(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図11A及び
図11Bは、従来技術における、複数スパン分の幅を持った大型ゲートが配置された駐車装置の動作状況を示した図であり、
図11Aはゲート閉鎖状態を、
図11Bはゲート開放状態をそれぞれ示している。
【0005】
図11Aを参照すると、従来技術における駐車装置800はパレット821、822及び823が横方向に並んで設置されており、各パレット上に車両V1、V2及びV3が搭載されている。車両V1〜V3の前部にはゲート811が設置され、ゲート811はパレット821、822及び823にわたって一体化された構造を有している。また、パレット821、822及び823の下側の地下部分には、パレット831、832及び833と、これら下側のパレット上にそれぞれ車両V4、V5及びV6が搭載され格納されており、立体駐車が可能となっている。
【0006】
図11Bは、パレット822の下段に格納されたパレット832を呼び出したときの、駐車装置800の状態を示している。車両V5が載置されたパレット832が呼び出されると、ゲート811が下側の地下格納部にスライドして押し下げられ、開放状態となる。このとき、呼び出したパレット832に搭載された車両V5の両側に駐車装置800の内部に侵入可能な通路a802及びa803が生じるだけでなく、車両V1と駐車装置左側側部との間の通路a801及び車両V3と駐車装置右側側部との間の通路a804が生じる。したがって、利用しようとするパレット以外の部分からの第三者の侵入リスクが高まり、駐車装置内部に第三者が侵入した状態を利用者が知らずに駐車装置を作動させ、予期せぬ事故が発生する恐れがあるという問題がある。
【0007】
また、仮に
図11Aの状態から駐車装置800の右側の地下部に格納されているパレット833を呼び出した場合、ゲート811が開放されると、通路a801は呼び出したパレット833から車両V2及び車両V1の2台を挟んだ位置に形成される。このように形成された通路a801は、呼び出したパレット833からの距離が比較的遠く、障害物も増えるので、第三者の監視はより困難となり、第三者の侵入リスクが増えるという問題がある。
【0008】
図12A及び
図12Bは、別の従来技術における、スパンごとに独立したゲートが配置された独立ゲート方式の駐車装置の動作状況を示した図であり、
図12Aはゲート閉鎖状態を、
図12Bはゲート開放状態をそれぞれ示している。
【0009】
図12Aを参照すると、従来技術における駐車装置900は、
図11Aと同様にパレット921、922及び923が横方向に並んで設置されている。ここでは、各パレットに対応して、ゲート911、912及び913がそれぞれ設置されている。通常、隣接する各ゲートの間隔は、安全のためその間隔をなるべく小さくするよう設計される。パレット921、922及び923の下側の地下部分には、パレット931、932及び933と、これら下側のパレット上にそれぞれ車両V4、V5及びV6が搭載され格納されている。
【0010】
図12Bは、パレット922の下段に格納されたパレット932を呼び出したときの、従来技術における駐車装置900の状態を示した図である。車両V5が載置されたパレット932が呼び出されると、ゲート912のみが下側にスライドして地下に格納されることによって、開放状態となっている。このとき、
図11Bと異なり、呼び出したパレット932に対応するゲート912のみが開放されるので、第三者が駐車装置900の内部に侵入するリスクは大きくない。しかし、車両V5とゲート911との間に形成される通路a902、及び、車両V5とゲート913との間に形成される通路a903は、それぞれ通路の幅が比較的狭いので、利用者が入庫した車両に乗り込む際や、入庫した車両から駐車装置の外に退出する際の利便性が悪いという問題がある。また、ゲート912のみ開放されるので、開口部分が狭いことから、車両の入出庫がしにくくなるという問題もある。
【0011】
そこで、本発明は、スパンごとに独立したメインゲートを備え、さらに、各メインゲートの間にサブゲートを備え、メインゲートの開放に連動して隣接するサブゲートを開放することによって、利用しようとするスパンから離れた部分からの第三者の侵入リスクを低減することのできる駐車装置を提供することを、目的の一つとする。
【0012】
また、本発明は、入出庫時の通路として十分な幅を確保することによって、入出庫時の利便性を向上した駐車装置を提供することを、目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態によると、左右に並んだ複数の車両格納部と、前記複数の車両格納部にそれぞれ対応して配置された複数のメインゲートと、前記メインゲート間に配置された1つ又は複数のサブゲートを有し、前記サブゲートは、隣接するメインゲートに連動して開放されることを特徴とする駐車装置が提供される。
【0014】
別の好ましい態様において、前記サブゲートは、伝動要素で接続されたウエイトに接続され、前記サブゲートに隣接する前記メインゲートに設置されたアームによって、前記サブゲートが前記メインゲートに連動して開放されることを特徴とする駐車装置であってもよい。
【0015】
別の好ましい態様において、前記メインゲートに設置されたアームは可動式であることを特徴とする駐車装置であってもよい。
【0016】
別の好ましい態様において、前記サブゲートは、伝動要素で接続されたウエイトに接続され、前記サブゲートに設置されたアームによって、前記メインゲートに隣接する前記サブゲートが連動して開放されることを特徴とする駐車装置であってもよい。
【0017】
別の好ましい態様において、前記サブゲートに設置されたアームは可動式であることを特徴とする駐車装置であってもよい。
【0018】
別の好ましい態様において、前記メインゲートに設置された可動式のアームによって、前記メインゲートに隣接するサブゲートが連動して開放されることを特徴とする駐車装置であってもよい。
【0019】
別の好ましい態様において、前記サブゲートに設置された可動式のアームによって、前記メインゲートに隣接するサブゲートが連動して開放されることを特徴とする駐車装置であってもよい。
【0020】
別の好ましい態様において、前記メインゲートと前記サブゲートはそれぞれ動力制御要素を備え、開放又は閉鎖させる前記メインゲートの動作に連動して、前記メインゲートに隣接する前記サブゲートを動作させる制御部を備えることを特徴とする駐車装置であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態に係る駐車装置によれば、第三者の駐車装置への侵入のリスクを低減することができる。
【0022】
また、本発明の一実施形態に係る駐車装置によれば、入出庫時の通路として十分な幅を確保することによって、入出庫時の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する発明特定事項については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0025】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置100の概略構成図である。駐車装置100は、横方向に3台の車両を駐車することができ、車両を搭載し格納するためのパレットが横方向に3個並んで配置され、それぞれのパレットの前面に独立して開閉が可能なメインゲートが3個並んで配置されている。各メインゲート間にはサブゲートが配置され、隣接するメインゲートに同期して開放される。
【0026】
図1を参照すると、パレット121、122及び123が、地上と地下との境界を示す線H上に配置されており、各パレットに車両V1、V2及びV3が搭載されている。また、駐車装置100は地下ピットを有しており、パレット121、122及び123の下側にはパレット131、132及び133が配置されている。パレット131、132及び133にはそれぞれ車両V4、V5及びV6が搭載され格納されている。このように、駐車装置100は縦方向に昇降可能なパレットを2段有する装置が横に3台並んだ構成となっている。
【0027】
各車両は車両の前部を図面の手前方向に駐車しており、図面の手前方向が駐車装置100の前部であり、駐車装置の前部から車両を駐車装置100に入出庫させる。各パレットの前面には、メインゲート111、112及び113が配置されており、各ゲートは閉鎖された状態となっている。各メインゲートは独立した動力制御要素(モータ、伝動要素、センサ等)によって独立して作動させることが可能である。
図1では、各メインゲートの下側の一部が地下部分にあり、他は地上に露出した状態となっており、この状態がメインゲートを閉鎖した状態となる。なお、後述のように、メインゲートを開放状態にするには、メインゲート全体を地下部分にスライドさせて格納し、開放状態とする。
【0028】
駐車装置100は利用者が駐車装置を操作するための操作盤を備えており、操作盤は駐車装置100の外部に設置されている。さらに、駐車装置100の各パレットや各ゲートの駆動を制御するための制御盤を備えている。
【0029】
メインゲート111とメインゲート112との間にはサブゲート114が配置され、メインゲート112とメインゲート113との間にはサブゲート115が配置されている。サブゲート114は、パレット121とパレット122との間隔に相当する幅を有しており、サブゲート115は、パレット122とパレット123との間隔に相当する幅を有している。サブゲート114及び115も、メインゲートと同様に地下部分にスライドして格納することが可能となっている。
【0030】
図2は、本発明の第1実施形態に係るサブゲート及びメインゲートの概略構成図である。
図2の左側には、サブゲート114とその両隣に配置されたメインゲート111及び112の一部を正面から図示している。また、
図2の右側には、サブゲート114を側面から図示している。
図2では、メインゲート111、112、サブゲート114は、いずれも閉鎖された状態となっている。
【0031】
メインゲート111の下部右側には、サブゲート114の方向に向かって突出したアーム51が設置されている。同様に、メインゲート112の下部左側には、サブゲート114の方向に向かって突出したアーム52が設置されている。サブゲート114の下部には、アーム受け部61が設置されている。アーム受け部61は、アーム51及びアーム52に接しているが、接続されてはいない。
【0032】
図3は、アーム受け部61、アーム51及び52の拡大図である。アーム受け部61は、ボルト61a、61b、61c及び61dによって、サブゲート114に固定されている。アーム51は、ボルト51a及び51bによって、メインゲート111に固定されている。アーム52は、ボルト52a及び52bによって、メインゲート112に固定されている。アーム受け部61は立方体の形状を有しており、上側の面にアーム51及び52が接している。ただし、アーム受け部61とアーム51及び52とは、接合されてはいない。また、アーム51及び52は、ゲート閉鎖状態においてほぼ同じ水平位置に配置されているが、アーム51は図面手前方向に配置され、アーム52は図面奥行方向に配置されており、相互に干渉されないよう配置されている。
【0033】
ここで
図2の右側を参照すると、サブゲート114に配置されたアーム受け部61に、チェーン91の一端が接続されており、チェーン91はスプロケット92を介して他端がウエイト(重し)90に接続されている。ウエイト90の重量はサブゲート114とアーム受け部61を足した重量よりも重く設定されており、ウエイト90の重量によってサブゲート114は常に上向きの力が加わっている。
図2では、アーム受け部61がアーム51及び52に接することによって、サブゲート114が上側に移動せず停止している。
【0034】
図4は、本発明の第1実施形態に係るサブゲート及びメインゲートの概略構成図であり、メインゲート112を開放状態になるよう作動させたときに、サブゲート114もメインゲート112に連動して開放状態となることを示している。
図2と同様に、
図4の左側が正面図を、右側が側面図を示している。
【0035】
メインゲート112を地下格納部に格納するよう下側に移動させると、アーム52がアーム受け部61を押し下げ、サブゲート114もメインゲート112と連動して下側に移動させる。
図4の左側を参照すると、アーム52がアーム受け部61に接したまま押し下げていることがわかる。このとき、アーム51及び52は、相互に干渉されないように配置されており、アーム受け部61と接合されていないので、アーム51及びメインゲート111は、当初の閉鎖状態を保っている。また、
図4の右側を参照すると、アーム52によってアーム受け部61及び114が押し下げられ、チェーン91を介してウエイト90が持ち上げられていることがわかる。
【0036】
本発明の第1実施形態では、メインゲート112及び113並びにサブゲート115においても、
図3乃至5と同様の構成を有する。メインゲート112を下側の地下格納部に格納すると、メインゲート112のサブゲート115側に突出したアームが、サブゲート115に設置されたアーム受け部を押し下げることにより、サブゲート115も連動して地下に格納する。このようにして、メインゲート112を地下格納部に格納して開放状態にしたとき、メインゲート112に連動して両隣のサブゲート114及び115も連動して開放状態となる。
【0037】
図5は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置100の概略構成図であり、パレット132を呼び出し、メインゲート112、サブゲート114及び115が開放状態となったときの状態を示している。
図5を参照すると、呼び出したパレット132に搭載された車両V5と、閉鎖状態のメインゲート111との間に、通路A102が形成されていることがわかる。また、車両V5と閉鎖状態のメインゲート113との間に、通路A103が形成されていることがわかる。
【0038】
ここで、
図11Bに示した従来技術に係る大型ゲート方式の駐車装置を参照すると、
図11Bでパレット832を呼び出した場合に駐車装置800に侵入可能となる通路は、a801、a802、a803及びa804の4箇所となる。ここで、利用者が駐車装置外部の操作盤を操作してパレットの昇降及びゲートの開放操作を行っている間は、第三者の侵入を監視することが比較的容易であるので、利用者が駐車装置の内部に入っているときに、侵入可能な通路に第三者が侵入しないかの監視のしやすさが特に問題となる。そうすると、
図11Bにおける通路a801及びa804は、呼び出したパレット832から車両V1又はV3を挟んだ位置にあり、監視のうえで障害物となる車両が1台存在しており、距離も車両1台分離れているので、第三者が駐車装置に侵入することを監視したり、第三者が駐車装置内部にいないことを確認したりすることが、困難である。
【0039】
一方、
図5を参照すると、第1実施形態に係る駐車装置100では、
図11Bの通路a801及びa804に相当する通路が形成されない。したがって、
図11Bに示した従来技術に係る大型ゲート方式の駐車装置の場合と比して、監視が容易になる。
【0040】
また、
図12Bに示した従来技術に係る独立ゲート方式の駐車装置と比較すると、
図5において車両V5の左側に形成される通路A102は、車両V5からパレット121のパレット132側の端部までの幅を有するが、
図12Bでは車両V5からパレット921とパレット932との中間付近までの幅しか形成されない。したがって、第1実施形態において形成される通路A102のほうが、従来技術に係る独立ゲート方式の駐車装置において形成される通路a902よりも幅が広いので、利用者が駐車装置に入出庫する際の利便性が高い。また、車両の入出庫においても、入出庫の際の間口が広く確保できるので、従来技術に係る独立ゲート方式の駐車装置と比して車両の取り回しが容易となる。
【0041】
以上のように、第1実施形態に係る駐車装置100は、従来技術における独立ゲート方式の駐車装置と比して、利用者が入出庫する際の通路の幅を広く確保することが可能となる。また、従来技術における大型ゲート方式の駐車装置と比して、第三者による駐車装置の侵入の監視が容易であり、かつ、侵入されにくいという効果がある。
【0042】
図6は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置100の概略構成図であり、パレット131を呼び出したときの状態を示したものである。パレット131が呼び出されると、パレット131に対応したメインゲート111が地下格納部に格納され開放状態になるとともに、メインゲート111の隣のサブゲート114が、メインゲート111に連動して地下格納部に格納され、開放状態となっている。このように、本発明の第1実施形態においては、駐車装置の両側のパレットが呼び出された場合、当該パレットに対応するメインゲートと、その隣のサブゲート1つが、連動して開放状態となる。
【0043】
(制御構成)
図7は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置100のシステム概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、第1実施形態に係る駐車装置100を制御するシステムは、操作部11、制御部12、パレット移動機構13、ゲート開閉機構14を備え、それぞれがネットワーク15を介して相互に通信可能に接続された構成を備える。なお、ネットワーク15は有線回線又は無線回線であってもよく、制御部12が操作部11、パレット移動機構13及びゲート開閉機構14とネットワーク15を介して相互に通信可能に接続されていればよく、操作部11、パレット移動機構13及びゲート開閉機構14は必ずしも互いに通信可能に接続されていなくてもよい。
【0044】
パレット移動機構13は、
図1に示すパレット121〜123及びパレット131〜133と、各パレットを移動させる複数の駆動部品に対応する。ゲート開閉機構14は、
図1に示すメインゲート111〜113について、各ゲートを開閉させる複数の駆動部品に対応する。操作部11及び制御部12は、それぞれ駐車装置100に備えられている操作盤及び制御盤に対応する。利用者が操作盤を操作して呼び出すパレットを選択すると、操作部11から出力される信号が制御部12に送信される。制御部12は、パレット移動機構13にパレットを昇降する信号を送信し、さらにゲート開閉機構14にゲートを開放する信号を送信する。
【0045】
このような制御構成は、従来の独立ゲート方式における基本的な制御方法であるが、本発明の第1実施形態に係る駐車装置100は、上述のようにメインゲートの他にサブゲートを備え、さらに、アーム、ウエイト等の構造を有することによって、メインゲートに隣接するサブゲートをメインゲートに連動して作動させることを可能にしている。したがって、第1実施形態では、従来の独立ゲート方式における制御構成を大きく変更することなく本発明を実施することができ、また、アーム、ウエイト等の単純で簡素な要素追加で安価に実施することができるといえる。
【0046】
(変形例)
第1実施形態では、メインゲートにアームが設置され、アームがサブゲートのアーム受け部を押し下げることによって、サブゲートをメインゲートに連動させて開放状態にした。これとは逆に、メインゲートにアーム受け部を設置し、サブゲートにアームを設置することによっても、本発明を実施することが可能である。
図8A及び
図8Bは、第1実施形態の変形例である。メインゲート111にアーム受け部63が設置され、メインゲート112にはサブゲート114側にアーム受け部64、サブゲート115側にアーム受け部65が設置され、メインゲート113にはアーム受け部66が設置されている。また、サブゲート114にはメインゲート111側とメインゲート112側に突出したアーム55が設置され、サブゲート115にはメインゲート112側とメインゲート113側に突出したアーム56が設置される。
図8Aのように、ここではアーム55及び56は、アーム受け部63、64、65及び66の下側に配置される。
図8Bを参照すると、メインゲート112を下側にスライドさせたとき、アーム受け部64及び65が、それぞれアーム55及び56を押し下げることによって、メインゲート112に連動してサブゲート114及び115を地下格納部にスライドさせ開放状態にしている。
【0047】
また、第1実施形態におけるアーム51、52、アーム受け部61は、メインゲート又はサブゲートとは別個の部材をボルトで接続して固定しているが、接続の方法はこれに限られない。アーム51、52、アーム受け部61は、メインゲート又はサブゲートと一体して形成されてもよい。アーム51及び52は同じ水平位置に配置したが、水平位置を相違させ、各アームに対応させたアーム受け部を2つ設けてもよい。さらに、第1実施形態では、サブゲートとウエイトを接続する伝動要素にチェーンとスプロケットを用いた例を示したが、伝動要素はこれに限られない。
【0048】
その他、本発明の一実施形態に係る駐車装置100は、本発明の技術的本質を変更しない限度で、様々な態様によって実現することができ、以下に説明する他の実施形態でも同様である。
【0049】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では、第1実施形態と異なり、各サブゲートにメインゲートと同様の動力制御要素を有する。すなわち、第2実施形態に係る駐車装置が
図1に示す外観と同様の構成をとった場合、
図7に示すブロック図において、ゲート開閉機構14は、メインゲート111〜113及びサブゲート114、115を開閉させる、複数の駆動部品に対応している。以下、第2実施形態について説明するが、特に言及しない部分については、第2実施形態と第1実施形態とは共通するものとする。
【0050】
第2実施形態における駐車装置の制御部12の処理フローは、以下のとおりである。制御部12は操作部11からパレット呼び出し要求の信号を受信すると、呼び出すパレットを指定し、パレットを移動させる信号をパレット移動機構13に送信する。パレット移動が完了すると、制御部12は、移動したパレットの前面のメインゲートと、その両隣のサブゲートを開放状態にするよう作動させる信号を、ゲート開閉機構14に送信する。なお、呼び出したパレットが駐車装置の左端である場合には、左端のメインゲート及びその右隣りのサブゲートを開放状態にし、呼び出したパレットが駐車装置の右端である場合には、右端のメインゲート及びその左隣のサブゲートを開放状態にするための信号を送信する。
【0051】
(変形例)
第2実施形態では、メインゲート及びサブゲートを、上側にスライドさせることによって開放状態とする構成をとることも可能である。
【0052】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態では、アームは可動式であり、アームの動きを制御することによって、メインゲート及び隣接するサブゲートの開閉を制御することができる。
【0053】
図9Aは、本発明の第3実施形態に係る駐車装置の、サブゲート及びメインゲートの概略構成図である。第1実施形態における
図2と比較すると、メインゲート111、112に、それぞれ可動アーム71、72が設置されている点が異なる。また、第3実施形態ではストッパ装置93を備え、サブゲート114に固定されたアーム受け部61がストッパ装置93に接触することによって、サブゲート114は所定の位置よりも上昇しないようになっている。
【0054】
可動アーム71及び72は棒状であり、水平方向にスライドさせることができる。
図9Aの左側を参照すると、可動アーム71及び72の全体が、正面から見てそれぞれの設置されたメインゲートに重なっていることがわかる。ここで、メインゲート112を開放状態にするとき、可動アーム72をサブゲート114の方向へスライドして移動させる。その後、メインゲート112を下側に移動させると、可動アーム72がアーム受け部61を押し下げ、サブゲート114もメインゲート112と連動して下側に移動する。
図9Bは、メインゲート112及びサブゲート114が開放された状態を示している。ゲートを閉鎖するときは、メインゲート112を上昇させる。サブゲート114は、ウエイト90により常に上向きの力が加わっており、可動アーム72がアーム受け部61と接触しているので、メインゲート112の上昇にあわせて上昇する。メインゲート112及びサブゲート114が所定の位置まで上昇したら、可動アーム72を収納する。
【0055】
(変形例1)
第1実施形態のように、サブゲートに可動アームを設け、メインゲートにアーム受け部を設けてもよい。この場合、ゲートを開放するには、開放するメインゲートの両隣に設置されたサブゲートは、開放するメインゲート側の可動アームを移動させ、その後メインゲートを下側に移動させると、メインゲートに設置されたアーム受け部がサブゲートに設置された可動アームを押し下げることによって、メインゲートの両隣のサブゲートを共に開放することが可能となる。
【0056】
(変形例2)
第3実施形態及びその変形例1では、可動アームは棒状でスライドさせて移動可能であり、可動アーム及びアーム受け部をメインゲート又はサブゲートの正面下部に設置した例を紹介したが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、メインゲートの内部に可動アームを設け、サブゲートの側面に可動アームを受ける穴状のアーム受け部を設置することも可能である。また、可動アームをフック状にしてもよく、例えばメインゲートに設置したフック状の可動アームを一定程度回転させて、隣接するサブゲートのフックを受ける部位に接触させ、メインゲートとともに移動させてもよい。
【0057】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態も、第3実施形態と同様にアームは可動式であり、アームの動きを制御することによって、メインゲート及び隣接するサブゲートの開閉を制御することができる。第1実施形態乃至第3実施形態と異なり、サブゲートには常に下向きの力が加えられていることが、大きく異なる。
【0058】
図10Aは、本発明の第4実施形態に係る駐車装置の、サブゲート及びメインゲートの概略構成図である。メインゲート111の右下に可動アーム81が、メインゲート112の左下に可動アーム82が、メインゲート112の右下に可動アーム83が、メインゲート113の左下に可動アーム84が、それぞれ設置されている。また、サブゲート114の左下にアーム受け部61Lが、右下にアーム受け部61Rが、サブゲート115の左下にアーム受け部62Lが、右下にアーム受け部62Rが、それぞれ固定して設置されている。可動アームは81、82、83及び84は、水平方向にスライドさせることができ、正面から見てそれぞれ設置されたメインゲートに重なるよう収納することができ、また、設置された側の隣接するサブゲートの方向に伸ばすことができる。
【0059】
図10Aは、各ゲートが閉鎖状態のときを示している。このとき、メインゲート111に設置された可動アーム81は、隣接するサブゲート114の方向にスライドし、サブゲート114に固定され設置されているアーム受け部61Lの下側まで延びている。同様に、可動アーム82、83、84は、それぞれアーム受け部61R、62L、62Rの下側まで延びている。ここで、サブゲート114及び115は、自重によって常に下向きの力が加わっているが、アーム受け部61L、61R、62L、62Rがそれぞれ可動アーム81、82、83、84に支えられることによって、所定の位置で停止し、閉鎖状態を保っている。
【0060】
ここで、メインゲート112並びに隣接するサブゲート114及び115を閉鎖状態から開放状態にするときの制御方法について説明する。まず、制御部12は、メインゲート111に設置された可動アーム81を収納し、可動アーム81とアーム受け部61Lが接しない位置まで移動させるよう、ゲート開閉機構14に信号を出力する。なお、ここでゲート開閉機構は可動アームの駆動機能を含むものとする。同様に、メインゲート113に設置された可動アーム84も収納する。これら可動アームの収納するタイミングは、同時であってもよいし、時間差があってもよい。
【0061】
可動アーム81及び84が収納された後に、制御部12はメインゲート112を地下部分にスライドさせて格納するよう、ゲート開閉機構14に信号を出力する。このとき、サブゲート114はアーム受け部61Rが可動アーム82に接触し支えられているので、メインゲート112が下側にスライドし移動するのに連動してサブゲート114も下側にスライドする。同様に、サブゲート115もアーム受け部62Lが可動アーム83に接触し支えられているので、メインゲート112に連動して下側にスライドする。
図10Bは、サブゲート114及び115が、メインゲート112に連動して地下部分に格納された状態を示している。
【0062】
次に、ゲートを閉鎖状態にする場合の制御方法について説明する。
図10Bの開放状態から、制御部12がメインゲート112を上昇させ閉鎖状態にするようゲート開閉機構14に信号を出力する。可動アーム82はアーム受け部61Rの下側に接しているので、メインゲート112の上昇に伴い、サブゲート114はアーム受け部61Rを介して上向きの力が加わり、メインゲート112に連動して上側にスライドする。同様に、サブゲート115もメインゲート112に連動して上側にスライドする。メインゲート112並びにサブゲート114及び115が、所定の位置まで上昇させ停止した後に、制御部12は可動アーム81を隣接するサブゲート114側に伸ばすよう、ゲート開閉機構14に信号を出力する。可動アーム81は、サブゲート114に固定され設置されたアーム受け部61Lの下側まで、スライドして延びる。同様に、可動アーム84をサブゲート115側にスライドさせ、アーム受け部62Rの下側まで移動させる。以上の動作によって、
図10Aの閉鎖状態に移行する。
【0063】
なお、上述した可動アーム81、84をそれぞれスライドさせてアーム受け部61L、62Rの下側に移動させることに関しては、メインゲート112並びにサブゲート114及び115を、閉鎖状態の位置よりも上側に移動させてから、可動アーム81、84をアーム受け部61L、62Rの下側にスライドさせ、その後メインゲート112を閉鎖状態の位置に戻してもよい。このように、一端メインゲートを閉鎖状態よりも上昇させてから、可動アームを伸ばすことによって、可動アームをスムースにアーム受け部の下側に移動させることができる。
【0064】
(変形例)
図10C及び
図10Dは、第4実施形態の変形例を示したものである。変形例では、サブゲート114の左下に可動アーム85、右下に可動アーム86、サブゲート115の左下に可動アーム87、右下に可動アーム88が、それぞれ設置されている。また、メインゲート111の右下にアーム受け部63、メインゲート112の左下にアーム受け部64、右下にアーム受け部65、メインゲート113の左下にアーム受け部66が、それぞれ固定され設置されている。サブゲート114及び115が常に下向きの力が加えられていることは、第4実施形態と同様である。
【0065】
図10Cを参照すると、変形例では可動アームがアーム受け部の上側に接していることがわかる。
図10Cが示す閉鎖状態から
図10Dが示す開放状態にするには、まず、制御部12が可動アーム85及び88を、それぞれが設置されたサブゲート側に収納するよう、ゲート開閉機構14に信号を出力する。可動アーム85及び88が収納されたら、メインゲート112を地下部分にスライドさせて格納するよう移動させる。サブゲート114は可動アーム86がメインゲート112に固定して設置されたアーム受け部64の上側に接して支えられているので、メインゲート112の移動に連動してサブゲート114も移動する。同様に、サブゲート115も可動アーム87がアーム受け部65に接して支えられているので、メインゲート112に連動して移動する。このようにして、
図10Dに示す開放状態とする。
【0066】
次に、
図10Dに示す開放状態から
図10Cに示す閉鎖状態への移行について説明する。
図10Dの状態から、メインゲート112を上昇させると、サブゲート114及び115もメインゲート112に連動して上昇する。所定の位置まで上昇させた後に、可動アーム85、88をそれぞれメインゲート111、113側に伸ばすようスライドさせる。可動アーム85及び88を所定の位置までスライドさせ、サブゲート114を可動アーム85及び86で支え、サブゲート115を可動アーム87及び88で支えると、
図10Cに示す閉鎖状態となる。なお、第4実施形態で説明したのと同様に、メインゲート及びサブゲートを所定の閉鎖状態の位置よりも上昇させてから、可動アームをスライドさせ、その後にメインゲート及びサブゲートを所定の位置まで下げてもよい。