材内に供給された燃料ガス及び空気が多孔質部材の側方へと漏れることを防止できる。このため、より効率的に加熱対象部材を加熱することができる。
【0009】
好ましくは、多孔質部材は、上下方向に延びる複数の流路と、各流路を仕切る多孔質の隔壁と、一部の流路内に配置されて上方に流れるガスの流れの抵抗となる抵抗部と、を有する。この構成によれば、多孔質部材の流路に供給されたガスが抵抗部に到達すると、隔壁を介して隣の流路へと流れる。この結果、多孔質部材内での燃料ガスと空気との混合が促進され、より安定した燃焼とすることができる。
【0010】
例えば、上述した抵抗部の気孔率は、隔壁の気孔率よりも低いような構成とすることができる。
【0011】
好ましくは、多孔質部材は、多孔質部材の内部を上方に流れるガスの流れの抵抗となる抵抗部を有する。この構成によれば、多孔質部材内を上方に流れる燃料ガス又は空気が抵抗部に到達すると、抵抗部を避けるように燃料ガス又は空気の流れ方向が変更される。この結果、燃料ガスと空気との混合が促進され、より安定した燃焼とすることができる。
【0012】
例えば、抵抗部の気孔率は、多孔質部材の他の部分の気孔率よりも低いような構成とすることができる。
【0013】
好ましくは、多孔質部材は、加熱対象部材の下方に配置される。多孔質部材の上面は、加熱対象部材と対向する対向領域と、対向領域の外側に配置される外側領域とを有する。外側領域は、対向領域よりも緻密とすることが好ましい。この構成によれば、より効率的に加熱対象部材を加熱することができる。
【0014】
多孔質部材は、燃料電池セルの上面に載置されていてもよい。
【0015】
多孔質部材は、燃料電池セルの上面と間隔をあけて配置されていてもよい。
【0016】
多孔質部材は下方に開口する凹部を有しており、燃料電池セルの上端部は多孔質部材の凹部に嵌合していてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、加熱対象部材を十分に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】燃料電池スタックの斜視図。
図2】燃料マニホールドの斜視図。
図3】燃料電池セルの斜視図。
図4】燃料電池セルの作動状態を説明するための斜視図。
図5】燃料電池スタックの断面図。
図6】燃料電池スタックを含むシステムの概略図。
図7】多孔質部材の断面図。
図8】多孔質部材の平面図。
図9】変形例に係る多孔質部材の断面図。
図10】変形例に係る多孔質部材の断面図。
図11】変形例に係る燃料電池スタックを含むシステムの概略図。
図12】変形例に係る燃料電池スタックを含むシステムの概略図。
図13】変形例に係る燃料電池スタックを含むシステムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[燃料電池スタック]
本発明に係る燃料電池スタックの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
[燃料電池スタック]
図1に示すように、燃料電池スタック100は、燃料マニホールド1と、複数の燃料電池セル2と、多孔質部材3とを備えている。この燃料電池スタック100の上方には、改質器(図示省略)が配置される。
【0021】
[燃料マニホールド]
図2に示すように、燃料マニホールド1は、各燃料電池セル2に燃料ガスを供給するように構成されている。燃料マニホールド1は、長手方向(z軸方向)を有する直方体状の筐体である。燃料マニホールド1は、マニホールド本体11と、支持板12とを有している。また、燃料マニホールド1は、外部から燃料マニホールド1の内部空間に燃料ガスを導入するための導入管13を有している。
【0022】
マニホールド本体11は、底板と側板とを備え、上方に開口している。支持板12は、マニホールド本体11上に配置され、マニホールド本体11の上面を塞ぐように構成されている。支持板12は、複数の燃料電池セル2を支持するように構成されている。支持板12は、複数の挿入孔14を有している。各挿入孔14は互いに間隔をあけて支持板12の長手方向(z軸方向)に沿って配置されている。マニホールド本体11、及び支持板12は、例えば、ステンレス鋼等で構成されている。
【0023】
導入管13は、支持板12に対して接合されている。導入管13も、例えば、ステンレス鋼等で構成されている。この導入管13は、例えば、支持板12に形成された貫通孔に挿入された状態にて溶接されることによって、支持板12に接合されている。
【0024】
[燃料電池セル]
図1に示すように、各燃料電池セル2は、燃料マニホールド1から上方に延びている。図3に示すように、各燃料電池セル2は、支持基板20、及び複数の発電素子部21を有している。各発電素子部21は、燃料電池セル2の長手方向(x軸方向)に沿って互いに間隔をあけて配置されている。各燃料電池セル2は、いわゆる横縞型の固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
【0025】
支持基板20は、長手方向(x軸方向)を有する平板状である。支持基板20は、電子伝導性を有さない多孔質の材料で構成される。支持基板20の内部には、長手方向に延びる複数の燃料ガス流路22が形成されている。各燃料ガス流路22は、互いに幅方向(y軸方向)に間隔をおいて配置されている。支持基板20は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)で構成される。
【0026】
各発電素子部21は、支持基板20の主面のそれぞれに配置されている。各発電素子部21は、燃料極、固体電解質膜、及び空気極がこの順に積層された積層焼成体である。燃料極は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とで構成される。固体電解質膜は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)で構成される。空気極は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)で構成される。以下、燃料電池セル2が起電力を発生し得る最低温度を、起電力発生温度TAと呼ぶ。起電力発生温度TAは、例えば、350〜400℃である。
【0027】
図4に示すように、支持基板20の燃料ガス流路22内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板20の各主面に沿って酸素を含むガス(空気等)を流すと、各発電素子部21において、固体電解質膜の表裏面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する(非発電状態)。このように起電力が発生している燃料電池セル2を、外部の負荷を含む電気回路(閉回路)に電気的に接続すると、下記(1)、(2)式に示す発電反応が起こり、燃料電池セル2内にて電流が流れる(発電状態)。この発電状態にて、燃料電池セル2から電力が取り出される。なお、この発電反応は発熱反応である。
(1/2)・O+2e→O2− (於:空気極) …(1)
+O2−→HO+2e (於:燃料極) …(2)
【0028】
なお、燃料電池セル2の温度が起電力発生温度TA近傍である場合、燃料電池セル2は起電力を発生し得るものの、燃料電池セル2の内部電気抵抗が大きい。従って、燃料電池セル2から十分な出力を取り出すことができない。燃料電池セル2の内部電気抵抗は、燃料電池セル2の温度の上昇に応じて小さくなっていく。また、燃料電池セル2が発生する起電力は、温度に応じてほとんど変化しない。したがって、燃料電池セル2の温度が起電力発生温度TAから上昇するにつれて、燃料電池セル2から取り出せる出力が大きくなっていく。燃料電池セル2から十分な出力を取り出せる燃料電池セル2の温度を作動温度T1と呼ぶ。作動温度T1は、例えば、600〜800℃である。燃料電池セル2の運転状態では、燃料電池セル2の温度は、作動温度T1近傍に維持されるように制御される。これにより、燃料電池セル2から所望の出力を安定して取り出すことができる。以上、燃料電池セルとして、平板状の燃料電池セルについて述べたが、燃料電池セルが円筒状などの他のタイプの燃料電池セルであってもよい。
【0029】
図5に示すように、各燃料電池セル2の下端部は、支持板12の挿入孔14に挿入されている。すなわち、各燃料電池セル2は、支持板12から上方(x軸正方向)に延びている。各燃料電池セル2は、燃料マニホールド1の長手方向(z軸方向)に沿って互いに間隔をあけて配置されている。各燃料電池セル2の上端部は、自由端となっている。
【0030】
各燃料電池セル2は、第1接合材4によって支持板12に接合されている。第1接合材4は、燃料電池セル2の根元部に沿って環状に延びている。第1接合材4は、ガスシール機能を有している。すなわち、燃料電池セル2と支持板12との隙間から、燃料マニホールド1内の燃料ガスが漏れないように第1接合材4がシールしている。なお、燃料電池セル2の燃料ガス流路22は、燃料マニホールド1内と連通している。
【0031】
第1接合材4は、例えば、結晶化ガラスで構成される。結晶化ガラスとしては、例えば、SiO−B系、SiO−CaO系、MgO−B系が採用され得るが、SiO−MgO系のものが最も好ましい。
【0032】
隣り合う燃料電池セル2の間には、集電部材5が配置されている。詳細には、集電部材5は、燃料電池セル2の下端部に配置されている。集電部材5は、隣り合う燃料電池セル2を電気的に接続している。詳細には、集電部材5は、一方の燃料電池セル2の燃料極と他方の燃料電池セル2の空気極とを電気的に接続している。集電部材5は、各燃料電池セル2と第2接合材6を介して接合されている。
【0033】
集電部材5は、導電性であり、例えば、酸化物セラミックスの焼成体で構成されている。このような酸化物セラミックスとしては、例えば、ペロブスカイト酸化物、又はスピネル酸化物などが挙げられる。ペロブスカイト酸化物としては、例えば、(La,Sr)MnO、又は(La,Sr)(Co,Fe)O等が挙げられる。スピネル酸化物としては、例えば、(Mn,Co)、又は(Mn,Fe)等が挙げられる。この集電部材302は、例えば、可撓性を有していない。なお、集電部材5は、例えば、金属メッシュ等で構成されていてもよい。
【0034】
第2接合材6は、例えば、導電性であり、(Mn,Co)系の導電性セラミックス、または貴金属によって形成される。具体的には、第2接合材6は、(Mn,Co)、(La、Sr)(Co,Fe)O、Pt及びAg等よりなる群から選ばれる少なくとも1種によって形成される。
【0035】
各発電素子部21は、電気的接続部(図示省略)によって互いに電気的に接続されている。また、燃料電池セル2の上端部側において、支持基板20の一方面に形成された発電素子部21と他方面に形成された発電素子部21とが第2集電部材7によって電気的に接続されている。なお、各発電素子部21は、直列に接続されている。
【0036】
[多孔質部材]
図6に示すように、多孔質部材3は、各燃料電池セル2の上端部を覆うように配置されている。詳細には、多孔質部材3は、各燃料電池セル2の燃料ガス流路22の排出側端部を覆うように配置されている。
【0037】
多孔質部材3は、各燃料電池セル2の上方に配置されている。多孔質部材3は、例えば、各燃料電池セル2の上面に載置されている。多孔質部材3は、各燃料電池セル2の上面に対して固定されていても、固定されていなくてもよい。この多孔質部材3の上方には、改質器101が配置される。また、この改質器101と燃料電池スタック100は、図示しない耐熱容器内に収容されている。
【0038】
図7及び図8に示すように、多孔質部材3は、上下方向に延びる複数の流路31と、各流路31を仕切る多孔質の隔壁32とを有している。例えば、多孔質部材3は、ハニカム構造を有している。各流路31の流路面積は、燃料電池セル2の各ガス流路22の流路面積よりも小さい。例えば、多孔質部材3の各流路31の流路面積は、1〜25mm程度であり、隣接する流路31の間隔(ピッチ)は、1〜10mm程度である。多孔質部材3の厚さ(x軸方向の寸法)は、例えば、5〜100mm程度であり、好ましくは、3〜30mm程度である
【0039】
隔壁32は、例えば、多孔質のセラミックス材料で構成されている。多孔質のセラミックス材料としては、例えば、炭化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、又はコージェライト等が挙げられる。が挙げられる。この場合の多孔質のセラミックス材料の気孔率は、20〜80体積%である。
【0040】
多孔質部材3の側面部33は、内部よりも緻密である。詳細には、多孔質部材3の側面部33は、隔壁32よりも緻密である。例えば、側面部33は、隔壁32と同じ材料で構成してもよい。この場合、側面部33の気孔率は、隔壁32の気孔率よりも低くなるように形成される。例えば、側面部33の気孔率は、5〜70体積%とすることができる。また、側面部33は、ガラス材料によって構成することもできる。ガラス材料としては、SiO-MgO系等の結晶化ガラスなどを例示することができる。
【0041】
[作動方法]
図6に示すように、改質器101は、入口管102と、出口管103とを備える。出口管103は、燃料マニホールド1の導入管13と接続されている。改質器101、入口管102、及び、出口管103は、耐熱性金属で構成されている。改質器101の内部には、都市ガスなどのガスを改質する反応を促進させるための貴金属触媒、及び、卑金属触媒等が収容されている。
【0042】
上記貴金属触媒等の存在によって、改質器101内では、具体的には、下記の(3)式のように、メタンの水蒸気改質反応が発生する。この反応によって、改質器101内にて、燃料電池セル2の燃料として使用される燃料ガス(水素ガスH)が生成され得る。
CH+HO→CO+3H …(3)
【0043】
以下、水蒸気改質反応が発生し得る最低温度を改質温度T2と呼ぶ。改質器101の温度が改質温度T2以上になると、改質器101内にて水蒸気改質反応が発生する。この水蒸気改質反応は吸熱反応である。したがって、水蒸気改質反応が発生すると、改質器101が吸熱される。
【0044】
燃料電池スタック100が運転状態(すなわち、燃料電池スタック100の温度が作動温度T1近傍に維持される状態)では、改質器101は、改質温度T2より高く作動温度T1より低い温度T3(以下、「作動温度T3」と呼ぶ)の近傍に維持されるように制御される。これにより、改質器101が水蒸気改質反応を安定して発生することができる。
【0045】
改質器101によって生成された燃料ガスは、導入管13及び燃料マニホールド1を経て、各燃料電池セル2のガス流路22に供給され、各発電素子部21の発電に利用される。そして、各発電素子部21において利用されなかった未反応の燃料ガスは、各ガス流路22の上端から排出される。
【0046】
各燃料電池セル2のガス流路22から排出された燃料ガスは、多孔質部材3の各流路31に導入される。また、各燃料電池セル2の間に供給された空気も多孔質部材3の各流路31に導入される。そして、各流路31内に導入された燃料ガス及び空気は、隔壁32を介して混合される。このため、燃料ガスの燃焼形態は予混合燃焼となり、安定した燃焼とすることができる。この結果、改質器101を十分に加熱することができる。
【0047】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0048】
変形例1
上記実施形態では、多孔質部材3の各流路31は上下方向に貫通していたが、特にこれに限定されない。例えば、図9に示すように、多孔質部材3は、複数の抵抗部34を有していてもよい。抵抗部34は、複数の流路31のうち一部の流路31内に配置されている。抵抗部34は、流路31内を上方に流れる燃料ガスの流れの抵抗となるように構成されている。例えば、抵抗部34は、コージェライト、窒化珪素、又は結晶化ガラスなどによって構成されている。抵抗部34の気孔率は、隔壁32の気孔率よりも低い。この構成によれば、抵抗部34が配置された流路31内を流れる燃料ガス又は空気は、抵抗部34に到達すると、隔壁32を介して隣の流路31へと流れる。この結果、燃料ガスと空気との混合をより促進することができる。
【0049】
変形例2
上記実施形態では、多孔質部材3はハニカム構造を有していたが、多孔質部材3の構成はこれに限定されない。例えば、図10に示すように、多孔質部材3は、スポンジ状であってもよい。この場合、燃料ガスは多孔質部材3内を上方に向かって流れる。多孔質部材3は、この上方に向かって流れる燃料ガスの抵抗となる抵抗部34を有していてもよい。例えば、多孔質部材3内の一部の気孔率を他の部分の気孔率よりも低くすることによって、燃料ガスの抵抗部34を構成してもよい。この構成によれば、抵抗部34が配置された流路31内を流れる燃料ガス又は空気は、抵抗部34に到達すると、流れ方向を変える。この結果、燃料ガスと空気との混合をより促進することができる。
【0050】
変形例3
図11に示すように、多孔質部材3の上面は、改質器101と対向する対向領域35と、対向領域35の外側に配置される外側領域36と、を有していてもよい。外側領域36は、改質器101と対向していない。この外側領域36は、対向領域35よりも緻密である。例えば、外側領域36において、緻密膜が形成されており、各流路31が塞がれている。この結果、外側領域36からは燃料ガスや空気が排出されず、対向領域35のみから燃料ガスや空気が排出される。したがって、より効率的に改質器101を加熱することができる。
【0051】
変形例4
また、上記実施形態において、多孔質部材3は各燃料電池セル2上に載置されているが、多孔質部材3の配置方法はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、多孔質部材3は、複数の凹部37を有していてもよい。各凹部37は、下方に開口している。この各凹部37に、各燃料電池セル2の上端部が嵌合する。
【0052】
また、図13に示すように、多孔質部材3は、燃料電池セル2の上面と間隔をあけて配置されていてもよい。この場合、図示しない支持部材などによって、多孔質部材3が支持されている。
【0053】
変形例5
上記実施形態では、燃料電池スタック100は加熱対象部材として改質器101を加熱しているが、燃料電池スタック100の加熱対象部材は改質器101に限定されない。例えば、周囲を流れる空気が燃料電池スタック100の加熱対象部材であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 :燃料マニホールド
11 :ガス流路
12 :支持基板
2 :燃料電池セル
20 :支持基板
21 :発電素子部
22 :ガス流路
3 :多孔質部材
31 :流路
32 :隔壁
33 :側面部
34 :抵抗部
35 :対向領域
36 :外側領域
100 :燃料電池スタック
101 :改質器
【要約】
【課題】加熱対象部材を十分に加熱することのできる燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック100は、燃料マニホールド1と、燃料電池セル2と、多孔質部材3と、を備えている。燃料電池セル2は、燃料マニホールド1から上方に延びている。燃料電池セル2は、支持基板、支持基板内を上下方向に延びるガス流路22、及び支持基板上に配置される発電素子部を有している。多孔質部材3は、ガス流路22の排出側端部を覆うように燃料電池セル2の上方に配置されている。多孔質部材3は、側面部が内部よりも緻密である。
【選択図】図6
図1
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図13