特許第6183096号(P6183096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183096
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】入出金管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20170814BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20170814BHJP
   G07D 1/06 20060101ALI20170814BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G07G1/12 331H
   G07G1/00 331A
   G07D1/06
   G07D9/00 456A
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-195494(P2013-195494)
(22)【出願日】2013年9月20日
(65)【公開番号】特開2015-60521(P2015-60521A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】沖 裕之
(72)【発明者】
【氏名】鐘 恵姜
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−140142(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/004626(WO,A1)
【文献】 特開2012−215997(JP,A)
【文献】 特開2013−58029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00− 5/00
G07D 1/00− 9/06
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を収納する収納部と、
買上げる商品の代金と預り金とに基づいて決済処理を実行する決済手段と、
前記預り金を入金する入金処理として操作者によって投入された貨幣を前記収納部に収納させるとともに、釣り銭があるときには釣り銭を出金する出金処理として前記収納部から貨幣を放出させる入出金手段と、
前記入金処理における投入貨幣、または、前記出金処理における放出貨幣に基づいて、前記収納部に収納されている貨幣の理論在高を更新する理論在高更新手段と、
前記出金処理においてエラーがあった場合に、操作者に該エラーを報知する報知画面を表示する報知手段と、
前記報知画面に基づいて所定の操作が行われた後に、前記理論在高が更新されない戻入処理として、前記釣り銭として前記収納部から放出された貨幣であって操作者によって投入された貨幣を前記収納部に収納させる戻入手段と、
前記戻入処理が完了した後に、前記理論在高が更新されない再放出処理として、前記収納部から前記釣り銭を再放出させる再放出手段と
を備えることを特徴とする入出金管理システム。
【請求項2】
少なくとも、前記入金処理、前記出金処理、前記戻入処理の各処理おいて処理された貨幣種毎の枚数を電子ジャーナル情報として記憶する記憶手段
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の入出金管理システム。
【請求項3】
買上げる商品を登録する登録装置と釣銭機とを含み、
前記登録装置は、少なくとも、前記決済手段と、前記理論在高更新手段と、前記報知手段とを備え、
前記釣銭機は、少なくとも、前記収納部と、前記入出金手段と、前記戻入手段と、前記再放出手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の入出金管理システム。
【請求項4】
買上げる商品の代金を決済する精算装置と釣銭機とを含み、
前記精算装置は、少なくとも、前記決済手段と、前記理論在高更新手段と、前記報知手段とを備え、
前記釣銭機は、少なくとも、前記収納部と、前記入出金手段と、前記戻入手段と、前記再放出手段とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の入出金管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出金管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POSレジスタ(端末)と、釣銭機とを備える入出金管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、入出金管理システムでは、POSレジスタの制御に従って釣銭機から必要な釣り銭が放出されるが、何らかの異常(トラブル)によって釣り銭が正しく放出されない場合(例えば、必要な釣り銭の一部しか放出されない場合や全く放出されない場合)がある。釣銭機側は、釣り銭を正しく放出できなかった場合には、在高不確定の状態(釣銭機自身が把握する在高情報が正しくない可能性があると釣銭機自身が判断した状態)となるが、POSレジスタ側は、釣銭機に対する放出指示を行った時点で既に理論在高(POSレジスタ自身が把握する計算上の在高情報)を更新しているため、釣銭機が釣り銭を正しく放出できなかった場合であっても、理論在高は既に更新されている。また、釣り銭の一部しか放出されなかった場合、オペレータは、釣り銭の一部として放出されている貨幣を釣銭機内に一旦戻した後に、改めて、釣り銭全体を放出することになる。既に放出された貨幣を釣銭機内に戻すときには、オペレータの手作業によるミスを防止する観点などから、一般に、預り金と同様、既に放出された貨幣を所定の投入口から投入することが多い。既に放出された貨幣を所定の投入口から投入して釣銭機内に戻すときには、理論在高が、戻した貨幣分、実在高よりも高くならないように、当該戻す分の貨幣については理論在高を更新(加算)させないようにする所定の操作が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−113532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、理論在高を更新させないようにする所定の操作はイレギュラーな操作であるため、当該操作を正しく行わないで(操作を行うのを忘れたり、当該操作を行う積りで誤った操作をしたりして)、既に放出された貨幣を所定の投入口から投入して釣銭機内に戻してしまう可能性がある。このため、戻した貨幣分、理論在高が実在高よりも高くなってしまい、一日の締めなどにおいて違算を生じさせることになるという問題がある。また、違算が生じてしまった場合には、その原因を追跡調査することが困難であり、原因を突き止めて解決する迄に時間を要するという問題もある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、釣り銭が正しく放出されなかったことに関連して、違算が生じないようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る入出金管理システムは、貨幣を収納する収納部と、買上げる商品の代金と預り金とに基づいて決済処理を実行する決済手段と、前記預り金を入金する入金処理として操作者によって投入された貨幣を前記収納部に収納させるとともに、釣り銭があるときには釣り銭を出金する出金処理として前記収納部から貨幣を放出させる入出金手段と、前記入金処理における投入貨幣、または、前記出金処理における放出貨幣に基づいて、前記収納部に収納されている貨幣の理論在高を更新する理論在高更新手段と、前記出金処理においてエラーがあった場合に、操作者に該エラーを報知する報知画面を表示する報知手段と、前記報知画面に基づいて所定の操作が行われた後に、前記理論在高が更新されない戻入処理として、前記釣り銭として前記収納部から放出された貨幣であって操作者によって投入された貨幣を前記収納部に収納させる戻入手段と、前記戻入処理が完了した後に、前記理論在高が更新されない再放出処理として、前記収納部から前記釣り銭を再放出させる再放出手段とを備えることを特徴とする。
上記入出金管理システムによれば、出金処理においてエラーがあった場合には報知画面が表示される。そして、所定の操作を行って貨幣を投入すれば、理論在高が更新されない戻入処理が実行される。従って、理論在高が実在高よりも高くなることはなく、違算が生じなくなる。
【0007】
上記入出金管理システムは、少なくとも、前記入金処理、前記出金処理、前記戻入処理の各処理おいて処理された貨幣種毎の枚数を電子ジャーナル情報として記憶する記憶手段を更に備えるものであってもよい。
上記入出金管理システムによれば、入金処理や出金処理や戻入処理の各処理おける金銭の動きが貨幣種毎に記憶されるので、万が一生じたときでも原因を特定する迄に要する時間を短縮することができる。
【0008】
上記入出金管理システムは、買上げる商品を登録する登録装置と釣銭機とを含み、前記登録装置は、少なくとも、前記決済手段と、前記理論在高更新手段と、前記報知手段とを備え、前記釣銭機は、少なくとも、前記収納部と、前記入出金手段と、前記戻入手段と、前記再放出手段とを備えるものであってもよい。
上記入出金管理システムによれば、上記と同様の効果を得ることができる。
【0009】
上記入出金管理システムは、買上げる商品の代金を決済する精算装置と釣銭機とを含み、前記精算装置は、少なくとも、前記決済手段と、前記理論在高更新手段と、前記報知手段とを備え、前記釣銭機は、少なくとも、前記収納部と、前記入出金手段と、前記戻入手段と、前記再放出手段とを備えるものであってもよい。
上記入出金管理システムによれば、上記と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、違算を生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による入出金管理システム1の外観図の一例である。
図2】入出金管理システム1を構成するPOSレジスタ10の電気回路の構成を示すブロック図の一例などである。
図3】入出金管理システム1を構成する釣銭機20の機能構成図の一例などである。
図4】エラー時に表示される画面を説明するための説明図である。
図5】電子ジャーナル情報を説明するための説明図である。
図6】POSレジスタ10の動作例を示すフローチャートである。
図7】釣銭機20の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態による入出金管理システム1の外観図の一例である。具体的には、カウンタ台9に設置された入出金管理システム1の外観斜視図である。入出金管理システム1は、図1に示すように、POSレジスタ10(登録精算装置)と、自動釣銭機(以下、単に釣銭機とも称する)20とから構成される。
【0013】
POSレジスタ10は、購入される商品(買上げる商品)の登録を行う登録処理と、登録された商品の代金決済を行う決済処理(会計処理、精算処理とも称する)とを実行する。POSレジスタ10は、例えば、図1に示すように、スキャナ部104、店員用表示部105、操作部108、印刷部111などを備える。詳細は後述する。
【0014】
釣銭機20は、POSレジスタ10における決済処理において使用される。釣銭機20は、例えば、図1に示すように、表示操作部205、硬貨投入口210、硬貨払出口211、紙幣投入口212、紙幣払出口213、収納部(図1では非図示)などを備える。詳細は後述する。
【0015】
図2は、入出金管理システム1を構成するPOSレジスタ10の電気回路の構成を示すブロック図の一例などである。POSレジスタ10は、例えば、図2に示すように、CPU(中央演算装置)101、ROM102、RAM103、スキャナ部104、店員用表示部105、客用表示部106、ハードディスク107、操作部108、通信部109、ブザー110、印刷部111、及び、接続部112を備える。
【0016】
CPU101は、ROM102に記憶されているプログラムをRAM103に展開し、実行することにより、POSレジスタ10全体を制御する。詳細は後述する。
【0017】
ROM102は、種々の情報を記憶する。例えば、ROM102は、CPU101によって実行されるプログラムや、自装置の装置番号(装置識別情報)などを記憶する。
【0018】
RAM103は、種々の情報を一時記憶する。例えば、RAM103は、ROM102から読み出されたプログラムや、当該プログラムの実行などによって取得又は生成される情報(例えば、各種の判定結果、取引情報、読取情報)を一時記憶する。なお、RAM103は、商品ファイルを一時記憶してもよい。
【0019】
スキャナ部104は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取って当該商品の商品コードを取得(コード化されていた商品コードを逆変換して取得)する。スキャナ部104は、取得した商品コードをCPU101に通知する。また、スキャナ部104は、店員(操作者)の名札等に付されたバーコードを光学的に読み取って当該店員を識別する担当者識別情報(例えば、担当者コード、担当者名)を取得する。スキャナ部104は、取得した担当者識別情報をCPU101に通知する。
【0020】
店員用表示部105は、店員に情報を表示する、例えば、店員の操作を受付可能な、例えば、液晶タッチディスプレイ装置である。店員用表示部105に表示される情報は、例えば、メニュー画面、登録処理の処理情報(例えば、買上商品の商品名、購入数、販売価格、合計金額)、メッセージファイルに記憶されているメッセージ情報、電子ジャーナルファイルに記憶されている電子ジャーナル情報、理論有高ファイルに記憶されている理論在高情報などである。メッセージ情報の一例は、釣銭機20における貨幣の放出時にエラーに関する報知情報である。電子ジャーナル情報とは、処理日時、処理内容を含む処理毎の処理履歴情報である。理論在高情報とは、釣銭機20に収納されている貨幣の理論上(計算上)の在高を示す情報(実績情報)である。
【0021】
また、店員用表示部105は、店員用操作部108に代えて店員用操作部108が備える操作ボタン(後述)と同様の機能を有する各種のGUI操作ボタンを表示してもよい。また、店員用表示部105は、所定商品(例えば、生鮮食料品)を登録するためのプリセットボタンを表示してもよい。店員用表示部105において、店員の操作があった場合には、操作信号がCPU101に通知される。
【0022】
客用表示部106は、客に情報を表示する、例えば、液晶ディスプレイ装置である。客用表示部106に表示される情報は、例えば、登録処理の処理情報、メッセージ、広告などである。なお、客用表示部106は、店員用表示部105と同様、客の操作を受付可能な、例えば、液晶タッチディスプレイ装置であってもよい。例えば、客用表示部106は、メッセージ(例えば、公共料金の金額確認)に対する操作を受け付ける。客用表示部106において、客の操作があった場合には、操作信号がCPU101に通知される。
【0023】
ハードディスク107は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク107は、ストアコントローラ(非図示)から送信され、通信部109によって受信された商品ファイルを記憶する。また、ハードディスク107は、メッセージファイル、電子ジャーナルファイル、理論在高ファイル、報知ファイルを記憶する。なお、ROM102に代えて、ハードディスク107が、上述のプログラムを記憶してもよい。
【0024】
店員用操作部108は、各種の操作ボタン(操作キー、メカキーとも称する)を備える。例えば、店員用操作部108は、数字を入力するための数字ボタン(数字キー)、小計ボタン(小計キー)、現計ボタン(現計キー)、取消ボタン(取消キー)などを備える。また、店員用操作部108は、種々の処理を開始させるための開始ボタン(開始キー)や、種々の処理を完了させる完了ボタン(完了キー)なども備えていてもよい。店員用操作部108は、上述のプリセットボタン(プリセットキー)を備えていてもよい。店員用操作部108において、店員の操作があった場合には、操作信号がCPU101に通知される。
【0025】
通信部109は、LAN40を介して外部の装置と通信するための通信インタフェースである。ブザー110は、確認音や警告音などを発生させるための音発生部である。印刷部111は、レシートなどを印刷、発行する。接続部112は、釣銭機20と接続するための通信インタフェースである。
【0026】
CPU101は、スキャナ部104を介して担当者識別情報を取得した場合(名札等に付されたバーコードがスキャナ部104によって読み取られた場合)、RAM103に担当者識別情報を一時記憶する。
【0027】
CPU101は、スキャナ部104を介して商品コードを取得した場合(商品に付されたバーコードがスキャナ部104によって読み取られた場合)、ハードディスク107に記憶されている商品ファイルを参照し、買上商品の商品名や販売価格を特定し、個々の買上商品の商品名や販売価格や購入数をRAM103に一時記憶する。つまり、登録処理を実行する。
【0028】
CPU101は、登録処理の進行状況に応じて、買上商品に関する情報やメッセージなどを店員用表示部105や客用表示部106に表示させる。また、CPU101は、登録処理や決済処理において、エラー(異常)あったときは、エラーを報知する報知画面を店員用表示部105などに表示させる。
【0029】
CPU101は、接続部112を介して、釣銭機20と通信する。例えば、CPU101は、釣銭機20に種々の情報を送信する。一例として、釣銭機20に制御命令(例えば、貨幣の投入を促す投入指示、貨幣を放出すべき旨の放出指示)を送信する。また例えば、CPU101は、釣銭機20から種々の情報を受信する。一例として、CPU101は、投入貨幣に関する情報(例えば、貨幣種、枚数)を受信する。また、CPU101は、釣銭機20から送信されたエラー情報を受信する。
【0030】
また、CPU101は、ハードディスク107内に存在する理論有高ファイルに記憶されている理論在高情報を更新する。例えば、釣銭機20に貨幣が投入された場合や釣銭機20に貨幣を放出させる場合などに、理論在高情報を更新する。
【0031】
また、取引の終了後(登録処理及び決済処理の終了後)、当該取引の取引情報を生成し、通信部109を制御して、生成した取引情報をストアコントローラ(非図示)に送信する。なお、取引情報は、取引番号、明細情報を含む。取引番号は、当該取引(取引情報)を一意に識別する番号である。明細情報は、例えば、装置番号、担当者識別情報、取引日時、商品名(又は商品コード)、購入数、合計金額などを含む。また、CPU101は、取引の終了後、印刷部111を制御して、当該取引の明細情報を印刷したレシートを発行させる。また、CPU101は、取引の終了後、ハードディスク107内に存在する電子ジャーナルファイルに当該取引の電子ジャーナル情報を記憶する。
【0032】
図3は、入出金管理システム1を構成する釣銭機20の機能構成図の一例などである。釣銭機20は、例えば、図3に示すように、制御部201、接続部202、表示操作部205、硬貨投入口210、硬貨払出口211、紙幣投入口212、紙幣払出口213、収納部216、及び、搬送部220を備える。搬送部220は、搬送路221、識別部222、計数部223、及び、検出部224を備える。また、硬貨投入口210や紙幣投入口212の近傍にランプ(発光部)を配置してもよい。
【0033】
制御部201は、釣銭機20全体を制御する。詳細は後述する。接続部202は、POSレジスタ10と接続するための通信インタフェースである。表示操作部205は、例えば、タッチパネルである。収納部216は、預り金や釣り銭を収納する。収納部216は、金種別の収納スペースを有する。硬貨投入口210は、硬貨の投入口である。硬貨払出口211は、硬貨の払出口である。紙幣投入口212は、紙幣の投入口である。紙幣払出口213は、紙幣の払出口である。以下、硬貨投入口210と紙幣投入口212とを投入口と総称し、硬貨払出口211と紙幣払出口213とを払出口と総称する。なお、紙幣投入口と紙幣払出口は共通であってもよく、また、硬貨投入口と硬貨払出口は共通であってもよい。
【0034】
搬送路221は、投入口と収納部216との間に形成された貨幣を搬送するための路である。識別部222は、搬送される貨幣(投入される貨幣又は放出される貨幣)の貨幣種を識別する。計数部223は、搬送される貨幣を計数する。識別部222による識別結果や計数部223による計数結果は、制御部201に通知される。
【0035】
検出部224は、投入口に貨幣が投入されたか否かを検出する。また、検出部224は、搬送路221におけるエラーを検出する。例えば、検出部224は、搬送路221に貨幣(例えば、紙幣)が詰まるエラーを検出する。検出結果は、制御部201に通知される。
【0036】
制御部201は、搬送部220から種々の情報(例えば、搬送される貨幣の金種毎の枚数や、エラーの検出結果)を受信する。また、制御部201は、搬送部220を制御する。例えば、制御部201は、投入口に投入された貨幣を収納部216に向けて搬送するように搬送部220(搬送路221)を制御する。また、制御部201は、収納部216に収納されている貨幣を払出口に向けて搬送するように搬送部220(搬送路221)を制御する。
【0037】
制御部201は、例えば、接続部202を介して受信した制御命令に従って各部を制御する。例えば、制御部201は、貨幣を放出すべき旨の放出指示を受信した場合には、搬送部220に貨幣を放出させる。また、通常時は投入口への貨幣の投入を受付不能とし、貨幣の投入を促す投入指示を受信した場合に、制御部201は、貨幣の投入を受付不能から受付可能にしてもよい。また、釣銭機20が投入口の近傍にランプを配置している場合には、制御部201は、貨幣の投入を促す投入指示を受信したときに、投入口への貨幣の投入を促すように、上記ランプを発光させてもよい。
【0038】
また、制御部201は、接続部202を介して、POSレジスタ10と通信する。例えば、制御部201は、POSレジスタ10から種々の情報を受信する。一例として、制御部201は、POSレジスタ10から制御命令(例えば、投入指示や放出指示)を受信する。また例えば、制御部201は、POSレジスタ10に種々の情報を送信する。例えば、制御部201は、搬出部220から取得した貨幣種、枚数に基づいて預り金情報を生成し、POSレジスタ10に送信する。また、制御部201は、搬出部220から取得したエラーの検出結果に基づいてエラー識別情報を含むエラー情報を生成し、POSレジスタ10に送信する。
【0039】
以上のように、釣銭機20は、投入口に貨幣が投入された場合には、投入貨幣を計数し、POSレジスタ10に投入貨幣の金額を通知するとともに投入貨幣を収納部216に収納する。また、釣銭機20は、貨幣を放出すべき旨の制御命令(放出指示)をPOSレジスタ10から受信した場合には、収納部216に収納されている貨幣を払出口に放出する。また、釣銭機20は、例えば、貨幣の放出時に搬送路221に貨幣(例えば、紙幣)が詰まるエラーが発生したときには、当該エラーのエラー識別情報を含むエラー情報をPOSレジスタ10に送信する。
【0040】
図4は、エラー時に表示される画面を説明するための説明図である。具体的には、図4は、処理画面(図中A)に重畳して報知画面(ポップアップ画面。図中B)が表示されている場面を表している。貨幣の放出時に搬送路221に貨幣が詰まるエラーがあった場合、POSレジスタ10は、図4に示すような報知画面を表示する。報知画面には、報知情報を表示する報知領域(図中C)、閉じるボタン(図中D)、開始ボタン(図中E)、完了ボタン(図中F)が存在する。
【0041】
報知領域には、エラーが発生した旨や当該エラーの内容、当該エラーに対する処置方法などの報知情報が表示される。POSレジスタ10は、メッセージファイルを参照して、エラー識別情報に応じた報知情報を報知領域に表示する。なお、メッセージファイルには、エラー識別情報に対応付けて報知情報が記憶されている。
【0042】
閉じるボタンは、釣り銭の全部が既に払出口に放出されているとき、即ち、貨幣の戻し入れや再放出(再出金)が不要であるときに押下(タッチ)するボタンである。貨幣の戻し入れとは、貨幣の放出時に搬送路221に詰まった貨幣(搬送路221から取り出した貨幣)や、詰まらずに払出口に既に放出されている貨幣を、再度、投入口に投入して収納部216に戻し入れることである。貨幣の再放出とは、貨幣の戻し入れ後に、再度、貨幣を放出することである。閉じるボタンが押下された場合には報知画面を閉じる(消去する)。なお、閉じるボタンは、釣り銭の全部が既に払出口に放出されているとき(例えば、検出部224が、搬送路221に貨幣が詰まるエラーを検出しなかったとき)に押下可能(enable)とし、釣り銭の少なくとも一部が払出口に未だ放出されていないとき(例えば、検出部224が、搬送路221に貨幣が詰まるエラーを検出したとき)には押下不能(disable)としてもよい。
【0043】
開始ボタンは、釣り銭の少なくとも一部が払出口に未だ放出されていないとき、即ち、貨幣の戻し入れや再放出が必要であるときに押下するボタンである。なお、開始ボタンは、釣り銭の少なくとも一部が払出口に未だ放出されていないときに押下可能とし、釣り銭の全部が既に払出口に放出されているときには押下不能としてもよい。また、開始ボタンが押下される前は貨幣の戻し入れを禁止してもよい。例えば、また、禁止中に、硬貨投入口210に硬貨が投入された場合には、投入された硬貨を硬貨払出口211からそのまま排出してもよい。また、禁止中に、紙幣投入口212に紙幣が投入された場合には収納部216に搬送されないようにしてもよい(紙幣投入口を無反応としてもよい)。
【0044】
完了ボタンは、貨幣の戻し入れが完了した後に押下するボタンである。完了ボタンが押下された場合には報知画面を閉じる(消去する)。なお、完了ボタンは、貨幣の戻し入れが完了した後は押下可能とし、貨幣の戻し入れが完了する前は押下不能としてもよい。
【0045】
図5は、電子ジャーナル情報を説明するための説明図である。具体的には、POSレジスタ10に記憶された電子ジャーナルファイル内の電子ジャーナル情報に基づいて印刷されたものである。図5(a)は、貨幣の放出時にエラーがあった旨を記憶した電子ジャーナル情報に基づいて印刷されたものである。図5(a)の下部の「※このデータはEJのみの作成で、実績は加算されません。」なる文言は、当該エラーの放出に関する貨幣の増減(実際には減少)は、電子ジャーナルファイルに反映されているが(電子ジャーナル情報としては記憶されているが)、理論在高ファイルには反映されていない旨(理論在高情報としては記憶されていない旨)を明示したものである。図5(b)は、貨幣の放出時のエラーの際に戻し入れがあった旨を記憶した電子ジャーナル情報に基づいて印刷されたものである。図5(b)の下部の「※このデータはEJのみの作成で、実績は加算されません。」なる文言は、当該戻し入れに関する貨幣の増減(実際には増加)は、電子ジャーナルファイルに反映されているが、理論在高ファイルには反映されていない旨を明示したものである。なお、図5(a)において、「#000001」は装置番号(装置識別情報)、「R0052」は担当者識別情報、「J0238」は電子ジャーナル情報の通番である。
【0046】
なお、POSレジスタ10自身が、図5に示すような電子ジャーナル情報に基づく帳票を印刷してもよいが、POSレジスタ10と通信可能に接続された他の装置(例えば、非図示のストアコントローラや監視端末)が、例えば、POSレジスタ10に記憶されている電子ジャーナルファイルを参照して(あるいは取得して)、図5に示すような電子ジャーナル情報に基づく帳票を印刷してもよい。
【0047】
図6は、POSレジスタ10の動作例を示すフローチャートである。なお、図6のフローチャートは、買上げる商品全ての登録が完了した後の動作例である。
ステップS1:小計キーが押下される。即ち、POSレジスタ10は、店員による小計キーの押下を認識する。
ステップS2:代金を表示する。即ち、小計キーの押下を認識したPOSレジスタ10は、合計金額を算出し、算出した合計金額を店員用表示部105に表示中の処理画面上に表示するとともに、客用表示部106に表示する。
ステップS3:釣銭機20への貨幣の投入を指示する。即ち、POSレジスタ10は、投入指示(入金指示)を釣銭機20に送信する。なお、投入指示(入金指示)を受信した釣銭機20は、入金処理として、投入口への貨幣の投入を促すように投入口の近傍に配置されたランプを発光させる。また、操作者は、小計キーの押下後に、預り金を釣銭機20に投入する。
ステップS4:釣銭機20から預り金額情報を受信する。
ステップS5:預り金額、及び、釣り銭金額を表示する。即ち、預り金額情報を受信したPOSレジスタ10は、合計金額、及び、預り金額から釣り銭金額を算出し、算出した釣り銭金額を預り金額とともに店員用表示部105に表示中の処理画面上に表示するとともに、客用表示部106に表示する。
【0048】
ステップS6:現計キーが押下される。即ち、POSレジスタ10は、店員による現計キーの押下を認識する。
ステップS7:理論在高情報を更新する。即ち、小計キーの押下を認識したPOSレジスタ10は、預り金額、及び、釣り銭金額に基づいて、理論有高ファイルに記憶されている理論在高情報を更新する。
ステップS8:釣り銭の要否を判断する。釣り銭が不要である場合には、ステップS9に進む。釣り銭が必要である場合には、ステップS10に進む。
【0049】
ステップS9:電子ジャーナル情報を記憶する。例えば、POSレジスタ10は、処理日時、買上商品(商品名又は商品コード)、預り金額、釣り銭金額などを含む電子ジャーナル情報を生成し、電子ジャーナルファイルに記憶する。そして、図6のフローチャートは終了する。なお、戻入処理や、再放出処理が実行された場合には、これらの処理のジャーナル情報も記憶する。
【0050】
ステップS10:貨幣を放出すべき旨を釣銭機20に指示する。即ち、POSレジスタ10は、放出指示(出金指示)を釣銭機20に送信する。なお、放出指示(出金指示)を受信した釣銭機20は、出金処理として、収納部216から払出口に貨幣を放出する。
ステップS11:エラーがあったか否かを判断する。つまり、出金処理における貨幣の放出時のエラーの有無が判断される。具体的には、POSレジスタ10は、放出時に搬送路221に貨幣が詰まるエラーに係るエラー情報を釣銭機20から受信したか否かを判断する。エラーがない場合には、ステップS9に進む(ステップS9の処理を実行してフローチャートは終了する)。エラーがあった場合には、ステップS12に進む。
【0051】
ステップS21:報知画面を表示する。即ち、エラー情報を受信したPOSレジスタ10は、店員用表示部105に表示中の処理画面に重畳させて報知画面を表示する。
ステップS22:報知画面上の開始ボタンが押下されたか否かを判断する。開始ボタンが押下されていない場合には、押下される迄、ステップS22を繰り返す。開始ボタンが押下された場合には、ステップS23に進む。
ステップS23:釣銭機20への貨幣の投入を指示する。即ち、POSレジスタ10は、投入指示(戻入指示)を釣銭機20に送信する。なお、投入指示(戻入指示)を受信した釣銭機20は、戻入処理として、投入口への貨幣の投入を促すように夫々の投入口の近傍に配置されたランプを発光させる。また、操作者は、開始ボタンの押下後に、戻し入れるべき貨幣(貨幣の放出時に搬送路221に詰まった貨幣(搬送路221から取り出した貨幣)や、詰まらずに払出口に既に放出されている貨幣)を釣銭機20に投入する。
【0052】
ステップS24:報知画面上の完了ボタンが押下されたか否かを判断する。完了ボタンが押下されていない場合には、押下される迄、ステップS24を繰り返す。完了ボタンが押下された場合には、ステップS25に進む。
ステップS25:貨幣を放出すべき旨を釣銭機20に指示する。即ち、POSレジスタ10は、放出指示(再放出指示)を釣銭機20に送信する。なお、放出指示(再放出指示)を受信した釣銭機20は、再放出処理として、収納部216から払出口に貨幣を放出する。
ステップS26:エラーがあったか否かを判断する。つまり、再放出処理における貨幣の放出時のエラーの有無が判断される。具体的には、POSレジスタ10は、放出時に搬送路221に貨幣が詰まるエラーに係るエラー情報を釣銭機20から受信したか否かを判断する。エラーがない場合には、ステップS27に進む。エラーがあった場合には、ステップS22に戻る。
ステップS27:報知画面を消去する。そして、ステップS9に進む(ステップS9の処理を実行してフローチャートは終了する)。
【0053】
図7は、釣銭機20の動作例を示すフローチャートである。
ステップS30:投入指示があったか否かを判断する。即ち、釣銭機20は、投入指示(入金指示/戻入指示)をPOSレジスタ10から受信したか否かを判断する。より詳細には、図6のステップS3においてPOSレジスタ10が送信した投入指示(入金指示)か、図6のステップS23においてPOSレジスタ10が送信した投入指示(戻入指示)の何れかを受信したか否かを判断する。投入指示(入金指示/戻入指示)がなかった場合にはステップS33に進む。投入指示(入金指示/戻入指示)があった場合には、投入口の近傍に配置されたランプ(発光部)を発光させて、ステップS31に進む。
ステップS31:投入口への貨幣の投入があったか否かを判断する。具体的には、釣銭機20は、投入口への貨幣の投入を検出したか否かを判断する。つまり、投入指示(入金指示)が受信された後の場合には預り金が投入されたか否かが判断され、投入指示(戻入指示)が受信された後の場合には戻し入れるべき貨幣が投入口に投入されたか否かが判断される。投入がなかった場合には、投入がある迄、ステップS31を繰り返す。投入があった場合には、ステップS32に進む。
ステップS32:入金処理、又は、戻入処理を実行する。即ち、図6のステップS3においてPOSレジスタ10が送信した投入指示(入金指示)を受信した後に貨幣が投入された場合(投入貨幣が預り金の場合)には、入金処理が実行される。一方、図6のステップS23においてPOSレジスタ10が送信した投入指示(戻入指示)を受信した後に貨幣が投入された場合(投入貨幣が戻し入れ貨幣の場合)には、戻入処理が実行される。
【0054】
なお、釣銭機20は、入金処理における預り金情報と同様、戻入処理における戻し入れ金情報もPOSレジスタ10に送信する。具体的には、釣銭機20は、入金処理であるか戻入処理であるかに関わらず、投入金額についての金額情報をPOSレジスタ10に送信すればよい。
【0055】
ステップS33:放出指示があったか否かを判断する。即ち、釣銭機20は、放出指示(出金指示/再放出指示)をPOSレジスタ10から受信したか否かを判断する。より詳細には、図6のステップS10においてPOSレジスタ10が送信した放出指示(出金指示)か、図6のステップS25においてPOSレジスタ10が送信した放出指示(再放出指示)の何れかを受信したか否かを判断する。放出指示(出金指示/再放出指示)がなかった場合には図7のフローチャートは終了する。放出指示(出金指示/再放出指示)があった場合にはステップS34に進む。
ステップS34:出金処理、又は、再放出処理を実行する。即ち、図6のステップS10においてPOSレジスタ10が送信した放出指示(出金指示)を受信した場合には出金処理が実行される。一方、図6のステップS25においてPOSレジスタ10が送信した放出指示(再放出指示)を受信した場合には、再放出処理が実行される。
【0056】
なお、釣銭機20は、再出金処理における出金情報をPOSレジスタ10に送信してもよい。但し、再出金金額は、POSレジスタ10にて把握される出金金額と同額であるため、省略してもよい。
【0057】
ステップS35:エラーがあったか否かを判断する。即ち、釣銭機20は、出金処理又は再放出処理における貨幣の放出時に搬送路221に貨幣が詰まるなどのエラーが発生したか否かを判断する。エラーがなかった場合には図7のフローチャートは終了する。エラーがあった場合にはステップS36に進む。
ステップS36:エラー情報をPOSレジスタ10に送信する。そして、図7のフローチャートは終了する。
【0058】
図6及び図7のフローチャートによれば、釣り銭の放出時にエラーがあった場合には(図7のステップS35(Yes)、図6のステップS11(Yes))、POSレジスタ10に報知画面が表示される(図6のステップS21)。報知画面上にて開始ボタンが押下され、戻し入れるべき貨幣(貨幣の放出時に搬送路221に詰まった貨幣(搬送路221から取り出した貨幣)や、詰まらずに払出口に既に放出されている貨幣)が釣銭機20に投入されたときには、釣銭機20は、戻入処理を実行する(図7のステップS32)。続いて、報知画面上にて完了ボタンが押下された場合には、釣銭機20は、再放出処理を実行し(図7のステップS34)、再度のエラーがなければ(図7のステップS35(No))、エラー後の処置は完了する。
【0059】
図6及び図7のフローチャートによれば、取引において、理論在高情報は、預り金額、及び、釣り銭金額に基づいて1度更新される(図6のステップS7)。即ち、戻入処理や再放出処理が実行されても再度更新されることはない。換言すれば、戻入処理や再放出処理は理論在高が更新されない処理である。
【0060】
以上、本発明の実施形態の入出金管理システム1について説明したが、入出金管理システム1によれば、出金処理においてエラーがあった場合には報知画面が表示される。そして、該報知画面にて所定の操作(開始ボタンの押下等)を行って貨幣を投入すれば、理論在高が更新されない戻入処理が実行される。従って、理論在高が実在高よりも高くなることはなく、違算が生じなくなる。
【0061】
上記実施形態の入出金管理システム1では、出金処理においてエラーがあった場合、所定の操作として報知画面上の開始ボタンを押下したが、所定の操作はこれに限定されるものではない。例えば、店員用操作部108が備えるメカキーの操作(押下)であってもよい。報知画面上の完了ボタン等についても同様である。
【0062】
また、上記実施形態の入出金管理システム1は、登録処理及び決済処理(釣銭機20が実行する貨幣の搬送等に係る機能を除く)を実行するPOSレジスタ10と、当該POSレジスタ10と一体的に接続され(外観上、POSレジスタ10と同一の筐体を形成し)、貨幣の搬送に係る決済処理を実行する釣銭機20とから構成される。しかしながら、本発明に係る入出金管理システムは、上記実施形態の態様に限定されるものではない。以下、他の態様について説明する。
【0063】
(釣銭機を別途配置する態様)
POSレジスタ10と、釣銭機20とは、互いに離れた位置に配置されるものであってもよい。即ち、他の態様の一例として、入出金管理システム(非図示。便宜上、入出金管理システム2という)は、登録処理及び決済処理(釣銭機20が実行する貨幣の搬送等に係る機能を除く)を実行するPOSレジスタ10と、当該POSレジスタ10と通信可能に離れた位置に配置され(外観上、POSレジスタ10と別個の筐体を形成し)、貨幣の搬送に係る決済処理を実行する釣銭機20とから構成されるものであってもよい。
【0064】
(精算装置が存在する態様)
登録処理及び決済処理(釣銭機20が実行する貨幣の搬送等に係る機能を除く)を実行するPOSレジスタ10に代えて、主に決済処理(釣銭機20が実行する貨幣の搬送等に係る機能を除く)を実行する精算装置(非図示)を備えてもよい。即ち、他の態様の一例として、入出金管理システム(非図示。便宜上、入出金管理システム3という)は、主に決済処理(釣銭機20が実行する貨幣の搬送等に係る機能を除く)を実行する精算装置(非図示。便宜上、精算装置30という)と、当該精算装置30と一体的に接続され(外観上、精算装置30と同一の筐体を形成し)、貨幣の搬送に係る決済処理を実行する釣銭機20とから構成されるものであってもよい。
【0065】
入出金管理システム3では、釣銭機20は、精算装置30から種々の情報を受信する。一例として、釣銭機20は、精算装置30から制御命令(例えば、投入指示、放出指示)を受信する。また、釣銭機20は、精算装置30に種々の情報を送信する。一例として、釣銭機20は、預り金情報やエラー情報を送信する。入出金管理システム3では、報知画面は、精算装置30が備える表示部に表示する。
【0066】
なお、精算装置30は、主に登録処理を実行するPOSレジスタ(非図示。便宜上、POSレジスタ11(登録装置)という)おいて生成された登録処理後の取引情報(又は取引情報を特定可能な情報)を用いて決済処理を実行すればよい。例えば、POSレジスタ11は、取引情報をバーコード化(例えば、一次元のバーコード、2次元バーコード等)して印刷した紙片(お会計券)を発行し、精算装置30において当該紙片を読み取らせることによって決済処理を実行してもよい。あるいは、決済処理を実行する精算装置30をPOSレジスタ11において指定し、指定された精算装置30において決済処理を実行してもよい。
【0067】
なお、上述の如く、精算装置30と釣銭機20とを入出金管理システム3としてもよいが、POSレジスタ11と精算装置30と釣銭機20とを入出金管理システム3としてもよい。
【0068】
以上、本発明の実施形態等について詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上記入出金管理システム1に関し、以下の付記を開示する。
【0069】
(付記項1)
貨幣を収納する収納部と、買上げる商品の代金と預り金とに基づいて決済処理を実行する決済手段と、前記預り金を入金する入金処理として操作者によって投入された貨幣を前記収納部に収納させるとともに、釣り銭があるときには釣り銭を出金する出金処理として前記収納部から貨幣を放出させる入出金手段と、前記入金処理における投入貨幣、または、前記出金処理における放出貨幣に基づいて、前記収納部に収納されている貨幣の理論在高を更新する理論在高更新手段と、前記出金処理においてエラーがあった場合に、操作者に該エラーを報知する報知画面を表示する報知手段と、前記報知画面に基づいて所定の操作が行われた後に、前記理論在高が更新されない戻入処理として、前記釣り銭として前記収納部から放出された貨幣であって操作者によって投入された貨幣を前記収納部に収納させる戻入手段と、前記戻入処理が完了した後に、前記理論在高が更新されない再放出処理として、前記収納部から前記釣り銭を再放出させる再放出手段とを備えることを特徴とする入出金管理システム。
【0070】
なお、上記付記項1(下記付記項3も同様)に記載の「所定の操作」とは、報知画面上に配置されたボタンの押下であってもよいし、メカキー(例えば、店員用操作部108が備えるメカキー)の押下であってもよい。つまり、「報知画面に基づいて所定の操作が行われた後」とは、「当該報知画面上に配置されたボタンが押下された後」に限定されず、「当該報知画面に表示された報知内容に従って(当該報知画面に表示された報知内容に応じた)メカキーが押下された後」なども含まれる。
【0071】
(付記項2)
前記報知手段は、所定のボタンが配置された前記報知画面を表示し、前記戻入手段は、前記所定の操作として前記報知画面に配置された前記ボタンが押下された後に、前記戻入処理として貨幣を前記収納部に収納させることを特徴とする付記項1記載の入出金管理システム。
上記入出金管理システムによれば、所定のボタンを押下しさえすれば、戻入処理が実行される。従って、簡便な操作で、違算が生じなくなる。
【0072】
(付記項3)
前記再放出手段は、前記戻入処理が完了し、且つ、前記報知画面に基づいて所定の操作が行われた後に、前記再放出処理として前記収納部から前記釣り銭を再放出させることを特徴とする付記項1記載の入出金管理システム。
上記入出金管理システムによれば、戻入処理が完了したことを確認した後に、釣り銭の再放出を行うことができる。あるいは、釣り銭の一部として放出されている貨幣を収納部内に一旦戻した後に、改めて釣り銭の再放出を指示することができる。
【0073】
(付記項4)
前記報知手段は、所定のボタンが配置された前記報知画面を表示し、前記再放出手段は、前記戻入処理が完了し、且つ、前記所定の操作として前記報知画面に配置された前記ボタンが押下された後に、前記再放出処理として前記収納部から前記釣り銭を再放出させることを特徴とする付記項3記載の入出金管理システム。
上記入出金管理システムによれば、所定のボタンを押下しさえすれば、再放出処理が実行される。従って、簡便な操作で、改めて釣り銭の再放出を指示することができる。
【0074】
(付記項5)
前記入出金手段は、前記出金処理のエラー中は、前記入金処理としての貨幣の収納、及び、前記出金処理としての貨幣の放出を禁止することを特徴とする付記項1乃至付記項4の何れかに記載の入出金管理システム。
上記入出金管理システムによれば、図6図7に示したように出金処理のエラー中においては、開始ボタンの押下があって初めて戻入処理が実行され、完了ボタンの押下があって初めて再放出処理が実行されるが、仮に、完了ボタンや開始ボタンの押下を要せずに、戻入処理処理や再放出処理が実行されるとしても、図6に示すように、出金処理のエラー中に実行される戻入処理処理や再放出処理においては理論有高情報は更新されない。換言すれば、出金処理のエラー中に実行されるのは理論有高情報が更新されない戻入処理や再放出処理であって、出金処理のエラー中には理論有高情報が更新される入金処理や出金処理の実行は禁止される。従って、違算は生じなくなる。
【0075】
(付記項6)
少なくとも、前記入金処理、前記出金処理、前記戻入処理の各処理おいて処理された貨幣種毎の枚数を電子ジャーナル情報として記憶する記憶手段を更に備えることを特徴とする付記項1乃至付記項5の何れかに記載の入出金管理システム。
【0076】
(付記項7)
買上げる商品を登録する登録装置と釣銭機とを含み、前記登録装置は、少なくとも、前記決済手段と、前記理論在高更新手段と、前記報知手段とを備え、前記釣銭機は、少なくとも、前記収納部と、前記入出金手段と、前記戻入手段と、前記再放出手段とを備えることを特徴とする付記項1乃至付記項6の何れかに記載の入出金管理システム。
上記入出金管理システム1又は上記入出金管理システム2に相当する。
【0077】
(付記項8)
買上げる商品の代金を決済する精算装置と釣銭機とを含み、前記精算装置は、少なくとも、前記決済手段と、前記理論在高更新手段と、前記報知手段とを備え、前記釣銭機は、少なくとも、前記収納部と、前記入出金手段と、前記戻入手段と、前記再放出手段とを備えることを特徴とする付記項1乃至付記項6の何れかに記載の入出金管理システム。
上記入出金管理システム3に相当する。
【0078】
なお、本実施形態の入出金管理システム1、2(若しくは、POSレジスタ10、釣銭機20)の各処理、又は、入出金管理システム3(若しくは、POSレジスタ11、釣銭機20、精算装置30)の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、入出金管理システム1、2(若しくは、POSレジスタ10、釣銭機20)の各処理、又は、入出金管理システム3(若しくは、POSレジスタ11、釣銭機20、精算装置30)の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0079】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0080】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1、2、3…入出金管理システム 9…カウンタ台 10…POSレジスタ(登録精算装置) 11…POSレジスタ(登録装置) 20…釣銭機 30…精算装置 101…CPU 102…ROM 103…RAM 104…スキャナ部 105…店員用表示部 106…客用表示部 107…ハードディスク 108…操作部 109…通信部 110…ブザー 111…印刷部 112…接続部 201…制御部 202…接続部 205…表示操作部 210…硬貨投入口 211…硬貨払出口 212…紙幣投入口 213…紙幣払出口 216…収納部 220…搬送部 221…搬送路 222…識別部 223…計数部 224…検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7