特許第6182419号(P6182419)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182419
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ゴム組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/20 20060101AFI20170807BHJP
   C08L 7/00 20060101ALI20170807BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20170807BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20170807BHJP
   C08K 5/36 20060101ALI20170807BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   C08J3/20 ZCEQ
   C08L7/00
   C08L9/00
   C08K3/04
   C08K5/36
   B60C1/00 B
   B60C1/00 Z
【請求項の数】13
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-214975(P2013-214975)
(22)【出願日】2013年10月15日
(65)【公開番号】特開2015-78272(P2015-78272A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2016年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
(74)【代理人】
【識別番号】100119666
【弁理士】
【氏名又は名称】平澤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠一
【審査官】 藤本 保
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/151072(WO,A1)
【文献】 特開平06−200043(JP,A)
【文献】 特開2008−179722(JP,A)
【文献】 特開平11−080433(JP,A)
【文献】 特開2005−272768(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/137951(WO,A1)
【文献】 特開2015−078271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J3/20−3/26
C08L7/00−21/02
C08K3/00−13/08
B60C1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が10m/g以上40m/g以下のカーボンブラック(B)を70質量%より多く含有する充填材(B’)、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるサイドウォール及びインナーライナーから選ばれる少なくとも1種のタイヤ部材用のゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部、及び該化合物(C)を加えて混練し、混練する際の該第一段階における該ゴム組成物の最高温度が、140〜190℃であることを特徴とするゴム組成物の製造方法。
【請求項2】
前記化合物(C)が、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸塩類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項3】
前記第一段階の混練時間が1〜15分である請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造法。
【請求項4】
前記スルフェンアミド類が、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項5】
前記チアゾール類が、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項6】
前記チウラム類が、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及び/又はテトラベンジルチウラムジスルフィドである請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項7】
前記チオウレア類が、チオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項8】
前記ジチオカルバミン酸塩類が、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項9】
前記キサントゲン酸塩類が、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛である請求項2又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項10】
前記ゴム成分(A)が、天然ゴム70〜100質量%と、ポリブタジエンゴム30〜0質量%とからなり、前記ゴム組成物がタイヤのサイドウォール部材用である、請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項11】
前記ゴム成分(A)が、ハロゲン化ブチルゴム40〜100質量%と、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選択される少なくとも1種のゴム60〜0質量%とからなり、前記ゴム組成物がタイヤのインナーライナー部材用である、請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項12】
前記充填材(B’)全量中、カーボンブラック(B)が100質量%である請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項13】
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が10m/g以上40m/g以下のカーボンブラック(B)を70質量%より多く含有する充填材(B’)、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるサイドウォール及びインナーライナーから選ばれる少なくとも1種のタイヤ部材用のゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に、該化合物(C)を加えて、さらに混練し、混練する際の該第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、140〜190℃であることを特徴とする、ゴム組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低発熱性を向上する、カーボンブラックを含むゴム組成物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤには転がり抵抗の低減が求められている。タイヤの転がり抵抗を低減する手法として、低発熱性のゴム組成物をタイヤに適用する手法が挙げられる。
発熱性の低いゴム組成物を得る手法としては、合成ジエン系ゴムの場合では、ゴム組成物として、カーボンブラック及びシリカとの親和性を高めた重合体を使用する方法(例えば、特許文献1参照)が挙げられる。また、天然ゴムの場合では、天然ゴムを変性させた変性天然ゴムに反応性の高いカーボンブラックを配合する方法(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
特許文献1及び2によれば、カーボンブラックなどの充填材とゴム成分との親和性を高めることにより、ゴム組成物の発熱性を低くすることができる。これにより、ヒステリシスロスの低いタイヤを得ることができる。
しかしながら、自動車の低燃費化が一層進むにつれて、タイヤにも低発熱性の更なる改良が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−514079号公報
【特許文献2】国際公開2007/066689号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、低発熱性を向上できるゴム組成物の製造方法を提供することを課題とする。特に、低発熱性及び耐縁石こすれ性を向上し得るタイヤのサイドウォール用ゴム組成物の製造方法を提供し、低発熱性及び破壊特性を向上し得るタイヤのインナーライナー用ゴム組成物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために、種々実験的に解析した結果、特定の加硫促進剤を用いることにより、カーボンブラックの補強性をさらに改良し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が70m2/g未満のカーボンブラック(B)を70質量%より多く含有する充填材(B')、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部、及び該化合物(C)を加えて混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低発熱性を向上できるゴム組成物の製造方法を提供することができる。
特に、低発熱性及び耐縁石こすれ性を向上し得るタイヤのサイドウォール用ゴム組成物の製造方法を提供することができ、かつ低発熱性及び破壊特性を向上し得るタイヤのインナーライナー用ゴム組成物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が70m2/g未満のカーボンブラック(B)を70質量%より多く含有する充填材(B')、及び加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を配合してなるゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該カーボンブラック(B)の全部又は一部、及び該化合物(C)を加えて混練することを特徴とする。
本発明において、混練の第一段階で化合物(C)を加えて混練するのは、カーボンブラックの補強性を高めることにより、ゴム組成物の低発熱性をより高くする(ヒステリシスロスを低減する)ためである。
【0008】
上記のカーボンブラックの補強性を高め、ゴム組成物の低発熱性を向上させるためには、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が140〜190℃であることが好ましく、145〜180℃であることがより好ましく、150〜175℃であることがさらに好ましい。
また、混練の第一段階における混練時間が、1〜15分であることが好ましく、1〜12分であることがより好ましく、1〜9分であることがさらに好ましく、生産性の観点から1〜6分であることが特に好ましい。混練時間が1分以上であれば、カーボンブラックの補強性を良好にすることができ、混練時間が15分以下であれば、ゴム成分(A)の過度の分子量低下を招くことがないからである。
【0009】
本発明のゴム組成物の製造方法は、混練の第一段階において、ゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に化合物(C)を加えて、さらに混練することが好ましい。これにより、カーボンブラック(B)の分散性をさらに高めて、より低発熱性の向上したゴム組成物を得ることができる。
【0010】
混練の第一段階でゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に、該第一段階の途中で該化合物(C)を加える場合は、ゴム成分(A)及びカーボンブラック(B)の全部又は一部を混練した後に、該第一段階の途中で該化合物(C)を加えるまでの時間を10〜300秒とすることが好ましく、10〜180秒とすることがより好ましく、30〜180秒とすることが更に好ましく、30〜150秒とすることが更により好ましく、30〜120秒とすることが特に好ましい。この時間が10秒以上であればカーボンブラック(B)のゴム成分(A)中の分散性をより良好にすることができる。この時間が300秒を超えてもカーボンブラック(B)のゴム成分(A)中の分散は十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を300秒とすることが好ましく、この観点から上限値を180秒とすることがより好ましい。
上記の時間を10〜300秒とするためには、例えば、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃以上の場合は、ゴム組成物の最高温度が140℃になった時に化合物(C)を加え、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃未満の場合は、ゴム組成物の最高温度より10℃低い温度になった時に化合物(C)を加えればよい。
【0011】
本発明におけるゴム組成物の混練工程は、化合物(C)を除くその他の加硫促進剤を配合しない混練の第一段階と、加硫剤を配合する混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、化合物(C)を除くその他の加硫剤等を配合しない混練の中間段階を含んでもよい。
なお、本発明における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)とカーボンブラック(B)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)とカーボンブラック(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階(例えば、天然ゴムの素練り段階)は含まれない。
【0012】
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなる。ここで、合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)等を用いることができる。天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
【0013】
タイヤのサイドウォール用ゴム組成物を得るためには、天然ゴム40〜100質量%及びポリブタジエンゴム60〜0質量%からなるゴム成分(A)が好ましく、タイヤのインナーライナー用ゴム組成物を得るためには、ハロゲン化ブチルゴム40〜100質量%及び天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種60〜0質量%からなるゴム成分(A)が好ましい。
ここで、ハロゲン化ブチルゴムとは、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、及びイソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物から少なくとも1種選ばれるゴムであり、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物としては、例えば、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体の臭素化物:日本ブチル(株)製(販売元:エクソンモービル(有))のExxpro 90−10(臭素含有率:2.0重量%)が挙げられる。
【0014】
[充填材(B’)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる充填材(B’)はカーボンブラック(B)のみからなることが好ましいが、所望により、充填材(B’)として、カーボンブラック(B)に加えて、シリカ、水酸化アルミニウムなどの無機充填材を本発明の課題の解決に反しない範囲で使用することができる。
カーボンブラックの補強性を高めて低発熱性を向上させる観点から、本発明に係るゴム組成物が、充填材(B’)全量中、カーボンブラック(B)を70質量%より多く含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましく、カーボンブラック(B)100質量%であることが更に好ましい。本発明に係る充填材(B’)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜180質量部使用することが好ましい。
【0015】
[カーボンブラック(B)]
本発明に係るゴム組成物の製造方法に用いられるカーボンブラック(B)は、窒素吸着比表面積(JIS K 6217−2:2001に準拠する。)が70m2/g未満であることを要する。低発熱性(低ロス性能)が要求されるためだからである。カーボンブラックの補強性を確保する観点から窒素吸着比表面積は10m2/g以上70m2/g未満が好ましく、20m2/g以上70m2/g未満がさらに好ましく、20〜68m2/gが特に好ましい。
カーボンブラック(B)として、具体的には、MAF、FEF、GPF、SRF、HAFグレードのカーボンブラック等が挙げられる。
カーボンブラック(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るカーボンブラック(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜150質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ゴムの補強性を確保する観点から好ましく、150質量部以下であれば、低発熱性の向上(ヒステリシスロスの低減)の観点から好ましい。さらには、30〜110質量部使用することがより好ましい。
【0016】
[化合物(C)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる化合物(C)は、加硫促進剤から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、チオウレア類、ジチオカルバミン酸塩類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
【0017】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるスルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの内、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0018】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト-ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの内、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドは、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0019】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチウラム類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの内、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0020】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチオウレア類としては、チオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの内、チオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0021】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの内、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0022】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるキサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの内、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、カーボンブラックとの反応性が高いので好ましい。
【0023】
本発明のゴム組成物の製造方法に係る混練の第一段階におけるゴム組成物中の化合物(C)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、0.3〜6.0質量部加えられることが好ましく、0.4〜3.0質量部加えられることがより好ましく、0.5〜3.0質量部加えられることがさらに好ましい。0.3質量部以上であれば、カーボンブラックの補強性を向上することができ、6.0質量部以下であれば、過剰の使用を避けることができコスト的に有利で経済的である。
なお、加硫促進剤(C)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合してもよい。
【0024】
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華、脂肪酸、樹脂酸等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、二軸押出機等が用いられる。
【実施例】
【0025】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、低発熱性(tanδ指数)、耐縁石こすれ性及び破壊特性を下記の方法により評価した。
【0026】
(1)低発熱性(tanδ指数)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、動歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定した。比較例1、2、4、5、6、7、8、9、10又は11のtanδの逆数を100として下記式にて指数表示した。指数値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
低発熱性指数={(比較例1、2、4、5、6、7、8、9、10又は11の加硫ゴム組成物のtanδ)/(供試加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
【0027】
(2)耐縁石こすれ性
JIS K6264−2:2005「ピコ摩耗試験」に準拠し、23℃でピコ摩耗試験機を用いて測定した。比較例1、2、4、5、6、7又は8の加硫ゴム組成物の摩耗容積の逆数を100として指数で表した。数値の大きい程、耐縁石こすれ性が良好であることを示す。
耐縁石こすれ性指数={(比較例1、2、4、5、6、7又は8の加硫ゴム組成物の摩耗容積)/(供試加硫ゴム組成物の摩耗容積)}×100
【0028】
(3)破壊特性
JIS K 6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に従って、23℃で各ゴム組成物の引張強さ(TS)を測定し、比較例9、10又は11の加硫ゴム組成物の引張強さを100として指数表示した。指数値が大きい程、破壊特性が良好であることを示す。
破壊特性指数={[供試加硫ゴム組成物の引張強さ(TS)]/[比較例9、10又は11の加硫ゴム組成物の引張強さ(TS)]}×100
【0029】
実施例1〜53及び比較例1〜11
第1表〜第16表に示す配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間及びゴム組成物の最高温度になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、64種類のゴム組成物を調製した。
実施例1〜53のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、化合物(C)及びその他の配合剤を混練した。混練の第一段階において、カーボンブラック(B)の全部と化合物(C)とを同時に加えた。
比較例1〜11のゴム組成物の混練の第一段階においては、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、及びその他の配合剤を加えたが、化合物(C)は加えないで、混練した。
得られた64種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)及び耐縁石こすれ性又は破壊特性を上記の方法により評価した。結果を第1表〜第16表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
[注]
*1: 天然ゴム:RSS#3
*2: JSR株式会社製ポリブタジエンゴム、商品名「JSR BR01」
*3: カーボンブラック−1:旭カーボン株式会社製、商品名「#65」(窒素吸着比表面積:42m2/g)
*4: 三共油化工業(株)製ナフテニックオイル、商品名「SNH46」
*5: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック 6C」
*6: 精工化学株式会社製ミクロクリスタリンワックス、商品名「サンタイト S」
*7: N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー CZ−G」
*8: 加硫促進剤MBTS: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー DM」
*9: テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー TOT−N」
*10: N,N’−ジエチルチオ尿素、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー EUR」
*11: ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー ZTC」
【0032】
【表2】
【0033】
[注]
*1〜*8は第1表と同じです。
【0034】
【表3】
【0035】
[注]
*1〜*8は第1表と同じです。
*12: 加硫促進剤TBBS: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー NS」
【0036】
【表4】
【0037】
[注]
*1〜*8は第1表と同じです。
*13: 2−メルカプトベンゾチアゾール、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー M−P」
*14: 2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー MZ」
*15: ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、NOCIL社製
【0038】
【表5】
【0039】
[注]
*1〜*9は第1表と同じです。
*16: テトラキス(ベンジル)チウラムジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TBZTD」
【0040】
【表6】
【0041】
[注]
*1〜*10は第1表と同じです。
*17: トリメチルチオ尿素、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TMU」
*18: N, N’−ジフェニルチオ尿素、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー C」
【0042】
【表7】
【0043】
[注]
*1〜*11は第1表と同じです。
*19: N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー PX」
*20: ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー PZ」
*21: ジメチルジチオカルバミン酸銅、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラー TT−CU」
【0044】
【表8】
【0045】
[注]
*1〜*8は第1表と同じです。
*22: イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー ZIX−O」
【0046】
【表9】
【0047】
[注]
*1〜*16は第3表、第4表及び第5表と同じです。
*23: 加硫促進剤DZ:N,N−ジシクロヘキシル−2−べンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー DZ」
【0048】
【表10】
【0049】
[注]
*1〜*23は第9表と同じです。
*24: カーボンブラック−2:旭カーボン株式会社製、商品名「#55」(窒素吸着比表面積:26m2/g)
【0050】
【表11】
【0051】
[注]
*1〜*23は第9表と同じです。
*25: カーボンブラック−3:旭カーボン株式会社製、商品名「#50」(窒素吸着比表面積:23m2/g)
【0052】
【表12】
【0053】
[注]
*1〜*23は第9表と同じです。
*26: カーボンブラック−4:東海カーボン株式会社製、商品名「シースト116HM」(窒素吸着比表面積:56m2/g)
【0054】
【表13】
【0055】
[注]
*1〜*23は第9表と同じです。
*27: カーボンブラック−5:旭カーボン株式会社製、商品名「SB260」(窒素吸着比表面積:40m2/g)
【0056】
【表14】
【0057】
[注]
*1〜*24は第1表及び第10表と同じです。
*28: 臭素化ブチルゴム、JSR株式会社製、商品名「JSR BROMOBUTYL 2244」
【0058】
【表15】
【0059】
[注]
*1〜*26は第1表及び第12表と同じです。*28は第14表と同じです。
【0060】
【表16】
【0061】
[注]
*1〜*27は第1表及び第13表と同じです。*28は第14表と同じです。
【0062】
実施例54〜62
第17表に示す配合処方、並びに混練の第一段階における混練時間及びゴム組成物の最高温度になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、9種類のゴム組成物を調製した。
実施例54〜57のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、化合物(C)及びその他の配合剤を混練した。混練の第一段階において、カーボンブラック(B)の全部と化合物(C)とを同時に加えた。
実施例58〜62のゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、カーボンブラック(B)の全部、及びその他の配合剤を混練した後、この第一段階の途中で化合物(C)を加えて更に混練した。但し、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が140℃になった時に化合物(C)を加え、さらに混練りし、ゴム組成物の最高温度を170℃とした。
また、比較のため、実施例2及び比較例2のゴム組成物を同時に調製し、評価した。
【0063】
【表17】
【0064】
[注]
*1〜*11は第1表と同じです。
【0065】
第1表〜第13表及び第17表から明らかなように、実施例1〜44及び実施例54〜62のゴム組成物は、比較例1〜8中の対比すべきゴム組成物と比較して、いずれも低発熱性(tanδ指数)及び耐縁石こすれ性が改良され、優れていた。
第14表〜第16表から明らかなように、実施例45〜53のゴム組成物は、比較例9〜11中の対比すべきゴム組成物と比較して、いずれも低発熱性(tanδ指数)及び破壊特性が改良され、優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のゴム組成物の製造方法は、ゴム組成物の低発熱性を向上できるので、本発明の製造方法により得られるゴム組成物は、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種空気入りタイヤのケース部材用ゴム組成物、特に、サイドウォール及びインナーライナーから選ばれる少なくとも1種のタイヤ部材用ゴム組成物として好適に用いられる。