【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、第1の態様によると、本発明の主題は、
100mol%に対して、
a)50%以上かつ99%以下のモル比の遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマーに由来するモノマー単位、
b)1%以上かつ50%以下のモル比の式(I):
【化1】
(式(I)中、ラジカルR
1は水素原子又はメチルラジカルを表し、nは1、2又は3に等しい整数を表す)のモノマー、
c)任意で、0%超かつ5mol%以下のモル比の少なくとも1つの式(II):
【化2】
(式(II)中、mは0以上かつ50以下の数を表し、R
2は2個〜4個の炭素原子を含む不飽和の脂肪族一価ラジカルを表し、R
4は水素原子、メチルラジカル又はエチルラジカルを表し、R
3は8個〜30個の炭素原子を含む線状又は分岐、飽和又は不飽和の炭化水素系脂肪族ラジカルを表す)のモノマーに由来するモノマー単位、及び、
d)任意で、0%超かつ5%以下のモル比の少なくとも1つのジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマー、
の重合によって得られる線状、分岐又は架橋アニオン性高分子電解質である。
【0011】
「分岐高分子電解質」という用語は、ペンダント鎖を有し、水に溶解すると、低い速度勾配で非常に高い粘度をもたらす高度に絡み合った状態が得られる非線状高分子電解質を表す。
【0012】
「架橋高分子電解質」という用語は、不水溶性であるが水膨潤性であり、したがって化学ゲルが得られる三次元網目構造の形態である非線状高分子電解質を表す。
【0013】
本発明による方法によって得られる高分子電解質は、架橋単位及び/又は分岐単位を含み得る。
【0014】
本発明の特定の態様によると、上に規定した式(I)において、nは1に等しい。
【0015】
本発明の別の特定の態様によると、上に規定した式(I)において、R
1がメチルラジカルを表す。
【0016】
「遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマー」という用語は、とりわけスルホン酸官能基(−SO
3H)を有するモノマーを表す。
【0017】
特定の態様によると、上記遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含む少なくとも1つのモノマーは遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸である。
【0018】
「部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基」という用語は、本発明において、とりわけアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩若しくはカリウム塩の形態、又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化した酸官能基を表す。
【0019】
別の特定の態様によると、本発明の主題は、上記部分的に又は完全に塩化した強酸官能基を含む少なくとも1つのモノマーが、アンモニウム塩形態で部分的に又は完全に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸である、先に規定したアニオン性高分子電解質である。
【0020】
別の特定の態様によると、線状、分岐又は架橋高分子電解質は、遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマーに由来するモノマー単位のモル比が95%以下であることを特徴とする。
【0021】
本発明の別の特定の態様によると、上に規定した高分子電解質は、遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマーに由来するモノマー単位のモル比が60%以下であることを特徴とする。
【0022】
先に規定した式(II)において、二価ラジカル:
【化3】
はとりわけ、
エトキシル基のみから構成される鎖(R
4=H、n>0)、又は、
プロポキシル基のみから構成される鎖(R
4=CH
3、n>0)、又は、
ブトキシル基のみから構成される鎖(R
4=C
2H
5、n>0)、又は、
エトキシル基、プロポキシル基及び/又はブトキシル基から選ばれる少なくとも2つの異なる基から構成される鎖、
を表す。
【0023】
この鎖が異なる基から構成される場合、これらの基はこの鎖に沿ってブロックで又はランダムに分布する。
【0024】
「8個〜30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の線状炭化水素系脂肪族ラジカル」という用語は、より具体的には先に規定した式(II)におけるR
3について、
線状第一級アルコールに由来するラジカル、例えばオクチルアルコール、ペラルゴン(pelargonique)アルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ウンデセニルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、
オレイルアルコール、リノレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール若しくは1−トリアコンタニルアルコールに由来するラジカル(これらはオクチルラジカル、ノニルラジカル、デシルラジカル、ウンデシルラジカル、10−ウンデセニルラジカル、ドデシルラジカル、トリデシルラジカル、テトラデシルラジカル、ペンタデシルラジカル、ヘキサデシルラジカル、ヘプタデシルラジカル、オクタデシルラジカル、9−オクタデセニルラジカル、10,12−オクタデカジエニルラジカル、13−ドコセニルラジカル又はトリアコンタニルラジカルである)、又は、
一般式:
【化4】
(式中、pは2〜14の整数を表す)に対応する分岐1−アルカノールであるゲルベアルコールに由来するラジカル、例えば2−エチルヘキシルラジカル、2−プロピルヘプチルラジカル、2−ブチルオクチルラジカル、2−ペンチルノニルラジカル、2−ヘキシルデシルラジカル若しくは2−オクチルドデシルラジカル、又は、
一般式:
【化5】
(式中、mは2〜26の整数を表す)に対応するイソアルカノールに由来するラジカル、例えば4−メチルペンチルラジカル、5−メチルヘキシルラジカル、6−メチルヘプチルラジカル、15−メチルペンタデシルラジカル若しくは16−メチルヘプタデシルラジカル、又は、
2−ヘキシルオクチルラジカル、2−オクチルデシルラジカル若しくは2−ヘキシルドデシルラジカル、
を表す。
【0025】
「8個〜30個の炭素原子を含む線状又は分岐、飽和又は不飽和の炭化水素系脂肪族ラジカル」という用語は、より具体的には先に規定した式(II)におけるR
3について、12個〜22個の炭素原子を含むアルキルラジカルを表す。
【0026】
先に規定した式(II)において、mはより具体的には0以上かつ25以下の数を表す。
【0027】
先に規定した式(II)において、R
2はより具体的にはビニルラジカル(CH
2=CH−)又はイソプロペニルラジカル[CH
2=C(CH
3)−]を表す。
【0028】
本発明のより具体的な態様によると、先に規定した上記式(II)のモノマーは、
R
3がドコサニルラジカルを表し、R
2がイソプロペニルラジカルを表し、R
4が水素原子を表し、nが25に等しい、先に規定した式(II)の化合物であるペンタコサエトキシル化ベヘニルメタクリレート、
R
3がドデシルラジカルを表し、R
2がビニルラジカルを表し、R
4が水素原子を表し、nが4に等しい、先に規定した式(II)に対応する化合物であるテトラエトキシル化ラウリルアクリレート、
R
3がステアリルラジカルを表し、R
2がイソプロペニルラジカルを表し、R
4が水素原子を表し、nが20に等しい、先に規定した式(II)の化合物であるエイコサエトキシル化ステアリルメタクリレート、
R
3がドデシルラジカルを表し、R
2がイソプレニルラジカルを表し、R
4が水素原子を表し、nが4に等しい、先に規定した式(I)に対応する化合物であるテトラエトキシル化ラウリルメタクリレート、又は、
R
3がステアリルラジカルを表し、R
2がイソプロペニルラジカルを表し、R
4が水素原子を表し、nが0に等しい、先に規定した式(II)の化合物であるステアリルメタクリレート、
から選ばれる。
【0029】
特定の態様によると、本発明の主題は、より具体的には、
100mol%に対して、
a)60%以上かつ90%以下のモル比の遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマーに由来するモノマー単位、
b)9%以上かつ35%以下のモル比の式(I)のモノマーに由来するモノマー単位、及び、
c)1%以上かつ5%以下のモル比の式(II)の化合物に由来するモノマー単位、
の重合によって得られる、先に規定した高分子電解質である。
【0030】
本発明の別の特定の態様によると、先に規定した高分子電解質が架橋されている。
【0031】
後者の態様によると、上記少なくとも1つのジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマーは、とりわけジアリルオキシ酢酸又はその塩、例えばそのナトリウム塩、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素若しくはメチレンビス(アクリルアミド)、又はこれらの化合物の幾つかの混合物から選ばれる。
【0032】
本発明の最も具体的な態様によると、使用される架橋剤はメチレン−ビス(アクリルアミド)又はトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)である。
【0033】
次に、架橋剤は概して0.005mol%〜5mol%、より具体的には0.5mol%〜2mol%の使用されるモノマーに対して表されるモル比で使用される。
【0034】
特定の態様によると、本発明の主題は、より具体的には、
100mol%に対して、
a)60%以上かつ90%以下のモル比の遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマーに由来するモノマー単位、
b)9.99%以上かつ35%以下のモル比の式(I)のモノマーに由来するモノマー単位、及び、
d)0.01%以上かつ5mol%以下のモル比の少なくとも1つのジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマーに由来するモノマー単位、
の重合によって得られる、先に規定した高分子電解質である。
【0035】
別の特定の態様によると、本発明の主題は、より具体的には、
100mol%に対して、
a)60%以上かつ90%以下のモル比の遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマーに由来するモノマー単位、
b)9.99%以上かつ35%以下のモル比の式(I)のモノマーに由来するモノマー単位、
c)0.005%以上かつ5mol%以下のモル比の式(II)の化合物に由来するモノマー単位、及び、
d)0.005%以上かつ5mol%以下のモル比の少なくとも1つのジエチレン系又
はポリエチレン系架橋モノマーに由来するモノマー単位、
の重合によって得られる、先に規定した高分子電解質である。
【0036】
本発明の主題は最も具体的には、
100mol%に対して、
a)60%以上かつ90%以下のモル比の遊離の、ナトリウム塩形態又はアンモニウム塩形態で部分的に塩化した又は完全に塩化した2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位、
b)9%以上かつ35%以下のモル比の2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートに由来するモノマー単位、
c)0.5mol%以上かつ2mol%以下のモル比のステアリルメタクリレートに由来するモノマー単位、及び、
d)0.5%以上かつ3%以下のモル比のトリメチロールトリアクリレート、
の重合によって得られる、架橋アニオン性高分子電解質である。
【0037】
本発明の主題は、先に規定した高分子電解質を調製する方法であって、
a)所望のモル比及び溶媒(S)中で、遊離の、部分的に塩化した又は完全に塩化した強酸官能基を含むモノマー(複数の場合もあり)、式(I)のモノマー(複数の場合もあり)、必要又は所望に応じて式(II)の化合物に由来するモノマー単位、及び必要又は所望に応じてジエチレン系又はポリエチレン系架橋モノマー(複数の場合もあり)を含む反応混合物を調製する工程であって、上記溶媒(S)が、
式(III):
【化6】
(式中、R
5及びR
6は同一であっても又は異なっていてもよく、互いに独立してメチルラジカル、エチルラジカル、イソプロピルラジカル又はイソブチルラジカルを表す)のケトン、又は、
100mol%に対して、
0mol%超かつ25mol%以下の割合の水、及び、
75mol%以上かつ100%未満の割合の上に規定した式(III)のケトン、
からなる混合物、又は、
tert−ブタノール、
である、工程と、
b)工程a)で調製した上記反応混合物に、フリーラジカル開始剤を投入することによって重合反応を開始させるとともに、終了するまで進行させる工程であって、上記高分子電解質の沈殿物を得る、工程と、
を含むことを特徴とする、方法でもある。
【0038】
本発明の別の特定の態様によると、先に規定した方法の工程b)において、重合反応はジラウロイルペルオキシド、シクロヘキシルペルオキシドジカーボネート、イソプロピルペルオキシドジカーボネート、アゾビス(イソブチロニトリル)又はアゾ誘導体等のホモリシスによってラジカルを生じるラジカル開始剤を使用して50℃以上の温度で開始させる。
【0039】
本発明の別の特定の態様によると、先に規定した方法の工程b)において、重合反応は、所望に応じて重合共開始剤(coinitiateur)、例えばアゾビス(イソブチロニトリル)、ジラウリルペルオキシド、シクロヘキシルペルオキシドジカーボネート、イソプロピルペルオキシドジカーボネート又は過硫酸ナトリウムとともに、クメンヒドロペルオキシド
−メタ重亜硫酸ナトリウム(Na
2S
2O
5)対又はクメンヒドロペルオキシド−塩化チオニル(SOCl
2)対のような亜硫酸水素(hydrogenosulfite)イオン(HSO
3)を生成するレドックス対等のレドックス対を用いて20℃以下の温度で開始させ、続いて実質的に断熱して行う。
【0040】
本発明の別の特定の態様によると、先に規定した方法の工程b)において、重合反応はジラウロイルペルオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)又はアゾ誘導体等のホモリシスによってラジカルを生じるラジカル開始剤を使用して50℃以上の温度で開始させる。
【0041】
上に規定した方法は、更に
c)工程b)で得られた上記沈殿物を上記溶媒(S)から分離することによって単離する工程と、
d)所望又は必要に応じて、工程c)によって得られる上記沈殿物を乾燥させる工程と、
を含み得る。
【0042】
本発明の別の特定の態様によると、先に規定した方法の工程c)において、上記有機溶媒から得られる沈殿物の分離は濾過によって行われる。
【0043】
別の特定の態様によると、本発明の主題は上記溶媒(S)がアセトン、又は水/アセトンモル比が0超かつ5/95以下の水−アセトン混合物、又はtert−ブタノールである、上に規定した方法である。
【0044】
本発明の主題は、化粧品局所組成物、皮膚医薬品局所組成物又は医薬品局所組成物の増粘剤及び/又は安定剤及び/又は乳化剤としての先に規定したアニオン性高分子電解質の使用でもある。
【0045】
ヒト(homme)又は動物の皮膚又は粘膜に適用することを意図する本発明による局所組成物は、少なくとも1つの水相と少なくとも1つの油相とを含む局所エマルションからなっていてもよい。この局所エマルションは水中油型(O/W)、油中水型(W/O)、油中水中油型(O/W/O)又は水中油中水型(W/O/W)エマルションであり得る。局所エマルションの油相は1つ又は複数の油の混合物からなっていてもよい。
【0046】
本発明による局所組成物は化粧品使用を対象としていてもよく、又は皮膚、頭皮及び粘膜の疾患を治療する薬剤の調製に使用してもよい。後者の場合、局所組成物は、例えば抗炎症剤、筋弛緩剤、抗真菌剤、抗菌剤又はフケ防止剤からなるものであり得る有効成分を含む。
【0047】
局所組成物を皮膚、頭皮又は粘膜に適用することを意図した化粧品組成物として使用する場合、局所組成物は有効成分、例えば保湿剤、日焼け剤(agent bronzant)、日焼け止め剤、抗しわ剤、痩身剤、フリーラジカル消去剤、抗ニキビ剤、抗真菌剤又はフケ防止剤を含んでいても又は含んでいなくてもよい。
【0048】
本発明による局所組成物は、通常は0.1質量%〜10質量%、より具体的には1質量%〜5質量%の先に規定したアニオン性高分子電解質を含む。
【0049】
特定の態様によると、上に規定した局所組成物は1質量%〜10質量%のグリセロールも含む。
【0050】
局所組成物のpHは好ましくは3以上である。
【0051】
局所組成物はまた、このタイプの組成物に通常含まれる化合物、例えば香料、保存剤、染料、顔料、日焼け止め剤、活性成分、皮膚軟化剤又は界面活性剤を含み得る。
【0052】
本発明によるアニオン性高分子電解質は乳液、ローション、クリーム、石鹸、入浴剤(bains)、バーム、シャンプー又はヘアコンディショナー等の配合物の調製に使用される他の賦形剤との良好な相溶性も有することから、出願人によってSepigel(商標)305、Sepigel(商標)501、Simulgel(商標)EG、Simulgel(商標)EPG、Simulgel(商標)NS、Simulgel(商標)600、Simulgel(商標)A、Sepiplus(商標)265、Sepiplus(商標)250、Sepiplus(商標)400又はSepinov(商標)EMT 10又はSepimax(商標)Zenという名で販売される増粘剤の有利な代用品である。アニオン性高分子電解質は上記製品Sepigel(商標)又はSimulgel(商標)、Sepiplus(商標)及び/又はSepinov(商標)EMT 10と併用してもよい。
【0053】
アニオン性高分子電解質は、とりわけ国際公開第92/06778号、国際公開第95/04592号、国際公開第95/13863号、国際公開第96/37285号、国際公開第98/22207号、国際公開第98/47610号又は仏国特許第2734496号に記載及び特許請求される濃縮物、国際公開第93/08204号に記載される界面活性剤と相溶性である。アニオン性高分子電解質は、特にMontanov(商標)68、Montanov(商標)82、Montanov(商標)202、Montanov(商標)L、Montanov(商標)S、Fluidanov(商標)20X又はEasynovと相溶性である。
【0054】
アニオン性高分子電解質は、国際公開第93/07856号に記載されているような酸性pHの美容的に(cosmetiquement)又は生理的に許容可能な水性ゲルの作製に使用してもよく、非イオン性セルロースと組み合わせた、例えば欧州特許第0684024号に記載されているようなスタイリングジェルの作製、又は代替的には糖の脂肪酸エステルと組み合わせた、欧州特許第0603019号に記載されているような毛髪若しくは皮膚のトリートメント組成物の作製、又は代替的には国際公開第92/21316号に記載及び特許請求されているようなシャンプー若しくはヘアコンディショナーの作製、又は最後にCarbopol(商標)等のアニオン性ホモポリマーと組み合わせた、独国特許第19523596号に記載されているような毛髪トリートメント製品の作製に使用してもよい。
【0055】
アニオン性高分子電解質はN−アシルアミノ酸誘導体とも相溶性であるため、とりわけ国際公開第92/21318号、国際公開第94/27561号又は国際公開第98/09611号に記載又は特許請求されるような敏感肌用の鎮静組成物に使用することが可能である。アニオン性高分子電解質は、植物又は生合成起源の親水コロイド等の増粘及び/又はゲル化ポリマー、例えばキサンタンガム、カラヤゴム、カラギネート(carraghenates)、アルギネート又はガラクトマンナン;ケイ酸塩等;セルロース及びその誘導体等;デンプン及びその親水性誘導体等;ポリウレタン等とも相溶性である。
【0056】
本発明によるアニオン性高分子電解質はグリセロールによって誘導される粘着効果を阻害することから、このトリオールを含む局所組成物におけるシリコーン油の使用を省くことを更に可能とする。
【0057】
このため、最後の態様によると、本発明の主題は0.1質量%〜10質量%、より具体的には1質量%〜5質量%の先に規定したアニオン性高分子電解質と、1質量%〜10質
量%のグリセロールとを含み、シリコーン油を含まないことを特徴とする局所組成物である。
【0058】
以下の実施例は本発明を説明するが、限定するものではない。