(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記患者特有の面が、前記関節の対応する関節面と整合される時に、前記ガイド開口は、前記脛骨の脛骨プラトーから所定の距離に前記切断ツールのための切断経路を提供するために、前記脛骨を通る平面に沿って整合される
ことを特徴とする請求項15に記載の患者特有の外科ツール。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下の説明は、当業者が本発明を作成して使用できるよう、提示するものである。説明される実施形態への様々な変更は、当業者には容易に明白なものとなるであろうし、さらに、本明細書に定義される一般的な原則は、添付の請求項により定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途に適用可能なものである。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図したものではなく、本明細書において開示された原則および特徴と矛盾しない、最も広い範囲に一致するものである。開示された本発明を完全に理解するために必要な範囲で本明細書で引用した、全ての発行された特許、特許公報、および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。なお、この特許出願は、少なくとも1枚のカラー図面を含んでいる。このカラー図面を備えたこの特許のコピーは、必要な料金を支払って要求すると、特許商標局により提供される。
【0047】
当業者ならば理解されるように、本発明の実施に際しては、他の方法が示されていない限り、当技術分野内のX線撮像ならびに処理、X線断層合成、Aスキャン、BスキャンおよびCスキャンを含む超音波、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)、磁気共鳴撮像(MRI)、光コヒーレンス断層撮影、単光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)、および陽電子射出断層撮影(PET)という従来の方法が使用されている。こうした技術は、文献に完全に説明されており、本明細書において説明する必要はない。たとえば、以下を参照のこと。スタウト(Stout)およびジェンセン(Jensen)編「X線構造測定:実用的案内」(X−Ray Structure Determination:A Practical Guide)第2版、1989、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)出版。スローン(Slone)編「ボディーCT:実践的手法」(Body CT:A Practical Approach)、1999、マックグロー・ヒル(McGraw−Hill)出版。ラム(Lam)編「X線診断:外科医の手法」(X−ray Diagnosis:A Physician‘s Approach)、1998、スプリンガー・ベルラグ(Springer−Verlag)出版。および、ラエティティア・ブロックルバンク(Laetitia Brocklebank)編「歯の放射線学:X線画像の理解」(Dental Radiology:Understanding the X−Ray Image)、1997、オクスフォード・ユニバーシティ・プレス(Oxford University Press)出版。さらに、以下を参照のこと。ジェロルド・ティー・ブッシュバーグ(Jerrold T. Bushberg)他「医療撮影の基礎物理学」(The Essential Physics of Medical Imaging)第2版。
【0048】
本発明は、関節を修復する、特に関節軟骨を修復する方法および構成を提供し、さらに、広範にわたる様々な軟骨修復材料の被験者への一体化を容易にするものである。とりわけ、本明細書に説明される技術は、たとえば、サイズ、軟骨の厚み、および/または、曲率に関して、特定の被験者に適した軟骨修復材料のカスタマイズを可能にするものである。関節軟骨表面の形状(たとえば、サイズ、厚み、および/または、曲率)が、欠損のない軟骨、または被験者の生来の軟骨と、厳密に、または密接に解剖学的適合をなすときは、修復の成功は高められる。修復材料は、移植に先立って形成可能であり、さらに、こうした形成は、たとえば、欠損の周囲にある「正常な」軟骨の曲率、または厚みに関する情報を提供する電子画像、および/または、欠損の下部の骨の曲率に基づくことが可能である。したがって、本発明は、とりわけ、部分的関節交換のための最少限の侵襲的方法を提供するものである。本方法によると、最少限の骨ストックを必要とするのみであり、若干の事例では、骨ストックは全く失われることがない。加えて、現行技術と異なり、本明細書に説明されている方法は、移植片と、周囲にある、または隣接している軟骨および/または軟骨下骨との間で、厳密にまたは密接に解剖学的適合をなすことにより、関節面の完全性の回復を補助することになる。
【0049】
本発明の利点は以下を含み得るが、これらに限られるものではない。
(i)関節修復のカスタマイズ、これにより、修復手順に従う患者に対して、効力および快適レベルを向上させること。(ii)若干の実施形態では、手術中に、外科医が修復される欠損を測定する必要性を排除すること。(iii)移植手順中に、外科医が材料を形成する必要性を排除すること。(iv)骨または組織画像に基づき、または手術中のプローブ技術に基づき、修復材料の曲率を評価する方法を提供すること。(v)最少限の骨ストックのみ、または、若干の事例では、骨ストックを全く失うことがない、関節修復方法を提供すること。および、(vi)手術後の関節適合を向上させること。
【0050】
したがって、本明細書に説明されている方法により、欠損(たとえば、移植部位)に、より正確に適合する設計および関節修復材料の使用が可能になり、それにより、改良された関節修復が提供されることになる。
【0051】
1.関節および整列の査定.
【0052】
本明細書に説明されている方法および構成は、軟骨の疾病(たとえば、骨関節炎)、骨損傷、軟骨損傷、傷害、および/または、過用または老化に起因する劣化から生じる欠損を治療するために使用可能である。本発明により、とりわけ、保険開業医は、こうした欠損を評価し、および治療することが可能となる。対象となる領域のサイズ、体積および形状は、欠損を有する軟骨領域のみを含むことも可能であるが、好適には、欠損軟骨を囲んでいる軟骨の隣接部分も含んでいる方がよい。
【0053】
当業者であるならば理解されるように、サイズ、曲率、および/または、厚みの測定値は、任意の適当な技術を用いて取得可能である。たとえば、一次元、二次元、および/または、三次元の測定値は、適当な機械的手段、レーザ装置、電磁または光学追跡システム、型、関節面に適用される、硬化して「表面輪郭を記憶する」材料、および/または、当技術分野で既知の1つ以上の撮像技術を用いて取得可能である。測定値は、非侵襲的に、および/または、手術中に(たとえば、プローブまたは他の外科装置を用いて)取得可能である。当業者であるならば理解されるように、修復装置の厚みは、与えられた位置がどこであろうと、関節面上の任意の特定位置にある軟骨、および/または、修復されるべき骨に対する損傷の深さによって変化し得る。
【0054】
図1に示したように、通常、本処理は、罹患軟骨または軟骨欠損の領域サイズの最初の測定により開始される(10)。その後、ユーザは、任意に、隣接する軟骨の厚みを測定してもよい(20)。いったんこれらのステップが実行されると、関節面の曲率が測定される(30)。その代わり、軟骨下骨の曲率を測定することも可能である。
【0055】
いったん欠損のサイズが判明すると、移植片がライブラリから選択されてもよいし(32)、そうでなければ、測定値および評価から取得された患者に特有のパラメ−タに基づいて、移植片が生成されてもよい(34)。移植片を関節内に導入するのに先立って移植部位が準備され(40)、その後、移植片が導入される(42)。任意の反復ステップ11、21、31、33、35、および41により示されるような、1以上のこれらのステップは、必要に応じて、または、所望されただけ反復可能である。
【0056】
A.撮像技術.
【0057】
1.厚みと曲率.
【0058】
当業者であるならば理解されるように、罹患軟骨または軟骨欠損の領域の厚み、および/または、曲率(たとえば、軟骨、および/または、骨の)、またはサイズの測定に適した撮像技術は、X線、磁気共鳴撮像(MRI)、およびコンピュータ断層撮影スキャン(CT、また、X線体軸断層撮影またはCATとして知られている)、光コヒーレンス断層撮影、超音波撮像技術、および光撮像技術を含んでいる。(以下も参照のこと。2002年3月21日に公開された、アレキサンダー(Alexander)他に対する国際特許公開第WO02/22014号、2002年4月16日に刊行された、トソレフ(Tsoref)他に対する米国特許第6,373,250号、および、バンデバーグ(Vandeberg)他(2002)「放射線学(Radiology)」222:430−436)。たとえば、静脈内、および関節内などの任意の投与ルートを用いて、造影剤または他の強調因子を採用できる。
【0059】
ある実施形態では、CTまたはMRIは、組織、骨、軟骨、および、そこにある、たとえば、軟骨損傷、または罹患軟骨領域などのいかなる欠損も査定し、さらに、軟骨下骨、または軟骨変性についての情報を取得し、さらに、欠損領域についての形態学的、または生体化学的、または生体力学的な情報を提供するために使用される。特に、割れ目、または部分的または完全な厚みの軟骨欠損などの変化、および残留軟骨内の信号変化は、これらの方法のうちの1つ以上を用いて検出可能である。基本的なNMR原理および技術の議論については、マーク・エー・ブラウン(Mark A. Brown)およびリチャード・シー・セメルカ(Richard C. Semelka)「MRI基本原理と応用」(MRI Basic Principles and Applications)第二版、ウィリーリス(Wiley−Liss)社(1999)を参照のこと。軟骨の情報を得る、従来のT1およびT2加重スピンエコー撮像、およびグラディエントリコールドエコー(GRE)撮像、磁化移動コントラスト(MTC)撮像、高速スピンエコー(FSE)撮像、コントラスト強化撮像、高速収集リラクゼーションエンハンスメント(RARE)撮像、定常状態でのグラディエントエコー収集(GRASS)、および駆動平衡フーリエ変換(DEFT)撮像を含むMRIの議論については、アレキサンダー(Alexander)他、国際公報第WO 02/22014号公報を参照のこと。他の技術は、定常状態自由精度、フレキシブル平衡MRI、およびDESSを含んでいる。したがって、好適な実施形態では、この測定値は、アレキサンダー(Alexander)他、国際公報第WO 02/22014号公報に説明されている関節の三次元画像または最終的に三次元情報に従う二次元画像の組に基づいて作成される。軟骨単独の、または、たとえば屈曲−伸長、平行移動、および/または回転などの関節の動作パターンと組み合わせた、二次元および三次元画像、またはマップは取得可能である。三次元画像は、2つ以上の対抗する関節面の動作パターン、接触点、接触域、さらに、関節が動く間の接触点または領域についての情報を含むことが可能である。二次元および三次元画像は、関節軟骨の生体化学組成についての情報を含むことが可能である。加えて、撮像技術は、たとえば、必要な修復材料の形状およびタイプについて最新情報を提供するために、時間とともに比較することが可能である。
【0060】
当業者であるならば理解されるように、撮像技術は、所望があれば結合可能である。たとえば、Cアーム撮像またはX線蛍光透視は運動撮像に使用可能であり、一方、MRIは高分解能軟骨情報を提供可能である。Cアーム撮像は、軟骨を映像化するために、関節内のコントラストに結合可能である。
【0061】
本明細書に説明されている撮像装置のいずれも、手術中に関節面を撮像するために、たとえば、携帯用超音波および/または光プローブを用いて、手術中(以下も参照)に使用可能である。
図2は、大腿遠位の関節面の、三次元厚みマップの色彩再現を示している。軟骨内にあるダークホールは、完全な軟骨欠損の領域を示している。
【0062】
ii.解剖学的および力学的軸.
【0063】
撮像は、関節と関連している先端の、解剖学的および生体力学的軸の決定に使用可能である。適当なテストは、たとえば、X線、またはMRIに結合されたX線を含んでいる。通常、解剖学的目印は、撮像テスト結果(たとえば、X線フィルム)において特定され、その後、これらの目印は、必要な軸の決定に、直接的または間接的に利用される。したがって、たとえば、股関節、膝関節または足関節における手術が予想される場合、X線が使用可能である。このX線は、たとえば、患者が起立している間に撮影する、等身大脚フィルムなどの先端の体重負荷フィルムであってもよい。このフィルムは、大腿骨および脛骨の解剖学的軸を決定し、さらに生体力学的軸を推定するために使用可能である。当業者であるならば理解されるように、たとえば、関節の解剖学的および生体力学的軸を識別するこれらの処理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の関節に応用可能である。
【0064】
解剖学的および生体力学的軸は、コンピュータ断層撮影法およびMRIを含むが、これらに限定されない他の撮像モダリティを用いて決定可能である。たとえば、CTスキャンは、股関節、膝関節および足関節を通して取得可能である。任意に、このスキャンは、矢状、冠状、または他の面において再フォーマット可能である。その後、このCT画像は、解剖学的目印を識別し、股関節、膝関節および/または足関節の解剖学的および生体力学的軸を決定するために利用可能である。同様に、MRIスキャンも、この目的のために取得可能である。たとえば、大腿部および骨盤領域のMRIスキャンは、ボディーコイルまたは胴体位相アレイコイルを用いて取得可能である。膝関節の高解像度スキャンは、専用の先端コイルを用いて取得可能である。ふくらはぎ/脛骨周辺および足根関節のスキャンは、これもボディーコイルまたは胴体位相アレイコイルを用いて取得可能である。解剖学的目印は、これらのスキャンにおける各関節内で識別可能であり、解剖学的および生体力学的軸は、この情報を用いて推定可能である。
【0065】
体重負荷状態の間に取得される撮像テストは、若干の固有の利点を有しており、それにより、病理学的負荷および負荷分配と同様に標準を明確に示すことになる。CTスキャンまたはMRIスキャンなどの断層像調査は、解剖学的目印を三次元的に視覚化および明示可能となり、これによりさらに正確となるので、二次元的なものより若干の利点を有している。さらに、測定は、特定の組織領域において、従来のX線写真を用いて用意にアクセス可能でない、矢状、または傾斜面などの他の面においても実行可能である。原則として、この目的のために、いかなる撮像テストも利用可能である。
【0066】
生体力学的軸は、大腿骨頭部の中心から、顆表面間および足関節を貫いて伸びる軸と定義可能である。
【0067】
コンピュータ断層撮影撮像は、脚の相対的な解剖学的および生体力学的軸の決定に高精度であることが示されてきた。(テスティ・デボラ、ザノニ・シンジア、カペロ・アンジェロ(Testi Debora、Zannoni Cinzia、Cappello Angelo)、およびビセコンティ・マルコ(Viceconti Marco)「大腿骨の幾何学復元のための境界追跡アルゴリズムの実行」(Border tracing algorithm implementation for the femoral geometry reconstruction)、コンプ.メス.アンド・プログラムズ・イン・バイオメド(Comp. Meth. and Programs in Biomed)、2000年2月14日;ファラー・エム・ジェイ、ニューマン・アール・ジェイ、マウィニー・アール・アール、キング・アール(Farrar MJ、Newman RJ、Mawhinney RR、King R)「膝関節形成における大腿骨軸測定のためのコンピュータ断層撮影スキャンスカウトフィルム」(Computed tomography scan scout film for measurement of femoral axis in knee arthroplasty)ジェイ・アーソロプラスティ(J. Arthroplasty)、1999年12月、14(8):1030−1;キム・ジェイ・エス、パーク・ティー・エス、パーク・エス・ビー、キム・ジェイ・エス、キム・ワイ・アイ、キム・エス・アイ(Kim JS、Park TS、Park SB、Kim JS、Kim IY、Kim SI)「三次元における大腿骨頸前傾の測定。パート1:三次元撮像法」(Measurement of femoral neck anteversion in 3D. Part 1:3D imaging method)、メド.アンド・バイオロエンジ.アンド・コンピューティング(Med. and BioL Eng. And Computing)、38(6):603−609、2000年11月;アカギ・エム、ヤマシタ・ティー、ナカガワ・ティー、アサノ・ティー、ナカムラ・ティー(Akagi M、Yamashita E、Nakagawa T、Asano T、Nakamura T)「前部膝整列と遠位大腿骨の基準軸との関係」(Relationship between frontal knee alignment and reference axis in the distal femur)クリン.オルソ.アンド・リレーテッド・リス.(Clin. Ortho. and Related Res.)、No.388、147−156、2001年;マハイサバリヤ・ビー、シットシセリプラティプ・ケー、トングディー・ティー、ボヘズ・イー、スロテン・ジェイ・ブイ、オリス・ピー(Mahaisavariya B、Sitthiseripratip K、Tongdee T、Bohez E、Sloten JV、Oris P.)、「近位大腿骨の形態学的研究:三次元リバースエンジニアリングを用いた幾何学的査定の新方法」(Morphological study of the proximal femur:a new method of geometrical assessment using 3 dimensional reverse engineering)メド.エンジ.アンド・フィズ(Med. Eng. and Phys), 24 (2002年)617−622;ラム・リ・オン、シェイクスピア・ディー(Lam Li On、Shakespeare D)「人工膝関節全置換術における大腿骨要素の内反/外反整列」(Varus/Valgus alignment of the femoral component in total knee arthroplasty)ザ・ニー(The Knee)、10(2003年)237−241。)
【0068】
また、大腿骨の近位端および遠位端の解剖学的構造の角度は内反または外反角度、または解剖学的大腿骨軸と生体力学的軸との間の角度に匹敵する、特定の可変性レベル(すなわち、標準偏差)を示している(マハイサバリヤ・ビー、シットシセリプラティプ・ケー、トングディー・ティー、ボヘズ・イー、スロテン・ジェイ・ブイ、オリス・ピー(Mahaisavariya B、Sitthiseripratip K、Tongdee T、Bohez E、Sloten JV、Oris P.)「近位大腿骨の形態学的な研究:三次元リバースエンジニアリングを用いた幾何学的査定の新方式」(Morphological study of the proximal femur:a new method of geometrical assessment using 3 dimensional reverse engineering)、メド.エンジ.アンド・フィズ(Med. Eng. and Phys)、24(2002年)617−622)。したがって、軸の査定のための好適なアプローチは、膝領域のみよりも、股関節、膝および足関節、または大腿骨のCTスキャンに基づく。
【0069】
CTは、周囲の解剖学的組織に対する骨組織のコントラストの見地から、有効であることが示されてきた。したがって、大腿骨と脛骨に対応する骨格は、半自動コンピュータ処理システムにより、非常に正確に抽出可能である。(マハイサバリヤ・ビー、シットシセリプラティプ・ケー、トングディー・ティー、ボヘズ・イー、スロテン・ジェイ・ブイ、オリス・ピー(Mahaisavariya B、Sitthiseripratip K、Tongdee T、Bohez E、Sloten JV、Oris P.)「近位大腿骨の形態学的な研究:三次元リバースエンジニアリングを用いた幾何学的査定の新方法」(Morphological study of the proximal femur:a new method of geometrical assessment using 3 dimensional reverse engineering)、メド.エンジ.アンド・フィズ(Med. Eng. and Phys)、24(2002年)617−622;テスティ・デボラ、ザノニ・シンジア、カペロ・アンジェロ(Testi Debora、Zannoni Cinzia、Cappello Angelo)、および、ビセコンティ・マルコ(Viceconti Marco)「大腿骨の幾何学復元のための境界追跡アルゴリズムの実行」(Border tracing algorithm implementation for the femoral geometry reconstruction)、コンプ.メス.アンド・プログラムズ・イン・バイオメド(Comp. Meth. and Programs in Biomed)、2000年2月14日)。
【0070】
二次元CTは、生体力学的軸を推定するのに正確であることが示されてきた(マハイサバリヤ・ビー、シットシセリプラティプ・ケー、トングディー・ティー、ボヘズ・イー、スロテン・ジェイ・ブイ、オリス・ピー(Mahaisavariya B、Sitthiseripratip K、Tongdee T、Bohez E、Sloten JV、Oris P.)、「近位大腿骨の形態学的研究:三次元リバースエンジニアリングを用いた幾何学的査定の新方法」(Morphological study of the proximal femur:a new method of geometrical assessment using 3 dimensional reverse engineering)、メド.エンジ.アンド・フィズ(Med. Eng. and Phys),24(2002年)617−622;テスティ・デボラ(Testi Debora)、上記;ラム・リー・オン(Lam Li On)、上記)が、三次元CTは、大腿骨前傾角度の推定において、より正確であることが示されてきている(キム・ジェイ・エス、パーク・ティー・エス、パーク・エス・ビー、キム・ジェイ・エス、キム・ワイ・アイ、キム・エス・アイ(Kim JS、Park TS、Park SB、Kim JS、Kim IY、Kim SI)「三次元における大腿骨頸前傾の測定。パート1:三次元撮像法」(Measurement of femoral neck anteversion in 3D.Part 1:3D imaging method)」メディカル・アンド・バイオロジカル・エンジニアリング・アンド・コンピューティング(Medical and Biological engineering and computing)、38(6):603−609、2000年11月;キム・ジェイ・エス、パーク・ティー・エス、パーク・エス・ビー、キム・ジェイ・エス、キム・ワイ・アイ、キム・エス・アイ(Kim JS、Park TS、Park SB、Kim JS、Kim IY、Kim SI)「三次元における大腿骨頸前傾の測定。パート1:三次元撮像法」(Measurement of femoral neck anteversion in 3D.Part 1:3D imaging method)」メディカル・アンド・バイオロジカル・エンジニアリング・アンド・コンピューティング(Medical and Biological engineering and computing)、38(6):610−616、2000年11月)。ファラル(Farrar)は、大腿骨軸の推定に、簡単なCT 2Dスカウト図を使用している。ファラル・エム・ジェイ、ニューマン・アール・ジェイ、マウィニー・アール・アール、キング・アール(Farrar MJ、Newman RJ、Mawhinney RR、King R)「膝関節形成における大腿骨軸測定のためのコンピュータ断層撮影スキャンスカウトフィルム」(Computed tomography scan scout film for measurement of femoral axis in knee arthroplasty)ジェイ・アーソロプラスティ(J. Arthroplasty)、1999年12月、14(8):1030−1)。
【0071】
1つの実施形態では、CTスライス画像の2D矢状および冠状の復元は、生体力学的軸の手動推定に使用される。当業者であるならば、この処理を自動化する多くの異なる方法を思いつくだろう。たとえば、少なくとも腰、膝、足領域をカバーするCTスキャンが取得される。これにより、矢状および冠状図を生成するために補間可能な、画像スライス(軸)がもたらされる。
【0072】
このスライス画像の前処理(フィルタリング)は、骨領域のコントラストを改良するために使用可能であり、それにより、これらは、簡単な閾値化、またはライブワイヤ(LiveWire)または能動輪郭モデルのようなより複雑な画像分割ツールを用いて、正確に抽出可能である。
【0073】
脛骨軸の重心、足関節、大腿骨頭の顆間切痕および重心のような対象の目印の識別が実行可能である。生体力学的軸は、近位および遠位重心、すなわち、大腿骨頭の重心と脛骨または足関節の重心とを結ぶ線と定義できる。顆間切痕の位置は、内反および外反の奇形を含む、予想逸脱、誤差、または奇形の評価に使用可能である。
【0074】
1つの実施形態では、複数の撮像テストが結合可能である。たとえば、解剖学的および生体力学的軸は、先端の、または先端の一部の体重負荷X線を用いて推定可能である。この方式で抽出される解剖学的情報は、その後、股関節、膝関節、または足関節などのような、1つ以上の関節のCTまたはMRIスキャンと結合することが可能である。X線写真で見られる目印は、その後、たとえば、CTまたはMRIスキャン上に相互参照されることができる。X線写真において実行される軸測定は、続いて、CTまたはMRIスキャン、または他の撮像モダリティに適用されることが可能である。同様に、CTスキャンから得られる情報は、MRIまたは超音波スキャンで得られた情報と比較することが可能である。1つの実施形態では、異なる撮像モダリティの画像統合が実行可能である。たとえば、手術が膝関節で予想される場合、下方先端の等身大体重負荷X線が取得可能である。これは、任意に、半月板および軟骨までも含む膝組織の、高解像度三次元による解剖学的特性付けを提供する、膝関節の関節内コントラストを伴なって、スパイラルCTスキャンにより補足可能である。この情報は、X線写真により提供される軸情報と共に、移植片または外科器具のような、療法の選択または導出に利用可能である。
【0075】
ある実施形態では、軟骨下骨または軟骨を含む、関節内構造の形状および寸法を特徴付けることが望ましいこともあろう。これは、CTスキャン、好ましくは、1つ以上の関節のスパイラルCTスキャンを用いることにより達成可能である。スパイラルCTスキャンは、関節内のコントラストを用いて、任意に実行可能である。その代わりに、MRIスキャンが実行可能である。CTが利用される場合は、完全なスパイラルスキャン、または若干の選択スライスが、隣接する関節を通して取得可能である。通常、完全な三次元的特徴付けを提供する完全なスパイラルスキャンは、療法が予想される関節で取得されることになろう。外科器具のための移植片、または型が、このスキャンを用いて選択され、または形成される場合は、軟骨下骨の形状は、結果的な画像データから正確に決定できる。関節面の特定領域においては、標準的な軟骨の厚み、および、同様に標準的な軟骨の欠損が想定可能である。たとえば、大腿内側顆および外側顆第3前部の軟骨下骨には、関節軟骨の標準的な2mmの厚みが適用可能である。同様に、大腿内側顆および外側顆第3後部の軟骨下骨には、関節軟骨の標準的な2mmの厚みが適用可能である。内側顆の中央の体重負荷域には、関節軟骨の標準的な0mmの厚みが適用可能であり、さらに、外側顆には異なる値が適用可能である。これらの領域間の変わり目は、たとえば、2mmから0mmまで段階的であってもよい。関節の異なる領域において推定される、軟骨の厚みおよび軟骨の欠損に関する標準値は、参照データベースから任意に導出可能である。参照データベースは、他の相対的および有用であると決定される他のパラメータと共に、年齢、肥満度指数(「BMI」)、疾病の重症度、痛み、内反変形の重症度、外反変形の重症度、ケルグレン−ローレンス(Kellgren−Lawrence)スコアなどのカテゴリを含むことができる。関節軟骨に対する標準的な厚みの使用により、術前の計画に必要な撮像プロトコルを容易にすることが可能となる。
【0076】
しかし、その代わりに、関節軟骨は、関節内コントラストがある場合の関節のスパイラルCTスキャンの実行により、または、軟骨感知パルス系列を用いるMRIスキャンを実行することにより、完全に特徴付けることが可能である。
【0077】
本明細書に説明されている技術は、体重負荷であるかないかにかかわらず、静止し、または運動している、または、その組み合わせの、関節画像を取得するために使用可能である。関節の運動時に取得される撮像観察は、荷重負担表面の査定に役立たせることができる。これは、たとえば、高負荷領域での強化を選択するための、外科ツールのための、移植片の設計または選択に有利なものとなり得るし、さらに、たとえば、高負荷領域に対する移植片の配列を最適化するための、移植片配置に有利なものとなり得る。
【0078】
B.手術中の測定.
【0079】
上述の非侵襲的な撮像技術に対し、代替的または追加的に、罹患軟骨領域または軟骨欠損領域のサイズの測定値、軟骨の厚みの測定値、および/または、軟骨または骨の曲率の測定値は、関節鏡検査または関節切開の間の術中に取得可能である。手術中の測定には、実際に1つ以上の関節面領域と接触する場合も含まれてもよいが、必要ではない。
【0080】
軟骨または骨または他の関節構造の手術中の測定値を得るのに適し、さらに、表面の立体地図を生成するための装置は、プラシド・ディスク(Placido disc)およびレーザ干渉計、および/または、変形可能の材料または装置を含むが、これらに限定されない。(たとえば、以下を参照のこと。2002年5月7日にウー(Wooh)他に対して発行された米国特許第6,382,028号、2000年5月2日にレベスク(Levesque)他に対して発行された米国特許第6,057,927号、1996年6月4日にヤマネ(Yamane)他に対して発行された米国特許第5,523,843号、1998年12月8日にサーバー(Sarver)他に対して発行された米国特許第5,847,804号、および、1997年11月4日にフジエダ(Fujieda)に対して発行された米国特許第5,684,562号)。
【0081】
図3Aは、光の同心円状に配列されたプラシド・ディスク(Placido disk)を示している。このプラシド・ディスクの同心円状のアレイは、光ファイバ経由で、レーザまたは白色光で生成された異なる半径の明確な光の円を投影する。プラシド・ディスクは、内視鏡装置(または、携帯用プローブなどの任意のプローブ)の端に取り付け可能であり、それにより光の輪が軟骨表面上に投影される。
図3Bは、固定曲率表面上に投影されたプラシド・ディスクの例を示している。円の反射をとらえるために、(たとえば、装置に取り付けられた)1台以上の撮像カメラが使用可能である。表面曲率を決定するために、数理解析が用いられる。その後、曲率は、たとえば、軟骨表面の色分けされた地形マップとしてモニター上に可視化可能となる。加えて、分析された領域における、いかなる軟骨欠損とも交換するための、理想的な表面地形を決定するために、地形マップの数学的モデルが使用可能である。
【0082】
図4は、反射された円上の表面輪郭における変化の効果を明示する、各大腿顆上の光の同心円(Placido disk)の投影から生じた反射を示す。
【0083】
同様に、内視鏡装置の端にはレーザ干渉計も取り付け可能である。加えて、装置には、軟骨表面のフリンジパターン解析位相マップ(波面)視覚化を生成し、位相シフト干渉法を用いて軟骨表面または骨の曲率を決定するために、小さなセンサーも取り付け可能である。曲率は、その後、軟骨表面の色分けされた地形マップとして、モニター上に視覚化される。加えて、分析された領域における、いかなる軟骨または骨の欠損とも交換するための、理想的な表面地形を決定するために、地形マップの数学的モデルが使用可能である。この計算された、理想的な表面または複数の表面は、その後、モニター上に視覚化可能であり、さらに、交換軟骨の曲率または複数の曲率を選択するために使用可能である。
【0084】
当業者であるならば、本発明の範囲から逸脱することなく、軟骨表面曲率の光測定のために使用し得る他の技術を、容易に思いつくであろう。たとえば、
図5および
図6に示したような、二次元または三次元マップが生成可能である。
【0085】
たとえば、ゲル、型、任意の硬化材料(たとえば、加熱、冷却、他の方法で操作されるまで、変形可能なままで残っている材料)などの変形可能材料などの機械装置(たとえば、プローブ)も、手術中の測定のために使用可能である。たとえば、2002年5月2日に公開された、ディクソン(Dickson)他に対する国際公開第WO 02/34310号公報参照。たとえば、変形可能ゲルが大腿顆に適用可能である。関節丘へ向かって指向するゲルの側部は、関節丘の表面輪郭の負圧痕を生じることが可能である。その後、この負圧痕は、欠損のサイズ、欠損の深度、および欠損に隣接する関節面の曲率を決定するために使用可能である。この情報は、たとえば、関節面修復システムなどの療法の選択に使用可能である。他の例では、硬化材料は、たとえば、大腿顆または脛骨プラトーなどの関節面へ適用可能である。この硬化材料は、硬化し始めるまで関節面に残ることができる。その後、硬化材料は、関節面から取り除かれる。関節面へ向かって指向する硬化材料の側面は、関節面に負圧痕をもたらすことが可能である。その後、この負圧痕は、欠損のサイズ、欠損の深度、および欠損に隣接する関節面の曲率を決定するために使用可能である。その後、この情報は、たとえば、関節面修復システムなどの療法の選択に使用可能である。若干の実施形態では、硬化システムは適所に残っており、さらに、実際の関節面修復システムを形成可能である。
【0086】
ある実施形態では、変形可能材料は、個別に可動な多くの機械的要素を含んでいる。対象表面に押し付けられると、各要素は、反対方向に押され、さらに、それが押される(変形する)程度は、対象の表面の曲率に一致できる。この装置は制動機構を包含可能であり、それにより、要素は、軟骨および/または骨の表面に一致する位置に維持される。その後、装置は患者から取り外され、曲率を解析できる。その代わりに、個々の各可動要素は...
【0087】
(抜け)
【0088】
(抜け)
【0089】
...曲率における急変は、罹患軟骨または軟骨欠損の境界の検出に使用可能である。
【0090】
上述のように、測定は、体重負荷であるかないかにかかわらず、関節が静止している間に、または運動している間に実行可能である。
【0091】
II.修復材料.
【0092】
本発明の実施では、プラスチック、金属、結晶フリーの金属、セラミック、または生体物質(たとえば、コラーゲンまたは他の細胞外マトリックス材)、ヒドロキシ・アパタイト、細胞(たとえば、幹細胞、軟骨細胞など)、またはその組み合わせを含む、多種多様な使用材料が見出されるが、これらに限定されない。欠損および関節面および/または軟骨下骨に関して取得された情報(たとえば、測定値)に基づいて、修復材料が形成され、または選択される。さらに、本明細書に説明されている1つ以上の技術を用いることにより、特定の軟骨欠損へ適合する曲率を有する軟骨置換または再生物質は、関節面の輪郭および形状に従い、さらに、周囲の軟骨の厚みに適合することになる。修復材料は、材料の任意の組み合わせを含み、さらに、通常、たとえば、容易に曲がったり変化したりしない、少なくとも1つの柔軟性のない材料を含むことが可能である。
【0093】
A.金属およびポリマーの修復材料.
【0094】
今日では、関節修復システムは、多くの場合、たとえば、下部の骨(たとえば、膝補綴の場合の大腿骨)へ固定される補綴を含む、金属材料および/またはポリマー材料を使用している。2001年3月20日にアフリアト(Afriat)他に対して発行された米国特許第6,203,576号、および、2001年11月27日にオグル(Ogle)他に対して発行された米国特許第6,322,588号、および、そこに引用された参照文献を参照されたい。多種多様な金属は、本発明の実施にとり有効であり、いかなる評価基準に基づいても選択可能である。たとえば、材料選択は、所望される程度の剛性を付与する弾性に基づくものであってもよい。適当な金属の例には、銀、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、銅、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、亜鉛、チタニウム、コバルト、ステンレス鋼、ニッケル、鉄合金、Elgiloy(登録商標)などのコバルト合金、コバルト・クロム・ニッケル合金、およびMP35N、ニッケル・コバルト・クロム・モリブデン合金、およびニチノール(登録商標)、ニッケルチタン合金、アルミニウム、マンガン、鉄、タンタル、Liquidmetal(登録商標)合金(リキッド・メタル・テクノロジーズ(Liquid Metal Technologies)、www.liquidmetal.comから市販)のような非晶質金属、たとえば患者の体液または組織、およびその組み合わせと接触して移植された基材の石灰化を阻止するために多価金属イオンをゆっくり形成可能な他の金属が含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
適当な合成ポリマーには、ポリアミド(たとえば、ナイロン)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、ビニールポリマー(たとえば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニール)、ポリカーボネート、ポリウ
レタン、ポリジメチルシロキサン、セルロースアセテート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、エチレン酢酸ビニル、ポリスルホン、ニトロセルロース、同様の共ポリマーおよびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。また、デキストラン、ヒドロキシエチルスターチ、ゼラチン派生物、ポリビニールピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ[N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド]、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(イプシロン−カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ジメチルグリコール酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩)、および同様の共ポリマーなどの生体再吸収可能な合成ポリマーが使用可能である。
【0096】
また、たとえば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))として知られている、ポリケトンなどの、他の材料も適当であろう。これは、英国、ランカシャーのビクトレックス(Victrex)(ビクトレックス(Victrex)は、www.matweb.com、または、Boedeker www.boedeker.comにある)から市販されている、医療移植用に認可されている、無充填PEEKである、材料PEEK450Gを含んでいる。この材料の他のソースは、インド、パノリに位置するガルダ(Gharda)を含んでいる(www.ghardapolymers.com)。
【0097】
また、選択材料は充填可能であることに留意するべきである。たとえば、30%がガラスで充填された、または30%が炭素で充填された、他のグレードのPEEKも、移植可能装置内での使用のために、こうした材料が、FDAまたは他の取締機関により認可されるならば、利用可能であり考慮されるものである。ガラス充填PEEKは、その無充填部分に比例して、膨張率を低下させ、PEEKの曲げ弾性率を増加させる。結果として生成される製品は、改良された強度、剛性、または安定性において理想的であることが知られている。炭素充填PEEKは、圧縮強度、およびPEEKの剛性を高め、その膨張率を低下させることが知られている。炭素充填PEEKは、耐摩耗性、および負荷容量を提供する。
【0098】
理解されるように、耐疲労性を有する、他の適当な、類似した生体適合熱可塑性、または熱可塑重縮合材料は、良好な記憶を有し、フレキシブルおよび/または屈折可能で、非常に低い吸湿性、および良好な耐摩耗性および/または耐摩耗性を有しており、本発明の範囲から逸脱することなく使用可能である。また、移植片はポリエーテルケトンケトン(PEKK)から成っていてもよい。
【0099】
使用可能な他の材料は、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、およびポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、および概して、ポリアリルエーテルエーテルケトンを含んでいる。さらに、他の熱可塑性樹脂と同様に、他のポリケトンが使用可能である。
【0100】
移植片に使用可能なポリマーは、以下の文献を参照可能であり、これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる。これらの文献には以下が含まれる。2002年1月10日付けの「バイオ・コンパチブル・ポリマー材料」(Bio−Compatible Polymeric Materials)と題されたPCT公開第WO 02/02158 A1号公報、2002年1月3日付けの「バイオ・コンパチブル・ポリマー材料」(Bio−Compatible Polymeric Materials)と題された国際公開公報第WO 02/00275 A1号、および、2002年1月3日付けの「バイオ・コンパチブル・ポリマー材料」(Bio−Compatible Polymeric Materials)と題された国際公開公報第WO 02/00270 A1号。
【0101】
ポリマーは、従来のポリマー処理方法を含む、様々なアプローチのいずれによっても作成可能である。好適なアプローチは、たとえば、重要な構造上の特徴を有するポリマー成分の生産に適した射出成形、および、RIM成形およびステレオリソグラフィのような、ラピッドプロトタイプアプローチを含んでいる。基材は、金属被覆の取込みを容易にするよう、物理的研摩または化学変性のいずれかにより、型押しし、または多孔質化することができる。また、押出し、注入、圧縮成形および/または機械加工技術などの他の処理も適切である。通常、ポリマーは、その物理的および機械的特性ゆえに選択され、物理的負荷を関節面間へ運び、分散するのに適当である。
【0102】
互いに組み合わせて、1つ以上の金属および/またはポリマーが使用可能である。たとえば、1つ以上の金属含有基材が、1つ以上の領域において、ポリマーで被覆可能であり、またはその代わりに、1つ以上のポリマー含有基材が、1つ以上の領域において、1つ以上の金属で被覆可能である。
【0103】
システムまたは補綴は、多孔性であってもよいし、または多孔性被覆が施されていてもよい。多孔性の表面成分は、金属、セラミックおよびポリマーを含む様々な材料で作成可能である。これらの表面成分は、順に、様々な金属から形成された多数の構造的コアに対して、様々な手段によって固定されている。適当な多孔性被覆には、金属、セラミック、ポリマー(たとえば、シリコーンゴム、ポリエチレンテレフタレート、および/または、その組み合わせなどの生物学的に中性のエラストマー)、または、その組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。たとえば、以下を参照のこと。1971年9月20日にハーン(Hahn)に対して発行された米国特許第3,605,123号、1974年5月7日にトロンゾ(Tronzo)に対して発行された米国特許第3,808,606号、および、1974年10月29日にトロンゾ(Tronzo)に対して発行された米国特許第3,843,975号、1967年4月18日にスミス(Smith)に対して発行された米国特許第3,314,420号、1976年10月26日にシャーバック(Scharbach)に対して発行された米国特許第3,987,499号、および、ドイツ特許公開公報第2,306,552号。1つ以上の被覆層があってもよく、その層は、同一の、または異なる空隙率を有することができる。1976年2月17日にカーン(Kahn)他に対して発行された米国特許第3,938,198号参照。
【0104】
被覆は、粉状にしたポリマーでコアを取り巻き、さらに、相互接続された細孔の内部ネットワークによって被覆が形成されるよう、硬化するまで加熱することにより、適用される。細孔のねじれ(たとえば、細孔を通る経路の直径に対する長さの指標)は、補綴装置上で使用されるこうした被覆の予想される成功の評価において、重要となる場合がある。1980年7月22日にモリス(Morris)に対して発行された米国特許第4,213,816号参照。多孔性被覆は、粉末の形で、さらに、その全体を、その粉末を基材へ接着する高温にさらすことで適用可能となる。適当なポリマー、および/または、粉体の被覆の選択は、たとえば、それぞれのメルトインデックスに基づくなど、本明細書での教示および参照文献を考慮して決定可能である。
【0105】
B.生体修復材料
【0106】
修復材料は、単独の、または非生体材料と組み合わされた、1つ以上の生体材料を含んでいてもよい。たとえば、いかなる基材も設計または形成可能であり、さらに、基材となるように、胎児軟骨細胞などの適当な軟骨置換材料、または再生材料を適用することも可能である。その後、細胞は、軟骨欠損を囲む軟骨の厚み(および/または、曲率)に達するまで、ベースと共に成長する。培養液中の種々の基材で細胞(たとえば、軟骨細胞)を成長させる条件は、たとえば、以下のものに、生体外および生体内についての説明がある。1995年12月26日にシルブカ(Slivka)他に対して発行された米国特許第5,478,739号、1998年12月1日にナウトン(Naughton)他に対して発行された米国特許第5,842,477号、2001年9月4日にビベーハンセン(Vibe−Hansen)他に対して発行された米国特許第6,283,980号、および、2002年4月2日にサルツマン(Saizmann)他に対して発行された米国特許第6,365,405号。適当な基材の例には、プラスチック、組織担体、骨置換材料(たとえば、ヒドロキシアパタイト、生体再吸収可能材料)、または、軟骨置換または再生材料をその上で成長させるのに適当な、いかなる他の材料も含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
生体ポリマーは、発酵などにより、生体外で自然に産出または形成可能である。適当な生体ポリマーには、コラーゲン、エラスチン、絹、ケラチン、ゼラチン、ポリアミノ酸、腸線縫合糸および多糖類(たとえば、セルロースおよび澱粉)、およびその混合物が含まれるが、これらに限定されない。生体ポリマーは、生体再吸収可能であってもよい。
【0108】
本明細書に説明されている方法で使用される生体物質は、(同一被験者からの)自家移植片、(同種の別の個人からの)同種移植片、および/または、(別の種からの)異種移植片であってもよい。また、以下も参照のこと。2002年3月21日に公開された、アレキサンダー(Alexander)他に対する国際公開公報第WO 02/22014号、および、1997年8月7日に公開されたリー(Lee)に対する国際公開公報第WO 97/27885号。ある実施形態では、自己材料は、材料の再吸収、移植部位を囲む組織の炎症および/または瘢痕化を含む、ホストに対する免疫学的合併症の危険を減少させるので、好適である。
【0109】
本発明の1つの実施形態では、プローブは、ドナー部位から組織を取り入れ、被移植部を準備するのに使用される。ドナー部位は、異種移植片、同種移植片、または自家移植片内にあってもよい。プローブは、ドナー組織標本と被移植部の間で、良好な解剖学的適合を実現するのに使用される。プローブは、ドナー組織標本と被移植部の間で、継目のない、またはほとんど継目のない適合を実現するよう、特に設計される。たとえば、プローブは、円筒状であってもよい。プローブの遠位端は、通常、組織侵入を容易にするために鋭くなっている。加えて、プローブの遠位端は、通常、組織を受けるために空洞である。プローブは、たとえば遠位端から1cmなど、その遠位端から定義された距離に縁部を有することができ、その縁部は、取り入れのために定義された深度で組織へ侵入する形で、使用可能である。縁部は、プローブの空洞部分の外部にあってもよく、または内部にあってもよい。たとえば、膝関節などの関節の場合には、整形外科医は、プローブを取り、物理的な圧力により、それを軟骨、軟骨下骨、および下部にある骨髄内へ前進させてもよい。外科医は、外部または内部の縁部が軟骨表面に達するまで、プローブを前進させることができる。その時点で、縁部は、さらなる組織侵入を防ぐことになり、その結果、一定の、再現可能な組織侵入が達成される。プローブの遠位端は、1枚以上の刃、鋸状構造、または組織切断機構を含むことが可能である。たとえば、プローブの遠位端は、数個の小さな刃から成る、虹彩様の機構を含んでいてもよい。刃または複数の刃は、手動、動力化機構または電気機構を用いて駆動され、その結果、組織を貫いて切断し、下部にある組織から組織標本を分離できる。通常、これは、ドナーおよびレシピエントにおいて繰り返されることになる。虹彩形状の刃機構の場合、虹彩を閉じる形で個々の刃を動かすことが可能であり、それにより、ドナー部位から組織標本を分離できる。
【0110】
本発明の他の実施形態では、プローブの遠位端内部に、レーザ装置または高周波装置を統合することが可能である。このレーザ装置または高周波装置は、組織を貫いて切断し、下部にある組織から組織標本を分離するために使用可能である。
【0111】
本発明の1つの実施形態では、ドナーおよびレシピエントにおいて、同一のプローブが使用可能である。他の実施形態では、物理的寸法がわずかに異なる、同様に形成されたプローブが使用可能である。たとえば、レシピエントで使用されるプローブは、ドナーで使用されるプローブよりわずかに小さくてもよく、その結果、組織標本、または組織移植片と、被移植部との間に、ぴったりはまることが実現可能となる。さらに、レシピエントで使用されるプローブは、ドナーで使用されるプローブよりわずかに短くてもよく、その結果、ドナー材料内の、下部にある組織からの組織標本の分離または切断中に起こる、いかなる組織欠失も修正されることになる。
【0112】
バクテリア、ウイルス、イースト、糸状菌、マイコプラズマおよび寄生体などの生物学的汚染物質を不活発にするために、いかなる生体修復材料も殺菌できる。殺菌は、たとえばガンマ放射線といった放射線など、任意の適当な技術を使用して実行可能である。
【0113】
本明細書に説明されている生体物質のいずれも、ロボット装置の使用により取り入れ可能である。このロボット装置は、組織取り入れにおいて、電子画像からの情報を使用可能である。
【0114】
ある実施形態では、軟骨置換材料は、特定の生体化学組成を有している。たとえば、欠損を囲む軟骨の生体化学組成は、組織標本を取り、さらに化学分析を行うことによるか、または撮像技術により、査定可能である。たとえば、アレキサンダー(Alexander)に対する国際公開公報第WO 02/22014号は、軟骨内部のグリコサミノグリカン含有量をモニターするために、関節軟骨撮像用のガドリニウムを使用することを説明している。その後、移植部位を囲む軟骨の生体化学組成と同様の生化学組成を達成するために、軟骨置換または再生材料を作成可能、または、いわば培養可能となる。所望される生体化学組成を得るために用いられる培養条件には、たとえば、濃度の変更が含まれていてもよい。軟骨置換または再生材料の生体化学組成は、たとえば、ある栄養物および生長因子の濃度および暴露時間の制御により影響を受ける場合がある。
【0115】
III.装置設計.
【0116】
A.軟骨モデル.
【0117】
軟骨の厚みおよび曲率に関する情報を用いて、関節軟骨および下部の骨の表面の物理モデルが作成可能である。この物理モデルは、関節内の限定領域を表す場合もあり、または関節全体を取り囲む場合もある。たとえば、膝関節では、物理モデルは、前部または後部の大腿顆のみ、大腿顆およびノッチ領域の双方、内側脛骨プラトー、外側脛骨プラトー、脛骨プラトー全体、内側膝蓋骨、外側膝蓋骨、膝蓋骨全体、または関節全体を取り囲んでいてもよい。軟骨の罹患領域の位置は、たとえば、国際公開公報第WO 02/22014号で説明されるように、三次元座標系、または三次元ユークリッド距離を用いて決定できる。
【0118】
このようにして、修復される欠損のサイズが決定可能となる。明白なことだが、若干の欠損(全部ではない)は、軟骨全体よりも小さい部分を含んでいる。したがって、本発明の1つの実施形態では、1つ以上の軟骨欠損を囲む、正常な、または罹患度がごく小さな軟骨の厚みが測定される。この厚み測定は、単一点、または、好適には、2点、4〜6個の点、7〜10個の点、10個の点以上、または残余軟骨の全長にわたる、複数点において取得することが可能である。さらに、いったん欠損のサイズが決定されると、健全な周囲の組織を可能な限り多く保存するような、適切な療法(たとえば、関節修復システム)が選択できる。
【0119】
他の実施形態では、修復材料を設計および/または形成するために、関節面の曲率を測定することが可能である。さらに、修復材料を設計および/または形成するために、残余軟骨の厚みと関節面の曲率の両方を測定することが可能である。その代わりに、軟骨下骨の曲率を測定してもよく、その結果的な測定値は、軟骨置換材料の選択または形成に使用可能である。たとえば、軟骨下骨の輪郭は、仮想軟骨表面の再現に用いることができる。罹患軟骨の領域の縁は特定可能である。罹患領域内の軟骨下骨の形状は測定可能である。その後、軟骨下骨表面を軟骨表面へコピーすることにより、仮想輪郭を作成し得ることになり、この軟骨下骨表面のコピーが罹患軟骨の領域の縁を結合させることになる。
【0120】
ここで、
図7A〜
図7Hに移ると、様々な段階における、膝の再生ステップが示されている。
図7Aは、大腿顆702の前、中央、および後部分における正常な厚みの軟骨700の例を示しており、大腿顆後部部分には軟骨欠損705がある。
図7Bは、上述した撮像技術、または、機械的、光学的、レーザ、または超音波技術を用いて観察される、軟骨欠損の縁710を示す厚みにおける急変の検出を示している。
図7Cは、関節軟骨700にマップされる体重負荷面715の縁を示している。軟骨欠損705は、体重負荷面715内に位置している。
【0121】
図7Dは、意図される移植部位(点線)720および軟骨欠損705を示している。この図では、移植部位720は、罹患軟骨領域705よりわずかに大きい。
図7Eは、単一要素関節面修復システム725の配置を表している。関節面修復システム726の外表面は、周囲の軟骨700から継ぎ目なく広がる曲率を有しており、周囲の正常な軟骨700と関節面修復システム725との間に良好な術後整列をもたらすことになる。
【0122】
図7Fは、典型的な複数要素関節面修復システム730を示している。第2要素732の遠位面733は、隣接する軟骨下骨735の遠位面から広がる曲率を有している。第1要素736は、周囲の正常な軟骨700から広がる、厚さtおよび表面曲率738を有している。この実施形態では、第2要素732は、所望であれば、第1要素736を形成する材料より大きなショアー硬度またはロックウェル硬度をもつ材料から形成可能であろう。このように、要素の少なくとも一部分が、関節の骨と連通する第2要素732は、通常、生来柔らかい軟骨材料から広がる第1要素の736より硬質であることが考慮されている。もちろん、本発明の範囲から逸脱することのない他の構成も可能である。
【0123】
より柔らかい第1要素736と、より硬い第2要素732を使用することにより、移植片全体は、その相対的硬度が、骨軟骨または境を接する骨半月領域の硬度に類似した構成となり得る。このように、より軟質の材料で形成される、より柔らかい材料の第1要素736は、近接するメニスカスまたは軟骨の緩衝機能を実現するものとなろう。
【0124】
図7Gは、周囲の、または隣接する正常な軟骨700に対して、実質的に垂直とはなっていない周囲縁745を伴う、他の単一要素関節面修復システム740を示している。
図7Hは、
図7Gに示したものと同様に、第2要素745の周囲縁745が、周囲の、または、隣接する正常な軟骨700に対して、実質的に垂直とはなっていない、第1要素751および第2要素752を備えた、複数要素関節面修復システム750を示している。
【0125】
ここで、
図8A〜
図8Eに移ると、これらの図は、典型的な膝の撮像および再表面仕上げ処理を示している。
図8Aは、罹患軟骨領域805の拡大図を表しているが、周囲の正常な軟骨800と比べると、軟骨の厚みが減少している様子が明示されている。欠損の縁810が決定されている。
図8Bは、欠損805に隣接する軟骨の厚み815の寸法を表している。
図8Cは、関節再表面仕上げ用の複数要素ミニ補綴824の配置を表している。第1要素823の厚み820は、隣接する正常な軟骨800の厚みに酷似している。この厚みは、補綴の異なる領域では変化可能である。第1要素823の遠位部分824の曲率は、欠損を囲む正常な軟骨800の延長部分の曲率に酷似している。第2要素825の遠位部分826の曲率は、隣接する軟骨下骨830の表面827の投影であり、周囲の軟骨下骨の全体または一部分の曲率と、同一または実質的に同様の曲率となり得る。
【0126】
図8Dは、固定ステム845を利用した、単一要素ミニ補綴840の配置の概略図である。当業者であるならば理解されるように、ステム、柱およびナブを含む、様々な構成が使用可能である。さらに、要素は、その内部表面829が、軟骨下骨830の内部に位置する形で表されている。代替的構造では、内部表面829は、軟骨下骨の表面831に一致している。
【0127】
図8Eは、骨セメント855または他の適当な材料を注入するために、固定ステム845および外部表面850の開口部を利用する、単一要素ミニ補綴840の配置を表している。注入物質855は、ミニ補綴860の下面にある数個の開口部から、隣接する骨および骨髄空間内へ、自由に浸出可能であり、それにより、ミニ補綴が固定される。
【0128】
図9A〜
図9Cは、代替的な膝再表面仕上げ装置を示している。
図9Aは、大腿顆900の前部、中央および後部部分における正常な厚みの軟骨と、大腿顆後部部分に向かう罹患軟骨905の広い領域を表している。
図9Bは、単一要素関節面修復システム910の配置を表している。再び、移植部位は、図示したように、一回の切断921で準備される。しかし、当業者であるならば理解されるように、修復システムは、本発明の範囲から逸脱することなく、隣接する正常な軟骨900に対して垂直であることが可能である。関節面修復システムは、隣接する正常な軟骨900に対して垂直ではない。
図9Cは、複数要素関節面修復システム920を表している。再び、一回の切断(切断線は921として示されている)で、移植部位は準備されている。第2要素930は、軟骨下骨935に隣接する、拡張表面930と同様の曲率を有している。第1要素940は、隣接する軟骨900から伸びる曲率を有している。
【0129】
B.そのままでの(in situ)モデル化装置.
【0130】
欠損を修復する他のアプローチは、
図10A−Bに示したように、欠損修復システムをそのままで(in situ)モデル化することである。
図10Aに示したように、1つのアプローチは、バルーンなどの空洞装置を、目標関節1000内へ挿入することであろう。たとえば、材料の注入を受けることができる、いかなる装置も適当であろう。適当な注入材料は、たとえばポリマーを含んでおり、さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、上のセクションIIで議論した他の材料が使用可能である。
【0131】
ある実施形態では、挿入装置は、関節の少なくとも1つの関節面、または軟骨下骨に適合する、実質的に固定された形状を有するよう考慮されている。挿入装置1000を挿入した後、材料は、挿入装置を通して関節に注入され(1010)、その後、その場で硬化して移植片を形成する(1052)ことになる。注入材料は、硬化する間に、任意に装置へと接着可能である。
【0132】
その代わりに、たとえば、セクションIVで説明したように、研磨などのさらなる処理(1030)のために、硬化(1020)の後に、移植片を除去することが可能である。
【0133】
その場で硬化した後に移植片が取り外し可能な場合に、移植片は、取り外しを容易にするよう、形状において折り畳み可能(collapsible)、折り曲げ可能(foldable)、または、通常は変化可能にする形で、形成することが好適である。処理の後に、移植片は再インストールできる(1040)。
【0134】
1つ以上の型を、1つ以上の関節面に適用できる。この型は、関節面に対面する、実質的に関節軟骨の形状および/または軟骨下骨の形状に一致する、内部表面を有し得る。ポリマーまたは金属を含む硬化材料は、その後、型内の開口部を通して注入可能である。この開口部は、針などの注入装置の挿入が可能な膜を備えていてもよい。この膜は、関節空洞内へ注入された材料の逆流を防ぐのを補助する。その代わりに、この型は、型を通して針および他の装置を配置できる一方で、注入された材料の適切な形状での硬化を可能とするよう、十分な構造的剛性を提供する材料で製造可能である。
【0135】
加えて、移植装置は、多くのサブコンポーネントから構成されていてもよく、各々のサブコンポーネントの体積またはサイズは、移植片の体積より小さい。異なるサブコンポーネントは、関節への挿入前に(体外であろうと、または、関節に隣接してはいるが、体内または実質的に体内であろうと)連結し、または組み立てることが可能であり(1050)、または、若干の例では、関節への挿入後に組み立てることが可能である(1052)。サブコンポーネントは、いったん注入可能材料の硬化が起こったなら、関節内で、または関節に隣接して分解可能である。
【0136】
加えて、移植片は、移植後に骨表面へ固定可能である(1060)。たとえば、固定機構は、フィン、キール、歯、およびペグのような機械的構造、または、骨セメントなどのような非機械的手段を含むことができる。通常、装置が関節内に差し込まれ、および/または固定された後、関節が所望される動作範囲で噛み合うのを、移植片が可能にするか否かを判定するために、移植片の機能性がテストされる(1070)。当業者であるならば理解されることだが、任意の反復ステップ1001、1011、1021、1031、1041、1051、1053、1061、1071により示されるように、これらのステップのうちの1つ以上が、本発明の範囲から逸脱することなく、反復可能である。
【0137】
図10Bに示したように、他のアプローチは、保持装置を目標関節に挿入するためのものとなろう(1002)。たとえば、材料の注入を受けることができる、いかなる装置も適当であろう。適当な材料は、たとえばポリマーを含んでおり、さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、上のセクションIIで議論した他の材料が使用可能である。
【0138】
一つの実施形態では、挿入装置は、関節の少なくとも1つの関節面、または軟骨下骨に適合する、実質的に固定された形状を有するよう考慮されている。保持装置を挿入した(1002)後、材料は、開口を通して、保持装置と関節面の間に形成された空洞領域に注入され(1012)、その後、その場で硬化して移植片を形成する(1052)ことになる。注入材料は、硬化する間に、任意に装置へと接着可能である。
【0139】
その代わりに、たとえば、セクションIVで説明したように、研磨などのさらなる処理(1030)のために、硬化(1020)の後に、移植片を除去することが可能である。
【0140】
その場で硬化した後に、移植片が取り外し可能な場合に、取り外しを容易にするよう、折り畳み可能(collapsible)、折り曲げ可能(foldable)、または、通常は変化可能な形状に形成することが好適である。処理の後に、移植片は再インストールできる(1040)。
【0141】
加えて、移植装置は、多くのサブ部品から構成されていてもよく、各々のサブ部品の体積またはサイズは移植片の体積より小さい。異なるサブ部品は、関節への挿入前に(体外であろうと、または、関節に隣接してはいるが体内または実質的に体内であろうと)連結し、または、組み立てることが可能であり(1050)、または、若干の例では、関節への挿入後に組み立てることが可能である(1052)。サブ部品は、いったん注入可能材料の硬化が起こったなら、関節内で、または関節に隣接して分解可能である。
【0142】
加えて、移植片は、移植後に骨表面へ固定可能である(1060)。たとえば、固定機構は、フィン、キール、歯、およびペグなどの機械的構造、または、骨セメントなどの非機械的手段を含むことができる。通常、装置が関節内に差し込まれ、および/または、固定された後、関節が所望される動作範囲で噛み合うのを、移植片が可能にするか否かを判定するために、移植片の機能性がテストされる(1070)。当業者であるならば理解されることだが、任意の反復ステップ1003、1013、1021、1031、1041、1051、1053、1061、1071により示されるように、1つ以上のステップが、本発明の範囲から逸脱することなく、反復可能である。
【0143】
図10Bに示した方法を実施するのに先立ち、骨表面に対して垂直またはある角度に設定するいずれかの角度で、1つ以上の孔または開口を、骨の表面へ開けることが可能である。保持装置の下で材料を注入すると、材料は孔内部へ埋め込み、硬化するとペグを形成する。
【0144】
1つの考慮された実施形態では、注入材料の硬化後に、移植装置の少なくとも一部分がその場に残っている。このシナリオでは、移植装置は、生体再吸収可能材料から形成可能である。この場合、移植装置を形成する容器は、通常、注入材料の硬化後、若干の時間で再吸収されることが可能である。
【0145】
移植装置の形状は固定可能である。形状が固定されている場合は、撮像テストまたは手術中の測定は、たとえば、上のセクション1のA〜Bで説明した撮像技術および手術中の測定技術を用いて、特定の患者に対して最良に合う装置を形成し、または選択するのに使用する。
【0146】
他の実施形態では、装置の他の部分が変形可能または適応性があるのに対し、装置の一部分は硬質または実質的に硬質である。その代わりに、どのセクションも、硬質、変形可能、または適応性がなければならないといういかなる要件もなく、各セクションは、他のセクションに対して硬度において変化し、装置の一部分は、他の部分より相対的に硬くなってもよい。このようにして、硬質な、または実質的に硬質な、または相対的に硬質なセクションの形状は、たとえば、撮像テストを用いて決定可能である。対照的に、移植装置の適応性がある、変形可能、または相対的に変形可能な部分が、その場で1つ以上の関節面の形状をとることは可能である。これは、特に移植材料の注入後、および、その材料がその場で硬化する間に、起こる。さらに、他の実施形態では、装置全体が変形可能であってもよい。
【0147】
他の実施形態では、移植装置は、膨張可能または折り畳み可能(collapsible)であってもよい。たとえば、Nitinol(登録商標)メッシュなどの支持構造物を,関節へ挿入できる。挿入は、たとえば、カテーテルまたは関節鏡検査口を通して実行可能である。いったん関節内に入ると、移植装置は膨張させることができる。移植装置は、ポリエチレン、または金属調合液を含む他の液状のような、硬化材料の注入を受けるバッグなどの容器を備えていてもよい。移植装置の容器部分は、生体再吸収可能であってもよく、および/または、注入材料に固着可能であってもよい。その代わりに、材料の注入後に、移植装置を取り外してもよい。支持材料が使用されている場合は、この支持材料は、移植装置の取り外しと同時に、またはそれに続いて、切開により、または移植装置を折りたたんで(collapsiinng)、たとえば、カテーテルまたは関節鏡検査口を通して取り外すことにより、取り外し可能である。
【0148】
他の実施形態では、移植装置として、
図11A〜
図11Eに示したようなバルーンが使用可能である。異なる形状およびサイズのバルーンが利用可能となっている。本発明を不明瞭にするのを避けるために、バルーンの全ての可能な形状およびサイズの詳細な説明は含まないが、当業者には明白であろう。バルーンが使用される場合は、それを関節に挿入し、膨張させることができる。バルーンのサイズ、高さ、形状および位置は、関節鏡で、または切開を通して、または、たとえば関節面および他の関節狭窄に対する撮像テストを用いて評価可能である。装置のサイズ、形状および位置を確実に適切なものにするために、動作テストの範囲は、動作範囲全体で実行可能である。
【0149】
挿入後、バルーンは、たとえば自己硬化性材料、または活性化すると硬化する材料を、ゆっくり注入できる。適当な材料は、以下で説明されており、当業者には明白であろう。通常、注入すれば、材料は、流体または準流体状態となっている。材料が注入されると、それがバルーンを膨張させ、たとえば
図11Aに示すように、バルーンは関節面、および他の関節構造の形状をとり、それが欠損を満たすことになる。
【0150】
バルーンは、ポリマー、一様な金属などの自硬性材料または硬化材料がゆっくり注入可能である。材料は、初期には、流体または準流体状態にある。材料はバルーンを膨張させ、それにより、バルーンの形状は、実質的に関節面および他の関節構造の形状を取ることになる。ポリマーは、続いて、バルーン内部を硬化させ、それにより、実質的に関節腔および関節面/構造の形を取ることになる。また、バルーンは生体再吸収可能材料で構成可能である。また、バルーンは処置後に取り外し可能である。
【0151】
たとえば、
図11A〜
図11Cに示した実施形態を比較すると、
図11Aは、関節1110の2つの関節面1102、1104の間に挿入される単一バルーン1100を示している。この図では、関節面は、関連する軟骨1106、1108で示されている。バルーンの近位端1112は、たとえば、バルーン1100を物質で満たすことにより、バルーンを膨張させることができる装置と連通するように構成されている。物質には、空気、ポリマー、非晶質金属、または上のセクションIIで議論したもののような、任意の他の適当な材料も含まれているが、これらに限定されない。
図11Aのバルーン1100は、バルーンの遠位端1114が、関節の遠位端1120(関節の遠位端は、バルーンが関節に入る関節領域と定義される)を超えるまでは拡張しないように構成されている。
【0152】
図11Bは、バルーン1130の遠位端1114、およびバルーン1130の近位端1113が、関節の遠位端1120および近位端1122を超えて延びる、代替的バルーン1130を示している。この伸長は、異なるサイズのバルーンを用いることにより、屈曲および伸長を最適化できる。
図11Cは、バルーン1140を示しているが、ここでは、バルーン1140の遠位端1114は関節の遠位端1120を超えて広がるが、バルーン1140の近位端1114は関節の端を超えて広がらない形で、バルーン1140が構成されている。当業者であるならば理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、他の置換えも可能である。
【0153】
加えて、外科用のメスなどの鋭器を、バルーン内に、またはバルーンに隣接して挿入することが可能であり、バルーンを切断し、または分けることが可能である。その後、バルーンは、好適には、カテーテルまたは関節鏡検査口を通して、硬化した材料から引き戻し、関節から取り外すことができる。
【0154】
図11D〜
図11Gに示したように、1つより多いバルーンが使用可能である。複数のバルーンが使われる場合は、バルーンが、
図11Dの1150、1152で示したように並んだ状態で挿入され、
図11Eの1154、1156で示したように異なる区画に挿入され、
図11Fと
図11Gの1160,1162、および1170,1172,1174で示したように、1つ以上のバルーンが、他のバルーンのルーメン内部に上下の関係で取り囲まれ、および/または、これらの組み合わせとなる形で、複数のバルーンを構成可能である。
【0155】
各バルーンは、同一または異なる肉厚を有していてもよく、または、同一または異なる材料で構成されていてもよい。当業者であるならば理解されるように、材料の違いにより、各バルーンを膨張させるのに必要な圧力量は、均一または不均一のいずれかに変化可能である。これらの圧力は、当業者に既知であり、本発明を不明瞭にするのを避けるために、本明細書では議論していない。
【0156】
たとえば、1つのシナリオでは、第1の内部バルーンの上部および下部表面は、第2バルーンに対して小さな膨張圧力を有し得る。したがって、材料が注入されると、バルーンのルーメン内側で生成される圧力は、直接1つ以上の関節面に伝えられる。このようにして、2つの関節面間の距離が制御可能となり、そして、結果的な移植片の十分な厚みを確保しながら、最小の距離が取得可能となる。この実施形態は、関節面内部の領域または関節面の接触域を縁取る領域で役立つものとなり得る。
【0157】
後部または周囲にある第2バルーンは、第1バルーンに対してより大きな膨張圧力を要する形で提供可能である。内部の小さな膨張圧力のバルーンは、体重負荷域に配置可能である。また、たとえば、周囲には大きな膨張圧力がある硬い壁があり、さらに、中央には、中程度または小さな膨張圧力があるさほど硬くない壁があるなど、同一のバルーンが、そのバルーンの異なる領域では異なる壁特性を有していてもよい。
【0158】
または、その代わりに、第2バルーンに対して小さな膨張圧力を有する第1バルーンは、関節面の接触域を縁取る領域に提供される。先と同様に、材料が注入されると、バルーンのルーメン内で生成される圧力は、直接1つ以上の関節面に伝えられる。このようにして、2つの関節面間の距離が制御可能となり、そして、結果的な移植片の十分な厚みを確保しながら、最小の距離が取得可能となる。
【0159】
第2バルーンは、比較的大きな体重負荷がある領域に提供可能である。このバルーンは、第1バルーンに対して、より大きな膨張圧力を要するように構成可能である。
【0160】
また、バルーンの肉厚、圧力耐性および膨張性の違いは、注入材料の結果的形状に影響を及ぼすよう使用可能である。
【0161】
異なる肉厚または圧力耐性を有する膨張装置またはバルーンを使った結果は、
図12A〜
図12Fに示されている。
図12Aに示したように、バルーン1200は、近位端1214および遠位端1216に沿って、上面1210および下面1212を有している。バルーンまたは膨張装置1200の相対的圧力耐性は、上面1210よりも下面1212の方が小さい。その結果、バルーンの上面1210は、その対応する関節面に対して比較的平坦な構成となり、下面1212は、その対応する関節面に対して相対的に一致した構成となる。
【0162】
ここで、
図12Bに移るが、用いられている膨張装置1220は相対的に一定の圧力耐性を有しており、その結果、上面1210および下面1212の双方は、関節面の分析に関係なく、その対応する各々の関節面に対して比較的平坦な構成を有することになる。
【0163】
図12Cは、その近位端1214および遠位端1216で小さな膨張圧力を有し、中央領域1218で大きな膨張圧力を有する、バルーン1230を示している。この構成により、バルーンが膨張したときに、近位端および遠位端は、中央領域より大きなプロフィール(たとえば、高さ)となるよう膨張することになる。中央領域の膨張圧力は、近位端および遠位端より大きくなりはするが、図示されたように、中央領域が関節面に対して相対的に平坦な構成を有する形で設定可能であり、または、
図12Aに示した結果を達成するよう設定可能である。
【0164】
当業者ならば理解されるように、これらのバルーンのいずれであれ、同一バルーンの内部で、結果的にその壁の一部分が他の部分ほど硬くならず、たとえば、周囲には大きな膨張圧力の硬い壁があり、さらに、中央には中程度または小さな膨張圧力のさほど硬くない壁があるなど、その特性を変化させるように構成可能である。バルーンに1つ以上の厚みが存在する場合、たとえば、以下のようにすることもできる。前方はさほど硬くなく、また、中心はより硬く、さらに、後方はさほど硬くない。肉厚可変性により、装置の適応形状の形成が可能になる。中央の厚みは、装置が凹凸のある関節面に完全に一致するのを避けるための補助になるが、これは、骨棘のように、関節面に凹凸がみられるところでは重要なことであろう。その代わりに、中央部分が前方および後方セクションより小さな硬さとなっている場合は、装置は、いかなる凹凸も含んで、関節面の形状により密接に一致するよう構成されることになろう。装置が、関節の形状により密接に一致すればするほど、関節とより多くぴったりするようになる。
【0165】
任意に、外科医は、骨棘を含む表面の凹凸を排除することを選択してもよい。これは、関節鏡検査または関節切開などの既知の技術を用いて実行可能である。
【0166】
1つより多いバルーンが使われる場合は、異なるバルーンが異なる形状やサイズを有することが可能となる。与えられた患者および関節のために、形状およびサイズが調整可能または選択可能である。バルーンのサイズや形状の相違に加えて、各バルーンは、異なるおよび/または変化する肉厚を有するよう構成することもできる。たとえば、1つのバルーンは、中央部分が前方および後方セクションより小さな硬さとなるよう構成され、一方、第2バルーンは、中央部分が前方および後方セクションより大きな硬さとなるよう構成されることもできよう。
【0167】
図12Dと
図12Eは、2つのバルーンを用いた構成を示している。
図12Dに示したように、膨張装置1240を形成するよう、第1バルーン1244は第2バルーン1242内部にある。この実施形態では、外部の第2バルーン1242の下面1246は、装置の少なくとも1つの表面が、対応する関節面に一致可能となる、または、実質的に一致可能となる膨張圧力を伴って構成されている。また、
図12Eは、第1バルーン1254と第2バルーン1252による、2つのバルーンの構成1250を示している。この実施形態では、装置の膨張圧力は、表面が対応する関節面に実質的に一致しないよう構成されている。
【0168】
図13は、A〜Jと1−3において、
図11〜
図12に示した実施形態に予想される、様々な断面を示している。これらの実施形態は、以下を用いて達成される、予想されるプロフィールを示している。単一バルーン(
図13A(1−3))。1つのバルーンが、第2バルーン内部のほぼ中央位置(
図13B(1−3))、または、第2バルーン内部の中心から離れた位置(
図13D(1−3))で適合する、二重バルーンの実施形態。2つのバルーンが、第1バルーンの内部に適合し(
図13C(1−3))、3つのバルーンが、互いに隣に配置され(
図13H(1−3))、または、2つのバルーンが互いに隣接する一方で、1つのバルーンがそのルーメン内に別のバルーンを有している(
図13E(2−3)、F(2)、G(2))、3バルーンの構成。2つのバルーンが互いに隣接し、さらに、それぞれのバルーンがそのルーメン内に1つのバルーンを有しており(
図13G(3))、または、3つのバルーンが互いに隣接し、その3つのバルーンのうちの少なくとも1つが、そのルーメン内に別のバルーンを有している(
図13I(2−3))、4バルーンの構成。または、3つのバルーンが互いに隣接して位置決めされ、その3つのバルーンのうちの2つが、そのルーメン内にバルーンを有している(
図13J(1))、5バルーンの構成。当業者ならば理解されるように、他の組み合わせおよびプロフィールは、本発明の教示を使用することにより、本発明の範囲から逸脱することなく達成可能である。本発明を不明確にするのを避けるため、すべての可能な組み合わせが示されているというわけではない。
【0169】
他の実施形態では、バルーンまたは装置内へプローブが挿入可能である。プローブは、装置の厚み(たとえば、最小値と最大値)の測定に利用可能である。この実施の形態および他の実施形態では、バルーンは初期に、通常硬化していないテスト材料を注入可能である。いったんバルーンまたは装置内に入ると、たとえば与えられた膨張圧力に対する装置またはバルーンの厚みが測定可能となる。このようにして、移植片の厚みを、確実に、十分なほど最小にできる。装置またはバルーンの厚みを測定するプローブには、A、BまたはCスキャンを包括する超音波が含まれているが、これに限定されない。
【0170】
ここで
図14A〜
図14Jに移るが、これらの図には、保持装置を利用する、
図10Bで説明した軟骨修復システムが示されている。
図14AおよびDは、矢状面Sおよび前頭面C内の関節面1500上にある、軟骨欠損1501を示している。外科医は、欠損を外科的に切除し、それにより、任意に滑らな縁1502を作成してもよい。
【0171】
保持装置1510は、空洞1520を形作るために欠損1501に適用される。保持装置1510内の開口1512には、硬化材料を注入可能である。適当な材料には、ポリマー、または、非晶質金属が含まれるが、これらに限定されない。加えて、当業者ならば理解されるように、注入材料は、初期に粉状であり、その後、液状触媒または硬化材料が注入されてもよい。
【0172】
図14Gに示したように、骨1550の表面は、たとえば、キュレットまたはドリルなどで下処理されてもよく、それにより、骨1550の表面には、結果として生じる装置を関節面1550に固定するのを補助する、小さな歯、孔、または固定部材1552が形作られることになる。
図14G(2)および(5)に示したように、ドリル孔は、2つ以上あり、さらに軟骨下骨1553の表面に対して垂直に、互いに平行に穿孔されてもよい。その代わりに、ドリル孔は、
図15G(3−4)に示したように、軟骨下骨1553に対して垂直でない角度で、互いに関係付けられる角度で穿孔されてもよい。当業者ならば理解されるように、骨の表面上に1本以上のペグを作成できる。たとえば、
図14G(2)は2本のペグの構成、さらに、
図14G(8)は単一ペグのシナリオ、さらに、
図14G(4)は数個のペグが平行関係となっているが、他のペグはそうなっていない4本のペグのシナリオを示している。
図14G(9)に示したように、開口(1552または1553)は、ボアが円筒形とならないように形成可能であるが、むしろ骨内への導管突起1572を有しており、満たされるとねじとなる旋回導管を形成して、結果的に、時計回りまたは反時計回りに回転させると固定された装置が取り外せるねじを、満たされた開口内に形成可能となる。
【0173】
図14Hに示したように、通常円周状である隆起1546が使用可能である。円周状の隆起は、関節空洞内への注入材料の流出を回避する、拘束装置と軟骨との間の密封の実現を補助するものである。その代わりに、型の周囲が、型と周囲の軟骨との間の密封の実現を補助する、柔軟な圧縮性材料を含んでいてもよい。
【0174】
図14Iは、骨表面に配置されたハンドルを備えた保持型を示している。
【0175】
図14Jに示したように、保持装置1510は、それに取り付けられた1本以上のハンドル1547を有することができる。このハンドルにより、外科医は、注入材料が硬化する間、保持装置を所定の位置で容易に維持できるようになる。保持装置の開口1512は、注入を受け、さらに、
図14Jに示したように、膜1513を含むことができる。この構成により、空洞1520内への材料1570の注入に用いた針1560または注入器具が取り外された後に、密封を実現することが補助されることになる。加えて、または膜1513に代えて、材料1570が注入された後に開口1512を封止する、キャップ1514を提供してもよい。加えて、欠損を囲む半月板1591または軟骨と連絡する、固定歯1590が提供されてもよい。この固定歯1590は、欠損上に配置された場合に装置の安定性を保つことを補助する。
【0176】
図14G(4)に示したように、本発明の範囲から逸脱することなく、1つ以上の開口1512、1512’を提供できる。
【0177】
保持装置システムは、罹患軟骨領域と同等またはわずかに大きな領域へ注入するよう、設計可能である。その代わりに、保持装置システムは、体重負荷面全体、または区画の関節面全体に対して設計されていてもよい。保持装置は、たとえば、大腿顆および脛骨プラトーなどの対向する関節面上で使用可能であり、それにより、両方の関節面上に滑らかなすべり面を復元することになる。
【0178】
保持装置は、紫外線を含む露光を可能にするよう設計できる。たとえば、保持装置は、透明プラスチックを用いて作成可能である。また、保持装置は、超音波の通路となるよう作成可能である。
【0179】
C.カスタマイズされた容器.
【0180】
本発明の他の実施形態では、容器またはウェルは、たとえば特定の被験者に必要とされる材料に適合するよう、または様々なサイズで修復材料のストックを作成するよう、選択された仕様に形成できる。この容器のサイズおよび形状は、関節および軟骨欠損から得られる、厚みおよび曲率の情報を用いて設計可能である。より具体的には、容器の内部は、たとえば、特定の被験者の軟骨欠損から得られたような、いかなる選択された測定値にも従うように形成できる。この容器は、たとえば、コラーゲン含有材料、プラスチック、生体再吸収可能材料、および/または、適当な組織担体などの、軟骨置換または再生材料で満たすことができる。また、軟骨再生または置換材料は、幹細胞、または、容器内でさらに成熟した軟骨に発達する胎児軟骨細胞、または未熟軟骨細胞、または成熟軟骨細胞の懸濁液から成っていてもよい。さらに、特定の組織栄養物および生長因子を用いることにより、発達および/または分化を促進させることができる。
【0181】
この材料は、材料が、たとえば、厚み、弾性、硬度、生体化学組成などの所望される特性を有するようになるまで、容器内で硬化および/または成長することが可能である。型は、例をあげると、コンピュータ装置およびたとえばコンピュータ支援設計(CAD)などのオートメーション、および、たとえばコンピュータ支援モデル化(CAM)など、任意の適当な技術を用いて生成できる。一般に、結果として生成される材料は容器内部の輪郭に従うので、欠損自体良好に適合し、統合を容易にすることになる。
【0182】
D.複数要素修復材料を包囲する設計.
【0183】
本明細書に説明されている関節修復システムまたは移植片は、1つ以上の要素を含んでいてもよい。
【0184】
図15Aと
図15Bは、単一および複数の要素の装置を示している。
図15Aは、システム1400の内部表面1402が軟骨下骨の表面1422の延長を形作らない形で、曲率および半径が変化する、軟骨下骨1420内部に適合している単一要素関節面修復システム1400の一例を示している。この関節面修復システムは、凸部1402および凹部1404を含むよう選択される。こうした装置は、後部大腿顆、または肘関節などの小さな関節に好適となる場合がある。
図15Bは、軟骨下骨1420の表面1422の延長を形作る表面1412を備えた第2要素1410、および周囲の正常な軟骨1415の曲率と形状の延長を形作る内部表面1406を備えた第1要素1405を伴う、複数要素関節面修復システムを表している。第2要素1410および第1要素1405は、軟骨下骨1420および/または正常な軟骨1415の曲率に対応する、凸部および凹部によって、曲率および半径を変化させているのを明示している。当業者ならば理解されるように、これらの2つの要素は、部品が互いに一体化されて形作られるように形成可能であり、または、各部分が他方に当接するように形成可能である。加えて、部品間の関係は、接着剤および機械的手段を含む、いかなる適当な機構によるものでもよい。
【0185】
図16Aと
図16Bは、周囲の正常な軟骨200の延長を形作る外部輪郭102を有する、関節修復システム100を示している。このシステムは、1本以上のペグ150、175を用いて、下部の骨300内に植え付けられている。このペグ、ピンまたはねじは、多孔性被覆が可能であり、
図15Bに示したようにフランジ125を有することができる。
【0186】
図17は、以下を含む、典型的な関節修復装置500を示している。深さを制御し、トグルを防止する平面510、正常な軟骨の輪郭を有する外部表面515、回転を防止し、トグルを制御するフランジ517、および、組織の内への成長を促進する溝520。
【0187】
図18A〜
図18Dは、断面図で示された、複数の固定ペグ、ステムまたはねじ645を伴った移植片640の他の例を表している。
図I8B〜
図18Dは、ペグ、または固定ステムの様々な考えられる実施形態の、様々な横断面を示している。
図18Bは、その円周の周りに、切込み646または溝を有するペグ645を示している。
図18Cは、下部の骨内への装置の固定を補助する、放射状に拡張したアーム647を伴うペグ645を示している。そして、
図18Dは複数の溝またはフランジ648を伴うペグ645を示している。
【0188】
図19Aと
図19Bは、複数の固定ペグ655を備えた典型的な移植片650の俯瞰図を表し、さらに、ペグが、装置の縦軸に沿って必ずしも直線的に配列されるというわけではないことを示す。
【0189】
図20Aは放射状に伸びるアーム665を有するペグ661を伴う、移植片660を表している。
図20B〜
図20Eは、様々な適当な代替的形状を示す、移植ペグの平面図である。
【0190】
単一要素システムの例には、プラスチック、ポリマー、金属、合金、非晶質金属、生体物質、またはその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、下部の骨に面する修復システムの表面は滑らかであってもよい。他の実施形態では、下部の骨に面する修復システムの表面は、多孔性であっても、または多孔性被覆されていてもよい。他の態様では、下部の骨に面する修復システムの表面は、たとえば、周囲の組織の内成長を促進するよう、1つ以上の溝を伴って設計されている。装置の外部表面は、生体力学的圧力の変更に有利となり得る、階段状の設計を有していてもよい。また、任意に、(たとえば、修復システムが回転するのを防止するために、トグルを制御し、および/または、骨髄空洞内に定位してしまうのを防止するために)装置上の1つ以上の位置にフランジを追加可能である。このフランジは、円錐または筒状の設計の一部となっていてもよい。また、移植片の深さの制御、トグルの防止を補助し得るよう、下部に位置している骨に面する修復システムの、一部分または全部は、平坦となっていてもよい。
【0191】
複数要素システムの例には、金属、プラスチック、合金、非晶質金属、および1つ以上の生体物質の組み合わせが含まれているが、これらに限定されない。関節面修復システムの1つ以上の要素は、生体物質(たとえば、単独の、または、生体再吸収可能材料または組織担体、同種移植片、自家移植片またはその組み合わせなどの基材内部に植え付けられた、軟骨細胞または幹細胞などの細胞を伴う組織担体)、および/または、非生体物質(たとえば、ポリエチレン、または、クロムコバルトなどのクロム合金)で構成されていてもよい。
【0192】
したがって、たとえば、関節面修復システムが、第1および第2の要素を有し得るなど、この修復システムは、単一材料、または材料の組み合わせの1つ以上の領域を含むことが可能である。第1要素は、通常、失われた軟骨組織のものと同様のサイズ、および厚み、および曲率を有するように設計され、一方、第2要素は、通常、軟骨下骨のものと同様の曲率を有するように設計される。加えて、第1要素は、関節軟骨と同様の生体力学的特性(同様の弾性、および軸負荷または剪断力に対する抵抗を含むが、これらに限定されない)を有することが可能である。第1および第2の要素は、2つの異なる金属または合金から構成できる。このシステムの1つ以上の要素(たとえば、第2の部分)は、骨を含むがこれに限られない生体物質、または、ヒドロキシアパタイト、タンタル、クロム合金またはクロムコバルトまたは他の合金を含むがこれらに限定されない非生体物質により構成可能である。
【0193】
関節面修復システムの1つ以上の領域(たとえば、第1部分および/または第2部分の外部縁)は、たとえば、関節面修復システムと患者の正常な軟骨との間の界面が、時間が経つと、ガラス質または線維軟骨で満たされることが可能となるように、生体再吸収可能となっていてもよい。同様に、1つ以上の領域(たとえば、関節面修復システムの第1部分、および/または、第2の部分の後部のマージン)が多孔性であってもよい。間隙率は、直線的にまたは非直線的に、多孔性領域全体にわたって変化可能であり、間隙率は、通常関節面修復システムの中央に向かって減少することになる。細孔は、軟骨細胞、軟骨基質、および結合組織の内殖のために設計されており、それにより、関節面修復システムと周囲の軟骨との間の滑らかな界面が得られることになる。
【0194】
修復システム(たとえば、複数要素システム内の第2要素)は、メチルメタクリレート、注入可能なヒドロキシアパタイトまたはカルシウムアパタイトなどのセメントなどの材料を用いて、患者の骨に付着可能である。
【0195】
ある実施形態では、移植時点で、関節面修復システムの1つ以上の部分が、柔軟、または、液状、または、変形可能であり、後に硬化可能であってもよい。硬化は、たとえば、1秒から2時間(または、その間の任意の時間)で、好ましくは1秒から30分(または、その間の任意の時間)で、より好ましくは1秒から10分(または、その間の任意の時間)で達成されてもよい。
【0196】
関節面修復システムの1つ以上の要素は、注入を受けるように適合させることができる。たとえば、関節面修復システムの外部表面には、1つ以上の開口部が存在していてもよい。この開口部は、たとえば関節面修復システムを通して、骨髄空間内部へ所望の深さだけ挿入し、進めることができるねじ、管材、針または他の装置を受けるよう、そのサイズを決定できる。その後、メチルメタクリレート、注入可能ヒドロキシアパタイトまたはカルシウムアパタイト材料などの注入可能物質が、この開口部(または、この開口部を通して挿入された管材)を通して、骨髄空間へ注入可能となり、これにより、関節面修復システムを骨髄空間と接着させる。同様に、ねじ、ピンまたは他の固定機構を開口部に挿入し、さらに、関節面修復システムを骨へ固定させるために、下部の軟骨下骨、および、骨髄または骨端へ進めることができる。ねじまたはピンの一部分または要素は、生体再吸収可能な場合があり、たとえば、骨髄空間内へ突出するねじの遠位部分などは、生体再吸収可能であってもよい。手術後、最初のうちは、このねじにより、関節面修復システムが予備固定され得ることになる。続いて、関節軟骨修復システムの下面に沿った多孔性被覆領域への骨の内殖が、骨に対して関節面修復システムを安定させる、予備的な装置としての役割を引き継ぐことになる。
【0197】
関節面修復システムは、ピン、ねじまたは他の取付機構を用いて、患者の骨に固定可能である。この取付機構は、生体再吸収可能であってもよい。ねじ、ピンまたは取付機構は、骨の非軟骨皮膜部分から、または関節の非体重負荷面から、関節面修復システムに向かって、挿入し、または前進させることが可能である。
【0198】
関節面修復システムと周囲の正常な軟骨との間の界面は、たとえば、下に位置する軟骨下骨に対して90度をなすなどの角度をなしていてもよい。適当な角度は、本明細書の教示の見地から決定可能であり、ある場合には、90度でない角度が、関節面修復システムと周囲の正常な軟骨との界面に沿う負荷分配にとり有利なものとなり得る。
【0199】
関節面修復システムと、周囲の正常な軟骨および/または骨との間の界面は、たとえば、修復システムの正常な軟骨および/または骨との生体融合を促進する物質などの薬剤または生体活性剤で覆われていてもよい。たとえば、界面の表面は、薬剤または生体活性剤に対する界面の暴露を増加させるよう、不規則にすることもできる。
【0200】
E.前から存在する修復システム.
【0201】
本明細書に説明されているように、様々なサイズ、曲率、および厚みの、外科器具、ガイドおよび型を含む修復システムが、得られる。外科器具、ガイド、および型を含む、これらの修復システムは、その後に、個々の患者に適切なシステムを選択可能なライブラリシステムを創設するために、目録化して記憶させておくことができる。換言するならば、欠損または関節面は、特定の被験者において査定され、そして、さらなる操作(たとえば、形成)および移植のために、適当な形状ならびにサイズを有する外科器具、ガイド、および型を含む前から存在する修復システムが、ライブラリから選択される。
【0202】
F.ミニ補綴.
【0203】
上述のように、本明細書に説明されている方法および構成は、たとえば、関節面の罹患軟骨または欠損軟骨などの関節面の一部分だけを交換するのに使用可能である。これらのシステムでは、関節面修復システムは、罹患または欠損軟骨の領域のみを交換するように設計可能であり、または、罹患または欠損軟骨の領域を越えて隣接する正常な軟骨へたとえば3mmまたは5mmほど広げることも可能である。ある実施形態では、補綴が交換するのは、関節面(たとえば、単一大顆のような、与えられた任意の関節面など)のほぼ70%から80%未満(またはこの範囲内の任意の値)、好ましくは、ほぼ50%から70%未満(またはこの範囲内の任意の値)、さらに好ましくは、ほぼ30%から50%未満(またはこの範囲内の任意の値)、さらに好ましくはほぼ20%から30%未満(またはこの範囲内の任意の値)、さらに好ましくは、関節面のほぼ20%未満である。
【0204】
補綴は、たとえば、骨にオーバーレイする軟骨の欠損を覆うように形成されている要素に付着して、骨内部に移植される要素(たとえば、金属装置)などの複数の要素を含んでいてもよい。たとえば、中間プレート、半月板修復システムなどの、追加要素が含まれていてもよい。各要素は、対応する関節面の全体未満を交換するよう考慮されている。しかし、各要素は、関節面の同一部分を交換する必要はない。換言すれば、補綴は、骨の30%未満を交換する骨移植要素と、軟骨の60%を交換する軟骨要素とを有していてもよい。補綴は、各要素が関節面の全体未満を交換するのであれば、いかなる組み合わせであってもよい。
【0205】
関節面修復システムは、周囲のまたは隣接する軟骨と、密接に解剖学的適合または合致をなすよう形成可能または選択可能である。通常、関節面修復システムは、外部表面に位置する、システムの外部縁が、周囲のまたは隣接する軟骨と整列するよう、形成され、および/または選択される。
【0206】
したがって、関節修復システムは、たとえば大腿顆などの関節面の体重負荷部分(または、より大きいか、またはより小さい)を交換するように設計可能である。この体重負荷面は、普遍の日常生活活動(たとえば、正常歩行など)での、向かい合う2つの関節面間の接触域を参照している。この方法によって、たとえば大腿顆および脛骨上の、少なくとも1つ以上の体重負荷部分が交換可能である。
【0207】
他の実施形態では、罹患軟骨領域または軟骨欠損領域は、体重負荷部分内で特定することが可能であり、体重負荷部分のみが、具体的には、罹患軟骨を含む部分または軟骨欠損領域が、関節面修復システムと交換可能となっている。
【0208】
他の実施形態では、関節修復システムは、たとえば顆など、実質的に関節面全体を交換するように設計または選択可能である。
【0209】
他の実施形態では、たとえば、散在性の軟骨欠損を有する患者に対し、関節修復システムは、体重負荷面よりわずかに広い領域を交換するように設計可能である。
【0210】
ある態様では、修復されるべき欠損は、1つの関節面、通常最も罹患した表面にのみ位置している。たとえば、内側大腿顆に重度の軟骨欠損があるにもかかわらず、脛骨はそれほど重度に罹患しているわけではない患者においては、関節面修復システムは、内側大腿顆へのみ適用可能である。好ましくは、本明細書に説明されている、いかなる方法によるものであれ、関節面修復システムは、隣接する正常な軟骨と、厳密に、または密接に解剖学的適合をなすように設計される。
【0211】
他の実施形態では、1つ以上の関節面が修復可能である。修復領域は、通常、罹患軟骨または軟骨欠損の領域、または、体重負荷面内部の罹患軟骨または軟骨欠損の領域よりわずかに大きな領域に限定されることになる。
【0212】
移植片および/または移植部位は、移植片と移植部位とが密接に解剖学的整列をなすように彫刻することが可能である。本発明の他の実施形態では、電子画像は、関節軟骨または軟骨下骨の厚み、曲率、形状、および/または、欠損のサイズを測定するために用いられ、さらに、関節面修復システムは、この情報を用いて選択される。関節面修復システムは、手術中に挿入可能である。関節面修復システムは、単一の半径を有していてもよい。しかし、より典型的には、上で議論した
図15Aに示したように、関節面修復システム1500は、たとえば、前後の、または内外側方の、または上下の、または傾面などの同一平面内、または、多重平面内、変化する曲率および半径を有しており、この方法で、関節面修復システムは、移植片と移植部位との間において密接に解剖学的整列をなすよう形作ることができる。この設計により、凸状または凹状の度合が異なり得るだけでなく、主に凸状の形状をしている箇所に凹状の部分が存在したり、またはその逆(1500)もまた同様である。
【0213】
他の実施形態では、関節面修復システムは、たとえば、2001年5月1日にパッパス(Pappas)他に対して発行された米国特許第6,224,632号に説明されているように、装置の固定に用いる固定ステムを有している。このステム、またはペグは、円錐形、長方形、とりわけフィンを含む、異なる形状を有することができる。接合する骨空洞は、通常、対応するステムとして、同様に形成される。
【0214】
上で議論した
図16に示したように、関節面修復システム100は、軟骨下骨プレートを貫通して骨髄空間内へ伸びる、1本以上のステム、またはペグ150により、軟骨下骨300に取り付け可能である。ある例では、この設計により、軟骨下骨に対する移植片の安定部分により、移植片が関節内へさらに深く固定されるという可能性を減少させることができる。ステムまたはペグは、装置を骨へ固定するという機能を実行するのに適当な、いかなる形状のものであってもよい。たとえば、ペグは、筒状または円錐状であってもよい。任意に、ステムまたはペグは、骨の内殖を可能にするよう、切込みまたは開口部をさらに含むことができる。さらに、ステムは、骨の内殖ために、多孔性被覆を施されていてもよい。固定ステムまたはペグは、骨セメントを用いて骨へ取り付けることができる。また、追加的な固定装置をステムまたはペグへ取り付けることができる。この固定装置は、軟骨下骨に向かいペグから離れるより広い部分を伴った、かさ形(たとえば、放射状に伸びる要素)を有することができる。固定装置は、移植片を即座に固定するのに有利となり得る。軟骨下骨に面する関節修復システムの下面は、型押しまたはラフにすることが可能であり、それにより、関節修復システムと軟骨下骨との間の接触面を増やすことができる。その代わりに、関節修復システムの下面は、多孔性被覆をすることが可能で、それにより、内殖が可能となる。外科医は、通常、より大きな表面領域を作成するために、および/または、軟骨下骨から出血するまで、石目やすりで軟骨下骨を処理することにより、骨の内殖を援助可能である。
【0215】
他の実施形態では、骨セメントを用いて、関節面修復システムを、下部に位置する骨または骨髄に取り付けることができる。骨セメントは、通常アクリルポリマー材料から作成される。通常、骨セメントは2つの成分、すなわち、乾いた粉末成分および液体成分、から成っている。その後、これらは混合される。一般に、乾いた成分は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリルポリマーを含んでいる。また、乾いた成分は、骨セメントが形成されるとき起こるラジカル重合処理を始める、過酸化ベンゾイルなどの重合開始剤を含んでいてもよい。他方、液体成分は、一般にメチルメタクリレート(MMA)などの液体モノマーを含んでいる。また、液体成分は、アミン(たとえば、N,N−ジメチル−p−トルイジン)などの促進剤を含んでいてもよい。ヒドロキノンなどの安定剤も、液体モノマーの時期尚早な重合を防ぐために、液体成分に添加可能である。液体成分が乾いた成分に混ぜられると、乾いた成分は、液体モノマーの中に溶け始めるか、または膨らみ始める。アミン促進剤は、ポリマーチェーンを形成するためにモノマーユニットをリンクし始めるフリーラジカルを形成するために、開始剤と反応する。続く2〜4分で、重合過程は、混合物の粘性を、シロップのような粘稠度(低粘性)から、練り粉のような粘稠度(高粘性)へ変化させながら続く。結局、さらなる重合および硬化が起こり、セメントが硬化して、補綴を骨に付着させる。
【0216】
上で
図7Eに示したように、本発明のある態様では、骨セメント755、または、注入可能なカルシウムヒドロキシアパタイトなどの他の液体取付物質は、補綴の1つ以上の開口部750を通して骨髄空洞へ注入可能である。補綴内のこれらの開口部は、関節面から補綴760下面に伸びることができる。注入後に、開口部は、ポリマー、シリコン、金属、合金、または、生体再吸収可能なプラグで閉塞可能である。
【0217】
他の実施形態では、関節面修復の1つ以上の要素(たとえば、下部に位置する骨または骨髄へ向かうシステムの表面)が、多孔性であっても、または多孔性被覆がされていてもよい。骨組織の内殖による金属補綴の固定を向上させるために、様々な異なる多孔性金属被覆が提案されている。したがって、たとえば、2974年12月24日にピリアー(Pilliar)に対して発行された米国特許第3,855,638号は、骨の補綴として使用可能で、固体金物基材、および、同一の固体金属材料が、基材表面の少なくとも一部に付着し、かつ広がる多孔性被覆から成る複合構造を含む、外科補綴装置を開示している。多孔性被覆は、接触点で互いに1つに接着して、被覆内に多くの間隙性細孔を形作っている、多くの小さな金属分離粒子から成っている。多くの単層内に分布可能な粒子のサイズと間隔は、平均間質の孔径がおよそ200ミクロン以下であり得る。加えて、孔径分は、基材被覆界面から被覆表面まで実質的に一定であってもよい。他の実施形態では、修復システムは、薬物または薬物の配送に使用可能な他の薬理学的治療を含む治療薬を積載し、または放出可能な、1つ以上の高分子材料を含むことができる。この高分子材料は、たとえば、多孔性被覆の領域内に配置可能である。ポリマー材料は、たとえば骨または軟骨の成長を刺激する薬物などの、治療薬物の放出に使用できる。この実施形態は、関節面修復システムの一部が生体再吸収可能であってもよい場合、他の実施形態と組み合わせることができる。たとえば、関節面修復システムの第1層、または第1層の部分は、生体再吸収可能であってもよい。第1層が吸収されるにつれ、軟骨の成長を刺激する薬物を局所的に放出することは、軟骨細胞および基質構成の内殖を促進可能である。
【0218】
本明細書に説明されている方法または構成のいずれであれ、関節面修復システムは、様々なサイズ、曲率、および厚みで先行製造が可能である。その代わりに、関節面修復システムは、個々の患者に対して注文生産が可能である。
【0219】
IV.製造.
【0220】
A.形成.
【0221】
ある例では、修復材料の形成は、たとえば、必要な軟骨材料の厚みが一定でない場合(たとえば、異なる複数のセクションの軟骨置換、または異なる厚みを必要とする再生材料の場合)など、形成(たとえば、所望される厚みへの成長)の前または後に必要とされる場合もある。
【0222】
置換材料は、機械研摩、レーザ研摩または切除、高周波処理、冷凍切除、栄養物、酵素、または生長因子の暴露時間ならびに濃度の変化、および軟骨の厚みに影響を及ぼし、または変化させるのに適当な任意の他の手段を含むが、これらに限定されない、任意の適当な技術によって形成可能である。たとえば、2000年3月23日に発行された、マンズマン(Mansmann)に対する国際公開公報第WO 00/15153号を参照されたい。酵素の消化が用いられる場合は、異なるセクションの前記材料における軟骨置換または再生材料の、異なる厚みおよび曲率を得る手段として、軟骨置換または再生材料の特定セクションは、より高い酵素投与量、または、より長い間酵素に曝され得る。
【0223】
材料は、手動で、および/または、たとえば前もって選択された厚みおよび/または曲率が入力され、その後、所望される形状を得るために、その装置を入力情報を用いてプログラムするといった装置を用いて、自動的に形成可能である
【0224】
軟骨修復材料の形成に加えて、または、それに代えて、修復材料の統合を促進するために、任意の適当な技術を用いて移植部位(たとえば、なんらかの軟骨材料が残存している骨表面など)を形成できる。
【0225】
B.サイジング.
【0226】
関節修復システムは、周囲の、または隣接する軟骨または軟骨下骨または半月板または他の組織と、密接な解剖学的適合または組み合わせをなすよう、形成または選択できる。修復システムの形状は、電子画像(たとえば、MRI、CT、デジタル断層合成、光コヒーレンス断層撮影など)の分析に基づくことができる。関節修復システムが罹患軟骨または欠損軟骨の領域の置換を意図している場合は、電子画像による健康な軟骨の形状の仮想再構成を提供する方法を用いて、密接な解剖学的適合が達成可能である。
【0227】
本発明の1つの実施形態では、軟骨欠損位置での正常に近い軟骨表面は、軟骨欠損領域または罹患軟骨領域にわたって健康な軟骨表面を補間することにより、復元可能である。これは、たとえば、パラメトリック曲面(たとえば、Bスプライン曲面)により健康な軟骨を表現することによって達成可能である。この場合、パラメトリック曲面が健康な軟骨の輪郭に従って、罹患軟骨または軟骨欠損領域を橋渡しする形で、制御点がパラメトリック曲面に配置されることになる。パラメトリック曲面の連続特性は、周囲の健康な軟骨の輪郭と、罹患軟骨または軟骨欠損領域を橋渡しする部分に、滑らかな統合を提供することになる。軟骨欠損領域、または罹患軟骨領域上のパラメトリック曲面の部分は、関節修復システムの形状または形状の一部を周囲の軟骨に合わせる決定に使用可能である。
【0228】
他の実施形態では、軟骨欠損の位置または罹患軟骨領域にある、正常に近い軟骨表面は、形態学的画像処理を用いて復元可能である。第1ステップでは、電子画像から、手動の、半自動の、および/または自動の分割技術(たとえば、手動トレーシング、領域拡張、ライブワイヤ、モデルベースの分割など)を用いて、軟骨を抽出することができ、結果的に2値画像が得られる。軟骨における欠損は、2次元または3次元において実行される形態学的な閉じ操作により、適切に選択された構造要素で満たすことができる凹みに見える。この閉じ操作は、通常、切除があとに続く拡張と定義される。拡張演算子は、ソース画像領域内に構造要素の少なくとも1画素が存在しているなら、出力画像内の現在の画素を1にセットする。切除演算子は、ソース画像領域内に構造要素の全体が存在しているなら、出力画像内の現在の画素を1にセットする。軟骨欠損または罹患軟骨領域の充填により、新しい表面が軟骨欠損領域または罹患軟骨領域上に作成され、これが、関節修復システムの形状または形状の一部を周囲の軟骨または軟骨下骨に合わせるよう決定するのに使用可能となる。
【0229】
上述したように、外科ツールおよび器具、型、その場の修復システムなどを含む関節修復システムは、様々なサイズ、曲率および厚みのシステムのライブラリまたはデータベースから形成または選択することが可能であり、それにより、周囲の、または、隣接する軟骨および/または軟骨下骨との、密接な解剖学的適合または組み合わせを達成することになる。これらのシステムは、あらかじめ作られ、または、個々の患者のために注文できる。関節修復システムの、周囲または隣接する軟骨、軟骨下骨、または半月板、および他の組織との、適合または組み合わせを制御するために、関節修復システムをそれが移植される組織位置上に映し出す、ソフトウェアプログラムが使用可能である。適当なソフトウェアは市販され、および/または、熟練したプログラマにより容易に変更、または、設計可能である。
【0230】
さらに他の実施形態では、関節面修復システムは、1つ以上の三次元画像を用いて移植部位上に投影できる。軟骨および/または軟骨下骨、および他の組織構造は、MRI、CTなどの三次元電子画像から、手動の、半自動化された、および/または自動化された分割技術を用いて抽出される。関節修復システムと同様に、軟骨および/または軟骨下骨、および他の解剖構造の三次元表現は、たとえば、多角形、またはNURBS表面、または他のパラメトリック曲面表現を用いて生成される。(様々なパラメトリック曲面表現の説明については、たとえば、フォーリー・ジェイ・ディー(Foley,J.D.)他「コンピュータグラフィックス:Cにおける原則と実践」(Principles and Practice in C)、アディソン−ウェズレイ(Addison−Wesley)、第2版、1995年、を参照)。
【0231】
軟骨および/または軟骨下骨、および他の解剖構造、および関節修復システムの三次元表現は、共通の座標系にマージ可能である。その後、外科ツールおよび器具、型、およびその場の修復システムなどを含む関節修復システムは、所望の移植部位に配置可能となる。軟骨、軟骨下骨、半月板および他の解剖構造、および、関節修復システムの表現は、三次元画像に翻訳される。たとえば、アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)のOpenGL(登録商標)(エスジーアイ社(SGI, Inc.)によって開発された、高度な三次元グラフィックス機能の標準のライブラリ。PCベースのビデオカードのためのドライバーの一部として利用可能であり、たとえば、エヌビデイア(NVIDIA)ビデオカード用にwww.nvidia.comから、またはスリーディーラボズ(3Dlabs)の製品用にwww.3Dlabs.comから、またはUnix(登録商標)ワークステーション用のシステムソフトの一部として利用可能)、または、DirectX(登録商標)(Microsoft Windows(登録商標)ベースの(PC)システムのためのマルチメディアAPI:www.microsoft.comから利用可能)。三次元画像は、軟骨、軟骨下骨、半月板、または他の解剖対象物を示すようにレンダリング可能であり、さらに、関節修復システムは、たとえばインタラクティブに、または非インタラクティブに、それらを回転させ、または移動させることにより、リアルタイムまたは非リアルタイムに、異なる角度からレンダリング可能である。
【0232】
このソフトウェアは、外科ツールおよび器具、型、その場の修復システムなどを含み、軟骨および/または軟骨下骨に対して最良の適合をなす関節修復システムが、たとえば、上述された技術のいくつかを用いて自動的に選択されるよう、設計されることができる。その代わりに、オペレータは、外科ツールおよび器具、型、その場の修復システムなどを含む関節修復システムを選択し、適当なツールと技術を用いて、それを移植位置へ投影したり、またはそれを移植部位へドラッグできる。オペレータは、三次元の関節修復システムを移植部位に対して移動させ、および回転させることが可能で、さらに、関節修復システムと移植部位との間の適合の目視検査を実行できる。目視検査は、コンピュータ支援であってもよい。この手順は、満足できる適合が達成されるまで繰り返すことができる。この手順は、オペレータにより手動で実行可能であり、または、それは、全部または一部分がコンピュータ支援であってもよい。たとえば、ソフトウェアは、オペレータがテスト可能な第1試行移植片を選択可能である。オペレータは、その適合を評価可能である。ソフトウェアは、移植片と、周囲の軟骨、または軟骨下骨、または半月板、または他の組織との間の、不十分な整列領域を強調するよう、設計可能かつ使用可能である。この情報に基づき、ソフトウェアまたはオペレータは、その後、他の移植片を選択して、その整列をテストできる。熟練した当業者であるならば、本明細書に説明されている目的のために、容易に選択したり、修正したり、および/または、適当なコンピュータプログラムを作成できるであろう。
【0233】
他の実施形態では、移植部位が、1つ以上の断面二次元画像を用いて、視覚化可能である。通常、一連の二次元断面画像が用いられる。この二次元画像は、当業者に知られている方法およびツールを使用する、CT、MRI、デジタル断層合成、超音波または光コヒーレンス断層撮影などの撮像テストで生成可能である。その後、外科ツールおよび器具、型、その場の修復システムなどを含む関節修復システムが、1つ以上のこれらの二次元画像の上に重ねられることができる。二次元断面画像は、他の平面において、たとえば矢状から冠状へ、など、復元されることができる。また、等方性データセット(たとえば、スライス厚みが面内の分解能と同じであるか、またはほとんど同じであるデータセット)、またはほぼ等方性データセットが使用可能である。たとえば、分割スクリーン表示を用いて、同時に複数平面を表示できる。また、オペレータは、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで、任意の所望される方向に、二次元画像内をスクロール可能である。これをしながら、オペレータは、撮像された組織を回転させることができる。外科ツールならびに器具、型、その場の修復システムなどを含む関節修復システムは、通常、軟骨、軟骨下骨、半月板、または他の組織を明示する、これらの二次元画像とマッチする、たとえば矢状、冠状、または軸など、異なる表示画面を利用して、断面内に表示可能である。その代わりに、関節修復システム用に三次元表示を使用できる。二次元電子画像、および外科ツールおよび器具、型、その場の修復システムなどを含む関節修復システムの二次元または三次元表示は、共通の座標系にマージ可能である。その後、関節修復システムは、所望される移植部位に配置可能である。解剖構造、移植部位、および関節修復システムの一連の二次元断面は、インタラクティブに(たとえば、オペレータは一連のスライス内をスクロールできる)、または非インタラクティブに(たとえば一連のスライス内を動くアニメーションとして)、リアルタイムまたは非リアルタイムに表示できる。
【0234】
ソフトウェアは、外科ツールおよび器具、型、その場の修復システムなどを含み、軟骨および/または軟骨下骨に対して最良の適合をする関節修復システムが、たとえば上に説明された1つ以上の技術を用いて、自動的に選択されるように設計される。その代わりに、オペレータが外科ツールおよび器具、型、その場の修復システムなどを含む関節修復システムを選択可能であり、それを二次元断面画像上に表示された移植部位に、投影またはドラッグできる。その後、オペレータは、関節修復システムを、移植部位に対して移動および回転させ、関節修復システムおよび解剖構造の二次元断層画像内をスクロールさせる。オペレータは、関節修復システムと移植部位との間の適合の、視覚検査および/またはコンピュータ支援検査を実行できる。この手順は、満足できる適合が達成されるまで繰り返される。この手順は、オペレータによる完全な手動であってもよい。しかし、これはコンピュータ支援であってもよい。たとえば、ソフトウェアは、オペレータがテスト(たとえば、適合の評価)可能な第1トライアル移植片を選択可能である。移植片と、周囲の軟骨、または軟骨下骨、または半月板、または他の組織との間の不十分な整列領域を強調するソフトウェアは、設計可能、かつ使用可能である。この情報に基づいて、ソフトウェアまたはオペレータは、別の移植片を選択し、その整列をテストできる。
【0235】
C.ラピッド・プロト・タイピング.
【0236】
ラピッド・プロト・タイピングは、対象物のコンピュータモデルから三次元対象物を作る技術である。複数の二次元層からプロトタイプを作るために、特別なプリンタが使用される。コンピュータソフトウェアは、対象物の表現を複数の明確な二次元層に分け、その後、三次元プリンタは、ソフトウェアにより区分された、各層に対する材料の層を作る。様々な作成された層を1つにして、所望されるプロトタイプを形成する。ラピッド・プロトライピング技術に関する追加の情報は、2002年6月27日に公開された、ラッセル(Russell)他に対する米国特許公開公報第2002/0079601A1号で利用可能である。ラピッド・プロトタイピングを用いる利点は、この方法が、有毒の、または、強力な化合物を安全に使用する、自由形式製作技術の使用を可能にしているからである。これらの化合物は、賦形剤包装材料へ安全に取り入れられ、労働者への露出を抑えることになる。
【0237】
粉末ピストンおよびビルドベッドが提供されている。粉末は、粉末に作成可能、または液体と結合可能な、任意の材料(金属、プラスチックなど)を含んでいる。スプレッダーにより、パワーは、フィーダーソースからベッドの表面にロールされる。層の厚みは、コンピュータにより制御される。その後、印字ヘッドは、バインダー流体を、粉が固まるのが所望される位置にある粉末層に堆積させる。粉末は、再びビルドベッドにロールされ、処理が繰り返され、装置構成の三次元位置に一致するよう、接着流体蒸着が各層で制御される。この処理のさらなる議論に関しては、たとえば、2003年9月18日に発行されたモンクハウス(Monkhouse)他に対する米国特許公開公報第2003/017365A1号を参照のこと。
【0238】
ラピッド・プロトタイピングは、上のセクションIで説明されたように、プロトタイピングマシンの各層に対する各二次元形状を決定するよう、取得された二次元画像を使用できる。このシナリオでは、各二次元画像スライスは、二次元プロトタイプスライドに一致している。その代わりに、欠損の三次元形状は、上述したように決定可能であり、その後、ラピッド・プロトタイピングのために、二次元スライスに分解される。三次元モデルを使用する利点は、プロトタイピングマシン用に使用する二次元スライスが、取得された二次元画像として同一平面に沿っているか、または全く異なる平面に沿っている場合があるからである。
【0239】
ラピッド・プロトタイピングは、キャスティング技術と結合させたり、関連して使用できる。たとえば、前部の寸法が、外科器具、型、整列ガイド、または外科ガイドを含む関節修復システムに一致する、シェルまたは容器が、ラピッド・プロトタイピングを用いて作成可能である。通常この目的には、プラスチック、ワックスなどの材料が使用される。容器の内部は、その後のキャスティングのために、たとえばセラミックで、その後に被覆が可能である。この処理を使用することで、個別のキャストが生成可能である。
【0240】
ラピッド・プロトタイピングは、外科ツール、型、整列ガイド、切断ガイドを含む関節修復システムを作成するために使用可能である。ラピッド・プロトタイピングは、製造施設で実行可能である。その代わりに、ラピッド・プロトタイピングは、手術中の測定が実行された後、手術室で実行可能である。
【0241】
III.移植.
【0242】
1つ以上の操作(たとえば、形成、成長、開発など)に続き、軟骨置換または再生材料が欠損領域に移植可能となる。移植は、軟骨置換材料または再生材料がベース材料へまだ付着し、または、ベース材料から取り外されている状態で実行できる。移植には、任意の適当な方法および装置が使用可能である。たとえば、2002年4月23日にハンゴディ(Hangody)他に発行された米国特許第6,375,658号、2002年3月19日にトリー(Torrie)他に発行された米国特許第6,358,253号、2001年12月11日にハードウィック(Hardwick)他に発行された米国特許第6,328,765号、および、2001年3月22日に公開された、カミングス(Cummings)他に対する国際公開第1WO 01/19254号公報に記載された装置。
【0243】
選択された軟骨欠損では、たとえば
図8に示したように、移植部位は、関節面を横切る単一切断で準備可能である。この場合、単一要素810および複数要素820の補綴が利用可能である。
【0244】
A.関節交換手順.
【0245】
i.膝関節.
【0246】
人工膝関節全置換術を実行することは複雑な手順である。膝を人工の膝に交換する場合、移植された膝の最適の機能を確実にするには、下側の先端の解剖学的軸および機械的軸を正しく並べるのが重要である。
【0247】
図21Aに示したように、腰1902の中央(大腿骨1932の頭部1930に位置する)、膝1904の中央(脛骨1936の顆間結節1934が大腿骨に出合うノッチに位置する)、および足関節1906が、下側の先端の機械的軸を形作る、ほぼまっすぐな線1910の上にある。解剖学的軸1920は、外反した、または後部の方向の機械的軸から5−7°のオフセットθに並んでいる。
【0248】
脛骨1936の長軸は、下側の先端1910の機械的軸の共線である。三次元的な透視図から、身体の下側の先端は、理想的には、屈曲伸長アークを通して、中央前方後方平面(MAP平面)として知られる単一平面内で機能する。これを達成するために、大腿骨頭1930、大腿骨の機械的軸、膝蓋骨溝、顆間切痕、膝蓋骨関節冠、脛骨、および足関節は、屈曲伸長運動の間、MAP平面内に残っている。運動の間、膝がMAP平面に垂直な上顆軸で屈曲および伸長するのに応じて、脛骨が回転する。
【0249】
たとえば、膝関節1950−1950n、および股関節1952−1950nなど、各個々の関節で、様々な画像スライスが取得可能である。これらの画像スライスは、軸を確かめるために脚全体の画像と共に、セクションIで上述されるようにこれらの画像スライスを使用できる。
【0250】
疾患および膝の不調があると、解剖学的軸の整列は変ってしまう。人工膝関節全置換術の実行は、罹患した膝を直す解決策の1つである。ジョンソンアンドジョンソン(Johnson & Johnson)による、ピーエフシー・シグマ・アールピーひざシステム(PFC Sigma RP Knee System)などの総膝関節移植は、人工膝のインストールを容易にするために、一連の切除が、膝関節を形成する表面までなされる必要がある。切除により、インストールされた人工膝がMAP平面内で屈曲伸長運動をなすことができ、患者の下部先端の解剖学的および機械的軸を最適化する。
【0251】
第1に、脛骨1930は、移植片の脛骨要素を受ける平らな表面を作成するよう、切除される。ほとんどの場合、脛骨表面は、前頭内の脛骨の長軸に垂直に切除されるが、通常、脛骨の正常なスロープにマッチするよう、矢状面内後部に向かって、4−7°のスロープになっている。当業者ならば理解されるように、矢状スロープは、移植されるべき装置が、スロープをなす脛骨切断を必要としない場合は、0°であってもよい。切除線1958は、機械的軸1910に垂直であるが、切除線とプラトー表面平面1960との間の角度は、膝への損傷の量により変化する。
【0252】
図21B〜
図21Dは、それぞれ、解剖学的に正常な脛骨要素、内反膝の脛骨要素および外反膝の脛骨要素の切除の前面図を示している。各図では、機械的軸1910が骨を通して垂直に伸び、さらに切除線1958は前頭内の機械的軸1910に垂直となっており、関節に対する損傷量に応じて、その関節によって形成された表面線から変化している。
図21Bは、正常な膝を示しており、関節の表面に一致する線1960が切除線1958に対して平行である。
図21Cは、関節の表面に一致する線1960が切除線1958に平行でない、内反膝を示している。
図21Dは、関節の表面に一致する線1960が切除線1958に平行でない、外反膝を示している。
【0253】
いったん脛骨表面が準備されると、外科医は大腿顆の準備にとりかかる。
【0254】
大腿骨プラトー1970は、大腿骨補綴の内部と連絡する平面を提供するために切除される。大腿骨になされる切断は、脛骨と大腿骨との間で作成されるギャップの全高に基づく。通常、20mmのギャップが、完全な動作範囲を達成するよう、移植された補綴に適切な余裕を提供するのに望ましい。骨は、大腿骨の機械的軸に対して、5−7°の外反角度で切除される。切除された表面1972は、隣接する表面1974、1976との角度関係を伴う、平らな平面を形成する。表面1972−1974間、および表面1972−1976間の角度θ’、θ’’は、移植片の設計により変化する。
【0255】
ii.股関節.
【0256】
図21Fに示したように、近位大腿骨の外部形状は、頭部1980、首1982、小転子1984、大転子1986および近位大腿骨の骨幹を含んでいる。転子1984、1986、大腿骨頭部中央1902および大腿骨骨幹軸1988の相対的な位置は、首骨幹軸角の傾きと相関している。また、機械的軸1910と解剖学的軸1920も示されている。これらの関係の査定により、補綴の大腿管との自然な整列を実現するために、拡孔方向を変える場合もある。
【0257】
前後方向および側方のレントゲン写真を用いて、移植片のサイズおよび最適の設計を決定するために、近位および遠位の形状の測定がなされる。
【0258】
通常、股関節への外科的アクセスを得た後、大腿骨の首1982が、たとえば線1990に沿って切除される。首がいったん切除されると、髄管が拡孔される。拡孔は、たとえば、円錐状の、または、まっすぐなリーマ、または、可撓性のリーマで実行可能である。拡孔の深さは、移植片の特定の設計により指示される。いったん髄管が拡孔されると、近位リーマが、髄管内部へ向けられた連続する石目やすりがけにより、準備される。
【0259】
B.外科ツール.
【0260】
さらに、外科的援助は、関節修復システムが受容部位または関節との整列にマッチするように、関節軟骨、または軟骨下骨を含む骨の外側表面に付けられた装置を使用することにより提供できる。この装置は、丸い、円形の、楕円形の、楕円体の、湾曲した、または、不規則な形状であってもよい。形状は、罹患軟骨領域または、罹患軟骨よりわずかに広い、または実質的に罹患軟骨より大きな領域と適合するよう、または囲むよう、選択可能または調整可能である。この領域は、関節面全体または体重負荷面を取り囲むことができる。こうした装置は、通常、関節面の大部分、または全体の交換が考慮されている場合に好適である。
【0261】
機械的装置は、たとえばゲル、型、プラスチック、または金属を用いて外科的援助(たとえば、外科ツール)に使用可能である。関節および/または骨の表面および形状を決定する、対象物の座標を提供すると、1つ以上の電子画像または手術中の測定値が取得可能である。これらの対象物の座標は、患者の関節組織に適合するよう、たとえばCAD/CAM技術を用いて装置を形成するか、またはその代わりに、通常、あらかじめ作られた、患者の関節組織と良好な適合をなす装置を選択する、いずれの場合にも利用できる。この装置は、関節または骨の表面および形状の全体または一部とマッチすることになる、たとえば「鏡像」のような、表面と形状を有している。この装置は、ドリル、リーマ、キュレット、kワイヤ、ねじ、および鋸などの外科器具を収容する、開口、スロットおよび/または孔を含むことができる。
【0262】
通常、位置は、その後の関節修復システムの配置のために、または関節修復システムの配置を容易にするために、結果的に、解剖学的に望ましい切断面、ドリル孔、または一般的な器具の方向づけとなるよう選択されることになる。さらに、装置は、ドリル、リーマ、または他の外科器具の深さを制御可能となるよう設計されることもできる。たとえば、ドリルは装置により定義されるより深くは組織内へ進むことは全くできないし、ブロック内の孔のサイズは、本質的に移植片のサイズとマッチするよう設計可能である。他の関節または軸の情報、および、関節または先端の整列は、これらのスロットまたは孔の位置が選択されたときに含まれることができる。その代わりに、装置の孔を、これらの器具の収容に必要なものより大きくできる。また、関節の形状に一致するよう、装置を構成できる。提供される開口、または開口部は、たとえば、リーマ、鋸、ドリル、キュレットおよび他の外科器具などの外科器具の位置または角度を変化させるのが可能となるよう、十分広くできる。その後、通常比較的固い材料からなる器具ガイドが、装置に適用可能である。装置は、関節の三次元的な骨格に対して器具ガイドを方向づけるのを助ける。
【0263】
外科医は、整列装置と器具ガイドとの間の微調整を任意に行なうことが可能である。このようにして、たとえば、生体力学的整列と関節の緩み、または、たとえば膝関節屈曲ギャップと伸長ギャップなどの生体力学的整列と関節機能との間に、最適の妥協を見出すことができる。整列ガイド内の開口部を拡大することにより、外科医は、整列ガイドを破損することなく、器具を利用して、それらを器具ガイドに挿入することが可能となる。したがって、特に、整列ガイドがプラスチックで作られている場合、破片はその関節内部へ取り込まれることはない。整列ガイドと器具ガイドとの間の位置および方向付けは、たとえば、当技術分野で知られている、挿入されたスペーサー、くさび、ねじ、および他の機械的または電気的方法の使用により、最適化することが可能である。
【0264】
外科医は、関節整列と同様に、関節のゆるみに影響を及ぼすよう望むこともあろう。これは、異なる屈曲および伸張、外転または内転、内部および外部の回転角度に対して最適化できる。この目的のために、たとえばスペーサーは、付属し、または1つ以上の型に接触しているものが導入可能である。外科医は、異なる厚みのスペーサー、または同じ厚みの1個以上のスペーサーを用いて、手術中に、関節の緩みまたは締まりを評価可能である。たとえば、スペーサーは、1つ以上の型がある膝関節に適用可能であり、屈曲ギャップは、膝関節が屈曲しているときに評価可能である。次に、膝関節を伸ばし、伸長ギャップを評価できる。結局、外科医は、与えられた関節および型に対して、スペーサーの最良の組み合わせを選択することになる。外科的切断ガイドは、スペーサーが、型と切断ガイドの間に任意に挿入されている状態で、型へ適用可能である。このようにして、外科切断の正確な位置に影響を及ぼすことが可能となり、最適の結果が得られるように調整できる。当業者であるなら、外科切断の位置を最適化する、他の手段を認めることになろう。たとえば、関節に挿入可能であり、または取り付け可能であり、または型に接触可能である伸張可能な、またはラチェットなどの装置は、利用ができる。ヒンジのような機構は適切である。同様に、ジャッキのような機構は有用である。原理上は、いかなる機械的なまたは電気的な装置であれ、型に対する切断ガイドの位置を微調整するのに役立つならば使用可能である。
【0265】
外科医は、関節整列と同様に、関節のゆるみに影響を及ぼすよう望むこともあろう。これは、異なる屈曲および伸張、外転、または内転、内部および外部の回転角度に対して最適化できる。この目的のために、たとえば付属し、または1つ以上の型に接触しているスペーサーが導入可能である。外科医は、異なる厚みのスペーサー、または、同じ厚みの1個以上のスペーサーを用いて、手術中に、関節の緩みまたは締まりを評価可能である。たとえば、スペーサーは、1つ以上の型がある膝関節に適用可能であり、屈曲ギャップは、膝関節が屈曲しているときに評価可能である。次に、膝関節を伸ばし、伸長ギャップを評価できる。結局、外科医は、与えられた関節および型に対して、スペーサーの最良の組み合わせを選択することになる。外科的切断ガイドは、スペーサーが、型と切断ガイドの間に任意に挿入されている状態で、型へ適用可能である。この様にして、外科切断の正確な位置に影響を及ぼすことが可能となり、最適の結果が得られるように調整できる。当業者であるなら、外科切断の位置を最適化する、他の手段を認めることになろう。たとえば、関節に挿入可能であり、または取り付け可能であり、または型に接触可能である伸長可能な、またはラチェットのような装置は、利用可能である。ヒンジのような機構は適切である。同様に、ジャッキのような機構は有用である。原理上は、いかなる機械的なまたは電気的な装置であれ、型に対する切断ガイドの位置を微調整するのに役立つならば使用可能である。
【0266】
型、および、スペーサーまたはラチェットなどの任意の関連する器具類は、関節のより良好な手術中の査定を提供するために、張力計に結合できる。この張力計は、関節の解剖学的整列、および締まりをさらに最適化し、術後機能および結果を改良にするよう利用可能である。任意に、局所的な接触圧力は、たとえば、テクスキャン(Tekscan)、南ボストン、マサチューセッツ州により製造されているセンサーなどのセンサーを用いて、手術中に評価してもよい。
【0267】
型または整列ガイドは、プラスチックまたはポリマーで作成可能である。他の実施形態では、型または型の一部を金属製にできる。金属インサートは、プラスチック要素に適用されてもよい。たとえば、プラスチックの型は、拡孔装置、または鋸を受ける開口部を有していてもよい。金属インサートは、リーマまたは鋸を受けるために、硬い壁を提供するのに使われることもあろう。この設計、または同様の設計を用いると、鋸または他の外科器具が型に接触しそうになるとき、関節内へのプラスチックまたは他の破片の蓄積を避けるために役立つ場合がある。
【0268】
型は、外科技術を補助し、外科器具の配置および方向をガイドするのに使用できるだけではない。加えて、型は、移植片または移植片要素の配置をガイドするために利用可能である。たとえば、股関節では、股臼要素の傾斜は、完全版関節形成でよく問題になっている。型は、中央に外科医が配置しようとしている股臼構成材料を収容するのに十分な広さを有する開口部を伴って、股臼壁に適用できる。型は、移植片の一部分となり得る、または移植片に適用可能な、小さな延長部の形状にマッチする、差込口または切込みを有することができる。たとえば、移植片は、12時と6時の位置に適用される、小さな部材または延長部を有していてもよい。たとえば、以下で議論されている
図29A〜
図29Dを参照のこと。これらの部材を、型内の切込みまたは差込口と整列させることにより、外科医は、移植片が傾きも回転もなく挿入されるのを保証できる。また、これらの切込みまたは差込口は、骨セメントが、セメント付けされる設計において硬化している間、移植片を適所に保持するのにも役立つことができる。
【0269】
手術の間に、1つ以上の型が使用可能である。たとえば、股関節では、大腿骨頭部の切除の前に、密接に三次元的組織に近似する近位大腿骨へ、型を初期に適用可能である。型は、鋸を収容する開口部を含むことができる(
図28と
図29参照)。この開口部は、その後の、補綴の拡孔と配置のために、最適に位置づけられた外科的切断を達成するように位置決めされる。第2の型は、外科的切断がなされた後、近位大腿骨へ適用可能となる。この第2の型は、補綴の配置の前にリーマの方向をガイドするのに役立つ場合がある。この例および他の例でも見ることができるように、型は、いかなる外科的介入の前にも関節のために作成可能である。しかし、また、または、外科医が既に、切断、拡孔、ドリル加工などの選択された外科的手順を実行した後、骨または関節の一部と適合するように設計された型を作ることも可能である。型は、これらの手順からもたらされる、骨または関節の形状を占めることが可能である。
【0270】
ある実施形態では、外科的援助装置は、調整可能で、密接に区切られたピン(たとえば、多数の、個別に可動な機械的要素)のアレイを含んでいる。関節および/または骨の表面および形状を定義する、対象物の座標を提供する、1つ以上の電子画像または手術中の測定値を、得ることが可能である。これらの対象物の座標は、たとえば手動で、または電子的に、装置に入力し、または移すことができ、そして、この情報は、たとえば、「画像」と同様に、1つ以上の要素を動かすことにより、関節および/または骨の表面および形状の全体または一部分がマッチする、表面および形状を作成するのに使用可能である。装置は、ドリル、キュレット、kワイヤ、ねじおよび鋸などの外科器具を収容する、スロットおよび孔を含むことができる。1つ以上の機械的要素を動かすことにより、これらのスロットおよび孔の位置を調整できる。通常、以後の関節修復システムの配置のために、または関節修復システムの配置を容易にするために、解剖学的に望ましい切断平面、拡孔方向、またはドリルホール、または器具の方向付けをもたらす位置が選択されることになる。他の関節または軸の情報、および関節または先端の整列情報には、いつこれらのスロットまたは孔の位置を選択したかを含むことができる。
【0271】
図22は、関節の関節面の形状にマッチする1つの表面400を有する、外科ツール410の例を示している。また、ドリルの深さおよび孔の幅を制御し、プレス適合設計を有する移植片420の移植または挿入を可能にする、ツール410内の開口415も示されている。
【0272】
他の実施形態では、罹患骨または軟骨以外の領域において、フレームを、骨または軟骨に適用できる。このフレームは、外科器具のための、ホルダーおよびガイドを含んでいてもよい。フレームは、1つ、または好適にはより多くの、以前に定義された、解剖学的基準点に取り付けることができる。その代わりに、フレームの位置は、たとえば、手術中に得られた1つ以上のX線透視画像などの、撮像テスト、または手術中の測定値を用いて、1つ以上の解剖学的目印に対して相互登録可能である。1つ以上の電子画像、または、機械装置を使用することを含む手術中の測定値は、取得可能であり、関節および/または骨の表面および形状を定義する対象物の座標を提供する。これらの対象物の座標は、たとえば手動で、または電子的に、装置に入力し、または移すことができ、そして、この情報は、外科器具に対する1つ以上のホルダーまたはガイドを移動させるのに使用可能である。通常、関節修復システムの以後の配置のために、外科または解剖学的に望ましい切断平面、またはドリルホール方向付けをもたらす位置が選択されることになる。他の関節または軸の情報、および関節または先端の整列情報には、いつこれらのスロットまたは孔の位置を選択したかを含むことができる。
【0273】
さらに、再利用可能ツール(たとえば、型)も、作成して使用可能である。再利用可能な材料には、パテおよび他の変形可能な材料(たとえば、関節面のトポグラフィーにマッチするよう構成できる、調整可能な密集したピンのアレイ)が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、型は、バルーンを用いて作られてもよい。このバルーンは、任意に、硬化材料で満たすことができる。表面は、作成可能、またはバルーンに取り入れ可能であり、これにより、外科切断ガイド、拡孔ガイド、ドリルガイドの配置、または他の外科ツールの配置が可能になる。バルーン、または他の変形可能な材料は、少なくとも1つの関節面に一致するように、手術中に形成可能である。解剖学的または生体力学的軸に対して平行にまたは垂直になるように、他の表面を形成できる。解剖学的または生体力学的軸は、股関節、または膝関節、または他の関節形成術においてこの目的に一般的に使用される、手術中の撮像テスト、または外科ツールを用いて、見出すことが可能である。
【0274】
これらの実施形態では、型は、手術の間、直接関節から作成するか、またはその代わりに、関節の画像から、たとえば、関節の表面輪郭を定義する対象物の座標を決定するため1つ以上のコンピュータプログラムなどを用い、対象物の座標をツールへ移す(たとえば、ダイヤルを合わして)ことにより作成できる。続いて、ツールは関節上に正確に整列させることができ、従って、外科器具ガイドまたは移植片は、より正確に、関節面上に配置可能となる。
【0275】
単一使用実施形態および再利用可能な実施形態の双方において、器具がドリルの深さおよび/またはドリルの方向を制御するよう、ツールを設計することが可能であり、すなわち、ドリルは、器具が許す以上には、組織の中へ深く動くことができず、さらに、器具の孔または開口のサイズは、本質的に移植片のサイズにマッチするよう設計することが可能である。ツールは、一般的な補綴移植に使用可能であり、本明細書に説明されている関節修復移植および総関節形成の場合の骨髄拡孔が含まれるが、これらに限定されない。
【0276】
これらの外科ツール(装置)は、また、罹患軟骨、および下部に位置する骨領域、または罹患軟骨および下部に位置する骨よりわずかに広い領域を取り除くのに使用できる。加えて、この装置は、移植可能修復材料を得るために、たとえば、死体標本などの「ドナー」で使用できる。通常、装置は、レシピエントにおいて組織が取り除かれたのと同一の一般解剖領域に位置決めされる。したがって、装置の形状は、ドナー組織標本とレシピエント部位との間で、継ぎ目のないまたはほぼ継ぎ目のない適合を提供する、ドナー部位を識別するために使用される。これは、軟骨に適用されるなら、たとえば死体標本などのドナーにおける関節面が、内部表面と、継ぎ目ない、またはほぼ継ぎ目ない接触を有している、装置の位置を識別することにより達成される。
【0277】
装置は、罹患軟骨の領域のサイズに基づき、さらに、軟骨または下部の軟骨下骨の曲率に基づき、または、両者の組み合わせに基づき、成形され、機械加工され、形成されることができる。成形は、関節面構成に到着する際に、たとえば半月板などの外科的取り外しを考慮できる。その後、装置はドナー(たとえば、死体標本)に適用でき、ドナー組織は、刃、または鋸、または他の組織切除装置を用いて得ることができる。その後、装置は、罹患軟骨領域でレシピエントに適用され、罹患軟骨および下部の骨は、刃、または鋸、または他の組織切断装置を用いて、除去可能である。そして、罹患軟骨を含む除去された組織のサイズおよび形状は、ドナー組織のサイズおよび形状に非常に似ていることになる。その後、ドナー組織は、レシピエント部位へ取り付けられる。たとえば、前記取り付けは、ねじ、ピン(たとえば、金属、または非金属、または生体再吸収可能など)、または、組織接着剤(これに限定される)を含む他の固定手段を用いてなすことができる。アッタチメントは、軟骨表面を通していること、またはその代わりに、骨髄空間を通していることが可能である。
【0278】
移植部位は、ロボット装置を用いて準備できる。ロボット装置は、受容部位の準備をするために電子画像からの情報を使える。
【0279】
移植部位の識別および準備と移植片の挿入は、外科ナビゲーションシステムによりサポート可能である。こうしたシステムでは、患者の組織に対する外科器具の位置または方向付けは、1つ以上の二次元または三次元の画像でリアルタイムに追跡可能である。これらの二次元または三次元の画像は、MRまたはCTの画像など、手術前に取得される画像から計算可能である。軸、または、たとえば関節の動きなどの解剖学的構造を見出す、非画像ベースの外科ナビゲーションシステムも使用可能である。外科器具の位置および方向付けは、整列ガイド、外科器具ガイド、拡孔ガイド、ドリルガイド、鋸ガイドナーなどを含む型と同様に、これらの装置に取り付けられたマーカーから決定できる。これらのマーカーは、たとえば、光学的、または音響学的、または電磁気学的信号用の探知器によって配置可能である。
【0280】
移植部位の識別および準備と移植片の挿入は、Cアームシステムの使用によりサポート可能である。Cアームシステムは、1つの平面、好ましくは複数の平面において、関節の撮像を提供できる。複数平面撮像能力は、関節面の形状を定義する際の補助となり得る。この情報は、関節面と良好な適合をなす移植片を選択するために使用可能である。現在利用可能なCアームシステムは、また、たとえば移植部位の識別および準備と移植片の挿入のために、断層撮像能力を提供している。Cアーム撮像は、X線写真のコントラストの管理と結合可能である。
【0281】
さらに他の実施形態では、本明細書に説明されている外科装置は、関節面の型を形成するために硬化する1つ以上の材料を含んでいてもよい。上述された、その場で硬化する多種多様な材料は、相変化を引き起こされるポリマー、たとえば、液状または準液状で、空気への露出、紫外線、可視光線の適用、血液、水または他のイオン変化への露出で、硬化して固体またはゲルになるポリマーを含む。(また、2002年9月3日にフェルト(Felt)他に対して発行された米国特許第6,443,988号、およびそこに引用された文献を参照のこと。)適当な回復可能および硬化材料の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない。ポリウレタン材料(たとえば、フェルト(Felt)他に対する米国特許第6,443,988号、1994年2月22日にクハリル(Khalil)に対して発行された米国特許第5,288,797号、1978年7月4日にグラハム(Graham)他に対して発行された米国特許第4,098,626号、および、1986年6月10日にチャピン(Chapin)他に対して発行された米国特許第4,594,38号。多孔性ポリー(L−ラクチドアシドフォームズ)を説明しているルー(Lu)他(2000年)「バイオマテリアルズ」(BioMatenals)21(15):1595−1605。たとえば、米国特許第5,162,430号で開示されている親水性ポリマー。以下で説明されているヒドロゲル物質(ウエイク(Wake)他(1995年)「細胞移植」(Cell Transplantation)4(3):275−279、ウィーセ(Wiese)他(2001年),「ジェイ.医用材料研究」(J. Biomedical Materials Research)54(2):179−188、および、マリエル(Marier)他(2000年)「プラスチック再構成・外科」(Plastic Reconstruct.Surgery)105(6):2049−2058)。ヒアルロン酸物質(たとえば、デュランティ(Duranti)他(1998年))「皮膚外科」(Dermatologic Surgery)24(12):1317−1325)。キチンビーズなどの膨張ビーズ(たとえば、ユソフ(Yusof)他(2001年)「ジェイ.医用材料研究」(J. Biomedical Materials Research)54(1):59−68)。Liquidmetals(登録商標)などの非晶質金属。および/または、歯科用途で使われる材料(たとえば、「ポリマー科学と工学のコンサイス百科事典」(Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)内、ブラウアー・アンド・アントヌッキ(Brauer and Antonucci)、「デンタルアプリケーション」(Dental Applications)pp.257−258、および、1983年1月11日にワイズマン(Weissman)に対して発行された米国特許第4,368,040号参照)。関節に配送可能にするよう十分な流動性を有し、生理的に許容できる条件下で、その場において完治を受ける、いかなる生体適合材料も使用可能である。また、材料は、生物分解性であってもよい。
【0282】
硬化性材料は、本明細書に説明されているように、外科ツールに関連して使用可能である。たとえば、外科ツールは、その中に、注入を受けるよう適合され、開口を通して硬化性材料が注入できる1つ以上の開口を含むことが可能である。材料は、その場に固まる前に、外科ツールと向かい合う関節面に一致し、従って、硬化するとき、表面の鏡像の痕跡を形成することになり、それにより、正常な関節面またはほぼ正常な関節面を復元される。さらに、硬化性材料または外科ツールは、たとえば、これらの材料または外科ツールを関節の画像に基づいて成形することにより、本明細書に説明されている任意の撮像テストおよび分析に関連して使用してもよい。
【0283】
図23は、関節面の準備に使う型の設計に関するステップを示したフローチャートである。通常、第1ステップは、罹患軟骨または軟骨欠損の領域のサイズを測定することである(2100)。いったん、軟骨欠損のサイズが測定されると、ユーザは、関節面および/または軟骨下骨の曲率の測定2130に先立って、隣接する軟骨の厚みを測定できる(2120)。その代わりに、ユーザは、隣接する軟骨の厚みの測定ステップ2102を、スキップできる。いったん軟骨欠損の性質の理解および決断が決定すると、型のライブラリから型が選択されるか(3132)、または、患者に特有の型が作成される(2134)。どちらの場合であれ、その後、移植部位が準備され(2140)、そして、移植が実行される(2142)。これらのステップのいずれも、任意の反復ステップ2101、2121、2131、2133、2135、2141により、繰り返し可能である。
【0284】
型の形状を引き出すのに、様々な技術が使用可能である。たとえば、膝関節について手術が考慮される場合は、膝関節を通る完全螺旋CTと共に、股関節を通る少しの選択されたCTスライス、足関節を通る少しの選択されたスライスが軸の定義の補助に使用可能である。いったん軸が定義されると、軟骨下骨の形状が引き出され、それに続いて、標準化された軟骨欠損が適用される。本発明の範囲から逸脱することなく、この情報の引き出しに、他の、より高度なスキャン手順が使用可能である。
【0285】
ここで、身体の他の関節にも適用されるであろう設計の概念を教示するために、特定の関節の適用のためのツールに移る。
【0286】
i.膝関節.
【0287】
人工膝関節全置換術が考慮されているとき、患者は、たとえば大腿顆、脛骨プラトーなどの幅などの膝関節の関節組織を明示する、上に詳細に議論した撮像テストを受けることが可能である。加えて、他の関節も撮像テストに含めることができ、これによって、大腿骨および脛骨の軸、および内反や外反などの奇形、および他の関節整列の情報がもたられる。撮像テストは、X線画像、好適には直立した負荷を受ける位置、CTスキャンまたはMRIスキャン、または、その組み合わせが可能である。撮像テストで生成された整列情報と同様に、関節面および形状は、外科援助装置を形成するため、あらかじめ作られた形状およびサイズを伴う異なる装置のライブラリから外科援助装置を選択するために使用可能であり、または外科援助装置へ入力して、鋸ガイド、ドリルホール、拡孔装置または他の外科器具のためのガイドの好適な位置および方向を定義するために使用可能である。手術中に、外科援助装置は脛骨プラトーへ適用され、続いて、その表面が関節面にマッチすることにより、またはそれが骨または軟骨上の解剖学的基準点に付着することにより、大腿顆へ適用される。外科医は、その後、ガイドを通して、リーマまたは鋸を導入し、移植のために関節を準備できる。軟骨および骨を解剖学的に決定された平面に沿って切ることにより、移植によるより再現可能な配置が達成可能となる。これにより、患者の骨格のために、移植片および周りの骨に適用される生体力学的な圧力を最適化し、移植片の軸不整を最小にすることにより、最終的に改良された手術後の結果をもたらすことができる。加えて、外科援助装置は、人工膝関節全置換術または人工膝関節単一区画置換術のために必要な外科器具の数を、大いに減少させることができる。したがって、1台以上の外科援助装置の使用により、関節形成をより正確にするのを補助し、手術後の結果を改良し、長期の移植片の活着を改良し、さらに、使用される外科器具の数を減少させることにより、費用を削減させることができる。さらに、1台以上の外科援助装置の使用により、手順の技術的困難性をより低いものにするよう補助可能であり、手術室(「OR」)回数を減少させるよう補助可能である。
【0288】
したがって、本明細書に説明されている外科ツールは、また、たとえば、移植を受ける部位を準備する場合において、ドリル整列、深さおよび幅を制御するよう、設計可能かつ使用可能である。たとえば、本明細書に説明されている、通常は関節面に一致しているツールは、改良されたドリル整列、およびより正確な、任意の移植片の配置を提供できる。解剖学的に正しいツールは、多くの方法により組み立てることができいかなる材料でも作ることができ(好適にはプラスチック、ルサイト、シラスチック、SLAなどの半透明の材料)、通常、モールドに先立ちブロック様の形状となっている。
【0289】
図24Aは、断面図により、上面620を有し、脛骨表面での使用に供される型600の例を表している。型600は、外科ドリルまたは鋸が適合することが可能な開口625を含んでいる。この開口は、
図21B〜
図21Dに示したように、下部に位置する骨610に適切な孔または切りこみを作成するよう、ドリルまたは鋸を誘導する。点線632は、開口に対応する切断が骨の中のどこでなされるかを示している。
【0290】
図24Bは、大腿骨上で用いるのに適した型608を表している。この斜視図から理解可能であるように、骨表面への追加的な切断を可能とするために、追加の開口が提供されている。開口605は、大腿骨表面への切断606を可能にする。もたらされる大腿骨の形状は、通常、
図21Eに示したように、大腿骨移植片の内面の形状に一致している。所望であれば、開口のサイズ、方向付けおよび配置を変えることにより、追加的形状が得られる。こうした変更は、たとえば、移植片の大腿骨要素の内部の形状が、準備された大腿骨表面と異なる形状となる必要がある場合に所望されることになろう。
【0291】
ここで、
図25に移ると、脛骨切断ブロックおよび型のシステムを示す、様々な図が提供されている。
図25Aは、切除されていない脛骨2302と関連する、脛骨切断ブロック2300を示している。この図では、切断ブロック2300は少なくとも2つの部品から成っている。第1部品は、下方表面2312が、患者の脛骨2302の既存の形状と一致し、または実質的に一致するよう設計された、患者に特有の内部部品2310または型である。第1部品の上方面2314およ側面2316は、外部部品2320の内部と一致するよう構成されている。再使用可能な外部部品2320は、内部部品2310上に適合する。このシステムは、型を骨上に保持するよう構成されている。
【0292】
再使用可能な外部部品は、上方表面2322および第1部品2310と一致する下方表面2324を有している。再使用可能な外部部品2320は、上述した脛骨表面の切断を実行する際に、外科医を補助する、切断ガイド2328を含んでいる。本明細書に示したように、外科医に脛骨を切るために選択させる様々な切断位置を提供するために、複数の切断ガイドが提供可能である。必要ならば、第1の患者構成または成形部品2310、および、第2の再利用可能な外部部品または切断ブロック2320の間と適合する追加スペーサーを提供可能である。
【0293】
関節の病気のレベルにもかかわらず、内部部品の変化する性質により、外部部品2320を、機械的軸に垂直な切断をなせるよう位置決めするので、最も正確な切断を得るのが容易となる。内部部品2310または外部部品2320のいずれも、セクションIIにおいて上述した材料のいずれか、または、任意の他の適当な材料から形成可能である。加えて、当業者であるならば、理解されるであろうが、本発明は、本明細書に説明されている2つの部品構成に限定されない。再利用可能な外部部品2320、および患者に特有の内部部品2310は、患者に特有の(材料の製造費でこうした製品がサポートしている)、または、既知のまたは一般の脛骨表面サイズおよび欠損に対応して作成される、欠損に実質的に一致する形状の、ライブラリに基づいて、再利用可能な、単一部品であってもよい。
【0294】
内部部品2310は、通常、軟骨下骨および/または軟骨を含む、脛骨に成形される。外科医は、型を適用するに先立って、通常、いずれの残存する半月板組織も除去することになる。任意に、型の内部表面2312は、半月板の部分または全体の形状の情報を含むことができる。
【0295】
ここで、
図25B〜
図25Dに移ると、取り外し可能な外部部品2320の様々な図が示されている。外部部品の頂面2322は、比較的平坦であってもよい。内部部品と当接する下側表面2324は、内部部品の上面の形状と一致している。この説明図では、内部部品の上面は平坦であり、したがって、再利用可能な外部表面の下側表面2324も、最適の合わせ面を提供するために平坦である。
【0296】
ガイドプレート2326は、外部部品2320の少なくとも一部分の側面に沿って広がっている。このガイドプレート2326は、脛骨表面での必要な切断を達成するために、鋸歯を挿入可能な、1つ以上のスロットまたはガイド2328を提供している。加えて、スロットまたはガイドは、鋸歯が機械的軸に対して垂直な線で切断するか、鋸歯が機械的軸に対して垂直ではあるが、脛骨の通常のスロープにマッチする矢状平面に対しては4−7°のスロープを有する線で切断するような形で構成できる。
【0297】
任意に、中央の孔2330は、たとえば、ドリルが膝移植片の脛骨要素のステムに対して、骨への孔を拡孔するのを可能にするために提供されてもよい。
【0298】
図25E〜
図25Hは、様々な斜視図により、内部の、または患者に特有の部品2310を示している。
図25Eは、不規則な下方表面2316に沿った均一な上部表面2314、および、均一な側部表面2316を示している部品の側面図を示す。下方表面は、脛骨2302の不規則な面と一致している。
図25Fは、型2310の内部および患者に特有の部品の上部図を示している。任意に、開口2330を有している。
図25Gは、内部の患者特有の型部品2310の下部図を示しており、さらに、表面に対して凸状および凹状の部分を含み、必要に応じて脛骨の表面と最適の一致をなす、不規則な表面を示している。
図25Hは、内部の患者特有の型部品2310の断面図を示している。この断面図で見ることができるように、内面の表面はその長さに沿って変化している。
【0299】
図25Bおよび
図25Dにおいて明白なように、たとえば、ガイドプレート2326が、
図25Bに示したように非対称的に位置決め可能であり、また、
図23Dに示したように対称的に位置決め可能である場合に、ガイドプレート2326の長さは、脛骨プラトーの全体または一部分に沿って伸びる形となることができる。人工膝関節全置換術が考慮されている場合は、ガイドプレート2326の長さは、通常脛骨プラトーの全体に沿って伸びている。人工関節単一区画置換術が考慮されている場合は、ガイドプレートの長さは、通常外科医が手術を行う区画の長さに沿って伸びている。同様に、人工膝関節全置換術が考慮されている場合は、成形される内部部品2310の長さは、通常脛骨プラトーの全体に沿って伸びている。それは、1つまたは両方の脛骨棘を含むことができる。人工関節単一区画置換術が考慮されている場合は、成形される内部部品の長さは通常外科医が手術を行う区画の長さに沿って伸びている。それは、任意に、脛骨棘を含むことができる。
【0300】
ここで、
図25Iへ移ると、開口2330の代替的実施形態が表されている。この実施形態では、開口は、フランジを有するステムを受ける骨の開口部の作成に用いるリーマまたはパンチを収容する、側部の突起を特徴としている。
【0301】
図25Jおよび
図25Mは、型2310に対する切断ブロック2320の運動および回転を制御するように設計された、本発明の代替的実施形態を示している。
図25Jに示したように、ペグ2340として示された一連の突起は、型の上面から伸びる形で提供されている。当業者ならば理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、1つ以上のペグまたは突起を使用可能である。図示の目的のために、2本のペグが
図25Jに示されている。所望される制御に応じて、ペグ2340は、たとえば、
図23Kに示したように、回転の調整を可能にする曲がったスロット2342の内部、または、
図25Lに示したように、ペグ2340に対して形状が一致する凹所2344の内部と適合するように構成されている。当業者ならば理解されるように、凹所2344は、ペグをすっぽり覆うよう大きさ、またはペグより大きい大きさにでき、側部および回転の運動を限られたものにすることができる。
【0302】
図25Mに示したように、型2310の表面は、上面が、切断ブロック2320の内面上に提供された凹状ウェル2352内部で適合する、凸ドーム2350を形成するよう構成可能である。この構成は、横方向の運動または平行移動が制限される一方で、機械的軸の周りのより大きい回転運動を可能とする。
【0303】
本発明の範囲から逸脱することなく、これらの結果を得る、他の実施形態および構成が使用可能である。
【0304】
当業者ならば理解されるように、システムの包括に適切であるなら、2つより多い部品を使っていてもよい。たとえば、患者特有の内部部品2310は、脛骨に配置されると、それが単一部品を形成するよう構成された2つの部品であってもよい。さらに、外部部品2320は、2つの要素であってもよい。第1要素は、たとえば、切断ガイド開口2328を有していてもよい。切断ガイド開口2328を用いた切除の後、外部部品2320を除去することができ、切断ガイド開口2328を伴うガイド平面2326を有しないが、脛骨表面内へ、膝の移植片の脛骨要素のステムを受ける開口を開孔するのを容易にする開口2330を有する、二次外部部品2320’が使用可能となる。これらの設計のいずれも、所望であれば、
図25J〜
図25Mに示した表面構成を特徴とすることができる。
【0305】
図25Nは、たとえば、脛骨プラトーの準備の間、十字靭帯を切断から保護する追加構造2360を提供する、切断ブロック2320の代替的設計を示している。これらの追加構造は、
図25Nに示したように、ギザギザのあるガイド2360の形であるが、他の適当な構造でもよい。
【0306】
図25Oは、軟骨または半月板領域内に内部部品2310を固定する固定ペグ2362が、内部部品2310の表面にあるシステムの断面図を示している。
【0307】
図25Pと
図25Qは、脛骨プラトーの半分を、単一区画となる形で覆うよう構成した装置2300を示している。
【0308】
ここで、
図26に移ると、最終的に移植された大腿骨移植片が、機械的および解剖学的軸の最適の整列を達成する形で、大腿骨の表面を準備するのを容易にする、大腿骨型システムが表されている。
【0309】
図26Aは、その上に配置された型の第1部分2410を伴う、大腿骨2400を示している。この図では、型2412の頂面には、多くの開口が提供されている。この例では、開口は、1対の長方形の開口2414、1対の正方形の開口2416、中央穴の開口2418および細長い長方形の開口2420から成っている。第1部分2410の側面2422も、長方形の開口2424を有している。各開口は、大腿骨上でなされることになる最終的な切断より大きく、それにより、型の第1部分の材料が、プラスチックなどの軟質の材料から製造されている場合、関節面の準備処理の間に、それがうっかり切断されることはない。加えて、別の領域の柔軟性を増やすことなく、1つの領域に沿った切断の長さに対してより大きな柔軟性を与えるために、たとえば、長方形の形状を台形にするなど、形状は調整可能である。当業者ならば理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、開口またはオリフィスは、他の形状に変更できる。
【0310】
図26Bは、開口2424を示す側面2422の斜視図からの、第1部分2410の側面図を示している。図示されるように、外側表面2411は、平坦または比較的平坦な均一の表面を有するが、内部表面2413は不規則面であり、大腿骨表面に一致し、または実質的に一致している。
【0311】
図26Cは、第1の、患者特有に成形された、部分2410の他の側面を示しており、特に、内部の不規則な表面2413を示している。
図26Dは、第1部分2410の平面図を示している。中央穴開口2418は、第1部品を位置決めするのを容易にし、中心回転を防ぐために、任意に提供される。
【0312】
図26Dは、第1部分2410の平面図を示している。説明図の下部は、膝関節に対して前方の位置に対応している。この平面図では、各開口は、上述したように示されている。当業者ならば理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、開口は異なるように形成可能である。
【0313】
ここで、
図26Eに移ると、ここでは、大腿骨上に配置された切断ブロックの第1部分2470、および、第1部分2410の上に配置された、外部の第2部分2440を伴った大腿骨2400が示されている。外部の第2部分2440は、鋸歯の挿入を容易にする、一連の長方形の溝(2442〜2450)を特徴としており、それを通して
図21Eに示した、大腿骨の形状を達成するのに必要な切断がなされる。これらの溝により、刃を、外部部分の表面に対して90°の角度で、または、たとえば45°の角度でアクセス可能にできる。また、本発明の範囲から逸脱することなく、他の角度も可能である。
【0314】
破線よって示したように、第2部分の溝(2442−2450)は、第1層の開口に重ねられている。
【0315】
図26Fは、外部の第2切断ブロック部分2440の側面図を示している。この側面図では、大腿骨の切断にアクセスするために、単一の開口2450が提供されている。
図26Gは、長方形の溝の位置および相対的角度が示されている、外部の第2部分2440の他の側面図を示している。この図から証明されるように、溝2442、2448、2450の方向付けは、外部の第2部分2440の少なくとも1つの表面に垂直である。溝2444、2446の方向付けは、外部の第2部分2440の、少なくとも1つの表面に垂直になっていない。これらの溝(2444、2446)は、大腿骨に対する、角度をつけられた面取り切断をするのを容易にする。
図26Hは、外部第2部分2440の平面図である。当業者ならば理解されるように、溝の位置および方向付けは、大腿骨移植の設計、および移植片と連絡するのに必要な大腿骨の形状に応じて変化することになる。
【0316】
図26Iは、第1部分2410と第2部分2440との間で使用するスペーサー2401を示している。スペーサー2401は第1部分に対して第2部分を上げ、それにより、大腿骨表面に対して、溝2424を通って切断する、上げられた領域が作成されることになる。当業者ならば理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、1つ以上のスペーサーが使用可能である。スペーサーは、脛骨切断をなすためにも使用可能である。任意の溝、またはチャンネル2403は、たとえば
図26Jに示したピン2460などを収容するために提供可能である。
【0317】
図25に関して上で議論した設計と同様に、型2410に対する切断ブロック2440の運動および回転を制御するために、別の設計が使用可能である。
図26Jに示したように、ペグ2460として示される、型の上方表面から伸びた一連の突起が提供される。これらのペグまたは突起は伸縮式であり、必要ならば、型の使用を容易にするものである。当業者ならば理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、1つ以上のペグまたは突起が使用可能である。図示の目的のために、
図26Jには、2本のペグが示されている。所望される制御に応じて、ペグ2460は、たとえば
図25Kに示したスロットと同様に、回転調整を可能にする曲がったスロット内部に、または、
図25Lに示したもの、および脛骨切断システムに関して説明したものと同様に、ペグと形状が一致する凹所内部に適合するよう構成される。当業者ならば理解されるように、凹所2462は、ペグをすっぽり取り囲むことができ、または、限られた横方向または回転の運動を可能にするよう、ペグより大きくできる。
【0318】
図26Kに示したように、型2410の表面は、上面が、切断ブロック2440の内部表面に提供された凹形ウェル2466と適合する凸ドーム2464を形成するように構成されている。この構成により、機械的軸の周りのより大きな回転運動が可能となり、一方、横方向または平行運動が制限される。
【0319】
移植片を導入すると、
図26A〜
図26Oに示すように、最初に、脛骨ブロックを用いて脛骨表面が切断される。患者に特有の型は大腿骨に配置される。その後、膝は、伸長と屈曲の双方で、関節が最適の機能を達成するまで、
図26Iに示したように、スペーサー2470、または、必要ならシムを使って、伸長状態で配置される。スペーサーまたはシムは、脚が伸長および屈曲状態に置かれるとき増加する距離を提供するために、通常、たとえば、厚みが5mmなどの増加するサイズである。張力計は、この決定を補助するのに使用可能であり、または、最適の結果を提供するために、型またはスペーサーに組み入れることができる。張力計の設計は、当技術分野で既知であり、本発明を不明確するのを避けるために、本明細書には含まれていない。適当な設計は、たとえば、1997年5月20日にトッド(Todd)に対して発行された米国特許第5,630,820号で説明されているものを含んでいる。
【0320】
図26N(矢状図)、および
図26M(冠状図)に示したように、型2410の内部表面2413は、軟骨2466または軟骨下骨2467に対して、型を安定させるのを補助する、小さな歯2465または延長部分を含むことができる。
【0321】
ここで、
図27に移ると、膝蓋切断ブロックおよび型のシステムの様々な説明図が提供されている。
図27A〜
図27Cは、切除されていない膝蓋2702に関連する、膝蓋切断ブロック2700を示している。この図では、切断ブロック2700は、1つの部品のみ、または、所望であれば、複数の部品から成ることができる。内部表面2703は、患者に特有であり、患者の膝蓋2702の既存の形状と一致する、または、実質的に一致するように設計される。小さな開口部2707は、鋸を受けるために存在している。型またはブロックは、1つのみ、または複数の開口部を有している。この開口部は、何らかの回転または他の微調整を可能にするよう鋸より大きくてもよい。
図27Aは、矢状面Sでの図である。四頭筋腱2704および膝蓋腱2705が示されている。
【0322】
図27Bは、軸平面Aでの図である。軟骨2706が示されている。型は、軟骨、または軟骨下骨、または、その組み合わせに対して成形できる。
図27Cは、鋸のための開口部2707を明示した、型の正面
図Fである。破線は、膝蓋2702の相対的位置を示している。
【0323】
図27D(矢状図)および
図27E(軸図)は、除去されていない膝蓋2702に関連した膝蓋切断ブロック2708を示している。この図では、切断ブロック2708は、少なくとも2つの部品から成っている。第1部品は、患者に特有の内部部品2710または患者の膝蓋2702の既存の形状と一致する、または、実質的に一致する下方表面2712があるように設計された型である。第1部品2710の外側表面2714および側部表面2716は、外部部品2720の内部と一致するように構成されている。再利用可能な外部部品2720は、内部部品2710に適合し、それを膝蓋上に保持している。再利用可能な外部部品は、第1部品2710と一致する内部表面2724を有している。再利用可能な外部部品2720は、外科医が膝蓋骨表面を切断するのを補助する切断ガイド2707を含んでいる。膝蓋骨を切断する際に選ぶ様々な位置を外科医に提供するために、複数の切断ガイドが提供可能である。必要ならば、患者に構成または成形された第1部品2710と、再利用可能な外部の第2部品または切断ブロック2720との間で適合する、追加スペーサーが提供される。
【0324】
再利用可能な外部の第2部品すなわち切断ブロック2720は、溝2722、膝蓋骨クランプ2726などの外科器具と一致するように設計された延長部分2725を有することができる。膝蓋骨クランプ2726は、リング形のグラスパー2728と、たとえばラチェット2730のようなロック機構を有することができる。グラスパーの開口部2732は、再利用可能な外部の第2部品2720の延長部分2725と適合する。挿入を容易にするために、グラスパーのハンドルの第1部分の一部は、ハンドルの第2部分に対して、斜角2734であってもよく、または曲がって(図示せず)いてもよい。通常、関節内側を向くことになるグラスパーの一部は、斜いた、または、曲がった形状を有することになり、その結果、わずかに小さな切開が可能となる。
【0325】
外部部品2720を所望される平面に位置決めするので、関節の病気のレベルにかかわらず、内部部品の変化する性質により、最も正確な切断を得るのが容易となる。内部部品2710または外部部品2720のいずれも、セクションIIにおいて上で議論した材料のいずれか、または、任意の他の適当な材料から形成可能である。加えて、当業者であるならば、理解されるであろうが、本発明は、本明細書に説明されている2つの部品の構成に限定されない。再利用可能な外部部品2720、および患者に特有の内部部品2710は、患者に特有の(材料の製造コストでこうした製品がサポートされている)、または、既知のまたは共通の脛骨表面サイズおよび欠損に対応して生成される、欠損に実質的に一致する形状の、ライブラリに基づく、再利用可能な単一部品であってもよい。
【0326】
内部部品2710は、通常、軟骨下骨および/または軟骨を含む、膝蓋骨に成形される。
【0327】
この決定から、膝のバランスをとるのに必要な空間の量の把握は決定しており、その後、表面の切断を達成し、さらに多すぎる骨の除去を防ぐための切断ブロックおよび型と関連する、適切な数のスペーサーが使われる。切断のために膝を準備している際に、切断ブロックにたとえば10mmの厚みがあり、さらに各スペーサーに5mmの厚みがある場合、屈曲と伸長中に最適であるとして特定された切断面を達成するために切断ブロックを適用するとき、2個のスペーサーは、除去されることになろう。同様の結果は、型と切断ガイドの間に挿入された、ラチェットまたはジャッキのような設計でも取得することが可能である。
【0328】
ii.股関節.
【0329】
ここで、
図28に移ると、ここでは股関節で使用する、サンプル型および切断ブロックシステムが様々な図で示されている。
図28Aは、大腿骨の頭部2514の除去、およびヒップボール補綴に対する表面2516の作成を容易にするために、大腿骨の首2512を横切る切断面2530を提供する形で配置された型、および切断ブロックシステム2520を伴う、大腿骨2510を示している。
【0330】
図28Bは、切断ブロックシステム2520の平面図を示している。切断ブロックシステム2520は、内部の、患者に特有の、成型されたセクション2524と、外部の切断ブロック表面2522とを含んでいる。内部の、患者に特有の、成型されたセクション2524は、大腿骨の首の上に内部のセクション2524を置くのを容易にする管2526を含むことができる。当業者ならば理解されるように、管の幅は、内部の成型されたセクションを作成するために用いられる材料の剛性により、変化することになる。外部切断ブロック表面2522は、内部のセクションの周りに、すっぽり適合するように構成される。追加構造は、膝切断ブロックシステムに関して上で説明したものと同様に提供可能であり、当業者ならば理解されるように、内部型セクション2522に対する外部切断ブロック2524の運動を制御できる。内部セクション2524が、大腿骨の首の全体または一部を取り囲んでいる場合、切断ブロックシステムは、たとえばハンドル2501を提供することによっていったん切断がなされているなら、大腿骨頭部を除去する補助をするような形で構成できる。
【0331】
図28Cは、大腿骨頭部が
図28Aに示した切断ブロックを用いて除去された後に、切断した大腿骨の上へ配置されて、拡孔のためのガイドを提供する、第2切断ブロックシステム2550を示している。
図28Dは、
図28Cに示された切断ブロックの平面図である。当業者ならば理解されるように、
図28Cと
図28Dに示された切断ブロックは、1つ以上の部品であってもよい。
図28Eに示したように、開口2552は、移植片の支柱のための拡孔を、大腿骨の表面に対して90°の角度にすることが可能にする形で構成可能である。その代わりに、
図28Fに示したように、所望であれば、開口2552は、拡孔のために90°以外の角度を提供するよう構成可能である。
【0332】
図29A(矢状図)と
図29B(型を見下ろす正面図)は、臼蓋窩2957に対する型システム2955を示している。型は、臼蓋窩縁2960に対してそれを安定させる溝2959を有している。たとえばリーマなどの外科器具は、型の開口部2956を貫通できる。開口部の側壁2962は、リーマまたは他の外科器具の方向を誘導可能である。金属スリーブ2964は、側壁2962内へ挿入可能であり、それにより、型の側壁を損傷から保護できる。金属スリーブ2964は、型に対してスリーブを固定し、関節面に対するスリーブの運動を避けるのを補助するリップ2966、または張出し縁を有していてもよい。
【0333】
図29Cは、
図29Aおよび
図29Bに示したのと同一の、型システムの正面図である。溝2970は、6時および12時の位置に加えられる。溝は、外科器具の正確な位置決め、または配置に使用できる。さらに、溝は、回転エラーなく、臼蓋窩要素の正確な配置に役立つことが可能である。当業者であるならば認めることであろうが、1つより多い溝または内部ガイドを使用することにより、回転エラーを減少させるだけでなく、移植片の傾きに関連するエラーも減少させることができる。
図29Dに示したように、移植片2975は、溝とマッチする小さな拡張部分2977を有することが可能であり、それにより、移植片の配置を誘導できる。拡張部分2977は、移植片の設計の恒久的な部分であってもよく、または取り外し可能であってもよい。臼蓋窩要素の、金属縁2979、および前部のポリエチレンカップ2980に留意されたい。
【0334】
図29Dは、成型されたセクション2924の内部表面2960が、大腿骨の首を掴み易くする歯2962または溝を有しているシステムの断面図を示している。
【0335】
B.小さい、病巣軟骨欠損.
【0336】
軟骨欠損の識別、および、本明細書に説明されているような、独占のU字形軟骨欠損ロケータ装置を用いた皮膚表面のマーキングの後、3cmの切開がなされ、組織レトラクタが挿入される。軟骨欠損は視覚化される。
【0337】
大腿顆の三次元表面にマッチする第1ルーサイトブロックが、軟骨欠損の上に配置される。ルーサイトブロックの中央部分は、移植片のベースプレートの直径に対応した、たとえば1.5cmの内径を有した、ドリル孔を含んでいる。深さ制御のためのドリルガイドを伴った標準の外科ドリルが、ルーサイトブロックを通して挿入され、レシピエント部位が、移植片のベース要素のために準備される。その後、ドリルおよびルーサイトブロックが除去される。
【0338】
その後、同じ外部寸法の第2ルーサイトブロックが、移植片レシピエント部位の上に配置される。第2ルーサイトブロックは、第1ドリル孔のサイズにマッチし(および、移植片のベース要素の形状とマッチし)、直径が第1ドリル孔より0.1mm小さく、移植片のベースのものより0.2mm小さい、丸くて、円筒状の延長部分を有している。円筒状の拡張部分は、第1ドリル孔内に配置される。
【0339】
第2ルーサイトブロックは、そのブロックの外部表面から円筒状の拡張部分に広がるドリル孔を含んでいる。第2ドリル孔の内部直径は、たとえば3mmの移植片のフィン形をした安定装置の支柱の遠位部分の直径にマッチしている。深さ制御のためのドリルガイドを伴ったたとえば3mmの直径のドリルが、第2孔に挿入され、レシピエント部位は、4つのフィンおよびステップ設計を伴う安定装置の支柱のために準備される。その後、ドリルおよびルーサイトブロックは、除去される。
【0340】
その後、最終的な移植片の直径より0.2mm小さなベース要素の直径の、そして、最終的な移植片の遠位部分より0.1mm小さな直径の、テーパ状よりむしろ円筒状をした安定装置を伴った、最終的な移植片の三次元形状とマッチするプラスチックモデル/トライアル移植片が、軟骨欠損の内部に配置される。プラスチックモデル/トライアル移植片は、移植片表面と、周囲の軟骨との整列を確認するのに使用される。その後、外科医は最終調整を実行する。
【0341】
続いて、移植片がレシピエント部位内部に配置される。移植片の前方フィンは、赤色でマークされ、「A」とラベルされている。後部フィンはラベル「P」を伴って緑色でマークされ、中間フィンはラベル「M」を伴って黄色のカラーコードが付けられている。その後、ルーサイトブロックが、移植片の上に配置される。プラスチックハンマーは、移植片をゆっくりレシピエント部位に進めるために利用される。圧入は、ベース要素の、ドリル孔に対してわずかに大きな直径(0.1mm)と同様に、支柱の先細りした4つのフィン設計の助けにより達成される。ルーサイトブロックが除去される。その後、組織レトラクタが除去される。標準の外科技術は、3cmの切開を閉じるのに使用される。上述された、中間大腿顆のための同じ手順が、側部大腿顆、中間脛骨プラトー、側部脛骨プラトー、および膝蓋骨にも適用可能である。装置の即座の安定化は、所望であれば、装置を骨セメントで結合することにより達成可能である。
【0342】
IV.キット.
【0343】
また、本明細書に説明されているのは、本明細書で説明した、1つ以上の方法、システムおよび/または構成を含むキットである。特に、キットは以下の1つ以上を含むことができる。電子画像を得る命令(方法)、電子画像を評価するシステムまたはインストラクション、電子画像の分析または処理が可能な、1台以上のコンピュータ手段、および/または、関節修復システムを埋め込む1個以上の外科ツール。キットは、たとえば、命令、試薬、容器、および/または、画像援助(たとえば、フィルム、ホルダー、ディジタイザ)などの他の材料を含むことができる。
【0344】
以下の例は、本発明をより完全に説明するために含まれている。加えて、これらの例は、本発明の好適な実施形態を提供するものであり、その範囲を制限することを意味していない。
【0345】
例1:三次元関節修復システムの設計および構造.
【0346】
軟骨領域は、本明細書に説明されているように、軟骨欠損および/または罹患軟骨を検出するために撮像される。罹患領域に隣接する、軟骨および軟骨下骨の縁および形状が決定される。関節の厚さが決定される。関節修復システムのサイズは、上の測定値に基づいて決定される(
図12〜
図14)。特に、修復システムは、様々な異なるサイズと曲率を有する、既存の、あらかじめ作られた移植片のカタログから(最良に適合することに基づいて)選択されても、CAD/CAM技術を用いてカスタム設計された特注であってもよい。既存の形状のライブラリは、通常、およそ30サイズのオーダーである。
【0347】
移植片は、クロムコバルト移植片(また、
図12〜
図14および
図17〜
図19参照)である。関節面はつやがあり、外部寸法は、罹患軟骨領域よりわずかに大きい。形状は、周囲の軟骨および軟骨下骨の形状の情報を利用して、完全なまたはほぼ完全な関節適合を達成するよう適合されている。移植片の他の設計に関する特徴は、以下を含んでいる。隣接する軟骨に対しての傾斜(60度から70度の角度)界面、深さ制御のためのブロードベースのベース要素、ベース要素の圧入設計、骨の内殖および厳格な安定化のためのベース要素の多孔性被覆、広域欠損移植片安定化のための二重ペグの設計また多孔性被覆(
図12A)、先細の4つのフィンを伴う単一安定装置支柱および小さな局所欠損のためのステップ設計または多孔性被覆(
図12B)、および、大腿骨再生(凸状外部表面)および脛骨再生(凹状外部表面)に適用可能な設計。
【0348】
例2:最小侵襲関節鏡援用外科技術.
【0349】
関節修復システムは、関節鏡援用で挿入される。この装置は、人工膝関節単一区画置換術および人工膝関節全置換術において、15〜30cmの切開を必要としない。手順は、局所麻酔、通常、硬膜外麻酔、下で実行される。外科医は、手順の間、血流を膝に限定するために、患者の太腿上部に止血帯を適用できる。脚は、無菌技術により、準備され、覆われる。古典的な関節鏡技術を用いて、関節の前内側および前外側の側面に2つの小さな2mmのポートを作るために、スタイレットが使用される。関節鏡は、側部ポートを通して挿入される。関節鏡器具は、中間ポートを通して挿入される。軟骨欠損は、関節鏡を用いて視覚化される。軟骨欠損ロケータ装置は、罹患軟骨内に配置される。プローブは、U字形をしていて、関節内の罹患軟骨領域の中心と接触する第1アームと、関節の外に残るU字の第2アームを伴っている。U字の第2アームは、皮膚に対する軟骨の位置を示す。外科医は、軟骨欠損の位置を皮膚上にマークする。欠損上に3cmの切開がなされる。組織レトラクタが挿入され、欠損が視覚化される。
【0350】
隣接する軟骨および軟骨欠損の三次元形状に合う、半透明のルーサイト・ブロックが軟骨欠損の上に配置される(
図13)。より大きな欠損に対しては、ルーサイト・ブロックは、鋸挿入のための側部スロットを含んでいる。鋸が挿入され、関節面を横切り、まっすぐに切断され、罹患軟骨よりわずかに広い領域が除去される。ルーサイト・ブロックの中心は、7.2mmの直径の2つのドリル孔を含んでいる。ドリル・ガイドが組織への貫入の深さを制御する、7.1mmのドリルが、ドリル孔を通して挿入される。移植片の円筒状のペグのための孔が作成される。その後、ドリルおよびルーサイト・ブロックが除去される。
【0351】
その後、移植片の外側の寸法にマッチする、ミニ修復システムのプラスチックモデル/トライアル移植片が挿入される。トライアル移植片は、実際の移植片の解剖学的配置を確認するのに利用される。指示があったなら、この時点で、外科医は、たとえば各ドリル孔をわずかに拡大したり、切断平面を調整したりして、適合を改良するために、小さな調整をすることが可能である。
【0352】
その後、移植片は、ドリル孔に向けられてペグにより挿入される。移植片の前方および後方の位置は色分けされている。具体的には、前方のペグは赤色および小文字の「A」でマークされ、一方、後部のペグは、緑色と小文字の「P」を有している。同様に、移植片の前部面は、黄色に色分けされ、小文字の「M」でマークされ、さらに、移植片の外側面は小文字の「L」でマークされている。その後、ルーサイト・ブロックは、移植片の外部表面に配置され、プラスチックのハンマーを用いて、そっとペグをドリル孔に進めるペグは、圧入を達成するように設計されている。
【0353】
同じ技術は、脛骨に適用できる。移植片は、脛骨プラトーの三次元形状にマッチする、凹形の関節面を有している。装置の即座の安定化は、所望であれば、装置を骨セメントで結合することにより達成可能である。
【0354】
本発明の実施形態の以上の説明は、図示および説明を目的として提供されている。説明は完全性を意図するものでなく、また、本発明は、開示されている正確な形に限定されることを意図するものではない。多くの変更と変化は、当技術に熟練した開業医にとり明白なものであろう。実施形態は、本発明の原理とその実用化を最もよく説明するために選択され、それにより、当技術に熟練した他者が、本発明および考慮された特定の使用に適当な様々な変更を伴う、様々な実施形態を理解することが可能である。本発明の範囲は、請求項およびその均等物によって定義されることが意図されている。