(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6182699
(24)【登録日】2017年7月28日
(45)【発行日】2017年8月16日
(54)【発明の名称】バランスキャップ
(51)【国際特許分類】
E06C 7/44 20060101AFI20170807BHJP
E06C 1/18 20060101ALI20170807BHJP
【FI】
E06C7/44
E06C1/18
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-62659(P2016-62659)
(22)【出願日】2016年3月9日
【審査請求日】2016年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】516090838
【氏名又は名称】菅原 長一
(72)【発明者】
【氏名】菅原 長一
【審査官】
金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−231674(JP,A)
【文献】
米国特許第06234273(US,B1)
【文献】
実開昭57−168699(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 1/00−9/14
E04G 1/18
E04G 1/30
E04G 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明に係るバランスキャップは、2本脚又は4本脚から構成される脚立の支柱に取付けられる器具であって、脚立支柱下端部に設けられた基軸孔を介して上下運動するものであり、前記バランスキャップは、主に、スライドケ−スと鋸固定歯止め具とのぶボルトと供廻り防止ナット盤から成り、前記スライドケ−スは断面チャンネル状の長形状で中央部に長孔を設けており、その長孔の側面に沿って数多の鋸歯を作成し、前記スライドケ−スの長孔に設けられた鋸歯と鋸固定歯止め具に備えている鋸歯止めは、互いに噛合する、バランスキャップにおいて、脚立に設けた基軸孔を挿通してなるのぶボルトを供廻り防止ナット盤に仮止めし、仮止め状態でスライドケ−スを上下にスライド調整操作し、脚立のそれぞれの脚を安定着地させた時点で、スライドケ−スの長孔に設けた鋸歯と鋸固定歯止め具に備えた鋸歯止めとを噛合させ、その噛合部位を固定具で覆い、締付け具ののぶボルトによって締め付け固定してなるバランスキャップ。
【請求項2】
前記断面チャンネル状のスライドケ−スに翼爪を設けて、脚立支柱の2角面を包み込む請求項1記載のバランスキャップ。
【請求項3】
本発明に係るバランスキャップは、2本脚又は4本脚から構成される脚立の支柱に取付けられる器具であって、脚立支柱下端部に設けられた基軸孔を介して上下運動するものであり、前記バランスキャップは、主に、スライドケ−スと鋸固定歯止め具とのぶボルトと供廻り防止ナット盤から成り、前記スライドケ−スは断面チャンネル状の長形状で中央部に長孔を設けており、その長孔の側面に沿って数多の鋸歯を作成し、前記スライドケ−スの長孔に設けられた鋸歯と鋸固定歯止め具に備えている鋸歯止めは、互いに噛合する、バランスキャップにおいて、脚立に設けた基軸孔を挿通してなるのぶボルトを供廻り防止ナット盤に仮止めし、仮止め状態でスライドケ−スを上下にスライド調整操作し、脚立のそれぞれの脚を安定着地させた時点で、スライドケ−スの長孔に設けた鋸歯と鋸固定歯止め具に備えた鋸歯止めとを噛合させ、その噛合部位を固定具で覆い、締付け具ののぶボルトによって締め付け固定してなるバランスキャップの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、脚立の支柱のいずれか一方の下端に取付けられて、脚立の横ブレを防止する為の バランスキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脚立は2本又は4本の支柱を有して水平地面上で使用するように設計されているが、凸凹地面上で脚立を安定状態にして使用する為の 様々な脚立に対しての調整器具がある。これらは、2本脚又は4本脚をそれぞれ上下させることによる脚立の脚長調整装置(例えば、特許文献1参照)。また、脚立の脚が上下にスライド操作出来る安定調節装置付作業台がある(例えば、特許文献2参照)。また、脚立の4本脚が調整出来る 4本脚高さ調整脚(例えば、特許文献3参照)。又は、伸縮構造付き脚立(例えば、特許文献4参照)等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−61033号公報、
【特許文献2】 実用新案登録第3077382号公報、
【特許文献3】 特開2013−87490号公報、
【特許文献4】 特開平10−231674号公報、
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来の脚立の脚長調整装置は、取付け部品が多く又取り扱いが複雑な装着方法であり一般普及されている既製脚立には取付け出来ない形態に成っている、特に高い脚立には装着が煩雑で特定脚立のみに取付け可能な器具となっている。
【0005】
特許文献2に記載された 安定調節装置付作業台は、安定調節装置と固定レバーとの接触面に、重い負荷が掛かった場合或いは長時間使用している間に摩耗が生じ滑りやすくなる危険性があった。又一般普及形脚立に対しての取付けは形態上に問題点があった。
【0006】
特許文献3に記載された4本脚高さ調整脚立は、凸凹地面上で脚立4本の脚をそれぞれ接地させる為に、浮いている脚の空間値に高さ調整穴をそれぞれ合せ、4本の固定金具を差し込む作業は手間暇が掛かりなかなか難しい。何故か、高さ調整穴の間隔が広く無理に調整穴に凸凹地面を合わせると言うことは、偶然は別にして 方法が逆手順な為に脚立の脚が宙に浮く場合がある。又高さ調整穴の縦並びの間隔が少々広く、低い凸凹地面においては高低差の最終微調整が難しい。凸凹地面上において3本脚は容易に着地するが、一本の脚のみが常に浮いている、調整穴は4本の脚全て等間隔に作成されている為、一箇所の脚の接地空間値と高さ調整穴の間隔値が合わないと全体のバランス調整が困難である。
【0007】
特許文献3に記載された 4本脚高さ調整脚立は、凸凹の地面上で脚立4本の脚をそれぞれ接地させる為に、浮いている脚の空間値に高さ調整穴をそれぞれ併せ、4本の固定金具を差し込む作業は手間暇が掛かり中々難しい。何故か、高さ調整穴の間隔が広く、無理に調節穴に凸凹地面を合わせると少々脚が宙に浮く場合がある。又高さ調整穴の縦並びの間隔が少々広く、低い凸凹地面においては高低差の最終微調整が難しい。高さ調整穴は、4本足全て等間隔に作成されている為、一箇所の脚の接地空間値と高さ調整穴の間隔値が合わないと、4本の脚全体が同時にピッタと接着せずガタつきが出る恐れがある。
【0008】
この高さ調整脚立は、高さ調整穴の間隔よりも 低い凸凹地面上では、調整しようと しても必ず1本の脚が宙に浮きます。脚立の脚の接地面はmm単位で微調整し固定しないと左右前後に横ブレが生じ、特に高い脚立に上がっての高所作業は危険が伴う恐れがある。 又4本脚高さ調整脚立は、支柱部が円筒四角錐型で設計されている様であり、支柱部がC型鋼で設計されている一般普及型のアルミ製脚立には、形状が違う為取付け不可能である。
【0009】
特許文献4に記載された 伸縮構造付き脚立は、係合溝の間隔がやや広く、mm単位の微調整に対しての対応が難しい、特に低い凸凹地面では脚が浮き接着性に欠け、脚立が少々横ブレして高所作業には危険が伴う恐れがある。又圧縮スプリングが装着されている為、結束ボルトを少々緩めても係合爪が簡単に外れないので伸縮操作に手間暇がかかります。又支持脚の先端部下を係合爪が通るように設計されている為、伸縮脚部を最大に伸ばした際に 支持脚との接触面が非常に狭くなり、脚立に重い負荷が掛かった際には,弛みが生じ 脚立が不安定な状態と成り易い。又係合爪が支持脚の裏面から係合溝に噛み合うように設計されており、互いの合体調整に非常に手間暇が掛かる。又脚立を一定の場所で長時間使用する場合は良いが、常時移動しながら使用する場合には不便である。
【0010】
脚立を野外で使用する場合、接地面は必ずしも水平状態でない場合が多い、凸凹地面上においては、脚立は前後左右に横ブレして不安定状態となり 高所作業に取って危険が伴う、脚立を安定させる為には 補助者の手助けか、或は、宙に浮いた脚底に板偏等を噛ませるのが必須です。いずれにしても非常に手間暇が掛かるものである。
【0011】
本発明は、このような従来の構成を有していた問題点を解決しようとするものであり、一般普及型の脚立や使用済の脚立にも容易に取付け可能である。又 サイズを変更する事により梯子にも容易に取り付けが出来るものであり、然も 低い凸凹地面上であっても mm単位での微調整が可能で在る。依って、脚立の安定性 安全性 機能性 利便性等は確保されます。又脚立の前後左右の横ブレや脚のガタつきは、数秒の調整作業で止まり脚立は安定します。3〜4メートルの高い脚立でも、バランスキャップを装着し調整操作する事により安定 安全は確保され、安心して高所作業が可能で在る事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るバランスキャップは、2本脚又は4本脚から構成される脚立の支柱に取付けられる 器具であって、脚立の正面側から右側に位置される、脚立支柱下端部に設けられた基軸孔を介して上下にスライド運動するものである。断面チャンネル状の長形状のスライドケースの中央部に長孔を設け、その長孔の側面に沿って数多の鋸歯を作成した。前記スライドケースの長孔に設けられた鋸歯と鋸固定歯止め具に備えている鋸歯止めは、互いに噛合するものである。バランスキャップは、主にスライドケースと 鋸固定歯止め具 とのぶボルトと 供廻り防止ナット盤から成り、脚立支柱との組み合わせに依って、その働きが成立するものである。バランスキャップの取扱い操作に当たっては、スライドケースと鋸固定歯止め具とを脚立の右支柱下端方にセットする。次に、脚立支柱部に設けた基軸孔を挿通してなる のぶボルトを 供廻り防止ナット盤に仮止めし、仮止め状態でスライドケースを上下スライド調整操作する、脚立のそれぞれの脚を安定着地させた時点で、スライドケースの長孔に設けた鋸歯と鋸固定歯止め具に備えた鋸歯止めとを噛合させ、その噛合部位を固定具で覆い、締付け具の のぶボルトによって締め固定するものである。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、本発明の脚立の横ブレ防止の為のバランスキャップは、サイズを変更する事により二本脚の梯子にも容易に取付け可能である。また上下スライド操作は mm単位での調整が可能で 低い凸凹地面であっても 4本の脚がそれぞれバランス良く安定着地することができる。バランスキャップの四角錐における内面は 脚立支柱部の外径四角面を包み込む様に作成されており、脚立支柱部に装着すると互いの接触面に対して密着性が確保される為、外部からの衝撃や横荷重にも十分耐えることができる。脚立片面 踏みざんに300kgの負荷テストを行い、その結果バランスキャップの部品や噛合部に対して損傷や変形等の異常ない事が明らかである。バランスキャップが脚立支柱部の四角面を包み込む事による互いの密着性、スライドケースに設けた鋸歯と鋸固定歯止め具の鋸歯止めとが、互いに噛み合う結合性、またバランスキャップと脚立の支柱との接触面を固定具で抑えて のぶボルトで締め付ける密着固定性等、密着 固定は3箇所で確保されて安定した状態で設置する事が出来る。バランスキャップを脚立支柱に装着し、調整操作する事により 安全で安心した作業効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】 本発明の実施形態を示すバランスキャップの分解斜視図である
【
図2】 スライドケースに鋸固定歯止め具を装着した本発明の正面図
【
図7】 バランスキャップの組立状態を示す、本発明の斜面図
【
図11】 脚立支柱先端部に装着した、本発明のバランスキャップ
【
図12】 同じく、脚立支柱先端部に装着した、スライドケースの斜面図である
【
図13】 同じく、脚立支柱先端部に装着した、バランスキャップの斜面図である
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るバランスキャップの実施の形態を
図1〜
図13に基づいて説明する。
【0016】
本発明に係るバランスキャップは、
図11で示すように、主としてアルミニュウム製の2本脚又は4本脚から構成される脚立支柱10のいずれか一箇所に 取付けられるもので、脚立の 横ブレを防止する為の器具である。
【0017】
このバランスキャップは、
図1に示すように、スライドケース1と 鋸固定歯止め具12と のぶボルト5と 供廻り防止ナット盤6から 構成されているものである。
【0018】
脚立15に対して、バランスキャップの取付けに当たっては、操作や取り扱いが容易にする為に、脚立支柱10のいずれか一方、望ましくは 正面側から右側に位置される 脚立支柱10の下端方に穿設される、基軸孔11を介して取付けられるものである。
【0019】
スライドケース1は、
図1に示すように、断面チャンネルの長形状を有し その一面の中央の長さ方向に 数多の鋸歯8を有する長孔7を設けて 脚立支柱10の下端方にスライド可能に取付けられるものである。
【0020】
鋸固定歯止め具12は、固定具3に鋸歯止め2を接着固定し一体化としたものであり、スライドケースの背面側に取付けられ スライドケース1の長孔7に儲けられている 鋸歯8と 噛合する為の 鋸歯止め2を備えている、スライドケース1の両側を抱え込み密着する様に作成してあり、この形態の働きは、噛み合い操作時の正確性を補助する役目もする。又噛合部の設定位置を調整する為の 取っ手17を備えているものである。
【0021】
のぶボルト5は、脚立支柱10の下端方に取り付けたスライドケース1に鋸固定歯止め具12をセットした状態で、基軸孔11を挿通して 脚立支柱10の裏面に位置される 供廻り防止ナット盤6に仮止めし、脚立15の それぞれの脚を着地させて 横ブレやガタつきが止まり安定した時点で 締め付け固定するものである。
【0022】
供廻り防止ナット盤6は、脚立支柱10の裏面に接着固定されるもので、
図10に示すように、のぶボルト5の締め付け時には、空回りしないように、供廻り防止ナット盤6にナットは溶接固定されている。又 もう一つの操作上の役割は、のぶボルト5の締付け固定を緩めると 鋸歯8同士の噛み合いが外れ 鋸固定歯止め具12も浮き上がり、スライドケース1との接触面に空間が出来るようになる。それによって互いに接触障害が無くなり スライドケース1のスライド運動がスムーズに出来る為の手助けもするものである。
【0023】
このように構成されるバランスキャップは、
図1又は
図13に示すように、滑り止めソックス9を装着したスライドケース1を脚立支柱10下端方に取付け、鋸固定歯止め具12をスライドケース1にセットする。のぶボルト5にワッシャ4を嵌めて、脚立支柱10の基軸孔11を挿通して 供廻り防止ナット盤6で仮止めし、この仮止めした状態で、スライドケース1を上下動の調整操作する事により 脚立15のそれぞれの脚を安定着地させる。次に、スライドケース1の長孔7に設けた鋸歯8に鋸固定歯止め具12に備えてある 鋸歯止め2を噛合させ。脚立15の安定状態を確認し のぶボルト5で締付け固定するものである。
【0024】
図2、ないし4は、スライドケース1に鋸固定歯止め具12 を装着した形態を示すもので、スライドケース1の長孔7に設けた鋸歯8と鋸固定歯止め具12に備えてある 鋸歯止め2と噛合し、鋸固定歯止め具12は 互いの噛合部位も覆うものである。 鋸固定歯止め具12の もう一つの役割は、スライド調整の際に 鋸歯8と鋸歯止め2との噛合面の位置が狂わない様に、スライドケース1のサイドを抱えて 密着する様に作成して在り、それらの操作は 固定具の取っ手17によって行うものである。
【0025】
鋸固定歯止め具12は、
図5,6に示すように、固定具3に鋸歯止め2を熔接により接着固定し 更に2本のビス16で締め付け固定したものである。又 鋸歯止め2の歯が固定具3の縁から やや上方に はみ出す事によって、長孔7に設けた鋸歯8と鋸歯止め2との噛み合い具合が 瞬時に目視 確認する為のものである。
【0026】
図10は、バランスキャップの断面図である、スライドケース1の長孔7に設けた鋸歯8と鋸固定歯止め具12に備えた鋸歯止め2との噛合部位を固定具3で覆い、その上をワッシャ4により押さえてある。又供廻り防止ナット盤6は、脚立支柱10の基軸孔11の裏側に合わせて接着固定してあり、その役目は、のぶボルト5の固定を解除し締め付けを緩めると、鋸歯8と鋸歯止め2との噛合部位も同時に緩み 噛合が解除され 接触面が浮き互いの間に空間が出来て、スライドケース1のスライド操作がスムーズに出来るものである。又スライドケース1に設けた翼爪13は、脚立支柱10の二角面を抱え込む役割をし、同時に脚立支柱10の四角面をスライドケース1が包み込む形態と成り、脚立支柱10とスライドケース1との接触面のガタつきを最小限に抑えることが出来る。 依って、脚立作業時には、横ブレが無くなり 安定や安全が確保されるものである。
【0027】
図11は、アルミニュウム製 脚立支柱10 に、装着したバランスキャップである。
【0028】
図12は、切断加工された、脚立支柱10 にスライドケース1を装着したものである。互いの接触ギャップは些少にし、脚立の横ブレやガタつきを最小限に抑えるため密着性と快適性を重視した、脚立支柱10の下端中央部に のぶボルト5が挿通する為の孔を設けこの孔を基軸孔11とする。脚立支柱10に設けた、この基軸孔11を 中心にスライドケース1 は、上下スライド運動するものである。
【0029】
図13は、脚立支柱10 に装着したバランスキャップの斜面図である。
【0030】
スライドケース1 は、脚立支柱10と同質のアルミニュウム材を用いるのが好ましい、又加工した素材の強度と合理性を確保する為、脚立支柱10 の四角面を包み込む 類似型四角錐の形状に設計したものである。脚立支柱10 にスライドケース1を取付け、スライド運動時の 互いの接触ギャップは些少にし スライド操作の密着性と快適性を重要視して作成したものである。
【0031】
脚立支柱10に対しての切断加工に当たっては、正面側から右側に位置する 脚立支柱10の下端先を、スライドケース1に設けてある長孔11の長さ値に合わせて切断する。次に脚立支柱10の下端中央位置に のぶボルト5が挿通る為の基軸孔を設ける、互いのスライド運動は、この基軸孔11を支点として行なわれるものである。又 脚立支柱10下端部に対しての切断加工 及び 基軸孔の作成 及び 取付けまでの作業時間は数分で完了するものである。
【0032】
バランスキャップは、アルミニュウム製 等の既製 脚立15に対して取付け可能であり、その役割は、脚立15の横ブレやガタつきを防止する為の器具である。又 素材や形状の変更によっては サイズを変更する事もある。
【0033】
一般普及型で4本脚のアルミニュウム製 脚立の安全上の取り扱いについては、脚立全体に掛かる 最大使用負荷質量は100kg以下と規定されている。バランスキャップに対しての負荷測定に当たっては、2017年10月20日、バランスキャップを脚立支柱10に装着し、脚立15の片面 踏みざん14に300kgの負荷をかけ、そのテストの結果 部品や噛合部等に変形及び損傷は 全く生じなかった事を証明するものである。
【0034】
脚立支柱10に装着した、本発明のバランスキャップの 操作方法についての説明である。脚立15の右脚又は対角線上にある脚の接地面が高い場合、左脚又は対角線上にある脚が浮いて 脚立15が不安定状態となる。この場合は、左脚の浮いた空間値だけスライドケース1を上方向にスライド操作する事により 4本の脚が安定着地する。脚立15の横ブレ等が止まった時点で、スライドケース1の長孔7に設けた鋸歯8 と鋸固定歯止め具12に備えてある鋸歯止め2とを噛合させ、基軸孔11を介して 供廻り防止ナット盤6 に仮止めしてある のぶボルト5 を締め付け固定し調整作業は完了である。又、脚立15の左脚又は対角線上にある脚の接地面が高い場合、右脚又は対角線上にある脚が浮いて 脚立15が不安定状態となる。この場合は、右脚が浮いた空間値だけスライドケース1を下方向にスライド操作する事により 4本の脚が安定着地する。脚立15の横ブレ等が止まった時点で、スライドケース1の長孔7に設けた鋸歯8 と鋸固定歯止め具12に備えてある鋸歯止め2を噛合させ、基軸孔11を介して 供廻り防止ナット盤6に仮止めしてある のぶボルト5 を締め付け固定し調整作業は完了である。 例えば、環境の悪い凸凹地面上での高所作業の場合。バランスキャップを脚立15に装着し 上下にスライド 調整 操作する事により、脚立15の横ブレやガタつきが止まり、一瞬にして脚立が安定状態と成るものである。
【符号の説明】
【0035】
1 スライドケース
2 鋸歯止め
3 固定具
4 ワッシャ
5 のぶボルト
6 供廻り防止ナット盤
7 スライドケースの中央部に設けた 長孔
8 鋸歯
9 滑り止めソックス
10 脚立支柱
11 脚立支柱の下端中央部に設けた 基軸孔
12 鋸固定歯止め具
13 スライドケースに設けた 翼爪
14 脚立の 踏みざん
15 アルミニュウム製の 脚立
16 固定具に鋸歯止めを固定する為の締め付け ビス
17 噛合位置を調整する 取っ手
18 バランスキャップ
【要約】 (修正有)
【課題】サイズを変更する事により二本脚の梯子にも容易に取付け可能である。また上下スライド操作はmm単位での調整が可能で低い凸凹地面であっても4本の脚がそれぞれバランス良く安定着地することができるバランスキャップの提供。
【解決手段】4本脚のアルミニュウム製脚立支柱部を原型とし、その支柱部の外径四角面を包み込む様に類似型四角錐のスライド式に作成した。脚立の横ブレ防止の為のバランスキャップにおいて、脚立の支柱右脚先端部から長さ50mmを切断し、切断先から110mm側面の中央位置に直径10mmの基軸孔を作成する、この基軸孔を支点としてバランスキャップと脚立の支柱部が互いにスライド運動する。バランスキャップは、主にスライドケースと鋸固定歯止め具とのぶボルトと供廻り防止ナット盤から構成されている。
【選択図】
図13