(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182671
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】ボールミル又は撹拌型ボールミル用の予粉砕装置、及び予粉砕装置を備えるボールミル
(51)【国際特許分類】
B02C 7/04 20060101AFI20170807BHJP
B02C 17/16 20060101ALI20170807BHJP
B02C 17/18 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
B02C7/04
B02C17/16 B
B02C17/16 Z
B02C17/18 Z
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-522055(P2016-522055)
(86)(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公表番号】特表2016-536113(P2016-536113A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】DE2014000492
(87)【国際公開番号】WO2015055161
(87)【国際公開日】20150423
【審査請求日】2016年4月11日
(31)【優先権主張番号】102013111297.8
(32)【優先日】2013年10月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508277243
【氏名又は名称】ネッツシュ−ファインマールテヒニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】ウード エンデルレ
(72)【発明者】
【氏名】セロン ハーブス
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー メシル
(72)【発明者】
【氏名】ラーズ ピーター バイランド
【審査官】
岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−173826(JP,A)
【文献】
実開昭62−035633(JP,U)
【文献】
特開2008−238024(JP,A)
【文献】
特開2012−029861(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0134255(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 7/04
B02C 17/16
B02C 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールミル又は撹拌型ボールミル(1)用の予粉砕装置(7)であって、
前記予粉砕装置(7)は、前記ボールミル又は前記撹拌型ボールミル(1)の被粉砕物入口(4)及び粉砕チャンバ(2R)の間に配置されると共に、固定的な第1粉砕手段(9,20)及び回転可能な第2粉砕手段(8,30)を含み、また前記第1粉砕手段(9,20)及び前記第2粉砕手段(8,30)の間に粉砕ギャップ(S)が形成され、
更に前記固定的な第1粉砕手段(9,20)は、粉砕容器(2)内に配置された粉砕リングとして構成されている、予粉砕装置において、
前記固定的な第1粉砕手段(20)は、内歯システムを含み、
前記第2粉砕手段(30)は、第1サブ領域(34)及び第2サブ領域(35)を含み、前記第2サブ領域(35)は、被粉砕物用のガイド構造を有することにより、被粉砕物を前記第1サブ領域方向(34)にガイド可能であり、
前記第2粉砕手段(30)における少なくとも前記第1サブ領域(34)は、第1外歯システムを含み、
前記第1粉砕手段(20)及び前記第2粉砕手段(30)は、前記第2粉砕手段(30)の前記第1サブ領域(34)における前記外歯システムの大部分が前記第1粉砕手段(20)の前記内歯システムに係合するように配置されているため、前記粉砕ギャップ(S)が形成されており、
前記第2粉砕手段(30)は、前記第2サブ領域(35)にて第2外歯(37)を有する第2外歯システムを含み、
前記第2外歯(37)は、前記第2粉砕手段(30)の前記第1サブ領域(34)における前記第1外歯(36)が有する第1の歯丈及び歯幅よりも大きな、第2の歯丈及び歯幅を有し、
また前記第2外歯システムにより、被粉砕物用のガイド構造が形成されており、
前記第2外歯(37)の歯幅は、前記第2サブ領域(35)の自由端から、隣接する前記第1サブ領域(34)方向に増加し、及び/又は、前記第2外歯(37)の歯丈は、隣接する前記第1サブ領域(34)方向に低下していることを特徴とする、予粉砕装置。
【請求項2】
請求項1に記載の予粉砕装置(7)であって、前記外歯(37)の外側面(AF35)を画定する側面は湾曲し、特に側面の一方はより大きく湾曲している、予粉砕装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の予粉砕装置(7)であって、前記第2粉砕手段(30)の前記第1サブ領域(34)における第1外歯システムは、前記第2粉砕手段(30)の前記第2サブ領域(35)における前記外側面(AF35)上にわたって構成されている、予粉砕装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の予粉砕装置(7)であって、前記回転可能な第2粉砕手段(30)における前記第2サブ領域(35)は、円錐台底面(GF)及び円錐台頂面(DF)を含む円錐台として構成され、
前記回転可能な第2粉砕手段(30)における前記第1サブ領域(34)は、円筒状底面(ZF)を含む略円筒状領域として構成され、
前記円錐台底面(GF)及び前記円筒状底面(ZF)はほぼ同一に構成され、
前記円筒状底面(ZF)を含む前記略円筒状領域(34)は、前記円錐台領域(35)における前記円錐台底面(GF)に隣接している、予粉砕装置。
【請求項5】
請求項4に記載の予粉砕装置(7)であって、前記略円筒状領域(34)は、第1の歯丈及び歯幅を有する第1外歯(36)で構成された第1外歯システムを含み、前記第1外歯(36)は、第1粉砕手段(20)における内歯システムの内歯(26)にほぼ対応するように構成され、
前記第1粉砕手段(20)及び第2粉砕手段(30)は、前記円筒状領域(34)における前記外歯システムの大部分が前記第1粉砕手段(20)の前記内歯システムに係合するように配置されているため、前記粉砕ギャップ(S)が形成されている、予粉砕装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の予粉砕装置(7)であって、前記第2粉砕手段(30)は、前記円錐台領域(35)における前記円錐台頂面(DF)及び前記円錐台底面(GF)の間の外側面(AF35)領域にて、第2外歯(37)を有する第2外歯システムを含み、
前記第2外歯(37)は、前記第2粉砕手段(30)の前記円筒状領域(34)における前記第1外歯(36)が有する第1の歯丈及び歯幅よりも大きな、第2の歯丈及び歯幅を有する、予粉砕装置。
【請求項7】
請求項6に記載の予粉砕装置(7)であって、前記第2外歯(37)の歯幅は、前記円錐台領域(35)の前記円錐台頂面(DF)から前記円筒状領域(34)方向に増加し、及び/又は、前記第2外歯(37)の歯丈は、前記円筒状領域(34)方向に低下し、特に前記外歯(37)を画定する側面の前記外側面(AF35)は湾曲し、とりわけ側面の一方はより大きく湾曲している、予粉砕装置。
【請求項8】
請求項5〜7の何れか一項に記載の予粉砕装置(7)であって、前記第2粉砕手段(30)の前記円筒状領域(34)における前記外歯システムは、前記第2粉砕手段(30)の前記第2円錐台領域(35)における前記第2外歯システムの前記外側面(AF35)上にわたって構成されている、予粉砕装置。
【請求項9】
ボールミル又は撹拌型ボールミル(1)の被粉砕物入口(4)及び粉砕チャンバ(2R)の間に配置された予粉砕装置(7)を備える前記ボールミル、特に前記撹拌型ボールミル(1)であって、
前記予粉砕装置(7)は、固定的な第1粉砕手段(9,20)及び回転可能な第2粉砕手段(8,30)を含み、また前記第1粉砕手段(9,20)及び前記第2粉砕手段(8,30)の間に粉砕ギャップ(S)が形成され、
更に前記固定的な第1粉砕手段(9,20)は、粉砕容器(2)内に配置された粉砕リングとして構成されているボールミルにおいて、
前記固定的な第1粉砕手段(20)は、内歯システムを含み、
前記第2粉砕手段(30)は、第1サブ領域(34)及び第2サブ領域(35)を含み、前記第2サブ領域(35)は、被粉砕物用のガイド構造を有することにより、被粉砕物を前記第1サブ領域方向(34)にガイド可能であり、
前記第2粉砕手段(30)における少なくとも前記第1サブ領域(34)は、第1外歯システムを含み、
前記第1粉砕手段(20)及び前記第2粉砕手段(30)は、前記第2粉砕手段(30)の前記第1サブ領域(34)における前記外歯システムの大部分が前記第1粉砕手段(20)の前記内歯システムに係合するように配置されているため、前記粉砕ギャップ(S)が形成されており、
前記第2粉砕手段(30)は、前記第2サブ領域(35)にて第2外歯(37)を有する第2外歯システムを含み、
前記第2外歯(37)は、前記第2粉砕手段(30)の前記第1サブ領域(34)における前記第1外歯(36)が有する第1の歯丈及び歯幅よりも大きな、第2の歯丈及び歯幅を有し、
また前記第2外歯システムにより、被粉砕物用のガイド構造が形成されており、
前記第2外歯(37)の歯幅は、前記第2サブ領域(35)の自由端から、隣接する前記第1サブ領域(34)方向に増加し、及び/又は、前記第2外歯(37)の歯丈は、隣接する前記第1サブ領域(34)方向に低下していることを特徴とする、ボールミル。
【請求項10】
請求項9に記載のボールミル、特に撹拌型ボールミル(1)であって、請求項1〜8の何れか一項に記載の予粉砕装置(7)を備える、ボールミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分の特徴に係るボールミル又は撹拌型ボールミル用の予粉砕装置と、請求項11の前提部分の特徴に係る予粉砕装置を備えるボールミルとに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ボールミル又は撹拌型ボールミル用の予粉砕装置、及び予粉砕装置を備えるボールミルに関する。ボールミルとは、被粉砕物を、粗粉砕、微粉砕及び超微粉砕するための装置、又は均一化するための装置である。ボールミルは、粉砕体によって被粉砕物が粉砕される回転可能な粉砕チャンバを備える。ボールミルは通常、水平方向に回転可能に支持された略円筒状の粉砕容器を備える。このようなミルは、端部壁の1つに設けられた中央開口、いわゆる被粉砕物入口を介して充填される。また出力は、構成に依存すると共に、例えばミルの端部におけるチャンバ壁のスロットを介して生じる。その際、粉砕体は、分離装置によって引き留められる。
【0003】
ボールミルの特殊形式として、撹拌型ボールミルを挙げることができる。撹拌型ボールミルは、垂直方向又は水平方向に配置された、通常は略円筒状の粉砕容器を備える。粉砕容器内には、70%〜90%の割合で粉砕体が充填される。また撹拌型ボールミルにおける粉砕チャンバは、基本的に固定的かつ非回転式に支持される。更に適切な撹拌要素を有する撹拌器により、粉砕体の活発な運動が生じる。これに加えて、被粉砕物が混合された懸濁液は、ポンプによって粉砕チャンバ内に連続的に送給される。この場合、懸濁物は、粉砕体の間にて、衝撃力やせん断力により粉砕又は分散される。被粉砕物及び粉砕体の分離は、適切な分離装置により、ミルの出口にて行われる。
【0004】
特許文献1(旧東ドイツ経済特許第217434号明細書)には、垂直方向に配置された撹拌型ボールミルが開示され、撹拌シャフトに結合された予粉砕装置を上部入口領域に備える。この予粉砕装置は、撹拌シャフト上に回転可能に配置された粉砕コーン、及び粉砕容器に固定された粉砕リングを含む。被粉砕物は、粉砕コーン及び粉砕リングの間の粉砕ギャップに導入されることにより予粉砕され、その後、撹拌シャフト及び粉砕体により、更なる加工が行われる粉砕容器内に落下する。
【0005】
特許文献2(ドイツ特許出願公開第102008058585号明細書)には、水平方向に配置された粉砕容器と、撹拌シャフトとを備える撹拌型ボールミルが開示されている。この場合、被粉砕物入口及び粉砕チャンバの間に、粉砕チャンバに対するギャップ保護部を含む予粉砕装置が設けられている。これにより、粉砕体が予粉砕装置内に逆流することが回避される。
【0006】
特許文献3(欧州特許第1980323号明細書)には、ロータバーを含む切削ロータを備える切削システムが開示されている。この場合、外方を指向するロータバーの面には、切削エッジを有するロータ切削プレートが固定されている。切削ロータ周りには、環状ベース及びステータバーを含むステータリングが配置されている。これらステータバーは、内方を指向し、かつステータ切削プレートを含むステータ凹部を有する。各ステータ切削プレートは、各ロータ切削プレートの反対側に位置するよう配置かつ固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】旧東ドイツ経済特許第217434号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第102008058585号明細書
【特許文献3】欧州特許第1980323号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、被粉砕物における固体成分の予粉砕を改善すること、特に粗粒子及び/又は不純物による詰まりを低減又は最小化する予粉砕装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題は、請求項1の特徴を有するボールミル及び/又は撹拌型ボールミル用の予粉砕装置と、請求項11の特徴を有する予粉砕装置を備えるボールミルにより解決される。他の有利な構成は、従属請求項に記載した通りである。
【0010】
本発明は、ボールミル又は撹拌型ボールミル用の予粉砕装置に関する。予粉砕装置は、粉砕容器内にて、ボールミル又は撹拌型ボールミルの被粉砕物入口及び粉砕チャンバの間に配置されると共に、特に被粉砕物の予粉砕をするよう機能する。これにより、粉砕チャンバ内に導入される被粉砕物は、好適には、予め定められた最大の大きさを有する成分だけを含有する。予粉砕装置は、固定的な第1粉砕手段及び回転可能な第2粉砕手段を含み、これら2個の粉砕手段の間にギャップが形成される。固定的な第1粉砕手段は、特に粉砕チャンバ内に配置される粉砕リングとして構成する。
【0011】
本発明において、固定的な第1粉砕手段は、内歯システムを含み、第2粉砕手段は、第1サブ領域及び第2サブ領域を含む。粉砕ギャップは、特に固定的な第1粉砕手段及び第2粉砕手段における第2サブ領域の間に形成される。第2粉砕手段における第2サブ領域は、被粉砕物用のガイド構造を有する。このガイド構造は、特に、被粉砕物入口を介して導入される被粉砕物を、第2粉砕手段における第1サブ領域方向に供給し、従って粉砕リング及び第1サブ領域の間に形成される予粉砕装置の粉砕ギャップ方向に供給するよう機能する。
【0012】
第2粉砕手段における第1サブ領域は、第1外歯システムを含む。第1粉砕手段及び第2粉砕手段は、第2粉砕手段の第1サブ領域における外歯システムの大部分が第1粉砕手段、特に粉砕リングの内歯システムに係合するように配置されるため、粉砕ギャップが形成される。この粉砕ギャップにより、内歯システム及び外歯システムの間に最小間隔が規定される。これら内歯システム及び外歯システムを、例えば、形状が互いにほぼ適合するように構成することができる。ただし、これら歯は、粉砕ギャップの最小間隔によって互いに離間させるため、2個の粉砕手段における歯が互いに接触することはない。
【0013】
好適な実施形態において、第2粉砕手段における第2サブ領域のガイド構造は、第2サブ領域における粗い外歯システムによって構成される。特にこの第2サブ領域は、第2の歯丈及び歯幅を有する第2外歯で構成される第2外歯システムを含む。この場合に第2の歯丈及び歯幅は、第2粉砕手段の第1サブ領域における上述した第1外歯が有する第1の歯丈及び歯幅よりも大きい。
【0014】
粗い外歯システムにおける個別の歯が有する歯幅は、特に第2サブ領域における自由端から、隣接する第1サブ領域方向に増加する構成とする。代替的又は付加的には、第2外歯の歯丈は、隣接する第1サブ領域方向に低下する構成とすることができる。歯の形状についての記載は、特に第2外歯の外側面に関連する。
【0015】
本発明の実施形態において、第2外歯の外側面を画定する側面は湾曲している。特に外側面を画定する側面の一方は、より大きく湾曲させるため、第2外歯の外側面は、隣接する第1サブ領域方向に拡大する。
【0016】
本発明の実施形態において、第2粉砕手段の第1サブ領域における第1外歯システムは、第2サブ領域における第2外歯システムの外側面上に亘って延びる構成とする。即ち、第2サブ領域には、いわゆる二重の歯システムが構成される。この場合、粗い外歯システムの外側面上に微細な歯システムが構成される。この微細な歯システムは、第2粉砕手段の第1サブ領域における第1外歯システムと実質的に対応する。
【0017】
特に好適な実施形態において、回転可能な第2粉砕手段における第2サブ領域は、円錐台底面及び円錐台頂面を含む円錐台領域として構成される。第1サブ領域を、円筒状底面を含む略円筒状領域として構成することができる。代替的には、第1サブ領域も円錐台領域として構成することができる。第2サブ領域における円錐台底面及び第1サブ領域における円筒状底面は、ほぼ対応する。円筒状底面を含む略円筒状領域は、円錐台領域における円錐台底面に隣接して配置される。この実施形態において、第1の歯丈及び歯幅を有する第1外歯で構成される第1外歯システムは、略円筒状領域に割り当てられる。第1外歯は、粉砕手段における内歯システムの内歯と対応し、特に粉砕リングにおける内歯システムの内歯と対応する。第1粉砕手段及び第2粉砕手段は、第2粉砕手段の第1円筒状領域における外歯システムの大部分が第1粉砕手段の内歯システムに係合するように配置されるため、粉砕ギャップが形成される。この粉砕ギャップにより、内歯システム及び外歯システムの間に最小間隔が規定される。
【0018】
第2粉砕手段における円錐台領域は、円錐台頂面及び円錐台底面の間の外側面領域にて、第2外歯を有する第2外歯システムを含む。これら第2外歯が有する第2の歯丈及び歯幅は、第2粉砕手段の円筒状領域における第1外歯が有する第1の歯丈及び歯幅よりも大きい。更に、第2外歯の歯幅を、円錐台頂面から円筒状領域方向に増加させ、及び/又は、第2外歯の歯丈は、円筒状領域方向に低下させることができる。特に外歯の外側面を画定する各側面又は各エッジを湾曲させ、とりわけ各側面の一方をより大きく湾曲させるため、第2外歯が円筒状領域方向に拡大する。第2粉砕手段の円筒状領域における第1外歯システムは、好適には、第2粉砕手段の円錐台領域における第2外歯システムの外側面上にわたって延びる構成とする。
【0019】
本発明は、粗成分、特にナッツを、ボールミル又は撹拌型ボールミルの入口領域、とりわけ被粉砕物入口及び粉砕チャンバの間で予粉砕するための装置に関する。本発明のボールミル又は撹拌型ボールミルは、特に湿式粉砕に使用されるが、乾式粉砕に使用することもできる。予粉砕装置は、特に2パーツ式に構成され、固定的な粉砕リング及び可動に配置される粉砕手段、とりわけ回転可能に配置される粉砕手段を含む。粉砕リングは、内周面領域に内歯システムを含む。粉砕手段は、第1材料厚さ及び/又は第1材料高さを有する第1歯が形成される第1領域と、第1材料厚さ及び/又は第1材料高さを有する第1歯、並びに第2材料厚さ及び/又は第2材料高さを有する第2歯が形成される第2領域とを含む。第1材料厚さ及び/又は第1材料高さは、好適には、第2材料厚さ及び/又は第2材料高さよりも小さい。特に、粉砕手段の歯が有する第1材料厚さ及び/又は第1材料高さは、粉砕リングの内歯が有する材料厚さ及び/又は材料高さと対応する。粉砕手段の第2歯は、予粉砕装置の入口領域にて、粉砕リング領域における粉砕手段の第1歯よりも大幅に厚く構成される。
【0020】
第2粉砕手段における第2領域の粗い第2歯はテーパ付けされる。この場合に歯は、特に、円錐状の粉砕手段における自由端領域方向、即ち粉砕リングから離れた方向、又は円錐台として構成される粉砕手段における頂面方向にテーパ付けされる。
【0021】
第2粉砕手段における相対的に大きな第2歯により、粗粒子がより良好に捕捉され、予粉砕される。予粉砕装置全体は、可能な限りデッドスペースが形成されないように、被粉砕物入口及び粉砕チャンバの間に配置される。これにより、粗粒子及び/又は不純物の詰まりが回避される。本発明は、チョコレートマス、チョコレート・フィリング及び他の食品を製造するために、特にボールミル又は撹拌型ボールミルに適用される。ただし本発明は、他の製品の粉砕にも適しており、被粉砕物を含有する懸濁液、又は適切な寸法であれば鉱業関連の被粉砕物の予粉砕にも適用できる。
【0022】
上述してきたように、本発明の新規性は、微細な歯システムを、粗い歯システム、特にテーパ付けされた粗い歯システムと組み合わせ、粗い製品成分、特に被粉砕物中に異なる大きさの製品成分が含まれる場合に、より良好な導入挙動が生じる点にある。粗い歯システムにより、入口側により大きな歯丈が形成される。従って、本発明に係る予粉砕装置を使用すれば、より好適なポンプ作用及び/又は乱流が生じ、入口領域における被粉砕物又は製品の付着が回避される。
【0023】
製造された第1粉砕手段、特に内歯システムが設けられる粉砕リングは、ボールミル又は撹拌型ボールミルが備える粉砕チャンバ内に配置かつ固定される。この場合に粉砕リングは、ボールミル又は撹拌型ボールミルの内部が粉砕チャンバ及び予粉砕チャンバに分割されるように配置される。第2粉砕手段は、粉砕容器の長手方向軸線に沿って回転可能なシャフトに配置かつ固定される。これにより、第1外歯を含む第2粉砕手段における第1サブ領域は、第1外歯の大部分が粉砕リングの内歯システムに係合するように配置されるため、最小間隔を規定する粉砕ギャップが形成される。この場合、第2粉砕手段における第2サブ領域は、ボールミル又は撹拌型ボールミルの被粉砕物入口及び予粉砕チャンバ又は粉砕チャンバの間に配置される。
【0024】
基本的に固定的な第1粉砕手段は、粉砕容器の内径にほぼ対応する外径を有し、粉砕容器内に配置かつ固定される。本発明の実施形態において、第2粉砕手段は、撹拌型ボールミルにおける回転可能な撹拌シャフトに配置かつ固定される。予粉砕装置がボールミルに使用される場合には、第2粉砕手段用に個別の駆動部が設けられる。
【0025】
本発明に係る装置を使用すれば、大型ミル、特に湿式粉砕ミルに導入される被粉砕物は、粉砕チャンバ内で粉砕補助手段によって更に加工される前に、有利に予粉砕することができる。回転可能な粉砕手段における粗い歯システムにより、粉砕チャンバ内への被粉砕物の導入も改善され、被粉砕物入口及び粉砕チャンバの間の予粉砕チャンバにおける残留物の少なくとも大部分が回避される。
【0026】
本発明に係る予粉砕装置を、ミルのアセンブリに際して、ミル内に直接に統合することができる。ただし、本発明に係る予粉砕装置をミルに後発的に取り付けてもよい。この場合、既存の予粉砕装置を必要に応じて先に取り外しておく必要がある。
【0027】
以下、本発明の実施形態及びその利点を添付図面に基づいて詳述する。図面における個々の要素の寸法比は、必ずしも実寸比と対応しているわけではない。これは、幾つかの形態は簡略化した状態で表され、また他の幾つかの形態は、明瞭性を高める見地から、他の要素に比べて拡大した状態で表されているからである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】垂直方向に配置された粉砕容器及び撹拌器を備える従来技術に係る撹拌型ボールミルの略図である。
【
図2】水平方向に配置された粉砕容器及び撹拌器を備える従来技術に係る撹拌型ボールミルの略図である。
【
図3】本発明に係る予粉砕装置における第1粉砕手段の様々な説明図である。
【
図4】本発明に係る予粉砕装置における第2粉砕手段の様々な説明図である。
【
図5】第1粉砕手段及び第2粉砕手段の間における歯システムの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
同一要素又は同一作用を有する要素については、同一参照符号で表すものとする。また明瞭性を高める見地から、個々の図面における参照符号は、個々の図面の記載にとって必要なものに限定してある。図面における各実施形態は、本発明に係る装置や方法の構成を例示するものにすぎず、これらに限定されるわけではない。
【0030】
図1は、垂直方向に配置された粉砕容器2及び撹拌器3を備える従来技術に係る撹拌型ボールミル1aの略図を示す。撹拌型ボールミル1aは、上側被粉砕物入口4と、分離装置6が割り当てられた下側被粉砕物出口5とを備える。分離装置6により、粉砕体(図示せず)が粉砕容器2内に引き留められる。撹拌型ボールミル1aは、撹拌器3の撹拌シャフト3
*に結合された予粉砕装置7を更に備える。この予粉砕装置7は、撹拌シャフト3
*上に回転不能に配置された粉砕コーン8、及び粉砕容器2に固定された粉砕リング9を含む。被粉砕物は、粉砕コーン及び粉砕リングの間の粉砕ギャップSに導入されることにより予粉砕され、その後、撹拌器3及び粉砕体を使用した更なる加工が行われる粉砕容器2内に落下する。その後に被粉砕製品は、被粉砕物出口5を介して、撹拌型ボールミル1aから導出される。
【0031】
図2は、水平方向に配置された粉砕容器2及び撹拌器3を備える従来技術に係る他の撹拌型ボールミル1bの略図を示す。撹拌型ボールミル1bは、上側被粉砕物入口4と、粉砕容器2の反対側の中央部に配置され、かつ分離装置6が割り当てられた被粉砕物出口5とを備える。分離装置6により、粉砕体Мが粉砕容器2内に引き留められる。撹拌型ボールミル1bは、撹拌器3の撹拌シャフト3
*に結合された予粉砕装置7を更に備える。この予粉砕装置7は、撹拌器3の撹拌シャフト3
*上に回転可能に配置された粉砕コーン8、及び粉砕容器2に固定された粉砕リング9を含む。被粉砕物は、粉砕コーン8及び粉砕リング9の間の粉砕ギャップSに導入されることにより予粉砕され、その後、撹拌器3及び粉砕体Мを使用した更なる加工が行われる粉砕容器2内に搬送される。その後に被粉砕製品は、被粉砕物出口5を介して、撹拌型ボールミル1bから導出される。予粉砕装置7は、粉砕チャンバ2Rに対する保護部を含むことにより、粉砕体が予粉砕装置内に逆流することが回避される。
【0032】
本発明に係る予粉砕装置7(特に
図6参照)は、固定的な第1粉砕手段20(
図3参照)、及び回転可能な第2粉砕手段30(
図4参照)を含み、これら2個の粉砕手段20,30の間に粉砕ギャップSが形成されている。特に第1粉砕手段20は、いわゆる粉砕リング21として構成され、第2粉砕手段30は、いわゆる細長円錐台31として構成されている。予粉砕装置は、第2粉砕手段30の粉砕チャンバ2R側が第1粉砕手段20に少なくとも部分的に係合して粉砕ギャップSが形成されるように、ミル内の被粉砕物入口4及び粉砕チャンバ2Rの間に配置されている(
図1、
図2及び
図6参照)。これにより、被粉砕物は、粉砕チャンバ2R内に導入されるときに粉砕ギャップSを通過しなければならず、その際に予粉砕される。
【0033】
図3は、本発明に係る予粉砕装置が含む第1粉砕手段20の様々な説明図を示し、特に
図3Bは、
図3Aに係る切断線A‐Aに沿う断面図を示す。第1粉砕手段20は、特に粉砕リング21として構成されている。粉砕リング21の内周面24は、内歯26で構成されたいわゆる内歯システムを含む。
【0034】
図3Cは、粉砕リング21として構成された第1粉砕手段20の斜視図を示し、
図3Dは、
図3Aの詳細図を示す。この場合、特に内周面24における内歯システムが微細な内歯26により明示されている。
【0035】
図4は、本発明に係る予粉砕装置が含む第2粉砕手段30の様々な説明図を示し、特に
図4Cは、
図4Bに係る切断線A‐Aに沿う断面図を示す。また
図4Dは、
図4Cの詳細図を示す。更に
図4Eは、第2粉砕手段30における頂面DFの平面図を示す。
【0036】
第2粉砕手段30は、円錐台領域35、及び円筒状領域34を含む。円錐台領域35は、底面GF、頂面DF、及び外側面AF
35を含む。また円筒状領域34は、円錐台35の底面GFと同一の断面又は直径を有する円筒状底面ZF、及び外側面AF
34を含む。
【0037】
第2粉砕手段30は、第1外歯36及び第2外歯37を少なくとも部分的に有する。第2粉砕手段30は、特に、第1材料厚さ及び/又は第1材料高さで構成された第1歯36を有する円筒状の第1領域34と、第2材料厚さ及び/又は第2材料高さで構成された、第1歯36及び第2歯37を有する円錐台状の第2領域35とを含む。この場合、第1材料厚さ及び/又は第1材料高さは、第2材料厚さ及び/又は第2材料高さに比べて小さい。特に第2粉砕手段30における微細な外歯36の第1材料厚さ及び/又は第1材料高さは、粉砕リング21における内歯26の材料厚さ及び/又は材料高さと少なくとも大部分で対応している(
図3も参照)。
【0038】
第2粉砕手段30におけるいわゆる粗い歯37は、第2粉砕手段30における微細な歯36及び/又は第1粉砕手段20又は第1粉砕リング21における微細な内歯26に比べて、予粉砕装置7の入口領域にて大幅に厚く構成されている。更に、第2粉砕手段30における第2領域35の粗い第2歯37はテーパ付けされている。この場合、歯の形状は、特に、第2粉砕手段30の自由端領域方向、即ち粉砕リング21から離れた方向、又は円錐台35として構成された第2粉砕手段30における第2領域の頂面DF方向にテーパ付けされている。
【0039】
好適な実施形態において、微細な歯36は、粗い外歯37の外側面上に亘って延びている。第2粉砕手段30におけるこれら粗い外歯37により、被粉砕物における粗粒子がより良好に捕捉され、予粉砕される。予粉砕装置全体は、可能な限りデッドスペースが形成されないように、被粉砕物入口4及び粉砕チャンバ2Rの間に配置されている(
図2及び
図6も参照)。これにより、被粉砕物による粗粒子及び/又は不純物の詰まりが回避される。
【0040】
本発明の任意の実施形態において、粗い外歯37の外側面を画定する側面は湾曲している。特に外側面を画定する側面の一方は、より大きく湾曲しているため、隣接する円筒状のサブ領域34方向に外歯37が拡大している。
【0041】
図5は、第1粉砕手段20及び第2粉砕手段30の間における歯システムの詳細図、特に、粉砕リング21における微細な内歯26及び第2粉砕手段30の円筒状領域34における微細な外歯36を示す。これら微細な内歯26及び微細な外歯36は、大部分が互いに係合しているため、粉砕ギャップSが形成されている。この粉砕ギャップSにより、粉砕リング21における微細な内歯26及び第2粉砕手段30の円筒状領域34における微細な外歯36の間で最小間隔が規定されるため、粉砕ギャップSを介して粉砕チャンバ2R(
図1,
図2及び
図6参照)内に導入される被粉砕物が予粉砕される。微細な歯システム26,36を、粗い歯システム37、特にテーパ付けされた粗い歯システム37と組み合わせれば、粗い製品成分、特に被粉砕物中に異なる大きさの製品成分が含まれる場合に、より良好な導入挙動が生じる。更に、粗い歯システム37によって、入口側により大きな歯丈が形成されている。従って、本発明に係る予粉砕装置を使用すれば、より好適なポンプ作用及び/又は乱流が生じ、入口領域10における製品の付着が回避される(
図2及び
図6参照)。
【0042】
本発明は、好適な実施形態に関連して記載してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲内で、本発明に変形や修正が適用できることは想到可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 撹拌型ボールミル
2 粉砕容器
2R 粉砕チャンバ
3 撹拌器
3
* 攪拌シャフト
4 被粉砕物入口
5 被粉砕物出口
6 分離装置
7 予粉砕装置
8 粉砕コーン
9 粉砕リング
10 入口領域
20 第1粉砕手段
21 粉砕リング
24 内周面
26 内歯
30 第2粉砕手段
31 細長円錐台
34 円筒部又は円筒領域
35 円錐台領域
36 微細な歯
37 粗い歯
AF 外側面
d 直径
DF 頂面
GF 底面
М 粉砕体
Q 断面
S 破砕ギャップ/粉砕ギャップ
ZF 円筒状底面