【実施例】
【0015】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(
図2、
図3参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板等の透視保護体13aを備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また、中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16の操作により打球発射装置が作動することで、上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が遊技盤20に向けて発射されるようになっている。なお、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよく、また上下の球受け皿の一方を省略して1つの球受け皿のみ設ける構成であってもよい。
【0016】
(中枠)
前記中枠12は、
図1に示すように、上縁をなす上枠部と、下縁をなして打球発射装置等が設置された下枠部と、左側縁をなす左枠部と、右側縁をなす右枠部とから構成され、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。中枠12には、遊技盤20を前側から着脱可能に設置し得る遊技盤保持部が設けられている。そして中枠12は、外枠11の左上および左下に設けられたヒンジ17,17を介して該外枠11に枢支され、該外枠11に対して左側端部を中心として開閉し得るようになっている。なお中枠12は、上下左右の各枠部が一体成形されたものであってもよい。
【0017】
(前枠)
前記前枠13は、
図1に示すように、中枠12の外郭形状に略合致する板状に形成されると共に前後方向に開口する窓口18が開設された枠本体の前側に、該窓口18を囲むように複数の装飾部材19が取付けられている。装飾部材19内には、LEDチップを実装し発光基板(図示せず)が配設され、該発光基板のLEDチップが発光制御されることで装飾部材19の光透過部分が明輝されるようになっている。
【0018】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、
図2および
図3に示すように、ベニア等を貼り合わせた木製合板を材質とし、中枠12に設けられた遊技盤保持部の内縁形状に整合する外形形状に形成された略矩形の平板状の部材である。遊技盤20の前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール21と、この外レール21の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール22と、外レール21の右上部から内レール22の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材23等が配設されており、両レール21,22および盤面飾り部材23で囲まれた内側が遊技領域24として構成されている。遊技盤20には、前後に貫通する装着口が遊技領域24内に複数開設されて、各装着口に対して各種の遊技盤構成部品が前側から取付けられる。また、遊技領域24の最下部位置には、該遊技領域24に打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口33が開設されている。更に、遊技盤20には、遊技領域24内に多数の遊技釘31やゲート32が配設されており、遊技領域24を流下するパチンコ球が、遊技釘31に接触することで流下方向を不規則に変化したり誘導されるようになっている。なお、遊技盤20に開設される装着口の形成数や大きさは、遊技盤20に対して取付けられる各種部品の個数や配設位置等に応じて適宜決定される。
【0019】
前記遊技盤20に開設された装着口(図示せず)には、
図2(a)および
図3に示すように、後述する枠状装飾体35と、遊技領域24を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置25と、第1特別入賞装置28、第2特別入賞装置29および普通入賞装置30などが取付けられている。枠状装飾体35は、遊技領域24の中央において略円形状に開口形成された装着口に配設され、左側の第1遊技領域24aおよび右側の第2遊技領域24bに遊技領域24を分けている。始動入賞装置25は、枠状装飾体35が配設された装着口20aの下方に開口形成された装着口に配設される。第1特別入賞装置28は、始動入賞装置25が配設された装着口20bの左側に開口形成された装着口に配設され、第2特別入賞装置29は、該装着口20bの右側に開口形成された装着口に配設されている。また、普通入賞装置30は、第1特別入賞装置28が配設された装着口に配設されている。
【0020】
(始動入賞装置25について)
前記始動入賞装置25は、
図2(a)および
図3に示すように、上方に設けられた第1始動入賞口26と、該第1始動入賞口26の下方に設けられた第2始動入賞口27とを備えている。第1始動入賞口26は、該始動入賞口26に入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号を、メイン制御手段としてのメイン制御基板290(
図15参照)へ送信する第1始動入賞検出センサ44(
図15参照)を備えている。すなわち、第1始動入賞口26は、遊技領域24内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口であり、該遊技領域24を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成されている。そして、第1始動入賞検出センサ44からの検出信号を受信したメイン制御基板290のメイン制御CPU291aは、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り抽選(大当り判定)を行うようになる。
【0021】
前記第2始動入賞口27は、
図3に示すように、該第2始動入賞口27に入ったパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板290へ送信する第2入賞検出センサ45(
図15参照)を備えている。また、第2始動入賞口27は、前後方向へ揺動して該第2始動入賞口27を開閉するフラップ形態の開閉扉27aと、開閉扉27aを開閉動作させる作動手段としての始動入賞ソレノイド27b(
図15参照)とを備え、該開閉扉27aは、該始動ソレノイド27bの作動により第2始動入賞口27を閉鎖する閉鎖位置および開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、実施例の第2始動入賞口27は、開閉扉27aが変位することで、第2始動入賞口27に対するパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。そして、第2始動入賞検出センサ45からの検出信号を受信したメイン制御基板290のメイン制御CPU291aは、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信すると共に、入賞時情報(各種乱数情報)を取得して、該入賞時情報に基づいて大当り抽選(大当り判定)を行うようになる。
【0022】
(第1特別入賞装置28について)
第1遊技領域24aの下流部に配設された第1特別入賞装置28は、
図2(a)および
図3に示すように、第2遊技領域24aに横長に開口する特別入賞口28aが上側に設けられた本体と、該特別入賞口28aを開閉自在に閉成するシャッタ形態の開閉部材28bと、該開閉部材28bを開閉動作させる作動手段としての第1特別入賞ソレノイド28c(
図15参照)とを備える。また、第1特別入賞装置28は、特別入賞口28aに入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板290へ送信する第1特別入賞検出センサ46(
図15参照)を備えている。開閉部材28bは、特別入賞口28aに対して前後方向へスライド移動が可能に配設され、第1特別入賞ソレノイド28cの作動に伴って、特別入賞口28aが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とにスライド移動する。そして、第1特別入賞検出センサ46からの検出信号を受信したメイン制御基板290のメイン制御CPU290aは、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信する。ここで、第1特別入賞装置28は、第1始動入賞口26へパチンコ球が入賞して第1始動入賞検出センサ44から検出信号がメイン制御基板290へ送信されたことを契機として、メイン制御基板290が行う大当り抽選の結果として所定の大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や非確変大当り遊技等の特別遊技)が生起された場合に、該大当り遊技のラウンド演出に基づいて開閉部材28bを動作させて特別入賞口28aを所定の回数で開放するよう制御される。すなわち、メイン制御基板290のメイン制御CPU290aは、所定の判定条件の成立を契機として当り判定を実行する当り判定手段としての機能を備えている。
【0023】
(第2特別入賞装置29について)
第2遊技領域24bの下流部に配設された第2特別入賞装置29は、
図2(a)および
図3に示すように、基本構成は第1特別入賞装置29と同じである。すなわち、第2特別入賞装置29は、第2遊技領域24bに横長に開口する特別入賞口29aが上側に設けられた本体と、該特別入賞口29aを開閉自在に閉成するシャッタ形態の開閉部材29bと、該開閉部材29bを開閉動作させる作動手段としての第2特別入賞ソレノイド29c(
図15参照)とを備える。また、第2特別入賞装置29は、特別入賞口29aに入賞したパチンコ球(入賞球)を検出すると共に検出信号をメイン制御基板290へ送信する第2特別入賞検出センサ47(
図15参照)とを備えている。開閉部材29bは、特別入賞口29aに対して前後方向へスライド移動が可能に配設され、第2特別入賞ソレノイド29c(
図15参照)の作動に伴って、特別入賞口29aが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とにスライド移動する。そして、第2特別入賞検出センサ47からの検出信号を受信したメイン制御基板290のメイン制御CPU290aは、前述したように、球払出装置が所定数の賞球を払い出させるように球払出制御基板に制御信号を送信する。ここで、第2特別入賞装置29は、第2始動入賞口27へパチンコ球が入賞して第2特別入賞検出センサ45から検出信号がメイン制御基板290へ送信されたことを契機として、メイン制御基板290のメイン制御CPU290aが行う大当り抽選の結果として所定の大当り遊技(例えば、確変大当り遊技や非確変大当り遊技等の特別遊技)が生起された場合に、該大当り遊技のラウンド演出に基づいて開閉部材29bを動作させて特別入賞口29aを所定の回数で開放するよう制御される。
【0024】
前述のように構成された遊技盤20では、打球発射装置から発射されたパチンコ球が外レール21と内レール22との間を通って遊技領域24の左側上部に打ち出された際に、該打球発射装置による打球力を弱く調整した所謂左打ちの場合は、主に遊技領域24の第1遊技領域24aを流下し、該打球発射装置による打球力を強く調整した所謂右打ちの場合は、主に遊技領域24の第2遊技領域24bを流下するようになっている。そして、遊技領域24に打ち出されたパチンコ球が始動入賞装置25の第1始動入賞口26または第2始動入賞口27に入賞して第1始動入賞検出センサ44または第2始動入賞検出センサ45が検出すると、当該パチンコ機10を総合的に制御するメイン制御基板290のメイン制御CPU290aに対して該始動入賞検出センサ44,45から検出信号が送信される。これに基づいてメイン制御基板290のメイン制御CPU290aは、大当り抽選を行なうと共に、当該大当り抽選の結果に基づいて、演出制御手段としての演出制御基板(制御部)291に制御信号を出力して、後述する第2表示装置104の表示部104aにおいて図柄変動演出を行わせるようになっている。そして、第2表示装置104での図柄変動演出の結果、表示部104aに所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が確定的に停止表示されると所謂大当り遊技が生起される。ここで、第1始動入賞口26への入賞に基づいて大当り遊技が生起された場合には、第1特別入賞装置28の特別入賞口28aが開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられる。また、第2始動入賞口27への入賞に基づいて大当り遊技が生起した場合には、第2特別入賞装置29の特別入賞口29aが開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられる。なお、前述した第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、特別入賞口28aまたは普通入賞装置30の何れにも入賞することなく遊技領域24の下部まで流下したパチンコ球は、アウト口33を介して遊技盤20の裏側へ回収される。
【0025】
(制御構成について)
実施例のパチンコ機10には、
図15に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段、遊技制御手段)290と、該メイン制御基板290からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段、演出制御手段)291,292とが設けられている。すなわち、メイン制御基板290では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板291,292に出力されるようになっている。そして、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板291と、後述する第1表示装置103および第2表示装置104の演出内容を制御する表示制御基板292と、各種ランプ装置や後述する発光演出装置270等の発光演出手段の発光制御を行う発光制御手段としてのランプ制御基板293と、パチンコ機10が備えるスピーカ48(
図1参照)の音出力制御を行う音制御手段としての音制御基板274とを備えている。すなわち、メイン制御基板290が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板291が表示制御基板292、ランプ制御基板273および音制御基板274を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板292は、演出制御基板291から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、第1表示装置103および第2表示装置104に表示される飾図(図柄)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板293は、演出制御基板291から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度、発光態様等を制御するものである。そして、音制御基板274は、演出制御基板291から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ48からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
【0026】
前記メイン制御基板290は、
図15に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU290a、該メイン制御CPU290aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM290b、当該メイン制御CPU290aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM290c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ44,45、特別入賞検出センサ46,47等の各種センサが前記メイン制御CPU290aに接続されている。前記演出制御基板291には、演出制御CPU291aが備えられている。該演出制御CPU291aには、演出制御ROM291bおよび演出制御RAM291cが接続されている。演出制御ROM291bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。また、演出制御ROM291bには、表示制御基板292、ランプ制御基板293および音制御基板274を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。前記表示制御基板292には、表示制御CPU292aが備えられていると共に、該表示制御CPU292aには、表示制御ROM292bおよび表示制御RAM292cが接続されている。また、表示制御基板292(表示制御CPU292a)には、第1表示装置103および第2表示装置104が接続されている。表示制御ROM292bには、第1表示装置103および第2表示装置104の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM292bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM292cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0027】
(枠状装飾体35について)
図2(a)および
図3に示すように、前記枠状装飾体35は、複数の枠状装飾部材を組付けて構成されている。すなわち枠状装飾体35は、環状に形成された枠部材36と、枠部材36に組付けられた複数(実施例では3つ)の装飾部材37(37a〜37c)と、枠部材36の内側下部に配設されたステージ部材38とを備えている。また、枠状装飾体35には、「右打ち」および「左打ち」を報知する表示部40a,40b,40cを備えた発光表示装置40が、枠部材36に組付けられている。
【0028】
前記枠部材36は、
図3に示すように、遊技盤20の前面に当接するフランジ部36aと、該フランジ部36aから前方に設けられて遊技盤20の前面から前方に突出する枠部36bと、該フランジ部36aから後方に設けられて装着口20aの内側に位置する本体部(図示せず)とを備えている。フランジ部36aは、装着口20aの開口縁より一回り大きい外縁形状に形成されており、枠状装飾体35を遊技盤20の前側から装着口20aへ装着した際に、該遊技盤20の前面に当接するようになる。また、フランジ部36aには、前後に貫通した複数のネジ孔が形成されており、該ネジ孔を介してネジを遊技盤20に締結することで、枠状装飾体35が該遊技盤20に固定される。枠部36bは、フランジ部36aにおけるステージ部材38の配設部分を除く左側部から上部および右側部に亘って円弧状に延在し、第1遊技領域24aおよび第2遊技領域24bを流下するパチンコ球が、枠状装飾体35の内側へ移動することを規制する区画壁である。また、枠状装飾体35の右側部には、パチンコ球の直径より僅かに大きい間隔(パチンコ球の直径以上でかつ直径の2倍以下)で枠部36bから離間すると共に該枠部36bに沿って延在する壁部36cが形成され、該枠部36bと壁部36cとの間に、第2遊技領域24bを流下するパチンコ球が通過する球通路39が形成されている。本体部36cには、前記発光表示装置40が取付けられる。
【0029】
枠状装飾体35の左側上部に取付けられた装飾部材37aおよび該枠状装飾体35の右側下部に取付けられた装飾部材37bは、透光性を有する透明部材であり、枠部36bの前側に位置する前壁部の一部には、メッキや塗装等により適宜の模様が形成されている。また、枠状装飾体35の右側下部に取付けられた装飾部材37cは、装飾部材37bに隣接しており、マイクを模したデザインに形成されている。なお、装飾部材37bおよび装飾部材37cの後側には、ランプ制御基板294(
図15参照)により発光制御される発光基板(図示せず)が配設されている。
【0030】
前記ステージ部材38は、
図3に示すように、第1遊技領域24aに開口した球流入口38aと、該球流入口38aに連通すると共に左右方向に延在し、該球流入口38aから流入したパチンコ球が転動可能な転動面38bとを備えている。そして、ステージ部材38における転動面38bの前側は遊技領域24に開口しており、該転動面38b上を左右に移動したパチンコ球は、適宜位置から前側へ落下可能に構成されている。なお、ステージ部材38における転動面38bの上方には、左右方向に延在する隔壁38cが設けられており、転動面38b上を転動するパチンコ球が枠状装飾体35の開口部35aから後方へ移動することを規制するよう構成されている。
【0031】
従って、パチンコ機10の遊技態様が、パチンコ球を第1遊技領域24aへ打ち出すように操作ハンドル16を操作する「左打ち」の状態となった場合には、発光表示装置40は、レンズ部材44aの「左打ち」の文字およびレンズ部材44bが明輝されるように発光基板43のLEDチップ43aが点灯制御される。また、パチンコ機10の遊技態様が、パチンコ球を第2遊技領域24bへ打ち出すように操作ハンドル16を操作する「右打ち」の状態となった場合には、発光表示装置40は、レンズ部材44aの「右打ち」の文字およびレンズ部材44cが明輝されるように発光基板43のLEDチップ43aが点灯制御される。従って、発光表示装置40の発光制御により、「左打ち」状態または「右打ち」状態とすることを遊技者に促すと共に報知することが可能である。
【0032】
(設置部材50について)
遊技盤20の後側に取付けられる設置部材(遊技機構成部材)50は、
図2(b)および
図4に示すように、前方に開放する略矩形のケース状に形成された部材であって、前側の開放端を遊技盤20の後面に突き合わせた状態で該遊技盤20に取付けられる。設置部材50は、遊技盤20の後面に対して所要の間隔で略平行に対向する設置壁部(壁部)51と、この設置壁部51の周縁から前方へ延出形成された外周壁部52と、この外周壁部52の前端から外方に向けて屈曲した形状に形成された取付板部53とを備えている。すなわち設置部材50は、外周壁部52で囲われて遊技盤20側に開放する前部開口が略矩形状に形成されると共に、取付板部53の外周縁が、遊技盤20の外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。そして設置部材50は、取付板部53を遊技盤20の後面にネジ止めすることで該遊技盤20に取付けられ、遊技盤20の後面と該後面から離間した設置壁部51の前側との間に空間を画成する。
【0033】
図2(b)および
図4に示すように、設置壁部51は、上下中央よりも下方の位置に段差が設けられて、該段差より上側の上壁部51aが、該段差より下側の下壁部51bよりも後方に位置している。設置壁部51の上壁部51aの前側には、可動演出装置100および発光演出装置270等を取付けるための設置部が設けられている。また、上壁部51aの後側には、前記演出制御基板291を収容した基板ケースおよび前記表示制御基板292を収容した基板ケースを取り付ける設置部が設けられている。実施例では、設置壁部51の後側から見て、上壁部51aの右側領域に演出制御基板291の基板ケースが取り付けられ、該上壁部51aの左側領域に表示制御基板292の基板ケースが取り付けられる。
【0034】
図4に示すように、設置壁部51の下壁部51bの後側には、中継基板(図示)せずを設置する中継基板設置部55が設けられている。実施例の中継基板設置部55は、複数の中継基板を、左右に並べて設置可能に構成されている。また、
図2(b)に示すように、下壁部51bの後側には、中継基板設置部55に設置された中継基板を挟んだ後方に、前述したメイン制御基板290を収容した基板ケースを取り付けるための基板保持部材58が取付けられている。ここで、中継基板としては、演出制御基板291により制御される各装置と該演出制御基板291とを電気的に接続する基板と、メイン制御基板290により制御される各装置と該メイン制御基板290とを電気的に接続する基板と、第1表示装置103および第2表示装置104と表示制御基板置292とを電気的に接続する基板等がある。
【0035】
また、
図2(b)および
図4に示すように、設置壁部51には、前後に開口する開口部54が形成されている。この開口部54には、設置壁部51の上壁部51aの前側に可動演出装置100を配設した際に、該可動演出装置100のベース体(取付部)101により塞がれる形状に形成されている。そして、設置壁部51の前側に可動演出装置100を取付けた状態では、該可動演出装置100のベース体101の後面が、開口部54を介して設置部材50の後側へ露出されるよう構成されている。そして、可動演出装置100のベース体101の後面にユニット収容設置部119が設けられており、該ユニット収容設置部119が開口部54を介して設置部材50の後側に露出するように構成されている。これにより実施例では、ユニット収容設置部119に配設される回転接続ユニット160の着脱作業が、開口部54を介して行うことが可能に構成されている。
【0036】
(可動演出装置100について)
次に、可動演出装置100について、図面を引用して説明する。なお、以降の可動演出装置100の構成に関連する説明においては、該可動演出装置100の第1演出状態に対応する第1演出位置(
図3、
図5および
図7)にある場合を基準として、上下、左右および前後を指称する。
【0037】
実施例の可動演出装置100は、
図3、
図5および
図7に示すように、設置部材50に取付けられるベース体101と、このベース体101に回転自在に配設される回転可動体102とを備えている。そして、可動演出装置100は、回転可動体102に配設されて該回転可動体102の回転に伴って姿勢変位する第1表示装置103と、ベース体101に固定されて姿勢変位しない第2表示装置104とを備えている。また、回転可動体102には、第1表示装置103の表示部103aに表示された演出内容を反射可能で、かつ第2表示装置104の表示部104aに表示された演出内容を透過可能なハーフミラー部105が設けられている。そして、実施例の可動演出装置100は、駆動機構106による回転可動体102の回転に伴って、ハーフミラー部105が第2表示装置104の前側を移動するようになり、該ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後方向で重なった状態(
図3、
図5および
図7参照)(以降「第1演出状態」という)と、該ハーフミラー部105を該第2表示装置104の前側から外れて位置させて、該ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後で重ならない状態(以降「第2演出状態」という)(
図10参照)とに変更することが可能である。これにより、第1演出状態とした場合には、第1表示装置103の表示部103aでの演出および第2表示装置104の表示部104aでの演出を重ねて表示可能となり、第2演出状態とした場合には、第1表示装置103の表示部103aでの演出および第2表示装置104の表示部104aでの演出を、異なる位置で表示可能となるよう構成されている。
【0038】
(ベース体101について)
前記ベース体101は、
図5〜
図7に示すように、縦長の矩形状を基本として適宜部位を凹凸させた外縁輪郭形状の板状に構成されている。ベース体101の上下幅は、設置部材50の設置壁部51における上壁部51aの上下幅と略同じく、該ベース体101の左右幅は、該上壁部51aの左右幅の略1/2程度となっている(
図4参照)。そしてベース体101は、前述したサイズに形成されたベース部材110と、該ベース部材110の上部前側に組付けられたカバー部材111とを備えている。ベース部材110は、
図12に示すように、ベース板部112と、このベース板部112から前方へ突出すると共に該ベース板部112の外縁に沿って延在する外縁リブ113とを備えている。またベース部材110は、ベース板部112の前面に、前方へ突出すると共に上下方向へ延在する補強リブ114や、前方へ延出すると共に左右方向へ延在する補強リブ114が、複数形成されている。これによりベース部材110は、外縁リブ113および補強リブ114により剛性の向上が図られており、撓み変形や捻れ変形が発現し難く構成されている。そして、外縁リブ113の外側には、ネジ挿通孔が形成された複数(実施例では6個)の取付片115が設けられている。各取付片115は、設置部材50の設置壁部51の前面に突設された各固定ボス61(
図4参照)と個別に対応しており、ネジ挿通孔に挿通させたネジを固定ボス61のネジ締結孔へ締結することで、設置壁部51の上壁部51aの前面にベース体101が取付けられる。
【0039】
図7および
図12に示すように、前記ベース体101の前面における上下中央部に、回転可動体102が回転可能に配設される。また、ベース体101の前面における回転可動体102の配設部位の上方に、該回転可動体102を回転させる駆動機構106が配設されると共に、該ベース体101の前面における該回転可動体102の配設部位の下方に、前述した第2表示装置104が配設される。すなわち、ベース体101の前側には、駆動機構106、回転可動体102および第2表示装置104が、上下に並んで配設されるようになっている。なお、以降の説明においては、回転可動体102の配設部を第1配設部116、駆動機構106の配設部を第2配設部117、第2表示装置104の配設部を第3配設部118と指称する。一方、
図7に示すように、ベース体101の後側において、回転可動体102の配設部位の後ろとなる位置に、後述する回転接続ユニット160を設置するためのユニット収容設置部119が設けられている。
【0040】
(回転可動体102の支持構造について)
前記ベース体101の第1配設部116には、
図11(a)および
図12に示すように、回転可動体102を回転可能に支持する回転支持手段としての回転支持ホイール121,122,123が設けられている。回転支持ホイール121,122,123は、前後方向に延在する回転軸線L(
図7、
図11参照)を中心とした回転可動体102の回転を許容しながら該回転可動体102を支持するよう構成したものである。回転支持ホイール121,122,123は、回転軸線Lを中心とする円の周方向へ所要間隔毎に複数設けられている。実施例では、回転軸線Lを中心する円上において、3つの回転支持ホイール121,122,123が周方向へ等間隔で配設されており、これにより回転可動体102は120°の間隔で3点支持されている。ここで、第1回転支持ホイール121は、回転軸線Lの垂直上方に設けられた支持軸124に回転自在に配設されている。第2回転支持ホイール122は、回転軸線Lの左斜め下方に設けられた支持軸125に回転自在に配設されていると共に、第3回転支持ホイール123は、該回転軸線Lの右斜め下方に設けられた支持軸126に回転自在に配設されている。すなわち、第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、第1回転支持ホイール121の回転軸124を通る垂直線に対して左右対称となる位置に配設されている。これにより、第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123が、回転可動体102の重量を実質的に受けるよう構成されている。
【0041】
前記第1回転支持ホイール121は、
図11(a)および
図12に示すように、回転可動体102における後述するフランジ部185の前側に位置して該フランジ部185の前面に接触可能な第1前回転体121aと、フランジ部185の後側に位置して該フランジ部185の後面に接触可能な第1後回転体121bとからなる。第1前回転体121aと第1後回転体121bとの間には、回転可動体102のフランジ部185が嵌合する嵌合溝121cが形成されている。これにより、第1回転支持ホイール121は、第1前回転体121aおよび第1後回転体121bにより、該フランジ部185の周方向への回転を許容すると共に、で該フランジ部185の前後方向の移動を規制可能に構成されている。なお、実施例では、第1後回転体121bが、前述した駆動機構106を構成する従動ギア139が兼用している。
【0042】
前記第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、
図11(a)および
図12に示すように、同じ構成となっている。第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、回転可動体102のフランジ部185の前側に位置して該フランジ部185の前面に接触可能な円板状の第2前回転体122a,123aと、フランジ部185の後側に位置して該フランジ部185の後面に接触可能な円板状の第2後回転体122b,123bと、両回転体122a,122b/123a,123bより小径に形成されて両回転体122a,122b/123a,123bの間に介挿された第2中間回転体122c,123cとから構成されている。従って、第2回転支持ホイール122および第3回転支持ホイール123は、フランジ部185が嵌合する嵌合溝122d,123dが第2前回転体122a,123aおよび第2後回転体122b,123bの間に形成されており、該第2前回転体122a,123aおよび第2後回転体122b,123bで該フランジ部185の前後方向の移動を規制すると共に、第2中間回転体122c,123cで該フランジ部185の外周端を当て受けるよう構成されている。そして、第2回転支持ホイール122を回転自在に支持する支持軸125の前端が、ベース部材110のベース板部112に固定される左支持部材127により保持されると共に、第3回転支持ホイール123を回転自在に支持する支持軸126の前端が、ベース体101のベース板部112に固定される右支持部材128により保持されている。
【0043】
(第2配設部117について)
前記第2配設部117は、
図6、
図7および
図12に示すように、ベース部材110のベース板部112と、該ベース板部112と間隔をおいて該ベース板部112の前側に取付けられた前述のカバー部材111とで構成されている。ベース部材110のベース板部112とカバー部材111との間には、駆動機構106のギア列136を収容可能な空間が形成されている。そしてカバー部材111には、駆動機構106を構成する駆動手段としての駆動モータ135が設置されるモータ設置部130が設けられている。モータ設置部130には、駆動モータ135の駆動軸135aが挿通可能な軸挿通口130aが形成されている。また、ベース板部112には、中間ギア138を回転自在に支持するギア支持軸131が設けられている
【0044】
(駆動機構106について)
前記第2配設部117に配設される前記駆動機構106は、
図11および
図12に示すように、駆動手段としての駆動モータ135と、該駆動モータ135と回転可動体102とを連係する連係手段としてのギア列136とを備えている。駆動モータ135は、演出制御基板291の演出制御CPU291aにより駆動制御されるパルスモータ(ステッピングモータ)であり、減速ギアを介して駆動軸135aが回転するよう構成されている。そして、駆動モータ135は、駆動軸135aを後側に向けた姿勢でカバー部材111のモータ設置部130に対して前側から固定され、カバー部材111とベース板部112との間の空間へ駆動軸135aが突出するようになる。また、ギア列136は、駆動モータ135の駆動軸135aに固定された駆動ギア137と、該駆動ギア137に噛み合う中間ギア138と、該中間ギア138に噛み合うと共に、回転可動体102に設けられた回転ギア186に噛み合う従動ギア139とを備えている。駆動ギア137、中間ギア138および従動ギア139は、何れも平歯車である。中間ギア138は、ベース板部112に設けられた前述のギア支持軸131に回転自在に支持されている。また、従動ギア139は、前述したように、第1回転支持ホイール121の第1後回転体121bを兼用している。そして、前記演出制御基板291は、駆動モータ135を駆動するためのパルス信号を出力する駆動制御部を備え、演出制御CPU291aからの制御信号に基づいて、該駆動制御部から駆動モータ135へパルス信号が出力されるよう構成されている。そして、駆動制御部から出力されたパルス信号により駆動モータ135が正逆回転制御され、これにより駆動ギア137、中間ギア138および従動ギア139および回転ギア186が回転することで、回転可動体102が正逆回転するよう構成される。
【0045】
(第3配設部118について)
前記第3配設部118は、
図7および
図12に示すように、横長に構成された第2表示装置104を固定する一対の固定ステー140,140が、ベース部材110のベース板部112に取付けられている。各固定ステー140,140は、ベース体101に固定される取付部141と、該取付部141に一体に設けられた支持部142とを備えている。そして、各固定ステー140,140は、第2表示装置104の表示部104aが前方斜め上方を向いた傾斜姿勢で、該第2表示装置104をベース体101に固定するようになっている。
【0046】
(ユニット収容設置部119について)
前記ユニット収容設置部119は、
図6〜
図8に示すように、ベース体101における前記回転可動体102の配設側と反対側に、回転接続ユニット160を収容状態で設置可能な凹状に形成されている。このユニット収容設置部119は、ベース部材110のベース板部112において、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした円形状をなして、該ベース板部112の前面よりも前側へ突出すると共に、該ベース板部112の後面よりも前側へ凹んだ凹部である。そして、ベース板部112の前面よりも前方(回転可動体102側)に位置するユニット収容設置部119の取付壁部145に、回転接続ユニット160が取付けられるようになっている。ここで、ユニット収容設置部119の前方への深さ(ベース板部112の後面から取付壁部145までの段差)は、回転接続ユニット160のケース体161の厚みH(
図7参照)よりも大きく設定されている。これにより、ユニット収容設置部119の取付壁部145に回転接続ユニット160を設置した際には、該回転接続ユニット160がベース部材110の後面から後方へ突出しないようになっている。
【0047】
図8および
図12に示すように、前記ユニット収容設置部119の取付壁部145には、回転接続ユニット160と回転可動体102とを連結するための開口部146が設けられている。この開口部146は、回転接続ユニット160を構成する回転部材162と、回転可動体102の回転ベース体101とを連結可能な大きさに開口している。実施例では、開口部146が、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした円形に開口すると共に、回転接続ユニット160の円形の回転部材162の外径よりも大径に形成されている。
【0048】
また、
図6および
図8に示すように、前記ユニット収容設置部119の取付壁部145には、回転接続ユニット160を保持する保持手段としての保持ボス147,147が設けられている。各保持ボス147,147は、前述した開口部146を挟んで、回転軸線Lを通る直線上に設けられている。各保持ボス147,147は、取付壁部145の外面から後方へ突出した円柱状のボスであって、該保持ボス147の突出端には、ネジが締結可能なネジ締結孔が形成されている。各保持ボス147,147は、回転接続ユニット160に設けられた貫通孔169a,169a(
図8、
図9(a)参照)に挿通すると共に、該貫通孔169a,169aから突出する長さおよび太さに形成されている。なお、各保持ボス147,147のネジ締結孔には、ユニット収容設置部119の取付壁部145にセットした回転接続ユニット160をカバーするカバー部材150を取付けるネジが締結される(
図8参照)。また、
図6における符号148は、ユニット収容設置部119の取付壁部145に設置された回転接続ユニット160の側面に当接可能な保持リブである。
【0049】
(センサ配設口149について)
実施例の可動演出装置100では、
図6に示すように、回転可動体102の回転位置を検出可能な検出手段としての検出センサ(第1検出センサ155および第2検出センサ156)を備えている。第1検出センサ155および第2検出センサ156は、演出制御基板291と電気的に接続されており、該検出センサ155,156の検出信号が該演出制御基板291に送信される。第1検出センサ155および第2検出センサ156は、ユニット収容設置部119の取付壁部145に着脱可能に設けられて、回転可動体102の回転ベース体101に設けられた検出片(検出部)196(
図9(a)参照)を検出する。ユニット収容設置部119の取付壁部145にはセンサ配設口(検出手段配設部)149,149が設けられ(
図8参照)、該センサ配設口149,149に設置した各検出センサ155,156が、該取付壁部145における回転可動体102の配設側(取付壁部145の前面側)へ臨むよう構成されている。各センサ配設口149,149は、前述した開口部146を挟んで、回転軸線Lを通る直線上に設けられている(
図8参照)。また、各センサ配設口149,149の開口縁には、各検出センサ155,156の基板が嵌合する凹部149aが設けられている。ここで、第1検出センサ155が設置されるセンサ配設口149は、回転可動体102が前述の第1演出状態に対応する第1演出位置(
図3および
図5参照)において、該第1検出センサ155が検出片196を検出可能な位置に設けられている。また、第2検出センサ156が設置されるセンサ配設口149は、前述の第2演出状態において、回転可動体102が第1演出位置から180度回転して上下逆向きとなった第2演出位置(
図10参照)において、該第2検出センサ156が検出片196を検出可能な位置に設けられている。従って、実施例の可動演出装置100は、回転可動体102の第1演出位置および第2演出位置を認識可能となっている。
【0050】
(カバー部材150について)
前記カバー部材150は、
図6および
図8に示すように、ユニット収容設置部119の取付壁部145に突設された保持ボス147,147のネジ締結孔に対して図示しないネジを締結することで、回転接続ユニット160の略全体を被覆した状態で該ユニット収容設置部119に配設される。カバー部材150は、回転接続ユニット160の略全体を被覆可能なカバー部151を備えている。カバー部151は、回転接続ユニット160のケース体161の裏面に当接可能な当接部151aと、該当接部151aの外縁から前方へ突出した囲い部151bとを備えている。また、カバー部151の当接部151aには、各保持ボス147,147の先端に整合する位置に、前述した保持ボス147,147に締結されるネジを挿通するネジ挿通孔151cが形成されると共に、回転接続ユニット160に挿通された支持ピン192の先端が突入する開口151dが設けられている。また、カバー部材150のカバー部151には、センサ配設口149に配設した第1検出センサ155に当接する第1センサ保持部(検出手段保持部)152と、センサ配設口149に配設した第2検出センサ156に当接する第2センサ保持部(検出手段保持部)153とが一体に形成されている。
【0051】
前述のように構成されたカバー部材150は、保持ボス147,147にネジ固定してユニット収容設置部119に配設することで、該ユニット収容設置部119に対して回転接続ユニット160を安定的に保持し得ると共に、該回転接続ユニット160を保護するようになっている。また、カバー部材150をユニット収容設置部119に配設することで、第1検出センサ155および第2検出センサ156を、各センサ配設口149,149に安定的に保持することができる。なお、ユニット収容設置部119に配設したカバー部材150は、ベース部材110のベース板部112の後面より後方へ突出しないようになっている(
図7参照)。
【0052】
(回転接続ユニット)
前記回転接続ユニット160は、ベース体101側に位置する制御部である前述の表示制御基板292と、回転可動体102に配設された電気部品である第1表示装置103とを電気的に接続するものである。回転接続ユニット160は、
図8および
図9(a)に示すように、ケース体161と、該ケース体161に回転可能に配設された回転部材162とを備えており、ケース体161がベース体101のユニット収容設置部119に取付けられると共に、回転部材162が回転可動体102と連係されるよう構成されている。従って、駆動機構106の駆動モータ135の駆動に伴って回転可動体102が回転することにより、ベース体101に取付けられたケース体161に対して回転部材162が回転するようになっている。ここで、回転接続ユニット160の回転部材162には、回転可動体102に設けられた第2連係部195,195に連係する第1連係部163,163が設けられている。なお、第1連係部163および第2連係部195の連係態様については、後で説明する。
【0053】
前記回転接続ユニット160は、ケース体161側に、表示制御基板292に電気的に接続される第1導通部164が配設されると共に、回転部材162側に、第1表示装置103に電気的に接続される第2導通部165が配設されている。第1導通部164および第2導通部165は、電気が導通可能な金属製の端子部材であり、回転部材162の回転時には該第1導通部164および第2導通部165が常に接触した状態に維持されることで、電気的に導通が図られるよう構成されている。すなわち、回転接続ユニット160は、回転可動体102に回転時において表示制御基板292と第1表示装置103との電気的な接続状態を維持可能であるから、該回転可動体102の回転時においても表示制御基板292から第1表示装置103への電気の供給および信号の送信が可能となっている。
【0054】
回転接続ユニット160の前記ケース体161は、
図8〜
図9(a)に示すように、回転部材162が配設されると共に、第1導通部164および第2導通部165が収容された収容部166と、該収容部166の外側に設けられた取付部167,167とを備えている。収容部166は、有底の円形筒状に形成されて、円形の開口部に回転部材162が位置している。また、収容部166の側面166aには、第1導通部164に電気的に導通する第1コネクタ168が、該側面166aから外方へ突出した状態に配設されている。また、収容部166の中心には、前方へ延在すると共に前後に開口した筒部166bが設けられており、回転可動体102から回転軸線Lに沿って後方へ延出した支持ピン192が挿通するようになっている。
【0055】
前記取付部167,167は、収容部166の側面から外方へ延出した板状に形成され、該取付部167の延出端側に、保持部材169が配設されている。保持部材169は、弾力性を有する弾性部材であり、前述した保持ボス147が挿通可能な貫通孔169aが形成されている。ここで、すなわち保持部材169は、ウレタンゴムや天然ゴム等から円形状に形成されて、取付部167に形成された円形凹部167aに係合した状態で配設されている。従って、該保持部材169,169の貫通孔169aに保持ボス147を挿通させて、ユニット収容設置部119の取付壁部145にケース体161を取付けた際には、各保持部材169,169の弾力性により、該ケース体161が取付壁部145に対して弾力的に支持されるようになっている。これにより、例えば回転する回転可動体102に振動が発生した場合には、回転接続ユニット160が取付壁部145に対して適宜姿勢変位することが可能となり、振動による負荷がケース体161と回転部材162とに加わることを防止し得るように構成されている。
【0056】
前記回転接続ユニット160の回転部材162は、
図9(a)および
図9(b)に示すように、円板状に形成されており、該回転部材162の外面(前面)162aに、第2導通部165に電気的に接続された第2コネクタ170が、該外面162aから外方に向けて突出した状態に配設されている。また、回転部材162の中心には、前後方向へ貫通する貫通孔171が形成されており、回転可動体102に設けられた前述の支持ピン192が挿通するようになっている。そして、回転部材162の外面162aに、前述した第1連係部163,163が設けられている。ここで、実施例では、第1連係部163が、回転部材162の外面162aから前方へ突出した突条部(凸部)である。そして、第1連係部163は、複数(実施例では2つ)が設けられている。各第1連係部163,163は、
図9(b)に示すように、支持ピン192が挿通する貫通孔171を通過する直線上から外れた位置において、該貫通孔171から半径方向外方へ離間した位置に突設されている。
【0057】
(配線挿通部173について)
図6および
図8に示すように、ベース体101におけるベース部材110の後面には、配線挿通部173が設けられている。この配線挿通部173は、ベース部材110のベース板部112の後面から前側へ凹み、ユニット収容設置部119とベース部材110の外縁との間に亘って延在する凹状部174と、該凹状部174におけるベース部材110の後面への開口部分を塞ぐ蓋部材175とにより画成されている。すなわち、配線挿通部173は、ユニット収容設置部119の壁部とベース部材110の外縁との間に亘って延在する空間である。配線挿通部173には、回転接続ユニット160の第1導通部164と表示制御基板292側とを電気的に接続する配線(第2の配線)WH1を通すことが可能となっている。また、配線挿通部173は、前述した第1検出センサ155と演出制御基板291とを電気的に接続する配線WH3や、第2検出センサ156と該演出制御基板291とを電気的に接続する配線WH4を通すことが可能となっている(
図6参照)。
【0058】
実施例では、
図6および
図8に示すように、前記配線挿通部173が複数(実施例では2つ)設けられている。このうち、一方の配線挿通部173は、回転接続ユニット160のケース体161の側面(収容部166の側面166b)に設けられた第1コネクタ168と近接する部位において、ユニット収容設置部119に開口するように設けられている。すなわち、一方の配線挿通部173は、ユニット収容設置部119の周壁左縁(
図8では右側)に開口すると共に、該開口部分から上方へ延在して、ベース部材110の上縁に開口している。これにより、表示制御基板292側に接続されると共に第1コネクタ168に接続される前記配線WH1が、配線挿通部173に通し易くなると共に、該配線WH1におけるユニット収容設置部119内に配設される部分を少なくすることが可能となっている。なお、一方の配線挿通部173には、第1検出センサ155の上方でユニット収容設置部119に開口しており、該第1検出センサ155の配線WH3も通し易くなっている。また、他方の配線挿通部173は、ユニット収容設置部119の周壁右縁(
図8では左側)に開口すると共に、該開口部分から右方(
図6では左方)へ延在して、ベース部材110の右縁に開口している。なお、他方の配線挿通部173には、第2検出センサ156の上方でユニット収容設置部119に開口しており、該第2検出センサ156の配線WH4を通し易くなっている。
【0059】
(回転可動体102について)
前記回転可動体102は、
図5、
図7、
図10および
図11(b)に示すように、ベース体101に対して、前後に延在する回転軸線Lを中心として回転可能に配設され、駆動機構106における駆動モータ135の駆動に伴って、回転軸線Lを中心として回転するよう構成されている。回転可動体102は、ベース部材110の第1配設部116に配設された前述の第1〜第3回転支持ホイール121,122,123により回転可能に支持された回転ベース体180と、該回転ベース体180に配設された第1表示装置103と、該回転ベース体180に配設されたハーフミラー部105とを備えている。また、回転可動体102には、第1表示装置103およびハーフミラー部105を囲むように構成されたフード181を備えている。
【0060】
(回転ベース体180について)
前記回転ベース体180は、
図7および
図12に示すように、第1〜第3回転支持ホイール121,122,123に支持される円板部材182と、該円板部材182の前側に固定された支持部材183とを備えている。円板部材182は、円形のリング状部材であり、支持部材183が取付けられる取付部184と、該取付部184の半径方向外側に設けられた前述のフランジ部185と、該フランジ部185の後側に設けられた前述の回転ギア186とを備えている。取付部184の内径は、ベース部材110に設けられたユニット収容設置部119の外径よりも僅かに大きく、該取付部184の内側にユニット収容設置部119が収容され得るようになっている。また、取付部184には、支持部材183に設けられたネジ締結孔に整合する複数(実施例では5個)のネジ挿通孔187が形成されており、後側から各ネジ挿通孔187に挿通したネジを支持部材183に締結することで、該支持部材183と円板部材182とが組付けられる。フランジ部185は、回転ギア186よりも大径であり、該回転ギア186よりも半径方向外側へ延出している。このフランジ部185は、第1〜第3回転支持ホイール121,122,123の嵌合溝121c,122d,123dに夫々嵌合することで3点支持され、円板部材182が前後方向への移動が規制された状態で回転可能に支持される。
【0061】
前記支持部材183は、
図7、
図9(a)および
図12に示すように、円形の台座部190と、該台座部190の前面から前方へ突出した保持突部191とを備えている。台座部190の中心には、後方へ延出する支持ピン192が設けられている。この支持ピン192は、前述した回転接続ユニット160の挿通孔171および筒部168bに、前側から挿通されるようになっている。台座部190の後側には、円板部材182の取付部184に設けられた各ネジ挿通孔187に整合するネジ締結孔193が設けられている。また、台座部190の後側には、ユニット収容設置部119の取付壁部145に形成された開口部146に臨む位置に、該開口部146を囲む環状リブ194が、後方へ突出するように円形に形成されている。そして、台座部190の後側における環状リブ194で囲まれた内側には、第2連係部195,195が設けられている。この第2連係部195,195は、回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた前述の第1連係部163,163と連係するようになっている。更に、台座部190の後側には、前述した第1検出センサ155および第2検出センサ156により検出可能な検出片196が設けられている。この検出片196は、回転可動体102が第1演出位置(
図3、
図5、
図7参照)の場合に第1検出センサ155で検出されると共に、該回転可動体102が第2演出位置(
図10、
図11参照)の場合に第2検出センサ156で検出される位置に設けられている。すなわち、第1検出センサ155からの検出信号が演出制御基板291に送信された場合には、回転可動体102が第1演出位置にあることを演出制御基板291の演出制御CPU291aが認識可能であり、また第2検出センサ156からの検出信号が演出制御基板291に送信された場合には、回転可動体102が第2演出位置にあることを演出制御CPU291aが認識可能となっている。
【0062】
前記台座部190の前側に突設された保持突部191は、
図7および
図12に示すように、後述する上部カバー部材240が取付けられるようになっている。また、台座部190には、第1表示装置103に係止する係止部としての係止片197が、複数(実施例では2つ)設けられている。係止片197,197は、台座部190の中心を挟んで両側に位置すると共に、該台座部190の外縁に隣接する位置に夫々設けられている。各係止片197,197は、台座部190の前面から前方へ突出した鉤状に形成され、前端には上方へ突出した係止部が形成されている。これら係止片197,197は、第1表示装置103のケース体230に設けられた係止凹部235,235に係止するよう構成されている。また、各係止片197の上方には、ネジ締結孔が形成されたネジ締結ボス198,198が、前方へ突出するように形成され、第1表示装置103のケース体161に設けられた取付片236,236(
図12参照)に挿通したネジが、該ネジ締結ボス198,198に締結されるようになっている。更に、台座部190には、前述した環状リブ194の内側において前後に開口する配線挿通口199が形成されている(
図9(a)参照)。
【0063】
(ハーフミラー部105について)
前記ハーフミラー部105は、
図5、
図7および
図14に示すように、透明板201と、該透明板201の一面に配設されたミラーフィルム202とを備えており、該ミラーフィルム202が反射面203を構成している。このハーフミラー部105は、第1表示装置103の表示部103aより大きく、かつ第2表示装置104の表示部104aよりも大きく、回転可動体102の第1演出位置においては該第2表示装置104の表示部104aの全体を隠し得るサイズとなっている(
図3、
図7参照)。そして、ハーフミラー部105の左側縁部105aに、フード181を構成する第1側壁部材(第1壁部)211に連結される左連結部204が設けられると共に、該ハーフミラー部105の右側縁部105bに、該フード181を構成する第2側壁部材(第1壁部)212に連結される右連結部205が設けられている。左連結部204および右連結部205の夫々は、ハーフミラー部105の側端部から突出した複数(実施例では2つ)のボスであり、左右の連結部204,205の突出端にはネジ締結孔が設けられている。
【0064】
そして、ハーフミラー部105は、
図7に示すように、フード181の第1側壁部材211および第2側壁部材212で左、右側縁部204,205が支持された状態で、第1表示装置104の表示部104aに対向すると共に、回転可動体102の第1演出位置において前下がりに傾斜した姿勢で回転ベース体180に配設されている。ここで、実施例では、ハーフミラー部105の傾斜角度が、水平に対して約30〜40°の範囲で所定角度となるように設定されている。なお、ハーフミラー部105の前縁部105cは、前方へ凸となる曲線状に形成されている。また、透明板201の他面(ミラーフィルム202が配設された反射面203と反対側)には、左側縁部105a、後縁部および右側縁部105bに亘って延在するリブ206が形成されており(
図7参照)、該透明板201の捻れや撓みが発現し難く構成されている。
【0065】
(フード181について)
前記フード181は、
図5および
図7に示すように、筒体状に構成されて、第1表示装置103とハーフミラー部105の間に配設されている。フード181の第1表示装置103側は、該第1表示装置103の表示部103aを四方から囲んでおり、ハーフミラー部105側は、該ハーフミラー部105の三方を囲んでいる。また、フード181のハーフミラー部105側は、該ハーフミラー部105の前側部分が開口している。従って、フード181は、パチンコ機10の前側から、第1表示装置103を直接視認不能とすると共に、ハーフミラー部105を常に直接視認可能に構成されている。すなわちフード181は、第1表示装置103の表示部103aとハーフミラー部105との間の領域を囲んで、外部からの光が該表示部103aに直接当たるのを防止する。これによりフード181は、第1表示装置103の表示部103aの表示を鮮明にすると共に、該表示部103aの表示がハーフミラー部105で好適に反射表示されるように機能する。このようなフード181は、
図5、
図7および
図14に示すように、回転可動体102の第1演出位置において、左側に位置する第1側壁部材211と、右側に位置する第2側壁部材212と、後側に位置する後壁部材213と、前側に位置する前壁部材(第2壁部)214を備え、各壁部材211,212,213,214を筒状になるよう配置することで第1表示装置103およびハーフミラー部105を囲んでいる。なお、フード181は、第1表示装置103側からハーフミラー部105に近づくにつれて徐々に拡大する角筒形状となっている。
【0066】
(第1側壁部材211および第2側壁部材212について)
前記第1側壁部材211および第2側壁部材212は、
図5、
図7および
図14に示すように、左右対称の略台形状に形成されている。第1側壁部材211および第2側壁部材212は、略平行に延在する2つの縁部が前後に位置し、該平行な縁部における相対的に短い縁部が、後側(回転ベース体180側)に位置して後縁部211a,212aとなると共に、後縁部211a,212aより長い縁部が前側に位置して前縁部211b,212bとなり、前縁部211b,212bの下端が後縁部211a,212aの下端よりも下方に位置している。そして、後縁部211a,212aの下端と前縁部211b,212bの下端とを繋ぐ斜縁部が、前方に行くにつれて斜め下方に延在する下縁部211c,212cとなっている。また、後縁部211a,212aの上端と前縁部211b,212bの上端とを繋ぐ縁部が、略水平に延在する上縁部211d,212dとなっている。ここで、第1側壁部材211および第2側壁部材212の上部に、上縁部211d,212dから上方へ延出すると共に前後に延在する取付部215,215が連設されており、該取付部215,215は、第1表示装置103のケース体230の側部に組付けられるよう構成されている(
図12参照)。
【0067】
図14に示すように、第1側壁部材211および第2側壁部材212に設けられた取付部215,215の内面側には、第1凹部216が複数(実施例では2つ)形成されている。各第1凹部216は、第1表示装置103のケース体230に設けられた各第1固定ボス233が夫々嵌合するようになり、該第1凹部216には、該第1固定ボス233に締結されるネジの挿通孔が設けられている。また、第1側壁部材211の後縁部211aおよび第2側壁部材212の内面側における後縁部212aに沿う部位には、第2凹部217が複数(実施例では2つ)形成されている。各第2凹部217には、後壁部材213に設けられた第1後連結ボス220または第2後連結ボス221が嵌合するようになり、該第2凹部217には、該第1後連結ボス220または第2後連結ボス221に締結されるネジの挿通孔が設けられている。更に、第1側壁部材211の内面側における下縁部211cに沿う部位、および第2側壁部材212の内面側における下縁部212cに沿う部位には、第3凹部218が複数(実施例では2つ)形成されている。第1側壁部材211の各第3凹部218には、ハーフミラー部105の左側縁部105aに設けられた左連結部204,204が嵌合するようになり、該第3凹部218には、該左連結部204に締結されるネジの挿通孔が設けられている。また、第2側壁部材212の各第3凹部218には、ハーフミラー部105の右側縁部105bに設けられた右連結部205,205が嵌合するようになり、該第3凹部218には、該右連結部205に締結されるネジの挿通孔が設けられている。なお、第1側壁部材211および第2側壁部材212は、フード181の外側となる外面に、所要の意匠模様が形成されていると共に(
図5参照)、該フード181の内側となる内面には、上下方向に延在する補強リブ222が形成されている(
図5、
図7参照)。
【0068】
(後壁部材213について)
前記後壁部材213は、
図14に示すように、左右方向が長手となる横長の略台形状に形成されている。後壁部材213は、略平行に延在する2つの縁部が上下に位置し、該平行な縁部における相対的に短い縁部が上側(第1表示装置103側)に位置して上縁部213aとなると共に、上縁部213aよりも長い下側の縁部が下縁部213bとなっている。そして、上縁部213aの左端と下縁部213bの左端とを繋ぐ左縁部213cが、下方に行くにつれて斜め左下方に延在すると共に、上縁部213aの右端と下縁部213bの右端とを繋ぐ右縁部213dが、下方に行くにつれて斜め右下方に延在している。後壁部材213は、その上縁部213aから下縁部213bまでの上下幅が、第1側壁部材211および第2側壁部材212の後縁部211a,212aの上下長と略同じ長さに設定されている。また、後壁部材213の左縁部213cに、2つの第1後連結ボス220が、上下に離間した位置で左外方へ突出するよう形成されている。各第1後連結ボス220,220は、第1側壁部材211の後縁部211aに沿う部位に形成された前述の第2凹部217,217に夫々嵌合する。更に、後壁部材213の右縁部213dに、2つの第2後連結ボス221が、上下に離間した位置で右外方へ突出するよう形成されている。各第2後連結ボス221,221は、第2側壁部材212の後縁部212aに沿う部位に形成された前述の第2凹部217,217に夫々嵌合する。
【0069】
(前壁部材214について)
前記前壁部材214は、
図7および
図14に示すように、左右方向が長手となる横長の略台形状に形成されている。前壁部材214は、前部カバー体250の後側に取付けられ、回転ベース体180に取付けた第1表示装置103に該前部カバー体250を取付けることで、第1側壁部材211の前縁部211b,212bおよび第2側壁部材212の前縁部211b,212bに当接するようになっている。前壁部材214は、略平行に延在する2つの縁部が上下に位置し、該平行な縁部における相対的に長い縁部が上側(第1表示装置103側)に位置して上縁部214aとなると共に、該上縁部214aよりも短い下側の縁部が下縁部214bとなっている。そして、上縁部214aの左端と下縁部214bの左端とを繋ぐ左縁部214cが、下方に行くにつれて斜め右下方に延在すると共に、左方へ凸となる円弧状になっている。また、上縁部214aの右端と下縁部214bの右端とを繋ぐ右縁部214dが、下方に行くにつれて斜め左下方に延在すると共に、右方へ凸となる円弧状になっている。そして、前壁部材214は、その上縁部214aから下縁部214bまでの上下幅が、後壁部材213の上下幅よりも小さく設定されている(
図7参照)。更に、前壁部材214の前面には、前部カバー体250に嵌合する嵌合部225が、複数(実施例では3つ)設けられている(
図12参照)。各嵌合部225には、前後に貫通したネジ挿通孔が形成されており、該ネジ挿通孔に対して後側から挿入したネジを前部カバー体250に締結することで、当該前壁部材214が前部カバー体250の後側に取付けられる。
【0070】
(第1表示装置103について)
前記第1表示装置103は、表示制御基板292の表示制御CPU292aにより制御される。実施例では、表示部103aとして、液晶タイプの表示ディスプレイ(以降「液晶ディスプレイ」という)229が採用されている。すなわち、第1表示装置103は、液晶ディスプレイ229からなる表示部103aにおいて、各種の画像(イラスト、文字、記号等)や、動画および映像等の表示が可能となっている。第1表示装置103は、
図7および
図14に示すように、表側に長方形の表示面が設けられた液晶ディスプレイ229と、該液晶ディスプレイ229を収容して保持するケース体230とを備えている。また、第1表示装置103は、液晶ディスプレイ229を駆動する液晶制御基板239をケース体230内に備えていると共に、該液晶制御基板239に接続された配線WH5と表示制御基板292側に接続された配線(第1の配線)WH2とが接続される中継基板238を備えている。
【0071】
前記第1表示装置103のケース体230は、
図7および
図14に示すように、第1ケース部材231および第2ケース部材232を備え、該第1ケース部材231と第2ケース部材232とを組付けることで、液晶ディスプレイ229および液晶制御基板239を収容する空間が内部に画成される。第1ケース部材231には、液晶ディスプレイ229の表示面を外方へ露出させて表示部103aを画成する矩形状の表示開口231aが形成されている。また、第1ケース部材231の外縁には、外方に開口した係止凹部235,235が設けられ、回転ベース体180の支持部材183に設けられた前述の係止片197,197が、各係止凹部235,235に係止可能となっている。一方、第2ケース部材232の外面には、中継基板238が取付けられるボス232aが形成されていると共に、該中継基板238と液晶制御基板239とを接続する配線WH5(
図7参照)を挿通する開口232bが形成されている。また、第2ケース部材232の外縁には、ネジ挿通孔が形成された取付片236,236が設けられ、該取付片236,236のネジ挿通孔に挿通したネジを、回転ベース体180の支持部材183に形成されたネジ締結ボス198,198に締結するようになっている。
【0072】
また、
図14に示すように、第1表示装置103のケース体230には、フード181を取付けて固定する固定手段としての第1固定ボス233が設けられている。実施例では、長矩形状のケース体230における第2ケース部材232の長手方向の両側面に、複数(実施例では2つずつ)の第1固定ボス233が設けられている。各第1固定ボス233の先端には、ネジ締結孔が設けられている。また、第1表示装置103のケース体230には、前部カバー体250を取付けて固定する固定手段としての第2固定ボス234が設けられている。実施例では、ケース体230の第2ケース部材232における長手方向の両側面において、第1固定ボス233から離間した位置に、第2固定ボス234が夫々1つずつ設けられている。各第2固定ボス234の先端には、ネジ締結孔が設けられている。
【0073】
前述のように構成された第1表示装置103は、
図7および
図14に示すように、回転ベース体180の支持部材183の前面に対して、ケース体230における短手方向の一側面である底部を当接させた姿勢で、該支持部材183に配設される。すなわち、ケース体230に設けられた各係止凹部235,235に、支持部材183に設けられた各係止片197,197を係止させると共に、ネジにより各取付片236,236をネジ締結ボス198,198に締結することで、第1表示装置103が支持部材183に取付けられる。これにより、第1表示装置103は、支持部材183の前面に対して垂直に起立して前方へ延出した状態に取付けられ、演出が行われる表示部103aが、回転軸線Lが延在する前後方向と交差する方向に向いた姿勢で配設されている。また、第1表示装置103は、
図7に示すように、回転可動体102の回転軸線Lに位置する支持ピン192と前後方向で重なる位置に配設されている。そして、
図7に示す第1演出位置では、第1表示装置103の表示部103aが下方に向き、
図10および
図11に示す第2演出位置では、該表示部103aが上方に向くように構成され、回転ベース体180の回転に伴って姿勢変位が可能となっている。
【0074】
(第1表示装置103の表示態様について)
前述のように構成された第1表示装置103は、表示制御基板292の表示制御CPU292aによる表示制御に基づいて、表示部103aをなす液晶ディスプレイ229の表示内容が制御される。ここで、表示制御CPU292aは、回転可動体102の第1演出位置では、第1表示装置103の下方に位置するハーフミラー部105において、上下が正規の向きとなる正位置表示となるように液晶ディスプレイ229の演出表示の向きを制御する。また、表示制御CPU292aは、
図10および
図11に示す回転可動体102の第2演出位置では、第1表示装置103の上方に位置するハーフミラー部105において、上下が正規の向きとなる正位置表示となるように液晶ディスプレイ229の演出表示の向きを制御したり、180°回転して上下が逆向きとなる逆位置表示となるように液晶ディスプレイ229の演出表示の向きを制御することが可能となっている。
【0075】
(上部カバー部材240について)
前記上部カバー部材240は、
図5、
図7および
図14に示すように、外壁部241と、該外壁部241に一体的に形成された取付壁部242とを備えている。この上部カバー部材240は、回転ベース体180の支持部材183の前側において、第1表示装置103を挟んでフード181と反対側に配設される。外壁部241は、円形の支持部材183の外周縁に沿って延在する曲率で湾曲した半樋状に形成されており、湾曲方向における一方の縁部は、フード181における第1側壁部材211の上縁部211dと整合すると共に、湾曲方向における他方の縁部は、該フード181における第2側壁部材212の上縁部212dと整合するようになっている。そして、外壁部241の外面には、フード181の第1側壁部材211の外面および第2側壁部材212の外面に形成された意匠と連続性のある意匠が形成されている。
【0076】
図7および
図14に示すように、前記上部カバー部材240の取付壁部242は、湾曲した外壁部241の内面側において、該外壁部241に一体に形成されている。取付壁部242には、回転ベース体180の支持部材183に設けられた保持突部191が嵌合する保持凹部243が、後方へ開口した状態に形成されている。従って、保持凹部243を保持突部191に嵌合させると共に、ネジにより該保持凹部243を保持突部191に固定することにより、上部カバー部材240が回転ベース体180の前側に配設される。また、保持凹部243の側部には、第1表示装置103側へ突出するリブ244,244が設けられている。これらリブ244,244は、支持部材183に設けられた配設挿通口199を挟んだ両側に位置している。これにより、回転ベース体180の回転時に、配線挿通口199に挿通されて中継基板238に接続される配線WH2(
図7参照)がリブ244に接触した場合に、該リブ244により該配線WH2の動きを規制可能となっている。
【0077】
(前部カバー体250について)
前記前部カバー体250は、
図5、
図7、
図12および
図14に示すように、回転ベース体180の支持部材183に取付けられた第1表示装置103、フード181および上部カバー部材240の前側に配設されている。この前部カバー体250は、第1表示装置103と、フード181の前壁部材214と、上部カバー部材240の取付壁部242とを、前側から視認不能に覆うようになっている。具体的に、前部カバー体250は、リング状に形成された第1前装飾部材251と、該第1前装飾部材251の開口部分に装着される第2前装飾部材252とを備えている。第1前装飾部材251は、前面に所要の意匠が形成されていると共に、後方へ突出した取付突部251a,251aが左縁部および右縁部に形成されている。これら取付突部251a,251aには、第1表示装置103のケース体230における両側部に設けられた前述の第2固定ボス234,234に締結されるネジのネジ挿通孔が形成されている。すなわち、前部カバー体250は、第1前装飾部材251の取付突部251a,251aを第1表示装置103のケース体230に固定することで、該第1表示装置103および上部カバー部材240の前側に配設される。また、第1前装飾部材251は、フード181に取付けられたハーフミラー部105の前側となる部分が切り欠かれており、該第1前装飾部材251の下縁251bは略直線となっている(
図5、
図7参照)。これにより、第1前装飾部材251の下縁251bは、ハーフミラー部105の後縁よりも上方に位置しており、前部カバー体250とハーフミラー部105とは前後方向において重ならないよう構成されている。
【0078】
前記第2前装飾部材252は、
図7、
図12および
図14に示すように、前後に組合わされる複数(実施例では3つ)からなり、組合わせた状態で略円形に構成されている。第2前装飾部材252は、各部材が異なる色に形成されており、夫々の部材の一部が、第1前装飾部材251の開口から露出して視認されるように構成されている。各部材を組合わせた第2前装飾部材252は、第1前装飾部材251の後側にネジにより取付けられ、該第1前装飾部材251の開口を介して前方に露出して、所定の意匠模様が形成されている。また、第2前装飾部材252の後側下部に、前述したフード181の前壁部材214が取付けられている(
図7参照)。
【0079】
(第2表示装置104について)
前記第2表示装置104は、
図7および
図10に示すように、表示制御基板292の表示制御CPU292aにより制御される表示部104aを備えている。実施例では、表示部104aとして、複数(実施例では7個)のセグメント256が組となるセグメントタイプの表示ディスプレイ(以降「7セグメントディスプレイ」という)255を備え、該7セグメントディスプレイ255がケース体261内に収容されている。7セグメントディスプレイ255は、7個のセグメント256を1組として十進のアラビア数字等を表示可能であり、7個のセグメント256からなる組が左右に並んで複数(実施例では3組)が配列されている。従って、第2表示装置104の表示部104aは、3列(左列、中列、右列)の「0」〜「9」の数字を図柄として、各列の図柄を変動表示すると共に停止表示する図柄変動演出を実行することが可能となっている。
【0080】
前記7セグメントディスプレイ255は、
図7に示すように、3組の各セグメント256を画成する区画部材258と、該区画部材258の後側に配設される発光表示基板257と、該区画部材258の前側に配設されるレンズ部材259とを備えている。また、7セグメントディスプレイ255は、区画部材258と発光表示基板257との間に、光拡散シート260が配設されている。区画部材258は、長六角形状をなす各セグメント256の形状を規定する開口258aが、厚み方向に複数(実施例では、3組×7個=21個)形成されている。
【0081】
前記発光表示基板257は、
図7に示すように、区画部材258に対向する表面に、各セグメント256毎に対応するLEDチップ257aが実装されている。各LEDチップ257aは、表示制御基板292の表示制御CPU292aにより個別に発光制御される。実施例では、各セグメント256毎に1個ずつのLEDチップ257aが実装されており、各LEDチップ257aは、区画部材258の各開口258aの長手方向の中央において、当該開口258aの後側開口に位置するようになっている。従って、LEDチップ257aが発光すると、対応する開口258a内だけが明るくなり、長六角形状のセグメント256が明輝ようになる。なお、発光表示基板257の前側に光拡散シート260が配設されていることで、LEDチップ257aの発光した際に光が拡散されるようになり、区画部材258の前側において、LEDチップ257aが点状に発光しても、開口258aの後側開口の全体を略均一に明輝させ得る。
【0082】
前記レンズ部材259は、半透明またはスモークの成形部材であって、表面が磨りガラス状に処理されていると共に、裏面が凹凸状に形成されている。従って、レンズ部材259は、区画部材258および発光表示基板257のLEDチップ257aを透視不能に構成されている。また、発光した発光表示基板257のLEDチップ257aの光を、好適に透過させ得る。
【0083】
前記第2表示装置104のケース体261は、
図7および
図11に示すように、第1ケース部材262および第2ケース部材263を備え、該第1ケース部材262と第2ケース部材263とを組付けることで、7セグメントディスプレイ255の発光表示基板257、区画部材258およびレンズ部材259を収容する空間が内部に画成される。第1ケース部材262は、レンズ部材259を前方へ露出させる表示開口262aが前側に形成されている(
図10参照)。一方、第2ケース部材263の後面は、発光表示基板257の裏面を外方へ露出させる開口263aが形成されており、該発光表示基板257の裏面に配設されたコネクタ257bを、ケース体261の後側へ露出させ得る(
図11(b)参照)。
【0084】
また、
図11および
図12に示すように、第2表示装置104のケース体261には、ベース体101のベース部材110における第3配設部118に配設される左右一対の各固定ステー140,140に連結される連結ボス264が設けられている。実施例では、第2ケース部材263における左右両側面に、連結ボス264が夫々2つずつ設けられている。各連結ボス264は、固定ステー140,140の支持部142に連結され、ネジ締結孔が先端に設けられている。従って、第2表示装置104は、第2ケース部材263の左側面に設けられた各連結ボス264を、左の固定ステー140の支持部142にネジで固定すると共に、該第2ケース部材263の右側面に設けられた各連結ボス264を、右の固定ステー140の支持部142にネジで固定することで、表示部104aが前方斜め上方を向いた傾斜姿勢でベース体101に配設される。
【0085】
(第1連係部163および第2連係部195について)
次に、ベース体101のユニット収容設置部119に配設された回転接続ユニット160の回転部材162と、該ベース体101の前側に配設された回転可動体102との連係態様について、
図9(a)および
図9(b)を引用して説明する。実施例の可動演出装置100は、前述したように、回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた第1連係部163,163と、回転可動体102の回転ベース体180の支持部材183に設けられた第2連係部195,195とが係合することで、該回転部材162と回転可動体102とが連係している。そして、第1連係部163,163と第2連係部195,195との係合により、回転可動体102の回転に連動して回転部材162がケース体161に対して回転するよう構成されている。そして、第1連係部163,163と第2連係部195,195は、回転軸線Lで回転する回転可動体102および回転部材162の回転方向において、該回転可動体102および回転部材162の相対的な位置変位を規制するように係合可能に構成されている。また、第1連係部163,163と第2連係部195,195は、回転軸線Lに沿う前後方向の相対的な位置変位が許容されると共に、該回転軸線Lと交差する方向の相対的な位置変位が許容されるように係合可能に校正されている。
【0086】
前記第1連係部163は、
図9(a)および
図9(b)に示すように、回転部材162における前側を指向する外面162aに、該外面162aから、対応する第2連係部195に向けて突出した突条部である。具体的に、第1連係部163は、回転部材162の外面162aに対して鉛直に突出したボス状に形成されている。そして、第1連係部163は、回転部材162の外面に対する突出方向と直交する方向の断面形状が、円形となった丸ボス状に構成されている。また、2つの第1連係部163,163は、回転部材162の直径方向において、支持ピン192が挿通する貫通孔171を通過する直線上から外れた位置において、該貫通孔171から半径方向外方へ離間した位置に突設されている。すなわち、2つの第1連係部163,163は、回転部材162の直径方向において、貫通孔171を通過する直線上には位置していない。
【0087】
前記第2連係部195は、
図9(a)および
図9(b)に示すように、第1連係部163の差し込みを許容する凹部に構成されている。すなわち、第2連係部195は、回転ベース体180の支持部材183の後面から後方へ突出したリブ195aにより、回転部材162側へ開口すると共に、該回転部材162から離間する方向(前方)へ凹んだ形状となっている。そして、
図9(b)に示すように、第2連係部195は、回転部材162の直径方向(回転軸線Lと直交方向)での開口幅W2が、直径方向での第1連係部163の突出幅W1より幅広に形成されている。すなわち、第2連係部195は、回転部材162の直径方向が長手となる長溝に形成されている。そして、2つの第2連係部195,195は、回転部材162の直径方向(支持部材183の直径方向)において、支持ピン192を通過する直線上から外れた位置において、該支持ピン192から半径方向外方へ離間した位置に突設されている。すなわち、2つの第2連係部195,195は、回転部材162の直径方向において、支持ピン192を通過する直線上には位置していない。これにより、各第2連係部195,195の長手方向は、一直線になっていない(
図9(b)参照)。
【0088】
これにより、第1連係部163および第2連係部195は、回転部材162の直径方向において、相対的な位置変位が可能に嵌合している。すなわち、回転接続ユニット160および回転可動体101は、回転部材162の直径方向における相対的な位置変位が可能に連係されている。また、第1連係部163および第2連係部195により連係された回転接続ユニット160および回転可動体101は、回転部材162の回転方向(回転可動体101の回転方向)における相対的な位置変位が不能に連係される。更に、各第2連係部195.195の長手方向が一致していないことにより、該第2連係部195.195に対して第1連係部163,163が移動した際には、回転接続ユニット160および回転可動体101は、回転部材162の外面162aの面方向(回転軸線Lと直交方向)へ相対位置が変位可能に連係されている。
【0089】
従って、実施例の可動演出装置100は、例えば、回転する回転可動体101が回転部材162の直径方向へ振れて振動が発生した場合に、第1連係部163と第2連係部195との相対位置が変位することで、回転接続ユニット160に負荷がかかることを防止し得るようになっている。すなわち、回転可動体101の振動等を原因として、回転接続ユニット160の回転部材162がケース体161に対してずれること等が防止されるので、該回転接続ユニット160の第1導通部164と第2導通部165との接続不良や、該回転接続ユニット160の故障等を誘発し難く構成されている。
【0090】
(発光演出装置270について)
前記発光演出装置270は、
図4に示すように、設置部材50における設置壁部51の前側において、回転可動体102における回転ベース体180の周囲に位置するように配設されている。そして、発光演出装置270は、回転可動体102に配設されたハーフミラー部105の後側において、該回転可動体102が回転する際に該ハーフミラー部105が移動する領域と前後方向において重なる装置である。実施例の発光演出装置270は、
図13に示すように、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした環状に湾曲すると共に、下側部分が開口した所謂倒伏「C」形に構成されている。そして、発光演出装置270は、設置部材50における設置壁部51の前側に回転可動体102が配設された状態で該設置壁部51に取付けられ、回転可動体102のベース体101と一部が前後に重なると共に、下側の開口部分に第2表示装置104が整合する。
【0091】
前記発光演出装置270は、
図3、
図5〜
図7および
図13に示すように、円弧状に形成された本体部材271と、該本体部材271の内部に配設された発光演出基板272と、該本体部材271の前側に配設されたレンズ部材273とを備えている。本体部材271は、円弧状に湾曲すると共に前方へ延出した外壁部274と、該外壁部274の前縁から半径方向内側へ延出した前壁部275とを備えている。前壁部275は、外壁部274の前縁から、半径方向内側にいくにつれて後方へ変位する傾斜状に形成されており、該前壁部275の内縁が、回転可動体102における回転ベース体180の外側に位置している。すなわち、外壁部274は、所謂すり鉢状に形成されている。前壁部275には、複数(実施例では10個)の発光表示部(発光手段)276が、ハーフミラー部105の移動方向へ並んで配列されている。また、前壁部275には、周方向に隣接する発光表示部276,276の間に装飾部材277が配設され、隣接する発光表示部276,276は、該装飾部材277により区切られている。また、本体部材271の外壁部274には、該外壁部274と一体または別体の取付片279が複数設けられており、当該本体部材271は、取付片279を設置部材50の設置壁部51の前側にネジにより固定することで、該設置部材50に取付けられる。また、本体部材271内には、発光演出基板272の前側に、各発光表示部276を区画する区画部材278が配設されている。
【0092】
(発光表示部276について)
前記本体部材271の前壁部275に設けられた各発光表示部276は、
図5、
図7および
図10に示すように、半径方向に並んだ複数(実施例では4つ)の発光部(以降、半径方向内側から第1〜第4発光部276a,276b,276c,276d)に区画されている。各発光表示部276の第1発光部276aは、回転軸線Lを中心とする同一円周上において、該円周方向が長手となると共に、当該円に沿って湾曲している。また、夫々の発光表示部276における各第2発光部276b、各第3発光部276cおよび各第4発光部276dの夫々は、回転軸線Lを中心とする同一円周上において、該円周方向が長手となると共に、当該円に沿って湾曲している。そして、
図7および
図10に示すように、前壁部275の傾斜に基づいて、各発光表示部276においては、第1発光部276aが最も後側に位置し、第2発光部276bは第1発光部276aより前側に位置し、第3発光部276cは第2発光部276bより前側に位置すると共に、第4発光部276dは第3発光部276cより前側に位置している。
【0093】
(発光演出基板272について)
前記発光演出基板272は、
図6、
図7および
図13に示すように、本体部材271の内部に収容可能な円弧状に形成されている。発光演出基板272の前面には、前述した各発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの後側に対向する位置に、LEDチップ272aが実装されている。ここで、実施例の発光演出基板272は、各発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの個別に対応して、複数(実施例では3〜4個)のLEDチップ272aが、周方向へ所要間隔毎に実装されている。そして、発光演出基板272のLEDチップ272aは、前述したランプ制御基板293により発光制御され、各発光表示部276毎に個別に発光表示したり、各発光表示部276においては、第1〜第4発光部276a,276b,276c,276d毎に個別に発光表示することが可能となっている。
【0094】
(レンズ部材273について)
前記レンズ部材273は、
図7および
図13に示すように、本体部材271の前壁部275に対して前側から取付けられ、発光表示部276の前側に位置する。レンズ部材273は、湾曲した透明部材であり、発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの前側部分は、前方へ膨出して厚くなっている。レンズ部材273は、各装飾部材277と共に、本体部材271に対してネジで固定されるようになっている。なお、実施例のレンズ部材273は、周方向において3つに分割されているが、1つに構成されたものや、3つ以上に分割されたものや、各発光表示部276毎に個別に分割されたものであってもよい。
【0095】
(区画部材278について)
前記区画部材278は、
図7および
図13に示すように、本体部材271の内部に対して後側から取付けられ、前壁部275の後側に位置する。区画部材278は、各発光表示部276を区画すると共に、各発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dを区画する。すなわち区画部材278は、本体部材271の内部空間を略埋めるブロック状に構成され、各発光表示部276における円弧状をなす第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの形状を規定よう前後に開口する筒状部278aが形成されている。すなわち、各筒状部278aの後側開口は、発光演出基板272の前面に臨むと共に、該筒状部278aの前側開口は、本体部材271の前壁部275の後面に臨んでいる。従って、各発光表示部276における各第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dに対応するLEDチップ272aが発光した際には、該LEDチップ272aの光により対応する筒状部278a内のみが明るくなり、これにより発光した当該LEDチップ272aが対応する発光部276a,276b,276c,276dのみが明輝ようになる。なお、実施例の区画部材278は、周方向において3つに分割されているが、1つに構成されたものや、3つ以上に分割されたものや、各発光表示部276毎に個別に分割されたものであってもよい。
【0096】
前述のように構成された発光演出装置270は、演出制御基板291の演出制御CP91aからの制御信号を受信するランプ制御基板293の制御に基づいて、発光表示部276による様々な発光態様を実行可能である。
(a)全て(10個)の発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dを同時に発光させた発光態様(全発光態様)。
(b)何れかの発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの全LEDチップ272aを発光させた発光態様(第1部分発光態様)。
(c)全ての発光表示部276における第1〜第4発光部276a,276b,276c,276dの一部のみを発光させた発光態様(第2部分発光態様)。
(d)可動演出装置100における回転可動体102の回転に基づいてハーフミラー部105が第1演出位置および第2演出位置の間を環状に移動する際に、移動する当該ハーフミラー部105と前後に重なった発光表示部276を順次減光状態または消灯状態とする連動発光演出態様。
なお、実施例の発光演出基板272は、周方向において2つに分割されているが、1つに構成されたものや、3つ以上に分割されたものであってもよい。
【0097】
(発光装飾体285について)
図3、
図5、
図7および
図13に示すように、前記発光演出装置270の内縁部と回転可動体102の支持部材183との間に、発光装飾体285が配設されている。この発光装飾体285は、回転可動体102の回転ベース体180を囲み、回転可動体102の回転軸線Lを中心とした環状に構成されている。具体的に、発光装飾体285は、環状に形成された装飾部材286と、該装飾部材286の後側に配設されたレンズ部材287と、該レンズ部材287の後側に配設された発光装飾基板288とを備えている。装飾部材286は、周方向へ所要間隔ごとに複数(実施例では15個)の開口286aが前面に形成されると共に、該前面は所要の意匠模様が形成されている。レンズ部材287は、円弧状に形成されると共に、前方へ膨出したレンズ部が、装飾部材286の各開口286aに対応して設けられている。また、発光装飾基板288は、円弧状に形成されると共に、装飾部材286の各開口286aと前後に対向する位置に、LEDチップ288aが実装されている。発光装飾基板288は、ランプ制御基板293により発光制御され、発光したLEDチップ288aに対応する開口286aが明輝することで発光演出が行われる。また、発光装飾体285は、可動演出装置100を設置部材50の設置壁部51に取付けた後、発光演出装置270を取付ける前に該設置壁部51に取付けられる。そして、発光装飾体285を設置壁部51に取付けることで、可動演出装置100の回転可動体102における円板部材182を隠すようになる(
図7参照)。
【0098】
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例の可動演出装置100は、第1表示装置103、ハーフミラー部105を組付けたフード181、上部カバー部材240および前部カバー体250等を、回転ベース体180の支持部材183に配設することで、回転可動体102が組立てられる。そして、ベース体101のベース部材110に設けられた第1〜第3回転支持ホイール121,122,123により、回転可動体102のフランジ部185を支持することで、当該回転可動体102がベース体101の前側における第1配設部116に回転可能に配設される。また、駆動機構106を構成する駆動モータ135および中間ギア138を、ベース体101の前側の第2配設部117に配設すると共に、第2表示装置104を、該ベース体101の前側の第3配設部118に配設する。
【0099】
また、ベース体101の後側に設けられたユニット収容設置部119に、回転接続ユニット160を配設する。この際に、回転可動体102の回転ベース体180に設けられた第2連係部195,195と、回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた第1連係部163,163とを夫々嵌合させることで、回転可動体102と回転接続ユニット160の回転部材162とが連係される。また、各センサ配設口149,149に第1検出センサ155および第2検出センサ156をセットしたもとで、カバー部材150をユニット収容設置部119に取付けることで、回転接続ユニット160、第1検出センサ155および第2検出センサ156が保持される。そして、第1表示装置103に配設した中継基板238に接続されて、回転ベース体180に設けた配線挿通口199を介してユニット収容設置部119内へ引き出した配線WH2を、回転接続ユニット160の回転部材162に配設した第2コネクタ170に接続する。更に、回転接続ユニット160の第1コネクタ168に接続された配線WH1と、第1検出センサ155に接続された配線WH3を、ベース部材110の後側に設けられた一方の配線挿通部173に通して、ベース体101の上方へ引き出す。また、第2検出センサ156に接続された配線WH4を、ベース部材110の後側に設けられた他方の配線挿通部173に通して、ベース体101の側方へ引き出す。
【0100】
前述のように組立てられた可動演出装置100は、ベース体101のベース部材110を、設置部材50の設置壁部51の前側にネジで取付ける。これにより、ベース体101のユニット収容設置部119が、設置壁部51の開口部54を介して、設置部材50の後側に臨むようになる。そして、演出制御基板291を収容した基板ケースおよび表示制御基板292を収容した基板ケースが設置壁部51の後側に設置されることで、ユニット収容設置部119に配設された回転接続ユニット160は、これら演出制御基板291および表示制御基板292で覆われ、通常状態においては設置部材50の後側へ露出しない。
【0101】
前記設置部材50の設置壁部51に対する可動演出装置100の取付け後に、発光装飾体285を該設置壁部51に取付ける。更に、発光演出装置270を、可動演出装置100のベース体101と一部が重なった状態で、設置壁部51の前側にネジで取付ける。これにより、発光演出装置270は、回転可動体102が回転する際のハーフミラー部105の移動領域の後側に位置する。そして、可動演出装置100、発光演出装置270および発光装飾体285等を組付けた設置部材50を、遊技盤20の後側に取付けることで、可動演出装置100、発光演出装置270および発光装飾体285が、枠状装飾体35の開口部35a内に位置してパチンコ機10の前側から視認可能となる。
【0102】
実施例のパチンコ機10は、メインスイッチのON操作により起動して、初期設定が完了した状態において、可動演出装置100では、回転可動体102が
図3および
図5に示す第1演出位置に停止保持され、該可動演出装置100は第1演出状態となる。そして、操作ハンドル16の操作に基づいて遊技が開始されて、遊技盤20の遊技領域24へ打ち出された遊技球が、始動入賞装置25の第1始動入賞口26または第2始動入賞口27に入賞すると、第1始動入賞検出センサ44または第2始動入賞検出センサ45から検出信号がメイン制御基板290に送信される。これによりメイン制御基板290のメイン制御CPU290aでは、大当り抽選が行われると共に、演出制御基板291に所定の制御信号を送信する。そして、演出制御基板291は、メイン制御基板290から送信されたコマンドに基づく所定の処理を行い、表示制御基板292、ランプ制御基板293および音制御基板294に制御信号(制御コマンド)を送信する。表示制御基板292の表示制御CPU292aは、演出制御基板291から送信された制御信号(制御コマンド)に基づいて、第1表示装置103の表示部103aで所定の演出を表示する制御を行うと共に、第2表示装置104の表示部104aにおいて3列の図柄列における図柄の変動演出を表示する制御を行う。また、ランプ制御基板293は、演出制御基板291から送信された制御信号(制御コマンド)に基づいて、可動演出装置100の発光演出装置270および発光装飾体285等を制御する。また、音制御基板294は、演出制御基板291から送信された制御信号(制御コマンド)に基づいて、スピーカ48からの音声出力を制御する。
【0103】
ここで、前記始動入賞装置25の第1始動入賞口26への遊技球の入球を契機として、メイン制御基板290において大当り抽選の結果として大当りが発生すると、演出制御基板291に所定の制御信号を送信し、これに基づいて演出制御基板291から表示制御基板292に所定の制御信号が送信される。これにより表示制御基板292の表示制御CPU292aは、第1表示装置103の表示部103aに所定の画像や映像を表示する制御を行うと共に、第2表示装置104の表示部104aに所定図柄(「0」〜「9」)の組合せで図柄を停止表示する制御を行う。また、メイン制御基板290のメイン制御CPU290aは、第1特別入賞装置28の開閉部材28bを開放動作させて特別入賞口28aを開放させ、該特別入賞口28aへのパチンコ球の入球を可能とする。
【0104】
また、前記始動入賞装置25の第2始動入賞口27への遊技球の入球を契機として、メイン制御基板290のメイン制御CPU290aにおいて大当り抽選の結果として大当りが発生すると、演出制御基板291に所定の制御信号を送信し、これに基づいて演出制御基板291の演出制御CPU291aから表示制御基板292の表示制御CPU292aに所定の制御信号が送信される。これにより表示制御基板292の表示制御CPU292aは、第1表示装置103の表示部103aに所定の画像や映像を表示する制御を行うと共に、第2表示装置104の表示部104aに所定図柄(「0」〜「9」)の組合せで図柄を停止表示する制御を行う。また、メイン制御基板290のメイン制御CPU290aは、第2特別入賞装置29の開閉部材29bを開放動作させて特別入賞口29aを開放させ、該特別入賞口29aへのパチンコ球の入球を可能とする。
【0105】
(可動演出装置100の演出態様について)
実施例の可動演出装置100は、演出制御基板291の演出制御CPU291aにより駆動機構106の駆動モータ135を駆動制御することで、回転可動体102が両方向へ回転可能となっている。すなわち、駆動モータ135の駆動により、駆動ギア137が前側から見て左回転した場合には、中間ギア138が右回転し、従動ギア139が左回転することで、回転可動体102の回転ギア186が右回転する。従って、この場合には、回転可動体102は、前側から見て回転軸線Lを中心として右回転するようになる。また、駆動モータ135を逆駆動することにより、駆動ギア137が前側から見て右回転した場合には、中間ギア138が左回転し、従動ギア139が右回転することで、回転可動体102の回転ギア186が左回転する。従って、この場合には、回転可動体102は、前側から見て回転軸線Lを中心として左回転するようになる。
【0106】
(第1演出状態での演出)
そして、実施例の可動演出装置100は、回転可動体102が
図3、
図5および
図7に示す第1演出位置では、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、ハーフミラー部105が第2表示装置104と前後に重なっている。従って、回転可動体102が第1演出位置となっている第1演出状態において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により第1表示装置103および第2表示装置104を同時に作動させた場合には、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第1表示装置103の表示部103aでの演出がハーフミラー部105の反射面203で反射して表示されると共に、第2表示装置104の表示部104aでの演出がハーフミラー部105を透過して表示される。すなわち、第1演出状態では、第1表示装置103の演出と第2表示装置104の演出とを、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、当該ハーフミラー部105の範囲内で重ねて表示することができる。
【0107】
また、第1演出状態において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により、第1表示装置103を作動させると共に第2表示装置104を作動させない場合には、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第1表示装置103の表示部103aでの演出がハーフミラー部105の反射面203で反射して表示される。また、第1演出状態において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により、第2表示装置104を作動させると共に第1表示装置103を作動させない場合には、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第2表示装置104の表示部104aでの演出がハーフミラー部105を透過して表示される。
【0108】
(第2演出状態での演出)
また、実施例の可動演出装置100は、ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後方向で重ならない第2演出状態では、第2表示装置104の演出は第1演出状態の場合と同じ位置で行われ、第1表示装置103の演出は第1演出状態の場合とは異なる位置で行われる。しかも、回転可動体102の回転に伴ってハーフミラー部105が環状に移動するので、第1表示装置103の演出は、枠状装飾体35の開口部35a内において、該ハーフミラー部105の移動に伴って環状に移動するようになる。そして、ハーフミラー部105と第2表示装置104とが前後方向で重ならない第2演出状態において、回転可動体102が
図10および
図11に示す第2演出位置では、枠状装飾体35の開口部35a内の上部にハーフミラー部105が位置すると共に、第2表示装置104の表示部104aが、該枠状装飾体35の開口部35a内の下部に位置する。
【0109】
前記第2演出状態において、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により第1表示装置103および第2表示装置104を同時に作動させた場合には、ハーフミラー部105の位置において第1表示装置103の表示部103aでの演出が反射表示されると共に、第2表示装置104の表示部104aでの演出が、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において直接視認される。すなわち、第2演出状態では、第1表示装置103の演出と第2表示装置104の演出とが異なる位置で同時に表示される。そして、第2演出状態において、表示制御基板292の制御により、第1表示装置103を作動させると共に第2表示装置104を作動させない場合には、枠状装飾体35の開口部35a内の適宜位置において、第1表示装置103の表示部103aでの演出が、ハーフミラー部105の反射面203で反射して表示される。また、第2演出状態において、表示制御基板292の制御により、第2表示装置104を作動させると共に第1表示装置103を作動させない場合には、枠状装飾体35の開口部35a内の下部において、第2表示装置104の表示部104aの演出が直接視認される。
【0110】
実施例の可動演出装置100は、前記第2演出位置に停止して上下が逆向きとなったハーフミラー部105において、第1表示装置103の表示部103aによる演出を反射表示する場合には、表示制御基板292の表示制御CPU292aの制御により、上下が正規な向きとなる正位置表示による演出表示および上下が逆向きとなる逆位置表示による演出表示を、遊技内容に応じて選択して表示することが可能である。
【0111】
また、実施例の可動演出装置100は、回転可動体102を第2演出位置に停止させずに連続して1回転させると共に、該回転可動体102が1回転する間に亘って第1表示装置103の表示部103aにおいて連続演出させることも可能である。この場合には、第1表示装置103の表示部103aでの演出が、ハーフミラー部105の移動に伴って移動しながら表示される。この場合に、ハーフミラー部105の第2演出位置において、正位置表示と逆位置表示との切り替えを行わないように制御した場合には、該ハーフミラー部105の反射面203で反射表示した表示部103aの演出が環状に移動するように見せることが可能である。例えば、第1表示装置103の表示部103aで飛行体やジェットコースター等を表示している場合には、該飛行体が宙返りしたりジェットコースターが1回転する演出が可能である。
【0112】
(発光演出装置270の発光制御について)
前記発光演出装置270は、演出制御基板291により制御される。ここで、可動演出装置100が第1演出状態の場合には、回転可動体102が第1演出位置(
図3、
図7参照)となり、ハーフミラー部105が第2表示装置104の前側に位置しており、該ハーフミラー部105が発光演出装置270と前後方向に重なっていない。従って、発光演出装置270の各発光表示部276を、全て発光させたり、個別に発光させることで、演出効果を高めることが可能である。一方、可動演出装置100が第2演出状態の場合には、ハーフミラー部105が発光演出装置270と前後方向に重なっている。すなわち、ハーフミラー部105は、前後方向において、発光演出装置270における何れかの発光表示部276と重なっている。このため、ハーフミラー部105と前後に重なっている発光表示部276を発光させると、該発光表示部276がハーフミラー部105を介して視認され、該ハーフミラー部105の反射面203に反射した第1表示装置103の演出が適切に表示されなくなる。そこで、実施例の演出制御基板291は、環状に移動するハーフミラー部105と前後に重なった発光表示部276を、減光状態または消灯状態に制御される。すなわち、ハーフミラー部105の移動に連動して、発光演出装置270の各発光表示部276を順次減光状態または消灯状態とすることで、移動するハーフミラー部105に反射表示される第1表示装置103の演出を好適に視認することができる。
【0113】
従って、実施例のパチンコ機10では、可動演出装置100の回転可動体102を回転させて、ハーフミラー部105を回転軸線Lを中心として回転移動させることで、該ハーフミラー部105が第2表示装置104と前後に重なった第1演出状態および該ハーフミラー部105が第2表示装置104と前後に重ならない第2演出状態に適切に切り換え可能である。すなわち、第1演出状態において第1表示装置103および第2表示装置104の両方を作動させて演出状態とすることで、第1表示装置103の演出および第2表示装置104の演出がハーフミラー部105で重ねて表示されるので、ハーフミラー部105の領域内において複雑かつ変化に富んだ演出を実行し得る。また、第1演出状態において第1表示装置103のみを演出状態とすることで、該第1表示装置103での演出がハーフミラー部105の領域内で表示される一方、第1演出状態において第2表示装置104のみを演出状態とすることで、該第2表示装置104での演出がハーフミラー部105の領域内で表示されるので、多様な演出を一箇所で実行することが可能である。一方、第2演出状態において第1表示装置103および第2表示装置104の両方を演出状態とすることで、第1表示装置103の演出および第2表示装置104の演出が別々の位置で表示されるので、広い範囲において迫力ある演出を実行し得る。従って、多彩でかつ迫力ある演出が実行可能となり、遊技の興趣の向上を図り得る。
【0114】
また、実施例の可動演出装置100では、第1表示装置103の表示部103aが、バックライトを備えた液晶ディスプレイ299であり、表示部103aの表示領域が全体的に明輝するようになる。これにより、バックライトにより全体が一様に明輝した表示部103aを、ハーフミラー部の反射面203で好適に反射させることができる。また、第2表示装置104の表示部104aが、発光表示基板257のLEDチップ257aが発する照射光により対応のセグメント256のみが明輝する7セグメントディスプレイ255である。これにより、発光表示基板257のLEDチップ257aが発する照射光がハーフミラー部105で反射されることなく透過するようになり、第2表示装置104の前側にハーフミラー部105が位置していても、該第2表示装置104の演出が好適に透視されるようになる。
【0115】
また、実施例の可動演出装置100では、ハーフミラー部105の両側部や第1表示装置103の周囲を、フード181で囲むように構成されている。これにより、第1表示装置103の表示部103aに外光が当り難く、該表示部103aの周囲を暗くすることができるので、第1表示装置103の演出が明瞭になる。また、ハーフミラー部105にも外光が直接に当り難いので、該ハーフミラー部105の周囲を暗くすることができるので、反射面203で反射した第1表示装置103の演出が明瞭になると共に、第2表示装置104の演出も明瞭になり、第1表示装置103の演出および第2表示装置104の演出の視認性を高めることができる。更に、フード181の前壁部材214とハーフミラー部105とが前後方向で重ならないので、該ハーフミラー部105の一部が前壁部材214で隠れて見えなくなることが防止され、ハーフミラー部105に反射表示される第1表示装置103の表示部103aの演出に対する視認性が低下することを防止し得る。
【0116】
一方、発光演出装置270は、回転可動体102の回転に伴って環状に移動するハーフミラー部105の移動領域に沿って並んで配列された複数の発光表示部276を点灯制御することで、枠状装飾体35の開口部35a内における広い範囲が照明されるようになり、迫力ある演出を実行することができる。そして、回転可動体102の回転に伴って環状に移動するハーフミラー部105に合せて、該ハーフミラー部105と前後に重なった発光表示部276を減光状態または消灯状態とすることで、回転可動体102を回転させながら第1表示装置103の演出を実行する際に、ハーフミラー部105に反射した該第1表示装置103の演出が、発光した発光表示部276と重ならない。従って、回転可動体103の回転中において、ハーフミラー部105に反射表示された第1表示装置103の演出を好適に表示することができる。
【0117】
また、第1表示装置103は、表示部103aでの演出を上下逆転して表示することが可能であるから、上下逆向きの姿勢となった第2演出位置に保持されたハーフミラー部105において、該第1表示装置103の表示部103aの演出を、上下が正規の向きである正位置表示または上下が逆向きである逆位置表示で表示することができる。従って、ハーフミラー部105が第2表示位置において、該ハーフミラー部105に反射表示される演出内容の多様化が図られる。
【0118】
(回転可動体102と回転接続ユニット160との連係について)
回転接続ユニット160の回転部材162に設けられた第1連係部163と、回転可動体102に設けられた第2連係部195とが、該回転部材162の回転軸線Lに沿う方向および該回転軸線Lと直交する直径方向において相対的な位置が変位が許容されるように連係されている。これにより、回転中の回転可動体102に振動が発生した場合や、駆動機構106を起因とした振動が発生した場合に、各第1連係部163と各第2連係部195との相対位置が変位することで、該回転可動体102に発生する振動や位置ずれを第1連係部163および第2連係部195で吸収し得るようになり、回転部材162に振動や負荷がかかることを防止し得る。これにより、回転可動体102の回転に伴う回転部材162の回転時に、ケース体161に配設された第1導通部164と回転部材162に配設された第2導通部165との摺接状態が安定的に維持され、演出制御基板291から該回転可動体102に設けられた第1表示装置103への電気供給や信号送信の安定化が図られる。
【0119】
また、第1連係部163は、突出方向と直交する交差方向での断面形状が円形をなしているので、第2連係部195との接触面積を小さくすることができる。これにより、第1連係部163と第2連係部195との相対的な位置変位がスムーズになり、回転可動体102に発生する振動を適切に吸収することができる。更に、複数組の対をなす第1連係部163,163および第2連係部195,195が、回転部材162の回転軸線Lと直交する直径方向で該回転軸線Lから離間した位置に設けられているので、回転部材162と回転可動体102との安定した連係を図ることができる。そして、対をなす第1連係部163および第2連係部195と、別の対をなす第1連係部163および第2連係部195とは、回転部材162の回転軸線Lを通る直線上から外れた位置に設けられることで、第2連係部195の長手の向きが各第2連係部195毎に異なる。これにより、回転部材162の外面162aの面方向において、回転可動体102が該回転部材162に対して相対的な位置変位が可能となり、該回転可動体102の振動をより一層吸収し易い。
【0120】
更に、回転接続ユニット160は、ケース体161が、
図6に示すように、弾性変形が可能な保持部材169,169を介してベース体101のユニット収容設置部119の取付壁部145に取付けられている。従って、回転可動体102の回転時に発生した振動が回転接続ユニット160に伝達された場合に、ケース体161が取付壁部145に対して僅かに動くことが許容されると共に保持部材169,169が振動を吸収し得るので、ケース体161と回転部材162との間に負荷がかかることを軽減し得る。
【0121】
(回転接続ユニット160の脱着について)
実施例のパチンコ機10では、演出制御基板291を収容した基板ケースおよび表示制御基板292を収容した基板ケースを設置部材50から取り外すことで、設置壁部51に形成された開口部54を介してユニット収容設置部119が設置部材50の後側へ露出する。これにより、ユニット収容設置部119に対するカバー部材150の脱着が可能であると共に、回転接続ユニット160の脱着や、第1検出センサ155および第2検出センサ156の脱着も可能である。すなわち、実施例のパチンコ機10では、設置部材50を遊技盤20から取り外したり、該設置部材50から可動演出装置100を取り外したり、可動演出装置100の回転可動体102をベース体101から取り外すことなく、回転接続ユニット160や、第1および第2検出センサ155,156の脱着が可能である。従って、回転接続ユニット160のメンテナンスおよび交換作業や、第1および第2検出センサ155,156のメンテナンスおよび交換作業を、迅速かつ容易に行うことができる。特に、回転接続ユニット160は、第1導通部164と第2導通部165との接触状態を適切に維持するために定期的なメンテナンスが必要とされるユニットであり、該回転接続ユニット160のメンテナンス作業の迅速化および容易化に顕著な効果を奏する。
【0122】
(変更例)
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)実施例では、可動体が回転する構造とすることで、ハーフミラー部が第2表示装置と前後に重なる第1演出状態および該ハーフミラー部が第2表示装置の前側から外れた第2演出状態に変更可能な可動演出装置を例示したが、可動体が直線状またはスプライン状に往復移動することで、第1演出状態および第2演出状態に変更する構造であってもよい。
(2)回転可動体に配設される第1表示手段を、表示部が7セグメントディスプレイから構成されたものとし、ベース体に配設される第2表示手段を、表示部が液晶ディスプレイから構成されたものとしてもよい。
(3)第1表示手段および第2表示手段は、表示部が、液晶タイプの表示ディスプレイやセグメントタイプの表示ディスプレイから構成されたものに限らず、ドッドマトリックスタイプの表示ディスプレイ、ドラムタイプの表示装置、ベルトタイプの表示装置等から構成されたものであってもよい。
(4)可動演出装置の回転ベース体に配設される第1表示手段の配設姿勢は、実施例に例示した前後方向と直交する方向に表示部が向いた姿勢に限定されず、前後方向に対して斜めに交差する方向に表示部が向いた姿勢であってもよい。
(5)可動演出装置の回転ベース体に配設されるハーフミラー部の配設姿勢は、実施例に例示した傾斜角度に限定されず、反射表示する第1表示手段の配設姿勢との関係で、様々に設定することが可能である。
(6)可動演出装置は、回転可動体に複数の表示装置を配設すると共に複数のハーフミラー部を配設したり、ベース体に複数の表示装置を配設した構成としてもよい。
(7)回転接続ユニットに設けられた第1連係部を、回転部材の外面から凹んだ凹状部とすると共に、回転可動体に設けられた第2連係部を、該第1連係部に嵌合可能な凸状部として、第2嵌合部より第1連係部を幅広に形成することで、相対位置が変位可能に第1連係部と第2連係部とが嵌合するよう構成してもよい。
(8)第1連係部または第2連係部において、回転接続ユニットまたは回転可動体から突出した凸状部の連係部は、突出方向と交差する方向の断面積は円形状に限らず、楕円形状や、多角形状であってもよい。
(9)第1連係部および第2連係部からなる組の数は、実施例に例示した2組に限らず、1組または3組以上であってもよい。
(10)ユニット収容設置部に配設した回転接続ユニットを保持するカバー部材は、該ユニット収容設置部の開口を塞ぐ形状としてもよい。
(11)遊技盤の盤面構成は、実施例に示すものに限られるものでなく、特別入賞部は1つであってもよく、また第1始動入賞部と第2始動入賞部とが別々に遊技盤に取着される構成であってもよい。
【0123】
(12)実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(13)実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(14)実施例では、演出制御基板に備えられた駆動制御部から出力したパルス信号に基づいて駆動モータを駆動制御する構成となっているが、駆動制御部は、演出制御基板とは別に構成してもよい。この場合には、演出制御基板と駆動制御部とが配線により接続されて、該演出制御基板の演出制御CPUから駆動制御部へ制御信号が送信されることで、該駆動制御部が該制御信号に基づいて駆動モータに対してパルス信号を出力するよう構成される。
(15) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、スロットマシン、アレンジボール機およびピンボール機等の公知の各種遊技機であってもよい。
ここで、スロットマシンは、前方に開口する矩形箱状に形成された本体としての筐体と、該筐体の前側に開閉可能に取り付けられた前側部材としての前面扉とを備えており、複数列のリールユニットを備えた図柄表示装置が、前面扉に設けられた窓口に臨むように配設されている。また、前面扉には、可動体が動作する可動演出装置が配設されている。ここで、前記図柄表示装置は、取付部に配設されたリールユニットが回転するように構成され、また可動演出装置には、取付部に対して可動体が回転可能な構成のものがある。このような図柄表示装置や可動演出装置では、リールユニットや可動体に電気部品(モータや照明装置等)を備えており、取付部側に位置する制御部と、リールユニットおよび可動体の電気部品とを接続する回転接続ユニットを備えている。