(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記タグにデータを要求することは、前記タグに1つまたは複数のセンサ測定を要求することを含み、前記タグからの前記受信したデータを処理することは、前記1つまたは複数のセンサ測定に基づいて涙液膜ブドウ糖濃度を決定することを含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
前記コンピューティングデバイスは、前記1つまたは複数のセンサ測定を要求する前に、少なくとも所定の期間、前記RF電力を前記タグに伝送する、請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
前記タグにデータを要求することは、前記タグに1つまたは複数のセンサ測定を要求することを含み、前記コンピューティングデバイスは、前記1つまたは複数のセンサ測定を要求する前に、少なくとも所定の期間、前記RF電力を前記タグに伝送し、前記タグからの前記受信したデータを処理することは、前記1つまたは複数のセンサ測定に基づいて涙液膜ブドウ糖濃度を決定することを含む、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
少なくとも前記第1のプロトコルおよび前記第2のプロトコルを使用して通信するように構成された少なくとも1つのトランシーバをさらに備え、前記第1のプロトコルは無線周波数識別(RFID)プロトコルであり、前記第2のプロトコルはBluetooth(登録商標)プロトコルである、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0009】
I.概要
眼科用感知プラットフォームまたは埋め込み可能感知プラットフォームは、それらすべてが高分子材料に組み込まれた基板上に位置する、センサ、制御電子機器、およびアンテナを含むことができる。高分子材料は、眼球装着可能デバイスまたは埋め込み可能医療用デバイスなどの、眼科用デバイスに組み込むことができる。制御電子機器は、読み取りを実行するためにセンサを動作させること、およびアンテナを介してセンサからの読み取り値をリーダに無線で伝達するためにアンテナを動作させることが可能である。
【0010】
いくつかの例において、高分子材料は、コンタクトレンズなどの、眼球の角膜表面に装着するように構成された凹形に湾曲した円形レンズの形とすることができる。基板は、角膜の中央部のさらに近くで受け取られる入射光への干渉を防ぐために、高分子材料の外縁付近に組み込むことができる。センサは、角膜の表面近くから、および/または高分子材料と角膜表面との間に挿入された涙液から、臨床的に関連する読み取り値を生成するように、角膜表面方向の内側に面するように基板上に配置構成することができる。追加または代替として、センサは、角膜表面とは反対の外側方向に、および大気に曝される高分子材料の表面を覆う涙液の層方向に面するように、基板上に配置構成することができる。いくつかの例において、センサは高分子材料内部に完全に組み込まれる。たとえば、作用電極および参照電極を含む電気化学センサを高分子材料内に組み込み、角膜に装着するように構成された高分子表面から10マイクロメートル未満であるようにセンサ電極を位置付けることができる。センサは、レンズ材料を介してセンサ電極に拡散する検体の濃度を示す出力信号を生成することができる。
【0011】
涙液は、健康状態を診断するために使用可能な、多様な無機電解質(たとえば、Ca
2+、Mg
2+、Cl
ー)、有機成分(たとえば、ブドウ糖、乳酸、タンパク質、脂質など)などを含む。前述のセンサを含む眼科用感知プラットフォームは、これらの検体のうちの1つまたは複数を測定するように構成可能であり、したがって、健康状態の診断および/または監視に有用な便利な非侵襲性プラットフォームを提供することができる。たとえば眼科用感知プラットフォームは、ブドウ糖を感知するように構成可能であり、糖尿病患者個人が自身のブドウ糖レベルを測定/監視するために使用可能である。いくつかの実施形態において、センサは、検体レベル以外の追加または他の条件を測定するように構成可能であり、たとえばセンサは、光、温度、および電流などへと構成可能である。
【0012】
外部リーダデバイスまたは「リーダ」は、センサに電力供給するために無線周波数放射を発することができる。リーダはそれにより、感知プラットフォームへの電力の供給を制御することによって感知プラットフォームの動作を制御することができる。いくつかの例において、リーダは、測定値を取得し結果を伝達するために感知プラットフォームに電力供給するのに十分な放射を発することによって、読み取り値を提供するように感知プラットフォームに間欠的に問い合わせるように動作可能である。リーダは、感知プラットフォームによって伝達されたセンサ結果を記憶することも可能である。このようにしてリーダは、感知プラットフォームに連続的に電力を供給することなく、一連の検体濃度測定値を経時的に獲得することができる。
【0013】
眼科用感知プラットフォームのセンサは、無線周波数識別(RFID)タグを用いて、またはその一部として構成可能である。RFIDタグおよびリーダは、RFIDプロトコル、たとえばRFID第2世代プロトコルを使用して通信可能である。RFIDタグは、リーダから無線信号を受信するように構成可能である。いくつかの実施形態において、リーダの信号はRFIDタグとの通信およびRFIDタグへの電力供給の両方に使用可能であるが、他の実施形態では、RFIDタグは電力供給されるデバイスとすること、たとえばタグに電力供給するバッテリを伴って構成することができる。
【0014】
リーダは、RFIDタグ以外のデバイスと通信可能である。可能な一例として、リーダには、Bluetooth
(登録商標。以下同じ。)インターフェースならびにRFIDインターフェースを装備することができる。リーダは、Bluetoothまたは他のプロトコルを介して、たとえば表示デバイスなどの他のデバイスと通信可能である。一例では、リーダは、RFIDコマンド、たとえばRFID第2世代標準Readコマンドを使用して、RFIDタグからデータを取得することができる。データを取得すると、リーダは、データの記憶、処理、および/または、Bluetoothインターフェースを使用した表示デバイスなどの別のデバイスへの伝達が可能である。さらにまた、他の通信プロトコルを使用してデバイスと通信するための他のインターフェースも可能である。
例として、前述のコンタクトレンズは、RFIDタグを含むセンサを用いて構成可能である。前述のように、センサは着用者の眼内に着用されている間、測定を行うように構成可能である。測定を行うと、センサは測定に関係するデータを記憶し、その後、リーダからの要求時にデータを送信することができる。次にリーダは、受信したデータを記憶および/または処理することができる。たとえばセンサは、着用者の眼球の涙液膜中の検体(たとえばブドウ糖)の電流測定を行い、測定された電流に関するデータをリーダに送信することができる。リーダは電流測定データを処理し、着用者に関する検体関係情報を決定することができる。
【0015】
涙液膜検体濃度情報は、リーダから表示デバイスに送信することができる。表示デバイスは、たとえばウェアラブル、ラップトップ、デスクトップ、ハンドヘルド、またはタブレットのコンピュータ、モバイルフォン、あるいはこうしたデバイスのサブシステムとすることができる。表示デバイスは、たとえば中央処理ユニット(CPU)などの処理システム、および、少なくともプログラム命令を記憶するように構成された非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。ウェアラブルコンピュータの一例は、頭部装着可能ディスプレイ(HMD)である。HMDは、頭部に着用可能であり、着用者の片眼または両眼の前にディスプレイを配置する、デバイスとすることができる。表示デバイスは、リーダから受信したデータを記憶し、おそらくはデータを処理し、受信および/または処理したデータに基づいて表示を生成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、リーダおよび表示デバイスは、ブドウ糖関連処理を実行するための構成データを用いて構成可能である。たとえばリーダは、様々なレベルのブドウ糖濃度に関する電流測定データなどの構成データを含むことができる。この構成データに基づき、リーダは、着用者についての涙液膜ブドウ糖濃度を決定することができる。また着用者は、着用者についての血中ブドウ糖濃度および対応する涙液膜ブドウ糖濃度を(たとえば構成中に)表示デバイスに提供することが可能であり、表示デバイスは、血中ブドウ糖濃度と涙液膜ブドウ糖濃度との間の関係を決定することができる。
【0017】
これらの実施形態の動作中、着用者の眼内のRFIDタグは、涙液膜電流データを生成し、涙液膜電流データをリーダに送信することができる。次にリーダは、涙液膜電流データを処理して涙液膜ブドウ糖濃度を生成し、涙液膜ブドウ糖濃度を表示デバイスに送信することができる。次いで表示デバイスは、リーダから涙液膜ブドウ糖濃度を受信し、対応する血中ブドウ糖濃度を生成するように、構成可能である。特定の実施形態において、リーダまたは表示デバイスのいずれかが、涙液膜電流データを入力として採用し、血中ブドウ糖濃度を出力として生成することが可能であり、すなわちすべての処理をリーダまたは表示デバイスのいずれかで実行することが可能である。
【0018】
いくつかの実施形態において、リーダは、ヒトが着用するセンサを用いて構成された1つまたは複数のコンタクトレンズに近接して頻繁に着用されるように構成可能である。たとえばリーダは、眼鏡、ジュエリー(たとえばイヤリング、ネックレス)、ヘッドバンド、帽子やキャップなどのヘッドカバー、イヤホン、他の衣類(たとえばスカーフ)、および/または他のデバイスの一部であるように構成可能である。したがってリーダは、着用されたコンタクトレンズに最も近い間に、電力を提供することおよび/または測定値を受信することが可能である。
【0019】
1つまたは複数のコンタクトレンズに近接して頻繁に着用されるようにリーダを構成することによって、レンズが信頼できる外部電源および/またはセンサデータ収集用ストレージを有すること、センサデータの処理、ならびに、たとえば前述の表示デバイスなどの追加デバイスへの未処理および/または処理済みのセンサデータの伝送が、可能になる。したがって、本明細書で説明するリーダは、センサが組み込まれたコンタクトレンズの使用を強化するための、電力、通信、および処理のリソースを含むがこれらに限定されない、重要なサポート機能を提供しながら、結果としてコンタクトレンズ上のサポート機能を削減することができる。このコンタクトレンズ上のサポート機能の削減により、コンタクトレンズ上のリソースが解放され、より多くのおよび/または異なるセンサを追加し、コンタクトレンズ上に他の機能を提供することが可能となる。
【0020】
II.例示的な眼科用電子機器プラットフォーム
図1は、リーダ180と無線通信する眼球装着可能デバイス110を含むシステム100のブロック図である。眼球装着可能デバイス110の露出部分は、眼球の角膜表面に接触装着されるように形成された高分子材料120から製造される。電源140、コントローラ150、生物相互作用電子機器160、および通信アンテナ170用の装着面を提供するために、高分子材料120に基板130が組み込まれる。生物相互作用電子機器160はコントローラ150によって動作される。電源140は、コントローラ150および/または生物相互作用電子機器160に動作電圧を供給する。アンテナ170は、眼球装着可能デバイス110に、および/または眼球装着可能デバイス110から、情報を伝達するために、コントローラ150によって動作される。アンテナ170、コントローラ150、電源140、および生物相互作用電子機器160は、すべて、組み込まれた基板130上に置くことができる。眼球装着可能デバイス110は電子機器を含み、眼球に接触装着するように構成されるため、本明細書では、眼科用電子機器プラットフォームとも呼ばれる。
【0021】
接触装着を容易にするために、高分子材料120は、湿った角膜表面に(たとえば、角膜表面を覆う涙液膜を用いる毛細管力によって)付着(「装着」)するように構成された凹面を有することができる。追加または代替として、眼球装着可能デバイス110は、凹曲面による角膜表面と高分子材料との間の真空力によって付着することができる。凹面によって眼球に対して装着されている一方で、高分子材料120の外向面は、眼球装着可能デバイス110が眼球に装着されている間にまぶたの動きを妨げないように形成された凸曲面を有することができる。たとえば高分子材料120は、コンタクトレンズと同様に整形された、ほぼ透明な湾曲高分子ディスクとすることができる。
【0022】
高分子材料120は、角膜表面との直接接触を含むコンタクトレンズまたは他の眼科適用例で使用するために採用されるような、1つまたは複数の生体適合性材料を含むことができる。高分子材料120は、部分的にこうした生体適合性材料から形成されてもよいか、またはこうした生体適合性材料を用いた外被膜を含むことができる。高分子材料120は、ヒドロゲルなどの、角膜表面を湿らせるように構成された材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、高分子材料120は、着用者の快適さを向上させるための可塑性(「非剛性」)材料とすることができる。いくつかの実施形態において、高分子材料120は、コンタクトレンズによって提供できるような、所定の視力矯正屈折力を提供するように整形可能である。
【0023】
基板130は、生物相互作用電子機器160、コントローラ150、電源140、およびアンテナ170を装着するのに好適な、1つまたは複数の表面を含む。基板130は、(たとえば接続パッドへのフリップチップ装着による)チップベース回路のための装着プラットフォーム、および/または、電極、相互接続、接続パッド、アンテナなどを作成するために導電材料(たとえば、金、プラチナ、パラジウム、チタニウム、銅、アルミニウム、銀、金属、他の導電材料、それらの組み合わせなど)をパターニングするためのプラットフォームの、両方として採用可能である。いくつかの実施形態において、回路、電極などを形成するために、ほぼ透明な導電材料(たとえばインジウムスズ酸化物)を基板130上でパターニングすることができる。たとえば、堆積、フォトリソグラフィ、電気めっきなどによって基板130上に金または別の導電材料のパターンを形成することにより、アンテナ170を形成することができる。同様に、コントローラ150と生物相互作用電子機器160との間、およびコントローラ150とアンテナ170との間の、相互接続151、157はそれぞれ、基板130上での導電材料の好適なパターンの堆積によって形成することができる。フォトレジスト、マスク、堆積技法、および/またはめっき技法の使用を含むがこれらに限定されない、微細加工技法の組み合わせを採用して、基板130上で材料をパターニングすることができる。基板130は、高分子材料120内で回路および/またはチップベースの電子機器を構造的に支持するように構成された、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)または別の材料などの、相対的剛性材料とすることができる。眼球装着可能デバイス110は、代替として、単一基板ではなく、未接続基板のグループを用いて配置構成することができる。たとえば、コントローラ150およびバイオセンサまたは他の生物相互作用電子機器構成要素が1つの基板上に装着可能である一方で、アンテナ170は別の基板に装着し、この2つを相互接続157を介して電気的に接続することができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、生物相互作用電子機器160(および基板130)は、眼球装着可能デバイス110の中央から離して位置決めすることが可能であり、それによって、眼球の中央の感光性領域への光伝送への干渉を避けることができる。たとえば、眼球装着可能デバイス110が凸面ディスクとして整形される場合、基板130はディスクの外縁周辺(たとえば外周近く)に組み込むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、生物相互作用電子機器160(および基板130)は、眼球装着可能デバイス110の中央部またはその付近に位置決めすることができる。追加または代替として、生物相互作用電子機器160および/または基板130は、眼球への光伝送との干渉を緩和するために、入射可視光に対してほぼ透明とすることができる。さらにいくつかの実施形態において、生物相互作用電子機器160は、表示命令に従って眼球によって受け取られる光を放射および/または伝送する、ピクセルアレイ164を含むことができる。したがって生物相互作用電子機器160は、ピクセルアレイ164上に情報(たとえば文字、記号、フラッシングパターンなど)を表示することなどによって、眼球装着可能デバイス110の着用者に対して知覚可能な視覚的刺激を生成するように、眼球装着可能デバイスの中央に位置決めしてもよい。
【0025】
基板130は、組み込まれた電子機器構成要素に装着プラットフォームを提供するのに十分な半径幅寸法を備える、扁平リングとして整形することができる。基板130は、眼球装着可能デバイス110のプロファイルに影響を与えることなく、基板130を高分子材料120内に組み込むことができるような、十分に薄い厚みを有することができる。基板130は、装着される電子機器を支持するのに好適な構造的安定性を提供するだけの十分に厚い厚みを有することができる。たとえば基板130は、約10ミリメートルの直径、約1ミリメートルの半径幅(たとえば内部半径よりも1ミリメートル大きい外部半径)、および約50マイクロメートルの厚みを備える、リングとして整形することができる。基板130は、眼球装着可能デバイス110の眼球装着面(たとえば凸形表面)の湾曲と一致させてもよい。たとえば基板130は、内部半径および外部半径を規定する2つの円形セグメント間の仮想錐体の表面に沿って整形することができる。こうした例では、仮想錐体の表面に沿った基板130の表面は、その半径で眼球装着面の湾曲とほぼ一致する傾斜面を画定する。
【0026】
電源140は、コントローラ150および生物相互作用電子機器160に電力を供給するために、周囲エネルギーを採取するように構成される。たとえば無線周波数エネルギー採取アンテナ142は、入射する無線放射からエネルギーを採取することができる。追加または代替として、太陽電池144(「光電池」)は、入ってくる紫外線、可視光、および/または赤外線からエネルギーを捕獲することができる。さらに、周囲振動からエネルギーを捕獲するために、慣性電力捕捉システムを含めることができる。エネルギー採取アンテナ142は、リーダ180に情報を伝達するためにも使用される、二重目的アンテナであってよい。すなわち、通信アンテナ170およびエネルギー採取アンテナ142の機能を、同じ物理アンテナを用いて達成することができる。
【0027】
整流器/調整器146を使用して、捕獲されたエネルギーをコントローラ150に供給される安定DC供給電圧141に調整することができる。たとえば、エネルギー採取アンテナ142は、入射する無線周波数放射を受け取ることができる。アンテナ142のリード上の可変電気信号は、整流器/調整器146に出力される。整流器/調整器146は、可変電気信号をDC電圧に整流し、整流されたDC電圧をコントローラ150の動作に適したレベルに調整する。追加または代替として、太陽電池144からの出力電圧を、コントローラ150の動作に適したレベルに調整することができる。整流器/調整器146は、周囲エネルギー収集アンテナ142および/または太陽電池144における高周波数変動を緩和するために、1つまたは複数のエネルギー貯蔵デバイスを含むことができる。たとえば、1つまたは複数のエネルギー貯蔵デバイス(たとえばキャパシタ、インダクタなど)は、DC供給電圧141を調整するために整流器146の出力に並列に接続し、低域通過フィルタとして機能するように構成することができる。
【0028】
コントローラ150は、DC供給電圧141がコントローラ150に提供される時にオンに切り替えられ、コントローラ150内の論理は生物相互作用電子機器160およびアンテナ170を動作させる。コントローラ150は、眼球装着可能デバイス110の生物学的環境と相互作用するように、生物相互作用電子機器160を動作させるように構成された、論理回路を含むことができる。相互作用は、生物学的環境から入力を取得するために、生物相互作用電子機器160内での検体バイオセンサ162などの1つまたは複数の構成要素の使用を含むことができる。追加または代替として、相互作用は、生物学的環境に出力を提供するために、ピクセルアレイ164などの1つまたは複数の構成要素の使用を含むことができる。
【0029】
一例において、コントローラ150は、検体バイオセンサ162を動作させるように構成されたセンサインターフェースモジュール152を含む。検体バイオセンサ162は、たとえば、作用電極および参照電極を含むアンペロメトリック電気化学センサとすることができる。検体が作用電極での電気化学反応(たとえば還元および/または酸化反応)を受けるために、作用電極と参照電極との間に電圧を印加することができる。電気化学反応は、作用電極を介して測定可能なアンペロメトリック電流を生成することができる。アンペロメトリック電流は、検体濃度に依存することができる。したがって、作用電極を介して測定されるアンペロメトリック電流の量が、検体濃度の指標となることができる。いくつかの実施形態において、センサインターフェースモジュール152は、作用電極を通る電流を測定する一方で、作用電極と参照電極との間に電圧差を印加するように構成された、定電位電解装置(potentiostat:ポテンシオスタット)とすることができる。
【0030】
いくつかのインスタンスでは、電気化学センサを1つまたは複数の所望の検体に対して敏感に反応させるために、試薬を含めることも可能である。たとえば、作用電極の近位にあるブドウ糖酸化酵素(「GOx」)の層は、過酸化水素(H
2O
2)を生成するために、ブドウ糖の酸化に触媒作用を及ぼすことができる。次いで過酸化水素は、作用電極で電気的に酸化することが可能であり、作用電極に対して電子を放出し、結果として作用電極を介して測定可能なアンペロメトリック電流が発生する。
【数1】
【0031】
還元反応または酸化反応のいずれかによって生成される電流は、反応速度にほぼ比例する。さらに反応速度は、直接、または試薬を介して触媒的に、還元反応または酸化反応を促進させるために、検体分子が電気化学センサ電極に到達する速度に依存する。追加の検体分子が周辺領域からサンプリングされた領域へと拡散するのとほぼ同じ速度で、検体分子がサンプリングされた領域から電気化学センサ電極に拡散する、定常状態では、反応速度は検体分子の濃度にほぼ比例する。したがって、作用電極を介して測定される電流は、検体濃度の指標となる。
【0032】
コントローラ150は、ピクセルアレイ164を動作させるためのディスプレイドライバモジュール154を含んでもよい。ピクセルアレイ164は、行および列に配置構成された、別々にプログラム可能な光伝送、光反射、および/または光放射のピクセルとすることができる。個々のピクセル回路は、ディスプレイドライバモジュール154からの情報に従って、光を選択的に伝送、反射、および/または放射するための、液晶技術、微小電気機械技術、放射ダイオード技術などを含んでもよい。こうしたピクセルアレイ164は、視覚コンテンツをカラーでレンダリングするために、複数カラーのピクセル(たとえば赤、緑、および青色のピクセル)を含んでもよい。ディスプレイドライバモジュール154は、たとえば、プログラミング情報をピクセルアレイ164内の別々にプログラム可能なピクセルに提供する1つまたは複数のデータライン、および、こうしたプログラミング情報を受信するためにピクセルグループを設定するための1つまたは複数のアドレス指定ラインを含むことができる。眼球上に置かれるこうしたピクセルアレイ164は、ピクセルアレイから眼による知覚可能な焦点面へと光を送るための、1つまたは複数のレンズを含むこともできる。
【0033】
コントローラ150は、アンテナ170を介して情報を送信および/または受信するための、通信回路156を含むこともできる。通信回路156は、アンテナ170によって送信および/または受信される搬送周波数に関する情報を変調および/または復調するための、1つまたは複数の発振器、混合器、周波数入射器などを含んでもよい。いくつかの例において、眼球装着可能デバイス110は、リーダ180によって知覚可能なようにアンテナ170のインピーダンスを変調することによって、バイオセンサからの出力を示すように構成される。たとえば通信回路156は、アンテナ170からの後方散乱放射の振幅、位相、および/または周波数に変動を発生させる可能性があり、こうした変動はリーダ180によって検出可能である。
【0034】
コントローラ150は、相互接続151を介して生物相互作用電子機器160に接続される。たとえば、コントローラ150が、センサインターフェースモジュール152および/またはディスプレイドライバモジュール154を形成するために、集積回路内に実装された論理要素を含む場合、パターニングされた導電材料(たとえば金、プラチナ、パラジウム、チタニウム、銅、アルミニウム、銀、金属、それらの組み合わせなど)は、チップ上の端子を生物相互作用電子機器160に接続することができる。同様に、コントローラ150は、相互接続157を介してアンテナ170に接続される。
【0035】
図1に示されたブロック図は、説明の便宜上、機能モジュールに関連して説明されていることに留意されたい。しかしながら、眼球装着可能デバイス110の実施形態は、単一チップ、集積回路、および/または物理構成要素内に実装された機能モジュール(「サブシステム」)のうちの1つまたは複数と共に配置構成可能である。たとえば、整流器/調整器146は電源ブロック140内に示されているが、整流器/調整器146は、コントローラ150の論理要素、および/または、眼球装着可能デバイス110内に組み込まれた電子機器の他の機構も含む、チップ内に実装可能である。したがって、電源140からコントローラ150に提供されるDC供給電圧141は、同じチップ上に配置された整流器および/または調整器構成要素によってチップ上の構成要素に提供される供給電圧とすることができる。すなわち、電源ブロック140およびコントローラブロック150として示される、
図1の機能ブロックは、物理的に別々のモジュールとして実装される必要はない。さらに、
図1で説明される機能モジュールのうちの1つまたは複数は、互いに電気的に接続された別々にパッケージングされたチップによって実装可能である。
追加または代替として、エネルギー採取アンテナ142および通信アンテナ170は、同じ物理アンテナを用いて実装可能である。たとえばループアンテナは、発電用の入射放射を採取すること、および後方散乱放射を介して情報を伝達することの、両方が可能である。
【0036】
リーダ180は、眼球の外側に、すなわち眼球装着可能デバイスの一部ではなく構成可能である。リーダ180は、眼球装着可能デバイス110との間でワイヤレス信号171を送信および受信するための、1つまたは複数のアンテナ188を含むことができる。いくつかの実施形態において、リーダ180は、RFID規格、Bluetooth規格、Wi−Fi規格、Zigbee規格などであるがこれらに限定されない、1つまたは複数の規格に従ったハードウェアおよび/またはソフトウェア動作を使用して、通信可能である。
【0037】
リーダ180は、メモリ182と通信するプロセッサ186を備えるコンピューティングシステムを含むこともできる。メモリ182は、限定はしないが、磁気ディスク、光ディスク、有機メモリ、および/または、プロセッサ186による読み取りが可能な任意の他の揮発性(たとえばRAM)または不揮発性(たとえばROM)記憶システムを含み得る、非一時的コンピュータ可読媒体である。メモリ182は、(たとえば検体バイオセンサ162からの)センサ読み取り値、(たとえば、眼球装着可能デバイス110および/またはリーダ180の挙動を調節するための)プログラム設定などの、データの指示を記憶するための、データストレージ183を含むことができる。メモリ182は、命令184によって指定されたプロセスをリーダ180に実行させるための、プロセッサ186による実行のためのプログラム命令184を含むこともできる。たとえばプログラム命令184は、眼球装着可能デバイス110から伝達された情報(たとえば、検体バイオセンサ162からのセンサ出力)の取り出しを可能にするユーザインターフェースを、リーダ180に提供させることができる。リーダ180は、眼球装着可能デバイス110との間でワイヤレス信号171を送信および受信するためにアンテナ188を動作させるための、1つまたは複数のハードウェア構成要素を含むこともできる。たとえば、発振器、周波数入射器、エンコーダ、デコーダ、増幅器、フィルタなどは、プロセッサ186からの命令に従ってアンテナ188を駆動させることができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、リーダ180は、スマートフォン、携帯情報端末、または、ワイヤレス通信リンク171を提供するのに十分なワイヤレス接続を備える他のポータブルコンピューティングデバイスとすることができる。他の実施形態において、リーダ180は、たとえば一般的にはポータブルコンピューティングデバイスで採用されない搬送周波数で通信リンク171が動作するシナリオにおいて、ポータブルコンピューティングデバイスにプラグイン可能なアンテナモジュールとして、実装可能である。少なくとも
図5との関連において以下でより詳細に考察される他の実施形態においても、リーダ180は、ワイヤレス通信リンク171が低電力量で動作できるようにするために、着用者の眼の比較的近くで着用されるように構成された、特定用途向けデバイスとすることができる。たとえばリーダ180は、ネックレス、イヤリングなどのジュエリーに組み込むか、または帽子、ヘッドバンドなどの頭部近くで着用される衣料製品に組み込むことができる。
【0039】
眼球装着可能デバイス110が検体バイオセンサ162を含む例では、システム100は、眼球表面上の涙液膜内の検体濃度を監視するように動作可能である。したがって眼球装着可能デバイス110は、眼科用検体バイオセンサのためのプラットフォームとして構成可能である。涙液膜は、眼球を覆うために涙腺から分泌される水層である。涙液膜は、眼球構造内の毛細管を介した血液供給と接触し、ヒトの健康状態を特徴付けるために解析される血液中に見られる多くのバイオマーカを含む。たとえば、涙液膜は、ブドウ糖、カルシウム、ナトリウム、コレステロール、カリウム、他のバイオマーカなどを含む。涙液膜内のバイオマーカ濃度は、血液中のバイオマーカの対応する濃度とは体系的に異なる可能性があるが、涙液膜バイオマーカの濃度値を血液濃度レベルにマッピングするために2つの濃度レベル間の関係を確立することができる。たとえば、ブドウ糖の涙液膜濃度を、対応する血中ブドウ糖濃度のおよそ10分の1となるように確立する(たとえば経験的に決定する)ことができる。しかしながら、別の比率関係および/または非比率関係を使用してもよい。したがって、涙液膜検体濃度レベルを測定することで、ヒトの体外で解析される血液の容量をランシング(lancing)することによって実行される血液サンプリング技法に比べて、バイオマーカレベルを監視する非侵襲性の技法を提供する。さらに、本明細書で開示される眼科用検体バイオセンサプラットフォームは、検体濃度のリアルタイム監視を実行可能にするために、ほぼ連続して動作することができる。
【0040】
涙液膜検体モニタとして構成されたシステム100を用いて読み取りを実行するために、リーダ180は、電源140を介して眼球装着可能デバイス110に電力を供給するために採取される、無線周波数放射171を放出することができる。エネルギー採取アンテナ142(および/または通信アンテナ170)によって捕獲された無線周波数電気信号は、整流器/調整器146内で整流および/または調整され、調整されたDC供給電圧147はコントローラ150に提供される。このようにして無線周波数放射171は、眼球装着可能デバイス110内の電子構成要素をオンに切り替える。オンに切り替えられると、コントローラ150は検体濃度レベルを測定するために、検体バイオセンサ162を動作させる。たとえばセンサインターフェースモジュール152は、検体バイオセンサ162内の作用電極と参照電極との間に電圧を印加することができる。印加される電圧は、検体が作用電極で電気化学反応を受けるのに十分であり、それによって作用電極を介して測定可能なアンペロメトリック電流を生成することができる。測定されたアンペロメトリック電流は、検体濃度を示すセンサ読み取り値(「結果」)を提供することができる。コントローラ150は、(たとえば通信回路156を介して)センサ読み取り値をリーダ180に返送するために、アンテナ170を動作させることができる。センサ読み取り値は、たとえばインピーダンスの変調がリーダ180によって検出されるように通信アンテナ170のインピーダンスを変調することによって、伝達可能である。アンテナインピーダンスにおける変調は、たとえばアンテナ170からの後方散乱放射によって検出可能である。
【0041】
いくつかの実施形態において、システム100は、コントローラ150および電子機器160に電力を供給するために、眼球装着可能デバイス110にエネルギーを非連続的(「間欠的」)に供給するように動作可能である。たとえば、無線周波数放射171は、涙液膜検体濃度測定を実施し、結果を伝達するのに十分な長さで、眼球装着可能デバイス110に電力を供給するように供給することができる。たとえば供給された無線周波数放射は、作用電極での電気化学反応を誘導すること、結果として生じるアンペロメトリック電流を測定すること、および、測定されたアンペロメトリック電流を示すように後方散乱放射を調節するためにアンテナインピーダンスを変調することを行うのに十分な電位を作用電極と参照電極との間に印加するための、十分な電力を提供することができる。こうした例では、供給された無線周波数放射171は、測定を要求するための、リーダ180から眼球装着可能デバイス110への問い合わせ信号とみなすことができる。眼球装着可能デバイス110に(たとえばデバイスを一時的にオンに切り替えるために無線周波数放射171を供給することによって)定期的に問い合わせすること、および、センサ結果を(たとえばデータストレージ183を介して)記憶することによって、リーダ180は、眼球装着可能デバイス110に連続して電力を供給することなく、検体濃度測定値のセットを経時的に累積することができる。
【0042】
図2Aは、例示の眼球装着可能電子デバイス210(または眼科用電子機器プラットフォーム)の底面図である。
図2Bは、
図2Aに示される例示の眼球装着可能電子デバイスの側面図である。
図2Aおよび
図2B内の相対的寸法は必ずしも一定の縮尺でなく、例示の眼球装着可能電子デバイス210の配置構成を記述する際の説明の目的でのみレンダリングされたものであることに留意されたい。眼球装着可能デバイス210は、湾曲ディスクとして整形された高分子材料220から形成される。いくつかの実施形態において、眼球装着可能デバイス210は、眼球装着可能デバイス110の前述の態様のうちのいくつかまたはすべてを含むことができる。他の実施形態において、眼球装着可能デバイス110は、眼球装着可能デバイス210の本明細書に記載された態様のうちのいくつかまたはすべてを、さらに含むことができる。
【0043】
高分子材料220は、眼球装着可能デバイス210が眼球に装着されている間に眼球に入射光が伝送され得るように、ほぼ透明な材料とすることができる。高分子材料220は、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリメチルメタクリレート(「PMMA」)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(「polyHEMA」)、シリコンヒドロゲル、それらの組み合わせなどの、視力検査時に視力矯正用および/または美容用コンタクトレンズを形成するために採用されるものと同様の、生体適合性材料とすることができる。高分子材料220は、眼球の角膜表面全体にフィットするのに好適な凹面226を有する一側面を用いて形成可能である。ディスクの反対側面は、眼球装着可能デバイス210が眼球に装着されている間まぶたの動きを妨げない、凸面224を有することができる。円形外側縁部228は、凹面224および凸面226を接続する。
【0044】
眼球装着可能デバイス210は、ほぼ1センチメートルの直径、および約0.1から約0.5ミリメートルの厚みなどの、視力矯正用および/または美容用のコンタクトレンズと同様の寸法を有することができる。しかしながら、直径および厚みの値は説明の目的のみで提供されている。いくつかの実施形態において、眼球装着可能デバイス210の寸法は、着用者の眼球の角膜表面のサイズおよび/または形状に従って選択可能である。
【0045】
高分子材料220は、多様な方法で湾曲形状に形成可能である。たとえば、熱成形、射出成形、回転成形などの、視力矯正用コンタクトレンズを形成するために採用されるものと同様の技法を採用して、高分子材料220を形成することができる。眼球装着可能デバイス210が眼内に装着される間、凸面224は周囲環境に対して外側に面し、凹面226は角膜表面に向かって内側に面する。したがって凸面224は、眼球装着可能デバイス210の外側上面とみなし得、凹面226は内側底面とみなし得る。
図2Aに示される「底面」図は、凹面226に面している。
図2Aに示される底面図から、湾曲ディスクの外側周囲付近の外側外縁222は、ページの外へと延在するように湾曲し、ディスクの中央付近の中央領域221は、ページの中へと延在するように湾曲している。
基板230は、高分子材料220に組み込まれる。基板230は、中央領域221から遠くの、高分子材料220の外側外縁222に沿って置かれるように組み込むことができる。基板230は焦点が合わないほど眼球に近く、入射光が眼球の眼球感知部に伝送される中央領域221から離れて位置決めされるため、視力に干渉することはない。さらに基板230は、視覚への影響をさらに緩和するために透明な材料から形成可能である。
【0046】
基板230は、平坦な円形リング(たとえば中央に穴の開いたディスク)として整形され得る。基板230の(たとえば半径幅に沿った)平坦面は、(たとえばフリップチップ装着を介して)チップなどの電子機器を装着するため、ならびに、電極、アンテナ、および/または相互接続を形成するために、導電材料を(たとえば、フォトリソグラフィ、堆積、めっきなどの微細加工技術を介して)パターニングするための、プラットフォームである。基板230および高分子材料220は、共通中心軸を中心にほぼ円柱状に対称とすることができる。基板230は、たとえば、約10ミリメートルの直径、約1ミリメートルの半径幅(たとえば、内部半径よりも1ミリメートル大きい外部半径)、約50マイクロメートルの厚みを有することができる。しかしながら、これらの寸法は例示目的でのみ提供され、本開示をいかなる場合も制限するものではない。基板230は、上記の
図1に関連した基板130の考察と同様に、多様な異なる形式要素で実装可能である。
ループアンテナ270、コントローラ250、および生物相互作用電子機器260が、組み込まれた基板230上に配設される。コントローラ250は、生物相互作用電子機器260およびループアンテナ270を動作させるように構成された論理要素を含むチップとすることができる。コントローラ250は、同じく基板230上に置かれた相互接続257によって、ループアンテナ270に電気的に接続される。同様に、コントローラ250は、相互接続251によって生物相互作用電子機器260に電気的に接続される。相互接続251、257、ループアンテナ270、および(たとえば電気化学検体バイオセンサなどのための)任意の導電電極は、堆積、フォトリソグラフィなどの、こうした材料を精密にパターニングするためのプロセスによって、基板230上にパターニングされる導電材料から形成され得る。基板230上にパターニングされる導電材料は、たとえば金、プラチナ、パラジウム、チタニウム、カーボン、アルミニウム、銅、銀、塩化銀、貴材料(noble materials)から形成される導体、金属、それらの組み合わせなどとすることができる。
【0047】
眼球装着可能デバイス210の凸面224に面する図である
図2Aに示されるように、生物相互作用電子機器260は、基板230の凸面224に面する側に装着される。生物相互作用電子機器260が検体バイオセンサを含む場合、たとえばこうしたバイオセンサを凸面224に面する基板230上に装着することで、バイオセンサは、(
図2Cおよび
図2Dに示される)凸面224への高分子材料220内のチャネル272を介して涙液膜内の検体濃度を感知することができる。いくつかの実施形態において、いくつかの電子構成要素を基板230の一方の側に装着可能であり、他の電子構成要素を反対の側に装着し、この2つの間の接続を、基板230を通る導電材料を介して作成することができる。
【0048】
ループアンテナ270は、平坦な導電リングを形成するために基板の平坦面に沿ってパターニングされた導電材料の層である。いくつかのインスタンスでは、ループアンテナ270は完全なループを形作ることなく形成可能である。たとえばループアンテナは、
図2Aに示されるように、コントローラ250および生物相互作用電子機器260用の余地を残すためにカットアウトを有することができる。しかしながらループアンテナ270は、基板230の平坦面周囲全体に1回または複数回巻き付いた、導電材料の連続ストリップとして配置構成することも可能である。たとえば、複数の巻きを伴う導電材料のストリップを、コントローラ250および生物相互作用電子機器260と反対側の基板230上にパターニングすることができる。こうした巻きアンテナの端部間の相互接続(たとえばアンテナリード)は、基板230を介してコントローラ250へと渡すことができる。
【0049】
図2Cは、眼球10の角膜表面22に装着されている間の、例示の眼球装着可能デバイス210の垂直断面図である。
図2Dは、例示の眼球装着可能デバイス210の露出した表面224、226を取り囲む涙液膜層40、42を示すために強調された、近接垂直断面図である。
図2Cおよび
図2Dの相対的寸法は必ずしも一定の縮尺ではなく、例示の眼球装着可能デバイス210の配置構成を記述する際の説明の目的でのみレンダリングされたものであることに留意されたい。たとえば眼球装着可能デバイスの総厚みは約200マイクロメートルとすることが可能であり、涙液膜層40、42の厚みはそれぞれ約10マイクロメートルとすることが可能であるが、この比率は図面内に反映されていない場合がある。いくつかの態様は、例示を可能にし、説明を容易にするために誇張されている。
【0050】
眼球10は、上まぶた30および下まぶた32を共に眼球10の上部全体を覆うように持ってくることによってカバーされる、角膜20を含む。入射光は角膜20を介して眼球10によって受け取られ、光は、視覚を刺激するために眼球10の光感知要素(たとえば桿体(rods)および錐体(cones)など)に向けて光学的に送られる。まぶた30、32の動きは、眼球10の露出した角膜表面22全体に涙液膜を分散させる。涙液膜は、眼球10を保護および潤滑するために涙腺によって分泌される水溶液である。眼球装着可能デバイス210が眼球10に装着された場合、涙液膜は、(凹面226に沿った)内部層40および(凸面224に沿った)外部層42を用いて、凹面および凸面224、226の両方を覆う。涙液膜層40、42は、約10マイクロメートルの厚みとし、まとめて約10マイクロリットルを占める。
【0051】
涙液膜層40、42は、まぶた30、32の動きによって、角膜表面22および/または凸面224にわたって分散される。たとえばまぶた30、32は、角膜表面22および/または眼球装着可能デバイス210の凸面224全体に少量の涙液膜を広げるために、それぞれ上下する。角膜表面22上の涙液膜層40は、凹面226と角膜表面22との間の毛細管力により、眼球装着可能デバイス210の装着も容易にする。いくつかの実施形態において、眼球装着可能デバイス210は、眼球に面した凹面226の凹形湾曲により、角膜表面22に対する真空力によって眼球を部分的に覆って保持され得る。
【0052】
図2Cおよび
図2Dの断面図に示されるように、基板230は、基板230の平坦な装着面が凸面224の隣接部分とほぼ平行になるように傾けられ得る。前述のように、基板230は、(高分子材料220の凹面226に面する)内側に面した表面232および(凸面224に面する)外側に面した表面234を備える、扁平リングである。基板230は、装着面232、234のいずれかまたは両方に装着された、電子構成要素および/またはパターニングされた導電材料を有することができる。
図2Dに示されるように、生物相互作用電子機器260、コントローラ250、および導電相互接続251は、生物相互作用電子機器260が凸面224に面するように、外側に面する表面234上に装着される。
【0053】
前方側を画定する高分子層の厚みは50マイクロメートルよりも厚い可能性があり、後方側を画定する高分子層は150マイクロメートルよりも薄い可能性がある。したがって、生物相互作用電子機器260は、凸面224から少なくとも50マイクロメートル離れている可能性があり、凹面226からはそれよりも長い距離の可能性がある。しかしながら、他の例において、生物相互作用電子機器260は、生物相互作用電子機器260が凹面226に面するように、基板230の内側に面する表面232上に装着可能である。生物相互作用電子機器260は、凸面224よりも凹面226に近く位置決めすることも可能である。この配置構成では、生物相互作用電子機器160は、チャネル272を介して涙液膜292内の検体濃度を受信することができる。
【0054】
III.眼科用電気化学検体センサ
図3は、涙液膜検体濃度を電気化学的に測定および表示するためのシステム300の機能ブロック図である。システム300は、リーダ180と通信し、リーダ180によって電力供給される、電子構成要素が組み込まれた眼球装着可能デバイス210を含む。リーダ180は、表示デバイス350と通信するようにも構成可能である。リーダ180および眼球装着可能デバイス210は、
図3でプロトコル1として示される、1つの通信プロトコルまたは規格に従って通信可能であり、リーダ180および表示デバイス350は、
図3でプロトコル2として示される、1つの通信プロトコルまたは規格に従って通信可能である。いくつかの実施形態において、プロトコル1およびプロトコル2は同一であり、他の実施形態では、プロトコル1はプロトコル2とは異なる。特定の実施形態において、プロトコル1はRFIDプロトコルであり、プロトコル2はBluetoothプロトコル、Wi−Fiプロトコル、またはZigBee
(登録商標。以下同じ。)プロトコルのいずれかである。他の特定の実施形態において、プロトコル1はBluetoothプロトコル、Wi−Fiプロトコル、またはZigBeeプロトコルのいずれかである。さらに他の特定の実施形態において、プロトコル2は、Universal Serial Busプロトコル、Registered Jackプロトコル(たとえばRJ−25)、またはワイヤードローカルエリアネットワークプロトコル(たとえばEthernet
(登録商標。以下同じ。))などであるが、これらに限定されない、ワイヤードプロトコルである。
【0055】
眼球装着可能デバイス210は、リーダ180から無線周波数(RF)電力341を捕獲するためのアンテナ312を含む。いくつかの実施形態において、RF電力341および/または後方散乱通信343は、
図3に示されるプロトコル1などの通信規格またはプロトコルに従って提供することができる。
【0056】
眼球装着可能デバイス210は、整流器314、エネルギーストレージ316、および、組み込まれた電子機器を動作させるために電源電圧330、332を発生させるための調整器318を含む。眼球装着可能デバイス210は、センサインターフェース321によって駆動される作用電極322および参照電極323を備える、電気化学センサ320を含む。眼球装着可能デバイス210は、アンテナ312のインピーダンスを変調することによって、結果をセンサ320からリーダ180に伝達するための、ハードウェア論理324を含む。インピーダンス変調器325(
図3ではスイッチとして象徴的に示される)を使用して、ハードウェア論理324からの命令に従ってアンテナインピーダンスを変調することができる。
図1に関して上記で考察した眼球装着可能デバイス110と同様に、眼球装着可能デバイス210は、眼球に装着されるように構成された高分子材料内に組み込まれる装着基板を含むことができる。
【0057】
電気化学センサ320は、眼球装着可能デバイス210と眼球との間に挿入された涙液膜層(たとえば、眼球装着可能デバイス210と角膜表面22との間の内部涙液膜層40)内の検体濃度を測定するために、(たとえば基板230の内部に面した側232の生物相互作用電子機器260に対応する)眼球の表面に近接したかかる基板の装着面上に置くことができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、電気化学センサは、眼球装着可能デバイス210の露出した面を覆う涙液膜層(たとえば、高分子材料210の凸面224と大気および/または閉じたまぶたとの間に挿入される外側の涙液膜層42)内の検体濃度を測定するために、(たとえば、基板230の外部に面した側234に対応する)眼球の表面から遠位のかかる基板の装着面上に置くことができる。
【0058】
図3を参照すると、電気化学センサ320は、作用電極322において、試薬によって触媒作用が及ぼされた検体の生成物を電気化学的に反応させる(たとえば還元反応および/または酸化反応)のに十分な電圧を、電極322、323間に印加することにより、検体濃度を測定する。作用電極322における電気化学反応は、作用電極322で測定され得るアンペロメトリック電流を生成する。センサインターフェース321は、たとえば、作用電極322で試薬による触媒作用が及ぼされた検体からの生成物を還元するために、作用電極322と参照電極323との間に還元電圧を印加することができる。追加または代替として、センサインターフェース321は、作用電極322で試薬による触媒作用が及ぼされた検体からの生成物を酸化するために、作用電極322と参照電極323との間に酸化電圧を印加することができる。センサインターフェース321はアンペロメトリック電流を測定し、出力をハードウェア論理324に提供する。センサインターフェース321は、たとえば、作用電極322と参照電極323との間に電圧を印加し、同時に作用電極322を介して結果として生じるアンペロメトリック電流を測定するために、電極322、323の両方に接続された定電位電解装置(potentiostat:ポテンシオスタット)を含むことができる。
【0059】
他の実施形態において、センサ320は、光、熱/温度、血圧、エアフロー、および/または検体濃度以外の他の特徴を測定するセンサをさらに含むこと、および/または、そのセンサに置き換えることができる。これらの他の実施形態において、センサ320は、測定された特徴に関するデータを、以下で考察するように、後方散乱通信343を使用してリーダ180に伝達することができる。
【0060】
整流器314、エネルギーストレージ316、および電圧調整器318は、受け取ったRF電力341からエネルギーを採取するように動作する。RF電力341は、アンテナ312のリード上に無線周波数電気信号を発生させる。整流器314はアンテナリードに接続され、無線周波数電気信号をDC電圧に変換する。エネルギーストレージ316(たとえばキャパシタ)は、DC電圧の高周波成分を除去するために、整流器314の出力の両端間に接続される。調整器318は除去済みDC電圧を受け取り、ハードウェア論理324を動作させるためのデジタル供給電圧330、および電気化学センサ320を動作させるためのアナログ供給電圧332の、両方を出力する。たとえば、アナログ供給電圧は、アンペロメトリック電流を生成するためにセンサ電極322、323の間に電圧を印加するために、センサインターフェース321によって使用される電圧とすることができる。デジタル供給電圧330は、およそ1.2ボルト、およそ3ボルトなどの、デジタル論理回路を駆動させるのに好適な電圧とすることができる。リーダ180からのRF電力341(または、周囲放射線などの別のソース)を受け取ることで、供給電圧330、332がセンサ320およびハードウェア論理324に供給される。センサ320およびハードウェア論理324は、電力が供給されている間、アンペロメトリック電流を生成および測定し、結果を伝達するように構成される。
【0061】
センサ結果は、アンテナ312から後方散乱放射343を介してリーダ180に返送することができる。ハードウェア論理324は電気化学センサ320から出力電流を受け取り、センサ320によって測定されたアンペロメトリック電流に従って、アンテナ312のインピーダンスを変調する(325)。アンテナインピーダンスおよび/またはアンテナインピーダンスの変化は、後方散乱信号343を介してリーダ180によって検出される。
【0062】
リーダ180は、プロトコル1を使用して伝達するため、後方散乱信号343によって示される情報を復号するため、デジタル入力を処理システム346に提供するため、ならびにユーザインターフェース348を介した入力の受信および/または出力の提供のための、プロトコル1フロントエンド342aおよび論理構成要素344を含むことができる。プロトコル1は、たとえばRFIDプロトコルとすることができる。いくつかの実施形態において、眼球装着可能デバイス210の一部またはすべては、RFIDタグのいくつかまたはすべての機構を実行するように構成可能である。たとえば
図3に示されるように、眼球装着可能デバイス210のタグ370として示される構成要素のうちのいくつかまたはすべてが、RFIDタグのいくつかまたはすべての機構、たとえばアンテナ312、整流器314、エネルギーストレージ316、電圧調整器318、ハードウェア論理324などを、実行することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、別々の機能ブロックとして示される機構のうちの1つまたは複数を単一チップ上に実装(「パッケージング」)することができる。たとえば眼球装着可能デバイス210は、整流器314、エネルギーストレージ316、電圧調整器318、センサインターフェース321、およびハードウェア論理324を、単一のチップまたはコントローラモジュール内にまとめてパッケージングした状態で、実装可能である。こうしたコントローラは、ループアンテナ312およびセンサ電極322、323に接続された相互接続(「リード」)を有することができる。こうしたコントローラは、ループアンテナ312で受け取ったエネルギーを採取し、アンペロメトリック電流を展開するのに十分な電圧を電極322、323の間に印加し、アンペロメトリック電流を測定し、アンテナ312を介して(たとえば後方散乱放射343を介して)測定された電流を示すように、動作する。
【0064】
処理システム346または処理システム356などであるがこれらに限定されない処理システムは、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数の記憶構成要素を含むことができる。例示のプロセッサは、CPU、グラフィクス処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)を含むが、これらに限定されない。例示の記憶構成要素は、揮発性および/または不揮発性の記憶構成要素、たとえば光、磁気、有機、または他のメモリ、ディスクストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光メモリユニット、およびディスクメモリを含むが、これらに限定されない。記憶構成要素は、たとえば、処理システムのプロセッサによって実行された時に、リーダ180、眼球装着可能デバイス210、および/または表示デバイス350の、本明細書に記載された機能などであるがこれらに限定されない機能を、処理システムに実行させるように構成されたコンピュータ可読命令などの、ソフトウェアおよびデータを、記憶するように構成可能である。
【0065】
リーダ180は、後方散乱信号343を(たとえば、アンテナ312のインピーダンスをセンサ320からの出力に関連付ける事前にプログラミングされた関係に従い、処理システム346を介して)センサ結果に関連付けることができる。処理システム346は、次いで、示されたセンサ結果(たとえば涙液膜検体濃度値)を、ローカルメモリおよび/または(たとえば、表示デバイス350上にあるかまたはネットワークを介する外部メモリと通信することによって)外部メモリに記憶することができる。
【0066】
リーダ180のユーザインターフェース348は、リーダ180が動作していることを示し、その状況に関する何らかの情報を提供することが可能な、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)などであるが、これらに限定されない、インジケータを含むことができる。たとえばリーダ180は、正常な動作時には1つのカラー(たとえば緑)、および異常な動作時には別のカラー(たとえば赤)を表示する、LEDを伴って構成することができる。他の実施形態において、LEDは、データの処理および/または通信時の表示をアイドル時とは変更する(たとえば、データの処理中はオンとオフを定期的に切り替え、アイドル中は常にオンまたはオフのままとする)ことができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース348のLEDのうちの1つまたは複数は、センサデータの状況を示すことが可能であり、たとえば、センサデータが正常範囲内にあるかまたは使用不可の場合は表示せず、センサデータが正常範囲を外れているが極端な高低ではない場合は第1のカラーを表示し、センサデータが極端に高いおよび/または低い場合は第2のカラーを表示する。たとえば、センサデータが、血中ブドウ糖レベルが極端に高いかまたは低いことを示す場合、ユーザインターフェース348は、処理システム346によって第2のカラーを用いて表示するように命じられ得る。特定の実施形態において、ユーザインターフェース348は、リーダ180が音声、たとえば、センサデータが極端に高いおよび/または低い場合の警告音および/またはトーンを、生成できるようにするための、スピーカまたは他の音声放出デバイスを含むことができる。
【0068】
さらに他の実施形態において、リーダ180は、入力を受け取るための1つまたは複数のボタンおよび/または他のデバイスを有することができる。たとえばリーダ180は、少なくとも
図6との関連において以下でより詳細に考察するような、較正データが生成されることになった場合を示すための較正ボタンを有することができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、リーダ180は、眼球装着可能デバイス210/タグ370に加えて、デバイスと通信することができる。たとえば
図3は、プロトコル2を使用したリーダ180と表示デバイス350との間の通信360を示す。
【0070】
表示デバイス350と通信するために、リーダ180はプロトコル2フロントエンド342bを含むことが可能であり、ハードウェア論理344は、プロトコル2を使用して通信するためにプロトコル2フロントエンド342bを使用するように構成可能である。いくつかの実施形態において、処理システム346は、ハードウェア論理344の本明細書で説明する機能を含むように、および/または実行するように構成可能である。
【0071】
図3は、表示デバイス350がプロトコル2フロントエンド352、ハードウェア論理354、処理システム356、およびユーザインターフェース(UI)358を含み得ることを示す。ハードウェア論理354は、プロトコル2を使用して少なくともリーダ180と通信するために、プロトコル2フロントエンド352を使用するように構成可能である。処理システム356は、実行された場合に、表示システム350の本明細書で説明するいくつかまたはすべての機能を実行するように構成された、コンピュータ可読命令を含むことができる。いくつかの実施形態において、処理システム356は、ハードウェア論理354の本明細書で説明する機能を含むように、および/または実行するように構成可能である。UI358は、通信360の一部としてリーダ180から受信したデータに関する、イメージ、テキスト、オーディオ、および/またはビデオの情報を提示することなどのような、しかしこれらを含まない、イメージ、テキスト、音声、触覚フィードバック等を提示するように構成された、ハードウェアおよび/またはソフトウェアと共に構成可能である(UI 358 can be configured with hardware and/or software configured to present images, text, sound, haptic feedback, etc., such as, but not including, presenting images, text, audio, and/or video information related to data received from reader 180 as part of communication 360.)。表示デバイス350によって提供可能な例示の図については、
図7A〜
図7Eを参照されたい。
【0072】
いくつかの実施形態において、表示デバイス350はプロトコル3フロントエンド362を含むことができる。これらの実施形態において、ハードウェア論理354は、プロトコル3を使用して1つまたは複数の他のデバイス(
図3には図示せず)との通信364を送信および受信するために、プロトコル3フロントエンド362を使用するように構成可能である。プロトコル3は、RFIDプロトコル、Bluetoothプロトコル、Wi−Fiプロトコル、ZigBeeプロトコル、WiMaxプロトコル、またはワイヤレスワイドエリアネットワークプロトコル(たとえばTDMA、CDMA、GSM、UMTS、EV−DO、LTE)などであるがこれらに限定されない、1つまたは複数のワイヤレスプロトコル、および/または、Universal Serial Busプロトコル、Registered Jackプロトコル(たとえばRJ−25)、またはワイヤードローカルエリアネットワークプロトコル(たとえばEthernet)などであるがこれらに限定されない、1つまたは複数のワイヤードプロトコルを、含むことができる。これらの実施形態のうち特に、プロトコル2フロントエンド352およびプロトコル3フロントエンド362を組み合わせることができる。
【0073】
プロトコル3を使用する実施形態において、表示デバイス350を使用して、データを転送すること、および/または、1つまたは複数の他のデバイスを用いてブリッジすることが可能である。これらの実施形態のうち特に、1つまたは複数の他のデバイスのうちのデバイスは、表示デバイス350からデータを収集するための1つまたは複数のアプリケーション、たとえばクラウドデータ収集アプリケーションを実行するように構成された、サーバとすることができる。
【0074】
IV.例示の電気化学センサ
図4Aは、経時的に一連のアンペロメトリック電流測定値を取得するためにリーダ180によって動作される、眼球装着可能デバイス210を備えるシステム400のブロック図である。眼科用電気化学センサ、たとえばセンサ320の実施形態を、眼球装着可能デバイス210と共に含めることができる。
図4Aに示されるように、眼球装着可能デバイス210は、眼球10の角膜表面を覆って接触装着するように構成される。眼科用電気化学センサは、リーダ180からの測定信号の受信に応答して、アクティブ測定モードに移行されるように動作可能である。
【0075】
リーダ180は、メモリ414と共に構成された処理システム346を含む。処理システム412は、眼球装着可能デバイス210に測定信号を間欠的に伝送することによって、リーダ180/システム400に時系列の測定値を取得させるために、メモリ414に記憶されたコンピュータ可読命令を実行する、コンピューティングシステムとすることができる。測定信号に応答して、眼球装着可能デバイス210の1つまたは複数のセンサ、たとえば眼科用電気化学センサ430は、測定を行い、測定の結果を取得し、図に示されるようにリーダ180に関連し、後方散乱422を介して結果を伝達することができる。
図3に関して上記で考察したように、リーダ180は、眼球装着可能デバイス210によって採取されるRF電力420などのRF電力を提供することができる。たとえば、後方散乱放射422がセンサ結果を示すように、センサ結果に従って眼球装着可能デバイス210のアンテナのインピーダンスを変調することができる。リーダ180は、メモリ414を使用して、眼科用電気化学センサ430によって伝達されるアンペロメトリック電流測定の指示を記憶することも可能である。したがってリーダ180は、時系列のアンペロメトリック電流測定値を取得するように、眼科用電気化学センサ430に間欠的に電力を供給するように動作可能である。
【0076】
図4Bは、
図4Aに関連して説明される眼科用電気化学センサ430のブロック図である。眼科用電気化学センサ430は、安定化電子機器432、測定電子機器434、アンテナ436、およびセンサ電極438を含むことができる。安定化電子機器432は、眼科用電気化学センサ430がスタンバイ(または安定化)モードで動作している間、センサ電極438間に安定化電圧を印加するように構成可能である。測定電子機器434は、センサ電極438の作用電極を介してアンペロメトリック電流を測定し、測定されたアンペロメトリック電流をアンテナ436を介して伝達するように構成される。
【0077】
眼科用電気化学センサ430は、スタンバイモード中にセンサ電極の両端に印加するためのバイアス電圧を発生させるために、入射放射線(および/または他のソース)からエネルギーを採取するための、エネルギー採取システムを含むことができる。眼科用電気化学センサ430は、アクティブ測定モードの開始を示す測定信号の受信に応答して、測定電子機器および通信電子機器に電力を供給するために、入射放射線から電力発生させるようにも構成可能である。たとえば測定電子機器434は、アンテナ436を介して入射無線周波数放射線からエネルギーを採取し、アンペロメトリック電流の測定および通信に電力を供給するために採取したエネルギーを使用するように、構成可能である。
【0078】
V.例示の眼球近接リーダ
図5は、2つの眼球装着可能デバイス210a、210b、バンド522、イヤリング524a、524b、およびネックレス526を着用している例示の着用者500を示す。少なくとも
図3、4A、および4Bとの関連において上記で考察したように、各眼球装着可能デバイス210a、210bは、少なくともそれぞれのレンズが着用されている眼球の涙液膜内の電流を測定するためのセンサで構成可能である。
【0079】
バンド522の機能は、別のデバイスの構造、たとえば眼鏡フレーム、頭部装着可能コンピュータフレーム、キャップ、帽子、帽子またはキャップの一部(たとえば帽子のひも、野球帽のひさし)、ヘッドフォンのヘッドバンドなどによって、あるいは、別のバンド、たとえばヘッドバンド、スカーフ、またはヘッドバンドとして着用されるバンダナによって、実行可能である。たとえばバンド522は、着用者500の耳、鼻、髪の毛、皮膚、および/または頭によって、またおそらくは外部デバイス、たとえば飾りピン、ヘアピン、ヘッドバンドゴム、スナップによって、支持することができる。バンド522用のその他および異なる支持も同様に可能である。
【0080】
バンド522、イヤリング524a、524b、およびネックレス526のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のリーダ、たとえば前述のリーダ180を含むように構成可能である。
図5は、バンド522内のリーダに関する3つの例示的な位置180a、180b、および180cを示す。たとえば、眼球装着可能デバイス210aのみがセンサを有する場合、リーダ180などのリーダは、眼球装着可能デバイス210aにコマンドおよび電力を送るために、例示の位置180aおよび/または180bに装着可能である。同様に、眼球装着可能デバイス210b内のセンサに電力を供給し、これと通信するために、バンド522に装着されるリーダ180などのリーダは、例示の位置180bおよび/または180cに装着可能である。
【0081】
イヤリング524a、524bの各々または両方は、それぞれの眼球装着可能デバイス210a、210b内のセンサと通信するため、およびそれらに電力を供給するために、それぞれのリーダ180d、180eで構成可能である。ネックレス526は、それぞれの眼球装着可能デバイス210a、210b内のセンサと通信するため、およびそれらに電力を供給するために、1つまたは複数のリーダ180f、180g、180hで構成可能である。他の実施形態も同様に可能であり、たとえば位置180a〜180cまたはそれらの位置付近のリーダは、帽子、ヘッドバンド、スカーフ、ジュエリー(たとえばブローチ)、眼鏡、HMD、および/または他の装置の一部として構成可能である。
【0082】
いくつかの実施形態において、リーダは、低電力伝送、たとえば1ワットまたはそれ未満の電力の伝送を使用して、眼球装着可能デバイス210内のセンサに電力を供給することができる。これらの実施形態において、リーダは、センサに電力を供給するために、眼球装着可能デバイス210a、210bから所定の距離内、たとえば1フィート、40cm内とすることができる。
【0083】
図6は、リーダ180が眼球装着可能デバイス(EMD)210および表示デバイス350と通信するシナリオ600を示す。シナリオ600において、眼球装着可能デバイス210およびリーダ180は、RFIDプロトコル、たとえば、"EPC(商標)Radio-Frequency Identity Protocols Class-1 Generation-2 UHF RFID Protocol for Communications at 860 MHz-960 MHz, Version 1.2.0", October 23, 2008, EPCglobal Inc.に指定されているような、RFID第2世代プロトコルを使用して通信する。シナリオ600において、リーダ180および表示デバイス350は、Bluetoothプロトコル、たとえば、"Specification of the Bluetooth System", Volumes 0-6, Core Package Version 4.0, June 30, 2010, Bluetooth SIG, Inc.に指定されているようなプロトコルを介して通信する。
【0084】
他のシナリオにおいて、リーダ、タグ、表示デバイス、および/または他のデバイスは、異なる、および/または追加のプロトコル、たとえば、IEEE 802.11プロトコル(「Wi−Fi」)、IEEE 802.15プロトコル(「Zigbee」)、ローカルエリアネットワーク(LAN)プロトコル、2Gプロトコル(たとえばCDMA、TDMA、GSM)、3Gプロトコル(たとえばCDMA−2000、UMTS)、4Gプロトコル(たとえばLTE、WiMAX)などであるがこれらに限定されないワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)プロトコル、ワイヤードプロトコル(たとえばUSB、ワイヤードIEEE 802プロトコル、RS−232、DTMF、ダイヤルパルス)を使用して、通信可能である。プロトコルおよびプロトコルの組み合わせの多くの他の例も、同様に使用可能である。
【0085】
シナリオ600は、リーダ180がタグID要求メッセージ620を眼球装着可能デバイス210に送信することから始まる。タグID要求メッセージ620に応答して、眼球装着可能デバイス210はその識別子(ID)を取り出し、そのIDをタグID受信メッセージ222内でリーダ180に送信する。タグを備える複数の眼球装着可能デバイスおよび/または他のデバイスが動作している環境では、リーダ180は動作タグを備えるデバイスにいくつかのタグIDメッセージ620を送信し、動作タグを備える複数のデバイスのすべてに関するIDを取得し、それに応じていくつかのタグID受信メッセージ622を受信することができる。いくつかの実施形態では、1つのタグIDメッセージ620によって、複数のタグID受信メッセージ622、たとえば動作タグを備える複数のデバイスの各々からの1つのタグID受信メッセージが、送信されることになる。シナリオ600では、1つのデバイス、眼球装着可能デバイス210のみが、動作タグを有するため、タグID要求メッセージ620に応答して、1つのタグID受信メッセージ622のみがリーダ180によって受信される。
【0086】
眼球装着可能デバイス210に関するID(または他の識別情報)を受信すると、リーダ180は、ID記憶624を決定し、較正データが眼球装着可能デバイスに使用できるかどうかを決定することができる。いくつかのタイプの較正データがデバイスごとに決定可能であり、たとえばシナリオ600では、検体バイオセンサから受信した電流データを涙液膜内の検体の濃度に変換するための較正データが、デバイスごとに決定可能である。たとえば、ブドウ糖を測定するように構成された検体バイオセンサは、電流データを涙液膜ブドウ糖レベルに変換するための較正データを有することができる。較正データは、たとえば、各液体サンプル中に異なる量のブドウ糖が溶解された液体(たとえば水または人工涙液膜)のサンプル内でバイオセンサ(または同等のデバイス)を使用して電流測定を行うことによって、バイオセンサの製造時に決定することができる。次いで、測定された電流値に基づき、電流値を涙液膜ブドウ糖レベルに変換するための、1つまたは複数の数学モデルを決定することができる。数学モデルの例は、線形モデル、区分的線形モデル、二次モデル、三次モデル、対数モデル、指数モデル、または別のタイプの非線形モデルを含むが、これらに限定されない。数学モデルは、較正データおよび電流データを入力として採用し、涙液膜ブドウ糖モデルを出力として決定することができる。
【0087】
他のタイプの較正データは、人物ごとまたは着用者ごとに決定可能であり、たとえばシナリオ600では、涙液膜ブドウ糖データを血中ブドウ糖データに変換するための較正データは、着用者ごとに決定可能である。この較正データは、着用者(または人物)がバイオセンサを着用し、較正データが決定された後にのみ、決定可能である。たとえば、リーダ180を較正するために、眼球装着可能センサ210の着用者は、食事のすぐ後にリーダ180の較正ボタンを押し、結果としてリーダ180は、着用者について血中ブドウ糖の相対的に高いレベルおよび相対的に低いレベルを決定し、電流値および/または涙液膜ブドウ糖レベルを血中ブドウ糖レベルに変換するために、それらの値を数学モデルへの較正データ入力として使用することができる。数学モデルは、上記で列挙した例示の数学モデルのうちの1つまたは複数、たとえば線形モデル、区分的線形モデルなどとすることが可能である。他のタイプのデバイスごとおよび/または着用者ごとの較正データも、同様に可能である。
【0088】
シナリオ600において、リーダ180は、タグID受信メッセージ622内に提供されたIDに基づく眼球装着可能デバイス210のための較正データを有しない。これに応じて、リーダ180は、1つまたは複数の較正データ要求メッセージ626を生成し、これに応じて、1つまたは複数の較正データ受信メッセージ628を受信することができる。較正データ要求メッセージ626は、たとえば、電流から涙液膜ブドウ糖の較正データ、涙液膜ブドウ糖から血中ブドウ糖の較正データ、較正データを計算するためのリーダ180に関するデータ値など、1つまたは複数の異なるタイプの較正データに対する要求を含むことができる。シナリオ600において、リーダ180は、眼球装着可能デバイス210からのセンサデータに関する処理のうちのいくつかまたはすべてを表示デバイス350が実行することを許可するために、較正データ送信メッセージ630を介して、較正データのうちのいくつかまたはすべてを表示デバイス350に提供する。たとえばリーダ180は、較正データメッセージ630を使用して、識別された眼球装着可能デバイスからリーダ180によって受信された涙液膜ブドウ糖データを血中ブドウ糖値に変換するために、較正データを送信することが可能であり、その後表示デバイス350はこの値を、識別された眼球装着可能デバイスの着用者に対して表示することができる。他のシナリオでは、表示デバイス350は、較正データを要求するために、1つまたは複数の較正データ要求メッセージをリーダ180に送信することができる。
【0089】
眼球装着可能デバイス210のタグ370などのRFIDタグは、受動タグとすることができる。受動RFIDタグは、無線周波数(RF)信号を受信し、RF信号内で提供された電力を貯蔵するように、構成可能である。RF信号は、RFIDメッセージを含むかまたは含まない場合がある。たとえばリーダ180は、電力を領域内タグ、たとえばタグ370に提供するために、リーダ180の領域内のタグにタグID要求メッセージを連続的に送信することができる。いくつかの実施形態において、リーダ180は、タグに定期的または連続的に電力を提供するために、RFIDメッセージではない無線周波数(RF)信号、たとえば連続RF波形を送信することができる。
図6は、リーダ180から眼球装着可能デバイス210に連続電力632を提供する例を示す。
【0090】
シナリオ600は、リーダ180によって、眼球装着可能デバイス210からデータを、たとえばコンタクトレンズ上に装着され、センサデータをタグに伝達するように構成された、1つまたは複数のセンサからのデータを取得するために、タグデータ要求メッセージ640を眼球装着可能デバイス210に送信することを続行することができる。眼球装着可能デバイス210は、要求されたデータをタグデータ受信メッセージ642内で提供することができる。眼球装着可能デバイス210からデータを受信すると、リーダ180は、上記のブドウ糖の例で考察したように、タグデータを記憶すること650、および/または、タグデータを処理すること652ができる。リーダ180は、1つまたは複数のタグデータ要求メッセージ660を眼球装着可能デバイス210に送信し、これに応じてタグデータ受信メッセージ662を受信することなどによって、眼球装着可能デバイス210にデータを定期的に要求することができる。いくつかの実施形態において、リーダ180は、コンタクトレンズがセンサを動作させ、要求に応答してタグデータを送信するのに十分な電力を有するかどうかを決定することができる。たとえばリーダ180は、リーダ180によって眼球装着可能デバイス210に提供される電力の決定に基づいて、眼球装着可能デバイス210から受信したメッセージの信号強さを測定することによって、眼球装着可能デバイス210から受信したメッセージに含まれる電力関係データによって、および/または、他の技法によって、眼球装着可能デバイス210が使用可能な電力を決定することができる。タグデータ受信メッセージ662内のタグデータを受信すると、リーダ180は、タグデータ670を記憶すること、および/またはタグデータ672を処理することが可能である。
【0091】
何らかの時点で、表示デバイス350は、リーダ180および/または眼球装着可能デバイス210にデータを要求するために、リーダデータ要求メッセージ680をリーダ180に送信することができる。
図6に示されていないいくつかのシナリオでは、リーダデータ要求メッセージ680を受信すると、リーダ180は、眼球装着可能デバイス210からデータを取得するためにタグデータ要求メッセージを送信し、その後、眼球装着可能デバイス210からの要求されたデータを記憶および/または処理することができる。リーダデータ要求メッセージ680を受信した後、リーダ180は、リーダ180によって記憶および/または処理されたデータを含むリーダデータ受信メッセージ682を生成し、これを表示デバイス350に送信することができる。いくつかの実施形態において、複数のメッセージを使用して、リーダデータ受信メッセージ682および/またはシナリオ600で説明される任意の他のメッセージの機能を実行することができる。
図6に示されていないいくつかの実施形態において、リーダ180は、リーダデータが使用可能な場合に、定期的に、またはいくつかの他の基準を使用して、表示デバイス350へのデータ伝送を開始することが可能であり、すなわちリーダ180は、リーダデータを表示デバイスにプッシュすることができる。
【0092】
リーダデータ受信メッセージ682内でリーダ180からデータを受信した後、表示デバイス350は、リーダデータ690を使用すること、たとえばリーダデータ690の処理、提示、記憶、伝達、および/またはその他の使用が可能である。たとえば、リーダデータ690が涙液膜ブドウ糖データを含む場合、表示デバイス350は涙液膜ブドウ糖データを処理して血中ブドウ糖データを生成することができる。血中ブドウ糖データを生成すると、表示デバイス350は、視覚および/または聴覚手段を使用して(たとえばディスプレイ、スピーカ、骨伝導トランスデューサなどを使用して)、血中ブドウ糖データを提示することができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、表示デバイス350は血中ブドウ糖データを評価することができる。たとえば表示デバイス350は、血中ブドウ糖データを低ブドウ糖および/または高ブドウ糖のしきい値と比較して、それぞれ、眼球装着可能デバイス210の着用者100にとって血中ブドウ糖データが高すぎるかまたは低すぎるかを決定することができる。血中ブドウ糖データが着用者100にとって高すぎるかまたは低すぎる場合、表示デバイス350は、着用者100に警告し、着用者100を助けるために着用者100に関連付けられた別の人物またはエンティティに連絡するよう試行し、および/または何らかの他のアクションを実行することができる。別の例として、表示デバイス350は、着用者100にインシュリンを投与するように構成された、インシュリンポンプまたは同様のデバイスとのインターフェースを有することができる。次いで、血中ブドウ糖データが高すぎる場合、表示デバイス100は、インターフェースを介して、着用者100にインシュリンを投与するようにインシュリンポンプに命じることができる。他の例も同様に可能である。
【0094】
VI.例示の表示デバイス図
図7A〜
図7Eは、表示デバイス350に関するユーザインターフェースの例示ビュー710、720、730、740、および750を示す。ビュー710、720、730、740、および/または750は、表示デバイス350上で実行する1つまたは複数のアプリケーション、たとえば血中ブドウ糖メータおよびグラフアプリケーションによって提示可能である。表示デバイスは、血中ブドウ糖レベルを表示するように構成可能であり、これは、前述の血中ブドウ糖データおよび/または血中ブドウ糖濃度値とするか、またはこれらに対応することが可能である。
【0095】
図7Aは、「mmol/L」値(血液1リットル当たりのミリモル)を使用して測定された「正常」な血中ブドウ糖レベル「5.0」を示す、例示のブドウ糖メータのビュー710を示す。
図7Aは、正常な血中ブドウ糖レベルを示すために白色の背景カラーを用いたビュー710を示すが、正常な血中ブドウ糖レベルを指定するために、白色背景の代わりに他のカラーおよび/またはパターン(たとえば、信号機カラー用の緑色の背景、大きな透かし模様の「OK」、親指を立てたイメージ)が使用可能である。ビュー710は、血中ブドウ糖レベルが測定された時刻「9:18 PM」および現在時刻「9:20」を示す。いくつかの実施形態では、ビュー710、720、730、740、および/または750のコンテンツの一部またはすべてを表すオーディオデータを、対応するビューと共に、またはこれの代わりに提供することが可能であり、たとえば「あなたの血中ブドウ糖レベルは5.0、正常です」などのテキストを音声に変換し、表示デバイス350のスピーカまたは同様の音声出力デバイスを使用して提示することができる。
【0096】
ビュー710は、3つのボタン712a、714、および716aも含む。「グラフ」とマーク付けされたボタン712aは、選択された時にブドウ糖グラフを描画するか、または血中ブドウ糖レベルのグラフを経時的に描画するように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。「設定」とマーク付けされたボタン714は、選択された時に、ブドウ糖メータおよびブドウ糖グラフに関する様々な設定を表示および/または変更可能にするように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。「mg/DL」とマーク付けされたボタン716aは、選択された時に、血液1デシリットル当たりのブドウ糖のミリグラム(mg/DL)値を使用して血中ブドウ糖レベルを表示するように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。いくつかの実施形態において、血中ブドウ糖メータおよびグラフアプリケーションは、図に示されていないボタン、たとえば戻るボタンまたは終了ボタンの選択によって終了させることができる。
【0097】
図7Bは、「mg/DL」値を使用して測定された「上昇」した血中ブドウ糖レベル「160.1」を示す、例示のブドウ糖メータのビュー720を示す。
図7Bは、上昇した血中ブドウ糖レベルを示すために灰色の背景カラーを用いたビュー720を示すが、上昇した血中ブドウ糖レベルを指定するために、灰色背景の代わりに他のカラーおよび/またはパターン(たとえば、信号機カラー方式用の黄色の背景、大きな透かし模様の「注意」、警告サインのイメージ)が使用可能である。ビュー720は、血中ブドウ糖レベルが測定された時刻「9:18 PM」および現在時刻「9:20」を示す。ビュー720は、「mmol/L」とマーク付けされたボタン716bも含む。ボタン716bは、選択された時に、1リットル当たりのミリモル(mmol/L)値を使用して血中ブドウ糖レベルを表示するように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。
【0098】
図7Cは、「mmol/L」値を使用して測定された「上昇」した血中ブドウ糖レベル「11.9」を示す、例示のブドウ糖メータのビュー730を示す。
図7Cは、上昇した血中ブドウ糖レベルを示すために黒色の背景カラーを用いたビュー720を示すが、高い血中ブドウ糖レベルを指定するために、黒色背景の代わりに他のカラーおよび/またはパターン(たとえば、信号機カラー方式用の赤色の背景、大きな透かし模様の「危険」、サイレンまたは他の非常用装置のイメージ)が使用可能である。ビュー720は、血中ブドウ糖レベルが測定された時刻「9:18 PM」および現在時刻「9:20」を示す。
【0099】
ビュー730は、各々「ヘルプに連絡」とマーク付けされたボタン732a、732bも含む。ボタン732aおよび732bは各々、選択された時および表示デバイス350に関連付けられた人物によって許可された時に、ヘルプ番号、たとえば救急サービス番号(たとえば911)、配偶者、他の親戚、友人、医療サービスなどに電話をかけるか、または他のタイプのメッセージを送るように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。たとえば、ボタン732aが選択された場合、ヘルプ番号にテキストメッセージを送信すること、および/または電話をかけることが可能である。いくつかの実施形態において、電話呼び出しは、少なくとも呼び出しの自動化部分を含むことができる。さらに他の実施形態では、ヘルプ番号は電子メールアドレスを含み得、ヘルプの呼び出しは、ヘルプ番号と共に含まれる電子メールアドレスへの電子メールを含み得る。
【0100】
例示のテキスト/電子メールメッセージまたは自動化電話呼び出し(電話呼び出しの自動化部分)用のテキストは、「<P1>が<X><Y>の高血中ブドウ糖読み取り値を有し、ヘルプを求めています。支援をお願いします!」とすることが可能であり、ここで<P1>は表示デバイス350に関連付けられた人物の名前、たとえば表示デバイス350の所有者に置き換えることが可能であり、<X>は血中ブドウ糖読み取り値、たとえばビュー730内の11.9に置き換えることが可能であり、<Y>は血中ブドウ糖読み取り値に使用された測定単位、たとえばビュー730内のmmol/Lに置き換えることが可能である。いくつかの実施形態において、<P1>は、表示デバイス350に関する電話帳掲載番号または他の識別子(たとえばデバイス名、ユーザ名、インターネットプロトコルアドレス)に関係するテキストによって置き換えまたは増補可能であり、たとえば<P1>は、電話番号<phoneno>に関連付けられた人の<name>とすること、または「<phoneno>に関連付けられた人物」とすることが可能であり、ここで<name>は表示デバイス350に関連付けられた人物の名前であり、<phoneno>は表示デバイス350に関連付けられた電話帳掲載番号である。
【0101】
いくつかの実施形態において、ヘルプの呼び出しは、表示デバイス350に関連付けられた人物によって許可され、さらに血中ブドウ糖レベルが少なくとも所定の期間所定の値を超えたままである場合、自動的に実行され得る。他の実施形態において、ビュー710、720、および730を使用して、血中ブドウ糖レベルの履歴を表示することが可能であり、たとえば血中ブドウ糖メータおよびグラフアプリケーションは、所与の以前の時点または時間範囲に関して記憶された過去の血中ブドウ糖レベルを表示することが可能である。
【0102】
図7Dは、1時間にわたる血中ブドウ糖レベルのグラフ740を備える例示のビューを示す。グラフ740は、血中ブドウ糖レベルに関する縦軸742aおよび時間に関する横軸742bを有する。
図7Dに示された例では、縦軸742aは、mmol/L単位で測定され5.0から6.5の可能範囲を備える血中ブドウ糖レベルを示し、横軸742bは、8:15開始から9:15終了までの時間を示す。
図7Dは、表示デバイス350の現在時刻9:21も示す。
【0103】
グラフ740は、灰色域として示された上昇する血中ブドウ糖レベルを示す部分744aと、白色域として示された正常な血中ブドウ糖レベルを示す部分744bを含む。グラフ740のデータ域746は、時刻「8:33」の最高血中ブドウ糖レベル「6.18」および時刻「8:15」の最低血中ブドウ糖レベル「5.03」を示す。
図7Dに示されていないいくつかの実施形態において、現在および/または平均の血中ブドウ糖レベルを、データ域746の一部またはグラフ740の別の部分に表示することができる。
図7Dに示されていない他の実施形態において、グラフィック表示、たとえば温度計式表示を使用して、最低、最高、現在、平均、および/または他の特定の血中ブドウ糖レベルを示すことができる。
【0104】
図7Dは、選択された時に、ブドウ糖メータを表示する、たとえばビュー710、720、または730のうちの1つを表示するように、表示デバイス350に命じるように構成可能な、「メータ」とマーク付けされたボタン712bを備えるビューを示す。
図7Dは、「リフレッシュ」とマーク付けされたボタン748を備えるビューを示す。ボタン748は、選択された時に、グラフ740をリフレッシュするか、または、たとえばリーダ180からの最も新しく受信されたデータを使用してグラフ740を再表示するように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。
【0105】
図7Eは、血中ブドウ糖メータおよびグラフアプリケーションに関する値を検討および/または変更するための、「ブドウ糖メータ設定」ビュー750を示す。
図7Eは、測定設定752、ヘルプ呼び出し設定752、754、756、758、および760、グラフ設定762〜770c、ならびにボタン712a、712b、772、および774を備える、ビュー750を示す。測定設定752を使用して、血中ブドウ糖メータおよびグラフアプリケーション用の測定単位、たとえばmmol/Lまたはmg/dLを選択することができる。
【0106】
ヘルプ呼び出し設定754は、少なくとも
図7Cとの関連において上記で考察した、血中ブドウ糖メータおよびグラフアプリケーションのヘルプ呼び出し機能を、実行可能または実行不可にするように構成される。
図7Eは、ヘルプ呼び出し機能が現在実行可能であることを示すためのチェックマークを備える、ヘルプ呼び出し設定754を示す。自動/手動設定756を使用して、ヘルプ呼び出しが表示デバイス350によって、たとえば
図7Cとの関連において上記で考察した1つまたは複数の条件の検出時に、またヒトによるいかなる介入もなしに、自動的に実行されるか、あるいは、たとえばボタン732aまたは732bなどのボタンの選択時に呼び出しが実行されるように、手動で実行されるかを、選択することができる。テキスト/音声設定を使用して、ヘルプ呼び出しが、たとえばテキストメッセージまたは電子メールなどのテキストベースサービス、および/または音声ベースサービスの、いずれを使用して実行されるかを、選択することができる。
図7Cに示された例では、「テキスト」設定がチェックされておらず、「音声」設定がチェックされているように示されているため、音声ベースサービスのみを使用してヘルプ呼び出しが実行されることになる。ヘルプ番号760を使用して、ヘルプ呼び出しを行うために使用する番号を指定することができる。
図7Eに示されていないいくつかの実施形態において、ヘルプ電子メールアドレスおよび/または複数のヘルプ番号が指定可能である。
【0107】
グラフ持続時間設定762を使用して、血中ブドウ糖グラフに関する持続時間を構成することができる。
図7Eに示された例では1時間が使用されている一方で、他の例では、15分または30分などのより短い持続時間が選択可能であるが、これらに限定されず、さらに他の例では、数時間、1日、または数日などのより長い持続時間が選択可能であるが、これらに限定されない。ブドウ糖データ記憶設定764を使用して、検討および表示のために血中ブドウ糖データを記憶するために使用される記憶量を割り振ることができる。たとえば、血中ブドウ糖レベルを1日記憶するためのデータがXメガバイトである場合、
図7Aに示されるように「1週間」のブドウ糖データ記憶を選択すると、表示デバイス350に、血中ブドウ糖レベルを記憶するために少なくとも7Xメガバイトを割り振らせることが可能である。
【0108】
ブドウ糖範囲設定766を使用して、いくつかのブドウ糖レベル範囲に対応する血中ブドウ糖値を選択することができる。
図7Eは、高または高血糖範囲、上昇範囲、正常範囲、低下範囲、および低または低血糖範囲の、5つの例示的なブドウ糖レベル範囲を示す。たとえば
図7Eは、ライン768bおよび768cによって境界が示された上昇範囲を示し、ライン768bは、「10.1」mmol/Lの血中ブドウ糖レベル770bに関連付けられた高血糖範囲と上昇範囲とを分離しており、ライン768cは、「6.1」mmol/Lの血中ブドウ糖レベル770cに関連付けられた上昇範囲と正常範囲とを分離している。mmol/L値は、測定設定752と合致するブドウ糖範囲設定766によって使用される。したがってこの例では、6.1から10.1mmol/Lの間の血中ブドウ糖レベルは上昇範囲内に入る。他の例として、10.1mmol/Lから最高血中ブドウ糖レベル770aの間の値、すなわち10.1mmol/Lを超える値は高血糖範囲内にあり、2.8mmol/Lより下の値は低血糖範囲内にある。
【0109】
ブドウ糖範囲に関連付けられた血中ブドウ糖レベルを変更するために、ビュー750のユーザは、タッチスクリーンまたは他の入力デバイスを使用してブドウ糖範囲を分離するラインを選択した後、ブドウ糖範囲設定766内でラインを上下に移動させることができる。たとえば、表示デバイス350がタッチスクリーンによって構成される場合、ユーザは、指、スタイラス、または他の選択インジケータを用いてライン770bを表示するスクリーン表示の一部にタッチすること、および、範囲を調節するために選択インジケータを上下に移動させることによって、ライン770bを選択することができる。この例では、ユーザは指でライン770bにタッチし、自分の指を上に移動させて、上昇範囲の上限を10.1からより高い値、たとえば11.0mmol/Lに変更するか、または自分の指を下に移動させて、上昇範囲の上限をより低い値、たとえば9.5mmol/Lに変更することが可能である。
【0110】
「保存」とマーク付けされたボタン772は、選択された時に、ブドウ糖メータ設定ビュー750に示された設定を保存するように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。「終了」とマーク付けされたボタン775は、選択された時に、変更された設定値を保存せずに、ブドウ糖メータ設定ビュー750および/または血中ブドウ糖メータおよびグラフアプリケーションを終了するように、表示デバイス350に命じるように構成可能である。
【0111】
VII.例示動作
図8は、例示の方法800のフローチャートである。方法800は、リーダ180などのリーダ、または、機械可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を備える処理システム346の一部などのプロセッサを含むデバイスによって実行可能であり、機械可読命令は、デバイスのプロセッサによって実行された場合、本明細書で方法800として説明される技法のいくつかまたはすべてをデバイスに実行させるように構成される。
【0112】
方法800はブロック810で開始可能である。ブロック810では、リーダは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、タグにRF電力を伝送することができる。タグは、眼球装着可能デバイスの一部、たとえば、少なくとも
図3との関連において上記でより詳細に考察したような眼球装着可能デバイス210のタグ370とすることができる。いくつかの実施形態において、リーダは、RF電力をタグに伝送する時に、少なくとも
図5との関連において上記で考察したように、タグから所定の距離内にあるものとすることができる。他の実施形態において、リーダは、少なくとも
図5との関連において上記で考察したように、HMDの一部とすることができる。
【0113】
ブロック820では、リーダは第1のプロトコルを使用してタグと通信することができる。タグと通信することは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、タグにデータを要求すること、および要求したデータをタグから受信することを含むことができる。いくつかの実施形態において、タグと通信することは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、第1のプロトコルを使用してタグの識別子(ID)に関する要求を送信すること、および、タグのIDに関する要求に応答して、タグのIDを含むメッセージを受信することを含むこともできる。
【0114】
他の実施形態において、タグにデータを要求することは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、タグに1つまたは複数のセンサ測定を要求することを含むことができる。さらに他の実施形態において、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、リーダは、1つまたは複数のセンサ測定を要求する前に、少なくとも所定の期間、RF電力をタグに伝送することができる。
【0115】
ブロック830では、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、リーダはタグから受信したデータを処理することができる。いくつかの実施形態において、受信したデータを処理することは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、1つまたは複数のセンサ測定に基づいて涙液膜ブドウ糖濃度を決定することを含むことができる。特定の実施形態において、血中ブドウ糖濃度は、少なくとも
図1および
図6との関連において上記で考察したように、涙液膜ブドウ糖濃度に基づいて決定することができる。他の特定の実施形態において、表示デバイスは、少なくとも
図6および
図7との関連において上記で考察したように、血中ブドウ糖濃度を表示することができる。
【0116】
ブロック840では、リーダは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、処理されたデータを記憶することができる。
【0117】
ブロック850では、リーダは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、第2のプロトコルを使用して表示デバイスと通信することができる。表示デバイスと通信することは、記憶されたデータを表示デバイスに伝送することを含むことができる。第1のプロトコルは第2のプロトコルとは異なり得る。
【0118】
いくつかの実施形態において、表示デバイスと通信することは、少なくとも
図6との関連において上記で考察したように、記憶されたデータに関する要求を表示デバイスから受信することを含むことができる。他の実施形態において、少なくとも
図3および
図6との関連において上記で考察したように、第1のプロトコルは無線周波数識別(RFID)プロトコルとすることが可能であり、第2のプロトコルはBluetoothプロトコルとすることができる。
【0119】
本開示は、様々な態様の例示として意図された、本出願で説明される特定の実施形態に関して限定されるものではない。当業者であれば明らかとなるように、多くの修正および変形は、その趣旨および範囲を逸脱することなく実行可能である。当業者であれば、本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内にある機能的に等価の方法および装置は前述の説明から明らかとなろう。こうした修正および変形は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0120】
上記の詳細な説明は、添付の図面を参照しながら、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な機構および機能を説明している。図面内では、文脈が特に示していない限り、同様の記号は典型的には同様の構成要素を識別している。本明細書および図面内で説明される例示の実施形態は、限定的であることを意図していない。本明細書で提示された主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用可能であり、他の変更が実行可能である。本明細書で一般的に説明され図面内に示されるような本開示の態様は、それらのすべてに対して、本明細書で明示的に企図された多種多様な異なる構成で配置構成、置換、組み合わせ、分離、および設計が実施可能であることが容易に理解されよう。
【0121】
図面内のはしご図、シナリオ、およびフローチャートのうちのいずれかまたはすべてに関して、および本明細書で考察するように、各ブロックおよび/または通信は、例示の実施形態に従った情報の処理および/または情報の伝送を表すことができる。代替実施形態は、これらの例示の実施形態の範囲内に含められる。これらの代替実施形態において、たとえば、ブロックとして説明される機能、伝送、通信、要求、応答、および/またはメッセージは、関連する機能に応じて、ほぼ同時または逆順を含む、図示または考察された順序とは異なる順序で実行可能である。さらに、より多いかまたはより少ないブロックおよび/または機能を、本明細書で考察するはしご図、シナリオ、およびフローチャートのうちのいずれかで使用可能であり、これらのはしご図、シナリオ、およびフローチャートは、部分的または全体的に互いに組み合わせることができる。
【0122】
情報の処理を表すブロックは、本明細書で説明する方法または技法のうちの特定の論理機能を実行するように構成可能な回路に対応することができる。代替または追加として、情報の処理を表すブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部(関係データを含む)に対応することができる。プログラムコードは、方法または技法内に特定の論理機能またはアクションを実装するために、プロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関係データは、ディスクまたはハードドライブあるいは他の記憶媒体を含む記憶デバイスなどの、任意のタイプのコンピュータ可読媒体上に記憶可能である。
【0123】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のように、データを短期間記憶するコンピュータ可読媒体などの、非一時的コンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、たとえば読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)のように、2次または永続性長期ストレージなどの、プログラムコードおよび/またはデータを長期間記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、たとえばコンピュータ可読記憶媒体または有形記憶デバイスとみなすことができる。
【0124】
さらに、1つまたは複数の情報伝送を表すブロックは、同じ物理デバイス内のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュール間での情報伝送に対応することができる。しかしながら、他の情報伝送は、異なる物理デバイス内のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュール間とすることができる。
【0125】
図面内に示される特定の配置構成は、限定的とみなすべきではない。他の実施形態は、所与の図面に示されたよりも多いかまたは少ない各要素を含むことができることを理解されたい。さらに、図示された要素のうちのいくつかは、組み合わせるかまたは省略することができる。さらに例示の実施形態は、図面に示されていない要素を含むことができる。
【0126】
本明細書で一般的に説明され、図面内に示された本開示の態様に対して、本明細書でそれらのすべてが明示的に企図された、多種多様な異なる構成で配置構成、置換、組み合わせ、分離、および設計が実施可能であることが容易に理解されよう。本明細書において様々な態様および実施形態について説明してきたが、当業者であれば他の態様および実施形態が明らかとなろう。
【0127】
上記では、例示的な方法およびシステムを説明した。「例示」および「例示的」という単語は、本明細書では「例、インスタンス、または例示として働くこと」を意味するために使用されることを理解されよう。本明細書で「例示」または「例示的」であるとして説明されたいずれの実施形態または特徴も、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましいかまたは有利であるものと解釈されるものではない。本明細書では、その一部を形成する添付の図面を参照している。図面内では、文脈が特に示していない限り、同様の記号は通常同様の構成要素を識別している。本明細書で提示された主題の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実施形態が使用可能であり、他の変更が実行可能である。本明細書で開示された様々な態様および実施形態は、例示のためのものであり、限定的であるとは意図されず、真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されている。