(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記動画に含まれる特定のフレームの位置調整量である個別調整量の指定をユーザから受け付け、前記個別調整量に応じて、前記特定のフレームを個別に位置調整するステップ
をさらにコンピュータに実行させる、
請求項1に記載の画像処理プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
体内のワイヤをX線撮影するのであれば、フレームから対象物の像を自動抽出することは比較的容易かもしれない。ワイヤは、体内においては形状が特異な上、背景に写る患者の身体よりもX線の吸収量が多く、比較的はっきりと写し出されるからである。しかしながら、対象物の像の自動抽出の精度は、対象物の種類や撮影場所等の撮影条件によっては、大きく低下し得る。さらに、途中で対象物の像の形状や大きさが大きく変化するような場合にも、かかる精度は低下し得る。従って、特許文献1の技術では、対象物の像の自動抽出の精度の低下により、動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整の精度も低下する虞がある。
【0005】
本発明は、ユーザの判断を利用しながら、動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整を簡易な操作で精度よく行うことを可能にする画像処理プログラム及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る画像処理プログラムは、動画に捉えられた対象物の像が重なり合うように、前記動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整を行うための画像処理プログラムであって、前記動画の一部であって、前記対象物の像が重なり合うように互いに位置調整された複数のフレームを含むフレームグループを自動的に作成するステップと、前記フレームグループの位置調整量であるグループ調整量の指定をユーザから受け付け、前記グループ調整量に応じて、前記フレームグループに含まれる複数のフレームを位置調整するステップとをコンピュータに実行させる。なお、ここで、フレームグループを「自動的に」作成するとは、ユーザから位置調整量の指定を受けることなく、コンピュータが所定のアルゴリズムに従って、自動的にフレームグループを作成することを言う。
【0007】
ここでは、まず、ユーザから位置調整量の指定を受けることなく、フレームグループが自動的に作成される。このフレームグループは、注目している対象物の像が重なり合うように互いに位置調整がされた複数のフレームを要素とするグループである。次に、ユーザから位置調整量の指定を受けて、フレームグループに含まれる複数のフレームがフレームグループ単位で位置調整される。
【0008】
従って、ユーザは、あるフレームグループに自動的に分類されたフレームを、そのフレームグループに自動的に分類されなかったフレームに対し、手動で位置調整することができる。すなわち、自動的な位置調整の限界をユーザの手動操作で補うことができる。さらに、このとき、ユーザは、フレームグループ単位で位置調整量を指定することができるため、ユーザの操作量も少なくて済む。従って、ここでは、ユーザの判断を利用しながら、動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整を簡易な操作で精度よく行うことができる。
【0009】
本発明の第2観点に係る画像処理プログラムは、第1観点に係る画像処理プログラムであって、前記動画に含まれる特定のフレームの位置調整量である個別調整量の指定をユーザから受け付け、前記個別調整量に応じて、前記特定のフレームを個別に位置調整するステップをさらにコンピュータに実行させる。なお、ここでいう「特定のフレーム」とは、フレームグループに分類済みのフレームであっても、未分類のフレームであってもよい。
【0010】
ここでは、ユーザは、フレームグループ単位だけでなく、フレーム単位でも、位置調整量を指定することができる。従って、自動的に行われた位置調整の結果がおかしいと感じた場合や、いずれのフレームグループにも分類されておらず位置調整がされていないフレームが存在する場合等に、問題のフレームを位置調整することができる。従って、動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整をより精度よく行うことができる。
【0011】
本発明の第3観点に係る画像処理プログラムは、第1観点又は第2観点に係る画像処理プログラムであって、前記グループ調整量に応じて、前記フレームグループに含まれる複数のフレームを位置調整するステップは、ユーザが前記グループ調整量を指定する際に参照可能なように、前記動画に含まれる比較フレームと、前記フレームグループに含まれる代表フレームとの合成画像を表示するステップを含む。なお、「比較フレーム」とは、代表フレームと同じフレームグループに分類されるフレームであっても、異なるフレームグループに分類されるフレームであっても、いずれのフレームグループにも分類されないフレームであってもよい。
【0012】
ここでは、フレームグループ単位での位置調整時に、フレームグループの代表フレームと、この代表フレームと比較されるべきフレーム(比較フレーム)との合成画像がユーザに提示される。ここで、合成画像とは、例えば、代表フレームを半透明にして比較フレームに重ね合わせたような両フレームの平均画像や、代表フレームと比較フレームとの違いのみを表示する差分画像である。従って、ここでは、ユーザが、直観的に比較フレームに対する代表フレームの位置のずれ量を理解することが可能となり、フレームグループの位置調整量を容易に指定することができる。
【0013】
本発明の第4観点に係る画像処理プログラムは、第1観点から第3観点のいずれかに係る画像処理プログラムであって、前記フレームグループに関連付けて、前記動画に含まれる基準フレームをユーザに指定させるステップと、前記基準フレームが所定の位置調整量だけ位置調整されると、前記所定の位置調整量だけ前記フレームグループに含まれる前記複数のフレームを自動的に位置調整するステップとをさらにコンピュータに実行させる。
【0014】
ここでは、ユーザが、フレームグループに対し基準フレームを指定することができる。そして、この基準フレームが位置調整されると、それに伴って、このフレームグループに含まれる複数のフレームも自動的に位置調整される。この機能は、基準フレームとフレームグループとの位置関係を維持するのに役立つ。例えば、あるフレームグループの基準フレームとして、別のフレームグループに含まれるフレームを指定しておいた場合には、その後、後者のフレームグループがフレームグループ単位で位置調整されたとしても、両フレームグループの位置関係を保つことができる。
【0015】
本発明の第5観点に係る画像処理プログラムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る画像処理プログラムであって、前記フレームグループを自動的に作成するステップは、前記動画に含まれる特定のフレーム内で前記対象物の存在するエリアをユーザに指定させるステップと、前記指定されたエリア内の特徴点を検出するステップと、前記動画の全体又は一部の中から、前記検出された特徴点と同一又は類似の特徴点を有するフレームを検出するステップと、前記特定のフレームと前記検出されたフレームとを同じ前記フレームグループに属するものとして関連付けるステップとを含む。
【0016】
ここでは、ユーザは、フレームグループの作成に当たり、特定のフレーム内で注目している対象物の存在するエリアを指定することができる。そして、このエリア内の特徴点を基準として、この特定のフレームと同じフレームグループに分類されるべきフレームが判断される。従って、様々な対象物を基準として、フレームグループを作成することができる。
【0017】
本発明の第6観点に係る画像処理プログラムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る画像処理プログラムであって、前記動画に含まれる前記位置調整後の複数のフレームを順次再生するステップをさらにコンピュータに実行させる。従って、ここでは、位置調整後の複数のフレームを動画として再生可能である。
【0018】
本発明の第7観点に係る画像処理プログラムは、第1観点から第6観点のいずれかに係る画像処理プログラムであって、前記位置調整には、前記フレームの移動、回転、拡大、縮小及び歪曲の少なくとも1つを行うことが含まれる。
【0019】
本発明の第8観点に係る画像処理装置は、動画に捉えられた対象物の像が重なり合うように、前記動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整を行うための画像処理装置であって、前記動画の一部であって、前記対象物の像が重なり合うように互いに位置調整された複数のフレームを含むフレームグループを自動的に作成するグループ作成部と、前記フレームグループの位置調整量であるグループ調整量の指定をユーザから受け付け、前記グループ調整量に応じて、前記フレームグループに含まれる複数のフレームを位置調整するグループ調整部とを備える。ここでは、第1観点と同様の効果を奏することができる。なお、ここで、フレームグループを「自動的に」作成するとは、ユーザから位置調整量の指定を受けることなく、画像処理装置が所定のアルゴリズムに従って、自動的にフレームグループを作成することを言う。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、まず、ユーザから位置調整量の指定を受けることなく、フレームグループが自動的に作成される。次に、ユーザから位置調整量の指定を受けて、フレームグループに含まれる複数のフレームがフレームグループ単位で位置調整される。従って、ユーザは、あるフレームグループに自動的に分類されたフレームを、そのフレームグループに自動的に分類されなかったフレームに対し、手動で位置調整することができる。すなわち、自動的な位置調整の限界をユーザの手動操作で補うことができる。さらに、このとき、ユーザは、フレームグループ単位で位置調整量を指定することができるため、ユーザの操作量も少なくて済む。従って、ここでは、ユーザの判断を利用しながら、動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整を簡易な操作で精度よく行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像処理プログラム及び画像処理装置について説明する。
<1.画像処理装置の概要>
図1に示す画像処理装置1は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態である。画像処理装置1は、汎用のパーソナルコンピュータである。画像処理装置1には、本発明に係る画像処理プログラムの一実施形態である画像処理プログラム2が、これを格納するCD−ROM、DVD−ROM、USBメモリ等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体60等から提供され、インストールされている。画像処理プログラム2は、動画および静止画に対する画像処理を支援するためのアプリケーションソフトウェアである。画像処理プログラム2は、画像処理装置1に後述する動作に含まれるステップを実行させる。
【0023】
画像処理装置1は、ディスプレイ10、入力部20、記憶部30および制御部40を有する。これらの部10〜40は、互いにバス線やケーブル等5を介して接続されており、適宜、通信可能である。ディスプレイ10は、液晶ディスプレイ等から構成され、後述する画面等をユーザに対し表示する。入力部20は、マウスおよびキーボート等から構成され、画像処理装置1に対するユーザからの操作を受け付ける。記憶部30は、ハードディスク等から構成される不揮発性の記憶領域である。制御部40は、CPU、ROMおよびRAM等から構成される。
【0024】
画像処理プログラム2は、記憶部30内に格納されている。記憶部30内には、ソフトウェア管理領域50が確保されている。ソフトウェア管理領域50は、画像処理プログラム2が使用する領域である。ソフトウェア管理領域50内には、オリジナル画像領域51および加工ファイル領域52が確保されている。各領域51,52の役割については、後述する。
【0025】
制御部40は、記憶部30内に格納されている画像処理プログラム2を読み出して実行することにより、仮想的に画像処理部41及び表示制御部45として動作する。特に、画像処理部41は、後述する位置調整処理が実行される場合には、自動調整部42、グループ調整部43及び個別調整部44として動作する。各部41〜45の動作については、後述する。
【0026】
<2.画像処理装置の構成および動作の詳細>
制御部40は、ユーザが入力部20を介して所定の操作を行ったことを検知すると、画像処理プログラム2を起動する。画像処理プログラム2が起動されると、基本画面W1(
図2参照)がディスプレイ10上に表示される。なお、ディスプレイ10上に表示される画面、ウィンドウ、ボタンその他の全ての要素の表示は、表示制御部45により制御される。
【0027】
<2−1.画像データの取込み>
基本画面W1は、オリジナル画像領域51への画像データの取込みの命令をユーザから受け付ける。オリジナル画像領域51へ取り込まれた画像データは、後述する再生処理及び画像処理の対象になる。制御部40は、静止画ファイル又は動画ファイルから、オリジナル画像領域51へ画像データを取り込む。なお、本明細書において、静止画ファイルとは、静止画形式のデータファイルであり、動画ファイルとは、動画形式のデータファイルである。
【0028】
静止画ファイルから画像データを取り込む場合、ユーザは、入力部20を操作することにより、1の静止画ファイルを指定するか、又は1のフォルダを指定する。前者の場合、制御部40は、その静止画ファイルの記憶部30内のアドレスパスおよびファイル名をユーザに入力させる。後者の場合、制御部40は、そのフォルダの記憶部30内のアドレスパスおよびフォルダ名をユーザに入力させる。その後、制御部40は、指定された静止画ファイル又は指定されたフォルダ内の全ての静止画ファイルを、オリジナル画像領域51に静止画ファイル群として保存する。なお、本明細書において、「群」という場合には、その要素数は複数とは限らず、1つであってもよい。
【0029】
一方、動画ファイルから画像データを取り込む場合、ユーザは、入力部20を操作することにより、1の動画ファイルの記憶部30内のアドレスパスおよびファイル名を入力する。表示制御部45は、ユーザが動画ファイルを指定したことを検知すると、基本画面W1上に動画取込みウィンドウ(図示されない)を重ねて表示させる。動画取込みウィンドウは、指定された動画ファイルのタイムラインの全区間うち、任意の区間の選択をユーザから受け付ける。制御部40は、ユーザが入力部20を介して特定の区間を選択したことを検知すると、指定された動画ファイルのその区間に含まれるフレーム群に1対1で対応する静止画ファイル群を生成する。その後、制御部40は、この静止画ファイル群をオリジナル画像領域51に保存する。従って、本実施形態では、後述する再生処理及び画像処理の対象となる画像データは、動画ファイルではなく、静止画ファイルである。
【0030】
なお、制御部40は、オリジナル画像領域51へ取り込まれた静止画ファイル群が動画ファイルに由来するものではなく、静止画ファイルに由来するものであっても、静止画ファイル群をタイムラインに沿って配列されているものと認識する。配列は、ファイルの属性(ファイル名、作成日時、更新日時等)から自動的に判断される。
【0031】
<2−2.静止画ファイル群の再生処理>
オリジナル画像領域51へ静止画ファイル群が取り込まれると、表示制御部45は、基本画面W1上に表示ウィンドウW2(
図3参照)を重ねて表示させる。表示ウィンドウW2は、オリジナル画像領域51へ取り込まれた静止画ファイル群のタイムラインの数だけ作成される。
【0032】
表示ウィンドウW2内には、まず、オリジナル画像領域51へ取り込まれた静止画ファイル群に含まれる1の静止画ファイル(例えば、タイムライン上で先頭のフレームの静止画ファイル)が表示される。その後、後述するとおり、表示ウィンドウW2内に表示されるフレームは、ユーザの操作を受けて切り替わる。
【0033】
表示制御部45は、表示ウィンドウW2内で、その表示ウィンドウW2に対応するタイムラインに属するフレーム群を、動画として再生可能である。ここで、
図3に示すとおり、基本画面W1上には、ウィンドウ選択プルダウンメニューT1、再生ボタンT2、コマ送りボタンT3、コマ戻しボタンT4およびタイムラインバーT5が配置されている。
【0034】
表示ウィンドウW2が複数存在する場合であっても、アクティブな表示ウィンドウW2は1つである。ウィンドウ選択プルダウンメニューT1は、どの表示ウィンドウW2をアクティブとするかの選択をユーザから受け付ける。以下、アクティブな表示ウィンドウW2に対応するタイムラインを、アクティブタイムラインと呼び、アクティブタイムラインに属するフレーム群を、アクティブフレーム群と呼ぶ。また、アクティブな表示ウィンドウW2内に現在表示されているフレームを、アクティブ表示フレームと呼ぶ。
【0035】
再生ボタンT2は、アクティブフレーム群の動画としての再生の命令をユーザから受け付ける。表示制御部45は、ユーザが入力部20を介して再生ボタンT2を押下したことを検知すると、アクティブな表示ウィンドウW2内に、アクティブフレーム群に含まれるフレームを、タイムラインに沿って順次コマ送りの形式で表示させる。なお、再生は、再生ボタンT2が押下された時点のアクティブ表示フレームから開始する。また、再生ボタンT2は、再生の停止の命令をユーザから受け付ける。表示制御部45は、再生中にユーザが入力部20を介して再生ボタンT2を押下したことを検知すると、アクティブな表示ウィンドウW2内の表示を、その時点のアクティブ表示フレームに固定する。
【0036】
コマ送りボタンT3、コマ戻しボタンT4はそれぞれ、アクティブ表示フレームを、アクティブタイムラインに沿って1つ後、1つ前のフレームへ切り替える命令をユーザから受け付ける。
【0037】
タイムラインバーT5は、アクティブタイムラインを図式的に示すオブジェクトである。タイムラインバーT5は、そのバーが延びる方向に、アクティブフレーム群のフレーム数で等分に分割されている。タイムラインバーT5上の左からn番目の分割領域は、アクティブタイムライン上でn番目のフレームに対応する(nは、自然数)。
【0038】
図3に示すように、タイムラインバーT5は、選択フレーム群に対応する分割領域A1と、非選択フレーム群に対応する分割領域A2とを異なる態様で表示する。選択フレーム群とは、アクティブタイムライン上で現在選択されている区間に対応するフレーム群である。非選択フレーム群とは、アクティブタイムライン上で現在選択されていない区間に対応するフレーム群である。
【0039】
タイムラインバーT5は、アクティブタイムライン上の任意の区間の選択をユーザから受け付ける。言い換えると、ユーザは、入力部20を介してタイムラインバーT5上の分割領域を操作することにより、アクティブフレーム群の中から、任意のフレームを任意の数だけ選択することができる。画像処理部41は、選択フレーム群を後述される画像処理の対象として認識する。なお、ユーザによりタイムラインバーT5上の分割領域が選択される度に、アクティブ表示フレームは、最新に選択された分割領域に対応するフレームに切り替わる。
【0040】
<2−3.画像処理>
以下、選択フレーム群に対する画像処理について説明する。画像処理部41は、ノイズ除去、シャープネス、明るさ/コントラスト/彩度調整、画像解像度、回転、文字/矢印/モザイクの付加、画像平均、位置調整処理などの複数の画像処理モジュールを実行可能である。画像処理モジュールは、画像処理プログラム2に組み込まれている。
【0041】
ユーザは、入力部20を介して基本画面W1を操作することにより、画像処理モジュールの中から任意のものを、任意の順番に、任意の回数だけ選択することが可能である。画像処理部41は、ユーザが画像処理モジュールを選択したことを検知する度に、選択フレーム群に対しその画像処理モジュールを実行する。
【0042】
フレームに対し画像処理モジュールが1回、2回、3回,・・・と、順次実行されてゆくにつれて、そのフレームは、第1次、第2次、第3次,・・・と、順次加工されてゆく。第0次フレームは、オリジナル画像領域51に保存されている静止画ファイルに対応する。第(m+1)次フレームは、第m次フレームに対応する静止画ファイルに対し画像処理モジュールを1回実行した後の静止画ファイルに対応する(mは、0以上の整数)。画像処理部41は、第1次以降のフレームに対応する静止画ファイルを順次生成し、これらの静止画ファイルを加工ファイル領域52内にそれぞれ別個に保存する。
【0043】
図4は、1のタイムラインに属する静止画群が画像処理プログラム2によりどのように管理されるかを示す概念図である。
図4において、横軸のN軸は、タイムライン上のフレームの順番を示しており、縦軸のM軸は、加工の順番を示している。
図4のN−M空間内の座標(n,m)に対応する四角形は、静止画I(n,m)を表している。静止画I(n,m)は、タイムライン上でn番目のフレームの第m次の静止画である(nは、自然数であり、mは、0以上の整数である)。
【0044】
制御部40は、各フレームについて、現在選択されている座標mの値をパラメータm
sとして管理する。オリジナル画像領域51へ静止画ファイル群が取り込まれた直後、座標m
sは、初期値0である。その後、画像処理モジュールが1回実行される度に、そのフレームの座標m
sは1ずつインクリメントされる。また、ユーザは、入力部20を介して所定の操作を行うことにより、選択フレーム群の座標m
sを自在に変更することができる。なお、フレームに対し画像処理モジュールを実行するとは、そのフレームの第m
s次の静止画に対し画像処理モジュールを実行することである。従って、座標m
sを変更することには、画像処理モジュールの実行の対象を変更するという意味がある。また、フレームを表示するとは、そのフレームの座標m
sの静止画を表示することである。従って、座標m
sを変更することには、アクティブな表示ウィンドウW2内に表示される対象を変更するという意味もある。
【0045】
<2−3−1.位置調整処理>
以下、画像処理プログラム2に実装されている画像処理の1つである、位置調整処理について説明する。位置調整処理とは、動画に捉えられた対象物の像が重なり合うように、その動画に含まれる複数のフレーム間の位置調整を行う処理である。本処理は、ユーザにより自動調整、グループ調整及び個別調整の3つのフェーズが適宜組み合わせられることにより実現される。
【0046】
自動調整は、ユーザから具体的な位置調整量の指定を受けることなく、自動調整部42が所定のアルゴリズムに従って、選択フレーム群の全部又は一部に相当する複数のフレームを自動的に互いに位置調整するフェーズである。なお、「位置調整量」とは、狭義には、フレームの移動量を表すパラメータであるが、この語には、広義には、フレームの変形量を表すパラメータも含まれる。本実施形態における位置調整量には、フレームの移動量を表す、X軸及びY軸方向の平行移動量(ピクセル単位)及びZ軸回りの回転量(°)の他、フレームの変形量を表す、X軸及びY軸方向の拡大及び縮小量(%)も含まれる。ここで、X軸及びY軸は、それぞれフレームの画面内の横軸及び縦軸であり、Z軸は、X軸及びY軸の交点を通り、フレームの画面に直交する方向である。ここでの位置調整は、複数のフレーム間で、対象物の像が重なり合うように行われる。また、この自動調整により、互いに位置調整された複数のフレームを含むフレームグループが作成される。
【0047】
グループ調整は、グループ調整部43により実現され、ユーザから具体的な位置調整量の指定を受けて、自動調整の結果作成されたフレームグループに含まれる複数のフレームをフレームグループ単位で位置調整するフェーズである。ここで、自動調整によりフレームグループが作成された時点で、そのフレームグループに属する全てのフレームは、互いに位置調整されている。従って、その後のグループ調整時には、既に位置調整されているこれらのフレーム間の相対位置が維持されるように、これらのフレームが全て均一に位置調整される。
【0048】
個別調整は、個別調整部44により実現され、ユーザから具体的な位置調整量の指定を受けて、選択フレーム群に含まれる任意のフレームを個別に位置調整するフェーズである。この個別調整により、ユーザは、自動調整の結果がおかしいと感じた場合や、いずれのフレームグループにも分類されておらず位置調整がされていないフレームが存在する場合等に、問題のフレームをフレーム単位で位置調整することができる。よって、個別調整は、自動調整後の微調整や、自動調整に漏れたフレームの位置調整等に利用される。
【0049】
すなわち、グループ調整及び個別調整は、それぞれグループ単位及びフレーム単位で、自動調整で互いに位置調整されなかったフレームどうしを、手動で強制的に位置調整するための処理である。
【0050】
画像処理部41は、ユーザが入力部20を介して所定の操作を行ったことを検知すると、位置調整処理を開始させる。位置調整処理が開始されると、表示制御部45は、まず、基本画面W1上に位置調整ウィンドウW3(
図5参照)を重ねて表示させる。なお、位置調整処理の対象となるのは、上記のとおり、この処理の開始が命令された時点の選択フレーム群であるが、この処理の実行には、複数のフレームが必要となる。従って、選択フレーム群としてフレームが1枚しか選択されていない状態では、位置調整処理の開始のための操作ボタン等が無効化されており、この処理を開始させることができないものとする。あるいは、選択フレーム群としてフレームが1枚しか選択されていない状態では、アクティブタイムライン上に複数枚のフレームが存在していることを条件として、アクティブタイムライン上の全てのフレームを、位置調整処理の対象とすることもできる。
【0051】
図5に示すとおり、位置調整ウィンドウW3内には、常時、切り替え選択が可能な3つのタブC1〜C3が配置されている。表示制御部45は、ユーザがこれらのタブC1〜C3を選択したことを検知すると、位置調整ウィンドウW3内にそれぞれタブ画面D1〜D3(
図5、
図11及び
図14等参照)を表示させる。タブ画面D1〜D3は、それぞれ自動調整(タブC1には、「一括調整」と表記されている)、グループ調整及び個別調整用の画面である。以下、自動調整、グループ調整及び個別調整の詳細について説明する。
【0052】
<2−3−1−1.自動調整>
自動調整用のタブ画面D1内には、表E1、一括調整ボタンE2及びクリアボタンE3が配置されている。表E1に含まれる行は、位置調整処理の対象となる選択フレーム群に含まれるフレームに1対1で対応している。表E1は、「対象フレーム」欄及び「基準グループ」欄を有する一覧表であり、「対象フレーム」欄には、対応するフレームのフレームID(名称)が表示され、「基準グループ」欄には、対応するフレームの属するフレームグループのグループID(名称)が表示される。従って、「基準グループ」欄は、対応するフレームがいずれのフレームグループにも分類されていない状態では、空欄となる。なお、ソフトウェア管理領域50内には、この表E1と同様のデータを格納するグループデータベース53が定義されており、このグループDB53を参照することにより、表E1が形成される。
【0053】
ユーザが、表E1に含まれる任意の1の行をクリック等の操作により選択した状態で、一括調整ボタンE2を押すと、その旨が自動調整部42により検知され、
図6に示す自動調整が開始する。自動調整部42は、まず、一括調整ボタンE2が押された時点で表E1内で選択されていた行に対応するフレーム(以下、自動調整の説明において、選択フレーム)を特定する(ステップS1)。続いて、表示制御部45は、位置調整ウィンドウW3とともに、ステップS1で特定された選択フレームを表示する画面D4(
図7参照)を基本画面W1上に重ねて表示する(ステップS2)。この画面D4は、選択フレーム内で、位置調整を行う基準となる対象物の存在するエリアの指定をユーザから受け付ける画面である。
【0054】
ユーザが、この画面D4上で、マウス等の操作により選択フレーム内の任意のエリアを指定(再指定を含む)すると、その旨が自動調整部42により検知され、処理はステップS5に進む(ステップS3でNOの後、ステップS4でYES)。なお、
図7に示すように、画面D4上の選択フレーム内では、ユーザにより指定されたエリアを示す囲み線E6が表示される。
【0055】
ステップS5では、自動調整部42は、ユーザにより選択フレーム内で最新に指定されたエリア内の特徴点を抽出する。特徴点の種類としては、エッジやエッジどうしの交点(コーナー)等、様々なものが公知であり、また、それらの検出のアルゴリズムとしても、様々なものが公知であるため、ここでは、詳細な説明を省略する。なお、
図8に示すように、ステップS5で検出された特徴点は、ユーザが、画面D4上で「特徴点表示」エリアE7にチェックを入れている場合には、ステップS5の実行後、画面D4上の囲み線E6内に強調表示される。これにより、ユーザは、注目している対象物が画像処理装置1により正しく認識されているか否かを確認することができる。
【0056】
ステップS5で特徴点が検出された状態で、ユーザにより画面D4上のOKボタンE4が押されると、その旨が自動調整部42により検知され、処理はステップS7に進む(ステップS6でYES)。また、このとき、
図6には示されていないが、画面D4が閉じられる。なお、画面D4上のOKボタンE4は、特徴点が検出されていない状態では無効化されており、押すことができないものとする。
【0057】
ステップS7では、自動調整部42は、選択フレーム群に含まれるフレームの中から、ステップS5で検出された特徴点と同一又は類似の特徴点を有する1又は複数のフレーム(以下、類似フレーム)を検出する。なお、特徴点が同一又は類似であることには、複数の特徴点の配置パターンが同一又は類似であることが含まれるものとする。また、選択フレーム群のうち、このような類似フレームを検出するためのスキャンの対象となるフレームは、当業者により適宜選択され得る。例えば、選択フレーム群に含まれる全てのフレームのうち、いずれのフレームグループにも分類されていないフレームのみをスキャンしてもよいし、選択フレーム群に含まれる全てのフレームを総当たりでスキャンしてもよいし、或いは別のルールに従って選択されるフレーム群をスキャンしてもよい。また、選択フレーム群に含まれるフレームのうち、類似フレームが存在すると考えられる場所は、ある程度予想することができる。従って、類似フレームの存在する可能性が高い場所のフレーム群のみを、ここでのスキャンの対象としてもよい。例えば、類似フレームは、一般的に、選択フレームの近傍ほど検出され易く、遠くなるほど検出されにくくなる。従って、選択フレーム群に含まれるフレームを選択フレームからタイムラインに沿って前後にスキャンしてゆく過程で、同じ方向に所定の枚数以上連続して類似フレームが出現しなかった場合には、その時点でスキャンを打ち切るようにしてもよい。
【0058】
ステップS7に続くステップS8では、自動調整部42は、選択フレーム及びステップS7で検出された全ての類似フレームを要素とし、選択フレームを代表フレームとするフレームグループを作成する。具体的には、自動調整部42は、選択フレーム及び全ての類似フレームのフレームID(名称)をフレームグループのフレームID(名称)に関連付ける情報をグループDB53に格納する。なお、ここでは、フレームグループのグループIDとして、代表フレームのフレームIDが用いられる。従って、この後、グループDB53に格納されているこの情報を参照すれば、代表フレーム及び全ての類似フレームが、代表フレームのフレームIDで特定されるフレームグループに属していることが分かる。よって、この情報を格納する処理は、選択フレームと全ての類似フレームとを、同じフレームグループに属するものとして関連付ける処理であると言える。
【0059】
ここで、選択フレーム及びステップS7で検出された全ての類似フレームは、同一又は類似の特徴点を有するフレーム群であるから、これらの特徴点が重なり合うように位置調整をすることが可能である。ステップS8では、自動調整部42は、ステップS7で検出された各類似フレームについて、これらの特徴点が最もうまく重なり合うように、類似フレームを選択フレームに対して位置調整する位置調整量を算出する。具体的な方法としては、例えば、各特徴点について、類似フレーム及び選択フレーム上の当該特徴点間の距離を算出し、全ての特徴点についてのこの距離の総和が最小になるような類似フレームの位置を導出するという方法が考えられる。ここで、ソフトウェア管理領域50内には、選択フレーム群に含まれる各フレームに対し、そのフレームの位置調整量を格納する位置データベース54が定義されている。自動調整部42は、ここで算出した類似フレームの位置調整量を位置DB54内に格納する。
【0060】
S7,S8の実行中は、ステップS7の開始前に閉じられた画面D4の代わりに、ステップS7、S8の進捗状況を表示するダイアログボックスが表示される。そして、S8が終了すると、
図6に示す自動調整が終了する。なお、
図6から分かることであるが、画面D4上でキャンセルボタンE5が押された場合にも、画面D4が閉じられ、
図6の自動調整が終了する。この場合には、フレームグループの作成は、行われない。また、
図6には示されていないが、ステップS7で類似フレームが1枚も検出されなかった場合には、その旨を示すメッセージ画面が表示され、ステップS8がスキップされるとともに、画面D4が閉じられ、
図6の自動調整が終了する。
【0061】
フレームグループの作成に成功し、
図6の処理が終了すると、この処理の結果が、自動調整用のタブ画面D1に反映される(
図9参照)。
図9の例でいうと、「基準グループ」欄に「00:00:00.40」が表示されている6枚のフレームが、「00:00:00.40」をフレームID(名称)とするフレームグループに分類されていることが分かる。
図10は、「00:00:00.40」及び「00:00:02.00」のフレームグループが作成された後のタブ画面D1を示している。なお、上述したことから分かることであるが、本実施形態では、原則として、異なるフレームグループ間で要素となるフレームは重複しないが、代表フレームのみ重複する場合がある。
【0062】
また、位置調整ウィンドウW3上のクリアボタンE3は、上述の処理による位置調整の効果をキャンセルするためのボタンである。具体的には、自動調整部42は、ユーザによりクリアボタンE3が押下された時点の選択フレームについて、位置調整量をデフォルト値(位置調整が全くされていない状態の値)に戻し、フレームグループに未分類となるように、グループDB53及び位置DB54内の値を更新する。また、自動調整部42は、代表フレームが選択された状態でクリアボタンE3が押下された場合には、その代表フレームに対応するフレームグループに属する全てのフレームを、同様に処理する。
【0063】
<2−3−1−2.グループ調整>
続いて、グループ調整について説明する。グループ調整は、上述のとおり、同じフレームグループに含まれる全てのフレーム間の相対位置が維持されるように、これらのフレームをフレームグループ単位で均一に位置調整する処理である。グループ調整は、位置調整ウィンドウW3上に表示されるタブ画面D2を介して実行される(
図11参照)。
【0064】
図11に示すとおり、タブ画面D2内には、グループDB53内に登録されているフレームグループの一覧を示すリストF1が配置されている。ここでは、「00:00:00.40」「00:00:02.00」及び「00:00:03.60」の3つのフレームグループが作成されている場合が示されている。グループ調整部43は、リストF1を介して、グループDB53内に登録されているフレームグループの中から、フレームグループ単位での位置調整を実行する対象となる任意のフレームグループの指定をユーザから受け付ける。タブ画面D2内には、基準グループエリアF2及びグループ調整量エリアF3も配置されている。
【0065】
グループ調整部43は、グループ調整量エリアF3を介して、リストF1内で現在選択されているフレームグループ(以下、選択グループ)の位置調整量(以下、グループ調整量)の指定をユーザから受け付ける。具体的には、グループ調整量エリアF3には、選択グループの代表フレームの位置調整量が表示されており、ユーザは、入力部20を介して所定の操作を行うことにより、この値を適宜変更することができる。グループ調整部43は、ユーザがグループ調整量エリアF3を介して選択グループの代表フレームの位置調整量を変更したことを検知すると、その変更の内容を位置DB54内の位置調整量の値に反映する。より具体的は、グループ調整部43は、ユーザにより指定された選択グループの代表フレームの位置調整量の変更量を検知し、位置DB54内において、選択グループに属する全てのフレームの位置調整量をその変更量だけ一律に変更する。例えば、
図12の上側に示されている状態は、X軸及びY軸方向の平行移動量、Z軸回りの回転量、X軸及びY軸方向の拡大及び縮小量についての選択グループの代表フレームの変更量がそれぞれ、0.100, 0.020, 1.100, 1.030, -0.020であったとすると、
図12の下側に示されている状態になる。ただし、「00:00:00.40」が代表フレーム、「00:00:00.53」「00:00:00.66」「00:00:00.80」は、「00:00:00.40」と同じフレームグループに属するフレームであるものとする。その結果、グループ調整では、選択グループに含まれる全てのフレーム間の相対位置が維持される。
【0066】
なお、本実施形態では、位置DB54内に格納されている各フレームの位置調整量とは、そのフレームが全く位置調整されていない状態からの、そのフレームの位置調整量である。この意味で、本実施形態における位置DB54内の各フレームの位置調整量とは、絶対的な位置調整量であり、そのフレームが属するフレームグループの代表フレーム等、他のフレームに対する相対的な位置調整量ではない。しかしながら、他の実施形態では、代表フレーム等、基準となるフレームを特定する情報とともに、その基準となるフレームに対する相対的な位置調整量を格納しておき、適宜、基準となるフレームの位置調整量から絶対的な位置調整量を算出するようにしてもよい。この場合、基準となるフレームがさらに基準となるフレームに関連付けられている場合には、これらの親子関係にあるフレーム間の相対的な位置調整量を順次加算することにより、絶対的な位置調整量を算出することができる。
【0067】
また、グループ調整部43は、基準グループエリアF2を介して、グループDB53内に登録されているフレームグループの中から、選択グループに対する任意のフレームグループの指定をユーザから受け付ける。ここで指定されたフレームグループは、選択グループの基準となるフレームグループ(以下、基準グループ)となる。詳細は後述されるが、選択グループに対する基準グループの設定は、あるフレームグループ(選択グループ)を別のフレームグループ(基準グループ)に対し位置調整するのに役立つ。なお、基準グループとして、選択グループ自体を選択することも可能である。また、各フレームグループの基準グループのデフォルト値は、そのフレームグループ自体である。なお、
図13に示すように、選択グループに対し基準グループが選択されると、リストF1内において、基準グループのグループIDが選択グループのグループIDに関連付けて右側に表示される。また、ここで設定される基準グループの情報は、グループDB53内で管理される。具体的には、選択グループの代表フレームに対応する行の「基準グループ」欄に、基準グループの代表フレームのフレームIDが格納される。ここで、グループDB53内の情報は、上述の表E1の表示に連動している。従って、上記では、表E1の「基準グループ」欄には、対応するフレームの所属先となるフレームグループのグループID(すなわち、代表フレームのフレームID)が表示されると説明したが、代表フレームに基準グループが選択されている場合には、その代表フレームに対応する行の「基準グループ」欄には、その代表フレームのフレームIDではなく、基準グループの代表フレームのフレームIDが格納される。
【0068】
図13に示すとおり、位置調整ウィンドウW3上には、タブ画面D2とともに、プレビュー選択エリアC4及び合成指定エリアC5が配置されている。ここで、タブ画面D2が表示されている間、タブ画面D2と同時に表示されているアクティブな表示ウィンドウW2内には、選択グループの代表フレームが表示される。プレビュー選択エリアC4は、アクティブな表示ウィンドウW2内に表示される選択グループの代表フレームを、位置調整を全く行っていない状態の画像とするか、現在までに行われた位置調整後の画像とするかの選択をユーザから受け付ける。ここで、現在までに行われた位置調整の量は、位置DB54内に格納されている絶対的な位置調整量により表される。そして、表示制御部45は、ユーザがプレビュー選択エリアC4にチェックを入れている状態では、アクティブな表示ウィンドウW2内に、現在までに行われた位置調整後の選択グループの代表フレーム(以下、調整後代表フレーム)をプレビューさせる。ユーザは、アクティブな表示ウィンドウW2内に表示される調整後代表フレームを参照することにより、適切なグループ調整量を容易に判断することができるようになる。
【0069】
合成指定エリアC5は、プレビュー選択エリアC4にチェックが入っている間のみ有効化されるエリアである。このエリアC5は、アクティブな表示ウィンドウW2内にプレビューされる調整後代表フレームを、他の画像との合成画像とするか否か、さらに合成画像とする場合には、どのような画像との合成画像とするかの選択をユーザから受け付ける。ここで、表示制御部45は、合成指定エリアC5内で「なし」が選択されている状態では、アクティブな表示ウィンドウW2内に調整後代表フレームをそのまま表示する。一方、「基準」が選択されている状態では、調整後代表フレームと、現在までに行われた位置調整後の選択グループの基準グループの代表フレーム(比較フレーム)との合成画像を表示する。なお、選択グループに対し基準グループが設定されていない状態では、合成指定エリアC5内の「基準」の文字の横に「(無効)」の文字が表示され(
図11等参照)、アクティブな表示ウィンドウW2内には、調整後代表フレームがそのまま表示される。また、合成指定エリアC5内で「直前」が選択されている状態では、調整後代表フレームと、アクティブタイムライン上で選択グループの代表フレームの直前の所定の個数のフレームであって、現在までに行われた位置調整後のもの(比較フレーム)との合成画像を表示する。また、合成指定エリアC5内で「周辺」が選択されている状態では、調整後代表フレームと、アクティブタイムライン上で選択グループの代表フレームの前後の所定の個数のフレームであって、現在までに行われた位置調整後のもの(比較フレーム)との合成画像を表示する。
【0070】
ここで、本実施形態における合成画像とは、平均画像又は差分画像である。平均画像は、調整後代表フレームを半透明にして、比較フレームに重ね合わせたような画像である。一方、差分画像は、代表フレームと比較フレームとの違いのみを表示するような画像である。従って、このような合成画像を見たユーザは、両画像の位置のずれを直感的に理解することができる。合成指定エリアC5は、平均画像又は差分画像のいずれをプレビューするかの選択をユーザから受け付ける。表示制御部45は、合成指定エリアC5内で「差分」にチェックが入っている状態では、比較フレームと調整後代表フレームとの差分画像を表示し、チェックが入っていない状態では、平均画像を表示する。
【0071】
以上のグループ調整の機能によれば、ユーザは、複数のフレームグループ間の位置調整を容易に行うことができる。すなわち、まず、ユーザは、リストF1内に表示されている複数のフレームグループ間の親子関係を設定する。ここでいう親子関係とは、フレームグループ間での基準グループの設定関係であり、あるフレームグループを子グループとした場合に、その子グループに対する基準グループが親グループとなる。もちろん、ユーザは、ここでいう親子関係として、孫グループや曾孫グループや兄弟グループを設定してもよい。そして、ユーザは、エリアC4,C5内で「プレビュー」及び「基準」を選択することにより、調整後代表フレームと、現在までに行われた位置調整後の基準グループの代表フレームとの合成画像を、アクティブな表示ウィンドウW2内にプレビューさせる。平均画像が表示されている状態であれば、平均画像上で注目している対象物の像どうし(調整後代表フレーム及び比較フレームに由来する像どうし)がうまく重なり合うようなグループ調整量を判断し、これをグループ調整量エリアF3に入力する。一方、差分画像が表示されている状態であれば、差分画像上で注目している対象物が消えるようなグループ調整量を判断し、これをグループ調整量エリアF3に入力する。なお、ユーザがグループ調整量の変更を指定する度に、位置DB54内の位置調整量はリアルタイムに更新され、同時に、アクティブな表示ウィンドウW2内にプレビューされる合成画像も、最新の位置調整量に基づくものにリアルタイムに更新される。従って、ユーザは、様々なグループ調整量を試しながら、その効果を目で確認しつつ、最終的に平均画像上で注目している対象物が最もうまく重なり合う、又は差分画像上で注目している対象物が最も消えるような最適なグループ調整量に達することができる。
【0072】
なお、自動調整によりフレームグループが作成された時点で、そのフレームグループに属する全てのフレーム間の相対位置は判明している。従って、その後、異なるフレームグループから少なくとも1枚ずつ選択されるフレームどうしの相対位置が判明すれば、これらのフレームグループに属する全てのフレーム間の相対位置も判明することになる。従って、グループ調整において、ユーザが手動で、選択グループの代表フレームを基準グループの代表フレームに対し位置調整することにより、両グループに属する全てのフレームが互いに位置調整されることになる。
【0073】
また、本実施形態では、複数のフレームグループ間で親子関係が設定されている場合において、先祖側のフレームグループがグループ調整により位置調整されると、これに併せて、その子孫となる全てのフレームグループも位置調整される。すなわち、グループ調整部43は、グループ調整量エリアF3内で選択グループに対するグループ調整量が変更される度にその変更量を検知し、位置DB54内において、選択グループに属する全てのフレームの位置調整量だけでなく、選択グループの子孫グループに属する全てのフレームの位置調整量を、その変更量だけ一律に変更する。その結果、グループ調整では、選択グループ及びその子孫グループに含まれる全てのフレーム間の相対位置が維持される。
【0074】
<2−3−1−3.個別調整>
次に、個別調整について説明する。個別調整は、上述のとおり、選択フレーム群に含まれる任意のフレームをフレーム単位で個別に位置調整する処理である。すなわち、グループ調整のように、特定のフレームの位置調整が他のフレームの位置調整に連動しない。個別調整は、位置調整ウィンドウW3上に表示されるタブ画面D3を介して実行される(
図14参照)。
【0075】
図14に示すとおり、タブ画面D3内には、タブ画面D1内と同様に、表E1が表示される。個別調整部44は、表E1を介して、選択フレーム群の中から、フレーム単位での位置調整を実行する対象となる任意のフレームの指定をユーザから受け付ける。また、タブ画面D3内には、グループエリアG2及び個別調整量エリアG3も配置されている。
【0076】
個別調整部44は、個別調整量エリアG3を介して、表E1内でユーザにより現在選択されているフレーム(以下、個別調整の説明において、選択フレーム)の位置調整量(以下、個別調整量)の指定をユーザから受け付ける。具体的には、個別調整量エリアG3には、選択フレームの位置調整量が表示されており、ユーザは、入力部20を介して所定の操作を行うことにより、この値を適宜変更することができる。個別調整部44は、ユーザが個別調整量エリアG3を介して選択フレームの位置調整量を変更したことを検知すると、その変更の内容を位置DB54内の位置調整量の値に反映する。より具体的は、個別調整部44は、ユーザにより指定された選択フレームの位置調整量の変更量を検知し、位置DB54内において、選択フレームの位置調整量をその変更量だけ個別に変更する。その結果、個別調整では、選択フレームがフレームグループに分類されていた場合には、選択フレームとそのフレームグループに含まれる他のフレームとの相対位置が変更される。
【0077】
また、個別調整部44は、グループエリアG2を介して、選択フレームに対し、グループDB53内に登録されているフレームグループの中から、任意のフレームグループの指定をユーザから受け付ける。個別調整部44は、選択フレームをここで指定されたフレームグループに分類する。従って、自動調整によりいずれのフレームグループにも分類されなかったフレームを、強制的にいずれかのフレームグループに分類することができる。また、自動調整により既にフレームグループに分類されているフレームに対しても、所属先のフレームグループを再設定することが可能である。また、詳細は後述されるが、グループエリアG2を介してのフレームグループの指定(再設定を含む。以下同じ。)は、あるフレーム(選択フレーム)を別のフレーム(基準グループの代表フレーム)に対し位置調整するのに役立つ。
【0078】
また、ここで指定されるフレームグループの情報は、グループDB53内で管理される。具体的には、選択フレームに対応する行の「基準グループ」欄に、ここで指定されたフレームグループのグループID(すなわち、代表フレームのフレームID)が格納される。言い換えると、個別調整部44は、選択フレームのフレームIDをここで指定されたフレームグループのグループIDに関連付ける情報を、グループDB53に格納する。そして、ユーザがグループエリアG2を介してフレームグループを指定する度に、グループDB53内で管理されているフレームグループの情報はリアルタイムに更新され、同時に、表E1において、選択フレームのフレームIDの右側に表示される「基準グループ」欄のグループIDも更新される。
【0079】
タブ画面D3が表示されている間、タブ画面D3と同時に表示されるアクティブな表示ウィンドウW2内には、選択フレームが表示される。また、
図14に示すとおり、位置調整ウィンドウW3上には、タブ画面D3とともに、既に説明されたものと同様のプレビュー選択エリアC4及び合成指定エリアC5が配置されている。従って、個別調整時においても、アクティブな表示ウィンドウW2内において、各種態様での選択フレームのプレビューが可能である。個別調整時における選択フレームの表示の態様は、選択グループの代表フレームが選択フレームに置き換わるだけで、グループ調整時と同様であるため、ここでは、詳しい説明を省略する。ただし、合成画像を生成するための基準グループの代表フレームは、表E1の選択フレームに対応する行の「基準グループ」欄に表示されているフレーム(以下、親フレーム)となる。
【0080】
従って、以上の個別調整の機能によれば、ユーザは、選択フレーム群に含まれる任意のフレームを、いずれかのフレームグループの代表フレームや、同じタイムライン上の直前又は周辺のフレームに対し容易に位置調整することができる。すなわち、まず、ユーザは、エリアC4,C5内で適当な選択肢を選択することにより、アクティブな表示ウィンドウW2内で各種合成画像をプレビューさせる。そして、このプレビュー画面を見ながら、位置調整がうまくされていないフレームを見つけ出して選択フレームとして選択し、さらに、この選択フレームをどのフレーム(いずれかの代表フレーム、同じタイムライン上の直前又は周辺のフレーム)に対して位置調整するかを決定する。このとき、いずれかの代表フレームを基準に位置調整すると決めた場合には、必要に応じて、グループエリアG2を介してその代表フレームを選択フレームに関連付ける。その上で、ユーザは、アクティブな表示ウィンドウW2内の各種合成画像を見ながら、適切な個別調整量を判断し、これを個別調整量エリアG3に入力する。なお、ユーザが個別調整量の変更を指定する度に、位置DB54内の選択フレームの位置調整量はリアルタイムに更新され、同時に、アクティブな表示ウィンドウW2内のプレビュー画面も、最新の位置調整量に基づくものにリアルタイムに更新される。従って、ユーザは、様々な個別調整量を試しながら、その効果を目で確認しつつ、最終的に平均画像上で注目している対象物が最もうまく重なり合う、又は差分画像上で注目している対象物が最も消えるような最適な個別調整量に達することができる。
【0081】
ここで、位置調整処理の実行中も、基本画面W1上の再生ボタンT2、コマ送りボタンT3、コマ戻しボタンT4およびタイムラインバーT5は、ユーザからの操作を受け付けている。そして、表示制御部45は、プレビュー選択エリアC4にチェックが入っている状態では、ユーザからこれらのオブジェクトT2〜T5の適当な操作を受けて、選択フレーム群に含まれる任意のフレームであって、現在までに行われた位置調整後のものをアクティブな表示ウィンドウW2上にプレビューさせることができる。このとき、表示制御部45は、アクティブタイムラインの任意の区間に属するフレームを、現在までに行われた位置調整後の動画として再生することも可能である。この機能は、位置調整がうまくされていないフレームを容易に見つけ出すのに役立つ。また、この機能を利用すれば、選択フレーム群の位置調整が完了し、位置調整処理を終了するタイミングを図ることもできる。
【0082】
位置調整処理は、画像処理部41が位置調整ウィンドウW3上のOKボタンC
7が押下されたことを検知したときに終了する。このとき、画像処理部41は、選択フレーム群に含まれる各フレームについて、現在までに行われた位置調整後の画像を、そのフレームの次の座標mの画像として、加工ファイル領域52内に保存する。一方、画像処理部41は、位置調整ウィンドウW3上のキャンセルボタンC6が押下されたことを検知すると、選択フレーム群に含まれる各フレームについて、現在までに行われた位置調整後の画像を破棄し、そのフレームの座標mを変更することなく、位置調整処理を終了させる。
【0083】
なお、位置調整処理の終了後においては、グループDB53及び位置DB54内の情報は、ソフトウェア管理領域50内に残されてもよいし、削除されてもよい。
【0084】
<3.用途>
位置調整処理の終了後、ユーザから基本画面W1上のオブジェクトT2〜T5の適当な操作を受けて、表示制御部45は、本処理による位置調整後のフレーム群を、アクティブな表示ウィンドウW2内に静止画又は動画として再生することができる。ここで、位置調整処理時に、位置調整の基準となる動画内の対象物として、建物等の静止物が選択されていた場合には、最終的に得られる位置調整後の動画においては、カメラのブレ(いわゆる手ブレ)が補正されることになる。一方、このような対象物として、画面内を移動している人や車等の移動体が選択されていた場合には、そのような移動体が静止し、現実には静止している静止物が移動しているように見える動画が得られることになる。そして、後者の場合、画面内を動き回っている人が撮影されていたとすると、位置調整後の動画としては、同人が同じ場所で足踏みしているような動画が得られる。
【0085】
画像処理プログラム2は、多種多様な動画に対する画像処理を取り扱うことができ、例えば、警察等の機関が事件の捜査のために防犯カメラの監視映像を解析する場面でも利用され得る。例えば、防犯カメラの監視映像の中に、容疑者が捕えられている場合がある。このような場合に、容疑者を対象物として上述した位置調整処理を実行すれば、その結果得られる動画において、ユーザは、容疑者を画面内であちこち目で追う必要がなくなり、容疑者の行動を観察し易くなる。また、場合によっては、残像効果により、画面内で容疑者が動き回っていたのでは気づくことのなかった行動を把握することができる。
【0086】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
【0087】
<4−1>
位置調整量のパラメータの種類は、当業者が適宜選択することができるが、例えば、上述の平行移動、回転、拡大及び縮小に代えて又は加えて、歪曲により位置調整を行うこともできる。
【0088】
<4−2>
グループ調整時及び個別調整時の合成画像を作成するための比較フレームは、上述したものに限られず、例えば、選択フレーム群の中からユーザが手動で自由に選択できるようにしてもよい。
【0089】
<4−3>
上記実施形態では、先祖側のフレームグループの位置調整が子孫側のフレームグループの位置調整に連動するようになっている。しかしながら、このような連動設定は、複数のフレームグループ間だけに限らず、フレームとフレームグループ間や、複数のフレーム間でも親子関係の設定を受け付けるようにしておき、これらの間で位置調整を連動させるようにしてもよい。
【0090】
<4−4>
上記実施形態では、自動調整時に、選択フレーム内で位置調整の基準となる対象物の存在するエリアがユーザにより手動で指定されるようになっている。しかしながら、ユーザによるエリアの指定を受けることなく、選択フレーム内で位置調整の基準となる対象物が自動的に算出されるようにしてもよい。このような算出方法の例としては、選択フレーム内の移動体又はその背景を自動で検出し、これを位置調整の基準とする方法が考えられる。なお、選択フレーム内の移動体又はその背景を自動で検出する方法としては、タイムライン上で選択フレームの前後のフレーム群の平均画像(すなわち、背景の画像)を作成し、これを選択フレームと比較する方法が考えられる。