(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
有効量の請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る担体とを含み、抗HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤または抗感染剤から選択される有効量の抗HIV剤をさらに含む、医薬組成物。
前記抗HIV抗ウイルス剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV侵入阻害剤またはHIV成熟阻害剤である、請求項29に記載の医薬組成物。
アバカビル、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、アンプレナビル、アタザナビル、AZT、カプラビリン、ダルナビル、ジデオキシシチジン、ジデオキシイノシン、デラビルジン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エファビレンツ+エムトリシタビン+テノホビルDF、4’−エチニル−2−フルオロ−2’−デオキシアデノシン、エルテグラビル、エムトリシタビン、エムトリシタビン+テノホビルDF、エミビリン、エンフビルチド、エトラビリン、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、ラミブジン、ラミブジン+ジドブジン、ロピナビル、ロピナビル+リトナビル、マラビロク、ネルフィナビル、ネビラピン、PPL−100、ラルテグラビル、リルピビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノホビル フマル酸ジソプロキシル、フマル酸テノホビルアラフェナミド、チプラナビルまたはビクリビロックから選択される一つ以上の抗HIV剤をさらに含む、請求項29に記載の医薬組成物。
請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の医薬の製造における使用であって、HIVによる感染症を治療もしくは予防するための、またはAIDSを治療し、予防し、もしくはその発症を遅延するための医薬の製造における前記使用。
HIVプロテアーゼの阻害、HIVによる感染症の治療もしくは予防、またはAIDSの治療、予防もしくはその発症の遅延を必要とする被験体における、HIVプロテアーゼを阻害するため、HIVによる感染症の治療もしくは予防のための、または、AIDSを治療し、予防し、もしくは、その発症を遅延するための医薬の調製に使用するための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
前記医薬が、アバカビル、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、アンプレナビル、アタザナビル、AZT、カプラビリン、ダルナビル、ジデオキシシチジン、ジデオキシイノシン、デラビルジン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エファビレンツ+エムトリシタビン+テノホビルDF、4’−エチニル−2−フルオロ−2’−デオキシアデノシン、エルテグラビル、エムトリシタビン、エムトリシタビン+テノホビルDF、エミビリン、エンフビルチド、エトラビリン、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、ラミブジン、ラミブジン+ジドブジン、ロピナビル、ロピナビル+リトナビル、マラビロク、ネルフィナビル、ネビラピン、PPL−100、ラルテグラビル、リルピビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノホビル フマル酸ジソプロキシル、フマル酸テノホビルアラフェナミド、チプラナビルまたはビクリビロックから選択される一つ以上の抗HIV剤をさらに含む、請求項32に記載の使用。
有効量の請求項20〜27のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容され得る担体とを含み、抗HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤または抗感染剤から選択される有効量の抗HIV剤をさらに含む、医薬組成物。
前記抗HIV抗ウイルス剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV侵入阻害剤またはHIV成熟阻害剤である、請求項36に記載の医薬組成物。
アバカビル、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、アンプレナビル、アタザナビル、AZT、カプラビリン、ダルナビル、ジデオキシシチジン、ジデオキシイノシン、デラビルジン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エファビレンツ+エムトリシタビン+テノホビルDF、4’−エチニル−2−フルオロ−2’−デオキシアデノシン、エルテグラビル、エムトリシタビン、エムトリシタビン+テノホビルDF、エミビリン、エンフビルチド、エトラビリン、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、ラミブジン、ラミブジン+ジドブジン、ロピナビル、ロピナビル+リトナビル、マラビロク、ネルフィナビル、ネビラピン、PPL−100、ラルテグラビル、リルピビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノホビル フマル酸ジソプロキシル、フマル酸テノホビルアラフェナミド、チプラナビルまたはビクリビロックから選択される一つ以上の抗HIV剤をさらに含む、請求項36に記載の医薬組成物。
請求項20〜27のいずれか一項に記載の化合物の医薬の製造における使用であって、HIVによる感染症を治療もしくは予防するための、またはAIDSを治療し、予防し、もしくはその発症を遅延するための医薬の製造における前記使用。
HIVプロテアーゼの阻害、HIVによる感染症の治療もしくは予防、またはAIDSの治療、予防もしくはその発症の遅延を必要とする被験体における、HIVプロテアーゼを阻害するため、HIVによる感染症の治療もしくは予防のための、または、AIDSを治療し、予防し、もしくは、その発症を遅延するための医薬の調製に使用するための、請求項20〜27のいずれか一項に記載の化合物。
前記医薬が、アバカビル、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、アンプレナビル、アタザナビル、AZT、カプラビリン、ダルナビル、ジデオキシシチジン、ジデオキシイノシン、デラビルジン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エファビレンツ+エムトリシタビン+テノホビルDF、4’−エチニル−2−フルオロ−2’−デオキシアデノシン、エルテグラビル、エムトリシタビン、エムトリシタビン+テノホビルDF、エミビリン、エンフビルチド、エトラビリン、ホスアンプレナビルカルシウム、インジナビル、ラミブジン、ラミブジン+ジドブジン、ロピナビル、ロピナビル+リトナビル、マラビロク、ネルフィナビル、ネビラピン、PPL−100、ラルテグラビル、リルピビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノホビル フマル酸ジソプロキシル、フマル酸テノホビルアラフェナミド、チプラナビルまたはビクリビロックから選択される一つ以上の抗HIV剤をさらに含む、請求項39に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0008】
であり、
Xは、O、S、CH
2またはCF
2であり;
Yは、−C≡C−R
8または−C≡Nであり;
R
1は、−H、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2、
【化3】
【0009】
または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;
R
2は、−H、−C(O)R
6a、−C(O)OR
6aまたは−C(O)N(R
6a)
2であり;
R
3は、−H、−Fまたは−OHであり;
R
4は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
2−C
6アルケニル、−C
2−C
6アルキニル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、5もしくは6員単環式ヘテロアリール、9もしくは10員二環式ヘテロアリール、ハロ、−CN、−NO
2、−N(R
X)
2、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(5または6員単環式ヘテロアリール)、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(9または10員二環式ヘテロアリール)、アリール、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり、前記−C
1−C
6アルキル基、前記−C
2−C
6アルケニル基または前記−C
2−C
6アルキニル基はそれぞれ、ハロで置換されていてもよく;
R
5は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
2−C
6アルケニル、−C
2−C
6アルキニル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、5もしくは6員単環式ヘテロアリール、9もしくは10員二環式ヘテロアリール、ハロ、−OR
X、−CN、−NO
2、−N(R
X)
2、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(5または6員単環式ヘテロアリール)、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(9または10員二環式ヘテロアリール)、アリール、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり、前記−C
1−C
6アルキル基、前記−C
2−C
6アルケニル基または前記−C
2−C
6アルキニル基はそれぞれ、ハロで置換されていてもよく;
R
6、R
6aおよびR
6bはそれぞれ独立して、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、−(C
1−C
3アルキレン)
m−(C
3−C
7シクロアルキル)、−(C
1−C
3アルキレン)
m−(アリール)、−(C
1−C
3アルキレン)
m−(4〜7員ヘテロシクロアルキル)、−(C
1−C
3アルキレン)
m−(5または6員単環式ヘテロアリール)または−(C
1−C
3アルキレン)
m−(9または10員二環式ヘテロアリール)から出現ごとに選択され、前記−C
1−C
6アルキル、前記C
3−C
7シクロアルキル基、前記アリール基、前記4〜7員ヘテロシクロアルキル基、前記−(5もしくは6員単環式ヘテロアリール基または前記9もしくは10員二環式ヘテロアリール基はそれぞれ、R
7で置換されていてもよく;
mは、0(ゼロ)または1から選択される整数であり;
R
7は、−C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル、C
2−C
6アルキニル、C
1−C
6ハロアルキル、アリールまたは5〜6員ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択される1〜5個の置換基を表し;
R
8は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、アリール、5もしくは6員単環式ヘテロアリールまたは9もしくは10員二環式ヘテロアリールであり;
R
9は、−H、ハロ、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、−CN、−OR
Yまたは−N(R
Y)
2であり;
R
Xは独立して、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、アリールまたは5もしくは6員単環式ヘテロアリールから出現ごとに選択され;
または、R
4またはR
5のいずれかまたは両方が−N(R
X)
2である場合、各R
Xは、それらが両方とも結合している窒素と一緒になって、5もしくは6員単環式ヘテロアリールまたは9もしくは10員二環式ヘテロアリールを形成していてもよく;ならびに
R
Yは、−H、−C
1−C
6アルキルまたは−C
1−C
6ハロアルキルであり;
ただし、XがOであり、Yが−C≡CHまたは−C≡Nであり、R
1が−Hであり、R
2が−Hであり、R
4が−NH
2であり、R
5が−H、−Fまたは−OHであり、R
9が−Fである場合、R
3は−Fではない)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を対象とする。
【0010】
本明細書で式Iaと称される本発明の一実施形態では、式I(式中、Rは、
【化4】
【0011】
であり;式中のすべての他の変数(R
1、R
2、X、Yなど)は、式Iに定義されている通りである)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
【0012】
本発明の一実施形態では、構造式IIを有する式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩であり:
【化5】
【0013】
ここで、式中のすべての変数(R
1、R
2、X、Yなど)は、式Iに定義されている通りである。
【0014】
本発明の別の実施形態では、構造式IIIを有する式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩であり:
【化6】
【0015】
ここで、式中のすべての変数(R
1、R
2、X、Yなど)は、式Iに定義されている通りである。
【0016】
本発明の別の実施形態では、構造式IVを有する式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩であり:
【化7】
【0017】
ここで、式中のすべての変数(R
1、R
2、X、Yなど)は、式Iに定義されている通りである。
【0018】
本発明の別の実施形態では、構造式Vを有する式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩であり:
【化8】
【0019】
ここで、式中のすべての変数(R
1、R
2、X、Yなど)は、式Iに定義されている通りである。
【0020】
本明細書で実施形態Aと称される本発明の一実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはV
(式中:
Xは、O、S、CH
2またはCF
2であり;
Yは、−C≡C−R
8または−C≡Nであり;
R
1は、−H、
【化9】
【0021】
であり;
R
2は、−Hであり;
R
3は、−H、−Fまたは−OHであり;
R
4は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
2−C
6アルケニル、−C
2−C
6アルキニル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、5もしくは6員単環式ヘテロアリール、9もしくは10員二環式ヘテロアリール、ハロ、−CN、−NO
2、−N(R
X)
2、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(5または6員単環式ヘテロアリール)、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(9または10員二環式ヘテロアリール)、アリール、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり、前記−C
1−C
6アルキル基、前記−C
2−C
6アルケニル基または前記−C
2−C
6アルキニル基はそれぞれ、ハロで置換されていてもよく;
R
5は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
2−C
6アルケニル、−C
2−C
6アルキニル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、5もしくは6員単環式ヘテロアリール、9もしくは10員二環式ヘテロアリール、ハロ、−OR
X、−CN、−NO
2、−N(R
X)
2、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(5または6員単環式ヘテロアリール)、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(9または10員二環式ヘテロアリール)またはアリールであり、前記−C
1−C
6アルキル基、前記−C
2−C
6アルケニル基または前記−C
2−C
6アルキニル基はそれぞれ、ハロで置換されていてもよく;
R
8は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、アリール、5もしくは6員単環式ヘテロアリールまたは9もしくは10員二環式ヘテロアリールであり;
R
9は、−H、ハロ、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、−CN、−OR
Yまたは−N(R
Y)
2であり;
R
Xは独立して、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、アリールまたは5もしくは6員単環式ヘテロアリールから出現ごとに選択され;
または、R
4またはR
5のいずれかまたは両方が−N(R
X)
2である場合、各R
Xは、それらが両方とも結合している窒素と一緒になって、5もしくは6員単環式ヘテロアリールまたは9もしくは10員二環式ヘテロアリールを形成していてもよく;ならびに
R
Yは、−H、−C
1−C
6アルキルまたは−C
1−C
6ハロアルキルであり、
すべての他の変数(例えば、R
6、R
6a、R
6b、mなど)は、式Iに定義されている通りである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0022】
実施形態Aのクラスでは、式I、Ia、II、III、IVもしくはV(式中:
R
1は、−Hであり;
またはR
1は、
【化10】
【0023】
であり;
またはR
1は、−H、
【化11】
【0024】
である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0025】
本明細書で実施形態Bと称される本発明の一実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはV(式中:
R
1は、−H、−C(O)R
6、−C(O)OR
6または−C(O)N(R
6)
2、
【化12】
【0026】
または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;
R
2は、−H、−C(O)R
6a、−C(O)OR
6aまたは−C(O)N(R
6a)
2であり;ならびに
R
4は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
2−C
6アルケニル、−C
2−C
6アルキニル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、5もしくは6員単環式ヘテロアリール、9もしくは10員二環式ヘテロアリール、ハロ、−CN、−NO
2、−N(R
X)
2、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(5または6員単環式ヘテロアリール)、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(9または10員二環式ヘテロアリール)、アリール、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり、前記−C
1−C
6アルキル基、前記−C
2−C
6アルケニル基または前記−C
2−C
6アルキニル基はそれぞれ、ハロで置換されていてもよく;
R
5は、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
2−C
6アルケニル、−C
2−C
6アルキニル、−C
1−C
6ハロアルキル、−C
3−C
7シクロアルキル、5もしくは6員単環式ヘテロアリール、9もしくは10員二環式ヘテロアリール、ハロ、−OR
X、−CN、−NO
2、−N(R
X)
2、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(5または6員単環式ヘテロアリール)、−NH(C
1−C
6アルキレン)−(9または10員二環式ヘテロアリール)、アリール、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり、前記−C
1−C
6アルキル基、前記−C
2−C
6アルケニル基または前記−C
2−C
6アルキニル基はそれぞれ、ハロで置換されていてもよく;
ただし、R
1、R
2、R
4またはR
5の1個以上は以下のように選択される:
R
1は、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;および/または
R
2は、−C(O)R
6a、−C(O)OR
6aまたは−C(O)N(R
6a)
2であり;および/または
R
4は、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり;および/または
R
5は、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり、
すべての他の変数(例えば、X、Y、R
3、R
6、R
6a、R
6b、m、R
7、R
8、R
9、R
XおよびR
Y)は、式Iに定義されている通りである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0027】
実施形態Cと称される本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはV(式中:
Xは、Oであり;
Yは、−C≡CHまたは−C≡Nであり;
R
1は、−H、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2、
【化13】
【0028】
または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;
R
2は、−H、−C(O)R
6a、−C(O)OR
6aもしくは−C(O)N(R
6a)
2であり、または特にそれは−Hであり;
R
3は、−Hもしくは−OHであり、または特にR
3は−Hであり;
R
4は、−N(R
X)
2、−NHC(O)OR
6bもしくは−NHC(O)N(R
6b)
2であり、または特にR
4は−N(R
X)
2であり;
R
5は、−H、ハロ、−C
1−C
6アルキル、−OR
Xもしくは−N(R
X)
2であり、または特にR
5は、−H、−Cl、−Fまたは−NH
2であり;
R
6、R
6aおよびR
6bはそれぞれ独立して、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、アリール(好ましくは、フェニル)または5もしくは6員単環式ヘテロアリールから出現ごとに選択され、R
6、R
6aおよびR
6bはそれぞれ、R
7で置換されていてもよく;
R
7は、−C
1−C
6アルキル、アリール(好ましくは、フェニル)または5もしくは6員単環式ヘテロアリールであり;
R
8は、−Hであり;
R
9は、−H、ハロ、−C
1−C
3アルキル、−C
1−C
3ハロアルキル、−CN、−OR
Yまたは−N(R
Y)
2であり、特にそれは、−H、−F、−Cl、−I、−Brまたは−CH
3であり;
R
Xは独立して、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、アリールまたは5もしくは6員単環式ヘテロアリールから出現ごとに選択され;
または、R
4またはR
5のいずれかまたは両方が−N(R
X)
2である場合、各R
Xは、それらが両方とも結合している窒素と一緒になって、5もしくは6員単環式ヘテロアリールまたは9もしくは10員二環式ヘテロアリールを形成していてもよく;ならびに
R
Yは、−H、−C
1−C
6アルキルまたは−C
1−C
6ハロアルキルである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0029】
実施形態Dと称される本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはV(式中:
Xは、Oであり;
Yは、−C≡CHまたは−C≡Nであり;
R
1は、−H、
【化14】
【0030】
または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;
R
2は、−Hであり;
R
3は、−Hであり;
R
4は、−NH
2であり;
R
5は、−H、−Cl、−Fまたは−NH
2であり;
R
8は、−Hであり;ならびに
R
9は、−H、−F、−Cl、−I、−Brまたは−CH
3である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0031】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態AもしくはB(式中、Xは、Oである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0032】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態AもしくはB(式中、Yは、−C≡C−R
8である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態A、B、CもしくはD(式中、Yは、−C≡CHである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0033】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態A、B、CもしくはD(式中、Yは、−C≡CNである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0034】
本発明の他の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態BもしくはC(式中:
R
1は、−H、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2、または
【化15】
【0035】
のプロドラッグ修飾である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0036】
本発明の他の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態A、B、CもしくはD(式中
(a)R
1は、−Hであり;または
(b)R
1は、
【化16】
【0037】
であり;または
(c)R
1は、
【化17】
【0038】
である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0039】
本発明の他の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態B、CもしくはD(式中
(a)R
1は、−Hまたは
【化18】
【0040】
または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;
または(b)R
1は、
【化19】
【0041】
または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;
または(c)R
1は、
【化20】
【0042】
または前記トリホスフェートのプロドラッグ修飾であり;
または(d)R
1は、
【化21】
【0043】
のプロドラッグ修飾である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0044】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態BもしくはC(式中、R
1は、−H、−C(O)R
6、−C(O)OR
6もしくは−C(O)N(R
6)
2、または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。そのクラスでは、R
1は、−C(O)R
6、−C(O)OR
6もしくは−C(O)N(R
6)
2、または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾である。
【0045】
本発明の他の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態BもしくはC(式中:
R
2は、−H、−C(O)R
6a、−C(O)OR
6aまたは−C(O)N(R
6a)
2であり;
またはR
2は、−C(O)R
6a、−C(O)OR
6aまたは−C(O)N(R
6a)
2であり;
またはR
2は、−Hである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0046】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態A、BもしくはC(式中、R
3は、−Hまたは−OHである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。さらなる実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態A、BもしくはC(式中、R
3は、−Hである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0047】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態AもしくはB(式中、R
4は、−N(R
X)
2、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり;特にR
4は−N(R
X)
2である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。より具体的には、R
4は、−NH
2である。
【0048】
本発明の他の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態B(式中:
R
5は、−H、ハロ、−C
1−C
6アルキル、−OR
X、−N(R
X)
2、−NHC(O)OR
6b、−N(C(O)OR
6b)
2、−NHC(O)N(R
6b)
2または−NHC(O)R
6bであり;
またはR5は−NHC(O)OR6b、−N(C(O)OR6b)2、−NHC(O)N(R6b)2、または−NHC(O)R6bであり;
またはR
5は、−H、ハロ(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−C
1−C
6アルキル、−OR
Xまたは−N(R
X)
2)であり;
またはR
5は、−H、−Cl、−Fまたは−NH
2である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0049】
本発明の他の実施形態は、実施形態AもしくはBの化合物、または薬学的に許容される塩であり、式中:
R
5は、−H、ハロ(好ましくは、−Fまたは−Cl)、−C
1−C
6アルキル、−OR
Xまたは−N(R
X)
2)であり;
またはR
5は、−H、−Cl、−Fまたは−NH
2である。
【0050】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態B(式中、R
6、R
6aおよびR
6bはそれぞれ独立して、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、アリール(好ましくは、フェニル)または5もしくは6員単環式ヘテロアリールから出現ごとに選択される)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態A(式中、R
6bは、−H、−C
1−C
6アルキル、−C
1−C
6ハロアルキル、アリール(好ましくは、フェニル)または5もしくは6員単環式ヘテロアリールから出現ごとに選択される)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0051】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態AもしくはB(式中、R
7は、−C
1−C
6アルキル、アリール(好ましくは、フェニル)または5もしくは6員単環式ヘテロアリールである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0052】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態AもしくはB(式中、R
8は、−Hである)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0053】
本発明の別の実施形態では、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたは実施形態AもしくはB(式中、R
9は、−H、ハロ、−C
1−C
3アルキル、−C
1−C
3ハロアルキル、−CN、−OR
Yまたは−N(R
Y)
2であり;特にそれは、−H、−F、−Cl、−I、−Brまたは−CH
3である)の化合物またはそれらの薬学的に許容され得る塩である。
【0054】
本明細書に記載されるすべての構造式、その実施形態およびクラスは、その中に定義されている化合物の薬学的に許容され得る塩を含む。本明細書の式Iの化合物への言及は、式I、Ia、II、III、IVまたはVの各化合物ならびにそれらのすべての実施形態およびクラスを包含する。特定の式または実施形態(例えば、式I、Ia、II、III、IVもしくはVまたはそれらの実施形態)の化合物としての本発明の化合物、または本明細書もしくは特許請求の範囲に記載される任意の他の一般的な構造式もしくは特定の化合物への言及は、特に断りのない限り、特定の化合物、または前記式もしくは実施形態の範囲内の化合物(その塩、特に薬学的に許容され得る塩、このような化合物の溶媒和物(水和物を含む)およびその溶媒和塩形態(このような形態が可能である場合)を含む)を包含する。
【0055】
本発明は、本明細書に記載される各実施例およびそれらの薬学的に許容され得る塩を含む。本発明はまた、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る担体と含む医薬組成物を包含する。
【0056】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、指定範囲の数の炭素原子を有する一価の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基を指す。したがって、例えば、「C
1−6アルキル」(または、「C
1−C
6アルキル」)は、ヘキシルアルキル異性体およびペンチルアルキル異性体、ならびに、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルのうちのいずれかを指す。別の例として、「C
1−4アルキル」は、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、エチルおよびメチルを指す。
【0057】
「アルケニル」という用語は、1個の炭素−炭素二重結合を含み、指定範囲内の数の炭素原子を有する1価の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基を指す。したがって、例えば、「C
2−6アルケニル」(または「C
2−C
6アルケニル」)は、すべてのヘキセニルおよびペンテニル異性体、ならびに、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびエテニル(またはビニル)を指す。
【0058】
「アルキニル」という用語は、1個の炭素−炭素三重結合を含み、指定範囲内の数の炭素原子を有する1価の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基を指す。したがって、例えば、「C
2−6アルキニル」(または「C
2−C
6アルキニル」)は、すべてのヘキシニルおよびペンチニル異性体、ならびに、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−プロピニル、2−プロピニルおよびエチニルを指す。
【0059】
「アルキレン」という用語は、指定範囲の数の炭素原子を有する2価の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素を指す。したがって、例えば、「−C
1−6アルキレン」は、C
1からC
6の直鎖もしくは分岐アルキレンを指し、「−C
1−3アルキレン−」は、C
1からC
3の直鎖もしくは分岐アルキレンのいずれかを指す。特定のクラスのアルキレンとしては、−(CH
2)
1−3−、−(CH
2)
2−3、−(CH
2)
1−2−および−CH
2−、−CH(CH
3)−および−C(CH
3)
2−が挙げられる。
【0060】
「シクロアルキル」という用語は、指定範囲の数の炭素原子を有するアルカンの単環式環を指す。したがって、例えば、「C
3−7シクロアルキル」(または、「C
3−C
7シクロアルキル」)は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを指す。式Iおよびその実施形態の化合物のための目的の特定のクラスは、C
3−6シクロアルキルである。
【0061】
「ハロゲン」(または、「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す(あるいは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードと称される)。式Iおよびその実施形態の化合物のための目的の特定のクラスは、フルオロまたはクロロのそれぞれである。
【0062】
「ハロアルキル」という用語は、1つ以上の水素原子がハロ(すなわち、−F、−Cl、−Brおよび/または−I)で置き換えられている上記で定義のアルキル基を指す。したがって、例えば、「C
1−6ハロアルキル」(または、「C
1−C
6ハロアルキル」)は、1つ以上のハロ置換基を有する上記で定義のC
1からC
6の直鎖もしくは分岐アルキル基を指す。「フルオロアルキル」という用語は、ハロゲン置換基がフルオロに限定されている以外は類似の意味を有する。適切なフルオロアルキルとしては、一連の(CH
2)
0−4CF
3(すなわち、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピルなど)が挙げられる。特に興味深いフルオロアルキルはCF
3である。
【0063】
「C(O)」という用語は、カルボニルを指す。「S(O)
2」および「SO
2」という用語は、それぞれ、スルホニルを指す。「S(O)」という用語は、スルフィニルを指す。
【0064】
「アリール」(または「C
6−C
10アリール」)という用語は、(i)フェニル、または(ii)少なくとも1つの環が芳香族である9もしくは10員二環式縮合炭素環式環系を指す。適切なアリールとしては、例えば、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル(テトラリニル)またはインデニルが挙げられる。式Iおよびその実施形態の化合物の特定のクラスでは、アリールは、フェニルまたはナフチルであり、より具体的には、アリールは、フェニルである。
【0065】
「ヘテロアリール」という用語は、(i)独立にN、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員ヘテロ芳香環(ここで、各Nは、化学的に可能な程度にオキサイドの形態であってもよい)、(ii)9員もしくは10員の二環式縮合環系(ここで、縮合環系は、独立に、N、OおよびSから選択される1〜6個のヘテロ原子を含み、縮合環系中の各環は、0個、1個もしくはそれより多いヘテロ原子を含み、少なくとも1つの環が芳香族であり、各Nは、化学的に可能な程度にオキサイドの形態であってもよく、そして、芳香族ではない環中の各Sは、S(O)またはS(O)
2であってもよい)を指す。適切な5員および6員ヘテロ芳香環としては、例えば、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(すなわち、1,2,3−トリアゾリルまたは1,2,4−トリアゾリル)、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(すなわち、1,2,3−、1,2,4−、1,2,5−(フラザニル)または1,3,4−異性体)、オキサトリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。適切な9員および10員ヘテロ二環式縮合環系としては、例えば、ベンゾフラニル、インドリル、インダゾリル、ナフチリジニル、イソベンゾフラニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリル、ベンゾジオキソリル(例えば、ベンゾ−1,3−ジオキソリル:
【化22】
【0066】
)ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラピラニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキザリニル、キナゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラピラニルおよび2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち、
【化23】
【0068】
本発明での使用に適切な特定の環および環系は、前記の段落に記載されているものに限られない。これらの環および環系は、単に代表的なものである。特定の文脈で明瞭に反する内容が記載されていない限り、本明細書に記載される各種環および環系は、いずれも、結合が化学的に許容され、安定な化合物が生じるという条件で、任意の環原子(すなわち任意の炭素原子または任意のヘテロ原子)で化合物の残りの部分に結合することができる。
【0069】
明示的な描写または別段の記載がない限り、環に結合している「浮遊」結合を有する構造式中に示されている変数(例えば、式I中のR
9)は、置換基(あるいは、R
9は−Hであり得る)、またはその変数が結合している環における任意の利用可能な炭素もしくは窒素原子であり得る。
【0070】
式Iまたはその任意の実施形態において、部分が「置換されていてもよい」と記述されている場合、それは、式Iまたはその実施形態が、その部分において記述されている置換基(または複製の置換基)で置換されている化合物、およびその部分において記述されている置換基(または複製の置換基)を含有しない化合物(すなわち、その部分は置換されていない)の両方を包含することを意味する。一例として、R
4が、ハロで置換されていてもよい−C
1−C
6アルキル基である場合、R
4は、−C
1−C
6アルキルまたは−C
1−C
6ハロアルキルであり得る。
【0071】
任意の構成要素中に、または式I中に、または本発明の化合物を描写もしくは記載する任意の他の式中に、任意の変数(例えば、R
7、R
X、R
Y)が複数回出現する場合、出現ごとのその定義は、すべての他の出現時のその定義と無関係である。また、置換基および/または変数の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0072】
反する内容が明瞭に記載されていない限り、環(例えば、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール)の中の任意の原子での指定された置換基による置換は、このような環における置換が化学的に許容され、かつ安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0073】
反する内容が明瞭に記載されていない限り、本明細書に挙げられているすべての範囲は包括的である。例えば、「1〜4個のヘテロ原子」を含んでいると記載されているヘテロ芳香環は、前記環が1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含み得ることを意味する。さらにまた、本明細書で挙げられている範囲がその範囲内の下位範囲のすべてをその範囲内に包含するということも理解すべきである。したがって、例えば、「1〜4個のヘテロ原子」を含むと記載されている複素環は、その態様として、2〜4個のヘテロ原子、3もしくは4個のヘテロ原子、1〜3個のヘテロ原子、2もしくは3個のヘテロ原子、1もしくは2個のヘテロ原子、1個のヘテロ原子、2個のヘテロ原子、3個のヘテロ原子または4個のヘテロ原子を含む複素環を包含するものである。別の例として、R
7(R
7は、「1〜5個の置換基」である)で置換されていてもよいと記載されているアリールまたはヘテロアリールは、その態様として、1〜5個の置換基、2〜5個の置換基、3〜5個の置換基、4〜5個の置換基、5個の置換基、1〜4個の置換基、2〜4個の置換基、3〜4個の置換基、4個の置換基、1〜3個の置換基、2〜3の置換基、3個の置換基、1〜2個の置換基、2個の置換基および1個の置換基で置換されたアリールまたはヘテロアリールを包含するものである。
【0074】
実施形態Bにおいて、「R
1、R
2、R
4またはR
5の1個以上は以下のように選択される」は、ただし書きに定義されているR
1、R
2、R
4もしくはR
5の1個のみ、またはそれぞれがただし書きに定義されているR
1、R
2、R
4および/もしくはR
5の複数の任意の組み合わせを含む。例えば、変数の以下の組み合わせは、実施形態Bのただし書きに定義されている通りであり得る:R
1およびR
2;R
1およびR
4;R
1およびR
5;R
2およびR
4;R
2およびR
5;R
4およびR
5;R
1、R
2およびR
4;R
1、R
2およびR
5;R
1、R
4およびR
5;R
2、R
4およびR
5;またはR
1、R
2、R
4およびR
5。
【0075】
当業者にはわかるように、本発明のある種の化合物は互変異体として存在することができる。個別に単離されるか混合物で単離されるかを問わず、これら化合物のすべての互変異体が本発明の範囲内である。例えば、−OH置換基がヘテロ芳香環上で許容され、ケト−エノール互変異性が可能である場合、その置換基は実際には、全体でまたは部分的にオキソ(=O)型で存在している可能性があることは明らかである。
【0076】
「安定な」化合物は、調製および単離が可能であり、かつ、前記化合物を本明細書に記載されている目的(例えば、被験体への治療的投与または予防的投与)に関して使用することを可能とするのに充分な期間にわたってその構造および特性が本質的に変化しないでいるかまたは本質的に変化しない状態におくことが可能な化合物である。本発明の化合物は、式Iおよびその実施形態によって包含される安定な化合物に限定される。
【0077】
式Iの化合物は1つ以上のキラル(不斉)中心を有することができる。本発明は、式Iの化合物のすべての立体異性型を包含する。式Iの化合物に存在する不斉中心は、すべて互いに独立して、(R)または(S)配置をとり得る。本発明の構造式において、キラル炭素への結合を直線で示す場合、または化合物の名称をキラル炭素について(R)もしくは(S)のキラル指定せずに示す場合、このようなキラル炭素の(R)および(S)の両方の立体配置、したがって、各エナンチオマーもしくはジアステレオマーおよびそれらの混合物が前記式内にまたは名称によって包含されることは明らかである。特定の立体異性体またはそれらの混合物の製造は実施例において確認することができ、実施例においては、このような立体異性体または混合物が得られるが、このことは、いかなる形であっても、本発明の範囲内からのすべての立体異性体およびそれらの混合物が含まれることに制限を加えるものではない。
【0078】
本発明は、2つ以上の立体異性体の可能なすべてのエナンチオマーおよびジアステレオマー、例えば、あらゆる比率でのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物を含む。したがって、エナンチオマーは、左旋性および右旋性鏡像体のいずれとしても、鏡像異性的に純粋な形態で、ラセミ体の形態で、およびあらゆる比での2種のエナンチオマーの混合物の形態において、本発明の主題である。シス/トランス異性の場合には、本発明は、シス形態およびトランス形態の両者、ならびにあらゆる比でのそれらの形態の混合物を含む。所望であれば、従来の方法による混合物の分離により、例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化により、合成のための立体化学的に均一な出発原料の使用により、または立体選択的合成により、個々の立体異性体の製造を実施することができる。立体異性体の分離の前に誘導体化を実施してもよい。立体異性体混合物の分離は、式Iの化合物の合成の際の中間段階において実施することができ、または最終ラセミ生成物において実施することができる。必要であれば、既知の立体配置の立体中心を含む試薬を使用して、結晶生成物または誘導体化した結晶性中間体のX−線結晶測定により絶対立体化学を決定してもよい。あるいは、振動円二色性(VCD)スペクトル分析によって絶対立体化学を決定することができる。本発明は、このようなすべての異性体、ならびに、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび互変異性体、およびそれらの混合物の塩、溶媒和物(水和物を含む)および溶媒化塩を含む。
【0079】
式Iの化合物における原子は、天然の同位体豊富度を示していてもよく、または1個以上の原子が同じ原子数を有するが原子質量または質量数が、天然に主に見られる原子数または質量数とは異なっている、特定の同位体に人工的に濃縮されていてもよい。本発明は、一般式Iの化合物のすべての適切な同位体型を含むことを意図する。例えば、水素(H)の様々な同位体形態は、プロチウム(
1H)および重水素(
2H)を含む。プロチウムは、天然に見られる主な水素の同位体である。重水素の濃縮は特定の治療上の利点、例えば、インビボにおける半減期の増大、必要投与量の減少をもたらし、または生体サンプルの特性決定のための標準として有用な化合物を提供し得る。一般式Iの同位体濃縮された化合物は、当業者に周知の従来の方法により、または適切な同位体濃縮された試薬および/または中間体を用い、本明細書におけるスキームおよび実施例に記載されている方法に類似する方法により、過度の実験を行わずに製造することができる。
【0080】
化合物は、薬学的に許容され得る塩の形態で投与され得る。「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的にまたは別様に望ましくないものではない(例えば、そのレシピエントにとって毒性でもなく、別様に有害でもない)塩を指す。
【0081】
式Iの化合物が1つ以上の酸性または塩基性基を含む場合、本発明は、対応する薬学的に許容され得る塩をも含む。したがって、酸性基(例えば、−COOHまたはフェノール基)を含む式Iの化合物は、例えば限定されないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩として、本発明にしたがって使用され得る。このような塩の例としては、限定されないが、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、またはアンモニウムもしくは有機アミン塩、例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミンもしくはアミノ酸との塩が挙げられる。1つ以上の塩基性基、すなわちプロトン化され得る基を含む式Iの化合物は、例えば限定されないが、塩酸、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸等との塩などの無機または有機酸との酸付加塩の形態で本発明にしたがって使用され得る。式Iの化合物が分子内に酸性および塩基性基を同時に含む場合、本発明は、言及された塩形態に加え、分子内塩またはベタイン(両性イオン)をも含む。塩は、当業者に公知の通常の方法により、例えば、溶媒または分散剤中における有機もしくは無機の酸または塩基との組み合わせにより、または他の塩からのアニオン交換またはカチオン交換により、式Iの化合物から得ることができる。本発明はまた、生理的適合性が低いために医薬での使用に直接的には適していないが、化学反応の中間体としてまたは薬学的に許容され得る塩の製造のために使用され得る式Iの化合物のすべての塩を含む。
【0082】
本発明の別の実施形態は、化合物またはその塩が実質的に純粋な形態である式Iの化合物である。本明細書で使用される「実質的に純粋」は、式Iの化合物またはその塩を含有する生成物(例えば、前記化合物またはその塩を生成する反応混合物から単離された生成物)の適切には少なくとも約60重量%、典型的には少なくとも約70重量%、好ましくは少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%(例えば、約90重量%〜約99重量%)、さらにより好ましくは少なくとも約95重量%(例えば、約95重量%〜約99重量%、または約98重量%〜100重量%)、最も好ましくは少なくとも約99重量%(例えば、100重量%)が、前記化合物またはその塩からなることを意味する。化合物および塩の純度レベルは、薄層クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィーおよび/または質量分析などの標準的な分析方法を使用して決定され得る。複数の分析方法が用いられ、それらの方法が、決定した純度レベルの実験的有意差を提供する場合、最高純度レベルを提供する方法が適用される。純度100%の化合物または塩は、標準的な分析方法によって決定した場合に、検出可能な不純物を含まないものである。1つ以上の不斉中心を有し、立体異性体の混合物として存在し得る本発明の化合物に関して、実質的に純粋な化合物は、立体異性体の実質的に純粋な混合物、または実質的に純粋な個々のジアステレオマーもしくはエナンチオマーのいずれかであり得る。
【0083】
さらに、本発明の化合物は、非晶質型および/または1つ以上の結晶型で存在することができ、式Iの化合物のこのようなすべての非晶質および結晶型、ならびにそれらの混合物が本発明の範囲に含まれるものである。さらに、本発明の一部の化合物は、水(すなわち水和物)または通常の有機溶媒との溶媒和物を形成し得る。このような溶媒和物および水和物、特に、本発明の化合物の薬学的に許容され得る溶媒和物および水和物は、溶媒和されていないおよび無水の形態のものと同様に、本発明の範囲に含まれる。
【0084】
式I(式中、R
1は、−H、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2、または前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾である)の化合物(またはその任意の実施形態およびその薬学的に許容され得る塩)は、1つ以上の機構(例えば、酵素触媒化学反応)によって、対応するヌクレオシド5’トリホスフェートに細胞内/インビボで変換され得る(すなわち、式中、R
1は、−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)
2である)と理解される。いかなる特定の理論にも縛られないが、前記ヌクレオシド5’トリホスフェートは、一般に、HIV RT酵素の阻害に、および式Iの化合物を被験体に投与した後に得られる抗ウイルス活性に関与すると理解される。
【0085】
したがって、本明細書では、本発明の化合物のプロドラッグが企図される。プロドラッグの議論は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14 of the A.C.S.Symposium SeriesおよびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに提供されている。本明細書における「プロドラッグ」という用語は、薬学的に許容され得る塩の形態であり得る化合物(例えば、薬物前駆体)であって、細胞内/インビボで変換されて、HIV逆転写酵素阻害剤である4’置換ヌクレオシド誘導体を提供するものを意味する。ヌクレオシド5’トリホスフェートは、4’置換ヌクレオシド誘導体の例である。インビボでの変換は、様々な機構、例えば酵素触媒化学反応、代謝化学反応および/または自然化学反応(例えば、加溶媒分解)によって(例えば、血中では加水分解によって)起こり得る。本発明は、細胞内/インビボでの変換によって、HIV逆転写酵素阻害剤である式Iの化合物の4’置換ヌクレオシド誘導体に変換する任意のプロドラッグを包含する。例えば、式Iの4’置換ヌクレオシド誘導体としては、限定されないが、式I(式中:
a)R
1は、−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)
2であり;
b)R
1は、−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)
2であり、R
2は、−Hであり;および/または
c)R
1は、−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)−O−P(O)(OH)
2であり、R
2は、−Hであり、R
4は、−NH
2であり、R
5は、−Hまたは−NH
2である)の化合物が挙げられる。
【0086】
式Iの化合物のプロドラッグは、前記化合物それ自体と比較して増強した溶解性、吸収および/または親油性を示し、それにより、増加したバイオアベイラビリティおよび有効性をもたらし得る。例えば、化合物がヒドロキシ基を含有する場合、プロドラッグは、ヒドロキシ基の誘導体、例えばエステル(−OC(O)R)、炭酸エステル(−OC(O)OR)、リン酸エステル(−O−P(=O)(OH)
2)、エーテル(−OR)または(対応するヌクレオシドモノホスフェートにインビボで変換され得る)モノホスフェートプロドラッグ、例えばホスホルアミデートであり得る。
【0087】
例えば、式Iの化合物がアルコール官能基を含有する場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子の1個以上を、例えば、(C
1−C
6)アルカノイルオキシメチル、1−((C
1−C
6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C
1−C
6)アルカノイルオキシ)エチル、(C
1−C
6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C
1−C
6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C
1−C
6)アルカノイル、α−アミノ(C
1−C
4)アルキル、α−アミノ(C
1−C
4)アルキレン−アリール、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(各α−アミノアシル基は独立して、天然に存在するL−アミノ酸から選択される)またはグリコシル(ヘミアセタール形態の炭水化物のヒドロキシル基の除去によって生じるラジカル)などの基で置換することによって形成され得る。
【0088】
本明細書で使用される「前記モノホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートのプロドラッグ修飾」は、限定されないが、5’−アルコール由来プロドラッグ、例えば−P(O)(−O−C
1−C
6アルキル)
2;「McGuigan」型プロドラッグとして公知の−P(O)(−NH−(α−アミノアシル基))(−O−アリール);−P(O)(−O−(C
1−C
6アルキレン)−S−アシル)(−NH−アリールアルキル);S−アシル−2−チオエチル(SATE)プロドラッグ;2個のリボースのヒドロキシル基間に架橋を形成する環状リン酸エステル、例えば
【化24】
【0089】
(式中、環状リン酸エステルは、3’−OH基と5’−OH基との間に架橋を形成する);ならびに、米国特許第7,879,815号;国際公開第2005/003047号、国際公開第2008/082602号、国際公開第2010/0081628号、国際公開第2010/075517号および国際公開第2010/075549号;Mehellou,Chem.Med.Chem.,5:1841−1842(2005);Bobeck et al,Antiviral Therapy 15:935−950(2010);Furman et al,Future Medicinal Chemistry,1:1429−1452(2009);およびErion,Microsomes and Drug Oxidations,Proceedings of the International Symposium,17th,Saratoga Springs,NY,United States,July 6−10,2008,7−12(2008)に記載されているものを含む。
【0090】
4’置換誘導体がアミン官能基を組み込んでいる場合、プロドラッグは、アミン基の水素原子を、例えば、R−カルボニル−、RO−カルボニル−、NRR’−カルボニル−(RおよびR’はそれぞれ独立して、(C
1−C
10)アルキル、(C
3−C
7)シクロアルキル、ベンジル、天然α−アミノアシル、−C(OH)C(O)OY
1(Y
1は、H、(C
1−C
6)アルキルまたはベンジルである)、−C(OY
2)Y
3(Y
2は、(C1−C
4)アルキルであり、Y
3は、(C
1−C
6)アルキルである);カルボキシ(C
1−C
6)アルキル;アミノ(C
1−C
4)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C
1−C
6)アルキルアミノアルキル;−C(Y
4)Y
5(Y
4は、Hまたはメチルであり、Y
5は、モノ−N−またはジ−N,N−(C
1−C
6)アルキルアミノモルホリノである);ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルなどである)などの基で置換することによって形成され得る。
【0091】
本発明の化合物の薬学的に許容され得るエステルとしては、以下の群が挙げられる:(1)エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分が、直鎖または分岐鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、sec−ブチルまたはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アリール(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、ハロゲン、C
1−4アルキル、−O−(C
1−4_アルキル)またはアミノで置換されていてもよいフェニル(2)スルホン酸エステル、例えばアルキル−またはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステルおよび(5)一リン酸エステル、二リン酸エステルまたは三リン酸エステル。リン酸エステルは、例えば、C
1−20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C
6−24)アシルグリセロールによってエステル化され得る。
【0092】
4’置換デオキシリボース誘導体がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸性基の水素原子を、例えば、(C
1−C8)アルキル、(C
2−C
12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、ガンマ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C
1−C
2)アルキルアミノ(C
2−C
3)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C
1−C
2)アルキル、N,N−ジ(C
1−C
2)アルキルカルバモイル−(C
1−C
2)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C
2−C
3)アルキルなどの基で置換することによって形成されるエステルを含み得る。
【0093】
他の例としては、以下のものが挙げられる:式Iの化合物がカルボン酸基を含有する場合、プロドラッグはエステルまたはアミドであり得、式Iの化合物が第1級アミノ基、または誘導体化され得る別の適切な窒素を含有する場合、プロドラッグは、アミド、カルバメート、尿素、イミンまたはマンニッヒ塩基であり得る。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製するための従来の手順は、例えば、Design of Prodrugs,edited by H.Bundgaard,Elsevier,1985;J.J.Hale et al.,J.Med.Chem.2000,vol.43,pp.1234−1241;C.S.Larsen and J.Ostergaard,「Design and application of prodrugs」in:Textbook of Drug Design and Discovery.3
rdedition,edited by C.S.Larsen,2002,pp.410−458;およびBeaumont et al,Current Drug Metabolism 2003,vol.4,pp.461−458に記載されている;これらそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
したがって、本明細書および特許請求の範囲に記載される一般的な構造式、実施形態および特定の化合物内の化合物は、特に指定がない限り、その塩、すべての可能な立体異性体および互変異性体、物理的形態(例えば、非晶質および結晶形態)、溶媒和物および水和物形態、ならびにこれらの形態の任意の組み合わせ、ならびにそれらの塩、それらのプロドラッグ形態(このような形態が可能である場合には、前記プロドラッグの立体異性体、互変異性体、溶媒和物、水和物、塩および/または物理的形態の任意の組み合わせを含む)を包含する。
【0095】
本発明はまた、HIVによる感染症の治療もしくは予防、HIV逆転写酵素の阻害、またはAIDSの治療、予防もしくはその発症の遅延を必要とする被験体におけるHIVによる感染症を治療もしくは予防するための、HIV逆転写酵素を阻害するための、またはAIDSを治療し、予防し、もしくはその発症を遅延するための方法であって、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を前記被験体に投与することを含む方法を包含する。
【0096】
本発明はまた、HIVによる感染症の治療もしくは予防、HIV逆転写酵素の阻害、またはAIDSの治療、予防もしくはその発症の遅延を必要とする被験体におけるHIVによる感染症を治療もしくは予防するための、HIV逆転写酵素を阻害するための、またはAIDSを治療し、予防し、もしくはその発症を遅延するための医薬の調製に使用するための、本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を包含する。
【0097】
本発明はまた、有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る担体とを含み、抗HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群より選択される有効量のさらなる抗HIV剤をさらに含む医薬組成物を包含する。この実施形態の範囲内では、抗HIV剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV侵入阻害剤およびHIV成熟阻害剤からなる群より選択される抗ウイルス剤である。
【0098】
式I、Ia、II、III、IVまたはVの化合物はそれぞれ、式Iに含まれる化合物のサブセットを形成する。また、式Iの化合物に言及する上記または以下の説明は、式Ia、II、III、IVもしくはVまたはそれらの各実施形態の化合物に適用される。
【0099】
本発明の他の実施形態は以下の通りである:
(a)有効量の上記に定義される式(I)の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る担体とを含む、医薬組成物。
【0100】
(b)有効量の式(I)の上記に定義される化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る担体とを組み合わせること(例えば、混合すること)によって調製される生成物を含む、医薬組成物。
【0101】
(c)HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群より選択される有効量の1つ以上の抗HIV剤をさらに含む、(a)または(b)の医薬組成物。
【0102】
(d)前記抗HIV剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV侵入阻害剤およびHIV成熟阻害剤からなる群より選択される抗ウイルス薬の1つ以上から選択される、(c)の医薬組成物。
【0103】
(e)(i)上記に定義される式(I)の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容され得る塩、および(ii)HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤および抗感染剤からなる群より選択される抗HIV剤の組み合わせであって、前記化合物および抗HIV剤が、前記組み合わせを、HIV逆転写酵素の阻害のために、HIVによる感染症の治療もしくは予防のために、またはAIDSの治療、予防もしくはその発症もしくは進行の遅延のために有効なものにする量でそれぞれ用いられる組み合わせ。
【0104】
(f)前記抗HIV剤が、HIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV侵入阻害剤およびHIV成熟阻害剤からなる群より選択される抗ウイルス薬である、(e)の組み合わせ。
【0105】
(g)HIV逆転写酵素の阻害を必要とする被験体におけるHIV逆転写酵素を阻害するための方法であって、有効量の式(I)の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容され得る塩を前記被験体に投与することを含む、方法。
【0106】
(h)HIV(例えば、HIV−1)による感染症の治療または予防を必要とする被験体におけるHIV(例えば、HIV−1)による感染症を治療または予防するための方法であって、有効量の式(I)の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容され得る塩を前記被験体に投与することを含む、方法。
【0107】
(i)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV侵入阻害剤およびHIV成熟阻害剤からなる群より選択される有効量の少なくとも1つの他の抗ウイルス薬と組み合わせて、式(I)の化合物を投与する、(h)の方法。
【0108】
(j)AIDSの予防、治療またはその発症もしくは進行の遅延を必要とする被験体におけるAIDSを予防し、治療し、またはその発症もしくは進行を遅延するための方法であって、有効量の式(I)の化合物またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容され得る塩を前記被験体に投与することを含む、方法。
【0109】
(k)HIVプロテアーゼ阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV侵入阻害剤およびHIV成熟阻害剤からなる群より選択される有効量の少なくとも1つの他の抗ウイルス薬と組み合わせて、前記化合物を投与する、(j)の方法。
【0110】
(l)HIV逆転写酵素の阻害を必要とする被験体におけるHIV逆転写酵素を阻害するための方法であって、(a)、(b)、(c)もしくは(d)の医薬組成物または(e)もしくは(f)の組み合わせを前記被験体に投与することを含む、方法。
【0111】
(m)HIV(例えば、HIV−1)による感染症の予防または治療を必要とする被験体におけるHIV(例えば、HIV−1)による感染症を予防または治療するための方法であって、(a)、(b)、(c)もしくは(d)の医薬組成物または(e)もしくは(f)の組み合わせを前記被験体に投与することを含む、方法。
【0112】
(n)AIDSの予防、治療またはその発症もしくは進行の遅延を必要とする被験体におけるAIDSを予防し、治療し、またはその発症もしくは進行を遅延するための方法であって、(a)、(b)、(c)もしくは(d)の医薬組成物または(e)もしくは(f)の組み合わせを前記被験体に投与することを含む、方法。
【0113】
本発明はまた、(a)(例えば、ヒトの身体の)治療、(b)医薬、(c)HIV逆転写酵素の阻害、(d)HIVによる感染症の治療もしくは予防、または(e)AIDSの治療、予防またはその発症もしくは進行の遅延に(i)使用するための、(ii)これらのための医薬として使用するための、または(iii)これらのための医薬の調製に使用するための、式(I)の化合物または薬学的に許容され得る塩を包含する。これらの用途では、本発明の化合物は、HIV抗ウイルス剤、抗感染剤および免疫調節剤から選択される1つ以上の抗HIV剤と組み合わせて用いられてもよい。
【0114】
本発明のさらなる実施形態は、上記(a)〜(n)に記載の医薬組成物、組み合わせおよび方法、ならびに前記段落に記載の(i)(a)〜(e)から(iii)(a)〜(e)の使用を含み、そこで用いられる本発明の化合物は、上記実施形態、態様、クラス、サブクラスまたは特徴の1つの化合物である。これらの実施形態などのすべてにおいて、前記化合物は、プロドラッグまたは薬学的に許容され得る塩またはプロドラッグの薬学的に許容され得る塩の形態で使用されてもよい。
【0115】
本発明のさらなる実施形態は、前記段落に記載の医薬組成物、組み合わせ、方法および使用のそれぞれを含み、そこで用いられる本発明の化合物またはその塩は、実質的に純粋である。式(I)の化合物またはそのプロドラッグもしくは塩および薬学的に許容され得る担体を含み、1つ以上の賦形剤を含んでいてもよい医薬組成物に関して、「実質的に純粋」という用語は、式(I)の化合物またはそのプロドラッグおよび/または塩それ自体に関するものであると理解される。
【0116】
本発明のなおさらなる実施形態は、上記(a)〜(n)に記載の医薬組成物、組み合わせおよび方法、ならびに上記(i)(a)〜(e)から(iii)(a)〜(e)に記載の使用を含み、目的のHIVは、HIV−1である。したがって、例えば、医薬組成物(d)では、式(I)の化合物は、HIV−1に対して有効な量で用いられ、抗HIV剤は、HIV−1プロテアーゼ阻害剤、HIV−1逆転写酵素阻害剤、HIV−1インテグラーゼ阻害剤、HIV−1融合阻害剤およびHIV−1侵入阻害剤からなる群より選択されるHIV−1抗ウイルス薬である。式Iの化合物はまた、HIV−2に対する有用な薬剤であり得る。
【0117】
式Iの化合物に関して、「投与」という用語およびそれの変形(例えば、化合物を「投与する」)は、治療または予防を必要としている個体に、化合物を与えることを意味し、自己投与および別の者による患者への投与の両方を含む。化合物またはそのプロドラッグが1つ以上の他の活性剤(例えば、HIV感染症またはAIDSの治療または予防に有用な抗ウイルス剤)と組み合わせて提供される場合、「投与」およびその変形は、それぞれ、本化合物もしくはプロドラッグと他の薬剤を同時にまたは異なる時点で提供することを含むものと理解される。組み合わせの薬剤が同時に投与される場合、それらは単一の組成物として一緒に投与され得るか、または個別に投与され得る。
【0118】
本明細書で使用される「組成物」という用語は、指定の成分を含む生成物、ならびに指定の成分を合わせることによって得られる任意の生成物を包含することが意図される。医薬組成物に含まれるのに適切な成分は、成分が互いに適合性であって、その投与を受ける者に有害であってはならないことを意味する、薬学的に許容され得る成分である。「薬学的に許容され得る」は、医薬組成物の成分が互いに適合していなければならず、そのレシピエントに対して有害であってはならないことを意味する。
【0119】
本明細書で使用される「被験体」という用語は、治療、観察または実験の対象となっている動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0120】
本明細書で使用される「有効量」という用語は、投与後に、HIV逆転写酵素を阻害し、HIV複製を阻害し、予防効果を発揮し、および/または治療効果を発揮するために十分な量を意味する。「有効量」の一実施形態は、患者におけるHIV逆転写酵素を阻害し、HIV複製を阻害し(これらのいずれかは、「阻害有効量」とも称され得る)、HIV感染症を治療し、AIDSを治療し、AIDSの発症を遅延し、および/またはAIDSの進行を減速するために有効な化合物の量である「治療有効量」である。「有効量」の別の実施形態は、患者におけるHIV感染症を予防し、またはAIDSを予防するために有効な化合物の量である「予防的有効量」である。有効量は、同時に、例えばHIV感染症を治療するための治療有効量、および例えばAIDSを予防し、またはAIDSの発症リスクを減少させるための予防有効量の両方であり得る。式Iの化合物を塩として投与する場合、化合物の量への言及は、遊離形態(すなわち、非塩形態)の化合物に対してである。
【0121】
本発明の方法(すなわち、HIV逆転写酵素の阻害、HIV感染症の治療もしくは予防、HIV複製の阻害、AIDSの治療もしくは予防、AIDSの発症の遅延、またはAIDSの進行の遅延もしくは減速)において、塩の形態でもよい本発明の化合物は、活性薬剤とその薬剤の作用部位とを接触させる手段によって投与され得る。それらの化合物は、個々の治療剤としてまたは治療剤の組み合わせとして、医薬と併せて使用するために利用可能な通常の手段によって投与され得る。それらの化合物は、単独で投与され得るが、典型的には選択された投与経路および標準的な医薬上の慣例に基づいて選択される医薬担体と共に投与される。例えば、本発明の化合物は、有効量の本化合物と薬学的に許容され得る通常の非毒性の担体、補助剤、およびビヒクルを含有する単位用量の医薬組成物の形態で、経口、非経口(皮下注射、静脈、筋内、胸骨内注射または注入法を含む)、吸入噴霧により、または経直腸的に投与され得、これらの投与方法はいずれも、例えば限定されないが、下記投与量範囲および量で、単回投与として、1日1回、またはそれよりも少ない頻度(例えば、週1回または月1回)で提供することができる。経口投与に適切な液体調製物(例えば、懸濁剤、シロップ、エリキシル剤など)は、当技術分野で公知の技術にしたがって調製され得、水、グリコール、油、アルコールなど通常の任意の媒質を使用することができる。経口投与に適切な固体調製物(例えば、粉剤、丸剤、カプセル剤および錠剤)は、当技術分野で公知の技術にしたがって調製され得、デンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの固体賦形剤を使用することができる。非経口組成物は、当技術分野で公知の技術にしたがって調製され得、典型的には、担体として滅菌水を用い、溶解補助剤などの他の成分を用いてもよい。注射液は、当技術分野で公知の方法にしたがって調製され得、ここで、担体は、生理食塩溶液、グルコース溶液、または生理食塩水とグルコースの混合物を含有する溶液を含む。本発明に使用する医薬組成物の調製に使用するのに適切な方法、および前記組成物に使用するのに適切な成分に関するさらなる説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,edited by A.R.Gennaro,Mack Publishing Co.,1990およびRemington−The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,published by Pharmaceutical Press and Philadelphia College of Pharmacy at University of the Sciences,2012,ISBN 978 0 8571 1−062−6 and prior editionsに記載されている。
【0122】
薬剤の過飽和および/または急速な溶解を生じる式Iによって記載される化合物の製剤を使用して、経口薬剤吸収を高めることができる。薬剤の過飽和および/または急速な溶解を生じさせるための製剤アプローチ化としては、限定されないが、ナノ粒子系、非晶質系、固溶体、固体分散体および脂質系が挙げられる。このような製剤化アプローチおよびそれらを調製するための技術は当技術分野で公知である。例えば、固体分散体は、総説(例えば、A.T.M.Serajuddin,J Pharm Sci,88:10,pp.1058−1066(1999))に記載されている賦形剤および方法を使用して調製され得る。摩擦および直接合成の両方に基づくナノ粒子系も、Wu et al(F.Kesisoglou,S.Panmai,Y.Wu,Advanced Drug Delivery Reviews,59:7 pp.631−644(2007))などの総説に記載されている。
【0123】
式Iの化合物およびその薬学的に許容され得る塩は、HIV逆転写酵素阻害剤である。化合物は、HIV逆転写酵素を阻害するために、ならびにインビトロおよびインビボでHIV複製を阻害するために有用である。より具体的には、式Iの化合物は、HIV−1逆転写酵素のポリメラーゼ機能を阻害する。下記RTポリメラーゼアッセイに記載されているアッセイにおける本発明の実施例の化合物の試験は、本発明の化合物が、HIV−1逆転写酵素のRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を阻害する能力を例証している。式Iの化合物はまた、HIV−2に対する有用な薬剤であり得る。
【0124】
式Iの化合物は、0.001〜1000mg/kg哺乳動物(例えば、ヒト)/日の投与量範囲で、または必要に応じて他の時間間隔で、単回投与でもしくは分割投与で投与され得る。投与量範囲の一例は、0.01〜500mg/kg体重/日、または必要に応じて他の時間間隔であり、経口的にまたは他の投与経路を介して、単回投与でまたは分割投与で投与される。投与量範囲の別の例は、0.1〜100mg/kg体重/日、または必要に応じて他の時間間隔であり、経口的にまたは他の投与経路を介して、単回投与でまたは分割投与で投与される。経口(例えば、錠剤またはカプセル剤)または他の投与経路では、治療すべき患者への投与量の対症的調節のために、1.0〜500ミリグラムの有効成分、特に1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400および500ミリグラムの有効成分を含有する組成物が提供され得る。任意の特定の患者のための具体的な用量レベルおよび投与頻度は変動し得、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の様式および時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、特定の症状の重症度、ならびに治療を受けているホストを含む様々な要因に依存するであろう。いくつかの場合では、化合物の効力または個々の応答に応じて、所定の用量から上方または下方に逸脱する必要があり得る。本発明の化合物は、単回投与として、1日1回、またはそれよりも少ない頻度(例えば、週1回または月1回)で、例えば限定されないが、上記投与量範囲および量で投与され得る。さらに、化合物は、即時放出または調節放出、例えば延長御放出または制御放出のために製剤化され得る。
【0125】
上述の通り、本発明はさらに、1つ以上の抗HIV剤との式Iの化合物の使用に関する。「抗HIV剤」は、HIVの阻害、HIV感染症の治療もしくは予防、および/またはAIDSの治療、予防、もしくはその発症もしくは進行の遅延に直接または間接的に有効な任意の薬剤である。抗HIV剤は、HIV感染症、またはAIDS、および/またはそれに起因する、もしくはそれに伴う疾患もしくは症状の治療、予防、またはその発症もしくは進行の遅延に有効であることが理解される。例えば、本発明の化合物は、曝露前および/または曝露後のいずれの段階であっても、HIV感染症またはAIDSの治療に有用な、HIV抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗感染薬またはワクチンから選択される有効量の1つ以上の抗HIV剤と組み合わせて有効に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせて使用するのに適切なHIV抗ウイルス剤としては、例えば、下記の表1に記載されているものが挙げられる。
【表1】
【0126】
本発明の化合物と抗HIV剤との組み合わせの範囲は、表Aに記載されているHIV抗ウイルス剤に限定されず、原則的に、AIDSの治療または予防に有用な任意の医薬組成物との任意の組み合わせが含まれることが理解される。HIV抗ウイルス剤および他の薬剤は、典型的に当技術分野で報告されている通常の用量範囲およびレジメンにしたがってこれらの組み合わせで用いられ、例えば、Physicians’Desk Reference,Thomson PDR,Thomson PDR,57th edition(2003),the 58th edition(2004)またはthe 59th edition(2005)およびthe current Physicians’Desk Reference(68th ed.).(2014),Montvale,NJ:PDR Networkに記載されている用量が含まれる。これらの組み合わせにおいて、本発明の化合物の用量範囲は、上記のものと同じであり得る。
【0127】
本発明の化合物はまた、抗ウイルス化合物のスクリーニングアッセイの準備および実施において有用である。例えば、本発明の化合物は、より強力な抗ウイルス化合物の優れたスクリーニングツールである酵素突然変異体の単離に有用である。さらに、本発明の化合物は、例えば競合的阻害によって、他の抗ウイルス剤のHIV逆転写酵素への結合部位を立証または決定するのに有用である。
【0128】
本明細書で使用される略語および頭字語としては、以下のものが挙げられる:
【表2】
【0129】
本発明の化合物は、有機化学の分野で公知の方法によって調製され得る。例えば、J.March,「Advanced Organic Chemistry」6
thEdition,John Wiley and Sonsを参照のこと。合成手順中、関係する分子のいずれかにおいて、感受性または反応性基を保護することが必要である場合、および/または望ましい場合がある。それは、T.W.Greene and P.G.M.Wutts「Protective Groups in Organic Synthesis」4th Edition,John Wiley and Sonsに記載されている従来の保護基によって達成される。その保護基は、当技術分野で周知の方法を使用して、その後の好都合な段階で除去してもよい。
【0130】
本発明の化合物は、容易に入手可能な原料、試薬および従来の合成手順を使用して、下記の反応スキームおよび実施例またはそれらの変法にしたがって容易に調製され得る。これらの反応において、詳細に記載されていないがそれ自体は当業者に公知である変形を使用することも可能である。さらに、下記の反応スキームおよび実施例を考慮して、本発明の化合物を調製するための他の方法も当業者には容易に明らかであろう。別段の断りがない限り、すべての変数は、上記に定義されている通りである。
【化25】
【0131】
ラクトール1−1を、メタノールHClを使用して1−2に変換し得る。次いで、中間体1−2のヒドロキシ基を保護し、続いて、HClガスを使用して、1’−OMeを1’−Clに変換して、1−4を得ることができる。中間体1−4を、適切な塩基の存在下で、様々な置換複素環(1−5)と反応させて、中間体1−6を得ることができる。中間体1−6の6−クロロを、適切な化学を使用してR4に変換し、続いて、ヒドロキシル基を脱保護して、中間体1−7を得ることができる。中間体1−7を差次的に保護して、1−8を得ることができる。1−8を酸化してアルデヒド1−9を得、次いで、これをホルムアルデヒドとアルドール反応させ、続いて、還元して1−10を得ることができる。ヒドロキシ基のアルファ面を選択的に酸化し、続いて、アルデヒドをアルキンに変換して、1−11を得る。最後に、3’−アルコールを脱保護して、目的の1−13を得る。
【化26】
【0132】
ラクトン2−1を、異なる複素環のアニオンで処理して、2−2型の中間体を得ることができる。中間体2−2を、シランの存在下で、酸で処理することによって2−3に変換し得る。2−3を脱保護し、続いて、3’および5’ヒドロキシルを差次的に保護して、2−5を得る。2−5を脱酸素化して2−6を得、次いで、これを脱保護し、続いて、差次的に保護して、2−8を得ることができる。末端アルコールを2−9に酸化し、続いて、ホルムアルデヒドとアルドール反応させ、還元して、2−10を得る。アルファ面アルコールを選択的に酸化してアルデヒド2−11を得、次いで、これをアセチレン2−12に変換し得る。グローバル脱保護して、2−13を得る。
【化27】
【0133】
(スキーム1の方法を使用して合成した)3−1型の中間体を、3−2型のオキシムに変換する。オキシムを脱水して化合物3−3を得、最後に、これを脱保護して、目的の3−4を得ることができる。
【化28】
【0134】
(スキーム2の方法を使用して合成した)4−1型の中間体を、4−2型のオキシムに変換する。オキシムを脱水して化合物4−3を得、最後に、これを脱保護して、目的の4−4を得ることができる。
【化29】
【0135】
(先のスキームの方法を使用して合成した)5−1型の中間体を、文献公知の方法を使用して、トリホスフェート5−2に変換し得る。
【化30】
【0136】
(先のスキームの方法を使用して合成した)6−1型の中間体を、文献公知の方法を使用して、トリホスフェート6−2に変換し得る。
【0137】
一般的な化学的手順:すべての試薬は、一般的な商業的供給業者から購入したか、または文献の手順にしたがって市販の試薬から合成した。市販の試薬は、さらに精製せずに使用した。特に断らない限り、パーセントは、組成物の成分および総重量を鑑みた重量パーセントであり、温度は、℃または周囲温度であり、圧力は、大気圧または大気圧付近である。
1H NMRスペクトルは、Varian VNMR System 400(400MHz)によって取得し、Me
4Siからのppmダウンフィールドとして報告し、プロトン数、多重度およびカップリング定数(=ヘルツ単位でアンツ)は、括弧内に示されている。LC/MSデータが提示されている場合、分析は、Agilent 6110A MSDまたはApplied Biosystems API−100質量分析計を使用して実施した。親イオンは、所与のものである。分取HPLCは、典型的には、0.075%トリフルオロ酢酸を含有する水/アセトニトリルの勾配溶出を使用して、Waters Xselect.C18カラムを取り付けたWaters分取HPLCシステムによって実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Biotage,Inc.のプレパック順相シリカ、またはFisher Scientificのバルクシリカを使用して実施した。特に断らない限り、カラムクロマトグラフィーは、石油エーテル100%から100%酢酸エチルへの石油エーテル/酢酸エチルの勾配溶出を使用して実施した。実施例における「室温」という用語は周囲温度を指し、典型的には、約20℃〜約26℃の範囲内であった。
【0138】
中間体A
(2R,3S,5R)−5−クロロ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(中間体A)
【化31】
【0139】
工程1:(2R,3S)−2−(ヒドロキシメチル)−5−メトキシテトラヒドロフラン−3−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、(4S,5R)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2,4−ジオール(7.0g、52.2mmol)の無水メタノール(105mL)撹拌溶液に、塩化アセチル(0.614g、7.83mmol)を0℃で撹拌しながら5分間かけて滴下し、得られた混合物を0℃で3時間撹拌した。次いで、固体の重炭酸ナトリウムを追加して、反応混合物を中和した。有機相をろ過によって回収し、次いで、減圧下で濃縮して、シロップとして残留物を得た。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)を用いてシリカゲル(100〜200メッシュ)クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ 4.98−5.04(m,1H),4.21−4.23(m,0.4H),4.07−4.09(m,0.6H),3.83−3.89(m,1H),3.50−3.66(m,2H),3.27−3.32(m,3H),2.23−2.29(m,0.6H),2.08−2.12(m,0.4H),1.98−2.03(m,0.4H),1.77−1.83(m,0.6H).
工程2:(2R,3S)−5−メトキシ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S)−2−(ヒドロキシメチル)−5−メトキシテトラヒドロフラン−3−オール(6.5g、43.9mmol)の無水ピリジン(45mL)撹拌溶液に、4−メチルベンゾイルクロリド(20.35g、132mmol)を0℃で15分間かけて滴下した。得られた混合物を30℃に徐々に加温し、次いで、16時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(400mL)で希釈し、次いで、それぞれ塩化水素水溶液(1mol/L、2×100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機相を回収し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/酢酸エチル(20:1)を用いてシリカゲル(100〜200メッシュ)クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ 7.90−7.99(m,4H),7.20−7.26(m,4H),5.58−5.61(m,0.47H),5.39−5.42(m,0.55H),5.18−5.24(m,1H),4.46−4.65(m,3H),3.43(s,1.61H),3.36(s,1.33H),2.52−2.60(m,1H),2.17−2.43(m,7H).
工程3:(2R,3S,5R)−5−クロロ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(中間体A)
100mL三つ口丸底フラスコ中、(2R,3S)−5−メトキシ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(4.0g、10.41mmol)の無水ジエチルエーテル(20mL)撹拌溶液に、HCl(g)を導入した。生成物を0℃で40分間かけて徐々に沈殿させた。固体をろ過し、無水ジエチルエーテル(3×20mL)で洗浄し、高真空下で2時間乾燥させて、固形物として中間体Aを得た。
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ 7.96(d,J=9.0Hz,2H),7.90(d,J=8.1Hz,2H),7.19−7.27(m,4H),6.47(d,J=5.1Hz,1H),5.54−5.58(m,1H),4.85(dd,J=3.3Hz,J=7.2Hz,1H),4.68(dd,J=3.3Hz,J=12.0Hz,1H),4.59(dd,J=4.2Hz,J=12.0Hz,1H),2.83−2.92(m,1H),2.74(d,J=15.0Hz,1H),2.42(d,J=3.6Hz,6H).
[実施例1]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(1)の合成
【化32】
【0140】
工程1:(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
250ml三つ口丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、水素化ナトリウム(60%鉱油分散液、0.272g、6.79mmol)の無水アセトニトリル(50ml)懸濁液に、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.948g、6.17mmol)を追加し、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。(2R,3S,5R)−5−クロロ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(2.4g、6.17mmol)を撹拌しながら少しずつ追加した。反応混合物を50℃に加熱し、2時間撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。反応混合物を蒸発させて油状残留物を得、これを、酢酸エチル/石油エーテル(1:6、v/v)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ 8.64(s,1H),7.98(d,J=8.1Hz,2H),7.92(d,J=8.1Hz,2H),7.43(d,J=3.6Hz,1H),7.20−7.30(m,4H),6.82(dd,J=5.7Hz,J=8.1Hz,1H),6.60(d,J=3.9Hz,1H),4.60−4.76(m,3H),2.86−2.96(m,1H),2.74−2.82(m,1H),2.43(d,J=5.4Hz,6H).LC−MS:(ES,m/z):506.43[M+H]
+.
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(2.18g、4.31mmol)を80mlスチールボンベに追加し、それを−40℃に冷却した。これに、イソプロパノールアンモニア(−40℃で飽和、60ml)を追加した。混合物を90℃で15時間撹拌した後、それを室温に冷却し、真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(4/1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ 8.04(s,1H),7.34(d,J=3.6Hz,1H),7.04(br,2H),6.58(d,J=3.6Hz,1H),6.48(dd,J=6.0Hz,J=8.0Hz,1H),5.24(d,J=3.6Hz,1H),5.16(t,J=4.2Hz,1H),4.34(d,J=2.0Hz,1H),3.82(dd,J=4.0Hz,J=6.4Hz,1H),3.48−3.58(m,2H),2.48−2.54(m,1H),2.13−2.17(m,1H).
工程3:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(950mg、3.796mmol)およびイミダゾール(775.4mg、11.388mmol)を25mL丸底フラスコに追加した。フラスコに無水DMF(8mL)を注入し、続いて、t−ブチルジメチルシリルクロリド(1716.4mg、11.388mmol)を追加した。混合物を25℃で3時間撹拌した後、それを酢酸エチル(40mL)で希釈し、それぞれ水(20mL×2)、NaHCO
3水溶液(飽和、20mL×2)およびブライン(20mL×2)で洗浄した。有機層を回収し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、酢酸エチル/石油エーテル(35%〜42%酢酸エチルの石油エーテル溶液)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ 8.32(s,1H),7.32(d,J=3.9Hz,1H),6.69(t,J=6.6Hz,1H),6.39(d,J=3.6Hz,1H),5.29(br,2H),4.56−4.61(m,1H),3.96(dd,J=3.5Hz,J=7.0Hz,1H),3.74−3.84(m,2H),2.42−2.51(m,1H),2.30−2.38(m,1H),0.92(d,J=4.2Hz,18H),0.08−0.1(m,12H).LC−MS:(ES,m/z):497.71[M+H]
+.
工程4:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(1.2g、2.506mmol)のTHF(24mL)撹拌溶液に、予め冷却したトリフルオロ酢酸/水(1/2、v/v、9mL)溶液を0℃で10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌し、次いで、25℃未満でトルエンと3回共蒸発させて、シロップを得た。粗生成物を、酢酸エチル/ジクロロメタン(1/1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ 8.03(s,1H),7.34(d,J=3.9Hz,1H),7.03(brs,2H),6.58(d,J=3.6Hz,1H),6.46(dd,J=5.7Hz,1H),5.19(t,J=5.7Hz,1H),4.51−4.53(m,1H),3.79−3.83(m,1H),3.47−3.57(m,2H),2.55−2.64(m,1H),2.10−2.17(m,1H),0.9(s,9H),0.11(s,6H).
工程5:(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
25mL丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(100mg、0.274mmol)の無水アセトニトリル(10mL)撹拌溶液に、2−ヨードキシ安息香酸(230mg、0.823mmol)を追加した。得られた混合物を0.5時間還流し、次いで、室温に冷却した。固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):363.20[M+H]
+,381.20[M+H+H
2O]
+.
工程6:((3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(100mg、0.276mmol、未精製)の1,4−ジオキサン(1mL)撹拌溶液に、ホルムアルデヒド溶液(0.3mL、4.00mmol)を追加し、続いて、水酸化ナトリウム溶液(0.3mL、0.600mmol、2M)を1分間かけて滴下した。得られた混合物を3時間25℃で撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を、酢酸の追加によって中和し、酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで順次洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下で蒸発させた。残留物を無水エタノール(2mL)に再溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(20.87mg、0.552mmol)を0℃で少しずつ追加した。25℃で1時間撹拌した後、反応混合物を、酢酸の追加によって中和し、クロロホルム(20mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(20/1)を用いて分取TLCによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ 8.03(s,1H),7.37(d,J=3.6Hz,1H),7.02(brs,2H),6.57(d,J=3.6Hz,1H),6.50(dd,J=5.7Hz,J=8.1Hz,1H),5.12(dd,J=5.1Hz,J=6.3Hz,1H),4.59−4.60(m,1H),4.38(dd,J=5.1Hz,J=6.3Hz,1H),3.46−3.61(m,4H),2.70−2.75(m,1H),2.13−2.20(m,1H),0.90(s,9H),0.09(s,6H).LC−MS:(ES,m/z):395.20[M+H]
+.
工程7:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(100mg、0.253mmol)の無水アセトニトリル(20mL)撹拌溶液に、2−ヨードキシ安息香酸(284mg、1.014mmol)を追加した。得られた混合物を30℃で36時間撹拌した。LCMSにより、最初のジオールヌクレオシドのごく一部が残っており、目的化合物が主生成物であったことが示された。混合物をろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を回収し、減圧下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):393.28[M+H]
+.
工程8:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(100mg、0.248mmol、未精製)の無水メタノール(10mL)撹拌溶液に、炭酸カリウム(68.04mg、0.492mmol)を追加した。混合物を0℃に冷却し、次いで、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(94.56mg、0.492mmol)を2分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃で一晩撹拌した後、それを減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(メタノール/ジクロロメタン=1/15)によって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ 8.24(s,1H),7.04(d,J=3.6Hz,1H),6.35(d,J=3.6Hz,1H),6.31(dd,J=5.7Hz,J=9.3Hz,1H),5.48(br,2H),4.73(d,J=4.2Hz,1H),4.03(d,J=12.6Hz,1H),3.80(d,J=12.3Hz,1H),3.13−3.23(m,1H),2.58(s,1H),2.22−2.28(m,1H),0.95(s,9H),0.15(d,J=7.2Hz,6H).
工程9:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(60mg、0.154mmol)の無水THF(2mL)撹拌溶液に、1Mフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液(0.309mL、0.309mmol)を周囲温度で1分間かけて滴下した。得られた溶液をこの温度で2時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。最初のヌクレオシドがすべて消費されたら、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(メタノール/ジクロロメタン=1/9)によって精製して未精製の表題化合物を得、これを、以下の条件:(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、X−select CSHカラム、19*150mm、5um;移動相、10mmol重炭酸アンモニウムを含む水およびアセトニトリル(5%アセトニトリルを7.5分間で20%に上昇させ、2分間で95%に上昇させる);検出器、UV254および220nmを用いて分取HPLCによって精製して、固体として化合物1を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.05(s,1H),7.31(d,J=3.6Hz,1H),7.03(brs,2H),6.58(d,J=3.6Hz,1H),6.50(t,J=6.3Hz,1H),5.40−5.49(m,2H),4.49(dd,J=6.0Hz,J=11.4Hz,1H),3.51−3.66(m,2H),3.46(s,1H),2.55−2.59(m,1H),2.28−2.39(m,1H).LC−MS:(ES,m/z):275.20[M+H]
+.
[実施例2]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(2)の合成
【化33】
【0141】
工程1:4−クロロ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
アルゴン雰囲気下で、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5g、32.6mmol)およびSELECTFLUOR(登録商標)(1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート))(17.30g、48.8mmol)を500mL丸底フラスコに入れた。これに、無水アセトニトリル(150mL)および無水酢酸(50mL)を追加した。混合物を70℃に加熱し、16時間撹拌した。室温に冷却した後、溶媒を減圧下で除去し、残留物をトルエンと共蒸発させた。未精製の固体をジクロロメタン/酢酸エチル(1:1)の混合物に溶解し、シリカゲルのパッドに通してろ過した。合わせた有機相を減圧下で蒸発させた。次いで、粗生成物を、ジクロロメタン/酢酸エチル(5:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ12.48(brs,1H),8.62(s,1H),7.71(t,J=2.6Hz,1H).F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−170.76(s,1F).LC−MS:(ES,m/z):172.00[M+H]
+.
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
アルゴン雰囲気下で、水素化ナトリウム60%鉱油分散液(0.177g、4.41mmol)の無水アセトニトリル(40mL)懸濁液を4−クロロ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.688g、4.01mmol)に少しずつ追加し、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。次いで、中間体A(1.56g、4.01mmol)を少しずつ追加した。反応混合物を50℃に加熱し、2時間撹拌した後、揮発性物質を減圧下で除去し、次いで、残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.62−8.68(m,1H),7.91−7.99(m,4H),7.26−7.29(m,4H),7.16−7.18(m,2H),6.84−6.88(m,1H),5.74−5.76(m,1H),4.60−4.74(m,3H),2.74−2.79(m,2H),2.43−2.46(m,6H).LC−MS:(ES,m/z):524.30[M+H]
+.
工程3:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
80mLスチールボンベに、(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(2.0g、3.82mmol)を追加した。媒体を−40℃に冷却した。これに、飽和アンモニア/i−PrOH(60mL)を追加した。混合物を80℃に加熱し、18時間撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(5/1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.06(s,1H),7.33(d,J=2.0Hz,1H),6.99(brs,2H),6.54(t,J=6.0Hz,1H),5.24(d,J=4.4Hz,1H),4.99(t,J=5.6Hz,1H),4.30−4.33(m,1H),3.78−3.81(m,1H),3.47−3.56(m,2H),2.37−2.44(m,1H),2.12−2.17(m,1H).F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−167.49(s,1F).
工程4:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(538mg、2.006mmol)およびイミダゾール(819mg、12.03mmol)を25mL丸底フラスコに追加した。これに、無水DMF(5mL)を追加し、続いて、tert−ブチルクロロジメチルシラン(1209mg、8.02mmol)を少しずつ追加した。得られた混合物を25℃で3時間撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。反応が完了した後、混合物を酢酸エチル(40mL)で希釈し、それぞれ水(20mL×2)、飽和NaHCO
3水溶液(20mL×2)およびブライン(20mL×2)で洗浄した。有機層を回収し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。次いで、粗生成物を、酢酸エチル/石油エーテル(28%〜41%酢酸エチルの石油エーテル溶液)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.07(s,1H),7.27(s,1H),6.99(brs,2H),6.54(t,J=6.0Hz,1H),4.49(s,1H),3.60−3.78(m,3H),2.51−2.53(m,1H),2.16−2.20(m,1H),0.88(d,J=4.2Hz,18H),0.11(s,6H),0.04(s,6H).LC−MS:(ES,m/z):497.71[M+H]
+.
工程5:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(900mg、1.812mmol)のTHF(12mL)撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸水溶液(トリフルオロ酢酸/水=1/1、v/v、6mL)を0℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。反応が完了した後、温度を25℃未満に維持しながら、得られた混合物を、真空下でトルエン(50mL×3)と共蒸発させて、揮発性物質を除去した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(52%〜58%酢酸エチルの石油エーテル溶液)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.07(s,1H),7.34(s,1H),6.99(brs,2H),6.53(t,J=6.9Hz,1H),5.04(t,J=5.6Hz,1H),4.47−4.51(m,1H),3.76−3.79(m,1H),3.44−3.57(m,2H),2.45−2.51(m,1H),2.11−2.16(m,1H),0.90(s,9H),0.11(s,6H).LC−MS:(ES,m/z):383.26[M+H]
+.
工程6:(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(360mg、0.941mmol)の無水アセトニトリル(12mL)撹拌溶液に、2−ヨードキシ安息香酸(791mg、2.82mmol)を追加した。得られた混合物を35分間還流した。反応物を室温に冷却し、固体をろ過した。ろ液を回収し、次いで、真空下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。
【0142】
工程7:((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(400mg、1.051mmol、未精製)の1,4−ジオキサン(4mL)撹拌溶液に、ホルムアルデヒド溶液(1.2mL、16.01mmol)を追加し、続いて、水酸化ナトリウム溶液(1.2mL、2M、2.400mmol)を5分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃で3時間撹拌し、次いで、反応混合物を、酢酸の追加によって中和した。得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで順次洗浄した。有機相をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で蒸発させた。残留物をエタノール(10mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(80mg、2.103mmol)を0℃で少しずつ追加した。25℃で1時間撹拌した後、反応混合物を、酢酸の追加によって中和し、次いで、クロロホルムで希釈し、水および食塩水で順次洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(30/1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.06(s,1H),7.36(s,1H),6.99(brs,2H),6.57(t,J=3.6Hz,1H),4.99(t,J=4.8Hz,1H),4.55−4.59(m,1H),4.39(t,J=5.1Hz,1H),3.45−3.55(m,4H),2.57−2.65(m,1H),2.17−2.20(m,1H),0.90(s,9H),0.09(s,6H).
工程8:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(120mg、0.291mmol)の無水アセトニトリル(8mL)撹拌溶液に、2−ヨードキシ安息香酸(326mg、1.164mmol)を追加した。得られた混合物を30℃で24時間撹拌し、次いで、ろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を回収し、減圧下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):411.43[M+H]
+.
工程9:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
アルゴン下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(110mg、0.268mmol、未精製)の無水メタノール(8mL)撹拌溶液に、炭酸カリウム(111mg、0.804mmol)を追加した。混合物を0℃に冷却し、次いで、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(154mg、0.804mmol)を1分間かけて滴下した。混合物を25℃で一晩撹拌した後、得られた混合物を真空下で濃縮し、次いで、分取TLC(メタノール/ジクロロメタン=1/15)によって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.07(s,1H),7.34(s,1H),7.03(br,2H),6.56(t,J=6.3Hz,1H),5.43(t,J=6.0Hz,1H),4.61(t,J=5.4Hz,1H),3.58−3.67(m,1H),3.49−3.53(m,1H),3.47(s,1H),2.52−2.61(m,1H),2.23−2.31(m,1H),0.91(s,9H),0.11(d,J=2.4Hz,6H).LC−MS:(ES,m/z):407.30[M+H]
+.
工程10:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(40mg、0.098mmol)の無水THF(2mL)撹拌溶液に、TBAF/THF溶液(0.118mL、0.118mmol)を室温で1分間かけて撹拌しながら滴下し、得られた溶液をこの温度で2時間撹拌した。反応が完了した後、得られた混合物を真空下で濃縮し、残留物を、分取TLC(メタノール/ジクロロメタン=1/10)によって精製して、粗生成物(28mg)を得た。粗生成物を、以下の条件:(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、X−select CSHカラム、19*150mm、5um;移動相、10mmol重炭酸アンモニウムを含む水およびアセトニトリル(5%アセトニトリルを7.5分間で35%に上昇させ、2分間で95%に上昇させる);検出器、UV254および220nmを用いて分取HPLCによってさらに精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、固体として化合物2を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.07(s,1H),7.30(d,J=1.6Hz,1H),7.02(br,2H),6.55(t,J=5.8Hz,1H),6.05(br,1H),5.31−5.45(m,1H),4.46(t,J=6.6Hz,1H),3.58(dd,J=11.8Hz,J=29.4Hz,2H),3.47(s,1H),2.44−2.51(m,1H),2.29−2.36(m,1H).F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−167.23(s,1F).LC−MS:(ES,m/z):293.10[M+H]
+,315.10[M+Na]
+.
[実施例3]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
【化34】
【0143】
工程1:5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1g、6.51mmol)を無水DCM(20mL)に懸濁し、続いて、アルゴン雰囲気下で、NBS(−ブロモスクシンイミド)(1.275g、7.16mmol)を周囲温度で追加した。混合物を加熱還流し、16時間撹拌した。最初のデアザ−ピリミジンがすべて消費されたら、混合物を周囲温度に冷却し、30分間維持した。沈殿物を、ろ過によって回収し、DCM(2×20mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):233.90[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ12.98(brs,1H),8.64(s,1H),7.96(s,1H).
工程2:4−クロロ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(232mg、0.998mmol)を無水THF(10mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下で−78℃に冷却した。これに、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(2.5M、0.88mL、2.196mmol)を撹拌しながら5分間かけて滴下した。混合物を約40分間撹拌し、続いて、ヨードメタン(212mg、1.497mmol)を追加した。次いで、この溶液を2時間かけて室温に徐々に加温した。水(2mL)を追加して、反応物をクエンチした。揮発物質を40℃未満の真空下で除去して、スラリーを得た。スラリーをEtOAc(50mL)に再溶解し、水(2×15mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を回収し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して粉末を得、これをMeOHから再結晶化して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):168.00[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ12.22(brs,1H),8.51(s,1H),7.43(s,1H),2.41(d,J=0.90Hz,1H).
工程3:(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
アルゴン雰囲気下で、水素化ナトリウム(60%油分散液、0.453g、11.32mmol)の無水ACN(50mL)撹拌懸濁液に、4−クロロ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1.724g、10.29mmol)を少しずつ追加し、混合物を25℃で30分間撹拌した。得られた透明な溶液に、中間体A(4.0g、10.29mmol)を25℃で少しずつ追加した。得られた混合物を50℃に加熱し、3時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。混合物を真空下で濃縮して固体を得、これを、酢酸エチル/石油エーテル(1:6、v/v)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):520.25[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.55(s,1H),7.90−7.99(m,4H),7.20−7.30(m,4H),7.11(s,1H),6.81(dd,J=6.0Hz,J=8.4Hz,1H),5.76(dd,J=1.5Hz,J=3.6Hz,1H),4.73−4.79(m,1H),4.54−4.64(m,2H),2.79−2.88(m,1H),2.68−2.75(m,1H),2.43(d,J=3.0Hz,6H),2.33(d,J=0.9Hz,3H).
工程4:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
150mLスチールボンベに、(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(4.5g、7.79mmol)を入れた。媒体を−40℃に冷却した。これに、2−プロパノールアンモニア(i−PrOH/液体NH
3=1/1、v/v、120mL)を追加した。ボンベを密封し、混合物を90℃に加熱し、40時間撹拌した。反応が完了したら、混合物を0℃に冷却し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(4/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):265.10[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.00(s,1H),7.08(s,1H),6.58(brs,2H),6.45(dd,J=6.0Hz,J=8.1Hz,1H),5.21(d,J=3.3Hz,1H),5.05(t,J=5.1Hz,1H),4.32−4.36(m,1H),3.78(d,J=2.1Hz,1H),3.44−3.57(m,2H),2.39−2.51(m,1H),2.33(s,3H),2.06−2.13(m,3H).
工程5:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(1.7g、6.43mmol)および1H−イミダゾール(1.752g、25.7mmol)の無水DMF(10mL)撹拌溶液に、tert−ブチルクロロジメチルシラン(2.91g、19.30mmol)を25℃で撹拌しながら追加した。得られた混合物を25℃で3時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)で希釈し、それぞれ水(2×30mL)、NaHCO
3水溶液(飽和、2×30mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。有機層を回収し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。次いで、粗生成物を、酢酸エチル/石油エーテル(28%〜41%EAのPE溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):493.30[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.24(s,1H),7.02(s,1H),6.67(dd,J=6.3Hz,J=7.2Hz,1H),5.37(br,2H),4.54−4.57(m,1H),3.94(dd,J=3.3Hz,J=6.3Hz,1H),3.72−3.82(m,2H),2.37−2.46(m,4H),2.25−2.32(m,1H),0.91(2s,18H),0.10(s,12H).
工程6:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−(tert−ブチルジメチルシリル)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−(tert−ブチルジメチルシリル)−5−((tert−ブチルジメチルシリル)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(2.5g、5.07mmol)のTHF(30mL)撹拌溶液に、予め冷却したトリフルオロ酢酸/水(1/1、v/v、15mL)溶液を0℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で3時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。内部温度を25℃未満に維持しながら、得られた溶液を、トルエン(3×100mL)と共蒸発させた。次いで、得られた粗生成物を、酢酸エチル/石油エーテル(50%〜58%EAのPE溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):493.30[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CD
3OD,ppm):δ8.18(s,1H),7.41(s,1H),6.59(dd,J=6.0Hz,J=7.8Hz,1H),4.56−4.60(m,1H),3.93(dd,J=3.9Hz,J=6.6Hz,1H),3.65−3.70(m,2H),2.45−2.54(m,1H),2.42(d,J=0.9Hz,3H),2.23−2.31(m,1H),0.91(s,9H),0.11(s,6H).
工程7:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−(tert−ブチルジメチルシリル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−(tert−ブチルジメチルシリル)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(600mg、1.585mmol)の無水ACN(12mL)撹拌懸濁液に、IBX(888mg、3.17mmol)を追加した。混合物を加熱還流し、55分間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。混合物を室温に冷却し、固体をろ過した。ろ過を回収し、次いで、真空下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):377.15[M+H]
+,409.15[M+H+MeOH]
+.
工程8:((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−(tert−ブチルジメチルシリル)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
50mL丸底フラスコ中、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−(tert−ブチルジメチルシリル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(420mg、未精製)の1,4−ジオキサン(12mL)および水(3mL)撹拌溶液に、ホルムアルデヒド水溶液(37%w/w、6mL)を追加し、続いて、水酸化ナトリウム溶液(2N、6mL、0.12mmol)を2分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃で3時間撹拌した。最初のヌクレオシド−アルデヒドがすべて消費されたら、反応混合物を、AcOH(約0.8mL)の追加によって中和した。得られた混合物をAcOEt(50mL)で希釈し、水(30mL)、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で順次洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を無水EtOH(8mL)に再溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(84.4mg、2.23mmol)を0℃で少しずつ追加した。25℃で1時間撹拌した後、反応混合物を、AcOHの追加によって中和した。混合物を真空下で濃縮し、CHCl
3(50mL)と水(30mL)との間に分けた。水層をCHCl
3(2×20mL)で再抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで順次洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(5.5%MeOHのDCM溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):409.35[M+H]
+,431.35[M+Na]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.00(s,1H),7.11(s,1H),6.56(br,2H),6.48(dd,J=6.0Hz,J=8.4Hz,1H),6.45−6.47(m,1H),5.02(t,J=5.5Hz,1H),4.58(t,J=2.7Hz,1H),4.35(dd,J=4.5Hz,J=6.3Hz,1H),3.42−3.60(m,4H),2.58−2.63(m,1H),2.34(s,3H),2.09−2.16(m,1H),0.90(s,9H),0.09(s,6H).
工程9:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(140mg、0.343mmol)を無水ACN(15mL)に懸濁し、続いて、2−ヨードキシ安息香酸(240mg、0.857mmol)を追加した。混合物を30℃で20時間撹拌した。固体をろ過し、CHCl
3(2×20mL)で洗浄した。合わせたろ液を真空下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):407.25[M+H]
+.
工程10:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(120mg、−0.236mmol、未精製)の無水MeOH(15mL)撹拌溶液に、K
2CO
3(82mg、0.590mmol)を0℃で追加し、続いて、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(91mg、0.472mmol)のMeOH(2mL)溶液を0℃で撹拌しながら2分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃に徐々に加温し、16時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(30%−50%EAのPE溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):403.25[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.01(s,1H),7.07(s,1H),6.60(br,2H),6.49(dd,J=6.0Hz,J=7.2Hz,1H),5.48(t,J=5.7Hz,1H),4.62(t,J=5.7Hz,1H),3.57−3.68(m,1H),3.48−3.52(m,1H),3.45(s,1H),2.49−2.62(m,1H),2.33(s,3H),2.21−2.31(m,1H),0.91(s,9H),0.12(d,J=6.0Hz,6H).
工程11:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(3)の合成
((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(27mg、0.067mmol)の無水THF(1mL)撹拌溶液に、テトラ−ブチルアンモニウムフルオリドTHF溶液(1.0M、0.067mL、0.067mmol)を0℃で撹拌しながら滴下した。得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。得られた溶液を真空下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件:(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、XBridge(商標)C18カラム、19*150mm、5um;移動相、10mmol重炭酸アンモニウムを含む水およびアセトニトリル(30%アセトニトリルを10分間で70%に上昇させ、2分間で95%に上昇させ、1.5分間で5%に低下させる);流速:20mL/分;検出器、UV254および220nmを用いて分取HPLCによって精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):289.05[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.00(s,1H),7.06(s,1H),6.58(br,2H),6.48(t,J=6.60Hz,1H),5.45(d,J=5.1Hz,1H),5.38(t,J=6.0Hz,1H),4.46(q,J=5.4Hz,1H),3.50−3.64(m,2H),3.44(s,1H),2.44−2.54(m,1H),2.33(s,3H),2.24−2.32(m,1H).
[実施例4]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(4)の合成
【化35】
【0144】
工程1:(2R,3S,5R)−5−(2,4−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
アルゴン雰囲気下で、水素化ナトリウム(60%鉱油分散液、0.509g、12.73mmol)の無水アセトニトリル(125mL)撹拌懸濁液に、2,4−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.176g、11.57mmol)を少しずつ追加し、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。上記透明な溶液に、中間体A(4.5g、11.57mmol)を撹拌しながらバッチ式で追加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。反応混合物を蒸発させて油状残留物を得、これを、酢酸エチル/石油エーテル(1/6、v/v)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):540.20[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ8.01(d,J=8.0Hz,2H),7.93(d,J=8.0Hz,2H),7.43(d,J=3.6Hz,1H),7.22−7.37(m,4H),6.80(dd,J=6.0Hz,J=8.0Hz,1H),6.61(d,J=4.0Hz,1H),5.76(t,J=2.8Hz,1H),4.76(dd,J=3.6Hz,J=12.0Hz,1H),4.63−4.69(m,2H),2.76−2.86(m,2H),2.47,2.45(2s,6H).
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
250mLスチールボンベに、(2R,3S,5R)−5−(2,4−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(5g、9.25mmol)を追加した。媒体を−40℃に冷却した。これに、イソプロパノールアンモニア(イソプロパノール/液体アンモニア=1/3、v/v、150mL)を追加した。媒体を密封し、90℃に加熱し、16時間撹拌した。得られた混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮した。残留物をMeOH(100mL)に再溶解し、続いて、ナトリウムメトキシドMeOH溶液(1.0M、16.89mL、16.89mmol)0℃で滴下した。得られた混合物を25℃に加温し、2時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を、酢酸(0.01mL)の追加によって中和し、真空下で濃縮した。残留物をDCM/MeOH(v/v、100/1、150mL)に懸濁した。20分間撹拌した後、固体が沈殿した。固体をろ過によって回収、DCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):285.20[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CD
3OD,ppm):δ7.31(d,J=2.8Hz,1H),6.58(d,J=2.8Hz,1H),6.45(t,J=6.8Hz,1H),4.52−4.53(m,1H),3.98−4.01(m,1H),3.81(dd,J=2.4Hz,J=12.0Hz,1H),3.73(dd,J=3.2Hz,J=12.0Hz,1H),2.63−2.70(m,1H),2.29−2.34(m,1H).
工程3:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(3.2g、6.74mmol)およびイミダゾール(1.836g、27.0mmol)の無水DMF(10mL)撹拌溶液に、TBS−Cl(3.05g、20.23mmol)を周囲温度で追加した。得られた混合物を一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×20mL)、NaHCO
3水溶液(飽和、2×20mL)およびブライン(2×20mL)で順次洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(35%〜42%EAのPE溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):513.20[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ7.32(s,1H),6.61(t,J=6.8Hz,1H),6.38(s,1H),5.44(br,2H),4.59−4.61(m,1H),3.91−3.99(m,1H),3.77−3.88(m,2H),2.44−2.51(m,1H),2.34−2.37(m,1H),0.93−0.95(m,18H),0.11−0.12(m,12H).
1H−NMR:(400MHz,CD
3OD,ppm):δ7.31(d,J=2.8Hz,1H),6.58(d,J=2.8Hz,1H),6.45(t,J=6.8Hz,1H),4.52−4.53(m,1H),3.98−4.01(m,1H),3.81(dd,J=2.4Hz,J=12.0Hz,1H),3.73(dd,J=3.2Hz,J=12.0Hz,1H),2.63−2.70(m,1H),2.29−2.34(m,1H).
工程4:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(2.3g、4.48mmol)のTHF(40mL)撹拌溶液に、予め冷却したトリフルオロ酢酸/水(v/v、1/1、20mL)を0℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。内部温度を25℃未満に維持しながら、得られた溶液をトルエン(3×60mL)と共蒸発させて、ピンク色のシロップを得た。残留物を、酢酸エチル/ジクロロメタン(1/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):399.20[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.53(br,2H),7.35(d,J=3.2Hz,1H),6.60(d,J=3.2Hz,1H),6.35(t,J=6.8Hz,1H),4.95(t,J=5.4Hz,1H),4.51−4.54(m,1H),3.73−3.79(m,1H),3.46−3.55(m,2H),2.54−2.59(m,1H),2.16−2.20(m,1H),0.90(s,9H),0.11(s,6H).
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.53(br,2H),7.35(d,J=3.2Hz,1H),6.60(d,J=3.2Hz,1H),6.35(t,J=6.8Hz,1H),4.95(t,J=5.4Hz,1H),4.51−4.54(m,1H),3.73−3.79(m,1H),3.46−3.55(m,2H),2.54−2.59(m,1H),2.16−2.20(m,1H),0.90(s,9H),0.11(s,6H).
工程5:(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(600mg、1.504mmol)の無水DMSO(3mL)およびアセトニトリル(15mL)撹拌溶液に、IBX(632mg、2.256mmol)を追加した。混合物を周囲温度で2.5時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):415.40[M+H
2O]
+.
工程6:((3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(700mg、未精製)の1,4−ジオキサン(28mL)および水(7mL)撹拌溶液に、ホルムアルデヒド溶液(7mL、93mmol)を追加し、続いて、水酸化ナトリウム(7mL、2N、14.00mmol)水溶液を5分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃で3時間撹拌した。最初のヌクレオシド−アルデヒドがすべて消費されたら、反応混合物を、酢酸(0.5mL)の追加によって中和した。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×20mL)、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で順次洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を無水EtOH(4mL)に再溶解し、アルゴン雰囲気下で、水素化ホウ素ナトリウム(133mg、3.53mmol)を0℃で少しずつ追加した。25℃で1時間撹拌した後、混合物を、酢酸(1.0mL)の追加によって中和した。混合物を真空下で濃縮した。残留物をCHCl
3(100mL)で希釈し、水(2×20mL)およびブライン(1×20mL)で順次洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(30/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):429.30[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.51(br,2H),7.38(d,J=3.9Hz,1H),6.60(d,J=3.6Hz,1H),6.40(t,J=6.9Hz,1H),4.88(t,J=5.5Hz,1H),4.62(dd,J=3.3Hz,J=5.5Hz,1H),4.39(t,J=5.7Hz,1H),3.43−3.63(m,4H),2.61−2.70(m,1H),2.21−2.29(m,1H),0.90(s,9H),0.10(s,6H).
工程7:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(150mg、0.350mmol)の無水アセトニトリル(15mL)撹拌溶液に、IBX(294mg、1.049mmol)を追加した。得られた混合物を30℃で2時間撹拌した。混合物をろ過し、CHCl
3(3×15mL)で洗浄した。ろ液を回収し、次いで、真空下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):427.30[M+H]
+.
工程8:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(200mg、0.468mmol)を無水MeOH(9mL)に溶解し、続いて、アルゴン雰囲気下で、炭酸カリウム(162mg、1.171mmol)を追加した。この懸濁液に、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(180mg、0.937mmol)のMeOH(1mL)溶液を撹拌しながら1分間かけて0℃で滴下した。得られた混合物を30℃に加温し、16時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(30mL)と水(10mL)との間に分けた。有機層を回収し、ブライン(2×10mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。次いで、残留物を、分取TLC(MeOH/DCM=1/15)によって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):423.60[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.55(br,2H),7.34(d,J=3.6Hz,1H),6.61(d,J=3.6Hz,1H),6.38(t,J=6.4Hz,1H),5.32(t,J=6.0Hz,1H),4.67(t,J=6.0Hz,1H),3.58−3.61(m,1H),3.48−3.52(m,1H),3.47(s,1H),2.60−2.63(m,1H),2.31−2.35(m,1H),0.91(s,9H),0.11(d,J=3.6Hz,6H).
工程9:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(60mg、0.142mmol)のTHF(1mL)撹拌溶液に、TBAF THF溶液(1M、0.28mL、0.284mmol)を周囲温度で撹拌しながら滴下した。得られた溶液を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。次いで、残留物を、以下の条件(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、SunFire Prep C18 OBDカラム、5um、19*150mm;移動相、(10mmol重炭酸アンモニウムを含む)水およびアセトニトリル(8%アセトニトリルを6分間で40%に上昇させ、1.5分間で95%に上昇させ、1分間で5%に低下させる);検出器、uv254および220nmを用いて分取HPLCによってさらに精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、固体として化合物4を得た。LC−MS:(ES,m/z):309.00[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.54(br,2H),7.33(d,J=4.0Hz,1H),6.60(d,J=3.6Hz,1H),6.41(t,J=6.4Hz,1H),5.52−5.53(m,1H),5.26(t,J=6.0Hz,1H),4.47−4.48(m,1H),3.61(dd,J=5.2Hz,J=11.6Hz,1H),3.53(dd,J=6.2Hz,J=11.8Hz,1H),3.48(s,1H),2.41−2.50(m,1H),2.32−2.38(m,1H)
[実施例5]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(5)の合成
【化36】
【0145】
工程1:(2R,3S,5S)−5−(5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
水素化ナトリウム(0.479g、11.98mmol)を、5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.32g、9.98mmol、実施例3の工程1に記載されているように合成したもの)のアセトニトリル(30mL)撹拌溶液に追加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、(2R,3S,5R)−5−クロロ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(4.27g、10.98mmol)を追加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、それを200mLの酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(60mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(60mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で濃縮した。残留物を、石油エーテル\酢酸エチル(1:2)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO)δ8.65(s,1H),8.22(s,1H),7.96(d,J=8.4Hz,2H),7.84(d,J=8.1Hz,2H),7.24−7.39(m,4H),6.76−6.79(m,1H),5.74−5.76(m,1H),4.51−4.68(m,3H),3.05−3.15(m,1H),2.74−2.79(m,1H),2.37(d,J=1.8Hz,6H).
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
(2R,3S,5R)−5−(5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(4.50g、7.69mmol)をNH
3飽和i−PrOH(15mL)に−60℃で追加した。得られた混合物を80℃で12時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、真空下で蒸発させて、固体として(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(4.2g、7.43mmol)を得た。この粗化合物を30mLのMeOHに溶解し、次いで、ナトリウムメタノラート(14.86mL、14.86mmol)を追加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した後、酢酸(0.1mL)でクエンチし、真空下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル\酢酸エチル(1:2)によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO)δ8.12(s,1H),7.78(s,1H),6.78(s,2H),6.48−6.51(m,1H),5.25(s,1H),5.01(s,1H),4.32(s,1H),3.81(s,1H),3.17(s,1H),2.35−2.50(m,1H),2.12−2.19(m,1H).
工程3:5−ブロモ−7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
tert−ブチルクロロジメチルシラン(1.786g、11.85mmol)を、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(1.3g、3.95mmol)、1H−イミダゾール(1.076g、15.80mmol)のDMF(8mL)撹拌溶液に追加した。得られた混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、400mLの酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(80mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:4)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO)δ8.10(s,1H),7.55(s,1H),6.79(s,2H),6.48−6.53(m,1H),4.50(s,1H),3.62−3.76(m,3H),2.43−2.50(m,1H),2.17−2.16(m,1H),0.88(d,J=2.7Hz,18H),0.10(s,6H),0.05(s,6H).
工程4:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)の合成
5−ブロモ−7−((2R,4S,5R)−4−((tertブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tertブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(1.55g、2.78mmol)をTHF(4mL)に溶解し、次いで、予め冷却したトリフルオロ酢酸/水(v/v=1/1、4mL)溶液で処理し、0℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した後、それを25℃未満のトルエンと共蒸発させて、ピンク色のシロップを得た。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、酢酸エチル/ジクロロメタン(1/1)を用いて溶出して、表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO)δ8.19(s,1H),7.74(s,1H),7.28(s,2H),6.50(q,J=6.0Hz,2H),4.51(q,J=2.7Hz,1H),3.81(s,1H),3.47−3.57(m,2H),2.49−2.58(m,1H),2.17−2.22(m,1H),0.85(s,9H),0.09(s,6H).
工程5:(2R,3S)−2−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−5−メトキシ−2−フェニルテトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
2−ヨードキシ安息香酸(839mg、3.00mmol)を、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(443mg、0.999mmol)のアセトニトリル(45mL)溶液に追加した。得られた溶液を80℃で2時間撹拌し、次いで、0℃に冷却し、ろ過し、減圧下で濃縮した。これにより表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した:MS(ES,m/z):441.08[M+H]
+.
工程6:((2S,4R)−4−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)シクロペンタン−1,1−ジイル)ジメタノールの合成
水酸化ナトリウム(4.03mL、8.07mmol)を、(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(445mg、1.008mmol)およびホルムアルデヒド(1009mg、10.08mmol)のジオキサン(6mL)撹拌溶液に追加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、150mLの酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で濃縮して、固体を得た。水素化ホウ素ナトリウム(109mg、2.88mmol)を、先の固体のエタノール(15mL)溶液に0℃で追加した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、次いで、酢酸(0.1mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル\酢酸エチル(1:2)によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにアプライして、表題化合物を得た。MS(ES,m/z):473.43[M+H]
+.
工程7:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
2−ヨードキシ安息香酸(302mg、1.077mmol)を、((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(170mg、0.359mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液に追加した。得られた溶液を12時間0℃で撹拌した後、それを0℃に冷却し、次いで、減圧下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。MS(ES,m/z):471.43[M+H]
+.
工程8:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(139mg、0.721mmol)を、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(170mg、0.361mmol)、炭酸カリウム(125mg、0.902mmol)のメタノール(8mL)溶液に0℃で追加した。得られた溶液を室温で12時間撹拌し、次いで、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗化合物を、石油エーテル\酢酸エチル(1:2)による分取TLCによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CD
3OD,ppm)δ8.00(s,1H),7.39(s,1H),6.44−6.47(m,1H),4.62−4.66(m,1H),3.61−3.71(m,2H),2.90(s,1H),2.25−2.55(m,2H),0.88(s,9H),0.57(d,J=3Hz,6H).
工程9:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(40mg、0.086mmol)およびTBAF(0.086mL、0.086mmol)をTHF(1mL)に溶解した。得られた溶液を30℃で2時間撹拌し、次いで、蒸発させ、以下の条件:カラム、XBridge C18、19*150mm、5um;移動相A:水/0.05%TFA、移動相B:ACN;流速:20mL/分;勾配:10分間で30%B〜70%B;254nmで精製した。これにより、固体として化合物5を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO,ppm)δ8.11(s,1H),7.59(s,1H),6.52(t,J=6.6Hz,1H),4.48(t,J=6.6Hz,1H),3.53−3.64(m,2H),3.44(s,1H),2.33−2.52(m,2H);MS(ES,m/z):353.17[M+H]
+.
[実施例6]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(6)の合成
【化37】
【0146】
工程1:4,5−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.5g、16.28mmol)の無水DCM(100mL)混合物に、NCS(N−クロロスクシンイミド)(4.35g、32.6mmol)を25℃で追加した。アルゴン雰囲気下で、得られた混合物を40℃で16時間撹拌した。4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが消費されたら、混合物を冷却せずに直接ろ過した。固体を回収し、DCM(20mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、固体として4,5−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得た。LC−MS:(ES,m/z):188.01[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ12.90(br,1H),8.65(s,1H),7.93(d,J=2.7Hz,1H).
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4,5−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
250mL三つ口丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、NaH(60%鉱油分散液、0.538g、13.46mmol)の無水ACN(100mL)懸濁液に、4,5−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.3g、12.23mmol)を少しずつ追加し、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。濁った混合物が透明になったら、(2R,35)−5−クロロ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル−4−メチルベンゾエート(中間体A、4.76g、12.23mmol)を撹拌しながら5分間かけて少しずつ追加した。得られた混合物を50℃に加熱し、2時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。揮発性物質を真空下で除去した。粗生成物を、10%−40%酢酸エチルの石油エーテル溶液を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):540.39[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.64(s,1H),7.91−7.99(m,4H),7.39(s,1H),7.25−7.30(m,4H),6.80(t,J=6.9Hz,1H),5.75(dd,J=3.6Hz,J=6.0Hz,1H),4.60−4.78(m,3H),2.76−2.80(m,2H),2.44(d,J=4.8Hz,6H).
工程3:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
150mLスチールボンベに、(2R,3S,5R)−5−(4,5−ジクロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(3.6g、6.66mmol)を入れた。媒体を−40℃に冷却した。これに、イソプロパノールアンモニア(イソプロパノール/液体アンモニア=1/3、v/v、120mL)を追加した。媒体を密封し、90℃に加熱し、16時間撹拌した。TLCにより、最初のヌクレオシドはすべて消費され、目的生成物が主生成物として観察されたことが示された。得られた混合物を真空下で濃縮した。粗生成物を、2%−10%メタノールのジクロロメタン溶液を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):284.70[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.09(s,1H),7.58(s,1H),6.87(br,2H),6.51(dd,J=6.3Hz,J=7.8Hz,1H),5.25(d,J=4.2Hz,1H),5.03(t,J=5.6Hz,1H),4.30−4.34(m,1H),3.81(dd,J=4.3Hz,J=6.8Hz,1H),3.46−3.60(m,2H),2.40−2.48(m,1H),2.13−2.20(m,1H).
工程4.7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(1.7g、5.97mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下で、1H−イミダゾール(1.423g、20.90mmol)およびTBDMS−Cl(2.70g、17.91mmol)を0℃で順次追加した。得られた混合物を25℃に加温し、2時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(2×100mL)で再抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO
3(2×100mL)およびブライン(2×100mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、2%−10%酢酸エチルの石油エーテル溶液を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):513.22[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.10(s,1H),7.50(s,1H),6.85(br,2H),6.51(t,J=6.8Hz,1H),4.48−4.52(m,1H),3.62−3.80(m,3H),2.55−2.60(m,1H),2.17−2.24(m,1H),0.89(s,18H),0.08(d,J=13.6Hz,12H).
工程5((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン)−2−イル)−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(2.42g、4.72mmol)のTHF(48mL)撹拌溶液に、予め冷却したトリフルオロ酢酸/水(1/1、v/v、24mL)溶液を0℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。内部温度を25℃未満に維持しながら、得られた溶液をトルエン(3×100mL)と共蒸発させた。得られた粗物質を、2%−10%メタノールのジクロロメタン溶液を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):398.96[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.28(s,1H),7.86(br,2H),7.78(s,1H),6.52(t,J=6.8Hz,1H),4.53(t,J=2.6Hz,1H),3.83(dd,J=4.5Hz,J=6.9Hz,1H),3.48−3.60(m,2H),2.50−2.58(m,1H),2.18−2.25(m,1H),0.90(s,9H),0.11(s,6H).
工程6.(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tertブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(300mg、0.752mmol)の無水ACN(30mL)撹拌溶液に、2−ヨードキシ安息香酸(632mg、2.256mmol)を追加した。混合物を85℃に加熱し、20分間撹拌した。固体をろ過した。ろ液を真空下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):396.94[M+H]
+.
工程7.((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
100mL丸底フラスコ中、(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(434mg、0.820mmol)の1,4−ジオキサン(25mL)撹拌溶液に、ホルムアルデヒド溶液(5mL)を追加し、続いて、水酸化ナトリウム溶液(2N、5mL、10.00mmol)を0℃で5分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃に加温し、3時間撹拌した。最初のヌクレオシド−アルデヒドがすべて消費されたら、反応混合物を、AcOHの追加によって中和した。混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、水(2×20mL)、飽和NaHCO
3水溶液(2×20mL)およびブライン(2×20mL)で順次洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で蒸発させた。残留物を無水EtOH(30mL)に再溶解し、アルゴン雰囲気下で、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(62.0mg、1.640mmol)を0℃で少しずつ追加した。25℃で16時間撹拌した後、反応混合物を、AcOHの追加によって中和した。混合物を真空下で濃縮した。残留物をCHCl
3(40mL)に懸濁し、水(2×15mL)およびブライン(2×15mL)で順次洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(30/1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):428.99[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.10(s,1H),7.60(s,1H),6.86(br,2H),6.54(t,J=6.9Hz,1H),5.01(t,J=5.3Hz,1H),4.59(dd,J=3.0Hz,J=5.4Hz,1H),4.40(t,J=5.6Hz,1H),3.42−3.61(m,4H),2.60−2.69(m,1H),2.18−2.25(m,1H),0.89(s,9H),0.09(s,6H).
工程8.(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(166mg、0.387mmol)を無水ACN(20mL)に溶解し、IBX(325mg、1.161mmol)を追加した。得られた混合物を30℃に加温し、20時間撹拌した。固体をろ過した。ろ液を真空下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):426.97[M+H]
+.
工程9:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(160mg、0.375mmol)の無水MeOH(8mL)撹拌溶液に、K
2CO
3(129mg、0.937mmol)を追加し、続いて、アルゴン雰囲気下で、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(144mg、0.749mmol)を0℃で撹拌しながら滴下した。得られた混合物を25℃に徐々に加温し、16時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、30%−50%酢酸エチルの石油エーテル溶液を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):422.98[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.10(s,1H),7.58(s,1H),6.90(br,2H),6.52(t,J=6.6Hz,1H),5.42−5.46(m,1H),4.64(t,J=5.7Hz,1H),3.59−3.67(m,1H),3.50−3.54(m,1H),3.48(s,1H),2.59−2.64(m,1H),2.27−2.31(m,1H),0.91(s,9H),0.12(s,6H).
工程10:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(6)の合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(64mg、0.151mmol)のTHF(3mL)撹拌溶液に、TBAF溶液(1.0M、151μl、0.151mmol)を撹拌しながら滴下した。得られた溶液を25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、DCM/MeOH(20/1〜5/1)を用いて溶出して、粗生成物を得た。粗生成物を、以下の条件:(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、SunFire Prep C18 OBD(Optimum Bed Density)カラム、5um、19*150mm;移動相、(10mmol重炭酸アンモニウム)を含む水およびアセトニトリル(10%アセトニトリルを5分間で45%に上昇させ、1.5分間で95%に上昇させ、1分間で5%に低下させる);検出器、UV254および220nmを用いて分取HPLCによってさらに精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、固体として化合物6を得た。LC−MS:(ES,m/z):308.72[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.10(s,1H),7.54(s,1H),6.88(br,2H),6.52(t,J=6.4Hz,1H),5.39−5.52(m,2H),4.48(t,J=6.6Hz,1H),3.59(dd,J=12.0Hz,J=28.8Hz,2H),3.48(s,1H),2.47−2.54(m,1H),2.31−2.37(m,1H).
中間体B
((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(中間体B)の合成
【化38】
【0147】
工程1:4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
アルゴン下で、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5g、32.6mmol)のDMF(60mL)混合物に、NIS(N−ヨードスクシンイミド)(7.33g、32.6mmol)を0℃で追加した。暗所、アルゴン雰囲気下で、得られた混合物を25℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷水に注ぎ、混合物をろ過し、固体を冷水(3×50mL)で洗浄し、25℃で乾燥させて、固体として4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得た。LC−MS:(ES,m/z):279.9[M+H]
+1.
1H−NMR:(400MHz,CD
3SOCD
3,ppm):12.96(brs,1H),8.62(s,1H),7.95(d,J=1.8Hz,1H)
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
アルゴン下で、水素化ナトリウム(0.845g、21.13mmol)および4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(5.37g、19.21mmol)のアセトニトリル(150mL)混合物に、(2R,3S,5R)−5−クロロ−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(7.47g、19.21mmol)を20℃で追加した。アルゴン雰囲気下で、得られた混合物を50℃で2時間撹拌し、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を、EA/PE(1/5)を用いて溶出するシリカゲル100〜200カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):613.9[M+H]
+1.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):8.63(s,1H),8.00(d,J=8.4Hz,2H),7.95(d,J=8.4Hz,2H),7.60(s,1H),7.32−7.25(m,4H),6.82(t,J=7.2Hz,1H),5.77(dd,J=6.4Hz,4Hz,1H),4.80−4.76(m,1H),4.71−4.62(m,2H),2.46(s,6H),1.66−1.31(m,2H)
工程3:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
(2R,3S,5R)−5−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(12g、18.99mmol)を、−50℃に冷却したアンモニア(120mL、240mmol)の2−プロパノール(30mL)撹拌混合物に追加し、混合物を90℃で48時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を、DCM/MeOH(10/1)を用いて溶出するシリカゲル100〜200カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):377.0[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CD
3SOCD
3,ppm):8.10(s,1H),7.81(s,1H),6.79(brs,2H),6.79−6.51(dd,J=8.1Hz,3Hz,1H),5.27(d,J=3.9Hz,1H),5.05(t,J=5.4Hz,1H),4.33(brs,1H),3.81(brs,1H),3.60−3.46(m,2H),2.51−2.44(m,1H),2.19−2.10(m,1H)
工程4:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
アルゴン下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(6g、15.95mmol)およびイミダゾール(4.34g、63.8mmol)のDMF(30mL)混合物に、TBS−Cl(44.7mL、44.7mmol)を0℃で追加した。アルゴン雰囲気下で、得られた混合物を23℃で2時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を水(150mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、EA/PE(3:7)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):605.3[M+H]
+1.
1H−NMR:(400MHz,CD
3SOCD
3,ppm):8.10(s,1H),7.58(s,1H),6.67(brs.2H),6.49(t,J=6.8Hz,1H),4.50(t,J=2.4Hz,1H),3.88−3.81(m,1H),3.74(dd,J=10.8Hz,5.6Hz,1H),3.65(dd,J=10.8Hz,4Hz,1H),2.50−2.49(m,1H),2.25−2.14(m,1H),0.89(s,18H),0.10−0.07(m,12H).
工程5:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(6.6g、10.92mmol)のTHF(66mL)混合物に、TFA(16mL、208mmol)水溶液(16mL)を0℃で追加した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をDCM/MeOH(10/1、150mL)に溶解し、溶液のpH値を炭酸水素ナトリウム(5.0g)で7に調整し、ろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を、40−50%EAのPE溶液を用いて溶出するシリカゲル100〜200カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):491.1[M+H]
+1.
1H−NMR:(400MHz,CD
3SOCD
3,ppm):8.14(s,1H),7.71(s,1H),6.88(brs,2H),6.47(dd,J=8.4Hz,6Hz,1H),4.51(t,J=2.4Hz,1H),3.80−3.79(m,1H),3.54−3.50(m,2H),2.57−2.53(m,1H),2.18−2.13(m,1H),0.89(s,9H),0.10(s,6H).
工程6:(2S,3S,5R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−{4−[(ジメチル−Si{4}−スルファニルイデン)アミノ]−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}オキソラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(4.682g、9.55mmol)およびDCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)(6.1g、29.6mmol)のDMSO(40mL)混合物に、ピリジン(0.850mL、10.51mmol)およびTFA(0.515mL、6.68mmol)0℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を20℃で14時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を水(150mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(120mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して、固体として未精製の表題生成物を得た。LC−MS:(ES,m/z):567.0[M+H
2O+H]
+
工程7:[(3S,5S)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−{4−[(ジメチル−Si{4}−スルファニルイデン)アミノ]−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]メタノールの混合物の合成
(2S,3S,5R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−{4−[(ジメチル−Si{4}−スルファニルイデン)アミノ]−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}オキソラン−2−カルバルデヒド(80mg、0.146mmol)およびホルムアルデヒド(0.5mL、0.146mmol)の1,4−ジオキサン(4mL)混合物に、2M水酸化ナトリウム(0.5mL、1.000mmol)を0℃で追加した。得られた混合物を20℃で4時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を酢酸(0.2mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3(30mL)で洗浄し、次いで、ブライン(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をエタノール(4mL)に溶解した。アルゴン下で、この混合物をテトラヒドロホウ酸ナトリウム(20mg、0.529mmol)に追加した。この混合物を20℃で36時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を酢酸(0.05mL)でクエンチし、CHCl
3(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3(30mL)で洗浄し、次いで、ブライン(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、DCM/MeOH(12:1)を用いて溶出するTLCによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):581.1[M+H]
+1.
1H−NMR:(300MHz,CD
3SOCD
3,ppm):8.09(s,0.6H),7.97(s,0.4H),7.69(s,0.6H),7.46(s,0.4H),6.66(brs,0.8H),6.53−6.42(m,1H),5.10(t,J=5.4Hz,0.4H),5.02(t,J=5.4Hz,0.6H),4.58(brs,1H),4.42−4.37(m,1H),3.58−3.49(m,4H),2.78(d,J=2.7Hz,3H),2.68−2.61(m,1H),2.23−2.16(m,1H),0.90(s,9H),0.10(s,6H).
工程8:((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
[(3S,5R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−5−{4−[(ジメチル−Si{4}−スルファニルイデン)アミノ]−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル}−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]メタノール(230mg、0.396mmol)のDCM(2mL)溶液に、TFA(2mL、26.0mmol)を0℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を20℃で3時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、DCM/MeOH(95:5)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):521.2[M+H]
+1.
1H−NMR:(400MHz,CD
3SOCD
3,ppm):8.12(s,1H),7.71(s,1H),7.10(brs,2H),6.43(t,J=6.8Hz,1H),4.50(dd,J=6Hz,3.2Hz,1H),3.50−3.37(m,4H),2.59−2.52(m,1H),2.17−2.11(m,1H),0.80(s,9H),0.00(s,6H).
工程9:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン下で、((3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(960mg、1.845mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液に、IBX(1550mg、5.53mmol)を18℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を18℃で18時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して、固体として粗生成物を得た。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):519.1[M+H]
+
工程10:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(中間体B)の合成
アルゴン下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(190mg、0.366mmol)およびK
2CO
3(127mg、0.916mmol)のMeOH(10mL)混合物に、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(141mg、0.733mmol)を0℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を18℃で16時間撹拌した。混合物の色が黄色から青色に変化した。反応の進行を、LCMS/TLCによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、DCM/MeOH(97:3)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):515.1[M+H]
+1.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):8.22(s,1H),7.12(s,1H),6.25(dd,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),5.84(brs,2H),4.71(dd,J=5.6Hz,2Hz,1H),4.01(d,J=12.4Hz,1H),3.80(d,J=16Hz,1H),3.17−3.10(m,1H),2.59(s,1H),2.27−2.21(m,1H),0.91(s,9H),0.11(s,6H)
[実施例7]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(7)の合成
【化39】
【0148】
アルゴン下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(中間体B、20mg、0.039mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、TBAF(0.05mL、0.050mmol)を18℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を18℃で0.5時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(7:1)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して粗生成物を得、これを、以下の条件:機器、Water−1(26);カラム:Xbridge RP18、5um、19×150mm;移動相:水(0.05%重炭酸アンモニウム+二酸化炭素)およびアセトニトリル(10%アセトニトリルを8分間で40%に上昇させ、100%を2分間維持し、2分間で10%に低下させる);検出器、UV220および254nmを用いて分取HPLCによって精製した。回収した画分を合わせ、減圧下で濃縮して、固体として化合物7を得た。LC−MS:(ES,m/z):401.0[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CD
3OD):δ8.10(s,1H),7.63(s,1H),6.68(s,2H),6.49(t,J=6.4Hz,1H),5.52(d,J=5.2Hz,1H),4.48(q,J=6.0Hz,1H),3.64−3.60(m,1H),3.57−3.52(m,1H),3.48(s,1H),2.53−2.47(m,1H),2.35−2.29(m,1H).
[実施例8]:(2R,3S,5R)−5−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(8)の合成
【化40】
【0149】
工程1:(2R,3S,5R)−5−(2−アミノ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
アルゴン下で、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(2.0g、11.86mmol)およびNaH(0.524g、13.09mmol)のアセトニトリル(60mL)混合物を室温で0.5時間撹拌した。次いで、混合物を中間体A(4.628g、11.90mmol)に追加し、室温で10分間撹拌し、次いで、50℃で2時間撹拌した。進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(92:8)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):521.1[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,DMSO−d
6):δ7.93(dd,J=8.1Hz,4H),7.68−7.21(m,5H),6.78(s,2H),6.57(q,J=5.85Hz,1H),6.39(d,J=3.9Hz,1H),5.69(d,J=5.7Hz,1H),4.63−4.43(m,3H),3.04−2.94(m,1H),2.66(dd,J=4.95Hz,1H),2.41(d,J=7.8Hz,6H),1.99(s,1H).
工程2:(2R,3S,5R)−5−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
(2R,3S,5R)−5−(2−アミノ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(1.0g、0.960mmol)およびアンモニア(50mL、0.960mmol)の2−プロパノール(5mL)混合物を100℃で20時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。反応混合物を周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(82:18)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):266.0[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,DMSO−d
6):δ6.93(d,J=3.6Hz,1H),6.76(s,2H),6.40(d,J=3.6Hz,1H),6.32(q,J=5.85Hz,1H),5.70(s,2H),5.20(d,J=3.6Hz,1H),4.29(d,J=2.4Hz,1H),3.78−3.74(m,1H),3.55−3.41(m,2H),3.16(s,1H),2.49−2.34(m,1H),2.08−2.01(m,1H).
工程3:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミンの合成
アルゴン下で、(2R,3S,5R)−5−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(1.39g、5.24mmol)およびTBDMS−Cl(2.369g、15.72mmol)のDMF(6mL)混合物に、イミダゾール(1.784g、26.2mmol)を追加した。アルゴン雰囲気下で、得られた混合物を20℃で16時間撹拌した。反応の進行を、LCMS/TLCによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(92:8)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、固体として表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):494.4[M+H]
+,
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3):δ7.58(s,2H),7.04(d,J=3.9Hz,1H),6.54(d,J=3.9Hz,1H),6.52(s,2H),6.32(dd,J=6.0Hz,1H),4.45(t,J=2.4Hz,1H),3.78(d,J=2.1Hz,1H),3.68(t,J=5.5Hz,2H),3.17(d,J=3.0Hz,1H),2.49−2.42(m,1H),2.17−2.10(m,1H),0.89(s,18H),0.10−0.09(m,12H).
工程4:N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミドの合成
アルゴン下で、7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジアミン(138mg、0.279mmol)およびDMAP(5mg、0.041mmol)のピリジン(5mL)混合物に、ベンゾイルクロリド(158mg、1.124mmol)を追加した。アルゴン下で、得られた混合物を0℃で4時間撹拌した。反応の進行を、LCMS/TLCによってモニタリングした。反応混合物を水(50mL)によってクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物を、PE/EA(2:1)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):702.3[M+H]
+,
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3):δ11.11(s,1H),10.80(s,1H),8.09(d,J=7.2Hz,2H),7.73(d,J=7.2Hz,2H),7.66−7.43(m,8H),6.62−6.54(m,2H),4.56(s,1H),3.84−3.64(m,4H),2.81−2.72(m,1H),2.26−2.22(m,1H),0.90−0.83(m,18H),0.11−0.01(m,12H).
工程5:N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミドの合成
N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミド(110mg、0.157mmol)のTHF(4mL)混合物に、TFA(0.5mL、6.49mmol)水溶液(0.5mL)を0℃で追加した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(95:5)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):588.6[M+H]
+,
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3):δ11.11(s,1H),10.81(s,1H),8.09(d,J=7.2Hz,2H),7.97(d,J=7.2Hz,2H),7.65−7.46(m,8H),6.62−6.56(m,2H),4.96(t,J=5.4Hz,1H),4.58(t,J=2.7Hz,1H),3.82−3.77(m,2H),3.56−3.51(m,2H),2.72−2.67(m,1H),2.27−2.21(m,1H),0.88(s,9H),0.09(s,6H).
工程6:N,N’−(7−((2R,4S,5S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−ホルミルテトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミドの合成
アルゴン下で、N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミド(35mg、0.060mmol)のアセトニトリル(5mL)混合物に、IBX(42mg、0.150mmol)を追加した。アルゴン下で、得られた混合物を50℃で50分間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を周囲温度に冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物をさらに精製せずに次の工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):618.3[M+CH
3OH]
+
工程7:N,N’−(7−((2R,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミドの合成
N,N’−(7−((2R,4S,5S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−ホルミルテトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミド(35mg、0.060mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液に、ホルムアルデヒド(1mL、0.060mmol)、NaOH(1mL、2.000mmol)を追加し、混合物を20℃で4時間撹拌し、0℃に冷却し、AcOHでpH6にクエンチし、水(40mL)を追加し、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をエタノール(5.00mL)に溶解し、アルゴン下で、NaBH
4(5.65mg、0.149mmol)を追加した。得られた混合物を20℃で16時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を周囲温度に冷却し、AcOHでpH6にクエンチし、水(40mL)を追加し、酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。有機層を濃縮し、CH
2Cl
2/MeOH(20:1)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、固体として表題生成物を得た。LC−MS:(ES,m/z):618.2[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ11.11(s,1H),10.80(s,1H),8.09(d,J=7.2Hz,2H),7.73(d,J=7.2Hz,2H),7.66−7.43(m,8H),6.62−6.54(m,2H),4.56(s,1H),3.84−3.64(m,4H),2.81−2.72(m,1H),2.26−2.22(m,1H),0.90−0.83(m,18H),0.11−0.01(m,12H).
工程8:N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−ホルミル−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミドの合成
アルゴン下で、N,N’−(7−((2R,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミド(30mg、0.049mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、IBX(40mg、0.143mmol)を20℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を25℃で3時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を周囲温度に冷却し、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して固体として粗生成物を得、これをさらに精製せずに次の工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):616.2[M+H]
+
工程9:N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−エチニル−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミドの合成
アルゴン下で、N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−ホルミル−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミド(70mg、0.114mmol)およびK
2CO
3(39.3mg、0.284mmol)のMeOH(5mL)混合物に、ジメチル(2−ジアゾ−3−オキソブタノイル)ホスホネート(50.0mg、0.227mmol)のMeOH(0.25mL)溶液を0℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(20:1)を用いて溶出するTLCによって精製して、表題生成物を得た。LC−MS:(ES,m/z):612.4[M+H]
+
工程10:(2R,3S,5R)−5−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(8)の合成
アルゴン下で、N,N’−(7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−エチニル−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2,4−ジイル)ジベンズアミド(40mg、0.065mmol)のMeOH(4mL)溶液に、NaOCH
3のMeOH(0.065mL、0.065M)溶液を20℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を40℃で48時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を周囲温度に冷却し、減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(20:1)を用いて溶出するTLCによって精製して、固体として粗中間体(27mg)を得、アルゴン下で、これをTHF(3mL)で希釈した。TBAF溶液(1M、0.040mL、0.04mmol)を20℃で追加した。アルゴン下で、得られた混合物を20℃で0.5時間撹拌した。反応の進行を、LCMS/TLCによってモニタリングした。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、CH
2Cl
2/MeOH(5:1)を用いて溶出するTLCによって精製して粗生成物(15mg)を得、次いで、これを、以下の条件:機器、Waters−2767−Prep;カラム:Xbridge RP18、5um、19×150mm;移動相:水(0.05%重炭酸アンモニウム(二酸化炭素))およびアセトニトリル(5%アセトニトリルを8分間で40%に上昇させる);検出器、UV220および254nmを用いて分取HPLCによって精製した。回収した画分を合わせ、減圧下で濃縮して、固体として化合物8を得た。LC−MS:(ES,m/z):618.2[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3):δ6.85(d,J=3.6Hz,1H),6.55(s,2H),6.36(d,J=4.0Hz,2H),5.56(s,2H),5.48−5.43(m,2H),4.42(q,J=5.6Hz,1H),3.61−3.49(m,2H),3.44(s,1H),2.47−2.40(m,1H),2.26−2.21(m,1H).
[実施例9]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(9)の合成
【化41】
【0150】
工程1:4−アジド−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(3.5g、20.76mmol)の無水DMSO(35mL)撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(2.025g、31.1mmol)水溶液(3.50mL)を追加した。混合物を100℃に加熱し、一晩撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。得られた混合物を周囲温度に冷却した。250gのクラッシュアイスを追加し、混合物を0℃で30分間撹拌した。沈殿物が形成した。沈殿物をろ過によって回収し、冷水で洗浄し、真空下、P
2O
5で一晩脱水し、固体として4−アジド−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミンを得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ11.91(brs,1H),7.96(brs,2H),7.13(t,J=3.0Hz,1H),6.72(dd,J=2.0Hz,J=3.2Hz,1H).LC−MS:(ES,m/z):176.00[M+H]
+.
工程2:4−アジド−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
アルゴン雰囲気下で、フッ化水素−ピリジン(70%HFの30%Py溶液)(12mL、133mmol)をテフロンボトルに入れた。これに、4−アジド−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−アミン(3.1g、17.70mmol)を追加した。混合物を、それが透明な溶液になるまで周囲温度で撹拌し、次いで、−60℃に冷却し、続いて、亜硝酸tert−ブチル(2.5mL、21.02mmol)を10分間かけて滴下した。得られた混合物を−40℃〜−60℃で2時間撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。混合物を冷NaHCO
3水溶液(150mL、飽和)に注いだ。粗生成物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、ブライン(100mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮して、残留物を得た。次いで、残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/4)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、固体として4−アジド−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ12.43(brs,1H),7.48(d,J=3.9Hz,1H),6.50(d,J=3.6Hz,1H).F−NMR:(282MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−54.57(s,1F).LC−MS:(ES,m/z):179.20[M+H]
+.
工程3:(2R,3S,5R)−5−(4−アジド−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
50mL二つ口丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、水素化ナトリウム60%鉱油分散液(0.272g、6.79mmol)の無水DMF(20mL)撹拌懸濁液に、4−アジド−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1.1g、6.18mmol)を0℃で少しずつ追加し、混合物をこの温度で5分間撹拌した。中間体A(2.4g、6.17mmol)を撹拌しながら追加した。反応混合物を25℃に加温し、2時間撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(70mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(60mL×2)で再抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×3)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ8.00(d,J=8.4Hz,2H),7.95(d,J=8.0Hz,2H),7.32−7.23(m,4H),6.74(dd,J=6.4Hz,J=8.0Hz,1H),6.49(d,J=4.0Hz,1H),5.75−5.74(m,1H),4.75−4.54(m,3H),2.85−2.74(m,2H),2.47−2.43(m,6H).F−NMR:(376MHz,CDCl
3,ppm):δ−52.26(s,1F,βisomer),−52.48(s,1F,αisomer).LC−MS:(ES,m/z):531.42[M+H]
+.
工程4:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエートの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アジド−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(2.0g、3.77mmol)のMeOH(10mL)およびDCM(15mL)混合撹拌溶液に、プロパン−1,3−ジチオール(0.816g、7.54mmol)を追加し、続いて、トリエチルアミン(0.763g、7.54mmol)を25℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。混合物を25℃で30分間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。得られた混合物を真空下で濃縮した。次いで、残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(42%EAのPE溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、粉末として表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ8.00(d,J=8.0Hz,2H),7.97(d,J=8.0Hz,2H),7.33−7.26(m,4H),7.12(d,J=4.0Hz,1H),6.72(dd,J=6.2Hz,J=8.2Hz,1H),6.38(d,J=3.6Hz,1H),5.75−5.72(m,1H),5.36(brs,2H),4.73−4.57(m,3H),2.79−2.74(m,2H),2.47(s,3H),2.44(s,3H).F−NMR:(376MHz,CDCl
3,ppm):δ−52.97(s,1F,βisomer),−53.10(s,1F,αisomer).LC−MS:(ES,m/z):505.63[M+H]
+.
工程5:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(((4−メチルベンゾイル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−3−イル4−メチルベンゾエート(1.75g、3.47mmol)の無水MeOH(10mL)撹拌溶液に、ナトリウムメトキシドMeOH溶液(1.0M、3.47mL、3.47mmol)を0℃で撹拌しながら5分間かけて注入した。得られた混合物を0℃〜10℃で4時間撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。得られた混合物を、AcOHの追加によって中和し、次いで、減圧下で濃縮した。次いで、残留物を、ジクロロメタン/メタノール(6%MeOHのDCM溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.55(brs,2H),7.31(d,J=3.6Hz,1H),6.61(d,J=3.6Hz,1H),6.34(dd,J=6.4Hz,J=8.0Hz,1H),5.26(d,J=3.6Hz,1H),4.92(t,J=5.0Hz,1H),4.32(d,J=2.4Hz,1H),3.82−3.79(m,1H),3.58−3.46(m,2H),2.48−2.41(m,1H),2.19−2.13(m,1H).F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−53.77(s,1F,βisomer),−53.98(s,1F,αisomer).LC−MS:(ES,m/z):269.20[M+H]
+.
工程6:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(850mg、3.17mmol)およびイミダゾール(863mg、12.68mmol)を50mL丸底フラスコに入れた。フラスコに、無水DMF(10mL)を注入し、続いて、TBS−Cl(1433mg、9.51mmol)を少しずつ追加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、それぞれ水(30mL×2)、NaHCO
3水溶液(飽和、30mL×2)およびブライン(30mL×2)で洗浄した。有機層を回収し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。次いで、残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(20%EAのPE溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.55(brs,2H),7.26(d,J=3.6Hz,1H),6.60(d,J=3.3Hz,1H),6.31(t,J=6.6Hz,1H),4.55−4.50(m,1H),3.80−3.61(m,4H),2.64−2.55(m,1H),2.23−2.17(m,1H),0.90−0.87(m,18H),0.11−0.06(m,12H).F−NMR:(282MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−53.64(s,1F,βisomer),−53.78(s,1F,αisomer).LC−MS:(ES,m/z):497.58[M+H]
+.
工程7:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(1.4g、2.82mmol)のTHF(24mL)撹拌溶液に、TFA水溶液(TFA/H
2O=1/1、v/v、12mL)を0℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。5時間撹拌した後、最初のジ−TBS保護ヌクレオシドがすべて消費されたら、反応混合物をトルエン(50mL×3)と共蒸発させた。残留物をMeOH/DCM(15%MeOHのDCM,溶液50mL)の混合物に再溶解した。固体のNaHCO
3(2g)を0℃で追加し、続いて、水(1mL)を追加した。得られた混合物を30分間撹拌した。pH値を7に調整した後、固体をろ過し、ろ液を回収し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(40%EAのPE溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.57(brs,2H),7.32(d,J=3.6Hz,1H),6.61(d,J=3.6Hz,1H),6.32(dd,J=6.0Hz,J=8.0Hz,1H),4.99−4.96(m,1H),4.52(t,J=2.8Hz,1H),3.79(q,J=2.4Hz,1H),3.54−3.49(m,2H),2.57−2.53(m,1H),2.19−2.13(m,1H),0.91−0.88(m,9H),0.13−0.11(m,6H).F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−53.71(s,1F,βisomer),−53.89(s,1F,αisomer).LC−MS:(ES,m/z):383.36[M+H]
+.
工程8:(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、TFA(0.051mL、0.659mmol)を、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(360mg、0.941mmol)、DCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)(602mg、2.92mmol)およびピリジン(0.084mL、1.035mmol)の無水DMSO(2mL)撹拌溶液に室温で2分間かけて注入し、混合物を一晩撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。混合物をろ過してジシクロヘキシル尿素を除去し、ろ液を酢酸エチル(30mL)およびH
2O(30mL)で分けた。有機層を回収し、ブライン(20mL×2)洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させて表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):381.20[M+H]
+,413.20[M+MeOH+H]
+.
工程9:((3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
50mL丸底フラスコ中、(2S,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(400mg、1.051mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)撹拌溶液に、ホルムアルデヒド溶液(1.2mL、16.01mmol)を追加し、続いて、水酸化ナトリウム溶液(1.2mL、2.400mmol)を2分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃で7時間撹拌した。最初のヌクレオシドがすべて消費されたら、反応混合物を、AcOHの追加によって中和した。得られた混合物をAcOEt(100mL)で希釈し、水(2×40mL)、飽和NaHCO
3水溶液(2×40mL)およびブライン(50mL)で順次洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で蒸発させた。残留物をEtOH(3mL)に再溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(199mg、5.26mmol)を0℃で少しずつ追加した。25℃で5時間撹拌した後、反応混合物を、AcOHの追加によって中和した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物をCHCl
3(100mL)と水(50mL)との間に分けた。有機層を水およびブラインで順次洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(30/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.55(brs,2H),7.34(d,J=3.6Hz,1H),6.60(d,J=3.6Hz,1H),6.35(t,J=7.0Hz,1H),4.90(t,J=3.6Hz,1H),4.60(q,J=2.8Hz,1H),4.41(t,J=3.6Hz,1H),3.60−3.43(m,4H),2.69−2.62(m,1H),2.23−2.17(m,1H),0.92(s,9H),0.09(s,6H).F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−53.80(s,1F,βisomer).LC−MS:(ES,m/z):413.32[M+H]
+,435.34[M+Na]
+.
工程10:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
50mL丸底フラスコ中、アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(180mg、0.436mmol)の無水アセトニトリル(15mL)および無水DMSO(1.5mL)撹拌溶液に、IBX(367mg、1.309mmol)を追加した。得られた混合物を20℃で8時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を回収し、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(40mL)に再溶解し、水(3×15mL)およびブライン(2×20mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ9.65(s,1H),7.60(d,J=3.6Hz,1H),6.43(dd,J=5.6Hz,J=9.6Hz,1H),6.39(d,J=3.6Hz,1H),5.56−5.43(m,3H),4.96(d,J=4.8Hz,1H),4.08(d,J=11.2Hz,1H),3.81(d,J=12.8Hz,1H),3.27−3.19(m,1H),2.25(dd,J=5.4Hz,J=13.0Hz,1H),0.91(s,9H),0.11(d,J=5.2Hz,6H).
F−NMR:(376MHz,CDCl
3,ppm):δ−53.14(s,1F).LC−MS:(ES,m/z):411.21[M+H]
+.
工程11:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(190mg、0.463mmol)の無水MeOH(8mL)撹拌溶液に、炭酸カリウム(160mg、1.157mmol)を追加した。混合物を0℃に冷却し、次いで、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(178mg、0.926mmol)を1分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃に加温し、一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、メタノール/ジクロロメタン(4.8%MeOHのDCM)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ6.99(d,J=3.6Hz,1H),6.35(d,J=3.6Hz,1H),6.28(dd,J=6.0Hz,J=8.8Hz,1H),5.45−5.33(m,3H),4.76(q,J=2.8Hz,1H),4.03(dd,J=2.0Hz,J=12.4Hz,1H),8.16−3.79(m,1H),3.12−3.06(m,1H),2.70(s,1H),2.33−2.27(m,1H),0.94(s,9H),0.16(d,J=8.0Hz,6H).F−NMR:(376MHz,CDCl
3,ppm):δ−53.26(s,1F).LC−MS:(ES,m/z):407.30[M+H]
+.
工程12:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(9)の合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(15mg、0.037mmol)の無水THF(1mL)撹拌溶液に、TBAF THF溶液(0.037mL、0.037mmol)を周囲温度で撹拌しながら1分間かけて滴下した。媒体を周囲温度で2時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。最初のヌクレオシドがすべて消費されたら、混合物を真空下で濃縮し、次いで、残留物を、分取TLC(MeOH/DCM=1/15)によって精製して、粗生成物(10mg)を得た。粗生成物を、以下の条件:(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、X−Bridge C18カラム、19*150mm、5um;移動相、10mmol重炭酸アンモニウムを含む水およびアセトニトリル(5%アセトニトリルを5分間で30%に上昇させ、2分間で95%に上昇させる);検出器、UV254&220nmを用いて分取HPLCによってさらに精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、化合物9を得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.57(brs,2H),7.28(d,J=3.6Hz,1H),6.61(d,J=3.6Hz,1H),6.35(t,J=6.4Hz,1H),5.51(d,J=5.6Hz,1H),5.27(t,J=6.0Hz,1H),4.48(dd,J=6.4Hz,J=12.0Hz,1H),3.61(dd,J=5.6Hz,J=11.6Hz,1H),3.53(dd,J=6.4Hz,J=12.0Hz,1H),3.48(s,1H),2.50−2.46(m,1H),2.37−2.31(m,1H).F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−53.67(s,1F).LC−MS:(ES,m/z):293.15[M+H]
+,315.15[M+Na]
+.
[実施例10]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(10)の合成
【化42】
【0151】
工程1:5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドオキシムの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(実施例1、中間体C、50mg、0.127mmol、1.0当量)の無水ピリジン(2.5mL)撹拌溶液に、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(26.6mg、0.382mmol、3.0当量)を追加した。得られた混合物を30℃で2時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物を真空下で濃縮し、次いで、酢酸エチル(50mL)に溶解し、水(2×30mL)およびブライン(35mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=10/1)によって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):408.20[M+H]
+.
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルの合成
アルゴン雰囲気下で、5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドオキシム(40mg、0.098mmol)およびトリエチルアミン(105mg、1.038mmol)の無水DCM(5mL)撹拌混合物に、2,2,2−トリフルオロ無水酢酸(110mg、0.524mmol)を20℃で撹拌しながら滴下した。得られた混合物を20℃で20時間撹拌した。反応の進行を、LCMSによってモニタリングした。反応混合物をDCM(30mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(25mL)およびブライン(25mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=10/1)によって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:(ES,m/z):390.11[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CD3OD,ppm):δ8.10(s,1H),7.30(d,J=3.6Hz,1H),6.68(t,J=6.9Hz,1H),6.64(d,J=3.6Hz,1H),4.90(t,J=6.3Hz,1H),3.85(dd,J=12.0Hz,J=21.6Hz,2H),2.85−2.94(m,1H),2.42−2.49(m,1H),1.02(s,9H),0.26(d,J=9.0Hz,6H).
工程3:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(10)の合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(35mg、0.090mmol)の無水THF(5mL)撹拌溶液に、TBAF THF溶液(1.0M、0.108mL、0.108mmol)を15℃で撹拌しながら滴下した。得られた混合物を15℃で0.5時間撹拌した。反応の進行を、LCMSおよびTLCによってモニタリングした。反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=10/1)によって精製して、シロップを得た。粗生成物を、以下の条件:(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、SunFire C18逆相カラム、19*150mm、5um;移動相、10mmol重炭酸アンモニウムを含む水およびアセトニトリル(5%アセトニトリルを7.5分間で20%に上昇させ、2分間で95%に上昇させ、1分間で5%に低下させる);検出器、uv254および220nmを用いて分取HPLCによってさらに精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、固体として化合物10を得た。LC−MS:(ES,m/z):276.10[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.07(s,1H),7.34(d,J=3.6Hz,1H),7.33(br,2H),7.08(s,1H),6.64(t,J=7.0Hz,1H),6.61(d,J=3.6Hz,1H),6.27(d,J=4.8Hz,1H),5.82(t,J=6.0Hz,1H),4.61(dd,J=4.8Hz,J=10.0Hz,1H),3.75(dd,J=5.6Hz,J=12.0Hz,1H),3.62(dd,J=6.0Hz,J=11.6Hz,1H),2.74−2.81(m,1H),2.33−2.38(m,1H).
[実施例11]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(11)の合成
【化43】
【0152】
工程1:4−(メチルチオ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンの合成
4−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンの合成は、国際公開第2011/150356号、2011年に記載されている。500−mL丸底フラスコに、4−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(17g、110.70mmol)および(メチルスルファニル)ナトリウム(15g、214.01mmol.のテトラヒドロフラン(300mL)溶液を入れた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。固体をろ過した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を用いるシリカゲルカラムにアプライした。これにより、表題化合物を得た。LC−MS(ES,m/z):166[M+H]
+
工程2:(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−2−(4−(メチルチオ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)テトラヒドロフラン−2−オール
アルゴン雰囲気下で、4−(メチルチオ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(1.650g、9.99mmol)のTHF(30mL)溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(7.5mL、15.00mmol)を−78℃で追加し、得られた混合物を−78℃で30分間撹拌した。その後、アルゴン雰囲気下で、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(4.18g、9.99mmol)のTHF(10mL)溶液を−78℃で追加し、−78〜−50℃で120分間撹拌した。反応を、塩化アンモニウム(水溶液、10mL)の追加によってクエンチし、次いで、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を(3×50mL)ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(1:5)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:584.2[M+H]
+
工程3:7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−4−(メチルチオ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンの合成
アルゴン雰囲気下で、3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−2−(4−(メチルチオ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)テトラヒドロフラン−2−オール(3.00g、5.14mmol)のDCM(30mL)溶液に、トリエチルシラン(2.390g、20.56mmol)およびトリフルオロボラン(0.697g、10.28mmol)を0℃で追加した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌し、次いで、重炭酸ナトリウム(水溶液、20mL)の追加によってクエンチし、DCM(200mL)によって抽出した。有機層を3×50mLブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を用いて溶出し、表題化合物を得た。LC−MS:568.4[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.21(s,1H),7.23−7.36(m,15H),6.81(d,J=4.5Hz,1H),6.70(d,J=4.5Hz,1H),5.69(d,J=4.2Hz,1H),4.37−4.62(m,7H),4.22−4.26(m,1H),4.10−4.13(m,1H),3.66−3.67(m,1H),3.62−3.63(m,1H),2.75(s,3H).
工程4:7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの合成
密封チューブ中、7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−4−(メチルチオ)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(4.6g、8.10mmol)の2−プロパノール(5mL)溶液に、アンモニア(1350mg、79mmol)を−400℃で60分間かけて流した。得られた混合物を80℃で16時間撹拌した後、それを蒸発させて、表題化合物を得た。LC−MS:537.3[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,DMSO,ppm):δ7.80(s,1H),7.69(s,2H),7.24−7.36(m,15H),6.88(d,J=4.5Hz,1H),6.80(d,J=4.2Hz,1H),5.44(d,J=5.4Hz,1H),4.49−4.62(m,6H),4.31(t,J=5.1Hz,1H),4.15−4.18(m,1H),4.09−4.12(m,1H),3.29−3.67(m,2H).
工程5:(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールの合成
水素下で、7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(100mg、0.186mmol)の酢酸(2mL)溶液に、Pd(OH)
2(10mol%)/C(100mg、0.130mmol)を25℃で4時間かけて追加した。混合物をセライトパッドに通してろ過し、ろ液を蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、MeOH/DCM(1:8)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:267.2[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,DMSO,ppm):δ7.79(s,1H),7.77(s,2H),6.84(d,J=4.2Hz,1H),6.68(d,J=4.2Hz,1H),5.10(d,J=6.6Hz,1H),4.95(d,J=6.6Hz,1H),4.84(d,J=4.8Hz,1H),4.76(t,J=5.4Hz,1H),4.20−4.25(m,1H),3.94(d,J=4.8Hz,1H),3.78(d,J=4.2Hz,1H),3.41−3.64(m,2H).
工程6:(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オールの合成
アルゴン下で、(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(790mg、2.97mmol)および1H−イミダゾール(606mg、8.90mmol)をDMF(20mL)に溶解した。1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン(936mg、2.97mmol)を0℃で滴下した。アルゴン下で、得られた混合物を25℃で5時間撹拌した後、水(10mL)を追加し、得られた混合物を酢酸エチル(400mL)で希釈した。有機相を(3×60mL)の水および60mLのブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルにアプライし、MeOH/DCM(1:20)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:509.3[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.81(s,1H),7.70(s,2H),6.82(d,J=4.8Hz,1H),6.61(d,J=4.4Hz,1H),5.20(d,J=4.8Hz,1H),5.16(d,J=1.6Hz,1H),4.31−4.35(m,1H),4.12−4.15(m,1H),4.00−4.03(m,1H),3.88−3.91(m,1H),0.96−1.05(m,28H)
工程7:O−((6aR,8S,9S,9aR)−8−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−イル)O−フェニルカルボノチオエートの合成
アルゴン下で、(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オール(210mg、0.413mmol)およびN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(202mg、1.651mmol)をDCM(10mL)に溶解した。O−フェニルカルボノクロリドチオエート(143mg、0.826mmol)を0℃で滴下した。アルゴン下で、反応物を25℃で2時間撹拌した後、得られた混合物をDCM(100mL)で希釈し、次いで、3×30mLの水および30mLのブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(3:1)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:645.2[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.83(s,2H),7.79(s,1H),7.48(t,J=8.0Hz,2H),7.33(t,J=7.2Hz,1H),7.14(d,J=7.6Hz,2H),6.80(d,J=4.4Hz,1H),6.71(d,J=4.4Hz,1H),6.16(dd,J=2.4Hz,J=5.6Hz,1H),5.46(d,J=2.0Hz,1H),4.90(dd,J=5.6Hz,J=8.8Hz,1H),3.95−4.06(m,2H),3.85−3.87(m,1H),0.96−1.06(m,28H).
工程8:7−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの合成
アルゴン下で、O−((6aR,8S,9S,9aR)−8−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−イル)O−フェニルカルボノチオエート(1.45g、2.248mmol)、AIBN(0.738g、4.50mmol)およびトリブチルスタンナン(3.93g、13.49mmol)をトルエン(20mL)に溶解した。アルゴン下で、反応物を80℃で3時間撹拌した後、得られた溶液を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(2.5:1)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:493.4[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.81(s,1H),7.79(s,2H),6.81(d,J=4.4Hz,1H),6.60(d,J=4.4Hz,1H),5.46(t,1H),4.58−4.62(m,1H),3.90−4.00(m,1H),3.75−3.80(m,2H),2.20−2.30(m,1H),2.30−2.40(m,1H),0.98−1.06(m,28H).
工程9:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
アルゴン下で、7−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(1.0g、2.029mmol)をTHF(10mL)に溶解した。TBAF(0.531g、2.029mmol)を反応溶液に20℃で滴下した。アルゴン下で、得られた溶液を20℃で2時間撹拌した後、それを真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、DCM/MeOH(20:1)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:251.2[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.83(s,1H),7.81(s,2H),6.84(d,J=4.8Hz,1H),6.82(d,J=4.4Hz,1H),5.47−5.51(m,1H),5.06(d,J=4.0Hz,1H),4.73(t,J=6.0Hz,1H),4.22(m,1H),3.74−3.78(m,1H),3.32−3.45(m,2H),2.16−2.20(m,1H),2.09−2.14(m,1H).
工程10:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの合成
アルゴン下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(300mg、1.199mmol)、1H−イミダゾール(490mg、7.19mmol)およびtert−ブチルクロロジメチルシラン(723mg、4.80mmol)をDMF(4.0mL)に溶解した。アルゴン下で、反応混合物を20℃で5時間撹拌した後、得られた混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、(3×30mL)の水および30mLのブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(2:1)を用いて溶出し、表題化合物を得た。LC−MS:479.3[M+H]
+,
1H−NMR:(300MHz,DMSO,ppm):δ7.82(s,1H),7.75(s,2H),6.82(d,J=4.5Hz,1H),6.61(d,J=4.5Hz,1H),5.48−5.53(m,1H),4.42(m,1H),3.78(m,1H),3.48−3.62(m,2H),2.22−2.27(m,1H),2.04−2.10(m,1H),0.78−0.89(m,18H),0.00−0.10(m,12H)
工程11:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(500mg、1.044mmol)をTHF(8.0mL)、H
2O(2.0mL)およびTFA(2.0mL)に溶解し、0℃で4時間撹拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウムでpH7に調整し、次いで、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、(3×20mL)の水および20mLのブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、酢酸エチル/石油エーテル(2:1)で溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:365.3[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.82(s,1H),7.68(s,2H),6.82(d,J=4.4Hz,1H),6.65(d,J=4.4Hz,1H),5.46−5.50(m,1H),4.80(t,J=5.6Hz,1H),4.42(d,J=4.2Hz,1H),3.74−3.78(m,1H),3.32−3.44(m,2H),2.24−2.28(m,1H),2.02−2.06(m,1H),0.85−0.90(m,9H),0.00−0.10(m,6H).
工程12:(2S,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(270mg、0.741mmol)およびIBX(270mg、0.963mmol)をアセトニトリル(20.0mL)に溶解した。アルゴン下で、反応混合物を80℃で1時間撹拌した後、固体をろ過し、ろ液を真空下で濃縮して表題化合物を得、これを次の工程に直接使用した。LC−MS:363.2[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ9.59(s,1H),7.84(s,1H),7.73(s,2H),6.86(d,J=4.4Hz,1H),6.64(d,J=4.4Hz,1H),5.67−5.71(m,1H),4.71(d,J=4.4Hz,1H),4.25(s,1H),2.25−2.32(m,1H),2.12−2.17(m,2H),0.84−0.91(m,9H),0.00−0.13(m,6H).
工程13:((3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
(2S,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(200mg、0.552mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)に20℃で溶解した。次いで、ホルムアルデヒド(2.0mL、0.552mmol)および水酸化ナトリウム(2.0mL、4.00mmol)を追加した。得られた混合物を20℃で4時間撹拌した後、それを酢酸でpH7に調整した。混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、次いで、3×30mLの水および30mLのブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物を0℃でエタノール(10mL)に溶解し、次いで、NaBH
4(41.7mg、1.103mmol)を0℃で追加した。得られた混合物を20℃で16時間撹拌した後、それを酢酸でpH=7に調整し、混合物を酢酸エチル(150mL)で抽出し、次いで、(3×30mL)の水および30mLのブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、DCM/MeOH(10:1)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:395.2[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.82(s,1H),7.70(s,2H),6.82(d,J=4.4Hz,1H),6.66(d,J=4.4Hz,1H),5.50−5.60(m,1H),4.68(t,1H),4.52(d,J=4.4Hz,1H),4.22(t,1H),3.53−3.60(m,2H),2.35−2.45(m,1H),2.00−2.10(m,1H),0.90(s,9H),0.08−0.09(m,6H).
工程14:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン下で、((3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(90mg、0.228mmol)およびIBX(256mg、0.912mmol)をアセトニトリル(15.0mL)に溶解した。アルゴン下で、反応混合物を30℃で48時間撹拌した後、固体をろ過した。ろ液を真空下で濃縮して表題化合物を得、これを次の工程に直接使用した。
【0153】
工程15:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
アルゴン下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(80mg、0.204mmol)およびK
2CO
3(85mg、0.611mmol)をメタノール(10mL)に溶解した。ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(78mg、0.408mmol)を反応混合物に0℃で滴下した。アルゴン下で、反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、それをろ過し、真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムにアプライし、DCM/MeOH(10:1)を用いて溶出して、表題化合物を得た。LC−MS:389.3[M+H]
+
工程16:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(11)の合成
アルゴン下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(50mg、0.129mmol)およびTBAF(33.6mg、0.129mmol)をTHF(5.0mL)に溶解した。アルゴン下で、得られた溶液を25℃で2時間撹拌した後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を、以下の条件(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、XBridge Prep C18カラム、19*150mm;移動相、水(10mmoL/L NH
4HCO
3)およびアセトニトリル(5.0%アセトニトリルを8分間で25.0%に上昇させ、1.5分間で95.0%に上昇させ、1.5分間で5.0%に低下させる);検出器、UV254および220nm)を用いて分取HPLCによって精製して、固体として表題化合物を得た。LC−MS:275.1[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.82(s,1H),7.69(s,2H),6.82(d,J=4.4Hz,1H),6.69(d,J=4.0Hz,1H),5.60(t,J=7.6Hz,1H),5.28(d,J=4.2Hz,1H),5.06(d,J=6.8Hz,J=6.0Hz,1H),4.30−4.34(m,1H),3.45−3.56(m,2H),3.38(s,1H),2.30−2.37(m,1H),2.17−2.13(m,1H).
[実施例12]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(12)の合成
【化44】
【0154】
工程1:5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドオキシムの合成
アルゴン下で、中間体D(実施例11を参照のこと)(70mg、0.178mmol)のピリジン(5mL)混合物に、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(37.17mg、0.543mmol)を25℃で追加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(3×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して表題化合物を得、これを精製せずに使用した。LC−MS:408.2[M+H]
+
工程2:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルの合成
アルゴン下で、5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドオキシム(70mg、0.172mmol)のDCM(15mL)混合物に、Et
3N(69.5mg、0.687mmol)および2,2,2−トリフルオロ無水酢酸(72.2mg、0.344mmol)を25℃で追加した。得られた混合物を25℃で16時間撹拌し、次いで、反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(15:1)を用いて溶出するシリカゲルカラムによって精製して、表題化合物を得た。LC−MS:309.2[M+H]
+.
工程3:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(12)の合成
アルゴン下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルボニトリル(50mg、0.128mmol)のTHF(10mL)混合物に、TBAF(33.6mg、0.128mmol)を25℃で追加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件:機器、(1#−Pre−HPLC−011(waters);カラム:Xbridge C18、5um、19×150mm;移動相:水(0.05%NH
4HCO
3)およびACN(5.0%ACNを10分間で40%に上昇させ、95%を2分間維持し、2分間で5%に低下させる);検出器、UV220および254nmを用いて分取HPLCによって精製した。回収した画分を合わせ、減圧下で濃縮して、固体として化合物12を得た。LC−MS:276.0[M+H]
+,
1H−NMR:(400MHz,DMSO,ppm):δ7.86(s,1H),7.74−7.84(s,2H),6.88(d,J=4.4Hz,1H),6.84(d,J=4.4Hz,1H),6.10(d,J=4.4Hz,1H),5.72−5.79(m,1H),5.62−5.63(m,1H),4.44−4.61(s,1H),3.53−3.62(m,2H),2.42−2.49(m,1H),2.19−2.24(m,1H).
[実施例13]:アンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロホスフェート(13)
【化45】
【0155】
工程1:2−((4,4,6,6−テトラオキシド−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン−2−イル)オキシ)ベンゾエート(中間体E)
アルゴン雰囲気下のグローブボックス中、無水トリブチルアミン(0.4mL、1.679mmol)を、0.4mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解したトリブチルアンモニウムピロホスフェート(112mg、0.205mmol)を含有するフラスコに追加して、透明な溶液を得た。次いで、透明な溶液を、激しく撹拌しながら、無水2−クロロ−4H−ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサホスフィニン−4−オン(27.6mg、0.136mmol)のジメチルホルムアミド(0.4mL)溶液を含有するフラスコに注入した。得られた混合物を30℃で30分間撹拌して中間体Eの溶液を得、これを、いかなる後処理もせずに次の反応に直接使用した。
【0156】
工程2:アンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(13)の合成
(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(化合物1,8mg、0.029mmol)を丸底フラスコ(10mL)に入れ、次いで、高真空下、P
2O
5で一晩脱水した。このフラスコに、活性化分子篩4A(100mg)を追加した。アルゴンを媒体に充填し、次いで、中間体E(2.0当量、新たに調製したもの)の無水DMF(0.15mL)溶液をシリンジによって上記フラスコに移し、混合物を25℃で3時間撹拌した。反応の進行を、TLC(アセトニトリル:0.1Mアンモニウムクロリド=7:3)によってモニタリングした。最初のヌクレオシドのほとんどが消費されたら、混合物を0℃に冷却し、次いで、ヨウ素溶液[0.1mLのピリジン/水(9:1)中、3%]を反応混合物に注入した。ヨウ素は消費されるので、ヨウ素の色落ちしない褐色が維持されるまで、ヨウ素溶液の滴下を継続した。15分後、重炭酸トリエチルアンモニウム緩衝液(1.0M、2mL)を10℃で撹拌しながらさらに15分間かけて追加した。揮発物質を真空下で除去した(内部温度は25℃を超えず)。残留物を水(2mL)に再溶解し、クロロホルム(2×2mL)で抽出した。粗生成物を含有する回収した水層を、以下の条件(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、XBridge(登録商標)Prep OBD(Optimum Bed Density)T3カラム、19*150mm、5um;移動相、50mmol重炭酸アンモニウムを含む水およびアセトニトリル(2%アセトニトリルを5分間で5.2%に上昇させ、2分間で95%に上昇させ、1.5分間で5%に低下させる);検出器、UV254および220nmを用いて分取HPLCによって精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、固体として化合物13を得た。LC−MS:(ES,m/z):512.90[M−H−4NH
3]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ8.06(s,1H),7.38(d,J=3.6Hz,1H),6.63(t,J=7.6Hz,1H),6.58(d,J=3.6Hz,1H),4.06−4.14(m,2H),2.67−2.72(m,1H),2.54−2.59(m,1H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.86(s,1P),−11.49−−11.39(d,J=15.13Hz,1P),−19.29(s,1P).
実施例13に記載されている方法を使用して、以下の化合物14〜21を合成した。
【0157】
[実施例14]:アンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(14)。LC−MS:(ES,m/z):530.85[M−H−4NH
3]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ8.00(s,1H),7.14(s,1H),6.62(dd,J=4.8Hz,J=6.0Hz,1H),4.13(dd,J=5.6Hz,J=11.2Hz,1H),4.06(dd,J=5.0Hz,J=11.4Hz,1H),2.48−2.64(m,2H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.97−−5.89(d,J=13.85Hz,1P),−11.52−−11.43(d,J=14.81Hz,1P),−19.31(s,1P).
[実施例15]:アンモニウム(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(15)。LC−MS:(ES,m/z):527.00[M−H−4NH
3]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ7.96(s,1H),7.07(s,1H),6.55(t,J=6.6Hz,1H),4.11(dd,J=6.2Hz,J=11.4Hz,1H),4.05(dd,J=5.8Hz,J=12.0Hz,1H),2.59−2.66(m,1H),2.48−2.53(m,1H),2.78(s,3H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.90(s,1P),−11.48−−11.39(d,J=14.49Hz,1P),−19.32(s,1P).
[実施例16]:ビス−トリエチルアンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−2−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(16)。LC−MS:(ES,m/z):546.95[M−H−2TEA]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ7.31(d,J=4.0Hz,1H),6.53(d,J=4.0Hz,1H),6.50(t,J=6.4Hz,1H),4.15(dd,J=5.8Hz,J=10.6Hz,1H),4.08(dd,J=4.8Hz,J=11.2Hz,1H),2.62−2.67(m,1H),2.53−2.58(m,1H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.86−−5.77(d,J=14.81Hz,1P),−11.45−−11.35(d,J=15.13Hz,1P),−19.24(s,1P).
[実施例17]:アンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(17)。LC−MS:(ES,m/z):546.70[M−H−4NH
3]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ7.97(s,1H),7.34(s,1H),6.54(t,J=6.0Hz,1H),4.01−4.13(m,2H),2.52−2.62(m,2H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.81(s,1P),−11.42(s,1P),−19.25(s,1P).
[実施例18]:ビス−トリエチルアンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−シアノ−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(18)。LC−MS:(ES,m/z):514.35[M−H−2TEA]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ8.04(s,1H),7.29(d,J=3.2Hz,1H),6.70(t,J=6.8Hz,1H),6.55(d,J=3.2Hz,1H),4.87(t,J=6.0Hz,1H),4.21−4.16(m,2H),2.99(q,J=7.2Hz,15H),2.80−2.76(m,1H),2.58−2.54(m,1H),1.12(t,J=7.2Hz,26H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.85(s,1P),−11.84(d,J=15.30Hz,1P),−19.38(s,1P).
[実施例19]:アンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(19)。LC−MS:(ES,m/z):512.90[M−H−4NH
3]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ7.73(s,1H),6.77(dd,J=4.4Hz,J=7.4Hz,2H),5.73(t,J=7.4Hz,1H),4.52−4.56(m,1H),3.98−4.03(m,2H),2.56−2.63(m,1H),2.34−2.40(m,1H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.79(s,1P),−11.24(s,1P),−19.21(s,1P).
[実施例20]:アンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(20)。LC−MS:(ES,m/z):513.95[M−H−4NH
3]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ8.22(s,1H),7.99(s,1H),5.53(t,J=7.6Hz,1H),4.60−4.57(m,1H),4.12−4.03(m,2H),2.56−2.49(m,1H),2.35−2.29(m,1H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.82(s,1P),−11.32−11.23(d,J=13.69Hz,1P),−19.24(s,1P).
[実施例21]:アンモニウム((2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−エチニル−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチルトリホスフェート(21)。LC−MS:(ES,m/z):513.95[M−H−4NH
3]
−.
1H−NMR:(400MHz,D
2O,ppm):δ8.23(s,1H),7.98(s,1H),5.66(t,J=7.6Hz,1H),4.61−4.58(m,1H),4.05(brs,2H),2.68−2.61(m,1H),2.46−2.42(m,1H).P−NMR:(161MHz,D
2O,ppm):δ−5.81(s,1P),−11.33−11.24(d,J=13.85Hz,1P),−19.19(s,1P).
化合物13〜21の対応する遊離塩形態の名称は、それぞれ以下の通りである。
【表3】
【0158】
[実施例22]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(22)の合成
【化46】
【0159】
工程1:(アミノオキシ)ジフェニルホスフィンオキシドの合成
ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(70g、1007mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)および水(100mL)混合撹拌溶液に、NaOH(38.3g、957mmol)水溶液(400mL)を0℃で撹拌しながら30分間かけて滴下した。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した。上記に、ジフェニルホスフィンクロリド(77mL、403mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)溶液を0℃で迅速に注入した。得られた混合物を周囲温度で10分間激しく撹拌した。沈殿物が形成し、ろ過によって回収した。固体をNaOH水溶液(0.25N、1000mL)に再懸濁し、4℃で1.5時間撹拌した。混合物をろ過し、フィルタケーキを水(3×1000mL)およびエーテル(2×500mL)で順次洗浄した。固体を真空下で一晩乾燥させて、(アミノオキシ)ジフェニルホスフィンオキシドを得た。LC−MS:(ES,m/z):233.9[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.82−7.69(m,4H),7.58−7.40(m,6H)P−NMR:(121MHz,d
6−DMSO,ppm):δ21.53(s,1P).
工程2:エチル1−アミノ−1H−イミダゾール−2−カルボキシレートの合成
アルゴン雰囲気下で、エチル1H−イミダゾール−2−カルボキシレート(6g、30.9mmol)のDMF(250mL)撹拌溶液に、LiHMDS THF溶液(93mL、93mmol、1M)を−10℃で60分間かけて滴下した。得られた混合物を−10℃でさらに30分間撹拌し、次いで、温度を0℃〜10℃に維持しながら、(アミノオキシ)ジフェニルホスフィンオキシド(21.63g、93mmol)を30分間かけて少しずつ追加した。得られた混合物を室温に加温し、16時間激しく撹拌した。反応物を氷水(600mL)でクエンチし、EtOAc(2×800mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮してエチル1−アミノ−1H−イミダゾール−2−カルボキシレートを得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):156.1[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ7.37(d,J=0.8Hz,1H),6.96(d,J=0.8Hz,1H),6.57(brs,2H),4.33−4.27(m,2H),1.31(t,J=7.2Hz,3H).
工程3:イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オンの合成
アルゴン雰囲気下で、エチル1−アミノ−1H−イミダゾール−2−カルボキシレート(6g、30.9mmol)のEtOH(60mL)撹拌混合物に、酢酸ホルムアミジン(17.71g、170mmol)を追加した。得られた混合物を加熱還流し、一晩撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、ろ過した。フィルタケーキを水(3×10mL)およびEtOAc(2×10mL)で順次洗浄した。回収した固体を高真空下で一晩乾燥させて、イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オンを得た。LC−MS:(ES,m/z):136.9[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ12.31(brs,1H),8.09(s,1H),7.98(d,J=0.8Hz,1H),7.50(d,J=0.8Hz,1H).
工程4:4−クロロイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジンの合成
アルゴン雰囲気下で、イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(2.4g、17.63mmol)を100mL丸底フラスコに入れ、続いて、POCl
3(20mL)を室温で注入した。混合物を加熱還流し、16時間撹拌した。揮発物質を減圧下で除去した。残留物をEtOAc(100mL)と水(30mL)との間に分けた。有機層を冷NaHCO
3水溶液(飽和、3×20mL)およびブライン(20mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(5/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−クロロイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを得た。LC−MS:(ES,m/z):155.0[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.81(s,1H),8.65(d,J=1.2Hz,1H),8.08(d,J=0.8Hz,1H).
工程5.4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジンの合成
アルゴン雰囲気下で、4−クロロイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(20g、129mmol)のTHF(500mL)撹拌溶液に、NaSMe(13.60g、194mmol)を室温で追加した。得られた混合物を室温で72時間撹拌した。反応混合物をNH
4Cl水溶液(飽和、200mL)でクエンチし、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(1/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを得た。LC−MS:(ES,m/z):167.2[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ8.47(s,1H),7.90(d,J=0.8Hz,1H),7.76(d,J=0.4Hz,1H),2.73(s,3H).
工程6:(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−2−(4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)テトラヒドロフラン−2−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(1g、6.02mmol)のTHF(25mL)撹拌溶液に、LDA THF溶液(4.5mL、9.0mmol、2M)を−78℃で5分間かけて注入した。得られた混合物を−78℃に30分間維持し、次いで、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン(市販、3.27g、7.82mmol)のTHF(15mL)溶液を注入し、得られた混合物を−78℃〜−50℃で2時間撹拌した。反応物をNH
4Cl水溶液(飽和、20mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(5/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−2−(4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)テトラヒドロフラン−2−オールを得た。LC−MS:(ES,m/z):585.1[M+H]
+.
工程7:7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジンの合成
アルゴン雰囲気下で、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)−2−(4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)テトラヒドロフラン−2−オール(1.7g、2.91mmol)のDCM(30mL)撹拌溶液に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル(825.3mg、5.82mmol)およびトリエチルシラン(1.35g、11.63mmol)を0℃で順次注入した。得られた混合物を0℃でさらに16時間撹拌した。反応物をNaHCO
3水溶液(飽和、20mL)でクエンチし、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(10/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを得た。LC−MS:(ES,m/z):570.0[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.38(s,1H),7.66(s,1H),7.37−7.26(m,15H),5.56(d,J=5.4Hz,1H),4.70−4.49(m,6H),4.39(q,J=4.2Hz,1H),4.34(t,J=5.4Hz,1H),4.15(t,J=5.1Hz,1H),3.70(dd,J=3.6Hz,J=10.5Hz,1H),3.60(dd,J=3.9Hz,J=10.8Hz,1H),2.70(s,3H).
工程8:7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの合成
80mLスチールボンベに、7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−4−(メチルチオ)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(1.4g、2.462mmol)を入れた。媒体を−60℃に冷却した。これに、イソプロパノールアンモニア(イソプロパノール/液体アンモニア=2/3を−60℃で混合したもの、50mL)を追加した。得られた混合物を90℃に加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(1/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンを得た。LC−MS:(ES,m/z):538.3[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.24(brs,1H),8.15(brs,1H),8.05(s,1H),7.49(s,1H),7.36−7.28(m,15H),5.35(d,J=5.2Hz,1H),4.63(s,2H),4.56(d,J=4.8Hz,2H),4.52(d,J=2.0Hz,2H),4.45(t,J=5.2Hz,1H),4.22−4.16(m,2H),3.65(dd,J=3.2Hz,J=10.8Hz,1H),3.58(dd,J=4.4Hz,J=10.8Hz,1H).
工程9:(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールの合成
7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(1.2g、2.232mmol)のAcOH(10mL)撹拌溶液に、20%Pd(OH)
2/C(1.2g)を追加した。水素(2atm)を媒体に充填し、25℃で24時間撹拌した。固体をろ過し、AcOH(2×15mL)で洗浄した。合わせたろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(8/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを得た。LC−MS:(ES,m/z):290.0[M+Na]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.22(brs,1H),8.15(brs,1H),8.07(s,1H),7.64(s,1H),5.13−5.09(m,2H),5.03(d,J=6.4Hz,1H),4.78(brs,1H),4.32(t,J=6.0Hz,1H),3.99(t,J=4.8Hz,1H),3.81(q,J=4.4Hz,1H),3.56(dd,J=3.2Hz,J=11.2Hz,1H),3.46(dd,J=3.6Hz,J=11.2Hz,1H).
工程10:(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(3.2g、11.97mmol)および1H−イミダゾール(3.26g、47.9mmol)のDMF(65mL)撹拌溶液に、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン(3.97g、12.57mmol)を0℃で注入した。得られた混合物を30℃に加温し、5時間撹拌した。反応物を水(70mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(3/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オールを得た。LC−MS:(ES,m/z):510.4[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ8.12(s,1H),7.62(s,1H),7.03(brs,1H),6.39(brs,1H),5.31(d,J=3.2Hz,1H),4.68(dd,J=6.0Hz,J=7.0Hz,1H),4.47(q,J=2.8Hz,1H),4.10−4.05(m,3H),3.20(brs,1H),1.15−1.05(m,28H).
工程11:O−((6aR,8S,9S,9aR)−8−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−イル)O−フェニルカルボノチオエートの合成
アルゴン雰囲気下で、(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オール(4.0g、7.85mmol)およびDMAP(3.83g、31.4mmol)のDCM(160mL)撹拌溶液に、O−フェニルカルボノクロリドチオエート(2.71g、15.69mmol)を0℃で注入した。得られた混合物を0℃でさらに3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(1/3)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、O−((6aR,8S,9S,9aR)−8−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−イル)O−フェニルカルボノチオエートを得た。LC−MS:(ES,m/z):646.3[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.37(brs,1H),8.28(brs,1H),8.02(s,1H),7.67(s,1H),7.49(t,J=8.0Hz,2H),7.34(t,J=7.4Hz,1H),7.15(d,J=8.4Hz,2H),6.22(dd,J=2.0Hz,J=5.2Hz,1H),5.49(d,J=2.0Hz,1H),4.95(dd,J=5.2Hz,J=8.8Hz,1H),4.07−3.96(m,2H),3.91−3.88(m,1H),1.07−1.04(m,28H).
工程12:7−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、O−((6aR,8S,9S,9aR)−8−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−イル)O−フェニルカルボノチオエート(350mg、0.542mmol)およびAIBN(133mg、0.813mmol)の脱気トルエン(10mL)撹拌溶液に、トリ−n−水素化ブチルスズ(314mg、1.084mmol)を室温で注入した。混合物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(1/3)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンを得た。LC−MS:(ES,m/z):494.5[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.23(brs,1H),8.16(brs,1H),8.05(s,1H),7.56(s,1H),5.42(t,J=7.0Hz,1H),4.63(dd,J=5.8Hz,J=13.0Hz,1H),3.95(dd,J=3.2Hz,J=11.6Hz,1H),3.83(dd,J=6.8Hz,J=12.0Hz,1H),3.78−3.75(m,1H),2.55−2.51(m,1H),2.37−2.32(m,1H),1.07−1.01(m,28H).
工程13:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
7−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(2.7g、5.47mmol)のTHF(60mL)撹拌溶液に、フッ化水素−ピリジン(5.42g、54.7mmol)を0℃で注入した。混合物を周囲温度に加温し、20時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、固体NaHCO
3で中和し、次いで、MeOH(50mL)で希釈した。固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をDCM/MeOH(20mL、100/1、v/v)で処理し、30分間撹拌した。白色の沈殿物を回収し、真空下で一晩乾燥させて、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールを得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.20(brs,1H),8.13(brs,1H),8.06(s,1H),7.60(s,1H),5.42(dd,J=5.8Hz,J=10.2Hz,1H),5.12(d,J=4.0Hz,1H),4.74(t,J=5.6Hz,1H),4.28−4.25(m,1H),3.81−3.78(m,1H),3.42(t,J=5.4Hz,2H),2.33−2.26(m,1H),2.13−2.09(m,1H).
工程14:7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(200mg、0.796mmol)および1H−イミダゾール(217mg、3.18mmol)を10mLフラスコに入れた。混合物に、無水DMF(2.5mL)を注入し、続いて、tert−ブチルクロロジメチルシラン(360mg、2.388mmol)を0℃で追加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、それぞれNaHCO
3水溶液(飽和、2×15mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を回収し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物を、石油エーテル/EtOAc(35%〜52%EtOAcの石油エーテル溶液)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンを得た。LC−MS:(ES,m/z):480.1[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.20(brs,1H),8.13(brs,1H),8.06(s,1H),7.57(s,1H),5.43(dd,J=5.6Hz,J=10.0Hz,1H),4.46−4.44(m,1H),3.81(t,J=4.5Hz,1H),3.63−3.51(m,2H),2.45−2.36(m,1H),2.16−2.10(m,1H),0.89(s,9H),0.86(s,9H),0.10(s,6H),0.02(d,J=3.6Hz,6H).
工程15:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f|[1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
7−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(350mg、0.730mmol)を25mL丸底フラスコに入れ、続いて、THF(4mL)を注入した。媒体を0℃に冷却した。これに、予め冷却したトリフルオロ酢酸/水(1/1、v/v、2mL)溶液を0℃で撹拌しながら10分間かけて滴下した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。得られた溶液をトルエン(3×20mL)と共蒸発させ、残留物をNaHCO
3水溶液(飽和、4mL)に再懸濁し、次いで、蒸発乾固した。残留物を、EtOAc/DCM(1/1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールを得た。LC−MS:(ES,m/z):366.2[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.09(brs,1H),8.03(brs,1H),7.96(s,1H),7.51(s,1H),5.31(q,J=5.4Hz,1H),4.70(t,J=5.7Hz,1H),4.34(d,J=5.1Hz,1H),3.69(t,J=4.5Hz,1H),3.33−3.28(m,2H),2.34−2.24(m,1H),2.01−1.96(m,1H),0.79(s,9H),0.01(s,6H).
工程16:(2S,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(280mg、0.766mmol)の無水アセトニトリル(20mL)撹拌溶液に、IBX(644mg、2.298mmol)を室温で追加した。混合物を80℃に加熱し、25分間撹拌した。LCMSにより、最初のヌクレオシドがすべて消費されたことが示された。得られた混合物を室温に冷却した。固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、(2S,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドを得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):363.7[M+H]
+.
工程17:((3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
25mL丸底フラスコ中、(2S,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(300mg、未精製)の1,4−ジオキサン(4mL)撹拌溶液に、37%ホルムアルデヒド水溶液(1.0mL)を注入し、続いて、NaOH水溶液(1.0mL、2.0mmol、2N)を0℃で注入した。得られた混合物を周囲温度に加温し、16時間撹拌した。最初のヌクレオシドがすべて消費されたら、反応混合物をAcOH(約0.2mL)で中和した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(2×25mL)、NaHCO
3水溶液(飽和、25mL)およびブライン(20mL)で順次洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。アルゴン雰囲気下で、粗生成物をEtOH(5mL)に再溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(153mg、4.04mmol)を0℃で少しずつ追加した。周囲温度で16時間撹拌した後、反応混合物をAcOH(約0.2mL)で中和し、蒸発乾固した。残留物をCHCl
3(50mL)と水(25mL)との間に分けた。水層をCHCl
3(2×25mL)で再抽出した。合わせた有機層をブライン(40ml)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(30/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、((3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールを得た。LC−MS:(ES,m/z):395.8[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.18(brs,1H),8.12(brs,1H),8.07(s,1H),7.62(s,1H),5.47(q,J=5.2Hz,1H),4.68(t,J=5.6Hz,1H),4.53(d,J=3.6Hz,1H),4.27(t,J=5.6Hz,1H),3.60−3.55(m,1H),3.53−3.51(m,2H),3.34−3.31(m,1H),2.56−2.53(m,1H),2.11−2.07(m,1H),0.90(s,9H),0.09(d,J=2.8Hz,6H).
工程18:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(180mg、0.455mmol)のアセトニトリル(20mL)およびDMSO(2mL)撹拌混合物に、IBX(382mg、1.365mmol)を室温で追加した。得られた混合物を30℃に加温し、2時間撹拌した。固体をろ過し、CHCl
3(2×20mL)で洗浄し、合わせたろ液を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAc(30mL)に再溶解し、NaHCO
3水溶液(飽和、2×15mL)およびブライン(20mL)で順次洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドを得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):393.8[M+H]
+.
工程19:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7aH−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(250mg、0.286mmol、未精製)およびK
2CO
3(120mg、0.86mmol)のMeOH(10mL)撹拌混合物に、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(110mg、0.58mmol)のMeOH(1mL)溶液を0℃で注入した。得られた混合物を30℃に加温し、16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(30/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−7aH−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールを得た。LC−MS:(ES,m/z):390.2[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.23(brs,1H),8.15(brs,1H),8.08(s,1H),7.67(s,1H),5.54(t,J=7.8Hz,1H),5.16(t,J=6.2Hz,1H),4.53(dd,J=4.6Hz,J=6.2Hz,1H),3.55(dd,J=5.2Hz,J=11.6Hz,1H),3.45(dd,J=7.0Hz,J=11.8Hz,1H),3.42(s,1H),2.56−2.53(m,1H),2.23−2.17(m,1H),0.91(s,9H),0.10(d,J=3.2Hz,6H).
工程20.(2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(22)の合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノイミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(150mg、0.385mmol)の無水THF(5mL)撹拌溶液に、TBAF THF溶液(0.385mL、0.385mmol、1M)を0℃で注入した。混合物を室温に加温し、16時間撹拌した。反応の進行を、TLCおよびLCMSによってモニタリングした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(24/1)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物22を得た。LC−MS:(ES,m/z):309.00[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.21(brs,1H),8.14(brs,1H),8.07(s,1H),7.64(s,1H),5.53(t,J=7.6Hz,1H),5.34(d,J=5.2Hz,1H),5.07(t,J=6.4Hz,1H),4.35(q,J=6.0Hz,1H),3.56(dd,J=5.6Hz,J=12.0Hz,1H),3.48(dd,J=7.0Hz,J=11.8Hz,1H),3.41(s,1H),2.46−2.41(m,1H),2.28−2.21(m,1H).
[実施例23]:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(23)の合成
【化47】
【0160】
工程1:(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−オールの合成:アルゴン雰囲気下で、NaH60%天然油分散液(1.878g、46.9mmol)の無水DME(ジメチルエーテル)(150mL)撹拌懸濁液に、ジエチル(シアノメチル)ホスホネート(11.88g、67.1mmol)を0℃で10分間かけて注入した。混合物を25℃に加温し、0.5時間維持し、次いで、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−オール(14.1g、33.5mmol)の無水DME(100mL)溶液を0℃で撹拌しながら30分間かけて滴下した。得られた混合物を25℃に再び加温し、2時間維持した。得られた混合物をH
2O(300mL)で希釈し、Et
2O(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/石油エーテル(5%−20%EtOAcの石油エーテル溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)アセトニトリルを得た。LC−MS:(ES,m/z):444.21[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ7.33−7.31(m,15H),4.63−4.43(m,6H),4.25−4.13(m,2H),3.95(dd,J=3.0Hz,J=4.8Hz,1H),3.77(dd,J=5.4Hz,J=6.9Hz,1H),3.53−3.45(m,2H),2.78−2.75(m,0.4H),2.66(dd,J=4.8Hz,J=16.8Hz,0.8H),2.50(dd,J=4.8Hz,J=16.8Hz,0.8H).
工程2:2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリルの合成
アルゴン雰囲気下で、2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)アセトニトリル(12.6g、28.4mmol)のDCM(90mL)撹拌溶液に、無水DMF(2.54mL、32.8mmol)を注入し、続いて、1−tert−ブトキシ−−N,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミン(19.80g、114mmol)を0℃で5分間かけて注入した。得られた混合物を25℃に加温し、16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/石油エーテル(15%−35%EtOAcの石油エーテル溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリルを得た。LC−MS:(ES,m/z):499.25[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ7.33−7.30(m,15H),6.47(s,1H),4.65−4.53(m,6H),4.32(d,J=7.2Hz,1H),4.19−4.15(m,1H),4.00−3.90(m,2H),3.59−3.46(m,2H),3.04(s,6H).
工程3.2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−hydrアジニルアクリロニトリルの合成
2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−(ジメチルアミノ)アクリロニトリル(12.9g、25.9mmol)のMeOH(90mL)撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(21.15g、647mmol)、H
2O(3.0mL、167mmol)およびヒドラジンヒドロクロリド(2.66g、38.8mmol)を室温で順次追加した。得られた混合物を65℃に加熱し、16時間撹拌した。最終混合物を減圧下で濃縮した。残留物をH
2O(500mL)で希釈し、EtOAc(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−ヒドラジニルアクリロニトリルを得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):486.23[M+H]
+.
工程4:4−[(2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]オキソラン−2−イル]−1H−ピラゾール−5−アミンの合成
2−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3−ヒドラジニルアクリロニトリル(18g、37.1mmol)を1000mL丸底フラスコに入れ、続いて、ACN(200mL)を注入した。混合物を48時間還流した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(2%〜10%MeOHのDCM溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4−[(2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]オキソラン−2−イル]−1H−ピラゾール−5−アミンを得た。LC−MS:(ES,m/z):486.23[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ7.40−7.24(m,16H),4.97(d,J=6.8Hz,1H),4.68(d,J=12.0Hz,1H),4.62−4.44(m,5H),4.24−4.22(m,1H),4.10−4.04(m,2H),3.71(dd,J=3.0Hz,J=10.2Hz,1H),3.63−3.50(m,1H).
工程5.8−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミンの合成
シアナミド(50g、1189mmol)の撹拌混合物に、トリメトキシメタン(505g、4757mmol)を追加し、混合物を105℃に加熱し、5分間撹拌した。上記に、ギ酸(4.38g、95mmol)を105℃で5分間かけて注入した。得られた溶液を105℃で5時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却した。固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。生成物を蒸留(0.1mmHg、60℃〜70℃)によって回収して、(E)−メチルN−シアノホルムイミデート(50g、0.595mol)を得た。
【0161】
アルゴン雰囲気下で、(E)−メチルN−シアノホルムイミデート(21.82g、259mmol)のトルエン(150mL))撹拌溶液に、4−((3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(21g、43.2mmol)のトルエン(30mL)溶液を室温で追加した。得られた混合物を90℃に加熱し、20時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/石油エーテル(30%〜50%EtOAcの石油エーテル溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミンを得た。LC−MS:(ES,m/z):538.24[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.05(s,1H),7.99(s,1H),7.31−7.23(m,15H),6.67(brs,2H),5.33(d,J=5.4Hz,1H),4.67−4.50(m,6H),4.35−4.29(m,2H),4.15−4.11(m,1H),3.72(dd,J=3.9Hz,J=10.5Hz,1H),3.62(dd,J=4.2Hz,J=10.8Hz,1H).
工程6:(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールの合成
8−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−((ベンジルオキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミン(10g、18.60mmol)のAcOH(250mL)撹拌混合物に、20%水酸化パラジウム炭素を追加した。水素(1.5〜2atm)を混合物に充填し、25℃で14時間撹拌した。固体をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をDCM(150mL)でトリチュレートして、白色の沈殿物が形成した。沈殿物をろ過によって回収し、DCMで洗浄し、真空下で乾燥させて、(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールを得た。LC−MS:(ES,m/z):268.10[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.76(brs,1H),8.41(brs,1H),8.19(s,1H),8.06(s,1H),4.96−4.91(m,2H),4.86−4.81(m,2H),4.20(q,J=6.0Hz,1H),3.98(q,J=4.5Hz,1H),3.78(q,J=3.9Hz,1H),3.61−3.55(m,1H),3.49−3.43(m,1H).
工程7:(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2S,3R,4S,5R)−2−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(2.2g、8.23mmol)および1H−イミダゾール(1.681g、24.70mmol)の無水DMF(100mL)撹拌溶液に、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン(2.86g、9.06mmol)を0℃で4分間かけて注入した。得られた混合物を25℃に加温し、3時間撹拌した。残留物をH
2O(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/石油エーテル(30%−50%EtOAcの石油エーテル溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オールを得た。LC−MS:(ES,m/z):510.25[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.72(brs,1H),8.42(brs,1H),8.08(s,1H),8.02(s,1H),5.08(d,J=4.8Hz,1H),4.91(d,J=1.8Hz,1H),4.41(dd,J=5.4Hz,J=8.1Hz,1H),4.30−4.28(m,1H),3.99−3.86(m,3H),1.04−1.00(m,28H).
工程8:.8−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(6aR,8S,9S,9aS)−8−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−9−オール(3.90g、7.65mmol)の無水DCE(120mL)撹拌溶液に、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.704g、9.56mmol)を室温で追加した。得られた混合物を85℃に加熱し、1.5時間撹拌した。TLCにより、最初のヌクレオシドがすべて消費されたことが示された。得られた溶液を減圧下で濃縮して未精製の中間体イミダゾリルを得、アルゴン雰囲気下で、これを脱気トルエン(120mL)に直ぐに再溶解した。上記に、AIBN(1.88g、11.48mmol)を追加し、続いて、トリブチルスタンナン(4.45g、15.30mmol)を25℃で2分間かけて注入した。得られた混合物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。得られた溶液を減圧下で濃縮した。粗残留物を、EtOAc/石油エーテル(30%−50%EtOAcの石油エーテル溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミンを得た。LC−MS:(ES,m/z):494.25[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.18(s,1H),8.06(s,1H),6.61(brs,2H),5.40(t,J=7.5Hz,1H),4.70−4.65(m,1H),4.10(dd,J=3.0Hz,J=10.8Hz,1H),3.95−3.81(m,2H),2.52−2.38(m,2H),1.08−1.05(m,28H).
工程9:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
アルゴン雰囲気下で、8−((6aR,8R,9aS)−2,2,4,4−テトライソプロピルテトラヒドロ−6H−フロ[3,2−f][1,3,5,2,4]トリオキサジシロシン−8−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミン(1.5g、3.04mmol)の無水THF(35mL)撹拌溶液に、HF−ピリジン溶液(1.5mL、11.65mmol)を0℃で5分間かけて注入した。混合物を25℃に加温し、4時間撹拌した。得られた混合物を、固体NaHCO
3の追加によって中和し、次いで、MeOH(30mL)で希釈した。未溶解の固体をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、次いで、EtOAc(20mL)でトリチュレートした。白色の沈殿物が形成し、ろ過によって回収し、次いで、真空下で一晩乾燥させて、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールを得た。LC−MS:(ES,m/z):252.10[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.71(brs,1H),8.39(brs,1H),8.19(s,1H),8.05(s,1H),5.25(q,J=5.4Hz,1H),5.03(d,J=3.9Hz,1H),4.87(t,J=6.0Hz,1H),4.26−4.24(m,1H),3.76−3.74(m,1H),3.52−3.40(m,2H),2.32−2.22(m,1H),2.04−1.98(m,1H)
工程10:8−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミンの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(540mg、2.149mmol)および1H−イミダゾール(512mg、7.52mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、TBS−Cl(972mg、6.45mmol)を0℃で1分間かけて追加した。得られた混合物を25℃に加温し、2時間撹拌した。得られた溶液をH
2O(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、EtOAc/石油エーテル(20%EtOAcの石油エーテル溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミンを得た。LC−MS:(ES,m/z):480.27[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,CDCl
3,ppm):δ8.18(s,1H),8.10(s,1H),6.80(brs,2H),5.49(q,J=5.2Hz,1H),4.51(d,J=5.2Hz,1H),3.98(t,J=4.0Hz,1H),3.74(dd,J=3.8Hz,J=10.6Hz,1H),3.63(dd,J=6.4Hz,J=10.8Hz,1H),2.39−2.32(m,1H),2.22−2.17(m,1H),0.93−0.92(m,18H),0.11−0.05(m,12H).
工程11:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
8−((2R,4S,5R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4−アミン(800mg、1.667mmol)のTHF(16mL)撹拌溶液に、予め冷却したTFA/H
2O(8mL、v/v、1/1)溶液を0℃で5分間かけて注入した。得られた混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。得られた溶液をトルエン(3×50mL)と25℃未満で共蒸発させ、残留物をMeOH/DCM(20mL、v/v、1/2)に再溶解し、混合物を固体NaHCO
3で中和した。固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物を、MeOH/DCM(2%〜10%MeOHのDCM溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノールを得た。LC−MS:(ES,m/z):366.19[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.70(brs,1H),8.38(brs,1H),8.19(s,1H),8.05(s,1H),5.24(q,J=5.4Hz,1H),4.92(t,J=6.0Hz,1H),4.42(d,J=4.8Hz,1H),3.75(dd,J=3.6Hz,J=4.8Hz,1H),3.46−3.43(m,2H),2.39−2.30(m,1H),2.00−1.94(m,1H),0.90(s,9H),0.11(s,6H).
工程12:(2S,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(350mg、0.958mmol)の無水ACN(40mL)撹拌懸濁液に、IBX(804mg、2.87mmol)を25℃で追加した。得られた混合物を80℃に加熱し、1時間撹拌した。固体をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して、(2S,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドを得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):364.17[M+H]
+.
工程13:((3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールの合成
100mL丸底フラスコ中、(2S,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(349mg、0.960mmol)の1,4−ジオキサン(25mL)撹拌溶液に、ホルムアルデヒド37%水溶液(5mL)を注入し、続いて、NaOH水溶液(5mL、2N)を室温で5分間かけて注入した。得られた混合物を室温で5時間撹拌した。最初のヌクレオシドがすべて消費されたら、反応混合物をAcOH(約0.5mL)で中和した。混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、H
2O(2×20mL)、NaHCO
3水溶液(飽和、2×20mL)およびブライン(20mL)で順次洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を無水EtOH(40mL)に再溶解し、アルゴン雰囲気下で、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(72.6mg、1.920mmol)を℃で少しずつ追加した。25℃で16時間撹拌した後、反応混合物をAcOH(約0.2mL)で中和し、減圧下で濃縮した。残留物をCHCl
3(30mL)とH
2O(15mL)との間に分けた。水層をCHCl
3(2×15mL)で再抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(3.5%MeOHのDCM溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、((3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノールを得た。LC−MS:(ES,m/z):396.20[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.70(brs,1H),8.38(brs,1H),8.20(s,1H),8.05(s,1H),5.30(dd,J=5.1Hz,J=11.1Hz,1H),4.84(t,J=6.0Hz,1H),4.50(d,J=4.2Hz,1H),4.22(dd,J=5.1Hz,J=6.3Hz,1H),3.62−3.48(m,3H),3.41−3.31(m,1H),2.57−2.50(m,1H),1.95(dd,J=5.1Hz,J=12.6Hz,1H),0.90(s,9H),0.11(s,6H).
工程14:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドの合成
アルゴン雰囲気下で、((3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)テトラヒドロフラン−2,2−ジイル)ジメタノール(190mg、0.480mmol)のACN/DMSO(8mL、v/v、10/1)撹拌懸濁液に、IBX(404mg、1.441mmol)を25℃で追加した。得られた混合物を30℃で7時間撹拌した。固体をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒドを得、これをさらに精製せずに次の反応工程に直接使用した。LC−MS:(ES,m/z):394.18[M+H]
+.
工程15:((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールの合成
アルゴン雰囲気下で、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−カルバルデヒド(189mg、0.480mmol)の無水MeOH(6mL)撹拌溶液に、K
2CO
3(199mg、1.441mmol)を追加し、続いて、ジメチル(1−ジアゾ−2−オキソプロピル)ホスホネート(185mg、0.961mmol)のMeOH(1.5mL)溶液を0℃で3分間かけて注入した。反応混合物を25℃に徐々に加温し、次いで、25℃で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(2%〜10%MeOHのDCM溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノールを得た。LC−MS:(ES,m/z):390.19[M+H]
+.
1H−NMR:(300MHz,CDCl
3,ppm):δ8.17(s,1H),7.98(s,1H),6.43(brs,2H),5.54(dd,J=5.7Hz,J=10.5Hz,1H),4.61(d,J=4.2Hz,1H),3.97(d,J=12.3Hz,1H),3.76(d,J=12.0Hz,1H),2.70−2.61(m,1H),2.54(s,1H),2.20−2.14(m,1H),0.95(s,9H),0.12(d,J=6.0Hz,6H).
工程16:(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(23)
アルゴン雰囲気下で、((2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−エチニルテトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(120mg、0.308mmol)のTHF(5mL)撹拌溶液に、TBAF THF溶液(0.462mL、0.462mmol、1.0M)を0℃で2分間かけて注入した。混合物を20℃で26時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、MeOH/DCM(5%〜10%MeOHのDCM溶液)を使用してフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、粗生成物を得た。粗生成物(90mg)を、以下の条件(1#−Pre−HPLC−011(Waters)):カラム、X−Bridge C18、19×150mm;移動相、NH
4HCO
3(10mmol/L)を含む水およびACN(4%ACNを6分間で9%に上昇させ、95%を2分間維持し、2分間で5%に低下させる);検出器、UV254および220nmを用いて分取HPLCによってさらに精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−8−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オールを得た。LC−MS:(ES,m/z):276.10[M+H]
+.
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.71(brs,1H),8.43(brs,1H),8.20(s,1H),8.05(s,1H),5.36(t,J=7.6Hz,1H),5.26−5.22(m,2H),4.34(dd,J=4.8Hz,J=11.2Hz,1H),3.58(dd,J=5.2Hz,J=11.6Hz,1H),3.49(dd,J=7.6Hz,J=11.6Hz,1H),3.37(s,1H),2.44−2.37(m,1H),2.16−2.12(m,1H).
RTポリメラーゼアッセイ
全長野生型および2つの突然変異体RTタンパク質を大腸菌BL21(DE3)細胞で発現させ、精製した。簡潔に言えば、HIV−1 RTポリメラーゼ反応で使用したヘテロダイマー核酸基質は、ビオチン化DNAプライマーを500ヌクレオチドのRNA鋳型にアニーリングすることによって作製した。アッセイ緩衝液(62.5mM Tris−HCl、pH7.8、1.25mMジチオトレイトール、7.5mM MgCl
2、100mM KCl、0.03%CHAPS、0.125mM EGTA)中で、HIV−1 RT酵素(最終濃度50pM)を阻害剤化合物またはDMSO(最終反応混合物中、10%DMSO)と混ぜ合わせた。マイクロタイタープレート中、この混合物を室温で30分間プレインキュベートした。鋳型/プライマー基質(最終濃度:16.6nM)およびdNTP(最終濃度:2μM dCTP、dGTP、dATPおよび66.6nM Ru−dUTP)の追加によって、重合反応を開始させた。37℃で90分間インキュベートした後、反応物を、EDTA(25mM)の追加によってクエンチした。得られた混合物を室温でさらに5分間インキュベートし、続いて、この溶液(50μL)を、Meso Scale Discovery(MSD)のブロッキングアビジンプレートに移した。混合物を室温で60分間インキュベートしてから、ECL6000撮像装置によって反応生成物を定量した。得られたデータを表2に示す。
【表4】
【0162】
バイキングアッセイ/CTG
バイキングアッセイ:
複数ラウンドのHIV−1感染アッセイにおける抗ウイルス効力の評価。
【0163】
MT4−gag−GFPクローンD3(以下、MT4−GFPと称す)(これは、その発現がHIV−1発現タンパク質tatおよびrevに依存するGFPレポーター遺伝子を有するように改変されたMT−4細胞である)を使用して、HIV−1複製をモニタリングした。HIV−1をMT4−GFP細胞に増殖感染させると、感染の約24時間後にGFPが発現する。
【0164】
レポーター遺伝子を維持するために、10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン/ストレプトマイシンおよび400μg/mL G418を補充したRPMI1640中で、MT4−GFP細胞を37℃/5%CO
2/相対湿度90%で維持した。感染のために、G418を欠く同じ培地にMT4−GFP細胞を置き、同じインキュベーション条件で、H9IIIBウイルスを約0.01の感染多重度で一晩感染させた。次いで、細胞を洗浄し、10%もしくは50%正常ヒト血清を含有するRPMI1640に細胞1.6×10
5個/mLで再懸濁し(10%または50%NHS条件)、または100%正常ヒト血清に細胞2×10
5個/mLで再懸濁した(100%NHS条件)。ECHOアコースティックディスペンサーを使用して、DMSOに溶解した化合物を、384ウェルポリDリジンコーティングプレートのウェル(0.2μl/ウェル)に分注することによって、化合物プレートを調製した。3倍系列希釈の10地点(典型的な最終濃度:8.4μM〜0.43nM)において、各化合物を試験した。対照には、阻害剤なし(DMSOのみ)および3つの抗ウイルス剤(それぞれ最終濃度4μΜのエファビレンツ、インジナビルおよびインテグラーゼ鎖転移阻害剤)の組み合わせが含まれていた。細胞を化合物プレートに追加し(50μL/ウェル)、感染細胞を37℃/5%CO
2/相対湿度90%で維持した。
【0165】
2つの時点(感染の約48時間後および約72時間後)において、Acumen eX3スキャナーを使用して、各ウェル中の緑色細胞の数をカウントすることによって、感染細胞を定量した。約24時間にわたる緑色細胞の数の増加から、増殖率R
0(これは通常、5〜15である)を求め、対数期にあることが実験的に示された(データは示さず)。各ウェルについて、R
0の阻害を計算し、非線形4パラメータ曲線フィッティングによって、IC
50を決定した。
【0166】
CTGアッセイ:
CellTiter−Glo発光細胞生存率アッセイ(CTG)における細胞毒性の評価。
【0167】
10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI1640に、MT4−GFP細胞を37℃/5%CO
2/相対湿度90%で一晩播種した。次いで、細胞を洗浄し、10%正常ヒト血清を含有するRPMI1640に細胞0.8×10
5個/mLの密度で再懸濁した。ECHOアコースティックディスペンサーを使用して、DMSOに溶解した化合物を、384ウェルソリッドブラックプレート(Corning 3571)のウェルに分注することによって、化合物プレートを調製した(0.2μl/ウェル)。3倍系列希釈の10地点(最終濃度:8.4μM〜0.43nM)において、各化合物を試験した。対照には、DMSOが含まれていた。細胞を化合物プレートに追加し(50μL/ウェル)、37℃/5%CO
2/相対湿度90%で維持した。48時間インキュベートした後に、製造業者の説明にしたがって、CTG試薬(Promega、G7573)を細胞プレートに追加した。EnVisionプレートリーダー(PerkinElmer)によって、発光シグナルを記録した。非線形4パラメータ曲線フィッティングによって、LD
50を決定した。得られたデータを表3に示す(市販のHIVヌクレオシド逆転写酵素阻害剤AZT(アジドチミジン、ジドブジン)が対照として含まれている)。
【表5】
【0168】
抗ウイルス持続性
MT4−gag−GFPクローンD3(以下、MT4−GFPと称す)(これは、その発現がHIV−1発現タンパク質tatおよびrevに依存するGFPレポーター遺伝子を有するように改変されたMT−4細胞である)を使用して、HIV−1複製をモニタリングした。HIV−1をMT4−GFP細胞に増殖感染させると、感染の約24時間後にGFPが発現する。レポーター遺伝子を維持するために、10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン/ストレプトマイシンおよび400μg/mL G418を補充したRPMI1640中で、MT4−GFP細胞を37℃/5%CO
2/相対湿度90%で維持した。72時間の時点の持続性アッセイ(72時間プレート)および24時間の時点の持続性アッセイ(24時間プレート)のために、MT4−GFP細胞を洗浄し、10%正常ヒト血清を含有するRPMI1640に細胞1.6×10
5個または2.4×10
5個/mLで再懸濁した(10%NHS)。ECHOアコースティックディスペンサーを使用して、DMSOに溶解した化合物を、384ウェル細胞培養プレートのウェル(0.205μl/ウェル)に分注することによって、化合物プレートを調製した。3倍系列希釈の10地点(典型的な最終濃度:4.2μM〜0.21nM)において、各化合物を試験した。対照には、阻害剤なし(DMSOのみ)および3つの抗ウイルス剤(それぞれ最終濃度4μΜのエファビレンツ、インジナビルおよびインテグラーゼ鎖転移阻害剤)の組み合わせが含まれていた。細胞を化合物プレートに追加し(50μL/ウェル)、37℃/5%CO
2/相対湿度90%で24時間インキュベートした。10%NHSおよび100U/mLペニシリン/ストレプトマイシンを補充した5×40uLのRPMI1640で、細胞を洗浄した。さらに48時間インキュベートするために、72時間プレートを37℃のインキュベーターに戻した。(洗浄後に48時間インキュベートした後の)24時間プレートまたは72時間プレートの各ウェルの40μLの細胞をポリ−D−リジンコーティングプレートに移した。次いで、同じインキュベーション条件で、H9IIIBウイルスを細胞に約0.1の感染多重度で感染させた。
【0169】
感染の約24時間後において、Acumen eX3スキャナーを使用して、各ウェル中の緑色細胞の数をカウントすることによって、感染細胞を定量した。非線形4パラメータ曲線フィッティングによって、表4の化合物のIC
50を決定した。
【0170】
抗ウイルス持続性アッセイは、ヌクレオシドを除去した際の抗ウイルス活性の持続性について評価することを意味する。表4のデータは、市販のヌクレオシドAZTと比較した、本発明の化合物の抗ウイルス持続性を示している。刊行物AIDS Research and Therapy,2009,6:5は、抗ウイルス持続性の価値を強調している。
【表6】
【0171】
アデノシンデアミナーゼ(ADA)の半減期
Tris−HCl緩衝液(pH7.5)の存在下、40℃で、基質化合物をヒトADA1型と反応させ、出発物質の消費をLCMSによってモニタリングすることによって、表5のデータを作成した。表5では、対応するイノシン生成物への50%変換に必要な時間は、T
1/2として記されている。アデノシンデアミナーゼによる脱アミノ化は、特にインビボにおけるアデノシン様ヌクレオシド阻害剤の治療潜在力を減少させることが公知である(以下の参考文献を参照のこと)。表5に示されている化合物は、EDA((2R,3S,5R)−5−(6−アミノ−9H−プリン−9−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール)および天然デオキシアデノシンと比較した場合、アデノシンデアミナーゼに対して様々な安定度を有することが示されている。ADAに対してより耐性である化合物は、優れた薬物動態特性を有することが可能である。
【0172】
参考文献:Journal of Medicinal Chemistry 1996,39,19,3847;Chemical Pharmaceutical Bulletin.1994,42,8,1688−1690;Antimicrobial Agents and Chemotherapy(2013),57(12),6254−6264;Collection of Czechoslovak Chemical Communications(2006),71(6),769−787 Microbiologica(1995),18(4),359−70;J Antivir Antiretrovir S 10.doi:10.4172/jaa.S10−002。
【0173】
化合物2のイノシン生成物2Aへの変換
7−((2R,4S,5R)−5−エチニル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−5−フルオロ−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン(2A)
【化48】
【0174】
Tris−HCl緩衝液(pH7.5、5mL)を25mL丸底フラスコに注入した。混合物を30分間加熱還流した。次いで、混合物を30℃に冷却し、(2R,3S,5R)−5−(4−アミノ−5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−エチニル−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(実施例化合物2、7mg、0.024mmol)を追加し、続いて、アデノシンデアミナーゼ(3mg、約33単位)を追加した。得られた混合物を40℃で撹拌し、4日間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を、以下の条件:カラム、XBridge C18カラム、19*150mm、5um;移動相、10mmol重炭酸アンモニウムを含む水およびアセトニトリル(6%アセトニトリルを5分間で30%に上昇させ、95%を2分間維持し、2分間で40%に低下させる);検出器、uv254および220nmを用いて分取HPLCによって精製した。生成物含有画分を回収し、凍結乾燥して、固体として表題化合物2Aを得た。
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ11.58(brs,1H),7.86(s,1H),7.22(d,J=1.6Hz,1H),6.44(t,J=5.8Hz,1H),5.47(d,J=4.8Hz,1H),5.26−5.22(m,1H),4.39−4.35(m,1H),3.55−3.45(m,2H),3.42(s,1H),2.41−2.24(m,2H).
19F−NMR:(376MHz,d
6−DMSO,ppm):δ−165.50(s,1F).LC−MS:(ES,m/z):294.15[M+H]
+.
化合物2〜2Aの変換に関する上記一般的手順を表5の各基質化合物に適用し、デオキシ−アデノシンおよびEDAについて示されているイノシン生成物、ならびにイノシン生成物1A、2A、11A、22Aおよび23Aを生産した。記載されている手順を使用して、それぞれ化合物4、8および9の4A、8Aおよび9Aへの変換は検出されなかった(NA=アデノシンデアミナーゼ非感受性基質)。
【0175】
化合物1A:7−((2R,4S,5R)−5−エチニル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−3H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(7H)−オン:
1H−NMR:(400MHz,CD
3OD,ppm):δ8.31(s,1H),7.37(d,J=3.6Hz,1H),6.68(d,J=3.6Hz,1H),6.62(t,J=6.4Hz,1H),4.69(t,J=7.0Hz,1H),3.80(dd,J=12.0Hz,J=30.0Hz,2H),3.09(s,1H),2.67−2.54(m,2H).LC−MS:(ES,m/z):276.00[M+H]
+.
化合物11A:7−((2R,4S,5R)−5−エチニル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン:
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ10.25(brs,1H),7.86(s,1H),6.83(d,J=4.5Hz,1H),6.63(d,J=4.2Hz,1H),5.53(t,J=7.5Hz,1H),5.31−5.25(m,1H),5.09−5.05(m,1H),4.31−4.27(m,1H),3.55−3.45(m,2H),3.33(s,1H),2.35−2.18(m,2H).LC−MS:(ES,m/z):298.00[M+Na]
+.
化合物22A:7−((2R,4S,5R)−5−エチニル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン:
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.12(s,1H),7.56(s,1H),5.45(t,J=7.4Hz,1H),5.35(d,J=4.0Hz,1H),5.06(brs,1H),4.33(brs,1H),3.56−3.46(m,2H),3.32(s,1H),2.42−2.33(m,1H),2.28−2.22(m,1H).LC−MS:(ES,m/z):277.10[M+H]
+.
化合物23A:8−((2R,4S,5R)−5−エチニル−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン−4(3H)−オン:
1H−NMR:(400MHz,d
6−DMSO,ppm):δ8.08(s,1H),7.98(s,1H),5.30(t,J=7.4Hz,1H),5.25(d,J=5.2Hz,1H),5.24−5.11(m,1H),4.32(q,J=5.2Hz,1H),3.53(dd,J
1=11.6Hz,J
2=32.0Hz,2H),3.36(s,1H),2.36−2.29(m,1H),2.16−2.10(m,1H).LC−MS:(ES,m/z):274.80[M−H]
−.
【表7】
【0176】
上記詳説は、例示目的で提供されている実施例を用いて、本発明の原理を教示しており、本発明の実施は、以下の特許請求の範囲内の通常の変形、改作および/または修正のすべてを包含する。特定の立体配置が指定されておらず、またはすべてではないがキラル中心についてこのような指定がされている特許請求の範囲における特定の化合物(すなわち、種)の記載または描写は、1つ以上の不斉中心の存在により、前記化合物のラセミ体、ラセミ混合物、個々の各エナンチオマー、ジアステレオ異性体混合物および個々の各ジアステレオマーが可能である場合には、このような形態を包含するものである。本明細書に引用されているすべての刊行物、特許および特許出願は、その全体が参照により本開示に組み込まれる。