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特許6182582スケジューリング方法及びミリ波無線通信局
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182582
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】スケジューリング方法及びミリ波無線通信局
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0452 20170101AFI20170807BHJP
   H04B 7/0456 20170101ALI20170807BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20170807BHJP
   H04B 7/0495 20170101ALI20170807BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20170807BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20170807BHJP
【FI】
   H04B7/0452 100
   H04B7/0456 100
   H04B7/06 956
   H04B7/0495
   H04W16/28
   H04W72/04 131
   H04W72/04 136
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-217982(P2015-217982)
(22)【出願日】2015年11月5日
(62)【分割の表示】特願2014-25325(P2014-25325)の分割
【原出願日】2010年9月1日
(65)【公開番号】特開2016-40951(P2016-40951A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2015年11月5日
(31)【優先権主張番号】12/559,770
(32)【優先日】2009年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100112759
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ゴーン,シヤオホーン,エックス.
(72)【発明者】
【氏名】コルデイロ,カルロス
【審査官】 原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5837632(JP,B2)
【文献】 国際公開第2009/102124(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/02−7/06
H04W 16/28
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリメートル波通信ネットワークにおいて、関連付けられていない通信局についてアソシエーションビームフォーミングトレーニングをスケジューリングするために開始通信局が実行する方法であって、
複数のアンテナセクタの各々においてセクタ掃引フレームを送信するステップと、
特定のセクタにおける2つ以上の関連付けられていない応答する通信局からリバースセクタ掃引フレームを受信するステップと、
前記リバースセクタ掃引フレームを送信した前記応答する通信局の各々にセクタ掃引フィードバックフレームを送信するステップであって、前記セクタ掃引フィードバックフレームは、(a)現在のビーコンインターバルの中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局と、(b)前記現在のビーコンインターバルに続くN個(Nは自然数)のビーコンインターバルの各々の中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局とを示す、ステップと
を有し、前記セクタ掃引フィードバックフレームは前記応答する通信局がビームフォーミングトレーニングを実行すべき順序を示す、方法。
【請求項2】
前記セクタ掃引フレーム及び前記セクタ掃引フィードバックフレームは現在のビーコンインターバルで送信され、
前記リバースセクタ掃引フレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて前記2つ以上の関連付けられていない応答する通信局から受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リバースセクタ掃引フレームは現在のビーコンインターバルにおいて前記2つ以上の関連付けられていない応答する通信局から受信され、
前記セクタ掃引フィードバックフレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のセクタ掃引フィードバックフレームが同一であり、1つのセクタ掃引フィードバックフレームが前記開始通信局の各アンテナセクタで送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記セクタ掃引フレームのうちの何れかを前記アンテナセクタの各々で送信するようにアレイアンテナを形成するステップと、
前記セクタ掃引フィードバックフレームを前記特定のセクタで送信するように前記アレイアンテナを形成するステップと
を更に有する請求項1〜のうち何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
ベースバンド処理回路を有するミリメートル波無線通信装置であって、
前記ベースバンド処理回路は、
複数のアンテナセクタの各々においてセクタ掃引フレームを送信する処理と、
特定のセクタにおける2つ以上の関連付けられていない応答する通信局からリバースセクタ掃引フレームを受信する処理と、
前記リバースセクタ掃引フレームを送信した前記応答する通信局の各々にセクタ掃引フィードバックフレームを送信する処理であって、前記セクタ掃引フィードバックフレームは、(a)現在のビーコンインターバルの中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局と、(b)前記現在のビーコンインターバルに続くN個(Nは自然数)のビーコンインターバルの各々の中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局とを示す、処理と
を実行するようにアレイアンテナを形成し、前記セクタ掃引フィードバックフレームは前記応答する通信局がビームフォーミングトレーニングを実行すべき順序を示す、ミリメートル波無線通信装置。
【請求項7】
前記セクタ掃引フレーム及び前記セクタ掃引フィードバックフレームは現在のビーコンインターバルで送信され、
前記リバースセクタ掃引フレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて前記2つ以上の関連付けられていない応答する通信局から受信される、請求項に記載のミリメートル波無線通信装置。
【請求項8】
前記リバースセクタ掃引フレームは現在のビーコンインターバルにおいて前記2つ以上の関連付けられていない応答する通信局から受信され、
前記セクタ掃引フィードバックフレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて送信される、請求項に記載のミリメートル波無線通信装置。
【請求項9】
複数のセクタ掃引フィードバックフレームが同一であり、1つのセクタ掃引フィードバックフレームが当該ミリメートル波無線通信装置の各アンテナセクタで送信される、請求項に記載のミリメートル波無線通信装置。
【請求項10】
アレイアンテナを更に有する請求項のうち何れか1項に記載のミリメートル波無線通信装置。
【請求項11】
ミリメートル波通信ネットワークにおいて、関連付けられていない通信局についてアソシエーションビームフォーミングトレーニングをスケジューリングするために、応答する通信局が実行する方法であって、
開始通信局からセクタ掃引フレームを受信するステップと、
リバースセクタ掃引フレームを前記開始通信局に送信するステップと、
前記開始通信局からセクタ掃引フィードバックフレームを受信するステップであって、前記セクタ掃引フィードバックフレームは、(a)現在のビーコンインターバルの中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局と、(b)前記現在のビーコンインターバルに続くN個(Nは自然数)のビーコンインターバルの各々の中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局とを示す、ステップと
を有し、前記セクタ掃引フィードバックフレームは前記応答する通信局がビームフォーミングトレーニングを実行すべき順序を示す、方法。
【請求項12】
前記セクタ掃引フレーム及び前記セクタ掃引フィードバックフレームは現在のビーコンインターバルで受信され、
前記リバースセクタ掃引フレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて送信される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リバースセクタ掃引フレームは現在のビーコンインターバルにおいて送信され、
前記セクタ掃引フィードバックフレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて受信される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記リバースセクタ掃引フレームが、前記応答する通信局の各アンテナセクタで別々に送信される、請求項1113のうち何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
ベースバンド処理回路を有するミリメートル波無線通信装置であって、前記ベースバンド処理回路は、
開始通信局からセクタ掃引フレームを受信する処理と、
リバースセクタ掃引フレームを前記開始通信局に送信する処理と、
前記開始通信局からセクタ掃引フィードバックフレームを受信する処理であって、前記セクタ掃引フィードバックフレームは、(a)現在のビーコンインターバルの中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局と、(b)前記現在のビーコンインターバルに続くN個(Nは自然数)のビーコンインターバルの各々の中で、ビームフォーミングトレーニングを行う通信局とを示す、処理と
を実行するようにアレイアンテナを形成し、前記セクタ掃引フィードバックフレームは応答する通信局がビームフォーミングトレーニングを実行すべき順序を示す、ミリメートル波無線通信装置。
【請求項16】
前記セクタ掃引フレーム及び前記セクタ掃引フィードバックフレームは現在のビーコンインターバルで受信され、
前記リバースセクタ掃引フレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて送信される、請求項15に記載のミリメートル波無線通信装置。
【請求項17】
前記リバースセクタ掃引フレームは現在のビーコンインターバルにおいて送信され、
前記セクタ掃引フィードバックフレームは前記現在のビーコンインターバルにおいて受信される、請求項15に記載のミリメートル波無線通信装置。
【請求項18】
前記リバースセクタ掃引フレームが、応答する通信局の各アンテナセクタで別々に送信される、請求項1517のうち何れか1項に記載のミリメートル波無線通信装置。
【請求項19】
前記アレイアンテナを更に有する請求項1518のうち何れか1項に記載のミリメートル波無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される発明の実施形態はミリ波通信ネットワークに関連する。一実施形態はミリ波通信ネットワークにおいて衝突を回避するようにアソシエーションビームフォーミングトレーニング(A-BFT)をスケジューリングすることに関連する。一実施形態は通信にミリ波周波数を使用する無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)に関連する。一実施形態は無線ギガビットアライアンス(WGA)の標準仕様に従って動作するミリ波通信ネットワークに関連する。
【背景技術】
【0002】
多くの既存の無線ネットワークは概して2ないし10ギガヘルツ(GHz)の範囲内におけるマイクロ波周波数を利用して通信している。これらのシステムは、使用する周波数における波長が比較的長いことに起因して、オムニ指向性アンテナ又は低指向性アンテナを主に使用している。これらのアンテナの指向性が弱いこと又は低指向性であることは、これらのシステムのスループットを制限し、例えばリアルタイムビデオストリーミングや高解像度テレビジョン(HDTV)等のような分野を実現しにくくしてしまう。ミリ波バンドは、利用可能なスペクトルを有し、非常にハイレベルなスループットを提供できるが、ミリ波の減衰レベルが大きいことに起因して、より指向性の強いアンテナ及びビームフォーミング技術が必要になる。
【0003】
ミリ波ネットワークに伴う問題の1つは、ネットワークに参入しようとしている通信局とアソシエーションビームフォーミングトレーニング(A-BFT)を実行しようとしている通信局との衝突又は競合(collision)である。通常、衝突が生じると、通信局は処理をやり直す前にランダム指数バックオフ処理(random exponential back-off technique)を実行する。しかしながらこの処理は衝突が生じた場合にアソシエーション時間を著しく長くしてしまう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】I.Lakkis, et al.,“IEEE802.15.3c Beamforming Overview,”IEEE 802.11-09/0355r0, 12 March 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、衝突が生じた場合にアソシエーション時間を著しく長くしてしまう従来の問題を少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によるスケジューリング方法は、
ミリメートル波通信ネットワークにおける未関連の通信局についてアソシエーションビームフォーミングトレーニング(A-BFT)をスケジューリングするために初期通信局が実行するスケジューリング方法であって、
複数のアンテナセクタの各々において送信セクタ掃引フレームを送信するステップと、
2つ以上の未関連の応答通信局から返信セクタ掃引フレームを受信するステップと、
前記返信セクタ掃引フレームを送信した前記応答通信局の各々にセクタ掃引フィードバックフレームを送信するステップと
を有し、前記セクタ掃引フィードバックフレームは、応答通信局の各々が現在のビーコンインターバル又は以後のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行することになっているか否かを示す、スケジューリング方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】一実施形態によるミリ波通信ネットワークを示す図。
図1B】一実施形態によるミリ波通信局のアレイアンテナによって提供される複数のアンテナセクタを示す図。
図1C】一実施形態によるアレイアンテナの一部を示す図。
図2】一実施形態によるビームフォーミングトレーニングインターバルを示す図。
図3】一実施形態によるセクタ掃引フィードバックフレームの例示的なフォーマットを示す図。
図4】一実施形態によるミリ波通信局のブロック図。
図5】未関連の通信局についてビームフォーミングトレーニングをスケジューリングする一実施形態による手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明及び図面は当該技術分野における当業者が実施できる程度に充分に特定の実施形態を示している。構造的な変更、論理的な変更、電気回路の変更、手順の変更及びその他の変更が他の実施形態においてなされてもよい。一実施形態の一部及び特徴が他の実施形態に組み込まれてもよいし、或いは他の実施形態と置換されてもよい。特許請求の範囲に含まれる実施形態は、特許請求の範囲についての適切な全ての均等物を包含する。
【0009】
図1Aは一実施形態によるミリ波通信ネットワークを示す。ミリ波通信ネットワーク100はミリメートル波を用いて通信する複数のミリ波通信局101-105を含む。例えば通信局101のような或る通信局はネットワークコーディネータ又はPCPとして機能し、通信局101-105の間の通信を制御しかつ無線媒体へのアクセスを制御する。ネットワークコーディネータはビーコンインターバルの長さを示すビーコンフレームをブロードキャストし、そのビーコンインターバルの間に通信が行われる。ビーコンフレームは他の通信局102-105により受信され、他の通信局102-105は次のビーコンインターバルが何時生じるかを知ることができる。一実施形態において、次のビーコンインターバルはビーコンの送信により特定されてもよい。
【0010】
一実施形態において、通信局101-105は複数のアンテナ111又はアンテナ素子を用いて、通信局が1つ以上のアンテナセクタの中で通信できるようにする。これらの形態の詳細については後述する。
【0011】
一実施形態において、通信局101は開始通信局(initiating station)として機能し、通信局102-105のような関連付けられていない通信局又は未関連の通信局(unassociated communication station)(応答通信局と言及する)と共にビームフォーミングトレーニング(BFT)を開始する。これらの実施形態において、開始通信局101は複数のアンテナセクタの各々において送信セクタ掃引フレーム(transmit sector-sweep frame)を送信する。送信セクタ掃引フレームに対応して、開始通信局101は、通信局102及び103のような関連付けられていない応答通信局の内の2つ以上から返信セクタ掃引フレーム(reverse transmit sector-sweep frame)を受信する。返信セクタ掃引フレームに対応して、開始通信局101は、返信セクタ掃引フレームの送信元である応答通信局の各々にセクタ掃引フィードバックフレームを送信する。セクタ掃引フィードバックフレームは、応答通信局各々(例えば、通信局102及び103)が現在のビーコンインターバル又は次のビーコンインターバルでビーコントレーニングを実行することになるか否かを示す。これらの形態の詳細については後述する。
【0012】
このように開始通信局101のようなネットワークコーディネータは、様々な応答通信局からの返信セクタ掃引フレームを区別することができ、かつこれら様々な応答通信局各々について様々なビーコンインターバルにおけるビームフォーミングトレーニングをスケジューリング(予定又は計画)する。開始通信局は様々な応答通信局の中で返信セクタ掃引フレームを識別できるので、衝突は減少し、ネットワークアソシエーション時間(関連付けのための時間)を短縮できる。一実施形態において、ネットワークアソシエーションのためのこのビームフォーミングトレーニングは、アソシエーションビームフォーミングトレーニング(association beamforming training:A-BFT)と言及される。
【0013】
図1Aはアンテナセクタ2ないし5として示す簡略化されたアンテナセクタ例を示す。4つのアンテナセクタしか示されていないが、より多い数のアンテナセクタを設定することも可能であり、実施形態の範囲は図示の形態に限定されない。図1Aに示されている実施形態は切り替え式ビームアンテナ(switched-beam antennas)に適用可能であるが、実施形態の範囲はその形態に限定されない。他の形態において、後に詳細に説明されるようなアレイアンテナに本発明が適用されてもよい。
【0014】
図1Bは、一実施形態によるミリ波通信局のアレイアンテナによって提供される複数のアンテナセクタを示す。一実施形態において、アンテナセクタ121の中でミリ波通信信号を送受信するために、任意の通信局101-105(図1)によりアレイアンテナが使用されてもよい。
【0015】
図1Cは、一実施形態によるアレイアンテナの一部分を示す。この実施形態において、アレイアンテナ122は複数のアンテナ素子124を有し、ビームフォーミング技術によりアンテナセクタ121(図1B)の中でミリ波通信信号を送受信する。この実施形態において、1つ以上の通信局101-105(図1A)は、図1Cに示されているアレイアンテナ122を使用してもよいし、その一部分のみを使用してもよい。
【0016】
複数のアンテナ素子124は、高い利得を示し、ビーム幅及びビーム方向がディジタル信号処理により制御できるようにする。一実施形態において、アレイアンテナは、アンテナ素子124同士の間の所定の間隔又は隙間によりフェーズドアレイとして動作してもよい。
【0017】
一実施形態において、通信局101-105(図1A)は、アンテナセクタ121(図1B)各々に選択的に送信できる1つ以上のアレイアンテナを使用してもよい。一実施形態において、アレイアンテナ122はアンテナセクタ121当たり少なくとも2つのアンテナ素子を有する。他の実施形態において、アレイアンテナ122は、任意の1つ以上のアンテナセクタ121に送信することが可能な高々64個又はそれ以上のアンテナ素子を備えていてもよい。
【0018】
一実施形態において、一群のアンテナ素子124はアンテナセクタ121を提供するように設けられる。一実施形態における一群のアンテナ素子124は、図1Cに示されるように1センチメートル四方の部分に設けられてもよい。
【0019】
図2は、一実施形態によるビームフォーミングトレーニングインターバルを示す。ビームフォーミングトレーニングインターバル200は、セクタ掃引段階201と、ビームフォーミング微調整段階又は修正段階(BRP)203と、ビームフォーミングの完了段階205とを有する。ビームフォーミングトレーニングインターバル200は、ビーコンインターバルの開始から始まり、セクタ掃引及びビームフォーミング修正の処理がビーコンインターバルの間に実行できるようにする。
【0020】
一実施形態において、例えばネットワーク100(図1A)のようなミリ波通信ネットワークの中で関連付けられていない未関連の通信局についてのアソシエーションビームフォーミングトレーニング(A-BFT)をスケジューリングする手順が行われる。この実施形態において、例えばアンテナセクタ121(図1B)のようなアンテナセクタ各々において、送信セクタ掃引フレーム202が開始通信局101(STA-1)により送信される。関連付けられていない通信局102(STA-2)から返信セクタ掃引フレーム204が受信され、関連付けられていない応答通信局103(STA-3)から返信セクタ掃引フレーム206が受信される。返信セクタ掃引フレーム204及び206を送信した応答通信局の各々(すなわち、関連付けられていない通信局102及び103)に対して、開始通信局101はセクタ掃引フィードバックフレーム208を送信する。応答通信局102及び103の各々が現在のビーコンインターバル又は後続のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行することになるか否かを示すように、開始通信局101はセクタ掃引フィードバックフレーム208を作成する。
【0021】
一実施形態において、ビームフォーミング修正段階203の間に1回又は複数回のビームフォーミングトレーニングの反復の後に、ビームフォーミング完了段階205が実行され、最終的なビームフォーミング係数が決定されるように最終フィードバックが送受信される。ビームフォーミング完了段階205の後、応答通信局102及び103は、ネットワークコーディネータとして機能する開始通信局とデータフレームをやり取りする。ビームフォーミングトレーニングインターバル200の各段階は固定された又は所定の時間インターバルを有し、ビームフォーミング修正段階203を開始する時点を通信局が分かるようにする。
【0022】
図2に示されているように、送信セクタ掃引フレーム202及びセクタ掃引フィードバックフレーム208は現在のビーコンインターバルで送信されている。その現在のビーコンインターバルにおいて、返信セクタ掃引フレーム204及び206が、2つ以上の関連付けられていない応答通信局から受信される。セクタ掃引フィードバックフレーム208各々は同一であってもよく、1つのセクタ掃引フィードバックフレーム208が、開始通信局101の例えばアンテナセクタ121(図1B)のような各々のアンテナセクタに送信されてもよい。従ってセクタ掃引フィードバックフレーム208は複数回送信されてよい。
【0023】
切り替え式のビームアンテナの実施形態の場合、開始通信局101は、応答通信局からのフィードバックに基づいて、セクタ掃引フィードバックフレーム208を送信するのに最適なアンテナセクタを判定してもよい。一実施形態において、セクタ掃引フィードバックフレーム208は、返信セクタ掃引フレーム204又は206が受信されたアンテナセクタ各々に送信されてもよい。例えば、セクタ掃引フィードバックフレーム208がセクタ2(図1A)の中で応答通信局102へ送信され、別のセクタ掃引フィードバックフレーム208がセクタ3(図1A)の中で応答通信局103へ送信されてもよい。一実施形態において、応答通信局102、103は、各自の送信セクタ掃引フレーム204に各自のフィードバックを組み込み、開始通信局101が、セクタ掃引フィードバックフレーム208をどのセクタで送信すべきかを決定できるようにする。
【0024】
一実施形態において、セクタ掃引フィードバックフレーム208を受信したことに応答して、各々の応答通信局(102及び103)は、セクタ掃引フィードバックフレーム208を受信したことを示すセクタ掃引アクノリッジメント(SS-ACK)フレームを開始通信局101に送信する(図2においては図示せず)。SS-ACKフレームはセクタ掃引段階201の間に送信されてよい。
【0025】
一実施例において、開始通信局101から送信セクタ掃引フレーム202を(102及び103各自が)受信したことに応答して、関連付けられていない応答通信局102及び103から返信セクタ掃引フレーム204及び206が送信される。送信セクタ掃引フレーム202はフォワードリンク送信掃引フレーム(forward-link transmit sector-sweep frame)と言及され、返信セクタ掃引フレーム204及び206はリバースリンク送信セクタ掃引フレーム(reverse-link transmit sector-sweep frame)と言及されてもよい。
【0026】
図2は僅か2つの応答通信局から返信セクタ掃引フレーム(すなわち、フレーム204及び206)が衝突することなく受信されているが、実施形態の範囲はそのような場合に限定されず、多くの様々な応答通信局から返信セクタ掃引フレームが衝突することなく受信され、多くの様々な応答通信局についてビームフォーミングトレーニングの予定を立てるようにすることができる。
【0027】
一実施形態において、送信セクタ掃引フレーム202は、開始通信局101がネットワーク100のセントラルコーディネータ又は中心となる取りまとめ役であることを、関連付けられていない通信局(未関連通信局)に通知してもよい。送信セクタ掃引フレーム202は、ビーコンインターバルの長さを含む開始通信局101と通信するためのパラメータを示してもよい。一実施形態において、返信セクタ掃引フレーム204及び206は、未関連通信局がネットワーク100に参入してネットワーク100に関連付けられることを希望している旨を示してもよい。返信セクタ掃引フレーム204及び206は、応答通信局がネットワークに関連付けられていてもいなくても、応答通信局がビームフォーミングトレーニングを実行することを希望している旨を示していてよい。
【0028】
送信セクタ掃引(信号)201は、複数の送信セクタ掃引フレーム202を含み、ビーコンで送信されてもよい。送信セクタ掃引フレーム202はビーコンフレームを含んでいてもよい。
【0029】
一実施形態において、返信セクタ掃引フレーム204及び206は、2つ以上の関連付けられていない応答通信局102及び103から同時に受信されてもよい。一実施形態において、返信セクタ掃引フレーム204及び206は異なるセクタを通じて受信されるので、衝突は一切生じることはなく、開始通信局101は、同時に受信した返信セクタ掃引フレーム204及び返信セクタ掃引フレーム206を区別できる。返信セクタ掃引フレーム204及び206は、(図2に示されているように)セクタ掃引段階201における異なる時点で開始通信局101により受信されてもよい。
【0030】
一実施形態において、セクタ掃引フィードバックフレーム208は、ビームフォーミングトレーニングを何れのビーコンインターバルの間に実行するかを応答通信局(例えば、応答通信局102及び103)に通知してもよい。セクタ掃引フィードバックフレーム208は、後続のビーコンインターバルにおいて応答通信局がビームフォーミングトレーニングを実行することになる順序又は順番を示していてもよい。この点についての詳細は後述する。
【0031】
図3は、一実施形態によるセクタ掃引フィードバックフレームの例示的なフォーマットを示す。セクタ掃引フィードバックフレーム300は、セクタ掃引フィードバックフレーム208(図2)に適しており、開始通信局101により送信され、ビームフォーミングトレーニングを何れのビーコンインターバルの間に実行すべきかを2つ以上の応答通信局に通知する。
【0032】
セクタ掃引フィードバックフレーム300は、特に、受信アドレス(RA)フィールド301と、複数の媒体アクセス制御(MAC)アドレスフィールド302とを含む。RAフィールド301は、現在のビーコンインターバルの中でビームフォーミングトレーニングを実行することになっている応答通信局のMACアドレスを示す。MACアドレスフィールド302は、以後のビーコンインターバルの中でビームフォーミングトレーニングを実行することになっている応答通信局のMACアドレスを示す。
【0033】
一実施形態において、MACアドレスフィールド302に含まれている各MACアドレスの順番は、以後のビーコンインターバルの中で応答通信局がビームフォーミングトレーニングを実行する順番に対応していてもよい。例えば、セクタ掃引フィードバックフレーム208は、MACアドレスがSTA-3である応答通信局が最初に掲載されていることを示しているので、その応答通信局は、現在のビーコンインターバルに続く最初のビーコンインターバルにおいてビームフォーミングトレーニングを実行することになっている。MACアドレスがSTA-4である応答通信局は次のMACアドレスフィールド302に掲載されているので、その応答通信局は、現在のビーコンインターバルに続く2番目のビーコンインターバルにおいてビームフォーミングトレーニングを実行することになっている。MACアドレスがSTA-Nである応答通信局はN番目のMACアドレスフィールドに掲載されているので、その応答通信局は、現在のビーコンインターバルに続くN番目のビーコンインターバルにおいてビームフォーミングトレーニングを実行することになっている。これらの実施形態において、ビームフォーミングトレーニングが既に実行されていることに起因して、それらの以後のビーコンインターバルにおいて開始通信局が送信セクタ掃引を一切実行しなくてもよい。図2に示されているように、通信局102(STA-2)は現在のビーコンインターバルで(すなわち、ビームフォーミング修正段階203において)A-BFTを実行するので、通信局103(STA-3)は、開始通信局101による送信セクタ掃引211(図2)を含んでいない次のビーコンインターバルにおいてA-BFTを実行するようにスケジューリングされてもよい。
【0034】
図2を更に参照するに、応答通信局がセクタ掃引フィードバックフレーム208を受信したことは、セクタ掃引段階201が成功したこと及び応答通信局が現在又は以後のビーコンインターバルにおてビームフォーミング修正段階を開始して良いことを、応答通信局に知らせる。スケジューリング又は計画されているビームフォーミングトレーニングまで長時間待機しなければならない応答通信局は、セクタ掃引段階201をやり直すという選択肢を選んでもよい。これらの状況において、多くの通信局が同時に関連付けを試みているので、特に(例えば、60GHzの)ミリ波の無線通信範囲が約10フィート(約3.03メートル)であった場合、応答通信局がいくらかでも早くビームフォーミングトレーニングをできるようにスケジューリングされる可能性は低い。
【0035】
一実施形態において、関連付けられていない応答通信局の何れか(例えば、応答通信局103)が、返信セクタ掃引フレーム206を送信した後にセクタ掃引フィードバックフレーム208を受信しなかった場合、その関連付けられていない応答通信局103は、衝突が生じていることを想定する。一実施形態において、関連付けられていない応答通信局103は、後続のビーコンインターバルにおけるセクタ掃引段階201の際に、返信セクタ掃引フレーム206を送信するための何れかのアンテナセクタをランダムに選択してもよい。アンテナセクタをランダムに選択することは、返信セクタ掃引の送信にランダム性を導入し、衝突の回避を促し、これは特に多数のアンテナセクタを利用できる場合に有利である。これらの実施形態においては、従来のネットワークのように衝突が生じた後に多数のビーコンインターバルによる指数バックオフ(exponential back-off)を行うことなく、衝突の削減を図ることができる。
【0036】
この実施形態において、ランダムに選択されたアンテナセクタで通信局が送信する返信セクタ掃引フレーム206は、次のビーコンインターバルにおいて受信する送信セクタ掃引フレーム202に応答して送信されてもよい。これは通信局が次のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行できるようにする。
【0037】
一実施形態において、(例えば、8個や9個のような)多数のアンテナセクタを利用できる未関連応答通信局は、次のビーコンインターバルのセクタ掃引段階201においてランダムに選択したアンテナセクタで返信セクタ掃引フレーム206を送信するように構成される。(例えば8個未満のような)より少ない数のアンテナセクタしか利用できない未関連通信局は、ランダムにセンタクされた後のビーコンインターバルまで返信セクタ掃引フレーム206の送信を遅らせるように構成される。少数のアンテナセクタしか利用できない通信局は、アンテナセクタをランダムに選択し返信セクタ掃引段階において充分なランダム性を導入できるようにすることに加えて、ビーコンインターバルについてランダムに選択された量(すなわち、僅かな量)だけバックオフ処理(遅延させる処理)を行う。
【0038】
一実施形態において、返信セクタ掃引フレーム204及び206は、応答通信局のアンテナセクタ各々において応答通信局102及び103により送信されてもよい。このように、返信セクタ掃引は、関連する通信局の全てのアンテナセクタをカバーする。
【0039】
一実施形態において、送信セクタ掃引フレーム202は開始通信局101によりアンテナセクタ各々において連続的に又は順番に送信されているが、このことは必須でない。すなわち、開始通信局101は、第1のセクタで第1の送信セクタ掃引フレーム202を送信し、次のセクタで第2の送信セクタ掃引フレーム202を送信し、以下同様であってもよい。同様に、返信セクタ掃引フレーム204及び206は例えばアンテナセクタ各々で順番に応答通信局により送信されてもよいが、このことも必須でない。
【0040】
一実施形態において、送信セクタ掃引フレーム202の送信、返信セクタ掃引フレーム204、206の受信及びセクタ掃引フィードバックフレーム208の送信は、現在のビーコンインターバルのセクタ掃引段階201の間に行われる。現在のビーコンインターバルのビームフォーミング修正段階203において、セクタ掃引フィードバックフレーム208で最初に指定されている何れかの応答通信局(すなわち、応答通信局102)により、A-BFTが実行される。BFTは、次のビーコンインターバルのビームフォーミング修正段階203において、セクタ掃引フィードバックフレーム208で2番目に指定されている2番目の応答通信局(すなわち、応答通信局103)により実行される。
【0041】
一実施形態において、ビームフォーミングトレーニングを実行する際、トレーニングシーケンスを送信及び受信し、フィードバックを提供し、開始通信局及び応答通信局のアレイアンテナのアンテナウェイト(重み係数)を決定する。ビームフォーミング修正段階203において、通信局はアレイアンテナを調整するためにトレーニングシーケンスを送信及び受信してもよい。一実施形態において、受信機が最初に調整され、次に送信機が調整されてもよい。2つの通信局の間で所定の信号品質が達成されるまで、初期アンテナウェイトベクトルを決定し、アンテナウェイトベクトルを徐々に調整する1回又は複数回の反復的な処理が実行されてもよい。これらの実施形態において、閉ループフィードバック処理が実行され、チャネル測定値が送信側の通信局にフィードバックされ、送信側の通信局がアンテナ素子各々に重みを付けることを可能にしてもよい。一実施形態において、閉ループフィードバック処理は送信側の通信局にウェイトを送信することを含んでもよい。一実施形態において、このビームフォーミングトレーニング処理は矢印213で示されているように反復されてもよい。
【0042】
一実施形態において、送信セクタ掃引フレーム202を送信する前に、開始通信局101は、アンテナセクタ121(図1B)の各々に1つの送信セクタ掃引フレーム202を別々に送信するようにアレイアンテナを構築又は設定する。
【0043】
図4は、一実施形態によるミリ波通信局のブロック図を示す。ミリ波無線通信局400は、特に、アレイアンテナ422、ビームフォーミング回路402及びベースバンド処理回路404を有する。ミリ波無線通信局400は図1A及び図2-4に関連して説明した1つ以上のミリ波無線通信局101-105の内の何れにも適している。アレイアンテナ422は、複数のアンテナ素子424を含み、アンテナセクタ121(図1B)のような複数のアンテナセクタにおいて通信するように設定されている。アンテナ素子424はアンテナ素子124(図1C)に対応している。代替例において、ミリ波無線通信局400は切り替え式ビームアンテナを使用してもよい。
【0044】
一実施形態において、ビームフォーミング回路402は、複数のアンテナセクタの各々において送信セクタ掃引フレーム202(図2)を送信し、かつ2つ以上の未関連の応答通信局から返信セクタ掃引フレーム(例えば、フレーム204及び206(図2))を受信するように、アレイアンテナ422を構築又は設定している。ベースバンド処理回路404は、返信セクタ掃引フレームを送信した応答通信局の各々への送信に備えてセクタ掃引フィードバックフレーム208(図2)を生成する。ベースバンド処理回路404は、応答通信局の各々が現在のビーコンインターバル又は以後のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行することになっているか否かを示すように、セクタ掃引フィードバックフレーム208を作成する。一実施形態において、ベースバンド処理回路404は、図3に示すフォーマット例に従ってセクタ掃引フィードバックフレーム208を作成する。
【0045】
ミリ波無線通信局400は、60ギガヘルツ(GHz)無線技術等によりミリ波無線通信信号を通信するための他の回路を含んでいてもよい。一実施形態において、ミリ波無線通信局400は、ホームメディアゲートウェイ等(例えば、セルラ電話機、フラットパネルTV、セットトップボックス、ブルーレイプレーヤ、ディジタルカメラ、PC、ラップトップその他の媒体及び通信装置)に効率的に組み込むことが可能なフレキシブルインタフェースを提供するために使用されてもよい。ミリ波無線通信局400はいくつかの別個の機能要素を有するように描かれているが、1つ以上の機能要素が組み合わせられてもよいし、処理要素等(例えば、ディジタル信号プロセッサ(DSP)及び/又はその他のハードウェア要素等)のようなソフトウェア要素の組み合わせにより実現されてもよい。例えば、いくつかの要素は、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFID)及び様々なハードウェアと論理装置の組み合わせ(本願において説明された上記の機能を少なくとも実行するもの)を含んでいてもよい。一実施形態において、ミリ波無線通信局400の機能要素は、1つ以上の処理要素で動作する1つ以上の処理部であってもよい。
【0046】
図5は、関連付けられていない未関連の通信局についてビームフォーミングトレーニングをスケジューリングする一実施形態による手順を示す。手順500は、ミリ波通信局101-105(図1)等のようなミリ波通信局によって実行されてもよい。手順500の一部が開始通信局により実行され、手順500の他の部分が応答通信局により実行されてもよい。手順500は、ミリ波通信ネットワークに関わることを希望する通信局についてのA-BFTをスケジューリングするように実行される。
【0047】
処理502では、複数のアンテナセクタの各々において送信セクタ掃引フレーム202(図2)が初期通信局により送信される。
【0048】
処理504では、2つ以上の未関連の応答通信局から返信セクタ掃引フレーム204及び/又は206(図2)が受信される。
【0049】
処理506では、応答通信局各々が現在のビーコンインターバル又は以後のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行することになっているか否かを示すように、開始通信局がセクタ掃引フィードバックフレーム300(図3)を作成する。
【0050】
処理508では、開始通信局が、返信セクタ掃引フレームを送信した応答通信局の各々にセクタ掃引フィードバックフレームを送信する。一実施形態において、初期通信局はアンテナセクタ各々においてセクタ掃引フィードバックフレームを送信する。
【0051】
処理510では、応答通信局が返信セクタ掃引フレームに応じたセクタ掃引フィードバックフレームを受信したか否かを、応答通信局が判定する。応答通信局がセクタ掃引フィードバックフレーム208を受信していないと判断した場合、衝突が生じていることが仮定され、処理512が実行される。応答通信局がセクタ掃引フィードバックフレーム208を受信したことが確認された場合、処理514が実行される。
【0052】
処理512において、応答通信局は、以後のビーコンインターバルのセクタ掃引段階201(図2)で返信セクタ掃引フレームを送信するためにアンテナセクタをランダムに選択する。処理504ないし510はA-BFTの処理を開始するために実行される。
【0053】
処理514において、応答通信局は、セクタ掃引フィードバックフレーム208で通知されたビーコンインターバルでA-BFTを実行する。
【0054】
要約書は37C.F.R.セクション1.72(b)の要件を満たし、読者が技術的な開示内容の性質及び要点を把握できるようにしている。特許請求の範囲及び意義を限定したり解釈するために要約書が使用されてはならないことに留意を要する。特許請求の範囲において個々の請求項は独立した形態を有してもよい。
【0055】
以下、実施の形態により教示される装置及び/又は方法を例示的に列挙する。
【0056】
(付記1)
ミリメートル波通信ネットワークにおける未関連の通信局についてアソシエーションビームフォーミングトレーニング(A-BFT)をスケジューリングするために初期通信局が実行するスケジューリング方法であって、
複数のアンテナセクタの各々において送信セクタ掃引フレームを送信するステップと、
2つ以上の未関連の応答通信局から返信セクタ掃引フレームを受信するステップと、
前記返信セクタ掃引フレームを送信した前記応答通信局の各々にセクタ掃引フィードバックフレームを送信するステップと
を有し、前記セクタ掃引フィードバックフレームは、応答通信局の各々が現在のビーコンインターバル又は以後のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行することになっているか否かを示す、スケジューリング方法。
【0057】
(付記2)
前記送信セクタ掃引フレーム及び前記セクタ掃引フィードバックフレームが、前記現在のビーコンフレームで送信され、
前記返信セクタ掃引フレームが、前記現在のビーコンフレームにおいて前記2つ以上の未関連の応答通信局から受信される、付記1記載のスケジューリング方法。
【0058】
(付記3)
複数のセクタ掃引フィードバックフレームが同一であり、1つのセクタ掃引フィードバックフレームが前記開始通信局のアンテナセクタ各々において送信される、付記2記載のスケジューリング方法。
【0059】
(付記4)
前記セクタ掃引フィードバックフレームが、何れのビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行すべきかを前記応答通信局に通知する、付記2記載のスケジューリング方法。
【0060】
(付記5)
前記セクタ掃引フィードバックフレームは、前記応答通信局が以後のビーコンインターバルにおいてビームフォームトレーニングを実行することになっている順番を示す、付記2記載のスケジューリング方法。
【0061】
(付記6)
前記セクタ掃引フィードバックフレームは、応答通信局各々が前記現在及び以後のビーコンインターバルにおいてビームフォーミングトレーニングを実行することになっている順序を示すように、複数の媒体アクセス制御(MAC)アドレスフィールドを含んでいる、付記5記載のスケジューリング方法。
【0062】
(付記7)
前記未関連の応答通信局の内の何れかがセクタ掃引フィードバックフレームを受信しなかった場合、該未関連の応答通信局は、衝突が生じていることを仮定し、以後のビーコンインターバルのセクタ掃引段階で返信掃引フレームを送信するためにアンテナセクタをランダムに選択する、付記2記載のスケジューリング方法。
【0063】
(付記8)
多数のアンテナセクタを利用できる未関連の通信局が、次のビーコンインターバルの前記セクタ掃引段階で前記返信セクタ掃引フレームを送信するように形成されており、
少数のアンテナセクタしか利用できない未関連の通信局が、ランダムに選択された後のビーコンインターバルまで、前記返信セクタ掃引フレームの送信を遅延させる、付記7記載のスケジューリング方法。
【0064】
(付記9)
前記開始通信局が切り替え式のビームアンテナを有し、
前記開始通信局は、前記返信セクタ掃引フレームを受信したことに基づいて、前記応答通信局各々が存在するアンテナセクタを特定し、
前記応答通信局の何れかに関連付けられたアンテナセクタ各々において、1つのセクタ掃引フィードバックフレームが送信される、付記2記載のスケジューリング方法。
【0065】
(付記10)
前記応答通信局のアンテナセクタ各々において、返信セクタ掃引フレームが前記応答通信局により送信される、付記2記載のスケジューリング方法。
【0066】
(付記11)
前記送信セクタ掃引フレームの送信、前記返信セクタ掃引フレームの受信、及び前記セクタ掃引フィードバックフレームの送信が前記現在のビーコンインターバルのセクタ掃引段階の間に実行され、
当該スケジューリング方法は、
前記現在のビーコンインターバルのビームフォーミング修正段階において、前記セクタ掃引フィードバックフレームで最初に指定されている何れかの応答通信局について前記ビームフォーミングトレーニングを実行するステップと、
次のビーコンインターバルのビームフォーミング修正段階において、前記セクタ掃引フィードバックフレームで2番目に指定されている2番目の応答通信局について前記ビームフォーミングトレーニングを実行するステップと
を更に有する付記1記載のスケジューリング方法。
【0067】
(付記12)
前記アンテナセクタの各々において1つの送信セクタ掃引フレームを送信するようにアレイアンテナを設定するステップと、
前記アンテナセクタの各々において前記セクタ掃引フィードバックフレームを送信するように前記アレイアンテナを設定するステップと
を更に有する付記1記載のスケジューリング方法。
【0068】
(付記13)
複数のアンテナセクタの各々において送信セクタ掃引フレームを送信し、2つ以上の未関連の応答通信局から返信セクタ掃引フレームを受信するように構築されたビームフォーミング回路と、
前記返信セクタ掃引フレームを送信した前記応答通信局の各々にセクタ掃引フィードバックフレームを送信するベースバンド処理回路と
を有し、前記セクタ掃引フィードバックフレームは、応答通信局の各々が現在のビーコンインターバル又は以後のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行することになっているか否かを示す、ミリ波無線通信局。
【0069】
(付記14)
前記セクタ掃引フィードバックフレームは、ビームフォーミングトレーニングを何れのビーコンインターバルで実行すべきかを前記応答通信局に通知する、付記13記載のミリ波無線通信局。
【0070】
(付記15)
前記セクタ掃引フィードバックフレームは、前記応答通信局が以後のビーコンインターバルにおいてビームフォームトレーニングを実行することになっている順番を示す、付記13記載のミリ波無線通信局。
【0071】
(付記16)
前記ビームフォーミング回路は、
前記アンテナセクタの各々において1つの送信セクタ掃引フレームを送信するようにアレイアンテナを設定するように構築され、
前記アンテナセクタの各々において前記セクタ掃引フィードバックフレームを送信するように前記アレイアンテナを設定するように構築されている、付記13記載のミリ波無線通信局。
【0072】
(付記17)
前記未関連の応答通信局の内の何れかがセクタ掃引フィードバックフレームを受信しなかった場合、該未関連の応答通信局は、衝突が生じていることを仮定し、以後のビーコンインターバルのセクタ掃引段階で返信掃引フレームを送信するためにアンテナセクタをランダムに選択する、付記13記載のミリ波無線通信局。
【0073】
(付記18)
ミリメートル波通信ネットワークにおいてアソシエーションビームフォーミングトレーニング(A-BFT)をスケジューリングするミリ波通信局であって、
初期通信局からの送信セクタ掃引フレームに応答して、該初期通信局に返信セクタ掃引フレームを送信し、
現在のビーコンインターバル又は以後のビーコンインターバルでビームフォーミングトレーニングを実行することになっているか否かを複数の応答通信局に各々に通知するためのセクタ掃引フィードバックフレームを、前記返信セクタ掃引フレームに応じて受信し、
前記セクタ掃引フィードバックフレームで指定されている前記現在のビーコンインターバル又は前記以後のビーコンインターバルで前記初期通信局とA-BFTを実行する、ミリ波通信局。
【0074】
(付記19)
前記送信セクタ掃引フレーム及び前記セクタ掃引フィードバックフレームが、前記現在のビーコンフレームで前記初期通信局から送信され、
前記返信セクタ掃引フレームが、前記現在のビーコンフレームにおいて2つ以上の未関連の応答通信局から受信される、付記18記載のミリ波通信局。
【0075】
(付記20)
当該ミリ波通信局が前記セクタ掃引フィードバックフレームを受信しなかった場合、当該ミリ波通信局は、衝突が生じていることを仮定し、以後のビーコンインターバルのセクタ掃引段階で返信掃引フレームを送信するためにアンテナセクタをランダムに選択する、付記18記載のミリ波無線通信局。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5