特許第6182514号(P6182514)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182514
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/10 20060101AFI20170807BHJP
【FI】
   D06F39/10 B
   D06F39/10 E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-155691(P2014-155691)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-32505(P2016-32505A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 麻味
(72)【発明者】
【氏名】宗野 義徳
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 憲次
(72)【発明者】
【氏名】小池 裕之
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開平1−303198(JP,A)
【文献】 実開昭54−47269(JP,U)
【文献】 特開2008−228757(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0196452(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0047714(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0102154(US,A1)
【文献】 特開2012−187183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽と、
前記洗濯兼脱水槽を内包して洗濯水を溜める外槽と、
前記洗濯兼脱水槽の内周側に設けられ、糸屑フィルタが取付けられるフィルターケースと、
を備えた洗濯機において、
前記糸屑フィルタは、前記洗濯兼脱水槽の回転軸中心と反対側である背面に、洗濯水が流入する導入口を有し、
前記フィルターケースの左右の側面に洗濯水導入経路が形成され、
前記洗濯水導入経路は、リブを含んで形成され、
前記導入口に対して左右方向の一方側に位置する前記リブは、前記導入口から上斜めへ傾斜しており、
前記導入口に対して左右方向の他方側に位置する前記リブは、前記導入口から下斜めへ傾斜しており、
前記洗濯水導入経路から前記フィルターケース内へ流入した洗濯水が、前記糸屑フィルタを通って前記洗濯兼脱水槽内へ供給されることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1において、
前記洗濯物が乗ることが可能な回転翼盤を有し、
前記洗濯水導入経路は、前記導入口に対して左右方向それぞれに位置し、水平方向に延びるリブをさらに有することを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1において、
前記フィルターケースの幅方向中央に洗濯水導入孔が形成されており、
この洗濯水導入孔との対向面に、前記糸屑フィルタの導入口が位置し、
前記導入口の大きさは、前記洗濯水導入孔の大きさよりも大きいことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯水に含まれる糸屑等のごみを捕集する糸屑フィルタとフィルターケース及びこれを取り付けた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機の洗浄力は、洗濯物に洗濯機の機械的作用と洗剤による化学的作用の相互作用により生まれる。このため、機械的作用により衣類から糸屑が発生することは避けられない。この糸屑が洗濯物に付着すると、洗濯の仕上りが悪化するため、糸屑を捕集する糸屑フィルタを備えたものが一般的である。従来の洗濯機では、洗濯水の循環経路を設け、洗いやすすぎの時に洗濯槽内の洗濯水を循環させ、洗濯水中に出てきた糸屑を循環経路の途中に設けた糸屑フィルタで捕集するようになっている。糸屑フィルタの形式としては、ネットを袋状にしたものや、上面が開口し側面および底面を格子で形成した枠状のものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−244083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の洗濯機では、糸屑フィルタが循環水経路の吐き出し口に設置されている。洗濯槽内の洗濯水が洗濯槽下部に設置されている循環ポンプを経由しそこで大きな異物が取り除かれ、洗濯槽上部に設置されている洗濯槽カバー内にある糸屑フィルタを介してその他糸屑が取り除かれ槽内に循環水シャワーとして給水される。
【0005】
洗濯槽内の洗濯水を循環させながら糸屑を取り去る仕組みであるが、槽内に貯められる水量に対し循環する流量によって取り除ける量に限りがある。
【0006】
また、洗濯槽内の洗濯水は節水のための低水位から汚れ落ち等を重視する高水位までどちらの条件でも効率的に取り除ける必要がある。
【0007】
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、循環ポンプの稼働に頼らず効率的に糸屑を捕集することのできる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を内包して洗濯水を溜める外槽と、前記洗濯兼脱水槽の内周側に設けられ、糸屑フィルタが取付けられるフィルターケースと、を備えた洗濯機において、前記糸屑フィルタは、前記洗濯兼脱水槽の回転軸中心と反対側である背面に、洗濯水が流入する導入口を有し、前記フィルターケース左右の側面に洗濯水導入経路が形成され、前記洗濯水導入経路は、リブを含んで形成され、前記導入口に対して左右方向の一方側に位置する前記リブは、前記導入口から上斜めへ傾斜しており、前記導入口に対して左右方向の他方側に位置する前記リブは、前記導入口から下斜めへ傾斜しており、前記洗濯水導入経路から前記フィルターケース内へ流入した洗濯水が、前記糸屑フィルタを通って前記洗濯兼脱水槽内へ供給する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、循環ポンプの稼働に頼らず効率的に糸屑を捕集可能な洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の洗濯乾燥機を示す外観図である。
図2】本実施形態の洗濯乾燥機の概略構造を示す縦断面図である。
図3】本実施形態の洗濯乾燥機における回転翼盤の斜視図である。
図4】本実施形態の洗濯乾燥機における槽カバー上面の平面図である。
図5図4に示した槽カバー下面の循環水カバー取り付け部の部分平面図である。
図6図5において循環水カバーを取り外した状態を示す部分平面図である。
図7】洗濯兼脱水槽に設置されているフィルターケースと糸屑フィルタを示す斜視図である。
図8図7におけるA−Aの部分断面図である。
図9】フィルターケースの背面図である。
図10】糸屑フィルタの構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1は、外郭を構成する四角筒状の外枠である。2は、外枠1の上部に取り付けられたトップカバーである。3は、トップカバー2に取り付けられた外蓋3である。外蓋3は、中央で折り曲げて開くようになっており、その前側に各種操作ボタンスイッチ6、6aや表示器7、25を備えた操作パネル8を設けてある。操作パネル8は、機体底部に設けた制御装置14に電気的に接続している。5はトップカバー2の前面に設けた電源スイッチである。トップカバー2の後部には給水電磁弁4やヒータ20、送風ファン19などの給水、乾燥に関連する部品を、トップカバー2の前側には洗剤・仕上げ剤容器28を内蔵している。
9は、洗濯兼脱水槽で、その外周壁に通水および通風のための複数の小さな脱水孔9aを有し、その底壁に通水および通風のための複数の脱水孔9bを有し、その上縁部に流体バランサー9cを備え、底部の内側には回転自在に回転翼盤11を回転可能に設置する。
前記回転翼盤11は、図3に示すように、その上面に、回転することによって該洗濯兼脱水槽9内に投入されて回転翼盤11上に乗っている洗濯物に上向きの動きを繰り返し発生するように、回転方向になだらかに傾斜した複数の傾斜面を形成する隆起部11aと、多数の水抜き貫通孔11bを備える。隆起部11aは、回転方向に山形に傾斜し、且つ外周部位が順次に高くなるように径方向に傾斜し、更に、外周端面11cは上部を中心側に倒すように傾斜させた傾斜面とする。本実施例では、隆起部11aを2個設けてある。
回転翼盤11が回転すると、この回転翼盤11上の洗濯物は、回転翼盤11上を滑りながら該回転翼盤11の回転方向に回転すると共に隆起部11aに押されて上下方向に振動する。この時、洗濯水を循環しながら洗濯物の上方から振り掛け、洗濯物へ洗濯水を行き渡らせる。こうすることで、洗濯兼脱水槽9内に洗濯水を溜めなくても、洗濯物を洗濯することができ、大幅な節水が可能である。
10は、前記洗濯兼脱水槽9を内包する外槽であり、その底部の外側には洗濯脱水駆動装置を取り付ける。この外槽10は、外枠1の上端部の四隅部に設けた隅板に係止して垂下させた4本の支持棒に緩衝装置10aを介して該外槽10の四方位を係合させて均等に支持することにより該外枠1の中心部に懸垂する。前記洗濯脱水駆動装置は、インバータ駆動電動機または可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した洗濯脱水駆動電動機13と電磁操作クラッチ機構12と遊星歯車減速機構を内蔵し、洗濯脱水駆動電動機13と電磁操作クラッチ機構12を制御することによって、洗濯兼脱水槽9を静止させるように係止または自由に回転できるように解放した状態で回転翼盤11を繰り返し正逆回転させる洗濯駆動モードと、洗濯兼脱水槽9と回転翼盤11を一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードを選択的に実行する駆動機能を有する。
27は振動センサで、外槽10の側面外側に設置してあり、洗濯時や洗濯兼脱水槽9が高速回転する脱水時の外槽10の振動を検出する。
31は外槽10の上面に設けた槽カバーである。図4は、槽カバー31を上方から見た平面図である。槽カバー31の前側から約2/3の部分には洗濯物投入口31aを有し、後面31bには槽カバー31の上面と下面を連通する温風吹き出し口22a、給水入口32、循環水入口33が設けてある。また、槽カバー31の前方には、洗剤・柔軟仕上げ剤入口28aが設けてある。23は、洗濯物投入口31aを覆うように設けた内蓋である。内蓋23は、ヒンジ23bで開閉自在に取り付けられており、取っ手23aを上方に持ち上げることで、内蓋23のロック(図示せず)が解除され、取っ手23aを下方に押すことでロックされるようになっている。
22は、乾燥ダクトで、乾燥通水通気口10bと温風吹き出し口22aとの間を接続する。乾燥ダクト22の途中には、送風ファン19、ヒータ20、リントフィルタ(図示せず)、除湿機構22b、温度センサ26が設けてある。送風ファン19を運転し、ヒータ20に通電すると、洗濯兼脱水槽9内に温風が吹き込み、洗濯物を温め水分が蒸発する。高温多湿となった空気は、脱水孔9a、9bを通り外槽10に出て、通水通気口10bから乾燥ダクト22に吸い込まれ、除湿機構2bを流下する冷却水で冷却除湿されて乾いた低温空気となり、ヒータ20で再度加熱され、洗濯兼脱水槽9内に吹き込むように循環する。
29a、29b、29c、29d、29e、29fは、ゴム製の蛇腹管で、振動変位する外槽10や外槽カバー31と固定側(外枠1やトップカバー2など)に設けた乾燥ダクト22や給水電磁弁4、循環ポンプ16などとの接続用に用いている。
給水電磁弁4は、本実施例では4方向に給水を行えるよう4連弁を使用している。一つ目は洗濯給水電磁弁で、給水入口32に接続され、給水路36の散水口35から洗濯兼脱水槽9内に給水する。二つ目は洗剤給水電磁弁で、洗剤・仕上げ剤容器28の洗剤投入室に接続されている。三つ目は仕上げ剤給水電磁弁で、洗剤・仕上げ剤容器28の仕上げ剤投入室に接続されている。洗剤・仕上げ剤容器28は、洗剤・仕上げ剤入口28aとつながっており、外槽10内に洗剤や仕上げ剤が供給される。四つ目は後述する除湿機構2bに接続されている。
外槽10の底面には、エアトラップ21aが設けてあり、内部の圧力がチューブ21bを介して水位センサ21に伝えられ、外槽9内の洗濯水の水位を検知する。
17は洗濯水の循環パイプで、外槽底部に設けた通水通気口10bと循環水入口33との間を接続する。循環パイプ17の途中には、機体底部に設けた循環ポンプ16、異物トラップ18があり、異物トラップ18には排水弁15を介して排水ホース24が接続している。
30は槽カバー31の後面31bの下面(洗濯兼脱水槽9側)に設けた循環水カバーである。図5は、循環水カバー30および給水カバー36を取り付けた槽カバー31の後面31bを下方から見た平面図で、図6図5で循環水カバー30を取り外した状態を示す平面図である。
循環水カバー30は、循環水入口33から流入した洗濯水を槽カバー31の洗濯物投入口31a側に導き、洗濯兼脱水槽9内に散水するために設けたものである。給水カバー36は、給水入口32から流入した水道水を洗濯物投入口31a側に導き、洗濯兼脱水槽9内に散水するために設けたものである。給水カバー36には、洗濯兼脱水槽9内に向かって開口した複数個の散水口35が設けてある。
循環水カバー30には循環水路37が形成されている。循環水路37は一端が循環水入口33とつながっており、他端はノズル34に接続している。循環水路37の周囲は、循環水カバー30の端面をガスケット58に押付けて固定することで水封されている。
図7は、洗濯兼脱水槽9と付属する部品を上方から見た斜視図である。図7のように、フィルターケース40が洗濯兼脱水槽9の内周面に取り付けられており、このフィルターケース40の上下両端は洗濯兼脱水槽9底面と流体バランサー9aの間に支持されている。このフィルターケース40は、上下方向に延在する板状体で形成され、洗濯兼脱水槽9との間に洗濯水が流通可能な隙間を有している。
【0012】
また、フィルターケース40の内周面側(洗濯兼脱水槽9の回転軸中心へ向く側)には、糸屑フィルタ41が組み付けられる部分として凹部が形成されている。このフィルターケース40の凹部には、フィルターケース40の幅方向中央に洗濯水導入孔40aが形成され、裏側に後述するリブ40b,40cが形成される(図9参照)。
【0013】
つぎに、本実施形態における糸屑フィルタ41の構造について説明する。図10に示すように、糸屑フィルタ41は、薄く上下に長い略直方体形状を有し、その内側は中空になっており、下部中央にヒンジが設けられている。ヒンジは、糸屑フィルタ41の表面板41bの下端と、裏面板41cの下端とを軸支することで、このヒンジ周りに表面板41bと裏面板41cとを相対的に回動させる構成となっている。
【0014】
また、糸屑フィルタ41の下部には、フィルターケース40を差し込み固定するための爪部41dが設けられ、糸屑フィルタ41の上部には、着脱可能な係止部41eが設けられている。なお、フィルターケース40の凹部の下側には、爪部41dが嵌入される嵌入穴(図示せず)が形成され、凹部の上側には、係止部41eが係止される係止穴(図示せず)が形成されている。したがって、糸屑フィルタ41をフィルターケース40から取り外し、表面板41bと裏面板41cとを展開して広げれば、糸屑フィルタ41で捕集された糸屑を容易に取り除くことができる。
【0015】
さらに、糸屑フィルタ41の前側には、上下方向の少なくとも下半分を占めるようにフィルタ部41fが形成され、フィルタ部41fが形成されていない上部には、左右横長の窪みで指掛部が形成されている。フィルタ部41fは、略格子状の枠部で複数の孔部が区画され、これらの孔部は、中空の糸屑フィルタ41の内外を連通させる。
【0016】
そして、裏面板41cには、フィルターケース40の洗濯水導入孔40aと対応する位置に、導入口41aが形成されている。この糸屑フィルタ41に設けられる導入口41aは、水流を妨げないように、フィルターケース40の洗濯水導入孔40aよりも大きく開口させることが望ましい。
【0017】
図8は、図7のA−A断面図、図9は、糸屑フィルタ41を取り付けた状態におけるフィルターケース40の背面図である。フィルターケース40の幅方向中央にある洗濯水導入孔40aへは、外槽10と洗濯兼脱水槽9との間の空間に存在する洗濯水43が脱水孔9aを通して流入するとともに、フィルターケース40の左右方向の側面に形成された洗濯水導入経路を通して洗濯兼脱水槽9内の洗濯水42が流入する。
【0018】
ここで、フィルターケース40の導入口40aとの対向面には、糸屑フィルタ41の導入口41aが位置しており、この導入口41aから糸屑フィルタ41内へ流入した洗濯水は、フィルタ部41fでろ過されて洗濯兼脱水槽9内へ吐き出される。このフィルタ部41fのメッシュ状フィルタを通過するときに、洗濯水に含まれる糸屑を捕集する。
【0019】
フィルターケース40の背面側(洗濯兼脱水槽9の回転軸中心と反対側)には、導入口40aの左右両側端から、フィルターケース40の左右両側端へ向かって、一方は下へ傾斜するように、他方は上へ傾斜するように、リブ40b,40cが設けられている。これらのリブは左右の傾斜を逆に形成しても構わない。また、導入口40aの左右両側端からは、フィルターケース40の左右両側端へ向かって水平方向に延びるリブ40d,40eも設けられている。このように、上下方向に傾斜するリブと水平方向へ延びるリブとによって、フィルターケース40の左右の側面から糸屑フィルタ41内へ水を呼び込むための、スリット状の洗濯水導入経路が形成される。
【0020】
そして、上斜めに形成されたリブ40bが、洗濯兼脱水槽9の上部である高水位側の水流を洗濯水導入経路から糸屑フィルタ41内へ整流する。同様に、下斜めに形成されたリブ40cが、洗濯兼脱水槽9の下部である低水位側の水流を洗濯水導入経路から糸屑フィルタ41内へ整流する。したがって、高水位、低水位のどちらでも糸屑を捕集できる。
【0021】
また、基本的に、洗濯兼脱水槽9の回転方向と同じ側の洗濯水導入経路から洗濯水が取り込まれる。そのため、フィルターケース40の傾斜するリブ40b,40cを左右対称に両方に設けることにより、左右どちらの回転においても効率的に高水位・低水位で洗濯水をフィルターケース40から取り込んで糸屑を捕集するように構成しても良い。なお、フィルターケース40の導入口40aの高さについては、洗濯兼脱水槽9内に注水される最高水位に対して半分程度の位置が望ましい。これにより、高水位でも多くの水流をフィルターケース40内に取り込むことが可能となる。
【0022】
なお、フィルターケース40および糸屑フィルタ41は、洗濯兼脱水槽9の内周面に、互いに対向するようにそれぞれ複数設けても良い。また、糸屑フィルタ41の構造は、上述のような格子状の枠を有する折り畳み式のものに限らず、袋状のものであっても良い。また、本実施形態では、循環ポンプ16を用いて洗濯水を循環させる方式の洗濯機について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、洗濯兼脱水槽9の下部の洗濯水を洗濯兼脱水槽9や回転翼43の回転による遠心力で、フィルターケース40の下部の隙間から吸い上げ、フィルターケース40の裏面と洗濯兼脱水槽9との間の隙間を循環流路として水流を上昇させて、糸屑フィルタ41又はその上部に別途設けた散水口から洗濯兼脱水槽9内へ吹出しても良い。
【符号の説明】
【0023】
1 洗濯乾燥機
2 トップカバー
3 外蓋
9 脱水洗濯槽
9a 流体バランサー
10 外槽
11 回転翼盤
31 槽カバー
40 フィルターケース
40a 導入口
41 糸屑フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10