特許第6182302号(P6182302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182302
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ロール紙ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/40 20060101AFI20170807BHJP
   A47K 10/22 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   A47K10/40 Z
   A47K10/22 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-178298(P2012-178298)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-33922(P2014-33922A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】512210065
【氏名又は名称】長口 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】長口 陽一
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−005544(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3023277(JP,U)
【文献】 特開平07−275161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/22、10/38、10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙をはさんで両側に配置され内側面を対向配置した一対の保持部材と、前記保持部材が固定される背板部と、この保持部材の内側面から内方水平方向に突出し前記ロール紙の芯部材の両側開口に挿入状態となり前記ロール紙を前記保持部材間に支持する保持位置ならびに前記保持部材の内壁に沿って配置されて前記ロール紙の芯部が取り出し可能な取り外し位置、に回動可能な一対の保持突起と、前記保持突起を前記保持位置にむけて付勢する付勢手段とを備える保持部と、前記保持部の下方に配置され、前記保持突起に支持された状態から押し出されて前記保持突起から外れて落下する芯部材の落下位置に配置され、前記芯部材が通過できる大きさの開口部、および前記開口部からの前記芯部材を複数収納できる格納室を備えた回収箱とを備え、
前記保持部材は、前記保持突起がロール紙を保持する場合に、前記ロール紙の後方側において、前記保持突起から押し出された芯部材が下方に落下しうる空隙を前記背板部との間に有する長さ寸法に形成されていることを特徴とするロール紙ホルダー。
【請求項2】
ロール紙をはさんで両側に配置され内側面を対向配置した一対の保持部材と、この保持部材の内側面から内方水平方向に突出し前記ロール紙の芯部材の両側開口に挿入状態となり前記ロール紙を前記保持部材間に支持する保持位置ならびに前記保持部材の内壁に沿って配置されて前記ロール紙の芯部が取り出し可能な取り外し位置、に回動可能な一対の保持突起と、前記保持突起を前記保持位置にむけて付勢する付勢手段とを備える保持部と、前記保持部の下方に配置され、前記保持突起に支持された状態から押し出されて前記保持突起から外れて落下する芯部材の落下位置に配置され、前記芯部材が通過できる大きさの開口部、および前記開口部からの前記芯部材を複数収納できる格納室を備えた回収箱とを備え、前記格納室の前記開口部の手前側に、奥側に行くにつれて昇るよう配置され前記保持部材の間に挿入されるロール紙が案内される案内面を備えることを特徴とするロール紙ホルダー。
【請求項3】
前記一対の保持突起が沿って回動する平面は、水平面に対して60°をなし、前記案内面は、水平面に対して45°をなすことを特徴とする請求項2に記載のロール紙ホルダー。
【請求項4】
前記一対の保持突起は、前記保持位置と前記取り外し位置との間を移動するとき、前記一対の保持突起の回動中心を結ぶ線分を含む水平面に対して0°を越える所定の角度をなして手前側にむけ下がる平面に沿って回動することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のロール紙ホルダー。
【請求項5】
前記格納室は、前記芯部材を前後方向に複数列、高さ方向に複数段収納でき、
さらに前記格納室の底部には手前側に行くにつれて下る傾斜底面を形成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のロール紙ホルダー。
【請求項6】
前記保持部と、前記回収箱は建造物の壁面に取り付ける板状の基板に取り付けられて、前記回収箱は、前記基板から取り外しができることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のロール紙ホルダー。
【請求項7】
前記保持部には、この保持部の間に保持した前記ロール紙の上側を開閉可能に覆うとともに、その端部でロール紙から引き出したペーパーを切り取るカッター部を備えるカバー部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロール紙ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙ホルダーに係り、特に、下側前方から挿入されたロール紙を自動的に保持すると共に使用済みの芯を除去、収納することができるロール紙ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロール紙ホルダーにロール紙、例えばトイレットペーパーを容易に装着できることが要望されている。そして、このようなロール紙ホルダーとして、さまざまな構造のものが提案されている。
【0003】
特許文献1には、壁部に取り付けるための取付手段を有する保持具本体と、この保持具本体の両側に設けてある保持腕部と、この保持腕部の内側に設けてある保持装置と、トイレットペーパーを切断する切断具と、を備え、上記保持装置は、実質的に水平方向から垂直方向の範囲で回動する保持部材と、この保持部材に一端部が固定してある可撓性を有する中継具と、この中継具に作用して、常態においては上記保持部材を水平状態になるように付勢する引っ張りバネとを備え、保持部材が上下方向に可動するタイプのトイレットペーパーホルダーが開示されている。
【0004】
このように保持部材が上下方向に可動するように構成されたタイプのトイレットペーパーホルダーにあっては、トイレットペーパーを交換する場合には、ホルダー下方からトイレットペーパーを保持部材間にはめ込み、トイレットペーパーを押し込んだ場合には、トイレットペーパーの両側部が保持部材を上方へ押し上げて回動させ、芯部材である紙管が保持部材に対応する位置にくると、押し上げ力が解除されて保持部材が水平状態に戻り、紙管の内側に入る。これにより、トイレットペーパーは保持部材で保持される。
【0005】
【特許文献1】実開平07−36892公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来のロール紙ホルダーにあっては、ロール紙を補充するために、下方から新たなロール紙を挿入した際には、残っていた紙管は、新たなロール紙に押されることにより保持装置での保持が解除されて上方へ押し出され、カバー部材を押し上げた後に下方へ落下するか、又は、ロール紙とカバー部材との間に挟まれた状態となることから、紙管を手で掴み、ゴミ箱に捨てる必要がある。
また、一般に使用されているロール紙ホルダーにあっては、保持部材が前後方向に可動してロール紙を保持するように構成されたものもある。このようなロール紙ホルダーにおいて、ロール紙を交換する際には、まず、一方の手でカバー部材を開いて保持し、他方の手で新たなロール紙を保持部材に係合させるべくホルダー前方から挿入する。この場合、このようなタイプのホルダーにあっては、紙管が後方へ移動できるスペースがないことから、予め紙管を除去した上で新たなロール紙をロール紙ホルダーに挿入する必要がある。
【0007】
上記ように、いずれのタイプにあっても、紙管はその都度、廃棄処理しなければならないことから、処理は煩雑で、なおざりにされることがあり、紙管がロール紙ホルダーの周辺に落下し、放置されることもある。
【0008】
また、この紙管を処理するに際しては、紙管は水に溶けないため、下水に流すことはできないし、トイレにごみ箱を設置していないと、他の場所に配置してあるごみ箱に捨てることになり、面倒である。また、このようなごみ箱に捨てる面倒をきらい、その場に放置するケースも多い。さらに、この紙管をリビングルーム等のごみ箱に捨てたままにして、外側から視認できる状態とすることは、好ましいことではない。特に清潔を志向する人にとっては不愉快なことである。
【0009】
本発明は上述した課題にかんがみてなされたものであり、ロール紙を補充したとき、ロール紙ホルダーに残っている前のロール紙の芯部材が使用者の目に付くこともなくかつ手で掴み捨てる必要もなく、その場で外部から見えない状態で一時保管できるロール紙ホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決する請求項1に記載の発明は、ロール紙をはさんで両側に配置され内側面を対向配置した一対の保持部材と、前記保持部材が固定される背板部と、この保持部材の内側面から内方水平方向に突出し前記ロール紙の芯部材の両側開口に挿入状態となり前記ロール紙を前記保持部材間に支持する保持位置ならびに前記保持部材の内壁に沿って配置されて前記ロール紙の芯部が取り出し可能な取り外し位置、に回動可能な一対の保持突起と、前記保持突起を前記保持位置にむけて付勢する付勢手段とを備える保持部と、前記保持部の下方に配置され、前記保持突起に支持された状態から押し出されて前記保持突起から外れて落下する芯部材の落下位置に配置され、前記芯部材が通過できる大きさの開口部、および前記開口部からの前記芯部材を複数収納できる格納室を備えた回収箱とを備え、前記保持部材は、前記保持突起がロール紙を保持する場合に、前記ロール紙の後方側において、前記保持突起から押し出された芯部材が下方に落下しうる空隙を前記背板部との間に有する長さ寸法に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ロール紙の補充を容易に行うことができる他、ロール紙を補充したときロール紙ホルダーに残っている前のロール紙の芯部材は補充されたロール紙に押されて保持部から格納室の開口に落下して収納でき、複数のロール紙の芯部材をその場で外部から見えない状態で一時保管できる。
【0011】
同じく請求項2に記載の発明は、ロール紙をはさんで両側に配置され内側面を対向配置した一対の保持部材と、この保持部材の内側面から内方水平方向に突出し前記ロール紙の芯部材の両側開口に挿入状態となり前記ロール紙を前記保持部材間に支持する保持位置ならびに前記保持部材の内壁に沿って配置されて前記ロール紙の芯部が取り出し可能な取り外し位置、に回動可能な一対の保持突起と、前記保持突起を前記保持位置にむけて付勢する付勢手段とを備える保持部と、前記保持部の下方に配置され、前記保持突起に支持された状態から押し出されて前記保持突起から外れて落下する芯部材の落下位置に配置され、前記芯部材が通過できる大きさの開口部、および前記開口部からの前記芯部材を複数収納できる格納室を備えた回収箱とを備え、前記格納室の前記開口部の手前側に、奥側に行くにつれて昇るよう配置され前記保持部材の間に挿入されるロール紙が案内される案内面を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ロール紙を補充するに際して、ロール紙は案内面に沿って下側から奥側斜め上方にむけ保持部まで案内されるので、ロール紙の補充を容易に行うことができる。
【0012】
同じく請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のロール紙ホルダーにおいて、前記一対の保持突起が沿って回動する平面は、水平面に対して60°をなし、前記案内面は、水平面に対して45°をなすことを特徴とする。
本発明によれば、ロール紙を補充するに際して、ロール紙は45°をなす案内面に沿って下側から奥側斜め上方にむけ保持部まで案内されるので、ロール紙の補充を容易に行うことができるとともに、ロール紙を下側から奥側斜め上方にむけ保持部まで動かすと保持突起は水平面と60°をなす平面に沿って回動するので、ロール紙の補充を円滑に行うことができる。
【0013】
同じく請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のロール紙ホルダーにおいて、前記一対の保持突起は、前記保持位置と前記取り外し位置との間を移動するとき、前記一対の保持突起の回動中心を結ぶ線分を含む水平面に対して0°を越える所定の角度をなして手前側にむけ下がる平面に沿って回動することを特徴とする。
本発明によれば、ロール紙を前方の下側から斜め上にむけて押しつけることで、保持突起は回動する。そして、ロール紙の交換時、残された芯部材は、新たなロール紙で置側斜め上方に押し出され、回収箱の開口部にむけ落下して格納室に自動的に収納される。
【0014】
同じく請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のロール紙ホルダーにおいて、前記格納室は、前記芯部材を前後方向に複数列、高さ方向に複数段収納でき、さらに前記格納室の底部には手前側に行くにつれて下る傾斜底面を備えることを特徴とする。
本発明によれば、多数の芯部材を格納することができる他、芯部材は、最初の芯部材は、傾斜底面で前方に移動し、次の芯部材はその後側に配置される。この芯部材の移動は各列および各段において行われるので、複数の芯部材を格納室に整然と収納できる。
【0015】
同じく請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のロール紙ホルダーにおいて、前記保持部と、前記回収箱は建造物の壁面に取り付ける板状の基板に取り付けられて、前記回収箱は、前記基板から取り外しができることを特徴とする。
本発明によれば、回収箱に収納した芯部材を回収箱ごと所定の場所に運び、その場所で芯部材を取り出し、処分することができる。
【0016】
同じく請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のロール紙ホルダーにおいて、前記保持部には、この保持部の間に保持した前記ロール紙の上側を開閉可能に覆うとともに、その端部でロール紙から引き出したペーパーを切り取るカッター部を備えるカバー部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ロール紙の汚れを防止できる他、用紙を所望の長さで容易に切断することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るロール紙ホルダーによれば、ロール紙を補充したとき、ロール紙ホルダーに残っている前のロール紙の芯部材は補充されたロール紙に押されて保持部から格納室の開口に落下して収納でき、複数のロール紙の芯部材をその場で外部から見えない状態で一時保管できる。その結果、ワンアクションで新ロール紙の補充及び使い切ったロール紙の芯部材の除去、収納を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るロール紙ホルダーにロール紙を保持した状態を示す斜視図である。
図2】同ロール紙ホルダーのカバー部材を開けた状態を示す斜視図である。
図3】同ロール紙ホルダーのロール紙の補充状態を示す斜視図である。
図4】同ロール紙ホルダーのロール紙の補充状態を示す別の角度からの斜視図である。
図5】同ロール紙ホルダーの回収箱への紙管の収容状態を示す斜視図である。
図6】同ロール紙ホルダーにおける紙管の落下収納状態を示す図1中のA−A線に相当する断面模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための形態に係るロール紙ホルダーについて説明する。この実施形態では、ロール紙としてトイレットペーパーを例とする。ロール紙10は、芯部材である紙管11の周囲に長尺の用紙12を巻き付けて構成される。なお、ロール紙としては、トイレットペーパーに限らず、他のロール紙を対象とすることができる。
【0020】
図1は実施形態に係るロール紙ホルダーにロール紙を保持した状態を示す斜視図、図2は同ロール紙ホルダーのカバー部材を開けた状態を示す斜視図、図3は同ロール紙ホルダーのロール紙の補充状態を示す斜視図である。また、図4は同ロール紙ホルダーのロール紙の補充状態を示す別の角度からの斜視図、図5は同ロール紙ホルダーの回収箱への紙管の収容状態を示す斜視図、図6は同ロール紙ホルダーにおける紙管の落下収納状態を示す図1中のA−A線に相当する断面模式図である。
【0021】
ロール紙ホルダー100は、ロール紙ホルダー100が配置されるトイレの壁等に取り付ける平板状の基板110と、この基板110の表面に配置され、ロール紙10を取り付ける保持部120と、基板110の表面であって保持部120の下方に配置され、ロール紙10の紙管11を複数収納できる回収箱130とを備えている。保持部120は、基板110に取り外せない状態で固定されている。また、回収箱130は、内部に格納した紙管11を排出するため、基板110に取り外し可能に取り付けられている。
【0022】
まず保持部120について説明する。保持部120は、合成樹脂製の成型部材で構成される。保持部120は、ロール紙10をはさんで内側面を対向配置した一対の保持部材121、121と、保持部材121、121が固定される背板部200とを備える。保持部材121、121は、板状の部材であり、内側面121a、121aが対向配置されて、ロール紙10をはさむよう平行に配置される。この保持部材121の内側面121a、121aには、この内側面121aから内側に突出し、ロール紙10の紙管11の両側開口に挿入され、ロール紙10を回転可能に保持する一対の保持突起122、122を配置する。
上記保持部材121、121は、上記保持突起122、122のロール紙10を保持した場合に、ロール紙10の後方側において背板部200との間に、ロール紙10が配置され、その後、紙管11が下方に落下しうる空隙Dを有する長さ寸法に形成されている。
【0023】
保持突起122、122は、棒状の部材であり、保持位置(図3参照)と、取り外し位置(図4参照)と、の間を移動するよう保持部材121、121に配置される。このため、保持突起122、122は、保持部材121、121に基部(図示せず)を軸中心として回動できるよう取り付けられている。
【0024】
保持位置では、保持突起122、122は、内側に略水平状態で張り出し、ロール紙10を保持部材121、121間に支持する(図3参照)。すなわち保持位置では保持突起122、122は、ロール紙10の紙管11の両側開口から内方に入り込み、ロール紙10を回転可能に支持する。この状態でロール紙10は使用可能な状態となる。
【0025】
一方、取り外し位置では、保持突起122、122は、基部を軸中心として上方へ回動して保持部材121、121の内壁に沿って配置され、ロール紙10の紙管11が取り出し可能な状態となる(図4参照)。この状態で、ロール紙10あるいは、紙管11は、保持部120から取り外せる状態となる。また、この保持突起122、122と保持部材121、121との間には、保持突起122、122を常時保持位置にむけて付勢する付勢手段(図示していない)を備える。
【0026】
保持突起122、122は、保持部材121、121に対して、奥側斜め上方にむけ回動できるように取り付けている。保持部材121、121の内側には、夫々、回動した保持突起122、122を収納してロール紙10の挿入の妨げにならないよう収納する側面長方形状の凹部126、126を形成する。また、保持突起122、122は、図6に示すように、保持突起122、122の基部どうしを結ぶ線分を含む水平面H1に対して60°をなす平面Bに沿って回動する。
この構成により、図6に示すように、ロール紙10の補充に際して、ロール紙10の挿入を前方から斜め上方にむけ行え、保持突起122、122に残っている紙管11を奥向き斜め上方に円滑に押し出すことができる。なお、この角度は60°に限らず、必要に応じて他の角度とすることができる。
【0027】
また、保持部材121、121の上方には、保持部材121、121の間に配置されたロール紙10の上側を覆いロール紙10の汚れを防止するとともに、カッターとして使用できるカバー部材123を備える。カバー部材123は、保持部材121、121に回動自在に配置されている。カバー部材123は、ロール紙10の上方に配置される平板部124と、平板部124の前縁から前方下側にむけ延びるように配置され、前縁が用紙切断用のカッター部として使用される延設部125とから構成される。従って、上記構成により、ロール紙10を補充する際には、保持突起122、122が前後方向に回動する従来のホルダーとは異なり、カバー部材123を一方の手で保持しつつロール紙10を保持突起122、122に装着する必要がなく、ロール紙10を斜め下方から挿入した場合には、自動的にカバー部材123も斜め下方から押し上げられ、別途、カバー部材123を他方の手で保持しておく必要はない。従って、ロール紙10の交換及び残った芯部材としての紙管11の除去をワンアクションで行うことができる。
【0028】
次に回収箱130について説明する。回収箱130は、合成樹脂製の箱状の成型部材であり、図1図2および図6に示すように、保持部材121の下方位置において基板110に取り付けられる。回収箱130は、基板110から取り外せるよう磁石134(図6参照)を介して基板110に取り付けられる。磁石134は、回収箱130に接着され、基板110に設けた鉄板(図示していない)に吸着することにより、回収箱130を基板110に取り外し可能に固定する。なお、図中符号136は基板110に取り付けられ、基板110と回収箱130の間に配置され、回収箱130の取り付け姿勢を調整するスペーサーを示している。
【0029】
回収箱130は、底壁141、左右の側壁142、143、前壁144、奥壁145、および案内面である斜壁146を備えて箱状に構成されている。斜壁146と、奥壁145との間に開口部131を形成する。斜壁146はロール紙10の案内面をなし、図6に示すように、水平面H2に対して45°の角度で手前側にむけ下がる面をなすよう構成する。これにより、補充するロール紙10を保持部120の保持突起122、122にむけ案内できる。なお、この斜壁146が水平面H2となす角度は、必要に応じて他の角度とすることができる。
【0030】
また、底壁141、側壁142、143、前壁144、斜壁146の間に複数、この例では6つの紙管11を収納できる格納室132を形成する。開口部131の底部には、前方に行くに従って下向きの傾斜面を形成する傾斜底板135を配置する。
【0031】
開口部131は、保持突起122に支持された状態から押し出されて前記保持突起から外れて落下する紙管11の落下位置に形成する。また、開口部131は、前記芯部材が通過できる大きさを備える。このため、図6中矢印Cに示すように、保持突起122、122に保持された紙管11は、ロール紙10により押されてロール紙10の奥側の空隙Dに至り、その後下方へ落下し、紙管11は、開口部131から格納室132に入り、格納室132内に収納される。
【0032】
格納室132は、図5および図6に示すように、前後方向に2つの紙管11を並べて配置できる奥行き寸法、および上下方向に紙管11を3段重ねることができる高さ寸法を備える。このため、格納室132には、図5に示すように6個の紙管11を格納することができる。なお、格納室132の大きさは、必要に応じて大きくすることができ、所定の列数、所定の段数に紙管11を収納するものとすることができる。
【0033】
また、格納室132の底部には、傾斜底板135を配置しているので、落下してきた最初の紙管11は、格納室132の前側に転がり手前側に配置され、次の紙管11は後方に配置される。その上段においても紙管11は同様に配置され、図5および図6に示すように、6本の紙管11は、順次格納室132内に整然と配置される。
【0034】
そして、格納室132に紙管11がたまった状態で、回収箱130を基板110から取り外して所定の箇所まで運び、収納された紙管11を処分する。そして、空になった回収箱130を基板110に取り付ける。これにより回収箱130に紙管11を収納できる状態となる。
【0035】
以上説明したように、本発明に係るロール紙ホルダー100によれば、ロール紙10を補充したとき、ロール紙ホルダー100に残っている前の紙管11は補充されたロール紙10に押されて保持部120から格納室132の開口部131に落下して収納され、最大6個の紙管11を外部から見えない状態でその場で一時保管できる。
【符号の説明】
【0036】
10:ロール紙
11:紙管(芯部材)
12:用紙
100:ロール紙ホルダー
110:基板
120:保持部
121、121:保持部材
122、122:保持突起
123:カバー部材
124:平板部
126、126:凹部
130:回収箱
131:開口部
132:格納室
134:磁石
135:傾斜底板
141:底壁
142、143:側壁
144:前壁
145:奥壁
146:斜壁
200:背板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6