特許第6182942号(P6182942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6182942鋼板の寸法測定支援システム及び方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6182942
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】鋼板の寸法測定支援システム及び方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20170814BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20170814BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20170814BHJP
   G01B 21/08 20060101ALI20170814BHJP
   G01B 21/02 20060101ALI20170814BHJP
   G01B 21/22 20060101ALI20170814BHJP
   G01B 5/02 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G01B21/00 E
   G01B11/00 H
   G01B11/26 H
   G01B21/08
   G01B21/02 S
   G01B21/22
   G01B11/00 A
   G01B5/02
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-78706(P2013-78706)
(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公開番号】特開2014-202597(P2014-202597A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】中尾 憲午
(72)【発明者】
【氏名】原田 稔
【審査官】 三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/148003(WO,A1)
【文献】 特開2011−248748(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/013260(WO,A1)
【文献】 特開2005−308699(JP,A)
【文献】 特開2012−150613(JP,A)
【文献】 特開平10−162141(JP,A)
【文献】 米国特許第05033096(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00−21/32
G01B 5/00− 5/30
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が鋼板上又は前記鋼板まわりに位置して、前記鋼板の寸法を測定する作業を支援する鋼板の寸法測定支援システムであって、
上方から前記鋼板を撮像する撮像装置と、
前記作業者が測定した寸法の測定値を通信を介して入力する測定値入力手段と、
前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記鋼板に対する前記作業者の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者の向きを判定する判定手段、及び前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者が使用する巻尺の帯を認識する巻尺認識手段のうち少なくともいずれか一方と、
前記測定値入力手段で入力した前記測定値と、前記位置情報取得手段で取得した前記作業者の位置情報と、前記判定手段で判定した前記作業者の向きの情報、及び前記巻尺認識手段で認識した前記巻尺の帯が張られている方向の情報のうち少なくともいずれか一方とを関連付けて記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする鋼板の寸法測定支援システム。
【請求項2】
作業者が鋼板上又は前記鋼板まわりに位置して、前記鋼板の寸法を測定した結果を管理する情報処理装置であって、
前記作業者が測定した寸法の測定値を通信を介して入力する測定値入力手段と、
前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、上方から前記鋼板を撮像する撮像装置で得られた画像に基づいて、前記鋼板に対する前記作業者の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者の向きを判定する判定手段、及び前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者が使用する巻尺の帯を認識する巻尺認識手段のうち少なくともいずれか一方と、
前記測定値入力手段で入力した前記測定値と、前記位置情報取得手段で取得した前記作業者の位置情報と、前記判定手段で判定した前記作業者の向きの情報、及び前記巻尺認識手段で認識した前記巻尺の帯が張られている方向の情報のうち少なくともいずれか一方とを関連付けて記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
作業者が鋼板上又は前記鋼板まわりに位置して、前記鋼板の寸法を測定する作業を支援する鋼板の寸法測定支援方法であって、
測定値入力手段が、前記作業者が測定した寸法の測定値を通信を介して入力する手順と、
位置情報取得手段が、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、上方から前記鋼板を撮像する撮像装置で得られた画像に基づいて、前記鋼板に対する前記作業者の位置情報を取得する手順と、
判定手段が、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者の向きを判定する手順、及び巻尺認識手段が、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者が使用する巻尺の帯を認識する手順のうち少なくともいずれか一方の手順と、
前記測定値入力手段で入力した前記測定値と、前記位置情報取得手段で取得した前記作業者の位置情報と、前記判定手段で判定した前記作業者の向きの情報、及び前記巻尺認識手段で認識した前記巻尺の帯が張られている方向の情報のうち少なくともいずれか一方とを関連付けて記憶手段に記憶する手順とを有することを特徴とする鋼板の寸法測定支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が鋼板の寸法を測定する作業を支援する鋼板の寸法測定支援システム及び方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
厚鋼板の検査工程や手入工程を始めとする精整工程において、板幅、板長さ、キャンバー、直角度、対角交差、板厚等の寸法(寸度)を測定することが行われている。
図3に示すように、板幅は、例えば先端での板幅(幅TOP)、中央部での板幅(幅MID)、尾端での板幅(幅BOT)、最大板幅(幅MAX)、最小板幅(幅MIN)を測定する。
板長さは、例えば搬送時におけるワークサイド(WS)での板長さ(長さWS)、センターでの板長さ(長さセンター)、ドライブサイド(DS)での板長さ(長さDS)を測定する。
キャンバーとは、厚鋼板のエッジの反りを示す値であり、図4に示すように、片側の先端と尾端を結ぶ直線から外れる最大距離で表わされる。キャンバーは、例えばWSでのキャンバー(キャンバーWS)、DSでのキャンバー(キャンバーDS)を測定する。
直角度は、先端及び尾端とエッジとの角度で表わされ、例えば対角TOP WS、対角TOP DS、対角BOT WS、対角BOT DSを測定する。
対角交差は、|a−b|を測定する。
板厚は、例えば先端側3点、中央部3点、尾端側3点の計9点(図3中の●を参照)で板厚を測定する。
【0003】
このように厚鋼板の寸法の測定箇所は多岐にわたり、また、全厚鋼板とも同じ測定箇所で測定するとは限らず、全箇所測定するケースや数箇所だけで再測定するケースもある。したがって、寸法の測定値と測定箇所とを関連付けて、管理コンピュータに入力する必要がある。
【0004】
鋼板の寸法を測定する技術として、例えば特許文献1には、作業員の耳孔内に装着され、作業員の鼓膜から発せられ耳孔内を伝播する空気の振動を音声信号として入力し且つ音声信号を出力する音声入出力装置を利用した寸法測定システムが開示されている。特許文献1には、例えば音声信号から「アツ」を音声認識すると「厚さ」と認識する等して、測定箇所を特定することが開示されている。また、特許文献1には、発話により寸法種別を特定しなくてもよいように、測定値が入力される順番について、1番目は厚さ、2番目は長さ、・・・のように予め設定しておくことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4608593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の寸法測定システムを含め、従来は、作業者が自ら測定箇所を特定して入力したり、測定箇所の順番を意識したりする必要がある。特に図3に示したように板幅、板長、板厚等をそれぞれ複数の箇所で測定するような場合、測定箇所を特定して入力したり、測定箇所の順番を意識したりするのが煩雑な作業となり、誤インプットの要因にもなってしまう。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、作業者が鋼板の寸法を測定するときに、自ら測定箇所を特定して入力したり、測定箇所の順番を意識したりする必要をなくすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の鋼板の寸法測定支援システムは、作業者が鋼板上又は前記鋼板まわりに位置して、前記鋼板の寸法を測定する作業を支援する鋼板の寸法測定支援システムであって、上方から前記鋼板を撮像する撮像装置と、前記作業者が測定した寸法の測定値を通信を介して入力する測定値入力手段と、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記鋼板に対する前記作業者の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者の向きを判定する判定手段、及び前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者が使用する巻尺の帯を認識する巻尺認識手段のうち少なくともいずれか一方と、前記測定値入力手段で入力した前記測定値と、前記位置情報取得手段で取得した前記作業者の位置情報と、前記判定手段で判定した前記作業者の向きの情報、及び前記巻尺認識手段で認識した前記巻尺の帯が張られている方向の情報のうち少なくともいずれか一方とを関連付けて記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の情報処理装置は、作業者が鋼板上又は前記鋼板まわりに位置して、前記鋼板の寸法を測定した結果を管理する情報処理装置であって、前記作業者が測定した寸法の測定値を通信を介して入力する測定値入力手段と、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、上方から前記鋼板を撮像する撮像装置で得られた画像に基づいて、前記鋼板に対する前記作業者の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者の向きを判定する判定手段、及び前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者が使用する巻尺の帯を認識する巻尺認識手段のうち少なくともいずれか一方と、前記測定値入力手段で入力した前記測定値と、前記位置情報取得手段で取得した前記作業者の位置情報と、前記判定手段で判定した前記作業者の向きの情報、及び前記巻尺認識手段で認識した前記巻尺の帯が張られている方向の情報のうち少なくともいずれか一方とを関連付けて記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の鋼板の寸法測定支援方法は、作業者が鋼板上又は前記鋼板まわりに位置して、前記鋼板の寸法を測定する作業を支援する鋼板の寸法測定支援方法であって、測定値入力手段が、前記作業者が測定した寸法の測定値を通信を介して入力する手順と、位置情報取得手段が、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、上方から前記鋼板を撮像する撮像装置で得られた画像に基づいて、前記鋼板に対する前記作業者の位置情報を取得する手順と、判定手段が、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者の向きを判定する手順、及び巻尺認識手段が、前記測定値入力手段で前記測定値を入力したタイミングで、前記撮像装置で得られた画像に基づいて、前記作業者が使用する巻尺の帯を認識する手順のうち少なくともいずれか一方の手順と、前記測定値入力手段で入力した前記測定値と、前記位置情報取得手段で取得した前記作業者の位置情報と、前記判定手段で判定した前記作業者の向きの情報、及び前記巻尺認識手段で認識した前記巻尺の帯が張られている方向の情報のうち少なくともいずれか一方とを関連付けて記憶手段に記憶する手順とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、鋼板の寸法の測定箇所を容易に判定することが可能になるので、作業者が鋼板の寸法を測定するときに、自ら測定箇所を特定して入力したり、測定箇所の順番を意識したりする必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る鋼板の寸法測定支援システムの概略構成を示す図である。
図2】第2の実施形態に係る鋼板の寸法測定支援システムの概略構成を示す図である。
図3】厚鋼板の寸法の測定箇所の例を示す図である。
図4】キャンバーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に、第1の実施形態に係る鋼板の寸法測定支援システムの概略構成を示す。
厚鋼板1は、精整作業が行われる作業台上に載置される。厚鋼板1は、板幅が数m程度であるのに対して、板長さは数十m程度の長尺の矩形状を呈する。
【0012】
作業台の上方には、厚鋼板1を撮像する撮像装置2(例えばステレオカメラ)が配置される。撮像装置2はCCD等の撮像素子を備え、撮像した画像データをプロコンと称される管理コンピュータ3に入力する。なお、図1では撮像装置2を1台のように示したが、複数台あってもよい。
【0013】
管理コンピュータ3において、31は測定値入力部であり、作業者Wが測定した寸法の測定値を入力する。
本実施形態において、作業者Wは、測定データを送信する機能を有する巻尺やマイクロメータを用いて各部の寸法を測定する。例えば板幅、板長さ、対角交差を測定するときは、作業者Wは巻尺を用いて長さを測定し、所定の操作を行うと(例えば巻尺に設けられたボタンを押下すると)、巻尺から測定データが管理コンピュータ3に無線通信により送信される。図1には、作業者Wが巻尺4を用いて幅MIDを測定している様子を示す。板厚を測定するときも同様に、作業者Wはマイクロメータを用いて板厚を測定し、所定の操作を行うと(例えばマイクロメータに設けられたボタンを押下すると)、マイクロメータから測定データが管理コンピュータ3に無線通信により送信される。
なお、測定値入力部31が寸法の測定値を入力する方式はこれに限られるものではない。例えば特許文献1にあるような音声入出力装置を利用して、作業者が発音した寸法の測定値が管理コンピュータ3に入力される形態でもよい。或いは、作業者WがPDA等の携帯端末に寸法の測定値を入力すると、その測定値が無線通信により管理コンピュータ3に入力される形態でもよい。
【0014】
32は位置情報取得部であり、測定値入力部31に測定値が入力されたタイミングで、撮像装置2で得られた画像データに基づいて、厚鋼板1上又は厚鋼板1まわりにいる作業者Wの位置情報を取得する。そして、取得した作業者Wの位置情報を、測定値入力部31に入力された測定値と関連付けて記憶部34に記憶する。位置情報取得部32では、例えば撮像装置2で得られた画像データに基づいて、所定の画像処理により、厚鋼板1の輪郭を画定する。そして、厚鋼板1の一角部を座標原点(0,0)とし、厚鋼板1の幅方向をX方向、長さ方向をY方向とする座標系により作業者Wの位置情報を取得する。
【0015】
33は判定部であり、測定値入力部31に測定値が入力されたタイミングで、撮像装置2で得られた画像データに基づいて、所定の画像処理により、厚鋼板1上又は厚鋼板1まわりにいる作業者Wの向きを判定する。そして、判定した作業者Wの向きを、測定値入力部31に入力された測定値と関連付けて記憶部34に記憶する。
この場合に、例えば作業者Wの作業着やヘルメットに模様をつけたり、前後で色を異ならせたりする等して、画像処理により作業者Wの向きを判定しやすいようにしてもよい。
【0016】
このようにした管理コンピュータ3は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータ装置により実現される。なお、図1では管理コンピュータ3を単体の装置のように示したが、複数台の装置により構成されてもよい。
【0017】
以上の構成により、測定値入力部31に入力された測定値が、どの測定箇所での測定値であるのかを容易に判定することが可能になる。
例えば図1に示したように幅MIDを測定する場合、測定値入力部31に測定値が入力されたタイミングでの作業者Wの位置情報を取得すれば、幅MIDを測定していると判定することは容易である。長さセンターを測定する場合も同様である。また、9箇所での板厚を測定する場合も、測定値入力部31に測定値が入力されたタイミングで作業者Wの位置情報を取得すれば、どこの板厚を測定しているのかを判定することは容易である。
【0018】
その一方で、例えば図1の座標原点(0,0)付近に作業者Wがいて、巻尺4から測定データが管理コンピュータ3に送信された場合、作業者Wの位置情報を取得するだけでは、その測定値が、幅TOPであるのか、長さWSであるのか、対角交差であるのかを判定することは難しい。特に板幅であれば板長さや対角交差と測定値が大きく異なることなるが、板長さと対角交差とは測定値が似たような値となるので、いずれの測定値であるかを推定することが難しい。
この場合に、幅TOPを測定しているのであれば、作業者Wは矢印5方向に向いている。また、長さWSを測定しているのであれば、作業者Wは矢印6方向に向いている。また、対角交差を測定しているのであれば、作業者Wは矢印7方向に向いている。したがって、測定値入力部31に測定値が入力されたタイミングでの作業者Wの向きを判定することにより、測定値入力部31に入力された測定値が、どの測定箇所での測定値であるのかを容易に判定することができる。
【0019】
なお、位置情報取得部32により取得した作業者Wの位置情報と、判定部33により判定した作業者Wの向きとに基づいて、管理コンピュータ3が測定箇所を自動判定する構成としてもよい。或いは、管理コンピュータ3では、位置情報取得部32により取得した作業者Wの位置情報と、判定部33により判定した作業者Wの向きとを、測定値入力部31に入力された測定値と関連付けて記憶部34に記憶するだけとして、測定箇所を判定するのは人手によるものでもよい。
【0020】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、撮像装置2で得られた画像データに基づいて、作業者Wの向きを判定するようにしたが、それに代えて又はそれに加えて、撮像装置2で得られた画像データに基づいて、巻尺4の帯4aを認識するようにしてもよい。
図2に、第2の実施形態に係る鋼板の寸法測定支援システムの概略構成を示す。図2に示すように、図1に示した判定部33に代えて、巻尺認識部35を備える。
巻尺認識部35では、測定値入力部31に測定値が入力されたタイミングで、撮像装置2で得られた画像データに基づいて、所定の画像処理により、厚鋼板1上に張られた巻尺4の帯4aを認識する。そして、巻尺4の帯4aが張られている方向を、測定値入力部31に入力された測定値と関連付けて記憶部34に記憶する。
この場合に、例えば巻尺4の帯4aを所定の色にする等して、画像処理により巻尺4の帯4aを認識しやすいようにしてもよい。
【0021】
幅TOPを測定しているのであれば、巻尺4の帯4aは二点鎖線8に沿って張られた状態となる。また、長さWSを測定しているのであれば、巻尺4の帯4aは二点鎖線9に沿って張られた状態となる。また、対角交差を測定しているのであれば、巻尺4の帯4aは二点鎖線10に沿って張られた状態となる。したがって、測定値入力部31に測定値が入力されたタイミングでの巻尺4の帯4aを認識することにより、測定値入力部31に入力された測定値が、どの測定箇所での測定値であるのかを容易に判定することができる。
なお、図2では判定部33に代えて巻尺認識部35を備えると説明したが、判定部33及び巻尺認識部35の両方を備えていてもよい。
【0022】
(第3の実施形態)
第1、2の実施形態では、厚鋼板1上又は厚鋼板1まわりにいる作業者Wの位置情報を取得するのに、撮像装置2で得られた画像データを用いるようにしたが、例えば局所エリアを認識するGPS(Global Positioning System)を利用してもよい。
【0023】
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上記実施形態では、管理コンピュータ3が位置情報取得部32、判定部33、巻尺認識部35を備える構成を説明したが、管理コンピュータ3とは別の装置が位置情報取得部32、判定部33、巻尺認識部35として機能する構成でもよい。
【符号の説明】
【0024】
1:厚鋼板、2:撮像装置、3:管理コンピュータ、4:巻尺、4a:帯、31:測定値入力部、32:位置情報取得部、33:判定部、34:記憶部、35:巻尺認識部
図1
図2
図3
図4