(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャビティ部と前記吸引力弱化機構を構成する凹部とを併せた最大の寸法は、前記ワークの最大の寸法よりも大きい、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び
図2は、この発明の一実施の形態であるチップ部品搬送装置を示す正面図解図である。
【0011】
チップ部品搬送装置10は、ベースプレート12を有する。
本実施の形態では、ベースプレート12は、設置スペースにおいて鉛直方向に延びるように立設されている。
ベースプレート12は、鉛直方向から傾斜されていてもよく、またベースプレート12は、水平方向に延びるように配置されていてもよい。
【0012】
ベースプレート12の一方面12a上に、第1の搬送ベース14が配置されている。
第1の搬送ベース14は、本実施の形態では、円板状のプレートであるが、角板状等の他の形状を有していてもよい。
第1の搬送ベース14は、ベースプレート12に対して固定されている。
第1の搬送ベース14の一方主面は、チップ部品100をスライドさせて搬送するための搬送面14aとして用いられる。搬送面14aは、平滑な面で構成される。
【0013】
第1の搬送ベース14の搬送面14a上には、搬送媒体としての搬送ローター16が配置される。
搬送ローター16は、円板状の形状を有する。搬送ローター16は、例えば金属もしくは合成樹脂などの硬質材料からなる。
搬送ローター16は、中心軸18の周りに回転し得るように配置されており、該中心軸18が、第1の搬送ベース14を貫通するようにして駆動装置20に連結されている。駆動装置20により、搬送ローター16は、時計回りに回転移動されるように構成されている。
【0014】
なお、本実施の形態では、搬送ローター16が中心軸18の周りに時計回りに回転されるが、搬送ローター16が固定されており、第1の搬送ベース14が中心軸18周りに回転するように構成されてもよく、また、第1の搬送ベース14と搬送ローター16の双方が中心軸18の周りに異なる速度で回転するように構成してもよく、あるいは逆方向に回転されるように構成されてもよい。
すなわち、搬送ローター16が、相対的に第1の搬送ベース14の搬送面14aに対して移動されるように構成されておりさえすればよい。
【0015】
この搬送ローター16の外周の近傍には、複数のキャビティ部22が周方向に整列配置されている。
搬送ローター16は、円盤状に形成され、その中心点に対して同心円状に複数のキャビティ部22が形成される。キャビティ部22は、搬送ローター16の両主面を貫通するようにして、四角形状に形成される。なお、
図4においては、キャビティ部22は、円形に並べられた1列のみを示してあるが、実際には、
図1に示すように、同心円状に複数列のキャビティ部22が形成される。
キャビティ部22は、ワークとしてのチップ形電子部品が嵌挿される収納部を構成している。
【0016】
搬送ローター16は、上下方向から傾斜されていてもよく、また搬送ローター16は、水平方向に延びるように配置されていてもよい。
搬送ローター16は、鉛直方向から傾斜するように配置されていると、チップ部品100をキャビティ部22に収容しやすい。
搬送ローター16は、鉛直方向に沿うように設置されると、表面と裏面のどちらが開放された場合も同じ状態になるため、キャビティ部22からチップ部品100が落ちにくい。
【0017】
図4及び
図6から明らかなように、搬送ローター16は、第1の搬送ベース14の搬送面14a上に当接もしくは近接されている第1の主面16aと、第1の主面16aとは反対側の面である第2の主面16bとを有する。キャビティ部22は、第1の主面16aから第2の主面16bに亘って貫通している。
キャビティ部22は、第1の主面16a及び第2の主面16bと直交ないしは交差する面であって、チップ部品100の外周面に対向する面を備える。
キャビティ部22の第2の主面16bにおける挿入口は、チップ部品100が入り込み得る大きさの開口を形成されている。
第1の主面16aとは、第1の搬送ベース14側の面であり、第2の主面16bとは、チップ部品100の投入側の面であって、キャビティ部22におけるチップ部品100の挿入口側の面である。
【0018】
本実施の形態では、キャビティ部22は、第2の主面16bにおいて方形の開口形状を有する挿入口部を設けられている。
本実施の形態では、この複数のキャビティ部22は、周方向に2列形成されている。
もっとも、複数のキャビティ部22からなる列の数は、特に限定されず、1列、あるいは3列以上の形態で、複数のキャビティ部22が配置されてもよい。
【0019】
チップ部品搬送装置10で搬送し、検査される、ワークたるチップ部品100は、
図3に示すように、たとえば略直方体又は略立方体の基体102の両端に外部電極104が形成されたものである。チップ部品100は、6つの平面で囲まれた六面体である。チップ部品100は、キャビティ部22の幅(W
1)寸法より小さい幅(W)と、キャビティ部22の長さ(L
1)寸法より小さい高さ(T)と、キャビティ部22の深さ寸法より大きい奥行き(D)とを備える(
図16参照)。
このようなチップ部品100の例としては、たとえばチップ型コンデンサなどがあるが、それに限られず、チップ型の部品であれば何でもよい。
【0020】
搬送ローター16は、第1の搬送ベース14の搬送面14a側の第1の主面16a側において、キャビティ部22に連なる第1の吸引溝40を形成されている。第1の吸引溝40は、同心円状に配列されたキャビティ部22の外周側において、それぞれのキャビティ部22の第1の搬送ベース14側(チップ部品100の挿入口とは反対側)に形成される。
又、第1の吸引溝40は、キャビティ部22の深さ方向(すなわちチップ部品100の搬送方向と交差ないしは直交する方向)において、キャビティ部22の内周面側の開口が、チップ部品100の最も小さい寸法より面と隣り合う面又は背中合わせの面の高さ(H)又は奥行き(D)又は幅(W)より小さい寸法を有し、そのチップ部品100の面によって塞がれる面積を有している。
キャビティ部22の洞内は、第1の吸引溝40から吸引して吸引機構により真空を発生させ、キャビティ部22内の負圧状態を保っている。
キャビティ部22内を真空状態にする吸引機構は、第1の吸引溝40によって構成される。
【0021】
搬送ローター16は、チップ部品100を挿入する側である第2の主面16bの側において、キャビティ部22に連通する補助の凹部(第2の吸引溝42)が形成されている。
補助の凹部は、チップ部品100がキャビティ部22に正しく収容されないときに、凹部の周辺において、正しく収容されないチップ部品100を吸引する(吸引機構によりキャビティ部22内を負圧化させる)吸引力を弱化させる吸引力弱化機構を構成する。
吸引力弱化機構を構成する補助の凹部の周辺は、大気開放状態となり、キャビティ部22内の真空度が低下するようにされた、真空漏れ発生部により構成されている。
【0022】
この実施の形態においては、補助の凹部は、第2の吸引溝42によって構成される。
第2の吸引溝42は、キャビティ部22の周縁に向けて開口した、平面視U字形の竪穴であり、第1の吸引溝40が形成された第1の主面16aとは反対側の第2の主面16bの側であって、略々同一の位置に形成されている。
第2の吸引溝42は、搬送ローター16の搬送面50a側において、キャビティ部22に連なる。第2の吸引溝42は、同心円状に配列されたキャビティ部22の外周側において、それぞれのキャビティ部22の前記第1の吸引溝40とは反対側(チップ部品100の挿入口側)に形成される。
【0023】
前記補助の凹部は、搬送対象物たるチップ部品100を収容できないサイズであって、チップ部品100がキャビティ部22に嵌挿されないで第2の主面16bの面上に載置されたときに、真空漏れするサイズである真空漏れ溝部である(
図17参照)。
前記補助の凹部は、第2の主面16bにおけるチップ部品100の搬送方向に沿う幅で、搬送対象物たるチップ部品100の幅(W)寸法又は奥行き(D)寸法又は高さ(H)寸法より小さい幅(第2の主面16bにおける幅)の真空漏れ溝部である。
第2の吸引溝42の幅(W
2)寸法は、チップ部品100の幅(W)寸法より小さく、又、第2の吸引溝42の長さ(L
2)寸法は、チップ部品100の奥行き(D)寸法より小さい。
あるいは、第2の吸引溝42の幅(W
2)寸法は、チップ部品100の幅(W)寸法より小さく、又、第2の吸引溝42の幅(W
2)寸法は、チップ部品100の高さ(H)寸法より小さい。
前記キャビティ部22と前記吸引力弱化機構を構成する凹部である第2の吸引溝42とを併せた最大の寸法は、前記チップ部品100の最大の寸法よりも大きい。
キャビティ部22の挿入口に対してチップ部品100の幅と高さで構成された面が対向するような姿勢の場合、そのままキャビティ部22に嵌挿されるが、それ以外の姿勢の場合、第2の吸引溝42がないと、キャビティ部22の挿入口をチップ部品100が塞いでしまい、真空吸着により搬送ロータ16の外表面に貼り付いてしまう。しかし、チップ部品100の最も大きな面積である幅と奥行きで構成される面の面積より、キャビティ部22の挿入口と、それに連通する第2の吸引溝42の開口部分を併せた面積が大きい場合、があるため、キャビティ部22の挿入口もしくは、第2の吸引溝42の開口部から確実に真空漏れを起こすことにより搬送ロータ16の主面より落下させることができる。またキャビティ部22の挿入口の中で最も長い辺(L
1)とそれと同様な方向に続く第2の吸引溝42の開口部の辺(L
2)とを合わせた寸法が、チップ部品100の最も大きい寸法より長くても、キャビティ部22もしくは第2の吸引溝42を同時に塞ぐことなく、キャビティ部22もしくは第2の吸引溝42より真空漏れをさせることができる。
したがって、チップ部品100がキャビティ部22の挿入口の周辺に載置されたときに、キャビティ部22の挿入口と第2の吸引溝42の第2の主面16b側の開口部分とを完全に塞がない面積および形状であることが必要である。
【0024】
第2の吸引溝42である補助の凹部の第2の主面16bにおける面の広さ(面積)は、チップ部品100の最も小さな面の広さ(面積)よりも小さい。
ここに、補助の凹部の面の広さ(面積)は、第2の主面16bにおける第2の吸引溝42のキャビティ部22に連通する空間の直線又は空間曲線(直線の部分又は曲線の部分)と第2の吸引溝42を形成する線分とによって囲まれた空間の広さをいう。
【0025】
補助の凹部は、キャビティ部22の深さ方向(すなわちチップ部品100の搬送方向と交差ないしは直交する方向)において、第1の吸引溝40に達しない高さ(深さ)を備える。
補助の凹部は、チップ部品100の一部分がキャビティ部22の挿入口より入り込んだときに、チップ部品100の入り込んだ部分によって第2の吸引溝42を塞がないような面積を備える。
補助の凹部は、第2の主面16b側の第2の吸引溝42の開口部分又はチップ部品100の搬送方向と直交又は交差する方向におけるキャビティ部22の周面側の開口部分を、キャビティ部22の挿入口より入り込んだチップ部品100の一部分によって塞がれない形状であり、面積を備える。
【0026】
キャビティ部22内に正しい姿勢で収容されたチップ部品100は、第1の吸引溝40を略々塞ぎ、吸引機構によりキャビティ部22内に正しく収容された状態を維持して、搬送される。
一方、キャビティ部22内に正しい姿勢で収容されないチップ部品100は、第1の吸引溝40を塞ぐことはなく、且つ、第2の吸引溝42を塞ぐこともない。
そのために。第2の吸引溝42により、真空漏れが発生して、搬送ローター16の第1の主面上に載った状態のまま移送されるか、搬送ローター16の第2の主面16b上から落下する。
【0027】
搬送ローター16の第2の主面16bが平滑な面で第2の吸引溝42が溝形状であれば、次の利点がある。
姿勢不良のチップ部品100をかき取るスキージ(図示せず)が引っかかることがない。
凸部ではないので、チップ部品100が引っかかって供給時のチップ部品100の流れが悪くなることがない。また、チップ部品100を供給するパーツフィーダーと搬送ローター16間にチップ部品100が引っかかってチップ部品100を供給しにくくなることがない。
チップ部品搬送装置10を測定機として用いる場合にも、凸部が測定端子に接触し、測定端子とチップ部品100との接触を阻害することで発生する、接触不良を起こす可能性がない。
【0028】
チップ部品搬送装置10は、チップ部品供給部24が設けられ、チップ部品搬送装置10により搬送されるワークであるチップ部品100が供給される。
チップ部品搬送装置10で搬送されるチップ部品100は、搬送途中に設けられた第1チップ部品検査機構26及び第2チップ部品検査機構28まで搬送され、複数の特性が測定される。
【0029】
チップ部品100は、
図4及び
図6に示すように、前記キャビティ部22に、搬送ローター16の第2の主面16b側から、チップ部品供給部24により挿入される。このチップ部品供給部24としては、ホッパー、フィーダーや適宜の電子部品供給装置を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0030】
第1の搬送ベース14は、
図5において、前記搬送ローター16を取り外し、第1の搬送ベース14の搬送面14aを露出させた状態を示すように、搬送面14aには、2ないし4本の環状の第1の吸引用溝部30及び吸引用溝部(図示せず)が、同心円上に設けられている。
この第1の吸引用溝部30は、第1の搬送ベース14上に配置されている搬送ローター16のキャビティ部22の一部に後述の第1の吸引溝40及び吸引溝(図示せず)を介して連ねられるように、複数のキャビティ部22の間の間隔より広い間隔をおいて、設けられている。同心円上に2ないし4本の第1の吸引用溝部30が設けられているのは、複数のキャビティ部22が周方向に2ないし4列整列配置されていることによる。
すなわち、一方の第1の吸引用溝部30は、複数のキャビティ部22からなる2ないし4列の内、外側の列の径方向外側に位置しており、他方の第1の吸引用溝部30は、キャビティ部22の小さな径の列の径方向外側に位置されている。
そして、外側の列のキャビティ部22に、第1の吸引溝40を介して、第1の吸引用溝部30が接続されており、内側の列のキャビティ部22には、第1の吸引溝40により、内側の第1の吸引用溝部30が接続される。
第1の吸引用溝部30の適宜な距離をおいて離れた2箇所に、吸引孔32が形成される。吸引孔32は、たとえば真空ポンプなどの真空発生源に連結される。
第1の吸引用溝部30は、
図6及び
図7に示すように、真空発生源などとともに吸引機構を構成する。
【0031】
第1の吸引溝40は、第1の搬送ベース14の搬送面14a側であって搬送ローター16の第1の主面16a側において、キャビティ部22に連なる。第1の吸引溝40は、同心円状に配列されたキャビティ部22の外周側において、それぞれのキャビティ部22の第1の搬送ベース14側(チップ部品100の挿入口とは反対側)に形成される。この第1の吸引溝40は、その一部が前記第1の吸引用溝部30に重なり合う位置に設けられている。そして、円形に配置された1列のキャビティ部22の外側の第1の吸引溝40は、第1の搬送ベース14の搬送面14a側のリング状の第1の吸引用溝部30と連結される。
第1の吸引溝40は、第1の吸引用溝部30とともに吸引機構を構成する。
【0032】
図6及び
図7に示すように、前記キャビティ部22は、第1の主面16a側において、搬送ローター16の径方向に延びる第1の吸引溝40に連ねられている。
従って、チップ部品100は、第1の吸引用溝部30から真空発生源により吸引することによって、その負圧によりキャビティ部22内において正しい位置に保持される。
【0033】
チップ部品100は、正しい姿勢でキャビティ部22内に吸引されて嵌挿されたときは、第1の吸引溝40を塞ぎ、負圧化されたキャビティ部22内に吸引保持された状態で、搬送ローター16の回転に伴い下流側に搬送される。
一方、正しい姿勢でキャビティ部22内に吸引されないチップ部品100は、キャビティ部22の挿入口付近に存在しても、大気開放部たる第2の吸引溝42によって真空漏れ発生を起こして、キャビティ部22に吸引保持されることなくキャビティ部22から離れて、搬送ローター16の第2の主面16b上を転動するか、落下してしまう。
【0034】
前記第1の搬送ベース14は、前記搬送ローター16が回転する際にキャビティ部22が通る軌道の一部を露出させる開放部34を備える。
開放部34は、第1の搬送ベース14の外周縁より中心軸18側に向けて、平面視略扇形に開口するように、第1の搬送ベース14の一部を穿たれて形成されている。
開放部34は、第2チップ部品検査機構28で検査できる長さ及び幅を備える。
開放部34は、搬送ローター16の回転方向において、チップ部品供給部24及び第1チップ部品検査機構26より下流側に形成されている。
【0035】
開放部34は、搬送ローター16の回転方向における上流側であって、キャビティ部22が開放部34の領域に入る受け渡し入り口側端36と、搬送ローター16の回転方向における下流側であって、キャビティ部22が開放部34の領域に入る受け渡し出口側端38とを備える。
【0036】
前記搬送ローター16の一方の面側には、前記第1の搬送ベース14の開放部34の領域において、前記搬送ローター16のキャビティ部22を覆う第2の搬送ベース50が配置されている。
第2の搬送ベース50は、搬送ローター16の回転方向であって周方向にのびて複数個のキャビティ部22を覆う長さと、搬送ローター16の径方向にのびて複数列のキャビティ部22を覆う幅とを備える、平面視扇形の板状体である。
第1の搬送ベース14と第2の搬送ベース50とは、前記開放部34の受け渡し入り口側端36及び/又はキャビティ部22の受け渡し出口側端38の領域において、前記搬送ローター16の一方の面に対して垂直方向から視て、一部が重なる重なり部分を有する。この重なり部分は、第1の搬送ベース14から第2の搬送ベース50へチップ部品100を受け渡す、受け渡し部60を構成する。ここに、垂直方向とは、重力の方向ではなく、第1の搬送ベース14の搬送面14a又は第2の搬送ベース50の搬送面50aに略直交するか交差する方向をいう。
受け渡し部60は、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されて搬送されるチップ部品100を、搬送ローター16の回転に伴い、上流側の第1の搬送ベース14から下流側の第2の搬送ベース50に受け渡す機能を備え、又、上流側の第2の搬送ベース50から下流側の第1の搬送ベース14に受け渡す機能を備える。第1の搬送ベース14の第1の吸引用溝部30と後述する第2の搬送ベース50の第2の吸引用溝部80とは、受け渡し部60において重なり部分を有しないが、第1の吸引用溝部30の下流側端と第2の吸引用溝部80の上流側端とは上下方向において同一位置にある。
第1の搬送ベース14の第1の吸引用溝部30と第2の搬送ベース50の第2の吸引用溝部80とが一部重なるところがあるので、チップ部品100を落とさず、うまくチップ部品100をスライドさせて、チップ部品100の受け渡しができる。
【0037】
受け渡し部60は、第1の搬送ベース14の受け渡し入り口側端36の近傍の第1の受け渡し部62と第2の搬送ベース50の上流側(受け渡し入り口側端36の近傍)の第2の受け渡し部64とを含む。
第1の受け渡し部62と第2の受け渡し部64とは、それぞれ適宜な間隔をおいた平行な面で構成される。
この実施の形態においては、第1の受け渡し部62は、チップ部品100を第2の搬送ベース50側に渡す、渡し口を構成し、第2の受け渡し部64は、チップ部品100を第1の搬送ベース14から受け取る、受け取り口を構成する。
受け渡し部60は、第1の搬送ベース14の前記第1の受け渡し部62より下流側(受け渡し出口側端38の近傍)であって、開放部34に臨む第3の受け渡し部66と第2の搬送ベース50の下流側(受け渡し出口側端38の近傍)の第4の受け渡し部68とを含む。
第3の受け渡し部66と第4の受け渡し部68とは、それぞれ適宜な間隔をおいた平行な面で構成される。
この実施の形態においては、第4の受け渡し部68は、チップ部品100を第2の搬送ベース50側から再び第1の搬送ベース14側に渡す、渡し口を構成し、第3の受け渡し部66は、チップ部品100を第2の搬送ベース50側から受け取る、受け取り口を構成する。
【0038】
第1の搬送ベース14と第2の搬送ベース50とは、前記重なり部分(開放部34の受け渡し入口及び受け渡し出口)において、チップ部品100の搬送ローター16の主面から一部が飛び出すことを防ぐためのワーク飛び出し規制部70を有する。
ワーク飛び出し規制部70は、第1の搬送ベース14及び/又は第2の搬送ベース50の端の搬送ローター16に向き合う面が搬送ローター16から離れるような、傾斜部分、凹み部分あるいは段差部分からなる。
また、ワーク飛び出し規制部70は、傾斜によって、チップ部品100の受け渡し時に、チップ部品100が受け手側の第2の搬送ベース50及び第1の搬送ベース14に当たるのを防ぐことができる。
【0039】
第1の搬送ベース14は、受け渡し部60に至る前においては、一定の高さの平滑な搬送面14aを有しており、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されたチップ部品100は、第1の搬送ベース14側の一部が搬送面14aに接し、それとは反対側の一部が第1の搬送ベース14とは反対側に飛び出した状態で搬送される。
第1の搬送ベース14の受け渡し部60は、一定の高さの平滑な搬送面14aより漸次搬送ローター16から離れる面を有しており、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されたチップ部品100は、キャビティ部22内で滑り落ちて傾斜あるいは凹み面に接し合う。
そして、チップ部品100は、第1の搬送ベース14とは反対側の搬送ローター16の主面から飛び出していた一部が、キャビティ部22内に引っ込み、飛び出した部分がキャビティ部22内に収容される。
搬送ローター16の回転に伴い、第2の搬送ベース50側に渡されたチップ部品100は、チップ部品100を受け取った第2の搬送ベース50の搬送面50aの表面をスライドして搬送される。
第2の搬送ベース50は、下流側の受け渡し部60に至る前においては、一定の高さの搬送面50aを有しており、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されたチップ部品100は、第2の搬送ベース50側の一部が搬送面50aに接し合い、それとは反対側の一部が第2の搬送ベース50とは反対側に飛び出した状態で、搬送ローター16を摺動させる。
第2の搬送ベース50の受け渡し部60は、一定の高さの平滑な搬送面50aにより漸次搬送ローター16から離れる面を有しており、搬送ローター16のキャビティ部22に収容されたチップ部品100は、第2の吸引溝42及び第2の吸引用溝部80によって真空吸引されて、第2の搬送ベース50側に引っ張られる。
そして、チップ部品100は、第2の搬送ベース50とは反対側の搬送ローター16の主面から飛び出していた一部が、キャビティ部22内に引っ込み、飛び出した部分がキャビティ部22内に収容される。
チップ部品100は、キャビティ部22内に収容されて第1の搬送ベース14の受け渡し部60側において搬送ローター16の表面より飛び出した部分が無い状態で、再び第1の搬送ベース14の受け渡し部60に渡される。
チップ部品100は、搬送ローター16の回転に伴い、受け取った第1の搬送ベース14の搬送面14aの表面をスライドして、搬送される。
【0040】
第1の受け渡し部62は、チップ部品100の移送方向に沿って漸次その高さが低くなる、すなわちその厚さが薄くなって搬送ローター16より離れる傾斜面ないし凹み面をもって構成されるワーク飛び出し規制部70を有する。
第2の受け渡し部64は、チップ部品100の移送方向に沿って漸次その高さが低くなる、すなわちその厚さが薄くなって搬送ローター16より離れる傾斜面ないし凹み面をもって構成されるワーク飛び出し規制部70を有する。
第3の受け渡し部66は、チップ部品100の移動方向に沿って漸次その高さが高くなる、すなわちその厚さが薄くなって搬送ローター16より離れる傾斜面ないし凹み面をもって構成されるワーク飛び出し規制部70を有する。
第4の受け渡し部68は、チップ部品100の移動方向に沿って漸次その高さが高くなる、すなわちその厚さが薄くなって搬送ローター16より離れる傾斜面ないし凹み面をもって構成されるワーク飛び出し規制部70を有する。
【0041】
第2の搬送ベース50は、その下面が搬送ローター16に対向して、チップ部品100をスライドさせて搬送するための搬送面50aとして用いられる。
第2の搬送ベース50の搬送面50aは、搬送ローター16の第2の主面16bと平行に形成された、平滑な面である。
【0042】
第2の搬送ベース50は、搬送面50aには、2ないし4本の円弧状の第2の吸引用溝部80及び吸引用溝部(図示せず)が、同心円上に設けられている。
この第2の吸引用溝部80は、第2の搬送ベース50上に配置されている搬送ローター16のキャビティ部22の一部に後述の第2の吸引溝42及び吸引溝(図示せず)を介して連ねられるように、複数のキャビティ部22の間の間隔より広い間隔をおいて、設けられている。同心円上に2ないし4本の第2の吸引用溝部80が設けられているのは、複数のキャビティ部22が周方向に2ないし4列整列配置されていることによる。
すなわち、一方の第2の吸引用溝部80は、複数のキャビティ部22からなる2ないし4列の内、外側の列の径方向外側に位置しており、他方の第2の吸引用溝部80は、キャビティ部22の小さな径の列の径方向外側に位置されている。
そして、外側の列のキャビティ部22に、第2の吸引溝42を介して、第2の吸引用溝部80が接続されており、内側の列のキャビティ部22には、第2の吸引溝42により、内側の第2の吸引用溝部80が接続される。
第2の吸引用溝部80には、吸引孔82が形成される。吸引孔82は、たとえば真空ポンプなどの真空発生源に連結される。
第2の吸引用溝部80は、
図6に示すように、真空発生源などとともに吸引機構を構成する。
【0043】
第2の吸引溝42は、搬送ローター16の搬送面50a側において、キャビティ部22に連なる。第2の吸引溝42は、同心円状に配列されたキャビティ部22の外周側において、それぞれのキャビティ部22の第2の搬送ベース50側に形成される。この第2の吸引溝42は、その一部が前記第2の吸引用溝部80に重なり合う位置に設けられている。そして、円形に配置された1列のキャビティ部22の外側の第2の吸引溝42は、第2の搬送ベース50の搬送面50a側の円弧状の第2の吸引用溝部80と連結される。
第2の吸引溝42は、第2の吸引用溝部80とともに、吸引機構を構成する。
【0044】
図6に示すように、前記キャビティ部22は、第2の主面16b側において、搬送ローター16の径方向に延びる第2の吸引溝42に連ねられている。
従って、チップ部品100は、第2の吸引用溝部80から真空発生源により吸引することによって、その負圧によりキャビティ部22内において正しい位置に保持される。
【0045】
チップ部品100が正しい姿勢でキャビティ部22に嵌挿される場合として、
図12及び
図13に示すような次の場合がある。
チップ部品100が、
図12及び
図13のチップ部品100aのように、キャビティ部22に嵌挿され、第1の吸引溝40を塞ぐが、第2の吸引溝42を塞がず、第2の吸引溝42からわずかな真空漏れをする。
正規の姿勢でチップ部品100が挿入される場合には、チップ部品100の最も小さな面がキャビティ部22の底に向かう状態で嵌挿される。
チップ部品100が姿勢不良でキャビティ部22の挿入口周辺に載置されている場合として、
図12及び
図13に示すような次の場合がある。
チップ部品100が、
図12及び
図13のチップ部品100bのように、キャビティ部22に嵌挿されないで、第2の吸引溝42を塞がず、第2の吸引溝42から真空漏れをする。
チップ部品100が、
図12及び
図13のチップ部品100cのように、チップ部品100の一部分がキャビティ部22の挿入口より入り込み、第2の吸引溝42を塞がず、第2の吸引溝42から真空漏れをする。
【0046】
前記第1の搬送ベース14及び第2の搬送ベース50は、チップ部品100を吸引するための吸引機構を備えており、吸引機構によりキャビティ部22の洞内を負圧化し、チップ部品100を吸引することにより、チップ部品100を保持したまま移動できる。
また、チップ部品100を吸引することにより、キャビティ部22内においてチップ部品100の位置を固定することができる。引いては、検査アルゴリズムの簡略化による処理時間の短縮化を図ることができる。
【0047】
前記第1の搬送ベース14と第2の搬送ベース50とは、垂直方向から視て、それぞれに備える吸引機構が重ならないように形成されている。ここに、垂直方向とは、重力の方向ではなく、第1の搬送ベース14の搬送面14a又は第2の搬送ベース50の搬送面50aに略直交するか交差する方向をいう。
第1の搬送ベース14側の第1の吸引溝40と第2の搬送ベース50側の第2の吸引溝42とによって、チップ部品100を両面から吸引されると、チップ部品100が安定しなくなるおそれがあるため、第1の搬送ベース14側の第1の吸引溝40と第2の搬送ベース50側の第2の吸引溝42とが重ならない方がよい。
【0048】
第1の搬送ベース14と第2の搬送ベース50とは、同時に吸引しないほうがよい。第1の搬送ベース14側の第1の吸引溝40と第2の搬送ベース50側の第2の吸引溝42とによって、チップ部品100を両側から同時に吸引すると、チップ部品100の頭部をキャビティ部22から頭出しする頭出し方向を変えることができず、キャビティ部22から飛び出た部分が、受け渡される方の搬送ベースに接触してしまうおそれがあるからである。
【0049】
また、第1の搬送ベース14に設けられた第1の吸引用溝部30と第2の搬送ベース50に設けられた第2の吸引用溝部80は、前記搬送ローター16の表面(回転方向)に対して垂直方向から視て、重なっていない方が好ましい。ここに、垂直方向とは、重力の方向ではなく、搬送ローター16の第1の主面16a又は第2の主面16bに略直交するか交差する方向をいう。
また、
図11に示すように、第1の搬送ベース14に設けられた第1の吸引用溝部30と第2の搬送ベース50に設けられた第2の吸引用溝部80は、前記搬送ローター16の表面(回転方向)に対して垂直方向から視たときに、重なっている場合には、渡す側の吸引力に比べて、受け取る側の吸引力を強くするとよい。
【0050】
このチップ部品搬送装置10は、前記搬送ローター16の一方の面側に設けられた第1チップ部品検査機構26と、前記搬送ローター16の他方の面側に設けられた第2チップ部品検査機構28とを、更に備える。
【0051】
第1チップ部品検査機構26は、チップ部品100の外観を撮像することができるカメラを有し、且つ、カメラによる撮像される部分を明るくするための照明を有する。
第1チップ部品検査機構26は、開放部34より上流側において、搬送ローター16のキャビティ部22に収納されて移送されるチップ部品100の上側及びその近傍を撮像するために、設けられる。
【0052】
第2チップ部品検査機構28は、チップ部品100の外観を撮像することができるカメラを有し、且つ、カメラによる撮像される部分を明るくするための照明を有する。
第2チップ部品検査機構28は、開放部34において、第2の搬送ベース50側から搬送ローター16のキャビティ部22に収納されて移送されるチップ部品100を撮像するために、設けられる。
通常、第1の搬送ベース14の一部をガラスなどの透過性部材を用いることで、第2チップ部品検査機構28により、チップ部品100の裏面を検査することになるが、第1の搬送ベース14から第2の搬送ベース50へチップ部品を移し変える機構のため、ガラスが介在せず、ガラスの傷や汚れ等による検査精度の低下が無く、メンテナンスをするための時間などの短縮が図れる。
なお、第2チップ部品検査機構28のカメラ撮像の際に照明をあてるので、開放部34は広くする必要がある。
【0053】
キャビティ部22の一方の面側から他方の面側の厚み寸法は、チップ部品100の長さより寸法も小さく形成されている。
したがって、キャビティ部22からチップ部品100の一部が突出することになるので、第2チップ部品検査機構28のカメラのレンズのピントがチップ部品100の外面とキャビティ部22の淵でずらすことが可能となり、チップ部品100の外形の検出が容易になり、第2チップ部品検査機構28による検査精度が向上する。
【0054】
特性が測定されたチップ部品100は、チップ部品取出し部90で回収される。このとき、特性の測定結果によって、たとえば良品と不良品などのように分類されて、チップ部品100が回収される。
【0055】
この実施の形態においては、チップ部品取出し部90において、第1の搬送ベース14の所定の位置に、圧縮空気を噴出するための噴出孔92が形成される。噴出孔92は、複数のキャビティ部22に対応する間隔で形成される。そして、1つのキャビティ部22に対応して、たとえば2つの噴出孔92が形成される。この2つの噴出孔92は、キャビティ部22に吸引保持されたチップ部品100の重心が移動する重心移動ラインの両側に配置される。つまり、搬送ローター16が回転することによって、キャビティ部22に吸引保持されたチップ部品100の重心は円形の軌道を描いて移動するが、この円形の軌道の両側に2つの噴出孔92が配置される。
【0056】
図4に示したように、噴出孔92は、第1の搬送ベース14の搬送面14a上において、前記環状に設けられた第1の吸引用溝部30の側方において、チップ部品取出し部90の取り出し位置に相当する位置に配置されている。
【0057】
噴出孔92は、圧縮空気供給源に接続されており、噴出孔92の孔口から圧縮空気を噴出させ得るように形成されている。
【0058】
図4及び
図7に示すように、キャビティ部22が、チップ部品100を取り出す位置にきた際には、キャビティ部22は、噴出孔92に重なり合う。そして、噴出孔92から、圧縮空気を噴出することにより、チップ部品100は、キャビティ部22から取り出される。
【0059】
また、チップ部品取出し部90において、搬送ローター16を挟んで噴出孔92と対向する位置に、チップ部品100を回収するためのホース94が取り付けられる。噴出孔92は、複数のキャビティ部22に対応する間隔で形成されているため、それに対応して複数のホース94が配置される。これらのホース94は、チップ部品100を分類するための複数の場所に導かれる。ホース94によってチップ部品100が所定の場所に分類されるため、チップ部品100の回収後におけるテーピングなどが容易となる。
【0060】
前記実施の形態のチップ部品搬送装置10によれば、表面側だけでなく裏面側にもチップ部品100を排出することができ、チップ部品100の搬送の自由度が向上する。チップ部品100の両面での搬送を行うため、搬送時にチップ部品100の片面に付くキズが従来よりも軽減される。
両面からチップ部品100を扱えるため、搬送とともに検査を行う際に、チップ部品100の両面の検査を行うことができる。
ワーク飛び出し規制部70は、チップ部品100の移し替え時にチップ部品100に対するダメージを低減させる。
第1の搬送ベース14と第2の搬送ベース50とは、チップ部品100を両面から保持し、また、吸引により安定してチップ部品100のキャビティ部22からの頭出し方向を変える事で、ワーク飛び出し規制部70との組み合わせにより、チップ部品のダメージ低減を確実にすることができる。
【0061】
次に、チップ部品搬送装置10の動作について、説明する。
I チップ部品供給部24のホッパーにチップ部品100を入れる。
II チップ部品100は、チップ部品供給部24のフィーダーを通って、搬送ローター16のキャビティ部22に振り込まれる。このとき、
図4及び
図6に示すように、外部電極104が搬送ローター16の厚み方向に配置されるようにして、チップ部品100がキャビティ部22に振り込まれる。キャビティ部22に振り込まれたチップ部品100は、第1の搬送ベース14の第1の吸引用溝部30、吸引孔32及び搬送ローター16の第1の吸引溝40を介して、キャビティ部22内に吸引保持される。したがって、チップ部品100は、第1の吸引溝40が形成された側、つまりキャビティ部22の洞内の一定の位置に
図15のチップ部品100eのように、保持される。
III チップ部品100が保持された状態で搬送ローター16が回転することにより、チップ部品100が円形軌道を描きながら搬送される。
搬送ローター16は、たとえば、周方向に、隣接するキャビティ部22の間隔で間歇回転することにより、第1チップ部品検査機構26のある領域でチップ部品100が一時停止する。
そして、第1チップ部品検査機構26によって、チップ部品100の特性が測定される。
また、チップ部品100は、表面撮像部、すなわち第1チップ部品検査機構26により、チップ部品100の片側の端面の外観検査を行う。
IV 搬送ローター16の回転に伴い、チップ部品100は、第1の搬送ベース14の第1の受け渡し部62から第2の搬送ベース50の第2の受け渡し部64に受け渡される。
V 搬送ローター16の回転に伴い、チップ部品100は、開放部34に至り、裏面撮像部たる第2チップ部品検査機構28により、IIIで撮影した端面とは反対側のチップ部品100の端面の撮像及び検査を行う。
VI 第2チップ部品検査機構28で特性が測定されたチップ部品100は、搬送ローター16の回転によって、チップ部品取出し部90まで搬送される。
チップ部品取出し部90では、噴出孔92から圧縮空気を噴出することにより、チップ部品100がキャビティ部22から飛び出し、ホース94で所定の場所に集められる。
このとき、チップ部品100の特性の測定結果により、搬送ローター16の周方向において、圧縮空気を噴出するキャビティ部22の位置が選択される。
そして、選択された位置において、噴出孔92からキャビティ部22内のチップ部品100に向かって圧縮空気供給源から圧縮空気を噴出させることにより、たとえば良品と不良品とに分類されて、チップ部品100が取り出される。
なお、噴出孔92から圧縮空気を噴出するときにも、第1の吸引溝40には真空発生源によって吸引がかけられている。
【0062】
吸引力弱化機構の形状は、前記実施の形態に限らず、この発明の思想に基づき変更することができる。
第2の吸引溝42は、キャビティ部22のチップ部品100の挿入口に連続して形成されないで、キャビティ部22の洞内の中間の高さ位置に穿設され、搬送ローター16の中を屈曲ないしはわん曲して搬送ローター16の第2の主面16bに開口してもよい。
又、第2の吸引溝42は、搬送ローター16の第2の主面16b側ではなく、それに隣接する面に形成され、第1の吸引溝40も同様に、搬送ローター16の第2の主面16b側ではなく、それに隣接する面に形成されてもよい。
【0063】
チップ部品100の形状や大きさが変わった場合には、キャビティ部22にチップ部品100が入らなくなったり、キャビティ部22内におけるチップ部品100の重心位置が変わって、重心移動ラインの位置が変わったりする。
チップ部品100は、キャビティ部22に嵌挿しないで、第1の吸引溝40を塞ぐことなく、第2の吸引溝42も塞ぐことがないような形状の場合には、第2の吸引溝42から真空漏れをしないので、その形状のチップ部品100は、搬送するに適しない。
チップ部品100は、キャビティ部22に部分的に嵌挿するのみで、第1の吸引溝40を塞ぐことなく、又、第2の吸引溝42を塞ぐこともない形状の場合には、第2の吸引溝42から真空漏れをすることがあっても、第1チップ部品検査機構26及び第2チップ部品検査機構28による検査に適しないので、その形状のチップ部品100は、搬送するに適しない。
チップ部品100は、
図14のチップ部品100eのように、キャビティ部22に嵌挿して、第1の吸引溝40を塞ぐことなく、且つ第2の吸引溝42を塞ぐ形状の場合には、第2の吸引溝42から真空漏れをしないので、又、第1チップ部品検査機構26及び第2チップ部品検査機構28による検査に適しないので、その形状のチップ部品100は、搬送するに適しない。
そのため、異なる大きさや形状のチップ部品100を搬送する際には、キャビティ部22、第1の吸引溝40及び第2の吸引溝42の位置及び大きさを変えた搬送ローター16に変更される。この搬送ローター16においては、チップ部品100の大きさや形状に合わせてキャビティ部22の大きさや形状が設定される。
このように、搬送ローター16を変えることによって、複数の種類のチップ部品100に対応することができる。
【0064】
また、搬送媒体は、円盤状の搬送ローター16に限らず、
図15に示すように、帯状の搬送ベルト216としてもよい。
この場合、第1の搬送ベース214も、搬送ベルト216の内側に接する円環状に形成される。第1の搬送ベース214は、開放部234が形成される。開放部234の領域において、第2の搬送ベース250が形成される。
搬送ベルト216には、複数のキャビティ部222が形成され、このキャビティ部222にチップ部品100が吸引保持される。搬送ベルト216には、キャビティ部222に連通する第2の吸引溝242が形成されている。
そして、第1の搬送ベース214の周囲に搬送ベルト216を周回させることによって、チップ部品100が搬送される。