【実施例】
【0090】
本発明は、以下の実施例を参照することでさらに完全に理解されよう。しかし、それらを本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0091】
試薬をAldrich、SigmaおよびPierce BioScience、または以下に示す他の供給業者から購入し、さらに精製せずに使用した。マルチミリグラム〜マルチグラムのスケールの精製を当業者に公知の方法、例えばシリカゲルフラッシュカラムの溶離により行った。また、いくつかの場合では、分取フラッシュカラム精製を、CombiFlashシステムで溶離される使い捨て予備充填マルチグラムシリカゲルカラム(RediSep)の使用により行った。また、Biotage(商標)およびISCO(商標)は、中間体の精製に本発明で使用可能なフラッシュカラム機器である。
【0092】
化合物の同一性および純度を判定する目的で、以下のシステムを使用してLC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)スペクトルを記録した。質量スペクトルの測定では、システムはMicromass Platform II分光計: ポジティブモードのESイオン化(質量範囲: 150〜1200amu)からなる。同時クロマトグラフィー分離を以下のHPLCシステムで実現した: ES Industries Chromegabond WR C-18 3u 120Å(3.2x30mm)カラムカートリッジ;移動相A: 水(0.02% TFA)および相B: アセトニトリル(0.02% TFA);勾配10% B〜90% B、3分;平衡化時間1分;流量2mL/分。いくつかの場合では、分取HPLC中に20ミリモル濃度の酢酸アンモニウムを有効イオン化用調節剤として使用した。そのような場合ではアンモニウム塩を単離した。
【0093】
いくつかの分離では、超臨界流体クロマトグラフィーの使用も有用であり得る。超臨界流体クロマトグラフィー分離は以下の典型的条件でMettler-Toledo Minigramシステムを使用して行った: 12mm ADカラムを超臨界流体CO
2中40% MeOHによって100bar、30℃、2.0mL/分で溶離。塩基性アミノ基を有する分析物の場合、0.2%イソプロピルアミンをメタノール調節剤に加えた。
【0094】
化合物を、Varian Inova 400 MHz NMR分光計またはVarian Mercury 300 MHz NMR分光計を使用する
1H-NMR、およびBruker Apex-II高分解能4.7T FT-質量分析計を使用する高分解能質量分析によって特徴づけた。また、最終化合物を、Thermo Electronが販売するLTQ CL Orbitrapを使用する高分解能質量分析によって特徴づけた。
【0095】
本明細書において使用される略語は以下の通りである。
AIBN 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル
Bu ブチル
DCE 1,2-ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIEA ジエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC-HCl 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エチルアルコール
FCC フラッシュカラムクロマトグラフィー
h 時間
HBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスフェート
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
HRMS 高分解能質量スペクトル
LRMS 低分解能質量スペクトル
LC 液体クロマトグラフィー
L-Pro L-プロリン
MCPBA メタ-クロロ過安息香酸
MeOH メチルアルコール
MW マイクロ波
NIS N-ヨードスクシンイミド
NBS N-ブロモスクシンイミド
NMP 1-メチル-2-ピロリジノン
PdCl
2(dppf) [1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PEGn ポリエチレングリコールのn回繰り返し(例えばPEG2 = -OCH2CH2OCH2CH2-)
PG 保護基
PyBroP ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
rt 室温
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBDMS tert-ブチル-ジメチルシリル
TBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム
テトラフルオロボレート
TMS トリメチルシリル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TPP トリフェニルホスフィン
【0096】
標的化剤として使用される、ICAM-1受容体に対する小分子LFA-1アンタゴニストおよび/またはLFA-1/MAC-1デュアルアンタゴニストの合成
【0097】
パート1: 好ましい中間体
3-(3-メトキシ-フェニル)-プロピオンアミドの調製
3-(3-メトキシ-フェニル)-プロピオン酸(15g、83.2mmol)および4-メチル-モルホリン(10.1ml、91.56mmol)のTHF(150ml)溶液を0℃に冷却し(氷水浴)、クロロギ酸イソプロピル(トルエン中1M、91.6ml、91.56mmol)を20分かけて加えた。混合物を0℃でさらに30分間攪拌した後、7N NH
3/MeOH(24ml、168mmol)を滴下した。混合物を室温に昇温させ、2時間攪拌した。それを10% K
2CO
3水溶液で反応停止させ、EtOAcで抽出した。有機抽出物を一緒にし、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて所望のアミド(11.15g、収率75%)を得た。MS m/e 179.9 (M+H
+)。
【0098】
3-(3-メトキシ-フェニル)-プロピルアミンの調製
3-(3-メトキシ-フェニル)-プロピオンアミド(11.15g、62.26mmol)のTHF(100ml)溶液にTHF中BH
3(2.2g、188mmol)を室温で加えた。溶液を還流温度に4時間加熱し、室温に冷却し、MeOH(50ml)で反応停止させた。溶液を還流温度に30分間加熱し、濃縮し、水で処理し、EtOAcで抽出した。抽出物を10% K
2CO
3水溶液、水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて標記化合物(9.26g、収率90%)を得た。MS m/e 165.9 (M+H
+)。
【0099】
4,6-ジメチル-2-ヒドロキシ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステルの調製
350ml加圧フラスコ中で3-オキソ-ブタン酸エチルエステル(16.27g、125mmol)、アセトアルデヒド(5.51g、125mmol)、尿素(7.51g、125mmol)および氷酢酸(20滴)のエタノール(35ml)中混合物を90℃に終夜加熱した。混合物を水で希釈した。析出物を濾取し、水で洗浄し、風乾させて所望の生成物(17.68g、収率71%)を得た。MS m/e 198.8 (M+H
+)。
【0100】
4,6-ジメチル-2-ヒドロキシ-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステルの調製
50%硝酸の氷冷溶液(120ml)に4,6-ジメチル-2-ヒドロキシ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル(34.63g、174.7mmol)を数回に分けて5分かけて加えた。溶液を0℃で10分間攪拌し、氷水(500ml)に注ぎ、固体K
2CO
3で中和し、クロロホルムで抽出した。一緒にした有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して標記化合物(21.9g、収率71%)を得た。MS m/e 197.1 (M+H
+)。
【0101】
2-クロロ-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステルの調製
POCl
3(106ml)およびDIEA(65ml)の溶液に4,6-ジメチル-2-ヒドロキシ-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル(21.9mg、111.6mmol)を加えた。混合物を110℃に2時間加熱した。過剰のPOCl
3およびDIEAを減圧蒸発により除去した。残渣をEtOAc(1.2l)に溶解させ、脱色炭で処理した。濾過後、溶液を1N NaOH、水およびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をヘキサン中0〜30% EtOAc勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して所望の生成物(9.33g、収率39%)を得た。
【0102】
2-[3-(3-メトキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステルの調製
3-(3-メトキシ-フェニル)-プロピルアミン(2.31g、13.98mmol)、2-クロロ-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル(2g、9.32mmol)のEtOH(12ml)中混合物を160℃で1.5時間マイクロ波処理した。反応混合物を室温に冷却し、10% K
2CO
3で反応停止させ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をヘキサン中30% EtOACを用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して所望の生成物(2.42g、収率76%)を得た。MS m/e 344.1 (M+H
+)。
【0103】
2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ)-4,-ジメチル-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステルの調製
2-[3-(3-メトキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル(2.42g、7.05mmol)のDCM(50ml)溶液を氷水浴中で冷却し、BBr
3/DCM(1M、14.1ml、14.1mmol)を滴下した。得られた溶液を室温に昇温させ、室温で2時間攪拌した。溶液を氷水で反応停止させ、DCMで抽出した。有機層を一緒にし、水およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して所望の生成物(2g、収率86%)を得た。MS m/e 330.1 (M+H
+)。
【0104】
(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステルの調製
2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,5-ジメチル-ピリミジン-5-カルボン酸エチルエステル(2.0g、6.0mmol)のジオキサン(30ml)溶液を水酸化リチウム一水和物(6.3g、150mmol)の水(30ml)溶液で処理した。混合物を90℃で12時間攪拌した後、室温に冷却し、硫酸水素カリウム水溶液で反応停止させてpHを約2〜4に調整した。得られた溶液をEtOAcで抽出した。有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して酸(1.76g)を得て、これを精製せずに次の工程に直接供した。2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボン酸(1.76g、5.84mmol)の無水DMF(60ml)溶液にEt
3N(2.5ml、7.0mmol)、HBTU(2.66g、7.01mmol)、HOBT(0.95g、7.01mmol)およびH-DAP(Boc)OMe塩酸塩(1.79g、7.01mmol)を加えた。混合物を室温で3時間攪拌し、ブライン(200ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機層を1:1飽和炭酸水素ナトリウム/ブラインおよびブラインで洗浄した後、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をヘキサン中40〜100% EtOAc勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物(2.66g、収率91%)を得た。MS m/e 501.9 (M+H
+)。
【0105】
(S)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
(S)-3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル(2.66g, 5.30mmol)のMeOH(10ml)溶液にジオキサン中4.0M HCl(20mL)を加えた。1時間後、混合物を濃縮し、MeOHと共沸した。生成物をエーテルでトリチュレートし、濾過し、エーテルで洗浄して標記化合物(2.16g、収率93%)を得た。MS m/e 401.9 (M+H
+)。
【0106】
(S)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸塩酸塩; LFA-1リガンド1の調製
LiOH水溶液(水2mL中13mg、0.57mmol)にS)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(50mg、0.114mmol)を加え、得られた懸濁液を室温で終夜攪拌した。次に反応混合物を1N塩酸で中和し、凍結乾燥させた。この材料をさらに精製せず次の工程に使用した。
【0107】
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-安息香酸メチルエステルの調製
アセトン(10mL)とDMF(10mL)との混合物中で安息香酸3-ヒドロキシメチル(500mg、3.29mmol)、(3-ブロモ-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(861mg、1.1当量)および炭酸カリウム(2.3g、5当量)を一緒にした。反応混合物を75℃で終夜攪拌した。不溶性材料を濾過し、廃棄し、濾液を減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。酢酸エチルおよびヘキサンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより標記化合物900mgを得た。HRMS m/e 332.1466 (M+Na)
+
【0108】
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-安息香酸の調製
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-安息香酸メチルエステル(900mg)のメタノール(3mL)溶液にLiOH(334mg、5当量)の水(3mL)溶液を加え、得られた反応混合物を45℃で終夜攪拌した。次に反応混合物を1N HClでpH 3に酸性化し、直ちに酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次にそれを減圧濃縮し、酢酸エチルから結晶化させて標記化合物600mgを得た。
HRMS m/e 318.1311 (M+Na)
+
【0109】
(S)-3-[3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステルの調製
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-安息香酸(57mg、0.193mmol)のDMF(1mL)溶液にHBTU(78mg、1.05当量)、DIEA(172μL、5当量)および(S)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(100mg、0.194mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で4時間攪拌した。次にそれを酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。メタノール/塩化メチレンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより標記化合物97mgを得た。
HRMS m/e 679.3447 (M+H)
+
【0110】
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
塩化トリメチルシリル(177μL)をメタノール(2mL)に加え、得られた混合物を室温で5分間攪拌した。次にそれを(S)-3-[3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル(94.6mg、0.139mmol)に加え、得られた反応混合物を室温で週末にかけて攪拌した。次にそれを減圧濃縮し、ジエチルエーテルでトリチュレートして標記化合物84.8mgを得た。HRMS m/e 579.2925 (M+H)
+
【0111】
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸LAF-1リガンド2の調製
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(82.6mg、0.134mmol)をメタノール(1mL)および2M NaOH(336μL、5当量)に溶解させ、得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した。次にそれを1N HClで中和し、凍結乾燥させ、さらに精製せずに次の工程に使用した。MS m/e 565.5 (M+H)
+
【0112】
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-安息香酸メチルエステルの調製
アセトン(50mL)とDMF(50mL)との混合物中で安息香酸3,5-ジヒドロキシメチル(1.8g、10.7mmol)、(3-ブロモ-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.3g、5.46mmol)および炭酸カリウム(1.5g、10.8mmol)を一緒にした。反応混合物を75℃で終夜攪拌した。粗反応混合物を減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。酢酸エチルおよびヘキサンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより標記化合物462mgを得た。HRMS m/e 348.1417 (M+Na)
+
【0113】
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-安息香酸の調製
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-安息香酸メチルエステル(1.2g、3.69mmol)の2M NaOH(9.2mL、5当量)溶液に水(20mL)を加え、得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した。次に反応混合物を1N HClで中和し、直ちに酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次にそれを減圧濃縮して標記化合物1.0gを得た。MS m/e 211.8 (M+H-Boc)
+
【0114】
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-安息香酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステルの調製
3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-安息香酸(500mg、1.606mmol)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(185mg、1当量)のTHF(20mL)中冷却溶液にDCC(332mg、1当量)を加えた。1時間後、冷却浴を取り外した。不溶性材料を濾過し、廃棄した。濾液を減圧濃縮し、粗材料を酢酸エチルおよびヘキサンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物602mgを得た。HRMS m/e 431.1426 (M+Na)
+
【0115】
(S)-3-[3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステルの調製
(S)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(476.4mg、0.924mmol)のDMF(5mL)溶液にDIEA(321μL、3当量)および3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-安息香酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(377mg、1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で2時間攪拌した。次にそれを酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗材料をメタノール/塩化メチレンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物301mgを得た。
HRMS m/e 695.3395 (M+H)
+
【0116】
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
塩化トリメチルシリル(548μL)をメタノール(5mL)に加え、得られた溶液を室温で1分間攪拌した。次に(S)-3-[3-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル(299.6mg、0.431mmol)を加え、室温での攪拌を終夜続けた。メタノールを減圧除去し、残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして標記化合物272mgを得た。HRMS m/e 595.2875 (M+H)
+
【0117】
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸; LFA-1リガンド3の調製
水(1mL)とメタノール(1mL)との混合物に(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(100mg、0.158mmol)を溶解させた後、2N NaOHを加えた(400μL、5当量)。反応混合物を室温で3時間攪拌した。次にそれを1N HClで中和し、凍結乾燥させ、さらに精製せずに次の工程に使用した。MS m/e 581.1 (M+H)
+
【0118】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-トリイソプロピルシラニルオキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]-プロピオン酸メチルエステルの調製
2,6-ジクロロ-4-トリイソプロピルシラニルオキシ-安息香酸(50mg、0.138mmol)のトルエン(2mL)溶液に塩化チオニル(50μL、0.69mmol)を加えた。得られた溶液を2時間還流させた。次に塩化チオニルおよびトルエンを減圧除去した。油状残渣を塩化メチレン(3mL)に再溶解させ、0℃に冷却した。次にDIEA(72μL、0.414mmol)および(S)-3-(4-アミノ-フェニル)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸メチルエステル(43mg、0.145mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で週末にかけて攪拌した。粗材料を酢酸エチルおよびヘキサンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物87mgを得た。HRMS m/e 661.2237 (M+Na)
+
【0119】
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]-プロピオン酸メチルエステルの調製
(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-トリイソプロピルシラニルオキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]-プロピオン酸メチルエステル(84.7mg、0.132mmol)のTHF(1mL)溶液にTBAF(THF中1M溶液199μL)を加え、得られた混合物を室温で終夜攪拌した。溶媒を減圧除去し、酢酸エチルに再溶解後に残渣を水およびブラインで洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗材料を酢酸エチルおよびヘキサンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物50.3mgを得た。HRMS m/e 505.0903 (M+Na)
+
【0120】
(S)-2-アミノ-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
TMSCl(1.4mL、11.3mmol)のMeOH(15mL)溶液に(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]-プロピオン酸メチルエステル(548mg、1.13mmol)を加え、得られた混合物を室温で終夜攪拌した。粗混合物を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして標記化合物379mgを得た。HRMS m/e 383.0561 (M+H)
+
【0121】
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ベンジル]-2-クロロ-テレフタルアミド酸メチルエステルの調製
2-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-ベンジル)-テレフタルアミド酸メチルエステルの調製は特許WO 01/58853号に記載されている。2-クロロ-N-(3-ヒドロキシ-ベンジル)-テレフタルアミド酸メチルエステル(4.0g、12.54mmol)、TBDMSCl(2.3g、15.0mmol)およびイミダゾール(1.9g、27.6mmol)をDMF(80mL)に溶解させ、室温で終夜攪拌した。次に反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗材料を酢酸エチルおよびヘキサンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物5.0gを得た。MS m/e 433.9 (M+H)
+
【0122】
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ベンジル]-2-クロロ-テレフタルアミド酸の調製
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ベンジル]-2-クロロ-テレフタルアミド酸メチルエステル(4.9g、11.29mmol)の1,2-ジクロロエタン(80mL)溶液に水酸化トリメチルスズ(20.4g、112.9mmol)を加え、得られた反応混合物を80℃で8時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解させた。次にそれをKHSO
4水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカパッドを通じて濾過した。濾液を減圧濃縮して標記化合物4.0gを得た。HRMS m/e 420.1393 (M+H)
+
【0123】
(S)-2-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ベンジルカルバモイル]-2-クロロ-ベンゾイルアミノ}-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]-プロピオン酸メチルエステルの調製
N-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ベンジル]-2-クロロ-テレフタルアミド酸(103mg、0.246mmol)のDMF(2mL)溶液にHBTU(103mg、0.271mmol)、DIEA(128μL、0.738mmol)および(S)-2-アミノ-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(103mg、0.246mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で週末にかけて攪拌した。次にそれを酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。粗材料をメタノール/塩化メチレンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物100mgを得た。HRMS m/e 784.1776 (M+H)
+
【0124】
(S)-3-{4-[4-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロベンゾイルアミノ]-フェニル}-2-[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸メチルエステルの調製
(S)-2-{4-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ベンジルカルバモイル]-2-クロロ-ベンゾイルアミノ}-3-[4-(2,6-ジクロロ-4-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ)-フェニル]-プロピオン酸メチルエステル(91.5mg、0.116mmol)のアセトン(1mL)とDMF(1mL)との混合物中溶液に炭酸カリウム(48mg、3当量)および(3-ブロモ-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(33mg、1.2当量)を加えた。得られた反応混合物を75℃で終夜攪拌した。次にそれを酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗材料をメタノール/塩化メチレンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーで精製して標記化合物76.5mgを得た。HRMS m/e 827.2016 (M+H)
+
【0125】
(S)-3-{4-[4-(3-アミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロ-ベンゾイルアミノ]-フェニル}--[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩の調製
塩化トリメチルシリル(100μL、10当量)をメタノール(2mL)に加えた。5分後、得られた溶液を(S)-3-{4-[4-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロベンゾイルアミノ]-フェニル}-2-[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸メチルエステル(65.6mg、0.079mmol)に加え、温度で終夜攪拌した。粗反応混合物を濃縮し、ジエチルエーテルでトリチュレートして標記化合物60.4mgを得た。HRMS m/e 727.1492 (M+H)
+
【0126】
(S)-3-{4-[4-(3-アミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロ-ベンゾイルアミノ]-フェニル}-2-[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸; LFA-1リガンド4の調製
(S)-3-{4-[4-(3-アミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロ-ベンゾイルアミノ]-フェニル}--[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸メチルエステル塩酸塩(55mg、0.072mmol)のメタノール(1mL)溶液に2M NaOH水溶液(178μL、5当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した。次にそれを1N HClで中和し、凍結乾燥させ、さらに精製せずに次の工程に使用した。MS m/e 713.0 (M+H)
+
【0127】
実施例1
LFA-1リガンド試薬1の調製
(S)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸塩酸塩(0.114mmol)のアセトニトリル(1mL)溶液、ならびにスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-テトラエチレングリコール]エステル(58mg、0.114mmol)のDMSO 1mLおよびジイソプロピルエチルアミン(40μL、0.228mmol)溶液。両溶液を一緒にし、室温で30分間攪拌した。粗反応混合物を減圧濃縮し、SFCで精製して標記生成物51mgを得た。HRMS m/e 786.3665 (M+H)
+
【0128】
実施例2
LFA-1リガンド試薬2の調製
(S)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸塩酸塩およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-オクタエチレングリコール]エステルを用いて、実施例1に示すのと同様にして標記化合物を調製した。
HRMS m/e 984.4530 (M+Na)
+
【0129】
実施例3
LFA-1リガンド試薬3の調製
(S)-3-アミノ-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸塩酸塩およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-ドデカエチレングリコール]エステルを用いて、実施例1に示すのと同様にして標記化合物を調製した。
HRMS m/e 1138.5761 (M+H)
+
【0130】
実施例4
LFA-1リガンド試薬4の調製
(S)-3-{4-[4-(3-アミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロ-ベンゾイルアミノ]-フェニル}-2-[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸(0.196mmol)のDMSO(2mL)溶液にDIEA(102μL、3当量)およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-オクタエチレングリコール]エステル(135mg、1当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。粗材料をHPLCで精製して標記化合物105mgを得た。
HRMS m/e 1287.4077 (M+H)
+
【0131】
実施例5
LFA-1リガンド試薬5の調製
(S)-3-{4-[4-(3-アミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロ-ベンゾイルアミノ]-フェニル}-2-[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-テトラエチレングリコール]エステルを用いて、実施例4に示すのと同様にして標記化合物を調製した。
HRMS m/e 1111.3021 (M+H)
+
【0132】
実施例6
LFA-1リガンド試薬6の調製
(S)-3-{4-[4-(3-アミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロ-ベンゾイルアミノ]-フェニル}-2-[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-ドデカエチレングリコール]エステルを用いて、実施例4に示すのと同様にして標記化合物を調製した。
HRMS m/e 732.2595 (M+2H)
2+
【0133】
実施例7
LFA-1リガンド試薬7の調製
(S)-3-{4-[4-(3-アミノ-プロポキシ)-2,6-ジクロロ-ベンゾイルアミノ]-フェニル}-2-[2-クロロ-4-(3-ヒドロキシ-ベンジルカルバモイル)-ベンゾイルアミノ]-プロピオン酸(0.131mmol)のDMSO(2mL)溶液にDIEA(46μL、2当量)および3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-アセチルスルファニル-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ}-エトキシ)-エトキシ]-プロピオン酸2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルエステル(78mg、1当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌した。粗材料をHPLCで精製して標記化合物114mgを得た。
HRMS m/e 1195.3511 (M+H)
+
【0134】
実施例8
LFA-1リガンド試薬8の調製
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-オクタエチレングリコール]エステルを用いて、実施例1に示すのと同様にして標記化合物を調製した。
HRMS m/e 1139.5511 (M+H)
+
【0135】
実施例9
LFA-1リガンド試薬9の調製
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-オクタエチレングリコール]エステルを用いて、実施例1に示すのと同様にして標記化合物を調製した。
HRMS m/e 1155.5448 (M+H)
+
【0136】
実施例10
LFA-1リガンド試薬10の調製
(S)-3-[3-(3-アミノ-プロポキシ)-5-ヒドロキシ-ベンゾイルアミノ]-2-({2-[3-(3-ヒドロキシ-フェニル)-プロピルアミノ]-4,6-ジメチル-ピリミジン-5-カルボニル}-アミノ)-プロピオン酸およびスクシンイミジル-[(N-マレイミドプロピオンアミド)-テトラエチレングリコール]エステルを用いて、実施例1に示すのと同様にして標記化合物を調製した。
HRMS m/e 979.4403 (M+H)
+
【0137】
フルオレセイン(FITC)標識標的化試薬の調製
標的化試薬は、標的化小分子に対する受容体を発現する細胞へのそれらの結合の追跡を試験するために有用であり得るフルオロフォアで誘導体化することができる。そのような分子は2つの方法の一方または両方で作製することができる。第一に、標的化マレイミドと2-[(5-フルオレセイニル)アミノカルボニル]エチルメルカプタンとの反応を行うことが可能である。あるいは、インテグリンアンタゴニスト小分子標的化リガンドのワンポット反応を行うことが可能であり、2-[(5-フルオレセイニル)アミノカルボニル]エチルメルカプタン、ならびにスキーム17および18に示す二官能性PEG試薬を用いる。
【0138】
方法a)の例
(S)-N-[4-[3-[3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-ピロール-1-イル)-プロピオニルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-プロピオニルアミノ]プロポキシ]-フェニル]-3-[2-[3-(グアニジノ)-ベンゾイルアミノ]-アセチルアミノ]-スクシンアミド酸-FITCの調製
(S)-N-[4-[3-[3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-ピロール-1-イル)-プロピオニルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-プロピオニルアミノ]プロポキシ]-フェニル]-3-[2-[3-(グアニジノ)-ベンゾイルアミノ]-アセチルアミノ]-スクシンアミド酸(37.5mg、0.03mmol)および2-[(5-フルオレセイニル)アミノカルボニル]エチルメルカプタン(FITC試薬)(15.6mg、0.036mml)のメタノール(5mL)中黄色懸濁液に過剰のDIPEA(38.7mg、52uL、0.3mmol)を窒素雰囲気下、室温で加えた。得られた明黄色懸濁液を2時間攪拌し、その時点でLCMS分析は出発原料の非存在を示した。次に、過剰のDIPEAを減圧除去し、所望の生成物をHPLCを使用する精製によって単離して(S)-N-[4-[3-[3-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[2-[3-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-ピロール-1-イル)-プロピオニルアミノ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]-プロピオニルアミノ]プロポキシ]-フェニル]-3-[2-[3-(グアニジノ)-ベンゾイルアミノ]-アセチルアミノ]-スクシンアミド酸-FITC誘導体25mg(収率50%)を褐色固体として得た。
【0139】
方法b)の例
【0140】
工程1. シスタミン二塩酸塩(68mg、0.301mmol)およびDIEA(110μL、2.1当量)をDMF(10mL)に溶解させた後、5-および6-カルボキシフルオレセインの混合物であるNHS-フルオレセイン(300mg、0.634mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した。次にそれを酢酸エチルで希釈し、水で3回、ブラインで1回洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮し、少量のメタノールおよび酢酸エチルに再溶解させた後、ジエチルエーテルでトリチュレートしてフルオレセイン-シスタミン付加体140mgを明橙色固体として得た。
【0141】
工程2. フルオレセイン-シスタミン付加体(80mg、0.092mmol)をメタノールおよび水の3:1混合物(4mL)に溶解させ、TCEP塩酸塩(80mg、3当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で2時間攪拌した。生成物をHPLCで精製して生成物78mgを得た。LRMS (ESI) 435.0
【0142】
フルオレセイン標識小分子-PEG結合体の調製
【0143】
一般的手順
リガンド(1当量)のDMSO溶液にDIEA(2当量)およびSM(PEG)
4n(1当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で1時間攪拌した。次に、チオールハンドルを有するフルオレセイン(1当量)を加え、反応混合物をさらに10分間攪拌した。生成物をHPLCで精製した。
【0144】
5'-チオール-siRNAオリゴヌクレオチドへの小分子インテグリン標的化リガンドの共有結合の手順
siRNAの調製
オリゴリボヌクレオチド合成
ABI 394合成機(Applied Biosystems)を10μmolスケールで使用する固相上でのホスホラミダイト技術に従ってオリゴリボヌクレオチドを合成した。配列:
センス鎖
アンチセンス鎖
【0145】
対応するsiRNAはハウスキーピング遺伝子AHA1に対するものである。細孔制御ガラスでできた固体支持体(CPG、520Å、負荷75μmol/g、米国ペンシルベニア州アストンのPrime Synthesisから得た)上で合成を行った。定型的RNAホスホラミダイトである2'-O-メチルホスホラミダイト、および補助試薬をProligo(ドイツ・ハンブルク)から購入した。具体的には、以下のアミダイトを使用した: (5'-O-ジメトキシトリチル-N
6-(ベンゾイル)-2'-O-t-ブチルジメチルシリル-アデノシン-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト、5'-O-ジメトキシトリチル-N
4-(アセチル)-2'-O-t-ブチルジメチルシリル-シチジン-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト、(5'-O-ジメトキシトリチル-N
2-(イソブチリル)-2'-O-t-ブチルジメチルシリル-グアノシン-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイトおよび5'-O-ジメトキシトリチル-2'-O-t-ブチルジメチルシリル-ウリジン-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト。2'-O-メチルホスホラミダイトは定型的RNAアミダイトと同一の保護基を有していた。すべてのアミダイトを無水アセトニトリル(100mM)に溶解させ、モレキュラーシーブ(3Å)を加えた。オリゴマーの5'-末端においてスルフヒドリルリンカーを生成させるために、Glen Research(米国バージニア州スターリング)からの1'-[(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)]-ホスホラミダイトリンカーである1-O-ジメトキシトリチル-ヘキシル-ジスルフィドを使用した。小分子の結合体化の前に、トリス-(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、以下参照)を使用してジスルフィドリンカーを還元した。Nu547フルオロフォアによる5'-末端標識のために、Thermo Fisher(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から得た対応するホスホラミダイトを使用した。5-エチルチオテトラゾール(ETT、アセトニトリル中500mM)をアクチベーター溶液として使用した。カップリング時間は6分とした。ホスホロチオエート結合を導入するために、3-エトキシ-1,2,4-ジチアゾリン-5-オン(EDITH、スコットランド・ラナークシャーのLink Technologiesから得た)の無水アセトニトリル中100mM溶液を使用した。
【0146】
支持体結合オリゴマーの開裂および脱保護
固相合成の完了後、乾燥固体支持体を15mL管に移し、メタノール中メチルアミン(2M、Aldrich)によって45℃で180分間処理した。遠心分離後、上澄み液を新たな15mL管に移し、CPGをN-メチルピロリジン-2-オン(NMP、スイス・ブックス、Fluka)1200μLで洗浄した。洗浄液をメチルアミンのメタノール溶液と一緒にし、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(TEA・3HF、ドイツ・カールスルーエ、Alfa Aesar)450μLを加えた。この混合物を65℃に150分間到達させた。室温に冷却後、NMP 0.75mLおよびエトキシトリメチルシラン(スイス・ブックス、Fluka)1.5mLを加えた。10分後、析出したオリゴリボヌクレオチドを遠心分離により収集し、上澄み液を廃棄し、固体を緩衝液A(以下参照)1mL中で再構成した。
【0147】
オリゴリボヌクレオチドの精製
粗オリゴリボヌクレオチドを、AKTA Explorerシステム(GE Healthcare)上で分取22x250mm DNA Pac 100カラム(ドイツ・イトシュタイン、Dionex)を使用する強アニオン交換(SAX)HPLCにより精製した。緩衝液Aは10mM NaClO
4、1mM EDTA、10mMトリス(pH 7.4)、6M尿素および20%アセトニトリルからなっていた。緩衝液Bは緩衝液A中に500mM NaClO
4を有していた。流量4.5mL/分を使用した。260および280nmでのUVトレースを記録した。55分以内の20%B〜45%Bの勾配を使用した。適切な画分をプールし、3M NaOAc(pH=5.2)および70%エタノールで析出させた。
【0148】
粗Nu547標識オリゴマーを、AKTA Explorerシステム(GE Healthcare)上でXTerra Prep MS C8 10x50mmカラム(ドイツ・エシュボルン、Waters)を使用するRP HPLCにより精製した。緩衝液Aは100mM酢酸トリエチルアンモニウム(オランダ・ファルケンスワールト、Biosolve)であり、緩衝液Bは緩衝液A中に50%アセトニトリルを含有していた。流量5mL/分を使用した。260、280および547nm(Nu547標識オリゴリボヌクレオチドの場合)でのUVトレースを記録した。58個のカラム体積(CV)以内の5%B〜60%Bの勾配を使用した。適切な画分をプールし、3M NaOAc(pH=5.2)および70%エタノールで析出させた。
【0149】
最後に、精製オリゴマーを、Sephadex G-25(GE Healthcare)を含むカラム上でのサイズ排除クロマトグラフィーにより脱塩した。溶液の濃度を、UV光度計(ドイツ・クレーフェルト、Beckman Coulter)中、260nmでの吸光度測定により決定した。アニーリングまで、個々の鎖を-20℃で凍結溶液として貯蔵した。
【0150】
小分子RNA結合体の調製
マレイミド官能基を備えた小分子を、チオエーテル結合を通じた共有結合により、RNAと結合体化させた。この化学反応を可能にするために、5'-ジスルフィドリンカーを含有するRNA約60mgを、TCEP(水中0.5M、Sigma Aldrichから得た)1mLを使用して水(5mL)中で対応するチオールに還元した。分析用アニオン交換HPLCが反応の完了を示した時点で(室温で約2時間)、RNAをエタノール/3M NaOAc(pH 5.4)32:1(v/v)30mLによって-20℃で終夜析出させた。ペレットを遠心分離により収集し、引き続く小分子の結合体化に使用した。
【0151】
典型的な結合体化反応において、RNA 10mgをリン酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH 7.0)2mLに溶解させた。この溶液にACN/NMP 1:1(v/v)中小分子(0.12mM)を5分かけて加えた。RP LC-ESI MSが入力RNAの消費を示した時点で、混合物を水(約10mL)で希釈し、エタノール/3M NaOAc(pH 5.4)32:1(v/v)約40mLを-20℃で終夜加えて、結合体化されたRNAを析出させた。ペレットを遠心分離により収集し、水に溶解させ、必要であれば上記に示す手順に従ってアニオン交換HPLCで精製した。結合体が十分に純粋である場合、反応混合物をサイズ排除カラム(Sephadex G-25、GE Healthcare)を通じて濾過した。
【0152】
siRNAを生成させるためのオリゴリボヌクレオチドのアニーリング
等モルのRNA溶液を組み合わせることで相補鎖をアニールした。混合物を凍結乾燥させ、適切な量のアニーリング緩衝液(100mM NaCl、20mMリン酸ナトリウム、pH 6.8)で再構成することで所望の濃度を実現した。この溶液を95℃の水浴に入れ、3時間以内に室温に冷却した。表3: siRNA配列情報;小文字: 2'-OMeヌクレオチド;s: ホスホロチオエート結合;dT: デオキシチミジン;(C6SSC6): C-6ジスルフィドリンカー;(Cy5): シアニン5色素。
【0153】
sLFA-1/ICAM-1 ELISA相互作用およびMac-1/ICAM-1相互作用に対する標的化分子の効果を評価するために以下のアッセイを行った。
【0154】
二価カチオン緩衝液(1mM MnCI
2、0.14M NaCl、20mM HEPES pH 7.2)中2.0ug/mlのsLFA-1またはMac-1受容体溶液50μl/ウェルによって、プレートを4℃で終夜コーティングした。各ウェルにブロッキング緩衝液(二価カチオン緩衝液中1% BSA)250μlを加え、37℃で1時間置いた。プレートを洗浄緩衝液(TBS/0.05% Tween-20/1mM MnCl
2)で3回洗浄した。試験化合物をDMSOに可溶化した。一連の1:3希釈を行って濃度範囲0.45nM〜3uMとした。結合緩衝液(二価カチオン緩衝液中0.5% BSA)/1% DMSO 50μlおよび試験溶液50μlを適切なウェルに加え、1時間インキュベートした。5dICAM-Fc(27ng/ml)50μlを適切なウェルに加え、結合緩衝液50μlを非特異的結合ウェルに加え、2時間インキュベートし、洗浄した。1:4000 HRP-ヤギ抗huIgG 100μlを各ウェルに加え、1時間インキュベートし、洗浄した。1:1 TMB溶液100μlを各ウェルに加え、室温で20分間発色させた。H
3PO
4 100μlを各ウェルに加えることで発色を停止させた。吸光度を450nmで測定した。これらの結果を以下の表4および表5に示す。
【0155】
対照化合物(142および143)のIC
50はそれぞれ約37nMおよび11nMであると決定された。おそらく、細胞のLFA-1受容体は対照化合物に結合または会合した。
【0156】
標的化送達のための、FITCフルオロフォアおよびsiRNAに共有結合により連結されたインテグリンアンタゴニストの小分子誘導体の細胞透過性および局在の証拠
手順
成長培地(10% FBSを有するRPMI 1640)中で、AML MV4-11細胞を二本鎖-27(500nM)と共に37℃で1時間インキュベートした。VLA-4非依存性結合を決定するために、VLA-4依存性結合をブロッキングする1つの条件に140(10μM)を含めた。インキュベーション後、細胞をD-PBSで2回洗浄し、1%パラホルムアルデヒド中で10分間固定した。ImageStreamx(シアトル、Aminis Corporation)を使用するイメージングフローサイトメトリーによってsiRNAの取り込みを分析した。結果を表Aおよび
図1〜4に示す。
【0157】
(表A)
【0158】
細胞系におけるAHA1 mRNAをノックダウンするための、5'-センス鎖を修飾したsiRNAのアッセイ
材料および方法
【0159】
リバーストランスフェクション: DharmaFect-1トランスフェクション試薬を0.15μl/ウェルで使用して、明記されたsiRNAを最終濃度50nMでH1299細胞にトランスフェクションした。次に、細胞を96ウェルプレートに5000細胞/ウェルでプレーティングし、37℃で48時間インキュベートした。
【0160】
siRNAによるノックダウンの有効性を、ベンダーが報告した通りに分岐DNAアッセイによって測定した。そのようなノックダウンの結果を
図5に示す。相対的な細胞生存率を、同一ウェルにおけるGAPDHの絶対発現量によって評価した(
図6)。
【0161】
反対の記述がない限り、実施例中のすべての化合物は上記のように調製し、特徴づけた。本明細書において引用されるすべての特許および刊行物は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。