(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
袋用シートの口部に把手を貼る把手貼付部と、該把手貼付部に袋用シートを一枚ずつ搬入するシート搬入路と、前記把手貼付部へ把手を搬送する把手搬送路と、前記把手貼付部から把手付きシートを搬出するシート搬出路とを備え、前記シート搬入路の搬送途中に、前記袋用シートの異常を検出して検出信号を発する異常シート検出センサーを設置し、前記把手搬送路に臨んで、把手の異常を検出して検出信号を発する異常把手検出センサーを設置し、前記把手貼付部と前記シート搬入路の間に、前記異常シート検出センサーからの検出信号を受けた時、異常な袋用シートを排出するシート排出手段を設け、前記把手搬送路と前記把手貼付部の間に、前記異常シート検出センサー又は異常把手検出センサーからの検出信号を受けた時、異常な袋用シートと対応する把手、又は、異常な把手を排出する把手排出手段を設け、前記把手貼付部に臨んで、前記把手付きシートの異常を検出して検出信号を発する把手付きシート異常検出センサーを設置し、前記把手貼付部と前記シート搬出路の間に、前記把手付きシート異常検出センサーからの検出信号を受けた時、異常な把手付きシートを排出する不良品排出手段を設けたことを特徴とする製袋機。
前記異常把手検出センサーは、前記把手に含まれるマーカーとなる金属を検出する金属検出器と、前記把手の紐の位置異常を検出する光電センサーとから成ることを特徴とする請求項1に記載の製袋機。
前記シート搬入路の末端部と前記把手貼付部との間に、前記シート搬入路で搬送される袋用シートを前記把手貼付部へ送り込むシート送り込みシリンダーを設け、前記把手貼付部と前記シート搬出路の先端部との間に、把手付きシートを前記シート搬出路へ送り出すシート送り出しシリンダーを設け、前記シート排出手段は、前記シート送り込みシリンダーの外周に起伏可能に設けられ、伏せて閉じた状態で前記袋用シートを把持するつかみ爪より成り、該つかみ爪は、前記異常シート検出センサーからの検出信号を受けた時に起立して開き、前記袋用シートを前記シート搬入路により排出し、前記不良品排出手段は、前記シート送り出しシリンダーの外周に起伏可能に設けられ、伏せて閉じた状態で前記袋用シートを把持するつかみ爪より成り、該つかみ爪は、前記把手付きシート異常検出センサーからの検出信号を受けた時に起立して開き、異常な把手付きシートを前記シート搬出路の外へ排出することを特徴とする請求項1又は2に記載の製袋機。
前記つかみ爪は、前記シート送り込みシリンダー及び前記シート送り出しシリンダーにその軸方向に沿って、且つ、中心軸周りに回動可能に設けられた支持棒に取り付けられ、前記支持棒は前記つかみ爪が閉じる方向に付勢され、前記支持棒の端部から前記シート送り込みシリンダー及び前記シート送り出しシリンダーの径方向内側に向けて、前記支持棒と連動して回転するアームを張り出し、前記シート送り込みシリンダー及び前記シート送り出しシリンダーの端面に、前記つかみ爪が閉じて袋用シート又は把手付きシートを掴む位置に達した時、前記アームの先端が外周に圧接する押圧部材をそれぞれ径方向に移動可能に設け、前記異常シート検出センサーからの検出信号を受けた時、前記シート送り込みシリンダーの押圧部材が径方向外側へ移動してアームの先端を押圧することにより、前記つかみ爪を開き、前記把手付きシート異常検出センサーからの検出信号を受けた時、前記シート送り出しシリンダーの押圧部材が径方向外側へ移動してアームの先端を押圧することにより、前記つかみ爪を開くことを特徴とする請求項3に記載の製袋機。
【背景技術】
【0002】
紙袋を製造する製袋機には、ロール状の原紙を連続的に供給する輪転型製袋機と、所定サイズに裁断した袋用シートを供給する枚葉型製袋機とがある。
輪転型製袋機は、紙袋を効率良く製造できるものの、把手を取り付けた口部の処理が難しく、把手の補強紙貼り付け部分が袋口から見えてしまうので体裁が良くない。
一方、枚葉型製袋機は、効率は良くないものの、口部を折り返して把手貼り付け部分を隠すことができるので、高級感のある紙袋を得ることができる。
【0003】
従来の枚葉型製袋機としては、例えば、特許文献1に記載の製袋機が知られている。
この製袋機は、袋用紙を一枚ずつ供給する給紙装置と、把手を形成して袋用紙に貼り付ける把手装置と、袋用紙の一縁部と中央部に折り畳み線を刻設する筋付装置と、袋用紙を折り畳んで筒状に貼り付ける紙筒形成装置と、角底部分を形成する袋底形成装置と、紙袋をプレスして製品台に送り出し、製造数をカウントするカウント装置とを備える。
製袋機の把手装置は、連続紙リールから送り出される連続紙に紐を蛇行した状態で貼り付けた後、連続紙を長さ方向に中央から切断し、さらに、連続状態の貼付部を所定長さに切断して把手を形成し、この把手を左右一枚ずつ貼付ドラム上の袋用紙に供給する。
【0004】
上記従来の製袋機において、給紙装置から袋用紙が傾斜した状態で供給されると、把手貼付位置や筋付け位置がずれてしまい、正常な紙袋を形成することができないので、後工程に送ることなく排出しなければならない。一方、把手装置では、連続紙リールを交換する際に、連続紙どうしを粘着テープで接続した場合等には、不良把手が発生し、この不良把手を袋用紙に貼り付けると完成した紙袋が不良品になってしまうため、不良把手も製造途中で排出しなければならない。また、袋用紙及び把手のいずれか一方を排出すると、他方が余ってしまうため、これも不良品製造の原因となる。
このように不良な袋用紙或いは把手を排出する度に、製袋機を停止させると製造効率が低下し、生産性が悪くなる。また、製袋機において搬送路を駆動するモータを停止しても、実際に搬送路が停止するまでにタイムラグが発生し、搬送されている材料が次工程や取り出し難い位置へ移動してしまうこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、不良な袋用シート及び把手、並びに、不良な袋用シートに対応する把手、及び不良な把手付きシートを自動的に排出し、製袋作業の停滞を防ぎ、生産性の良い製袋機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の製袋機は、袋用シートの口部に把手を貼る把手貼付部と、該把手貼付部に袋用シートを一枚ずつ搬入するシート搬入路と、前記把手貼付部へ把手を搬送する把手搬送路と、前記把手貼付部から把手付きシートを搬出するシート搬出路とを備え、前記シート搬入路の搬送途中に、前記袋用シートの異常を検出して検出信号を発する異常シート検出センサーを設置し、前記把手搬送路の末端部に、把手の異常を検出して検出信号を発する異常把手検出センサーを設置し、前記把手貼付部と前記シート搬入路の間に、前記異常シート検出センサーからの検出信号を受けた時、異常な袋用シートを排出するシート排出手段を設け、前記把手搬送路と前記把手貼付部の間に、前記異常シート検出センサー又は異常把手検出センサーからの検出信号を受けた時、異常な袋用シートと対応する把手、又は、異常な把手を排出する把手排出手段を設け、前記把手貼付部に臨んで、前記把手付きシートの異常を検出して検出信号を発する把手付きシート異常検出センサーを設置し、前記把手貼付部と前記シート搬出路の間に、前記把手付きシート異常検出センサーからの検出信号を受けた時、異常な把手付きシートを排出する不良品排出手段を設けてある。
【0008】
前記異常把手検出センサーは、前記把手に含まれるマーカーとなる金属を検出する金属検出器と、前記把手の紐の位置異常を検出する光電センサーとから構成してもよい。
前記シート搬入路の末端部と前記把手貼付部との間に、前記シート搬入路で搬送される袋用シートを前記把手貼付部へ送り込むシート送り込みシリンダーを設け、前記把手貼付部と前記シート搬出路の先端部との間に、把手付きシートを前記シート搬出路へ送り出すシート送り出しシリンダーを設け、前記シート排出手段は、前記シート送り込みシリンダーの外周に起伏可能に設けられ、伏せて閉じた状態で前記袋用シートを把持するつかみ爪より成り、該つかみ爪は、前記異常シート検出センサーからの検出信号を受けた時に起立して開き、前記袋用シートを前記シート搬入路により排出し、前記不良品排出手段は、前記シート送り出しシリンダーの外周に起伏可能に設けられ、伏せて閉じた状態で前記袋用シートを把持するつかみ爪より成り、該つかみ爪は、前記把手付きシート異常検出センサーからの検出信号を受けた時に起立して開き、異常な把手付きシートを前記シート搬出路の外へ排出することがある。
【0009】
この場合、前記つかみ爪が、前記シート送り込みシリンダー及び前記シート送り出しシリンダーにその軸方向に沿って、且つ、中心軸周りに回動可能に設けられた支持棒に取り付けられ、前記支持棒は前記つかみ爪が閉じる方向に付勢され、前記支持棒の端部から前記シート送り込みシリンダー及び前記シート送り出しシリンダーの径方向内側に向けて、前記支持棒と連動して回転するアームを張り出し、前記シート送り込みシリンダー及び前記シート送り出しシリンダーの端面に、前記つかみ爪が閉じて袋用シート又は把手付きシートを掴む位置に達した時、前記アームの先端が外周に圧接する押圧部材をそれぞれ径方向に移動可能に設け、前記異常シート検出センサーからの検出信号を受けた時、前記シート送り込みシリンダーの押圧部材が径方向外側へ移動してアームの先端を押圧することにより、前記つかみ爪を開き、前記把手付きシート異常検出センサーからの検出信号を受けた時、前記シート送り出しシリンダーの押圧部材が径方向外側へ移動してアームの先端を押圧することにより、前記つかみ爪を開いてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、姿勢や形状、タイミングが不良な状態で把手貼付部に搬入される袋用シートと、この袋用シートに対応する把手を自動的に排出するので、後の工程でトラブルが生じにくく、製造途中で機械を停止することによるロスタイムを少なくでき、生産性及び稼働率が向上する。
また、不良な把手が排出されて、対応する袋用シートに正常な状態で把手が貼り付けられていない場合も、この不良な把手付きシートが自動的に排出されるため、紙袋の不良品が発生するのを防ぐことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の製袋機1を示す。
製袋機1は、角底紙袋を製造する装置であって、把手製造装置に並設され、上流側から順に、給紙部aと、把手貼付部bと、胴貼成形部cと、フィーダー部dと、角底成形部eと、デリバリー部fとを備える。
給紙部aは、予め所定寸法に裁断された袋用シートA(
図2)を、その口部を搬送方向後方へ向けて一枚ずつ供給する。把手貼付部bは、給紙部aから送り込まれた袋用シートAに把手Bを貼り付けて、把手付きシートA1(
図2)を形成する。胴貼成形部cは、把手付きシートA1を筒状に貼りあわせ、フィーダー部dは、筒状にした把手付きシートA1を位置合わせして角底成形部eへ送り込む。角底成形部eにおいて、角底を折り畳み接着して角底紙袋を完成させ、デリバリー部fは、完成した角底紙袋の数をカウントし、姿勢をそろえて重ねる。
【0013】
図2に示すように、把手貼付部bは、互いに平行な口折大シリンダー2及び左右一対の貼り付けシリンダー3を有する。一対の貼り付けシリンダー3は、口折大シリンダー2の上方両側に軸方向に並べて配置され、貼り付けシリンダー3の外周面が口折大シリンダー2の外周面に圧接されている。
口折大シリンダー2は、給紙部aから把手貼付部bへ袋用シートAを搬入するシート搬入路4の末端部上方に設置され、シート搬入路4の下流側において、口折大シリンダー2の下方には、把手付きシートA1を胴貼成形部cに向けて搬出するシート搬出路5が配置されている。
シート搬入路4はサーボモータで間歇駆動され、シート搬入路4の上方に臨んで、袋用シートAの姿勢や形状の異常、多数枚重なっていないか、或いは、搬送タイミングが速すぎたり、遅れていないか等の異常を検出する異常シート検出センサー18が設置される。
【0014】
図3に示すように、口折大シリンダー2とシート搬入路4の末端部との間には、シート搬入路4上の袋用シートAを口折大シリンダー2の外周面に送り込むシート送り込みシリンダー6が設けられる。
また、口折大シリンダー2とシート搬出路5の先端部との間には、口折大シリンダー2と貼り付けシリンダー3の間を通過した把手付きシートA1をシート搬出路5上に送り出すシート送り出しシリンダー7が設けられる。
口折大シリンダー2とシート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7とは、互いに平行で逆回転している。
【0015】
図3及び
図4に示すように、口折大シリンダー2、シート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7の外周面にはそれぞれつかみ爪8が起伏可能に設置され、つかみ爪8が伏せて閉じた時に袋用シートA又は把手付きシートA1を把持し、つかみ爪8が起きて開いた時に袋用シートA又は把手付きシートA1を解放するようになっている。
なお、口折大シリンダー2には、周方向の3カ所につかみ爪8が等間隔で配置され、シート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7には、それぞれ周方向の1ヶ所につかみ爪8が設けられる。
また、口折大シリンダー2、シート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7の両端面は、外周面の回転に追随せずに固定されている。
【0016】
図4〜
図8に示すように、各シリンダー(口折大シリンダー2、シート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7)の外周部には、その軸方向に沿って、且つ、中心軸周りに回動可能に支持棒8aが設けられ、この支持棒8aに複数のつかみ爪8が適宜間隔ごとに取り付けられる。なお、支持棒8aは、つかみ爪8が倒れて閉じる方向に付勢されている。
また、支持棒8aの両端部には、各シリンダーの径方向内側に向かってアーム9が張り出される。アーム9は支持棒8aと連動して回転し、アーム9の先端にベアリング9aが取り付けられる。
【0017】
各シリンダーの一端面には、一方のベアリング9aをガイドする第1カム22及び第2カム23が設けられる。各シリンダーが回転してベアリング9aが第1カム22及び第2カム23に接すると、ベアリング9aが次第に外周方向へ押され、つかみ爪8が徐々に起立して開き、第1カム22及び第2カム23の端部を越えた時、ベアリング9aは付勢力によって中心方向に戻り、つかみ爪8が倒れて閉じる。
通常の状態では、つかみ爪8が袋用シートA又は把手付きシートA1を掴む位置に達した時、つかみ爪8が倒れて閉じ、袋用シートA又は把手付きシートA1をシリンダー外周面とつかみ爪8との間に挟んで搬送する。
【0018】
シート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7の他端面には円弧状の押圧部材10が径方向へ移動可能に設置される。押圧部材10は、つかみ爪8が閉じて袋用シートA又は把手付きシートA1を掴む位置に達した時、ベアリング9aが外周に接触する位置に設けられる。また、押圧部材10にはエアーシリンダー11が連結され、エアーシリンダー11を進退させることにより押圧部材10を径方向に移動できるようになっている。
【0019】
図6及び
図8に示すように、通常は、エアーシリンダー11が伸長して、押圧部材10がシート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7の中心に接近している。この状態では、つかみ爪8が袋用シートA又は把手付きシートA1を掴む位置に達した時、つかみ爪8が倒れて閉じ、袋用シートAを口折大シリンダー2へ送り込み、又は、把手付きシートA1を口折大シリンダー2から下流へ送り出す。
一方、
図5及び
図7に示すように、エアーシリンダー11を退縮させると、押圧部材10がシート送り込みシリンダー6及びシート送り出しシリンダー7の外周面に接近し、この結果、ベアリング9aが押されて支持棒8aが回転し、つかみ爪8が起立して開く。
【0020】
図9に示すように、口折大シリンダー2の上方の軸方向両側において、貼り付けシリンダー3の設置位置よりも回転方向前方には、把手製造装置で製造された把手連続体Cを受け取る把手挿入部が設けられる。把手挿入部は左右両側にあるが、図面では片側のみを表示する。
把手製造装置と把手挿入部とを連絡する把手搬送路では、把手連続体Cが紐Dの頂部を上にして搬送される。
把手挿入部には、把手搬送路に連続して、それぞれ把手連続体Cと把手Bを搬送するカット位置決めローラ12及び孔開き無端ベルト13が順次設置される。また、カット位置決めローラ12と孔開き無端ベルト13の間には、把手連続体CをU字状の紐Dの両側で所定長さに切断する回転カッター14が設けられる。
【0021】
カット位置決めローラ12、孔開き無端ベルト13及び回転カッター14は、それぞれ独立して制御される別個のサーボモータで回転駆動される。
図10に示すように、把手搬送路に臨んで、カット位置決めローラ12の直前には、金属検出器19より成る異常把手検出センサーが設置される。把手製造装置において、把手連続体Cが切れた場合等には、マーカーとなる特殊金属を含有する粘着テープで把手連続体Cを接続しておく。金属検出器19は、この特殊金属に反応して異常な把手であることを検出し、孔開き無端ベルト13を駆動するサーボモータへ検出信号を送る。
【0022】
また、回転カッター14の上流側には、カット位置決めローラ12に臨んで、カット位置決めローラ12で搬送される把手連続体Cの紐Dの位置を検出する光電センサー20が設置される。光電センサー20の検出信号は、回転カッター14を駆動するサーボモータに送られ、回転カッター14は、光電センサー20からの信号に基づいて、確実に紐Dの両側で把手連続体Cを切断し、U字状の紐Dの両端部が補強紙E(
図13)に貼着されて成る所定長さの把手Bを形成する。
また、この光電センサー20は、異常把手検出センサーとしても機能し、紐Dが無い場合や、紐Dのピッチに異常がある場合を検出して、孔開き無端ベルト13を駆動するサーボモータへ検出信号を送る。
【0023】
孔開き無端ベルト13の内側は、真空バキューム装置に連結され、真空バキューム装置を作動させると孔開き無端ベルト13は把手Bを吸着し、作動を停止すると孔開き無端ベルト13が把手Bを解放するようになっている。
また、孔開き無端ベルト13は、間歇的に停止し、吸着した把手Bを所定位置に運んで停止させる。孔開き無端ベルト13は、光電センサー20からの検出信号により、紐Dに異常が無い場合に所定位置で停止するので、停止した孔開き無端ベルト13に吸着された把手Bは予め設定されている正確な位置に位置決めされる。
【0024】
孔開き無端ベルト13の回転が停止すると、図示しない把持装置が孔開き無端ベルト13で吸着されている位置決めされた把手Bを掴み、口折大シリンダー2の外周面に送り込まれた袋用シートAの口部上面に移送して重ねる。また、把手Bの補強紙Eには、袋用シートAの上面に重ねる前に接着剤が塗布される。
なお、孔開き無端ベルト13の停止位置よりも回転方向下流側には、把手排出路17の投入口が配置されている(
図2)。
【0025】
把手Bを重ねた袋用シートAは、口部を回転方向後方に向けて口折大シリンダー2で搬送され、貼り付けシリンダー3との間を通過する。
図11及び
図12に示すように、貼り付けシリンダー3の外周面の軸方向両側部において、把手Bの紐Dの両端部に相当する位置にはそれぞれ逃げ溝15が形成され、貼り付けシリンダー3の下流側に隣接して、逃げ溝15の位置に対応する一対の補助プレスロール16が設置される。
なお、左右一対の貼り付けシリンダー3は、1本の連続したものとしてもよい。
【0026】
接着剤を介して重ねた袋用シートA及び把手Bが把手貼付部bを通過すると、まず、貼り付けシリンダー3が、紐Dの部分を除いて補強紙E及び袋用シートAを平らにプレスし(
図13の斜線部分)、次いで、補助プレスロール16が紐Dの部分をプレスするので、補強紙Eが浮き上がることなく袋用シートAへ貼りつけられ、把手付きシートA1が形成される。
また、
図9に示すように、口折大シリンダー2の外周面に臨んで、貼り付けシリンダー3よりも下流側に把手付きシート異常検出センサー21が設置される。把手付きシート異常検出センサー21は、把手付きシートA1の姿勢や形状の異常を検出して、検出信号をシート送り出しシリンダー7のつかみ爪8の非常時における開閉を制御するエアーシリンダー11に送る。
【0027】
この製袋機1は、以下のようにして紙袋を製造する。
給紙部aから供給された袋用シートAが、一枚ずつシート搬入路4を通って把手貼付部bへ搬送される。
袋用シートAがシート搬入路4の末端部に達したら、シート送り込みシリンダー6のつかみ爪8が閉じてシート搬入路4上の袋用シートAを掴み、シート送り込みシリンダー6の回転に伴い、袋用シートAが口折大シリンダー2に向かって搬送される。袋用シートAが口折大シリンダー2の外周面に達したら、口折大シリンダー2のつかみ爪8が閉じると共に、シート送り込みシリンダー6のつかみ爪8が開く。口折大シリンダー2はこの袋用シートAを外周面に載せて把手挿入部へ向かって搬送する。
【0028】
同時に、把手製造装置で製造された把手連続体Cが、把手搬送路を通って把手挿入部に搬送される。把手連続体Cは回転カッター14で切り分けられて把手Bが形成され、把手Bは、孔開き無端ベルト13で位置合わせされて、口折大シリンダー2の外周面上の袋用シートAに、接着剤を介して重ねられる。
口部上に把手Bが重ねられた袋用シートAは、貼り付けシリンダー3との間、及び、補助プレスロール16との間を順次通過し、把手Bが袋用シートAにしっかり貼着されて、把手付きシートA1が形成される。
【0029】
把手付きシートA1がシート送り出しシリンダー7に達すると、シート送り出しシリンダー7のつかみ爪8が閉じて把手付きシートA1を掴むと共に、口折大シリンダー2のつかみ爪8が開いて把手付きシートA1を解放する。シート送り出しシリンダー7は把手付きシートA1をシート搬出路5に向かって搬送する。
把手付きシートA1がシート搬出路5に達したら、シート送り出しシリンダー7のつかみ爪8が開いて把手付きシートA1を開放する。
シート搬出路5に載せられた把手付きシートA1は胴貼成形部cへ送られる。
【0030】
異常シート検出センサー18が、シート搬入路4上の袋用シートAの形状異常や姿勢異常、多数枚重なっていること、或いは、搬送タイミングの狂いを検出すると、検出信号がシート送り込みシリンダー6のつかみ爪8の非常時における開閉を制御するエアーシリンダー11に送られる。すると、異常な袋用シートAがシート搬入路4の末端部に達した時、シート送り込みシリンダー6のつかみ爪8がシート排出手段として機能する。
即ち、異常シート検出センサー18の検出信号を受けると、エアーシリンダー11が退縮して押圧部材10が移動し、シート送り込みシリンダー6のつかみ爪8は閉じずに開いたままになり、斜めの袋用シートAはシート搬入路4の末端から落下して排出される。
【0031】
また、異常シート検出センサー18の検出信号は孔開き無端ベルト13の回転を制御するサーボモータにも送られ、孔開き無端ベルト13が把手排出手段として機能する。即ち、異常シート検出センサー18の検出信号を受けると、孔開き無端ベルト13は所定位置で停止せず、姿勢不良の袋用シートAに貼りつけられるべき把手Bは把手排出路17の投入口まで運ばれる。そして、この把手Bは、次の把手Bが所定位置へ達して真空吸着が停止した時、把手排出路17に落下する。
さらに、孔開き無端ベルト13に臨んで設置された光電センサー20が紐Dを検知しなかったり、紐Dのピッチ異常を検出した場合、或いは、カット位置決めローラ12の直前に設置された金属検出器19が特殊金属を検出した場合も、孔開き無端ベルト13は停止せず、この把手Bを不良であるとして把手排出路17から排出する。
なお、金属検出器19や光電センサー20が把手Bの異常を検出した時は、給紙部a及びシート搬入路4の運転を停止して袋用シートAの供給を中断し、異常な把手Bが把手排出路17から排出されたら運転を再開する。
【0032】
この場合、袋用シートAには把手Bが貼り付けられず、異常な把手付きシートA1となってしまう。また、口折大シリンダー2の外周面において、袋用シートAが斜めにずれることもある。
すると、把手付きシート異常検出センサー21が把手付きシートA1の異常を検出し、検出信号がシート送り出しシリンダー7のつかみ爪8の開閉を制御するエアーシリンダー11に送られる。すると、異常な把手付きシートA1がシート送り出しシリンダー7に達した時、シート送り出しシリンダー7のつかみ爪8が不良品排出手段として機能する。
即ち、把手付きシート異常検出センサー21からの検出信号を受けてエアーシリンダー11が退縮し、シート送り出しシリンダー7のつかみ爪8が閉じずに開いたままとなって、異常な把手付きシートA1はシート搬出路5へ運ばれることなく落下する。
【課題】不良な袋用シート及び把手、並びに、不良な袋用シートに対応する把手、及び不良な把手付きシートを自動的に排出し、製袋作業の停滞を防ぎ、生産性の良い製袋機を提供すること。
【解決手段】把手貼付部bへ搬送される袋用シートAの異常及び把手Bの異常をそれぞれ検出する異常シート検出センサーと異常把手検出センサーを設置し、異常シート検出センサーからの信号で、異常な袋用シートAを排出するシート排出手段を設け、異常シート検出センサー又は異常把手検出センサーからの検出信号で、異常な袋用シートAと対応する把手B、又は、異常な把手Bを排出する把手排出手段を設け、把手付きシートA1の異常を検出する把手付きシート異常検出センサーを設置し、その検出信号で異常な把手付きシートA1を排出する不良品排出手段を設ける。