(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183180
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 10/08 20060101AFI20170814BHJP
B60W 20/00 20160101ALI20170814BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20170814BHJP
B60K 6/54 20071001ALI20170814BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20170814BHJP
B60L 3/00 20060101ALI20170814BHJP
B60L 11/14 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
B60W10/08 900
B60W20/00
B60K6/48ZHV
B60K6/54
B60L15/20 J
B60L3/00 J
B60L11/14
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-246218(P2013-246218)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2015-104928(P2015-104928A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
(74)【代理人】
【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照
(74)【代理人】
【識別番号】100117938
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 治雄
(72)【発明者】
【氏名】小泉 芳久
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 洋紀
【審査官】
塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−324613(JP,A)
【文献】
特開2013−236437(JP,A)
【文献】
特開2003−304604(JP,A)
【文献】
特開2002−067705(JP,A)
【文献】
特開平10−210790(JP,A)
【文献】
特開平11−117744(JP,A)
【文献】
特開平09−275601(JP,A)
【文献】
特開平10−116635(JP,A)
【文献】
特開2006−042441(JP,A)
【文献】
特開2009−278833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/08
B60K 6/48
B60K 6/54
B60L 3/00
B60L 11/14
B60L 15/20
B60W 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンが発生する駆動力の少なくとも一部を、バッテリーからインバータを通じて供給される電力で駆動する電動発電機の駆動力で代替可能であって、
前記バッテリーを冷却する電動ファンと、前記インバータ及び電動発電機を冷却水で冷却する水冷装置と、該バッテリー、インバータ及び電動発電機の温度をそれぞれ測定する3台の部品温度センサと、制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記3台の部品温度センサのうちの少なくとも1台の測定値が、前記バッテリー、インバータ及び電動発電機ごとに予め設定されたそれぞれの第1しきい値を超えたときには、前記電動発電機が発生するトルクを制限する制御を行うハイブリッド車両において、
前記冷却水の温度を測定する冷却水温度センサと、前記ハイブリッド車両の外気温を測定する外気温度センサとを設け、
前記制御手段は、前記3台の部品温度センサのいずれの測定値も、それぞれに対応する前記第1しきい値以下である場合であって、かつ前記冷却水温度センサ及び外気温度センサのうちの少なくとも一方の測定値が、前記冷却水及び外気温ごとに予め設定されたそれぞれの第2しきい値を超えている場合には、該第2しきい値を超えた測定値と予め設定されたマップデータとに基づいて、それぞれの前記第1しきい値を新たに設定することを特徴とするハイブリッド車両。
【請求項2】
前記制御手段は、前記冷却水温度センサ及び外気温度センサのいずれの測定値も、それぞれに対応する前記第2しきい値以下であって、かつ前記冷却水及び外気温ごとに予め設定されたそれぞれの第3しきい値を超えている場合には、前記3台の部品温度センサのうちの少なくとも1台の測定値の増加率が、前記バッテリー、インバータ及び電動発電機ごとに予め設定されたそれぞれの第4しきい値を超えたときには、前記電動発電機が発生するトルクを制限する制御を行う請求項1に記載のハイブリッド車両。
【請求項3】
前記ハイブリッド車両がトラック又はバスからなる大型車両である請求項1又は2に記載のハイブリッド車両。
【請求項4】
エンジンが発生する駆動力の少なくとも一部を、バッテリーからインバータを通じて供給される電力で駆動する電動発電機の駆動力で代替可能であって、前記バッテリーを冷却する電動ファンと、前記インバータ及び電動発電機を冷却水で冷却する水冷装置とを備えたハイブリッド車両の制御方法において、
前記バッテリー、インバータ及び電動発電機の温度を、予め設定されたそれぞれの第1しきい値と比較し、
それら3つの温度のうちの少なくとも1つが、対応する前記第1しきい値を超えたときには、前記電動発電機が発生するトルクを制限する一方で、
それら3つの測定値のいずれもが、それぞれに対応する前記第1しきい値以下である場合には、前記冷却水の温度及び前記ハイブリッド車両の外気温を、予め設定されたそれぞれの第2しきい値と比較し、
それらの2つの温度のうちの少なくとも一方が、対応する前記第2しきい値を超えている場合には、該第2しきい値を超えている温度と予め設定されたマップデータとに基づいて、それぞれの前記第1しきい値を新たに設定することを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
【請求項5】
前記冷却水の温度及び前記ハイブリッド車両の外気温のいずれもが、それぞれに対応する前記第2しきい値以下である場合には、それらの温度を、予め設定されたそれぞれの第3しきい値と比較し、
それらの2つの温度のうちの少なくとも一方が、対応する前記第3しきい値を超えている場合には、前記バッテリー、インバータ及び電動発電機の温度の増加率を、予め設定されたそれぞれの第4しきい値と比較し、
それらの3つの増加率のうちの少なくとも1つが、対応する前記第4しきい値を超えたときには、前記電動発電機が発生するトルクを制限する請求項4に記載のハイブリッド車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハイブリッド車両及びその制御方法に関し、更に詳しくは、車両の走行性能を低下させることなく、ハブリッドシステムにおける強電系部品を冷却することができるバイブリッド車両及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃費向上と環境対策などの観点から、エンジンが発生する駆動力の一部を、強電圧のバッテリーからインバータを通じて電力が供給される電動発電機で代替するハイブリッドシステムを備えたハイブリッド車両が注目されている。
【0003】
このハイブリッドシステムにおける強電系部品であるバッテリー、インバータ及び電動発電機は、いずれも走行時には発熱を伴うため、ハイブリッド車両には専用の冷却システムが備えられている。具体的には、バッテリーについては電動ファンによる空冷が、インバータ及び電動発電機については冷却水回路を用いた水冷が、それぞれ一般的に行われている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0004】
通常、このような冷却システムにおいては、バッテリー、インバータ及び電動発電機のいずれかの本体温度が、予め設定されたしきい値を超えた場合には、当該部品を保護するため、バッテリーと電動発電機との間に流れる電流を抑制して、電動発電機のトルクを制限する制御が行われている。
【0005】
このしきい値は、当該部品について規定された使用上の制限温度に対して大きな裕度をもつように設定される。そのため、冷却システムの状態によっては、必要以上にトルクを制限することとなり、ハイブリッド車両の走行性能が低下してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−166728号公報
【特許文献2】特開平11−117744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、車両の走行性能を低下させることなく、ハブリッドシステムにおける強電系部品を冷却することができるバイブリッド車両及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両は、エンジンが発生する駆動力の少なくとも一部を、バッテリーからインバータを通じて供給される電力で駆動する電動発電機の駆動力で代替可能であって、前記バッテリーを冷却する電動ファンと、前記インバータ及び電動発電機を冷却水で冷却する水冷装置と、該バッテリー、インバータ及び電動発電機の温度をそれぞれ測定する3台の部品温度センサと、制御手段とを備え、前記制御手段は、前記3台の部品温度センサのうちの少なくとも1台の測定値が、前記バッテリー、インバータ及び電動発電機ごとに予め設定されたそれぞれの第1しきい値を超えたときには、前記電動発電機が発生するトルクを制限する制御を行うハイブリッド車両において、前記冷却水の温度を測定する冷却水温度センサと、前記ハイブリッド車両の外気温を測定する外気温度センサとを設け、前記制御手段は、前記3台の部品温度センサのいずれの測定値も、それぞれに対応する前記第1しきい値以下である場合であって、かつ前記冷却水温度センサ及び外気温度センサのうちの少なくとも一方の測定値が、前記冷却水及び外気温ごとに予め設定されたそれぞれの第2しきい値を超えている場合には、該第2しきい値を超えた測定値と予め設定されたマップデータとに基づいて、それぞれの前記第1しきい値を新たに設定することを特徴とするものである。
【0009】
上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両の制御方法は、エンジンが発生する駆動力の少なくとも一部を、バッテリーからインバータを通じて供給される電力で駆動する電動発電機の駆動力で代替可能であって、前記バッテリーを冷却する電動ファンと、前記インバータ及び電動発電機を冷却水で冷却する水冷装置とを備えたハイブリッド車両の制御方法において、前記バッテリー、インバータ及び電動発電機の温度を、予め設定されたそれぞれの第1しきい値と比較し、それら3つの温度のうちの少なくとも1つが、対応する前記第1しきい値を超えたときには、前記電動発電機が発生するトルクを制限する一方で、それら3つの測定値のいずれもが、それぞれに対応する前記第1しきい値以下である場合には、前記冷却水の温度及び前記ハイブリッド車両の外気温を、予め設定されたそれぞれの第2しきい値と比較し、それらの2つの温度のうちの少なくとも一方が、対応する前記第2しきい値を超えている場合には、該第2しきい値を超えている温度と予め設定されたマップデータとに基づいて、それぞれの前記第1しきい値を新たに設定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のバイブリッド車両及びその制御方法によれば、電動発電機、インバータ及びバッテリーからなる強電系部品を冷却する電動ファン及び水冷装置の冷却性能の裕度に応じて、電動発電機のトルクを制限するようにしたので、ハイブリッド車両の走行性能を低下させることなく、強電系部品を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態からなるハイブリッド車両の構成図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態からなるハイブリッド車両の制御方法を説明するフロー図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態からなるハイブリッド車両の制御方法を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態からなるハイブリッド車両を示す。
【0013】
このハイブリッド車両(以下「HEV」という。)1は、大型車両であるトラックであり、左右一対の駆動輪2、2に駆動力を伝達する出力軸3に、変速機4を介して連結するディーゼルエンジン5及び電動発電機6と、その電動発電機6にインバータ7を通じて電気的に接続するバッテリー8とを有するハイブリッドシステム9を備えている。また、変速機4とディーゼルエンジン5との間には、湿式多板クラッチ10及び流体継手11が順に介設されている。
【0014】
なお、ハイブリッドシステム9は、上記の構成に限定されるものではなく、例えばディーゼルエンジン5と電動発電機6とを直列に接続した構成や、電動発電機6を一対の駆動輪2、2にそれぞれ直接的に接続した構成などでもよい。
【0015】
上記の電動発電機6、インバータ7及びバッテリー8は、ハイブリッドシステム9の強電系部品12に該当する。強電系部品12のうちバッテリー8及びインバータ7は、例えば
図2に示すように、HEV1の車体13下面の側方に配置された、車体13の長手方向に延びる略直方体状のユニットボックス14内に収納されている。
【0016】
強電系部品12は走行中に発熱するため、HEV1には専用の冷却システムが搭載されている。具体的には、バッテリー8は、ユニットボックス14内に車両前方側(進行方向側)に向けて設置された電動ファン15により空冷される。また、電動発電機6及びインバータ7は、ユニットボックス14内に車両側方側に向けて設置されたラジエータ16、インバータ7及び電動発電機6を順に循環する冷却水17が流れる水冷装置18により水冷される。この水冷装置18においては、冷却水17はポンプ19により送出されるとともに、キャッチタンク20において気泡が除去されるようになっている。
【0017】
HEV1の制御手段であるECU21は、HEV1の走行時に出力軸3に加わる負荷等に応じて、ディーゼルエンジン5の駆動力を電動発電機6によりアシストする制御を行う。また、HEV1の通常走行時における余剰エネルギーや制動時における回生エネルギーを、電動発電機6を発電機として用いることで電力として回収し、インバータ7を通じてバッテリー8に充電する制御を行う。
【0018】
更に、ECU21は、電動発電機6、インバータ7及びバッテリー8にそれぞれ取り付けられた部品温度センサ22A、22B、22Cの測定値のうちの少なくとも1つが予め設定された第1しきい値T
1を超えた場合に、電動発電機6とバッテリー8との間に流れる電流の大きさをインバータ7を用いて抑制して、電動発電機6のトルクを制限する制御を行う。
【0019】
この第1しきい値T
1としては、電動発電機6については60〜90℃、インバータ7については50〜70℃、及びバッテリー8については30〜50℃の範囲の値が、それぞれ例示される。
【0020】
このHEV1には、水冷装置18におけるラジエータ16の入口近傍に、冷却水17の温度を測定する冷却水温度センサ23が取り付けられているとともに、HEV1の外気温を測定する外気温度センサ24が設けられている。それらの温度センサ23、24は、信号線(一点鎖線で示す)を通じてECU21に接続している。
【0021】
このようなHEV1における強電系部品12の冷却に係る第1の制御方法を
図3に基づいて以下に説明する。
【0022】
ECU21は、部品温度センサ22A、22B、22Cの測定値をそれぞれ入力し(S10)、各測定値についてそれぞれに対応する第1しきい値T
1超であるか否かを判定する(S20)。
【0023】
3つの測定値のうちの少なくとも1つが、対応する第1しきい値T
1超である場合には、インバータ7を通じて電動発電機6とバッテリー8との間に流れる電流の大きさを抑制することにより、電動発電機6のトルクを制限する(S30)。
【0024】
一方で、3つの測定値のいずれもが、それぞれに対応する第1しきい値T
1以下である場合には、冷却水温度センサ23及び外気温度センサ24の測定値をそれぞれ入力して(S40)、各測定値についてそれぞれに対応する予め設定された第2しきい値T
2超であるか否かを判定する(S50)。
【0025】
この第2しきい値T
2については、冷却水17については40〜60℃、外気温については30〜40℃の範囲の値が、それぞれ例示される。
【0026】
2つの測定値のうちの少なくとも一方が、対応する第2しきい値T
2超である場合には、その第2しきい値T
2超となった測定値を、予め設定されたマップデータと照合して(S60)、それぞれの第1しきい値T
1を新たに低く設定した(S70)後に、ステップ10へ戻る。
【0027】
このマップデータは、電動発電機6、インバータ7及びバッテリー8のそれぞれの第1しきい値T
1と、冷却水17の温度又は外気温度との相互関係を、予め実験又は計算により設定したものである。マップデータにおいては、基本的に各部品の第1しきい値T
1は、冷却水17の温度及び外気温度と負の相関になる。
【0028】
一方で、2つの測定値のいずれもが、それぞれに対応する第2しきい値T
2以下である場合には、そのままステップS10に戻る。
【0029】
このような制御を行うことにより、ハイブリッドシステム9における強電系部品12を冷却する電動ファン15及び水冷装置18の冷却性能の裕度に応じて、電動発電機6のトルクを制限することができるので、HEV1の走行性能を低下させることなく、強電系部品12を冷却することができるのである。
【0030】
なお、新たに設定されたそれぞれの第1しきい値T
1は、各強電系部品12に対してそれぞれ規定された使用上の制限温度(例えば、60℃)を超えないようにする必要がある。
【0031】
HEV1における強電系部品12の冷却に係る第2の制御方法を
図4に基づいて以下に説明する。なお、
図2と同じ制御内容には同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0032】
ECU21は、ステップ10〜40の制御を行った後に、ステップ50において、2つの測定値のいずれもが、それぞれに対応する第2しきい値T
2以下である場合には、更に、各測定値についてそれぞれ対応する第3しきい値T
3超であるか否かを判定する(S80)。
【0033】
この第3しきい値T
3は、前出の第2しきい値T
2よりも低い値であり、冷却水17については20〜40℃、外気温については0〜30℃の範囲の値が、それぞれ例示される。
【0034】
2つの測定値のうちの少なくとも一方が、対応する第3しきい値T
3超である場合には、ステップ10において入力した部品温度センサ22A、22B、22Cの測定値の増加率をそれぞれ算出し(S90)、各増加率についてそれぞれ対応する第4しきい値T
4超であるか否かを判定する(S100)。
【0035】
一方で、2つの測定値のいずれもが、それぞれに対応する第3しきい値T
3以下である場合には、そのままステップS10に戻る。
【0036】
上記の第4しきい値T
4は所定の期間における各測定値の増加割合を示すものであり、電動発電機6については0.5〜1.0℃/秒、インバータ7については0.5〜1.0℃/秒、及びバッテリー8については0.5〜1.0℃/秒の範囲の値が、それぞれ例示される。
【0037】
算出された3つの増加率のうちの少なくとも1つが、対応する第4しきい値T
4超である場合には、インバータ7を通じて電動発電機6とバッテリー8との間に流れる電流の大きさを抑制することにより、電動発電機6のトルクを制限する(S30)。これにより、該当する強電系部品12の増加率が低下するので、電動ファン15及び/又は水冷装置18の冷却性能の裕度が大きくなる
一方で、3つの増加率のいずれもが、それぞれに対応する第4しきい値T
4以下である場合には、そのままステップS10に戻る。
【0038】
このような制御を行うことにより、電動ファン15及び水冷装置18の冷却性能の裕度に加えて、強電系部品12の加熱状態にも応じて電動発電機6のトルクを制限することができるので、HEV1の走行性能をより低下させることなく、強電系部品12を効率的に冷却することができるのである。
【符号の説明】
【0039】
1 HEV
5 ディーゼルエンジン
6 電動発電機
8 バッテリー
12 強電系部品
14 ラジエータ
15 電動ファン
17 冷却水
18 水冷装置
21 ECU
22A、22B、22C 部品温度センサ
23 冷却水温度センサ
24 外気温度センサ