(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記雌ねじの小径は、前記ドッキング部材の前記ヘッド部分の外径よりも小さく、前記雌ねじの大径は、前記ドッキング部材の前記ヘッド部分の前記外径よりも大きい、請求項2に記載のアセンブリ。
前記保持特徴部の遠位の前記ルーメンの遠位部分は、前記埋め込み可能な心臓ペーシングデバイスの前記ハウジングを内部に受け入れるようにサイズ決めされる、請求項1に記載のアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の態様は種々の変更形態および代替的な形態に変更可能であるが、その詳細が図面に例として示されており、詳細に記載される。しかし、本開示の態様を記載される特定の実施形態に限定する意図はないことを理解されたい。それどころか、本開示の主旨および範囲内に入る全ての変更形態、均等物および代替形態を包含することが意図される。
【0009】
以下で定義される用語に関して、これらの定義は、異なる定義が特許請求の範囲または本明細書の他の箇所で与えられない限り、適用されるものとする。
本明細書において、全ての数値は、明示的に示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾されるとみなされる。「約」という用語は、概して、記載されている値と同等である(すなわち、同じ機能または結果を有する)と当業者が考える、ある範囲の数字を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に四捨五入される数字を含むものとして示されることができる。
【0010】
端点による数字の範囲の列挙は、その範囲内の全ての数字を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。
種々の構成要素、特徴および仕様、あるいは種々の構成要素、特徴または仕様に関するいくつかの好適な寸法、範囲および値、あるいは寸法、範囲または値が開示されるが、本開示によって動機付けされる当業者は、所望の寸法、範囲および値、あるいは所望の寸法、範囲または値が明示的に開示されるものから逸脱し得ることを理解するであろう。
【0011】
「1つの(「a」、「an」)」および「前記(「the」)」という単数形は、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる場合、文脈によって別途はっきりと指示されない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる場合、概して、文脈によって別途はっきりと指示されない限り、「および/または」を含む意味で用いられる。
【0012】
以下の詳細な説明は、異なる図面における同様の要素に同じ参照符号が付される図面を参照して読まれるべきである。詳細な説明および必ずしも縮尺通りではない図面は、例示的な実施形態を示し、本開示の範囲を限定することは意図されない。示される例示的な実施形態は、専ら例示的なものとして意図される。任意の例示的な実施形態の選択される特徴は、それとは反対であることが明記されない限り、さらなる実施形態に組み込むことができる。
【0013】
図1を参照すると、例示的な埋め込み可能なリードレス心臓ペーシングデバイス10(例えばリードレスペースメーカ)が、右心室RVの心尖部等の、心臓Hの腔内に埋め込まれて示されている。埋め込み可能なデバイス10は、近位端14および遠位端16を有するシェルまたはハウジング12を含むことができる。埋め込み可能なデバイス10は、ハウジング12の遠位端16に近接して位置決めされる第1の電極20、および、ハウジング12の近位端14に近接して位置決めされる第2の電極22を含むことができる。電極20、22は、電気治療および検知機能、あるいは電気治療または検知機能を提供するように検知用およびペーシング電極、あるいは検知用またはペーシング電極であってもよい。第1の電極20は、心臓Hの心臓組織に当接して位置決めされるかまたは別様に接触するように構成することができ、一方で、第2の電極22は、第1の電極20から離間させ、したがって心臓組織から離間させることができる。
【0014】
埋め込み可能なデバイス10は、ハウジング12内のパルス発生器(例えば電気回路部)および電源(例えばバッテリ)を含み、電極20、22に電気信号を提供し、したがってペーシング/検知用電極20、22を制御することができる。パルス発生器と電極20、22との間の電気的な通信は、心臓組織に電気的な刺激を提供する、および生理学的状態を検知する、あるいは電気的な刺激を提供する、または生理学的状態を検知することができる。
【0015】
埋め込み可能なデバイス10は、埋め込み可能なデバイス10を心臓Hの組織壁に取り付けるかまたは埋め込み可能なデバイス10を患者の生体構造に別様に固定するように構成されている、ハウジング12の遠位端16に近接する固定機構24を含むことができる。
図1に示されているように、いくつかの場合、固定機構24は、埋め込み可能なデバイス10を組織壁に取り付けるように心臓Hの心臓組織内に固定される1つ以上の、すなわち複数のフック26を含むことができる。他の場合では、固定機構24は、心臓Hの腔内で肉柱と絡むように構成されている、1つ以上の、すなわち複数の受動歯、および埋め込み可能なデバイス10を心臓Hに固定するように組織壁にねじ込まれるように構成されている螺旋状の固定アンカ、あるいは心臓Hの腔内で肉柱と絡むように構成されている、1つ以上の、すなわち複数の受動歯、または埋め込み可能なデバイス10を心臓Hに固定するように組織壁にねじ込まれるように構成されている螺旋状の固定アンカを含むことができる。
【0016】
埋め込み可能なデバイス10は、埋め込み可能なデバイス10の送達および回収、あるいは送達または回収を容易にするように構成されている、ハウジング12の近位端14に近接するドッキング部材30を含むことができる。例えば、ドッキング部材30は、ハウジング12の長手方向の軸に沿ってハウジング12の近位端14から延びることができる。ドッキング部材30は、ヘッド部分32、および、ハウジング12とヘッド部分32との間に延びるネック部分34を含むことができる。ヘッド部分32は、ネック部分34に対して拡張した部分であってもよい。例えば、ヘッド部分32は、埋め込み可能なデバイス10の長手方向の軸からのネック部分の径方向寸法よりも大きい、埋め込み可能なデバイス10の長手方向の軸からの径方向寸法を有することができる。ドッキング部材30は、心臓内の部位への埋め込み可能なデバイス10の送達および心臓内の部位からの埋め込み可能なデバイス10の回収、あるいは心臓内の部位への埋め込み可能なデバイス10の送達または心臓内の部位からの埋め込み可能なデバイス10の回収を容易にするように構成することができる。ドッキング部材30のいくつかの例示的な実施形態を、本明細書においてさらに詳細に説明する。
【0017】
埋め込み可能なデバイス10を心臓Hから回収することが望まれる場合、回収デバイス100を、心臓Hの腔内に前進させ、埋め込み可能なデバイス10を捕捉するとともに、埋め込み可能なデバイス10を心臓Hから取り出すことができる。回収デバイス100は、任意の所望の経路を用いて、心臓Hの右心室RV内に前進させることができる。例えば、回収デバイス100は、大腿部アクセス部位から大腿静脈を通って、下大静脈を通って右心房内に、また三尖弁を通って右心室RV内に入ることができる。しかし、所望であれば他の経路を実現してもよいことが留意される。
【0018】
1つの例示的な回収デバイス100が
図1に示されている。回収デバイス100は、回収カテーテル110のルーメンから前進可能なスネア120を含むことができる。いくつかの場合、
図1に示されているように、回収カテーテル110は、埋め込み可能なデバイス10を内部に受け入れるように拡張した遠位部分を有する細長いシャフトを含むことができる。スネア120は、埋め込み可能なデバイス10のドッキング部材30に係合するように構成されている、スネア120の遠位端から延びる1つ以上の、すなわち複数のループ122を含むことができる。スネア120のループ(複数の場合もあり)122がドッキング部材30を捕捉すると、スネア120を回収カテーテル110に対して近位に作動し、埋め込み可能なデバイス10を回収カテーテル110のルーメン内に引っ張ることができる。ネック部分34に対するヘッド部分32の拡張したサイズは、スネア120のループ122が、ヘッド部分32の下(すなわち遠位)のネック部分34を囲み、スネア120が近位に引っ張られるときにドッキング部材30の周りでループ122を保持することを可能にすることができる。埋め込み可能なデバイス10が回収カテーテル110内に引っ張られると、固定機構24は、心臓組織から離脱し、埋め込み可能なデバイス10を心臓の壁から外すことができる。例えば、フック26は、埋め込み可能なデバイス10が回収カテーテル110のルーメン内に近位に引き込まれるときに細長くなることができる。
【0019】
本明細書において説明するように、いくつかの場合、回収カテーテル110は、埋め込み可能なデバイス10が回収カテーテル110のルーメン内に近位に引き込まれるときにドッキング部材30に係合するように構成されている付加的なまたは補助的な保持特徴部を含むことができる。補助的な保持特徴部は、回収デバイス100および埋め込み可能なデバイス10が患者から抜去されるときに、埋め込み可能なデバイス10を回収カテーテル110のルーメン内に保持することができる。その後、回収デバイス100は、埋め込み可能なデバイス10が回収カテーテル100のルーメン内に保持構造部およびスネア120、あるいは保持構造部またはスネア120によって捕捉された状態で、心臓Hから抜去することができる。付加的な保持特徴部のいくつかの例示的な実施形態が、本明細書においてさらに記載される
図2、
図4、
図6および
図8に示されている。
【0020】
図2を参照すると、回収カテーテル110内に位置付けられる保持特徴部140の例示的な実施形態が示されている。保持特徴部140は、埋め込み可能なデバイス10を内部に受け入れるようにサイズ決めされるチャンバ130を画定する回収カテーテル110のルーメンの遠位部分の近位で回収カテーテル110内に位置付けることができる。
【0021】
図2に示されている保持特徴部140は、ドッキング部材30のヘッド部分32とスナップ嵌めを形成するように構成されている、ルーメン内に突出する周方向リム142を含むことができる。例えば、周方向リム142は、ヘッド部分32が周方向リム142の遠位の位置から周方向リム142の近位の位置に移動すると変形するかまたは屈曲するように、ドッキング部材30のヘッド部分32の外径よりも小さい内径を有することができる。周方向リム142は、埋め込み可能なデバイス10のハウジング12を内部に受け入れることができるチャンバ130の直径よりも小さいものとすることができる。
【0022】
図2および
図2Aに示されているように、いくつかの場合、保持特徴部140は、回収カテーテル110の内面146から径方向内方に延びる1つ以上の、すなわち複数の領域144を含むことができる。領域144は、内面146の周りに対称または非対称に離間することができる。いくつかの場合、
図2Aに示されているように、周方向リム142は、領域144のそれぞれに取り付けられる連続的なリングであり、領域144間に連続的に延びることができる。他の場合、周方向リム142は、複数の不連続的なセグメントを含むことができ、不連続的なセグメントの1つまたは複数が領域144のそれぞれに関連付けられる。領域144は、ドッキング部材30のヘッド部分32が回収処置中に周方向リム142によって画定される中央開口148を通ることを可能にするように、十分に屈曲可能であってもよい。他の実施形態では、連続的または不連続的であり得る周方向リム142は、内面146から直接的に延びることができる。
【0023】
周方向リム142および領域144、あるいは周方向リム142または領域144は、可撓性の高分子材料等の可撓性の材料から形成することができ、ヘッド部分32が周方向リム142によって画定される中央開口148を通して引っ張られるときに、周方向リム142および領域144、あるいは周方向リム142または領域144が屈曲するかまたは変形することを可能にする。いくつかの場合、周方向リム142および領域144、あるいは周方向リム142または領域144は、チャンバ130を画定する回収カテーテル110の部分または回収カテーテル110の他の構成要素との一体的な構造として形成することができる。しかし、他の場合では、周方向リム142および領域144、あるいは周方向リム142または領域144は、別個の構造として形成することができる。
【0024】
図3Aおよび
図3Bは、回収処理中の埋め込み可能なデバイス10と保持特徴部140との係合の例示的なプロセスを示している。回収処置中に、埋め込み可能なデバイス10を、スネア120等によって回収カテーテル110のチャンバ130内に引っ張ることができる。例えば、ループ122がドッキング部材30の周りに締められた状態で、スネア120を回収カテーテル110に対して近位に作動し、埋め込み可能なデバイス10のハウジング12を回収カテーテル110の遠位端においてチャンバ130内に引き込むことができる。
【0025】
埋め込み可能なデバイス10は、ドッキング部材30が、
図3Aに示されているように周方向リム142のちょうど遠位にくるまで、スネア120によってチャンバ130内に引き込むことができる。ドッキング部材30は次に、
図3Bに示されているように、ドッキング部材30のヘッド部分32が開口148を通って周方向リム142の近位の位置まで通ることを可能にするほど十分な量だけ周方向リム142を屈曲または変形させるようにスネア120に十分な量の力を加えることにより、スネア120によってさらに近位に引き込むことができ、ドッキング部材30のヘッド部分32と周方向リム142との間にスナップ嵌めを形成し、埋め込み可能なデバイス10をチャンバ130内にロックする。ドッキング部材30のヘッド部分32が周方向リム142の近位を通過すると、周方向リム142は、その平衡状態に戻ることができ、その状態では、周方向リム142の内径は、ドッキング部材30のヘッド部分32の外径よりも小さい。周方向リム142の付勢力を克服するように埋め込み可能なデバイス10に閾値量の力を加えない限り、周方向リム142は、チャンバ130内に埋め込み可能なデバイス10を保持する。保持特徴部140およびスネア120、あるいは保持特徴部140またはスネア120によってチャンバ130内に保持される埋め込み可能なデバイス10は次に、回収デバイス100によって心臓Hから抜去することができる。
【0026】
回収カテーテル110内に位置付けられる保持特徴部150の別の例示的な実施形態が
図4に示されている。保持特徴部150は、埋め込み可能なデバイス10を内部に受け入れるようにサイズ決めされるチャンバ130を画定する回収カテーテル110のルーメンの遠位部分の近位で回収カテーテル110内に位置付けることができる。
【0027】
図4に示されている保持特徴部150は、ドッキング部材30のヘッド部分32と締まり嵌めまたは摩擦嵌めを形成するように構成されているテーパ状の内面152を含むことができる。例えば、テーパ状の内面152は、ドッキング部材30のヘッド部分32の外径よりも大きい第1の直径から、ドッキング部材30のヘッド部分32の外径よりも小さい第2の直径まで近位にテーパ状になることができる。いくつかの場合、第2の直径を有するテーパ状の内面152の近位部分は、埋め込み可能なデバイス10のハウジング12を内部に受け入れることができるチャンバ130の内径よりも小さい直径を有することができる。いくつかの場合、テーパ状の面152は、連続的または不連続的な円錐台の面であってもよい。
【0028】
図4および
図4Aに示されているように、いくつかの場合、保持特徴部150は、回収カテーテル110の内面156から径方向内方に延びる1つ以上の、すなわち複数の領域154を含むことができる。領域154は、内面156の周りに対称または非対称に離間することができる。したがって、テーパ状の面152は、複数の不連続的なセグメントを有する不連続的な円錐台の表面であってもよく、不連続的なセグメントは、領域154のそれぞれに関連付けられる。
【0029】
図5Aおよび
図5Bは、回収処置中に埋め込み可能なデバイス10と保持特徴部150とを係合させる例示的なプロセスを示している。回収処置中に、埋め込み可能なデバイス10を、スネア120等によって回収カテーテル110のチャンバ130内に引っ張ることができる。例えば、ループ122がドッキング部材30の周りに締められた状態で、スネア120を回収カテーテル110に対して近位に作動し、埋め込み可能なデバイス10のハウジング12を回収カテーテル110の遠位端においてチャンバ130内に引き込むことができる。
【0030】
埋め込み可能なデバイス10は、
図5Aに示されているように、ドッキング部材30のヘッド部分32がテーパ状の面152によって画定される中央開口158の遠位部分に位置決めされるまで、スネア120によってチャンバ130内に引き込むことができる。
図5Cは、ヘッド部分32の外径をこの位置においてテーパ状の面152の内径よりも小さくすることができることを示す、この位置における横断面を示している。ドッキング部材30は次に、
図5Bに示されているように、ヘッド部分32を引っ張ってテーパ状の面152と十分な量だけ係合させるようにスネア120に十分な量の力を加えることにより、中央開口158内のより近位の位置までスネア120によってさらに近位に引き込むことができ、ドッキング部材30のヘッド部分32とテーパ状の面152との間に締まり嵌めまたは摩擦嵌めを形成し、埋め込み可能なデバイス10をチャンバ130内にロックする。
図5Dは、ヘッド部分32がテーパ状の面152と摩擦係合しているところを示す、この位置における横断面を示している。ヘッド部分32とテーパ状の面152との間の静的な摩擦力を克服するように埋め込み可能なデバイス10に閾値量の力を加えない限り、締まり嵌めまたは摩擦嵌めによってチャンバ130内に埋め込み可能なデバイス10を保持する。保持特徴部150およびスネア120、あるいは保持特徴部150またはスネア120によってチャンバ130内に保持される埋め込み可能なデバイス10は次に、回収デバイス100によって心臓Hから抜去することができる。
【0031】
回収カテーテル110内に位置付けられる保持特徴部160の別の例示的な実施形態が
図6に示されている。保持特徴部160は、埋め込み可能なデバイス10を内部に受け入れるようにサイズ決めされるチャンバ130を画定する回収カテーテル110のルーメンの遠位部分の近位で回収カテーテル110内に位置付けることができる。
【0032】
図6に示されている保持特徴部160は、ドッキング部材30のヘッド部分32と螺合するように構成されている雌ねじ162を含むことができる。例えば、ドッキング部材30のヘッド部分32は、雌ねじ162の隣接する巻き線間に位置決め可能であってもよい。他の場合では、ドッキング部材30のヘッド部分32は、保持特徴部160の雌ねじ162に螺合するように構成されている雄ねじを含むことができる。
【0033】
図6Aに示されているように、雌ねじ162の谷165は、ドッキング部材30のヘッド部分32の外径(2R
3)よりも大きい大径(2R
1)を有することができ、一方で、雌ねじ162の頂163は、ドッキング部材30のヘッド部分32の外径(2R
3)よりも小さい小径(2R
2)を有することができる。したがって、ヘッド部分32が、埋め込み可能なデバイス10に対する保持特徴部160の回転運動(例えば回収カテーテル110の回転運動)によって雌ねじ162と螺合すると、埋め込み可能なデバイス10は、埋め込み可能なデバイス10を回収デバイス100によって患者から抜去する間に、チャンバ130から押し出されることを防止することができる。
【0034】
いくつかの場合、雌ねじ162は、1つ以上の、すなわち複数の旋回を通して連続的であってもよい。他の場合では、雌ねじ162は不連続的であってもよい。例えば、
図6および
図6Aに示されているように、いくつかの場合、保持特徴部160は、回収カテーテル110の内面から径方向内方に延びる1つ以上の、すなわち複数の領域164を含むことができる。領域164は、内面の周りに対称または非対称に離間することができる。いくつかの場合、
図6Aに示されているように、雌ねじ162は複数の不連続的なねじセグメントを含むことができ、不連続的なセグメントの1つまたは複数が領域164のそれぞれに関連付けられる。他の場合では、連続的または不連続的であり得る雌ねじ162は、回収カテーテル110の内面から直接的に延びることができる。
【0035】
いくつかの場合、雌ねじ162および領域164、あるいは雌ねじ162または領域164は、チャンバ130を画定する回収カテーテル110の部分、または、回収カテーテル110の他の構成要素との一体的な構造として形成することができる。しかし、他の場合では、雌ねじ162および領域164、あるいは雌ねじ162または領域164は、別個の構造として形成することができる。
【0036】
図7Aおよび
図7Bは、回収処置中の埋め込み可能なデバイス10と保持特徴部160との係合の例示的なプロセスを示している。回収処置中に、埋め込み可能なデバイス10を、スネア120等によって回収カテーテル110のチャンバ130内に引っ張ることができる。例えば、ループ122がドッキング部材30の周りに締められた状態で、スネア120を回収カテーテル110に対して近位に作動し、埋め込み可能なデバイス10のハウジング12を回収カテーテル110の遠位端においてチャンバ130内に引き込むことができる。
【0037】
埋め込み可能なデバイス10は、ドッキング部材30が、
図7Aに示されているように雌ねじ162のちょうど遠位にくるまで、スネア120によってチャンバ130内に引き込むことができる。保持構造160は次に、回収カテーテル110またはその駆動シャフトを回転させること等によって埋め込み可能なデバイス10に対して回転され、
図7Bに示されているように、ヘッド部分32が保持特徴部160の中央開口168内に移動するにつれて、ドッキング部材30のヘッド部分32と雌ねじ162とを螺合させることができ、ドッキング部材30のヘッド部分32と雌ねじ162との間のねじ接続を形成し、埋め込み可能なデバイス10をチャンバ130内にロックする。埋め込み可能なデバイスと雌ねじ162との間の十分な反回転運動が加えられてドッキング部材30を雌ねじ162から緩めない限り、雌ねじ162との螺合によって、埋め込み可能なデバイス10をチャンバ130内に保持する。保持特徴部160およびスネア120、あるいは保持特徴部160またはスネア120によってチャンバ130内に保持される埋め込み可能なデバイス10は次に、回収デバイス100によって心臓Hから抜去することができる。
【0038】
回収カテーテル110内に位置付けられる保持特徴部170の別の例示的な実施形態が
図8に示されている。保持特徴部170は、埋め込み可能なデバイス10を内部に受け入れるようにサイズ決めされるチャンバ130を画定する回収カテーテル110のルーメンの遠位部分の近位で回収カテーテル110内に位置付けることができる。
【0039】
図8に示されている保持特徴部170は、保持特徴部170およびチャンバ130、あるいは保持特徴部170またはチャンバ130の内面から径方向内方に延びる周方向リム174を含むことができる。周方向リム174によって画定される中央開口178は、ドッキング部材30のヘッド部分32が近位に通過することを可能にするようにサイズ決めすることができる。保持特徴部170は、周方向リム174の周りに対称または非対称に配置されるとともにチャンバ130に対して遠位に開口する1つ以上の、すなわち複数の凹部172を含むことができる。例えば、
図8Aに示されているような図示の実施形態では、保持特徴部170は、周方向リム174の周りに対称に配置される4つの凹部172を含むことができる。しかし、他の場合では、保持特徴部170は、所望であれば、異なる数の凹部172を含むことができる。
【0040】
埋め込み可能なデバイス10は、凹部(複数の場合もあり)172に位置決め可能であり、凹部とプレス嵌めを形成するように構成されている1つ以上の、すなわち複数の突起70を含むことができる。例えば、図示の実施形態では、埋め込み可能なデバイス10は、ハウジング12の近位端の周りに対称に配置されるとともに近位端から近位に延びる4つの突起70を含むことができる。しかし、他の場合では、突起70は、所望であれば、異なるやり方で配置することができる。
【0041】
いくつかの場合、周方向リム174は、チャンバ130を画定する回収カテーテル110の部分または回収カテーテル110の他の構成要素との一体的な構造として形成することができる。しかし、他の場合では、周方向リム174は、別個の構造として形成することができる。
【0042】
図9Aおよび
図9Bは、回収処置中の埋め込み可能なデバイス10と保持特徴部170との係合の例示的なプロセスを示している。回収処置中に、埋め込み可能なデバイス10を、スネア120等によって回収カテーテル110のチャンバ130内に引っ張ることができる。例えば、ループ122がドッキング部材30の周りに締められた状態で、スネア120を回収カテーテル110に対して近位に作動し、埋め込み可能なデバイス10のハウジング12を回収カテーテル110の遠位端においてチャンバ130内に引き込むことができる。
【0043】
埋め込み可能なデバイス10は、突起70が、
図9Aに示されているように凹部172のちょうど遠位に位置付けられるまで、スネア120によってチャンバ130内に引き込むことができる。いくつかの場合、保持特徴部170(例えば回収カテーテル110またはその一部)は、凹部172が突起70とまだ位置合わせされていない場合に、凹部172と突起70とを位置合わせさせるように埋め込み可能なデバイス10に対して回転させる必要があり得る。ドッキング部材30は次に、
図9Bに示されているように、突起70を引っ張って凹部172と十分な量だけ係合させるようにスネア120に十分な量の力を加えることにより、スネア120によって中央開口178内にさらに近位に引き込むことができ、突起70と凹部172との間に締まり嵌めまたは摩擦嵌めを形成し、埋め込み可能なデバイス10をチャンバ130内にロックする。
図9Cは、突起70が凹部172内に押圧されて凹部172と摩擦係合しているところを示す、この位置の横断面を示している。突起70と凹部172との間の静的な摩擦力を克服するように埋め込み可能なデバイス10に閾値量の力を加えない限り、締まり嵌めまたは摩擦嵌めによって、チャンバ130内に埋め込み可能なデバイス10を保持する。保持特徴部170およびスネア120、あるいは保持特徴部170またはスネア120によってチャンバ130内に保持される埋め込み可能なデバイス10は次に、回収デバイス100によって心臓Hから抜去することができる。
【0044】
回収カテーテル110内に位置付けられる保持特徴部180の別の例示的な実施形態が
図10に示されている。保持特徴部180は、埋め込み可能なデバイス10を内部に受け入れるようにサイズ決めされるチャンバ130を画定する回収カテーテル110のルーメンの遠位部分の近位で回収カテーテル110内に位置付けることができる。
【0045】
図10に示されている保持特徴部180は、保持特徴部180およびチャンバ130、あるいは保持特徴部180またはチャンバ130の内面から径方向内方に延びる複数のリブ184を含むことができる。複数のリブ184の径方向内方の中央開口188が、ドッキング部材30のヘッド部分32が内部を近位に通過することを可能にし、リブ184とドッキング部材30のヘッド部分32との係合を可能にするようにサイズ決めされることができる。リブ184は、内面186の周りに対称または非対称に配置されるものとすることができる。例えば、
図10Aに示されているような図示の実施形態では、保持特徴部180は、中央開口188の周りに対称に配置される10個のリブ184を含むことができる。しかし、他の場合では、保持特徴部180は、所望であれば、異なる数のリブ184を含むことができる。
【0046】
リブ184は、テーパ状の面182等の面182を含むことができる。例えば、リブ184は、径方向内方の面182および反対側の側面182を含むことができる。いくつかの場合、リブ184の径方向内方の面182は、第1の直径から、第1の直径よりも小さい第2の直径まで近位にテーパ状になることができる、および、リブ184の側面182は、遠位方向に互いに向かってテーパ状になることができる、あるいは第1の直径から、第1の直径よりも小さい第2の直径まで近位にテーパ状になることができる、または、リブ184の側面182は、遠位方向に互いに向かってテーパ状になることができる。
【0047】
埋め込み可能なデバイス10のドッキング部材30のヘッド部分32は、リブ184の面182の1つ以上に対してプレス嵌めを形成するようにリブ184間に位置決め可能であるように構成されている1つ以上の、すなわち複数の径方向に突出するスポーク80を含むことができる。いくつかの場合、リブ184は、スポーク80がリブ184間に引き込まれてリブ184に対して押圧されると、変形することができるように、変形可能であってもよい。
【0048】
図示の実施形態では、埋め込み可能なデバイス10は、ドッキング部材30のヘッド部分32の周りに対称に配置される10個の径方向に延びるスポーク80を含むことができる。しかし、他の場合では、スポーク80は、所望であれば、異なるやり方で配置することができる。リブ184の面182は、径方向に突出するスポーク80の面に対して押圧されるように構成することができる。
【0049】
図11は、回収処理中の埋め込み可能なデバイス10と保持特徴部180との係合の例示的なプロセスを示している。回収処置中に、埋め込み可能なデバイス10を、スネア120等によって回収カテーテル110のチャンバ130内に引っ張ることができる。例えば、ループ122がドッキング部材30の周りに締められた状態で、スネア120を回収カテーテル110に対して近位に作動し、埋め込み可能なデバイス10のハウジング12を回収カテーテル110の遠位端においてチャンバ130内に引き込むことができる。
【0050】
埋め込み可能なデバイス10は、スポーク80がリブ184間に位置決めされるまで、スネア120によってチャンバ130内に引き込むことができる。いくつかの場合、保持特徴部180(例えば、回収カテーテル110またはその部分)は、リブ184がスポーク80間のスペースとまだ位置合わせされていない場合に、リブ184とスポーク80間のスペースとを位置合わせするように埋め込み可能なデバイス10に対して回転させる必要があり得る。ドッキング部材30は次に、
図11に示されているように、スポーク80を引っ張ってリブ184と十分な量だけ係合させるようにスネア120に十分な量の力を加えることにより、スネア120によって中央開口188内にさらに近位に引き込むことができ、スポーク80とリブ184との間に締まり嵌めまたは摩擦嵌めを形成し、埋め込み可能なデバイス10をチャンバ130内にロックする。したがって、リブ184は、ドッキング部材30のスポーク80と噛み合わせることができる。
図11Aは、スポーク80がリブ184に対して押圧されてリブ184と摩擦係合しているところを示す、この位置の横断面を示している。スポーク80とリブ184との間の静的な摩擦力を克服するように埋め込み可能なデバイス10に閾値量の力を加えない限り、締まり嵌めまたは摩擦嵌めによってチャンバ130内に埋め込み可能なデバイス10を保持する。保持特徴部180およびスネア120、あるいは保持特徴部180またはスネア120によってチャンバ130内に保持される埋め込み可能なデバイス10は次に、回収デバイス100によって心臓Hから抜去することができる。
【0051】
当業者は、本開示の態様が、本明細書において記載されるとともに意図される特定の実施形態以外の種々の形態で明らかであり得ることを認識するであろう。したがって、形態および細部の逸脱を、添付の特許請求の範囲において記載されるような本開示の範囲および主旨から逸脱することなく行うことができる。