(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は本発明の一実施例による金属板切断装置100aの斜視図であり、
図2は
図1に示された金属板切断装置100aを正面から見た概略的な断面図であり、
図3は
図1に示された金属板切断装置100aを側面から見た概略的な断面図である。以下、これを参照して本実施例による金属板切断装置100aについて説明する。
【0033】
図1〜
図3に示されているように、本実施例による金属板切断装置100aは、受け部110、フレーム部140、及び切断部160を含み、且つ切断部160は、第1駆動部167、回転軸164が受け部110の上面に置かれた金属板200より上部にある鋸刃部161、及び第1駆動部167の駆動力を鋸刃部161に伝達する動力伝達部180を含むことができる。
【0034】
受け部110は上面の金属板200を支持する部材で、金属板切断装置100aのベースとなる部分である。
【0035】
ここで、受け部110は、平板形状の本体部111、及び本体部111に設置されて金属板200が本体部111によって支持されるための支持部112を含むことができる。このとき、支持部112は、金属板200の移動中に金属板200の表面に摩擦傷が生じることを防止するための部材で、例えば、多数のボールキャスタで具現されることができる。このようなボールキャスタは、ボール113がハウジング114内で自由に回転可能であり、ボール113とハウジング114の間にバネが備えられて金属板200の表面が均一でなくでこぼこしていても金属板200の各地点と点接触して金属板200を安定的に支持することができる。
【0036】
一方、金属板200は、受け部110上にローディング部120を通じてローディングされることができ、ローディング部120の駆動には、例えば、油圧などを用いることができる。また、ローディング部120は、金属板200の切断後に金属板200を金属板切断装置100aからアンローディングする機能を行うこともできる。また、受け部110の領域のうち金属板200が排出される出側にはローラなどを備えることにより金属板200の排出過程を容易にすることができる。
【0037】
また、受け部110には、金属板200を受け部110の方向に加圧して金属板200の位置をとらえる固定部130が備えられることができる。ここで、固定部130は、金属板200の上部から下降して金属板200の上面を加圧することができ、これにより、切断工程時にも金属板200の位置が乱れないようにすることができる。このような固定部130は、例えば、支持台131、油圧部132、クランピング軸133、及びクランピング板134で具現されることができ、支持台131に連結された油圧部132を作動させてクランピング軸133を伸張させ、これにより、クランピング板134を金属板200の上面に接触させることにより、金属板200を加圧して金属板200を固定することができる。
【0038】
固定部130は、切断中に素材である金属板200の動きを固定するために、複数個の油圧部132を用いて切断長さが長い金属板200を上部から垂直に押し出すクランピング軸133、及び円形または板形の分割型クランピング板134を含む。
【0039】
フレーム部140は、金属板200が位置した受け部110の上面に支持されて切断部160の移動を案内し支持する部材である。
【0040】
ここで、フレーム部140は、受け部110の本体部111の上面に支持されることができる。また、フレーム部140は、受け部110に連結された第1フレーム部141、及び第1フレーム部141から折り曲げられて受け部110の上面と平行に延長された第2フレーム部142を含むことができる。このとき、第1フレーム部141は一対で備えられ、第2フレーム部142は一対の第1フレーム部141を連結することができる。これにより、フレーム部140は全体的に「П」のような形状を有することができる。また、第1フレーム部141は、第2フレーム部142を受け部110に支持する役割を行い、第2フレーム部142は切断部160が移動するレールまたはガイドとしての機能を行うことができる。
【0041】
一方、第2フレーム部142は、外面にねじ山が形成されたスクリュー部143を含むこともでき、このようなスクリュー部143を回転させる、例えば、モータのような第2駆動部150が第2フレーム部142に隣接して設置されることができる。一方、動力伝達部180は、このような第2フレーム部142のスクリュー部143にかみ合う部材を備えることができ、これにより、スクリュー部143の回転によって動力伝達部180が移動して動力伝達部180と連結された鋸刃部161と第1駆動部167、即ち、切断部160が一体に移動することができる。
【0042】
切断部160は、フレーム部140に沿って受け部110の上面に平行に移動しながら金属板200を切断する部材で、第1駆動部167、鋸刃部161、及び第1駆動部167の駆動力を鋸刃部161に伝達して鋸刃部161が回転するようにする動力伝達部180を含むことができる。
【0043】
ここで、切断部160は、第2フレーム部142に沿って移動することができ、これにより、金属板200の切断しようとする部位に対応するように移動することができる。したがって、切断部160は、第2フレーム部142に沿って移動するため、第2フレーム部142と平行な方向に金属板200が切断されることができる。このとき、切断部160を移動させる部材は上述の第2駆動部150になり得る。例えば、第2駆動部150は、第2フレーム部142のスクリュー部143を回転させる方式でスクリュー部143とねじ連結された切断部160を移動させることができる。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2駆動部150が油圧シリンダで具現されて直接切断部160を移動させ、第2フレーム部142は単に切断部160をガイドする役割に制限することもできる。また、第2駆動部150が別の移送レール、例えば、コンベヤベルトのような分割型移送レールを駆動させることもでき、このとき、移送レールに連結された切断部160が移動する構成も可能である。ここで、第2駆動部150が移送レールを駆動して切断部160を移動させる構成は金属板200の長さが相対的に長いときに有用となり得る。
【0044】
一方、切断部160は、金属板200を直接切断する部材で、鋸刃部161を含むことができる。このとき、鋸刃部161は、多数の鋸刃165を有する円板状を有することができ、例えば、モータのような第1駆動部167によって駆動力の伝達を受けて回転しながら金属板200を切断することができる。また、切断部160が第2フレーム部142に沿って水平に移動しながら鋸刃部161が回転して金属板200を切断するため、金属板200の長さが長くても容易に金属板200を切断することができる。なお、鋸刃部161にはパッド部162が付加されることもできる。パッド部162は、鋸刃部161が金属板200を切断するとき、左右に遊動しないようにすることができる。さらに、鋸刃部161には放熱孔163が形成されることもできる。このような放熱孔163は鋸刃部161の切断過程中に摩擦によって発生する熱を外部に排出して鋸刃部161にかかる応力を減少させることができる。
【0045】
また、鋸刃部161の回転軸164は、金属板200より上部、即ち、受け部110と反対である金属板200の面外側に位置することができ、鋸刃部161は時計方向または反時計方向に回転することができる。このとき、鋸刃部161の回転方向は、鋸刃部161の回転軸164が金属板200より上部に位置すること、且つ切断部160の移動方向によって決定されることが好ましい。これについては、以下で具体的には説明する。
【0046】
図4〜
図6は
図1に示された金属板切断装置100aと比較するための図面であり、
図7及び
図8は
図1に示された金属板切断装置100aの鋸刃部161が金属板200を切断する過程における力の分布を概略的に示す図面である。以下、これを参照して本実施例による金属板切断装置100aの鋸刃部161についてさらに具体的に説明する。
【0047】
図4及び
図5に示されているように、鋸刃部10の回転軸11が金属板20より下部に存在し、鋸刃部10が右側に移動しながら時計方向に回転する場合、移送力と切断力の和である合力は金属板20を鋸刃部10から押し出す方向となり得る。即ち、
図4のように金属板20にかみ合う鋸刃12の観点から見たときと、
図5のように金属板20から外れる鋸刃13の観点から見たときの合力の方向は両方とも図面で右側の方向の成分を有するようになって金属板20を鋸刃部10から押し出す斥力が発生する可能性がある。その結果、切断過程が効率的に行われることができず鋸刃部10が空回りすることがある。このような問題点を解決すべく、
図6に示されているように、鋸刃部10を反時計方向に回転させる方案を考えることもできるが、鋸刃部10によって切断されたチップ14が鋸刃部10に沿って上がり、チップ14が金属板20の上部または駆動部に挟まる可能性があるため切断工程が円滑に行われることができない。
【0048】
これに対し、
図7及び
図8に示されているように、本実施例による金属板切断装置100aの場合、鋸刃部161の回転軸164が金属板200より上部に位置するため、鋸刃部161と金属板200との間に斥力が発生せずチップ166が円滑に排出されることができる。具体的には、
図7のように金属板200にかみ合う鋸刃165aの観点から見たとき、切断力と移送力との和である合力は下部方向であるため金属板200が押されることなく、
図8のように金属板200から外れる鋸刃165bの観点から見たときの合力は金属板200を引く方向となり得る。即ち、逆に金属板200と鋸刃部161との間に引く力である引力が発生して金属板200が押されず円滑に切断されることができる。さらに、切断部160が水平移動するため切断反力による影響を最小化することができ、切断面積が小さくて移送力が相対的に低くても切断部160の移送が容易に行われることができる。したがって、第2駆動部150のモータの容量を減少させることが可能である。このとき、チップ166は、鋸刃部161に沿って金属板200の下部方向に移動するため、容易に排出されることが可能である。上述のように、鋸刃部161と金属板200との間に斥力が発生しないようにしながらもチップ166を容易に排出するためには鋸刃部161の回転方向と移送方向とが対応することが重要である。具体的には、
図7及び
図8のように移送方向が右側に向かう場合は鋸刃部161が時計方向に回転するようにし、移送方向が左側に向かう場合は鋸刃部161が反時計方向に回転するようにすることができる。
【0049】
図9は
図1に示された金属板切断装置100aの切断部160を正面から見た概略的な断面図である。以下、これを参照して本実施例による切断部160の動力伝達部180及び第1駆動部167について具体的に説明する。
【0050】
図9に示されているように、本実施例による動力伝達部180は、第1駆動部167の駆動力を鋸刃部161に減速して伝達する多数のギヤ部181、182、183、184を含むことができる。このとき、それぞれのギヤ部181、182、183、184は、軸181a、182a、183a、184a、及び軸181a、182a、183a、184aに連結され、且つ他のギヤ部181、182、183、184のギヤ181b、182b、182c、183b、183c、184bとかみ合うギヤ181b、182b、182c、183b、183c、184bを備えることができる。以下、具体的な実施例を説明するが、本発明はこれに限定されないことを予め明らかにしておく。
【0051】
本実施例による動力伝達部180は、例えば、第1駆動部167から鋸刃部161に沿う動力ラインで順にプーリ部189、入力ギヤ部181、第1ギヤ部182、第2ギヤ部183、及び出力ギヤ部184を含むことができる。ここで、プーリ部189は第1駆動部167に一側が連結され、入力ギヤ部181に他側が連結されて、第1駆動部167が駆動されると回転することにより第1駆動部167の駆動力を入力ギヤ部181に伝達することができる。このとき、プーリ部189の減速は、本実施例で定義する減速ではないが、プーリ部189と連結される第1駆動部167の部分及び入力ギヤ部181の部分の直径を適切に調節して第1駆動部167の駆動力をプーリ部189によって0次減速させることもできる。例えば、プーリ部189と連結される第1駆動部167の部分の直径を、プーリ部189と連結される入力ギヤ部181の部分の直径と同一にすることにより0段減速を具現することができる。
【0052】
一方、プーリ部189を通じて伝達された駆動力は入力ギヤ部181を回転させ、これにより、入力ギヤ部181の入力ギヤ181bも回転することができる。入力ギヤ181bが回転すると、これにかみ合う第1ギヤ部182の第1−1ギヤ182bも回転する。このとき、相対的に第1駆動部167に遠く位置する第1−1ギヤ182bの直径を、相対的に第1駆動部167に近く位置する入力ギヤ181bの直径より大きくすることにより1段減速を行うことができる。また、第1ギヤ部182まで伝達された駆動力は第1−2ギヤ182cを通じて第2ギヤ部183の第2−1ギヤ183bに伝達される。このとき、第2−1ギヤ183bの直径を第1−2ギヤ182cの直径より大きくすることにより2段減速を行うことができる。また、第2ギヤ部183まで伝達された駆動力は第2−2ギヤ183cを通じて出力ギヤ部184の出力ギヤ184bに伝達される。このとき、第2−2ギヤ183cの直径を出力ギヤ184bの直径より小さくすることにより3段減速を行うことができる。これにより、入力ギヤ部181を通じて入った第1駆動部167の駆動力は、各ギヤ部181、182、183、184を通じて減速されて最終の出力ギヤ部184を通じて出力ギヤ部184に連結された鋸刃部161に伝達されて鋸刃部161を回転させることができる。
【0053】
一方、第1−1ギヤ182b及び第1−2ギヤ182cのように一つのギヤ部182、183に含まれる互いに異なるギヤ182b、182c、183b、183cの直径は、第1駆動部167に近いギヤ部181、182と連結されるギヤ182b、183bを遠いギヤ部183、184と連結されるギヤ182c、183cに比べて大きくすることができる。これにより、各ギヤ部181、182、183、184のギヤ181b、182b、182c、183b、183c、184bの直径が大きくなりすぎることを防止することができ、動力伝達部180の体積が大きくなることを防止することができる。上述のように入力ギヤ部181と出力ギヤ部184の間に2つのギヤ部182、183が含まれる場合に3段減速が行われることができ、本発明は3段減速以上行うことにより急激な減速を防止してギヤ比を相対的に小さくすることができる。したがって、相対的に大きすぎる直径を有するギヤ181b、182b、182c、183b、183c、184bを不要とすることができ、大きすぎる直径を有するギヤ181b、182b、182c、183b、183c、184bを用いる場合に発生することがある問題点である破損、騒音、振動を防止し、第1駆動部167の容量が相対的に小さくても大きい回転トルクを与え、ギヤ181b、182b、182c、183b、183c、184bとの回転方向を制御することができる。このとき、出力ギヤ部184とこれにかみ合う第2ギヤ部183のギヤ比は2以下に制御することができるが、これは切削中に発生する回転トルクの変化によるギヤの破損及び振動を防止するためのものであり得る。また、各ギヤ部181、182、183、184の軸181a、182a、183a、184aの直径は第1駆動部167から遠くなるほど大きくなることができ、これにより、金属板200の切断時に発生する大きい切削荷重及び回転トルクによる出力ギヤ部184の疲労破壊の発生可能性及びねじれ変形の可能性を低くすることができる。
【0054】
一方、動力伝達部180はギヤ部181、182、183、184を内部に収納するハウジング部188をさらに含むことができる。このとき、ハウジング部188は、鋸刃部161と連結される出力ギヤ部184が他のギヤ部181、182、183に比べて相対的に長いため「L」字形になり得る。また、出力ギヤ部184の上部に位置するハウジング部188の領域は第2フレーム部142と相対するようになって切断部160の移動によるガイドの役割を行うこともできる(
図3参照)。また、ハウジング部188内にはハウジング部188の内外部に循環する潤滑オイル188aが満たされることができる。上記潤滑オイル188aは、ギヤ部181、182、183、184のギヤの回転を円滑にし、摩擦騒音が発生することを減らすことができる。
【0055】
図10は
図1に示された金属板切断装置100aの切断速度を示すグラフであり、
図11はガストーチによって切断された金属板の切断面を示す写真であり、
図12は
図1に示された金属板切断装置100aによって切断された金属板の切断面を示す写真である。以下、これを参照して本実施例による金属板切断装置100aについてさらに具体的に説明する。
【0056】
図10は強度400MPa、切断長さ1200mm、厚さ200mmを有する金属板に対して実際テストを行った結果であり、ガストーチを用いた場合は切断速度が約150mm/minに過ぎないが、本実施例による金属板切断装置100aを用いた場合は切断速度が約350mm/minとガストーチを用いた場合に比べて2倍以上速いことを確認することができる。このとき、上記結果は金属板切断装置100aの鋸刃部として円形を用いた場合であり、帯形を用いる場合は30〜40mm/minと切断速度が非常に遅いという結果が導出されたため、鋸刃部は円形に具現することが好ましい。また、
図11に示されているように、ガストーチを用いた場合は「切断屑」が存在するため金属板の切断面が滑らかではないが、
図12に示されているように、金属板切断装置100aを用いた場合は金属板の切断面が非常に滑らかに導出できることを確認することができる。このとき、テストによると、ガストーチの場合は2〜3mmの寸法偏差を示したが、金属板切断装置100aの場合は0.02〜0.04mmの優れた寸法偏差を示した。したがって、本実施例による場合、金属板の切断面が滑らかであるため、別途の2次加工工程が不要となり、これにより、費用及び時間を節減することができる。
【0057】
図13は
図9に示された金属板切断装置100aの変形例による切断部160’を正面から見た概略的な断面図である。以下、これを参照して本実施例による切断部160’について説明する。
【0058】
本実施例による切断部160’の動力伝達部180’は上述の実施例とは異なって第3ギヤ部185をさらに含むことができる。具体的には、第3ギヤ部185の第3−1ギヤ185bは第2ギヤ部183の第2−2ギヤ183cとかみ合い、第3−2ギヤ185cは出力ギヤ184bとかみ合うことができる。これにより、減速がもう一度行われて4段減速を具現することができる。
【0059】
一方、本実施例では動力伝達部180’に逆回転防止ギヤ部186がさらに含まれることができる。このとき、逆回転防止ギヤ部186は逆回転防止ギヤ186bを備え、逆回転防止ギヤ186bは出力ギヤ部184の出力ギヤ184bとかみ合って出力ギヤ部184の逆回転を防止することができる。ここで、逆回転防止ギヤ部186は広く公知されているパウダブレーキを含むこともできる。また、逆回転防止ギヤ部186は第3ギヤ部185と重畳しない領域に設置されることができる。但し、逆回転防止ギヤ部186は必ずしも第3ギヤ部185が含まれるときだけに制限されず、前の実施例のように第2ギヤ部183までが含まれた場合にも出力ギヤ部184にかみ合って用いることができる。
【0060】
一方、動力伝達部180’はギヤ部181、182、183、184、185、186の軸181a、182a、183a、184a、185a、186aを支持する軸受部187をさらに含むことができる。軸受部187は軸181a、182a、183a、184a、185a、186aをハウジング部188に支持するようになる。自動調心軸受187a、テーパーローラ軸受187b、ローラ軸受187cまたは玉軸受などが用いられることができる。相対的に大きい荷重を受ける入力ギヤ部181の入力側である一側、第1ギヤ部182の両側、第2ギヤ部183の両側、第3ギヤ部185の一側、出力ギヤ部184の両側には高荷重を支持することが可能なテーパーローラ軸受187bを使用し、入力ギヤ部181の他側及び第3ギヤ部185の他側には軸方向への移動を容易にするローラ軸受187cまたは玉軸受を使用し、相対的に長さが長い出力ギヤ部184の中間に自動調心軸受187aを配置して調心が自動的に行われるようにすることができる。
【0061】
但し、軸受部187は必ずしも本実施例にだけ含まれるものではなく、前の実施例にも適用可能である。
【0062】
図14は
図1に示された金属板切断装置100aの鋸刃部161及び金属板200を示す斜視図であり、
図15は本発明の他の実施例による金属板切断装置100bの斜視図であり、
図16は
図15に示された金属板切断装置100bを正面から見た概略的な断面図である。以下、これを参照して本実施例による金属板切断装置100bについて説明する。ここで、同一または対応する構成要素は同一の図面符号で指称され、上述の実施例と重複する説明は省略する。
【0063】
図14に示されているように、鋸刃部161が水平方向に移動しながら回転して金属板200を切断する場合、鋸刃部161の先端方向の金属板200では引張力が発生し、鋸刃部161の後端方向の金属板200では圧縮力が発生することがある。その結果、鋸刃部161が金属板200の切断面210の間に挟まる可能性があり、このような場合、切断部160を移送する第2駆動部150、または鋸刃部161を回転させる第1駆動部167に負担がかかるおそれがある。
【0064】
このような問題点を解決すべく、
図15及び
図16に示されているように、本実施例による金属板切断装置100bは、受け部110、フレーム部140、及び切断部160を含み、且つ金属板200の切断面210の間を所定距離離隔させる離隔部170をさらに含むことができる。ここで、離隔部170は切断部160が移動する方向の反対側、即ち、
図15及び
図16では左側に設置されることができ、切断部160が通過してから作動して金属板200の切断面210の間を離隔させることができる。また、離隔部170は楔部171及び第3駆動部172を含むことができ、切断部160が所定距離移動した後、第3駆動部172が動作すると楔部171が切断部160の移動方向と同一の方向に移動して切断面210の間に挿入されることができる。このとき、楔部171は切断面210の間に容易に挿入されることができるように端部に行くほどテーパーされた形状を成すことができ、楔部171が切断面210の間に挿入されると金属板200の切断面210の間が一定の間隔離隔されて切断部160が残りの金属板200を容易に切断することができる。
【0065】
このとき、楔部171を動作させる第3駆動部172は手動で行われることもでき、別途の制御部を含み、切断部160が移動するのを感知することにより切断部160が通過した後に第3駆動部172が動作するようにすることもできる。
【0066】
図17は本発明のさらに他の実施例による金属板切断装置100cを正面から見た概略的な断面図であり、
図18〜
図20は
図17に示された金属板切断装置100cの作動方式を示す図面である。以下、これを参照して本実施例による金属板切断装置100cについて説明する。ここで、同一または対応する構成要素は同一の図面符号で指称され、前の実施例と重複する説明は省略する。
【0067】
図17に示されているように、本実施例による金属板切断装置100cは、受け部110、フレーム部140、及び切断部160a、160bを含み、且つ切断部160a、160bが一対で具現されることができる。具体的には、切断部160a、160bは、第1切断部160a及び第2切断部160bを含み、それぞれ別途の鋸刃部161a、161bを含むことができる。
【0068】
このとき、第1切断部160a及び第2切断部160bは作動する前の初期状態で互いに反対側に位置することができ、例えば、図
17において第1切断部160aは左側、第2切断部160bは右側に位置することができる。このとき、各切断部160は互いに抵触しないように時間差を置いて作動することにより金属板200の互いに異なる領域を切断することができる。具体的な作動方式の一例は以下の通りである。
【0069】
まず、
図18に示されているように、第1切断部160aが先に移動しながら第1鋸刃部161aが回転して金属板200の一部を切断することができる。このとき、第1切断部160aは右側に移動するため、第1鋸刃部161aは時計方向に回転して金属板200を切断することができる。
【0070】
次に、
図19に示されているように、第1切断部160aが移動して初期の位置に移動することができる。第1切断部160aが再び初期の位置に移動するのは第1切断部160aが第2切断部160bに抵触することを防止するためのものである。
【0071】
続いて、
図20に示されているように、第2切断部160bが移動することができる。このとき、第2切断部160bは第1切断部160aとは反対側である左側に移動するため第2鋸刃部161bは反時計方向に回転して金属板200を切断することができる。このとき、金属板200の切断されていない部分がすべて切断されることができ、これにより、金属板200が二分されることができる。その後、第2切断部160bは再び元の位置に移動して再び図
17のような位置を成すことができる。このとき、第1切断部160aが再び初期の位置に移動すると、第2切断部160bが同時に左側の方向に移動することもできる。
【0072】
フレーム構造
図21は本発明の他の実施例による切断装置200aの斜視図を示す図面である。また、
図22は本発明の
図21の実施例による切断部500の構成をより詳細に示す図面であり、
図23は本発明の
図21の実施例による切断部500が移送レール400に結合した状態に関する断面を示す図面である。
【0073】
図21〜
図23に示されているように、切断装置200aは内部に第1方向に延びる移送軸410を備える移送レール400、及び移送レール400の一部を取り囲む状態で移送軸410に結合して第1方向に移送し、被切断材である金属板200を切断する切断部500を含む。
【0074】
また、切断装置200aは、移送レール400の一端に装着され、移送軸410の一端と連結されて移送軸410に回転力を提供する移送用モータ600、及び移送レール400の両端に結合して移送レール400及び切断部500の全体の荷重を支持するベース部650をさらに含むことができる。
【0075】
以下では、説明の便宜のために、本発明の構成要素のうち切断部500を先に説明し、移送レール400と残りの構成要素との連結関係を説明する。
【0076】
本発明の一実施例による切断部500は、移送レール400の一部を取り囲むように形成されるハウジング510、ハウジング510の内側面から内部に延びて形成され、移送軸410に結合する移送部材520、及びハウジング510の下部に位置し、第1方向と直交する第2方向に延びる回転軸に沿って回転する円形鋸刃530を含むことができる。
【0077】
このとき、円形鋸刃530はハウジング510の一側に装着される切断用モータ540から回転力が提供されることができる。
【0078】
本発明の一実施例によると、移送軸410はスクリューシャフトであってよく、移送部材520はスクリューシャフトに結合して回転運動を直線運動に変換させるボールスクリュー部材であってよい。
【0079】
また、移送レール400の一端に装着されてスクリューシャフト410に回転力を提供する移送用モータ600はサーボモータであってよい。
【0080】
本発明の一実施例によると、移送レール400は内部に上記スクリューシャフト410及びボールスクリュー部材520を収容するための空き空間が形成され、ボールスクリュー部材520はハウジング510の内側上面から空き空間に延びて形成されるようになる。
【0081】
図24は本発明の
図21の実施例による切断装置200aによって低減する振動方向を概略的に示す図面である。
【0082】
図24に示されているように、円形鋸刃530の振動が切断部500に伝達される場合、切断部500は切断方向、幅方向、深さ方向及び傾き方向に振動が発生するようになる。また、切断用モータ540を含む切断部500自体の重さ及び切削反力によって深さ方向に垂れ下がったり、回転方向に傾き現象が発生することがある。
【0083】
よって、本発明の一実施例による切断装置200aは、上述のスクリューシャフト410、スクリューシャフト410に結合するボールスクリュー部材520、及びスクリューシャフト410に回転力を提供するサーボモータ600を通じて切断部500が正確な直線運動をするようにする。
【0084】
本発明によると、切断部500を切断中に位置制御を精密に行うとともに、振動を低減させることができる。以下、
図25をともに参照して本発明の一実施例による切断装置200aの細部構成をより詳細に説明する。
【0085】
図25は本発明の一実施例による切断装置200aの内部の断面図を示す図面である。
【0086】
図25を参照すると、サーボモータ600はスクリューシャフト410の一端と連結されてスクリューシャフト410に回転力を提供する。このとき、サーボモータ600とスクリューシャフト410との装着及び分解が容易に行われることができるように、本発明の一実施例によると、ディスク型のカプラ602が用いられることができる。
【0087】
スクリューシャフト410は、移送レール400の両側端部に設置されたベアリングブロック402を通じて支持されることができ、サーボモータ600から伝達される回転運動をボールスクリュー部材520の直線運動に転換する。
【0088】
このとき、スクリューシャフト410とボールスクリュー部材520との間に位置する金属ボール522は、スクリューシャフト410とボールスクリュー部材520との間の有効接触面積を増加させることにより動力の伝達がより効率的に行われるようにするとともに部品の破損を防止する。
【0089】
本発明の一実施例によると、ボールスクリュー部材520はナット形状であってよく、
図25に示されているように、2段設置されることにより切断方向への振動によって発生するバックラッシュを最小化することができる。
【0090】
ボールスクリュー部材520はハウジング510の内側上面から内部に延びて形成される方式でハウジング510と結合しているため、ボールスクリュー部材520が直線運動するに従って、ボールスクリュー部材520に連結されたハウジング510を含む切断部500の全体は直線運動をするようになる。
【0091】
続いて、
図21〜
図25を参照すると、本発明の一実施例による移送レール400は、スクリューシャフト410を基準に一側と他側でそれぞれ上部に突出して第1方向に延びて形成される複数のガイドレール420を含むことができる。
【0092】
また、複数のガイドレール420に対応して、切断部500のハウジング510は複数のガイドレール420にそれぞれ結合した状態で第1方向にスライディング移動する複数のスライディング部材512を含むことができる。
【0093】
即ち、サーボモータ600によって駆動される切断部500は複数のガイドレール420によって直線方向に案内される。
【0094】
図21〜
図25に示されているように、円形鋸刃530や切断用モータ540などで構成される切断部500は、自重が大きく切断用モータ540の側に重さが偏っているため不安定な接触が発生しやすいことから、2つのガイドレール420にそれぞれ2つのスライディング部材512を、スクリューシャフト410を基準に対称設置することにより不安定な接触の発生を防止する。
【0095】
また、本発明の一実施例によると、ハウジング510はハウジング510の内側面に一部が露出するように埋め込まれる多数の無給油軸受514を含むことができる。
【0096】
これにより、ハウジング510は多数の無給油軸受514を通じて移送レール400の外側面と接触した状態で第1方向に移送される。
【0097】
このとき、多数の無給油軸受514に対応して移送レール400の外側面には幅方向に突出し、第1方向に延びて形成される多数のガイド部430が形成されることができる。
【0098】
即ち、本発明の一実施例によるハウジング510は、多数の無給油軸受514が移送レール400の多数のガイド部430と接触した状態で第1方向に移送され、その結果、ハウジング510を含む切断部500の全体が第1方向に移送されるようになる。
【0099】
既に言及した通り、切断部500は切断用モータ540の側に重さが偏っているため、円形鋸刃530が被切断材である金属板200に対してやや傾いた状態で金属板200を切断する可能性がある。これは、被切断材の厚さ方向への寸法偏差を発生させ、被切断材の品質の低下をもたらす。
【0100】
ここで、移送レール400の多数のガイド部430は、ハウジング510の多数の無給油軸受514と密着した状態を維持することにより、切断部500が傾かないようにする。
【0101】
一方、本発明の一実施例による移送レール400は、内部にスクリューシャフト410及びボールスクリュー部材520を収容するための空き空間が形成され、このような空き空間は切断部500の自重によって発生する垂れ下がりを最小化することができる。
【0102】
このとき、
図21〜
図25に示されているように、移送レール400の内部構造を格子形状の補強構造で設計することにより、曲げ剛性を最大化することができる。
【0103】
移送レール400の内部を材料で満たす場合、移送レールの重さが増加し、スクリューシャフト410またはボールスクリュー部材520を設置することが困難であるという問題が発生する。よって、曲げ応力を相対的に少なく受ける中心部は空き空間として設計し、スクリューシャフトの回転運動及びボールスクリュー部材の直線運動を可能にする。
【0104】
また、切断部500の過度な直線運動を防止するために、切断部500の前端及び後端にリミッター502を設置して移送レール400の係止突起との接触時に駆動が制限されるようにすることができる。
【0105】
図26は本発明の一実施例によるハウジング510に一部が露出した状態で埋め込まれる無給油軸受514をより詳細に示す図面である。
【0106】
図26に示されているように、本発明の一実施例による無給油軸受514は楔部材516とともにハウジング510に埋め込まれることができる。
【0107】
切断部500が移送レール400に沿って直線運動をしながら被切断材を幅方向に切断するとき、ガイドレール420とスライディング部材512との間の浮き、またはガイド部430と無給油軸受514の間に不完全接触が発生する可能性がある。また、移送レール400の垂れ下がり現象または組立公差も不完全接触を発生させるようになる。
【0108】
このような不完全接触は切断作業中に振動を発生させて円形鋸刃の寿命減少と構造による騒音をもたらし、切断面の品質を劣化させる。
【0109】
よって、本発明の一実施例による無給油軸受514は無給油軸受の埋め込み高さを可変させる楔部材516とともにハウジング510に埋め込まれる。
【0110】
即ち、ハウジング510の内側面に一部が露出するように無給油軸受514が埋め込まれた後、無給油軸受514が埋め込まれた位置の内側に楔部材516を挿入して切断部500の移送方向を除いた残りのすべての方向への運動を抑える。
【0111】
これにより、無給油軸受514は自身とハウジング510との間の空き隙に挿入された楔部材516によって移送レール400、即ち、移送レール400のガイド部430にすべての荷重を加えるようになる。
【0112】
このとき、楔部材516の挿入深さによって無給油軸受514の埋め込み高さが可変することができ、本発明の一実施例によると、楔固定ボルト5162によって楔部材516の挿入深さが調節されることができる。
【0113】
一例として、楔固定ボルト5162を時計方向に回して楔の移動方向に楔部材516を移動させることにより、さらに深く挿入されるように調節することができる。この場合、無給油軸受514とガイド部430がさらに密着して無給油軸受514は移送レール400にすべての荷重を加えることができる。
【0114】
一方、V字形状の楔部材516が無給油軸受514を垂直方向に加圧することができるように、無給油軸受514が埋め込まれる位置には楔部材516の形状に対応して傾斜構造物が設置されることができる。
【0115】
傾斜構造物は、
図26に示されているように、ハウジング510で無給油軸受514が埋め込まれる部分が傾いた形状に変形されて備えられることができる。本発明の他の実施例によると、ハウジング510で無給油軸受514が埋め込まれる部分にさらに他の楔部材が設置されて備えられることができる。
【0116】
これにより、ガイドレール420とスライディング部材512の間の浮き、またはガイド部430と無給油軸受514との間の不完全接触が補正されることができ、その結果、切断装置200aが振動することを防止することができる。
【0117】
上記では、説明の便宜のために、一つの無給油部材514を中心に説明したが、残りの無給油部材にも同一の構成が適用されることができる。これは、切断部500が移送方向にだけ駆動できるようにすることにより、図
24に示されているような切断装置200aの幅方向の振動、深さ方向の振動、切断方向の振動、及び回転振動を抑える。
【0118】
このように、本発明の一実施例によると、サーボモータ600、及びスクリューシャフト410、ボールスクリュー部材520、金属ボール522を含むボールスクリューを通じて被切断材200を精密に移送することができ、二つのボールスクリュー部材520を用いることによりボールスクリューのバックラッシュを低減して幅方向への振動を抑えることができる。
【0119】
また、非対称的な切断部500の自重を支持するために、二つのガイドレール420を設置し、ここにスクリューシャフト410を基準に対象的にスライディング部材512を結合させることにより切断部500の傾きを防止することができる。
【0120】
切断部500の傾きは被切断材の厚さ方向への寸法偏差を発生させるため、追加的に移送レール400の外側面にガイド部430を形成し、ハウジング
510の無給油軸受514と接触させることにより切断部の傾きを防止する。
【0121】
切断部500の自重によって発生する垂れ下がり、非対称自重による傾き、製作公差及び組立公差によって発生する無給油軸受514とガイド部430との間の浮きは切断中に振動をもたらすため、楔部材516で浮きを補正し、すべての荷重を印加することにより振動を最小化することができる。
【0122】
切断装置に素材を供給するための移送装置
図27は本発明の一実施例に用いられる金属板材移送装置700の斜視図を示す図面であり、
図28は本発明の
図27の金属板材移送装置700の側面図を示す図面である。本発明の金属板切断装置は、切断部(
図1の160)に金属板200(
図1参照)を供給する移送装置がともに配置されることができる。即ち、本発明の金属板切断装置の切断部に金属板200を供給するように上記金属板200の移送方向に沿って上記金属板材移送装置700と金属板切断装置100a(
図1参照)が引き続き隣り合うように配置されることができる。
【0123】
図27及び
図28に示されているように、金属板材移送装置700は、フレーム710、移送クランピング部720、移送用モータ730、ガイドロール740、及び玉軸受750を含むことができる。フレーム710は金属板材を切断するための切断装置100a(
図1参照)と連結されることができ、本発明の構成要素を設置するための基本的な骨格を提供する。切断装置100a(
図1参照)は、金属板材を切断するための円形の鋸刃165(
図2参照)を含むことができ、例えば、
図1のような構造を有することができる。
【0124】
移送クランピング部720は、フレーム710の一端から他端に直線運動できるように設置され、クレーンなどの外部装置から提供された金属板材をクランピングしてフレーム710と連結された切断装置100a(
図1参照)に移送する。移送クランピング部720については以下の
図29及び
図30を参照してより詳細に説明する。
【0125】
次に、移送用モータ730はフレーム710の一端に連結され、ボールスクリューを通じて移送クランピング部720と連結されて移送クランピング部720の移送動作をサポートする。即ち、移送用モータ730は移送クランピング部720がフレーム710の一端から他端に直線運動するようにする駆動力を提供する。
【0126】
このとき、本発明では、説明の便宜のために、ボールスクリューを通じて移送用モータ730と移送クランピング部720が互いに連結されることを仮定して説明するが、これに限定されるものではなく、モータの駆動力を直線運動に変換できる多様な装置が適用されることができる。
【0127】
ガイドロール740は、フレーム710の一側に移送クランピング部720の直線運動方向に配列されてクランピングされた金属板材の一側面と接触した状態で金属板材の移送をガイドする。
【0128】
このとき、クランピングされた金属板材が所望する位置に正確に移送されることができるように、
図27及び
図28に示されているように、ガイドロール740は複数個からなることが好ましい。
【0129】
また、玉軸受750は、フレーム710の上面に配列されてクランピングされた金属板材の下部面と接触した状態で金属板材の移送をガイドする。
【0130】
このときも、クランピングされた金属板材が所望する位置に安定的に移送されることができるように、玉軸受750は複数個からなることが好ましい。
【0131】
上記のような構成を通じて本発明の一実施例によると、金属板材の厚さに関わらず金属板材を安定的にクランピングして切断位置に正確に移送させることができるようになる。以下、
図29及び
図30を参照して本発明のクランピング部720の構成をより詳細に説明する。
【0132】
図29は本発明の
図27の実施例による移送クランピング部720の斜視図を示す図面である。
【0133】
また、
図30は本発明の一実施例による移送クランピング部720の側面図を示す図面である。
【0134】
図29及び
図30を参照すると、移送クランピング部720は、多数の第1クランピング部材721、多数の第2クランピング部材722、多数のリンク部材723、多数の柱部724、多数の角形ブロック725、及びベース部726を含むことができる。
【0135】
このとき、
図29及び
図30に示されているように、第1クランピング部材721a、第2クランピング部材722a、リンク部材723a、及び柱部724aが一つづつ、また、二つの角形ブロック725aが集まって一つのクランピングモジュール720aを形成し、クランピングモジュール720a、720b、720cが下部のベース部726を通じて一体に連結されて全体的に移送クランピング部720を形成するようになる。
【0136】
以下では、説明の便宜のために、一つのクランピングモジュール720aの構成を中心に説明する。但し、残りのクランピングモジュール720b、720cにも同一の構成が適用されることができる。
【0137】
より詳細に説明すると、第1クランピング部材721は金属板材(
図1及び
図21の200)の上部に位置し、以下説明する通り、金属板材の上部面をクランピングするように構成される。
【0138】
第2クランピング部材722は、金属板材(
図1及び
図21の200)の下部に位置し、金属板材の下部面をクランピングするように構成される。
【0139】
また、リンク部材723は一端723−1が第1クランピング部材721の一端721−1に連結され、他端723−2が第2クランピング部材722の一端722−1に連結され、伸張動作するにつれて第1クランピング部材の一端721−1を上部に押し上げて第1クランピング部材の他端721−2と第2クランピング部材の他端722−2との間の間隔を狭くする。
【0140】
このように、リンク部材723が伸張動作するにつれて、第1クランピング部材の他端721−2は金属部材の上部を支持し、第2クランピング部材の他端722−2は金属部材の下部を支持することにより、金属部材はクランピングされる。
【0141】
本発明の一実施例によるリンク部材723は、伸張及び収縮が可能な装置であり、一例として油圧シリンダを挙げることができる。
【0142】
また、上記リンク部材723によるクランピング動作が可能になるように、第1クランピング部材721と第2クランピング部材722は柱部724の上部及び下部にそれぞれ結合する。
【0143】
このとき、第1クランピング部材721は、柱部724に回転軸721−3を中心に回転可能に結合することができ、第2クランピング部材722は回転しないように固定結合することができる。
【0144】
これにより、リンク部材723が伸張動作する場合、第1クランピング部材721は回転軸721−3を中心に回転して他端721−2が金属板材の上部面を圧迫するようになり、これと同時に柱部724に固定されている第2クランピング部材の他端722−2も金属板材の下部面を支持することができる。
【0145】
また、リンク部材723の伸張動作によって第1クランピング部材の一端721−1が上部に押し上げられるとき、第1クランピング部材の他端721−2が金属板材の上部面をより容易に圧迫することができるように、第1クランピング部材721は回転軸721−3を基準に下に曲がった形状を有することが好ましい。
【0146】
即ち、第1クランピング部材721は、一端721−1が他端721−2より下側に位置できる形状を有することが好ましい。
【0147】
一方、第1クランピング部材721、第2クランピング部材722及びリンク部材723の3節リンク構造で形成されて金属板材をクランピングするため、クランピングされる金属板材には圧迫によるクランピング跡が発生する可能性がある。
【0148】
これを防ぐために、本発明の一実施例による移送クランピング部720は、第1クランピング部材の他端721−2及び第2クランピング部材の他端722−2のうち少なくとも一つに回転できるように連結される角形ブロック
725をさらに含むことができる。
【0149】
より詳細に説明すると、角形ブロック
725は第1クランピング部材の他端721−2及び第2クランピング部材の他端722−2のうち少なくとも一つに連結されることができ、金属板材に対して相対的に傾くように進入される第1クランピング部材の他端721−2の形状を補完することにより、金属板材に発生する可能性があるクランピング跡を防ぐ。
【0150】
このとき、角形ブロック
725はクランピング部材の他端721−2、722−2に自由回転ができるようにヒンジを通じて連結されることができる。ヒンジはスイベル(swivel)ヒンジであってよい。また、角形ブロック
725は金属板材との接触面を最大化することができる四角ブロックであることが好ましい。
【0151】
このように、クランピング部材721、722の先端は自由に回転する四角のロータリ構造で構成されることにより、素材の厚さに関わらずクランピング面が常に素材に平行に維持されることができる。これにより、金属板材の表面にクランピング跡を誘発せず所望する切断位置に移送させることができる。
【0152】
続いて、既に説明した通り、クランピングモジュール720a、720b、720cは下部に位置するベース部726を通じて一体に形成されて移送クランピング部720を構成する。
【0153】
即ち、柱部724a、724b、724cの下部に位置し、これらを一体に連結するベース部726を通じてクランピングモジュール720a、720b、720cは一つの移送クランピング部720を形成する。
【0154】
このとき、上述の移送用モータ730はボールスクリュー(図示せず)を通じてベース部726と連結されることにより、クランピング部720をフレームの一端から他端に直線運動させる。これにより、移送クランピング部720は一つの移送用モータ730でも金属板材を安定的に移送することができる。
【0155】
一例として、外部の制御によって移送用モータ730が動作すると、移送クランピング部720が切断部方向に移動し、これと同時に移送クランピング部720にかみ合う金属板材も移送されることができる。
【0156】
また、既に説明した通り、金属板材の一側面は上記クランピング部の直線運動方向と同一の方向に配列される多数のガイドロール740と接触することにより、金属板材は回転せず所望する位置に正確に移送されることができる。
【0157】
これは、100mm以上の極厚物として厚いだけでなく非常に広い幅を有する金属板材の場合に、金属板材の回転を防止することにより、クランピングされた金属板材を正確な切断位置に移送させる。
【0158】
また、金属板材の下部面は多数の玉軸受750上に置かれて移送時に摩擦力による表面スクラッチが最小化することができる。
【0159】
このように、本発明によると、切断しようとする金属板材の一方の側面を多数のガイドロール740と接触するようにして金属板材のアライメントを固定させることができ、アライメントが固定された後、移送クランピング部720の油圧シリン
ダによってクランピング部材の他端721−2、722−2が狭くなる。これにより、金属板材がクランピングされるとき、四角ブロック725を通じてクランピング面が平行となり多様な厚さの金属板材に対して表面欠陥を誘発しない。
【0160】
また、クランピングされた金属板材が移送用モータ730によって切断部方向に移送されるとき、金属板材の幅が広い場合にもアライメント及びクランピングが固定されているため、回転による誤差が発生せず、その結果、移送用モータ730によって切断位置に正確に移送することができる。