特許第6182351号(P6182351)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182351
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】編み物用マーカー
(51)【国際特許分類】
   D04B 3/00 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   D04B3/00
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-95127(P2013-95127)
(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公開番号】特開2014-214407(P2014-214407A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105039
【氏名又は名称】クロバー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】大江 加奈子
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−147290(JP,U)
【文献】 実開昭60−169283(JP,U)
【文献】 実開昭49−119562(JP,U)
【文献】 実開昭63−075373(JP,U)
【文献】 実開昭58−160180(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B 3/00−19/00
D04B23/00−39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長矩形板状のベース部と、
上記ベース部の長手方向一方端につながり、編み糸もしくは編み針に掛け止めるための掛止部と、
上記ベース部の長手方向他方側に設けられ、文字等の情報を担持可能な情報担持部と、を備え
上記掛止部は、上記ベース部から延びるように形成され、上記ベース部の短手方向一方端に連結された基端部から上記ベース部の長手方向一方側に延びつつ自由端である先端部にかけて鉤状に湾曲し、かつ弾性変形可能な棒状を呈しており、自然状態において、上記先端部は上記ベース部の短手方向他方端から当該短手方向他方側に離れた位置にあり、上記先端部と上記ベース部の短手方向他方端との間には開口が形成されており、
上記ベース部の長手方向一方端寄り、かつ短手方向他方端寄りには、弾性変形させた上記掛止部の上記先端部を係合させるための係合部が設けられており、上記先端部が上記係合部に係合するとき、上記掛止部と上記ベース部とが閉じたループを形成する、ことを特徴とする、編み物用マーカー。
【請求項2】
上記情報担持部は、上記情報を記入可能な情報記入媒体を保持することができる情報記入媒体保持部を含む、請求項1に記載の編み物用マーカー。
【請求項3】
上記係合部は、上記ベース部から立ち上がる起立部と、この起立部の先端から上記掛止部の上記基端部側に延びる延出部と、を含む、請求項1または2に記載の編み物用マーカー。
【請求項4】
上記情報記入媒体保持部は、上記ベース部との間に上記情報記入媒体を弾性的に挟持することができる挟持片を含む、請求項に記載の編み物用マーカー。
【請求項5】
上記挟持片は、その基端から先端に向かうほど上記ベース部に近づく基端側傾斜部と、上記基端側傾斜部につながり、先端に向かうほど上記ベース部から離れる先端側傾斜部と、を有する、請求項に記載の編み物用マーカー。
【請求項6】
上記ベース部には、上記挟持片に向かって突出し、上記基端側傾斜部および上記先端側傾斜部のうちの少なくともいずれか一方に当接あるいは近接する突出部が設けられている、請求項に記載の編み物用マーカー。
【請求項7】
上記ベース部、上記掛止部および上記情報記入媒体保持部は、合成樹脂により一体形成される、請求項2、4ないし6のいずれかに記載の編み物用マーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編み作業の途中等において編み糸等に目印として掛け止めるための編み物用マーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
編み作業において、たとえば編み物に目印を付けるために編み物用マーカーが用いられる(たとえば、特許文献1を参照)。編み物用マーカーは、たとえば所定の段数ごとに編み方を変える模様編みを行う場合、段数を数えやすくするために用いられる。この場合、予め決めておいた段数ごとの編み糸に編み物用マーカーを掛け止める。このように編み物用マーカーを編み物に付けておけば、作業を中断した場合においても、編み作業を再開する際には編目の段数を数え直す必要がなく、編み作業の効率を高めることができる。
【0003】
しかしながら、従来の編み物用マーカーの使用においては、目印として付した段数が幾つであるかを覚えておく必要がある。また、段数等の目印以外の用途で使用することが困難であり、使い勝手の面で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平4−10235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、種々の用途に使用することを可能とし、使い勝手に優れる編み物用マーカーを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される編み物用マーカーは、ベース部と、上記ベース部につながり、編み糸もしくは編み針に掛け止めるための掛止部と、上記ベース部に設けられ、文字等の情報を担持可能な情報担持部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
好ましい実施の形態においては、上記情報担持部は、上記情報を記入可能な情報記入媒体を保持することができる情報記入媒体保持部を含む。
【0009】
好ましい実施の形態においては、上記掛止部は、上記ベース部から延びるように形成され、上記ベース部に連結された基端部から自由端である先端部にかけて鉤状に屈曲または湾曲し、かつ弾性変形可能な棒状を呈しており、自然状態において上記先端部と上記ベース部との間には開口が形成されている。
【0010】
好ましい実施の形態においては、上記ベース部には、弾性変形させた上記掛止部の上記先端部を係合させるための係合部が設けられており、上記先端部が上記係合部に係合するとき、上記掛止部と上記ベース部とが閉じたループを形成する。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記係合部は、上記ベース部から立ち上がる起立部と、この起立部の先端から上記掛止部の上記基端部側に延びる延出部と、を含む。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記情報記入媒体保持部は、上記ベース部との間に上記情報記入媒体を弾性的に挟持することができる挟持片を含む。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記ベース部は、上記掛止部を含む面内方向に延びる板状を呈している。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記挟持片は、その基端から先端に向かうほど上記ベース部に近づく基端側傾斜部と、上記基端側傾斜部につながり、先端に向かうほど上記ベース部から離れる先端側傾斜部と、を有する。
【0015】
好ましい実施の形態においては、上記ベース部には、上記挟持片に向かって突出し、上記基端側傾斜部および上記先端側傾斜部のうちの少なくともいずれか一方に当接あるいは近接する突出部が設けられている。
【0016】
好ましい実施の形態においては、上記掛止部の上記先端部は、先細り状である。
【0017】
好ましい実施の形態においては、上記ベース部、上記掛止部および上記情報記入媒体保持部は、合成樹脂により一体形成される。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る編み物用マーカーの一例を示す斜視図である。
図2図1に示す編み物用マーカーの正面図である。
図3図2に示す編み物用マーカーの左側面図である。
図4】編み物用マーカーの使用状態を説明するための正面図である。
図5図4のV−V線に沿う部分拡大断面図である。
図6】本発明に係る編み物用マーカーの他の例を示す正面図である。
図7】本発明に係る編み物用マーカーの他の例を示す正面図である。
図8】本発明の参考例に係る編み物用マーカーを示す正面図である。
図9図8に示す編み物用マーカーの使用状態を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1図3は、本発明に係る編み物用マーカーの一実施形態を示している。図1および図2に表れているように、本実施形態の編み物用マーカーA1は、ベース部1と、掛止部2と、ベース部1に設けられる情報記入媒体保持部3とを備えており、たとえば編み作業の途中等において編み糸に掛け止めて使用するものである。
【0022】
掛止部2は、ベース部1から延びるように形成されており、編み糸に掛け止める部分である。より具体的には、掛止部2は、基端部21から先端部22にかけて鉤状に湾曲しており、弾性変形可能な棒状を呈している。掛止部2は、所定の平面(図2においては紙面の面内方向)に沿うように形成されている。
【0023】
基端部21は、ベース部1に連結されている。その一方、先端部22は自由端とされており、自然状態において、先端部22とベース部1との間には開口4が形成されている。先端部22は、後述の係合部11に係合させられる部分であり、先細り状となっている。
【0024】
ベース部1は、編み物用マーカーA1の主要部分を構成しており、所定の厚みを有する板状とされている。本実施形態では、図1図3に表れているように、ベース部1は、掛止部2を含む面内方向に延びており、図2における左右方向に所定幅を有し、かつ図2における上下方向に長状とされている。上記掛止部2の基端部21は、ベース部1の長手方向yの一方端(図2における上方端)、かつ短手方向xの一方端(図2における右方端)である位置に連結されている。掛止部2の先端部22は、図2においてベース部1の左方に位置する。
【0025】
本実施形態において、ベース部1の長手方向yにおける一方端寄りには、係合部11が設けられている。係合部11は、弾性変形させた掛止部2の先端部22を係合させるためのものであり、ベース部1の短手方向xの他方端寄り(図2における左方寄り)に位置している。
【0026】
係合部11は、起立部111,112および延出部113を含んで構成されている。起立部111は、ベース部1の一方の面1a(図2における上面)から厚さ方向zに立ち上がっている。延出部113は、起立部111の先端から掛止部2の基端部21側(図2における右側)に延びている。
【0027】
起立部112は、起立部111に対してベース部1の長手方向yにおける他方側の端部(図2における下方端)に位置し、ベース部1の一方の面1aから厚さ方向zに立ち上がっている。起立部112は、起立部111の端部から掛止部2の基端部21側(図2における右側)に延びている。ベース部1には、係合部11の近傍において孔12が形成されている。孔12は、正面視において延出部113と重なっており、ベース部1の厚さ方向zに貫通している。
【0028】
図2に表れているように、ベース部1の長手方向yにおける他方端寄り(図2における下方端寄り)には、孔13および突出部14,15が形成されている。孔13は、ベース部1の厚さ方向zに貫通している。
【0029】
突出部14,15は、それぞれベース部1の一方の面1aから突出しており、ベース部1の長手方向yに並んでいる。また、突出部14,15は、各々、ベース部1の短手方向x(図2における左右方向)に沿って延びており、孔13を跨いで突条に形成される。これら突出部14,15の意義については後述する。
【0030】
情報記入媒体保持部3は、文字等の情報を記入可能な情報記入媒体を保持するためのものである。本実施形態では、情報記入媒体保持部3は、起立片31および挟持片32を含んで構成されている。起立片31は、ベース部1の長手方向yにおける中間に設けられており、一方の面1aから立ち上がっている。起立片31は、ベース部1の短手方向xに沿って延びている。
【0031】
挟持片32は、起立片31の先端からベース部1の長手方向yにおける他方端に向かって延びている。図3に表れているように、挟持片32は、ベース部1に対向しており、挟持片32のばね性によって、ベース部1との間にメモ用紙などの情報記入媒体を弾性的に挟持することができるように構成されている。より具体的には、挟持片32は、基端側傾斜部321および先端側傾斜部322を有し、くの字状に屈曲して当該屈曲部位がベース部1に当接あるいは近接している。すなわち、基端側傾斜部321は基端から先端に向かうほどベース部1に近づいており、先端側傾斜部322は先端に向かうほどベース部1から離れる。本実施形態では、基端側傾斜部321にはベース部1の突出部14が当接し、あるいは僅かな隙間を介して近接しており、先端側傾斜部322には突出部15が当接し、あるいは僅かな隙間を介して当接している。
【0032】
上記したベース部1、掛止部2および情報記入媒体保持部3を含んで構成される編み物用マーカーA1は、たとえばポリアセタール樹脂などの所定の強度を有する合成樹脂により一体形成される。編み物用マーカーA1の形成は、3つ以上の割型からなる成形型を用いることにより行うことができる。
【0033】
次に、本実施形態の編み物用マーカーA1の作用について説明する。
【0034】
編み物用マーカーA1を使用する際には、図4に表れているように、まず、情報記入媒体保持部3によってメモ用紙などの情報記入媒体5を保持させる。情報記入媒体5には、文字等の情報51が筆記具によって記入されている。情報記入媒体5は、ベース部1と挟持片32との間に差し込むことにより保持される。
【0035】
次に、ベース部1と掛止部2の先端部22との間の開口4を通じて掛止部2の内側に編み糸Y1を通す。そして、掛止部2を、図4において仮想線で表す自然状態から弾性変形させて係合部11に係合させる。ここで、図4において実線で示すように、掛止部2とベース部1とにより閉じたループが形成される。
【0036】
編み物用マーカーA1においては、情報記入媒体保持部3によって情報記入媒体5を保持させることができる。情報記入媒体5に記入される情報51としては、段数の表示の他にも編地に関する内容表示、毛糸の名前や編み針のサイズ等の種々の情報を採用することができる。したがって、編み物用マーカーA1によれば、種々な情報51を付属させることができ、種々の用途に使用することができる。
【0037】
編み物用マーカーA1の使用時には、掛止部2と係合部11とが閉じたループを形成する。これにより、編み物用マーカーA1が編み糸Y1から脱落するのを防止することができる。
【0038】
係合部11は、ベース部1から立ち上がる起立部111と、この起立部111の先端から掛止部2の基端部21側に延びる延出部113とを含む。図4図5を参照すると理解されるように、掛止部2を係合部11に係合させるときには、掛止部2の弾性復元力が図中左側に向けて作用する。上記した係合部11の構成によれば、掛止部2の先端部22は、ベース部1、起立部111および延出部113によって囲まれているので、当該先端部22が係合部11から意図せずに外れるといった不具合を適切に回避することができる。
【0039】
情報記入媒体保持部3は、ベース部1との間に情報記入媒体5を弾性的に挟持することができる挟持片32を含んでいる。このような構成によれば、情報記入媒体5は、挟持片32の先端側からベース部1と挟持片32との間に差し込むことにより保持させることができる。また、挟持片32は、基端側傾斜部321および先端側傾斜部322を有する。そして、これら傾斜部321,322の境界が屈曲しており、当該屈曲部位がベース部1に当接あるいは近接している。このため、挟持片32とベース部1との間に情報記入媒体5を適切に挟み付けることができる。さらに、挟持片32の先端側傾斜部322は、先端に向かうほどベース部1から離れる。これにより、情報記入媒体5をベース部1および挟持片32の間に差し込む際に、情報記入媒体5は、先端側傾斜部322に案内されてスムーズに差しこまれる。
【0040】
図3に表れているように、本実施形態では、基端側傾斜部321はベース部1に設けられた突出部14に当接あるいは近接し、先端側傾斜部322はベース部1に設けられた突出部15に当接あるいは近接している。このような構成によれば、情報記入媒体5に対する接触面積を増やすことができるとともに、差し込み方向において離れた複数の部位によって情報記入媒体5が挟み付けられる。したがって、挟持片32とベース部1との間に挟持された情報記入媒体5が差し込み方向にずれるのを抑制することができる。
【0041】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る編み物用マーカーの具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0042】
上記実施形態においては、情報記入媒体保持部3として挟持片32を備える場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。情報記入媒体保持部については、情報記入媒体5を保持することが可能であれば他の構成を採用してもよい。図6は、情報記入媒体保持部について異なる構成を採用した場合を示している。図6に示された編み物用マーカーA2は、情報記入媒体5を吊るすためのリング部材33を有する。リング部材33は、一部に開口を有する開いた状態と、ループ状に閉じた状態とをとるように構成されている。リング部材33を、ベース部1に形成された孔16に通すとともに、吊下げ用の孔52を有するメモ用紙などの情報記入媒体5の当該孔52に通す。リング部材33を閉じておけば、このリング部材33によって情報記入媒体5を吊り下げて保持することができる。
【0043】
図6に示した構成においては、次のような使用が可能となる。まず、複数の情報記入媒体5をリング部材33に重ねて保持させておく。次に、編み物用マーカーA2の使用時に、1枚の情報記入媒体5に情報を記入し、掛止部2を編み糸に掛け止める。編み糸から編み物用マーカーA2を取り外した後に、記入された情報記入媒体5をちぎる。次回使用する際に、リング部材33に吊り下げられた別の情報記入媒体5に情報を記入する。
【0044】
上記実施形態において、文字等の情報を担ぎ持つための情報担持部の一例として情報記入媒体保持部3を具備する構成を例に挙げたが、これに限定されない。上記実施形態では、情報記入媒体5に情報を記入してこの情報記入媒体5を保持する構成とされていたが、これに代えて、情報担持部を直接設ける構成にしてもよい。図7は、情報担持部を備える場合を示している。図7に示された編み物用マーカーA3において、ベース部1の面1aに情報担持部34が設けられている。情報担持部34は、専用の筆記具による書き込み、および、専用の消去具による拭き取りが可能な書き込み面34aを有する。
【0045】
上記実施形態において、掛止部2を編み糸Y1に掛け止めて使用する場合を例に挙げて説明したが、掛止部については、たとえば編み針に掛け止めて使用するものとすることができる。図8は、掛止部について上記実施形態と異なる構成を採用した参考例を示している。図8に示された編み物用マーカーA4は、掛止部2’を有する。掛止部2’は、無端リング状とされており、ベース部1に形成された孔17に通されている。孔17は、ベース部1の長手方向yにおける一方端寄りに位置し、ベース部1の厚さ方向zに貫通している。このような構成により、ベース部1と掛止部2’とはつながっており、ベース部1は、掛け止部2’に吊り下げられる。
【0046】
図9に示すように、編み物用マーカーA4においては、掛止部2’の内側に編み針Nを通すことにより掛止部2’を編み針Nに掛け止めることができる。編み物用マーカーA4は、たとえば編地Fの横方向の編み目数の目印として使用することができる。情報記入媒体5に記入される情報51としては、編み目数の表示の他にも編地Fに関する内容表示、毛糸の名前や編み針Nのサイズ等の種々の情報を採用することができる。
【符号の説明】
【0047】
A1,A2,A3,A4 編み物用マーカー
F 編地
N 編み針
Y1 編み糸
1 ベース部
11 係合部
111 起立部
112 起立部
113 延出部
12,13 孔
14,15 突出部
16,17 孔
2,2’ 掛止部
21 基端部
22 先端部
3 情報記入媒体保持部
31 起立片
32 挟字片
33 リング部材
34 情報担持部
34a 書き込み面
321 基端側傾斜部
322 先端側傾斜部
4 開口
5 情報記入媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9