(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技球が流下可能な遊技領域内に、遊技球が通過可能な特別領域を開閉する可動部材を備えた特別可動手段と、遊技球が入賞可能な特別入賞手段とが設けられている一方、図柄を変動/確定表示可能な図柄表示部が設けられ、さらに遊技に係る動作や前記図柄表示部における表示動作を制御する制御手段と、遊技者が操作可能で、当該操作により前記遊技領域へ遊技球を打ち込む強度を調整可能な強度調整手段とが備えられており、
前記制御手段は、所定条件の充足にもとづいて1又は複数の乱数から数値を取得すると、取得した前記数値にもとづいて前記図柄の確定表示態様と前記図柄の変動時間を含む基本変動パターンとを決定し、前記図柄表示部において前記図柄の変動を開始させ、前記変動時間の経過に伴い前記図柄を所定の確定表示態様で確定表示させ、
さらに、前記図柄を所定の特別確定表示態様で確定表示させたことにもとづいて、前記特別入賞手段及び前記特別可動手段を所定の開成態様で断続的に開成させる特別遊技状態を生起させるとともに、前記特別遊技状態中に遊技球の前記特別領域の通過を検出すると、前記特別遊技状態の終了後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を生起させる遊技機であって、
前記遊技領域内に、遊技球が通過可能な通過手段と遊技球が入賞可能な入賞手段との何れかからなる少なくとも1つの内容決定用検出手段及び少なくとも1つの特定の内容決定用検出手段を夫々異なる位置に設置し、遊技者が前記強度調整手段を操作することにより、前記内容決定用検出手段と前記特定の内容決定用検出手段との何れで遊技球を検出させるか選択することができるようにするとともに、
前記特別遊技状態中の前記特別入賞手段の開成態様として、遊技球が所定個数入賞するまで若しくは特別開成時間が経過するまでの何れかが満たされるまで開成させる特別開成態様が設定されている一方、前記特別遊技状態中の前記特別可動手段の開成態様として、前記特別領域への遊技球の通過が期待できる特定開成時間にわたり開成させる特定開成態様と、前記特定開成時間より短く、前記特別領域への遊技球の通過が期待できない非特定開成時間にわたり開成させる非特定開成態様とが設定されており、
前記制御手段は、前記図柄を前記特別確定表示態様で確定表示させると、前記内容決定用検出手段及び前記特定の内容決定用検出手段を同時に若しくは所定の順で有効化するとともに、有効化している前記内容決定用検出手段と前記特定の内容決定用検出手段との何れかでの遊技球の最初の検出にもとづいて、その後に生起させる前記特別遊技状態中に前記特別入賞手段を前記特別開成態様で何回開成させるか、及び前記特別可動手段を前記特定開成態様と前記非特定開成態様との何れの開成態様で開成させるかを決定する一方、
前記特定の内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される前記特別入賞手段の前記特別開成態様での開成回数が、前記内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される前記特別入賞手段の前記特別開成態様での開成回数の期待値よりも多い若しくは前記期待値と同数であり、且つ、前記特定の内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される前記特別可動手段の開成態様が、必ず前記非特定開成態様であることを特徴とする遊技機。
遊技球が流下可能な遊技領域内に、遊技球が通過可能な特別領域を開閉する可動部材を備えた特別可動手段と、遊技球が入賞可能な特別入賞手段とが設けられている一方、図柄を変動/確定表示可能な図柄表示部が設けられ、さらに遊技に係る動作や前記図柄表示部における表示動作を制御する制御手段と、遊技者が操作可能で、当該操作により前記遊技領域へ遊技球が打ち込まれる発射操作手段とが備えられており、
前記制御手段は、所定条件の充足にもとづいて1又は複数の乱数から数値を取得すると、取得した前記数値にもとづいて前記図柄の確定表示態様と前記図柄の変動時間を含む基本変動パターンとを決定し、前記図柄表示部において前記図柄の変動を開始させ、前記変動時間の経過に伴い前記図柄を所定の確定表示態様で確定表示させ、
さらに、前記図柄を所定の特別確定表示態様で確定表示させたことにもとづいて、前記特別入賞手段及び前記特別可動手段を所定の開成態様で断続的に開成させる特別遊技状態を生起させるとともに、前記特別遊技状態中に遊技球の前記特別領域の通過を検出すると、前記特別遊技状態の終了後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を生起させる遊技機であって、
前記遊技領域内に、遊技球が通過可能な通過手段と遊技球が入賞可能な入賞手段との何れかからなる少なくとも1つの内容決定用検出手段及び少なくとも1つの特定の内容決定用検出手段が設置されているとともに、
前記特別遊技状態中の前記特別入賞手段の開成態様として、遊技球が所定個数入賞するまで若しくは特別開成時間が経過するまでの何れかが満たされるまで開成させる特別開成態様が設定されている一方、前記特別遊技状態中の前記特別可動手段の開成態様として、前記特別領域への遊技球の通過が期待できる特定開成時間にわたり開成させる特定開成態様と、前記特定開成時間より短く、前記特別領域への遊技球の通過が期待できない非特定開成時間にわたり開成させる非特定開成態様とが設定されており、
前記制御手段は、前記図柄を前記特別確定表示態様で確定表示させると、前記内容決定用検出手段と前記特定の内容決定用検出手段とを所定の順で何れか一方毎に有効化し、遊技者が前記発射操作手段を操作するタイミングを調整することにより、前記内容決定用検出手段と前記特定の内容決定用検出手段との何れで遊技球を検出させるか選択することができるようにするとともに、有効化している前記内容決定用検出手段と前記特定の内容決定用検出手段との何れかでの遊技球の最初の検出にもとづいて、その後に生起させる前記特別遊技状態中に前記特別入賞手段を前記特別開成態様で何回開成させるか、及び前記特別可動手段を前記特定開成態様と前記非特定開成態様との何れの開成態様で開成させるかを決定する一方、
前記特定の内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される前記特別入賞手段の前記特別開成態様での開成回数が、前記内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される前記特別入賞手段の前記特別開成態様での開成回数の期待値よりも多い若しくは前記期待値と同数であり、且つ、前記特定の内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される前記特別可動手段の開成態様が、必ず前記非特定開成態様であることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるパチンコ機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
(パチンコ機の全体的な説明)
図1は、パチンコ機1を前面側から示した説明図である。また、
図2は、遊技盤2を前面側から示した説明図である。さらに、
図3は、パチンコ機1を後面側から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域16内へ遊技球を打ち込み、遊技領域16内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠5を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス板を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間が遊技領域16とされている。
【0011】
当該遊技領域16は、遊技盤2の前面に円弧状に配設された外レール23及び内レール24等によって囲まれており、遊技領域16に左部における両レール23、24間が遊技球を遊技領域16内へ打ち込むための発射通路13とされている。また、遊技領域16の略中央には、「0」〜「9」の数字からなる装飾図柄やキャラクター等を表示するための演出用表示部6が設けられている。さらに、演出用表示部6を囲むように電動役物70等を備えたセンター部材26が遊技盤2に設置されており、該センター部材26の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口19が設けられている。また、センター部材26の左方には、遊技球が流下可能な左打ち用スペースSLが形成されているとともに、当該左打ち用スペースSL内に遊技球が通過可能な第1内容決定ゲート62が設置されており、左打ち用スペースSLを流下する遊技球に限り、第1内容決定ゲート62の通過、及び始動入賞口19への入賞が狙えるようになっている。
【0012】
一方、センター部材26の右方にも遊技球が流下可能な右打ち用スペースSRが形成されている。また、該右打ち用スペースSRには、遊技球が通過可能なゲート部材20と、動作可能な舌片(図示せず)を備えた始動入賞役物17とが設けられている。該始動入賞役物17は、舌片の作動に伴い、内蔵された入賞口(図示せず)への遊技球の入賞を可能とする開状態と、入賞口への遊技球の入賞を不可能とする閉状態との何れか一方の状態へ変化するようになっている。さらに、右打ち用スペースSRの下部(センター部材26の下方で、始動入賞口19の右側となる位置)には、開閉可能な扉部材を有する大入賞アタッカー18aと、内部に遊技球が通過可能な特別領域としての入賞口(図示せず)を有するとともに当該入賞口を開閉するための扉部材(可動部材)を備えたV入賞アタッカー18bとが設置されている。加えて、右打ち用スペースSR内には、遊技球が通過可能な第2内容決定ゲート63も設置されている。そして、遊技球を左打ち用スペースSLではなく右打ち用スペースSRを流下させることにより、ゲート部材20や第2内容決定ゲート63を通過させたり、開状態にある始動入賞役物17へ入賞させたり、さらには開成した大入賞アタッカー18aやV入賞アタッカー18bへ効率良く入賞させることができる。なお、センター部材26の左右を問わず、遊技領域16の略全面には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。また、遊技領域16外となる遊技盤2の右下部には、特別図柄を表示するための7セグメント表示器からなる特別図柄表示部60(
図4に示す)が設けられている。
【0013】
また、機枠3の前面側であって上記遊技盤2の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7、及び供給皿7から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられており、供給皿7は前扉4の開放に伴い、貯留皿8はミドル枠5の開放に伴い夫々機枠3に対して片開き可能となっている。さらに、貯留皿8の右側には、発射装置10を作動させ、遊技球の遊技領域16への打ち込み強度を調整するためのハンドル9が回動操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前方には、遊技者が任意に押し込み操作可能な押しボタン25が設けられている。なお、発射装置10は、ハンドル9の回動操作量に応じた強度により、約1.0秒の発射間隔で遊技球を発射可能となっている。
さらに、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14、14が設けられており、前扉4の側部には、パチンコ機1の遊技状態等に応じて点灯・点滅する複数のLEDを備えたランプ部材15、15が設けられている。
【0014】
一方、機枠3の後面側には、供給皿7へ貸球や賞品球として払い出される遊技球を貯留するための貯留タンク11、当該貯留タンク11と連結された払出装置12、払出装置12における払い出し動作を制御する払出制御装置28、及び各制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。また、21は、合成樹脂製のカバー状に形成されたセンターカバーであって、当該センターカバー21の内部には、遊技に係る主たる制御(たとえば、所謂大当たり抽選等)を実行するためのメイン制御装置30(
図4に示す)、演出用表示部6における表示動作等を制御する表示制御装置50(
図4に示す)、ランプ部材15の点灯/点滅動作等を制御する発光制御装置51(
図4に示す)、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置52(
図4に示す)、及び表示制御装置50や音制御装置52等の動作を統合的に制御するサブ制御装置40(
図4に示す)等が設置されている。尚、22は、パチンコ機1をトランスに接続するためのプラグであり、27は、アースである。
【0015】
次に、パチンコ機1の制御機構について、
図4をもとに説明する。
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したブロック図である。
メイン制御装置30には、大当たり抽選や大当たり内容決定抽選の実行とともに下記部材の動作を制御するメインCPU32、ROMやRAM等といった記憶手段33、タイマ34、及びインターフェイス35等が搭載されたメイン制御基板31が内蔵されている。そして、該メイン制御基板31は、インターフェイス35を介して、始動入賞口19や始動入賞役物17、大入賞アタッカー18a、V入賞アタッカー18b、ゲート部材20、特別図柄表示部60、第1内容決定ゲート62、及び第2内容決定ゲート63等と接続されている。そして、メインCPU32は、遊技球の始動入賞口19や始動入賞役物17、大入賞アタッカー18a、及びV入賞アタッカー18bへの入賞や、遊技球のゲート部材20や第1内容決定ゲート62、第2内容決定ゲート63の通過を検出可能となっている。また、メイン制御基板31は、サブ制御装置40内に内蔵されたサブ統合基板41とも電気的に接続されている。なお、
図4では省略しているが、メイン制御基板31は、払出制御装置28や電源装置29等ともインターフェイス35を介して接続されている。
【0016】
記憶手段33には、始動入賞役物17を開動作させるか否かの開放抽選に使用するaカウンタ、大当たり抽選に使用するcカウンタ(大当たり判定用乱数)、特別図柄表示部60における特別図柄の確定表示態様を決定するdカウンタ(確定表示態様決定用乱数)、主に特別図柄や装飾図柄の変動時間である基本変動パターンを決定するeカウンタ(変動時間情報決定用乱数)、及び大当たり状態の内容を決定する内容決定抽選に使用するfカウンタ(大当たり内容決定乱数)等の複数のカウンタが内蔵されている。各カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(たとえば1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントするループカウンタであって、当該カウンタを用いた数値の取得は、乱数からの数値の取得とみなすことができる。また、aカウンタは0〜10(11通り)の間を、cカウンタは0〜700(701通り)の間を、dカウンタは0〜9(10通り)の間を、eカウンタは0〜30(31通り)の間を、及びfカウンタは0〜99(100通り)の間を夫々ループカウントするようになっている。そして、メインCPU32は、遊技球のゲート部材20の通過検出を契機としてaカウンタから1つの数値を取得する。また、遊技球の始動入賞口19や始動入賞役物17への入賞検出を契機として、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得する(大当たり抽選を実行する)。さらに、後述の如き「大当たり」の確定後における遊技球の第1内容決定ゲート62若しくは第2内容決定ゲート63への最初の通過検出を契機として、fカウンタから1つの数値を取得する(内容決定抽選を実行する)。
【0017】
また、記憶手段33には、特別図柄表示部60に表示する特別図柄に加え、
図5に示す如くeカウンタの数値と基本変動パターンとを対応づけた基本変動パターン決定テーブルと、
図6に示す如くfカウンタの数値と大当たり状態の内容とを対応づけた内容決定テーブルとが記憶されている。この基本変動パターンとは、主に特別図柄及び装飾図柄の変動時間(変動開始から確定表示までの時間)を規定するものである。さらに、記憶手段33には、たとえば特別図柄表示部60において特別図柄が変動表示中に始動入賞口19や始動入賞役物17へ遊技球が入賞したような場合に、当該入賞に伴うcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報として、始動入賞口19と始動入賞役物17とを区別した状態で夫々最大4つまで(合計8つまで)記憶する保留情報記憶領域36が設けられている。加えて、記憶手段33には、保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報を1つずつ移行して記憶可能であり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否か等の大当たり判定を実行するための大当たり判定用記憶領域37が設けられている。尚、保留情報は、特別図柄及び装飾図柄が確定表示される度に記憶した順番で順次大当たり判定用記憶領域37へ移行されて消化され、該消化に伴って新たな保留情報が記憶可能となる。
【0018】
サブ制御装置40には、サブ統合CPU42、記憶手段43、タイマ44、及びインターフェイス45等が搭載されたサブ統合基板41が内蔵されている。該サブ統合基板41は、インターフェイス45を介してメイン制御基板31と電気的に接続されているとともに、表示制御装置50、発光制御装置51、及び音制御装置52と電気的に接続されている。そして、サブ統合CPU42は、後述するようにメイン制御基板31から大当たり抽選に係る信号(後述するような各種コマンド等)を受信すると、その内容に応じて各制御装置を制御し、スピーカ14やランプ部材15の動作や、演出用表示部6における装飾図柄の表示動作を制御するようになっている。なお、サブ統合CPU42は、保留情報の数を表示するための保留表示部61にもインターフェイス45を介して接続されている。該保留表示部61は、遊技領域16外に設けられていてもよいし、遊技領域16内や演出用表示部6内に設けられていてもよい。
【0019】
また、記憶手段43には、演出用表示部6に表示する装飾図柄を記憶する図柄記憶領域(図示せず)と、該装飾図柄の詳細な変動表示態様やキャラクタの動画を用いたキャラクタ演出等からなる複数の詳細変動パターンを記憶した変動パターン記憶領域46とが設けられており、種々の詳細変動パターンが
図7に示す如くメイン制御基板31で決定される基本変動パターンと対応づけて記憶されている。
【0020】
以下、上記パチンコ機1における基本的な遊技動作について簡略に説明する。
まずパチンコ機1では、特別図柄の変動表示が可能な通常状態や高確率状態といった遊技状態において、遊技球が始動入賞口19や始動入賞役物17へ入賞すると、当該入賞がメインCPU32により検出される(所定条件の充足)。すると、メインCPU32は、所定個数(たとえば3個)の遊技球を賞球として払い出すとともに、入賞検出のタイミングでcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタから夫々1つの数値を取得し、さらに保留情報記憶領域36に記憶されている保留情報の数が最大値に達しているか否かを確認する。そして、保留情報の数が既に最大値に達していると、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を記憶することなく削除する。一方、最大値に達していないと、cカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタからの取得数値を保留情報記憶領域36に記憶するとともに、遊技状態毎に設定されている大当たり判定用テーブルを参照して今回cカウンタから取得した数値が所定の「大当たり数値(たとえば通常状態の大当たり判定用テーブルでは、“100”、“500”の2通りとなっており、高確率状態の大当たり判定用テーブルでは、“0”、“50”、“100”、“150”、“200”、“250”、“300”、“350”、“400”、“450”、“500”、“550”、“600”、“650”、“700”の16通りとなっている)」であるか否か(すなわち、大当たり抽選の結果が所謂「大当たり」であるか否かであって、当該保留情報を消化する際の図柄の変動に係り、図柄を特別確定表示態様で確定表示させるか否か)、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値にもとづく特別図柄の確定表示態様、及び大当たり抽選の結果を踏まえた上でのeカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンがどうなるかを、後述する大当たり判定よりも事前に事前判定として一旦判定する。さらに、メインCPU32は、当該事前判定の結果、及び何個目の保留情報にもとづくものであるのかを含んだ予定情報を作成し、サブ統合CPU42へ送信する。
【0021】
また、メインCPU32は、遊技状態が特別図柄の変動表示が可能な遊技状態であると、特別図柄表示部60において図柄を変動表示しているか、それとも確定表示しているかを常に確認しており、図柄を確定表示していると保留情報の有無を確認する。そして、保留情報が存在すると、消化する優先度が最も高い保留情報(ここでは最も以前に記憶した保留情報)を大当たり判定用記憶領域37へ移行するとともに、当該保留情報について以下の大当たり判定を実行する。すなわち、保留情報を大当たり判定用記憶領域37へ移行した時点での遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを参照して、当該保留情報に係るcカウンタからの取得数値が上記所定の「大当たり数値」であるか否か、つまり大当たり抽選の結果が「大当たり」であるか、それとも「はずれ」であるかを判定する。また、大当たり抽選の結果を踏まえた上で、dカウンタからの取得数値にもとづき特別図柄表示部60における特別図柄の確定表示態様を決定する。さらに、大当たり抽選の結果が「大当たり」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」である)と、
図5(b)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」である(cカウンタからの取得数値が「大当たり数値」以外の数値である)と、
図5(a)に示す基本変動パターン決定テーブルを用い、eカウンタからの取得数値に対応する基本変動パターンを読み出す(すなわち、図柄の変動時間を含む基本変動パターンを決定する)。
【0022】
その後、メインCPU32は、大当たり抽選の結果(「大当たり」であるか「はずれ」であるか)、特別図柄の確定表示態様、及び読み出した基本変動パターンの種類を示す情報を含んだ開始コマンドを作成するとともに、当該開始コマンドをサブ統合CPU42へ送信する。また、特別図柄表示部60において特別図柄を所定の態様で変動させるとともに、タイマ34による計時を開始する。そして、読み出した基本変動パターンに応じた変動時間が経過すると、大当たり抽選の結果を踏まえた上でのdカウンタからの取得数値にもとづく確定表示態様で特別図柄を確定表示させるとともに、停止信号を含んだ停止コマンドをサブ統合CPU42へと送信する。なお、確定表示する特別図柄については、たとえば、大当たり抽選の結果が「大当たり」である場合には、特別確定表示態様である『3』若しくは『7』で確定表示させる。一方、「はずれ」である場合にははずれ確定表示態様である『−』で確定表示させる。
【0023】
さらに、メインCPU32は、大当たり抽選の結果が「大当たり」であり、特別図柄表示部60において特別確定表示態様で特別図柄を確定表示させると、遊技状態を通常状態や高確率状態から内容決定状態へ移行させる(内容決定状態を生起させる)とともに、内容決定状態生起信号をサブ統合CPU42へ送信する。そして、内容決定状態の生起に伴い、第1内容決定ゲート62及び第2内容決定ゲート63を有効化(すなわち、第1内容決定ゲート62及び第2内容決定ゲート63での遊技球の検出を有効とし)、遊技球が第1内容決定ゲート62と第2内容決定ゲート63との何れかを通過するまで内容決定状態で待機する。なお、内容決定状態においては、たとえ遊技球が始動入賞口19や始動入賞役物17へ入賞したとしても特別図柄の変動表示を開始したりしない(ただ、保留情報の数が最大値に達していない場合、保留情報の数が最大値に達するまで保留情報の記憶等の動作は行う)。
【0024】
その後、メインCPU32は、内容決定状態において第1内容決定ゲート62と第2内容決定ゲート63との何れかへの遊技球の通過を検出すると、通過検出のタイミングでfカウンタから1つの数値を取得する(内容決定抽選を実行する)。そして、第1内容決定ゲート62への通過を検出した場合には、
図6(a)に示す内容決定テーブルを用いてこの後に生起させる大当たり状態の内容を決定する一方、第2内容決定ゲート63への通過を検出した場合には、
図6(b)に示す内容決定テーブルを用いてこの後に大当たり状態の内容を決定する(すなわち、大当たり状態における大入賞アタッカー18a及びV入賞アタッカー18bの開成パターンを決定する)。また、大当たり状態の内容の決定に伴い、第1内容決定ゲート62及び第2内容決定ゲート63を無効化するとともに、遊技状態を内容決定状態から大当たり状態の開始を報知する開始デモ、大入賞アタッカー18aとV入賞アタッカー18bとの所定回数にわたる断続的な開成、及び大当たり状態の終了を報知する終了デモからなる大当たり状態へ移行させ(特別遊技状態を生起させ)、開成した大入賞アタッカー18aやV入賞アタッカー18bに遊技球が入賞すると、始動入賞口19や始動入賞役物17へ入賞した場合と比較して多くの遊技球(たとえば10個)を賞球として払い出す。なお、内容決定抽選は、内容決定状態における第1内容決定ゲート62と第2内容決定ゲート63との何れかへの遊技球の最初の通過検出に起因してのみ実行される。
【0025】
この大当たり状態の生起に係り、内容決定状態において遊技球が第1内容決定ゲート62を通過すると、遊技球が所定個数(たとえば8個)入賞するまで若しくは開成時間が非特定開成時間(特定開成時間よりも短く、遊技球の特別領域の通過が期待できない時間であって、たとえば0.2秒)に達するまでの何れかの条件が満たされるまで開成させる非特定開成態様でV入賞アタッカー18bを1回開成させた後、遊技球が所定個数(たとえば8個)入賞するまで若しくは開成時間が特別開成時間(遊技球の所定個数の入賞が期待できる時間であって、たとえば30秒)に達するまでの何れかの条件が満たされるまで開成させる特別開成態様で大入賞アタッカー18aを断続的に10回繰り返し開成させる特別遊技状態(非特定特別遊技状態)を生起させる。したがって、第1内容決定ゲート62を通過させた場合、大入賞アタッカー18aが特別開成態様で開成する回数の期待値は10回となる。
【0026】
一方、内容決定状態において遊技球が第2内容決定ゲート63を通過し、その際のfカウンタからの取得数値が0〜39であると、遊技球が所定個数入賞するまで若しくは開成時間が特定開成時間(遊技球の特別領域の通過が期待できる時間であって、たとえば30秒)に達するまでの何れかの条件が満たされるまで開成させる特定開成態様でV入賞アタッカー18bを1回開成させた後、大入賞アタッカー18aを特別開成態様で断続的に14回繰り返し開成させる第2特別遊技状態(特定特別遊技状態)を生起させる。また、遊技球が第2内容決定ゲート63を通過し、その際のfカウンタからの取得数値が40〜59であると、V入賞アタッカー18bを非特定開成態様で1回開成させた後、大入賞アタッカー18aを特別開成態様で断続的に10回繰り返し開成させ、さらに遊技球が所定個数入賞するまで若しくは開成時間が非特別開成時間(特別開成時間より短く、遊技球の所定個数の入賞が期待できない時間であって、たとえば0.2秒)に達するまでの何れかの条件が満たされるまで開成させる非特別開成態様で大入賞アタッカー18aを断続的に4回繰り返し開成させる第3特別遊技状態(非特定特別遊技状態)を生起させる。さらに、遊技球が第2内容決定ゲート63を通過し、その際のfカウンタからの取得数値が60〜79であると、V入賞アタッカー18bを特定開成態様で1回開成させた後、大入賞アタッカー18aを特別開成態様で断続的に4回繰り返し開成させる第4特別遊技状態(特定特別遊技状態)を生起させる。加えて、遊技球が第2内容決定ゲート63を通過し、その際のfカウンタからの取得数値が80〜99であると、V入賞アタッカー18bを非特定開成態様で1回開成させた後、大入賞アタッカー18aを特別開成態様で断続的に4回繰り返し開成させる第5特別遊技状態(非特定特別遊技状態)を生起させる。したがって、第2内容決定ゲート63を通過させた場合、大入賞アタッカー18aが特別開成態様で開成する回数の期待値は9.2回となる。
【0027】
以上のように、大入賞アタッカー18aを特別開成態様で開成させる回数の期待値、及びV入賞アタッカー18bが特定開成態様で開成する確率を、内容決定ゲート62、63毎に設定するとともに、第1内容決定ゲート62と第2内容決定ゲート63とで期待値及び確率を異ならせている。したがって、内容決定状態において遊技球を第1内容決定ゲート62へ通過させると、必ず所定数(本実施形態では、第2内容決定ゲート63を通過させた場合において、獲得できる賞球数の期待値(ただし、非特別開成態様や非特定開成態様で開成する大入賞アタッカー18aやV入賞アタッカー18bへの遊技球の入賞はないものとして算出)よりも多い数となっている)の賞球を獲得することができるものの、V入賞アタッカー18bも必ず非特定開成態様でしか開成しない大当たり状態が生起する。一方、内容決定状態において遊技球を第2内容決定ゲート63へ通過させると、第1内容決定ゲート62を通過させた場合に獲得し得る賞球数よりも少ない数の賞球しか獲得できない可能性はあるものの、60%の確率でV入賞アタッカー18bが特定開成態様で開成する大当たり状態が生起すると言える。なお、大当たり状態では、たとえ遊技球が始動入賞口19や始動入賞役物17へ入賞したとしても特別図柄の変動表示を開始したりしない(ただ、保留情報の数が最大値に達していない場合、保留情報の数が最大値に達するまで保留情報の記憶等の動作は行う)。
【0028】
そして、メインCPU32は、大当たり状態中にV入賞アタッカー18bへ遊技球が入賞する(すなわち、遊技球の特別領域の通過を検出する)と、上記大当たり状態の終了に伴い、大当たり判定において大当たり抽選の結果が再び「大当たり」となるまで、大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が向上するとともに、始動入賞役物17が開状態となりやすく且つ始動入賞役物17が長時間にわたり開状態となる高確率状態へ遊技状態を移行させる(特定遊技状態を生起させる)。なお、上記各特別遊技状態の内容からも明らかなように、第2若しくは第4特別遊技状態(すなわち特定特別遊技状態)が生起すると、V入賞アタッカー18bが特定開成態様で開成するため、比較的高い確率で遊技球をV入賞アタッカー18bへ入賞させることができる一方、第1、第3若しくは第5特別遊技状態(すなわち非特定特別遊技状態)が生起すると、V入賞アタッカー18bが非特定開成態様で開成するため、V入賞アタッカー18bへ遊技球を入賞させる確率が極めて低くなる。したがって、第2若しくは第4特別遊技状態が生起すると、高い確率で大当たり状態の終了後に高確率状態が生起する。一方、第1、第3若しくは第5特別遊技状態が生起していたとしても、極めて低い確率ではあるもののV入賞アタッカー18bへ遊技球が入賞して特別領域を通過すると、大当たり状態の終了後に高確率状態が生起する。また、大当たり状態の終了後、大当たり判定において大当たり抽選の結果が再び「大当たり」となるまでとの事項は、特別図柄の確定表示回数が10000回となるまでとの事項に置き換えることができる。
【0029】
一方、たとえば第1、第3若しくは第5特別遊技状態が生起した等により、大当たり状態中に遊技球がV入賞アタッカー18bへ遊技球が入賞しない(すなわち、遊技球の特別領域の通過を検出しない)と、大当たり状態の終了後、高確率状態ではなく通常状態へ移行させる。そのため、たとえ第2若しくは第4特別遊技状態が生起し、V入賞アタッカー18bが特定開成態様で開成したとしても、当該V入賞アタッカー18bへ遊技球が入賞しなかった場合には、大当たり状態の終了後に高確率状態を生起させることはない。
【0030】
なお、始動入賞役物17の開閉動作もメインCPU32で制御しており、遊技球がゲート部材20を通過すると、当該通過がメインCPU32により検出される。すると、メインCPU32は、通過検出のタイミングでaカウンタから1つの数値を取得する(開放抽選を行う)とともに、aカウンタからの取得数値が所定の「開放数値(たとえば遊技状態が高確率状態であると“0”〜“9”の10通り、高確率状態でないと“0”の1通りのみとなっている)」であるか否かを判定する。そして、aカウンタからの取得数値が「開放数値」である、すなわち開放抽選の結果が「当選」であると、始動入賞役物17を閉状態から開状態へ所定の態様で作動させる。このとき、遊技状態が高確率状態であると、たとえば高確率状態でない場合と比べて長い時間(2秒間)に亘り開状態とすることを断続的に3回繰り返す態様等の特別開放動作態様で始動入賞役物17を作動させる。また、高確率状態でないと、たとえば高確率状態である場合と比べて短い時間(0.2秒)に亘り、しかも1回しか開状態としない等の通常開放動作態様で始動入賞役物17を作動させる。一方、aカウンタからの取得数値が「開放数値」でない、すなわち開放抽選の結果が「はずれ」であると、始動入賞役物17を閉状態のまま作動させない。また、始動入賞役物17の作動中等に遊技球がゲート部材20を通過した場合は、上記保留情報と同様、当該通過のタイミングで取得したaカウンタの数値を所定個数まで記憶手段33に記憶するとともに、始動入賞役物17の作動が終了する度に記憶した順で開放抽選の結果の確認等を実行するようになっている。
【0031】
一方、サブ統合CPU42は、予定情報を受信すると予定情報記憶領域47へ記憶するとともに、保留表示部61において保留情報の数を1つ増加させる。また、開始コマンドを受信すると、該開始コマンドに対応する予定情報を予定情報記憶領域47から削除するとともに、保留表示部61において保留情報の数を1つ減少させる。さらに、受信した開始コマンドに含まれている大当たり抽選の結果に係る情報に応じて最終的に確定表示する装飾図柄の表示態様を決定するとともに、基本変動パターンに係る情報に対応する詳細変動パターンを変動パターン記憶領域46から読み出し、タイマ44により計時しながら、読み出した詳細変動パターンにしたがって演出用表示部6における装飾図柄を変動表示させる。
【0032】
そして、停止コマンドの受信に伴い、上記決定した表示態様で装飾図柄を演出用表示部6に確定表示させる。つまり、たとえば大当たり抽選の結果が「大当たり」であると、同一の装飾図柄を3つ並べる大当たり装飾図柄表示態様(たとえば“7・7・7”)で確定表示させる一方、大当たり抽選の結果が「はずれ」であると、3つのうち少なくとも1つの装飾図柄が他の2つの装飾図柄とは異なるはずれ装飾図柄表示態様(たとえば“1・2・3”)で確定表示させる。
【0033】
また、サブ統合CPU42は、内容決定状態生起信号を受信すると、第1内容決定ゲート62と第2内容決定ゲート63との何れかに遊技球を通過させるよう、遊技者に報知する通過報知演出を実行する。この通過報知演出は、演出用表示部6における画像や映像等を用いた表示演出に加え、センター部材26に備えられている電飾やランプ部材15等を点灯/点滅させる発光演出、スピーカ14から報音させる報音演出等からなる。さらに、サブ統合CPU42は、大当たり状態が生起するにあたり、たとえば開始デモ中等に、演出用表示部6を利用して大当たり状態の開始を報知するとともに、右打ち用スペースSRへと遊技球を打ち込む所謂「右打ち」を行うよう遊技者に報知する。さらに、大入賞アタッカー18aの開成が開始されると、大当たり状態の種別等に対応した演出用表示部6での表示演出を記憶手段43から読み出し、演出用表示部6での表示動作を制御する。さらにまた、終了デモ中には、演出用表示部6を利用して大当たり状態が終了する旨等を遊技者に報知する。加えて、サブ統合CPU42は、大当たり状態の終了後に高確率状態が生起すると、引き続き「右打ち」を継続するよう演出用表示部6を利用して遊技者に報知する一方、大当たり状態の終了後に通常状態が生起すると、「右打ち」を止めて左打ち用スペースSLへと遊技球を打ち込むよう演出用表示部6を利用して遊技者に報知する。
【0034】
ここで、遊技者によるパチンコ機1での遊技を一般的な流れに沿って説明すると、遊技者は通常状態から遊技を開始することになり、ハンドル9を回動操作して、発射装置10を作動させ、発射通路13を介して遊技球を遊技領域16内へ打ち込み、まずは左打ち用スペースSLを流下させて始動入賞口19への遊技球の入賞を狙う。そして、入賞した遊技球による大当たり抽選の結果が「大当たり」になる(すなわち、特別図柄表示部60や演出用表示部6で、「大当たり」であることを示す態様で図柄が確定表示される)と、右打ち用スペースSRへ遊技球を打ち込んで第2内容決定ゲート63を通過させ、その後に生起する大当たり状態の内容に係る内容決定抽選を実行させる。
【0035】
その後、大当たり状態が生起すると、右打ち用スペースSRを流下させる「右打ち」を行い、断続的に開成する大入賞アタッカー18a及びV入賞アタッカー18bへの遊技球の入賞を狙う。また、大当たり状態の終了後高確率状態が生起すると、「右打ち」を継続して、ゲート部材20への遊技球の通過、及び高確率状態にあって頻繁に開状態となる始動入賞役物17への遊技球の入賞を狙う。一方、大当たり状態の終了後通常状態になると、「右打ち」を止めて左打ち用スペースSLを流下させる上記遊技へと戻る。
【0036】
また、たとえば高確率状態の継続中(すなわち、大当たり状態を挟んで高確率状態が連続的に生起しているような状況等)に時間がなくなった等し、大当たり状態の終了後に高確率状態を生起させず、大当たり状態の終了をもって遊技を終了したいような状況も考えられる。その場合、大当たり抽選の結果が「大当たり」になった際、左打ち用スペースSLへ遊技球を打ち込んで第1内容決定ゲート62を通過させる。すると、上述したように必ずV入賞アタッカー18bが非特定開成態様で開成する大当たり状態が生起する。したがって、極めて高い確率でV入賞アタッカー18bへ遊技球が入賞することなく、上記所定数の賞球を獲得した上で、大当たり状態を終了させることができる。そして、大当たり状態が終了し通常状態になったタイミングで遊技を終了すればよい。
【0037】
(本実施形態のパチンコ機による効果)
以上のような構成を有するパチンコ機1によれば、始動入賞口19や始動入賞役物17への入賞に応じて行われる大当たり抽選では「大当たり」であるか否かしか決定しておらず、「大当たり」が確定した後(すなわち、特別図柄表示部60において特別確定表示態様で特別図柄を確定表示した後)に、第1内容決定ゲート62や第2内容決定ゲート63へ遊技球を通過させたことに応じて大当たり状態の内容を決定している。また、遊技球が第1内容決定ゲート62を通過すると、必ずV入賞アタッカー18bが非特定開成態様で開成する大当たり状態が生起するようにしている。さらに、演出用表示部6を中心として左寄りに第1内容決定ゲート62を、右寄りに第2内容決定ゲート63を夫々設け、演出用表示部6の左側を流下する遊技球についてのみ第1内容決定ゲート62へ、演出用表示部6の右側を流下する遊技球についてのみ第2内容決定ゲート63へ夫々通過可能としている。したがって、たとえば高確率状態の継続中に、大当たり状態の終了後高確率状態を再度生起させることなく遊技を終了したい場合、遊技者は、「大当たり」の確定後、ハンドル9を回動操作して遊技球を敢えて第1内容決定ゲート62へ通過させることで、大当たり状態の終了後に高確率状態が極めて生起しにくい大当たり状態を生起させることができる。さらに、第1内容決定ゲート62と第2内容決定ゲート63とを上記位置に設置しているため、ハンドル9の回動操作して遊技球を遊技領域16へ打ち込む強度を調整するだけで、遊技者は第1内容決定ゲート62と第2内容決定ゲート63との何れへ遊技球を通過させるかを容易且つ確実に選択することができ、狙っていた内容決定ゲートとは逆の内容決定ゲートへ遊技球を通過させてしまいやすい等の不快感を遊技者に抱かせることもない。
【0038】
また、遊技球を第1内容決定ゲート62へ通過させると、必ず所定数の賞球を獲得することができる、すなわち第1内容決定ゲート62を通過させたことで生起する大当たり状態における大入賞アタッカー18aの特別開成態様での開成回数が、第2内容決定ゲート63を通過させたことで生起する大当たり状態における大入賞アタッカー18aの特別開成態様での開成回数の期待値よりも多くなっている。したがって、パチンコ機1では、たとえ第2内容決定ゲート63を通過させ、第2若しくは第4特別遊技状態が生起したとしても、特定開成態様で開成するV入賞アタッカー18bへ遊技球を入賞させなければ、大当たり状態の終了後に特定遊技状態を生起させないようにすることができるものの、第1内容決定ゲート62を通過させるだけで、そのような煩わしい作業を実行せずに、そしてそのような煩わしい作業を実行するよりも有利な状況で遊技を終了することができるようになっており、遊技者に不快感を抱かせることがない。
【0039】
加えて、大当たり状態及び高確率状態中、遊技者に「右打ち」を実行させるパチンコ機1において、第1内容決定ゲート62が上述したような位置に設けられているため、高確率状態において「大当たり」が確定した後も不用意に遊技球を発射しつづけた結果、望んでいないにも拘わらず遊技球が第1内容決定ゲート62を通過してしまうといった事態も生じず、遊技者に一層不快感を抱かせることがない。
【0040】
(本発明の変更例について)
なお、本発明の遊技機に係る構成は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、遊技機全体の構成は勿論、内容決定用検出手段の構造や内容決定用検出手段を利用した遊技の制御等に係る構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0041】
たとえば上記実施形態では、特定遊技状態として大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が向上するとともに、始動入賞役物が開状態となりやすく且つ始動入賞役物が長時間にわたり開状態となる高確率状態を生起させているが、ただ単に大当たり抽選の結果が「大当たり」となる確率が向上する高確率状態のみを生起させてもよいし、図柄の変動時間の平均値が短くなる所謂時短状態を高確率状態に組み合わせて生起させるようにしても何ら問題はない。さらに、上記実施形態では、大当たり状態が終了してから大当たり判定において大当たり抽選の結果が再び「大当たり」となるまで特定遊技状態を生起させるとしているが、大当たり状態が終了してから特別図柄の確定表示回数が所定の特定回数(たとえば100回)に達するまで特定遊技状態を生起させるように構成しても何ら問題はない。
【0042】
また、上記実施形態では内容決定用検出手段として、遊技球が通過可能な内容決定ゲートを採用しているが、遊技球を検出可能なものであればよく、遊技球が入賞可能な入賞口を内容決定ゲートに代えて採用することも可能である。さらに、特定の内容決定用検出手段及び内容決定用検出手段の設置数や設置位置についても上記実施形態に何ら限定されることはなく、たとえば左打ち用スペース内に2つの特定の内容決定用検出手段を、右打ち用スペース内に1つの内容決定用検出手段を夫々設けても良い。加えて、後述の如き特定の内容決定用検出手段及び内容決定用検出手段を所定の順で有効化するといった制御を採用する等することで、遊技者が特定の内容決定用検出手段と内容決定用検出手段とを選択することができるのであれば、左打ち用スペース内には特定の内容決定用検出手段及び内容決定用検出手段のどちらも設けず、右打ち用スペース内にのみ特定の内容決定用検出手段と内容決定用検出手段との両者を設ける等しても良い。
【0043】
さらに、言うまでもなく、特定の内容決定用検出手段や内容決定用検出手段が遊技球を検出した際に、どのような内容の特別遊技状態をどのような割合で生起させるかについては適宜変更可能である。すなわち、本件出願の特許請求の範囲で特定する条件さえ満たしていればよいのであって、たとえば上記実施形態では、特定の内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される特別入賞手段の特別開成態様での開成回数が、内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される特別入賞手段の特別開成態様での開成回数の期待値よりも多いとしているが、特定の内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される特別入賞手段の特別開成態様での開成回数を、内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される特別入賞手段の特別開成態様での開成回数の期待値と同数としてもよい。さらに、それらの条件が満たされるのであれば、特定の内容決定用検出手段で遊技球が検出された際に決定される特別入賞手段の特別開成態様での開成回数として複数パターン設定しても何ら問題はない。
【0044】
加えて、本件出願の特許請求の範囲では、特定の内容決定用検出手段や内容決定用検出手段で遊技球を検出した際に「特別入賞手段を特別開成態様で何回開成させるか、及び特別可動手段を特定開成態様と非特定開成態様との何れの開成態様で開成させるかを決定」すると特定しているが、当該記載は、実際に特別入賞手段の特別開成態様での開成回数を直接数値として決定したり、特別可動手段の開成態様を特別入賞手段の開成態様とは別個に決定したりすることのみを意味しているわけではなく、実質的に同一であれば他の制御により実現することも可能である。たとえば特別入賞手段を特別開成態様で何回開成させるか、及び特別可動手段をどのような開成態様で開成させるかを含んだ特別遊技状態における特別入賞手段及び特別可動手段の開成パターンとして複数の開成パターンを予め設定し、内容決定用検出手段での遊技球の検出にもとづいて、それらの開成パターンの中から1つの開成パターンを選択することにより、特別入賞手段を特別開成態様で何回開成させるか、及び特別可動手段を特定開成態様と非特定開成態様との何れの開成態様で開成させるかを決定してもよい。
【0045】
さらにまた、特定の内容決定用検出手段や内容決定用検出手段での遊技球の検出を許容/阻止する可動部を設け、内容決定状態を生起した場合にのみ特定の内容決定用検出手段や内容決定用検出手段での遊技球の検出を許容する(この場合、特定の内容決定用検出手段や内容決定用検出手段での遊技球の検出が許容されたことをもってそれらを有効化したことになる)ように構成してもよい。また、内容決定状態の生起後、全ての特定の内容決定用検出手段及び内容決定用検出手段を同時に有効化するのではなく、所定時間(たとえば10秒)毎に所定の順で特定の内容決定用検出手段や内容決定用検出手段を有効化するように構成してもよい。そして、所定の順で特定の内容決定用検出手段や内容決定用検出手段を有効化するように構成する場合、上記実施形態の如く遊技球を遊技領域へ打ち込む強度を調整するのではなく、遊技球を遊技領域へ打ち込むタイミングを調整する(すなわち、遊技者が発射操作手段を操作するタイミングを調整する)ことにより、特定の内容決定用検出手段と内容決定用検出手段との何れで遊技球を検出させるか選択可能に構成することができる。
【0046】
またさらに、上記実施形態では、保留情報の消化に係り取得した順で消化するとしているが、どのような順序で保留情報を消化するかについては適宜変更可能であって、たとえば始動入賞口19への入賞に係る保留情報よりも始動入賞役物17への入賞に係る保留情報の方を優先的に消化するように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、特別開成時間や非特別開成時間、特定開成時間や非特定開成時間に関し、具体的な時間をそれぞれ1つしか記載していないが、勿論他の時間を採用してもよいし、各開成時間について夫々複数の時間を設定してもよい(たとえば、特別開成時間として28秒と30秒との2種類を、非特別開成時間として0.1秒、0.2秒、及び0.5秒の3種類を夫々設定する等)。
【0047】
また、上記実施形態では、メイン制御装置からサブ制御装置へ開始コマンドと停止コマンドとを送信するようにしているが、サブ制御装置のタイマを用いる等することで、停止コマンドについては送信しない構成としても何ら問題はない。
さらに、上記実施形態では、メイン制御装置とサブ制御装置との2つの制御装置に分けて制御するように構成しているが、メイン制御装置1つで制御するように構成してもよく、メイン制御装置1つで制御する際には、開始コマンドや予定情報等を作成する必要はない。加えて、上記実施形態では、特別図柄と装飾図柄との2種類の図柄を用いるパチンコ機としているが、特別図柄のみを用いたパチンコ機であってもよいし、特別図柄表示部を演出用表示部内や遊技領域内、センター部材等の他の位置に設けてもよい。
【0048】
さらに、上記実施形態では、大当たり抽選としてcカウンタ、dカウンタ、及びeカウンタの3つのカウンタから数値を取得するとしているが、1つのカウンタのみで対応することも可能であるし、2つのカウンタ若しくは4つ以上のカウンタから数値を取得するように構成することも当然可能である。なお、抽選手段としての乱数は、ソフト乱数、ハード乱数のどちらでも採用可能である。
さらにまた、特別入賞手段の数や特別遊技状態における特別入賞手段の可動態様等についても、上記実施形態のものに何ら限定されることはなく、たとえば複数の特別入賞手段を設置したり、それらを交互に開動作させるようにしてもよい。
加えて、上記実施形態では、内容決定抽選のためのカウンタとして1つのカウンタしか設けていないが、複数のカウンタを用いて内容決定抽選を行ってもよく、たとえば特別入賞手段の可動態様と特別可動手段の可動態様とを夫々別のカウンタからの数値の取得にもとづいて決定するように構成することも可能である。
【0049】
また、上記実施形態では、V入賞アタッカー内に設けられた入賞口を特別領域としているが、入賞口と特別領域とを夫々別個に設け、遊技球の入賞口への入賞と遊技球の特別領域の通過とを夫々別個に検知するようにしてもよい。さらに、そのようなV入賞アタッカーにおいては、入賞口及び特別領域の両者を開閉させる第1可動部材と、該第1可動部材よりも内側で特別領域のみを開閉させる第2可動部材とを設けるといった構成を採用することも可能である(この場合、本件出願の特許請求の範囲で言うところの可動部材は、第1可動部材と第2可動部材との何れか一方であってもよいし、両方であってもよい)。そして、このようなV入賞アタッカーでは、第1可動部材を開動作させた特別遊技状態において、入賞口へ入賞した遊技球と特別領域を通過した遊技球との合計が所定個数へ達したことをもって第1可動部材を閉動作させるといった制御を実行することも可能である。
さらに、上記実施形態では、特別遊技状態におけるV入賞アタッカーの動作態様について、特定開成時間若しくは非特定開成時間にわたって1回しか開動作しないように構成しているが、特定開成時間若しくは非特定開成時間にわたる開動作を複数回繰り返すように構成することも勿論可能である。
【0050】
加えて、上記実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機について説明しているが、本発明は、たとえば封入式パチンコ機等といった他の遊技機に対しても当然適用可能である。
なお、特許請求の範囲、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、制御手段や図柄表示部、特別可動手段、演出用表示部等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素につけた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「制御手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、敢えて特許請求の範囲等において特定していない限り、何れも当業者であれば容易に考えられる事項である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施例に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。