(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の制御装置と車両を施解錠する携帯機との間で行われる無線通信や、使用者の動作(ジェスチャ)を検出して解錠を制御する制御システム等が知られている。例えば、特許文献1は、車載機器の不所望の作動が防止され、電力消費が抑制される車載機器の自動制御システムを開示している。この自動制御システムは、利用者が携帯可能な携帯機と、車両に搭載され、携帯機と通信可能な車載ユニットと、車載ユニットと携帯機との間の通信結果に基づいて、車両に搭載された車載機器の動作を制御する制御部とを備える。携帯機は、利用者が車両から離れているときに、車載ユニットにドアの解錠又は施錠を命令するためのボタンを備え、そのボタンが押下されると、識別番号を含む命令信号を発信し、車載ユニットが命令信号を受信する。そして、車載機制御部は、命令信号に含まれる識別番号の認証に成功すると、施解錠命令の実行を許容する。
【0003】
また、特許文献2は、洗車時等で車両用ドアの解錠が不要であるときにアンロックセンサへの人体の接触もしくは近接によっても車両用ドアが不所望に解錠されてしまうことを回避することを目的として、電動式ドア解錠装置を開示している。この電動式ドア解錠装置は、車両ユーザによる操作によって選択信号を出力する選択手段からの選択信号入力時に、アンロックセンサによる解錠意志検出を無効としつつ車両ユーザによる押圧操作に応じて車両ユーザの解錠意志を検出する押しボタンスイッチによる解錠意志検出に応じて、電動解錠動力発生手段を作動せしめる。
【0004】
また、特許文献3は、動作が確実で、使い勝手のよい自動車用電動開閉ドア装置を開示している。この自動車用電動開閉ドア装置は、使用者が未認証状態である間は接触検出手段の検出信号があってもドアの電動開閉を行わないが、常時使用者認証を行うようスタンバイしているので、使用者が認証可能なエリア内に接近すると使用者認証が完了し、ドアを操作できる。
【0005】
また、特許文献4は、コストの増加を抑えながらも、ユーザにとっての快適性を向上させることを可能にする車両ドア自動開閉装置を開示している。この車両ドア自動開閉装置は、スイングドアの開閉軌跡上に存在する障害物を検出するレーザレーダで障害物の検出を逐次行うことによって、探査波の走査範囲内でのユーザの所定のジェスチャを検出し、ジェスチャの検出結果をもとに、当該スイングドアやそれ以外の車両ドアの自動での開閉動作を開始させる。
【0006】
また、同様に、特許文献5は、自動車の開閉パネルの自動的ロック解錠装置を開示している。このロック解錠装置は、身体の一部の所定の動き(ジェスチャ)を離れた場所から光学的に認識して、動きが行なわれた箇所の前面の開閉可能なパネルを、動きが登録者の動きであると認識される場合に、ロック及び/又はロック解除する。また、携帯型識別部材が自動車の周りの所定の周囲領域内に位置するときに動きを認識する。
【0007】
また、特許文献6は、既存のシステムを利用してコストを抑えつつ、誤検出することなく後部開閉体の開動作を制御することが可能な後部開閉体の開閉制御システムを開示している。この開閉制御システムは、後部開閉体の閉状態でカメラによって視認可能な位置に被検知体が配置されており、携帯機から送信される信号を受信した際にカメラを制御し、カメラによって撮像された被検知体の位置の画像に基づいて後部開閉体の開動作を実行するかを判定し、開動作を制御する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
まず、本実施例の具体的な利用場面を説明する。例えば、運転者が、運転者より先に同乗者を車両に乗せたい場合に、従来は同乗者に携帯機を渡したり、同乗者が乗車するタイミングに合わせて運転者が携帯機を操作するなどの手間がかかっていた。特に、運転者が荷物を持っている場合では、携帯機を取り出すために荷物を置くなどの手間が大きかった。本実施例では、事前に携帯機を操作してジェスチャエントリ機能を有効にしておけば、同乗者に携帯機を渡しておく必要もないし、同乗者が乗るタイミングに合わせて携帯機を操作する必要がなくなる。
【0020】
また、使用者が車両を降りてショッピングセンタなどで買い物に行った後、荷物を持って車両へ向かう場合を想定する。ショッピングセンタの入り口などで荷物を置いた状態で、携帯機操作でジェスチャエントリ機能を有効にしておけば、車両に到着した時点で動作(ジェスチャ)を行うことによりスライドドアやトランクなどの開閉体を開くことができ、荷物を置いてドアハンドルを操作したりする必要がない。特に雨が降っているときには、開閉体をスムーズに開くことができるため便利である。
図1乃至
図3を参照し、本実施例における開閉体制御システム100を説明する。開閉体制御システム100は、車両1に設けられた開閉体2と、使用者の動作を検出するセンサ3と、開閉体2の開閉を制御する制御装置10とを含む。さらに、車両1の使用者が携帯し、車両1の使用者からの操作を受け付け、制御装置10と無線通信を行う携帯機20を含む。
【0021】
開閉体2は、人が乗り降りする車両1のドア(スライドドアを含む)だけでなく、窓や荷物を出し入れする後部ドアやトランクなどであってもよい。センサ3は、ジェスチャ検出範囲内で人の身振りや手振りなどの動作(ジェスチャ)を検出できるものであればよく、例えば、CCDカメラのような光学系の撮像センサや、ビームを走査して対象を捉えるレーザレーダ、その他赤外線センサや近接センサのようなものであってもよい。センサ3は、開閉体2やその周辺に設けられ、車両1の側方や後方に存する人の動作を検出する。
【0022】
ジェスチャ検出範囲は、狭すぎると使用者の動作を検出できないし、広すぎると誤検出や防犯上問題が生ずるので、適宜最適な範囲が事前に設定される。また、検出する所定の動作を規定して、その所定の動作を検出した場合に、所定の動作を起こすようにしてもよい。ここで、車両での所定の動作とは例えば、開閉体やドアの開錠動作である。そうすると、使用者の両手が荷物等でふさがっている場合でも、センサ3によって使用者の足などの動作を検出することによって車両1のドアやトランクなどの開閉体2を手を使わずに開けることができる。
【0023】
制御装置10は、携帯機20からの無線信号を受信する受信部11と、携帯機20へ無線信号を送信する送信部12と、車両1の開閉体2の開閉を制御する開閉体制御部13と、携帯機20との送受信、開閉体制御部13およびセンサ3を制御する制御部14を有する。受信部11は、後述する車両1を操作する携帯機20から送信される機能有効化信号を受信する。また、携帯機20は、車両1の送信部12から信号を受信する携帯機受信部23と、車両1の受信部11へ機能有効化信号等を送信する携帯機送信部22と、使用者の操作を受け付ける操作部21と、情報を表示する表示部24とを備える。
【0024】
携帯機20は、使用者から操作部21への操作を受け付けると、携帯機送信部22から車両1のセンサ3を起動しジェスチャ検出機能を有効化する機能有効化信号を送信する。携帯機20の操作部21は、押しボタンなどのスイッチで、使用者の操作を受け付けるものであればよく、特にその種類や数は限定されない。例えば、後述するようにセンサ3を有効化するための専用のスイッチであってもよいし、1つのスイッチを複数の他の機能のために共用化したものでも良い。
【0025】
操作部21が有効化のための専用のスイッチである場合、その携帯機は、機能有効化信号を送信するための有効化操作部を備える。これによれば、携帯機からの機能有効化信号の送信は使用者による操作が条件となるので、使用者の意思の確認の下で実行でき、不所望の開動作を防止できる。また、その有効化操作部が他の機能のために共用化したものである場合は、他の信号を送信するための操作部と共通の操作部となる。これによれば、例えば、解錠するための操作部や、エンジンを遠隔始動させるための操作部と共通な操作部を設けることで、使いやすい携帯機を提供することができる。
【0026】
また、操作部21は、後述する車両1側の制御装置10と携帯機20自身が計時する、ジェスチャ検出機能が有効な時間となる所定時間を設定する機能を有する。操作部21は、所定時間設定のための専用のスイッチを備えてもよいし、機能有効化信号を送信する操作部と共用してもよい。例えば、1つの操作部21への操作回数の違いで所定時間設定と同時に所定時間を車両1側へ送信してもよいし、1つの操作部21を短押しの場合は機能有効化信号を送信し、長押しの場合は所定時間を設定できる状態になるようにしてもよい。このように、使用者によりジェスチャ検出機能を有効とする所定時間を変えられるようにすることで、状況に応じて様々な所定時間を設定できるので、利便性がさらに向上する。
【0027】
表示部24は、携帯機送信部22が機能有効化信号を送信した後の所定時間の残り時間を表示する。例えば、使用者が、ジェスチャ検出機能が有効な所定時間を30秒と設定した場合、携帯機20は、その所定時間の設定情報を携帯機送信部22から車両1の制御装置10へ送信すると共に、その所定時間の設定情報を携帯機20の記憶部(図示せず)で記憶してもよい。そして、携帯機20は、使用者が操作部21を操作して機能有効化信号を送信した以降、30秒から経過時間を減算した値を表示部24に表示する。使用者や同乗者は、車両1から離れた場所でセンサ3を有効化した後、表示部24に表示されたジェスチャエントリが可能な残り時間を知ることで、それに間に合うようにジェスチャ検出範囲内に到達して動作を行うことができるようになる。
【0028】
車両1側の制御部14は、携帯機20との送受信、開閉体制御部13およびセンサ3を制御すると共に、受信部11が機能有効化信号を受信した時から所定時間を計時し、その所定時間を経過したか否かを判定する判定部15を備える。受信部11は、携帯機20から機能有効化信号や所定時間の設定情報を受信すると制御部14へその旨伝達する。制御部14は、受信部11から所定時間の設定情報の伝達を受けると記憶部(図示せず)にその設定情報を記憶し、判定部15はその設定情報に基づいて計時する。また、制御部14は、受信部11から機能有効化信号の伝達を受けるとセンサ3を起動し、センサ3がジェスチャ検出を可能な状態にする。センサ3がジェスチャ検出できる状態になった後、判定部15が所定時間経過したと判定し、センサ3が停止するまでの間のみ、センサ3は動作を検出できる。従って、携帯機20や判定部15が計時する所定時間は、実質的にセンサ3が動作を検出する時間を規定するものであり、短すぎると使用者の動作を検出できないし、長すぎると誤検出や防犯上問題が生ずるので、適宜最適な時間が設定される。
【0029】
開閉体制御部13は、受信部11が機能有効化信号を受信した後、即ちセンサ3が起動した後で、判定部15が所定時間を経過したと判定する前にセンサ3が検出した動作に基づいて、開閉体2の開動作を制御する。即ち、開閉体制御部13は、機能有効化信号を受信した後所定時間内にセンサ3が検出した動作に基づいて開閉体2の開動作を制御する。このように、動作の検出を所定の時間内に限定することで不要な動作による誤検出を防止することができる。また、携帯機20を使用して車両1から離れた場所からもジェスチャ検出機能を有効化できるので、所望の同乗者の乗り込み時に動作の検出を有効化できる。また、常時センサ3が動作の検出を行う必要がないため、車両側の節電になる。
【0030】
また、開閉体制御部13は、使用者の動作を検出したセンサ3が設けられた開閉体2、またはその周辺の開閉体2のみを開動作させるように制御してもよい。このように、開動作する開閉体を限定することで、高い安全性を有することができる。センサ3は、開閉体2ごとに設けられたり、車両1の両側面と後側に1つずつ設けられたりする。センサ3が開閉体2ごとに設けられた場合は、開閉体制御部13は、動作を検出したセンサ3が設けられた開閉体2のみを開動作させてもよい。また、センサ3が両側面に1つずつ設けられた場合は、開閉体制御部13は、動作を検出したセンサ3が設けられた側の開閉体2のみを開動作させてもよい。また、制御装置10の開閉体制御部13は、開閉体2が施錠状態において開動作を制御する場合には解錠後開動作することが好ましい。これによれば、開閉体2が施錠状態であっても1つの操作で開閉体2を開動作させることができ、利便性を向上させる。
【0031】
また、制御部14は、携帯機20の認証を行う認証部16をさらに備え、認証部16は、センサ3が動作を検出したときに、携帯機20の認証を行うことが好ましい。この場合、携帯機20は、車両1の送信部12から認証要求信号を受信する携帯機受信部23を備える。認証部16は、携帯機20から機能有効化信号を受信した際にも携帯機20の認証を行い、認証が成功した場合のみセンサ3を起動させる。制御部14は、センサ3が動作を検出したときそのまま開閉体2を開動作させてもよいが、機能有効化信号を受信した時からセンサ3が動作を検出するまでの間にある程度の時間差があるので、センサ3が動作を検出したときに改めて携帯機20の認証を行うことが好ましい。認証部16は、他のタイミングで携帯機20の認証を行ってもよいことは言うまでもない。
【0032】
制御部14がセンサ3が動作を検出したことを認識すると、制御装置10の送信部12は、制御部14の制御に従い、携帯機20へ認証を要求する認証要求信号を送信する。そして、携帯機受信部23が認証要求信号を受信すると、携帯機送信部22は、予め設定された携帯機20の認証コードを含む認証応答信号を車両1の受信部11へ返信する。受信部11は、受信した認証コードを認証部16に伝達する。認証部16は、受けた取った認証コードが正規のものであるか否かを判定し、正規のものであった場合に、制御部14は、開閉体制御部13に対して開動作するように指示を出す。このようにすれば、開動作の条件となる動作の検出に対して認証を行うことができるので高い防犯性を有することができる。
【0033】
図2を参照し、制御装置10の制御方法を説明する。なお、フローチャートにおけるSは、ステップを意味する。本実施例の携帯機20は、図示するように、操作部21として、動作の検出機能を有効化するためのジェスチャエントリ許可スイッチを備える。
【0034】
使用者は、S100において、携帯機20のジェスチャエントリ許可スイッチを操作する。車両1側の制御装置10の受信部11は、S102において、機能有効化信号を受信するか否かを確認する。携帯機20は、ジェスチャエントリ許可スイッチの操作部21を操作されると携帯機送信部22から機能有効化信号を送信する。
【0035】
受信部11がその機能有効化信号を受信した場合、制御部14は、S104において、センサ3を起動して、センサ3が動作を検出できる状態にする。制御部14がセンサ3を起動すると同時に、判定部15は、S106において、受信部11が機能有効化信号を受信した時にセンサ3が動作を検出できるための所定時間を設定する。判定部15は、S118において、受信部11が機能有効化信号を受信した時からその所定時間を計時し、その所定時間を経過したか否かを判定する。なお、受信部11がS102において機能有効化信号を受信しない場合は、何も行わずに処理を終了する。
【0036】
その所定時間の間、制御部14は、S108において、センサ3が動作を検出するか否かを確認し続ける。センサ3が動作を検出した場合、送信部12は、S110において、携帯機20に認証要求信号を送信する。認証要求信号を受信した携帯機20は、設定された認証コードを含む認証応答信号を返信するので、認証部16は、S112において、返信された認証コードが正規の認証コードであるか否か、即ち携帯機20の認証が成功するか否かを確認する。
【0037】
制御部14は、認証部16が返信された認証コードを正規なものでないとした場合は、S118からS108へ戻り、再度所定時間経過までセンサ3が動作を検出するか否かを確認し続ける。認証コードが正規であり認証が成功した場合、開閉体制御部13は、S114において、開閉体2を開動作させる。そして、開閉体2を開動作させた場合、制御部14は、S116において、誤動作を防止するためセンサ3を停止する。また、所定時間内にセンサ3が動作を検出せず、所定時間が満了した場合も、同様に、センサ3を停止する。なお、この場合、制御部14がセンサ3での検出機能自体を停止させてもよいし、センサ3は検出を行うが制御部14がセンサ3からの検出結果を無視することでもよい。また、この場合、車両側の節電につながるので、センサ3への通電を停止することが好ましい。
【0038】
図3を参照し、携帯機20の表示部24における表示方法を説明する。使用者は、S200において、携帯機20の操作部21であるジェスチャエントリ許可スイッチを操作すると、携帯機20は、携帯機送信部22から機能有効化信号を送信する。そうすると、携帯機20は、S202において、設定された所定時間が経過したか否かを確認する。まだ所定時間が経過していない場合、携帯機20の表示部24は、S206において、設定された所定時間から、携帯機送信部22が機能有効化信号を送信した後の経過時間を減算した残り時間を表示する。そして、表示部24は、残り時間が0になるまで表示をし続けて、残り時間が0になった時に、S204において表示を終了する。
【0039】
なお、車両1で、センサ3が動作を検出し(
図2のS108でYES)、携帯機20の認証が成功した場合(
図2のS112でYESの場合)、すなわち、S114で開閉体2を開動作させた場合にも、表示部24は残り時間の表示を終了するようにしても良い。これにより、使用者は、開閉体2が開動作したことを認識することができる。
【0040】
また、携帯機20は、自ら送信した機能有効化信号により、車両1においてセンサ3を起動しジェスチャ検出機能が有効化されたことを通知する機能有効化通知信号を制御装置10から受信する携帯機受信部23を備え、表示部24は、その機能有効化通知信号を受信した後に残り時間を表示するようにしてもよい。こうすることで、携帯機20が機能有効化信号を送信しても、車両1側がその機能有効化信号を受け付けていない場合も考えられるため、かかる場合に残り時間を表示して使用者に受け付けたとの誤解を与えることを回避することができる。
【0041】
また、表示部24は、携帯機20が機能有効化信号を送信した後、所定時間以内に機能有効化通知信号を受信しない場合、車両1において機能の有効化がされていないことを示す表示を行うようにしてもよい。これによれば、携帯機20が機能有効化信号を送信して、車両1側がその機能有効化信号を受け付けていない場合、その旨を表示することで、使用者に車両1側が機能有効化信号を受け付けていないことを通知することができる。なお、残り時間が0でない最中、即ちジェスチャエントリが可能な時には、センサ3が有効である旨を示す表示を車両側において行ってもよい。
【0042】
このように、携帯機の保有者が、自らの意思で所定の時間だけジェスチャエントリ機能を有効化できるので、機能が無効な時の動作の誤検出を防止し、車両の消費電力を抑制することができる。また、携帯機にジェスチャエントリ機能が利用できる所定時間の残り時間を表示することで、保有者はジェスチャエントリ機能が有効かどうかを容易に把握することが可能となると共に、保有者や所望の同乗者は動作をその所定時間内に確実に行うことが可能となり、ジェスチャエントリ機能の利便性を向上させることができる。
【0043】
ここで、携帯機20における残り時間の表示の仕方の一例について説明する。
図4は、3つのLEDからなる表示部を有する携帯機20を示す。本図の携帯機20は、3つのLEDが全部点灯している場合(C)には、残り時間が20秒以上30秒未満であることを示し、最左と中央の2つのLEDが点灯している場合(B)には、残り時間が10秒以上20秒未満であることを示す。また、携帯機20は、最左の1つのLEDが点灯することで(A)、残り時間が10秒未満であることを示し、例えば残り5秒以下の時には、このLEDが点滅することでその旨を表示してもよい。携帯機20は、これらのLEDが点灯や点滅する個数やパターンを変化させることで、残り時間を表示する。
【0044】
なお、上記の表示の仕方は一例であり、
図5に示す携帯機20’ように、7セグメント表示などを利用して残り時間を数字で表示してもよい。かかる数字で表示し、一秒ごとにカウントダウンすれば、よりきめの細かい残り時間を表示できる。
【0045】
図5と
図6を参照して、使用者による、センサ3が有効化されている所定時間の設定の仕方について説明する。使用者が操作部21であるジェスチャエントリ許可スイッチ(Gesture)を1回操作すると、携帯機20は、所定時間を10秒に(A)、2回操作すると所定時間を20秒に(B)、3回操作すると所定時間を30秒に(C)設定し、それと同時に機能有効化信号を送信する。なお、使用者がジェスチャエントリ許可スイッチを長押しするなどして設定モードになった後、上記設定を行ってもよい。
【0046】
図6では、携帯機20’での処理を表しており、S300において、使用者が携帯機20’のジェスチャエントリ許可スイッチを操作した際に処理が開始される。携帯機20’は、S302において、一旦所定時間を10秒として表示部にも10秒を表示する。操作部は、S304において、使用者が500ミリ秒以内に再度ジェスチャエントリ許可スイッチを操作するか否かを確認する。操作がなかった場合、携帯機20’は、S312において、所定時間を10秒と設定し、その所定時間と機能有効化信号を車両1側へ送信する。
【0047】
操作があった場合、携帯機20’は、S306において、合計で2回の操作があったので、一旦所定時間を20秒として表示部にも20秒を表示する。操作部は、S308において、使用者が500ミリ秒以内に再度ジェスチャエントリ許可スイッチを操作するか否かを確認する。操作がなかった場合、携帯機20’は、S312において、所定時間を20秒と設定し、その所定時間と機能有効化信号を車両1側へ送信する。
【0048】
操作があった場合、携帯機20’は、S310において、合計で3回の操作があったので、所定時間を30秒として表示部にも30秒を表示する。携帯機20’は、S312において、その所定時間と機能有効化信号を車両1側へ送信する。このように、所定時間が可変であることで、状況に応じて様々な所定時間を設定でき、利便性がさらに向上する。なお、本実施例では、所定時間が10秒、20秒、30秒のみであるが、この時間の長さは使用者が同様の操作により自由な長さに設定できることが好ましい。これにより、さらに利便性が向上する。
【0049】
<第二実施例>
図7を参照して、本実施例における携帯機を説明する。なお、重複記載を避けるために、上記実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例における携帯機は、第1携帯機20Aと第2携帯機30Aの2台から構成される。第1携帯機20Aは、上記実施例における携帯機同様、車両1Aの制御装置10Aと無線通信を行い、機能有効化信号を送信する。第1携帯機20Aは、表示部を備えていてもいなくてもよい。
【0050】
第1携帯機20Aは、第2携帯機30Aとも無線通信を行う。無線通信の方法は特に限定されないが、比較的近距離での無線通信がなされることからBluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)などが用いられてもよい。第2携帯機30Aは、第1携帯機20Aと無線通信できる機能を有すると共に、操作部31Aと表示部32Aを備える。第2携帯機30Aは、典型的にはスマートフォンであり、操作部31Aと表示部32Aは、可変表示可能で接触操作可能な液晶パネルを通してアプリケーションにより実現される。
【0051】
使用者が第2携帯機30Aの操作部31Aを操作して機能有効化信号を送信する場合、第2携帯機30Aは、操作部31Aが操作されると無線通信により第1携帯機20Aへ機能有効化信号を送信する操作が行われた旨が伝達される。その伝達を受けた第1携帯機20Aは、実際に車両1Aに対して機能有効化信号を送信する。また、第2携帯機30Aは、操作部31Aが操作されると、設定された所定時間の残り時間が表示部32Aに表示する。表示機能が豊富なスマートフォン(第2携帯機)に残り時間を表示することでより表現力に富んだ提示が可能となる。また、操作部31Aの機能も、スマートフォン上のアプリケーションにより操作性に優れた操作を実現することができる。
【0052】
図8(A)を参照して、スマートフォンの第2携帯機30Aにおける、ジェスチャエントリ機能の有効時間を設定する方法を説明する。本図が示すように、スマートフォンの第2携帯機30Aを用いると、ジェスチャエントリ機能の有効時間を設定する場合、使用者がより設定しやすい表示が可能となる。表示部32Aには、ジェスチャエントリ機能の有効時間が30秒である旨が文字により表示されると共に、有効時間を1分延長するためのボタン、10秒延長するためのボタン、およびリセットボタンが表示される。これらのボタンは、指で触れることにより操作できる機能性ボタンである。使用者は、これらのボタンを操作することにより、30秒という標準設定時間を延長することができる。なお、10秒短縮するためのボタンがあれば、有効時間の短縮も可能となることは言うまでもない。
【0053】
図8(B)は、ジェスチャエントリの残り時間の表示画面を示す。この表示画面は、残り時間が15秒であることを示すと共に、その時間を10秒延長するためのボタンおよび強制終了させるボタンを表示している。使用者は、ジェスチャエントリ機能が有効化された後残り時間が何秒かという時に、その時間を延長させたり、有効化している時間が残っている状態で機能を即時に強制的に終了させたりしたい場合がある。このような場合に、使用者が、10秒延長ボタンを操作すれば残り時間が10秒延長できるし、強制終了ボタンを操作すればジェスチャエントリ機能は即時に終了させることができる。
【0054】
また、第1携帯機20Aの操作部21Aを操作して機能有効化信号を送信した場合にも、第2携帯機30Aの表示部32Aに残り時間を表示させることは可能である。この場合、第1携帯機20Aから車両に機能有効化信号を送信した際に、第1携帯機20Aから第2携帯機30Aへも機能有効化信号を送信した旨を連絡し、その情報を受けた第2携帯機30Aが自動で表示部32Aに残り時間を表示するようにしても良い。または、使用者が第2携帯機30Aの操作部31Aで残り時間を表示するように操作した場合に、第2携帯機30Aから第1携帯機20Aに対して残り時間の情報を要求し、得た情報を表示するようにしても良い。
【0055】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。