【文献】
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2007年,17,pp. 3266-3270
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、B細胞リンパ腫、皮膚炎及び接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群、ベルジェ(Berger)病、エヴァンス(Evans)症候群、潰瘍性大腸炎、アレルギー性抗体性糸球体腎炎、顆粒球減少症、グッドパスチャー(Goodpasture)症候群、肝炎、ヘノッホ・シェーンライン(Henoch-Schonlein)紫斑病、過敏性血管炎、免疫性溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、川崎症候群、アレルギー性結膜炎、エリテマトーデス、被膜細胞リンパ腫、好中球減少症、非家族性側索硬化症、動脈硬化症、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、骨粗鬆症、溶骨性疾患、骨減少症、乾癬、シェーグレン(Sjogren)症候群、強皮症、T細胞リンパ腫、蕁麻疹/血管性浮腫、ウェゲナー(Wegener)肉芽腫並びにセリアック病の中から選択される疾患の処置用の医薬の製造のための、請求項1〜20の一項記載の式1の化合物の使用。
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触性皮膚炎、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ及びアレルギー性鼻炎結膜炎の中から選択される疾患の処置用の医薬の製造のための、請求項1〜20の一項記載の式1の化合物の使用。
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎及び関節リウマチの中から選択される疾患の処置用の医薬の製造のための、請求項1〜20の一項記載の式1の化合物の使用。
医薬製剤が請求項1〜20の一項記載の一つ以上の式1の化合物を、抗コリン薬、βミメティック、副腎皮質ステロイド、PDE4−阻害剤、EGFR−阻害剤、LTD4−アンタゴニスト、CCR3−阻害剤、iNOS−阻害剤、CRTH2−アンタゴニスト及びHMG−CoA還元酵素阻害剤の中から選択される活性物質と組合せて含有することを特徴とする、医薬製剤。
【背景技術】
【0002】
1. 発明の背景
1.1 Syk−阻害剤
本発明は、プロテインキナーゼSyk(
spleen
tyrosine
kinase/脾臓チロシンキナーゼ)を阻害する新規な置換キノリン、その調製及び製剤ならびに医薬の製造のためのその使用について記載する。
【0003】
Sykは、B細胞、マスト細胞、単球、マクロファージ、好中球、T細胞、樹状細胞及び上皮細胞における異なる受容体のシグナル伝達に重要なメディエータ機能を有する細胞内チロシンキナーゼである。Sykがシグナル伝達に重要な機能を果たす受容体には、例えば、マスト細胞及びB細胞上のIgEに対する受容体(FcεRI)及びIgGに対する受容体(FcγR1)、B細胞及びT細胞上のB細胞受容体(BCR)及びT細胞受容体(TCR)、呼吸器上皮細胞上のICAM1受容体(ICAM1R)、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞及び破骨細胞上のDAP12受容体、ヘルパーT細胞亜集団(Th−17細胞)上のデクチン1受容体、ならびに好中球、単球及びマクロファージ上の、β1−、β2−及びβ3−インテグリンに対するインテグリン受容体が含まれる(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004) 13(7), 743-762; Ulanova et al.; Expert Opion. Ther. Target (2005) 9(5); 901-921; Wang et al.; J. Immunol. (2006) 177, 6859-6870; Leib und Gut-Landmann et al.; Nature Immunology (2007) 8, 630-638; Slack et al., European J. Immunol. (2007) 37, 1600-1612)。FcεRIのシグナル伝達について、分子的な過程が最もよく記載されている。マスト細胞において、FcεRIへのIgEの結合は、IgE受容体の架橋ならびにLyn(Srcファミリーチロシンキナーゼ)の動員及び活性化を引き起こす。活性Lynは、上に挙げた受容体の多くに存在するいわゆるITAMモチーフをリン酸化し、それによりSykのSH2ドメインに対する結合部位を生成する。ITAMモチーフに結合する結果、Sykは活性化され、次に、例えば、ヒスタミン及びβ−ヘキソサミダーゼ(βHA)のようなアレルギーメディエータ及び炎症メディエータの放出に、ならびに例えばプロスタグランジン及びロイコトリエンのような脂質メディエータの合成に必要な様々な基質をリン酸化する。
【0004】
異なるシグナル伝達経路に果たすその中心的な機能を考慮して、Sykは、例えば、アレルギー性鼻炎、喘息、自己免疫疾患、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、骨減少症、骨粗鬆症、COPDならびに各種白血病及びリンパ腫のような異なる疾患に対する治療ターゲットとして考察されている(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004) 13(7), 743-762; Ulanova et al.; Expert Opion. Ther. Target (2005) 9(5); 901-921; Sigh and Masuda. Annual Reports in Medicinal Chemistry (2007) Vol 42; 379-391; Bajpai et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2008) Vol 15 (5); 641-659; Masuda and Schmitz; PPT (2008) Vol 21; 461-467; Riccaboni et al., Drug Discovery Today (2010) Vol 15 (13-14); 517-530; Efremov and Luarenti, Expert Opin Investig Drugs. (2011) 20(5):623-36); Hilgendorf et al. Arterioscler, Thromb, Vasc Res (2011) 31:1991-1999)。
【0005】
アレルギー性鼻炎及び喘息は、アレルギー反応及び炎症過程に関連し、且つ異なる細胞型、例えば、マスト細胞、好酸球、T細胞及び樹状細胞が関係する疾患である。アレルゲンへの曝露が起こった後で、IgEに対する高親和性免疫グロブリン受容体(FcεRI)及びIgGに対する高親和性免疫グロブリン受容体(FcγR1)が活性化し、炎症促進性メディエータ及び気管支収縮因子の放出を誘導する。したがって、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、これらの段階を阻害することができるはずである。
【0006】
関節リウマチ(RA)は、骨及び関節周囲の靱帯構造が進行的に破壊される自己免疫疾患である。RAの病態生理において、B細胞は、例えばB細胞枯渇化抗体であるリツキシマブの治療的使用により実証されたように、重大な役割を果たす。BCR(これは刺激された後で炎症促進性メディエータの放出も誘導する)のシグナル伝達におけるSykの機能に加えて、Sykは、B細胞の成熟及び増殖に重要な役目も果たす(Cheng et al. Nature (1995) 378, 303-306, Cornall et al., PNAS (2000) 97(4), 1713-1718)。したがって、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、RAのような自己免疫疾患及び例えばB細胞リンパ腫のようなB細胞の増加した増殖を伴う疾患の処置のための治療上の選択肢を提供し得る。
【0007】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺機能の連続的悪化及び気道の慢性炎症を特徴とし、慢性炎症は、あらゆる種類の有害物質により開始され且つ生成され、そして疾患過程の維持の原因となる。COPDでは細胞レベルで、特にTリンパ球、好中球、顆粒球及びマクロファージの増倍がある。特に、CD8陽性リンパ球数の増加があり、それは肺機能障害と直接関係する。COPDの別の特徴は、ウイルス(例えば、ライノウイルス(Rhinovirus))又は細菌(例えば、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)及びカタル球菌(Moraxella catarrhalis))感染を特徴とする肺機能の急性悪化である。
【0008】
上記のようにマクロファージ、T細胞及び好中球におけるSykの炎症促進機能を考慮すると(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004) 13(7), 743-762;及びそこに引用された参考文献を参照されたい)、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、COPDを引き起こす炎症過程を処置するための新規な治療アプローチであることもできる。呼吸器上皮細胞において、SykがICAM1R介在性取込み及びそれに続くライノウイルス複製に関与すること、ならびにSykに対するsi−RNAがこれらの段階を遮断することもまた示された(Wang et al.; J. Immunol. (2006) 177, 6859-6870; Lau et al.; J. Immunol. (2008) 180, 870-880)。したがって、Sykキナーゼ活性の阻害剤は、また、ライノウイルスによって引き起こされる増悪に治療的に使用することもできる。
【0009】
様々な研究により、Sykがリンパ球の悪性形質転換に関与することが示唆されている(Sigh and Masuda, Annual Reports in Medicinal Chemistry (2007) Vol 42; 379-391に概説されている)。構成的Syk活性を有するTEL−Syk融合タンパク質が、骨髄異形成症候群を患う患者のB細胞を形質転換し、構成的に活性なITK−Syk融合タンパク質が、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を患う患者から単離された。さらに、構成的に活性なSykが、患者のB細胞リンパ腫細胞に、特にB系統急性リンパ芽球性白血病(B−ALL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫及びB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)、ならびに急性骨髄性白血病(AML)に見出された。これらのデータに基づくと、Sykは造血細胞における癌原遺伝子であり、且つある種の白血病及びリンパ腫の処置のための潜在的標的を表すようだ。
【0010】
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、血小板上に存在する抗原に対するIgG自己抗体が血小板に結合し且つ血小板を破壊する、自己免疫疾患である。ITPの患者は、脾臓及び肝臓中のマクロファージにより、循環しているIgGで覆われた血小板の急速なクリアランスが行われる。マクロファージにおけるSykの炎症促進性FcγR介在機能の観点から、Sykの阻害剤は、ITPのようなFcγR介在の血球減少において治療上の利益を有すると考えられる。実際、Syk阻害剤 R788 (R406)は、1つの施設においてITPの患者の非盲検試験で血小板数を向上させた(Podolanczuk et al; Blood (2009) 113, 3154-3169)。
【0011】
アテローム性動脈硬化症は、炎症細胞(主にマクロファージ)、平滑筋細胞、細胞外基質、及び修飾された低密度リポタンパク質により堆積したコレステロールの蓄積の結果として中型動脈及び大型動脈の壁が厚くなる、慢性の炎症状態である。血栓形成及び潜在的血栓塞栓症をもたらす血栓形成性材料を露呈しながら、虚血をもたらす内腔の狭窄が発生するまで又はプラークが破綻するまでのいずれかでプラークは数十年にわたって成長する。Syk阻害剤 R788 (R406)は、アテローム性動脈硬化症のマウスモデルにおいて動脈硬化プラークの大きさを減少させた(Hilgendorf et al. Arterioscler, Thromb, Vasc Res (2011) 31:1991-1999)。
【0012】
水疱性類天疱瘡(Ujiie et al. Journal of Dermatology 2010; 37: 194-204)は、ほとんど粘膜を含まない慢性の自己免疫、表皮下、水疱性皮膚疾患である。水疱性類天疱瘡は、半接着斑水疱性類天疱瘡抗原のBP230(BPAg1)及びBP180(BPAg2)に特異的な免疫グロブリンG(IgG)自己抗体の存在によって特徴付けられる。尋常性天疱瘡(Venugopal et al. Dermatol. Clin. 2011;29:373-80)は、稀に掻痒性である皮膚病変を伴う慢性水疱形成皮膚疾患であるが、多くの場合、痛みを伴う。尋常性天疱瘡は、デスモグレイン1及びデスモグレイン3の両方に対するIgG自己抗体によって引き起こされ、表皮中のケラチノサイト間どうしの接着の喪失にいたる自己免疫疾患である。尋常性天疱瘡は、広範囲な弛緩性水疱及び皮膚粘膜びらんを特徴としている。両疾患において、IgG自己抗体は、Fc受容体γ(FcRg)に結合し、FcRgを活性化し、Sykキナーゼを介して下流シグナル制御を行う。したがって、FcRgの下流シグナル制御をブロックするSykキナーゼ活性の阻害剤は、水疱性類天疱瘡及び尋常性天疱瘡の患者を処置するために治療的に使用することもできる。
【0013】
全身性エリテマトーデス(SLE)は、基本的には、身体のいかなる器官にも影響を与えることができる慢性自己免疫疾患である。それは、微小血管の多系統炎症及び自己抗体の存在によって特徴付けられる。FcγR欠損マウスは、疾患に関連する前臨床モデルにおいてSLEの幾つかの局面から保護されており、そのことは様々な細胞内のSykの炎症誘発性FcγR媒介機能を考慮すると、Sykの阻害剤がSLEにおいて治療的利益を有することができることを示唆している。
【0014】
1.2 先行技術
WO 98/18782は、Syk阻害剤として2−ピリジニル−ピリミジンを開示しており、これは − 本発明の化合物とは対照的に − 4位でアミノ−インドリルにより置換され得ず、且つ2位でイミダゾリル残基を有していない。
【0015】
WO 2004/058749は、Syk阻害剤として2,4−二置換ピリミジンを開示しており、これは、少なくとも1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する二環式ヘテロアリールで4位で置換されており、例えば喘息の処置のためものである。それとは対照的に、本発明の化合物は、4位にイミダゾリル残基を含む。
【0016】
WO 02/096905、WO 2004/087698及びWO 2004/087699は、Sykのような特定のたんぱく質キナーゼの阻害剤としてピリミジンを開示しており、これは4位でチアゾール残基により置換されており、且つこれは喘息の処置のために使用し得る。
【0017】
WO 2011/075515、WO 2011/075560及びWO 2011/075517は、2位でアミノ−フェニルにより置換されているピリミジンを開示しており、これはCOPD及び喘息の処置のためにSyk阻害剤として使用し得るが、一方、本発明のピリミジンは、2位でアミノインドリルにより置換されている。
【0018】
未公開の特許出願PCT/EP2012050672は、置換2−ピリジニル−ピリミジンをSyk阻害剤として、及び例えば喘息の処置用の医薬としてのその使用を開示している。
【0019】
しかし、驚くべきことに今では、式1の(2−イミダゾリル)−(4−アミノ−インドリル)−ピリミジンが、呼吸器の病訴、アレルギー性疾患、骨粗鬆症、胃腸疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、末梢神経系又は中枢神経系疾患の処置のために、特に、喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、アレルギー性皮膚炎及びCOPDの処置のために特に適切であることが見出された。
【0020】
2. 発明の説明
本発明は、式1:
【化2】
[式中、
R
1は、水素、C
1−6−アルキル、C
1−6−ハロアルキルからなる群より選択され、
R
2は、水素、C
1−6−アルキル、C
1−6−ハロアルキル、−(C
1−5−アルキレン)−O−(C
1−3−アルキル)、3員、4員、5員又は6員のシクロアルキル(ここで、このシクロアルキルは、場合により、ハロゲンで置換され得る)からなる群より選択され、
R
3は、水素、C
1−6−アルキル、ハロゲン、−O−C
1−6−アルキル、3員、4員、5員又は6員のシクロアルキル、−S−(C
1−3−アルキレン)−A、−S−A;−Aからなる群より選択され、
Aは、−CO−N(C
1−3−アルキル)
2、−CO−NH(C
1−3−アルキル)、−CO−NH
2、5員又は6員のヘテロアリール(S、O及びNの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);5員、6員又は7員の複素環(S、O及びNの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)からなる群より選択される基であり、
ここで、
Aは、場合により、−C
1−3−アルキル、ハロゲン、−オキソ、−OH及びC
1−3−ハロアルキルより各々独立に選択される、1、2又は3個の基でさらに置換され得、
R
4は、水素、−ハロゲン、SH、−OH、−NH
2、−CO−Y、−CO−N(CH
3)−Y、−CO−N(CH
3)(C
1−5−アルキレン)−Y、−CO−N(エチル)(C
1−5−アルキレン)−Y、−CO−N(エチル)−Y、−CS−Y、−CS−N(CH
3)−Y、−CS−N(CH
3)−(C
1−3−アルキレン)−Y、−C
1−6−アルキル、−C
1−3−ハロアルキル、−CO−NH−Y、−CO−NH−C
1−6−アルキレン−Y、−CO−N(CH
3)−(C
2−3−アルキレン)−O−(C
1−3−アルキル)、−NH
2、−C
1−6−アルキレン−L、−SO
2−フェニル、−SO
2−(C
1−3−アルキル)、−CO−N(C
1−4−アルキル)
2及び−CO−N(C
2−4−アルキレン−O−C
1−3−アルキル)
2からなる群より選択されるか、
或いはここで、R
4は、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、5員又は6員の芳香族複素環基であり、ここで、置換に利用可能な任意の原子上の該芳香族複素環基は、場合により、−C
1−3−アルキル、ハロゲン、及びC
1−3−ハロアルキルの中から各々独立に選択される、1、2又は3個の基でさらに置換され得、
Yは、−NH
2、−NH(CH
3)、−N(CH
3)
2、−C
1−6−アルキレン−N(CH
3)
2、−O−C
1−3−アルキル、−C
1−3−ハロアルキル、−OH、−N(エチル)
2及び−C
1−5−アルキニルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yは、4員、5員、6員もしくは7員の単環式完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);5員又は6員の単環式芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)、−C
6−10−アリール及びC
3−6−シクロアルキルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yは、N、S及びOの群より各々互いに独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、8員〜11員の二環式縮環の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であるか、
或いは、Yは、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、8員〜11員の二環式完全飽和スピロ複素環(但し、このスピロ複素環は少なくとも1個のN−原子を含むこと、且つこの複素環はこのN−原子を介して分子に直接結合していること)であるか、
或いは、Yは、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、6員又は7員の完全飽和複素環(これは、さらなるC
1−3−アルキレン基により架橋されている)であり、
それにより、
各Yは、場合により、ハロゲン、−オキソ、OH、−CN、−C
1−5−アルキル、−C
1−5−アルカノール、−O−C
1−3−アルキル、4員、5員、6員もしくは7員の完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);完全飽和又は部分不飽和のC
3−6−シクロアルキル、5員〜6員の芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);−CO−(C
1−3−アルキル)、−CHO、−CO−L、−C
1−3−アルキレン−CO−L、−C
1−4−アルキレン−O−C
1−3−アルキル、−N(CH
3)
2及び−N(エチル)
2からなる群より各々互いに独立に選択される、1、2又は3個の基Zで置換され得、
それにより、
各基Zは、場合により、−オキソ、OH、ハロゲン、−C
1−3−アルキル、O−C
1−3−アルキル、−N(メチル)
2、−N(エチル)
2、5員〜6員の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環(N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む)、C
3−6−シクロアルキル及び−CNからなる群より各々独立に選択される、1、2又は3個の基Tでさらに置換され得、
ここで、
各基Tはまた、場合により、C
1−3−アルキル、ハロゲン、OH、オキソ及び−O−C
1−3−アルキルからなる群より選択される基で置換され得、
それにより、
Lは、N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む、5員もしくは6員の完全飽和又は部分不飽和の複素環を意味し、この該複素環は、場合により、メチル、ハロゲン、OH及び−オキソの中より独立に選択される、1、2又は3個の基で置換され得、
R
5は、水素、C
1−6−アルキル、C
1−3−ハロアルキル及び−(C
1−4−アルキレン)−O−(C
1−3−アルキル)からなる群より選択される]で示される化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0021】
好ましい実施態様において、本発明は、
R
4が、−CO−Y、−CO−N(CH
3)−Y、−CO−N(CH
3)(C
1−5−アルキレン)−Y、−CO−N(エチル)(C
1−5−アルキレン)−Y、−CO−NH−Y及び−CO−NH−C
1−6−アルキレン−Yからなる群より選択され、
R
4が、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、5員又は6員の芳香族複素環基であり、ここで、置換に利用可能な任意の原子上の該芳香族複素環基は、場合により、−C
1−3−アルキル ハロゲン、及びC
1−3−ハロアルキルの中から各々独立に選択される、1、2又は3個の基でさらに置換され得、
Yが、−NH
2、−NH(CH
3)、−N(CH
3)
2、−C
1−6−アルキレン−N(CH
3)
2、−O−C
1−3−アルキル、−C
1−3−ハロアルキル、−OH及び−C
1−5−アルキニルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、4員、5員、6員もしくは7員の単環式完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);5員又は6員の単環式芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)、−C
6−10−アリール及びC
3−6−シクロアルキルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々互いに独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員もしくは11員の二環式縮環の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員又は11員の二環式完全飽和スピロ複素環(但し、このスピロ複素環は少なくとも1個のN−原子を含むこと、且つこの複素環はこのN−原子を介して分子に直接結合していること)であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、6員又は7員の完全飽和複素環(これは、さらなるC
1−3−アルキレン基により架橋されている)であり、
それにより、
各Yが、場合により、−F、−Cl、−Br、−I、−オキソ、OH、−CN、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、−C
1−5−アルカノール、−O−CH
3、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−イソプロピル、4員、5員、6員もしくは7員の完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);完全飽和又は部分不飽和のC
3−6−シクロアルキル、5員〜6員の芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);−CO−メチル、−CO−エチル、−CO−プロピル、−CHO、−CO−L、−C
1−3−アルキレン−CO−L、−C
1−4−アルキレン−O−C
1−3−アルキル、−N(CH
3)
2及び−N(エチル)
2からなる群より各々互いに独立に選択される、1、2又は3個の基Zで置換され得、
それにより、
各基Zが、場合により、−オキソ、OH、ハロゲン、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−O−メチル、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−(イソプロピル)、−N(メチル)
2、−N(エチル)
2、5員〜6員の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環(N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む)、C
3−6−シクロアルキル及び−CNからなる群より各々独立に選択される、1、2又は3個の基Tでさらに置換され得、
それにより、
Lが、N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む、5員もしくは6員の完全飽和又は部分不飽和の複素環を意味し、この該複素環は、場合により、メチル、ハロゲン、OH及び−オキソの中より独立に選択される、1、2又は3個の基で置換され得る、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0022】
さらなる好ましい実施態様において、本発明は、
R
1が、水素又はメチルからなる群より選択される、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0023】
本発明の別の好ましい実施態様は、
R
2が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロプロピル、−メチレン−O−メチル、−エチレン−O−メチルからなる群より選択される、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0024】
別の好ましい実施態様において、本発明は、
R
2が、メチル、イソプロピル、イソブチル、シクロプロピル、−エチレン−O−メチルからなる群より選択される、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0025】
さらなる特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
1が、水素である、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0026】
別の好ましい実施態様において、本発明は、
R
2が、メチル、イソプロピル又はシクロプロピルである、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0027】
別の特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
2が、メチルである、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0028】
加えて、本発明は、好ましくは、
R
3が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−F、−Cl、−Br、−O−メチル、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−(イソプロピル)、シクロプロピル、−S−メチレン−A、−Aからなる群より選択され、
Aが、−CO−N(CH
3)
2、−CO−NH(CH
3)、5員又は6員のヘテロアリール(S、O及びNの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)からなる群より選択される基であり;
ここで、Aが、場合により、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルより各々独立に選択される、1、2又は3個の基でさらに置換され得る、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0029】
本発明は、さらに好ましくは、
R
3が、−Cl又はメチルより選択される、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0030】
別の好ましい実施態様において、本発明は、
R
5が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、−メチレン−O−メチル及び−エチレン−O−メチルからなる群より選択される、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0031】
別のより好ましい実施態様において、本発明は、
R
5が、水素、メチル、イソブチル及び−エチレン−O−メチルからなる群より選択される、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0032】
別の特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
5が、水素である、
前述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0033】
さらなる好ましい実施態様において、本発明は、
R
4が、−CO−Y、−CO−N(CH
3)−Y、−CO−N(CH
3)(C
1−5−アルキレン)−Y、−CO−N(エチル)(C
1−5−アルキレン)−Y、−CO−NH−Y及び−CO−NH−C
1−6−アルキレン−Yからなる群より選択され、
R
4が、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、5員又は6員の芳香族複素環基であり、ここで、置換に利用可能な任意の原子上の該芳香族複素環基は、場合により、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、F、Cl、Br、及び−CF
3の中から各々独立に選択される、1、2又は3個の基でさらに置換され得、
Yが、−NH
2、−NH(CH
3)、−N(CH
3)
2、−C
1−6−アルキレン−N(CH
3)
2、−O−メチル、−O−エチル、−O−n−プロピル、−O−イソプロピル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、−C
1−3−ハロアルキル、−OH及び
【化3】
からなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、4員、5員、6員もしくは7員の単環式完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);5員又は6員の単環式芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)、−C
6−10−アリール及びC
3−6−シクロアルキルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々互いに独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員もしくは11員の二環式縮環の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員又は11員の二環式完全飽和スピロ複素環(但し、このスピロ複素環は少なくとも1個のN−原子を含むこと、且つこの複素環はこのN−原子を介して分子に直接結合していること)であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、6員又は7員の完全飽和複素環(これは、さらなるC
1−3−アルキレン基により架橋されている)であり、
それにより、
各Yが、場合により、−F、−Cl、−Br、−I、−オキソ、OH、−CN、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、−C
1−5−アルカノール、−O−CH
3、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−イソプロピル、4員、5員、6員もしくは7員の完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);完全飽和又は部分不飽和のC
3−6−シクロアルキル、5員〜6員の芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);−CO−メチル、−CO−エチル、−CO−プロピル、−CHO、−CO−L、−C
1−3−アルキレン−CO−L、−C
1−4−アルキレン−O−C
1−3−アルキル、−N(CH
3)
2及び−N(エチル)
2からなる群より各々互いに独立に選択される、1、2又は3個の基Zで置換され得、
それにより、
各基Zが、場合により、−オキソ、OH、ハロゲン、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−O−メチル、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−(イソプロピル)、−N(メチル)
2、−N(エチル)
2、C
3−6−シクロアルキル、−CN、5員〜6員の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環(N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む)からなる群より各々独立に選択される、1、2又は3個の基Tでさらに置換され得、
それにより、
Lが、N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む、5員もしくは6員の完全飽和又は部分不飽和の複素環を意味し、この該複素環は、場合により、メチル、−Cl、−Br、−F、−OH及び−オキソの中より独立に選択される、1、2又は3個の基で置換され得る、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0034】
特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
4が、−CO−N(CH
3)−Y、−CO−N(CH
3)(C
1−5−アルキレン)−Yからなる群より選択され、
Yが、−NH(CH
3)、−N(CH
3)
2、−O−メチル、−CF
3、メチル、エチル、OHからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、4員、5員、6員もしくは7員の単環式完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);5員又は6員の単環式芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)、−C
6−10−アリール、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々互いに独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員もしくは11員の二環式縮環の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員又は11員の二環式完全飽和スピロ複素環(但し、このスピロ複素環は少なくとも1個のN−原子を含むこと、且つこの複素環はこのN−原子を介して分子に直接結合していること)であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、6員又は7員の完全飽和複素環(これは、さらなる−CH
2−基により架橋されている)であり、
それにより、
各Yが、場合により、−F、−Cl、−Br、−I、−オキソ、OH、−CN、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、−C
1−5−アルカノール、−O−CH
3、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−イソプロピル、4員、5員、6員もしくは7員の完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);完全飽和又は部分不飽和のC
3−6−シクロアルキル、5員〜6員の芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);−CO−メチル、−CO−エチル、−CO−プロピル、−CHO、−CO−L、−C
1−3−アルキレン−CO−L、−C
1−4−アルキレン−O−C
1−3−アルキル、−N(CH
3)
2及び−N(エチル)
2からなる群より各々互いに独立に選択される、1、2又は3個の基Zで置換され得、
それにより、
各基Zが、場合により、−オキソ、OH、ハロゲン、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−O−メチル、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−(イソプロピル)、−N(メチル)
2、−N(エチル)
2、C
3−6−シクロアルキル、−CN、5員〜6員の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環(N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む)からなる群より各々独立に選択される、1、2又は3個の基Tでさらに置換され得、
それにより、
Lが、N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む、5員もしくは6員の完全飽和又は部分不飽和の複素環を意味し、この該複素環は、場合により、メチル、−Cl、−Br、−F、−OH及び−オキソの中より独立に選択される、1、2又は3個の基で置換され得る、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0035】
別の特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
4が、−CO−NH−Y又は−CO−NH−C
1−6−アルキレン−Yからなる群より選択され、
Yが、−NH(CH
3)、−N(CH
3)
2、−O−メチル、−CF
3、メチル、エチル、−OHからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、4員、5員、6員もしくは7員の単環式完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);5員又は6員の単環式芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)、−C
6−10−アリール、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々互いに独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員もしくは11員の二環式縮環の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員又は11員の二環式完全飽和スピロ複素環(但し、このスピロ複素環は少なくとも1個のN−原子を含むこと、且つこの複素環はこのN−原子を介して分子に直接結合していること)であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、6員又は7員の完全飽和複素環(これは、さらなる−CH
2−基により架橋されている)であり、
それにより、
各Yが、場合により、−F、−Cl、−Br、−I、−オキソ、OH、−CN、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、−C
1−5−アルカノール、−O−CH
3、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−イソプロピル、4員、5員、6員もしくは7員の完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);完全飽和又は部分不飽和のC
3−6−シクロアルキル、5員〜6員の芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);−CO−メチル、−CO−エチル、−CO−プロピル、−CHO、−CO−L、−C
1−3−アルキレン−CO−L、−C
1−4−アルキレン−O−C
1−3−アルキル、−N(CH
3)
2及び−N(エチル)
2からなる群より各々互いに独立に選択される、1、2又は3個の基Zで置換され得、
それにより、
各基Zが、場合により、−オキソ、OH、ハロゲン、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−O−メチル、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−(イソプロピル)、−N(メチル)
2、−N(エチル)
2、C
3−6−シクロアルキル、−CN、5員〜6員の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環(N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む)からなる群より各々独立に選択される、1、2又は3個の基Tでさらに置換され得、
それにより、
Lが、N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む、5員もしくは6員の完全飽和又は部分不飽和の複素環を意味し、この該複素環は、場合により、メチル、−Cl、−Br、−F、−OH及び−オキソの中より独立に選択される、1、2又は3個の基で置換され得る、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0036】
別の特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
4が、−CO−Yからなる群より選択され、
Yが、−NH(CH
3)、−N(CH
3)
2、−O−メチル、−CF
3、メチル、エチル、−OHからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、4員、5員、6員もしくは7員の単環式完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);5員又は6員の単環式芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む)、−C
6−10−アリール、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群より選択される基であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々互いに独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員もしくは11員の二環式縮環の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、8員、9員、10員又は11員の二環式完全飽和スピロ複素環(但し、このスピロ複素環は少なくとも1個のN−原子を含むこと、且つこの複素環はこのN−原子を介して分子に直接結合していること)であるか、
或いは、Yが、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、6員又は7員の完全飽和複素環(これは、さらなる−CH
2−基により架橋されている)であり、
それにより、
各Yが、場合により、−F、−Cl、−Br、−I、−オキソ、OH、−CN、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、−C
1−5−アルカノール、−O−CH
3、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−イソプロピル、4員、5員、6員もしくは7員の完全飽和又は部分不飽和の複素環(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);完全飽和又は部分不飽和のC
3−6−シクロアルキル、5員〜6員の芳香族複素環基(N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む);−CO−メチル、−CO−エチル、−CO−プロピル、−CHO、−CO−L、−C
1−3−アルキレン−CO−L、−C
1−4−アルキレン−O−C
1−3−アルキル、−N(CH
3)
2及び−N(エチル)
2からなる群より各々互いに独立に選択される、1、2又は3個の基Zで置換され得、
それにより、
各基Zが、場合により、−オキソ、OH、ハロゲン、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−O−メチル、−O−エチル、−O−(n−プロピル)、−O−(イソプロピル)、−N(メチル)
2、−N(エチル)
2、C
3−6−シクロアルキル、−CN、5員〜6員の完全飽和、部分不飽和又は芳香族複素環(N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む)からなる群より各々独立に選択される、1、2又は3個の基Tでさらに置換され得、
それにより、
Lが、N、O及びSの群より各々独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を含む、5員もしくは6員の完全飽和又は部分不飽和の複素環を意味し、この該複素環は、場合により、メチル、−Cl、−Br、−F、−OH及び−オキソの中より独立に選択される、1、2又は3個の基で置換され得る、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0037】
別の特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
4が、N、S及びOの群より各々独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、5員又は6員の芳香族複素環基であり、ここで、置換に利用可能な任意の原子上の該芳香族複素環基は、場合により、メチル、エチル、F、Cl、Br、及び−CF
3の中から各々独立に選択される、1、2又は3個の基でさらに置換され得る、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0038】
さらなる特に好ましい実施態様において、本発明は、
R
4が、場合により、メチル、エチル、F、Cl、及び−CF
3より各々独立に選択される、1、2又は3個の基で置換され得る、オキサジアゾール基である、
上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0039】
別の特に好ましい実施態様において、本発明は、下記:
【化4】
からなる群より選択される、上述の式1の化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に関する。
【0040】
さらなる好ましい実施態様において、本発明は、Syk酵素の阻害によって処置することができる疾患の処置用の医薬の製造のための、前述の式1の化合物の使用に関する。
【0041】
さらなる好ましい実施態様において、本発明は、アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、B細胞リンパ腫、皮膚炎及び接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群、ベルジェ(Berger)病、エヴァンス(Evans)症候群、潰瘍性大腸炎、アレルギー性抗体性糸球体腎炎、顆粒球減少症、グッドパスチャー(Goodpasture)症候群、肝炎、ヘノッホ・シェーンライン(Henoch-Schonlein)紫斑病、過敏性血管炎、免疫性溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、川崎症候群、アレルギー性結膜炎、エリテマトーデス、被膜細胞リンパ腫、好中球減少症、動脈硬化症、非家族性側索硬化症、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、骨粗鬆症、溶骨性疾患、骨減少症、乾癬、シェーグレン(Sjogren)症候群、強皮症、T細胞リンパ腫、蕁麻疹/血管性浮腫、ウェゲナー(Wegener)肉芽腫並びにセリアック病の中から選択される疾患の処置用の医薬の製造のための、前述の式1の化合物の使用に関する。
【0042】
別の好ましい実施態様において、本発明は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触性皮膚炎、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ及びアレルギー性鼻炎結膜炎の中から選択される疾患の処置用の医薬の製造のための、前述の式1の化合物の使用に関する。
【0043】
さらなる好ましい実施態様において、本発明は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎及び関節リウマチの中から選択される疾患の処置用の医薬の製造のための、前述の式1の化合物の使用に関する。
【0044】
本発明の別の好ましい実施態様は、一つ以上の前述の式1の化合物を含有する医薬製剤に関する。
【0045】
本発明のさらなる好ましい実施態様は、一つ以上の式1の化合物を、抗コリン薬、βミメティック、副腎皮質ステロイド、PDE4−阻害剤、EGFR−阻害剤、LTD4−アンタゴニスト、CCR3−阻害剤、iNOS−阻害剤、CRTH2−アンタゴニスト及びHMG−CoA還元酵素阻害剤の中から選択される活性物質と組合せて含有する、医薬製剤に言及する。
【0046】
本発明のさらなる好ましい実施態様は、式7:
【化5】
[式中、R
3、R
4及びR
5は、上記に定義されたとおりである]で示される中間体化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0047】
本発明のさらなる好ましい実施態様は、式8:
【化6】
[式中、R
1、R
2、R
3及びR
5は、上記に定義されたとおりである]で示される中間体化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0048】
本発明のさらなる好ましい実施態様は、式10:
【化7】
[式中、R
1、R
2、R
4及びR
5は、上記に定義されたとおりである]で示される中間体化合物及び前述の化合物の薬学的に許容し得る塩に言及する。
【0049】
3. 使用する用語及び定義
特記のない限り、全ての置換基は、相互に独立している。例えば一個の基においていくつかのC
1−6−アルキル基が可能な置換基であるならば、例えば3個の置換基の場合に、C
1−6−アルキルは、相互に独立して、メチル、n−プロピル及びtert−ブチルを表すこともできる。
【0050】
本出願の範囲内で、可能な置換基の定義において、これらはまた、構造式の形式で表現し得る。置換基の構造式における星印(*)は、分子の残りへの結合点であると理解されたい。さらに、結合点に続く置換基の原子は、位置番号1の原子であると理解される。したがって、例えば、基N−ピペリジニル(I)、4−ピペリジニル(II)、2−トリル(III)、3−トリル(IV)及び4−トリル(V)は、以下:
【化8】
で示されるように表される。
【0051】
置換基の構造式に星印(*)がないならば、各水素原子が置換基のところで除去される場合があり、そうして自由になった結合価が分子の残りへの結合部位として働き得る。したがって、例えば、VI:
【化9】
は、2−トリル、3−トリル、4−トリル及びベンジルを表し得る。
【0052】
本出願の範囲内で、*の代わりに、X
1もまた、式1の構造への基R
1の結合点であり、そしてX
2は、式1の構造への基R
2の結合点であると理解される。
【0053】
用語「C
1−6−アルキル」(他の基の部分であるものを含む)は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味し、そして用語「C
1−3−アルキル」は、1〜3個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。したがって、「C
1−4−アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。これらの例には:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル又はヘキシルが挙げられる。略語Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Bu等はまた、場合により上記の基について使用し得る。特記のない限り、定義のプロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルには、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えば、プロピルには、n−プロピル及びイソプロピルが含まれ、ブチルには、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル等が含まれる。
【0054】
用語「C
1−6アルキレン」(他の基の部分であるものを含む)は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味し、そして用語「C
1−4アルキレン」は、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基が好ましい。これらの例には:メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンチレン、1,1−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン又はヘキシレンが挙げられる。特記のない限り、定義のプロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレンには、同じ炭素数の、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えばプロピルには、1−メチルエチレンも含まれ、ブチレンには、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンが含まれる。
【0055】
炭素鎖が、アルキレン鎖の1又は2個の炭素原子と一緒になって3、5又は6個の炭素原子を有する炭素環を形成する基で置換されているならば、これにはとりわけ、以下:
【化10】
で示される環の例が含まれる。
【0056】
用語「C
2−6−アルケニル」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニル基を意味し、そして用語「C
2−4−アルケニル」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニル基を意味するが、但し、それらは少なくとも一つの二重結合を有する。2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。例には:エテニル又はビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル又はヘキセニルが挙げられる。特記のない限り、定義のプロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルには、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えば、プロペニルには、1−プロペニル及び2−プロペニルが含まれ、ブテニルには、1−、2−及び3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル等が含まれる。
【0057】
用語「C
2−6−アルケニレン」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニレン基を意味し、そして用語「C
2−4−アルケニレン」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルケニレン基を意味する。2〜4個の炭素原子を有するアルケニレン基が好ましい。これらの例には:エテニレン、プロペニレン、1−メチルエテニレン、ブテニレン、1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレン、ペンテニレン、1,1−ジメチルプロペニレン、2,2−ジメチルプロペニレン、1,2−ジメチルプロペニレン、1,3−ジメチルプロペニレン又はヘキセニレンが挙げられる。特記のない限り、定義のプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン及びヘキセニレンには、同じ炭素数の、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えば、プロペニルにはまた、1−メチルエテニレンも含まれ、そしてブテニレンには、1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレンが含まれる。
【0058】
用語「C
2−6−アルキニル」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキニル基を意味し、そして用語「C
2−4−アルキニル」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキニル基を意味するが、但し、それらは少なくとも一つの三重結合を有する。2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい。例には:エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、又はヘキシニルが挙げられる。特記のない限り、定義のプロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルには、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えばプロピニルには、1−プロピニル及び2−プロピニルが含まれ、ブチニルには、1、2−及び3−ブチニル、1−メチル−1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル等が含まれる。
【0059】
用語「C
2−6−アルキニレン」(他の基の部分であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキニレン基を意味し、そして用語「C
2−4−アルキニレン」は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。好ましいのは、2〜4個の炭素原子を有するアルキニレン基である。例には:エチニレン、プロピニレン、1−メチルエチニレン、ブチニレン、1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチルエチニレン、ペンチニレン、1,1−ジメチルプロピニレン、2,2−ジメチルプロピニレン、1,2−ジメチルプロピニレン、1,3−ジメチルプロピニレン又はヘキシニレンが挙げられる。特記のない限り、定義のプロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン及びヘキシニレンには、同じ炭素数の、問題となる基の全ての可能な異性体型が含まれる。したがって、例えばプロピニルにはまた、1−メチルエチニレンも含まれ、そしてブチニレンには、1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチルエチニレンが含まれる。
【0060】
用語「アリール」(他の基の部分であるものを含む)は、6又は10個の炭素原子を有する芳香環系を意味する。例には:フェニル又はナフチルが挙げられ、好ましいアリール基はフェニルである。特記のない限り、芳香族基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より選択される1個以上の基で置換され得る。
【0061】
用語「アリール−C
1−6−アルキレン」(他の基の部分であるものを含む)は、6又は10個の炭素原子を有する芳香環系で置換されている、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。例には:ベンジル、1−もしくは2−フェニルエチル又は1−もしくは2−ナフチルエチルが挙げられる。特記のない限り、芳香族基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素より選択される1個以上の基で置換され得る。
【0062】
用語「ヘテロアリール−C
1−6−アルキレン」(他の基の部分であるものを含む)は、既に「アリール−C
1−6−アルキレン」に含まれているが、ヘテロアリールで置換されている、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキレン基を意味する。
【0063】
この種のヘテロアリールには、5員もしくは6員の複素環式芳香族基、又は5員〜10員の二環式ヘテロアリール環が含まれ、これらは、酸素、硫黄及び窒素の中より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し得、そして芳香族系が形成されるほど多数の共役二重結合を含有し得る。以下:
【化11】
で示されるものは、5員もしくは6員の複素環式芳香族基又は二環式ヘテロアリール環の例である。
【0064】
特記のない限り、これらのヘテロアリールは、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の中より選択される1個以上の基で置換され得る。
【0065】
以下:
【化12】
で示されるものは、ヘテロアリール−C
1−6−アルキレンの例である。
【0066】
用語「C
1−6−ハロアルキル」(他の基の部分であるものを含む)は、1個以上のハロゲン原子で置換されている、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。用語「C
1−4−アルキル」は、1個以上のハロゲン原子で置換されている、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐アルキル基を意味する。1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が好ましい。例には:CF
3、CHF
2、CH
2F、CH
2CF
3が挙げられる。
【0067】
用語「C
3−7−シクロアルキル」(他の基の部分であるものを含む)は、3〜7個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味する。例には:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルが挙げられる。特記のない限り、環状アルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の中より選択される1個以上の基により置換され得る。
【0068】
用語「C
3−10−シクロアルキル」はまた、3〜7個の炭素原子を有する単環式アルキル基、及びまた7〜10個の炭素原子を有する二環式アルキル基、又は少なくとも一つのC
1−3−炭素橋で架橋された単環式アルキル基も意味する。
【0069】
用語「複素環式環」又は「複素環」は、特記のない限り、酸素、硫黄及び窒素の中より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し得る、5員、6員もしくは7員の飽和、部分飽和又は不飽和複素環式環を意味するが、一方、その環は、炭素原子を介して、又は存在するならば窒素原子を介して分子と結合し得る。用語「飽和複素環式環」は、用語「複素環式環」又は「複素環」に含まれてはいるが、5員、6員又は7員飽和環を指す。例には、以下:
【化13】
が挙げられる。
【0070】
用語「部分飽和複素環基」は、用語「複素環式環」又は「複素環基」に含まれてはいるが、5員、6員又は7員の部分飽和環を指し、これらは1又は2個の二重結合を含有するが、芳香族系が形成されるほど多数の二重結合は生成しない。例には、以下:
【化14】
が挙げられる。
【0071】
用語「複素環式芳香環」、「不飽和複素環基」又は「ヘテロアリール」は、用語「複素環式環」又は「複素環」に含まれてはいるが、酸素、硫黄及び窒素の中より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し得、且つ芳香族系が形成されるほど多数の共役二重結合を含有し得る、5員もしくは6員の複素環式芳香族基又は5員〜10員の二環式ヘテロアリール環を指す。5員又は6員の複素環式芳香族基の例には、以下:
【化15】
が挙げられる。
【0072】
特記のない限り、複素環式環(又は複素環)に、ケト基が提供され得る。例には、以下:
【化16】
が挙げられる。
【0073】
用語「二環式シクロアルキル」は、用語「シクロアルキル」に包含されてはいるが、一般に8員、9員又は10員の二環式炭素環を意味する。例には、以下:
【化17】
が挙げられる。
【0074】
用語「二環式複素環」は、用語「複素環」に既に含まれてはいるが、一般に、酸素、硫黄及び窒素の中より選択される1個以上のヘテロ原子、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、さらにより好ましくは1〜2個、特に1個のヘテロ原子を含有し得る、8員、9員又は10員の二環式環を意味する。この環は、環の炭素原子を介して、又は存在するならば環の窒素原子を介して分子に結合し得る。例には、以下:
【化18】
が挙げられる。
【0075】
用語「二環式アリール」は、用語「アリール」に既に含まれてはいるが、芳香族系を形成するために十分な共役二重結合を含有する5員〜10員の二環式アリール環を意味する。二環式アリールの一例はナフチルである。
【0076】
用語「二環式ヘテロアリール」は、「ヘテロアリール」に既に含まれてはいるが、酸素、硫黄及び窒素の中より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し得、且つ芳香族系を形成するために十分な共役二重結合を含有する、5員〜10員の二環式ヘテロアリール環を意味する。
【0077】
用語「縮合シクロアルキル」又は「縮合アリール」は、用語「二環式シクロアルキル」又は「二環式アリール」に含まれてはいるが、環を区切る架橋が直接単結合を意味する二環式環を意味する。以下:
【化19】
で示されるものは、縮合、二環式シクロアルキルの例である。
【0078】
用語「縮合二環式複素環」又は「縮合二環式ヘテロアリール」は、用語「二環式複素環」又は「二環式ヘテロアリール」に含まれてはいるが、酸素、硫黄及び窒素の中より選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有する、二環式5員〜10員のヘテロ環を意味し、そしてここで、環を区切る架橋は直接単結合を意味する。さらに、「縮合二環式ヘテロアリール」は、芳香族系を形成するために十分な共役二重結合を含有する。例には、ピロリジン、インドール、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリドピリミジン、プテリジン、ピリミドピリミジン、
【化20】
が挙げられる。
【0079】
用語「スピロ基」(スピロ)は、場合により、酸素、硫黄及び窒素の中より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し得る、5員〜10員のスピロ環式環を意味するが、一方、その環は、炭素原子を介して、又はもしあれば窒素原子を介して分子に結合し得る。特記のない限り、スピロ環式環に、オキソ、メチル又はエチル基が付いていてもよい。この例には、以下:
【化21】
が挙げられる。
【0080】
「ハロゲン」は、本発明の範囲内で、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。反対のことを述べていない限り、フッ素、塩素及び臭素が好ましいハロゲンと見なされる。
【0081】
一般式1の化合物は、酸性基、主にカルボキシル基、及び/又は例えば、アミノ官能基のような塩基性基を有し得る。したがって、一般式1の化合物は、内部塩として、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸のような薬学的に使用可能な無機酸もしくは有機酸(例えばマレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸又は酢酸のような)との塩として、又はアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物もしくは炭酸塩、水酸化亜鉛もしくは水酸化アンモニウム、もしくは有機アミン(例えばとりわけジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンのような)のような薬学的に使用可能な塩基との塩として存在し得る。
【0082】
前述のように、式1の化合物は、その塩に、特に薬学的使用のためにその生理学的及び薬理学的に許容し得る塩に変換し得る。これらの塩は、一方で、無機酸又は有機酸と式1の化合物の生理学的及び薬理学的に許容し得る酸付加塩として存在し得る。他方で、式1の化合物は、無機塩基との反応により、対イオンとしてアルカリ金属又はアルカリ土類金属陽イオンとの生理学的及び薬理学的に許容し得る塩に変換し得る。酸付加塩は、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸を使用して調製し得る。上述の酸の混合物を使用することも可能である。式1の化合物のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を調製するために、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物及び水素化物を使用することが好ましく、その中でアルカリ金属、特にナトリウム及びカリウムの水酸化物及び水素化物が好ましく、さらに水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが特に好ましい。
【0083】
一般式1の化合物は、場合により、その塩に、特に薬学的使用のために無機酸又は有機酸との薬理学的に許容し得る酸付加塩に変換し得る。この目的に適する酸の例には、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸又はクエン酸が挙げられる。上述の酸の混合物を使用することも可能である。
【0084】
本発明は、場合により、個別の光学異性体、個別の鏡像異性体の混合物又はラセミ体の形態の、互変異性体の形態の、及び遊離塩基又は薬理学的に許容し得る酸との対応する酸付加塩 − 例えばハロゲン化水素酸 − 例えば塩酸もしくは臭化水素酸 − 又は有機酸 − 例えばシュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸もしくはメタンスルホン酸との酸付加塩の形態の、問題の化合物に関する。
【0085】
本発明による化合物は、場合により、ラセミ体として存在し得るが、しかし純粋な鏡像異性体、すなわち(R)又は(S)の形態で得ることもできる。
【0086】
本発明は、場合により、個別の光学異性体、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、個別の鏡像異性体の混合物又はラセミ体の形態の、互変異性体の形態の、及び遊離塩基又は薬理学的に許容し得る酸との対応する酸付加塩 − 例えばハロゲン化水素酸 − 例えば塩酸もしくは臭化水素酸 − 又は有機酸 − 例えばシュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸もしくはメタンスルホン酸との酸付加塩の形態の、問題となる化合物に関する。
【0087】
本発明は、その薬理学的に許容し得る塩の形態の式1のそれぞれの化合物に関する。式1の化合物のこれらの薬理学的に許容し得る塩はまた、それぞれの水和物(例えば一水和物、二水和物等)の形態で、及びそれぞれの溶媒和物の形態で存在し得る。
【0088】
式1による化合物の水和物は、本発明の目的のために、結晶水を含有する式1による化合物の結晶性塩を意味する。
【0089】
式1による化合物の溶媒和物は、本発明の目的のために、結晶格子中に溶媒分子(例えばエタノール、メタノール等)を含有する、式1による化合物の結晶性塩を意味する。
【0090】
熟練者であれば、水和物及び溶媒和物を得る標準法(例えば、対応する溶媒から又は水からの再結晶)に精通しているであろう。
【0091】
4. 調製方法
本発明による実施例1は、スキーム1a〜1gに従って調製した。
【化22】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において前述のように定義される]。
【0092】
【化23】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において前述のように定義される]。
【0093】
【化24】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において前述のように定義される]。
【0094】
【化25】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において前述のように定義され、そしてR
8は、−(C
1−3−アルキレン)−A及び−Aより選択され、ここで、Aは、本明細書において前述のように定義される]。
【0095】
【化26】
[式中、R
1、R
2、R
3及びR
5は、本明細書において前述のように定義され、そしてR
4は、場合により、R
9で置換され得る5員又は6員の複素環であり、そしてR
9は、−C
1−6−アルキル及びHより、好ましくはメチル及びHより選択される]。
【0096】
【化27】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において前述のように定義され、そしてR
9は、−C
1−6−アルキル及びHより選択される]。
【0097】
【化28】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において前述のように定義される]。
【0098】
4.1 中間生成物
4.1.1 スキーム1aによる式3で示される化合物:実施例17、23、29のための1−(1−イソプロピル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノン(3.1)の合成
【化29】
【0099】
工程1
イソシアノ酢酸エチル5.0mLとtert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン12.5mLとの混合物を、周囲温度で一晩撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、得られた残留物を、シクロヘキサン/酢酸エチル(80:20→65:35)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体I.1を与えた。
収量:7.1g(I.1)(理論値の92%); 分析:[M+H]
+=169
【0100】
工程2
I.1の7.0gとイソプロピルアミン11.0mLとの混合物を、70℃で3時間、そして周囲温度で一晩撹拌した。混合物を水の添加により処理し、続いてジエチルエーテル及びテトラヒドロフランで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/0→95/5)により精製して、中間体I.2を与えた。
収量:6.4g(I.2)(理論値の84%); 分析:[M+H]
+=183
【0101】
工程3
トルエン100mL中のI.2の6.4gの混合物に、鉱油中の水素化ナトリウム(60%)3.0gを50℃で加え、続いて酢酸エチル30mLを加えた。反応混合物を70℃で4時間撹拌し、蒸発させて、化合物I.3を与え、これをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
収量:7.9g(I.3)(粗、理論値の99%); 分析:HPLC−MS(方法B):R
t=0.92分
【0102】
工程4
水10mL及びエタノール80mL中のI.3の7.6gと水酸化カリウム4.5gとの混合物を、還流下、3.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残留物をジクロロメタン及び水で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
収量:3.6g(3.1)(理論値の70%); 分析:[M+H]
+=153; HPLC−MS(方法A):R
t=0.28分
【0103】
4.1.2 スキーム1aによる式3で示される化合物の合成:実施例1のための1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノン(3.2)の合成
【化30】
【0104】
工程1
テトラヒドロフラン30mL中の4−メチル−5−イミダゾールカルボン酸エチル5.4gの撹拌した懸濁液に、鉱油中の水素化ナトリウム(60%)1.4gを周囲温度でアルゴン雰囲気下、少しずつ加えた。気体の発生が止んだ後、ヨウ化メチル2.24mLを0℃で滴下し、次に混合物を周囲温度で一晩撹拌した。沈殿物を濾別し、濾液を濃縮した。得られた残留物を、ジクロロメタン:メタノール(100:0→87:13)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な中間体I.4を与えた。
収量:1.0g(I.4)(理論値の17%); 分析:[M+H]
+=169; HPLC−MS(方法G):R
t=0.76分
【0105】
工程2
I.4の1.0g及びトルエン15mLを、50℃に加熱した。鉱油中の水素化ナトリウム(60%)0.72gを少しずつ加え、続いて酢酸エチル8mLを加え、次に混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸留により除去して、化合物I.5を与え、これをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
分析:[M+H]
+=211; HPLC−MS(方法D):R
t=0.66分
【0106】
工程3
粗I.5をメタノール50mL及び水5mLに取り、水酸化カリウム0.79gで還流下、2時間処理した。溶媒を蒸発させ、残留物をジクロロメタン及び水で抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体3.2を与えた。
収量:0.8g(3.2)(2工程を経て理論値の97%); 分析:[M+H]
+=139; HPLC−MS(方法G):R
t=0.54分
【0107】
4.1.3 スキーム1aによる式3で示される化合物:実施例2〜16、18、19、22、26〜28、32〜101、103〜175のための1−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノン(3.3)の合成
【化31】
トルエン中の1.4M メチルマグネシウムブロミド43.4mLを、ジエチルエーテル70mL中の1−メチル−1H−イミダゾール−カルボニトリル5.0gの混合物に0℃で滴下した。30分後、混合物を周囲温度に温めた。1時間後、反応物を1M HCl水溶液でクエンチし、飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和した。反応混合物をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=98/2)により精製して、中間体3.3を与えた。
収量:4.8g(3.3)(75%含有;理論値の62%); 分析:[M+H]
+=125
【0108】
4.1.4 式4で示される化合物の合成:スキーム1aからの反応2
実施例17、23、29のための3−ジメチルアミノ−1−(1−イソプロピル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロペノン(4.1)の合成
【化32】
3.1の3.6g及びジメトキシメチル−ジメチル−アミン40mLを2日間、還流した。溶媒を蒸留により除去して、残留物をジエチルエーテルでトリチュレートした。沈殿物を濾別して、中間体4.1の2.8gを与えた。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=95/5)により精製して、中間体4.1の0.1gを与えた。
収量:2.9g(4.1)(理論値の59%); 分析:[M+H]
+=208
【0109】
以下のエナミノンは、対応するアミンを用い、3.1及び4.1と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例21、25、31のための3−ジメチルアミノ−1−(1−イソブチル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロペノン(4.2)
収量:1.14g(4.2)(理論値の86%)分析:[M+H]
+=222; HPLC−MS(方法B):R
t=1.03分
実施例20、24、30のための1−(1−シクロプロピル−1H−イミダゾール−4−イル)−3−ジメチルアミノ−プロペノン(4.3)
収量:3.47g(4.3)(理論値の81%); 分析:[M+H]
+=206; HPLC−MS(方法B):R
t=0.87分
実施例102のための3−ジメチルアミノ−1−[1−(2−メトキシ−エチル)−1H−イミダゾール−4−イル)−プロペノン(4.4)
収量:1.59g(4.4)(理論値の79%); 分析:[M+H]
+=224; HPLC−Ms(方法B):R
t=0.78分
【0110】
以下のエナミノンは、ケトン3.2を用い、4.1と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例1のための3−ジメチルアミノ−1−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロペノン(4.5)
収量:0.23g(4.5)(理論値の53%)分析[M+H]
+=194; HPLC−MS(方法G):R
t=0.70分
【0111】
以下のエナミノンは、ケトン3.3を用い、4.1と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例2〜16、18、19、22、26〜28、32〜101、103〜175のための3−ジメチルアミノ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−プロペノン(4.6)
収量:4.08g(4.6)(理論値の49%); 分析:[M+H]
+=180; HPLC−MS(方法J):R
t=1.50分
【0112】
4.1.5 式5で示される化合物の合成:
実施例1、4、5、8、13、23〜25、32〜40、97、100、103〜145、154〜175のための7−メチル−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(5.1)の合成
【化33】
【0113】
工程1
ジオキサン7mL中の(2−メチル−4−ニトロ−フェニル)−ヒドラジン7.6gの撹拌した懸濁液に、ジオキサン7mL中の2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル5.1mLの溶液を加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。有機溶媒を蒸留により除去して、化合物I.6を与え、これをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
収量:12.1g(I.6)(理論値の99%); 分析:[M+H]
+=266; HPLC−MS(方法G):R
t=1.18分
【0114】
工程2
ポリリン酸8.0g中のI.6の1.0gの混合物を、95℃で20分間撹拌した。混合物を氷−水でクエンチした。沈殿物を濾別し、水及びエタノールで洗浄し、乾燥させて、中間体5.1を与えた。
収量:340mg(5.1)(理論値の36%); 分析:[M+H]
+=249; HPLC−MS(方法H):R
t=1.95分
【0115】
以下の中間体を、対応するヒドラジンを用い、5.1と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例3、6、7、11、12、14、17、20、21、26〜31、41〜94、99、102、146〜148、151〜153のための7−クロロ−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(5.2)
収量:36.0g(5.2)(理論値の16%)
1H NMR: DMSO
400 MHz δ=12.900 (s, 1H), 8.664-8.659 (d, J =2Hz, 1H), 8.119-8.113 (d, J =2.4Hz, 1H), 7.488-7.483 (d, J =2.0Hz, 1H), 4.370-4.310 (m, 2H), 1.345-1.309 (t, J =7.2Hz, 3H)
【0116】
以下の化合物は、市販されている:
実施例96、149、150のための5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(5.3)。
実施例9、101のための7−メトキシ−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(5.4)。
【0117】
4.1.6 式5で示される化合物の合成:
実施例6、17、20、21、26〜28、102のための7−クロロ−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(5.5)の合成
【化34】
【0118】
工程1
エタノール280mL中の中間体5.2の18.0g、1M NaOH水溶液45mL及び4M NaOH水溶液22mLの混合物を、65℃で3時間、そして周囲温度で一晩撹拌した。エタノールを蒸留により除去した。残留物を1M HCl水溶液で酸性化し、沈殿物を濾別し、乾燥させた。
収量:15.5g(I.7)(85%含有;理論値の96%); 分析:[M+H]
−=239; HPLC−MS(方法A):R
t=0.75分
【0119】
工程2
I.7の15.5g(85%含有)を、N,N−ジメチルホルムアミド150mL中の[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)24.0g及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン17mLと一緒に周囲温度で撹拌した。5分後、テトラヒドロフラン中の2Mジメチルアミン溶液50mLを加え、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。1M NaOH水溶液及び水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、酸化アルミニウム(Alox)を通して濾過し、メタノールで洗浄し、減圧下で濃縮した。残留物を水でトリチュレートし、濾別し、乾燥させた。
収量:14.0g(5.5)(90%含有;理論値の85%); 分析:[M+H]
+=268; HPLC−MS(方法B):R
t=1.27分
【0120】
以下の中間体を、対応するエステルを用い、5.5と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例1、5、23〜25のための7−メチル−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(5.6)
収量:3.80g(5.6)(理論値の81%); 分析:[M+H]
+=248; [M−H]
−=246
【0121】
以下の中間体を、対応する酸(市販されている)を用いて、5.5と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例2のための5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(5.7)
収量:13.73g(5.7)(理論値の81%); 分析:[M+H]
+=234; HPLC−MS(方法B):R
t=1.15分
【0122】
以下の中間体を、対応するアミンを用いて、5.5と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例29〜31のための(7−クロロ−5−ニトロ−1H−インドール−2イル)−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(5.8)
収量:0.67g(5.8)(理論値の31%); 分析:[M+H]
+=323; HPLC−MS(方法C):R
t=0.93分
【0123】
4.1.7 式5で示される化合物の合成:
実施例27のための7−クロロ−1−メチル−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(5.9)の合成
【化35】
カリウムtert−ブトキシド503mgを、N,N−ジメチルホルムアミド14.5mL中の中間体5.5の1.0gの混合物に加えた。25分後、ヨウ化メチル325μLを加え、次に混合物を、周囲温度で2.5時間、そして70℃で2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、乾燥させた。
収量:845mg(5.9)(理論値の80%); 分析:[M+H]
+=282; HPLC−MS(方法B):R
t=1.29分
【0124】
以下の中間体を、対応するハロゲン化アルキルを用いて、5.9と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例26のための7−クロロ−1−イソブチル−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(5.10)
収量:0.57g(5.10)(理論値の47%); 分析:[M+H]
+=324; HPLC−MS(方法B):R
t=1.50分
【0125】
実施例28のための7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(5.11)
収量:0.17g(5.11)(理論値の14%); 分析:[M+H]
+=326; HPLC−MS(方法B):R
t=1.36分
【0126】
4.1.8 式6で示される化合物の合成:スキーム1aからの反応3
実施例6、17、20、21、102のための5−アミノ−7−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(6.1)の合成
【化36】
メタノール10mL及びテトラヒドロフラン90mL中の5.5の4.96g及び白金担持炭素1.0gの混合物を、周囲温度で3時間水素化した。触媒を濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。
収量:4.0g(6.1)(理論値の91%); 分析:[M+H]
+=238; HPLC−MS(方法L):R
t=1.87分
【0127】
以下の中間体を、対応する中間体5を用いて、6.1と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例29〜31のための(5−アミノ−7−クロロ−1H−インドール−2−イル)−4(−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(6.2)
収量:0.65g(6.2); 分析:[M+H]
+=293; HPLC−MS(方法B):R
t=0.98分
実施例3、7、11、12、14、41〜94、99、146〜148、151〜153のための5−アミノ−7−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(6.3)
収量:1.50g(6.3)(理論値の84%)
実施例27のための5−アミノ−7−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(6.4)
収量:0.76g(6.4)(理論値の100%); 分析:[M+H]
+=252; HPLC−MS(方法C):R
t=0.68
実施例26のための5−アミノ−7−クロロ−1−イソブチル−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(6.5)
収量:0.52g(6.5)(理論値の100%); 分析:[M+H]
+=294; HPLC−MS(方法B):R
t=1.28分
実施例28のための5−アミノ−7−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(6.6)
収量:0.16g(6.6)(理論値の99%); 分析:[M+H]
+=296; HPLC−MS(方法B):R
t=1.36分
【0128】
以下の中間体を、対応する中間体5を用いて、6.1と同様の手順を使用することによって調製した(Pt/Cの代わりにPd/Cを用いる):
実施例1、5、23〜25のための5−アミノ−7−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(6.7)
収量:3.20g(6.7)(理論値の96%); 分析:[M+H]
+=218
実施例4、8、13、32〜40、97、100、103〜145、154〜175のための5−アミノ−7−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(6.8)
収量:3.94g(6.8)(理論値の90%); 分析:[M+H]
+=219; HPLC−MS(方法B):R
t=1.10分
実施例96、149、150のための5−アミノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(6.9)
収量:8.46g(6.9)(理論値の97%); 分析:[M+H]
+=205
実施例2のための5−アミノ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(6.10)
収量:3.70g(6.10)(理論値の90%); 分析:[M+H]
+=204
実施例9、101のための5−アミノ−7−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(6.11)
収量:1.8g(6.11); 分析:[M+H]
+=235
【0129】
4.1.9 式6で示される化合物の合成
実施例10、15、16、18、19、22のための5−アミノ−7−ブロモ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド(6.12)の合成
【化37】
【0130】
工程1
ジオキサン220mL中の(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−ヒドラジン45.0gと2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル22.0mLとの混合物を、周囲温度で2時間撹拌した。有機溶媒を蒸留により除去した。得られた残留物をエチルエーテルでトリチュレートした。沈殿物を濾別し、乾燥させて、化合物I.8の54.0gを与えた。濾液を減圧下で濃縮して、化合物I.8の10.0gを与えた。
収量:64.0g(I.8)(理論値の99%); 分析:[M+H]
+=330; HPLC−MS(方法A):R
t=0.97分
【0131】
工程2
酢酸エチル90mL中のI.8の3.0gとラネーニッケル0.3gとの混合物を、60℃で7時間水素化した。触媒を濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させて化合物I.9を与えた。
収量:3.0g(I.9)(87%含有;理論値の97%); 分析:[M+H]
+=300; HPLC−MS(方法S):R
t=0.60分
【0132】
工程3
N,N−ジメチルホルムアミド100mL中のI.9の6.7gと無水酢酸2.2mLとの混合物を、周囲温度で一晩撹拌した。溶媒を蒸留により除去し、残留物を酢酸エチルに取り、ブラインで洗浄した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
収量:6.65g(I.10)(理論値の87%); 分析:[M+H]
+=342; HPLC−MS(方法B):R
t=1.32分
【0133】
工程4
ポリリン酸110g中の化合物I.10の11.3gの混合物を、90℃で6時間撹拌した。混合物を水でクエンチした。沈殿物を濾別し、乾燥させた。
収量:7.44g(I.11)(理論値の69%); 分析:[M+H]
+=325; HPLC−MS(方法B):R
t=1.24分
【0134】
工程5
エタノール50mL中の化合物I.11の4.0gと4M NaOH水溶液15.4mLとの混合物を、周囲温度で1時間撹拌した。エタノールを蒸留により除去した。残留物を1M HCl水溶液で酸性化し、沈殿物を濾別し、乾燥させた。
収量:3.1g(I.12)(理論値の85%); 分析:[M+H]
+=297; HPLC−MS(方法C):R
t=0.91分
【0135】
工程6
I.12の1.95gを、N,N−ジメチルホルムアミド75mL中の[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)2.11g及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン1.12mLと一緒に、周囲温度で撹拌した。5分後、テトラヒドロフラン中の2M ジメチルアミン溶液50mLを加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を蒸留により除去して、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル=50:50→0:100→酢酸エチル:メタノール 100:0→95:5)により精製した。
収量:1.3g(I.13)(理論値の61%); 分析:[M+H]
+=324; HPLC−MS(方法B):R
t=1.03分
【0136】
工程7
エタノール32mL中のI.13の3.34gと塩酸(32%)6mLとの混合物を、5時間還流した。溶媒を蒸留により除去して、残留物を水に取り、飽和NaHCO
3溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、減圧下で濃縮した。
収量:1.65g(6.12)(理論値の57%); 分析:[M+H]
+=282; HPLC−MS(方法B):R
t=0.96分
【0137】
4.1.10 式7で示される化合物の合成:スキーム1aからの反応4
実施例6、17、20、21、102のための7−クロロ−5−グアニジノ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドトシラート(7.1)の合成
【化38】
ジオキサン50mL中の6.1の1.9gの撹拌した混合物に、p−トルエンスルホン酸1.5g及びシナアミド0.5gを加えた。反応混合物を110℃で2時間、次に周囲温度で3日間撹拌した。沈殿物を濾過し、ジオキサンで洗浄し、乾燥させて、中間体7.1を与えた。
収量:3.2g(7.1)(理論値の89%); 分析:[M+H]
+=280; HPLC−MS(方法E):R
t=1.11分
【0138】
以下の中間体を、対応するアニリン6を用いて、7.1と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例29〜31のためのN−[7−クロロ−2−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−5イル]−グアニジントシラート(7.2)
収量:0.73g(7.2)(理論値の65%); 分析:[M+H]
+=335; HPLC−MS(方法B):R
t=1.10分
実施例3、7、11、12、14、41〜94、99、146〜148、151〜153のための7−クロロ−5−グアニジノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルトシラート(7.3)
収量:3.0g(7.3)(理論値の82%); 分析:[M+H]
+=281/283(Cl); HPLC−MS(方法D):R
t=0.92分
実施例27のための7−クロロ−5−グアニジノ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドトシラート(7.4)
収量:0.72g(7.4)(理論値の52%); 分析:[M+H]
+=294; HPLC−MS(方法B) R
t=1.22分
実施例26のための7−クロロ−5−グアニジノ−1−イソブチル−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドトシラート(7.5)
収量:0.62g(7.5)(理論値の68%); 分析:[M+H]
+=336; HPLC−MS(方法B) R
t=1.28分
実施例28のための7−クロロ−5−グアニジノ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドトシラート(7.6)
収量:0.39g(7.6); 分析:[M+H]
+=338; HPLC−MS(方法B) R
t=1.29分
実施例1、5、23〜25のための5−グアニジノ−7−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドトシラート(7.7)
収量:0.56g(7.7)(理論値の95%); 分析:[M+H]
+=26
実施例4、8、13、32〜40、97、100、103〜145、154〜175のための5−グアニジノ−7−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルトシラート(7.8)
収量:7.70g(7.8)(理論値の95%)
実施例96、149、150のための5−グアニジノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルトシラート(7.9)
収量:7.10g(7.9)(理論値の99%); 分析:[M+
実施例2のための5−グアニジノ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドトシラート(7.10)
収量:3.80g(7.10)(理論値の71%)
実施例9、101のための5−グアニジノ−7−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルトシラート(7.11)
収量:3.42g(7.11)(85%含有、理論値の109%); 分析:[M+H]
+=277
実施例10、15、16、18、19、22のための7−ブロモ−5−グアニジノ−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドトシラート(7.12)
収量:2.22g(7.12)(理論値の76%); 分析:[M+H]
+=324; HPLC−MS(方法B) R
t=1.04分
【0139】
4.1.11 スキーム1bによる式8で示される(又はスキーム1aによる式1で示される)化合物の合成:スキーム1aからの反応5
実施例3、7、11、12、14、41〜94、146〜148、151〜153のための7−クロロ−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸メチルエステル(実施例99)及び7−クロロ−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸(8.1/実施例98)の合成
【化39】
【0140】
工程1
メタノール中の4.6の0.48g、7.3の1.20g及び0.5M ナトリウムメチラート5.0mLの混合物を、マイクロ波照射下、140℃で30分撹拌した。反応混合物をジクロロメタン及びメタノールで希釈し、Aloxを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 100:0→90:10)により精製した。小さな部分をジエチルエーテルでトリチュレートした。沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、実施例99を与えた。
収量:20mg(実施例99)(理論値の2%); 分析:[M+H]
+=383; HPLC−MS(方法D):R
t=1.05分
【0141】
工程2
残留物の残りを、メタノール20mL及びテトラヒドロフラン20mLに取り、1M NaOH水溶液5mLで60℃にて2時間処理した。有機溶媒を蒸留により除去し、残留物を1M HCl水溶液で酸性化した。沈殿物を濾別し、水で洗浄し、乾燥させて、中間体8.1/実施例98を与えた。
収量:180mg(8.1)/実施例98(理論値の18%); 分析:[M+H]
+=369; HPLC−MS(方法D):R
t=0.95分
【0142】
以下の酸を、対応するグアニジン7を用いて、8.1と同様の手順を使用することによって調製した:
実施例9、101のための7−メトキシ−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸(8.2)
実施例4、8、13、32〜40、100、103〜145、154〜175のための7−メチル−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸(8.3/実施例97)
実施例149、150のための5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸(8.4/実施例96)
【0143】
4.1.12 スキーム1cによる式10で示される(又はスキーム1aによる式1で示される)化合物の合成:スキーム1aからの反応5
実施例10、16、18、19、22のための7−ブロモ−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドの合成(10.1/実施例15)
【化40】
【0144】
N,N−ジメチルホルムアミド30mL中の4.6の1.6g、7.12の2.2g及びカリウムtert−ブトキシド2.5gの混合物を、マイクロ波照射下、150℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 100:0→90:10)により精製して、中間体10.1/実施例15を与えた。
収量:670mg(10.1)/実施例15(理論値の34%); 分析:[M+H]
+=440; HPLC−MS(方法C):R
t=0.97分
【0145】
4.1.13 スキーム1bによる式9で示されるアミンの合成:
実施例87のためのcis−4−(2−ジメチルアミノ−エチル)−シクロヘキシルアミン(9.1)の合成
【化41】
【0146】
工程1
cis−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−シクロヘキシル)−酢酸3.0gを、テトラヒドロフラン40mL中の[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)4.0g及びトリエチルアミン1.45mLと一緒に周囲温度で撹拌した。1時間後、テトラヒドロフラン中の2M ジメチルアミン溶液15.5mLを加え、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸カリウム水溶液、1M HCl水溶液及びブラインで洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
収量:3.2g(I.14)(理論値の98%); 分析:[M+H]
+=318
【0147】
工程2
メタノール70mL中のI.14の3.2gとパラジウム担持炭素0.4gとの混合物を、周囲温度で水素化した。触媒を濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。
収量:2.0g(I.15)(粗、理論値の99%); 分析:[M+H]
+=185
【0148】
工程3
テトラヒドロフラン15mLを60℃に加熱した。水素化アルミニウムリチウム1.24gを加え、60℃で10分撹拌し、次にテトラヒドロフラン15mL中のI.15(粗)の2.0gを滴下し、反応混合物を60℃で4時間、そして周囲温度一晩撹拌した。混合物を水及び1M NaOH水溶液でクエンチし、Celiteを通して濾過し、テトラヒドロフランで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。
収量:1.6g(9.1)(理論値の87%); 分析:[M+H]
+=171
【0149】
4.1.14 スキーム1bによる式9で示されるアミンの合成:
実施例34、49、150のための1−メチル−4−オキサ−1,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−2−オン塩酸塩(9.2)の合成
【化42】
【0150】
工程1
tert−アミルアルコール70mL中の2−オキソ−4−オキサ−1,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル6.7gの溶液に、カリウムtert−ブトキシド4.17gを、次にヨードメタン2.3mLを加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物に、ヨードメタン1.5mLを加え、それを周囲温度で1.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残留物を高温の酢酸エチルでトリチュレートし、沈殿物を濾別し、ジクロロメタンでトリチュレートし、濾別した。合わせた濾液を蒸発させた。残留物を酢酸エチルで再結晶化した。沈殿物を濾別し、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0→96:4)により精製して、純粋な化合物I.16を得た。
収量:5.7g(I.16)(理論値の81%); 分析:[M+H]
+=285
【0151】
工程2
ジオキサン15mL中のI.16の5.7gの溶液に、ジオキサン中の4M 塩酸22.5mLを加えた。反応混合物を周囲温度で2日間撹拌し、次にジイソプロピルエーテルで希釈した。沈殿物を濾別し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥させた。
収量:4.4g(9.2)(理論値の99%); 分析:[M+H]
+=185
【0152】
4.1.15 スキーム1bによる式9で示されるアミンの合成:
実施例70のための4−(3−メトキシ−アゼチジン−1−イル)−ピペリジン(9.3)の合成
【化43】
【0153】
工程1
テトラヒドロフラン20mL中の1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ピペリジノン5.0gと3−メトキシ−アゼチジン塩酸塩2.9gとの混合物を、氷酢酸(pH5〜6)で酸性化し、周囲温度で40分間撹拌した。混合物を氷で冷却し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム7.8gを加え、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物を炭酸カリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
収量:6.5g(I.17)(理論値の99%); 分析:[M+H]
+=305; HPLC−MS(方法P) R
t=0.90分
【0154】
工程2
メタノール20mL中のI.17の6.5gとパラジウム担持炭素0.8gとの混合物を、周囲温度で15時間水素化した。触媒を濾過により除去し、溶媒を減圧下で蒸発させた。
収量:3.55g(9.3)(理論値の98%); 分析:[M+H]
+=171; HPLC−MS(方法Q) R
t=0.90分
【0155】
4.1.16 スキーム1bによる式9で示されるアミンの合成:
実施例113のための1−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン塩酸塩(9.4)の合成
【化44】
【0156】
工程1
エタノール10mL中の3−ジメチルアミノメチレン−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.0gとシュウ酸イソプロピルヒドラジン0.8gとの混合物を、マイクロ波照射下、140℃で5分間撹拌した。溶媒を蒸留により除去した。残留物を酢酸エチルに取り、水で抽出した。合わせた有機相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。
収量:940mg(I.18)(理論値の90%); 分析:[M+H]
+=266; HPLC−MS(方法R) R
t=1.29分
【0157】
工程2
ジクロロメタン100mL中のI.18の2.2gの溶液に、ジエチルエーテル中の2M HCl溶液16mLを0℃で加えた。得られた混合物を周囲温度で4日間撹拌した。溶媒を蒸留により除去して、粗中間体9.4を与えた。
収量:2.1g(9.4)(粗、理論値の100%); 分析:[M+H]
+=166
【0158】
以下の化合物の合成は、文献に記載されている:
実施例58のための3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イルアミン(9.5): Journal of Heterocyclic Chemistry, 1971, 第8巻, 779頁及びWO2008/80891
実施例89のための(R)−3−(3−フルオロピロリジン−1−イル)プロパン−1−アミン(9.6):WO 2009053737 A2
その他すべて使用されるアミン(9)は、市販されている。
【0159】
4.2 式1の実施例の合成
4.2.1 スキーム1aからの反応5
実施例1: 5−[4−(1,5−ジメチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−7−メチル−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド
【化45】
メタノール2mL中の4.5の42.5mg、7.7の80.0mg及びナトリウムメチラート10.8mgの混合物を、マイクロ波照射下、140℃で60分撹拌した。得られた混合物を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発させた。残留物をアセトニトリル/水 1/1に溶解し、凍結乾燥して、実施例1を得た。
収量:12mg(実施例1)(理論値の14%); 分析[M+H]
+=390; HPLC−MS(方法D) R
t=0.96分
【0160】
4.2.2 スキーム1bからの反応6
実施例7: 7−クロロ−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド
【化46】
8.1の74mgを、N,N−ジメチルホルムアミド2mL中の[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)64mg及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン69μLと一緒に周囲温度で撹拌した。10分後、テトラヒドロフラン中の2M メチルアミン溶液0.5mLを加え、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。得られた混合物を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発させた。残留物をアセトニトリル/水 1/1に溶解し、凍結乾燥して、実施例7を得た。
収量:30mg(実施例7)(理論値の39%); 分析:[M+H]
+=382; HPLC−MS(方法E):R
t=1.43分
【0161】
4.2.3 スキーム1cからの反応7
実施例19: 5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−7−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド
【化47】
ジオキサン400μL及び水200μL中の10.1の50.0mg、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1Hピラゾール23.6mg、1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)8.3mg及び炭酸カリウム23.5mgの混合物を、マイクロ波照射下、アルゴン雰囲気下、100℃で15分間撹拌した。溶媒を蒸留により除去して、残留物を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を濃縮し、凍結乾燥して、実施例19を得た。
収量:43mg(実施例19)(理論値の86%); 分析[M+H]
+=442; HPLC−MS(方法F) R
t=0.52分
【0162】
4.2.4 スキーム1dからの反応8
実施例22: 7−(フラン−2−イルメチルスルファニル)−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミド
【化48】
ジオキサン0.5mL中の10.1の50.0mg、フラン−2−イル−メタンチオール12.7μL、10.4mgトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、キサントホス(Xantphos)6.6mg及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン40μLの混合物を、アルゴン雰囲気下、110℃で1.5時間撹拌した。溶媒を蒸留により除去して、残留物を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を濃縮し、凍結乾燥して、実施例22を得た。
収量:38mg(実施例22)(理論値の71%); 分析[M+H]
+=474; HPLC−MS(方法F) R
t=0.60分
【0163】
4.2.5 スキーム1eからの反応9
実施例171: [4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イル]−[7−メチル−2−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−1H−インドール−5−イル]−アミン
【0164】
【化49】
【0165】
工程1
8.3の70mgを、N,N−ジメチルホルムアミド1mL中の[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)64mg及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン69μLと一緒に周囲温度で撹拌した。10分後、N−ヒドロキシアセトアミジン15mgを加え、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌して、化合物I.18を与え、これをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
【0166】
工程2
反応混合物(I.18を含有する)を、115℃で2時間撹拌した。得られた混合物を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発させた。残留物をアセトニトリル/水 1/1に溶解し、凍結乾燥して、実施例171を得た。
収量:25mg(実施例171)(理論値の32%); 分析:[M+H]
+=387; HPLC−MS(方法D):R
t=1.07分
【0167】
4.2.6 スキーム1fからの反応10
実施例174及び175: 7−メチル−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸N’−ヒドロキシメチル−ヒドラジド及び[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イル]−[7−メチル−2−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1H−インドール−5−イル]−アミン
【化50】
【0168】
工程1
8.3の279mgを、N,N−ジメチルホルムアミド4mL中の[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)257mg及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン275μLと一緒に周囲温度で撹拌した。10分後、ギ酸ヒドラジド48mgを加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。得られた混合物を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発させ、沈殿している生成物を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥させて、実施例174を与えた。
収量:150mg(実施例174)(理論値の48%); 分析:[M+H]
+=391; HPLC−MS(方法G):R
t=0.72分
【0169】
工程2
実施例174の40mgとオキシ塩化リン500μLとの混合物を、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発させた。残留物をアセトニトリル/水 1/1に溶解し、凍結乾燥させて、実施例175を得た。
収量:15mg(実施例175)(理論値の39%); 分析:[M+H]
+=373; HPLC−MS(方法D):Rt=0.94分
【0170】
4.2.7 スキーム1gからの反応11
実施例4: 7−メチル−5−[4−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−ピリミジン−2−イルアミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸アミド
【化51】
【0171】
工程1
8.3の261mgを、N,N−ジメチルホルムアミド20mL中の[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)241mg及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン258μLと一緒に周囲温度で撹拌した。10分後、2,4−ジメトキシ−ベンジルアミン125mgを加え、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、沈殿物を濾別して、化合物I.19を与え、これをさらなる精製をせずに次の工程で使用した。
分析:[M+H]
+=498; HPLC−MS(方法D):R
t=1.16分
【0172】
工程2
粗化合物I.19をジクロロメタン10mLに取り、トリフルオロ酢酸10mLで周囲温度にて2時間処理した。溶媒を蒸留により除去して、残留物を水でトリチュレートした。沈殿物を濾別し、濾液を分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発させて、実施例4を得た。
収量:160mg(実施例4)(理論値の61%); 分析:[M+H]
+=348; HPLC−MS(方法D):R
t=0.82分
【0173】
4.3 クロマトグラフィー法(HPLC−MS法)
前記の合成スキームに従って調製した実施例の化合物を、下記のクロマトグラフィー法(それらが実施された場合、表1に個々に詳細に記載されている)により特徴付けた。
【0174】
方法A:
DA検出器及びMS検出器を備えたWaters Acquity
溶離剤A:水(+0.13%TFA)
溶離剤B:メタノール(+0.05%TFA)
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 99 1 1.3
0.05 99 1 1.3
1.05 0 100 1.3
1.20 0 100 1.3
【0175】
使用した固定相は、Waters XBridge BEH C18、2.1×30mm、1.7μm、カラム温度:60℃であった。
【0176】
方法B:
DA検出器及びMS検出器を備えたWaters Alliance
溶離剤A:水(+0.1%NH
4OH)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 4
0.20 95 5 4
1.50 0 100 4
1.75 0 100 4
【0177】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0178】
方法C:
DA検出器及びMS検出器を備えたWaters Alliance
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 4
1.60 0 100 4
1.85 0 100 4
1.90 95 5 4
【0179】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、4.6×30mm、3.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0180】
方法D:
DA検出器及びMS検出器を備えたAgilent 1200
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.8
0.25 95 5 1.8
1.70 0 100 1.8
1.75 0 100 2.5
1.90 0 100 2.5
【0181】
使用した固定相は、Waters Sunfire C18、3×30mm、2.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0182】
方法E:
Waters ZQ2000 MS; Alliance 2695 HPLCポンプ、PDA2996 210〜500nm 検出器、Waters 2700 AS
溶離剤A:水(+0.01%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 80 20 2
1.70 0 100 2
2.50 0 100 2
2.60 80 20 2
【0183】
使用した固定相は、Waters Sunfire C18、4.6×50mm、3.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0184】
方法F:
DA検出器及びMS検出器を備えたWaters Acquity
溶離剤A:水(+0.01%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.4
0.05 95 5 1.4
1.00 0 100 1.4
1.10 0 100 1.4
【0185】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、2.1×20mm、2.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0186】
方法G:
DA検出器及びMS検出器を備えたAgilent 1200
溶離剤A:水(+0.01%NH
4OH)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 2.2
0.30 95 5 2.2
1.50 0 100 2.2
1.55 0 100 2.9
1.70 0 100 2.9
【0187】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、3×30mm、2.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0188】
方法H:
DA検出器及びMS検出器を備えたWaters 1525
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 4
0.05 95 5 3
2.05 0 100 3
2.10 0 100 4.5
2.40 0 100 4.5
【0189】
使用した固定相は、Waters Sunfire C18、4.6×30mm、2.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0190】
方法I:
Waters ZQ2000 MS; Alliance 2790 HPLCポンプ、PDA2996 210〜500nm検出器、Waters 2700 AS
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 80 20 2
1.70 0 100 2
2.50 0 100 2
2.60 80 20 2
【0191】
使用した固定相は、Waters Sunfire C18、4.6×50mm、3.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0192】
方法J:
Waters ZQ2000 MS; Agilent HP100、バイナリポンプ、DAD 210〜500nm 検出器、Waters 2700AS
溶離剤A:水(+0.01%NH
4OH)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.5
2.00 0 100 1.5
【0193】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、4.6×50mm、3.5μm、カラム温度:40℃であった。
【0194】
方法K:
Waters ZQ2000 MS; Agilent HP100、バイナリポンプ、DAD 210〜500nm 検出器、Gilson 215AS
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:アセトニトリル(+0.08%TFA)
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.5
2.00 0 100 1.5
2.50 0 100 1.5
2.60 95 5 1.5
【0195】
使用した固定相は、Waters Sunfire C18、4.6×50mm、3.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0196】
方法L:
Waters ZQ2000 MS; Agilent HP100、バイナリポンプ、DAD 210〜500nm 検出器、Waters 2700AS
溶離剤A:水(+0.032%NH
4OH)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.5
2.00 0 100 1.5
【0197】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、4.6×50mm、3.5μm、カラム温度:40℃であった。
【0198】
方法M:
Waters ZQ2000 MS; Agilent HP100、バイナリポンプ、DAD 210〜500nm 検出器、Gilson 215AS
溶離剤A:水(+0.1%NH
4OH)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 80 20 2
1.70 0 100 2
2.50 0 100 2
2.60 80 20 2
【0199】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、4.6×50mm、3.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0200】
方法N:
Waters SQD MS; Acquity UPLCポンプ、DAD 210〜500nm 検出器
溶離剤A:水(+0.1%NH
4OH)
溶離剤B:アセトニトリル
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.5
0.70 0 100 1.5
0.80 0 100 1.5
0.81 95 5 1.5
1.90 95 5 0.2
2.00 0 100 0.2
3.00 0 100 0.2
【0201】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、2.1×50mm、1.7μm、カラム温度:60℃であった。
【0202】
方法O:
Waters ZQ2000 MS; Agilent HP100、バイナリポンプ、DAD 210〜500nm 検出器、Gilson 215AS
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 80 20 2
1.70 0 100 2
2.50 0 100 2
2.60 80 20 2
【0203】
使用した固定相は、Waters Sunfire C18、4.6×50mm、3.5μm、カラム温度:60℃であった。
【0204】
方法P:
Agilent 1100 MS; Agilent HP1100、バイナリポンプ、254nm + 230nm
溶離剤A:水(+0.1%ギ酸)
溶離剤B:アセトニトリル(+0.1%ギ酸)
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.6
0.10 95 5 1.6
1.75 5 95 1.6
1.90 5 95 1.6
1.95 95 5 1.6
2.00 95 5 1.6
【0205】
使用した固定相は、Agilent Stable Bond C18、3.0×30mm、1.8μm、カラム温度:25℃であった。
【0206】
方法Q:
Agilent 1200 MS; Agilent HP1200、バイナリポンプ、254nm + 230nm
溶離剤A:水(+0.1%NH
4OH)
溶離剤B:アセトニトリル(+0.1%NH
4OH)
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 1.4
1.80 10 90 1.4
2.00 10 90 1.4
2.20 95 5 1.4
【0207】
使用した固定相は、Waters XBridge C18、3.0×30mm、2.5μm、カラム温度:25℃であった。
【0208】
方法R:
Waters ZQ MS; Waters 2690/2695、DAD 210〜500nm 検出器、Waters 2700AS
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:アセトニトリル(+0.1%TFA)
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 95 5 2.5
0.20 95 5 2.5
1.50 2 98 2.5
1.70 2 98 2.5
1.90 95 5 2.5
2.20 95 5 2.5
【0209】
使用した固定相は、Merck Chromolith TM Flash RP-18e、4.6×25mm、カラム温度:25℃であった。
【0210】
方法S:
DA検出器及びMS検出器を備えたWaters Acquity
溶離剤A:水(+0.1%TFA)
溶離剤B:メタノール
時間[分] %A %B 流速[mL/分]
0.00 99 1 1.5
0.05 99 1 1.5
1.05 0 100 1.5
1.20 0 100 1.5
【0211】
使用した固定相は、Waters XBridge BEH C18、2.1×30mm、1.7μm、カラム温度:60℃であった。
【0212】
5. 実施例
以下の実施例を、上記の合成方法と同様にして調製した。これらの化合物は、Syk阻害剤として適切であり、且つインビトロで測定した1μM以下のIC
50値を有する。IC
50値は、以下の表1中に示すが、それらは下記のように実験的に決定した:
【0213】
インビトロSykキナーゼ試験
組換えヒトSyk(アミノ酸342〜635)を、N−末端GSTタグを有する融合タンパク質として発現させ、親和性精製し、そして試験緩衝液(25mM HEPES pH7.5; 25mM MgCl
2; 5mM MnCl
2; 50mM KCl; 0.2%BSA又は0.2%HAS又は1%HASのいずれか(使用するアッセイに依存して実施例毎に変化する、詳細については表1を参照のこと); 0.01% CHAPS; 100μM Na
3VO
4; 0.5mM DTT)及び10%グリセロール中に、使用するまでおよそ50〜100μMの濃度で−80℃にて急速凍結した。
【0214】
Kinase Glo(登録商標)発光キナーゼ試験(Promega; V6712)を使用してGST−Sykキナーゼ融合タンパク質の触媒活性を決定した。この均一試験では、キナーゼ反応が起こった後に残るATPの量を、発光を利用したルシフェリン−ルシフェラーゼ反応により定量する。得られた発光シグナルは、依然として存在するATPの量と相関することから、プロテインキナーゼの活性と逆相関する。
【0215】
方法
被験化合物を濃度10mMで100%DMSOに溶解させ、DMSOで希釈して濃度1mMとした。濃度が最終試験濃度の7.5倍超に達するまで、さらなる物質の希釈は、全て試験緩衝液中に7.5%のDMSO濃度で実施した(化合物の最終濃度:30μM〜1nM)。これらの希釈物の2μLアリコートを、384ウェルOptiplate(Perkin Elmer、# 6007290)に移した。GST−Sykを試験緩衝液で6.0nMに希釈し、この希釈液の10μLをキナーゼ試験に使用した(総容量15μL中のSykの終濃度=4nM)。室温で15分間インキュベーションした後で、試験緩衝液中の750nM ATP及び100μg/mL ポリ(L−グルタミン酸L−チロシン 4:1)、Fluka# 81357)の混合物3μLを各ウェルに添加し、インキュベーションを室温でさらに60分間継続した。
【0216】
陽性対照は、被験物質を含有しない反応混合物であり;陰性対照(空試験)は、キナーゼを含有しない反応混合物である。
【0217】
60分後に、10μLのKinase-Glo(登録商標)溶液(Promega、カタログ# V6712)(室温に加熱)を各ウェルに添加し、インキュベーションをさらに15分間継続した。Microplate Scintillation及びLuminescence Counter(Canberra Packard GmbH)でプレートを読み取った。
【0218】
データの評価及び計算:
「Counter」の出力ファイルは、ウェル番号及び2つのカラム中の測定値を有するテキストファイルである。データの評価及び計算のために、陰性対照の測定値を100%阻害に設定し、陽性対照の測定値を0%阻害に設定した。この値に基づいて、「MS-Excel - VBマクロ」を使用して、各物質濃度の測定値についての%固有値を計算した。通常、計算された%阻害値は、100%〜0%の間の阻害値であるが、しかし個別の場合では、値がこれらの限度を超えることもあり得る。IC
50値は、「GraphPadPrism」ソフトウェア(バージョン5)(GraphPad Software Inc.)を使用して%阻害値から計算した。
【0219】
式1:
【化52】
で示される、下記の特性を有する下記の実施例を、上記の合成方法に従って調製した:
【0220】
表1: 実施例化合物、それらの実験的に決定されたIC
50値、及びそれら調製方法の詳細
【表1】
【0221】
6. 適用
明らかになったように、式1の化合物は、治療分野におけるその用途の範囲を特徴とする。本発明による式1の化合物が、好ましくは、Syk阻害剤としてその薬学的活性に基づき使用される用途を、特に挙げるべきである。例には、呼吸器の病訴、アレルギー疾患、骨粗鬆症、胃腸疾患又は病訴、免疫性又は自己免疫疾患、アレルギー疾患、炎症性疾患、例えば関節、皮膚及び眼の炎症性疾患、ならびに末梢又は中枢神経系の疾患が挙げられる。
【0222】
気道の、粘液生成増加、炎症及び/又は閉塞疾患を合併する、呼吸器及び肺疾患の予防及び治療を特に挙げるべきである。これらの例には、喘息、小児喘息、ARDS(成人呼吸促迫症候群)、急性、アレルギー性もしくは慢性気管支炎、自己免疫性溶血性貧血、慢性閉塞性気管支炎(COPD)(ライノウイルス誘導性増悪の処置を含む)、咳、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、慢性鼻炎又は副鼻腔炎、肺胞炎、農夫肺、過反応性気道、感染性気管支炎又は肺臓炎、気管支拡張症、肺線維症、気管支浮腫、肺浮腫、肺炎又は間質性肺炎(誤嚥、有毒ガスの吸入又は気管支炎のような様々な原因により誘発される)、肺炎又は間質性肺炎(心不全、放射線照射、化学療法、嚢胞性線維症又は嚢胞性膵臓線維症、α1−アンチトリプシン欠損症により誘発される)が挙げられる。
【0223】
本発明による化合物はまた、好ましくは、例えばアレルギー性鼻炎、アレルギー性鼻炎結膜炎、アレルギー性結膜炎、及び接触皮膚炎、蕁麻疹/血管性浮腫及びアレルギー性皮膚炎のようなアレルギー疾患の処置にも適する。
【0224】
好ましくは、消化管の炎症性疾患の処置も挙げるべきである。これらの例は、クローン病及び潰瘍性大腸炎である。
【0225】
本発明による化合物はまた、好ましくは、関節、血管及び腎臓の炎症性疾患、又は皮膚及び眼の炎症性疾患の処置にも適する。これらの例は、関節リウマチ、抗体性糸球体腎炎、乾癬、川崎症候群、セリアック病(スプルー)、動脈硬化症及びウェゲナー肉芽腫症である。
【0226】
本発明による化合物はまた、好ましくは、自己免疫疾患の処置にも適する。これらの例は、肝炎(自己免疫性)、エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、ベルジェ病、エバンス症候群、免疫性溶血性貧血、ITP(特発性血小板減少性紫斑病;成人、新生児及び小児)、重症筋無力症、シェーグレン症候群、強皮症、水疱性類天疱瘡及び尋常性天疱瘡である。
【0227】
本発明による化合物はまた、好ましくは、B細胞リンパ腫(慢性リンパ性白血病及び非ホジキンリンパ腫のような)又はT細胞リンパ腫の処置にも適する。
【0228】
好ましくは、末梢又は中枢神経系の疾患の予防及び治療も挙げ得る。これらの例は、急性及び慢性多発性硬化症又は非家族性側索硬化症である。
【0229】
好ましくは、例えば疾患関連の骨減少症、骨粗鬆症及び溶骨性疾患のような骨粗鬆症性疾患の予防及び治療も挙げ得る。
【0230】
本発明は、特に好ましくは、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、ITP、関節リウマチ及びアレルギー性鼻炎結膜炎の中より選択される疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、式1の化合物の使用に関する。
【0231】
最も好ましくは、式1の化合物は、喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、アレルギー性皮膚炎及びCOPDの中より選択される疾患の処置のために使用し得る。
【0232】
7. 組合せ
式1の化合物は、単独で又は本発明による式1の他の活性物質と共に使用し得る。式1の化合物はまた、場合により、他の薬理学的活性物質と共に使用し得る。好ましくは、ここで使用される活性物質は、例えば、βミメティック、抗コリン薬、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、LTD4アンタゴニスト、EGFR阻害剤、MRP4阻害剤、ドーパミンアゴニスト、H1抗ヒスタミン薬、PAFアンタゴニスト、iNos阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤(スタチン)、PI3キナーゼ−阻害剤、CCR3アンタゴニスト、CCR2アンタゴニスト、CCR1アンタゴニスト、IKK2阻害剤、A2aアゴニスト、α−4インテグリン阻害剤、CRTH2アンタゴニスト、ヒスタミン1、複合H1/H3アンタゴニスト、p38キナーゼ阻害剤、メチルキサンチン、ENaC阻害剤、CXCR1アンタゴニスト、CXCR2アンタゴニスト、ICE阻害剤、LTB4アンタゴニスト、5−LOアンタゴニスト、FLAPアンタゴニストの中より選択し得る。LTB4アンタゴニスト;クロモグリシン(cromoglycine)、解離グルココルチコイドミメティック、抗TNF抗体、抗GM−CSF抗体、抗CD46抗体、抗IL−1抗体、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL_18抗体、抗CD30 L抗体、抗Ox40L抗体、抗IL−4/IL−13抗体、又はそれらの二つもしくは三つの組合せ、例えば、
・ 式1のSyk阻害剤、βミメティック、副腎皮質ステロイド、EGFR阻害剤及びPDE4アンタゴニスト、
・ 式1のSyk阻害剤、抗コリン薬、βミメティック、副腎皮質ステロイド、EGFR阻害剤及びPDE4アンタゴニスト、
・ 式1のSyk阻害剤、PDE4阻害剤、副腎皮質ステロイド及びEGFR阻害剤、
・ 式1のSyk阻害剤、EGFR阻害剤及びPDE4阻害剤、
・ 式1のSyk阻害剤及びEGFR阻害剤、
・ 式1のSyk阻害剤、βミメティック及び抗コリン薬、
・ 式1のSyk阻害剤、抗コリン薬、βミメティック、副腎皮質ステロイド及びPDE4阻害剤
・ 式1のSyk阻害剤、抗コリン薬、βミメティック、副腎皮質ステロイド、iNOS阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤
の中より選択される一つ、二つ又は三つの化合物の組合せ。
【0233】
上記化合物分類の一つからそれぞれ採用した三つの活性物質の組合せもまた、本発明の目的である。
【0234】
使用される適切なβミメティックは、好ましくは、アルホルモテロール(arformoterol)、カルモテロール(carmoterol)、ホルモテロール(formoterol)、インダカテロール(indacaterol)、サルメテロール(salmeterol)、アルブテロール(albuterole)、バンブテロール(bambuterol)、ビトルテロール(bitolterol)、ブロキサテロール(broxaterol)、カルブテロール(carbuterol)、クレンブテロール(clenbuterol)、フェノテロール(fenoterol)、ヘキソプレナリン(hexoprenalin)、イブテロール(ibuterol)、イソエタリン(isoetharin)、イソプレナリン(isoprenalin)、レボサルブタモール(levosalbutamol)、マブテロール(mabuterol)、メルアドリン(meluadrin)、メタプロテレノール(metaproterenol)、ミルベテロール(milveterol)、オルシプレナリン(orciprenalin)、ピルブテロール(pirbuterol)、プロカテロール(procaterol)、レプロテロール(reproterol)、リミテロール(rimiterol)、リトドリン(ritodrin)、サルメファモール(salmefamol)、ソテレノール(soterenol)、スルホンテロール(slphonterol)、テルブタリン(terbutalin)、チアラミド(tiaramide)、トルブテロール(tolubuterol)、ジンテロール(zinterol)、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;8−{2−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;8−{2−[2−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;8−{2−[2−(4−フルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド;N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−6−フルオロ−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド;N−(5−{2−[3−(4,4−ジエチル−6−メトキシ−2−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−1,1−ジメチル−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド;N−(5−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−4,4−ジプロピル−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−2−ヒドロキシ−フェニル)−メタンスルホンアミド;8−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;8−{2−[1,1−ジメチル−3−(6−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;8−{2−[1,1−ジメチル−3−(2−オキソ−5−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;8−{2−[1,1−ジメチル−3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]−オキサジン−3−オン;N−[2−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド;8−ヒドロキシ−5−((1R)−1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン;8−ヒドロキシ−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン;5−[(1R)−2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン;[3−(4−{6−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−ウレア;4−((1R)−2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール;3−(4−{6−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;3−(3−{7−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンゼンスルホンアミド;4−((1R)−2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール;4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−エトキシ]−ヘキシル−アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール;ビランテロール(Vilanterol);N−1−アダマンタニル−2−{3−[(2R)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}−アセトアミド;2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−3−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−N−[4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−ビニル−ペンタ−2,4−ジエニル]−アセトアミド;(1R)−5−{2−[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニル−エトキシ)−ヘキシルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン;(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;(R,S)−4−(2−{[4,4−ジフルオロ−6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)−フェノール;(R,S)−4−(2−{[6−(4,4−ジフルオロ−4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシ−メチル)フェノール;(R,S)−5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン;(R,S)−[2−({6−[2,2−ジフルオロ−2−(3−メチルフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;4−(1R)−2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]−アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;(R,S)−2−(ヒドロキシメチル)−4−(1−ヒドロキシ−2−{[4,4,5,5−テトラフルオロ−6−(3−フェニルプロポキシ)−ヘキシル]アミノ}エチル)フェノール;(R,S)−[5−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド;(R,S)−4−[2−({6−[2−(3−ブロモフェニル)−2,2−ジフルオロエトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシメチル)−フェノール;(R,S)−N−[3−(1,1−ジフルオロ−2−{[6−({2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]−エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]−ウレア;3−[3−(1,1−ジフルオロ−2−{[6−({2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]イミダゾリジン−2,4−ジオン;(R,S)−4−[2−({6−[2,2−ジフルオロ−2−(3−メトキシフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−(ヒドロキシ−メチル)フェノール;5−((1R)−2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン;4−((1R)−2−{[4,4−ジフルオロ−6−(4−フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;(R,S)−4−(2−{[6−(3,3−ジフルオロ−3−フェニルプロポキシ)ヘキシル]−アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;(R,S)−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエトキシ)−4,4−ジフルオロヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;(R,S)−4−(2−{[6−(2,2−ジフルオロ−3−フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;3−[2−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−プロピオンアミド;N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−3−(2−ナフタレン−1−イル−エトキシ)−プロピオンアミド;7−[2−(2−{3−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピルスルファニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オンの中より選択される化合物、場合により、そのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、及び場合により、薬理学的に許容し得る酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態である。
【0235】
本発明によると、βミメティックの酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートの中より選択される。上記酸付加塩のうち、塩酸、メタンスルホン酸、安息香酸及び酢酸の塩が、本発明により、特に好ましい。
【0236】
使用される抗コリン薬は、好ましくは、
チオトロピウム塩、特に臭化物塩、オキシトロピウム塩、特に臭化物塩、フルトロピウム塩、特に臭化物塩、イプラトロピウム塩、特に臭化物塩、アクリジニウム塩、特に臭化物塩、グリコピロニウム塩、特に臭化物塩、トロスピウム塩、特に塩化物塩、トルテロジン、(3R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン−塩;2,2−ジフェニルプロピオン酸トロペノールエステル−メトブロミド;2,2−ジフェニルプロピオン酸スコピンエステル−メトブロミド;2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸スコピンエステル−メトブロミド;2−フルオロ−2,2−ジフェニル酢酸トロペノールエステル−メトブロミド;3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸トロペノールエステル−メトブロミド;3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジル酸スコピンエステル−メトブロミド;4,4’−ジフルオロベンジル酸トロペノールエステル−メトブロミド;4,4’−ジフルオロベンジル酸スコピンエステル−メトブロミド;3,3’−ジフルオロベンジル酸トロペノールエステル−メトブロミド;3,3’−ジフルオロベンジル酸スコピンエステル−メトブロミド;9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステル−メトブロミド;9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステル−メトブロミド;9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステル−メトブロミド;9−フルオロ−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステル−メトブロミド;9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸トロペノールエステル−メトブロミド;9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸スコピンエステル−メトブロミド;ベンジル酸シクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド;2,2−ジフェニルプロピオン酸シクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド;9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド;9−メチル−フルオレン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド;9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド;9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド;4,4’−ジフルオロベンジル酸メチルエステルシクロプロピルトロピンエステル−メトブロミド;9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステル−メトブロミド;9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステル−メトブロミド;9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステル−メトブロミド;9−メチル−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステル−メトブロミド;9−エチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステル−メトブロミド;9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボン酸トロペノールエステル−メトブロミド;9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボン酸スコピンエステル−メトブロミド;
3−[2−(3−クロロ−フェニル)−エトキシ]−N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−プロピオンアミド;
N−(2−ジエチルアミノ−エチル)−N−{2−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エチルアミノ]−エチル}−3−(2−ナフタレン−1−イル−エトキシ)−プロピオンアミド;
7−[2−(2−{3−[2−(2−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−プロピルスルファニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾール−2−オン及びダロトロピウム(Darotropium)
の中より選択される化合物、場合により、その溶媒和物又は水和物の形態のものである。
【0237】
上記塩の中で、陽イオンである、チオトロピウム、オキシトロピウム、フルトロピウム、イプラトロピウム、グリコピロニウム、アクリジニウム(aclidinium)及びトロスピウムは、薬理学的活性成分である。陰イオンとして、上記塩は、好ましくは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、硝酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸又はp−トルエンスルホン酸イオンを含有し、一方、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸イオンは、対イオンとして好ましい。全ての塩のうち、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びメタンスルホン酸塩が特に好ましい。
【0238】
特に重要なのは臭化チオトロピウムである。臭化チオトロピウムの場合、本発明による薬学的組合せは、好ましくは、WO 02/30928から公知の結晶性臭化チオトロピウム一水和物の形態でそれを含有する。本発明による薬学的組合せに臭化チオトロピウムが無水形態で使用される場合に、WO 03/000265から公知の無水結晶性臭化チオトロピウムを使用することが好ましい。
【0239】
ここで使用される副腎皮質ステロイドは、好ましくは、ベクロメタゾン(beclomethasone)、ベタメタゾン(βmethasone)、ブデソニド(budesonide)、ブチキソコルト(butixocorte)、シクレソニド(ciclesonide)、デフラザコルト(deflazacorte)、デキサメタゾン(dexamethasone)、エチプレドノール(etiprednole)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカソン(fluticasone)、ロテプレドノール(loteprednole)、モメタゾン(mometasone)、プレドニゾロン(prednisolone)、プレドニゾン(prednisone)、ロフレポニド(rofleponide)、トリアムシノロン(triamcinolone)、チプレダン(tipredane);プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、6−フルオロ−11−ヒドロキシ−16,17−[(1−メチルエチリデン)ビス(オキシ)]−21−[[4−[(ニトロオキシ)メチル]ベンゾイル]オキシ]−、(6−α,11−β,16−α)−(9CI);16,17−ブチリデンジオキシ−6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−17−(メチルチオ)アンドロスタ−4−エン−3−オン;6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオン酸(S)−フルオロメチルエステル;(S)−フルオロメチル 6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオアート;6−α,9−α−ジフルオロ−11−β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステルの中より選択される化合物、各々場合により、そのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、及び場合により、その塩及び誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態である。
【0240】
特に好ましくは、ステロイドは、ブデソニド(budesonide)、フルチカゾン(fluticasone)、モメタゾン(mometasone)、シクレソニド(ciclesonide)及び(S)−フルオロメチル 6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオアート(場合により、そのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、及び場合により、その塩及び誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態)より選択される。
【0241】
ステロイドの任意の参照には、存在し得るその任意の塩又は誘導体、水和物又は溶媒和物への参照が含まれる。ステロイドの可能な塩及び誘導体の例は;例えばそのナトリウム塩又はカリウム塩のようなアルカリ金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロ酸塩であり得る。
【0242】
使用し得るPDE4阻害剤は、好ましくは、エンプロフィリン(enprofyllin)、テオフィリン(theophyllin)、ロフルミラスト(roflumilast)、アリフロ(シロミラスト)(ariflo (cilomilast))、トフィミラスト(tofimilast)、プマフェントリン(pumafentrin)、リリミラスト(lirimilast)、アプレミラスト(apremilast)、アロフィリン(arofyllin)、アチゾラム(atizoram)、オグレミラスト(oglemilast)、テトミラスト(tetomilast);5−[(N−(2,5−ジクロロ−3−ピリジニル)−カルボキサミド]−8−メトキシ−キノリン(D−4418);5−[N−(3,5−ジクロロ−1−オキシド−4−ピリジニル)−カルボキサミド]−8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−キノリン(D−4396(Sch−351591));N−(3,5−ジクロロピリド−4−イル)−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−インドール−3−イル]グリオキシル酸アミド(AWD−12−281(GW−842470));9−[(2−フルオロフェニル)メチル]−N−メチル−2−(トリフルオロメチル)−9H−プリン−6−アミン(NCS−613);4−[(2R)−2−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−フェニルエチル]−ピリジン(CDP−840);N−[(3R)−3,4,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−4−オキソ−1−フェニルピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3−イル]−4−ピリジンカルボキサミド(PD−168787);4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ナフタレニル]−1−(2−メトキシエチル)−2(1H)−ピリジノン(T−440);2−[4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ナフタレニル]−2−ピリジニル]−4−(3−ピリジニル)−1(2H)−フタラジノン(T−2585);(3−(3−シクロペニルオキシ−4−メトキシベンジル)−6−エチルアミノ−8−イソプロピル−3H−プリン(V−11294A);β−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド(CDC−801);イミダゾ[1,5−a]ピリド[3,2−e]ピラジン−6(5H)−オン、9−エチル−2−メトキシ−7−メチル−5−プロピル−(D−22888);5−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3−[(3−メチルフェニル)メチル]−、(3S,5S)−2−ピペリジノン(HT−0712);4−[1−[3,4−ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]−2−(3−メチル−1−オキシド−4−ピリジニル)エチル]−α,α−ビス(トリフルオロメチル)−ベンゼンメタノール(L−826141);N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンズアミド;(−)p−[(4aR*,10bS*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]−ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド;(R)−(+)−1−(4−ブロムベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン;3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N'−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン;cis[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸];2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン;cis[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロ−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール];(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−ピロリジン−2−イリデン]アセテート;(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート;9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン;9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの中より選択される化合物、
場合により、そのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、及び場合により、その薬理学的に許容し得る酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態である。
【0243】
上記PDE4阻害剤が形成するための位置にいるであろう薬理学的に許容し得る酸との酸付加塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートの中より選択される塩を意味する。
【0244】
使用し得るLTD4−アンタゴニストは、好ましくは、モンテルカスト(montelukast)、プランルカスト(pranlukast)、ザフィルルカスト(zafirlukast);(E)−8−[2−[4−[4−(4−フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(MEN−91507);4−[6−アセチル−3−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルチオ)プロポキシ]−2−プロピルフェノキシ]−酪酸(MN−001);1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチル−シクロプロパン−酢酸;1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)−フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸;[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸からの中より選択される化合物、
場合により、そのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、場合により、その薬理学的に許容し得る酸付加塩の形態、及び場合により、その塩及び誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態である。
【0245】
LTD4−アンタゴニストが形成することが可能であり得る薬理学的に許容し得る酸との酸付加塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートの中より選択される塩を意味する。LTD4−アンタゴニストが形成することが可能であり得る塩又は誘導体とは、例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロ酸塩を意味する。
【0246】
使用されるEGFR−阻害剤は、好ましくは、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピル−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロ−プロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6.7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5.5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2.2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2.2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2.2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert.−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−アミノ−シクロ−ヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{trans−4−[(モルホリン−4−イル)−スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニル−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン;4−{2−[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イルオキシ]−エチル}−6−メチル−モルホリン−2−オン、4−{4−[4−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イルオキシ]−シクロヘキシル}−1−メチル−ピペラジン−2−オン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}
−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{cis−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタン−スルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(cis−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{cis−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(cis−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[cis−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[cis−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−6−[trans−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(trans−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2.2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、[4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−(ホモモルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−(2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)−カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニル−カルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−アミノ]−7−[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−(2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ(=ABX−EGF)、Mab ICR−62、ゲフィチニブ、ペリチニブ、カネルチニブ及びエルロチニブの中より選択される化合物、場合により、そのラセミ体、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、場合により、その薬理学的に許容し得る酸付加塩、その溶媒和物及び/又は水和物の形態である。
【0247】
EGFR阻害剤が形成することが可能であり得る薬理学的に許容し得る酸との酸付加塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートの中より選択される塩を意味する。
【0248】
使用し得るドーパミンアゴニストの例には、好ましくは、ブロモクリプチン(bromocriptine)、カベルゴリン(cabergoline)、α−ジヒドロエルゴクリプチン(α−dihydroergocryptine)、リスリド(lisuride)、ペルゴリド(pergolide)、プラミペキソール(pramipexol)、ロキシンドール(roxindol)、ロピニロール(ropinirol)、タリペキソール(talipexol)、テルグリド(terguride)及びビオザン(viozan)の中より選択される化合物が挙げられる。本発明の範囲内の上記ドーパミンアゴニストへの任意の参照には、存在し得る、その薬理学的に許容し得る任意の酸付加塩及び場合によりその水和物への参照が含まれる。上記ドーパミンアゴニストにより形成し得る生理学的に許容し得る酸付加塩とは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸及びマレイン酸の塩より選択される、薬学的に許容し得る塩を意味する。
【0249】
H1−抗ヒスタミン薬の例には、好ましくは、エピナスチン(epinastine)、セチリジン(cetirizine)、アゼラスチン(azelastine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、レボカバスチン(levocabastine)、ロラタジン(loratadine)、ミゾラスチン(mizolastine)、ケトチフェン(ketotifen)、エメダスチン(emedastine)、ジメチンデン(dimetinden)、クレマスチン(clemastine)、バミピン(bamipin)、セクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン(pheniramine)、ドキシルアミン(doxylamine)、クロロフェノキサミン(chlorophenoxamine)、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)、プロメタジン(promethazine)、エバスチン(ebastine)、オロパタジン(olopatadine)、デスロラチジン(desloratidine)及びメクロジン(meclozine)の中より選択される化合物が挙げられる。本発明の範囲内の上記H1−抗ヒスタミン薬への任意の参照には、存在し得る任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩への参照が含まれる。
【0250】
PAFアンタゴニストの例には、好ましくは、レキシパファント(lexipafant)、4−(2−クロロフェニル)−9−メチル−2−[3(4−モルホリニル)−3−プロパノン−1−イル]−6H−チエノ−[3,2−f]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン、6−(2−クロロフェニル)−8,9−ジヒドロ−1−メチル−8−[(4−モルホリニル)カルボニル]−4H,7H−シクロ−ペンタ−[4,5]チエノ−[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピンの中より選択される化合物が挙げられる。本発明の範囲内の上記PAFアンタゴニストへの任意の参照には、存在し得るその任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩への参照が含まれる。
【0251】
使用されるMRP4阻害剤は、好ましくはN−アセチル−ジニトロフェニル−システイン、cGMP、コール酸塩、ジクロフェナク(diclofenac)、デヒドロエピアンドロステロン 3−グルクロニド、デヒドロエピアンドロステロン 3−スルフェート、ジラゼプ(dilazep)、ジニトロフェニル−s−グルタチオン、エストラジオール 17−β−グルクロニド、エストラジオール 3,17−ジスルフェート、エストラジオール 3−グルクロニド、エストラジオール 3−スルフェート、エストロン 3−スルフェート、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、葉酸塩、N5−ホルミル−テトラヒドロ葉酸塩、グリココール酸塩、グリコリトコール酸スルフェート、イブプロフェン(ibuprofen)、インドメタシン(indomethacin)、インドプロフェン(indoprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、リトコール酸スルフェート、メトトレキサート(methotrexate)、((E)−3−[[[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]フェニル]−[[3−ジメチルアミノ)−3−オキソプロピル]チオ]メチル]チオ]−プロパン酸)、α−ナフチル−β−D−グルクロニド、ニトロベンジルメルカプトプリンリボシド、プロベネシド(probenecid)、シルデナフィル(sildenafil)、スルフィンピラゾン、タウロケノデオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、タウロリトコール酸塩、タウロリトコール酸スルフェート、トポテカン(topotecan)、トレキンシン(trequinsin)及びザプリナスト(zaprinast)、ジピリミダモール(dipyridamole)の中より選択される化合物、場合によりそのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、ならびにその薬理学的に許容し得る酸付加塩及び水和物の形態である。
【0252】
本発明は、より好ましくは、本発明による式1のSyk阻害剤及びMRP4阻害剤を含有する、呼吸器の病訴を処置するための医薬組成物を製造するための、MRP4阻害剤の使用に関し、MRP4阻害剤は、好ましくはデヒドロエピアンドロステロン 3−スルフェート、エストラジオール、3,17−ジスルフェート、フルルビプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、タウロコール酸塩(場合によりそのラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、ならびに薬理学的に許容し得る酸付加塩及び水和物の形態)の中より選択される。ラセミ体からの鏡像異性体の分離は、当技術分野で公知の方法(例えばキラル相クロマトグラフィー等)を用いて実施することができる。
【0253】
薬理学的に許容し得る酸との酸付加塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロベンゾエート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネート、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレート及びヒドロメタンスルホネートの中より選択される塩を意味する。
【0254】
本発明は、さらに、本発明による式1のSyk阻害剤、MRP4阻害剤及び別の活性物質、例えば、抗コリン薬、PDE4阻害剤、ステロイド、LTD4アンタゴニスト又はβミメティックのような三剤組合せを含有する医薬調製物、ならびにその製造及び呼吸器の病訴を処置するためのその使用に関する。
【0255】
iNOS阻害剤として使用し得る化合物は:S−(2−アミノエチル)イソチオウレア、アミノグアニジン、2−アミノメチルピリジン、5,6−ジヒドロ−6−メチル−4H−1,3−チアジン−2−アミン(=AMT)、L−カナバニン、2−イミノピペリジン、S−イソプロピルイソチオウレア、S−メチルイソチオウレア、S−エチルイソチオウレア、S−メチルチオシトルリン、S−エチルチオシトルリン、L−NA(N
ω−ニトロ−L−アルギニン)、L−NAME(N
ω−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル)、L−NMMA(N
G−モノメチル−L−アルギニン)、L−NIO(N
ω−イミノエチル−L−オルニチン)、L−NIL(N
ω−イミノエチル−リジン)、(S)−6−アセトイミドイルアミノ−2−アミノ−ヘキサン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド(SC−51)(J. Med. Chem. 2002, 45, 1686-1689)、N−[[3−(アミノメチル)フェニル]メチル]−エタンイミドアミド(=1400W)、(S)−4−(2−アセトイミドイルアミノ−エチルスルファニル)−2−アミノ−酪酸(GW274150)(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000, 10, 597-600)、2−[2−(4−メトキシ−ピリジン−2−イル)−エチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(BYK191023)(Mol. Pharmacol. 2006, 69, 328-337)、2−((R)−3−アミノ−1−フェニル−プロポキシ)−4−クロロ−5−フルオロベンゾニトリル(WO 01/62704)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−6−トリフルオロメチル−ニコチノニトリル(WO 2004/041794)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−4−クロロ−ベンゾニトリル(WO 2004/041794)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−5−クロロ−ベンゾニトリル(WO 2004/041794)、(2S,4R)−2−アミノ−4−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−4−チアゾール−5−イル−ブタン−1−オール(WO 2004/041794)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−5−クロロ−ニコチノニトリル(WO 2004/041794)、4−((S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−フェニル−ブチルスルファニル)−6−メトキシ−ニコチノニトリル(WO 02/090332)、置換3−フェニル−3,4−ジヒドロ−1−イソキノリンアミン、例えば(1S,5S,6R)−7−クロロ−5−メチル−2−アザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタ−2−エン−3−イルアミン(ONO−1714)(Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 270, 663-667)、(4R,5R)−5−エチル−4−メチル−チアゾリジン−2−イリデンアミン(Bioorg. Med. Chem. 2004, 12, 4101)、(4R,5R)−5−エチル−4−メチル−セレナゾリジン−2−イリデンアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 1361)、4−アミノテトラヒドロビオプテリン(Curr. Drug Metabol. 2002, 3, 119-121)、(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−N−(1−{2−オキソ−2−[4−(6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−エチルカルバモイル}−2−ピリジン−2−イル−エチル)−アクリルアミド(FR260330)(Eur. J. Pharmacol. 2005, 509, 71-76)、3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリジン(PPA250)(J. Pharmacol. Exp. Ther. 2002, 303, 52-57)、3−{[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−4−(2−イミダゾール−1−イル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボキシラート(BBS−1)(Drugs Future 2004, 29, 45-52)、(R)−1−(2−イミダゾール−1−イル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−アミド(BBS−2)(Drugs Future 2004, 29, 45-52)の中より選択される化合物、及びその薬学的塩、プロドラッグ又は溶媒和物である。
【0256】
本発明の範囲内のiNOS阻害剤の例にはまた、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特にiNOSをコードする核酸と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれ得る。例えば、WO 01/52902は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特にiNOSの発現を調節するための、iNOSをコードする核酸と結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドを記載している。したがって、特にWO 01/52902に記載されているようなiNOS−アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、iNOS阻害剤に対する類似の効果のために、本発明のPDE4阻害剤と組合せ得る。
【0257】
式1の化合物と二剤組合せ又は三剤組合せで好ましく用い得る適切なHMG−CoA還元酵素阻害剤(スタチンとも称される)は、アトルバスタチン(Atorvastatin)、セリバスタチン(Cerivastatin)、フルルバスタチン(Flurvastatin)、ロバスタチン(Lovastatin)、ピタバスタチン(Pitavastatin)、プラバスタチン(Pravastatin),ロスバスタチン(Rosuvastatin)、シンバスタチン(Simvastatin)(場合により、それらの薬学的に利用可能な酸付加塩、そのプロドラッグ、溶媒和物又は水和物の形態)より選択される。
【0258】
8. 製剤
適切な投与剤形は、例えば、錠剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、乳剤又は吸入用粉末又はエアロゾルである。各場合において薬学的に有効な化合物の含量は、組成物全体の0.1〜90wt%、好ましくは0.5〜50wt%の範囲内にあるべきであり、すなわち本明細書下記に詳述する用量範囲を達成するために十分な量であるべきである。
【0259】
調製物は、錠剤の形態で、散剤、カプセル(例えば硬ゼラチンカプセル)内の散剤、液剤又は懸濁剤として経口投与することができる。吸入により投与する場合に、活性物質の組合せは、散剤、水性もしくは水−エタノール性液剤として、又は噴射ガス製剤を使用して与え得る。
【0260】
したがって、好ましくは、医薬製剤は、上記の好ましい態様による一つ以上の式1の化合物を含有することを特徴とする。
【0261】
式1の化合物が経口投与されることが特に好ましく、そしてそれが1日1回又は2回投与されることも特に好ましい。適切な錠剤は、例えば、活性物質を、公知の賦形剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトースのような不活性希釈剤、トウモロコシデンプン又はアルギン酸のような崩壊剤、デンプン又はゼラチンのような結合剤、ステアリン酸マグネシウムもしくはタルクのような滑沢剤及び/又はカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、もしくはポリ酢酸ビニルのような放出遅延剤と混合することにより得ることができる。錠剤はまた、多層を含み得る。
【0262】
コーティング錠は、錠剤と同様にして製造された内核を、錠剤コーティングに通常使用される物質、例えばコリドン(collidone)又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖でそれに応じてコーティングすることによって調製し得る。遅延放出を達成するために、又は配合変化を防止するために、内核は、多層から成り得る。同様に、錠剤コーティングは、遅延放出を達成するために、おそらく錠剤用の上記賦形剤を用いて多層から成り得る。
【0263】
本発明による活性物質又はその組合せを含有するシロップ剤は、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は砂糖のような甘味料、及び香味強化剤、例えばバニリン又はオレンジエキスのような香味料を追加的に含有し得る。シロップ剤はまた、懸濁佐剤、又は粘稠化剤(カルボキシメチルセルロースナトリウムのような)、湿潤剤(例えば脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物のような)、又は保存料(p−ヒドロキシ安息香酸エステルのような)も含有し得る。
【0264】
一つ以上の活性物質又は活性物質の組合せを含有するカプセル剤は、例えば活性物質をラクトース又はソルビトールのような不活性担体と混合すること、及びそれをゼラチンカプセルに充填することによって調製し得る。適切な坐剤は、例えばこの目的のために提供された、中性脂肪又はポリエチレングリコールもしくはその誘導体のような担体と混合することによって製造し得る。
【0265】
使用し得る賦形剤には、例えば、水、薬学的に許容し得る有機溶媒[パラフィン(例えば石油留分)、植物油(例えばラッカセイ油又はゴマ油)、単官能性又は多官能性アルコール(例えばエタノール又はグリセロール)のような]、担体[例えば天然鉱物粉末(例えばカオリン、粘土、タルク、白亜)、合成鉱物粉末(例えば高分散性ケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えばショ糖、ラクトース及びグルコース)のような]、乳化剤(例えばリグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)ならびに滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
【0266】
経口投与のために、錠剤は、上記担体の他に当然、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムのような添加剤を、デンプン、好ましくはバレイショデンプン、ゼラチンなどの様々な添加剤と一緒に含有し得る。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤を、打錠工程に同時に使用してもよい。水性懸濁剤の場合、上記賦形剤に加えて、活性物質に様々な香味強化剤又は着色料を配合し得る。
【0267】
式1の化合物が吸入により投与されること、特に好ましくはそれが1日1回又は2回投与されることも好ましい。この目的のために、式1の化合物は、吸入に適した剤形で使えるようにしなければならない。吸入用調製物には、吸入用粉末、噴射剤を含有する定量エアロゾル又は噴射剤不含の吸入用液剤が含まれ、それは、場合により、慣用の生理学的に許容し得る賦形剤と混合されて存在する。
【0268】
本発明の範囲内で、噴射剤不含の吸入用液剤という用語にはまた、濃縮液又は無菌の使用準備済の吸入用液剤が含まれる。本発明により使用し得る調製物を、本明細書の次の部により詳細に説明する。
【0269】
吸入用粉末
式1の活性物質が生理学的に許容し得る賦形剤と混合して存在する場合、以下の生理学的に許容し得る賦形剤を使用して、本発明による吸入用粉末を調製し得る:単糖(例えばグルコース又はアラビノース)、二糖(例えばラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖及び多糖(例えばデキストラン)、ポリアルコール(例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤相互の混合物。好ましくは、単糖又は二糖が使用されるが、一方、ラクトース又はグルコースの使用は、特に、限定するわけではないが、その水和物の形態での使用が好ましい。本発明の目的ために、ラクトースが特に好ましい賦形剤であり、一方、ラクトース一水和物が最も特に好ましい。摩砕化及び微粒子化し、最終的に構成要素を一緒に混合することによって本発明による吸入用粉末を調製する方法は、先行技術から公知である。
【0270】
噴射剤含有の吸入用エアロゾル
本発明により使用し得る噴射剤含有の吸入用エアロゾルは、式1の化合物を噴射剤ガスに溶解して又は分散した形態で含有し得る。本発明による吸入エアロゾルを調製するために使用し得る噴射剤ガスは、先行技術から公知である。適切な噴射剤ガスは、n−プロパン、n−ブタン又はイソブタンのような炭化水素の中より、及び好ましくはメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体のようなハロ炭化水素の中より選択される。上記噴射剤ガスは、単独で又はその混合物で使用し得る。特に好ましい噴射剤ガスは、TG134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、TG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)及びその混合物より選択されるフッ素化アルカン誘導体である。本発明による使用の範囲内で使用される、噴射剤に推進される吸入エアロゾルはまた、共溶媒、安定化剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤及びpH調整剤のような他の成分を含有し得る。これらの成分の全ては、当技術分野において公知である。
【0271】
噴射剤不含の吸入用液剤
本発明による式1の化合物は、好ましくは噴射剤不含の吸入用液剤及び吸入用懸濁剤を調製するために使用される。この目的のために使用される溶媒には、水性又はアルコール性液剤、好ましくはエタノール性液剤が含まれる。溶媒は、水単独で又は水とエタノールとの混合物であり得る。液剤又は懸濁剤は、適切な酸を用いてpH2〜7、好ましくは2〜5に調整される。pHは、無機酸又は有機酸より選択される酸を用いて調整し得る。特に適切な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に適切な有機酸の例には、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸等が挙げられる。好ましい無機酸は、塩酸及び硫酸である。活性物質の一つと酸付加塩を既に形成した酸を使用することも可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望であれば、例えばクエン酸又はアスコルビン酸のように、特に酸性化する特質に加えて他の性質を有する酸の場合、例えば香味料、抗酸化剤又は錯化剤として上記酸の混合物も使用し得る。本発明によると、pHを調整するために塩酸を使用することが特に好ましい。
【0272】
共溶媒及び/又は他の賦形剤を、本発明による目的のために使用される噴射剤不含の吸入用液剤に添加し得る。好ましい共溶媒は、ヒドロキシル基又は他の極性基を含有する共溶媒、例えばアルコール − 特にイソプロピルアルコール、グリコール − 特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。この文脈において賦形剤及び添加剤という用語は、活性物質ではないが、活性物質製剤の品質特性を向上させるために一つ以上の活性物質と共に薬理学的に適切な溶媒に入れて製剤化することのできる、任意の薬理学的に許容し得る物質を意味する。好ましくは、これらの物質は、薬理学的効果を有さないか、又は所望の治療に関連して認識可能な薬理学的効果もしくは少なくとも望まれない薬理学的効果を有さない。賦形剤及び添加剤には、例えば、ダイズレシチンのような界面活性剤、オレイン酸、ポリソルベートのようなソルビタンエステル、ポリビニルピロリドン、最終的な医薬製剤の保存期間を保証又は延長する他の安定化剤、錯化剤、抗酸化剤及び/又は保存料、香味料、ビタミン、及び/又は当技術分野で公知の他の添加剤が挙げられる。添加剤にはまた、塩化ナトリウムのような薬理学的に許容し得る塩が等張化剤として挙げられる。好ましい賦形剤には、例えばアスコルビン酸(但し、pHを調整するためにまだ使用されていない場合)、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール及び人体に存在する類似のビタミン又はプロビタミンのような抗酸化剤が挙げられる。保存料は、病原体の汚染から製剤を守るために使用し得る。適切な保存料は、当技術分野で公知の保存料、特に先行技術分野から公知の濃度の塩化セチルピリミジウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸又は安息香酸ナトリウムのような安息香酸塩である。
【0273】
上記の処置形式のために、式1によるイミダゾリル-ピリミジン及び上記のものより選択される一つ以上の組合せパートナーと一緒に、例えば呼吸器疾患、COPD又は喘息という語を含む同封の説明書が入っている、呼吸器の病訴の処置のための使用準備済みの医薬のパックが、提供される。