(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、Ce、Sc、Y、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなるランタニド族元素から選択される希土類元素の酸化物を含む請求項1に記載の濃緑灰色低透過ガラス組成物。
【背景技術】
【0002】
着色ガラスの用途は特に限定されず、自動車安全ガラスの視線遮断ガラス(privacy glass)またはサンルーフ(sun roof)、および建築用ガラスなどに適用され得る。一般的なソーダ石灰ガラスに比べて、着色ガラスは、可視光線透過率(LT
A)が低いため、自動車内部の可視性を低減させており、太陽エネルギー透過率(T
e)が低いため、自動車内部への熱吸収を減少させる機能を有している。また、低い紫外線透過率(T
uv)により、紫外線による自動車内部にある織物への損傷、器物の変色または分解を防止できる。
【0003】
種々の元素を、ガラスの色相の改善、紫外線遮断効果、および太陽エネルギー吸収機能を向上させるために、着色ガラスに含有させることができる。着色ガラスに用いられる代表的な元素としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、セレン(Se)が挙げられ、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、セリウム(Ce)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)などが更に用いられる。これらのそれぞれの元素は、固有の着色効果、および紫外線および太陽エネルギーを吸収する特性を有している。このような特性は、各元素が特定波長を吸収する現象に起因する。従って、所望の色相と透過率は、適切な比率で添加される元素の組み合わせによって設計される。
【0004】
前述のように、様々な元素を適切に調整することによって、濃緑灰色ガラス組成物を形成できる。特に、可視光線、紫外線、および太陽エネルギーの高吸収特性(即ち、低透過特性)を有するガラスを製造できる。このような低透過ガラス組成物は、着色のための基礎元素(basic elements)としてFe、Co、およびSeを用いて製造される場合と、更にその他の元素を追加して製造される場合に大別できる。
【0005】
特許文献1には、全Fe
2O
3を0.6〜1.0重量%、Seを0.005〜0.02重量%、およびCoOを0.01〜0.02重量%含み、NiおよびCrを含まないガラス組成物が開示されている。しかし、前記組成物は、基準厚さ4mmで測定された可視光線透過率(LT
A)が約25〜30%であるため、サンルーフまたは後部の視線遮断ガラスに適用される低透過ガラス組成物の重要な機能である視線遮断性を付与するには適していない。また、濃緑灰色ガラス組成物の形成にも限界があった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
母ガラス
母ガラスとしては、当分野で通常用いられる成分および量で構成されたものを、特に制限なく用いることができる。好ましい実施形態において、母ガラスとして、下記表1に示す成分および量(母ガラス成分組成を100重量%とする)を含むものを用いることができる。
【0015】
前記成分において、SiO
2は、ガラスの基本構造である網目構造を形成する役割を果たす。その含量が65重量%未満では、ガラスの耐久性に問題が生じる虞がある。その含量が75重量%を超えると、高温粘度が増加し、溶融性が低下する虞がある。
【0016】
Al
2O
3は、ガラスの高温粘度を増加させ、少量添加時には、ガラスの耐久性を向上させる。その含量が0.3重量%未満では、耐化学性及び耐水性が低下する虞がある。その含量が3重量%を超えると、高温粘度の増加と共に、溶融負荷が増加する虞がある。
【0017】
Na
2OおよびK
2Oは、ガラス原料の溶融を促進するフラックス成分である。2成分の合計含量が10重量%未満では、未溶融物の発生が増加して溶融品質が低下する虞がある。2成分の合計含量が18重量%を超えると、耐化学性が低下する虞がある。
【0018】
CaOおよびMgOは、原料の溶融を促進し、且つガラス構造の耐候性を補強する成分である。CaOの含量が5重量%未満では、耐久性が低下する虞がある。CaOの含量が15重量%を超えると、結晶化傾向の増加により製品品質に悪影響を及ぼす虞がある。また、MgOの含量が1重量%未満では、前述した溶融補助および耐候性補強の効果(melting-facilitating and weatherability-strengthening effects)が得られない虞がある。MgOの含量が7重量%を超えると、結晶化傾向増加により結晶欠陥が発生する虞がある。
【0019】
また、実際の製造においては、硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)が気泡除去など溶融品質向上のために更に用いられてもよい。しかしながら、この場合は、溶融過程でガラス中にSO
3の形態で残存する含量を0.01〜1重量%の範囲に管理することが好ましい。
【0020】
鉄(全Fe2O3)
鉄(Fe)は、ガラスの主/副原料に不純物として含まれていてもよく、通常の商業生産においては、追加的な投入無しで0.1〜0.2重量%でガラス内に存在し得る成分である。ほとんどの着色ガラスは、所望の透過率と色相に調節するために、鉄が追加投入される。投入される原料としては、酸化鉄(Fe
2O
3)が用いられる。ガラスの溶融過程で投入された酸化鉄は、Fe
3+およびFe
2+として存在していてもよい。Fe
3+イオンは、410〜440nmの可視光線領域で弱い吸収を示し、380nmを中心とする紫外線領域で強い吸収を示す。このような特性により、Fe
3+が多量に存在するほど、ガラスは淡黄色を示すようになる。その一方で、Fe
2+イオンは、1050nmを中心に強い吸収バンドを示すので、赤外線を吸収することが知られている。Fe
2+含量が多いほど、ガラスの色相は青色に変わる。全Fe
2O
3中のFe
2+とFe
3+の割合は、ガラスの製造工程によって変動する。
【0021】
本発明のガラス組成物は、母ガラス組成物100重量部に対して、全Fe
2O
3を1.2〜2重量部含む。特に、全Fe
2O
3含量は、例えば、1.2、1.3、1.4、1.5、または1.6重量部以上であってもよく、2、1.9、1.8、または1.7重量部以下であってもよい。
【0022】
全Fe
2O
3の含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、1.2重量部未満では、可視光線透過率(LT
A)の増加により、低透過ガラス組成物の最も重要な性能の一つである視線遮断性と太陽エネルギー遮断の機能が劣化する。前記含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、2重量部を超えると、色純度が増加し、可視光線透過率(LT
A)が極度に減少するので、可視性が低くなり、自動車および建築物の窓としての使用に適さなくなり、複写赤外線(radiant infrared rays)を吸収するFe
2+含量が必然的に増加し、溶融時には、溶解炉における下部温度が低下し、溶融負荷の増加問題が誘発される。全Fe
2O
3含量は、溶融負荷を低減し、可視光線透過率(LT
A)が視線遮断用として用いられる組成に調整するために、母ガラス組成物100重量部に対して、より好ましくは1.2〜1.8重量部、更により好ましくは1.3〜1.5重量部である。
【0023】
本発明のガラス組成物において、FeO含量は、全Fe
2O
3含量の10〜30%[即ち、酸化還元率(Redox)=FeO/全Fe
2O
3が0.1〜0.3]が好ましい。FeO含量が、全Fe
2O
3含量の10%未満では、太陽エネルギー透過率(T
e)が増加し、SeがFe−SeよりSeO
2の形態として存在する可能性が大きくなるため、Se着色が低減される虞がある。FeO含量が、全Fe
2O
3含量の30%を超えると、Seの揮発量が増加し、ガラス内に適量のSeを残留させることができず、Fe
2+の増加に伴い、熱伝率の問題が減少し、溶融時における下部(bottom part)の温度が減少し、溶融時における溶融品質の低下問題が生じる。FeO含量は、Se着色に適し、熱伝率の問題を減少させるには、全Fe
2O
3含量に対して、より好ましくは15〜30%、更により好ましくは20〜30%である。
【0024】
コバルト(CoO)
コバルト(Co)は、酸化コバルトの形態で、バッチ式で供給される。Co
2+の形態で存在すると、530、590、および645nm付近に吸収端を示す。このような吸収端の影響により、コバルトはガラスを濃い青色にする。
【0025】
本発明のガラス組成物は、母ガラス組成物100重量部に対して、CoOを0.02〜0.04重量部(即ち、200〜400ppm)含有する。特に、前記CoO含量は、例えば、0.021、0.022、0.023、0.024、または0.025重量部以上であってもよく、0.03、0.029、0.028、または0.027重量部以下であってもよい。
【0026】
前記CoO含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、0.02重量部未満では、可視光線透過率(LT
A)が高くなり、これにより、低透過ガラス組成物の重要特性である視線遮蔽機能が低減し、またSeのピンク色、およびFe−Se(ポリ鉄セレン poly-iron selenide)の赤褐色の脱色(decolorizing)が不充分である。CoO含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、0.04重量部を超えると、ガラス組成物が非常に濃い青色となり、これを濃緑灰色に変えるには、SeおよびCr
2O
3を増量する必要があり、この場合は、SeおよびCr
2O
3の使用量が増加するにつれて、可視光線透過率(LT
A)が極度に減少し、製造コストが上昇する。CoO含量は、可視光線透過率(LT
A)を効果的に抑制し、青色色相をバランスよく調節するには、母ガラス組成物100重量部に対して、より好ましくは0.02〜0.03重量部、更により好ましくは0.023〜0.028重量部である。
【0027】
セレン(Se)
セレン(Se)は、ガラス内における酸化/還元状態によって異なる着色挙動を示す。Se元素として存在する場合と、Fe−Seの結合体を形成する場合は、480〜500nmに吸収端を示す。このような場合は、ガラスが、赤褐色に着色されることが知られている。
【0028】
本発明のガラス組成物は、母ガラス組成物100重量部に対して、Seを0.002〜0.0035重量部含有する。特に、前記Se含量は、例えば、0.0022、0.0023、0.0024、0.0025、または0.0026重量部以上であってもよく、0.0033、0.0032、0.0031、または0.003重量部以下であってもよい。
【0029】
Se含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、0.002重量部未満では、ガラスが、濃い青色または緑色の色調になる。その含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、0.0035重量部を超えると、ガラスは、銅のような色になる。上述した範囲を外れる両者の場合によれば、同時に視線遮断性と可視性の機能を有する可視光線透過率(LT
A)を維持することは難しくなる。Se含量は、色相および視線遮断性を維持するには、母ガラス組成物100重量部に対して、より好ましくは0.0022〜0.0033重量部、更により好ましくは0.0025〜0.003重量部である。
【0030】
クロム(Cr2O3)
クロム(Cr)は、酸化クロムの形態で、バッチ式で供給される。Cr
3+の形態で存在する場合は、450および650nm付近に吸収端を示す。このような吸収の影響により、クロムは、緑色に着色されたガラス組成物を形成し、可視光線透過率(LT
A)を低くし、視線遮断性の機能を満たす。緑色は、見る人の眼精疲労感を軽減し、見る人に心理的な安定感を与え、周辺の色相と容易に調和する効果がある。
【0031】
本発明のガラス組成物は、母ガラス組成物100重量部に対して、Cr
2O
3を0.01〜0.04重量部含有する。特に、前記Cr
2O
3含量は、例えば、0.015、0.016、0.017、0.018、0.019、または0.02重量部以上であってもよく、0.03、0.028、0.027、0.026、0.025、0.024、または0.023重量部以下であってもよい。
【0032】
Cr
2O
3含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、0.01重量部未満では、濃緑灰色ガラス組成物の形成に限界があり、可視光線透過率(LT
A)が高くなる。Cr
2O
3含量が、母ガラス組成物100重量部に対して、0.04重量部を超えると、可視光線透過率が低下するが、Cr
2O
3自体の吸収端によって色純度が大きくなるので、SeおよびCoOの量を増加させる必要があり、この場合は、SeおよびCoOの使用量の増加により、可視光線透過率(LT
A)が極度に低下し、製造コストが増大する。Cr
2O
3含量は、同時に、濃緑灰色と低可視光線透過率を有する低透過ガラス組成物を調製するために、母ガラス組成物100重量部に対して、より好ましくは0.015〜0.03重量部、更により好ましくは0.018〜0.023重量部である。
【0033】
Seに対する(CoO+Cr2O3)の重量比(=[CoO+Cr2O3]/Se)
上述したように、着色成分であるCoO、Se、およびCr
2O
3の含量に関連して、本発明のガラス組成物における、Seに対する(CoO+Cr
2O
3)の重量比(=[CoO+Cr
2O
3]/Se)は、13〜25の範囲であり、より好ましくは13〜20の範囲、更により好ましくは13〜17の範囲である。
【0034】
(CoO+Cr
2O
3)/Seの重量比が13未満では、濃い赤褐色に着色されたガラスが形成される。重量比が25を超えると、濃い青緑色に着色されたガラス組成物が形成される。
【0035】
Seは、濃い赤褐色に着色されたガラス組成物を形成し、着色効果に非常に優れているため、抑制が必要である。本発明では、赤褐色の補色に相応する青緑色着色成分の組み合わせ(CoO+Cr
2O
3)を、上記Seに対する比として用いることによって、濃緑灰色に着色できる。即ち、(CoO+Cr
2O
3)/Seの重量比が、前記範囲に達しないか、超えると、所望の透明色の色空間座標である、L
*=35〜50、a
*=−5〜0、およびb
*=0〜6の範囲を有する濃緑灰色に着色されたガラスを製造するのに限界がある。
【0036】
Cr2O3に対するCoOの重量比(=CoO/Cr2O3)
また、上述したように、着色成分であるCoO、およびCr
2O
3含量と関連して、本発明のガラス組成物における、Cr
2O
3に対するCoOの重量比(=CoO/Cr
2O
3)は、0.9〜1.8の範囲であり、より好ましくは1〜1.8の範囲、更により好ましくは1〜1.6の範囲である。
【0037】
CoO/Cr
2O
3の重量比が0.9未満では、濃い緑色に着色されたガラス組成物が形成される。前記重量比が1.8を超えると、濃い青色に着色されたガラス組成物が形成される。
【0038】
本発明では、赤褐色の補色に相当する適切な青緑色に、青色と緑色の着色成分である、CoOおよびCr
2O
3のそれぞれを上記割合で用いることによって着色できる。即ち、CoO/Cr
2O
3の重量比が前記範囲に達しないか、超えると、所望の透明色の色空間座標である、L
*=35〜50、a
*=−5〜0、およびb
*=0〜6の範囲を有する濃緑灰色に着色されたガラスを製造するのにやはり限界がある。
【0039】
任意のその他の成分
上記で説明したような着色成分に加えて、本発明のガラス組成物は、本発明の目的を達成できる範囲内で任意のその他の成分を更に含有してもよい。
【0040】
例えば、酸化マンガン(MnO
2)が、本発明の組成物において、Fe
2O
3およびCr
2O
3の緑色着色の脱色のために選択的に用いてもよい。このとき、MnO
2の添加量は、母ガラス組成物100重量部あたり、0.1重量部以下であってもよい。
【0041】
また、本発明のガラス組成物は、追加の着色成分として、Ce、Sc、Y、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなるランタニド族元素から選択される希土類元素の酸化物、例えば、酸化セリウム(CeO
2)を更に含んでもよい。この場合、CeO
2の添加量は、母ガラス組成物100重量部あたり、0.1重量部以下であってもよい。
【0042】
上記で説明した成分から本発明の濃緑灰色低透過ガラス組成物を製造する方法は特に限定されず、当該分野において一般的な方法を採用できる。例えば、本発明に係る成分および量のバッチ原料を、高温で溶融させた後、急冷し、ガラス粉末を得ることによって製造できる。
【0043】
好ましい実施形態によれば、本発明の濃緑灰色低透過ガラス組成物は、基準厚さ4mmで測定したとき、可視光線透過率(LT
A)が15%以下(例えば、0.1〜15%、より好ましくは14%以下、更により好ましくは13%以下、更により好ましくは、10%以下、更により好ましくは8%以下)で、太陽エネルギー透過率(T
e)が16%以下(例えば、0.1〜16%、より好ましくは15%以下、更により好ましくは14%以下、更により好ましくは10%以下、更により好ましくは7%以下)で、紫外線透過率(T
uv)が5%以下(例えば、0.1〜5%、より好ましくは3%以下、更により好ましくは2%以下、更により好ましくは1%以下)である。
【0044】
可視光線透過率(LT
A)が15%を超えると、視線遮断性のための適用が制限され、視線遮断の保護(the protection of privacy)が特に重要となる自動車用の安全ガラスのうち、サンルーフや視線遮断ガラスとして適用されるガラスにおいて特に問題となる。太陽エネルギー透過率が16%を超えると、自動車、建築物などの内部への熱吸収が増加するので、冷房負荷が大きくなる問題がある。紫外線については、内装材の劣化および人体の皮膚老化を誘発するので、紫外線透過率(T
uv)は基準厚さ4mmで測定したとき、5%以下であることが好ましい。
【0045】
更に、本発明の濃緑灰色低透過ガラス組成物は、透明色の色空間座標において、L
*が35〜50、a
*が−5〜0、およびb
*が0〜6の範囲を有することが好ましい。
【0046】
自動車および建築物の窓として適切に用いるには、ガラスの透明色の色空間座標が前記範囲内にあることが好ましい。ガラスの色相が、上記範囲を外れる場合は、赤褐色、青色、または緑色が強くなり、眼精疲労を誘発し、心理的安定感を害する。
【0047】
本発明の濃緑灰色低透過ガラス組成物の用途は特に限定されず、例えば、自動車のような運送手段の窓(側面、後部、サンルーフ)、建築物の窓、装飾品、または家具として用いてもよい。特に、自動車安全ガラスに適しており、建築物の窓ガラスにも適している。自動車安全ガラスとしては、サンルーフ、または側面または後部の視線遮断ガラスに適用できるが、これに制限されるものではない。
【実施例】
【0048】
本発明を以下の実施例によって詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を説明しようとするものであり、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0049】
[実施例1〜6および比較例1〜6]
原料として、石英砂、石灰石、ドロマイト、ソーダ灰、硫酸ナトリウム、酸化鉄、酸化コバルト、セレン、クロム、コークスなどを用い、実施例および比較例のガラス組成物を調製した。調製した母ガラスにおける成分および量は、下記表2に示す通りであり、実施例および比較例において用いられた着色成分および量(母ガラス100重量部あたりの重量部)は、それぞれ下記表3(実施例1〜6)および表4(比較例1〜6)に示した通りである。
【0050】
ガラス組成の化学的分析および光学物性評価のためのサンプルガラスは、電気炉で、Pt−10%Rh坩堝を用いて調製した。200g基準に計量されたバッチ原料を、1450℃で、1時間30分溶融し、急冷してガラス粉末を得た。1450℃で1時間の溶融を、更に2回繰り返し、高均一性のサンプルを調製した。調製したサンプルガラスは、SUS製の板を用いてキャスト成形し、基準厚さ4mmに加工した後、物性を評価した。
【0051】
サンプルガラスの化学成分分析は、リガク社製の3370X線蛍光分析器(XRF)によって行い、光学的特性は、以下の通り測定した:
−可視光線透過率(LT
A):370〜770nm波長範囲で、光源CIE A、視野角度2度により測定
−太陽エネルギー透過率(T
e):300〜2500nm波長範囲で、ISO 9050:2003に従って測定
−紫外線透過率(T
uv):300〜380nm波長範囲で、ISO 9050:2003に従って測定
−色空間座標L
*、a
*、b
*:光源D65、視野角度10度で測定
【0052】
上記透過率は、Lambda950分光光度計(パーキンエルマー社製)を用いて測定し、上記色空間座標は、HUNTER LAB測色計を用いて測定した。測定結果を下記表3および表4に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
上記表3から明らかなように、実施例1〜6のガラスは、透明色の色空間座標L
*、a
*、b
*において、濃緑灰色を満たしており、また、可視光線透過率(LT
A)、太陽エネルギー透過率(T
e)、および紫外線透過率(T
uv)において優れた低透過特性を示すことにより、自動車のサンルーフ、および側面および後部の視線遮断窓として適している。
【0057】
一方、比較例1は、可視光線透過率(LT
A)および太陽エネルギー透過率(T
e)が高過ぎて、本発明で目的とする低透過ガラス組成物を形成できなかった。また、濃い青色に着色されることにより、透明色の色空間座標b
*は、濃緑灰色の範囲を下回ったため、濃緑灰色に着色されたガラス組成物を形成できなかった。
【0058】
比較例2は、濃い青色に着色されることにより、透明色の色空間座標b
*は、濃緑灰色の範囲を下回ったため、濃緑灰色に着色されたガラス組成物を形成できなかった。
【0059】
比較例3は、濃い緑色に着色されることにより、透明色の色空間座標b
*は、濃緑灰色の範囲を超えたため、濃緑灰色に着色されたガラス組成物を形成できなかった。
【0060】
比較例4は、濃い青緑色に着色されることにより、透明色の色空間座標a
*、b
*の両方が濃緑灰色の範囲を下回ったため、濃緑灰色に着色されたガラス組成物を形成できなかった。
【0061】
比較例5は、可視光線透過率(LT
A)、太陽エネルギー透過率(T
e)、および紫外線透過率(T
uv)の全てが高過ぎるため、本発明で目的とする低透過ガラス組成物を形成できなかった。また、透明色の色空間座標a
*が、濃緑灰色の範囲を超えたため、濃緑灰色に着色されたガラス組成物を形成できなかった。
【0062】
比較例6は、透明色の色空間座標L
*、a
*、およびb
*の全てが、濃緑灰色の範囲を外れたため、濃緑灰色に着色されたガラス組成物を形成できなかった。