(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、睡眠評価装置は、上述したように非圧縮性の流体を内封したマットレスを備えるため、出張先や旅行先にユーザが当該睡眠評価装置を携行することは現実的ではなく、実際にユーザが当該睡眠評価装置を外泊先に携行することは殆どない。そして、外泊先に当該睡眠評価装置が携行されなければ、当該外泊期間については、睡眠に係る評価も、その記録も為されない。従って、ユーザは外泊期間中の睡眠に係る評価を得られず、記録上も空白期間が生じてしまう。
本発明は、前記の事情に鑑みて為されたものであり、ユーザに装置の持ち運びの負担を掛けずに、外泊先での睡眠に係る評価についても取得して記録可能な睡眠評価システム、睡眠評価装置、及び生体計測装置を提供することを解決課題のひとつとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による睡眠評価システムは、被検体に係る生体活動を示す第1の生体データを生成する
第1の生体データ生成部及び前記被検体に係る生体活動を示す第2の生体データを受信する第1通信部を有する睡眠評価装置と、前記第2の生体データを生成する
第2の生体データ生成部及び前記第2の生体データ生成部により生成された前記第2の生体データを前記第1通信部に送信する第2通信部を有する生体計測装置と、を備える睡眠評価システムであって、前記睡眠評価装置は
、前記
第1の生体データ生成部により生成された前記第1の生体デー
タに基づいて睡眠の質の程度を示す
第1の評価指標を生成する
第1の評価部と
、前記第1の評価部により生成された前記第1の評価指標と、前記第1の生体データ生成部により生成された前記第1の生体データと同一の睡眠時間帯に前記第2の生体データ生成部により生成されて前記第1通信部により受信された前記第2の生体データと、に基づいて相関情報を算出する相関情報算出部と、を備え、前記第1通信部が、前記相関情報算出部により算出された前記相関情報を前記第2通信部に送信し、記第1の評価部が、前記相関情報算出部により算出された前記相関情報と前記第1通信部により受信された前記第2の生体データとに基づいて、睡眠の質の程度を示す第2の評価指標を生成し、前記生体計測装置は
、前記第2通信部が、前記第1通信部から送信された前記相関情報を受信し、前記第2通信部により受信された前記相関情報と前記第2の生体データ生成部により生成された前記第2の生体データとに基づいて、前記第2の評価指標を生成する第2の評価部を備える、ことを特徴とする。
本発明の第1の態様による睡眠評価システムによれば、たとえ被検者が外泊した期間が存在しても、生体計測装置と睡眠評価装置との連携によって、当該被検者の睡眠の質の程度について評価及び判定に要するデータを空白期間なく収集することができる。また、その為に被検者が外泊先へ携行しなければならない装置は、被検者の手首部位に装着するだけの非常に携行が容易な生体計測装置のみである。従って、ユーザに装置の持ち運びの負担を掛けずに、外泊先での睡眠の質の程度について簡易評価及び簡易判定をすることが可能となる。なお、従来の睡眠評価装置を用いる場合は、当該睡眠評価装置が実際に外泊先へ持ち運ばれて使用されない限り、外泊先での睡眠の質の程度の評価及び判定に要するデータの収集はできない。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様による睡眠評価システムは、
前記第1の評価部は、第1の評価指標及び第2の評価指標と閾値と比較して、睡眠を段階的に判定し、前記第2の評価部は、第2の評価指標と閾値と比較して、睡眠を段階的に判定する、ことを特徴とする
。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第3の態様による睡眠評価システムは、第2の態様による睡眠評価システムであって、前記相関情報は、前記第2の生体データが示す値と
前記第1の評価指標の値との相関関係を示す演算式の係数である、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様による睡眠評価システムによれば、睡眠の質の程度の簡易評価及び簡易判定に用いられる演算式を算出することが可能となる。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第4の態様による睡眠評価装置は、被検体に係る生体活動を示す
第2の生体データを生成する
第2の生体データ生成部及び前記第2の生体データ生成部により生成された前記第2の生体データを送信する第2通信部を有する生体計測装置と通信可能な睡眠評価装置であって、
前記第2通信部から送信された前記第2の生体データを受信する第1通信部と、前記被検体に係る生体活動を示す第1の生体データを生成する第1の生体データ生成部と、
前記第1の生体データ生成部により生成された前記第1の生体デー
タに基づいて、睡眠の質の程度を示す
第1の評価指標を生成する
第1の評価部と、
前記第1の評価部により生成された前記第1の評価指標と、前記第1の生体データ生成部により生成された前記第1の生体データと同一の睡眠時間帯に前記第2の生体データ生成部により生成されて前記第1通信部により受信された前記第2の生体データと、に基づいて相関情報を算出する相関情報算出部と、を備え、前記第1の評価部が、前記相関情報算出部により算出された前記相関情報と前記第1通信部により受信された前記第2の生体データとに基づいて、睡眠の質の程度を示す第2の評価指標を生成する、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様による睡眠評価装置によれば、たとえ被検者が外泊した期間が存在しても、生体計測装置と睡眠評価装置との連携によって、当該被検者の睡眠の質の程度について評価及び判定に要するデータを空白期間なく収集することができる。また、その為に被検者が外泊先へ携行しなければならない装置は、被検者の手首部位に装着するだけの非常に携行が容易な生体計測装置のみである。従って、ユーザに装置の持ち運びの負担を掛けずに、外泊先での睡眠に係る評価についても判定して記録することが可能となる。なお、従来の睡眠評価装置を用いる場合は、当該睡眠評価装置が実際に外泊先へ持ち運ばれて使用されない限り、外泊先での睡眠の質の程度の評価及び判定に要するデータの収集はできない。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第5の態様による睡眠評価装置は、第4の態様による睡眠評価装置であって、
前記第1の評価部は、第1の評価指標及び第2の評価指標と閾値と比較して、睡眠を段階的に判定する、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様による睡眠評価装置によれば、当該睡眠評価装置と生体計測装置との連携によって、外泊先へ容易に携行可能な生体計測装置によって、睡眠の質の程度について簡易評価及び簡易判定が可能となる。なお、従来の生体計測装置は持ち運びは容易であるが、就寝時に着用しても単に睡眠時の生体データを収集することのみしかできない。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第6の態様による睡眠評価装置は、本発明の第5の態様による睡眠評価装置であって、前記相関情報は、前記第2の生体データが示す値と前記
第1の評価指標の値との相関関係を示
す演算式の係数である、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様による睡眠評価装置によれば、睡眠の質の程度の簡易評価及び簡易判定に用いられる演算式を算出することが可能となる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第7の態様による生体計測装置は、被被検体に係る生体活動を示す第1の生体データを生成
する第1の生体データ生成部、前記第1の生体データ生成部により生成された前記第1の生体データに基づいて、睡眠の質の程度を示す第1の評価指標を生成する第1の評価部、前記被検体に係る生体活動を示す第2の生体データを受信する第1通信部、前記第1の評価部により生成された前記第1の評価指標と前記第1の生体データ生成部により生成された前記第1の生体データと同一の睡眠時間帯に生成されて前記第1通信部により受信された前記第2の生体データとに基づいて相関情報を算出する相関情報算出部を有し、前記第1通信部が、前記相関情報算出部により算出された前記相関情報を送信する睡眠評価装置と通信可能な生体計測装置であって、
前記第2の生体データを生成する第2の生体データ生成部と、
前記第2の生体データ生成部により生成された前記第2の生体データを前記第1通信部に送信し、かつ前記第1通信部から送信された前記相関情報を受信する第2通信部と、
前記第2通信部により受信された前記相関情報と前記第2の生体データ生成部により生成された前記第2の生体データとに基づいて、睡眠の質の程度を示す第2の評価指標を生成する第2の評価部を備える、ことを特徴とする。
本発明の第7の態様による生体計測装置によれば、たとえ被検者が外泊した期間が存在しても、生体計測装置と睡眠評価装置との連携によって、当該被検者の睡眠の質の程度について評価及び判定に要するデータを空白期間なく収集することができる。また、その為に被検者が外泊先へ携行しなければならない装置は、被検者の手首部位に装着するだけの非常に携行が容易な生体計測装置のみである。従って、ユーザに装置の持ち運びの負担を掛けずに、外泊先での睡眠の質の程度について簡易評価及び簡易判定することが可能となる。なお、従来の睡眠評価装置を用いる場合は、当該睡眠評価装置が実際に外泊先へ持ち運ばれて使用されない限り、外泊先での睡眠の質の程度についての評価及び判定に要するデータの収集はできない。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第8の態様による生体計測装置は、
前記第2の評価部は、前記第2の評価指標と閾値と比較して、睡眠を段階的に判定する、ことを特徴とする。
本発明の第9の態様による生体計測装置によれば、前記相関情報は、前記第2の生体データが示す値と前記第1の評価指標の値との相関関係を示す演算式の係数であることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る睡眠評価システムの構成例を示すブロック図である。
図2は、
図1に示す睡眠評価装置の使用態様の一例を示す図である。
図3は、本発明の実施形態に係る生体計測装置の使用態様の一例を示す図である。
睡眠評価システム1は、睡眠評価装置10と、生体計測装置50とを備える。利用者は、自宅において睡眠評価装置10を用いて、生体活動を示す第1生体データを計測すると共に計測結果に基づいて睡眠の質を評価する。また、利用者は、外泊時において生体計測装置50を用いて、生体活動を示す第2生体データを計測すると共に計測結果に基づいて簡易的に睡眠の質を評価する。さらに、睡眠評価装置10と生体計測装置50とは後述するように連携して動作する。
睡眠評価装置10は、
図2に示すように寝具150の下側に配置されるマットレス部12と、マットレス部12に設けられた検出部(後述)によって検出された信号の処理を含む種々の処理を行う本体部14と、を備える。本体部14には、種々の情報を表示する表示部22と、操作部24とが設けられている。生体計測装置50は、
図3に示すようにユーザの手首に巻きつけられるベルト部51と、ベルト部に設けられたセンサ(後述)によって検出された信号の処理を含む種々の処理を行う本体部53と、を備える。また、生体計測装置50は、睡眠評価装置10との間でデータ伝送を行うように構成されている。
【0015】
図4は、睡眠評価装置10のシステム構成例を示すブロック図である。睡眠評価装置10は、検出部12Sと、信号抽出部31と、A/D変換部32と、制御部34と、記憶部38と、電源40と、通信部42と、表示部22と、操作部24と、計時部44とを備える。
検出部12Sは、流体室12S−1と信号生成部12S−2とを備える圧力検出部である。流体室12S−1は、マットレス部12に設けられており、例えば精製水等の流体が内封された内部空間を有する略袋状の部材である。信号生成部12S−2は、流体室12S−1の内部空間の圧力の変化を検出するセンサ(例えばコンデンサマイクロホン)を含み、当該センサの検出結果に応じた圧力の変化を示す信号を生成して出力する。この検出部12Sによって、睡眠時の被検者200から発せられる呼吸、心拍、及び体動に伴う振動が検出される。
なお、本例では、信号生成部12S−2は、流体室12S−1の内部空間の圧力の変化を検出するが、流体室12S−1の内部空間の圧力それ自体を検出するものであってもよい。要は、睡眠の質の評価のためには流体室12S−1の内部空間における圧力の値の変化を把握できれば充分であり、具体的な圧力の値それ自体の把握は不用である。
【0016】
信号抽出部31は、入力信号のうち所定の帯域を通過させるフィルタを備える。例えば、信号抽出部31は、3個のバンドパスフィルタ(以降、BPFと略称する)により構成される。第1BPFは、検出部12Sから出力された信号から、0.5Hz〜2Hzといった周波数帯域の脈拍に対応する信号を、脈拍信号として抽出するBPFである。第2BPFは、検出部12Sから出力された信号から、0.2Hz〜1Hz程度の周波数帯域の呼吸に対応する信号を、呼吸信号として抽出するBPFである。第三BPFは、検出部12Sから出力された信号から、10Hz以上100Hz以下の周波数帯域のその他の身体の動きに対応する信号を、体動信号として抽出するBPFである。
【0017】
A/D変換部32は、信号抽出部31から出力された脈拍信号、呼吸信号、及び体動信号をA/D変換してデジタルデータを生成し、制御部34による後段の処理に供する。具体的には、体動信号は第1体動データBM1に変換される。脈拍信号は第1脈拍データHR1に変換される。呼吸信号は第1呼吸データRS1に変換される。以降、第1体動データBM1、第1脈拍データHR1、及び第1呼吸データRS1を「第1生体データ」と総称する場合がある。
【0018】
制御部34は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を備えており、所定のプログラムを実行することにより、当該睡眠評価装置10の各部を統括的に制御して種々の処理を実行する。ここでは、制御部34によって実行される処理のうち、本実施形態に係る睡眠評価装置10に特有の処理について説明する。
制御部34は、第1体動データBM1、第1脈拍データHR1、及び第1呼吸データRS1に基づいて被検者200の睡眠の質を評価する。具体的には、制御部34は、睡眠の質の程度を示す評価指標Fを、第1体動データBM1、第1脈拍データHR1、及び第1呼吸データRS1に基づいて生成する。評価指標Fは、最大値が「100」、最小値が「0」となるように正規化されている。評価指標Fは、以下の(式1)に示すように、第1体動データBM1、第1脈拍データHR1、及び第1呼吸データRS1の関数fとして与えられる。
F=f(BM1、HR1、RS1) …(式1)
以降、第1生体データに基づいて睡眠の質の程度を示す評価指標Fを算出する式を、第1演算式と称する。
【0019】
評価指標Fの算出に際して、制御部34は、第1脈拍データHR1から脈拍数を算出し、且つ、第1呼吸データから呼吸数を算出し、脈拍数と呼吸数とがどの値の範囲にあるかによって睡眠段階を判定する。例えば、脈拍数が第1の脈拍数閾値以下であり且つ呼吸数が第1の呼吸数閾値以下である場合に「ノンレム睡眠」であると判定し、そうでない場合に「レム睡眠」であると判定する。
「ノンレム睡眠」であると判定した場合には、さらに、脈拍数が第2の脈拍数閾値以下であり且つ呼吸数が第2の呼吸数閾値以下である場合に「深睡眠」であると判定し、そうでない場合に「浅睡眠」であると判定する。なお、上述した判定に用いる脈拍数、呼吸数、及びそれらに係る各閾値は、適宜設定した単位時間(例えば1分間や30分間等)当たりの積算値として算出すればよい。
【0020】
ところで、制御部34は、第1体動データBM1から体動の頻度(前記単位時間当たりに生じた体動の数)を算出し、当該体動の頻度が所定値を超えた場合、被検者200は「覚醒状態」であると判定する。
なお、睡眠状態及び覚醒状態の判定に係る技術は、公知の技術であるので、ここでは簡略化した判定方法を例にして説明する。
上述した睡眠状態及び覚醒状態の判定結果を利用して、例えば「深睡眠」が睡眠全体に占める割合や睡眠中の覚醒回数などを算出し、これらに基づいて評価指標Fを算出する。なお、このような睡眠の質の程度を示す指標の算出方法は公知の技術であるので、これ以上の詳細な説明を省略する。
さらに、制御部34は、算出した評価指標Fを閾値と比較して、当該評価指標Fに係る日の睡眠が良好であるか、睡眠が普通であるか、または睡眠が不良であるかを判定する。つまり、制御部34は、評価指標Fと閾値とに基づいて、睡眠の質の程度を段階的に判定する。
【0021】
制御部34は、更に、算出した評価指標Fを閾値と比較して、当該評価指標Fに係る日の睡眠が良好であるか、睡眠が普通であるか、睡眠が不良であるかを判定する。
図5は、本実施形態に係る睡眠評価システム1によって算出された睡眠指標Fの日々の変動を示すグラフであり、縦軸は評価指標Fの値を示し、横軸は各評価指標Fに対応する日を示している。
図5に示す例では、睡眠の質の程度の判定は次のように行われている。すなわち、
図5に示す例のように日々の評価指標Fが変化したとし、第1の閾値が「70」であり、第2の閾値が「30」であったとすると、同図に示す期間T1、T3、T5、T7では睡眠が「普通」と判定され、期間T2では睡眠が「不良」と判定され、期間T4及び期間T6では睡眠が「良好」と判定される。
【0022】
ところで、制御部34は、生体計測装置50によって収集される第2生体データを用いて評価指標Fを算出可能とするために、第2生体データと評価指標Fとの関係を示す下記(式2)を設定する。以降、第2生体データに基づいて睡眠の質の程度を示す評価指標Fを算出する式を、第2演算式と称する。
F=f2(HR2,BM2) …(式2)
この第2演算式の設定には、被検者200が所定期間(以降、サンプルデータ収集期間と称する)中、就寝時に生体計測装置50と睡眠評価装置10とを同時に使用することが必要となる。すなわち、サンプルデータ収集期間における就寝時には、被検者200は生体計測装置50を
図3に示すように装着した状態で、
図2に示すように睡眠評価装置10が下に敷かれた寝具150上に横臥する。
図5に示す例では、サンプルデータ収集期間は期間T1,T2の9日間である。
より具体的には、第2演算式の一例として、たとえば下記(式3)を挙げることができる。
F=α・(HR2)
2+β・(MB2)
2+γ …(式3)
HR2は生体計測装置50によって生成される第2脈拍データであり、MB2は生体計測装置50によって生成される第2体動データである。これら第2脈拍データ及び第2体動データはいずれも第2生体データの一つである。
係数α,β,γは定数であり、サンプルデータ収集期間に収集された第1生体データに基づいて算出された評価指標Fと、同期間に収集された第2生体データとに基づいて、重回帰分析等を行うことによって適宜定められる値である。(式3)により、第2生体データに基づいて評価指標Fを推測(算出)することが可能となる。
【0023】
第2演算式は睡眠評価装置10の記憶部38及び生体計測装置50の記憶部64(
図6参照)に予め記憶させておく。そして、制御部34は、上述した処理で係数α,β,γの値を算出した後、当該係数α,β,γの値を(式3)に代入して(式3)による実際の演算を可能とする。また、制御部34は、係数α,β,γの値を算出した後、通信部42によって当該係数α,β,γの値を生体計測装置50へ送信する。これを受信した生体計測装置50は、第2生体データと(式3)で示される第2演算式とを用いて評価指標Fを算出することが可能となる。以降、第2生体データと第2演算式とを用いた評価指標Fの算出を「簡易評価」と称する。
さらに、この簡易評価によって算出した評価指標Fを閾値と比較して、当該評価指標Fに係る日の睡眠が良好であるか、睡眠が普通であるか、睡眠が不良であるかを判定してもよい。この判定を「簡易判定」と称する。
なお、第2演算式を用いて、上述した判定及び簡易判定に用いられる評価指標Fの各閾値(
図5に示す例では「F=30」「F=70」)に相当する第2生体データ(第2脈拍データHR2、第2体動データBM2)の値を算出し、これら算出した値を簡易判定等に用いてもよい。
【0024】
ところで、被検者200が外泊先から帰宅した際には、外泊期間中に生体計測装置50によって生成された睡眠時の第2生体データが睡眠評価装置10に送信される。睡眠評価装置10が通信部42によって第2生体データを受信すると、制御部34は当該第2生体データを記憶部38に記憶させる。従って、この後、制御部34は、外泊期間中の第2生体データと(式3)で示される第2演算式とを用いて、被検者200の外泊期間中の睡眠の質について簡易評価及び簡易判定を行うことが可能となる。
【0025】
本実施形態に係る睡眠評価システム1によれば、例えば自宅等の睡眠評価装置10が備え付けられた場所で被検者200が就寝する場合、睡眠評価装置10は被検者200の睡眠指標の生成、睡眠の質の判定及び記憶を行う。さらに、被検者200が例えば出張や旅行等で外泊する際であっても、生体計測装置50によって睡眠の質の簡易評価及び簡易判定が可能となる。つまり、睡眠評価装置10と生体計測装置50との連携によって、被検者200の睡眠の質について評価(または簡易評価)及び判定(または簡易判定)を、被検者200の外泊期間を含む全ての日について行い得る。さらに、外泊先へ携行しなければならない装置は、手首部位に巻きつける態様の生体計測装置50のみであり、外泊先への装置の持ち運びの負担を被検者200に掛けることは殆ど無い。
【0026】
記憶部38は、制御部34による制御で、第1生体データと、当該第1生体データの生成時刻を示す日時情報とを対応付けて記憶する。また、記憶部38は、第1演算式及び第2演算式を記憶する。さらに、記憶部38は、外泊モードに設定された生体計測装置50から送信された第2生体データを記憶する。
電源40は、当該睡眠評価装置10の各部に電力を供給する。表示部22は、被検者200に係る測定結果等や各種ガイダンス等の表示を行う。操作部24は、電源をオン/オフする操作及び測定・評価処理の開始/終了等の操作に係る操作部材である。通信部42は、生体計測装置50との間でデータの送受信を行う通信モジュールである。例えば、通信部42は、Bluetooth(登録商標)規格に従った近距離無線通信により当該睡眠評価装置10と生体計測装置50とを通信可能に接続する通信モジュールや、無線LAN(Local Area Network)により当該睡眠評価装置10と生体計測装置50とをWi−Fi(登録商標)接続する通信モジュール等である。計時部44は、日時を示す日時情報を生成して制御部34へ出力する。
【0027】
図6は、生体計測装置50のシステム構成例を示すブロック図である。生体計測装置50は、表示部52と、操作部54と、加速度センサ56と、脈波センサ58と、A/D変換部60と、制御部62と、記憶部64と、通信部66と、電源68と、計時部70とを備える。
加速度センサ56は、当該生体計測装置50に生じた加速度を検出し、当該生体計測装置50の携行者(被検者200)の体動を表す信号を生成してA/D変換部60に出力する。この加速度センサ56から出力された信号は、被検者200の体動を定量的に表す信号である。加速度センサ56としては、例えば、互いに直交する三方向の加速度を検出するセンサであるX軸センサとY軸センサとZ軸センサとを備える三次元加速度センサを採用する。なお、加速度センサ20は、被検者200に係る第2体動データBM2を生成することができる構成であればよく、一方向の加速度を検出する一次元加速度センサであってもよいし、互いに直交する二方向の加速度を検出する二次元加速度センサであってもよい。
【0028】
脈波センサ58は、被検者200の特定部位(本例では手首部位)の血管に例えば赤外線領域の検出用光を照射するLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)と、該LEDによって照射された検出用光の反射光を受光するPD(Photo Detector;光検出器)とを備える。すなわち、脈波センサは、1対のLED(発光素子)とPD(受光素子)とを備えた光学式脈波センサである。
A/D変換部60は、加速度センサ56から出力された信号、及び、脈波センサ58から出力された信号をA/D変換してデジタルデータを生成し、制御部62による後段の処理に供する。加速度センサ56から出力された信号は、第2体動データBM2に変換される。脈波センサ58から出力された信号は、第2脈拍データHR2に変換される。以降、第2体動データBM2、及び第2脈拍データHR2を「第2生体データ」と総称する場合がある。
【0029】
制御部62は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を備えており、所定のプログラムを実行することにより、当該生体計測装置50の各部を統括的に制御して種々の処理を実行する。また、操作部54の操作等によって当該生体計測装置50が「外泊モード」に設定されると、制御部62は被検者200の外泊先での睡眠時の第2生体データの収集及び睡眠の質の簡易判定に係る処理等を実行する。
【0030】
通信部66は、睡眠評価装置10との間でデータの送受信を行う通信モジュールである。例えば、通信部66は、Bluetooth(登録商標)規格に従った近距離無線通信により当該生体計測装置50と睡眠評価装置10とを通信可能に接続する通信モジュールや、無線LAN(Local Area Network)により当該生体計測装置50と睡眠評価装置10とをWi−Fi(登録商標)接続する通信モジュール等である。前記電源68は、当該生体計測装置50の各部に電力を供給する。表示部52は、被検者200に係る測定結果等や各種ガイダンス等の表示を行う。操作部54は、電源をオン/オフする操作及び各種処理の開始/終了等の操作に係る操作部材である。計時部70は、日時を示す日時情報を生成して制御部62へ出力する。
記憶部64は、制御部62による制御で、第2生体データと、当該第2生体データの生成時刻を示す日時情報とを対応付けて記憶する。また、記憶部64は、上述した第2演算式を記憶する。さらに、記憶部64は、睡眠評価装置10から取得した係数α,β,γを記憶する。
【0031】
図7は、本発明の一実施形態に係る睡眠評価システム1に特有の処理の流れを示す図である。
まず、第2演算式の係数α,β,γの設定のために、被検者200はサンプルデータ収集期間中は就寝時に生体計測装置50と睡眠評価装置10とを同時に使用する。すなわち、サンプルデータ収集期間においては、同一の睡眠時間帯について睡眠評価装置10が第1生体データを収集し(ステップS1)、生体計測装置50が第2生体データを収集する(ステップS2)。
なお、第2演算式の係数α,β,γの設定処理とは直接的に関係しないため図示はしていないが、睡眠評価装置10は第1生体データを収集した各日毎に当該日の睡眠状態の判定を行っても勿論よい。
【0032】
サンプルデータ収集期間が終了すると、生体計測装置50の制御部62は、サンプルデータ収集期間に収集した第2生体データを、対応付けられた日時情報と共に通信部66によって睡眠評価装置10に送信する(ステップS3)。そして、睡眠評価装置10の制御部34は、ステップS3において生体計測装置50から送信された第2生体データを通信部42によって受信し、当該第2生体データと、ステップS1において収集した第1生体データに基づいて算出した評価指数Fとに基づく重回帰分析によって、第2演算式の係数α,β,γを算出し、第2演算式を実行可能に設定する(ステップS4)。
なお、生体計測装置50から睡眠評価装置10への第2生体データの送信は、サンプルデータ収集期間の終了を待たずに、サンプルデータ収集期間を構成する各日におけるデータ収集が完了する毎に行っても勿論よい。
【0033】
続いて、睡眠評価装置10の制御部34は、ステップS4において算出した第2演算式の係数α,β,γを、通信部42によって生体計測装置50に送信する(ステップS5)。生体計測装置50の制御部62は、ステップS5において睡眠評価装置10から送信された第2演算式の係数α,β,γを通信部66によって受信して記憶部64に記憶させ、第2演算式を実行可能に設定する(ステップS6)。
【0034】
その後、被検者200が外泊先で生体計測装置50を外泊モードに設定した上で
図3に示すように装着した状態で就寝することで、生体計測装置50の制御部62は、当該外泊先での睡眠時間帯について第2生体データBM2、HR2を収集する(ステップS7)。そして、当該睡眠が終了すると、生体計測装置50の制御部62は、ステップS6において記憶部64に記憶させた第2演算式の係数α,β,γと、ステップS7において収集した第2生体データBM2,HR2と、ステップS6において設定した第2演算式とを用いて被検者200の睡眠の質の簡易評価を行って評価指数Fを算出し、当該算出結果を表示部52へ表示させる(ステップS8)。なお、このステップS8において、上述した簡易判定も行って、当該簡易判定結果も表示部52へ表示させても勿論よい。
【0035】
その後、被検者200が外泊先から睡眠評価装置10の設置場所へ戻った後、生体計測装置50の制御部62は、ステップS7において収集した第2生体データを、対応付けられた日時情報と共に通信部66によって睡眠評価装置10に送信する(ステップS9)。そして、睡眠評価装置10の制御部34は、ステップS9において生体計測装置50から送信された第2生体データを通信部42によって受信し、対応付けられた日時情報と共に記憶部38に記憶させる(ステップS10)。これにより、睡眠評価装置10は、被検者200の外泊先での睡眠に係る第2生体データを取得することができ、当該第2生体データと第2演算式とを用いて評価指標Fを算出することが可能となる。また、この簡易評価結果に基づく簡易判定も可能となる。
【0036】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ユーザに装置の持ち運びの負担を掛けずに、外泊先での睡眠に係る評価についても取得して記録可能な睡眠評価システム、睡眠評価装置、及び生体計測装置を提供することができる。
以上、各実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で変形及び応用が可能なことは勿論である。
【0037】
[第1変形例]
本発明の第1変形例に係る睡眠評価システム1は、第2生体データに基づく簡易評価及び簡易判定を行わず、それらの代わりに「仮判定」を行う点を除いて、第1実施形態に係る睡眠評価システムと同様に構成されている。以下、重複した説明を避ける為に、上述した実施形態との相違点について説明し、上述の実施形態に係る睡眠評価システム1、睡眠評価装置10、及び生体計測装置50と同様の構成・作用・効果についての説明を省略する。
【0038】
まず、本変形例に係る睡眠評価システム1では、被検者200の睡眠の質を仮判定するために判定基準データを用いる。この判定基準データは、睡眠評価装置10の制御部34によって生成されるデータであり、睡眠の質を判定する際の閾値を示すデータである。制御部34によって生成された判定基準データは、睡眠評価装置10の記憶部38、及び生体計測装置50の記憶部64に記憶される。以下、判定基準データについて詳細に説明する。
【0039】
判定基準データは、サンプルデータ収集期間に収集された第1生体データと、それら第1生体データに基づいて算出された睡眠指標Fと、第2生体データとに基づいて生成される。すなわち、サンプルデータ収集期間において、睡眠評価装置10の制御部34は、各日について被検者200の睡眠状態を判定する。この判定は、例えば1日の睡眠時間を上述した単位時間ごとに区切って、各単位時間帯について「レム睡眠」、「浅睡眠」、「深睡眠」、及び「覚醒」のうちいずれに該当するかを判定する。そして、睡眠時間が所定範囲内(例えば4時間以上8時間未満)である日のうち、睡眠指標Fが最も高い日を「基準日」として特定する。換言すれば、適切な睡眠時間を取れている日のうち、最も良好な睡眠が取れた日が基準日となる。基準日は、全睡眠時間に占める深睡眠の時間の割合が、データ収集期間のうち最も高くなることが多い。
【0040】
そして、制御部34は、特定した基準日の日時情報が対応付けられた第2体動データBM2を記憶部38から読み出して単位時間ごとに積算値を算出し、全単位時間についての平均値を算出して基準体動データBM2´とする。同様に、特定した基準日の日時情報が対応付けられた第2脈拍データHR2を記憶部38読み出して単位時間ごとに積算値を算出し、全単位時間についての平均値を算出して基準脈拍データHR2´とする。本例では、基準判定データとして、単位時間で正規化された体動を示す基準体動データBM2´と、単位時間で正規化された体動を示す基準脈拍データHR2´を用いる。これら判定基準データBM2´,HR2´は生体計測装置50に送信され、生体計測装置50による睡眠状態の仮判定に用いられる。
【0041】
具体的には、本例では、生体計測装置50による睡眠状態の仮判定は一日単位で行う。外泊先での一日の睡眠時間を上述した単位時間ごとに、基準体動データBM2´と、外泊先での睡眠時間中の第2体動データBM2との大小関係を判定し、且つ、基準脈拍データHR2´と、外泊先での睡眠時間中の第2脈拍データHR2との大小関係を判定する。そして、この大小関係に基づいて、各単位時間帯について被検者200の睡眠状態を、「良好」、「通常」、及び「不良」の三段階で評価する。さらに、全睡眠時間帯において「良好」、「通常」、及び「不良」のうち最も占める割合が高い評価を当該一日の睡眠状態の評価とする。
【0042】
より詳細には、第2体動データBM2の単位時間中の積算値が、基準体動データBM2´の値以下の値であって、且つ、第2脈拍データHR2の単位時間中の積算値が基準脈拍データHR2´以下の値である場合に、「良好」であると評価する。
また、第2体動データBM2の値が基準体動データBM2´の値より大きな値であって、且つ、第2脈拍データHR2の値が基準脈拍データHR2´の値より大きな値である場合に、「不良」であると評価する。さらに、上述の「良好」及び「不良」のいずれにも該当しない場合、「通常」であると評価する。
【0043】
図8は、本発明の実施形態の第1変形例に係る睡眠評価システムに特有の処理の流れを示す図である。まず、判定基準データBM2´、HR2´の生成のために、被検者200はデータ収集期間中は就寝時に生体計測装置50と睡眠評価装置10とを同時に使用する。すなわち、データ収集期間においては、同一の睡眠時間帯について睡眠評価装置10が第1生体データを収集し(ステップS101)、生体計測装置50が第2生体データを収集する(ステップS102)。
なお、判定基準データBM2´、HR2´の生成処理とは直接的に関係しないため図示はしていないが、睡眠評価装置10は第1生体データを収集した各日毎に当該日の睡眠状態の判定を行っても勿論よい。
【0044】
サンプルデータ収集期間が終了すると、生体計測装置50の制御部62は、データ収集期間に収集した第2生体データを、対応付けられた日時情報と共に通信部66によって睡眠評価装置10に送信する(ステップS103)。そして、睡眠評価装置10の制御部34は、ステップS103において生体計測装置50から送信された第2生体データを通信部42によって受信し、当該第2生体データと、ステップS101において収集した第1生体データとに基づいて判定基準データ(本例では、上述した基準体動データBM2´及び基準脈拍データHR2´)を生成する(ステップS104)。判定基準データの具体的な生成方法については上述した通りである。
なお、生体計測装置50から睡眠評価装置10への第2生体データの送信は、データ収集期間の終了を待たずに、データ収集期間を構成する各日におけるデータ収集が完了する毎に行っても勿論よい。
【0045】
続いて、睡眠評価装置10の制御部34は、ステップS4において生成した判定基準データBM2´,HR2´を、通信部42によって生体計測装置50に送信する(ステップS105)。生体計測装置50は、ステップS5において睡眠評価装置10から送信された判定基準データBM2´,HR2´を通信部66によって受信して記憶部64に記憶させる(ステップS106)。
【0046】
その後、被検者200が外泊先で生体計測装置50を上述した外泊モードに設定した上で
図3に示すように装着した状態で就寝することで、生体計測装置50の制御部62は、当該外泊先での睡眠時間帯について第2生体データBM2、HR2を収集する(ステップS107)。そして、当該睡眠が終了すると、生体計測装置50の制御部62は、ステップS106において記憶部64に記憶させた判定基準データBM2´,HR2´と、ステップS7において収集した第2生体データBM2,HR2とを比較して被検者200の睡眠の質の程度について仮判定を行い、その仮判定結果を表示部52へ表示させる(ステップS108)。
【0047】
そして、被検者200が外泊先から睡眠評価装置10の設置場所へ戻った後、生体計測装置50の制御部62は、ステップS107において収集した第2生体データを、対応付けられた日時情報と共に通信部66によって睡眠評価装置10に送信する(ステップS109)。そして、睡眠評価装置10の制御部34は、ステップS109において生体計測装置50から送信された第2生体データを通信部42によって受信し、当該第2生体データに対応付けられた日時情報と共に記憶部38に記憶させる(ステップS110)。これにより、睡眠評価装置10は、被検者200の外泊先での第2生体データを取得することができ、外泊期間における睡眠に係る生体データの記憶が補完される。
【0048】
従って、睡眠評価装置10は、被検者200の外泊期間も含めて全ての日の睡眠状態を判定して呈示することが可能となる。ここで、外泊期間に係る睡眠状態の評価は、生体計測装置50による仮判定と同様、判定基準データBM2´、HR2´を用いた仮判定となる。
なお、上述した例では、判定基準データを算出するに当たりサンプルデータ収集期間中の最も睡眠状態が良好な日を「基準日」として特定しているが、「基準日」の特定方法はこの例に限られない。要は、上述した仮判定を実行できるような判定基準データを算出可能な日を基準日とすればよく、例えば、最も睡眠状態が不良である日を基準日として特定してもよい。
以上説明したように、本発明の第1変形例に係る睡眠評価システム1によれば、簡易評価及び簡易判定の代わりに、より簡易な処理である仮判定を行うため、第2演算式の設定に係る処理を行わずに済む。従って、処理負荷の軽減及び処理時間の短縮が実現する。
【0049】
[第2変形例]
本発明の第2変形例に係る睡眠評価システム1は、生体計測装置50の構成が簡略化されて被検者200の装着負担が軽減されている点を除いて、第1実施形態に係る睡眠評価システムと同様に構成されている。以下、重複した説明を避ける為に、上述した実施形態との相違点について説明し、上述の実施形態に係る睡眠評価システム1、睡眠評価装置10、及び生体計測装置50と同様の構成・作用・効果についての説明を省略する。
【0050】
図9は、第2変形例に係る生体計測装置50の外観構成例を示す図である。同図に示すように、第1変形例に係る生体計測装置50は、表示部52及び操作部54が設けられておらず、他の全ての構成部材はベルト部51内に設けられており、上述した簡易評価及び簡易判定を行わない。従って、被検者200は、外泊先での睡眠状態の評価を外泊先で知ることはできないが、上述した第2生体データによる補完処理を完了した睡眠評価装置10によって簡易評価及び簡易判定が行われ、当該簡易判定結果が表示部22に表示される。
以上説明したように、本発明の第2変形例に係る睡眠評価システム1によれば、生体計測装置50がリストバンド態様に構成される。従って、当該生体計測装置50は、被検者200に対する装着負担が非常に軽いため、就寝に際して身体に何らかの装置を装着することを不快に感じる者にとっては特に有用である。
【0051】
[第3変形例]
本発明の第3変形例に係る睡眠評価システム1は、睡眠評価装置10によって収集される全ての第1生体データ(本例では、第1体動データBM1、第1脈拍データHR1、及び第1呼吸データRS1)と同種の第2生体データ(すなわち、第2体動データBM2、第2脈拍データHR2、及び第2呼吸データRS2)を収集可能に生体計測装置50が構成されている点を除いて、一実施形態に係る睡眠評価システムと同様に構成されている。以下、重複した説明を避ける為に、上述した実施形態との相違点について説明し、上述の実施形態に係る睡眠評価システム1、睡眠評価装置10、及び生体計測装置50と同様の構成・作用・効果についての説明を省略する。
【0052】
図10は、第3変形例に係る生体計測装置50の外観構成例を示す図である。同図に示すように、第3変形例に係る生体計測装置50は、マットレス部91と本体部93とを備える。マットレス部91には、第2生体データを収集するために、上述した加速度センサ56および脈波センサ58の代わりに、圧力センサである歪みゲージ(不図示)が設けられている。すなわち、第3変形例に係る生体計測装置50は、被検者200の呼吸、脈拍、及び体動によって歪みゲージに印加される圧力を検出し、該検出信号から第2体動データBM2、第2脈拍データHR2、及び第2呼吸データRS2を生成する。なお、被検者200の寝具下に敷設した圧力センサの出力信号から、被検者200の体動信号、脈拍信号、及び呼吸信号を検出する技術は公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
このように、第3変形例に係る生体計測装置50によれば3種類の生体データ(第2体動データBM2、第2脈拍データHR2、及び第2呼吸データRS2)が生成されるため、生体計測装置50による睡眠状態の簡易評価及び簡易判定をより細かな判定とすることができる。
【0053】
以上説明したように、本発明の第3変形例に係る睡眠評価システム1によれば、生体計測装置50による簡易判定をより細かな判定とすることができる。また、被検者200の外泊期間に係る第2生体データによるデータ補完処理についても、睡眠評価装置10は、自身が収集する第1生体データの全種類について第2生体データによって補完することができる。従って、睡眠評価装置10は、補完に係る第2生体データを用いて、簡易判定ではなく通常の判定を行うことが可能となる。
【0054】
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示した複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示す全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせている。また、各実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、それらの形態に限られるものではない。