(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182377
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】自家発電により発光する応援用発光棒チューブ
(51)【国際特許分類】
A63H 33/22 20060101AFI20170807BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20170807BHJP
A63H 37/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
A63H33/22 A
A63H5/00 C
A63H37/00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-151878(P2013-151878)
(22)【出願日】2013年7月22日
(65)【公開番号】特開2014-18675(P2014-18675A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2016年7月20日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0080185
(32)【優先日】2012年7月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513184301
【氏名又は名称】松栄商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(74)【代理人】
【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司
(72)【発明者】
【氏名】キム・ソンウク
【審査官】
奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0051003(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3007770(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3099832(JP,U)
【文献】
特表昭62−500635(JP,A)
【文献】
特開2010−119497(JP,A)
【文献】
実開平3−13197(JP,U)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0429791(KR,Y1)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0224712(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光手段を備えた応援用発光棒チューブにおいて、合成樹脂素材で形成された棒状で、空気を外部から内部に注入するための注入口が形成された棒チューブと、前記棒チューブの内側に固定設置され、空気の流通のための垂直貫通孔と内部空間が形成された駆動部本体と、前記駆動部本体の中央部に固定設置され、カムが回転軸に結合された発電手段と、前記駆動部本体の内部空間に設置され、前記発電手段に電気的に接続されて電気エネルギーを供給される駆動回路部と、前記駆動部本体の外部面に設置され、前記駆動回路部に電気的に接続されており、前記駆動回路部によって発光が制御されるLED発光素子とを含み、前記棒チューブは、前記駆動部本体が設置された位置から上部と下部に分離し、前記駆動部本体にそれぞれ融着されることを特徴とする自家発電により発光する応援用発光棒チューブ。
【請求項2】
前記請求項1に記載の自家発電により発光する応援用発光棒チューブにおいて、前記駆動部本体に設置され、前記駆動回路部に電気的に接続されるスピーカーと、前記駆動回路部に実装され、前記スピーカーによりサウンドを出力するための情報が保存されたサウンドチップとをさらに含むことを特徴とする自家発電により発光する応援用発光棒チューブ。
【請求項3】
前記請求項1に記載の自家発電により発光する応援用発光棒チューブにおいて、前記カムが回転軸に結合された発電手段と電気的に接続されて充電され、充電された電気エネルギーを前記駆動回路部に供給する充電部とをさらに含むことを特徴とする自家発電により発光する応援用発光棒チューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ競技などを観覧する時に応援のために使用される応援用具のうちの一つの棒状のチューブに関するもので、特に内部に電気エネルギーによって発光するLED発光手段を具備した応援用発光棒チューブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
別名、応援用棒風船と称する応援用棒チューブは、合成樹脂素材で形成された棒状の風船で、内部に空気を注入して使用する。
【0003】
このような通常の応援用棒チューブの場合、その大部分が1回用として使用されており、競技終了後に大部分がゴミとして排出され、リサイクルできないという問題がある。
【0004】
また、上記のような問題とともに、応援用棒チューブが単純な棒状の風船に過ぎず、夜間にこれを使用する場合、応援用具として特別な興味を誘発することができないという問題がある。
【0005】
上記のような問題点を解決するために、従来技術として出願番号20−2006−0013775号「発光装置が備えられた棒風船」が開示された。
【0006】
上記の従来技術は、バッテリーとIC集積回路と接続溝を形成した回路基板と、前記回路基板に形成されたバッテリーを覆って固定しながら、上側に前記バッテリーと接続を成す接続端子を形成し、下側に前記接続溝と結合される接続部を形成したバッテリーケースと、前記回路基板の一方に接続される第1電線と前記第1電線の端部に接続される衝撃センサーを形成した衝撃感知部と、前記衝撃感知部が形成されなかった回路基板の他方に接続される多数個の長短の第2電線と、前記第2電線の端部に接続されるLEDランプを形成した発光部で形成される発光装置と、前記回路基板とバッテリーケースと衝撃感知部と発光部の表面とをコーティング処理したコーティング部と、前記発光装置と棒風船を接続する接続部で構成された発光装置とが備えられた棒風船を特徴とする。
【0007】
また、他の従来技術の出願番号20−2000−0033758号「棒風船」が開示された。
【0008】
上記従来技術は、長い棒型の風船本体と、前記風船本体の一端に結合され前記風船本体の長さ方向に照明することができる照明ユニットとを含むことを特徴とする。これにより、風船本体の発光によるパフォーマンス効果が高く、照明が暗い夜間でも使用することができる棒風船を特徴とする。
【0009】
上記のような従来技術は、従来の空気だけを注入した応援用棒チューブに比べてリサイクルが可能で夜間でもより効果的な応援用具として使用できる効果があるが、内部に設置された発光手段を駆動するための電源供給手段(バッテリー)を含む関係により、駆動寿命に限りがあり、一定時間の使用後には前記バッテリーを交換しなければ持続して使用できないという問題がある。
【0010】
また、発光以外に追加的に応援の興味を誘発させる機能を提供できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国特許第20−2006−0013775号公報
【特許文献2】韓国特許第20−2000−0033758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために創案されたもので、持続的に使用可能な応援用発光棒チューブを提供することを目的として、発光機能以外に追加的に応援の興味を誘発させることができる機能を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブは、上記のような解決しようとする課題を達成するために、発光手段を備えた応援用発光棒チューブにおいて、合成樹脂素材で形成された棒状で、空気を外部から内部に注入するための注入口が形成された棒チューブと、前記棒チューブ内側に固定設置され、空気の流通のために垂直貫通孔と内部空間が形成された駆動部本体と、前記駆動部本体の中央部に固定設置され、カムが回転軸に結合された発電手段と、前記駆動部本体の内部空間に設置され、前記発電手段に電気的に接続されて電気エネルギーを供給される駆動回路部と、前記駆動部本体の外部面に設置され、前記駆動回路部に電気的に接続されて前記駆動回路部によって発光が制御されるLED発光素子とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記棒チューブは、前記駆動部本体が設置された位置から上部と下部に分離し、前記駆動部本体にそれぞれ融着することとを特徴とする。
【0015】
また、前記駆動部本体に設置され、前記駆動回路部に電気的に接続されるスピーカーと、前記駆動回路部に実装され、前記スピーカーでサウンドを出力するための情報が保存されたサウンドチップとをさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記カムが回転軸に結合された発電手段と電気的に接続され、充電され、充電された電気エネルギーを前記駆動回路に供給する充電部とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記のような技術的特徴を通して自家発電により発光する応援用発光棒チューブを提供する効果があり、これを通して従来発光棒チューブに比べて持続的に使用が可能となる効果がある。
【0018】
また、持続的に使用が可能な応援用発光棒チューブを提供することにより、一回使用にともなうゴミの排出を減らすことができる効果がある。
【0019】
また、発光と共にサウンドを出力することにより、応援の興味を誘発させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの全体的な外観を示す図である。
【
図2】本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの実施例を示す図である。
【
図3】本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの駆動部本体を示す図である。
【
図4】本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの電気的な接続構造を概念的に示す図である。
【
図5】本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの実施例にともなう電気的な接続構造を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明を実施することができる特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できるように充分に詳細に説明される。本発明の多様な実施例はそれぞれ異なるが、相互排他的である必要はないということが理解されなければならない。例えば、ここに記載されている特定形状、構造および特性は、一実施例に関連して本発明の技術的思想および範囲を逸脱しなければ、他の実施例として実装することができる。また、それぞれの開示された実施例内の個別構成要素の位置または配置は、本発明の技術的思想および範囲を逸脱せずに変更されたり理解されなければならない。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取ろうとするのではなく、本発明の範囲は、その請求項が主張するものと等しい全ての範囲とあわせて添付された請求項によってのみ限定される。図面で類似の参照符号は、多方面にわたり同一、または類似の機能を指し示す。
【0022】
図1は、本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの全体的な外観を示す図面である。上記
図1に図示した通り、本発明は注入口(110)が形成された棒チューブ(10)、駆動部本体(20)、カム(310)が回転軸に結合された発電手段(30)、駆動回路部(未図示)およびLED発光素子(50)を含めて構成される。
【0023】
前記注入口(110)が形成された棒チューブ(10)は、通常のエアチューブを製作するために使用する素材であるPE(PolyEthylene)やPVC(PolyVinyl Chloride)のような熱可塑性合成樹脂を利用して密閉された棒状のチューブを作り、前記密閉された棒状のチューブ内部に空気を注入したり排出させることができる注入口(110)を形成する。
【0024】
前記棒状のチューブは、透明または色が入った半透明にすることが望ましく、様々な文面ないしロゴのようなイメージなどを印刷することができる。
【0025】
前記注入口(110)は、通常のエアチューブのような製品において、一般的に空気をチューブ内に注入したり排出させるために使用されるもので、ある特定の形態に限定されず、様々な形態にすることができる。
【0026】
このように、本発明の注入口(110)が形成された棒チューブ(10)は、内部に空気を注入して使用する通常の棒状のチューブと類似の材質および形態を持つ。
【0027】
また、
図2の本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの実施例を示す図面で図示した通り、前記駆動部本体(20)が設置された位置で上部(10−1)と下部(10−2)に分離して成され、前記上部(10−1)と前記下部(10−2)は、前記駆動部本体(20)にそれぞれ融着して結合する。
【0028】
すなわち、上部(10−1)の開放部と下部(10−2)の開放部のそれぞれを駆動部本体(20)の外面に融着させて密閉された内部空間を形成することとなる。
【0029】
このように棒チューブ(10)を上部(10−1)と下部(10−2)に分離して駆動部本体(20)にそれぞれを融着させて結合させることで、駆動部本体(20)の棒チューブ(10)内への設置が容易で、駆動部本体(20)に設置された部品の維持保守が容易となる。
【0030】
前記融着は、合成樹脂を結合させる超音波融着のような多様な方法で成される。
【0031】
前記駆動部本体(20)は、上記
図1で図示した通り、前記棒チューブ(10)の内側に固定設置されることにより空気の流通のための垂直貫通孔(210)と内部空間(220)が形成される。
【0032】
前記垂直貫通孔(210)は、棒チューブ(10)の上部側または上記
図1のように下部側に形成された注入口(110)を通して注入される空気を駆動部本体(20)により空間的に分離した棒チューブ(10)の内部に注入するための手段である。
【0033】
すなわち、上記
図1で図示した通り、棒チューブ(10)の密閉された内部は、中間に位置する駆動部本体(20)により上部側内部と下部側内部に分離し、下部側に位置した注入口(110)を通して注入された空気は、駆動部本体(20)の垂直貫通孔(210)を通して上部側の内部に注入される。
【0034】
前記垂直貫通孔(210)は、必要に応じて1個または多数個形成される。
【0035】
このような駆動部本体(20)は、
図3の本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの駆動部本体(20)を示す図面に図示した通り、垂直貫通孔(210)を形成して発電手段(30)が挿入設置される挿入溝(230)を形成し、内部空間(220)が形成されるように所定の高さを持つ形態として、分離および結合される構造を持つことが望ましい。
【0036】
前記内部空間(220)には、駆動回路部などが位置することができる。
【0037】
前記カム(310)が回転軸に結合された発電手段(30)は、前記駆動部本体(20)の中央部に形成された挿入溝(230)に挿入されて固定設置されることで、携帯用ミニ発電機と称する小型手動発電機により、電磁気コイルが巻かれた回転軸を回転させることによって発電される。
【0038】
本発明のカム(310)が回転軸に結合された発電手段(30)は、棒チューブ(10)に位置が固定された駆動部本体(20)に結合されており、使用者が棒チューブ(10)を振ったり、互いに当たれば、前記カム(310)により回転軸が回転して発電が成される。
【0039】
すなわち、前記回転軸にカム(310)が結合されていて、慣性によってカム(310)が回転を始めると、小さな揺れでも継続してカム(310)が回転軸を回転させる。
【0040】
前記駆動回路部(40)は、
図4の本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの電気的な接続構造を概念的に示す図面で図示した通り、前記発電手段(30)に電気的に接続され、前記発電手段(30)により発電された電気エネルギーを供給され、前記LED発光素子(50)を駆動させるための手段である。
【0041】
前記駆動回路部(40)は、一般的にLED発光素子を駆動するための通常の回路で成されるもので、前記LED発光素子(50)を点滅させる。
【0042】
このような駆動回路部(40)は、前記発電手段(30)で発電された場合、発電した電気エネルギーによって直ちに前記LED発光素子(50)を駆動させることができ、また、別途のオン/オフスイッチのようなスイッチング手段によってその駆動の有無を選択することができる。
【0043】
また、駆動回路部(40)に含まれるLED発光制御チップと同じ回路素子によって、様々な形態でLED発光素子(50)を制御することができる。
【0044】
このような駆動回路部(40)は、前記駆動部本体(20)の内部空間(220)に位置し、前記発電手段(30)およびLED発光素子(50)と電気的に接続されることが望ましい。
【0045】
前記LED発光素子(50)は、通常的に発光ダイオード(Light Emitting Diode)と称する発光素子として、上記
図1に図示した通り、前記駆動部本体(20)の外部面に設置され、上記
図4に図示した通り、前記駆動回路部(40)に電気的に接続され、前記駆動回路部(40)により発光される。
【0046】
このようなLED発光素子(50)は、上記
図1に図示した通り、駆動部本体(20)の上部面に多数個設置したり、また、下部面に追加で設置することができる。
【0047】
また、白色光、青色光、赤色光、黄色光などを発散する多様な発光ダイオードで成されることができる。
【0048】
さらに、本発明は、上記
図1および
図5の本発明の自家発電により発光する応援用発光棒チューブの実施例にともなう電気的な接続構造を概念的に示す図面に図示した通り、駆動部本体(20)に設置され、前記駆動回路部(40)に電気的に接続されるスピーカー(60)と前記駆動回路部(40)に実装されて前記スピーカー(60)からサウンドを出力するための情報が保存されたサウンドチップ(410)をさらに含む。
【0049】
例えば、前記サウンドチップ(410)にプロ野球団の応援スローガンないし応援歌などのようなサウンド情報が保存されていて、前記駆動回路部(40)の駆動信号により前記サウンドチップ(410)に保存されたサウンド情報を出力して前記スピーカー(60)を通してサウンドを出力する。
【0050】
特に、前記スピーカー(60)を通して出力されるサウンドは、棒チューブ(10)内で共鳴して効果的なサウンドで出力される。
【0051】
また、上記
図5に図示した通り、カム(310)が回転軸に結合された発電手段(30)と電気的に接続されて充電され、充電された電気エネルギーを前記駆動回路部(40)に供給する充電部(70)をさらに含むことが望ましい。
【0052】
前記充電部(70)は、電気エネルギーを保存する蓄電手段と蓄電手段に充電が成されるようにする充電回路を含む。
【0053】
前記蓄電手段は、リチウムポリマーバッテリーであることが望ましく、前記充電回路はリチウムポリマーバッテリーを充放電させる回路であることが望ましい。
【0054】
また、前記蓄電手段は、前記駆動部本体(20)の内部空間(220)に位置することが望ましく、前記充電回路は、前記駆動回路部(40)に含まれることが望ましい。
【0055】
このような充電部(70)を通して、前記発電手段(30)で発電が成されていない状態でも前記充電部(70)に保存された電気エネルギーにより前記LED発光素子(50)を発光させたりサウンドを出力する。
【0056】
以上、本発明における望ましい実施例に基づいて説明したが、本発明の技術的思想はこれに限定されず、請求項に記載された範囲内で変形や変更実施が可能なことは、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者には明白なことであり、そのような変形や変更は、添付された特許請求の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0057】
10:棒チューブ
20:駆動部本体
30:発電手段
40:駆動回路部
50:LED発光素子
60:スピーカー
70:充電部
110:注入口
210:垂直貫通孔
220:内部空間
230:挿入溝
410:サウンドチップ