特許第6182941号(P6182941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182941
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20170814BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20170814BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20170814BHJP
【FI】
   H02M3/28 X
   H02M1/08 321T
   H01L33/00 J
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-78693(P2013-78693)
(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公開番号】特開2014-204555(P2014-204555A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】阿野 康則
(72)【発明者】
【氏名】相場 明穂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩士
【審査官】 麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−095253(JP,A)
【文献】 特開2008−104272(JP,A)
【文献】 特開2011−200117(JP,A)
【文献】 特開2013−020931(JP,A)
【文献】 特開2010−114224(JP,A)
【文献】 特開2009−296723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H01L 33/00
H02M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の発光素子を有する発光素子負荷に接続する点灯装置であって、
交流電源と接続する一次巻線と、複数の二次巻線とを備えるトランスと、
前記トランスの前記一次巻線に接続されるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を制御する点灯制御回路と、
前記発光素子負荷に接続され、第1のダイオードと、第1のコンデンサとで構成される第1の平滑回路と、
前記発光素子の電流検出回路に電源を供給する電源生成回路に接続され、第2のダイオード、第3のダイオード、および第2のコンデンサから構成される第2の平滑回路と
を備え、
前記複数の二次巻線は、第1の二次巻線と、前記第1の二次巻線とは極性の異なる第2の二次巻線を含み、
前記第1の二次巻線には、前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのアノードが接続され、
前記第2の二次巻線に、第3のダイオードのアノードが接続され、
前記第1のダイオードのカソードが、前記発光素子負荷に接続し、
前記第2のダイオードのカソードおよび前記第3のダイオードのカソードが、前記電源生成回路に接続し、
トライアックおよび前記トライアックを制御する位相制御回路を含む調光器が前記交流電源との間に介在して接続され、
前記第1の二次巻線に接続し、位相制御による電源電圧の状態を検出する電源位相検出回路と、
前記電源位相検出回路の出力に連動させて、自身の出力値を変化させる調光信号生成回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記第2のコンデンサの容量は、前記第1のコンデンサの容量より小さいことを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記電流検出回路が、前記電源生成回路で生成された電圧を受けて駆動する演算回路を備え、前記演算回路の出力信号に基づいて前記発光素子の電流を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の点灯装置
【請求項4】
記電流検出回路が、オペアンプを含み、
前記オペアンプは、第1入力端子、第2入力端子、および出力端子を備え、前記第1入力端子と前記第2入力端子の電圧を比較して前記出力端子の出力信号を切り替えるものであり、
前記第1入力端子には、前記発光素子に流れる電流に比例した電圧が入力され、
前記第2入力端子には、前記調光信号生成回路の前記出力値が入力され、
前記出力端子からの出力信号が前記点灯制御回路に入力されることで、前記電流検出回路で検出した前記発光素子の電流状態を前記点灯制御回路にフィードバックすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項5】
光部および受光部を備え、前記電源生成回路で生成された電圧を受けて駆動するフォトカプラと、
を備え、
前記発光部に前記電流検出回路の出力が与えられ、
前記受光部が前記点灯制御回路と接続することで、前記電流検出回路で検出した前記発光素子の電流状態を前記点灯制御回路にフィードバックすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の点灯装置と、
前記点灯装置に接続された発光素子負荷と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の照明器具における無駄な明かりの削減は、省エネ、省電力において重要である。このことから、発光ダイオード(以下LED)は、省エネ性に優れていることで着目されている。また、無駄な明かりを抑制し、より省エネを行える調光制御がLED点灯装置には要求される。
【0003】
一方で照明器具では、使用者がスイッチを操作した時の照明の点灯の仕方についても、違和感のない点灯を希望する要求がある。LED照明の場合、LED点灯装置の出力にLEDの発光が瞬時に追随するので違和感のある点灯になることがあり、これは特に調光制御時に起こることが多い。
【0004】
この点、下記の特許文献1、特許文献2にかかる構成は、トランスを用いたLED点灯装置であって、第1の二次巻線に接続されLED負荷にも接続される第1の平滑回路と、第2の二次巻線に接続される第2の整流平滑回路と、第2の整流平滑回路より電源供給を受けるLED電流の演算回路を備えている。この演算回路は、補助用に第1の整流平滑回路からも電源供給を受けることができる。
【0005】
調光時などの負荷電圧が低下した場合、第2の二次巻線に発生する電圧が低下し、第2の二次巻線からの電源供給が出来なくなる問題が起こりうる。この点、上記特許文献1、2では補助用に電源供給ができるので、調光点灯時においても安定した違和感のない点灯が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−200117号公報
【特許文献2】特許第4944562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術を用いた場合、調光時などの負荷電圧が低下した場合、電源をOFFし、短時間の間に電源を再びONにすると、LEDが一瞬明るくなってから徐々に設定した明るさに推移する現象が起こることがある。この現象が、LED照明の使用者から点灯の際の違和感として指摘されることも少なくない。そこで、本願発明者は鋭意研究を行い、使用者にとって違和感のある点灯を抑制できる技術を見出した。
【0008】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、使用者にとって違和感のある点灯が生ずることが抑制された点灯装置および照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる点灯装置は、1つ以上の発光素子を有する発光素子負荷に接続する点灯装置であって、
交流電源と接続する一次巻線と、複数の二次巻線とを備えるトランスと、
前記トランスの前記一次巻線に接続されるスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を制御する点灯制御回路と、
前記発光素子負荷に接続され、第1のダイオードと、第1のコンデンサとで構成される第1の平滑回路と、
前記発光素子の電流検出回路に電源を供給する電源生成回路に接続され、第2のダイオード、第3のダイオード、および第2のコンデンサから構成される第2の平滑回路と
を備え、
前記複数の二次巻線は、第1の二次巻線と、前記第1の二次巻線とは極性の異なる第2の二次巻線を含み、
前記第1の二次巻線には、前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのアノードが接続され、
前記第2の二次巻線に、第3のダイオードのアノードが接続され、
前記第1のダイオードのカソードが、前記発光素子負荷に接続し、
前記第2のダイオードのカソードおよび前記第3のダイオードのカソードが、前記電源生成回路に接続し、
トライアックおよび前記トライアックを制御する位相制御回路を含む調光器が前記交流電源との間に介在して接続され、
前記第1の二次巻線に接続し、位相制御による電源電圧の状態を検出する電源位相検出回路と、
前記電源位相検出回路の出力に連動させて、自身の出力値を変化させる調光信号生成回路と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる点灯装置および照明器具によれば、使用者にとって違和感のある点灯が生ずることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1にかかる点灯装置を示す回路図である。
図2】本発明の実施の形態2にかかる点灯装置を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる点灯装置100を示す回路図である。交流電源ACからの商用交流電圧が印加される点灯装置100は、入力フィルタ回路、および脈流の直流電圧(以下、整流電圧ともいう。)に変換する整流回路(ダイオードブリッジ)DBとを備えている。整流回路DBと並列にコンデンサC1が接続されている。
【0013】
実施の形態1においては、この整流回路DBに、いわゆるフライバックコンバータが接続される。実施の形態1にかかるフライバックコンバータは、スイッチング素子Q1、このスイッチング素子Q1に接続した点灯制御回路1、トランスTR1、および平滑回路10を備えている。MOSFETであるスイッチング素子Q1のドレインには、コンデンサC4の一端が接続し、コンデンサC4の他端はグランドに接続する。
【0014】
典型的なフライバックコンバータの構成および動作は公知であり、実施の形態1にかかるフライバックコンバータも同様であるため、詳細な説明は省略する。このフライバックコンバータには、発光ダイオードLAが接続されている。この発光ダイオードLAのカソードには抵抗R10が接続される。発光ダイオードLAは、1つの発光ダイオードで構成されてもよいし、複数の発光ダイオードが直列接続されている構成であってもよい。
【0015】
点灯装置100はLED電流検出回路11を備えている。LED電流検出回路11は、抵抗R10に発生する電圧と調光指令電圧とを比較し、点灯制御回路1にLED電流の状態をフィードバックする。
【0016】
以上説明したように、点灯装置100は、整流回路DB、フライバックコンバータ、抵抗R10、およびLED電流検出回路11によって、発光ダイオードLAへ所望の直流電流を供給することができる。
【0017】
点灯制御回路1は、スイッチング素子Q1にターンオン・ターンオフの指令を出す役割を持ち、点灯制御集積回路IC1を中心に構成される。点灯制御集積回路IC1は、ターンオン検出回路2と接続されている。点灯制御集積回路IC1、スイッチングのターンオンのタイミングを検出し、オン時間検出回路3を接続することで、スイッチングのオン時間を検出する。
【0018】
ターンオン検出回路2は、トランスTR1の補助巻線T4に接続されるダイオードD2と、補助巻線T4からの電流を抑制する抵抗R2を備えている。ダイオードD2のカソードが点灯制御集積回路IC1のゼロクロス検出機能の端子に接続する。これにより補助巻線T4に発生する電圧を検出して、MOSFETであるスイッチング素子Q1がターンオンするタイミングを検出する。
【0019】
オン時間検出回路3は、フォトカプラPC1の受光部と、抵抗R3とコンデンサC3とにより構成されている。コンデンサC3および抵抗R3が、点灯制御集積回路IC1のオン時間検出機能の端子に接続する。
【0020】
図1の回路図では、便宜上、フォトカプラPC1の発光部と受光部とを離して図示している。フォトカプラPC1の受光部をオン時間検出回路3の回路要素とし、フォトカプラPC1の発光部をLED電流検出回路11の回路要素とするためである。
【0021】
オン時間検出回路3内のフォトカプラPC1の受光部(具体的には、発光ダイオード)は、LED電流検出回路11内のフォトカプラPC1の発光部(具体的には、フォトトランジスタ)と電気絶縁を確保された状態で接続している。フォトカプラPC1の発光部から、比較器としてのオペアンプOP1の出力を検出することができる。
【0022】
LED電流検出回路11は、比較器としてのオペアンプOP1を有する。オペアンプOP1は、制御電源Vcc2と接続し、その電圧を受けて動作する。オペアンプOP1は、LED電流を検出するための抵抗R10に発生する電圧と、調光指令電圧とをそれぞれ入力端子に受けて、それらの電圧を比較する。オペアンプOP1は、その比較した結果に応じて出力端子の出力信号を変化させることができる。オペアンプOP1の出力端子は、抵抗R23を介してフォトカプラPC1の発光部に接続している。
【0023】
抵抗R10と発光ダイオードLAのカソードとの接続点に抵抗R20の一端が接続する。抵抗R20の他端は、オペアンプOP1のマイナス入力端子と接続する。オペアンプOP1の出力端子とマイナス入力端子は、コンデンサC21および抵抗R21を介して接続する。Vcc2が抵抗R22とインピーダンス可変素子22により分圧された電圧が、調光指令電圧である。この調光指令電圧が、オペアンプOP1のプラス入力端子に入力される。インピーダンス可変素子22は、例えば受光素子であったり、ボリューム抵抗で構成される。
【0024】
制御電源Vcc2は、Vcc2生成回路21から供給される。Vcc2生成回路21は、レギュレータなどの、定電圧を出力する回路から構成することができる。
【0025】
LED電流検出回路11は、フォトカプラPC1の発光部を備える。フォトカプラPC1の発光部は、制御電源Vcc2から電源供給を受け、オペアンプOP1の出力をフォトカプラPC1の受光部(オン時間検出回路3の回路要素)に伝達することができる。これにより、点灯制御集積回路IC1へのフィードバックループが形成されている。
【0026】
点灯制御集積回路IC1は、起動時は起動抵抗R1を介して起動する。起動抵抗R1は、点灯制御集積回路IC1の電源端子部に接続されている。交流電源ACが入力されると、起動抵抗R1を介して、点灯制御集積回路IC1に制御電源Vcc1を供給する。点灯制御集積回路IC1の起動後は、トランスTR1の補助巻線T4に発生する電圧をダイオードD2,抵抗R2を介してコンデンサC2で平滑化して、点灯制御集積回路IC1に制御電源Vcc1を供給する。
【0027】
トランスTR1は、一次巻線T1と、二次巻線T2と、補助巻線T3と、補助巻線T4とを備えている。二次巻線T2は、一次巻線との巻線比に応じた電圧が発生する主たる二次巻線である。補助巻線T3は、二次巻線T2に比例した電圧が発生する二次巻線である。補助巻線T4は、一次巻線T1に比例した電圧が発生する二次巻線である。二次巻線T2と補助巻線T4は、一次巻線T1と逆極性に巻かれたフライバック巻きである。補助巻線T3は、一次巻線T1と同じ極性に巻かれたフォワード巻きである。

【0028】
二次巻線T2は、ダイオードD10とダイオードD20のアノードに接続される。補助巻線T3は、ダイオードD30のアノードに接続される。補助巻線T4は、抵抗R2に接続される。
【0029】
ダイオードD10のカソードは、コンデンサC10に接続され、ダイオードD10とコンデンサC10とで平滑回路10を構成し、二次巻線T2に発生する高周波電圧をコンデンサC10で平滑して発光ダイオードLAに供給する。
【0030】
ダイオードD20のカソードは、コンデンサC20に接続されている。ダイオードD20とコンデンサC20とで平滑回路20を構成している。二次巻線T2に発生する高周波電圧を、コンデンサC20で平滑してVcc2生成回路21に供給することができる。
【0031】
ダイオードD30のカソードは、コンデンサC20に接続され、ダイオードD20のカソードとも接続される。これにより補助巻線T3に発生する高周波電圧をコンデンサC20で平滑して、Vcc2生成回路21に電源を供給する。ダイオードD20のカソードおよびダイオードD30のカソードが、Vcc2生成回路21に接続している。
【0032】
この接続により、Vcc2生成回路21は、二次巻線T2と補助巻線T3で発生する電圧のうち、高い方の高周波電圧からの電源供給を受けることができる。このような構成によれば、電力損失を抑制することもできる。
【0033】
トランスTR1の二次巻線T2は、フライバック巻きである。このため、スイッチング素子Q1がオフの時、トランスTR1の一次巻線T1に印加される電圧の巻き数比に比例した電圧が出力されるとともに、この電圧により、ダイオードD10を介して、コンデンサC10を充電しつつ発光ダイオードLAに電流を供給することができる。同時にダイオードD20を介して、コンデンサC20を充電しつつ、Vcc2生成回路21に電源を供給する。
【0034】
また、トランスTR1の補助巻線T3は、フォワード巻きである。このため、スイッチング素子Q1がオンの時、トランスTR1の一次巻線T1に印加される電圧の巻き数比に比例した電圧が出力されるとともに、この電圧により、ダイオードD30を介して、コンデンサC20を充電しつつVcc2生成回路21に電流を供給することができる。このような構成によれば、スイッチング素子Q1がオンの時、オフの時もVcc2生成回路21に電源を供給でき、コンデンサC20の容量を小さくすることが出来る。
【0035】
本実施の形態では、オペアンプOP1を動作させる制御電源回路としてのVcc2生成回路21を、発光ダイオードに接続される平滑回路10内の比較的大きな容量のコンデンサC10とは分離して構成することができる。上述したように、実施の形態1においてVcc2生成回路21は、平滑回路10からの電源供給は受けない。従って、平滑回路10内のコンデンサC10の残留電荷の影響を受けない。
【0036】
仮に平滑回路10がVcc生成回路21に電気的に接続していると、コンデンサC10の残留電荷の影響により、演算回路であるオペアンプOP1が不要な動作をするおそれがある。この不要動作は、LEDが一瞬明るくなってから徐々に設定した明るさに推移する現象が生じ、違和感のある点灯が生じてしまう。この点、実施の形態1にかかる点灯装置100によれば、そのような不要動作を抑制し、違和感のある点灯を抑制することができる。
【0037】
こうすることで、オペアンプOP1が不要な動作することを防ぐことができるので、発光ダイオードLAにおいて、一瞬明るくなってから徐々に設定した明るさに推移する違和感のある現象を抑制することができる。これにより、調光制御状態で電源OFFし、短時間の間に電源を再びONした場合であっても、使用者にとって違和感のない点灯開始をすることができる照明装置を実現することができる。
【0038】
また、コンデンサC20は容量を小さく出来るので、電源をオフした場合、速やかにコンデンサの電荷が放電される。これにより、制御電源Vcc2に接続されるフォトカプラPC1をすばやく停止できたり、定電流制御回路が接続した場合にもこれをすばやく停止できる。この結果、フォトカプラPC1や、定電流制御回路の不要な動作に起因する、LEDが一瞬明るくなってから徐々に設定した明るさに推移する現象が改善できるようになる。
【0039】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2にかかる点灯装置200を示す回路図である。図1に示す実施の形態1にかかる点灯装置100との違いは、点灯装置200ではその調光方式が位相制御方式であることである。
【0040】
実施の形態2では、交流電源AC、調光器101、点灯装置200、および発光ダイオードLAが直列接続する。調光器101には、トライアックTRとトライアックTRが動作するタイミングを制御する位相制御回路が含まれている。位相制御回路は、調光器のボリュームに関連してトライアックTRがオンするタイミングを制御するものである。調光器を介して波形生成された交流電圧は、点灯装置200に入力される。
【0041】
点灯装置200は、調光信号生成回路12および電源位相検出回路13を備えている点、およびインピーダンス可変素子22を備えていない点が、点灯装置100と異なっている。調光信号生成回路12の入力は、電源位相検出回路13の出力に接続される。調光信号生成回路12は、電源位相検出回路13の出力により、出力値が変化するように連動している。
【0042】
電源位相検出回路13は、ダイオードD40を介してトランスTR1の二次巻線T2に接続され、位相制御による電源電圧の状態を検出している。位相制御による電源電圧の導通時間は、点灯制御集積回路IC1がスイッチングしている時間と同じと考えることができる。そこで、電源位相検出回路13は、二次巻線T2に発生するパルス電圧を平均化して出力する回路を構成している。
【0043】
この電源位相検出回路13の出力の変動を調光信号生成回路12に入力し、調光信号生成回路12の電圧を調光指令電圧として、比較器としてのオペアンプOP1に入力する。そうすると、比較器としてのオペアンプOP1の出力が増減し、点灯制御回路1の動作をコントロールすることができ、発光ダイオードLAに供給する電流を増減することができ、照明器具としての調光ができるようになる。
【0044】
実施の形態2にかかる点灯装置200においても、点灯装置100と同様に、Vcc2生成回路21は、平滑回路10からの電源供給は受けないので、平滑回路10内のコンデンサC10の残留電荷の影響を受けない。
【0045】
また、コンデンサC20は容量を小さくできるので、電源をオフした場合、速やかにコンデンサの電荷が放電され、制御電源Vcc2に接続されるフォトカプラPC1をすばやく停止できたり、定電流制御回路が接続した場合にもこれをすばやく停止できる。
【0046】
以上説明した実施の形態2にかかる点灯装置200によれば、フォトカプラや、定電流制御回路の不要な動作に起因する、LEDが一瞬明るくなってから徐々に設定した明るさに推移する現象が改善できるようになる。
【符号の説明】
【0047】
1 点灯制御回路、2 ターンオン検出回路、3 オン時間検出回路、10 平滑回路、11 LED電流検出回路、12 調光信号生成回路、13 電源位相検出回路、20 平滑回路、21 生成回路、22 インピーダンス可変素子、100 点灯装置、101 調光器、200 点灯装置、AC 交流電源、C1、C10、C2、C20、C3、C4 コンデンサ、D1、D10、D2、D20、D30、D40 ダイオード、DB 整流回路、IC1 点灯制御集積回路、LA 発光ダイオード、OP1 オペアンプ、PC1 フォトカプラ、Q1 スイッチング素子、R1 抵抗(起動抵抗)、R10 抵抗(電流検出抵抗)、R2、R3、R22、R23 抵抗、T1 一次巻線、T2 二次巻線、T3 補助巻線、T4 補助巻線、TR トライアック、TR1 トランス、Vcc1 制御電源、Vcc2 制御電源
図1
図2