(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天板に設けた開口部に開閉可能に蓋体を設けた配線機能付きテーブルにおいて、前記開口部の周囲の一部又は全部に挿通用開口部を残して蓋体を開閉可能に設け、前記挿通用開口部に連通し且つ前記蓋体よりも低い位置に、コード類を包持するとともに、該コード類の端部のコネクタを係止し得るコードフックを備え、該コードフックは、コード類を保持する上下方向に連通した保持部と、該保持部にコード類を側方から受け入れるための連通部とからなり、前記保持部及び連通部が前記挿通用開口部から上向きに開口してなることを特徴とする配線機能付きテーブル。
天板下に備えた配線ダクトに連通するように該天板に開口部を設けるとともに、該開口部に開閉可能にダクト蓋体を設けた配線機能付きテーブルにおいて、前記開口部の周囲にリング状開口部を残してダクト蓋体を開閉可能に設け、前記ダクト蓋体の下方位置に、前記リング状開口部から引き出すコード類を包持するとともに、該コード類の端部のコネクタを係止し得るコードフックを備え、該コードフックは、コード類を保持する上下方向に連通した保持部と、該保持部にコード類を側方から受け入れるための連通部とからなり、前記ダクト蓋体を開閉可能に支持する軸受具に一体的に形成されていることを特徴とする配線機能付きテーブル。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の天板を連設し、端部に位置する天板の外側端おいて棒脚あるいは脚板で支持するとともに、天板の連結部においては中間脚で支持した構造のテーブルは各種提供されている。また、天板の下面周縁部にビーム部材を配置して天板を補強するとともに、コーナー部でビーム部材に連結した脚ブラケットに棒脚を固定する基本構造も公知である。
【0003】
そして、天板の中央部にダクト開口部を設け、該開口部に開閉可能にダクト蓋体を設けるとともに、ダクト開口部の下方に配線ダクトを設け、天板の上下にわたってコード類を配線できるようにした配線ダクト装置を備えたテーブルも各種提供され、配線ダクト装置の形態も様々である。
【0004】
例えば、特許文献1には、前後の天板間に所定の間隙を設けるとともに、その間隙に沿った天板下面側には樋状部材を取付けて配線空間を形成し、更に天板の左右中央部で前後の天板の対向部分に切欠部を形成して平面視略正方形のダクト開口部を形成し、該開口部に2枚の配線カバーを間に前記間隙と同様な間隙を設けて開閉可能且つ着脱可能に設けた構造の配線ダクト装置が開示されている。ここで、前記配線カバーは、その長辺を天板の長辺方向に向けて取付け、あるいは天板の短辺方向に向けて取付けることができ、両配線カバーの間に形成される空間から下方の配線ダクトにコード類を配線できるようになっている。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の配線ダクト装置は、両配線カバー間に配線ダクトと連続する空間が形成され、該空間を利用してコード類を引き出すことができるが、コード類を引き出す位置の固定が困難である。また、両配線カバーを取外し、ダクト開口部を開放すれば、配線空間へのアクセスが容易になるが、配線作業後に配線カバーを取付けるには、コード類を邪魔にならない位置に移動した状態で作業しなければならず、手間がかかる。更に、天板上に載置したノートパソコン等の電気機器に一時的に接続するが、常時は電気機器からコネクタを外してコード類を配線ダクト内に格納するような使用形態の場合、コネクタ部分も配線ダクト内に位置して、次に電気機器に接続する作業に手間がかかるといった問題も生じる。
【0006】
また、特許文献2には、前後の天板間に間隙を形成し、該間隙に配線ダクト装置の下端に沿って突設した板状の支持部を前記間隙に嵌入し、前後の天板の境界部分に配線ダクト装置を設ける構造が開示されている。この特許文献2に記載の配線ダクト装置は、配線ダクトを形成する両立壁部の上縁にコード類を取り出すための凹部を所定間隔毎に設け、その上に設ける蓋体とでコード類を包持するような構造を備えている。しかし、凹部からなるコード類の取り出し部は、配線ダクトの外部に固定したテーブルタップ等の接続器に接続するコード類を配線するためのものであり、一旦配線した後には、コード類の位置を変えることはない。
【0007】
また、特許文献3には、テーブルの天板中央部にダクト開口部を設けるとともに、その下方に配線ダクトを設け、該配線ダクトの内部空間を上下に区画する保持板にコンセントを固定するとともに、前記ダクト開口部を塞ぐ蓋体の前後縁部にコード類を挿通するための切欠部を設け、蓋体を閉じた状態でもコード類を切欠部を通してコンセントにプラグを接続できるようにした配線ダクト装置が開示されている。しかし、特許文献3には、パソコンから外したコード類を配線ダクト内に簡単に収納することができる点については言及されてない。勿論、パソコンから外したコード類は、複数の蓋体を取り除いた後、配線ダクト内に押し込み再び蓋体を閉じることで原理的に配線ダクト内に収容できるものの、コード類の弾性復元性のため、コード類を束ねるようなことをしない限り配線ダクト内に収容することは実際には不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、天板下に備えた配線ダクトに連通するように該天板に開口部を設けるとともに、該開口部に開閉可能にダクト蓋体を設けた配線機能付きテーブルにおいて、天板上に載置したノートパソコン等の電気機器に、天板下に備えた配線ダクトを通してリング状開口部から引き出したコード類を接続して使用する際に、コード類を安定に保持することができるとともに、電気機器から外したコード類を配線ダクト内に収容する際にコード類の落下を防止でき、しかも外観性にも優れた配線機能付きテーブルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前述の課題解決のために、天板に設けた開口部に開閉可能に蓋体を設けた配線機能付きテーブルにおいて、前記開口部の周囲の一部又は全部に挿通用開口部を残して蓋体を開閉可能に設け、前記挿通用開口部に連通し且つ前記蓋体よりも低い位置に、コード類を包持するとともに、該コード類の端部のコネクタを係止し得るコードフックを備え
、該コードフックは、コード類を保持する上下方向に連通した保持部と、該保持部にコード類を側方から受け入れるための連通部とからなり、前記保持部及び連通部が前記挿通用開口部から上向きに開口してなることを特徴とする配線機能付きテーブルを構成した(請求項1)。
【0011】
ここで、前記コードフックは、前記天板の開口部に設けて前記蓋体との間に前記挿通用開口部を形成するダクト枠であって、該挿通用開口部の底部となるフランジ部に一体的に形成されていることが好ましい(請求項2)。
【0012】
また、本発明は、前述の課題解決のために、天板下に備えた配線ダクトに連通するように該天板に開口部を設けるとともに、該開口部に開閉可能にダクト蓋体を設けた配線機能付きテーブルにおいて、前記開口部の周囲にリング状開口部を残してダクト蓋体を開閉可能に設け、前記ダクト蓋体の下方位置に、前記リング状開口部から引き出すコード類を包持するとともに、該コード類の端部のコネクタを係止し得るコードフックを備え
、該コードフックは、コード類を保持する上下方向に連通した保持部と、該保持部にコード類を側方から受け入れるための連通部とからなり、前記ダクト蓋体を開閉可能に支持する軸受具に一体的に形成されていることを特徴とする配線機能付きテーブルを構成した(請求項
3)。
【0013】
更に、前記コードフックと閉止状態のダクト蓋体の間に、コード類のコネクタを収容し得る空間を設けてなることも好ましい(請求項
4)。
【0014】
そして、
これらの発明において、前記コードフックは、サイズが異なるコード類に対応して複数種類を併設してなることがより好ましい(請求項
5)。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる請求項1に係る発明の配線機能付きテーブルは、天板に設けた開口部に開閉可能に蓋体を設けた配線機能付きテーブルにおいて、前記開口部の周囲の一部又は全部に挿通用開口部を残して蓋体を開閉可能に設け、前記挿通用開口部に連通し且つ前記蓋体よりも低い位置に、コード類を包持するとともに、該コード類の端部のコネクタを係止し得るコードフックを備え
、該コードフックは、コード類を保持する上下方向に連通した保持部と、該保持部にコード類を側方から受け入れるための連通部とからなり、前記連通部が前記保持部及び挿通用開口部から上向きに開口してなるので、天板上に載置したノートパソコン等の電気機器に、挿通用開口部から引き出したコード類を接続して使用する際に、コード類がコードフックで保持することができるので、コード類の位置が安定するとともに、電気機器から外したコード類を挿通用開口部の下方空間に収容する際にコード類のコネクタをコードフックに係止できるので、コード類の配線ダクト内への落下を防止できるばかりでなく、コードフックに係止されたコード類のコネクタは、挿通用開口部から一部が見えるので、コード類が格納されている位置を容易に確認でき、次にコード類を使用する際に便利であり、そしてコードフックは蓋体より低い位置にあるので目立たなく外観性に優れている。
前記コードフックは、コード類を保持する上下方向に連通した保持部と、該保持部にコード類を側方から受け入れるための連通部とからなるので、コードフックにコード類を確実且つ簡単に保持することができる。
【0016】
請求項2によれば、前記コードフックは、前記天板の開口部に設けて前記蓋体との間に前記挿通用開口部を形成するダクト枠であって、該挿通用開口部の底部となるフランジ部に一体的に形成されているので、新たな機能の付加にもかかわらず、コストの上昇を抑制できるとともに、コード類のコネクタを含む先端側を前記フランジ部に載置して収容することができ、コネクタは挿通用開口部の底部に位置するので、テーブルの使用者には目立たないので、美観を損なうことはなく、また挿通用開口部を覗き込めば容易にコネクタの位置を確認することができる。
【0017】
また、請求項
3に係る発明の配線機能付きテーブルは、天板下に備えた配線ダクトに連通するように該天板に開口部を設けるとともに、該開口部に開閉可能にダクト蓋体を設けた配線機能付きテーブルにおいて、前記開口部の周囲にリング状開口部を残してダクト蓋体を開閉可能に設け、前記ダクト蓋体の下方位置に、前記リング状開口部から引き出すコード類を包持するとともに、該コード類の端部のコネクタを係止し得るコードフックを備え
、該コードフックは、コード類を保持する上下方向に連通した保持部と、該保持部にコード類を側方から受け入れるための連通部とからなり、前記ダクト蓋体を開閉可能に支持する軸受具に一体的に形成されているので、天板上に載置したノートパソコン等の電気機器に、天板下に備えた配線ダクトを通してリング状開口部から引き出したコード類を接続して使用する際に、コード類がコードフックで保持することができるので、コード類の位置が安定するとともに、電気機器から外したコード類を配線ダクト内に収容する際にコード類のコネクタをコードフックに係止できるので、コード類の配線ダクト内への落下を防止できるばかりでなく、コードフックに係止されたコード類のコネクタは、リング状開口部から一部が見えるので、コード類が格納されている位置を容易に確認でき、次にコード類を使用する際に便利であり、そしてコードフックそのものはダクト蓋体の下方位置にあるので目立たなく外観性に優れている。
その上、前記コードフックは、前記ダクト蓋体を開閉可能に支持する軸受具に一体的に形成されているので、新たな機能の付加にもかかわらず、コストの上昇を抑制できるとともに、しかも目立たない位置に設けることができる。
【0018】
請求項
4によれば、前記コードフックと閉止状態のダクト蓋体の間に、コード類のコネクタを収容し得る空間を設けてなるので、コード類を配線ダクト内に収容し、コードフックにコネクトを係止した状態でもダクト蓋体を閉じることができる。
【0019】
請求項
5によれば、前記コードフックは、サイズが異なるコード類に対応して複数種類を併設してなるので、電源コードやLANケーブルを始めとするサイズが異なるコード類を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図5】中間脚と縦ダクトの構造を示す部分分解斜視図である。
【
図6】縦ダクトの構造を示し、通常の状態の部分平面図である。
【
図7】配線ダクト装置を構成する四角形状ダクト枠の分解斜視図である。
【
図8】配線ダクト装置を構成するライン状ダクト枠の斜視図である。
【
図9】四角形状ダクト枠の内部に軸受具を取付ける状態の分解斜視図である。
【
図10】軸受具とダクト蓋体の関係を示す分解斜視図である。
【
図11】四角形状ダクト枠の内部に軸受具でダクト蓋体を開閉可能に取付けた状態の斜視図である。
【
図12】ダクト蓋体の閉止状態における軸方向と直交する方向の縦断面図である。
【
図14】ダクト蓋体の開放状態における軸方向と直交する方向の縦断面図である。
【
図15】コードフックを備えたダクト蓋体の軸受具を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
【
図16】他の実施形態のコードフックを備えたダクト蓋体の軸受具の斜視図である。
【
図17】同じく他の実施形態の軸受具を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図18】本発明の他の実施形態を示す部分省略平面図である。
【
図19】同じく他の実施形態を示す四角形状ダクト枠の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
図1及び
図2は本発明に係るテーブルを示し、
図3は天板に設けた配線ダクト装置を示し、
図4〜
図6はテーブルの構造を示し、図中符号1は天板、1Aは中間天板、1Bは端部天板、2は棒脚、3は中間脚、4は縦ダクト、5は配線ダクト装置、5Aは四角形状ダクト、5Bはライン状ダクト、6はダクト蓋体、7は開口部、7Aはリング状開口部、7Bはライン状開口部をそれぞれ示している。
【0022】
本発明に係るテーブルの全体構成は、
図1及び
図2に示すように、天板1は、偶数枚の中間天板1A,…と2枚の端部天板1B,1Bを連設して構成される。前記天板1は横長の長尺体であり、長辺側を前後縁、短辺側を側縁と定義する。前記中間天板1A,1Aは前後に所定の間隔を設けて配置し、その対を側方に適宜連設する。前記端部天板1Bの長辺側は天板1の側縁に対応し、前記中間天板1A,1Aの側端部に長辺側が接合する。つまり、前後に配置した中間天板1A,1Aの前後縁間隔と前記端部天板1Bの長辺の寸法は一致させている。尚、前記端部天板1Bは、その横幅を中間天板1Aの横幅に一致させた大きさのものを用いることもある。本実施形態では、前記中間天板1Aと端部天板1Bは、パーティクルボードを用いて形成し、上面は化粧仕上げをしているが、周囲は切断したままで使用する。天板は、例えば裏面に塗装を施して着色したガラス板をパーティクルボードに積層した構造のものも適宜使用する。
【0023】
そして、前記端部天板1Bの前後部は棒脚2,2で支持するとともに、左右の中間天板1A,1Aの連結部及び端部天板1Bと前後の中間天板1A,1Aの連結部においては中間脚3で支持し、該中間脚3は縦ダクト4の一部を構成している。前記天板1の下方空間はフットフリー、ワゴンフリーとなっており、棒脚2以外のどの位置でも着座することができ、また図示しないが引出し付きのキャビネット等を自由に配置することができ、前記縦ダクト4の前面側にも配置できるようになっている。
【0024】
前記中間天板1A,1Aと端部天板1Bの境界部分及び4枚の中間天板1A,…の境界部分に、前記配線ダクト装置5を構成する四角形状ダクト5Aをそれぞれ設けるとともに、前後の中間天板1A,1Aの間に、同じく配線ダクト装置5を構成するライン状ダクト5Bを形成している。前記四角形状ダクト5Aには、周囲にリング状開口部7Aを残して二枚のダクト蓋体6,6を中央部で回動開閉可能に設け、該リング状開口部7Aの一部は前記ライン状ダクト5Bのライン状開口部7Bに連通している。ここで、前記四角形状ダクト5Aの下方には、前記縦ダクト4が位置し、互いに連通している。前記四角形状ダクト5Aは、天板1の構成により2つ以上設けられ、隣接する四角形状ダクト5A,5Aはライン状ダクト5Bで繋がり、つまりリング状開口部7A,7Aはライン状開口部7Bで連通していることが特徴である。前記四角形状ダクト5Aは、本実施形態では略正方形であるが、円形でも良く、上位概念では島状ダクトと表現できる。
【0025】
次に、本発明に係るテーブルの全体構造を
図4〜
図6に基づいて簡単に説明する。前記棒脚2は、脚ブラケット8を介して天板1の下面に取付けられ、両脚ブラケット8,8間にエンドアーム9を連結している。前記中間脚3は、上端に中間アーム10が側面視略T字状に取付けられ、該中間アーム10は左右の中間天板1A,1Aの連結部及び端部天板1Bと前後の中間天板1A,1Aとの連結部に沿って配置されている。そして、隣接する前記中間脚3,3の上端間には、ファンクションビーム11,11が間隔を置いて平行に連結され、更に前記エンドアーム9の中間部と中間脚3の上端間にもファンクションビーム11,11が連結されている。そして、前記中間アーム10の先端には中間ブラケット12,12が固定され、前記各中間天板1A,…及び端部天板1B,1Bを前記中間脚3、脚ブラケット8、エンドアーム9、中間アーム10、ファンクションビーム11、中間ブラケット12に載置し、前記脚ブラケット8を端部天板1B下面にネジ止めするとともに、前記エンドアーム9、中間アーム10及び中間ブラケット12に側設された取付片13,…を用いて天板1下面にネジ止めしている。
【0026】
更に、
図4に示すように、前記中間天板1A及び端部天板1Bの縁部には、側端面から下面縁部を覆うようにファンクションエッジ14が設けられ、直線状に連続する部分においては、両ファンクションエッジ14,14を平面視略T字形の連結金具15と断面略L字形の連結板16とで連結するとともに、該連結金具15を前記中間ブラケット12に連結する一方、コーナー部においては、交差する両ファンクションエッジ14,14の端部をコーナーブラケット17で連結している。そして、前記ファンクションエッジ14を中間天板1Aと端部天板1Bの下面にネジ止めするとともに、前記コーナーブラケット17も前記ブラケット8と同時に端部天板1Bの下面にネジ止めする。
【0027】
前記棒脚2は、前記脚ブラケット8を介して天板1の下面にネジ止めされる。前記脚ブラケット8は、平面視略四角形であり、内方へ向いた角部に嵌合部を突設し、角パイプで作成した前記エンドアーム9の端部を該嵌合部に外嵌し、ネジ止め連結できるようになっている。また、前記脚ブラケット8には、前記嵌合部と対角位置にある他の角部に前記コーナーブラケット17を接合できるようになっている。
【0028】
前記中間脚3は、
図5及び
図6に示すように、前後両側に支脚18,18を間隔を隔てて配置し、両支脚18,18の上端間に前記中間アーム10の中央部を渡設するとともに、下部間に連結杆20を連結し、更にそれぞれの支脚18の下端には左右方向へ向いた接地杆21を逆T字状に設け、該接地杆21の両端部にはアジャスター22,22を設けた構造である。尚、前記接地杆21を省略して前記両支脚18,18の下端に直接又は間接的にアジャスター22,22を設けることもある。
【0029】
そして、前記中間アーム10の中央部は、前記支脚18,18の上端部に設けた凹部19に嵌合し、ネジ止めしている。ここで、前記中間アーム10は、角パイプで形成され、両端部に前記中間ブラケット12,12を取付け、中間部には前記取付片13,…の他に前記中間脚3の近傍位置に偏平な連結片23,23を設けている。また、前記中間脚3の両支脚18,18の上端左右両側には、前記ファンクションビーム11の端部を外嵌してネジ止め連結するための嵌合部24,24を突設している。
【0030】
前記縦ダクト4は、
図5及び
図6に示すように、前記中間脚3を用いて構成されている。前記縦ダクト4は、両支脚18,18の間に、上段コード受け25を前記中間アーム10に直接に吊止部材26を用いて吊り下げ状に設けるとともに、下段コード受け27を高さ調節可能に設け、更に前記中間脚3の両支脚18,18と上段コード受け25及び下段コード受け27を取り囲むように一対のダクトカバー28,28を対向配置し、該ダクトカバー28,28の両端縁部を両支脚18,18の外側側面に係着手段にて着脱可能且つ取付位置を側方へ変更可能に設けて構成されている。
【0031】
次に、
図3、
図7〜
図14に基づいて本発明に係る配線ダクト装置5の詳細を更に説明する。先ず、
図7に示すように、前後に位置する前記中間天板1A,1Aは、互いに所定間隔を設けて配置して間に溝29を形成するとともに、中間天板1A,1Aの対向する側の両端部の角部に平面視略正方形の切欠部30,30をそれぞれ形成するとともに、該切欠部30,30に対応する前記端部天板1Bの長辺側中央部に平面視長方形の切欠部31を形成し、前記切欠部30,30と切欠部31で平面視略正方形の開口部32が形成される。前記開口部32のコーナー部は丸く加工している。尚、4枚の中間天板1A,…の境界部分では、4つの切欠部30,…によって同様な平面視略正方形の開口部32が形成される。
【0032】
そして、前記平面視略正方形の開口部32には、
図3及び
図7に示すように、四角形状ダクト枠33を上方から嵌合し、前記溝29には、
図3及び
図8に示すように、各中間天板1A,1Aの端部にライン状ダクト枠34を取付けてライン状開口部7Bを形成する。更に詳しくは、前記四角形状ダクト枠33は、4本の直線枠35,…と、4つのコーナー枠36,…とからなり、前記ライン状開口部7Bに交差する一側又は両側の直線枠35の中央部には前記ライン状開口部7Bに連通する凹溝部37を形成したものである。前記凹溝部37を有する直線枠35とコーナー枠36は、合成樹脂製の成形品であり、その他の直線枠35は合成樹脂又はアルミニウム製の押出し型材を所定長さに切断して製造したものである。前記直線枠35とコーナー枠36の連結は、該コーナー枠36の端部の上下に突設した突起38,38を直線枠35の上下部の係合溝39,39内に嵌合するとともに、コーナー枠36の端面に設けた孔40に通したネジ41を直線枠35の上下中間部に設けた下穴42に螺合して行う。
【0033】
前記直線枠35とコーナー枠36は、前記切欠部30,30と切欠部31の内壁を覆う本体部を有し、本体部の上縁に前記中間天板1Aと端部天板1Bの上縁に被る鍔部43,44をそれぞれ一体形成するとともに、下端に開口部32の内部に向けてフランジ部45,46をそれぞれ一体形成している。前記直線枠35の鍔部43とフランジ部45は、前記コーナー枠36の鍔部44とフランジ部46にそれぞれ連続するように端部同士が接合する。一方、前記ライン状ダクト枠34は、合成樹脂又はアルミニウム製の押出し型材を所定長さに切断して製造し、前記中間天板1Aの端部面を覆う側面板47の上縁に前記鍔部43と同様の鍔部48を形成するとともに、下端に前記中間天板1Aの下面に取付けるための取付板49を一体成形している。
【0034】
そして、前記四角形状ダクト枠33は、
図7及び
図9に示すように、前記開口部32に上方から嵌挿し、周囲の鍔部43,44を中間天板1A及び端部天板1Bの縁部に載置するとともに、前後の直線枠35,35のフランジ部45,45を前記中間アーム10の上面に載置し、該フランジ部45,45に形成した通孔50,50に通した固定ネジ51,51を中間アーム10の上面に形成した下穴52に螺合して取付ける。前記ライン状ダクト枠34は、前記溝29内に位置させ、中間天板1Aの端面に嵌合し、取付板49を該中間天板1Aの下面にネジ止めして取付ける。尚、
図9は、天板1を省略している。この状態で前記直線枠35に形成した凹溝部37は、前記ライン状開口部7Bに連通するようになる。
【0035】
それから、
図9〜
図14に示すように、前後の直線枠35,35のフランジ部45,45に合成樹脂製の軸受具53,53を取付け、前記ダクト蓋体6,6を開閉可能に枢支する。前記軸受具53は、
図3、
図9〜
図15に示すように、前記中間アーム10を両側から挟みこんで保持する嵌合部54と、前記直線枠35のフランジ部45の上面に載置する固定部55を有し、前記嵌合部54の上部に一対の軸受筒56,56の開放部を開口部32の内部に向けて設けている。前記固定部55には、中央に取付孔57を形成するとともに、その両側に通孔58,58を形成している。そして、前記固定ネジ51を前記固定部55の取付孔57に挿通し、前記直線枠35のフランジ部45と同時に中間アーム10の上面にネジ止めするとともに、前記通孔58,58の上方から通したネジ59,59を前記フランジ部45に形成した下穴60,60に螺合して前記軸受具53を取付ける。そして、前記固定部55に台形状のキャップ61を嵌着して前記固定ネジ51及びネジ59,59を隠している。
【0036】
そして、
図15に示すように、前記軸受具53の両側には、前記直線枠35のフランジ部45の内側に沿うようにアーム部62を延設し、該アーム部62にそれぞれ複数のコードフック63,…を設けている。ここで、前記コードフック63は、コード類Cを保持する上下方向に連通した保持部63Aと、該保持部63Aにコード類Cを側方から受け入れるための連通部63Bとからなっている。更に詳しくは、前記コードフック63は、前記開口部32の内方に連通部63Bが開放しており、該連通部63Bから前記アーム部62内に平面視略L字状に延びた保持部63Aが形成され、該保持部63A内にコード類Cを嵌合して包持するようになっている。そして、前記保持部63Aの上端、つまり前記アーム部62の上面でコード類Cの端部に設けたコネクタC1を係止できるようになっている。
【0037】
そして、前記コードフック63は、サイズが異なるコード類Cに対応して複数種類をアーム部62に併設している。本実施形態では、直径が大小異なる大きさのコード類Cをそれぞれ保持するのに適した二つのなるコードフック63,63を各アーム部62に設けている。尚、前記コードフック63は、前記軸受具53と別体で作製して、前記四角形状ダクト枠33に取付けるようにしても良いが、前記軸受具53に一体的に形成することにより、コスト上昇を抑制することができるので好ましい。
【0038】
前記ダクト蓋体6は、
図10及び
図11に示すように、前記四角形状ダクト枠33の内形よりも一回り小さな略正方形の半分の大きさを有する板体であり、裏面の長辺の一側縁に沿って支軸64を嵌着する支軸受部65を突設し、該支軸受部65から両端が突出した前記支軸64の端部に円柱状のスリーブ66を同軸に嵌着し、該スリーブ66を前記軸受具53の軸受筒56の内部に回動可能に嵌合する。実際には、前記軸受具53を四角形状ダクト枠33に取付ける前に、各ダクト蓋体6の両端部のスリーブ66,66をそれぞれ軸受具53,53の対向する軸受筒56,56に挿入した状態で、該軸受具53,53を前述のように中間アーム10と四角形状ダクト枠33に取付ける。
【0039】
そして、
図3、
図11〜
図13に示すように、前記ダクト蓋体6,6を水平な閉止状態としたとき、前記軸受具53に該ダクト蓋体6の裏面を当止する受部67,67を弾性部材で設けている。そして、前記コードフック63,…は、閉止状態の前記ダクト蓋体6の下方位置になるように設けている。更に、前記コードフック63と閉止状態のダクト蓋体6の間に、コード類CのコネクタC1を収容し得る空間を設けている。つまり、前記軸受具53のアーム部62の位置は、前記受部67を設けた上端部よりも十分に下方である。また、前記アーム部62には、前記直線枠35のフランジ部45の下面縁部に係合する突条68を形成し、
図13に示すように、前記軸受具53を中間アーム10と四角形状ダクト枠33に取付けた状態を更に安定させ、重たいコード類Cをアーム部62の先端部に係止しても該軸受具53が変形しないように十分な強度を持たせている。
【0040】
また、
図14に示すように、前記ダクト蓋体6,6を開放状態に立起させたときには、前記ダクト蓋体6の基端部に設けた係合部69が前記軸受具53の軸受筒56,56間の固定部55の上面の近傍に設けたストッパー70に当接して停止し、両ダクト蓋体6,6の遊端側が平行に立起した状態となって安定する。また、前記ダクト蓋体6の閉止状態と開放状態の回動終端においてクリック感を持たせるために、前記軸受筒56とスリーブ66の摺動面部分に弾性係合する弾片と凹部を設けても良い。ここで、前記ダクト蓋体6をアルミニウム製で製造した場合でも、両ダクト蓋体6,6は接触しないので、傷付くこともない。また、前記キャップ61の内側部には、前記ダクト蓋体6,6の開放状態での基端部に干渉しないように逃がし部71を設けている。
【0041】
このように、前記ダクト蓋体6,6の閉止状態では、前記四角形状ダクト枠33の内周面と当該ダクト蓋体6,6の外周縁の間には、
図12及び
図13に示すように、所定幅のリング状開口部7Aが形成され、該リング状開口部7Aの下方には前記直線枠35とコーナー枠36のフランジ部45,46が位置するので、上から覗き込んでも下方の縦ダクト4の内部が見えないようにしている。前記コードクリップ63,…は、前記ダクト蓋体6の下方位置にあるので目立たない。また、
図3に示すように、前記コードクリップ63にコード類Cを保持し、余剰のコード類Cを前記縦ダクト4の内部に収納するとともに、コネクタC1を係止した状態で、前記ダクト蓋体6を閉じることができ、その場合には前記コネクタC1の一部がリング状開口部7Aを通して見えるようになり、コード類Cの格納位置の確認ができる。また、コード類Cの中間部を前記コードクリップ63で保持し、コネクタC1を含む先端側の部分を前記直線枠35のフランジ部45あるいは前記コーナー枠36のフランジ部46に載置した状態で収納することも好ましく、その場合もコネクタC1の位置を確認し易く、またコード類Cの先端側の部分のみをリング状開口部7Aから取り出して直ちに電気機器に接続することができる。
【0042】
図16及び
図17は、他の実施形態の軸受具53を示している。本実施形態では、前記嵌合部54を設けた部分を省略した構造であり、またコードフック63の形状が若干変更されたものである。前記軸受具53の嵌合部54を設けた部分は凹陥部72となっており、該凹陥部72の底面は前記固定部55の下面と面一となって前記中間アーム10の上面に載置するようになっている。そして、前記軸受具53の本体部の両側に延設したアーム部62,62にそれぞれ3つのコードフック63,…を形成している。前記アーム部62の先端側に設けたコードフック63は、前記同様の形状であるが、基端側には二つのコードフック63,63を一つの連通部63Bを共用して設けている。つまり、前記連通部63Bから前記アーム部62内に平面視略T字状に延びた空間部を形成して、両側に二つの保持部63A,63Aが形成された構造である。そして、各コード
フック63の保持部63A内にコード類Cを嵌合して包持するようになっている。尚、前記アーム部62の基端側の複合化された二つのコードフック63,63には、それぞれ断面略円形のコード類Cを保持できるが、断面形状が偏平で幅が大きなコード類Cを一つあるいは重ねて複数本を保持することも可能であり、汎用性が更に高くなっている。その他の構成は、前記同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
【0043】
このように、前記天板1の上で使用するノート型パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型PC等の電子機器に、電源を供給したり、LANケーブル等の通信線を接続したりするには、各種のコード類Cを前記縦ダクト4の内部を通して前記四角形状ダクト5Aやライン状ダクト5Bから天板1の上面へ引き出して使用する。前記四角形状ダクト5Aに形成されるリング状開口部7Aからコード類Cを引き出す場合には、前記コードフック63で保持する。ここで、コード類Cの配線作業中には、前記ダクト蓋体6を開放状態で行うが、配線後に該ダクト蓋体6を閉止状態にしても、その周囲に有するリング状開口部7Aから引き出すことが可能である。
【0044】
また、
図4に示すように、前記ライン状ダクト5Bに対応する中間天板1A,1Aの下面側に、前記ファンクションビーム11,11を利用してコード受け73,73を設け、前記ライン状開口部7Bから引き出すコード類を一旦コード受け73で受けた後に、引き出しても良く、また天板1の上面の余剰コード類をライン状開口部7Bから落とし込んで、前記コード受け73で受けても良い。
【0045】
また、コードフックは、前記軸受具53以外の四角形状ダクト枠33を構成する合成樹脂製部材に一体成形により設けること、あるいはコードフックを形成した部材を四角形状ダクト枠33に取付けることにより、リング状開口部7A(挿通用開口部)に連通し且つ前記ダクト蓋体6よりも低い位置に設けることも可能である。ここで、前記ダクト蓋体6の周囲の全部に挿通用開口部が存在する必要はなく、一部のみに挿通用開口部が形成されているものでも良い。尚、天板下に配線ダクトが存在しなくても良く、その場合には前記ダクト蓋体6は単なる蓋体となる。例えば、
図18及び
図19に示すように、前記コーナー枠36のフランジ部46に一体的にコードフック74を設けても良い。前記コードフック74は、平面視においてイカリ形の形状を有し、つまり中央部に大径の保持部74Aとその両側に小径の保持部74Bを有し、各保持部74A,74Bは幅の狭い連通部74Cで互いに連通するとともに、中央部の保持部74Aは連通部74Dで開口部32の内部に開放している形状である。更に、前記連通部74Dの途中部に前記保持部74Aよりも大径の部分を形成して第4の保持部74Eとしている。
【0046】
このように、前記コードフック74には、3種類のサイズのコード類Cを保持部74A,74B,74Eを選択して保持できるようになっている。この場合も、コード類CのコネクタC1を前記コードフック74に係止できるようになっている。そして、コード類Cの中間部を前記コードフック74に保持した状態で、コネクタC1を含む先端側を前記フランジ部45,46に載置して収容することができ、コネクタC1はリング状開口部7A(挿通用開口部)の底部に位置するので、テーブルの使用者には目立たないので、美観を損なうことはなく、またリング状開口部7A(挿通用開口部)を覗き込めば容易にコネクタC1の位置を確認することができる。
【0047】
また、コードフックを形成した部材を四角形状ダクト枠33に取付ける場合には、前記フランジ部45,46が存在しなくても良く、その場合もリング状開口部7A(挿通用開口部)に底部が存在しないので、コードフックを目立たない任意の位置に設けることができる。