(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、飲料水や食品の濾過精製に利用される珪藻土は、二酸化珪素を主成分とした植物プランクトン化石の集合体から成る天然多孔質素材で、水分や油分を大量に保持することができるため、乾燥土壌を改良する土壌改良材や流出した油を捕集する捕集材として使用されている。また、パーライトやゼオライトも、珪藻土と同様に二酸化珪素を主成分とする天然多孔質素材で、珪藻土と近い性質を示すが、その由来が火山岩であることが珪藻土と異なる。由来以外の違いは、その孔の大きさであり、珪藻土やパーライトがミクロンサイズの孔を有するのに対して、ゼオライトの場合はナノメートルサイズの孔が主体を占める。この結果、パーライトも濾過助剤として使用されるが、ゼオライトは主にイオン交換剤として利用されている。
また、前述の様に、珪藻土やパーライトは有機物の濾過にも使われるので、これら操作を経て廃棄されたものを炭化させれば、珪藻土やパーライトと炭の複合体となる。
以上のことから、本技術の実施例で行った実験は、珪藻土で代表させて行った。
【0003】
土壌表面に珪藻土を敷設したことによって温度乃至湿度の低下及び土壌表面の乾燥低下が図られ、防虫作用、防菌作用を得ることが知られている(特許文献1を参照)。
この公知技術は、各種植物を植えている容器内土壌表面又は栽培地の土壌表面に珪藻土を単体若しくは主成分として塗布又は散布、或いは敷設することで各種病害虫の発生や侵入を防止することを可能とした病害虫並びに木材腐朽菌の防除方法である。
【0004】
また、建築物の屋上に土壌を敷き詰め、該土壌に植物を植栽して屋上の緑化を行う場合に、土壌の下層に保水材として珪藻土を使用することが知られている(特許文献2を参照)。
この公知技術は、建築物の屋上に敷き詰めた土壌の下層に敷設した板状の基部と平面視多角形の筒体をハニカム状に成型して構成する保水部とを備える緑化用排水基盤であって、前記筒体により形成される第一保水部と第二保水部に保水作用が高い珪藻土が充填可能とされている緑化用保水排水基盤である。
【0005】
しかしながら、これまでは、珪藻土の漠然とした保水力や保肥力のみが期待されており、その散布方法による作用の違いにより、植物、特に樹木に対して成長速度を通常より速められること、或いは花芽や結実数の増加に効果があることは検討されていなかったし、珪藻土の保水力を利用して、土壌中に珪藻土を敷設して恒常的に水分を保持させ、その水分に塩化ナトリウムを移動・溶解させることにより、土壌中の塩分濃度を低下させることも検討されていなかった。
【発明を実施するための形態】
【0011】
改めて珪藻土について述べると、珪藻土は藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物(堆積岩)であり、珪藻の殻は二酸化珪素(SiO
2)で出来ている。珪藻が海や湖沼などで大量に死滅すると、その死骸は水底に沈殿する。死骸の中の有機物の部分は徐々に分解されていき、最終的には二酸化珪素を主成分とする殻のみが残る。このようにしてできた珪藻の化石からなる岩石が珪藻土である。
珪藻の殻には小孔が多数空いているため、珪藻土は体積あたりの重さが非常に小さい。そのため、珪藻土の最大の用途は濾過助剤である。イオン等溶質に対する吸着能力は低く、溶液中に溶解している成分はそのまま通し、不溶物だけを捕捉する性質があり、珪藻土単独で濾過することは稀で、フィルターに微細粉末が目詰まりしてしまうのを防ぐために使用される。
また、珪藻土は、小孔が多数空いているので水分や油分を大量に保持することが出来る。
冒頭で述べた様に、パーライトやゼオライトも多孔質材料で、珪藻土と近い性質を示すが、その由来が火山岩であることが珪藻土と異なる。ゼオライトの場合、孔の大きさに違いがあり、ナノメートルサイズの孔が主体を占める。
また、前述の様に、珪藻土やパーライトは有機物の濾過にも使われるので、これら過程を経て廃棄されたものを炭化させれば、珪藻土やパーライトと炭の複合体となり、本技術の様な農業資材として使用することができる。
本発明は、珪藻土他の保水力・保肥力・保温力を利用して、樹木の生長をコントロールすることや、樹木の花芽と結実数や根菜類の収穫量を増加させたり、土壌の塩分濃度を低下させたりすることができるものである。
【0012】
まず、本発明の珪藻土を用いた樹木の生長促進方法の実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
<生長の促進を遅らせる場合>
図1の概略説明図に示すように、(a)植え付け時;樹木の周りを所定半径、深さ(共に成木の根が及ぶ範囲以内)で掘り起こし、この掘り起こされた空間に珪藻土を敷設する。したがって、樹木の周りの地表は、珪藻土で囲まれる。(b)晴天時;珪藻土の表面から水分が蒸発し、周辺の水分と共に水溶性養分の珪藻土への濃縮が行われる。したがって、土壌中の水分量が珪藻土からの蒸発で減少されるため、樹木の生長促進が抑制される。(なお、この処理により植物の細根発達は遅れるが、最終的には発達するため、翌年度以降は生長促進に転ずる。)(c)雨天時;雨水により珪藻土から濃縮した養分を土壌へ徐々に放出する。
【0013】
<成長促進の場合>
図2の概略説明図に示すように、(a)植え付け時;樹木の周りを所定半径、深さ(共に成木の根が及ぶ範囲以内)で掘り起こし、この掘り起こされた空間に珪藻土を埋設し、さらに珪藻土の表面を土壌で被覆する。したがって、樹木の周りの地表は、土壌で囲まれる。(b)晴天時;珪藻土の表面が土壌により覆われているので水分蒸発が抑制され、周辺の水分と共に水溶性養分の珪藻土への濃縮が行われる。したがって、土壌中の水分が適度に一定に保たれるため、樹木の生長が促進される。具体的には、この時に細根の発達が起きるため、生長促進に繋がる。(c)雨天時;雨水により珪藻土から濃縮した養分を土壌へ徐々に放出する。
【0014】
<樹木の根が垂直に伸びるタイプの場合>
図3の概略説明図に示すように、(a)植え付け時;樹木の周りを所定半径、深さ(共に成木の根が及ぶ範囲以内)で掘り起こし、さらに掘り起こした周囲を円筒状に掘り起こし、これらの掘り起こされた空間に珪藻土を埋設し、さらに珪藻土の表面を土壌で被覆する。したがって、樹木の周りの地表は、土壌で囲まれる。(b)晴天時;珪藻土の表面が土壌により覆われているので水分蒸発が抑制され、周辺の水分と共に水溶性養分の珪藻土への濃縮が行われる。したがって、土壌中の水分が一定に保たれるため、樹木の生長が促進される。(c)雨天時;雨水により珪藻土から濃縮した養分を土壌へ徐々に放出する。
【0015】
以下に、珪藻土他を用いた樹木の生長促進方法の実証結果を実施例1として表1,2に記載する。
対照区〔比較例1〕
果樹園に直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、前記穴の中心に支柱を立てる。最初に肥料(有限会社北秋田市有機センターの商品名「ゆうき」)30リットルを投入し十分に踏み固める。前記肥料の上に土を被せ、苗木を植えつける。その際、苗木の茎が埋まらないように高さ調整をし、苗木の根に土を被せる。そして、苗木を前記支柱に結びつける。その後の苗木の成長度合いを観察した。観察に使用した苗木は、接ぎ木をしてから3年経過のもので、大きさ(生長の度合い)が同じものを準備し、リンゴの王林と紅玉をそれぞれ2本ずつ植えた(平成22年4月22日実施)。以下の実施例1と2でも同じ苗木を使用した。
【0016】
珪藻土露出区〔実験例1〕
果樹園に直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、前記穴の中心に支柱を立てる。最初に珪藻土を10cmの厚さで敷き詰め、その後、肥料(有限会社北秋田市有機センターの商品名「ゆうき」)30リットルを投入し十分に踏み固める。前記肥料の上に土を被せ、苗木を植えつける。その際、苗木の茎が埋まらないように高さ調整をし、苗木の根に土を被せる。そして、苗木を前記支柱に結びつける。再び珪藻土を10cmの厚さで被せ、珪藻土の周りを土で堤を形成して風による飛散を防ぐ(平成22年4月22日実施)。その後の苗木の成長度合いを観察した。観察に使用した苗木は、りんごの王林と紅玉をそれぞれ2本ずつ植えた。
【0017】
珪藻土埋設区〔実験例2〕
果樹園に直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、前記穴の中心に支柱を立てる。最初に珪藻土を10cmの厚さで敷き詰め、その後、肥料(有限会社北秋田市有機センターの商品名「ゆうき」)30リットルを投入し十分に踏み固める。前記肥料の上に土を被せ、苗木を植えつける。その際、苗木の茎が埋まらないように高さ調整をし、苗木の根に土を被せる。そして、苗木を前記支柱に結びつける。再び珪藻土を10cmの厚さで被せ、更に珪藻土の表面を土で覆う。その後の苗木の成長度合いを観察した。観察に使用した苗木は、りんごの王林と紅玉をそれぞれ2本ずつ植えた(平成22年4月22日実施)。
【0018】
(表1)紅玉の生長の様子(平成24年9月28日計測)
△:基準 ○:基準に対して10cm+ ◎:基準に対して20cm+
例:◎◎=基準に対して40cm+、◎◎◎◎○=基準に対して90cm+
(表2)王林の生長の様子(平成24年9月28日計測)
△:基準 ○:10cm+ ◎:20cm+ 例:○=10cm+、◎◎○=50cm+
王林の対照区〔実験例1〕の本数が一本なのは、途中で枯れてしまったためである。
【0019】
〔比較結果〕
比較例1と実験例1の樹の高さを比較した場合、実験例の1の方が若干生長が速い(紅玉の場合0cmから48cm、王林では3cmから11cm)が、王林、紅玉共に大きな生長差は認められない。
比較例1と実験例2の樹の高さを比較した場合、王林、紅玉共に珪藻土埋設区〔実験例2〕の方が樹の生長速度が速い。紅玉の場合は、対照区と比較して、18cmから93cmも樹の高さに違いが出ている。王林でも51cmの生長差が確認できる。
したがって、樹木の周りに珪藻土を埋設し、土壌中の水分を一定に保つことにより樹木の生長を制御可能とすることが実証できた。
【0020】
珪藻土敷設の根菜類への効果を確認するための実験を実施例2として表3に記載する。
2012年春に、ジャガイモの苗を植え付ける際に根元に厚さ5cmで畝全体を覆うように珪藻土を敷設した。選択した品種は、ダンシャク、メークイン、キタアカリである。実験区は、ハウス内、ハウス外、露地に設定し、さらに、比較のためそれぞれに対して珪藻土敷設区と非敷設区を設けた。
【0021】
(表3) ジャガイモに対する珪藻土敷設の効果
秋に収穫を行い、品種ごとの品質を分類した結果が表3である。収穫物総計を見ると、ジャガイモ一個当たりの重量は、珪藻土区の方が高い。また、3週間後の商品価値のあるものの総計を見ると、ハウス外のダンシャク以外の全てにおいて、珪藻土区の方が良い成績を示している。
以上のことから、ジャガイモに対して、珪藻土敷設が有効であることが実証できた。
【0022】
以下に、果樹の花芽と結実数の増加方法を実施例3として記載する。
図4に示す様に、2011年12月の降雪前に紅あかり(リンゴの樹)の根元に厚さ5cm、直径1mで珪藻土を敷設した。実験の精度を高めるため、この様な珪藻土敷設を行った樹を3本、敷設をしない樹を2本用意し、翌年(2012年)の収穫量の比較を行った。
実験の結果、珪藻土敷設を行ったリンゴの樹では、大幅な花芽の数の増加が起こり、その結果、
図5に示す様な大幅な結実数の差が表れた。
したがって、樹木の根元に珪藻土を敷設するだけで、やはり土壌中の水分が一定に保たれ、細根の発達が促され、それにより花芽の数が増加し、結実数も増加することが実証できた。
【0023】
紅玉の生長と結実数に対する効果を実施例4として記載する。
実施例1で記載した紅玉が平成24年度から安定して結実する様になったので、平成24年と25年の違いを
図6a〜fに示す。また、生長と結実に対する珪藻土の効果をまとめたのが表4である。
(表4) 紅玉の生長と結実数に対する珪藻土敷設の効果
樹の高さでは、珪藻土埋設区Aが最も良い。但し、樹の高さの増加量では対照区Aと珪藻土埋設区Aの成績が良い。幹の太さ及び実の数は、全て珪藻土敷設区A,Bが良い成績を示している。
したがって、珪藻土の敷設がリンゴの木の生長と結実数に効果的であることが改めて証明でき、特に珪藻土を埋設すると、その効果が顕著になることが明らかになった。
【0024】
染井吉野の開花時期と結実数に対する効果を実施例5として記載する。
図7a〜dは山形県真室川町の真室川公園に植樹されている染井吉野で、3本のうち、中央の樹の根元に珪藻土を敷設してある。
平成25年5月6日:両側の樹と比較して、中央の樹は、写真の上の方を中心に、桜の花芽が大きく膨らんでいるのが確認できる。
5月10日:左側の樹と比較すると、中央の樹の桜が良く咲いているのが確認できる。
5月17日:両側の樹の花は既に散っているが、中央の樹の花はまだ咲いている。
5月25日:中央の樹には、花のついていた花柄が沢山残っており、この多くが実へと変わっている。
したがって、珪藻土の敷設が染井吉野の開花と結実にも効果があることが明らかになった。
【0025】
庄内節田梅の生長効果に対する効果を実施例6として表5,6に記載する。
実施例5と同じ山形県真室川町の真室川公園に植樹されている庄内節田梅である。表5に珪藻土敷設区の生長の様子を、表6に珪藻土未敷設区(対照区)の生長の様子をそれぞれ示す。また、珪藻土敷設区の生長の様子を
図8a〜eに示す。珪藻土敷設区は、真室川町役場の方の指示に従い、特に樹勢が弱く、うさぎ等野生動物による食害を受けている梅の樹に対して試験を行った。
生長率を見ると、珪藻土敷設から僅か6ヶ月で大きな差がでている。未敷設区では15本中、半数近い7本で樹勢が弱く、そのうち3本が枯死している。また伸長率の最大は24%である。一方、珪藻土敷設区では、樹勢が弱い樹が10本中2本で、そのうち1本が枯死してしまったものの、全体的に生長が良く、伸長率の最大は73%に達する。
したがって、珪藻土の敷設が梅の生長及び樹勢回復にも効果的があることが明らかになった。
(表5) 庄内節田梅(珪藻土敷設区 平成25年4月27日敷設)
(表6) 庄内節田梅(珪藻土未敷設区)
【0026】
次に、本発明の珪藻土を用いた有害成分作用の緩和方法の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図9の概略説明図に示すように、畑において、珪藻土を土壌中に分散させ、さらに畝の間にも珪藻土を敷設する。これにより、土壌中の相対水分量が増加して、その結果、土壌全体としての塩分濃度が減少する。すなわち、珪藻土を土壌中に分散又は畝間に敷設して恒常的に水分を保持させ、その水分に塩化ナトリウムを移動・溶解させることにより、土壌中の塩分濃度を低下させる。
このようにして、珪藻土の保水力を利用して、土壌中の塩分濃度を低下させることで塩害対策を行うことができる。
本手法の有効性を確認するため、簡易的な試験を行った。プラスチックのカップ(容量300ml)に仙台市で採取した塩分0.3%の津波堆積物を珪藻土と混合して実験土壌とした。混合比は、津波堆積物原土、珪藻土混合量10%、20%、30%の4種類である。一方、実験する植物にはサニーレタスと小松菜、いちごの夏姫と宝交早生の計4種類を選択した。
実験結果を
図10に示す。実験開始は2012年3月19日で、それから一か月ごとの様子を示してある。各写真のカップの左側が津波堆積物原土で右に行くに従い珪藻土含有量が増え、最も右側が30%である。植物は各写真の一番上がいちごの夏姫で、次の段が小松菜、その次がサニーレタスで、一番下が宝交早生である。
今回の実験は、塩害に対する珪藻土の有効性を確認するのが目的であるので、カップの底に穴を開けていない。この結果、水はけが悪くなり、中段2列の小松菜とサニーレタスは、実験途中で枯れてしまった。
珪藻土の効果を良く確認できるのは各写真上段の夏姫で、日にちが経過するに従い、津波堆積物の割合が大きい左側の試料から枯れ始めている。
一方、各写真最下段の宝交早生はすべて健在だが、やはり珪藻土含有量が多い右側の試料の生育が良いのが確認できる(
図10の7月9日の写真)
以上の実験から、農地の塩害対策に珪藻土の敷設が有効なことが実証できた。
【0027】
前記各実験から、珪藻土の植物に対する有効性が確認できたが、次の課題が残されている。
果樹への珪藻土他の敷設は半永久的なので、特に問題はないが、根菜類に対して本手法を実施する場合は次の工夫が必要になる。畑は毎年耕すので、その都度珪藻土他を敷設すると、土壌中の珪藻土他の割合が高くなりすぎ、バランスが悪くなってしまう。これを解決するため、珪藻土他をポリエステルの様な吸水性素材でできた袋に封入して使用する。これにより、珪藻土の移動や廃棄が容易になる。
【0028】
前記珪藻土他を入れる袋の上下で色を変えることにより、移動や廃棄が容易になるだけでなく、目的に合わせた使用も可能になる。例えば、上面と下面を白と黒で塗り分けることにより、高温期である夏季は白色面を上にしたり、低温期である冬季は黒色面を上にしたりすることで、より効果的に土壌の保温・保水効果を制御することが可能になる。
【0029】
以下説明した如く、本発明によれば、従来では全く考えられなかった画期的な植物の生長促進や収穫量の増加、さらには塩害被害の軽減が可能となり、特に、生長促進や収穫量の増加では樹木の活力を引き出せるので、農薬や過度の肥料に頼らない農業が展開できる。また、近年問題となっているウイルスによる梅の大量枯死などに対しても、苗木の生長促進で早期の復旧が期待できる。さらに、花芽が増やせるので、桜のような花見の対象となる樹木を十分に開花させることもできる。
本手法で使用する珪藻土他は、食品や工業資材のような純度は必要としないため、これまで資源に成りえなかった部分の活用にもつながる。
以上の様に本発明による貢献度は極めて高いと言える。