特許第6182776号(P6182776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182776
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   B62D25/08 M
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-102304(P2014-102304)
(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公開番号】特開2015-217775(P2015-217775A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 努
【審査官】 森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−86672(JP,A)
【文献】 特開2007−99236(JP,A)
【文献】 特開2012−193519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型のボディを備える車両であって、
車両の前面又は後面の少なくとも一方の面は、車両の外面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの内側に重ね合わされて接合されたインナパネルと、を備えたパネル複合体を備え、
前記パネル複合体には窓開口部が形成されており、該窓開口部は、前記アウタパネルの外側に重ね合わされた窓ガラスで塞がれており、
前記パネル複合体には、前記窓開口部の上側又は下側の少なくとも一方側の左右の隅部において前記インナパネルに補強部位が設けられており、
前記補強部位は、前記アウタパネルの輪郭をショートカットするように前記アウタパネルよりも前記窓開口部の中心側へ張り出しており、前記隅部を挟んで延びる前記窓開口部の縁辺の一方側と他方側とを接続していることを特徴とする車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記補強部位には、前記隅部を挟んで延びる前記窓開口部の縁辺の一方側から他方側に斜め方向に延びる直線状の第1の凸部がプレス加工により形成されていることを特徴とする車両。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両であって、
前記補強部位には、前記アウタパネルの輪郭に沿って延びる第2の凸部がプレス加工により形成されていることを特徴とする車両。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の車両であって、
前記インナパネルは、複数のパネルパーツを接合して成形されており、前記窓開口部の隅部には、前記補強部位を形成するととともに、この補強部位を挟み前記窓開口部の縁辺の一方側から他方側まで連続する補強パネルパーツが、他のパネルパーツと重なり合った状態で備えられていることを特徴とする車両。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の車両であって、
車両の後面に備えられたパネル複合体の窓開口部の下側の左右の隅部に前記補強部位が設けられていることを特徴とする車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱型のボディを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロバス(小型バス)などの車高の高い箱型のボディを備える車両が横転(ロールオーバー)し、ボディの側面上部が地面に衝突すると、ボディ全体が歪むように変形し、地面に衝突した方の側壁が車室に侵入する。そのため、乗員保護の観点から、車室への側壁の侵入量をできるだけ小さくするために、車両横転時のボディの変形をできるだけ小さくすることが要求されている。
【0003】
図7には、箱型のボディ103を備えるマイクロバス車両101が横転した場合の変形態様が模式的に示されている。マイクロバス車両101が横転し、二点鎖線で示される箱型のボディ103の一方の側壁107aの上部が地面Gに衝突すると、衝突エネルギーEは、主に屋根部108を通じて他方の側方に伝達される。その結果、両側壁107a,107bの支柱であるピラー109a,109bが歪み、図中に実線で示されるように、ボディ103全体が変形し、側壁107aが車室Rに侵入する。このとき、車両前面及び後面の窓枠105が略矩形から平行四辺形に歪むように変形することで、ボディ103の変形が許容される。ここで、衝突エネルギーEは、窓枠105の地面Gに衝突した一側方の車両上側の角105aとその対角105cには、角を広げようとする引っ張り荷重として作用する。他方、地面Gに衝突した一側方の車両下側の角105bとその対角105dには、角を狭めようとする圧縮荷重として作用する。
【0004】
車両横転時のボディの変形抑制を目的とする技術ではないが、下記特許文献1には、ワンボックスカーの後面に設けられたバックドアにおける窓枠周りの補強構造が開示されている。特許文献1に記載の技術は、バックドアを閉じる際にこのバックドアに加わる衝撃に対する窓枠の補強を目的としており、窓枠の角(コーナー部)にレインフォースが設けられている。レインフォースは、板状であり、略矩形の窓枠の下側のコーナー部において、バックドアの内面を構成するインナパネルに裏打ちされている。レインフォースは、窓枠のコーナー部では、窓枠の輪郭に沿う外形となっており、コーナー部から車両側方及び下方に延びている。このレインフォースによれば、インナパネルとの間に閉断面部分が設けられることで、バックドアを閉じる際にバックドアに加わる厚み方向の荷重に対して、より高い補強効果を発揮することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−86672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、車両横転時に車両前面又は後面の窓枠が変形するのを抑制することで、ボディ全体の変形を抑制し、ひいて車室への側壁の侵入量を小さくすることを想起した。しかし、バックドアの厚み方向に加わる荷重に対する補強を目的とした上記従来の技術では、車両横転時に、窓枠の角に対して車両後面に沿って加わる引っ張り荷重及び圧縮荷重に抗して十分に窓枠の変形を抑えることはできなかった。したがって、車両横転時にボディ側壁の車室への侵入量を十分に減少させるほどボディの変形を小さくすることはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は、車両横転時のボディの変形をより小さくし、側壁の車室への侵入量をより小さくすることを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、箱型のボディを備える車両であって、車両の前面又は後面の少なくとも一方の面は、車両の外面を構成するアウタパネルと、前記アウタパネルの内側に重ね合わされて接合されたインナパネルと、を備えたパネル複合体を備えている。前記パネル複合体には窓開口部が形成されており、該窓開口部は、前記アウタパネルの外側に重ね合わされた窓ガラスで塞がれている。前記パネル複合体には、前記窓開口部の上側又は下側の少なくとも一方側の左右の隅部において前記インナパネルに補強部位が設けられている。そして、この補強部位は、前記アウタパネルの輪郭をショートカットするように前記アウタパネルよりも前記窓開口部の中心側へ張り出しており、前記隅部を挟んで延びる前記窓開口部の縁辺の一方側と他方側とを接続している。
【0009】
かかる車両によれば、車両の前面又は後面の少なくとも一方の面の窓開口部の隅部においてインナパネルに設けられた補強部位が、アウタパネルよりも窓開口部の中心側へ張り出し、この補強部位が隅部を挟んで延びる窓開口部の縁辺の一方側と他方側を接続している。この補強部位により、車両横転時に窓開口部の隅部に加わる角を広げようとする引っ張り荷重と、角を狭めようとする圧縮荷重との双方に抗して隅部の変形を抑制することができる。そのため、窓開口部が歪みにくく、ひいてボディ全体の変形を抑制することができる。
【0010】
前記補強部位には、前記隅部を挟んで延びる前記窓開口部の縁辺の一方側から他方側に斜め方向に延びる直線状の第1の凸部がプレス加工により形成されているのが好ましい。この場合、補強部位は、窓開口部の隅部に加わる角を広げようとする引っ張り荷重と、角を狭めようとする圧縮荷重とに対する剛性が一層高く、隅部をより変形しにくくすることができる。そのため、車両横転時に、窓開口部をより変形しにくくすることができる。
【0011】
また、前記補強部位に、前記アウタパネルの輪郭に沿って延びる第2の凸部がプレス加工により形成されている場合にも、窓開口部をより変形しにくくすることができる。
【0012】
前記インナパネルは、複数のパネルパーツを接合して成形されており、前記窓開口部の隅部には、前記補強部位を形成するととともに、この補強部位を挟み前記窓開口部の縁辺の一方側から他方側まで連続する補強パネルパーツが、他のパネルパーツと重なり合った状態で備えられているものが好ましい。この場合、窓開口部の隅部では、補強部位を形成する補強パネルパーツと他のパネルパーツとが重なり合っているため、隅部がより変形しにくい。しかも、この補強パネルパーツが補強部位を挟み窓開口部の縁辺の一方側から他方側まで連続しているため、窓開口部が一層変形しにくい。
【0013】
前記補強部位は、車両の後面に備えられたパネル複合体の窓開口部の下側の左右の隅部に設けると、運転者の視界を妨げにくく、好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両横転時のボディの変形を抑制し、側壁の車室への侵入量をより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る車両の背面図である。
図2図1に示される車両の後面を構成するパネル複合体のII部分を拡大して示す図である。
図3図2に示されるパネル複合体のIII−III断面図である。
図4図1に示されるパネル複合体を構成するインナパネルの平面図である。
図5図4に示されるインナパネルのV部分を拡大して示す斜視図である。
図6図1に示される車両を横転した状態で示す背面図である。
図7】従来の車両が横転した際の変形態様を模式的に示す車両の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について、図1〜6を参照しながら具体的に説明する。本実施形態に係る車両11は、前後方向に長い箱型のボディ13を備えたマイクロバス(小型バス)である。図1に示されるように、この車両11は、後面15に窓21を備えており、この窓21において、窓開口部23を変形しにくくする補強構造を備えている。
【0017】
車両11の後面15は、略垂直に広がる概ね四角形の面であり、パネル複合体31を主体として形作られている。窓21は、略四角形であり、車両11の後面15の概ね上半分を占めている。窓21は、パネル複合体31に形成された窓開口部23が窓ガラス25で塞がれた構成となっている。また、車両11の後面15には、窓21の下方にドア71で開閉されるドア開口部73が設けられており、このドア開口部73がトランクルームの開口を構成している。そして、後面15の下端には、車両11の左右方向に延びるリアバンパ81が設けられている。
【0018】
図3等に示されるように、パネル複合体31は、車両11の外面(後面15)を構成するアウタパネル41と、アウタパネル41の内側に重ね合わされて、接合されたインナパネル51とを備えている。パネル複合体31には、窓ガラス25の外形よりも一回り小さな窓開口部23が形成されている(図2参照)。窓ガラス25は、角を丸く面取りした四角形である。窓開口部23は、窓ガラス25の外形に沿う概ね四角形だが、その四隅のうち下側の左右の隅部23a,23cは、窓ガラス25の外形に沿わずに窓開口部23の中心側へ張り出して補強部位53、53が設定されている(図1参照)。
【0019】
図3に示されるように、窓ガラス25は、パネル複合体31の外側に重ね合わされ、パネル複合体31に接着剤で固定されている。パネル複合体31の外面(後面15)を構成するアウタパネル41には、窓開口部23の周りの全周にわたり内側に凹む段差が設けられて、窓枠部43が形成されている。窓枠部43には、車両11の外面(後面15)を構成するアウタパネル41の意匠部45から内側に凹む段差形状を介して末端に平板状のフランジ部43fが形成されている。窓ガラス25は、周縁がフランジ部43fの外側に重ね合わされた状態でパネル複合体31に接着されて、窓枠部43に納まっている。
【0020】
図4図5等に示されるように、インナパネル51は、主としてこのインナパネル51の外形を構成して基礎となっているベースパネル52と、このベースパネル52に対して部分的に配設された補強パネルパーツ55とを備えている。ベースパネル52は、複数のパネルパーツを接合して成形されている。図4に示されるように、ベースパネル52は、窓開口部23の周りは、第1〜第5のパネルパーツ61〜65で構成されている。そして、窓開口部23の隅部23aにおいては、ベースパネル52(第1のパネルパーツ61、第2のパネルパーツ62)に対し、補強パネルパーツ55が重なり合った状態で配されている。ベースパネル52が本発明の他のパネルパーツに相当する。
【0021】
ベースパネル52の窓開口部23に臨む縁端部52aの外形は、全周に亘って、概ねアウタパネル41の外形に沿っている。つまり、窓ガラス25の外形に沿っている。そして、縁端部52aには、平らな接合フランジ52fが形成されている。
【0022】
補強パネルパーツ55は、ベースパネル52を構成する各パネルパーツよりも厚い一枚の鋼板からなる。補強パネルパーツ55は、窓開口部23の隅部23aを挟んで右側辺24a側から下辺24b側まで連続している。図3に示されるように、ベースパネル52の外側に重ね合わされ、アウタパネル41とベースパネル52との間に位置している。補強パネルパーツ55は、ベースパネル52との間に閉断面を形成した状態でベースパネル52とスポット溶接にて接合されている。
【0023】
図4に示されるように、補強パネルパーツ55は、窓開口部23の右側辺24a及び下辺24bにおいては、端縁部55aに平らな接合フランジ55fが形成されている。接合フランジ55fとベースパネル52の接合フランジ52fとが重ね合わされてスポット溶接にて接合されている。窓開口部23の右側辺24a及び下辺24bにおいて、補強パネルパーツ55の縁端部55aとベースパネル52の縁端部52aは外形が一致しており、その外形はアウタパネル41の外形に沿っている。
【0024】
図3に示されるように、補強パネルパーツ55は、窓開口部23の隅部23aにおいてはアウタパネル41及びベースパネル52よりも窓開口部23の中心側に張り出しており、その張り出し部分が補強部位53を構成している。図4に示されるように、補強部位53は、アウタパネル41及びベースパネル52の外形をショートカットするように、窓開口部23の右側辺24aと下辺24bとを連結しており、その形状は、概ねアウタパネル41の角を頂点とする二等辺三角形である。窓開口部23の隅部23aにおいては、図3に示されるように、補強部位53の周囲に形成された平らな平板部55gが、ベースパネル52の接合フランジ52fとアウタパネル41のフランジ部43fと重ね合わされてスポット溶接にて接合されている。
【0025】
図4に示されるように、補強部位53には、窓開口部23の右側辺24aと下辺24bとの間に斜め方向に延びる直線状の第1の凸部57がプレス成形にて形成されている。第1の凸部57の延びる斜め方向は、アウタパネル41の角を頂角とする二等辺三角形の底辺に概ね沿う方向であり、水平な下辺24bに対して斜め約45度である。また、補強部位53には、アウタパネル41及びベースパネル52の角形状に沿って延びる第2の凸部59がプレス成形にて形成されている。第2の凸部59は、ベースパネル52とアウタパネル41との接合部位である平板部55gから延設されており、第1の凸部の長手方向の両端部と連続している。第1の凸部57と第2の凸部59とは、平板部55gから延びる平板状部分にプレス成形にて凹凸を付すことで形成されている。すなわち、第1の凸部57の形成位置と第2の凸部59の形成位置とに囲まれた大略三角形の第1の凹部58aを形成するとともに、第1の凸部57の形成位置を挟んで第1の凹部58aとは反対側に直線状の第2の凹部58bを形成することにより、両凹部58a、58bに対して相対的に外側に膨らんだ第1の凸部57と第2の凸部59とが形成されている。
【0026】
かかる車両11によれば、次の作用効果がある。車両11の後面15に設けられた窓開口部23には、下側の左右の隅部23a,23cに、角形状をショートカットするような補強部位53、53が設けられている。この補強部位53、53により、概ね四角形の窓開口部23を平行四辺形に歪ませようとする外力に対して剛性が高められており、前記外力に抗して窓開口部23を変形しにくくすることができる。すなわち、図6に示されるように、車両11が横転して側壁17の上部が地面Gに衝突したとき、衝突エネルギーEにより衝突した側の一側方の下側の隅部23aには、角を狭めようとする圧縮荷重F1が作用する。これに対し補強部位53が突っ張ることで、圧縮荷重F1に抗する。他方、衝突した側とは反対側の他側方の下側の隅部23cには、角を広げようとする引っ張り荷重F2が作用するが、補強部位53が引っ張り応力を発揮することで、引っ張り荷重F2に抗する。
【0027】
補強部位53は、直線状の第1の凸部57が、圧縮荷重F1及び引っ張り荷重F2の作用方向に沿って延びていることで、圧縮荷重F1及び引っ張り荷重F2に対する剛性がより大きくなっている。また、アウタパネル41及び第1のパネルパーツ61の角形状に沿って延びる第2の凸部59によっても、隅部23a、23cが変形しにくくなっており、第1の凸部57と第2の凸部59とが一続きになっていることにより、隅部23a、23cが一層変形しにくくなっている。かかる補強部位53が設けられていることにより、車両11が横転してボディ13の側壁17の上部が地面Gに衝突したときに窓開口部23が変形しにくいことで、車両11のボディ13全体の反力が向上し、ボディ13全体が変形しにくい。そのため、車室Rへの側壁17の侵入量を小さくすることができる。
【0028】
ここで、インナパネル51にのみ補強部位53が設けられているため、窓ガラス25の外形を変更せず、インナパネル51に小規模な変更を加えることで、上記の車両横転時に車室Rへの側壁17の侵入を抑制する効果を得るができる。殊に、インナパネル51の外形を主として構成してインナパネル51の基礎となっているベースパネル52に補強パネルパーツ55を接合することで、容易且つ的確にインナパネル51を補強し、効率よく上記効果を得ることができる。また、インナパネル51のみに小規模な変更を加えることで、車両の質量増加を抑えながら効率よく上記効果を得ることができる。
【0029】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更が可能である。例えば、補強部位は、インナパネルの外形を形作る基礎部分に一体形成してもよい。また、補強部位を設ける窓開口部は、車両後面の窓開口部に限らず、前面の窓開口部でもよい。また、窓開口部の下側の左右の隅部に限らず、上側の左右の隅部でもよい。
【符号の説明】
【0030】
11 車両
13 ボディ
15 後面
17 側壁
21 窓
23 窓開口部
23a,23c 隅部
24a 右側辺
24b 下辺
25 窓ガラス
31 パネル複合体
41 アウタパネル
43 窓枠部
51 インナパネル
52 ベースパネル
53 補強部位
55 補強パネルパーツ
57 第1の凸部
59 第2の凸部
E 衝突エネルギー
F1 圧縮荷重
F2 引っ張り荷重
G 地面
R 車室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7