【0011】
1は、外郭を構成する四角筒状の外枠である。2は、外枠1の上部に取り付けられたトップカバーである。3は、トップカバー2に取り付けられた外蓋3である。外蓋3は、中央で折り曲げて開くようになっており、その前側に各種操作ボタンスイッチ6、6aや表示器7、25を備えた操作パネル8を設けてある。操作パネル8は、機体底部に設けた制御装置14に電気的に接続している。5はトップカバー2の前面に設けた電源スイッチである。トップカバー2の後部には給水電磁弁4やヒータ20、送風ファン19などの給水、乾燥に関連する部品を、トップカバー2の前側には洗剤・仕上げ剤容器28を内蔵している。
9は、洗濯兼脱水槽で、その外周壁に通水および通風のための複数の小さな脱水孔9aを有し、その底壁に通水および通風のための複数の脱水孔9bを有し、その上縁部に流体バランサー9cを備え、底部の内側には回転自在に回転翼盤11を回転可能に設置する。
前記回転翼盤11は、
図3に示すように、その上面に、回転することによって該洗濯兼脱水槽9内に投入されて回転翼盤11上に乗っている洗濯物に上向きの動きを繰り返し発生するように、回転方向になだらかに傾斜した複数の傾斜面を形成する隆起部11aと、多数の水抜き貫通孔11bを備える。隆起部11aは、回転方向に山形に傾斜し、且つ外周部位が順次に高くなるように径方向に傾斜し、更に、外周端面11cは上部を中心側に倒すように傾斜させた傾斜面とする。本実施例では、隆起部11aを2個設けてある。
回転翼盤11が回転すると、この回転翼盤11上の洗濯物は、回転翼盤11上を滑りながら該回転翼盤11の回転方向に回転すると共に隆起部11aに押されて上下方向に振動する。この時、洗濯水を循環しながら洗濯物の上方から振り掛け、洗濯物へ洗濯水を行き渡らせる。こうすることで、洗濯兼脱水槽9内に洗濯水を溜めなくても、洗濯物を洗濯することができ、大幅な節水が可能である。
10は、前記洗濯兼脱水槽9を内包する外槽であり、その底部の外側には洗濯脱水駆動装置を取り付ける。この外槽10は、外枠1の上端部の四隅部に設けた隅板に係止して垂下させた4本の支持棒に緩衝装置10aを介して該外槽10の四方位を係合させて均等に支持することにより該外枠1の中心部に懸垂する。前記洗濯脱水駆動装置は、インバータ駆動電動機または可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した洗濯脱水駆動電動機13と電磁操作クラッチ機構12と遊星歯車減速機構を内蔵し、洗濯脱水駆動電動機13と電磁操作クラッチ機構12を制御することによって、洗濯兼脱水槽9を静止させるように係止または自由に回転できるように解放した状態で回転翼盤11を繰り返し正逆回転させる洗濯駆動モードと、洗濯兼脱水槽9と回転翼盤11を一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードを選択的に実行する駆動機能を有する。
27は振動センサで、外槽10の側面外側に設置してあり、洗濯時や洗濯兼脱水槽9が高速回転する脱水時の外槽10の振動を検出する。
31は外槽10の上面に設けた槽カバーである。
図4は、槽カバー31を上方から見た平面図である。槽カバー31の前側から約2/3の部分には洗濯物投入口31aを有し、後面31bには槽カバー31の上面と下面を連通する温風吹き出し口22a、給水入口32、循環水入口33が設けてある。また、槽カバー31の前方には、洗剤・柔軟仕上げ剤入口28aが設けてある。23は、洗濯物投入口31aを覆うように設けた内蓋である。内蓋23は、ヒンジ23bで開閉自在に取り付けられており、取っ手23aを上方に持ち上げることで、内蓋23のロック(図示せず)が解除され、取っ手23aを下方に押すことでロックされるようになっている。
22は、乾燥ダクトで、乾燥通水通気口10bと温風吹き出し口22aとの間を接続する。乾燥ダクト22の途中には、送風ファン19、ヒータ20、リントフィルタ(図示せず)、除湿機構22b、温度センサ26が設けてある。送風ファン19を運転し、ヒータ20に通電すると、洗濯兼脱水槽9内に温風が吹き込み、洗濯物を温め水分が蒸発する。高温多湿となった空気は、脱水孔9a、9bを通り外槽10に出て、通水通気口10bから乾燥ダクト22に吸い込まれ、除湿機構2bを流下する冷却水で冷却除湿されて乾いた低温空気となり、ヒータ20で再度加熱され、洗濯兼脱水槽9内に吹き込むように循環する。
29a、29b、29c、29d、29e、29fは、ゴム製の蛇腹管で、振動変位する外槽10や外槽カバー31と固定側(外枠1やトップカバー2など)に設けた乾燥ダクト22や給水電磁弁4、循環ポンプ16などとの接続用に用いている。
給水電磁弁4は、本実施例では4方向に給水を行えるよう4連弁を使用している。一つ目は洗濯給水電磁弁で、給水入口32に接続され、給水路36の散水口35から洗濯兼脱水槽9内に給水する。二つ目は洗剤給水電磁弁で、洗剤・仕上げ剤容器28の洗剤投入室に接続されている。三つ目は仕上げ剤給水電磁弁で、洗剤・仕上げ剤容器28の仕上げ剤投入室に接続されている。洗剤・仕上げ剤容器28は、洗剤・仕上げ剤入口28aとつながっており、外槽10内に洗剤や仕上げ剤が供給される。四つ目は後述する除湿機構2bに接続されている。
外槽10の底面には、エアトラップ21aが設けてあり、内部の圧力がチューブ21bを介して水位センサ21に伝えられ、外槽9内の洗濯水の水位を検知する。
17は洗濯水の循環パイプで、外槽底部に設けた通水通気口10bと循環水入口33との間を接続する。循環パイプ17の途中には、機体底部に設けた循環ポンプ16、異物トラップ18があり、異物トラップ18には排水弁15を介して排水ホース24が接続している。
30は槽カバー31の後面31bの下面(洗濯兼脱水槽9側)に設けた循環水カバーである。
図5は、循環水カバー30および給水カバー36を取り付けた槽カバー31の後面31bを下方から見た平面図で、
図6は
図5で循環水カバー30を取り外した状態を示す平面図である。
循環水カバー30は、循環水入口33から流入した洗濯水を槽カバー31の洗濯物投入口31a側に導き、洗濯兼脱水槽9内に散水するために設けたものである。給水カバー36は、給水入口32から流入した水道水を洗濯物投入口31a側に導き、洗濯兼脱水槽9内に散水するために設けたものである。給水カバー36には、洗濯兼脱水槽9内に向かって開口した複数個の散水口35が設けてある。
循環水カバー30には循環水路37が形成されている。循環水路37は一端が循環水入口33とつながっており、他端はノズル34に接続している。循環水路37の周囲は、循環水カバー30の端面をガスケット58に押付けて固定することで水封されている。
図7は、洗濯兼脱水槽9と付属する部品を上方から見た斜視図である。
図7のように、フィルターケース40が洗濯兼脱水槽9の内周面に取り付けられており、このフィルターケース40の上下両端は洗濯兼脱水槽9底面と流体バランサー9aの間に支持されている。このフィルターケース40は、上下方向に延在する板状体で形成され、洗濯兼脱水槽9との間に洗濯水が流通可能な隙間を有している。