特許第6183086号(P6183086)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000002
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000003
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000004
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000005
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000006
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000007
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000008
  • 特許6183086-通信装置及び通信プログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183086
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】通信装置及び通信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20170814BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20170814BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20170814BHJP
   H04W 4/02 20090101ALI20170814BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20170814BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G08G1/00 D
   H04W64/00 150
   H04W88/18
   H04W4/02 150
   G08G1/13
   H04M1/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-189985(P2013-189985)
(22)【出願日】2013年9月13日
(65)【公開番号】特開2015-56085(P2015-56085A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関塚 達也
(72)【発明者】
【氏名】松江 剛志
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 宗隆
【審査官】 久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−82200(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/114619(WO,A1)
【文献】 特開2005−300415(JP,A)
【文献】 特表2001−513891(JP,A)
【文献】 特開平10−30978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
H04M 1/00
H04W 4/02
H04W 64/00
H04W 88/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各保持体によりそれぞれ保持される複数の移動端末との間で通信を行う通信装置において、
前記複数の移動端末を保持する各保持体のうち、互いに衝突した2つ以上の保持体それぞれに保持された移動端末である相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得手段と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正手段と、
前記衝突位置補正手段により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の通信装置において、
前記衝突情報取得手段は、
各移動端末から前記衝突情報を取得するとともに、取得した前記衝突情報に基づいて、当該衝突情報の送信元の複数の前記移動端末のうち、互いに衝突した保持体の2つ以上の移動端末を前記相互衝突移動端末として特定する衝突端末特定手段を有することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項2記載の通信装置において、
前記衝突情報取得手段は、
各移動端末から、衝突位置の情報と、当該移動端末の位置検知精度の情報と、衝突時刻の情報とを含んだ情報を前記衝突情報として取得し、
前記衝突端末特定手段は、
前記衝突情報で示される衝突位置及び衝突時刻に基づいて、前記相互衝突移動端末を特定することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項3記載の通信装置において、
前記衝突情報取得手段は、
各相互衝突移動端末から、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報と、衝突時刻の情報と、衝突時刻までの移動経路の情報とを含んだ情報を前記衝突情報として取得し、
当該通信装置は、
前記衝突位置補正手段により補正された、前記少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置に基づいて、当該衝突位置までの当該相互衝突移動端末の移動経路を補正する移動経路補正手段を備え、
前記補正後衝突位置出力手段は、
前記移動経路補正手段により補正された移動経路を出力する補正後移動経路出力手段を有することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項4記載の通信装置において、
前記衝突位置補正手段は、
各相互衝突移動端末の衝突位置を補正し、
前記移動経路補正手段は、
前記衝突位置補正手段により補正された、各相互衝突移動端末の衝突位置に基づいて、当該衝突位置までの各相互衝突移動端末の移動経路を補正し、
前記補正後移動経路出力手段は、
前記移動経路補正手段により補正された、各相互衝突移動端末の移動経路を識別可能に表示する制御を行う移動経路識別表示制御手段を有することを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項2〜5の何れか一項に記載の通信装置において、
前記衝突位置補正手段は、
各相互衝突移動端末からの衝突情報に基づいて、各相互衝突移動端末についての位置検知精度の比を算出し、この比に基づいて各衝突位置を加重平均することで、前記少なくとも1つの前記相互衝突移動端末の衝突位置を補正することを特徴とする通信装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の通信装置において、
各移動端末の保持体の衝突回数を記憶する衝突回数記憶手段と、
各移動端末の保持体の衝突回数を出力する衝突回数出力手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
保持体に保持される移動端末であるとともに、複数の他の移動端末との間で通信を行う通信装置において、
現時点での位置情報を取得する位置情報取得手段と、
衝突を検知する衝突検知手段と、
当該通信装置と、前記複数の他の移動端末とから構成される複数の移動端末のうち、互いに衝突した保持体の2つ以上の相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得手段と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正手段と、
前記衝突位置補正手段により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項9】
各保持体によりそれぞれ保持される複数の移動端末との間で通信を行う通信装置で実行される通信プログラムにおいて、
前記通信装置に、
前記複数の移動端末を保持する各保持体のうち、互いに衝突した2つ以上の保持体それぞれに保持された移動端末である相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得機能と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正機能と、
前記衝突位置補正機能により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力機能と、
を実現させることを特徴とする通信プログラム。
【請求項10】
現時点での位置情報を取得する位置情報取得手段と、衝突を検知する衝突検知手段とを有して保持体に保持される移動端末であるとともに、複数の他の移動端末との間で通信を行う通信装置で実行される通信プログラムにおいて、
前記通信装置に、
当該通信装置と、前記複数の他の移動端末とから構成される複数の移動端末のうち、互いに衝突した保持体の2つ以上の相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得機能と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正機能と、
前記衝突位置補正機能により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力機能と、
を実現させることを特徴とする通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置などの移動端末(通信装置)には、GPSや無線LANを利用して当該装置の位置を取得する位置検出手段が具備されている。
【0003】
そして、このように位置検出手段の具備された移動端末の技術分野では、特定の位置や自機の移動経路を検出するための様々な技術が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載の移動端末では、端末の衝突を検知して、その衝突位置と、衝突位置までの移動経路とを検出することが可能となっている。
【0005】
また、特許文献2に記載の移動端末では、レーザースキャナーで周囲の固定物(電柱等)を検知しつつ同じ経路を装置が複数回移動した場合に、各回での固定物の位置検知精度で重み付けして自機位置を補正することで、移動端末の移動経路を高精度に検出することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−65780号公報
【特許文献2】特開2013−40886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、移動端末の衝突位置を高精度に検出することはできない。
即ち、GPSや無線LANを用いた位置検出では、電波環境や個体性能のばらつき等によって数m〜10m以上の位置誤差が生じてしまう。そのため、特許文献1に記載の技術では、衝撃を検知したときの位置が誤差を含んで検出されるため、衝突位置を高精度に検出することはできない。また、特許文献2に記載の技術では、同じ端末を搭載した車両が、同じ経路を走行したときの移動経路を高精度に検出することはできるものの、端末の衝突位置を高精度に検出することはできない。
【0008】
本発明の課題は、移動端末の衝突位置を高精度に検出することのできる通信装置及び通信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における第1の側面によれば、各保持体によりそれぞれ保持される複数の移動端末との間で通信を行う通信装置において、
前記複数の移動端末を保持する各保持体のうち、互いに衝突した2つ以上の保持体それぞれに保持された移動端末である相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得手段と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正手段と、
前記衝突位置補正手段により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明における第2の側面によれば、保持体に保持される移動端末であるとともに、複数の他の移動端末との間で通信を行う通信装置において、
現時点での位置情報を取得する位置情報取得手段と、
衝突を検知する衝突検知手段と、
当該通信装置と、前記複数の他の移動端末とから構成される複数の移動端末のうち、互いに衝突した保持体の2つ以上の相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得手段と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正手段と、
前記衝突位置補正手段により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動端末の衝突位置を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は通信システムの構成を示す概念図であり、(b)は移動端末の構成を示すブロック図である。
図2】衝突情報出力処理の流れを示すフローチャートである。
図3】位置補正処理の流れを示すフローチャートである。
図4】衝突位置の補正方法を説明するための概念図である。
図5】衝突位置の補正方法を説明するための概念図である。
図6】マルチパス誤差を説明するための図である。
図7】通信システムの変形例の構成を示す概念図である。
図8】位置補正処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る通信装置の実施形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
[1.1 通信システムの構成]
図1(a)は、通信システム100の構成を示す概念図である。
この図に示すように、通信システム100は、通信装置1と、複数の移動端末2とを備えている。
【0015】
[1.2 通信装置の構成]
通信装置1は、ネットワークNを介して複数の移動端末2と無線通信する装置であり、本実施の形態においてはサーバーとなっている。この通信装置1は、表示部11、入力部12、通信部13、計時部14、CPU(Central Processing Unit)15、記憶部16を備え、各部はバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0016】
表示部11は、CPU15から入力される表示信号に基づいて各種情報を表示するようになっている。
【0017】
入力部12は、押下されたキー等に対応する信号をCPU15に出力するようになっている。
通信部13は、無線通信によってネットワークNに接続可能となっており、これにより、ネットワークNに接続される複数の移動端末2との通信が可能となっている。なお、無線通信の方式としては、例えば携帯電話の通信方式や無線LANの通信方式を用いることができる。
計時部14は、現在時刻を取得するものである。
【0018】
CPU15は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、通信装置1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU15は、入力部12や通信部13から入力される操作信号等に応じて記憶部16に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU15は、処理結果を記憶部16に一時保存するとともに、当該処理結果を表示部11や通信部13に適宜出力させる。
【0019】
記憶部16は、通信装置1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、CPU15の作業領域として機能するメモリである。本実施の形態においては、記憶部16は、本発明に係る通信プログラム160と、地図データ161等を記憶している。
【0020】
通信プログラム160は、後述の位置補正処理(図3参照)をCPU15に実行させるためのプログラムである。
【0021】
地図データ161は、移動端末2が移動し得る地域の地図のデータである。このような地図データ161としては、従来より公知の地図データを用いることができる。
【0022】
[1.3 移動端末の構成]
移動端末2は、ユーザの身体や、ユーザ所有の車両などに装着されて移動する端末であり、移動端末2を保持する保持体であるユーザや車両同士の衝突を、移動端末2に内蔵された加速度センサ等により検知して衝突情報を外部に出力するものであり、図1(b)に示すように、バッテリー20と、計時部21と、加速度センサ22と、GPSモジュール23と、通信モジュール24と、CPU25と、記憶部26とを備え、各部が相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0023】
バッテリー20は、移動端末2に電力を供給するものである。
計時部21は、現在時刻を取得するものである。
【0024】
加速度センサ22は、少なくとも1方向の加速度を検出することで、自機の衝突を検知するようになっている。なお、このような加速度センサ22としては、従来より公知のものを用いることができる。
【0025】
GPSモジュール23は、GPSシステムからの受信信号に基づいて現時点での自機の位置情報を取得するものである。このようなGPSモジュール23としては、従来より公知の装置を用いることができる。
【0026】
通信モジュール24は、携帯電話の基地局を介した無線通信によってネットワークNに接続可能となっており、これにより、ネットワークNに接続される移動端末2との通信が可能となっている。なお、無線通信の方式としては、携帯電話の通信方式が用いられている。
【0027】
CPU25は、所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、移動端末2を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU25は、通信モジュール24から入力される信号等に応じて記憶部26に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU25は、処理結果を記憶部26に一時保存するとともに、当該処理結果を通信モジュール24に適宜出力させる。
【0028】
記憶部26は、移動端末2の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、CPU25の作業領域として機能するメモリである。本実施の形態においては、記憶部26は、通信プログラム260と、自機データテーブル261と、位置データテーブル262等を記憶している。
【0029】
通信プログラム260は、後述の衝突情報出力処理(図2参照)をCPU25に実行させるためのプログラムである。
【0030】
自機データテーブル261は、自機の端末IDと、GPSモジュール23による位置検知精度(本実施の形態においては最大誤差量)とを対応付けて記憶するようになっている。
【0031】
位置データテーブル262は、現時点での時刻と、位置との対応情報を蓄積記憶することで、移動端末2の移動経路を記憶するようになっている。
【0032】
[1.4 通信システムの動作]
続いて、通信システム100の動作について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
[1.4.1 移動端末の動作]
図2は、移動端末2のCPU25が通信プログラム260を読み出して実行する衝突情報出力処理の流れを示すフローチャートである。
【0034】
この図に示すように、衝突情報出力処理においてまずCPU25は、加速度センサ22によって自機の移動端末2を保持する保持体であるユーザや車両の衝突が検知されたか否かを判定し(ステップS1)、検知されないと判定した場合(ステップS1;No)にはステップS1の処理を繰り返す。
【0035】
また、ステップS1において衝突が検知されたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、CPU25は、自機データテーブル261から自機の端末IDの情報と、GPSモジュール23による位置検知精度(本実施の形態においては最大誤差量)の情報とを読み出すとともに、位置データテーブル262から現時点(移動端末2の衝突時点)までの各時刻と、当該時刻に対応する位置との対応情報(衝突時刻までの移動経路の情報)を読み出して、これらをまとめて衝突情報とし、通信装置1に送信した後(ステップS2)、上述のステップS1に移行する。
【0036】
[1.4.2 通信装置の動作]
図3は、通信装置1のCPU15が通信プログラム160を読み出して実行する位置補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
この図に示すように、位置補正処理においてまずCPU15は、何れかの移動端末2から衝突情報を受信したか否かを判定し(ステップT1)、受信しないと判定した場合(ステップT1;No)にはステップT1の処理を繰り返す。
【0038】
また、ステップT1において衝突情報を受信したと判定した場合(ステップT1;Yes)には、CPU15は、受信した衝突情報(移動端末2の端末IDの情報、位置検知精度(本実施の形態においては最大誤差量)の情報、移動端末2の衝突時点までの各時刻と当該時刻に対応する位置との対応情報)を第1の衝突情報として記憶部26に記憶させる(ステップT3)。
【0039】
次に、CPU15は、他の移動端末2からも衝突情報を受信したか否かを判定し(ステップT5)、受信しないと判定した場合(ステップT5;No)には、後述のステップT9に移行する。
【0040】
一方、ステップT5において他の移動端末2からも衝突情報を受信したと判定した場合(ステップT5;Yes)には、CPU15は、受信した衝突情報を、受信順に応じて第2の衝突情報、第3の衝突情報、…として記憶部26に記憶させる(ステップT7)。
【0041】
次に、CPU15は、第1の衝突情報(最初の衝突情報)の受信から所定時間が経過したか否かを判定し(ステップT9)、経過していないと判定した場合(ステップT9;No)には、上述のステップT5に移行する。なお、この所定時間としては、通信装置1や移動端末2での時刻の検出誤差(例えば2秒)を用いることができる。
【0042】
また、ステップT9において第1の衝突情報の受信から所定時間が経過したと判定した場合(ステップT9;Yes)には、CPU15は、前記所定時間内に第1の衝突情報以外の衝突情報を受信したか否か、つまり、第1の衝突情報を含めて複数の衝突情報を受信したか否かを判定する(ステップT11)。
【0043】
そして、このステップT11において前記所定時間内に第1の衝突情報以外の衝突情報を受信していないと判定した場合(ステップT11;No)には、CPU15は、受信した第1の衝突情報を、移動端末2を保持する保持体であるユーザや車両が単独で路肩や電柱に衝突した事故の情報であるとみなし、他の処理へ移行する。
【0044】
一方、ステップT11において前記所定時間内に第1の衝突情報以外の衝突情報を受信したと判定した場合(ステップT11;Yes)には、CPU15は、少なくとも2つの衝突情報からそれぞれ得られる衝突位置(衝突時刻での位置)が位置検知精度(最大誤差量)による誤差範囲内に存在するか否かを判定する(ステップT13)。
【0045】
より具体的には、2つの移動端末2から衝突情報を受信している場合には、例えば図4(a)に示すように、各移動端末2の位置検知精度などによって、各衝突情報から得られる衝突位置が互いに異なる場合がある。そのため、このステップT13においてCPU15は、各衝突情報から衝突位置(衝突時刻での位置)と、位置検知精度(最大誤差量)とを読み出して、各衝突位置を中心とし各最大誤差量(或いは最大誤差量の1.5倍)を半径とする円(図中の円E1,E2参照)同士が重複領域を有するか否かを判定することで、衝突位置が誤差範囲内に存在するか否かを判定する。例えば、図4(a)では、第1の衝突情報から得られる衝突位置(x1,y1)を中心とし、第1の衝突情報の最大誤差量G1を半径とする円(例えば図中の円E1)と、第2の衝突情報から得られる衝突位置(x2,y2)を中心とし、第2の衝突情報の最大誤差量G2を半径とする円(例えば図中の円E2)とが重複領域を有しているため、衝突位置が位置検知精度による誤差範囲内に存在すると判定される。
【0046】
そして、このステップT13において少なくとも2つの衝突情報からそれぞれ得られる衝突位置が誤差範囲内に存在しないと判定した場合(ステップT13;No)には、CPU15は、受信した各衝突情報を、それぞれ移動端末2を保持する保持体であるユーザや車両が単独で路肩や電柱に衝突した事故の情報であるとみなし、他の処理へ移行する。
【0047】
一方、ステップT13において少なくとも2つの衝突情報からそれぞれ得られる衝突位置が誤差範囲内に存在すると判定した場合(ステップT13;Yes)には、CPU15は、該当する衝突情報(記憶部16に記憶されている複数の衝突情報のうち、誤差範囲内に衝突情報が存在する少なくとも2つの衝突情報)を、複数の移動端末2を保持する保持体であるユーザや車両による相互の衝突事故についての情報であるとみなし、これらの衝突情報の送信元の移動端末2を、互いに衝突した保持体(ユーザや車両)に保持された相互衝突移動端末2Sとして特定する(ステップT15)。
【0048】
次に、CPU15は、各相互衝突移動端末2Sの衝突位置(衝突時刻での位置)が同位置になるように、これらの衝突位置を補正する(ステップT17)。
【0049】
より具体的には、このときCPU15は、各相互衝突移動端末2Sからの衝突情報に基づいて、各相互衝突移動端末についての位置検知精度(最大誤差量)の比を算出し、この比に基づいて各衝突位置を加重平均することで各相互衝突移動端末2Sの衝突位置を補正する。例えば、図4(a)に示すように、第1の衝突情報で示される位置検知精度(最大誤差量)G1と、第2の衝突情報で示される位置検知精度(最大誤差量)G2との比がG1:G2の場合には、図4(b)に示すように、各衝突位置の座標は(x、y)=((G1・x2+G2・x1)/(G1+G2),(G1・y2+G2・y1)/(G1+G2)に補正される。
【0050】
これにより、例えば図5(a)に示すように、2つの相互衝突移動端末2Sの保持体(ユーザや車両)が衝突した場合には、図5(b)に示すように、衝突位置が補正されることとなる。ここで、図5では、ユーザ所有の自動車に装着された相互衝突移動端末2S(図中の「A」参照)と、ユーザ所有の自転車に装着された他方の相互衝突移動端末2S(図中の「B」参照)とが衝突した場合の衝突位置や移動経路を図示している。衝突情報から示される衝突位置よりも先まで移動経路が伸びているのは、本実施の形態におけるGPSシステムでは、現時点での移動速度で移動を継続した場合の位置を予測しつつ、移動端末2の位置を算出しているためである。また、自動車に装着された相互衝突移動端末2S(図中の「A」参照)の移動経路が道路から外れて建物内に入り込んでいるのは、いわゆるマルチパス誤差によるものである。マルチパス誤差とは、図6に示すように、GPSシステムから直接送信される信号と、建物で一旦反射して送信される信号とを混同することで生じる誤差である。
【0051】
なお、このステップT17において各相互衝突移動端末2Sの衝突情報で示される衝突時刻が異なる場合には、CPU15は、これらの衝突時刻の平均値を正しい衝突時刻とするようになっている。また、相互衝突移動端末2Sの正確な衝突位置が外部装置から入手可能である場合には、このステップT17においてCPU15は、各相互衝突移動端末2Sの衝突位置を、外部装置から入手した正確な衝突位置に補正することとしても良い。
【0052】
そして、以上のようにして衝突位置を補正したら、次にCPU15は、各相互衝突移動端末2Sの衝突情報から各時刻での位置を読み出して、当該相互衝突移動端末2Sの移動経路を算出する(図4(a)参照)。そして、図4(b)に示すように、CPU15は、各衝突移動端末について補正前後の衝突位置の移動方向及び移動距離を算出し、この算出結果と同様にして当該相互衝突移動端末2Sの移動経路を平行移動して補正する(ステップT19)。
【0053】
次に、CPU15は、上述の図5に示すように、各相互衝突移動端末2Sの補正後の移動経路を、地図データ161で示される地図に重ねて、表示部11や外部の表示装置(図示せず)に表示させる(ステップT21)。なお、本実施の形態においては、このときCPU15は、各相互衝突移動端末2Sの移動経路を識別可能に表示させるようになっている。また、外部の表示装置としては、例えば通信装置1にアクセスした外部装置の表示装置などが挙げられ、このような外部装置は相互衝突移動端末2Sの移動経路を入手するために通信装置1にアクセスする。また、このステップT21においてCPU15は、移動経路を表示部11には表示させず、外部の表示装置のみに表示させることとしても良い。この場合には、地図データ161は通信装置1に記憶されずに、通信装置1にアクセスする外部装置に記憶されることとしても良い。
【0054】
次に、CPU15は、相互衝突移動端末2Sが他の移動端末2と複数回衝突しているか否かを判定し(ステップT23)、複数回衝突していないと判定した場合(ステップT23;No)には後述のステップT29に移行する。
【0055】
また、ステップT23において相互衝突移動端末2Sの保持体(ユーザや車両)が他の移動端末2の保持体(ユーザや車両)と複数回衝突していると判定した場合(ステップT23;Yes)には、CPU15は、当該相互衝突移動端末2Sの端末IDと、その衝突回数とを対応付けて記憶部16に記憶させ(ステップT25)、これらの対応関係を表示部11や外部の表示装置(図示せず)に表示させる(ステップT27)。
【0056】
次に、CPU15は、終了操作が行われるか否かを判定し(ステップT29)、行われないと判定した場合(ステップT29;No)には上述のステップT1に移行する一方、行われたと判定した場合(ステップT29;Yes)には、位置補正処理を終了する。
【0057】
以上の通信装置1によれば、図3のステップT1〜T17や図4図5等に示したように、複数の移動端末2のうち、互いに衝突した2つ以上の保持体(ユーザや車両)が保持する相互衝突移動端末2Sのそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報が取得され、各衝突情報に基づいて、相互衝突移動端末2Sのうち少なくとも1つの相互衝突移動端末2Sの保持体(ユーザや車両)の衝突位置が補正されるので、従来と比較して、移動端末2の保持体(ユーザや車両)の衝突位置を高精度に検出することができる。
【0058】
また、図3のステップT11〜T15等に示したように、自機で衝突を検知した各移動端末2から取得される衝突情報の衝突時刻等に基づいて、互いに衝突した2つ以上の保持体(ユーザや車両)の保持する移動端末2が相互衝突移動端末2Sとして特定されるので、互いに衝突した移動端末2を相互衝突移動端末2Sとして正確に特定することができる。
【0059】
また、図3のステップT17、T19や図5等に示したように、補正後の衝突位置に基づいて、当該衝突位置までの相互衝突移動端末2Sの移動経路が補正されるので、衝突位置までの移動端末2の移動経路を高精度に検出することができる。
【0060】
また、図3のステップT21や図5等に示したように、各相互衝突移動端末2Sについての補正後の衝突位置に基づいて、当該衝突位置までの各相互衝突移動端末2Sの移動経路が補正されて識別可能に表示されるので、衝突位置までの移動端末2の移動経路を容易に確認することができる。
【0061】
また、図3のステップT17や図4図5等に示したように、各相互衝突移動端末2Sからの衝突情報に基づいて、各相互衝突移動端末2Sについての位置検知精度の比が算出され、この比に基づいて各衝突位置を加重平均することで相互衝突移動端末2Sの衝突位置が補正されるので、衝突位置をいっそう高精度に検出することができる。
【0062】
また、図3のステップT25〜T27等に示したように、相互衝突移動端末2Sの端末IDと、その衝突回数とが対応付けて記憶され、これらの対応関係が表示されるので、例えば移動端末2をサッカーやラグビー、アメリカンフットボールなどのプレイヤーに装着させることにより、プレイヤー同士の衝突回数を把握することができる。
【0063】
<変形例>
続いて、上記の実施形態の変形例について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
図7は、本変形例における通信システム100Aの構成を示す概念図である。
この図に示すように、通信システム100Aは、通信装置1Aを備えている。
【0065】
通信装置1Aは、ネットワークNを介して複数の移動端末2と無線通信する装置であり、本実施の形態においては、ユーザの身体や、ユーザ所有の車両などに装着されて移動する移動端末となっている。
【0066】
この通信装置1Aは、上記実施形態における移動端末2と同様にバッテリー20、加速度センサ22、GPSモジュール23を有するとともに、記憶部16の代わりに記憶部16Aを有している。
【0067】
記憶部16Aは、上記実施形態における移動端末2の記憶部26と同様に自機データテーブル261及び位置データテーブル262を記憶するとともに、通信プログラム160の代わりに通信プログラム160Aを記憶している。
【0068】
通信プログラム160Aは、後述の位置補正処理(図8参照)をCPU15に実行させるためのプログラムである。
【0069】
続いて、通信システム100Aの動作について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、通信装置1AのCPU15が通信プログラム160Aを読み出して実行する位置補正処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
この図に示すように、本変形例における位置補正処理では、上記実施形態における位置補正処理におけるステップT1,T3,T9,T11,T15,T23,T25の処理の代わりに、ステップT1,U3,U9,U11,U15,U23,U25の処理を行い、ステップU1,U3の処理の間にステップU2の処理を行うようになっている。
【0071】
具体的には、ステップU1の処理においてCPU15は、加速度センサ22によって自機の通信装置1Aの保持体(ユーザや車両)の衝突が検知されたか否かを判定し(ステップU1)、検知されないと判定した場合(ステップU1;No)にはステップU1の処理を繰り返す。
【0072】
また、ステップU1において通信装置1Aの保持体(ユーザや車両)の衝突が検知されたと判定した場合(ステップU1;Yes)には、CPU15は、ステップU2の処理を行う。
【0073】
具体的には、このステップU2の処理においてCPU15は、自機データテーブル261から自機の端末IDの情報と、GPSモジュール23による位置検知精度(本実施の形態においては最大誤差量)の情報とを読み出すとともに、位置データテーブル262から現時点(移動端末2の衝突時点)までの各時刻と、当該時刻に対応する位置との対応情報(衝突時刻までの移動経路の情報)を読み出して、これらをまとめて第1の衝突情報として記憶部26Aに記憶させる(ステップU2)。
【0074】
また、ステップU3の処理においてCPU15は、ステップU2で記憶させた衝突情報を、他の移動端末2に送信する(ステップU3)。
【0075】
また、ステップU9の処理においてCPU15は、ステップU2での第1の衝突情報(最初の衝突情報)の記憶から所定時間が経過したか否かを判定し(ステップU9)、経過していないと判定した場合(ステップU9;No)にはステップT5に移行し、所定時間が経過したと判定した場合(ステップU9;Yes)には、ステップU11に移行する。なお、この所定時間としては、通信装置1や移動端末2での時刻の検出誤差(例えば2秒)を用いることができる。
【0076】
また、ステップU11の処理においてCPU15は、前記所定時間内に他機の衝突情報を受信したか否か、つまり、第1の衝突情報を含めて複数の衝突情報が記憶されているか否かを判定し(ステップU11)、他機の衝突情報を受信していないと判定した場合(ステップU11;No)には他の処理へ移行し、他機の衝突情報を受信したと判定した場合(ステップU11;Yes)にはステップT13に移行する。
【0077】
また、ステップU15の処理においてCPU15は、記憶部16Aに記憶されている複数の衝突情報のうち、誤差範囲内に衝突情報が存在する少なくとも2つの衝突情報を、自機の通信装置1Aと、少なくとも1つの移動端末2との保持体(ユーザや車両)による相互の衝突事故についての情報であるとみなし、自機の通信装置1Aと、当該衝突情報の送信元の移動端末2とを、互いに衝突した保持体(ユーザや車両)の相互衝突移動端末2Sとして特定する(ステップU15)。
【0078】
また、ステップU23の処理においてCPU15は、自機としての相互衝突移動端末2Sの保持体(ユーザや車両)が他の移動端末2の保持体(ユーザや車両)と複数回衝突しているか否かを判定し(ステップU23)、複数回衝突していないと判定した場合(ステップU23;No)にはステップT29に移行し、複数回衝突していると判定した場合(ステップU23;Yes)にはステップU25に移行する。
【0079】
そして、ステップU25の処理においてCPU15は、自機の当該相互衝突移動端末2Sの端末IDと、その衝突回数とを対応付けて記憶部16に記憶させる(ステップU25)。
【0080】
以上の通信装置1Aによっても、上記実施の形態における通信装置1と同様の効果を得ることができる。
【0081】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態や変形例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0082】
例えば、本発明に係る通信装置1は、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る通信プログラム160は、通信装置1に対して着脱可能な外部情報記憶媒体に記憶されることとしてもよい。
【0083】
また、各相互衝突移動端末2Sの衝突位置及び移動経路を補正することとして説明したが、何れか一方の相互衝突移動端末2Sの衝突位置及び移動経路のみを補正することとしても良い。
【0084】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
各保持体によりそれぞれ保持される複数の移動端末との間で通信を行う通信装置において、
前記複数の移動端末を保持する各保持体のうち、互いに衝突した2つ以上の保持体それぞれに保持された移動端末である相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得手段と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正手段と、
前記衝突位置補正手段により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
<請求項2>
請求項1記載の通信装置において、
前記衝突情報取得手段は、
各移動端末から前記衝突情報を取得するとともに、取得した前記衝突情報に基づいて、当該衝突情報の送信元の複数の前記移動端末のうち、互いに衝突した保持体の2つ以上の移動端末を前記相互衝突移動端末として特定する衝突端末特定手段を有することを特徴とする通信装置。
<請求項3>
請求項2記載の通信装置において、
前記衝突情報取得手段は、
各移動端末から、衝突位置の情報と、当該移動端末の位置検知精度の情報と、衝突時刻の情報とを含んだ情報を前記衝突情報として取得し、
前記衝突端末特定手段は、
前記衝突情報で示される衝突位置及び衝突時刻に基づいて、前記相互衝突移動端末を特定することを特徴とする通信装置。
<請求項4>
請求項3記載の通信装置において、
前記衝突情報取得手段は、
各相互衝突移動端末から、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報と、衝突時刻の情報と、衝突時刻までの移動経路の情報とを含んだ情報を前記衝突情報として取得し、
当該通信装置は、
前記衝突位置補正手段により補正された、前記少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置に基づいて、当該衝突位置までの当該相互衝突移動端末の移動経路を補正する移動経路補正手段を備え、
前記補正後衝突位置出力手段は、
前記移動経路補正手段により補正された移動経路を出力する補正後移動経路出力手段を有することを特徴とする通信装置。
<請求項5>
請求項4記載の通信装置において、
前記衝突位置補正手段は、
各相互衝突移動端末の衝突位置を補正し、
前記移動経路補正手段は、
前記衝突位置補正手段により補正された、各相互衝突移動端末の衝突位置に基づいて、当該衝突位置までの各相互衝突移動端末の移動経路を補正し、
前記補正後移動経路出力手段は、
前記移動経路補正手段により補正された、各相互衝突移動端末の移動経路を識別可能に表示する制御を行う移動経路識別表示制御手段を有することを特徴とする通信装置。
<請求項6>
請求項2〜5の何れか一項に記載の通信装置において、
前記衝突位置補正手段は、
各相互衝突移動端末からの衝突情報に基づいて、各相互衝突移動端末についての位置検知精度の比を算出し、この比に基づいて各衝突位置を加重平均することで、前記少なくとも1つの前記相互衝突移動端末の衝突位置を補正することを特徴とする通信装置。
<請求項7>
請求項1〜6の何れか一項に記載の通信装置において、
各移動端末の保持体の衝突回数を記憶する衝突回数記憶手段と、
各移動端末の保持体の衝突回数を出力する衝突回数出力手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
<請求項8>
保持体に保持される移動端末であるとともに、複数の他の移動端末との間で通信を行う通信装置において、
現時点での位置情報を取得する位置情報取得手段と、
衝突を検知する衝突検知手段と、
当該通信装置と、前記複数の他の移動端末とから構成される複数の移動端末のうち、互いに衝突した保持体の2つ以上の相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得手段と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正手段と、
前記衝突位置補正手段により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
<請求項9>
各保持体によりそれぞれ保持される複数の移動端末との間で通信を行う通信装置で実行される通信プログラムにおいて、
前記通信装置に、
前記複数の移動端末を保持する各保持体のうち、互いに衝突した2つ以上の保持体それぞれに保持された移動端末である相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得機能と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正機能と、
前記衝突位置補正機能により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力機能と、
を実現させることを特徴とする通信プログラム。
<請求項10>
現時点での位置情報を取得する位置情報取得手段と、衝突を検知する衝突検知手段とを有して保持体に保持される移動端末であるとともに、複数の他の移動端末との間で通信を行う通信装置で実行される通信プログラムにおいて、
前記通信装置に、
当該通信装置と、前記複数の他の移動端末とから構成される複数の移動端末のうち、互いに衝突した保持体の2つ以上の相互衝突移動端末のそれぞれから、衝突位置の情報と、当該相互衝突移動端末の位置検知精度の情報とを含んだ衝突情報を取得する衝突情報取得機能と、
各相互衝突移動端末から取得される前記衝突情報に基づいて、前記2つ以上の相互衝突移動端末のうち少なくとも1つの相互衝突移動端末の衝突位置を補正する衝突位置補正機能と、
前記衝突位置補正機能により補正された衝突位置を出力する補正後衝突位置出力機能と、
を実現させることを特徴とする通信プログラム。
【符号の説明】
【0085】
1,1A 通信装置
2 移動端末
13 通信部
14 計時部
15 CPU
22 加速度センサ
23 GPSモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8