(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器の口部を保持しながら回転させつつ容器外部から検査光を照明して検査する場合、容器を透過する際に屈折したり、影が発生したりしてしまい、検査に適した検査光を照明できないおそれがある。一方で、容器の底部を保持しながら回転させつつ容器の口部に照明手段を挿入して検査する場合、容器の上方と下方の双方に装置を設置する必要があり、検査装置の構造、特に容器周辺の構造が大型化しがちである。
【0005】
そこで、本発明は装置の構造を小型化しつつ、検査に適した検査光を容器の口部の内側に照明することができる容器の検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容器の検査装置は、容器(100)の口部(101)を少なくとも検査する検査装置(1)であって、光拡散部材で構成されて前記口部の内部に挿入される突出部(32a)を有し、前記口部の上端部を保持する保持手段(32)と、
光を導く導光部(54)、及び前記導光部を介した光を用いて前記突出部の内部を照射する発光部(53)を有する導光手段(52)と、前記保持手段及び前記導光手段を所定の搬送経路(W)に沿って搬送する搬送手段(12)と、前記搬送経路上の検査位置において、前記保持手段及び前記導光手段の上方に固定されて設けられた光源(60)と、前記検査位置に前記保持手段が位置して前記光源からの光が前記導光部に導かれることにより前記導光手段が前記突出部を介して検査光を前記口部に照明しているときに、前記口部を撮像する撮像手段(8a)と、を備えたものである。
【0007】
本発明の容器の検査装置によれば、容器の口部の上端を保持する保持手段を設け、保持手段の一部である突出部の内部を
光で照射することによって口部の内部から検査光を照明する。これにより保持手段
、導光手段及び光源を容器の上方に集約させることができるとともに、口部に対して均一な検査光を照明することができる。したがって、装置の構造、特に容器周辺の構造を小型化しつつ、検査に適した検査光を容器の口部の内側に照明することができ、装置の小型化と検査精度の向上を両立させることができる。
【0008】
また、保持手段、導光手段及び光源とともに搬送手段も容器の上方に集約させることができる。したがって、容器を搬送しながら口部を検査する検査装置の構造、特に容器周辺の構造を小型化しつつ、検査に適した検査光を容器の口部の内側に照明することができる。さらに、光源が保持手段とは離れて設置されているので、搬送する対象が小さくなって容器周辺の構造を小型化できる。
【0009】
本発明の検査装置の一形態において、前記導光手段は、棒形状の光学部材(52)で構成されており、前記光学部材のうち前記突出部側に位置する端部(52b)が前記発光部として機能し、前記光学部材のうち前記端部を除いた部分が前記導光部として機能してもよい。また、この形態において、前記導光部及び前記光学部材が、アクリル樹脂で形成されていてもよい。
【0010】
本発明の検査装置の一形態において、検査装置は、前記搬送経路上における前記検査位置以外の位置にて、前記保持手段が保持する前記容器を照明する照明装置(9)と、前記照明装置が前記容器を照明しているときに、前記容器を撮像する第2の撮像手段(8b、8c)とを備えてもよい。
【0011】
本発明の一形態において、検査装置は、前記保持手段をその軸線の回りに回転可能に支持するとともに、前記導光手段が前記保持手段の回転に伴う回転をしないように前記導光手段を支持する支持手段(22)と、前記保持手段を前記軸線の回りに回転させるように駆動する回転駆動手段(15)と、を備え、前記撮像手段は、前記保持手段が回転し、かつ前記導光手段が前記保持手段の回転に伴う回転をしていないときに前記口部を撮像するものとしてもよい。これによれば、保持手段、導光手段及び光源とともに支持手段及び回転駆動手段も容器の上方に集約させることができる。したがって、容器を回転させながら口部を検査する検査装置の構造、特に容器周辺の構造を小型化しつつ、検査に適した検査光を容器の口部の内側に照明することができる。
【0012】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0013】
以上、説明したように、本発明の容器の検査装置においては、容器の口部の上端を保持する保持手段を設け、保持手段の一部である突出部の内部を
光で照射することによって口部の内部から検査光を照明する。これにより、保持手段
、導光手段及び光源を容器の上方に集約させることができるとともに、口部に対して均一な検査光を照明することができる。したがって、装置の構造、特に容器周辺の構造を小型化しつつ、検査に適した検査光を容器の口部の内側に照明することができ、装置の小型化と検査精度の向上を両立させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(
参考例)
本発明の実施形態に先立って参考例を説明する。図1は、
参考例に係る容器の検査装置の平面図である。検査装置1は、容器としてのプリフォーム100の外観を検査する。
図5は、プリフォーム100の全体図である。プリフォーム100には、口部101と、首部102と、胴部103が設けられている。口部101の側面には、らせん状の溝部101aが設けられている。また、口部101の上端には、開口部101bが設けられている。首部102には、鍔102aが設けられている。胴部103には、球面状の底部103aが設けられている。
【0016】
図1に戻り、検査装置1は、所定の搬送経路に沿ってプリフォーム100を搬送しつつ、搬送途中で各部の外観を検査する。検査結果に応じて、不良品を排出しつつ良品を次工程へ搬送する。検査装置1には、入口スターホイール搬送装置2と、メインロータ装置3と、出口スターホイール搬送装置4とが設けられている。入口スターホイール搬送装置2は、プリフォーム100を供給する入口搬送部5からプリフォーム100を受け取ってメインロータ装置3に搬送する。入口スターホイール搬送装置2には、外周に等間隔に設けられた複数のポケット2aを有するスターホイール2bが設けられている。また、出口スターホイール搬送装置4も同様に、外周に等間隔に設けられた複数のポケット4aを有するスターホイール4bが設けられている。出口スターホイール搬送装置4は、不良品のプリフォーム100を不良品排出部6へ搬送し、残りの良品のプリフォーム100を出口搬送部7へ搬送する。なお、入口スターホイール搬送装置2及び出口スターホイール搬送装置4は、周知技術を利用して構成してよい。
【0017】
図2は、メインロータ装置3の正面図である。メインロータ装置3は、軸線AX1に沿って設けられる回転軸11と、軸線AX1の回りに回転する搬送手段としての第1ディスク12と、回転しないように固定された第2ディスク13と、第1ディスク12の外周に沿って等間隔に設けられた複数の吸着ヘッド14と、吸着ヘッド14を自転させるための回転駆動手段としての回転駆動装置15とを備えている。回転軸11は、回転自在に設けられている。第1ディスク12は、回転軸11と一体として回転する。第1ディスク12には、外周に沿って等間隔に開いた複数の貫通孔12aと、吸着ヘッド14を上下方向に案内する昇降ガイド部材12bとが設けられている。各貫通孔12aには、吸着ヘッド14が挿入され、吸着ヘッド14は第1ディスク12の回転に伴って軸線AX1の回りに回転する。昇降ガイド部材12bには、ガイドレール12cと、ガイドレール12cに沿って案内されるスライダ12dとが設けられている。ガイドレール12cは、第1ディスク12に固定され、吸着ヘッド14に固定されたスライダ12dを案内する。また、第2ディスク13には、外周に沿ってカム13aが設けられている。回転駆動装置15(
図1参照)には、複数の軸に掛け回されたスピンベルト15aが設けられ、スピンベルト15aは、図示しない駆動源から動力を受け、回転駆動する。
【0018】
図3は、吸着ヘッド14の拡大図である。吸着ヘッド14は、軸線AX2に沿って設けられる第1シャフト14aと、第1シャフト14aと同軸に設けられ、第1シャフト14aに対して回転自在に設けられる第2シャフト14bとを備えている。第1シャフト14aには、プリフォーム100の口部101を照明する照明手段としての照明装置21と、第2シャフト14bを軸線AX2の回りに回転可能に支持する支持手段としての第1支持部22とが設けられている。照明装置21には、発光部21aと、発光部21aを支持する支持軸21bと、発光部21aからの光を反射する反射部材としての反射板21cとが設けられている。発光部21aには、一例としてLEDが利用される。支持軸21bは軸線AX2に沿って円筒状に形成され、内部には、発光部21aに電力を供給するケーブル21dが配線されている。支持軸21bには、発光部21aが固定される。また、支持軸21bには、発光部21aの検査光を反射する反射板21cが固定されている。反射板21cは、一例としてミラーで構成される。第1シャフト14aと第2シャフト14bとの間には、空間が設けられ、断面リング状の空気通路23が形成されている。第1支持部22には、プリフォーム100内の空気を吸引するためのバルブ22aと、第2シャフト14bと接続する接続部22bとが設けられている。バルブ22aの吸引口22cには図示しない吸引手段としてのバキュームポンプが接続されている。吸引口22c及び空気通路23を介して空気が吸引される。接続部22bには、バルブ22aとの間に軸受22dが設けられ、バルブ22aに対して第2シャフト14bの回転軸31が回転可能に支持されている。接続部22bの上端22eとバルブ22aとの間には、微小の隙間が設けられている。これにより、吸引力の減少を最小限に留めつつ、回転軸31とバルブ22aとの接触を回避している。
【0019】
第2シャフト14bには、軸線AX2の回りに回転可能な回転軸31と、プリフォーム100を保持する保持手段としての保持部32と、回転軸31を回転可能に支持する第2支持部33と、回転軸31に回転力を付与するためのプーリ34とが設けられている。回転軸31は、空気通路23を形成するために円筒状に設けられている。保持部32には、プリフォーム100を保持する突出部としてのホルダ32aが設けられている。ホルダ32aは、発光部21aからの検査光を拡散する光拡散部材で構成される。光拡散部材は、発光部21cの輪郭を消失させ均一な光を取り出すために一般的に乳白色の部材で構成される。光拡散部材の構成として、例えば、ガラスやポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等の透明材料が用いられ、それらの材料に光を拡散させる拡散剤(透明樹脂と屈折率の異なる粒子)を分散させている。光拡散部材の構成は、周知技術を利用してよい。ホルダ32aは、先端が切り取られた円錐状に形成されている。ホルダ32aの下端には、孔部32bが設けられている。孔部32bを介してプリフォーム100内の空気が吸引されると、プリフォーム100の上端部が保持部32に吸着される。
【0020】
第2支持部33には、昇降ガイド部材12bのガイドレール12cに案内されるスライダ12d(
図2参照)が固定される。スライダ12dには、カムフォロア33a(
図2参照)が設けられている。カムフォロア33aは、第2ディスク13のカム13aに沿って案内され、上下方向に移動する。これにより、スライダ12dがガイドレール12cに沿って移動し、吸着ヘッド14が上下方向に移動する。また、第2支持部33には、スライダ12dに対して回転軸31を回転可能に支持する軸受33bが設けられている。プーリ34は、スピンベルト15aの回転力を受ける。これにより、回転軸31が軸線AX2の回りに回転(自転)する。第1ディスク12、第1支持部22及び回転駆動装置15は、保持部32のプリフォーム100を保持している位置よりも上方に設置されている。
【0021】
検査装置1には、プリフォーム100を撮像する複数の撮像装置8a〜8c(区別する必要のない場合、参照符号8で代表する。)と、検査するプリフォーム100を照明する照明装置9が設けられている。撮像装置8には、プリフォーム100を撮像するカメラ8dと、ミラー8eとが設けられている。カメラ8dは、ミラー8eを介してプリフォーム100を撮像する。撮像装置8aはプリフォーム100の口部101を撮像し、撮像装置8bは首部102を撮像し、撮像装置8cは胴部103を撮像する。照明装置9は、撮像するプリフォーム100を照明するためのもので、適宜の位置に配置される。
【0022】
また、検査装置1には、吸着ヘッド14の移動経路W上における保持部32の位置及び撮像装置8の位置に応じて発光部21aの点灯及び消灯を切り替える切替制御をする制御装置41が設けられている。例えば、制御装置41は、保持部32の位置及び撮像装置8の位置に応じて決定された移動経路W上の点灯領域Aに各吸着ヘッド14が到達するとその吸着ヘッド14の発光部21aを点灯させ、点灯領域A外に到達すると発光部21aを消灯させるように切替制御する。制御装置41は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置とを備えたコンピュータユニットである。制御装置41内には、コンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組合せによって実現される適宜の論理的装置が実現される。口部検査装置10には、メインロータ装置3と、撮像装置8aと、制御装置41が含まれる。
なお、撮像装置8aが撮像手段に相当する。
【0023】
検査装置1の動作を説明する。入口搬送部5からプリフォーム100が入口スターホイール搬送装置2に供給されると、各ポケット2aに収容され、順次メインロータ装置3へ搬送される。メインロータ装置3では、吸引ヘッド14の第1シャフト14a及び第2シャフト14bの間の空気通路23を介してプリフォーム100内の空気が吸引され、プリフォーム100は、保持部32により口部101が保持される。メインロータ装置3では、軸線AX1の回りに各吸引ヘッド14が回転(公転)するとともに、回転駆動装置15のスピンベルト15aがプーリ34を回転させることにより軸線AX2の回りに吸引ヘッド14が回転(自転)する。各吸引ヘッド14は、公転する際に、カムフォロア33aの移動に伴って上下方向に移動する。メインロータ装置3は、入口スターホイール搬送装置2からのプリフォーム100の供給時、及び出口スターホイール搬送装置4へのプリフォーム100の受渡し時に各吸引ヘッド14が上下方向に移動するように構成されている。プリフォーム100を自転させた状態でプリフォーム100の各部101、102、103を各撮像装置8a〜8cで撮像し、外観検査をする。検査後のプリフォーム100は、出口スターホイール搬送装置4に供給されて、不良品と良品とに区別される。良品のプリフォーム100は、出口搬送部7から次の工程へ搬送される。
【0024】
次に、口部検査装置10の動作を説明する。
図4は、口部検査装置10の概略図である。口部検査装置10では、プリフォーム100の口部101の外観を検査する。メインロータ装置3で搬送されるプリフォーム100が、軸線AX1の回りを回転しつつ、軸線AX2の回りを回転することにより、口部検査装置10は、各プリフォーム100の全周に亘る外観の検査が可能となる。保持部32によってプリフォーム100が保持された状態で、口部検査装置10の第1シャフト14aに設けられた発光部21aが点灯すると、ホルダ32aを介して口部101が照明される。照明装置21は、軸線AX2に沿って設けられているのでプリフォーム100の回転に影響することはない。ホルダ32aが発光部21aからの光を拡散させ、撮像装置8aとホルダ32との間に位置する口部101側面を口部101の内側から均一に照明することができる。したがって、保持部32及び照明装置21をプリフォーム100の上方に集約させることができるとともに、プリフォーム100の口部101に対して均一な検査光を照明することができる。よって、装置の構造、特にプリフォーム100周辺の構造を小型化しつつ、検査に適した検査光をプリフォーム100の口部101の内側に照明することができ、装置の小型化と検査精度の向上を両立させることができる。また、第1シャフト14aには、反射板21cが設けられている。これにより、撮像装置8aとの位置関係が固定され、撮像装置8aに入射する検査光を増加させることができる。
【0025】
上述した参考例は種々の変更が可能である。例えば、
参考例では、検査対象としてプリフォーム100で説明したがこれに限られない。例えば、ペットボトルや壜等の透明な容器の口部であっても検査可能である。また、
参考例では、保持部32は、プリフォーム100内の空気を吸引することによりプリフォーム100を保持していたがこれに限られない。例えば、プリフォーム100の上端部を挟みながら支持したり、開口部101bに保持部材を挿入して保持部材が半径方向外側に拡がるようにして保持したりしてもよい。この場合、保持部材を介して検査光を照明してもよい。
【0026】
また、
参考例において、ホルダ32aは、先端が切り取られた円錐状に形成されているとして説明したが、これに限られない。例えば、ホルダ32aの形状として、円筒形であってもよいし、半球形状であってもよい。また、ホルダ32aがプリフォーム100の内部に挿入されない平面状であってもよい。この場合、プリフォーム100の上面から内部を照明する。口部101の内部から照明できる形状であれば適宜の構成が可能である。また、空気通路23は、断面リング状の空間として説明したがこれに限られない。単数又は複数の孔で形成されていてもよい。孔の断面形状は、円形状や多角形状等適宜の形状で構成してよい。また、この場合において、第1シャフト14aが第2シャフト14bに伴って回転してもよい。上述した
参考例では、照明装置21に反射板21cが設けられている例で説明したが、これに限られない。例えば、照明装置21に反射板21cが設けられていなくてもよい。上述した
参考例において、照明装置21が、発光部21aにケーブル21dを配線して構成された例で説明したがこれに限られない。例えば、周知技術を利用して発光部21aへの電力供給を非接触で行い、照明装置21が保持部32とともに回転するように構成してもよい。この場合、照明装置21は保持部32に固定されてもよい。
【0027】
上述の
参考例において、制御装置41は、移動経路Wのうち撮像装置8に対応する所定の経路上に保持部32が位置する場合には発光部21aを点灯させ、所定の経路以外に保持部32が位置する場合には、発光部21aを消灯させてもよい。あるいは、制御装置41は、発光部21aを常時点灯させてもよい。この場合、検査対象でない保持部32からの光を遮るように撮像装置8の周辺に遮光部材を設置してもよい。上述した
参考例において、メインロータ装置3で容器が搬送される形態で説明したがこれに限られない
。ストレート搬送等の様々な搬送形態
が適用可能である。
【0028】
(第
1の形態)
次に、本発明の第1の形態に係る検査装置を説明する。上述の
参考例では、照明装置21が、発光部21aにケーブル21dを配線して構成されている
が、本形態ではその構成が変更されている。例えば、照明装置として光源からアクリル部材を介してホルダ32aの内部を照射してもよい。
図6は第
1の形態に係る検査装置1Aのメインロータ装置3Aの正面図で、
図7は第
1の形態に係る検査装置1Aの吸着ヘッド50の拡大図である。第
1の形態において、吸着ヘッド50以外の構成部材は
参考例の構成部材と同様であるので、同一の参照符号を付して説明を省略する。吸着ヘッド50には、軸線AX2に沿って設けられる第1シャフト50aと、第1シャフト50aと同軸に設けられ、第1シャフト50aに対して回転自在に設けられる第2シャフト14bとを備えている。第1シャフト50aには、光源60からの光を導いて、ホルダ32aの内部を照射するアクリル部材52と、第1支持部22とが設けられている。なお、第2シャフト14b及び第1支持部22については、上述した
参考例と同様の構成であるので同一の参照符号を付して説明を省略している。
【0029】
光源60は、第1ディスク12の回転に伴う回転をしないように、第1ディスク12の上方、より詳しくは第1支持部22の上方に固定されて設けられている。また、光源60は、移動経路W上の点灯領域Aに設置される。撮像装置8aの撮像位置に応じて1又は複数の光源60を設置してよい。光源60には、一例としてLEDやLD等が利用される。第
1の形態において、光源60は、検査期間において常に点灯し続けるように構成されている。アクリル部材52は、アクリル樹脂で形成された棒状の光学部材である。アクリル部材52は軸線AX2に沿って設けられ、上端側は第1支持部22に支持されている。アクリル部材52のうち光源60側に位置する端部である上端部52aは、光源60からの光を受光する。一方、アクリル部材52のうちホルダ32a側に位置する端部である下端部52bは、上端部52aから伝わった光によって発光する。下端部52bの断面は軸線AX2に対する垂直方向と平行になるようにカットされている。アクリル部材52の下端部52bから照射される光は検査光として、ホルダ32aを介してプリフォーム100の口部101を照明する。
【0030】
第
1の形態において、照明手段としての照明装置51は、光源60と、導光手段としてのアクリル部材52とを備えている。この場合、アクリル部材52の下端部52bが、ホルダ32a(突出部)の内部を照射する発光部53に相当し、アクリル部材52のうち下端部52bを除いた部分が、光源60からの光を発光部53へ導く導光部54に相当する。上述のとおり、発光部53は、導光部54を介した光を用いてホルダ32a(突出部)の内部を照射する。なお、
図7で示すアクリル部材52の発光部53及び導光部54は一例であり、アクリル部材52における発光部53と導光部54の割合は、各部53、54の機能に応じて変化する。
【0031】
第
1の形態において、アクリル部材52に代えて、例えば、光ファイバを導光手段として設けてもよい。この場合においても、光ファイバのうちホルダ32a側に位置する端部である下端部が発光部53に相当し、光ファイバのうち下端部を除いた部分が導光部54に相当する。第
1の形態において、導光部54と発光部53とが同一の部材として説明したがこれに限られない。例えば、導光部54をアクリル部材で構成し、導光部54からの光をホルダ32aに照射する発光部53を、光拡散性を有する材料で形成された別の光学部材で構成するようにしてもよい。導光部54と発光部53とを一体的に形成し、発光部53に相当する下端部に光拡散性を付してもよい。導光部54は、アクリル部材52や光ファイバに限られず、透過率の高い光学部材で構成してもよいし、何も設けずに第2シャフト14bの回転軸31内の空間を光が通過するようにしてもよい。一方で、発光部53を導光部54と同じ材料で形成してもよいし、別の材料で形成してもよい。ホルダ32aの内部で発光部53が発光している状態であれば、ホルダ32aを介して検査光をプリフォーム100の口部101に照明可能である。また、導光部54を設けることで、光源60の設置の自由度が向上する。光源60は、第1支持部22の上方に設置しなくてもよく、例えば、光ファイバを配線して適宜の位置に設置することができる。
【0032】
(第
2の形態)
第
1の形態において、保持部32のプリフォーム100を保持する平坦な保持面に検査光の反射を防止する表面処理をしてもよい。
図8は、第
2の形態に係る検査装置1Bの口部検査装置10Bの概略図である。なお、第
2の形態において、
参考例及び第
1の形態と同様の構成部材は、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0033】
口部検査装置10Bにおける吸着ヘッド70の保持部71の保持面71aには、検査光を吸収させる表面処理が施されている。表面処理の一例としては、金属メッキや電解研磨等が挙げられる。例えば、プリフォーム100の口部101の検査に青色系の検査光を用いた場合、青色系の検査光の反射をしにくくさせる有色クロメート処理を保持面71aに施す。
【0034】
保持部71において、表面処理は、撮像装置8aに入射する方向から外れている方向に向かう検査光が反射した場合に、その反射光が撮像装置8aに入射可能な反射領域72の少なくとも一部に施される。反射領域72には、保持面71aが含まれる。反射領域72の全域に表面処理をしてもよいし、保持面71a(
図8のプリフォーム100を保持している平坦な面)のみに表面処理を施してもよい。反射領域72は、保持部71の形状に応じて適宜設定してよい。なお、検査光が反射してその反射光が撮像装置8aに入射可能な領域が保持部71以外にも存在している場合、その領域に表面処理を施してもよい。
【0035】
第
2の形態において、光源60からの光が伝わってアクリル部材52の下端部52bが発光すると、ホルダ32aを介して口部101に検査光が照射される。保持面71aを表面処理することにより、検査光が保持面71aで吸収されるので、反射を防ぐことができる。したがって、保持面71aでの検査光の反射を低減して撮像装置8aへの悪影響を抑え、検査精度の低下を防ぐことができる
。
【0036】
第
1及び第
2の形態においては、光源60は検査期間において常に点灯し続けるように構成されているが、点灯及び消灯を切り替える切替制御を実行する制御装置41Aが接続されていてもよい。この場合、制御装置41Aは、光源60の照射位置に吸着ヘッド50が到達するタイミングで光源60を点灯させ、照射位置に吸着ヘッド50が位置していないときには光源60を消灯させるように切換制御を実行する。また、上述した
参考例と同様、ホルダ32aの内部に反射部材を設けてもよい。上述した
参考例と同様、発光部53に反射部材を固定して設置してもよい。また、第
1及び第
2の形態においては、照明装置51の導光手段(アクリル部材52)は、保持部32の回転に伴う回転をしないように第1支持部22に支持されているが、保持部32とともに回転するように構成してもよい。この場合、導光手段(アクリル部材52)は保持部32に固定されてもよい。また、第
1及び第
2の形態においては、下端部52bの断面は軸線AX2に対する垂直方向と平行になるようにカットされているが、下端部52bは他の形状で構成されてもよい。例えば、下端部52bの断面は軸線AX2に対して斜めにカットされてよい。また、下端部52bはV字にカットされてもよいし、中心が凸となる円錐形状にカットされてもよい。適宜の変更が可能である。