特許第6182479号(P6182479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182479
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】薬剤監査装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20170807BHJP
【FI】
   G06Q50/22
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-42002(P2014-42002)
(22)【出願日】2014年3月4日
(65)【公開番号】特開2015-169954(P2015-169954A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 昭
(72)【発明者】
【氏名】村田 俊英
(72)【発明者】
【氏名】野沢 誠
(72)【発明者】
【氏名】熊井 芳昭
(72)【発明者】
【氏名】釜本 俊一朗
(72)【発明者】
【氏名】守田 立
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真紀
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】中島 泰浩
【審査官】 川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/113421(WO,A1)
【文献】 特開2014−018378(JP,A)
【文献】 特開2003−284760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処方された薬剤の監査を行う監査者の登録を受け付ける登録手段と、
薬剤を識別する識別情報を読み取る読取手段と、
薬剤ごとに当該薬剤の監査に係る監査者の人数又は職種を対応付けた設定情報に基づき、前記読取手段が読み取った識別情報の薬剤ごとに、前記登録手段が登録した監査者の人数が所定の条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段と
前記第1判定手段が所定の条件を満たしていると判定した場合に、前記読取手段が読み取った識別情報の薬剤が、前記処方された薬剤に含まれるか否かを判定する第2判定手段と、
を備えた薬剤監査装置。
【請求項2】
前記第1判定手段は、所定の職種の監査者の人数が前記所定の条件を満たしているか否かを判定する、
請求項1に記載の薬剤監査装置。
【請求項3】
前記監査を開始する際に、医療従事者を入力する入力画面を表示する表示制御手段を更に備え、
前記登録手段は、前記入力画面から入力された医療従事者を監査者として登録する、
請求項1または2に記載の薬剤監査装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、職種を指定した前記入力画面を表示させる、
請求項3に記載の薬剤監査装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記監査を完了する操作が入力された場合に、前記入力画面を表示させて、
前記登録手段は、前記入力画面から監査者が入力された場合に、当該監査者としての登録を消去する、
請求項3又は4に記載の薬剤監査装置。
【請求項6】
コンピュータを、
処方された薬剤の監査を行う監査者の登録を受け付ける登録手段と、
薬剤を識別する識別情報を読み取る読取手段と、
薬剤ごとに当該薬剤の監査に係る監査者の人数又は職種を対応付けた設定情報に基づき、前記読取手段が読み取った識別情報の薬剤ごとに、前記登録手段が登録した監査者の人数が所定の条件を満たしているか否かを判定する第1判定手段と
前記第1判定手段が所定の条件を満たしていると判定した場合に、前記読取手段が読み取った識別情報の薬剤が、前記処方された薬剤に含まれるか否かを判定する第2判定手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、薬剤監査装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院の薬剤部では、患者に処方される医薬品(薬剤)や手術で用いられる医薬品を医師が作成した処方箋や指示書に基づいて取り揃える作業が行われている。そして、処方前や手術前には、医師や看護師、薬剤師等の医療従事者によって、医薬品が確実に取り揃えられているか否かを確認する監査作業が行われる。監査作業では、監査を行う医療従事者は、処方箋と取り揃えられた医薬品のラベルを突き合わせ、医薬品が処方箋通りのものであるかを確認し、監査用の書面に承認の署名を行う。
【0003】
近年、このような監査作業を支援するため、医療機関において薬剤監査装置の利用が取り入れられている。薬剤監査装置は、電子カルテに含まれる処方箋データに基づいて、ディスプレイに処方薬剤名や医薬品のパッケージ画像等を表示する。そして、表示内容と取り揃えられた医薬品のラベルとが対応することを確認すると、監査を行う者は、ディスプレイに表示された承認ボタン等を操作して、承認作業を行う。
【0004】
ところで、従来の薬剤監査装置においては、ログインユーザしか承認操作を行うことができなかった。しかしながら、医療現場においては人的ミスをより確実に防止するために、複数の監査者による多重チェックを行いながら薬剤監査を行いたいという要望がある。特に、投薬や取り扱いに注意を要する医薬品については、複数名で監査することが強く望まれている。また、監査には複数名の看護師が立ち会って多重チェックを行う場合もあるが、従来の薬剤監査装置は複数名分の承認操作を受付けることができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の操作者による監査処理に係る操作を受付けることができる薬剤監査装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の薬剤監査装置は、登録手段と、読取手段と、第1判定手段と第2判定手段と、を備える。前記登録手段は、処方された薬剤の監査を行う監査者の登録を受け付ける。前記読取手段は、薬剤を識別する識別情報を読み取る。前記第1判定手段は、薬剤ごとに当該薬剤の監査に係る監査者の人数又は職種を対応付けた設定情報に基づき、前記読取手段が読み取った識別情報の薬剤ごとに、前記登録手段が登録した監査者の人数が所定の条件を満たしているか否かを判定する前記第2判定手段は、前記第1判定手段が所定の条件を満たしていると判定した場合に、前記読取手段が読み取った識別情報の薬剤が、前記処方された薬剤に含まれるか否かを判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態にかかる薬剤管理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、薬剤監査マスタのデータ構成例を示す説明図である。
図3図3は、薬剤監査装置の外観を示す正面図である。
図4図4は、薬剤監査装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、監査設定情報のデータ構成例を示す説明図である。
図6図6は、薬剤監査装置の機能構成を示すブロック図である。
図7図7は、薬剤監査装置が実行する監査処理の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、ログイン画面の一例を示す説明図である。
図9図9は、追加登録画面の一例を示す説明図である。
図10図10は、オーダー内容画面の一例を示す説明図である。
図11図11は、薬剤確認画面の一例を示す説明図である。
図12図12は、職種指定確認画面の一例を示す説明図である。
図13図13は、ログオフ入力画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施形態にかかる薬剤管理システム10の構成例を示す図である。図1に示すように、薬剤管理システム10は、電子カルテサーバ11と、医師用の情報処理端末装置12と、看護師用の情報処理端末装置13と、薬剤監査装置14と、医師用の携帯情報処理端末装置18と、薬剤部サーバ19と、薬剤登録装置20と、を備えている。
【0009】
電子カルテサーバ11、情報処理端末装置12、情報処理端末装置13、薬剤監査装置14、薬剤部サーバ19及び薬剤登録装置20は、通信ネットワーク17に接続されている。また、医師用の携帯情報処理端末装置18は、無線基地局15及び公衆通信ネットワーク16を介して通信ネットワーク17に接続される。
【0010】
尚、図1では、薬剤管理システム10が1台の薬剤監査装置14を備える例を図示したが、薬剤管理システム10は複数台の薬剤監査装置14を備えてもよい。
【0011】
電子カルテサーバ11は、電子カルテを記憶し管理する。医師用の情報処理端末装置12および携帯情報処理端末装置18は、電子カルテの参照やデータ入力等の処理を行う。看護師用の情報処理端末装置13は、電子カルテの参照やデータ入力等の処理を行う。
【0012】
薬剤部サーバ19は、薬剤部に配置され薬剤の払出等の処理を管理する。また、薬剤部サーバ19は、薬剤マスタDB1と、薬剤監査マスタDB2とを備える。より具体的には、薬剤マスタDB1には、薬剤を識別する薬剤識別情報に対応付けて、薬剤の名称、規格(容量等)、製造元、販売元など、その薬剤に関する薬剤情報が登録されている。尚、薬剤監査装置14が、オブジェクト認識技術やOCRを用いて薬剤を識別する場合には、それら識別処理に用いる識別処理用データを予め薬剤マスタDB1に格納しておけばよい。また、薬剤監査マスタDB2には、薬剤識別情報に対応付けて、薬剤を監査する際の各種設定が薬剤ごとに登録されている。
【0013】
図2は、薬剤監査マスタDB2のデータ構成例を示す説明図である。図2に示すように、薬剤監査マスタDB2は、薬剤ごとに、その薬剤の薬剤識別情報と、監査人数と、監査職種とを対応付けて記憶する。薬剤識別情報は、前述の薬剤識別情報である。監査人数には、監査を行う医療従事者(監査者)の人数が設定される。監査職種には、監査者の職種が設定される。例えば、監査職種は、看護師や、薬剤師や、医師や、専門医などである。また、監査職種は、職位などであってもよい。
【0014】
薬剤登録装置20は、手術室や救急救命室等に配置され、手術中あるいは救急治療の場において使用された薬剤(医薬品)の登録処理を行う。尚、薬剤登録装置20は、使用薬剤のみならず、手術中に使用された医療具などを登録してもよい。
【0015】
薬剤監査装置14は、電子カルテに含まれる指示書情報に基づき、薬剤の取揃え作業の支援処理および監査処理に用いられることを想定する。指示書情報とは、投与する医薬品と、医薬品の服用量などを記憶した処方箋情報などである。そして、指示書情報には、指示書情報を識別するオーダー番号が割り振られている。
【0016】
図3は、薬剤監査装置14の外観を示す正面図である。薬剤監査装置14は、内部に制御装置を備えた本体24に、スキャナ22と、プリンタ23とが接続されている。また、本体24の前面には、タッチパネルディスプレイ21が設けられている。なお、スキャナ22は、図3に示すようなテーブル上に載置する形状に限られるものではない。その他の形態として、床上に立設させるスタンド形状のスキャナ、もしくは、ハンドスキャナを本体24に接続して用いてもよい。
【0017】
スキャナ22は、カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等のイメージセンサ(図示せず)とLEDなどの光源(図示せず)とを有している。スキャナ22は、看護師コードのコードシンボル、患者コードのコードシンボル、薬剤のコードシンボル、薬剤の画像などの撮像を行う。スキャナ22が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像(撮像画像)は、後述するRAM(Random Access Memory)33(図4参照)に保存される。
【0018】
尚、薬剤監査装置14には、薬剤の重量を測定する秤が接続されてもよい。また、薬剤監査装置14は、薬剤に付されたRFID(Radio Frequency IDentification)との間でデータの読取り/書込みを行うRFIDリーダライタを備えてもよい。
【0019】
図4は、薬剤監査装置14のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、薬剤監査装置14は、MPU(Micro Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM33と、外部記憶装置34と、入出力I/O(Input/Output)39とが、バス40により相互接続されて構成されている。また、入出力I/O39には、タッチパネルディスプレイ21、スキャナ22、プリンタ23、通信インタフェース38が接続されている。なお、タッチパネルディスプレイ21は、ディスプレイ35とタッチパネル36とを有している。
【0020】
MPU31は、ROM32あるいは外部記憶装置34に格納されたプログラムをRAM33に展開して実行することにより、入出力I/O39に接続された上記各部を制御し、薬剤監査装置14における各種処理を実行する。
【0021】
外部記憶装置34としては、HDD(Hard Disk Drive)或いはSSD(Solid State Drive)など、大容量タイプの記憶装置を用いればよい。また、外部記憶装置34は、監査者登録テーブルTと、監査設定情報Dとを格納している。
【0022】
監査者登録テーブルTは、監査対象の指示書情報のオーダー番号に関連付けて、医療従事者を監査者として登録する。具体的には、監査者登録テーブルTは、医療従事者を識別する識別情報である看護師コード、医師コード、薬剤師コード等を監査者として登録する。
【0023】
監査設定情報Dは、監査処理における設定を記憶した情報である。図5は、監査設定情報Dのデータ構成例を示す説明図である。図5に示すように、監査設定情報Dは、ログイン人数設定と、薬剤単位人数設定と、ログオフ設定とを有する。ログイン人数設定は、薬剤監査装置14を用いて薬剤監査処理を行う際に、監査者としてログインする人数を設定する。薬剤単位人数設定は、薬剤を識別する識別情報を読み取らせるたびに、承認を求める人数を設定する。ログオフ設定は、薬剤監査装置14をログオフする際に、監査者を識別する監査者識別情報の入力を求めるか否かの設定である。
【0024】
ところで、処方する薬剤の中には、麻酔や劇薬など取扱に注意を要する薬剤が存在する。このような取扱に注意を要する薬剤の場合、複数の監査者による多重チェックを行うことが好ましい。そこで、本実施形態の薬剤監査装置14では、監査設定情報Dと薬剤監査マスタDB2とを用いることで、監査者に係る条件(人数、職種)を薬剤単位で切り替える。監査設定情報Dと薬剤監査マスタDB2との違いは、監査設定情報Dには、薬剤監査装置14による監査処理の基本的な条件が設定され、薬剤監査マスタDB2には、個々の薬剤の監査処理に対して固有の条件が設定されていることである。
【0025】
次に、薬剤監査装置14が有する特徴的な機能について説明する。図6は、薬剤監査装置14の機能構成を示すブロック図である。薬剤監査装置14のMPU31は、ROM32や外部記憶装置34に記憶された制御プログラムに従って動作することで、図6に示すように、読取部311、登録部312、判定部313、表示制御部314及び監査部315として機能する。
【0026】
読取部311は、スキャナ22の撮像画像から各種情報を読み取る。例えば、読取部311は、撮像画像に含まれるコードシンボルから、看護師コード、医師コード、薬剤師コード、患者コード等の識別情報をデコードして読み取る。また、読取手段である読取部311は、薬剤を識別する識別情報である薬剤コードを読み取る。なお、情報読取の手法は、特に限定されず、文字認識やオブジェクト認識により上述の各種情報を読み取ってもよい。
【0027】
登録手段である登録部312は、読取部311が読み取った看護師コード、医師コード、薬剤師コード等の医療従事者を識別する識別情報を、指示書情報に基づいて薬剤の監査を行う監査者を監査者登録テーブルTに登録する操作を受け付ける。また、登録部312は、ログオフ入力画面(図13参照)において、読取部311が看護師コード、医師コード、薬剤師コード等の識別情報を読み取った場合に、読取部311が読み取った識別情報を有する医療従事者を監査者登録テーブルTから消去する。
【0028】
第1判定手段である判定部313は、読取部311が読み取った監査者の人数が所定の条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、判定部313は、監査設定情報Dと、薬剤監査マスタDB2とに設定された監査人数に達しているか否かを判定する。また、判定部313は、監査設定情報Dと、薬剤監査マスタDB2とに設定された監査人の職種が条件を満たしているか否かを判定する。なお、判定部313は、監査設定情報Dに設定された監査人の人数と、薬剤監査マスタDB2の人数とが一致しない場合には、人数の多い方を優先する。
【0029】
表示制御部314は、タッチパネルディスプレイ21への各種画面表示を制御する。具体的には、表示制御部314は、医療従事者を入力するログイン画面G1(図8参照)を表示する。また、表示制御部314は、判定部313が監査条件を満たしていないと判定した場合に、監査者の追加を求める追加登録画面G2(図9参照)を表示する。また、表示制御部314は、薬剤単位人数設定に複数人が設定されている場合には、薬剤コードを読み取る毎に、判定部313が監査条件を満たしたと判定するまで薬剤確認画面G4(図11参照)を表示する。また、表示制御部314は、監査者の職種が指定されている場合には、薬剤コードを読み取る毎に、職種指定確認画面G5(図12参照)を表示する。また、表示制御部314は、ログオフする際に、監査者のIDコードを読み取らせる設定がされている場合には、ログオフ入力画面G6(図13参照)を表示する。
【0030】
第2判定手段である監査部315は、一連の監査処理を実行する。一連の監査処理とは、読取部311が読み取った薬剤コードを有する薬剤が、指示書情報に含まれている薬剤であるか否かを照合する処理である。
【0031】
次に、薬剤監査装置14が実行する監査処理の手順について説明する。図7は、薬剤監査装置14が実行する監査処理の手順を示すフローチャートである。前提条件として、薬剤監査装置14は、指示書情報を受信し、外部記憶装置34に記憶しているものとする。また、医療従事者として看護師が監査処理を行っている場合を例に説明する。
【0032】
電源投入後、薬剤監査装置14のMPU31(表示制御部314)は、ログイン画面G1をディスプレイ35に表示する(ステップS1)。
【0033】
ここで、図8は、ログイン画面G1の一例を示す説明図である。ログイン画面G1は、監査者(看護師)の登録を求める画面である。ログイン画面G1には、図8に示すように、「監査者はIDカードを読み取らせて下さい」というガイドコメントが表示される。また、ログイン画面G1には、ID(IDentification)カードに付されている看護師コードのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像が表示される。監査者(看護師)は、監査者登録を行うために、自己のIDカードに付された看護師コードのコードシンボルをスキャナ22の前にかざして、看護師コードを登録する。
【0034】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(登録部312)は、スキャナ22が読み込んだ看護師コードをRAM33などに登録する(ステップS2)。
【0035】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(表示制御部314)は、オーダー番号入力画面(不図示)を表示させる(ステップS3)。オーダー番号入力画面は、監査対象となる薬剤のオーダー番号を入力する画面である。
【0036】
次いで、オーダー番号が入力されると、薬剤監査装置14のMPU31は、入力されたオーダー番号の監査者登録テーブルTを生成し、RAM33に登録された看護師コードを
監査者として監査者登録テーブルTに登録する(ステップS4)。
【0037】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、入力されたオーダー番号の監査者登録テーブルTに登録された監査者の人数が、監査設定情報Dに設定された監査者の人数に達したか否かを判定する(ステップS5)。監査設定情報Dに設定された監査者の人数に達した場合に(ステップS5;No)、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、ステップS9に移行する。
【0038】
一方、監査設定情報Dに設定された監査者の人数以下である場合に(ステップS5;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31(表示制御部314)は、追加登録画面G2を表示する(ステップS6)。
【0039】
ここで、図9は、追加登録画面G2の一例を示す説明図である。追加登録画面G2は、設定した監査者に対して、登録された監査者の人数が足りないために、監査者の登録を求める画面である。よって、追加登録画面G2は、「現在操作中の監査者とは、別の監査者のログインを行ってください」とのメッセージを表示する。また、追加登録画面G2は、IDカードに付されている看護師コードのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像が表示される。
【0040】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(登録部312)は、スキャナ22が読み込んだ監査者(看護師)コードを監査者登録テーブルTに登録する(ステップS7)。
【0041】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、監査者登録テーブルTに登録された監査者の人数が、監査設定情報Dに設定された人数に達しているか否かを判定する(ステップS8)。監査設定情報Dに設定された人数に達していない場合に(ステップS8;No)、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、ステップS6に戻り、再度、監査者を登録する。
【0042】
一方、監査設定情報Dに設定された人数に達している場合に(ステップS8;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31(表示制御部314)は、入力されたオーダー番号に関連付けられて登録された薬剤の一覧であるオーダー内容画面G3を表示する(ステップS9)。
【0043】
図10は、オーダー内容画面G3の一例を示す説明図である。オーダー内容画面G3は、入力されたオーダー番号に関連付けられた薬剤の一覧を表示した画面である。オーダー内容画面G3には、図10に示すように、患者コードと、薬剤リストと、完了ボタンB1とを表示する。患者コードは、指示書に記載された薬剤を投与する患者を示す情報である。薬剤リストは、取り揃えられた薬剤のリストである。また、薬剤リストは、薬剤名と、処方量/単位と、必要量と、を表示する欄を有する。薬剤名は、薬剤の名称を表示する欄である。処方量/単位は、薬剤の単位となる量を表示する欄である。必要量は、指示書にて指示された薬剤の取り揃える量を表示する欄である。また、必要量は、スラッシュの左側に取り揃えた量が表示され、右側に取り揃える量が表示される。そして、必要量の薬剤が取り揃えられた場合に、丸マークが表示される。完了ボタンB1は、薬剤の取り揃えが完了した場合に押下するボタンである。また、完了ボタンB1は、全ての薬剤の取り揃えが完了した場合に、表示されるようにしてもよい。
【0044】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(読取部311)は、薬剤コードの読み取りを検出したか否かを判定する(ステップS10)。薬剤コードの読み取りを検出しない場合に(ステップS10;No)、薬剤監査装置14のMPU31(読取部311)は、待機する。
【0045】
一方、薬剤コードの読み取りを検出した場合に(ステップS10;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、監査者登録テーブルTに登録された監査者の人数が、薬剤監査マスタDB2に設定された人数に達しているか否かを判定する(ステップS11)。さらに詳しくは、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、薬剤監査マスタDB2において、読み取った薬剤コードと同一の薬剤コードに対応付けられた監査人数に達している否かを判定する。
【0046】
監査設定情報Dおよび薬剤監査マスタDB2に設定された人数に達していない場合に(ステップS11;No)、薬剤監査装置14のMPU31(表示制御部314)は、薬剤確認画面G4を表示する(ステップS12)。
【0047】
ここで、図11は、薬剤確認画面G4の一例を示す説明図である。薬剤確認画面G4は、薬剤が指示書情報に含まれる薬剤であることの確認と、監査したことの記録として、IDカードを読み取らせる事とを求める画面である。薬剤確認画面G4は、「薬剤を確認後、IDカードを読み取らせて下さい」とのメッセージを有する。そして、薬剤確認画面G4は、スキャナ22が読み取った薬剤コードを有する薬剤が表示される。また、薬剤確認画面G4は、IDカードに付されている看護師コードのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像が表示される。
【0048】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、ステップS11に戻り、設定された人数に達したか否かを判定する。
【0049】
一方、監査設定情報Dおよび薬剤監査マスタDB2に設定された人数に達した場合に(ステップS11;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、監査者登録テーブルTに登録されている監査者の職種が、薬剤監査マスタDB2に設定されている職種を満たしているか否かを判定する(ステップS13)。
【0050】
薬剤監査マスタDB2に設定されている職種が満たされていない場合に(ステップS13;No)、薬剤監査装置14のMPU31(表示制御部314)は、職種指定確認画面G5を表示する(ステップS14)。
【0051】
ここで、図12は、職種指定確認画面G5の一例を示す説明図である。職種指定確認画面G5は、薬剤監査マスタDB2に設定されている職種の医療従事者による監査を求める画面である。職種指定確認画面G5は、「薬剤を確認後、医師はIDカードを読み取らせて下さい」とのメッセージが表示される。このように、職種指定確認画面G5は、薬剤監査マスタDB2に設定されている職種を指定して表示する。また、職種指定確認画面G5は、スキャナ22が読み取った薬剤コードを有する薬剤が表示される。さらに、職種指定確認画面G5は、IDカードに付されているコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像が表示される。
【0052】
そして、薬剤監査装置14のMPU31(判定部313)は、ステップS13に戻り、監査者登録テーブルTに登録されている監査者の職種が、薬剤監査マスタDB2に設定されている職種を満たしているか否かを判定する。
【0053】
一方、薬剤監査マスタDB2に設定されている職種が満たされている場合に(ステップS13;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31(監査部315)は、スキャナ22が読み取った薬剤が指示書情報に含まれるか否かを判定する(ステップS15)。
【0054】
スキャナ22が読み取った薬剤が指示書情報に含まれていない場合に(ステップS15;No)、薬剤監査装置14のMPU31は(表示制御部314)、報知画面(不図示)を表示する(ステップS16)。ここで、報知画面は、指示書情報に含まれていない薬剤が読み取られたことを報知する画面である。
【0055】
一方、スキャナ22が読み取った薬剤が指示書情報に含まれている場合に(ステップS15;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、薬剤確認画面G4にてIDカードを読み取らせた監査者の登録を消去する(ステップS17)。
【0056】
次いで、監査処理を終了する完了ボタンB1の押下が検出されるか否かを判定する(ステップS18)。完了ボタンB1の押下が検出されない場合に(ステップS18;No)、薬剤監査装置14のMPU31は、ステップS9に戻る。
【0057】
一方、完了ボタンB1の押下が検出された場合に(ステップS18;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、監査設定情報Dでログオフ設定がされているか否かを判定する(ステップS19)。監査設定情報Dでログオフ設定がされていない場合に(ステップS19;No)、薬剤監査装置14のMPU31は、ステップS23に移行する。
【0058】
一方、監査設定情報Dでログオフ設定がされている場合に(ステップS19;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31は、ログオフ入力画面G6を表示する(ステップS20)。
【0059】
ここで、図13は、ログオフ入力画面G6の一例を示す説明図である。ログオフ入力画面G6は、ログオフするために、看護師コード、医師コード、薬剤師コード等の識別情報をスキャナ22に読み取らせることを求める画面である。ログオフ入力画面G6は、「IDカードを読み取らせて、ログオフして下さい」とのメッセージが表示される。また、ログオフ入力画面G6は、IDカードに付されている看護師コードのコードシンボルをスキャナ22に読み込ませることを促すガイド画像が表示される。
【0060】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(登録部312)は、入力されたIDコードを有する医療従事者を監査者から解除する(ステップS21)。
【0061】
次いで、薬剤監査装置14のMPU31(登録部312)は、監査者登録テーブルTに登録された全ての監査者がログオフしたか否かを判定する(ステップS22)。監査者登録テーブルTに登録された全ての監査者のログオフしていない場合に(ステップS22;No)、薬剤監査装置14のMPU31(登録部312)は、ステップS20に戻る。
【0062】
一方、監査者登録テーブルTに登録された全ての監査者のログオフした場合に(ステップS22;Yes)、薬剤監査装置14のMPU31(登録部312)は、監査者の登録を消去する(ステップS23)。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、薬剤監査装置14は、監査者を監査者登録テーブルTに登録する登録部312を備えている。そして、判定部313は、監査者登録テーブルTに登録された監査者の人数が所定の条件を満たしたか否かを判定する。そして、監査部315は、判定部313が条件を満たしたと判定した場合に、取り揃えるべき薬剤が示された指示書情報に含まれているか否かを判定する。よって、本実施形態に係る薬剤監査装置14は、複数の操作者による監査処理に係る操作を受付けることができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0065】
なお、上記実施形態では、IDカードに付されているコードシンボルを読み取らせることで、医療従事者を識別する識別情報を読み取ると説明している。しかし、医療従事者を識別する識別情報は、コードシンボルに限らない。例えば、生体認証により医療従事者を識別してもよい。
【0066】
なお、上記実施形態では、監査設定情報Dと薬剤監査マスタD2との両方を用いた例を説明したが、何れか一方のみを用いて監査してもよい。その場合には、監査設定情報Dで監査してもよいし、薬剤監査マスタD2で監査してもよい。または、監査設定情報Dと薬剤監査マスタD2とが一つにまとめられていてもよい。
【0067】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0068】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 薬剤管理システム
14 薬剤監査装置
31 MPU
311 読取部
312 登録部
313 判定部
314 表示制御部
315 監査部
D 監査設定情報
DB2 薬剤監査マスタ
T 監査者登録テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2002−163357号公報
図1
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