特許第6182562号(P6182562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182562
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】集合住宅用電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20170807BHJP
   H02J 5/00 20160101ALI20170807BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
   H02J9/06 150
   H02J5/00
   H02J3/38 110
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-70174(P2015-70174)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-192829(P2016-192829A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2015年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】小野 高
(72)【発明者】
【氏名】塩野 透
【審査官】 桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−101529(JP,A)
【文献】 特開2010−288387(JP,A)
【文献】 特開2014−17995(JP,A)
【文献】 特開2011−66967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 − 1/16
H02J 3/00 − 5/00
H02J 9/00 − 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源からの電力を共用部及び専有部へとそれぞれ分配し、前記専有部へと分配された電力を当該専有部の電力負荷の一部である第一電力負荷へと供給する電力分配部と、
前記共用部に設けられ、前記電力分配部からの電力を充放電可能な蓄電装置と、
前記共用部に設けられ、前記電力分配部及び前記蓄電装置からの電力を交流電力から直流電力に変換して出力可能な電力変換部と、
前記専有部に設けられ、前記電力変換部からの電力を取り出し、当該専有部の電力負荷のうち前記第一電力負荷とは異なる第二電力負荷へと供給可能な電力出力部と、
を具備する集合住宅用電力供給システム。
【請求項2】
前記電力分配部又は前記蓄電装置のいずれか一方からの電力のみを前記電力変換部へと供給可能とする切替部をさらに具備する、
請求項1に記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項3】
前記電力出力部は、
所定値以下の電力を取り出し可能とする、
請求項1又は請求項2に記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項4】
前記電力出力部は、
USB端子を接続可能なUSBコンセントを含む、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の集合住宅用電力供給システム。
【請求項5】
前記専有部に設けられ、前記電力出力部に接続されるLED照明機器をさらに具備する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の集合住宅用電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共用部を有する集合住宅に設けられる集合住宅用電力供給システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、共用部を有する集合住宅に設けられる集合住宅用電力供給システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、太陽光発電装置と、蓄電池と、太陽光発電装置や蓄電池からの電力を共用部(共有部)や専有部(各住居)に適宜分配する分電盤と、を具備する集合住宅用電力供給システムが記載されている。当該集合住宅用電力供給システムは、時間帯に応じて予め定められた優先順位に従って、共用部や専有部に電力を分配する。具体的には、電力の使用量が多い箇所(共用部や専有部)に、太陽光発電装置や蓄電池からの電力を優先して供給する。
【0004】
このように構成することによって、太陽光発電装置で発電された電力を発電された場所(すなわち、当該集合住宅用電力供給システムが設けられた集合住宅)で最大限使用することができる。言い換えれば、電力会社へと売電される電力を抑制することができる。これによって、電力を売電する際の送電等による電力損失を抑制することができ、電力の有効活用を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−239260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、一旦電力を共用部と専有部に分配した後で、共用部へと分配された電力を専有部へと供給することはできない。このため、電力の有効活用を図る観点から、改善の余地があった。
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、電力の有効活用を図ることが可能な集合住宅用電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、商用電源からの電力を共用部及び専有部へとそれぞれ分配し、前記専有部へと分配された電力を当該専有部の電力負荷の一部である第一電力負荷へと供給する電力分配部と、前記共用部に設けられ、前記電力分配部からの電力を充放電可能な蓄電装置と、前記共用部に設けられ、前記電力分配部及び前記蓄電装置からの電力を交流電力から直流電力に変換して出力可能な電力変換部と、前記専有部に設けられ、前記電力変換部からの電力を取り出し、当該専有部の電力負荷のうち前記第一電力負荷とは異なる第二電力負荷へと供給可能な電力出力部と、を具備するものである。
【0010】
前記電力分配部又は前記蓄電装置のいずれか一方からの電力のみを前記電力変換部へと供給可能とする切替部をさらに具備することとしてもよい。
このような構成により、共用部から専有部へと供給する電力の供給源を選択することができ、電力の有効活用を図ることができる。
【0011】
前記電力出力部は、所定値以下の電力を取り出し可能とすることとしてもよい。
このような構成により、共用部の電力が過剰に専有部へと供給されるのを防止することができる。
【0012】
前記電力出力部は、USB端子を接続可能なUSBコンセントを含むものとしてもよい。
このような構成により、共用部の電力が過剰に専有部へと供給されるのを防止することができる。
【0013】
前記専有部に設けられ、前記電力出力部に接続されるLED照明機器をさらに具備することとしてもよい。
このような構成により、共用部の電力が過剰に専有部へと供給されるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
電力の有効活用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システムの全体的な構成を示した模式図。
図2】電力供給制御盤の構成を示した模式図。
図3】通常時において、電力供給制御盤を流通する電力の様子を示した模式図。
図4】停電時において、電力供給制御盤を流通する電力の様子を示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1の構成について説明する。
【0017】
図1に示す電力供給システム1は、マンション等の集合住宅2に設けられ、電力を適宜の機器へと供給するためのものである。集合住宅2は、住居や店舗等の専有部2aと、その他の部分である共用部2bと、を具備する。電力供給システム1は、主として第一共用部分電盤11、第二共用部分電盤12、電力供給制御盤13、蓄電装置14、共用部照明器具15、共用部コンセント16、DC/DCコンバータ17、専有部コンセント18、LEDダウンライト19、USBコンセント20、専有部分電盤21及び専有部電力負荷22を具備する。
【0018】
第一共用部分電盤11は、商用電源100から供給される電力を適宜分配するものである。第一共用部分電盤11は、漏電遮断器及び配線遮断器等により構成される。第一共用部分電盤11は、共用部2bに設けられる。
【0019】
第二共用部分電盤12は、第一共用部分電盤11から供給される電力を適宜分配するものである。第二共用部分電盤12は、漏電遮断器及び配線遮断器等により構成される。第二共用部分電盤12は、共用部2bに設けられる。第二共用部分電盤12は、配電線を介して第一共用部分電盤11に接続される。
【0020】
電力供給制御盤13は、第二共用部分電盤12及び後述する蓄電装置14から供給される電力を適宜分配するものである。電力供給制御盤13は、共用部2bに設けられる。電力供給制御盤13は、配電線を介して第二共用部分電盤12及び蓄電装置14等に接続される。電力供給制御盤13の詳細な構成については後述する。
【0021】
蓄電装置14は、電力の充放電が可能なものである。蓄電装置14は、リチウムイオン電池等の蓄電池や当該蓄電装置14の動作を制御する制御部等により構成される。当該蓄電装置14の制御部は、図示せぬセンサを介して商用電源100の停電の発生を検出することができる。蓄電装置14は、配電線を介して電力供給制御盤13に接続される。
【0022】
共用部照明器具15は、電力を消費して光を照射するもの(電力負荷)である。共用部照明器具15は、共用部2bの適宜の場所に配置される。共用部照明器具15は、図示せぬコンセント及び配電線を介して電力供給制御盤13に接続される。
【0023】
共用部コンセント16は、電力を取り出し可能な接続器(電力出力部)である。共用部コンセント16は、共用部2bの適宜の場所に配置される。共用部コンセント16は、配電線を介して電力供給制御盤13に接続される。
【0024】
DC/DCコンバータ17は、直流電力の電圧を適宜の電圧に変換するものである。DC/DCコンバータ17は、共用部2bに設けられる。DC/DCコンバータ17は、配電線を介して電力供給制御盤13に接続される。
なお、図1においては一例としてDC/DCコンバータ17を2つ図示しているが、その個数は限定するものではない。
【0025】
専有部コンセント18は、電力を取り出し可能な接続器である。専有部コンセント18は、専有部2aの適宜の場所に配置される。本実施形態においては、専有部コンセント18は、各住居の天井部に設けられる。専有部コンセント18は、所定値以下の電力を取り出し可能に設定される。具体的には、本実施形態に係る専有部コンセント18は、16(W)以下の電力を取り出し(出力)可能となるように設定される。専有部コンセント18は、配電線を介してDC/DCコンバータ17に接続される。
【0026】
LEDダウンライト19は、LED(発光ダイオード)を用いて、電力を消費して光を照射するもの(電力負荷)である。LEDダウンライト19は、専有部2aの適宜の場所に配置される。本実施形態においては、LEDダウンライト19は、各住居の天井部(専有部コンセント18の近傍)設けられる。LEDダウンライト19は、専有部コンセント18に接続される。
【0027】
USBコンセント20は、USB端子を接続することで電力を取り出し可能な接続器である。USBコンセント20は、専有部2aの適宜の場所(各住居等)に配置される。USBコンセント20は、所定値以下の電力を取り出し可能に設定される。具体的には、本実施形態に係るUSBコンセント20は、16(W)以下の電力を取り出し(出力)可能となるように設定される。USBコンセント20は、配電線を介してDC/DCコンバータ17に接続される。
【0028】
専有部分電盤21は、第一共用部分電盤11から供給される電力を適宜分配するものである。専有部分電盤21は、漏電遮断器及び配線遮断器等により構成される。専有部分電盤21は、専有部2aの適宜の場所(各住居等)に配置される。専有部分電盤21は、配電線を介して第一共用部分電盤11に接続される。
【0029】
専有部電力負荷22は、電力を消費して運転する電化製品等(電力負荷)である。例えば、専有部電力負荷22には、照明、テレビ、冷蔵庫等が含まれる。専有部電力負荷22は、専有部2aの適宜の場所(各住居等)に配置される。専有部電力負荷22は、配電線を介して専有部分電盤21に接続される。
【0030】
以下では、図2を用いて、電力供給制御盤13の構成について説明する。
【0031】
電力供給制御盤13は、配電線を介して、第二共用部分電盤12、蓄電装置14、共用部照明器具15、共用部コンセント16及びDC/DCコンバータ17を適宜接続している。電力供給制御盤13は、主として入力側ブレーカー31、電力センサ32、切替ユニット33、自立出力側ブレーカー34、分岐ブレーカー35、AC/DCコンバータ36及びリモコン装置37等を具備する。
【0032】
入力側ブレーカー31は、第二共用部分電盤12と蓄電装置14とを接続する配電線(第二共用部分電盤12から蓄電装置14へと電力を供給する配電線)に設けられる遮断器である。入力側ブレーカー31は、異常発生時に第二共用部分電盤12から蓄電装置14への電力の供給を遮断することができる。
【0033】
電力センサ32は、第二共用部分電盤12と蓄電装置14とを接続する配電線(入力側ブレーカー31のすぐ上流側)に設けられる。電力センサ32は、蓄電装置14へと供給される電力を検出することができる。電力センサ32は、蓄電装置14の制御部に接続される。当該電力センサ32による検出結果は、蓄電装置14の動作(充放電等)の制御に用いられる。
【0034】
切替ユニット33は、電力の供給経路を切り替えるものである。切替ユニット33は、配電線を介して第二共用部分電盤12及び蓄電装置14とそれぞれ接続される。また切替ユニット33は、配電線を介して共用部照明器具15及び共用部コンセント16、並びに後述するAC/DCコンバータ36とそれぞれ接続される。以下では説明の便宜上、切替ユニット33が接続される共用部照明器具15、共用部コンセント16及びAC/DCコンバータ36を、単に「AC/DCコンバータ36等」と称する。
【0035】
切替ユニット33は、第二共用部分電盤12とAC/DCコンバータ36等とを接続する状態(蓄電装置14とAC/DCコンバータ36等とを接続しない状態、以下単に「第一切替状態」と称する)、又は蓄電装置14とAC/DCコンバータ36等とを接続する状態(第二共用部分電盤12とAC/DCコンバータ36等とを接続しない状態、以下単に「第二切替状態」と称する)に切り替えることができる。切替ユニット33は、蓄電装置14の制御部によって、第一切替状態又は第二切替状態のいずれか一方に切り替えられる。
【0036】
自立出力側ブレーカー34は、蓄電装置14と切替ユニット33とを接続する配電線(蓄電装置14から切替ユニット33へと電力を供給する配電線)に設けられる遮断器である。自立出力側ブレーカー34は、異常発生時に蓄電装置14から切替ユニット33への電力の供給を遮断することができる。
【0037】
分岐ブレーカー35は、切替ユニット33とAC/DCコンバータ36等とを接続する配電線(切替ユニット33からAC/DCコンバータ36等へと電力を供給する配電線)に設けられる遮断器である。分岐ブレーカー35は、異常発生時に切替ユニット33からAC/DCコンバータ36等への電力の供給を個別に遮断することができる。
【0038】
AC/DCコンバータ36は、交流電力を直流電力に適宜変換するものである。AC/DCコンバータ36は、DC/DCコンバータ17に対応した個数(図2においては、2つ)設けられる。AC/DCコンバータ36は、配電線を介して対応するDC/DCコンバータ17に接続される。
【0039】
リモコン装置37は、蓄電装置14の制御条件等を変更するための操作を行うものである。リモコン装置37は、各種操作ボタン及び液晶表示部等により構成される。リモコン装置37は、蓄電装置14と有線(又は無線)によって接続される。
【0040】
以下では、上述の如く構成された電力供給システム1において、電力が流通する様子について説明する。なお、以下では、商用電源100が停電していない状態(以下、単に「通常時」と称する)と、商用電源100が停電している状態(以下、単に「停電時」と称する)と、に分けて説明する。
【0041】
まず、図1及び図3を用いて、通常時について説明する。通常時においては、切替ユニット33は第一切替状態に切り替えられる。
【0042】
通常時においては、商用電源100からの電力は、第一共用部分電盤11によって専有部2a側(専有部分電盤21)と共用部2b側(第二共用部分電盤12)に分配される。第一共用部分電盤11から専有部分電盤21へと供給された電力は、専有部電力負荷22へと供給される。各住居の居住者は、当該電力を用いて専有部電力負荷22(照明等)を利用することができる。
【0043】
また、第一共用部分電盤11から第二共用部分電盤12へと供給された電力は、電力供給制御盤13へと供給される。当該電力は、切替ユニット33及び分岐ブレーカー35を介して共用部照明器具15及び共用部コンセント16へと供給される。このようにして、共用部2bにおいて商用電源100からの電力を利用することができる。
【0044】
また電力供給制御盤13へと供給された電力は、切替ユニット33、分岐ブレーカー35、AC/DCコンバータ36及びDC/DCコンバータ17を介してLEDダウンライト19(専有部コンセント18)及びUSBコンセント20へと供給される。このように、第一共用部分電盤11によって一旦電力を専有部2a及び共用部2bにそれぞれ分配した後に、共用部2bへと分配された電力をさらに専有部2aへと供給することができる。これによって、一旦共用部2bに分配された電力を、専有部2aにおいて有効活用することができる。例えば、共用部照明器具15及び共用部コンセント16では消費しきれない電力(余剰電力)を、専有部2aにおいて使用することが可能となり、電力の有効活用を図ることができる。
【0045】
この際、電力供給制御盤13(AC/DCコンバータ36)を介して電力が供給される専有部コンセント18及びUSBコンセント20から取り出すことができる電力は、所定値(16(W))以下となるように設定されている。このため、電力供給制御盤13から複数の住居(複数の専有部コンセント18等)へと電力が過剰に供給されるのを防止することができる。
【0046】
さらに、専有部コンセント18に接続されたLEDダウンライト19は、白熱電球や蛍光灯等に比べて消費電力が小さい。このため、電力供給制御盤13から複数の住居へと電力が過剰に供給されるのをより効果的に防止することができる。
【0047】
またこの際、AC/DCコンバータ36において交流電力を直流電力に変換する際に損失が生じたとしても、当該AC/DCコンバータ36からの電力は、消費電力が比較的小さいLEDダウンライト19やUSBコンセント20へと供給される。このため、AC/DCコンバータ36における損失によって、LEDダウンライト19やUSBコンセント20に供給される電力が不足する事態は発生し難い。
【0048】
また電力供給制御盤13へと供給された電力は、入力側ブレーカー31を介して蓄電装置14へと供給される。蓄電装置14は、当該電力を適宜のタイミングで充電する。例えば、深夜電力等の比較的安価な電力を充電しておくことで、後に当該電力を有効活用することができる。
【0049】
次に、図1及び図4を用いて、停電時について説明する。停電時においては、切替ユニット33は第二切替状態に切り替えられる。
【0050】
停電時においては、商用電源100から第一共用部分電盤11へと電力が供給されることはない。従って、当該第一共用部分電盤11から専有部分電盤21へと電力が供給されることはなく、当該専有部分電盤21に接続された専有部電力負荷22(照明等)は、利用することができない。同様に、停電時においては、第一共用部分電盤11から第二共用部分電盤12を介して電力供給制御盤13へと電力が供給されることはない。
【0051】
停電時においては、蓄電装置14は放電(自立出力)を行う。具体的には、蓄電装置14は、切替ユニット33へと電力を供給する。当該電力は、分岐ブレーカー35を介して共用部照明器具15及び共用部コンセント16へと供給される。このようにして、停電時には蓄電装置14からの電力を利用して共用部照明器具15を点灯させたり、共用部コンセント16から当該電力を取り出したりすることができる。
【0052】
また蓄電装置14から切替ユニット33へと供給された電力は、分岐ブレーカー35、AC/DCコンバータ36及びDC/DCコンバータ17を介してLEDダウンライト19及びUSBコンセント20へと供給される。このように、停電時においては、蓄電装置14からの電力を専有部2aへと供給することができる。これによって、各住居の居住者は、停電時においても電力を利用することができる。
【0053】
また、停電時においても、通常時と同様に、電力供給制御盤13から複数の住居(複数の専有部コンセント18等)へと電力が過剰に供給されるのを防止することができる。これによって、特に停電時においては、蓄電装置14に蓄えられた電力が急激に減少するのを防止することができ、ひいては複数の住居全てに確実に電力を分配することができる。
【0054】
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1(集合住宅用電力供給システム)は、
商用電源100からの電力を共用部2b及び専有部2aへとそれぞれ分配する第一共用部分電盤11(電力分配部)と、
共用部2bに設けられ、第一共用部分電盤11からの電力を充放電可能な蓄電装置14と、
共用部2bに設けられ、第一共用部分電盤11及び蓄電装置14からの電力を交流電力から直流電力に変換して出力可能なAC/DCコンバータ36(電力変換部)と、
専有部2aに設けられ、AC/DCコンバータ36からの電力を取り出し可能な専有部コンセント18及びUSBコンセント20(電力出力部)と、
を具備するものである。
このように構成することにより、電力の有効活用を図ることができる。すなわち、一旦共用部2bに分配された電力を専有部2aで利用可能とすることで、無駄のない電力の活用を図ることができる。
【0055】
また、電力供給システム1は、
第一共用部分電盤11又は蓄電装置14のいずれか一方からの電力のみをAC/DCコンバータ36へと供給可能とする切替ユニット33(切替部)をさらに具備するものである。
このように構成することにより、共用部2bから専有部2aへと供給する電力の供給源を選択することができ、電力の有効活用を図ることができる。例えば、通常時には第一共用部分電盤11から専有部2aへと電力を供給することで、蓄電装置14に電力を蓄えると共に、停電時には蓄電装置14から専有部2aへと電力を供給することで、停電時であっても専有部2aで電力を利用することができる。
【0056】
また、専有部コンセント18及びUSBコンセント20は、
所定値(16(W))以下の電力を取り出し可能とするものである。
このように構成することにより、共用部2bの電力が過剰に専有部2aへと供給されるのを防止することができる。
【0057】
また、電力出力部は、
USB端子を接続可能なUSBコンセント20を含むものである。
このように構成することにより、共用部2bの電力が過剰に専有部2aへと供給されるのを防止することができる。
【0058】
また、電力供給システム1は、
専有部2aに設けられ、専有部コンセント18に接続されるLEDダウンライト19(LED照明機器)をさらに具備するものである。
このように構成することにより、共用部2bの電力が過剰に専有部2aへと供給されるのを防止することができる。
【0059】
なお、上記実施形態に係る電力供給システム1は、集合住宅用電力供給システムの実施の一形態である。
また、上記実施形態に係る第一共用部分電盤11は、電力分配部の実施の一形態である。
また、上記実施形態に係るAC/DCコンバータ36は、電力変換部の実施の一形態である。
また、上記実施形態に係る専有部コンセント18及びUSBコンセント20は、電力出力部の実施の一形態である。
また、上記実施形態に係る切替ユニット33は、切替部の実施の一形態である。
また、上記実施形態に係るLEDダウンライト19は、LED照明機器の実施の一形態である。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態において、電力供給システム1は蓄電装置14を具備するものとしたが、蓄電装置14を具備しない構成とすることも可能である。また、電力供給システム1は、電力を発電可能な発電部(例えば、太陽光発電装置、燃料電池等)をさらに具備する構成とすることも可能である。
【0062】
また、専有部2aに設けられたLEDダウンライト19は例示であり、その他の電力負荷(電化製品等)を設けることも可能である。また、専有部2aに設けられたUSBコンセント20は例示であり、電力を取り出し可能なその他の接続器を設けることも可能である。
【0063】
また、共用部2bに設けられた共用部照明器具15は例示であり、その他の電力負荷(電化製品等)を設けることも可能である。
【0064】
また、上記実施形態においては、切替ユニット33は蓄電装置14の制御部によって第一切替状態又は第二切替状態に切り替えられるものとしたが、その他の制御装置によって切り替えられる構成とすることも可能である。また切替ユニット33は、手動で切り替えられる構成とすることも可能である。
【0065】
また、上記実施形態においては、専有部コンセント18及びUSBコンセント20は、16(W)以下の電力を取り出し(出力)可能となるように設定されるものとしたが、当該値は16(W)に限らず任意に設定することが可能である。この場合、過剰に電力が消費されないように、ある程度小さい値に設定することが望ましい。
【0066】
また、上記実施形態においては、停電時だけでなく通常時においても、電力供給制御盤13からLEDダウンライト19やUSBコンセント20へと電力が供給可能であるものとしたが、例えば停電時にのみ(又は、通常時にのみ)当該LEDダウンライト19等へと電力を供給可能とすることも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 電力供給システム
2 集合住宅
2a 専有部
2b 共用部
11 第一共用部分電盤
12 第二共用部分電盤
13 電力供給制御盤
14 蓄電装置
17 DC/DCコンバータ
18 専有部コンセント
19 LEDダウンライト
20 USBコンセント
21 専有部分電盤
33 切替ユニット
36 AC/DCコンバータ
図1
図2
図3
図4