(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2の副カテーテル(120,130)によりそれぞれ案内され、それぞれが長手方向軸(220,230)に沿って延長し、それぞれが遠位端部(260,27
0)及び近位端部(280,290)を備え、及びそれぞれが前記第1及び第2の副カテーテル(120,130)に対してそれぞれ相対的に移動可能であり、その前記遠位端部
(140,150)から露出可能である、第1及び第2の細長第3カテーテル(200、
210)を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル部材(1)。
前記第1及び/又は第2の第3カテーテル(200,210)の前記遠位端部(260,270)は、少なくとも前記第1及び/又は第2の第3カテーテル(200,210)の前記遠位端部(260,270)が前記第1及び/又は第2の副カテーテル(120,130)の前記遠位端部(140、150)からそれぞれ露出する際に、複数の巻線を有するコイル形状と見なせる傾向を付与する形状記憶構造を有し、及び、
ここで、任意に、前記第1及び/又は第2の第3カテーテル(200,210)の前記
遠位端部(260,270)の前記コイル形状は、前記第1及び/又は第2の副カテーテ
ル(120,130)の前記内部ルーメン(160,170)内に被覆される際、直径方
向に圧縮される、
ことを特徴とする請求項2、3、及び6から9のいずれか1項に記載のカテーテル部材(1)。
前記捕捉機構(450)は、任意に、前記第1及び/又は第2の副カテーテル(120,130)が前記第2の副屈曲形状と見なせる際に、前記ワイヤ(300)及び/又は前記捕捉ワイヤ(310)及び/又は前記ループのそれぞれの自由遠位端(305)を捕捉し、前記主カテーテル(70)に対して、前記捕捉された遠位端又はループを移動するよう構成される、
ことを特徴とする、常に請求項8および20との組み合わせで、請求項9から19のいずれか1項に記載のカテーテル部材(1)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明が実施され得る特定の変形例の詳細を、例示的方法により、以下詳細に説明する。これらの変形例は、当業者が本発明を実施するのに十分な程度に詳細に説明される。他の変形例も使用されることができ、構造的、論理的及び電気的変更が、本発明の範囲から外れることなく可能である。多様な変形例は、必ずしも相互に排他的ではなく、全ての変形例は、他の変形例と組み合わされて、実施形態を形成することができる。この点、ここで開示される全ての特徴は、本発明の全ての変形例及び/又は実施形態に適用されることができ、及びここで開示される特徴は、ある変形例及び実施形態には適用可能でないかもしれない。従って、ここで説明されるあらゆる特徴は、単独で及び/又はあらゆる他の特徴と組み合わされて理解されるべきである。ここで説明される方法は、より一般的であり、特に説明される例示的装置と共に、又はここで説明される特徴の動きを方向付けることができる他の装置と共に、実行されることができる。
【0010】
図1aを参照して、(例えば周縁の)組織構造10と相互作用するカテーテル部材1は、内部ルーメン(内腔)80を有してよく、及び長手方向軸90に沿って延長してよく、及び遠位端部100を有してよい、(例えば細長の)主カテーテル70を備えてよい。カテーテル部材1は、さらに、それぞれが遠位端部140,150、及び内部ルーメン160、170を備えてよい、第1の及び/又は第2の(例えば細長の)副カテーテル120、130を備えてよい。これらのそれぞれは、主カテーテル70の内部ルーメン80内に配置されてよく、これらに対して移動可能であり、その遠位端部100から露出可能である。第1の屈曲機構191は、第1及び第2の副カテーテル120、130の遠位端部140、150に、第1の副屈曲形状と見なせる傾向を提供してよい。第1及び第2の副カテーテル120、130の1つ又は双方の遠位端部140,150は、第1の屈曲機構191により屈曲し、主カテーテル70の長手方向軸90の方向を実質的に横切ることのできるアーム部126,136を形成してよい。これにより、少なくとも主カテーテル70の遠位端部100から露出される際に、第1の副屈曲形状と見なせる。
【0011】
アーム部126,136は例えば、主カテーテル70の長手方向軸90に対して径方向に、少なくとも4mm、又は少なくとも5mm、又は少なくとも8mm、又は少なくとも10mm、又は少なくとも12mmであってよい。アーム部126、136のそれぞれの自由端は、長手方向軸90から離れて向かってよく、これにより、それぞれのアーム部126,136は、主カテーテル70の長手方向軸90を横切って延長する、非穿通性でカテーテル部材1により組織構造10に正面向きで接触し得る、鈍頭(blunt)端面を形成してよい。第1及び第2の副(例えば細長の)カテーテル120、130は、それぞれ、長手方向軸125、135(例えば
図3a参照)に沿って延長し、それぞれ遠位端部140、150及び近位端部180、190及び内部ルーメン160、170を備え、及びそれぞれ、遠位端部140、150と近位端部180、190との間であって遠位端部140,15に近接して位置してよい、第2の整列部127,137を備えてよい。第1及び第2の副カテーテルは、それぞれ、主カテーテル70の内部ルーメン80内に位置し、それに対して移動可能でその遠位端部100から露出可能であってよい。
【0012】
第2の屈曲機構192は、第1及び第2の副カテーテル120,130の第2の整列部に、第2の副屈曲形状と見なせる傾向を提供してよい。第1及び第2の副カテーテル120,130の双方の遠位端部140,150は、第1の屈曲機構191により屈曲可能であって、主カテーテル70の長手方向軸90の方向を実質的に横切るアーム部を形成するよう提供されてよい。これにより、主カテーテル70の遠位端部100から露出された際に、第1の副屈曲形状と見なせる。第1及び第2の副カテーテル120、130の第2の整列部127,137は、第2の屈曲機構192により屈曲され得るよう提供されることができ、所定の湾曲、任意に、実質30mmから70mmの半径で、かつ任意に、90°から270°の角度を描く第2の副屈曲形状と見なせる。第1及び第2の副カテーテル120、130のアーム部126、136は、それぞれ、第1及び第2の副カテーテル120,130の第2の整列部127,137が第2の副屈曲形状、例えば互いに平行の、と見なせる際に、概ね互いに反対方向に延長してよい。
【0013】
図面を参照して、解剖学的特徴(以下理解の容易のため、組織構造としても参照され、従ってこの解剖学的特徴は、例えば周縁組織構造等の組織構造であってよい)10と相互作用する(例えば、取り囲む、例えば、処置する)カテーテル部材1が提供されてよい。この組織構造10は、例えば、心臓の部分、例えば、心室弁、僧房弁、肺弁及び/又は三尖弁等であってよい。
図2を参照して、組織構造10は、例えば、接続チャネル20を有する心臓弁であってよく、又はその一部を備えてよく、この接続チャネル20は、この接続チャネル20又は「貫通開口(through opening)」を形成する接続チャネル壁構造を備える。この心臓弁は、周縁弁環体(annulus)30と、弁環体30に近接する位置で接続チャネルを開閉する弁尖(valve leaflets)40とを備えてよく、弁機能を提供し、概ね、尖弁40及び概ね乳頭筋60を接続する周縁索状(chord)構造(腱索)50と、この乳頭筋60とを提供する。周縁組織構造10は、この接続チャネル壁構造であってよい。
【0014】
カテーテル部材1は、主カテーテル部材70を備えてよい(
図5a参照)。この主カテーテル部材又は主カテーテル70は、例えば、柔軟であって、概ね管状形状を有してよい。主カテーテル部材70は、1つ又は複数の内部ルーメン80を備えてよく、長手方向軸90に沿って延長してよい。主カテーテルは、遠位端部100を備えてよく、近位端部110を備えてよい(
図1b参照)。この遠位端部及び/又は近位端部100、110は、主カテーテル70の内部ルーメン80を主カテーテル70の外側/周囲に接続するため提供される端部開口を備えてよい(ここで説明されるカテーテルのそれぞれ、例えば副カテーテル又は第3カテーテル、は端部開口を備えてよい)。
【0015】
図1に示される主カテーテル70は1つの内部ルーメン80を備えるが、主カテーテル70は、互いに分離される複数の内部ルーメン80を備えてよい。複数の内部ルーメン80は、すべてが同じ内径を有してよく、又は異なる内径を有してよい。主カテーテル70の内側(すなわち、内部ルーメン80の「外側」)は、平滑表面及び/又は被覆されていてよく、これにより、低摩擦係数を有して、副カテーテル等(以下で詳述される)の前進及び/又は後退を容易化する。この点、主カテーテル70は、網目状(braid-type)柔軟性ホース又は波形柔軟性ホース(例えば、ステンレス鋼から作製される)を備えてよく、及び例えばPebax又はPTFE等(図示せず)から作製される平滑な内部ライナーを備えてよい。
【0016】
主カテーテル70は、柔軟性及び/又は剛性であってよく、遠位端部100は、柔軟性及び/又は剛性であってよく、及び、近位端部110は、柔軟性及び/又は剛性であってよい。主カテーテル70は概ね柔軟であってよいが、一方、遠位端部100及び/又は近位端部110は、剛性で、組織構造1へのアプローチ及び/又は介入する心臓専門医による操作を、それぞれ容易化してよい。
【0017】
主カテーテル部材70は、形状記憶材料、例えば、形状記憶合金(例えば、ニチノール、又はFe−Mn−Si、又は形状記憶特性を持つあらゆる金属又は合金)、又は形状記憶ポリマー(例えば、Norsorex、又はグリセロール/ジメチル−5−スルホイソフタル(glycerol/dimethyl-5-sulfoisopthalate)又はマレイン(maleic)無水物と交差結合されたPET、又はあらゆる他の形状記憶ポリマー)から作製されてよい。主カテーテル70は、例えば公知の材料弾性を提供する特殊な形状記憶材料から作成されてよいが、一方、(追加的に又は代替的に)構造上の形状記憶特性を備えてもよく、すなわち、特殊な形状記憶特性を有しない材料(例えば、ばね鋼)から作製されるが、その幾何学上設計及び/又は弾性特徴による形状記憶特性を備えてもよい。しかしながら、主カテーテル70は、形状記憶材料又は構造上の形状記憶特性を備えない従来のカテーテルであってもよい。主カテーテル70は、柔軟であってよい、例えば、柔軟性のチューブ又はホース等であってよい。
【0018】
カテーテル部材1はまた、第1及び/又は第2の(またはそれ以上の)副カテーテル120、130を備えてよい(例えば
図5b参照)。第1及び/又は第2の副カテーテル120、130は、第1の副カテーテル遠位端部140と、第2の副カテーテル遠位端部150とをそれぞれ備えてよい。第1及び第2の副カテーテル120、130の1つ又は双方の遠位端部140、150は、第1の屈曲機構191(以下説明する)により屈曲可能に(すなわち、屈曲できるように、例えば柔軟性(可撓性)で)提供されてよい。従って、第1の副カテーテル120の遠位端部140及び/又は第2の副カテーテル130の遠位端部150(又は遠位端部140、150の双方又はいずれかの部分)は、弾性である、又は可塑的に変形可能であってよい。
【0019】
第1及び第2の副カテーテル120、130は、第1の副カテーテル内部ルーメン160及び第2の副カテーテル内部ルーメン170をそれぞれ備えてよい。この第1および第2の副カテーテル120,130は、それぞれ、1つ又は複数の、分離する内部ルーメン160,170を備えてよい。第1の副カテーテル120は、長手方向軸125(第1の副カテーテル120の径方向中心/中間点を介して長手方向に延長する軸であってよい)に沿って延長してよい。同様に、第2の副カテーテル130は、長手方向軸135(第2の副カテーテル130のそれぞれの径方向中心/中間点を介して長手方向に延長する軸であってよい)に沿って延長してよい。第1及び/又は第2の副カテーテル120、130はまたそれぞれ、近位端部180,190(
図1b参照)を備えてよく、これらは、それぞれの副カテーテル120,130の長手方向軸125,135に沿って、対応する遠位端部140,150に対して、実質的に反対に位置してよい。
【0020】
第1及び第2の副カテーテル120、130の外径は、それぞれ、主カテーテル70の内部ルーメン80の径より小さくてよく、これにより、副カテーテル120,130は、主カテーテル70の内部ルーメン80内に提供されて、主カテーテル70(の例えば遠位端部100)に対して移動可能、例えば前進及び後退可能であってよい。副カテーテル120、130は、主カテーテル70より長手方向に長くてよく、これにより、そのそれぞれの近位端部180,190は、主カテーテル70の遠位端部100に対してその遠位端部140,150を動作させる(例えば、前進及び/又は後退)ため、外科医により操作されてよい。
【0021】
カテーテル部材1はまた、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150に第1の副屈曲形状と見なせる傾向を与える第1の屈曲機構191(以下説明する)を備えてよい。この第1の屈曲機構191はまた、第1の副屈曲形状を提供してよい。
【0022】
この第1の副屈曲形状は、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150のそれぞれが、アーム部126,136を形成する形状であってよい。1つのアーム部126,136及び/又は双方のアーム部126,136は、側部外面、すなわち、対応するアーム部126,136の周縁(例えば、第1及び第2の副カテーテル120,130の長手方向軸125,135周囲に周縁方向にそれぞれ延長する表面)に亘ってよい表面を備えてよい。例えば、カテーテル部材1を使用する際、この側部外面又は外部表面が、カテーテル部材1を用いて取り囲まれる構造と接触することができる。第1の副カテーテル120の遠位端部140のアーム部126及び/又は第2の副カテーテル130の遠位端部150のアーム部136は、少なくとも、それぞれの遠位端部140,150が第1の副屈曲形状(
図3bに概略図示される)と見なせる際に、主カテーテル70の長手方向軸90を実質的に横切るように延長してよい。第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150のアーム部126,136(又は、アーム部126,136の双方同時に)は、それぞれ、主カテーテル70の長手方向軸90から離れて向かってよく、これにより、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150のアーム部126,136(又はアーム部126,136の双方)は、鈍頭端面を形成してよい。この鈍頭端面は、主カテーテル70の長手方向軸90を横切って延長し、アーム部126、136(
図11参照)(又はアーム部126、136双方同時に(
図9又は
図13b参照))が組織構造10を貫通できない又は外傷的損傷を引き起こすことのできない鈍頭接触領域を形成するにつれて、正面で(例えば、カテーテル部材1に対して、例えば、主カテーテル70の長手方向軸90に対応する方向に)非穿通的方法で、その側部外面と接触してよい。アーム部126,136の双方は、主カテーテル70の長手方向軸90を実質的に横切るように延長してよい。しかしながら、1つだけ(いずれか1つだけ)のアーム部126,136が、長手方向軸90を横切って延長してもよく、一方、同時に他のアーム部126,136が、主カテーテル70の長手方向軸90に実質的に平行に延長してよい。
【0023】
1つ又は全てのアーム部126,136は、直線で(rectilinear)あってよく、すなわち、それぞれの遠位端部140,150は、直線アーム部126,136、及び直線アーム部126,136に近接する曲面部を備えてよい。この曲面部は、直線アーム部126,136に、それぞれの第1又は第2の副カテーテル120、130に対して規定された配向を付与する。
【0024】
カテーテル部材1が動作位置にあり、組織構造10に近接して位置する際、1つ又は全てのアーム部126,136は、それぞれの副カテーテル120,130の長手方向軸125,135が実質的に直線で、主カテーテル70の長手方向軸90を横切るように延長するように、配向されてよい。アーム部126,136はまた、周縁組織構造10の接線に実質的に平行に延長してよい。この接線は、動作位置にある際、組織構造10の周縁と、主カテーテル70の長手方向軸90の延長と交差する点と同じ組織構造10の周縁上の点で、交差する接線であってよい。アーム部126,136は、(例えばそれぞれ)、(例えば実質的に直線の)4mmより上、5mmより上、又は7mmより上、例えば4から7mm、又は5から7mm、又は4から20mm、の延長長さを有してよい。アーム部126,136は、カテーテル部材1の移動により、身体的接触の場合に、より大きい接触領域を提供することによって、周縁組織構造10上に誘発され得る外傷及びストレスを低減する機能を果たすことができる。これにより、アーム部126,136(又はアーム部の1つ)は、カテーテル部材1及び組織構造10の間で接触がされた場合に、周縁組織構造10上に誘発される機械的ストレスを低減することができ(ストレスは面積で除算された力と等しく、カテーテル部材1はアーム部を介して大きな接触領域を提供してストレスを低減する)、これにより、カテーテル部材1を組織構造10と非穿通的方法で接触させることにより、外傷及び起こり得る致命的組織損傷を防止することができる。1つ又は双方のアーム部126,136はまた、その設計/形状/方向性により、弾性バッファの機能を果たし、カテーテル部材1及び組織構造10の間で接触がされた際に、弾性変形によりいくらかのエネルギーを消散してよい。さらに、アーム部126、136は、改善された安定性及び案内性能(1つ又は複数の第3カテーテル200,210が提供された場合)を提供することにより、ユーザに、組織構造10周囲に、1つ又は複数の第3カテーテル200、210を正確に案内することを可能にすることができる。
【0025】
従って、第1の副カテーテル120の遠位端部140の直線アーム部126は、少なくとも遠位端部140が第1の副屈曲形状と見なせる際に、主カテーテル70の長手方向軸90と角度αを規定してよい(
図3b及び
図4b参照)。同様に、第2の副カテーテル130の遠位端部150の直線アーム部136は、少なくとも遠位端部150が第1の副屈曲形状と見なせる際に、主カテーテル70の長手方向軸90と角度αを規定してよい。少なくとも1つ又は双方の遠位端部140,150が第1の副屈曲形状と見なせる際に、第1の副カテーテル120の遠位端部140のアーム部126は、第2の副カテーテル130の遠位端部150のアーム部136とは異なる角度αを規定してよく、又は双方のアーム部126,136は、同じ角度αを規定してもよい。この角度αは、実質的に90°、又は80°以上、又は60°以上、50°以上、又は45°以上、又はあらゆる他の角度であってよい。角度αは、選択的に、長手方向軸90の遠位からそれぞれの直線アーム部126,136へと測定されてよく(例えば
図3bに示されるように)、及び任意に、最大値90°及び上記の最小値を有してよい。
【0026】
上記のとおり、カテーテル部材1は、第1の屈曲機構191を備えてよい。この第1の屈曲機構191は、少なくともそれぞれの遠位端140、150が主カテーテル70の内部ルーメン80から前進させられる(例えば、露出される)際に、第1の副カテーテル120の遠位端部140及び/又は第2の副カテーテル130の遠位端部150に、第1の副屈曲形状と見なせる傾向を提供する機能を果たすことができる。第1の屈曲機構191は、例えば、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150上に提供される形状記憶構造を備えてよい。第1の屈曲機構191は、第1の屈曲機構191内に蓄積される弾性エネルギーによって、所定の形状から拘束(constraint)によって引き起こされる形状記憶構造の変形に起因して、駆動されてよい。この拘束は、例えば、屈曲機構191の形状記憶構造をその所定の形状と見なされることから防止する主カテーテル70であってよい。この拘束が除去された際(例えば、副カテーテル120,130を主カテーテル70の遠位端部100から前進させることにより)、第1の屈曲機構191の形状記憶構造は、第1及び/第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150にその所定形状を付与してもよい。
【0027】
図6aは、付勢構成要素191a(例えば、ばね)を備える屈曲機構191の変形例を示す。付勢構成要素191は、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150に、第1の副屈曲形状と見なせる傾向を付与してよい。このため、付勢構成要素191aは、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140及び遠位端部150にそれぞれ接続されてよく、及び少なくとも遠位端部140,150が主カテーテル70の内部ルーメン80から前進させられる(例えば、露出される)際に、遠位端部140,150を付勢して、互いに概ね反対側に(例えば、反対方向に)延長するようにしてもよい。
【0028】
図6bは、屈曲機構191の他の変形例を示す。
図6bに示すように、第1の屈曲機構191は、第1及び/第2の副カテーテル120,130の弾性遠位端部140,150を備えてよく、これらはあらゆる外部の拘束なく、直線的に延長する傾向(例えば、第1及び第2の副カテーテル120,130の長手方向軸125,135のそれぞれに沿って)を備えてよい。
図6bによれば、屈曲機構191は、さらに、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150に接続され、それぞれの副カテーテル120,130に平行に提供される1つ又は複数の長手構成要素191b(例えば、柔軟性ワイヤ又は糸)を備えてよい。この長手構成要素191bは、操作者によりカテーテル部材1(例えば、主カテーテル70)の近位端部から操作可能なように、主カテーテル70の内部ルーメン80を介して延長するように(
図6bに点線で示される)提供されてよい。長手構成要素191bの操作は、長手構成要素191bを長手方向軸、例えば主カテーテル70の長手方向軸90、に平行に(これは、例えば長手方向構成要素191bを引く又は押し出すことを含む)移動することにより、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150に力を伝達することを含んでよい。これに対応して、第1及び/又は第2の副カテーテル120、130の遠位端部140,150は、長手構成要素191bにより、その概ね直線延長状態から付勢されて、第1の副屈曲形状と見なせることができる。
【0029】
図6cは、屈曲機構191の他の変形例を示す。
図6cによれば、屈曲機構191は、屈曲構造191cを備えてよい。屈曲構造191cは、主カテーテル70の遠位端部100上に提供されてよく、副カテーテル120,130のそれぞれに構成される分離するチャネルを備えてよく、これにより、それぞれの副カテーテル120,130は、屈曲構造191cを介して前進させられてよい(例えば、その遠位端部でカテーテル部材1の外部に露出されてよい)。それぞれのチャネルは、第1及び/又は第2の副カテーテル120、130の遠位端部140,150(柔軟性であってよい)が、主カテーテル70の遠位端部100から屈曲構造191cのチャネルを介して前進させられた際に、副カテーテル120,130を案内して、第1の副屈曲形状と見なせる(をもたらす)。屈曲構造191は、カテーテル部材1の挿入を容易にする無傷ノーズコーン(atraumatic nose cone)としての機能を果たす遠位の円錐端部を備えてよい。この点、カテーテル部材1が屈曲構造191cを備え、周縁組織構造10に近接して動作状態にある際に、1つ又は複数のアーム部126,136は、屈曲構造191cの遠位円錐端部から長手方向に離隔して、主カテーテル70の長手方向軸90を概ね横切るように延長してよい。これにより、1つ又は双方のアーム部126,136は、遠位の円錐端部より組織構造10に接近してよい。従って、屈曲構造191cを有するカテーテル部材1を使用する際、1つ又は双方のアーム部126、136(又はこれらの1つ、例えば、
図11に示す構成が提供される場合)は、組織構造10に接触してよく、一方、同時に円錐端部は、任意に、組織構造に接触しなくてよい。屈曲構造191はまた、フロントボディチューブ320(後述される)がこれを介して延長する(不図示)分離するチャネルを備えてよい。従って、屈曲構造191cは、カテーテル部材1の無傷挿入を容易にする機能を果たすことができ、一方、アーム部126,136は、副カテーテル120,130の1つ又は双方の遠位端部140,150がその第1の副屈曲形状と見なせる際に、組織構造10に接触することができる。
【0030】
ここで説明されるあらゆる屈曲機構(及び一般的にあらゆる特徴)が、特に断らない限り、ここで説明されるあらゆるカテーテル(例えば、カテーテル部材1及び/又は副カテーテル120,130及び/又は第3のカテーテル200,210)のあらゆる変形例又は実施形態と組み合わせることができることに留意すべきである。
【0031】
図2に例示されるように、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130はまた、任意に、それぞれが、第2の整列部127,137を備えてよい。第1及び/又は第2の副カテーテル120,130のこの第2の整列部127,137は、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150及び近位端部180,190の間にそれぞれ位置してよい。第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の第2の整列部127,137は、それぞれの第1又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150に隣接して位置してよい。第2の整列部127,137は、第2の屈曲機構192(以下詳述される)によって屈曲され、又は曲げられ、又は変形されて、第2の副屈曲形状と見なすことができる。
【0032】
さらに、上記のとおり、カテーテル部材1は、任意に、第2の屈曲機構192を備えてよい。この第2の屈曲機構192は、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の第2の整列部に、第2の副屈曲形状を付与するために提供されてよい。この第2の屈曲機構192は、形状記憶構造、すなわち、その所定形状から変形された際に、弾性的又は可塑的に所定の形状に戻る傾向を有する構造、であってよい。このため、第1の屈曲機構192は、例えばニチノール(Nitinol)、又はばね鋼、又は鋼などの形状記憶材料を備えてよく、及び/又はその形状記憶特性が主として形状記憶構造の幾何学的特徴により、例えばらせん構成要素又はばね構成要素等によりもたらされる構造、を備えてよい。第2の屈曲機構192はまた、第2の整列部127,137(又はこれらのあらゆる1つ)に、制御信号に基づいて第2の副屈曲形状と見なせる傾向を付与する能動的手段を備えてよい。従って、第2の屈曲機構192は、例えば油圧アクチュエータ、又は制御可能な加熱/冷却構成要素(例えば、ぺルチェ素子)と組み合わせた形状記憶材料等の能動構成要素を備えて、第2の整列部127,137(又はこれらの1つ)に第2の副屈曲形状と見なせる傾向を付与してよい。第2の屈曲機構192は、弾性材料により提供されてよい。第2の屈曲機構192を参照して開示されるあらゆる又は全ての特徴はまた、第1の屈曲機構191にも適用可能であり、逆もまた同じである。
【0033】
第2の副屈曲形状は、所定の形状(例えば、第2の整列部127,137及び/又は第2の屈曲機構192の特徴/設計により、予め定められた)であってよい。第2の副屈曲形状は、カテーテル部材1の部分でない幾何学上の制約に対応して選択され、又は予め定められてよい。例えば、第2の副屈曲形状は、解剖学的特徴に対応してよい。この点、第2の副屈曲形状は、解剖学的特徴、例えば、人間の、羊の又は豚又は哺乳類一般の心臓の大動脈弓340、の湾曲に似るように(例えば、対応するように)選択されてよい。従って、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の第2の整列部127,137は、第2の整列部127,137がそれぞれの副屈曲形状を見なせる際に、解剖学的特徴(例えば、大動脈弓340)と一致して(及び/又は整合して)よい。
【0034】
第2の整列部127,137は、第2の副屈曲形状と見なせる傾向を有することにより、それぞれの第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の位置及び/又は配向を整列させる機能を果たすことができ、これは、例えば大動脈弓340に対応し、及び、第2の屈曲機構192により誘発され得る。これにより、第1又は第2の副カテーテルが、例えば大動脈弓340中の例えば解剖学的特徴に位置する際に、これらは、屈曲機構192により引き起こされるその選択された又は所定の形状と見なすことができ、これにより、大動脈弓の形状に似せる、又は換言すれば、解剖学的特徴の自然形状と一致させることができる。これにより、副屈曲形状と見なすことができる際に第2の整列部が安定的(例えば、エネルギー的に有利な)位置にあるため(これにより、その形状が第2の屈曲機構192により誘発されると見なせる傾向が推定される)、第2の整列部127,137(及び従って第1及び/又は第2の副カテーテル120,130)が、解剖学的特徴に整列する。第2の整列部127,137及び/又は第2の屈曲機構192は、第2の整列部127、137がそのそれぞれの第2の屈曲形状と見なせる際に、例えば最小の弾性エネルギーを有してよい。従って、第2の整列部127,137の解剖学的特徴との「嵌め合い(一致)(mating)」は、それぞれの第1及び/又は第2の副カテーテル120、130に、規定された及び所定の位置及び/又は規定された及び所定の回転位置を付与することができ、及び、例えばそれぞれの副カテーテル120,130を回転してよい。
【0035】
従って、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の第2の整列部127,137の設計のそれぞれ、及び/又は第2の屈曲機構192の設計は、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150へ所定の配向及び/又は回転配向を付与するように選択されてよく、及びまたこのため、第1及び/又は第2の副カテーテルへ、所定の配向及び/又は位置を付与してよい。
【0036】
この点、第1及び/又は第2の副カテーテル120、130の遠位端部140,150は、例えば、周縁組織構造10に対して、規定された及び所定の配向及び位置を有してよい。それぞれの遠位端部140,150が第1の副屈曲形状と見なせる際に、アーム部126,136の配向及び回転は、このためまた、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130が例えば第2の整列部により規定された位置及び/又は配向を有し得るため、規定され及び/又は予め決定されてよい。結果として、遠位端部140,150(及び/又はアーム部126,136)は、あらゆる追加的な手段を必要とすることなく、解剖学的特徴(例えば、組織構造10)に対して位置付けられ及び配向されることができる。さらに、解剖学的特徴への整列又はこれとの一致の状態において、いくらかの抵抗が、整列/一致したカテーテルの長手方向移動に抗して、例えば、カテーテル部材1を操作する人間による意図しない長手方向移動に抗して、提供され得る(この抵抗は、例えば他の要素の中でそれぞれのカテーテルの弾性特性に依存し得る)。
【0037】
第1及び/又は第2の副カテーテル120,130のアーム部126,136は、それぞれ、(例えばそれぞれの長手方向軸125,135は、)少なくともそれらの第1屈曲形状と見なせる際に、互いの間で角度βを規定することができる(例えば、
図3bのC−C断面図を示す
図3cを参照)。この角度βは、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130(又はそれぞれの遠位端部140,150)の規定された位置及び配向をもたらし得るため、第2の整列部127,137の設計により、及び/又は第2の屈曲機構192の設計により、もたらされ及び予め定められ得る。この角度βは、約180°、又は170°以上、又は160°以上、又は120°以上、又は90°以上、又は45°以上、又は、第1及び第2の副カテーテル120、130の使用中の所望の位置に依存して、あらゆる他の角度であってよい。
【0038】
従って、解剖学的特徴(例えば、組織構造10)に対する、及び/又は他のそれぞれのアーム部126,136に対する、アーム部126,136の配向及び位置は、少なくともこれらがそれぞれの第2の屈曲形状にある際に、第1及び/又は第2の、第2の整列部127,137により規定されてよい。
【0039】
さらに、カテーテル部材1は、選択的に、第1及び/又は第2の、第3カテーテル200、210を備えてよい(
図4a、
図4b、
図4c参照)。カテーテル部材1はまた、1つのみ、又は2つより上の第3カテーテル、例えば3つから5つの第3カテーテルを備えてよい。この第1及び第2の、第3カテーテル200,210は、それぞれ、長手方向軸220、230、にそれぞれ沿って延長してよい。第1及び第2の、第3カテーテル200,210はまた、1つ又は複数の内部ルーメン240、250をそれぞれ備えてよい。さらに、第1の第3カテーテル200は、遠位端部260及び近位端部280を備えてよく、及び第2の第3カテーテル210は、遠位端部270及び近位端部290を備えてよい(
図1b参照)。それぞれの第3カテーテルの近位端部280、290、及び遠位端部260,270は、その長手方向軸220,230に沿って実質的に反対端に位置してよい。
【0040】
第3カテーテル200,210(すなわち、1つの第3カテーテル及び/又は双方の第3カテーテル)は、それぞれの副カテーテル120,130により案内されてよい。案内されるため、1つの第3カテーテル200,210は、1つの副カテーテル120,130上に提供されてよく、これにより、副カテーテル120,130は、それぞれの第3カテーテル200,210の内部ルーメン240,250内に受容される。第3カテーテル200,210は、副カテーテル120,130と平行に提供されてよく、平行案内装置は、副カテーテル120,130に沿って(例えば、長手方向軸125,135に対して)平行に第3カテーテル200,210を案内するために提供されてよい。平行案内装置は、例えば、第3カテーテルを副カテーテル120,130の長手方向軸125,135に沿って平行に案内することを可能とするため、副カテーテル及び第3カテーテル周囲に硬く嵌め合う柔軟性ホースであってよい。
【0041】
第1の第3カテーテル200は、第1の副カテーテル120の内部ルーメン160内に提供されてよく、第2の第3カテーテル210は、第2の副カテーテル130の内部ルーメン170内に提供されてよく、これにより、第1及び第2の副カテーテル120,130に対して、それぞれ移動可能である。第1及び/又は第2の第3カテーテル200、210は、そのそれぞれの遠位端部260,270が、それぞれ、第1及び第2の副カテーテル120,130の内部ルーメン160,170内から前進し、及び/又はこれらの内へ後退するよう構成されてよく、これにより、これらのそれぞれの遠位端部260,270は、対応する第1又は第2の副カテーテル120、130の遠位端部140,150から露出してよい。従って、第1及び/又は第2の第3カテーテルの外径は、それぞれの副カテーテル120,130のそれぞれの内部ルーメン160,170の外径より小さくてよい。相対的なカテーテルの移動可能性を維持するための軽度の圧入(press fit)を提供するが、またあらゆる相対的移動に対する対抗力(opposing force)を提供して正確な相対移動を容易にするため、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の外径はまた、それぞれの副カテーテル120,130のそれぞれの内部ルーメン160、170の内径より僅かに大きくてよい。
【0042】
それぞれの第3カテーテル200,210は、それぞれの副カテーテル120,130により同様の方法で案内されてよく、又は異なる方法で案内されてよい。例えば、第1の第3カテーテル200は、第1の副カテーテル120の内部ルーメン160内に提供されてよく、一方、同時に第2の副カテーテル130は、第2の第3カテーテル210の内部ルーメン250内に受容されてよく、これにより、第3カテーテル200,210は、副カテーテル120,130により案内される。
【0043】
図5cに例示されるように、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210は、それぞれ、第1の第3整列部241、251、及び/又は第2の第3整列部242、252を備えてよい。1つの第1の第3整列部241、251、及び/又は1つの第2の第2整列部242、252は、それぞれの又は1つの第3カテーテル200,210上に提供されてよく、例えば、それぞれの遠位端部260,270上に、又はそれぞれの遠位端部260,270及びそれぞれの近位端部280,290の間に位置してよい。第3カテーテル200,210の第1の第3整列部241、251及び第2の第3整列部242,252は、互いに接してよく、又は互いに離隔してよい。
【0044】
1つ又は双方の第3カテーテル200,210の第1の第3整列部241、251が提供されて、第1の第3整列部241、251へ第1の第3屈曲形状と見なせる傾向(例えば、弾性材料により引き起こされる)を付与する形状記憶構造を備えてよい。同様に、1つ又は双方の第3カテーテル200,210の第2の第3整列部242、252が提供されて、第2の第3整列部241、251へ第2の第3屈曲形状と見なせる傾向を付与する形状記憶構造を備えてよい。第1の第3屈曲形状は、第1の副屈曲形状に対応して(例えば、似て、例えば、一致して)よい。第2の第3屈曲形状は、第2の副屈曲形状に対応してよい。
【0045】
従って、第1及び/又は第2の第3カテーテル200、210は、第3カテーテル200、210の第1の第3整列部241、251が、それぞれの副カテーテル120,130の第1の副屈曲形状に一致する(例えば、適合する)際に、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130に整列してよい(例えば、それぞれの副カテーテル120,130に対して規定された及び所定の位置及び回転配向にあってよい)。第1及び/又は第2の第3カテーテル200、210は、第3カテーテル200、210の第2の第3整列部242、252が、それぞれの副カテーテル120,130の第2の副屈曲形状に一致する(例えば、適合する)際に、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130に整列してよい(例えば、それぞれの副カテーテル120,130に対して規定された及び所定の位置及び回転方向にあってよい)。第1の第3整列部241,251及び第2の第3整列部242,252は、そのそれぞれの第3カテーテル200、210上に位置してよく、これにより、それぞれの第3カテーテル200,210の整列部は、第3カテーテル200,210がそれぞれの副カテーテル120,130の遠位端部140,150から露出して完全に動作可能である際、第1及び/又は第2の副屈曲形状(副カテーテル200,210の)と一致(適合)する。副カテーテル120,130に対する第3カテーテル200,210の相対的位置及び回転は、双方、すなわち第3カテーテルの第1及び第2の第3屈曲形状、がそれぞれの副カテーテル120,130の第1及び第2の副屈曲形状に一致する際に、より効果的に予め定められ、規定されることができる。しかしながら、副カテーテル120,130に対する第3カテーテル200,210の相対位置及び回転は、対応する副屈曲形状と一致する(適合する)第3屈曲形状が1つのみの場合に、規定されることができる。
【0046】
1つ又は双方の第3カテーテル200,210の第3整列部241、251は、柔軟性であってよく、第3の屈曲機構(図示せず)により屈曲可能に提供されてよい。第3の屈曲機構は、上記のような形状記憶構造であってもよく、又はそれぞれの特徴が副カテーテル120,130ではなく第3カテーテル200,210に向けられる点の相違を除き、第1及び/又は第2の屈曲機構191,192のあらゆる又は全ての特徴を備えてよい。
【0047】
第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270は、形状記憶構造を備えてよい。この形状記憶構造は、遠位端部260,270へ、反対側に方向付けられた弓形形状と見なせる傾向を付与し、これにより第3カテーテル200,210の遠位端部260,270は、副カテーテル120,130から露出される際(例えば、完全に動作上露出される)(
図1、
図4、又は
図5c参照)、実質的に互いに対向する(pointing towards)。この反対側に方向付けられた弓形形状は、少なくとも部分的に(例えば、完全に)、例えば概ね円形又は楕円形状で、周縁組織構造10を取り囲む機能を果たすことができる。
【0048】
図5eは、概略的に、単一の第1の第3カテーテル200を示す。
図5eから明らかなように、遠位端部260が弓形形状で延長する平面は、少なくとも副屈曲形状が見られる際、第2の第3整列部242が延長する平面に対して、実質的に垂線(即ち、実質的に90°の角度を備えてよい)を構成するよう延長する。しかしながら、他の角度もまたこれら平面の間で可能であり、例えば、80°から90°、30°から60°、70°から80°、又は装置の使用に適切であるあらゆる他の角度が可能である。
図5eには図示されていないが、第2の第3カテーテル210にも同時に同様のことが適用できる。さらに、
図4cから理解されるように、第1及び第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270が、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150から露出する際、第1及び第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270はそれぞれ、実質的に同じ平面に実質的に延長してよく、これは、主カテーテル70の長手方向軸90を横切る方向であってよい。
【0049】
図7a、
図7b、
図7cを参照して、1つ及び/又は双方の第3カテーテル200,210はまた、少なくともそれぞれの副カテーテルに被覆(sheathed)される際、少なくとも部分的に折り畳まれ、例えば、完全に折り畳まれてよい。第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270は、少なくとも、副カテーテル120,130の遠位端部140,150から前進させられる際、コイル形状(例えば、スパイラル形状、例えば、豚のしっぽ形状、例えば、らせん形状、例えば、スクリュー形状)と見なせる傾向を付与する形状記憶構造を備えてよい。このコイル形状は、平坦コイル形状であってよく、すなわち、コイルの巻線は、実質的に同一平面に位置してよく、又はコイル形状は、コイルの巻線が軸に沿って離隔して配列されて、らせん型構造を形成するらせん及び/又はスクリュー型コイル形状であってよい。この点、らせん又はスクリュー型コイル形状は、一定のピッチ又は可変のピッチ、及び/又は、一定の又は可変の巻線半径を有してよい。第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270(例えば、そのコイル形状)は、それぞれの副カテーテ120,130に被覆される際に、折り畳まれてよく、例えば、詰め込まれ(packed)、例えば直径方向に圧縮されてよく(すなわち、コイル形状の半径方向に圧縮される)、及び、折り畳まれ又は詰め込まれた遠位端260,270がそれぞれの副カテーテル120,130から前進する際に、実質的に一度に(例えば、突然)解かれてもよい。従って、第1及び/又は第2の第3カテーテルの遠位端部260,270は、それぞれの副カテーテル120,130から、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270の形状記憶構造によって前進させられる際、コイル形状と見なすことができる。このコイル形状は、複数の巻線、例えば、1から2の巻線、1から5の巻線、3から7の巻線、又はあらゆる他の数の巻線であってよい。庫の点、巻線は、完全な巻線(即ち、角度360°のスパン)及び/又は部分的巻線(即ち、角度360°未満のスパン)であってよい。複数の巻線は、0以上(例えば、1又は複数)の完全な巻線、及び/又は0以上(例えば1又は複数)の部分的巻線を備えてよい。
【0050】
第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の長手方向長さは、それぞれ、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の長手方向長さより長くてよい。これにより、近位端280,290は、それぞれの副カテーテル120,130の近位端180,190から露出することができ、カテーテルの互いの動作及び相対的移動を容易にする。また、それぞれの第3カテーテル200,210の長手方向長さは、それ自身の長さが主カテーテル70の長手方向長さより長くてよいところの、あらゆる副カテーテル120、130の長手方向長さより長くてよい。
【0051】
さらに、
図4及び
図5dに示されるように、フロントボディチューブ320(例えば、フロントボディカテーテル320)は、主カテーテル70の内部ルーメン80内に相対移動可能に提供されてよい。このフロントボディチューブ320は、複数の機能を果たすよう提供されることができるフロントボディ330を備えてよい。このフロントボディ330は、主カテーテル70の内部ルーメン80を選択的に開閉する手段としての機能を果たすよう提供されてよい。このため、フロントボディ330は、主カテーテル70の内部ルーメン80の断面形状(長手方向軸90を横切るよう示される)に対する断面形状を有してよく、及び、主カテーテル70の内部ルーメン80の断面径と実質的に同様の、又は圧入を提供するためその直径より僅かに大きい直径を有してよい。フロントボディ330は、フロントボディチューブ320の移動により、主カテーテル70の長手方向軸90に沿って動作可能であってよく、これにより、フロントボディ330を長手方向軸90に沿って遠位又は近位方向へ移動し、主カテーテル70の内部ルーメン80を、それぞれ開閉する。さらに、フロントボディ330は、湾曲又は丸みを帯びたフロントボディ330を提供することにより、カテーテル部材1の無傷挿入を容易にする機能を果たしてよい。このため、フロントボディ330は、主カテーテル70の長手方向軸90に水平な方向から見た際(例えば、
図4又は
図5d参照)、実質的に円形又は湾曲した又は楕円形の断面を備えてよい。これにより、フロントボディ330が有機組織と接触した場合の無傷挿入を容易にする。フロントボディ330は、貫通開口を備えてよく、及びフロントボディチューブ320は、フロントボディ330の貫通開口と整列する内部ルーメンを備えてよい。これにより、案内ワイヤ等は、フロントボディ330の貫通開口、及び前方本体チューブ320の内部ルーメンを介して延長することができる。
【0052】
以下、カテーテル部材1の可能な運動学的移動を説明する。上記で説明したとおり、主カテーテル70は、それに対して移動可能であって選択的に、それに対して移動可能である(このためまた主カテーテル70に対して移動可能である)第1及び第2の第3カテーテルをそれぞれ案内(例えば、被覆)することができる第1及び第2の副カテーテル120,130を案内(例えば、被覆)してよい。
図1aにおいて、相対移動の運動学的可能性は、矢印5により概略示されている。あらゆるカテーテル又は上記又は以下で説明される他の物体の全ての運動学的動作は、任意に、選択的、完全に及び十分に可逆的であってよく、例えば、拡張され、及び/又は延長され、及び/又は移動され、及び/又は回転され、及び/又は曲げられ、及び/又は屈曲される、いくつか又は全てのカテーテルは、選択的に(例えば、外科医の裁量により)、その初期位置/形状又はその間のあらゆる中間的位置/形状へ、後ろへ移動する、及び/又は後退する、及び/又は曲げられ、及び安定的中間位置にあってよい。
【0053】
屈曲機構191,192、又はここで説明されるカテーテルに所定の形状を誘発しようとする(例えば、見なせる傾向を付与する)、「強さ」、すなわち、力又はストレス、は、1つの屈曲機構191、192又は形状記憶構造の強さが、そのカテーテルにより案内される全てのカテーテルの強さの合計より高いように選択されてよい。これにより、そのカテーテルの安定的屈曲形状が実現され、そのカテーテルにより案内されるあらゆる他のカテーテルの相対移動により意図せず実質的に変化することがない。
【0054】
成人の典型的な大動脈弓340は、約30から70mmの半径で、90°から270°の角度を描いてよい。このため、第2の整列部127,137は、任意に、第2の副屈曲形状と見なせる形状の際に、約30から70mm、例えば、30から50mm、例えば、40から45mmの幅の半径を有し、及び/又は、90°から270°、例えば、90°から120°、120°から160°、160°から200°、200°から245°及び/又は245°から270°の角度を描いてよい。しかしながら、副屈曲形状の半径又は湾曲はまた、特定の患者の心臓に好適に(例えば、カスタムメイド)提供されてよく、そのサイズ及び形状は、医学的画像技術により決定されてよい。カテーテル部材1及びその特徴が主として周縁組織構造10としての僧房弁330及び大動脈弓340を参照して説明されたが、カテーテル部材1はまた、他の解剖学的特徴又は条件に対して構成され/設計されてよい。例えば、周縁組織構造10は、三尖弁組織(apparatus)又はあらゆる他の弁の一部又は全てであってよく、及び第2の副屈曲形状の湾曲は、哺乳類の心臓の上大静脈から肺動脈までの接続チャネルの湾曲と一致するよう設計されてよく、又はあらゆる他の湾曲と一致するよう設計されてよい。カテーテル部材1はまた、例えば、血管、胃/消化管/器官、及び/又は、気管/肺器官と相互作用するように使用されてよい。カテーテル部材1はまた、例えば、到達困難な機構等と相互作用するよう使用されてよい。
【0055】
第1又は第2の第3カテーテル200,210の内部ルーメン240,250において、自由遠位端305を有するワイヤ300が提供されてよく、ここで、それぞれの他の第3カテーテルにおいて、
図10又は
図11に示すように、遠位捕捉コンポーネント315を有する捕捉ワイヤ310が提供されてよい。このワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310は、そのそれぞれの第3カテーテル200,210に対して移動可能であってよい。このワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310は、同じ材料から作製されてよく、又は異なる材料から作製されてよく、例えば、金属様鋼、又はニチノールから、又は、ケブラー(Kevlar)又はポリプロピレン(PP)又はポリスチロール(PS)のようなポリマーから、又は生分解性材料、例えば人体内部で実質的に所定時間内に分解する材料、から作製されてよい。
【0056】
ワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310は、そのそれぞれの第1又は第2の第3カテーテル200,210の内部ルーメン240,250を介して、その遠位端部260,270へ前進可能であって、そこから露出可能である。
【0057】
ワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310はまた、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210へ、ワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310の材料強度、材料弾性、又は形状記憶構造によりもたらされる形状、例えば所定の形状、を付与する機能を果たしてよい。従って、ワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310は、材料強度、材料弾性、及び/又は形状記憶構造を備えてよい。形状記憶構造は、ワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310へ、弓形形状(例えば、半円形状、例えば、楕円形状)又は他の形状を付与してよい。弓形形状は、例えば周縁組織構造10の解剖学的特徴の半径と等しくてよい、又はこれより大きくてよい半径を有する弓形の形状であってよい。ワイヤ300が弓形形状と見なせる傾向を有する際、捕捉ワイヤ310は、対応して反対側へ方向付けられた弓形形状と見なせる傾向を有してよい。この点、ワイヤ300及び捕捉ワイヤ310のそれぞれの弓形形状は、円形形状を形成してよい。
【0058】
図7aから
図7cを参照して、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270が、それぞれの副カテーテル120,130から露出し、及び上記のようなコイル形状と見なせる際、ワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310は、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210を介して前進してよく、及び、対応して、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270のコイル形状を解いて(例えば、さらに開く、例えば、伸ばす(un-coil))よい。これにより、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270が、少なくとも部分的に、例えば、完全に、構造、例えば組織構造10を取り囲むことができる。上記のコイル形状の開き(unwinding)(例えば、ワイヤ300又は捕捉ワイヤ310による)により、コイル形状の一回りの巻線と解剖学的特徴との間でのみ接触が発生し得るため、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210、及び/又はワイヤ300、及び/又は捕捉ワイヤ310の、組織、構造、例えば組織構造10、周囲での無傷配置及び/又は挿入が可能となる。
【0059】
捕捉コンポーネント315は、捕捉バスケット315、又は磁性コンポーネント、又はフック、又はスネア、又はラッソ(lasso)(輪索)、又はワイヤ300の自由端305を捕捉及び保持するように構成されるあらゆる他の装置であって、又はこれを備えてよい。捕捉及び保持を容易化するため、ワイヤ300の自由端305は、かかり(戻り)(barb)又はフック(図示せず)を備えてよい。
【0060】
捕捉コンポーネント315は、そのそれぞれの第3カテーテル200,210の遠位端部260,270から双方が露出する際、自由端305を捕捉及び保持してよい。捕捉ワイヤ310の捕捉コンポーネント315はその後、(例えば第2(210)又は第1(200))第3カテーテルの遠位端部内へ、その近位端部290(又は280)へ向かって後退し戻ってよく、ワイヤ300の自由端305(及びこれによりワイヤ300の部分も同様)を、例えば第2の第3カテーテル210内部へその近位端部290へ向かって、引っ張ってよい。これにより、ワイヤ300は、少なくとも部分的に(例えば、完全に)、解剖学的特徴、例えば、組織構造10、を取り囲むことができる。
【0061】
主カテーテル部材70、副カテーテル120,130、及び/又は第3カテーテル200,210(及び/又は上記カテーテル全体)の内部ルーメン80、160、170、240、250の周囲は、選択的に気密、及び液密であってよく、これにより、気体又は液体が、内部ルーメンから拡散でき、及び内部ルーメン内へ拡散できる。しかしながら、あらゆる1つ又は全ての内部ルーメンはまた、液密又は気密でなくてもよく、例えば処置又は他の目的のため、内部ルーメンからカテーテル部材1の外部への、物質、例えば特定の視覚化を可能とする造影剤又は他の物質、又は薬品、の制御された外方への拡散を、又は、例えば、たんぱく質をコードするプラスミドの試料を採取するため制御された内方への拡散を、許容してよい。
【0062】
ここで説明されるカテーテル部材1はまた、医用インプラントと組み合わせて使用されることができる。第1及び/又は第2の第3カテーテル(及び/又は第1及び/又は第2の副カテーテル120,130)は、従って、インプラントを周縁組織構造10へ供給するよう構成されてよい。このインプラントは、ステント、又はステント移植様構造、バルーン又は同様の能動的に膨張可能な部材、発泡体/被覆ヒドロゲル、又は受動的に拡張可能な部材、であってよい。インプラントは、その形状により、又は追加的な固定構成要素により、又は他の装置との相互作用により、例えば、異なる供給用カテーテルにより挿入されて、固定されることができる。インプラントは、例えば代替心臓弁であってよく、組織構造10内部に供給されることができる(例えば、自然の僧房弁又は三尖弁の間に)。
【0063】
以下、カテーテル部材1を使用して組織構造10を捕捉する方法が、
図8から
図12を参照してより詳細に説明される。あらゆる方法ステップにおいて直接又は間接に説明されるカテーテル部材1のあらゆる特徴はまた、カテーテル部材「装置」にも適用可能であることが意図され、及び、カテーテル部材「装置」に関連して説明されるあらゆる特徴又は機能はまた、カテーテル部材1を使用する方法の方法ステップとしても適用可能である。さらに、ここで説明されたものと異なる他の装置は、ここで説明される方法ステップを実行するのに使用されることができる。
【0064】
図8から
図12は、周縁組織構造10であってよい、又はこれを備えてよい、僧房弁360上の左心房腔350から観察した人間の心臓の概略図を示す。カテーテル部材1は、主カテーテル70の遠位端部100が心室腔370内に位置するように、観察できる(このため、
図2を参照して、
図8から
図12で「下方」僧房弁360)。カテーテル部材1は、大動脈弓340を介して挿入され、これにより主カテーテル70の遠位端部100は、周縁組織構造10に近接して位置することができる。第1及び第2の副カテーテル120,30は、主カテーテル70(柔軟性であってよい)により案内されてよいが、それ自体大動脈弓340に対して、第2の屈曲機構192が第2の整列部127,137をそのそれぞれの副屈曲形状と見なせるようにするよう、配置されてよい。これにより、副カテーテル120,130の第2の整列部が、大動脈弓340と自動整列、及び/又は自動配向されてよく、上記のように、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150が自動整列、又は自動配向される。
【0065】
図8から理解されるように、第1及び第2の副カテーテル120,130は、主カテーテル70の遠位端部100から露出する。アーム部126、136は、主カテーテル70の長手方向軸90を横切り、実質的に反対方向に(
図8には不図示)延長し、第2の屈曲機構191によりもたらされる対応するアーム長(すなわち、直線的延長の長さ)は、約4mm以上であってよい(上記のとおり、アーム長は、但し、より長くても又はより短くてもよい)。
【0066】
図9は、第1及び第2の第3カテーテル210,220が、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150からそれぞれ露出し、これにより実質的に反対側に配向された弓形形状で、互いに向かって延長し、僧房弁360(又はあらゆる他の周縁組織構造10)の周囲を取り囲む様子を示す。
【0067】
図10は、捕捉ワイヤ310の捕捉コンポーネント315により捕捉されるワイヤ300の露出された自由端305を示す。ここで、捕捉コンポーネント315は、捕捉バスケットである。ワイヤ300及び捕捉ワイヤ310は、第1及び第2の第3カテーテル200,210の内部ルーメン240,250を介して、それぞれ、第1及び第2の第3カテーテル200,210の近位端部280,290から(例えば、本体の外側から)、それぞれ、前進させられ、その遠位端部260,270から露出される。これにより、ワイヤ300の自由端305は、捕捉ワイヤ310の捕捉コンポーネント315により確実に捕捉されることができる。
【0068】
図11は、
図10と同様であるが、第2の副カテーテル130及び第2の第3カテーテル210の異なる/代替的な配置を示す。ここで、第2の副カテーテル130及び第2の第3カテーテル210は、主カテーテル70の長手方向軸90(
図11には不図示)に実質的に平行である形状を有し、第1の副カテーテル120及び第1の第3カテーテル200は、
図10を参照して説明されるように、主カテーテル70の長手方向軸90を実質的に横切るアーム部126を備える。これにより、カテーテル部材1は、僧房弁60又は周縁構造又は他の構造を、部分的にのみ取り囲むことになる。
図11から理解されるように、アーム部126は、長手方向軸90を実質的に横切るよう提供され、一方、アーム部136は、長手方向軸90と実質的に平行に提供される。さらに、
図11から理解されるように、捕捉コンポーネント315がワイヤ300の自由端305を確実に捕捉するため、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210の遠位端部260,270は、それぞれ、互いに所定の方法又は角度で配向される必要はないかも知れず、又はこれらが互いに接触又は隣接する必要もないかもしれない。
【0069】
図12は、カテーテル部材1を使用する方法のさらなるステップを示す。
図12におけるカテーテル部材1の配置は、
図11に示されるものに基づくが、
図12に又は
図12を参照して説明される全ての原理はまた、
図10に示される配置にも適用可能である。
図12において、捕捉コンポーネント315内に捕捉される、ワイヤ300の自由端305を備える捕捉ワイヤ310は、第2の第3カテーテル210の内部ルーメン250内に後退し、これにより、ワイヤ300を、僧房弁360の部分周囲に、及び第2の第3カテーテル210の内部ルーメン250内にも同様に引っ張る。さらに、
図12において、第1及び第2の第3カテーテル200,210、及び第1及び第2の副カテーテル120,130は、主カテーテル70の内部ルーメン80内に後退する。これにより、ワイヤ300が、僧房弁360の周縁を取り囲むことができる(
図12においては部分的に、ただし
図10に示すようにカテーテル部材1を使用する場合には、完全に)。
【0070】
僧房弁360の周縁組織構造周囲に延長するワイヤ300は、さらに弁の処置、他のカテーテル又は人工心臓弁等の固定を可能にすることができる。例えば、人工心臓弁を、PCT国際公開公報No.WO2012/004679、その全開示は本願に参照として組み込まれる、に記載されるように、固定するために使用されることができる。及び/又は、外部部材としての機能を果たす、又は外部部材又は他の周縁インプラント支持構造等を、PCT国際特許出願PCT/EP2012/067801、その全開示は本願に参照として組み込まれる、に記載れるように、位置付けるために使用されることができる。
【0071】
上記の方法は、一般的原理をよりよく説明するため、僧房弁360に基づいて説明したが、この方法は、一般的に、あらゆる組織構造10を取り囲むこと、及びあらゆる周縁構造、例えば、機械的に到達困難な部分又は閉塞空間中の他の周縁構造を取り囲むことにも、関連することができる。
【0072】
図13を参照して、カテーテル部材1は、周縁組織構造10を、大動脈弓340の反対側の周縁組織構造10の側部から取り囲むように構成されてよい。従って、主カテーテル70の遠位端部100は、大動脈弓340に関連して、周縁組織構造10の遠方側(far side)に位置付けられてよい。従って、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130、及び/又は、第1及び/又は第2の第3カテーテル200,210は、大動脈弓340の反対に位置する周縁組織構造10上の位置から始まる組織構造10を取り囲む(少なくとも部分的に、例えば、完全に)ように構成されてよい。この点、カテーテル部材1は、大動脈弓340に関連するあらゆる位置から組織構造10を取り囲むよう構成されてよい。
【0073】
図14aから
図14fは、第1の屈曲機構(
図6も参照)のさらなる変形例を示す。
図14aから
図14bによれば、第1の屈曲機構191は、(例えば、1つの)リンク部材191d及び2つの接合(ジョイント)部材191eにより実装されて(及び、従って、備えて)よい。それぞれの接合部材191eは、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150(例えば、その遠位端又はこれに近接する領域)に、それぞれ提供されてよい。リンク部材191は、それぞれが2つの接合部材191eの1つに接続されてよい、2つの長手方向端部を備える硬い、又は剛性の、又は柔軟性の長手方向要素であってよい。接合部材191e及びリンク部材191dの間の接続は、リンク部材191dと、第1又は第2の副カテーテル120,130との間の回転運動を許容するよう構成されてよい。この点、接合部材191eは、リンク部材191dの長手方向端部と、第1又は第2の副カテーテル120,130との間のヒンジとして実装されてよい。従って、
図14aに示すように、第1及び第2の副カテーテル120,130が、主カテーテル70の内部ルーメン80内に被覆される際、リンク部材191dの長手方向軸は、主カテーテル70の長手方向軸90に実質的に整列してよく、ここで、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150は、主カテーテル70の長手方向軸90に沿って、互いに、2つの接合部材191eの距離に対応する距離を有する(及び、このためまた、リンク部材191dの長手方向長さに対応する)。すなわち、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150は、互いに、主カテーテル70の長手方向軸90に沿った方向に距離を有してよい(及び、従って、副カテーテル120,130の長手方向軸125,135に沿った距離も有してよい)。
図14bに示されるように、第1及び第2の副カテーテル120,130は、互いにリンク部材191dの長さに対応する距離を有するが、主カテーテル70の遠位端部100から前進する際、その後、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130が移動され、これにより、第1の副カテーテル120の遠位端部140及び第2の副カテーテル130の遠位端部150の間の軸距離(主カテーテル70の長手方向軸90に対する軸)が、変更し(例えば、減少し)、リンク部材191dは、接合部材191eを介して第1及び第2の副カテーテル120,130に回転可能に接続されるが、副カテーテル120,130の遠位端部140,150の横方向偏位(主カテーテル70の長手方向軸90に対して)を引き起こす。従って、リンク部材191d及び接合部材191e(
図14a及び
図14bに示されるように第1の屈曲機構191を構成する)と、第1及び第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150との相互作用により、アーム部126,136が、形成される。
【0074】
図14c及び
図14dは、リンク部材191d及び接合部材191eを備える第1の屈曲機構191のさらなる変形例を示す。ここで、第1のリンク部材191は、第1の接合部材191eを介して、第1の副カテーテル120(例えば、その遠位端部140)に接続され、及び、第2のリンク部材191は、第2の接合部材191eを介して、第2の副カテーテル(例えば、その遠位端部150)に接続される。さらに、第1及び第2のリンク部材191dのそれぞれの端部と反対側の、第1及び第2のリンク部材191dの端部は、第1及び第2の副カテーテル120,130にそれぞれ接続されるが、第3の接合部材191eに回転可能に相互接続される。さらに、長手動作部材191jは、その一端(長手方向)で、第1のリンク部材、第2のリンク部材191d及び/又は第3の接合部材191eに接続されてよい(
図14c及び
図14dに示すように)。動作部材191jは、主カテーテル70の内部ルーメン80内に(部分的に)被覆されてよく、及びこれに対して移動可能であってよい。動作部材191jの他の長手端部は、主カテーテル70の近位端110に延長してよく、そこで、例えば、外科医又は駆動機構等により、外側へ露出されて操作可能であってよい。
【0075】
図14dに示すように、動作部材191jを操作することで、第3の接合部材191eを(又は第1又は第2のリンク部材を)、主カテーテル70の長手方向に移動することができ、及び従って、第1及び第2のカテーテル部材120,130(例えば、その遠位端部140,150)を、第1及び第2のリンク部材191d、及び第1、第2及び第3の接合部材191eを介して屈曲することができ、これにより、主カテーテル70の遠位端部100は、副カテーテルを屈曲するための「カウンタ」支持部材としての機能を果たすことができる。追加的に又は代替的に、任意に、
図14c及び
図14dに示されるように、さらなるリンク部材191d及び接合部材191eがまた提供されてもよい。例えば、第4のリンク部材191eは、第1及び第2の副カテーテル120,130に、第1及び第2の接合部材191eから近位方向に離隔して提供される、第4及び第5の接合部材191e(回転可能な接続又は剛性の接続を提供することができる)を介して接続されてよい。従って、この第4のリンク部材191eは、第1及び第2の副カテーテル120,130を屈曲してアーム部126,136を形成する際、「カウンタ」支持部材としての機能を果たすことができる。任意に、さらに第1の屈曲機構101の効率を向上させるため、第5のリンク部材191eもまた、提供されて、第1の接合部材191e及び第4の接合部材191eとの間(第1の副カテーテル120及び第5のリンク部材を接続する)を接続してよく、及び/又は、第6のリンク部材191eが提供されて、第2の接合部材191e及び第5の接合部材191e(第2の副カテーテル130及び第5のリンク部材を接続する)を接続してよい。
【0076】
図14e及び第14fは、第1の屈曲機構191のさらなる変形例を示す。ここで、第1及び第2の副カテーテル120,130は、ヒンジ部材191hを介して接続されてよい。このヒンジ部材191hは、副カテーテル120,130の遠位端部140,150を接続してよく、又は、遠位端部140,150から長手方向距離(長手方向軸125,135に沿って)を有する部分を接続してよい。ヒンジ部材191hは、互いに、副カテーテルの長手方向軸125、135に実質的に垂直な回転軸に沿って、副カテーテル120,130を回転可能にするよう構成されてよい。ヒンジ部材191hに加えて、変形例に係る第1の屈曲機構191はまた、膨張可能/収縮可能な部材191f(以下において「膨張可能な部材」として記載される)と、及び、膨張可能な部材191fに接続される膨張可能部材のカテーテル191gとを備えてよい。この膨張可能部材のカテーテル191g及び膨張可能な部材191fは、主カテーテル70の内部ルーメン80内に(少なくとも部分的に)被覆されてよい。膨張可能部材のカテーテル191g及び膨張可能な部材191fは、主カテーテル70に対して(少なくとも部分的に)長手方向に移動可能であってよい。膨張可能な部材191fは、主カテーテル70の長手方向軸90に垂直方向に減少された径を有することで特徴付けられる収縮状態を有してよく、及び、主カテーテル70の長手方向軸90に垂直方向に増大された径を有することで特徴付けられる膨張状態を有してよい。膨張可能な部材191fが、主カテーテル70内に被覆される際、これはその収縮状態であってよい。副カテーテル120,130の遠位端部140,150を屈曲するために、上記遠位端部(ヒンジ部材191hにより接続されてよい)は、前進され、主カテーテル70から露出してよい。その後、膨張可能な部材191fは、膨張可能部材のカテーテル191gにより、ヒンジ部材191hから近位に離隔した位置で、位置決めされてよい。その後、膨張可能な部材191fは、その膨張状態に至ってよく、これにより、第1及び第2の副カテーテル上に外方の力を適用し、これにより、ヒンジ部材191h周囲にその回転をもたらす。結果として、ヒンジ部材191hから遠位に位置する副カテーテル120,130の遠位端部(又はその部分)140,150は、径方向に外側に移動することができ(例えば、主カテーテル70の長手方向軸90に関して)、これにより、アーム部126、136を形成する。膨張可能な部材191fは、膨張及び/又は収縮状態、又は中間状態を実現するため、例えば気体又は液体のような物体をこれへ及び/又はこれから供給されることができる、バルーン又は膜として実装されてよい。従って、アーム部126、136の形状及び位置は、膨張可能な部材191fの膨張/収縮/中間状態を介して、及び/又は、膨張可能な部材191fのヒンジ部材191hへの距離を介して(これは膨張可能な部材191f及び副カテーテル120,130を、互いに対して、例えば膨張可能部材のカテーテル191fを介して、移動することにより調整可能である)、制御することができる。膨張可能な部材191fはまた、又は代替的に、液体又は気体等を供給することなく実現される、減少された及び増大された径状態を有することの可能な、形状記憶構造及び/又は弾性構造として、実装されることができることに留意すべきである。この点、膨張可能な部材191fは、主カテーテル70の内部ルーメン80内に被覆される際には、減少された径を有する圧縮状態にあってよく、及び、主カテーテル70の内部ルーメン80から前進する際には、増大された径を有する非圧縮状態にあってよい。この非圧縮状態は、例えば、一旦、主カテーテル70の内部ルーメン80によりもたらされた拘束が、膨張可能な部材191fを主カテーテル70から露出することにより除去されると、径を増大させることのできる弾性材料により達成することができる。膨張可能な部材191f及び膨張可能部材のカテーテル191gはまた、同時に、鈍頭フロントボディ330及びフロントボディチューブ320としての機能をそれぞれ果たすことができることにさらに留意すべきである。この点、膨張可能な部材は、例えば、カテーテル部材1が組織構造へ前進させられた際、主カテーテル70の近位端を閉止することができ(例えば、上記で説明した「中間」又は減少された径の状態を有し、ヒンジ部材191hから遠位の位置にある際)、及び、その後、第1の屈曲機構191としての機能を果たすことができる(例えば、増大された径の状態を有し、ヒンジ部材191hから近位の位置へ移動された際)。この点、膨張可能な部材191fは、少なくとも収縮/減少された径の状態にある際、主カテーテル70の長手方向に、ヒンジ部材191hを通過してよい。
【0077】
図15aから
図15eを参照して、カテーテル部材1及びその使用方法の変形例を説明する。ここで説明される全ての特徴(例えば、第1及び/又は第2の屈曲機構191,192、アーム部等)はまた、
図15aから
図15eを参照して説明されるカテーテル部材1及び方法にも適用可能であり、及び従って、上記でまだ説明されていない特徴が
図15aから
図15eを参照して説明されることに留意すべきである。主カテーテル70は、その遠位端部100に、又はその近位端部110及び遠位端部100の間に位置してよい(例えば、遠位端部100に近接して)開口75を備えてよい。この開口75は、主カテーテル70の(1つであってよい)内部ルーメン80を、主カテーテル部材1の周囲/外側と接続してよい。この点、この開口は、主カテーテル70の長手方向軸90に対して横方向に開口してよく、又は、これに対して角度を規定してよい(例えば、30°から80°、例えば、40°から60°、例えば、実質的に45°、ここで、この角度は、長手方向軸90に対して垂直方向から、主カテーテル70の遠位端(部)に向かう方向にカウントされる)。
【0078】
図15aから
図15eに示されるカテーテル部材1の変形例は、捕捉機構450を備えてよい。この捕捉機構450は、主カテーテル70に対して、長手方向にその近位及び/又は遠位方向に、移動可能に構成されてよい。捕捉機構450は、主カテーテル70の(その又は1つの)(例えば、分離した)内部ルーメン80から、開口75を介して、露出される主カテーテル70の外側へ、前進(及び/又は後退)させられてよい。捕捉機構450又はその部分(以下参照)はまた、捕捉機構450が前進して主カテーテル70から露出する際、主カテーテル70に対して移動可能であってよい。
【0079】
捕捉機構450は、1つ又は複数の(例えば、2つの)ワイヤ及び/又はカテーテル等(例えば、第1及び/又は第2の第3カテーテル)を捕捉するよう構成されてよい。例えば、捕捉機構450は、ワイヤ300及び/又は捕捉ワイヤ310(これは遠位捕捉コンポーネント315を備えても、又は備えなくてもよい)、例えば、その遠位端、を捕捉するよう構成されてよい。捕捉機構450はまた、1つ又は複数(例えば、双方)の第3カテーテル200,210、例えばその遠位端部260,270、を捕捉するよう構成されてよい。捕捉機構450は、ここで説明されるあらゆる1つ又は2つのワイヤ又はカテーテルを捕捉するよう構成されてよい。捕捉機構450はまた、捕捉コンポーネント315を捕捉するよう構成されてよく、これは、上記のワイヤ300の自由遠位端305を捕捉するために使用されることができる。示されるように、捕捉ワイヤ310はまた、捕捉コンポーネント315を備えなくてもよく、及び、捕捉機構450は、従って、捕捉機構450により捕捉される際に捕捉コンポーネント315を備えても備えなくてもよい、ワイヤ300及び捕捉ワイヤ310の遠位端を捕捉してよい。(この点、ここでのワイヤ300及び捕捉ワイヤ310はまた、第1のワイヤ300及び第2のワイヤ310(捕捉コンポーネント315を備えない捕捉ワイヤ310に対応する)としてそれぞれここで示されることに留意すべきである。)
【0080】
捕捉機構450は、選択的に及び制御可能に、主カテーテル70に対して、捕捉されたワイヤ、及び/又は、カテーテル、及び/又は、コンポーネントを移動するよう構成されてよい。これにより、例えば、主カテーテル70に対して、従ってまた、上記解剖学的特徴(例えば、組織構造10)に対して、ワイヤ300(これは上記のように解剖学的特徴を部分的又は完全に取り囲むことができる)、及び/又は、ワイヤ315、及び/又は、第3のカテーテル200,210を移動する機能を果たすことができる。より詳細は後述する。
【0081】
捕捉機構450は、ワイヤ、カテーテル、又は例えば捕捉コンポーネント315のような他の要素を捕捉するよう構成される捕捉装置を備えてよい。この捕捉装置は、捕捉バスケット470(図示される)、及び/又は磁性コンポーネント、及び/又は、フック、及び/又は、スネア、及び/又は、輪索(ラッソ(lasso))、又はこれらの組み合わせであってよい、又は備えてよい。
【0082】
捕捉機構450は、任意に、捕捉機構制御部460(以降、「制御部460」として参照される)。この制御部460は、ワイヤ、カテーテル、又は捕捉機構450(例えば、その捕捉装置)で/により捕捉される他の要素/構成要素を制御するよう構成されてよく、その詳細は後述される。
【0083】
例示的変形例によれば、制御部460は、1つ又は複数の内部ルーメンを備えてよく、その中に被覆される際(例えば、内部ルーメン80又は主カテーテル70の別個の内部ルーメンに被覆される)、主カテーテル70に対して移動可能であってよい、制御カテーテル480を備えてよい。制御カテーテル480の近位端は、主カテーテル70の近位端部110から露出されて、操作可能となってよい。制御カテーテル480を操作することは、制御カテーテル480を主カテーテル70に対してその長手方向に移動することを含んでよい。
【0084】
制御ワイヤ490は、制御カテーテル480内に被覆されてよく、及びそれに対して移動可能であってよい。制御ワイヤ490の遠位端は、捕捉装置、すなわち、捕捉バスケット470(図示される)、又は磁性コンポーネント、又はフック、又はスネア、又はラッソ等に接続されてよい。制御ワイヤ490の近位端部は、主カテーテル70の近位端部110から露出されて操作可能となってよい。従って、制御ワイヤ490を操作することにより、制御ワイヤ490及びこれに接続される捕捉装置(例えば、図示の捕捉バスケット)は、制御カテーテル480に対して移動されることができる。
【0085】
例えば、捕捉機構450が捕捉バスケット470(例えば、弾性金属、又は樹脂ワイヤ、又は形状記憶材料等から作製される)として実装される際、制御部460は、制御カテーテル480内に被覆される制御ワイヤ490として実装されてよい。捕捉バスケット470は、制御カテーテル480内で、圧縮/折り畳み状態で提供されることができ、主カテーテル70に対して制御カテーテル480及び/又は制御ワイヤ490を移動することにより、主カテーテル70の開口75に対して、近位及び/又は遠位に移動させることができる。従って、捕捉バスケット470は、制御ワイヤ490及び制御カテーテル480を操作することにより、主カテーテル70の外側へ、開口75(及び、制御カテーテル480)を介して前進させられることができ、又は、これを介して外側から制御カテーテル480及び/又は主カテーテル70内部へ後退させられることができる。
【0086】
捕捉バスケット470が制御カテーテル480(及び、主カテーテル70)から露出する際、その圧縮/折り畳み状態から、例えばその弾性及び/又は形状機構特性を使用して、展開されてよい。捕捉バスケット470が制御カテーテル480内へ後退させられる際、制御カテーテル470により形成される幾何学的拘束(例えば、そのルーメンの遠位端開口により)により、圧縮/折り畳まれて、その圧縮/折り畳み状態と見なせる。上記捕捉バスケット470が、制御カテーテル480及び主カテーテル70から前進させられる際(すなわち、カテーテル部材1の周囲に露出する際)、それは、主カテーテル70に対して移動可能であってよく、一方、主カテーテル70の外側へ露出し、及び一方、例えば、その非折り畳み/展開状態にあってよい。捕捉装置(例えば、上記で例示したように捕捉バスケット470)は、主カテーテル70に対して移動されることができ、一方、制御カテーテル480の位置は、主カテーテル70に対して実質的に一定である(すなわち、捕捉装置は、制御ワイヤ490を移動することにより移動されてよい)。しかしながら、追加的に又は代替的に、捕捉装置はまた、制御カテーテル480及び制御ワイヤ490を対応して移動することにより移動することができ、これにより、捕捉装置の位置は、制御カテーテル480に対して実質的に一定であるが、捕捉装置及び制御カテーテル480の位置は、主カテーテル70に対して変化する。
【0087】
捕捉機構450が捕捉装置としての磁性コンポーネント(不図示)を備える際、制御部460は、任意に、磁性コンポーネントに電流/バイアスを供給して磁性コンポーネントの磁力を増加させるため、磁性コンポーネント及び外部電源(例えば、主カテーテル70の近位端部110上に、例えば患者から離隔して提供される)に接続されてよい電気ワイヤをさらに備えてよい。追加的に又は代替的に、制御部460が導電性である際、それは、別個のワイヤ等を必要とすることなく、電流/電圧を磁性コンポーネントへ直接伝達するのに使用されてよい。この磁性コンポーネントは、必ずしも電導磁石として実装される必要はなく、例えば、ネオジム−鉄−ボロン(neodymium-iron-boron)磁石、又は永久鉄磁石等の従来の磁石として実装されてもよい。
【0088】
以下、上記の捕捉機構450を有するカテーテル部材1を使用する例示的方法を説明する。カテーテル「装置」に関連して説明される特徴はまた、方法ステップとして適用可能であり、及び、方法ステップに関連して説明される特徴はまたカテーテル「装置」に適用可能であることが意図される。
【0089】
図15aは、
図12又は
図13aに示される図と実質的に同様の、人間の心臓の断面図を示す。ここで、カテーテル部材1は、主カテーテル70に備えられる、上述の開口75を有する。カテーテル部材1は、大動脈弓340を介して前進させられ、これにより、主カテーテル70の遠位端部100は、心室腔370内へ延長し、及び大動脈弓340と実質的に反対の組織構造10の側部に位置付けられる(例えば、上述の整列部及び屈曲機構を使用して)。この開口75は、主カテーテル70上に提供され、これにより、主カテーテル70がその動作位置にある際に、主カテーテル70の遠位端部100と同じ軸レベル上に概略位置付けられる。この軸レベルは、僧房及び心室腔350,370を環帯30/接続チャネル壁構造(例えば、その中心点)を介して接続する軸500に対して規定されてよい。さらに、開口75は、主カテーテル70上に径方向に提供され、これにより、開口75は、概ねその遠位端部100に対向する。「概ね同じレベルにある」とは、主カテーテル70上で遠位端部100のレベルから軸500に対して僅かに近位に又は遠位に離隔する位置として参照されてよいことに留意すべきである(例えば、0.01又は0.1又は0.3又は0.5又は1又は2又は3又は4又は5cm又は7cmと等しいかこれより未満、又は近位又は遠位に離隔された異なる距離、ここでこの距離は、主カテーテル70の長手方向軸90に沿ってカウントされる)。
【0090】
図15bに示されるように、捕捉機構450(ここでは捕捉装置としての捕捉バスケット470を備える)は、例えば、制御装置460(ここでは主カテーテル70内に(部分的に)被覆される制御ワイヤ490及び制御カテーテル480として実装される)を使用して、前進させられ、主カテーテル70から露出してよく、これにより、捕捉バスケット470は、
図15bに矢印5で示されるように、その非折り畳み/非圧縮状態と見なせる。
【0091】
図15cに示されるように、ワイヤ300の遠位端305は、捕捉機構450により捕捉されてよい。捕捉されるため、遠位端305は、例えば、前進させられ、これにより、捕捉バスケット470として実装される際に、捕捉機構450を介して延長し、又は、磁性コンポーネントを備える際、例えば捕捉装置に磁気的に引き付けられてよい。この点、ワイヤ300は、前進させられ、(少なくとも部分的に)組織構造10周囲に延長してよく、及び、捕捉機構450により、例えば、副カテーテル120,130、及び/又は第3カテーテル200,210を用いて、実質的に上述したように、又は、他の手段により、捕捉されてよい。捕捉バスケット470はまた、任意に、捕捉性能をさらに向上させるため、磁性材料から作製されてよく、及び/又は、電磁石を備えて実装されてよい。上述の副及び第3カテーテルがワイヤ300を前進させるのに使用される場合、これは、(少なくとも部分的に)組織構造10周囲の周縁に延長する。これらは、ワイヤ300が前進させられた後、主カテーテル70内へ後退して戻り、このため、
図15cには示されていない。
【0092】
追加的に又は代替的に、ワイヤ300(例えば、その遠位端305)、捕捉コンポーネント315、及び/又は捕捉ワイヤ310が捕捉機構450により捕捉された後、又はその間、又はその前に、ワイヤ300の自由遠位端305は、上述のように捕捉ワイヤ310に備えられる遠位捕捉コンポーネント315により捕捉されてよい(例えば、
図10参照)。さらに、ワイヤ300により形成されるループもまた、これは、例えば、ワイヤ300の捕捉遠位端305により、捕捉ワイヤ310に備えられる捕捉コンポーネント315を用いて、及びその後ワイヤ300の遠位端305を主カテーテル70内に後退し戻すことにより形成されるが、捕捉機構450により捕捉されてよい(これにより、ワイヤ300は、捕捉機構450(例えばその捕捉装置)により捕捉されることになる)。
【0093】
図15dに示されるように、捕捉/第2ワイヤ310は、主カテーテル70の遠位端部100から前進させられてよく、組織構造10周囲に延長する(少なくとも部分的に)ために、大動脈弓340と反対である周縁組織構造10の側部に位置付けられる。これにより、捕捉/第2ワイヤ310の遠位端部は、捕捉機構450により捕捉されて、上述したとおり副カテーテル120,130及び/又は第3カテーテル200,210、又は他の手段を使用して、組織構造10に対して、主カテーテル70の遠位端部100の反対側に位置付けられる。
図15c、
図15dにあるように、以前に使用され得たあらゆる副カテーテル120,130又は第3カテーテル200,210は、主カテーテル70内に後退した状態で示されており、及び従って、
図15dには図示されていない。さらに
図15dに示されるように、ワイヤ300(第1のワイヤ300として設計されてもよい)及び捕捉/第2ワイヤ310の双方は、主カテーテル70の遠位端部100から捕捉機構450へ延長してよく、ここで、双方のワイヤ300,310は、組織構造10の径方向反対側に延長する。これにより、組織構造10周囲の周縁に延長する(例えば、完全に延長する)ループが形成され、及び双方のワイヤ300,310の遠位端は、捕捉機構450により捕捉される(例えば、
図15dに示される捕捉バスケット470等の捕捉装置を使用して)。ワイヤ300,310の遠位端(及び/又は捕捉コンポーネント315)が、捕捉機構450により確実に捕捉される際、ワイヤ300,310の位置(例えば、組織構造10周囲の周縁に延長するループ)は、
図15eに矢印5で示されるように、捕捉機構450(及び、従って捕捉ワイヤ又は他の要素)を主カテーテル70に対して移動することにより、軸500に対して選択的に軸方向に変化してよい。従って、ワイヤ300及び/又はワイヤ310により形成されるループは、組織構造10、及び/又は例えば人工心臓弁等の例えば組織構造10内部に提供されてよい医用インプラント、に対して精密に位置づけられることができる。
【0094】
図15eに例示されるように、捕捉バスケット470が捕捉機構450の捕捉装置として使用される際、ワイヤ300,310及び/又は捕捉コンポーネント315は、捕捉バスケット470が(少なくとも部分的に)制御カテーテル480(例えば、その内部ルーメン)内へ後退して戻る際、捕捉バスケット470により、より確実に捕捉されることができる。これにより、ワイヤ300,310及び/又は捕捉コンポーネント315は、捕捉バスケット470及び制御カテーテル480(例えば、その遠位端)の間に、圧入により確実に保持されることができ、及び/又は、制御カテーテル480の内部ルーメン内へ部分的に引き込まれてより確実に捕捉されることができる。その後、ワイヤ300、ワイヤ310及び/又は捕捉コンポーネント315の位置は、主カテーテル70に対して制御カテーテル480を移動することにより、制御カテーテル480に対する制御ワイヤ490の位置を一定に保ちながら、精密に制御されることができる。
【0095】
図13a、
図13b、及び
図15aから
図15eを参照して、カテーテル部材1は、カテーテル部材1が僧房弁360へ、大動脈弓340を通じる進入路を介して、前進させられる際、主カテーテル70の遠位端部が、実質的に大動脈弓340から径方向反対側である組織構造10の側部に位置付けられるような形状と見なすことができる。この形状は、カテーテル部材1を対応して予備成形することにより、又は、説明したように第2の屈曲部及び第2の屈曲機構を使用することにより、及び/又は、主カテーテル70の遠位端部100を心室腔370内に実質的に乳頭筋60に沿って押し込むことにより、達成されることができる。これにより、遠位端部100は、実質的に、周縁組織構造10に径方向反対側に位置付けられる。
【0096】
さらに例示的実施形態によれば、周縁組織構造10と相互作用するカテーテル部材1が提供され、このカテーテル部材1は、内部ルーメン90を有し、長手方向軸90に沿って延長して遠位端部100を有する主カテーテル70と、それぞれが遠位端部140150及び内部ルーメン160,170を備え、及びそれぞれが主カテーテル70の内部ルーメン80内に配置されてそれに対して相対的に移動可能であってその遠位端部100から露出可能な、第1及び第2の細長副カテーテル120,130と、及び前記第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の遠位端部140,150へ第1の副屈曲形状と見なせる傾向を提供する、第1の屈曲機構191と、を備え、ここで、前記第1及び第2の副カテーテル120,130の1つ又は双方の遠位端部140,150は、主カテーテル70の遠位端部100から露出される際、前記第1の屈曲機構191により屈曲されることができて、主カテーテル70の長手方向軸90の方向を実質的に横切るアーム部126,136を形成して、前記第1の副屈曲形状と見なせ、ここで、それぞれのアーム部126,136は、主カテーテル70の長手方向軸90の径方向に、少なくとも4mm、又は少なくとも5mm、又は少なくとも8mm、又は少なくとも10mm、又は少なくとも12mm延長し、それぞれのアーム部の自由端は、長手方向軸90から離れて向かっており、これにより、それぞれのアーム部126,136は、その側部外表面と共に、主カテーテル70の長手方向軸90の横方向に延長する鈍頭端面を形成し、及び前記鈍頭端面を、前記カテーテル部材1で、前記組織構造10に、非穿通的方法で、正面向きに接触させる。
【0097】
さらに上記例示的実施形態において、任意に、前記第1及び第2の副カテーテル120,130は、それぞれ、前記遠位端部140,150及び近位端部180,190の間であって、その遠位端部140,150に近接して位置する第2の整列部127,137を備えてよく、ここで、前記カテーテル部材1はさらに、第1及び/又は第2の副カテーテル120,130の前記第2の整列部127,137へ、第2の副屈曲形状と見なせる傾向を提供する第2の屈曲機構192を備え、ここで、前記第1及び第2の副カテーテル120,130の前記第2の整列部127,137は、前記第2の屈曲機構192により屈曲されることができて、所定の湾曲を有する前記第2の副屈曲形状と見なせ、任意に、半径が実質的に30から70mm、及び任意に90°から270°の角度を描き、及びここで、前記第1の副カテーテル120は長手方向軸125を有し、及び前記第2の副カテーテル130は長手方向軸135を有し、ここで、前記第1及び第2の副カテーテル120,130の前記第2の整列部127,137が互いに平行に前記第2の副屈曲形状と見なせる際、前記第2及び第2の副カテーテル120,130のアーム部126、136は、それぞれ、及び主カテーテル70の遠位端部100は、同一の所定の平面に延長するその長手方向軸90、125,135に対している。前記さらなる例示的実施形態はまた、添付の請求項2から24の発明主題のいずれか又はいくつか又は全てと組み合わせることができる。