(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内側ケースの前記第1の開口部及び前記外側ケースの前記第2の開口部の設けられている側は、前記操作子のスライド方向に沿う円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスライド入力装置。
前記係止部材は、組み立て状態において前記軸部貫通孔内に配置される中央部の太さが、他の部分よりも細く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスライド入力装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
図1から
図14を参照しつつ、本発明に係るスライド入力装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
図1は、本実施形態に係るスライド入力装置が適用された電子機器(例えば、電子ピアノ、キーボード等の電子楽器)の要部上面図であり、
図2は、
図1におけるII-II線に沿う断面図である。また、
図3(a)は、
図1に示すスライド入力装置の上面図であり、
図3(b)は、
図3(a)のb-b線に沿う断面図である。また、
図4は、
図3(b)のIV-IV線に沿う断面図であり、
図5は、
図3(b)のV-V線に沿う断面図である。
図2から
図5に示すように、本実施形態のスライド入力装置1は、入力部11と、この入力部11を回路基板12上でスライド移動させる操作子2とを備えるものである。スライド入力装置1は、操作子2により入力部11をスライド移動させることで、例えば各種のパラメータ値を変更させることができる。
入力部11は、回路基板12と電気的に接続されており、回路基板12に実装されている図示しない制御装置により入力部11の位置が読み取られる。制御装置は、読み取られた入力部11の位置に応じて、例えば、音量(ボリューム)やテンポ(ピッチ)等、当該入力部11に割り当てられている各種機能のパラメータ値を適宜変更するようになっている。
【0013】
図2及び
図3(b)等に示すように、本実施形態において、スライド入力装置1は、軸部材21と摘み部22と係止部材23とを有する操作子2と、この操作子2の軸部材21が挿通される第1の開口部31を備える内側ケース3と、内側ケース3の上に重なるように設けられ、操作子2の軸部材21及び摘み部22が挿通される第2の開口部41を備える外側ケース4とを備えている。
【0014】
図6(a)は、本実施形態における軸部材の正面図であり、
図6(b)は、
図6(a)における矢視b方向から見た軸部材の上面図であり、
図6(c)は、
図6(a)における矢視c方向から見た軸部材の側面図である。
図3(b)に示すように、軸部材21は、その基端側が入力部11に固定され、自由端側に操作子2のスライド方向(
図2において矢印で示す方向、
図3(a)において上下方向)と直交する方向に貫通する軸部貫通孔212を備えている。
【0015】
具体的には、
図6(a)から
図6(c)に示すように、軸部材21は、薄い板状部211とその一端側(基端側、
図6(a)及び
図6(c)において下側)に設けられた連結部213を備えている。連結部213には入力部11側の連結部111が嵌め込まれる連結孔214が形成されており、軸部材21は、この連結孔214に入力部11側の連結部111が嵌め込まれることで入力部11に固定される。なお、軸部材21を入力部11に固定する連結部213の形状等は図示例に限定されない。
また、軸部材21の他端側(自由端側、
図6(a)から
図6(c)において上側)である板状部211には、軸部材21の高さ方向(
図6(a)から
図6(c)において上下方向)に沿って延在する長孔であるスリット状の軸部貫通孔212が設けられている。軸部貫通孔212には、後述するように係止部材23が挿通される。
なお、板状部211に形状等は図示例に限定されない。
また、本実施形態では、板状部211の上下方向におけるほぼ全体に亘って軸部貫通孔212が形成されている例を示しているが、軸部貫通孔212は少なくとも軸部材21の自由端側に設けられていればよく、板状部211の上下方向における一部のみに設けられていてもよい。
【0016】
図7(a)は、本実施形態における摘み部の上面図であり、
図7(b)は、
図7(a)における矢視b方向から見た摘み部の正面図であり、
図7(c)は、
図7(a)における矢視c方向から見た摘み部の側面図であり、
図7(d)は、摘み部の底面図である。
図7(a)から
図7(d)に示すように、摘み部22は、ユーザが指先等で摘まむ部分である摘み部本体221と、脚部222とを備えている。
本実施形態では、摘み部本体221は中空となっており、摘み部本体221の内部上面から2つの脚部222が垂設されている。
脚部222には、摘み部22が軸部材21に取り付けられた際に軸部貫通孔212に対応する位置に係止孔223が形成されている。
【0017】
2つの脚部222の間隔は軸部材21の自由端側(
図6(a)等において上部)の厚みと同程度となっており、組み立て状態において、2つの脚部222の間に軸部材21(軸部材21の板状部211)が挟み込まれることで摘み部22が軸部材21に取り付けられる。
また、後述するように、本実施形態では摘み部22の高さ方向の位置が可変となっており、摘み部22の高さが下がった際には、軸部材21の先端側が2つの脚部222の間の空間に収容される。
なお、摘み部22の構成は、ここに例示したものに限定されず、例えば、摘み部本体221は中実であってもよい。この場合には、摘み部本体221の下面に脚部222が設けられる。また、摘み部本体221の下面であって脚部222の間には、軸部材21の先端側を収容可能な空間として、例えば凹部が形成されることが好ましい。
【0018】
図8(a)は、本実施形態における係止部材の上面図であり、
図8(b)は、
図8(a)における矢視b方向から見た係止部材の正面図であり、
図8(c)は、
図8(a)における矢視c方向から見た係止部材の側面図であり、
図8(d)は、
図8(a)におけるd-d線に沿う断面図である。
図3(b)に示すように、係止部材23は、軸部材21の軸部貫通孔212と摘み部22の係止孔223とを貫くように操作子2のスライド方向と直交する方向に挿通され、これにより軸部材21と摘み部22とを係止する。
【0019】
本実施形態では、係止部材23は、一端側の端面に凹部232が形成された第1部材231と一端側に突起部234を有する第2部材233からなり、第2部材233の突起部234の先端部分が第1部材231の凹部232に嵌め込まれることで一体化される。なお、第2部材233の突起部234の先端部を第1部材231の凹部232に嵌め込むだけでなく、接着剤等により固定するようにしてもよい。
図8(a)及び
図8(b)に示すように、凹部232の深さは、突起部234の長さよりも浅く(短く)なっており、突起部234の基端側は凹部232内に収容されずに露出する。第2部材233の突起部234の太さは、他の部分よりも細くなっている。組み立て状態において、突起部234の基端側は、係止部材23のほぼ中央部に位置する細軸部を構成し、軸部貫通孔212内に配置される。
軸部材21の軸部貫通孔212は、係止部材23の細軸部(本実施形態では突起部234)の径よりも幅が広く、それ以外の部分の断面の幅よりも幅が狭くなっている。これにより、細軸部(突起部234)は軸部貫通孔212内を上下方向に摺動可能であるとともに、細軸部(突起部234)以外の部分は軸部貫通孔212の手前で係止され、係止部材23が長手方向にずれることが規制され、係止部材23の軸部貫通孔212からの抜け落ちが防止される。
【0020】
内側ケース3は、回路基板12及び回路基板12上に実装されている入力部11の上に被せられるカバーである。
内側ケース3は、その上面に、操作子2のスライド方向に沿って延在するスリット状の第1の開口部31を備えている。
本実施形態では、内側ケース3の第1の開口部31の設けられている側(すなわち、上面)は、操作子2のスライド方向に沿う円弧状に形成されている。
【0021】
第1の開口部31は、係止部材23における操作子2のスライド方向と直交する方向(すなわち、係止部材23の長手方向)の長さよりも狭い幅に形成されており、軸部材21は第1の開口部31内を操作子2のスライド方向に沿って移動可能であるとともに、係止部材23は第1の開口部31から抜け落ちないようになっている。
また、内側ケース3の下側(
図2等において下側)には、回路基板12や図示しないベース板等に内側ケース3を固定するためのケース固定部32(
図10等参照)が設けられている。ケース固定部32には図示しないネジ孔が形成されており、このネジ孔と回路基板12等に形成されているネジ孔(図示せず)とにビス5(
図10等参照)を挿通させることで、内側ケース3が回路基板12等に固定される。
【0022】
外側ケース4は、内側ケース3の上に重なるように設けられるカバーであり、本実施形態では、
図1に示すように電子機器100の外装ケースの一部を構成する。
外側ケース4は、その上面に、操作子2のスライド方向に沿って延在する第2の開口部41を備えている。
本実施形態では、外側ケース4の第2の開口部41の設けられている側(すなわち、上面)は、内側ケース3と同様に、操作子2のスライド方向に沿う円弧状に形成されている。
【0023】
第2の開口部41は、係止部材23における操作子2のスライド方向と直交する方向(すなわち、係止部材23の長手方向)の長さよりも狭く摘み部22における操作子2のスライド方向と直交する方向の長さよりも広い幅に形成されている。これにより、軸部材21及びこの上に取り付けられた摘み部22は第2の開口部41内を操作子2のスライド方向に沿って移動可能であるとともに、係止部材23は第2の開口部41から外側(上側)に抜けないようになっている(
図4、
図5等参照)。
【0024】
また、第2の開口部41は、摘み部22をスライド方向にガイドするものである。本実施形態では、第2の開口部41の端面に、下向きに垂設された下向きフランジ42(
図4、
図5等参照)が形成されており、下向きフランジ42の内側面が摘み部22の外側面の両側に配置されることで、より安定して摘み部22をガイドすることができる。なお、第2の開口部41に下向きフランジ42が設けられることは必須ではない。第2の開口部41に下向きフランジ42が設けられない場合には、第2の開口部41の端面によって摘み部22がガイドされる。
【0025】
次に、
図9から
図14等を参照しつつ、本実施形態におけるスライド入力装置1の作用について説明する。
【0026】
本実施形態において、スライド入力装置1を組み立てる際には、まず、
図9に示すように、回路基板12に実装された入力部11の連結部111を軸部材21の連結部213の連結孔214に嵌め込むことにより、操作子2の軸部材21を入力部11に取り付ける。
次に、
図10に示すように、軸部材21が取り付けられた状態の入力部11の上に内側ケース3を被せる。このとき、軸部材21の先端が第1の開口部31から露出するように位置を合わせるとともに、ケース固定部32を回路基板12に形成されている図示しないネジ孔に嵌め合わせ、ビス5によって内側ケース3を回路基板12に固定する。
【0027】
さらに、
図11に示すように、内側ケース3の第1の開口部31から露出している軸部材21の先端(板状部211の先端)に摘み部22を取り付ける。
具体的には、摘み部22の2つの脚部222の間に軸部材21の板状部211の先端を挟み込み、板状部211に形成されている軸部貫通孔212と脚部222に形成されている係止孔223の位置を合わせた上で、一方側から係止部材23の第1部材231を挿入し、他方側から第2部材233を挿入する。そして、第2部材233の突起部234の先端部を第1部材231の凹部232に嵌め込み、第1部材231と第2部材233とを一体化させる。
このとき、突起部234の基端側(凹部232内に収容されず露出している部分)は軸部貫通孔212内に配置される。突起部234は、係止部材23の他の部分よりも太さの細い細軸部を構成し、ある程度遊びを持った状態で軸部貫通孔212内に保持される。これにより、
図2に示すように、係止部材23の細軸部(突起部234)は、長孔である軸部貫通孔212内を上下方向に摺動可能に構成される。また、細軸部(突起部234)は、軸部貫通孔212内において自由に回転可能であり、摘み部22を操作することで細軸部(突起部234)が回転すると、係止部材23に係止されている摘み部22の角度が変化する。すなわち、
図2に示すように、内側ケース3及び外側ケース4が傾斜している場合、摘み部22の角度がその傾斜面に対してほぼ垂直となるように摘み部22が傾く。さらに、細軸部(突起部234)以外の部分は軸部貫通孔212の幅よりも太いため、軸部貫通孔212の外側で係止され、係止部材23が長手方向にずれて抜け落ちることが防止される。
【0028】
上記のように操作子2の組み立てが完了すると、
図12に示すように、内側ケース3の上から外側ケース4を被せる。このとき、外側ケース4の第2の開口部41が内側ケース3の第1の開口部31の上に配置されるようにするとともに、操作子2の先端(すなわち、摘み部本体221)が第2の開口部41から露出するように位置を合わせる。
第2の開口部41に形成されている下向きフランジ42が内側ケース3の上面に突き当たる位置まで外側ケース4を嵌め込むことで、操作子2の取り付けを含むスライド入力装置1の組み立てが完了する。
【0029】
スライド入力装置1は、組み立て状態において、内側ケース3と外側ケース4との間に係止部材23が挟み込まれるとともに、摘み部22が外側ケース4の第2の開口部41から露出した状態となり、摘み部22が第2の開口部41に沿ってスライド方向(
図2において矢印で示す方向、
図3(a)において上下方向)にガイドされる。すなわち、内側ケース3と外側ケース4との間に係止部材23が挟み込まれて内側ケース3と外側ケース4との間をガイドされるとともに、摘み部22の摘み部本体221の外側面が第2の開口部41に設けられている下向きフランジ42の内側面によってガイドされ、スリット状の第2の開口部41の長手方向に沿って操作子2が円滑にスライド移動可能となる。
【0030】
ここで、
図14に示す従来のスライド入力装置10と本実施形態におけるスライド入力装置1とを比較して説明する。
従来のスライド入力装置10では、入力部11の連結部111を外装ケース30の開口部35から露出させ、その先端に摘み部20を嵌め込むことで摘み部20を固定していた。このため、操作中にユーザの指が摘み部20に引っ掛かった場合に容易に摘み部20が外れてしまう。仮に摘み部20が接着剤等で接着固定されていた場合でも、操作を繰り返すうちに使用に伴って接着部分が劣化し、摘み部20が外れやすくなる。
また、従来のスライド入力装置10では、摘み部20をスライド移動させる場合、摘み部20の高さ及び角度は一定である。このため、例えば、
図14に示すように外装ケース30に傾斜がある場合や、本実施形態のように、ケース上面の形状が円弧状である場合には、摘み部20の高さ方向の位置をケースの高さが低い部分に合わせると、ケースの高さが高くなっている部分では摘み部20が開口部35内に埋もれてしまい、操作子し辛くなる。また、逆に、摘み部20の高さ方向の位置をケースの高さが高い部分に合わせると、ケースの高さが低くなっている部分では摘み部20が外側に大きく突出してしまい、外観が損なわれてしまう。
【0031】
この点、本実施形態のような構成のスライド入力装置1を適用した場合には、摘み部22が係止部材23によって軸部材21に固定されているため、操作子2の操作中にユーザの指が操作子2の摘み部22に引っ掛かったりした場合でも、摘み部20が外れることがない。
また、係止部材23が内側ケース3と外側ケース4との間に挟み込まれていることで、高さ方向においても操作子2が安定してガイドされる。
さらに、係止部材23の突起部234で構成される細軸部が、ある程度の遊びを持って軸部材21の軸部貫通孔212内に保持されていることにより、細軸部が適宜軸部材21の軸部貫通孔212内を上下移動可能となっている。これにより、
図2に示すように、係止部材23及び係止部材23により軸部材21に取り付けられている摘み部22が、内側ケース3及び外側ケース4の形状に沿って上下移動し、常に操作しやすい高さに調整されるようになっている。また、係止部材23は、細軸部の部分において軸部貫通孔212内で回転可能となっている。これにより、摘み部22の角度も内側ケース3及び外側ケース4の形状に合わせて変わるため、ケースの形状に関わらず、操作子2を操作しやすい状態を維持することができる。
【0032】
具体的には、内側ケース3及び外側ケース4の最も高くなっている部分では、
図2の中央に実線で示すように、係止部材23の細軸部(突起部234)が軸部材21の軸部貫通孔212の一番高い位置にあり、摘み部22も軸部材21の軸中心の延長上にほぼ垂直に配置される。これに対して、内側ケース3及び外側ケース4の高さの低い部分では、
図2の左右に二点鎖線で示すように、係止部材23の細軸部(突起部234)が内側ケース3及び外側ケース4の高さが低くなるにしたがって軸部材21の軸部貫通孔212の中を下降していく。これにより、係止部材23により軸部材21に係止されている摘み部22の高さも下がっていき、外側ケース4から突出し過ぎないように適宜調整される。
また、内側ケース3及び外側ケース4のカーブに沿って手前側(例えば
図2において左側)に掴み部22を倒せば摘み部22も手前側に傾き、逆に内側ケース3及び外側ケース4のカーブに沿って奥側(例えば
図2において右側)に掴み部22を倒せば摘み部22も奥側に傾くというように、摘み部22の角度も内側ケース3及び外側ケース4のカーブに応じて適宜変化する。
【0033】
以上のように、本実施形態によれば、軸部材21の軸部貫通孔212と摘み部22の係止孔223とを貫くように、操作子2のスライド方向と直交する方向に、係止部材23が挿通され、係止部材23によって摘み部22が軸部材21に固定されている。これにより、単なる嵌め込み固定や接着固定の場合と比べて、摘み部22と軸部材21との固定部分が劣化しにくく、繰返し操作子2を操作しても、摘み部22が軸部材21から外れることがない。
また、軸部貫通孔212は、上下方向に延在する長孔であるため、軸部貫通孔212に挿通された係止部材23が、この軸部貫通孔212内を長孔の延在方向(上下方向)に移動することができる。このため、係止部材23によって軸部材21に係止されている摘み部22が係止部材23の移動に応じて上下方向に移動する。これにより、内側ケース3及び外側ケース4の形状に沿って、摘み部22の高さ方向の位置が適宜変化し、常に操作しやすい高さに調整される。特に、操作子2により入力部をスライド移動させて段階的又は無段階的にパラメータ値を変更させる場合に、微妙な調整を円滑に行うことができる。
また、係止部材23は、組み立て状態において軸部貫通孔212内に配置される中央部が、他の部分よりも細く形成された細軸部(突起部234)となっている。このため、係止部材23は、この軸部貫通孔212の延在方向(上下方向)に沿って円滑に移動することができる。
さらに、係止部材23における軸部貫通孔212内に配置される部分が細軸部となっていることにより、係止部材23が軸部貫通孔212内で細軸部の軸回りに自由に回転可能となっている。このため、摘み部22の操作に応じて適宜摘み部22の角度も変化させることができ、操作しやすい状態を維持したまま操作子2のスライド操作を行うことができる。
また、係止部材23の細軸部(突起部234)以外の部分は軸部貫通孔212の幅よりも太くなっている。このため、細軸部(突起部234)以外の部分は軸部貫通孔212の外側で係止され、繰返し操作子2を操作しても、係止部材23が長手方向にずれて抜け落ちることが防止される。
また、本実施形態では、組み立て状態において内側ケース3と外側ケース4との間に係止部材23が挟み込まれることにより、摘み部22が外側ケース4の第2の開口部41内をスライド方向にガイドされるように構成している。これにより、摘み部22の抜け落ちが防止されるとともに、操作子2をスライド方向に安定して円滑に移動させることができる。
また、内側ケース3の第1の開口部31及び外側ケース4の第2の開口部41の設けられている側は、操作子2のスライド方向に沿う円弧状に形成されている。このため、直線的なデザインではない特殊な形状の外観を有する電子機器(例えば電子ピアノ等)を実現することができ、意匠的なバリエーションの自由度が広がる。そして、このような特殊な形状の外観を有する電子機器にスライド入力装置1を適用する場合でも、本実施形態の構成を採ることにより、ケースの外形形状に沿って操作子2を円滑にスライド移動させることができる。
【0034】
[第2の実施形態]
次に、
図15(a)、
図15(b)から
図17を参照しつつ、本発明に係るスライド入力装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、内側ケース及び外側ケースの形状等が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0035】
図15(a)は、本実施形態に係るスライド入力装置の上面図であり、
図15(b)は、
図15(a)のb-b線に沿う断面図である。また、
図16は、
図15(a)のXVI-XVI線に沿う断面図であり、
図17は、
図15(b)のXVII-XVII線に沿う断面図である。
図16及び
図17に示すように、内側ケース8には第1の実施形態と同様に第1の開口部81が設けられており、外側ケース9には内側ケース8の第1の開口部81に対応する位置に第2の開口部91が設けられている。第2の開口部91には、第1の実施形態と同様に下向きフランジ92が設けられている。
本実施形態の内側ケース8における第1の開口部81が設けられている側及び外側ケース9における第2の開口部91が設けられている側の形状は平面状となっている。
【0036】
図15(a)、
図15(b)から
図17に示すように、本実施形態における操作子7は、軸部材24と、係止部材25と、第1の実施形態と同様の形状の摘み部22とを備えている。なお、
図15(b)では、第1の実施形態と同様に摘み部22が中空に形成されている場合を例示しているが、本実施形態の摘み部22の摘み部本体221は、内部に空間を持たない中実構成となっていてもよい。
【0037】
本実施形態の軸部材24は、第1の実施形態と同様に、板状部241と板状部241の一端側に設けられ入力部11に取り付けられる連結部243とを備えている。連結部243には、入力部11側の連結部111が嵌め込まれる凹部244が形成されている。
また、板状部241の自由端側であって、摘み部22の係止孔223に対応する位置には、操作子7のスライド方向(
図16において矢印で示す方向、
図15(a)において上下方向)と直交する方向に貫通する軸部貫通孔(図示せず)が設けられている。軸部貫通孔は、係止部材25の断面よりも僅かに大きく形成されており、軸部貫通孔には係止部材25が挿通される。
【0038】
本実施形態の係止部材25は、全体がほぼ直方体形状に形成された長尺な棒状の部材である。係止部材25の断面形状を長方形とすることで、係止部材25が軸部貫通孔及び係止孔223内で回転することが規制され、摘み部22のがたつきを防止することができる。なお、係止部材25の形状は図示例に限定されず、断面が正方形状や円形状、楕円形状等であってもよい。
【0039】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0040】
次に、本実施形態におけるスライド入力装置10の作用について説明する。
本実施形態において、スライド入力装置10を組み立てる際には、第1の実施形態と同様に、回路基板12に実装された入力部11の連結部111を軸部材24の連結部243の連結孔244に嵌め込むことにより、軸部材24を入力部11に取り付ける。
そして、軸部材24が取り付けられた状態の入力部11の上に内側ケース8を被せる。このとき、軸部材24の先端が第1の開口部81から露出するように位置を合わせ、ビス等によって内側ケース8を回路基板12に固定する。
さらに、内側ケース8の第1の開口部81から露出している軸部材24の先端(板状部241の先端)に摘み部22を取り付ける。
具体的には、摘み部22の2つの脚部222の間に軸部材24の板状部241の先端を挟み込み、板状部241に形成されている軸部貫通孔242と脚部222に形成されている係止孔223の位置を合わせた上で、一方側から他方側に向かって係止部材25を挿通させる。これにより操作子7の組み立てが完了する。
【0041】
操作子2の組み立てが完了すると、内側ケース8の上から外側ケース9を被せる。このとき、外側ケース9の第2の開口部91が内側ケース8の第1の開口部81の上に配置されるようにするとともに、操作子2の先端(すなわち、摘み部本体221)が第2の開口部91から露出するように位置を合わせる。
第2の開口部91に形成されている下向きフランジ92が内側ケース8の上面に突き当たる位置まで外側ケース9を嵌め込むことで、操作子7の取り付けを含むスライド入力装置10の組み立てが完了する。
【0042】
スライド入力装置10は、組み立て状態において、内側ケース8と外側ケース9との間に係止部材25が挟み込まれることにより、摘み部22が外側ケース9の第2の開口部91に沿ってスライド方向(
図16において矢印で示す方向、
図15(a)において上下方向)にガイドされる。すなわち、係止部材25が内側ケース8と外側ケース9との間に保持されるとともに、摘み部22の摘み部本体221の外側面が第2の開口部91に設けられている下向きフランジ92の内側面によってガイドされ、スリット状の第2の開口部91の長手方向に沿って円滑にスライド移動可能となる。
【0043】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、軸部材24の軸部貫通孔と摘み部22の係止孔223とを貫くように、操作子7のスライド方向と直交する方向に、係止部材25が挿通され、係止部材25によって摘み部22が軸部材24に固定されている。
これにより、摘み部22を単なる嵌め込み固定や接着固定により軸部材24に固定する場合と比べて、摘み部22と軸部材24との固定部分が劣化しにくく、繰返し操作子7を操作しても、摘み部22が軸部材24から外れることがない。
また、本実施形態では、組み立て状態において内側ケース8と外側ケース9との間に係止部材25が挟み込まれることにより、摘み部22が外側ケース9の第2の開口部91内をスライド方向にガイドされるように構成している。これにより、摘み部22の抜け落ちが防止されるとともに、操作子7をスライド方向に安定して円滑に移動させることができる。
【0045】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0046】
例えば、上記第1の実施形態では、係止部材23が第1部材231と第2部材233とに分割可能である構成を例示したが、係止部材23は、このように2つの部材で構成されるものに限定されない。
例えば、係止部材23を、長手方向のほぼ中央部に細軸部を有し、細軸部以外の部分の断面形状が長方形となるように形成し、軸部材21の軸部貫通孔212及び摘み部22の係止孔223の幅を、係止部材23の長方形の断面における短辺の長さよりも大きく、長辺の長さよりも小さく形成する。そして、組み立てる際には、係止部材23の向きを断面における短辺が横になるように合わせて軸部貫通孔212及び係止孔223に挿通させ、細軸部が軸部貫通孔212内に配置されたところで、係止部材23の向きを断面における長辺が横になるようにほぼ90度回転させる。これにより、細軸部の以外の部分が軸部貫通孔212及び係止孔223の手前で係止され、係止部材23が長手方向にずれて軸部貫通孔212から抜け落ちることが防止される。
【0047】
また、上記第2の実施形態では、係止部材25がほぼ直方体形状に一体的に形成された長尺な棒状の部材である例を示したが、係止部材25の形状はここに例示した形状に限定されない。
例えば、第1の実施形態で示したように、係止部材が第1部材と第2部材とを嵌め合わせることで形成されていてもよい。
また、単なる直方体形状ではなく、係止部材25の長手方向のほぼ中央部に細軸部が設けられていてもよい。
このように、係止部材25を第1の実施形態と同じ形状にすることにより、ケース形状にかかわらず同じ係止部材を用いることができ、生産コストを抑えることができる。
【0048】
また、第1の実施形態では、内側ケース3及び外側ケース4の外形形状が円弧状である場合を例示し、第2の実施形態では、内側ケース8及び外側ケース9の外形形状が平面状である場合を例示したが、内側ケース及び外側ケースの外形形状はここに例示したものに限定されない。
【0049】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
回路基板と電気的に接続された入力部と、前記回路基板上で前記入力部をスライド移動させる操作子とを備えたスライド入力装置であって、
前記操作子は、
基端側が前記入力部に固定され、自由端側に前記操作子のスライド方向と直交する方向に貫通する軸部貫通孔を備える軸部材と、
前記軸部材の前記自由端側に取り付けられ、前記軸部貫通孔に対応する位置に係止孔を備える摘み部と、
前記軸部材の前記軸部貫通孔と前記摘み部の前記係止孔とを貫くように前記操作子のスライド方向と直交する方向に挿通される係止部材と、
を有し、かつ
前記操作子の前記軸部材が挿通される第1の開口部を備える内側ケースと、
前記内側ケースの上に重なるように設けられ、前記操作子の前記軸部材及び前記摘み部が挿通される第2の開口部を備える外側ケースと、
を備え、
組み立て状態において前記内側ケースと前記外側ケースとの間に前記係止部材が挟み込まれることにより、前記摘み部が前記外側ケースの前記第2の開口部内をスライド方向にガイドされることを特徴とするスライド入力装置。
<請求項2>
前記内側ケースの前記第1の開口部及び前記外側ケースの前記第2の開口部の設けられている側は、前記操作子のスライド方向に沿う円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスライド入力装置。
<請求項3>
前記軸部貫通孔は、上下方向に延在する長孔であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスライド入力装置。
<請求項4>
前記係止部材は、組み立て状態において前記軸部貫通孔内に配置される中央部の太さが、他の部分よりも細く形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスライド入力装置。