(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通風ネットで覆われた収容室内に、ブロアダクトで刈取芝草を吹込搬送して収容させるコレクタにあっては、このブロアダクトの吹込口と対向側のコレクタ後側周面側のネット内周面に芝草が堆積されて、この部分のネット面からの排出が行われ難くなり、ブロアダクトによる芝草の吹込搬送能力を低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、車体(1)前部に装着のモアデッキ(2)部で刈取られる芝草をブロア(3)
によりダクト(4)を経て車体(1)後部に装着のコレクタ(5)に搬入して収容させるトラクタモアにおいて、前記コレクタ(5)の芝草収容室(6)の前側面から上側面、及び後側面に亘って通風ネット(7)を張設すると共に、この通風ネット(7)の前側部
にはフロントネット(8)、
通風ネット(7)の上側部にはアッパネット(9)、通風ネット(7)の後側部にはリヤネット(10)をそれぞれ形成し、
フロントネット(8)の前側にはフロント排風室(11)を形成し、アッパネット(9)の上側にはアッパ排風室(12)を形成し、リヤネット(10)の後側にはリヤ排風室(12)を形成し、
前記ダクト(4)の吹込口(14)をフロントネット(8)上部の収容室(6)において後方に向けて連通し、前記フロントネット(8)を
経てフロント排風室(11)へ抜けた排風をアッパ排風室(12)から後方へ排風案内するように設け
、
前記収容室(6)のフロントネット(8)部を経てフロント排風室(11)ヘ抜けた排風を、アッパ排風室から後方のリヤ排風口(15)へ排風案内し、リヤネット(10)をリヤ排風室(13)へ抜ける排風を下方のロア排風口(16)へ排風案内するように各別に排風することを特徴とするトラクタモアのコレクタとする。
【0006】
【0007】
請求項
2に記載の発明は、前記収容室6に連通するダクト4は、この収容室6のフロントネット8の室内側位置を上下方向に沿って設け、
ダクト4の上端の吹込口14を後方のリヤネット10側へ対向させて設け、前記フロントネット8の上端部には、前記吹込口(14)の前側部を遮蔽する遮風板面(36)を形成し、フロントネット(8)部を前記吹込口14よりも低位置領域に形成する。
【0008】
前記のようにブロア3ダクト4の吹込口14は、フロントネット8の内側上部に位置して、後方のリヤネット10側へ対向して吹風するように設けられて、搬送芝草をリヤネット10の上部域に吹き当てて、下降堆積するように収容させるもので、この芝草の下降堆積時のリヤネット10部からリヤ排風室13への排風作用を良好に行わせることができる。そして、このリヤネット10内側部の芝草堆積量が増すと、排風の流れはループ状に下降してフロントネット8を通過して、フロント排風室11へ流出すようになり、円滑な排風作用を維持して、芝草の収容堆積層をフロントネット8内側面に接近させる。また、前記吹込口14から後方へ吹込まれる搬送風は、この吹込口14の前側面のフロントネット8の上端部が通風ネット7の形成されない遮風板面36の壁板面形態であるため、この遮風板面36部分をフロント排風室11側へ流れる排風は弱くなり、前記吹込口14から後方リヤネット10側への吹込風力を強く維持して、芝草の吹込搬送力を高く維持すると共に、前記ループ状の搬送風の流れを円滑に行わせる
。
【0009】
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、ブロア3ダクト4で搬送される芝草は、コレクタ5の収容室6内に堆積されるが、ブロア3ダクト4からの搬送風は、最初はリヤネット10から後側のリヤ排風室13へ排風されるが、この搬入芝草がリヤネット10の内側面に滞留して、このリヤネット10からの排風が行われ難くなると、このリヤネット10の内周面に堆積される芝草層によって遮られた搬送風が、目詰りの少い側のフロントネット8を吹き抜けて前側部のフロント排風室11へ排出されて、アッパ排出室12から後方へ排風されて、アッパ排風室12から後方へ排出案内される。このため、フロントネット8及びフロント排風室11からの排風作用は、収容室6内の芝草搬入堆積が、リヤネット10側からフロントネット9やダクト4吹込口14に達して満杯近く状態になるまで、搬送排風作用を円滑に維持することができ、刈取、及び芝草収容作業を能率、及び効率的に行わせることができる。
【0011】
又、前記フロント排風室11へ排出される排風は、アッパ排風室12の後端のリヤ排風口15から後側部へ排風し、リヤ排風室12に排出された排風はこの下側のロア排風口16から下方へ排風して、各々独立的に排風案内する。このため、各排風相互間における干渉作用がなく、特にリヤネット10部における排風の出、入り干渉をなくして、各部排風作用及び収容室6における芝草集積作用を円滑に行わせることができる。
又、刈取作業開始の作業初期時は、ダクト4吹込口14からの搬送風が、芝草の少いリヤネット10から強くリヤ排出室13へ吹き出されるが、このリヤ排風室13のロア排風口16から下方へ排風されるため、作業者が、コレクタ5の後側位置に居ても排風を受け難くする。又、収容室6内が満杯近くになったときは、高いリヤ排風口15から排出の排出風力も弱くなっているため、排塵の拡散飛散も少くすることができる。
【0012】
しかも、リヤ排風口15をロア排風口16と各別に構成するため、構成が簡単であり、各口15、16における排出状態や、収容室6の芝草収容状態等を検知判定し易くする。又、メンテナンスを行い易くすることができる。
【0013】
請求項
2に記載の発明は、フロントネット8の上端内側部のダクト4吹込口14からリヤネット10の上部へ向けて、排送芝草を吹込むものであるから、芝草収容時のリヤネット10からリヤ排風室13への排風作用を円滑に行わせる共に、このリヤネット10内部に沿った芝草堆積を整揃として行わせることができ、このリヤネット10の閉塞に伴って、このリヤネット10側から反射形態に吹込口14の側へ吹き返される吹返風は、この前側の遮風板面36の形成によって遮諷されて、吹き込み口14部における吹込み抵抗を小さくすることができ、フロントネット8の下部からフロント排風室11へループ状に流出する排風の流れを円滑に行わせて、芝草の収容、及び排風作用を円滑に行わせることできる
。
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に基づいて、図面に基づいて、トラクタ車体1の前側にモアデッキ2を装着し、フロントモアの形態として、走行地面の芝草を刈取しながら、刈取った芝草をブロア3ダクト4を経て、車体1後部に装着のコレクタ5へ吹込搬送して、通風ネット7を有して構成される収容室6に収集する形態である。車体1は、前輪17と、ステアリングハンドル18で操向の後輪19とを配置して、前輪17部の上側に運転席20を搭載して、乗用四輪走行形態のトラクタモアを構成する。モアデッキ2は、ブレード21を有するブレード軸22を軸装して、車体1後部に搭載のエンジン23から連動のPTO軸24によって駆動回転する。リフトリンク25を介して車体1に対して昇降可能に設けられ、モアデッキ2の前、後端部には刈取高さを維持するゲージホイル26、27等を配置する。
【0017】
前記車体1の前端部は、運転席20や、前輪17部等の前方に突出して、この前端部にステアリングポスト28を設ける。前記モアデッキ2の後側中央部に集草排出口を形成して、蛇腹形態の排出ダクト29を連通する。この排出ダクト29は、前記運転席20の下側の左右両側の前輪17間の間隔部を前後方向に亘るように設けられて、後側のブロア3の吸引口に連通する。このブロア3は、ブロアケース31内にブロアファンを回転するように軸装して、後側のエンジン23から連動機構30を介して伝動駆動される。前記ブロアケース31の上方に突出するブロアダクト4を、運転席20の後方の車体1上部に搭載のコレクタ5内にのぞませる。
【0018】
前記運転席20の後側には、門形状のガードフレーム32を設けて、この後側部に車体1上部を覆うエンジンフード33を設けて、下側のエンジンルーム内にエンジン23や、ラジエータファン35、及び連動機構30等を配置する。前記コレクタ5は、前記エンジンフード33の上側部において、後端下部のダンプ軸36の周りに上下ダンプ回動可能にして装着する。
【0019】
前記コレクタ5は、側面視略台形状形態のネットケースを主体として、収容室6の上側部を通風ネット7で覆う構成とし、前記ブロアダクト4から吹込搬送される芝草を収容して収集すると共に、搬送風はこのネット7から外周へ排出させて、収容室6内に搬入芝草のみ貯留収容させる。前記収容室6の上側周面は、全周面を通風ネット7で形成することができるが、図例のように、前側面、上側面、及び後側面部の三側面のみを略ネット7張り形成することにより、フロントネット8と、アッパネット9、及びリヤネット10を形成する。これら各ネット8、9、10で形成される収容室6の外周部は、合成樹脂製等の外カバー36で覆う形態として、左右両側面は直接この外カバー36で形成されるが、前記フロントネット8の前側にはフロント排風室11を形成し、アッパネット9の上側にはアッパ排風室12を形成し、リヤネット10の後側にはリヤ排風室13を各々形成するように構成する。これらフロント排風室11の上端部はアッパ排風室12の前端部に連通し、このアッパ排風室12の後端部はリヤ排風室13の上側位置で後方へ開口してリヤ排風口15として、このアッパ排風室12を案内される排風をコレクタ5の後部側へ排出させることができる。又、リヤ排風室13の下端部にロア排風口16を形成して、このリヤ排風室13に吹出された排風を車体1後側部に直下位置へ向けて排出させる。
【0020】
前記収容室6内にのぞませるダクト4は、この収容室6の前端底部幅の中央部から上方へ向けて形成され、前記フロントネット8の内側面に沿って上端部へ延設されて、このダクト4の上端部に端部ダクト40を分離接合可能の形態に構成している。この端部ダクト40の上端部にリヤネット10側へ向けて開口の吹込口14を形成する。前記ダクト4は、この上端部の端部ダクト40を一体的連通の形態として、コレクタ5ダンプ作動時は、この端部ダクト40を残してコレクタ5のみ上方へ回動ダンプできる形態とすることも可能であるが、この端部のダクト5をフロントネット8の内側面に一体的構成として、コレクタ5のダンプ作動時に、この端部ダクト40を下部のダクト4との継口部41から分離して、上方後部へダンプ回動させる形態とすることができる。前記端部ダクト40の吹込口14の前側背面部は適宜湾曲形態の搬送案内面を形成するが、この吹込口14の前側面に対向位置するフロントネット8の上端部は、通風網目を形成しない単なる板面の、前記吹出口14よりも適宜に広い遮蔽板面36を形成して、この吹込口14の高さ域に対向する板面36の下位側にフロントネット8を形成するように構成する。このようにフロントネット8の上端部に通風ネット7を形成しないことにより、端部ダクト40の上端部の吹込口14からリヤネット10側への吹込風圧を強く維持して、収容室6内での吹込搬送風のループ状流れを円滑に維持されて、収容室6内での吹込芝草の堆積を多くするように円滑に行わせることができ、フロント排風室11への排風を良好に案内するものである。又、前記吹込口14は、端部ダクト40に対してヒンジ44周りに左右方向へ回動して、吹込み向きを揺動して、収容室6への収容芝草の拡散、均等化を行わせる。この吹込口14の揺動は、運転者が手動操作で行う形態とするもよく、機械的に伝動することもできる。
【0021】
前記コレクタ5のダンプ作動は、ガードフレーム32部に設けた操作レバー45を操作することにより、コレクタ5を底部車体1のダンプ軸46の周りに上下回動させて、この上方回動時には、リヤネット10及びリヤカバー39が上端部の開閉軸47の周りに前後方向に開閉回動して、収容室6の後端部のダンプ口を開閉する形態としている。前記開閉軸47は、ダンプ口の上端部で、前記リヤ排風口15の下側に位置して設けられ、前記コレクタ5の上方ダンプ回動時にこれらリヤネット10やリヤカバー39等の自動によって開閉軸47周りに垂下回動して、ダンプ口を開放する状態となるように構成している。又、コレクタ5を収容姿勢位置へ戻すと、リヤネット10及びリヤカバー39が自重回動して、ダンプ口部を閉鎖することができる。このようなリヤカバー39等の開閉回動位置は、リヤカバー39のロア排出口46近傍位置とコレクタ5の左右両側面を覆うサイドカバー43部との間にわたって係合、離脱するフックピンとを設けて、これらフック、又はピンを前記操作レバー45の操作で連動するか、又は、フック、又はピンの回動によって自動的に係合、及び離脱する形態とすることができる。又、これらリヤネット10及びリヤカバー39の開閉を、コレクタ5のダンプ操作レバー45によって連動操作するように連動構成することもできる。
【0022】
刈取作業時は、前記コレクタ5を収容位置に置くと、端部ダクト40が下方のブロアダクト4の下部ダクト42部上に連接して、モアデッキ2のブレード21の回転によって刈取られた芝草が、ブロア3の吸引力によって排出ダクト29を吸引搬送されて、ブロアダクト4を経て先端部の吹込口14から収容室6内へ吹込搬送される。この吹込口14から収容室6内上部をリヤネット10側へ吹込まれる搬送風は、このリヤネット10の網目を通してリヤ排風室13へ排風されて、ロア排風口16から直下の走行跡地面部へ向けて排風される。又、芝草が前記収容室6内部に残されて、前記リヤネット10の内側面に沿って吹付けられた状態として付着堆積し、順次この芝草収容量を増す。この芝草堆積層Aの前端面Bが前側へ移行して、収容量を増すと共に、収容室6前部の空室容量が狭くなる。このような刈取芝草の収容堆積層Aが形成されると、リヤネット10からリヤ排出室13へ抜ける排風量は減少すると共に、この堆積層Aの前端面Bに吹当てられた搬送風はこの前端面Bを下側部へループ状に吹き降されて、芝草付着の少いフロントネット8からフロント排風室11へ排出される。このため、吹込口14から収容室6内の吹込搬送力を円滑で効率的な収容を行わせることができる。又、前記フロントネット8の上端部に網目を形成しない遮風板面36を形成する形態にあっては、吹込口14から後方へ向けて吹込まれた搬送風が、堆積層Aの前端面Bに反射されて、この吹込口14部へ吹込えされる吹返し風力を軽減して、下方側へのループ状流風を円滑に行わせる。
【0023】
このようにして、フロントネット8からフロント排風室11へ排出された排風は、アッパ風室12を経てリヤ排風口15から後方へ排出される。
収容室6が芝草で満杯になると、操作レバー45を操作して、コレクタ5をダンプ軸46の周り上方回動すると、このコレクタ5の後下り傾斜に伴ってリヤネット10及びリヤカバー39が開閉軸47周りに後側上方へ回動されて、収容室6のネット10部(ダンプ口部)を開いて、このダンプ口部から収容室6内の収容芝草を後側地面部へ排出する。
【0024】
このようなコレクタ5のダンプ回動時に収容室6にのぞませるダクト4の先端部の端部ダクト40が、下部ダクト42から分離してコレクタ5のダンプ回動と一体的に回動する形態にあっては、端部ダクト40がフロントネット8の内側面に沿った形態のままで、ダンプ回動されて、内部の収容芝草を後端ダンプ口部が排出することができる。このダンプ作動後にコレクタ6を収容位置に戻すことによって、端部ダクト40が下部ダクト42の継口部41部に連接して、ブロア3ダクト4による芝草の吹込搬送を行わせる状態に戻すことができる。
【0025】
ここにおいて、車体1前部に装着のモアデッキ2部で刈取られる芝草をブロア3ダクト4を経て車体1後部に装着のコレクタ5に搬入して収容させるトラクタモアにおいて、前記コレクタ5の芝草収容室6の前側面から上側面、及び後側面に亘って通風ネット7を張設すると共に、この通風ネット7の前側部のフロントネット8、上側部のアッパネット9、及び後側部のリヤネット10等の外側のフロント排風室11、アッパ排風室12、及びリヤ排風室13を形成し、前記ダクト4の吹込口14をフロントネット8上部の収容室6において後方に向けて連通し、前記フロントネット8をフロント排風室11へ抜けた排風をアッパ排風室12から後方へ案内するように設けたことを特徴とするトラクタのコレクタの構成する。
【0026】
モアデッキ2部で刈取られた芝草が、ブロア3ダクト4を経て、車体1後部のコレクタ5の収容室6に吹込搬入される。このダクト4の吹込口14から吹込まれた芝草は、収容室6後側面のリヤネット10面に吹き当てられて堆積されて、搬送風の排風作用が、芝草で目詰りしないケ所の通風ネット7面から外周の排風室11、12、13へ行われて、収容室6内の搬入芝草の堆積は、リヤネット10部から前部のフロントネット8側へ亘って順次行われる。このように吹込口14から後方へ吹込まれる搬送風は、収容室6の上層部から堆積芝草層の前面部を下方へ案内されて、芝草に目詰の少いフロントネット8部へ向けてループ状に流されて、このフロントネット8から前側部のフロント排風室11へ排風される。このフロント排風室11へ排出された排風は、アッパ排風室12を経て後方へ案内されてコレクタ5の外側へ排出される。前記吹込口14から収容室6内へ吹込搬入されて堆積された芝草堆積層が順次フロントネット8側へ移行して、ダクト4の吹込口14が閉塞される状態になると、ブロアダクト4による芝草搬入は行われ難くなるから、芝草収容作業を一旦停止して、コレクタ5のダンプ操作を行った後ちに、芝草刈取とコレクタ5による芝草収容を行う。
【0027】
又、前記収容室6のフロントネット8部をフロント排風室11ヘ抜けた排風を、アッパ排風室から後方のリヤ排風口15へ排風案内し、リヤネット10をリヤ排風室13へ抜ける排風を下方のロア排風口16へ排風案内するように各別に排風する。
【0028】
前記のようにブロア3ダクト4の吹込口14からリヤネット10側へ向けて吹込まれる芝草は、このリヤネット10の内側面に沿って順次堆積されて、この堆積芝草層で閉そく案内される収容室6内の搬送風がフロントネット8から前側のフロント排風室11へ排風されて、収容室6内の芝草収容層をフロントネット8へ接近させる。このようにしてフロントネットからフロント排風室11へ排出された排風は、収容室6上部のアッパ排風室12を経て、このアッパ排風室12後端のリヤ排風口15からコレクタ5後方へ排風される。また、前記リヤネット10の内部に芝草が滞積して通風ネットが閉そくされるまでの収容初期段階において、このリヤネット10からリヤ排風室13へ排出された排風は、このリヤ排風室13の下方に形成のロア排風口16から下方へ排出される。
【0029】
又、前記収容室6に連通するダクト4は、この収容室6のフロントネット8の室内側位置を上下方向に沿って設け、上端のダクト4吹込口14を後方のリヤネット10側へ対向させて設け、前記フロントネット8の上端部には、前記吹込口(14)の前側部を遮蔽する遮風板面(36)を形成し、フロントネット(8)部を前記吹込口14よりも低位置領域に形成する。
【0030】
前記のようにブロア3ダクト4の吹込口14は、フロントネット8の内側上部に位置して、後方のリヤネット10側へ対向して吹風するように設けられて、搬送芝草をリヤネット10の上部域に吹き当てて、下降堆積するように収容させるもので、この芝草の下降堆積時のリヤネット10部からリヤ排風室13への排風作用を良好に行わせることができる。そして、このリヤネット10内側部の芝草堆積量が増すと、排風の流れはループ状に下降してフロントネット8を通過して、フロント排風室11へ流出すようになり、円滑な排風作用を維持して、芝草の収容堆積層をフロントネット8内側面に接近させる。また、前記吹込口14から後方へ吹込まれる搬送風は、この吹込口14の前側面のフロントネット8の上端部が通風ネット7の形成されない遮風板面36の壁板面形態であるため、この遮風板面36部分をフロント排風室11側へ流れる排風は弱くなり、前記吹込口14から後方リヤネット10側への吹込風力を強く維持して、芝草の吹込搬送力を高く維持すると共に、前記ループ状の搬送風の流れを円滑に行わせる。
【0031】
更には、前記ダンプ作動可能のコレクタ5の収容室6に吹込口14を開口させて一体的に構成する端部ダクト40を、コレクタ5のダンプ作動に伴って、ブロア3側の下部ダクト42の継口部41に対して分離可能に連設する。
【0032】
前記収容室6は、モアデッキ2で刈り取られた芝草がブロア3ダクト4を経て吹込搬入されて、搬送風は通風ネット7から外周部のフロント排風室11や、アッパ排風室12、及びリヤ排風室13等へ排風されて、搬入芝草のみを通風ネット7内側の収容室6内に堆積貯留させる。この収容室6が芝草で満杯になると、コレクタ5をダンプ回動させて、リヤネット10、及びこのリヤ排風室13のリヤカバー39を上方へ回動させて、収容室6の後端部のダンプ口を開いて、このダンプ口部から収容室6内の収容芝草を車体1の後側地面に排出することができる。このコレクタ5のダンプ作動に伴って端部ダクト40が一体的に継口部41から分離して回動される。又、この芝草のダンプ排出後にコレクタ5を収容位置へ復帰することによって、端部ダクト40も一体として復帰回動して下部ダクト42の継口部41に接合されて、搬送芝草の吹込み案内を行う。
【0033】
なお、
図4のアッパネット9の代わりに無孔板状のアッパ部に構成しても良い。すなわち、リヤネット10が芝草で堆積してリヤネット10から搬送風が排出され難くなると、搬送風はフロントネット8を通過してアッパ排風室12を通過して車外に排出される。この構成のときに、搬送風がフロントネット8側へ戻されるときにリヤネット10側に堆積している芝草の一部がフロントネット8側へ戻される作用が生じることで、収容室6内全体に芝草がいきわたることができる。 次に、主として
図5〜
図7に基づいて、前記コレクタ5内部に、運転者がコレクタ5の後方部を透視可能の透視空胴50を形成したものである。コレクタ5の内部を前後方向に透視しうる透視空胴50を形成することによって、運転席20側位置からコレクタ5の直後側方の状態を透視し易く、作業性を高めることができる。
【0034】
又、前記エンジンフード33下のエンジンルーム内には、エンジン23の前側にラジエータ34、及びラジエータファン35を設けているが、このラジエータファン35を正逆回転可能としたファンモータ51によって駆動回転することができる形態として、コレクタ5には収容芝草が満杯になったことを検出する満杯センサ52を設け、刈取作業中に、この満杯センサ52の検出によって、コントローラ55から前記ファンモータ51のリレー53、54等を介してファンモータ51の正回転状態から逆回転に切替えて、ラジエータ34や、近傍位置の機構部等に付着、乃至引っ掛けている芝草等を、逆回転風によって除去することができる。
【0035】
又、前記ファンモータ51の正、逆回転を、前記コレクタ5のダンプ操作を行う操作レバー45のダンプ操作によって行わせる形態とするも可能である。操作レバー45のダンプ操作によってダンプスイッチ56をON、OFFして、ダンプスイッチ56のONによってファンモータ51の逆回転リレー54スイッチをONして逆回転させる。ダンプスイッチ56のOFFによってファンモータ51を正回転させる。
【0036】
又、前記満杯センア52や、ダンプ操作レバー45の操作によるダンプスイッチ56等に代えて、又はこれらセンサ52等によると共に、モアデッキ2の昇降を検出する昇降センサ57や、このモアデッキ2を昇降操作する昇降レバー58の操作等に連動して、正、逆回転スイッチ53、54を切替える形態とすることもできる。
【0037】
次に、主として
図9に基づいて、前記モアデッキ2のブレード21を回転するPTO軸24の回転を検出するPTOセンサ60と、前記コレクタ5のリヤ排風口15部における排風圧を検出する排風センサ67を設け、コントローラ55の入力側に配置し、出力側には、、走行伝動系の伝動を入り切りする走行クラッチソレノイドスイッチ68、及び前記PTOクラッチの伝動を入り切りするPTOクラッチのソレノイドスイッチ69等を配置して、前記排風センサ67によってフロアダクト4や、コレクタ5内部等の芝草搬送に詰りを生じたときは、これをセンサ67で検出して走行クラッチ68を切りにして、走行停止の制御を行うように構成する。又、前記のような排風センサ67が、搬送詰り等を検出することによって、PTOクラッチ69を切りにして刈取作用をも停止することができる。
【0038】
次に、主として
図10〜
図13に基づいて、前記ブロア3のファン60の形状に関して、回転抵抗を低減して騒音の少い回転送風を行わせるものである。
図10では、ファン軸61周りに配置の各ファン60に、放射方向Aに対して適宜後退角Aを形成した形態である。
【0039】
又、
図11、
図12では、角ファン60に円弧状の後退角Bを形成したものである。又、前記12のようにファン60の先端部63の形状を幅狭くして台形状に形成し、かつ先端縁62の後退角放射方向線A側に若干戻す角度Cに設定して、側端縁には傾斜縁Dを形成することによって、跳ね上げ搬送力を高め、風切り騒音を低下させるものである。
【0040】
又、
図13においては、ファン60に後退角は形成しないが、先端縁62を後退方向へ直角状に折曲げた形態とし、この先端縁62と対向するブロアケース31内周面は適宜厚さの案内板64を敷設している。