(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のリモコンには、前記空気調和機本体をメイン機として登録するメインリモコンと、前記空気調和機本体をサブ機として登録するサブリモコンとがあり、前記サブリモコンは、サブ機として登録された前記空気調和機本体を操作する操作画面に移行する際に、サブ機として登録された前記空気調和機本体との間で通信を行い、
前記サブリモコンの前記リモコン制御部は、サブ機として登録された前記空気調和機本体から受信した状態情報がエラーである場合に、該空気調和機本体側にエラーが生じていることを示す表示を前記サブリモコンの前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる空気調和機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
[空気調和機の構成説明]
まず、本発明の一実施例にかかる空気調和機の空気調和機本体とリモコンとの関係を示す概略構成について説明する。
図1に示すように、本発明に係る空気調和機10は、複数の部屋RA、RBに配置された空気調和機本体(以下、エアコン)12a、12bと、リモコン14a、14bと、図示しない室外機とで構成され、各エアコン12a、12bおよび各リモコン14a、14bの機能は共通である。
【0017】
この空気調和機10は、エアコンとリモコンのそれぞれに搭載されたRFモジュールによる双方向無線通信を利用し、例えば、リモコン14aからエアコン12a,12bに対してそれぞれ遠隔操作や各種設定を行うことができる。また、リモコン14aは、エアコン12a,12bの運転状態を示す状態情報を記憶する
図3に示すリモコン制御部96a内の記憶部96a2と、それを表示する液晶表示部92aとを有している。リモコン14aは、後述する信号の送受信によって、エアコン12a,12bの運転状態を示す状態情報を受信すると、記憶部96a2に記憶された状態情報を更新するとともに表示部92aに表示させ、運転管理や各種設定に利用する。他のリモコン14bの場合も同様である。運転状態を示す状態情報には、冷房や暖房といった運転モードの他に、設定温度、風向や消費電力、およびエアコンのエラー情報等の情報を含む。
【0018】
リモコン14aの表面には、
図2−1に示すように、運転情報や設定情報などをドットマトリクスで表示するLCD(液晶ディスプレイ)や有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)などで構成された表示部16aと、各種の運転操作を受け付ける多数の操作ボタン44aとが配置されている。操作ボタン44aには、気流調節を行う際の選択に用いる十字ボタン18a、選択した内容を決定する決定ボタン20a、各種運転モードに適した既定の風向や風量に自動設定する自動設定モード用のおまかせボタン22a、風向や風量をユーザが任意に手動設定する手動設定モード用のおこのみボタン24a、運転開始と運転停止を行う運転/停止ボタン26a、上下の矢印ボタンで設定温度を変更する温度ボタン28a、風量の変更設定を行う風量ボタン30a、現在の室温や電気代などの運転情報をエアコン12aに要求してエアコン12aから受信した状態情報を表示部16aに表示させるお知らせボタン32a、冷房運転モードでの運転開始や他の運転モードから冷房運転モードに切り換える冷房ボタン34a、暖房運転モードでの運転開始や他の運転モードから暖房運転モードに切り換える暖房ボタン36a、除湿運転モードでの運転開始や他の運転モードから除湿運転モードに切り換える除湿ボタン38a、および、送風運転モードでの運転開始や他の運転モードから送風運転モードに切り換える送風ボタン40aなどがある(リモコン14bの場合も同様であるので、重複説明を省略する。なおリモコン14bが備えている構成については、
図2−1において添え字aの代わりにbを付す。)。
【0019】
リモコン14aの蓋42aを開けると、
図2−2に示すように、中には詳細設定ボタンが配置されている。詳細設定ボタンには、環境温度に応じて暖房運転か冷房運転かを自動的に選択する自動運転モードに切り換える自動運転ボタン46a、睡眠時に適した温度制御を行いながら所定時間が経過すると運転を停止するおやすみボタン48a、洗濯物などの乾燥に用いるランドリーボタン50a、急速な暖房や冷房運転を行うハイパワーボタン52a、インバータ駆動によるピーク電流を抑えて運転することで省パワー運転を図る電流カットボタン54a、人感センサにより人が不在になったことを検出した場合にエアコンの運転を停止あるいはセーブする不在ECOボタン56a、ユーザにより設定された時刻によってエアコンの動作を制御するタイマーボタン58a、各種機能の設定を行う機能ボタン60a、機能選択を行うカーソルを移動させる上昇ボタン62aと下降ボタン64a、設定を取り消す取消ボタン66a、設定を確定する確定ボタン68a、サブ機として登録されているエアコンの一覧表示を行う登録エアコンボタン70a、および、子供による誤操作を防ぐチャイルドロックボタン72aなどがある。
【0020】
エアコン12aは、
図3に示すように、リモコン14aと双方向無線通信を行うRFモジュールからなるエアコン送受信部86a、LED表示部80a、操作部82a、これらを制御するエアコン制御部84aを有している。このエアコン制御部84aは、受信したリモコン14a,14bからの運転操作に関する設定指示データに基づいてエアコン12a,12bの各部を制御すると共に、エアコン12a,12bの現在の運転情報のデータを保持する図示しないメモリを含んでいる。また、エアコン制御部84a内には、
図3に図示していないが、後述するリモコン制御部96a内に設けられた判断部96a1に相当する判断部を備えていても良い。判断部は、エアコンの運転情報を示す状態情報が変更されたか否かを判断するものである。エアコン12a側に設けられた判断部は、リモコン14aまたは14bから最後に運転操作を行ったリモコンを後述するペアリングIDで識別し、最後に運転操作を行ったリモコン以外のリモコンからアクセスがあると、状態情報が変更されているため、その旨を当該リモコンへ通知するものである(エアコン12bの場合も同様であるので、重複説明を省略する。なおエアコン12bが備えている構成については、
図3において添え字aの代わりにbを付す)。
【0021】
LED表示部80aは、メイン機用LEDとサブ機用LEDとを有しており、それぞれメインリモコンあるいはサブリモコンが登録済みの場合には消灯し、未登録の場合には点灯するようにエアコン制御部84aに制御される。また、操作部82aは、リモコン14a,14bにエアコン12a,12bをメイン機、サブ機としてペアリングする際に用いる図示しないペアリング登録ボタンを有している。
【0022】
一方、リモコン14aは、
図3に示すように、エアコン12aのエアコン送受信部86a、あるいは、エアコン12bのエアコン送受信部86bと双方向無線通信を行うRFモジュールからなるリモコン送受信部90a、エアコンの運転状態を示す状態情報(運転時間、消費電力、運転モード等)を表示する液晶表示部92a、エアコンを運転操作する操作部94a、これらを制御するリモコン制御部96aを有している。リモコン制御部96a内には、
図3に示すように、判断部96a1を備えている。判断部96a1は、エアコンの運転情報を示す状態情報が変更されたか否かを判断するものである。リモコン14aからアクセスされたエアコン12aまたは12bは、最後に運転操作を行ったリモコンのペアリングID(機器に固有の番号)をリモコン14aへ送信すると、リモコン14aの判断部96a1が自分のIDと比較し、異なっていれば状態情報が変更されたと判断するものである。また、リモコン制御部96aによってペアリングしている自室エアコンまたは他室エアコンを選択することで、それぞれのエアコン間で双方向無線通信が可能となる。なお、本実施例では、リモコン14aの操作部94aの操作が行われてから、一定時間後(例えば、30秒後)に供給電力を低下もしくは電源供給を遮断して、液晶表示部92aの表示を消すとともにリモコン送受信部90aの動作をオフすることで、使用する電池の消耗を防ぎ、電池の長寿命化を図っている。リモコン14aがエアコン12aあるいはエアコン12bとの間で通信を再開するには、リモコン14aの液晶表示部92aの表示が消え、リモコンの送受信部90aの動作がオフになった状態から操作部94aが再操作されると、リモコン制御部96aは、1回目のボタン操作をカラ打ちと認識し、これをトリガーとして液晶表示部92aの表示を再開させ、リモコンの送受信部90aの動作をオンするように電源供給を開始し、2回目以降のボタン操作を正式な運転操作と認識する。
【0023】
なお、エアコン12a,12bのエアコン制御部84a,84bと、リモコン14a,14bのリモコン制御部96a,96bは、ペアリング設定機能をそれぞれ備えている。このペアリング設定機能には、複数のエアコン12a,12bと複数のリモコン14a,14bのうちの一対、例えばエアコン12aとリモコン14aをメイン機(自室用)として登録するメイン機登録機能(
図3中の実線矢印)と、他のエアコン12bと他のリモコン14bとの間でメイン機として登録されているエアコン12bをリモコン14aとの間でサブ機(例えば他室用)として登録するサブ機登録機能(
図3中の破線矢印)とを有するものである。つまり、このペアリング設定機能によれば、例えば複数のエアコン12a,12bと複数のリモコン14a,14bのうちの一対をメイン機として登録するとともに、残りの一つをサブ機として登録することができる。
図3に示すように、リモコン14a,14bは、それぞれに対してメイン機登録されたエアコン12a,12bとの間に実線の矢印で結ばれ、メインリモコンと称される。また、リモコン14a,14bは、それぞれに対してサブ機登録されたエアコン12a,12bとの間に破線の矢印で結ばれ、サブリモコンと称される。このように、メイン機登録されたエアコンに対するメインリモコンは、全ての設定項目について設定指示が可能であるが、サブ機登録されたエアコンに対するサブリモコンは、運転/停止ボタン26a,26bによる運転/停止操作の他、温度ボタン28a,28bによる温度調節などに限定され、運転モード(冷房、暖房、除湿、送風など)の設定指示ができないようになっている。
【0024】
上記した空気調和機は、
図3に示すように、例えばリモコン14aとエアコン12aあるいはエアコン12bとの間で無線による双方向通信を行うことで、リモコン14aからエアコン12a,12bに対して運転操作を行ったり、エアコン12a,12bの運転状態を示す状態情報を受信して表示を更新したりすることができる。本実施例における空気調和機は、リモコンが操作されてから一定時間(ここでは、30秒)が経過すると、液晶表示部92aの表示を消し、リモコン14aの送受信部90aの動作をオフする。そして、この状態からリモコン14aの操作部94aのいずれかのボタンが押下されると(カラ打ち)、リモコン14aの制御部96aは、液晶表示部92aの表示を再開し、リモコンの送受信部90aの動作をオンする。リモコン14aは、この状態から再度操作部94aのボタン(例えば、温度ボタン28a)が押下されると(本操作)、
図4に示すように、温度設定を変更するための設定指示データをエアコン12aに対し送信する(ステップS10)。エアコン12aは、この設定指示データを受信すると、設定指示データが受信されたことをリモコン14aに知らせるデータ受信完了信号をリモコン12a側に返信する(ステップS12)。
【0025】
リモコン14aは、このデータ受信完了信号を受信すると、エアコン12aの最新の運転状態を示す状態情報を返信するように要求する状態情報返信要求信号をエアコン12aに送信する(ステップS14)。これに対し、エアコン12aは、エアコン制御部84a内の本体記憶部84a1に格納されている最新の状態情報をリモコン14aに送信する(ステップS16)。リモコン14aは、エアコン12aの状態情報を受信すると、状態情報が受信されたことをエアコン12aに知らせる情報受信完了信号をリモコン12aに返信する(ステップS18)。
【0026】
このように、リモコン14aは、液晶表示部92aの表示が消え、送受信部90aの動作がオフされた状態から、操作部94aが操作されて各部に電源が供給されると、設定指示データをエアコンに送信し、エアコンの運転状態を示す状態情報を要求することで、リモコン14aの液晶表示部92aの表示をエアコン12aの最新の状態情報と一致するよう更新することができる。このため、リモコン14aの液晶表示部92aの表示が消え、送受信部90aの動作がオフされている間に、他のリモコン14bがエアコン12aに対して設定指示データを送信し、設定が変更されたとしても、リモコン14aを操作する際に最新の運転状態を表示することができる。
【0027】
また、本実施例では、
図4のステップS16において、エアコン12aからリモコン14aに送信される最新の状態情報と共に、エアコン12aを最後に運転操作したリモコンのペアリングIDが送信される。リモコン14aのリモコン制御部96a内の判断部96a1は、送信されたペアリングIDと自分のIDとを比較し、異なっていれば他のリモコンによる運転操作により状態情報が変更された可能性がある。このため、リモコン制御部96aは、他のリモコンにより運転操作があったことを液晶表示部92aに表示させることで、ユーザに状態情報の変更を知らせることができる。
【0028】
さらに、リモコン14aは、一定時間操作されないとリモコン14aのリモコン送受信部90aへの電源の供給を切ってエアコン12aとの間の通信を停止し、リモコン14aを操作する時だけ液晶表示部92aの表示を再開させ、リモコン送受信部90aを動作させるようにする。このため、電池の消耗が少なく長寿命化することができる。例えば、RFモジュールを用いて常時電源供給(単三アルカリ電池2本)する無線リモコンの場合は、電池寿命が1週間程度しか持たなかった。これに対し、本実施例の空気調和機のように、リモコンを操作する時だけ電源供給(単三アルカリ電池2本)するように構成した無線リモコンの場合は、電池寿命を1年程度まで延ばすことができる。リモコン14bの効果もこれと同様である。
【0029】
また、リモコン14aのリモコン制御部96aは、時間を計時するタイマ機能を備えている。リモコン制御部96aは、
図4に示すように、設定指示データ送信後(ステップS10)、エアコン12aからデータ受信完了信号(ステップS12)が7秒以内に送られて来ないか、あるいは、状態情報返信要求を送信した後(ステップS14)、エアコン12aから状態情報が17秒以内に送られて来なかった場合は、通信エラーが生じたと判断し、
図5に示すような通信エラー表示を液晶表示部92aに表示させ、通信ができないことによりエアコンの最新の運転状態が表示できないことをユーザに知らせる。
【0030】
また、エアコン12aのエアコン制御部84aは、時間を計時するタイマ機能を備えている。エアコン制御部84aは、
図4に示すように、データ受信完了信号(ステップS12)をリモコン12a側に送信した後、ここでは2分20秒間は他機器操作禁止期間とし、他のリモコンなどの操作機器からの操作を受け付けないようにしている。これは、操作を行ったリモコンからの設定のやり直しを行うことができる時間的な余裕をユーザ側に持たせると共に、運転モードが冷房から暖房に切り換えられた場合のように圧縮機の起動準備が整わない間に運転動作が切り換わるのを防ぐためである。
【0031】
リモコン14aの操作部44aによる運転操作は、常に有効な操作とは限らない。例えば、エアコンが停止状態にある時は、温度ボタン28aが押されたとしても設定温度が変更できないため、有効な操作とはならない。このように、操作部44aの操作ボタンは、エアコン12aの運転状態に応じて、操作が有効になる有効ボタンと、操作が無効になる無効ボタンとに分けることができる。例えば、エアコンが運転状態にある時は、リモコンの全ての操作ボタンは有効に操作することができる有効ボタンである。他方、エアコンが停止状態にある時は、エアコンの運転操作に関連した気流調節用の十字ボタン18aや決定ボタン20a、おまかせボタン22a、おこのみボタン24a、温度ボタン28a、風量ボタン30a、およびハイパワーボタン52aを操作しても操作が有効とならない無効ボタンである。なお、エアコンが運転状態にあっても、機能選択時のみ有効となる上昇ボタン62a、下降ボタン64a、あるいは確定ボタン68aの場合は、機能選択時でない時に押下されても操作が有効にならないため、無効ボタンと同様に扱われる。このような操作ボタンの有効・無効の判断は、
図3に示すリモコン制御部96aの記憶部96a2に記憶された前回送信した運転操作情報と、操作部94aから入力された入力信号とを照らし合わせ、その照合結果に基づいて操作ボタンが有効ボタンか無効ボタンかをリモコン制御部96aの判断部96a1で行っている。
【0032】
[空気調和機の動作説明]
本実施例に係る空気調和機は、以上のように構成され、以下その動作を説明する。例えば、リモコン14aのリモコン制御部96aは、
図6に示すように、リモコン14aが所定時間(ここでは30秒間)操作されないと(ステップS100)、液晶表示を消すと共に、RFモジュールからなるリモコン送受信部90aへの電源供給を停止し動作がオフされる(ステップS102)。これにより、リモコン14aは、消費電力が大幅に抑えられ、電池を長寿命化することができる。
【0033】
リモコン14aのリモコン制御部96aは、液晶表示が消え、リモコン送受信部90aの動作がオフした状態から操作部44aのいずれかのボタンをユーザが操作すると(ステップS104でYes)、これをトリガーとして電源供給が再開され、液晶表示部92aを表示させ、リモコン送受信部90aの動作をオンする(ステップS106)。ボタン操作は、リモコンの電源供給を再開させると共に、操作ボタンに応じた操作が空気調和機本体に対して行われる。すなわち、リモコン14aのリモコン制御部96aは、記憶部96a2に記憶された前回送信した運転操作情報と、操作部94aから入力された入力信号とを照らし合わせ、判断部96a1により有効ボタンが操作されたと判断すると(ステップS108でYes)、エアコンの設定を指示する設定指示データとエアコンの現在の運転状態を示す状態情報を返信するように要求する状態情報返信要求信号とをエアコン12aに送信する(ステップS110)。
【0034】
エアコン12aのエアコン制御部84aは、エアコン送受信部86aでその設定指示データと状態情報返信要求信号を受信すると(ステップS112)、エアコン12aの本体が動作中か否かを判断し(ステップS114)、エアコン12aが動作中であれば(ステップS114でYes)、設定指示データに基づく運転制御を行い、設定指示データの受信完了をリモコン14aへ返信する(ステップS116)。
【0035】
エアコン12aのエアコン制御部84aは、エアコン12aが動作中でない場合(ステップS114でNo)、あるいは、ステップS116でリモコン14aへデータ受信完了信号を返信した後、制御部84aに設けられた本体記憶部84a1に記憶されたエアコン12aの最新の状態情報を読み出し、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDと共にリモコン14aへ返信する(ステップS118)。
【0036】
リモコン14aのリモコン制御部96aは、リモコン送受信部90aでエアコン12aからの状態情報信号とペアリングIDを受信すると(ステップS120)、判断部96a1が受信したペアリングIDと記憶部96a2に記憶されたペアリングIDとを比較し、異なっていれば(ステップS122でYes)他のリモコンにより運転操作があったことを液晶表示部92aに表示した後、受信した状態情報に基づいて液晶表示部92aの表示を更新し、最新の運転状態を表示して(ステップS124)、ステップS100に戻る。また、受信したペアリングIDと記憶部96a2に記憶されたペアリングIDが同じ場合は(ステップS122でNo)、エアコン12aの運転状態とリモコン14aの表示内容とは一致するため、他のリモコンにより運転操作があったことの表示、および、液晶表示部92aの表示の更新をせずに(ステップS126)、ステップS100に戻る。
【0037】
また、リモコン14aのリモコン制御部96aの判断部96a1は、上記ステップS108において、記憶部96a2に記憶された前回送信した運転操作情報と、操作部94aから入力された入力信号とを照らし合わせ、無効ボタンが操作されたと判断すると(ステップS108でNo)、エアコン12aに対しエアコンの最新の運転状態を示す状態情報を返信するように要求する状態情報返信要求信号を送信する(ステップS128)。
【0038】
エアコン12aのエアコン制御部84aは、エアコン送受信部86aでリモコン14aからの状態情報返信要求信号を受信すると(ステップS130)、本体記憶部84a1に記憶されているエアコン12aの状態情報を読み出し、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDと共にリモコン14aに返信する(ステップS118)。この場合も、リモコン14aのリモコン制御部96aは、上述したステップS120〜ステップS126の処理を行って、ステップS100に戻る。
【0039】
[有効ボタン操作時の表示例]
例えば、
図7に示すように、ユーザがリモコン14aを使ってエアコン12aの設定温度を27℃の冷房運転に設定した後、所定時間操作が行なわれないと液晶表示部(LCD)92aが消灯し、消灯中にユーザが温度ボタン28aを操作すると、液晶表示部(LCD)92aを点灯させ、リモコン送受信部90aをオンする(ステップS106)。この操作は、リモコン制御部96aの判断部96a1に送られ、例えば温度ボタン28aにより設定温度を1℃上げる操作だった場合、温度ボタン28aは、冷房運転中に操作が行なえる有効ボタンであると判断され、リモコン14aのリモコン制御部96aは、設定温度を1℃上げる設定指示データと、エアコン12aの最新の状態情報を返信するように要求する状態情報返信要求信号とを送信する(ステップS110)。その間、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aには、
図7に示すように、通信中と表示され、エアコン12aの設定温度を28℃に変更する画面が表示される。エアコン12aのエアコン制御部84aは、設定指示データと状態情報返信要求信号を受信し(ステップS112)、エアコン12aが動作中であるので(ステップS114でYes)、受信した設定指示データに基づいて設定温度を28℃にする設定指示を行い、データ受信完了信号をリモコンへ返信する(ステップS116)。そして、エアコン12aのエアコン制御部84aは、冷房運転の設定温度が28℃に設定指示された最新の状態情報と、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDとをリモコンへ返信する(ステップS118)。リモコン14aのリモコン制御部96aは、エアコンの状態情報とペアリングIDを受信すると(ステップS120)、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aの表示を最新のエアコンの運転状態となるように更新することで(ステップS122)、
図7に示すように、冷房運転中で設定温度が28℃と表示される。ここで、操作されたのが有効ボタンであった場合は、受信したペアリングIDと自分のペアリングIDとが一致するため、液晶表示部(LCD)92aの消灯中に別リモコンから運転操作があったことの表示は行わない。
【0040】
[無効ボタン操作時の表示例]
例えば、
図8に示すように、ユーザがリモコン14aを使ってエアコン12aの停止操作を行った後、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aが消灯している間に、ユーザが温度ボタン28aを操作すると、液晶表示部(LCD)92aを点灯させ、リモコン送受信部90aをオンする(ステップS106)。この操作内容は、リモコン制御部96aの判断部96a1に送られる。リモコン制御部96aの判断部96a1は、例えば温度ボタン28aを運転停止中に操作が行なえない無効ボタンであると判断すると(ステップS108でNo)、エアコン12aに対し状態情報返信要求を行う(ステップS128)。この時、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aには、
図8に示すように、通信中と表示されるが、エアコン12aの運転状態は停止表示のままである。エアコン12aのエアコン制御部84aは、状態情報返信要求信号を受信すると(ステップS130)、本体記憶部84a1に記憶されたエアコン12aの最新の状態情報を読み出し、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDと共にリモコン14aへ返信する(ステップS118)。リモコン14aのリモコン制御部96aは、無効ボタンの操作により、エアコン12aの設定温度を変更する設定指示が行なわれず、受信したペアリングIDと記憶部96a2に記憶されたペアリングIDが一致することから、液晶表示部(LCD)92aの消灯中に他のリモコンからの運転操作も無いと判断し、エアコン12から受信した状態情報で液晶表示を更新しても(ステップS122)、液晶表示部(LCD)92aの表示は変わらない。
【0041】
[液晶消灯中に他のリモコンから停止操作された場合の表示例]
例えば、
図9に示すように、ユーザがリモコン14aを使ってエアコン12aの設定温度を27℃の冷房運転に設定した後、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aが消灯している間に、他のリモコン14bからエアコン12aの停止操作が行われていた場合について説明する。まず、ユーザが1回目に温度ボタン28aを操作すると、液晶表示部(LCD)92aを点灯させ、リモコン送受信部90aをオンする(ステップS106)。リモコン14aのリモコン制御部96aは、温度ボタン28aを操作した時点でリモコン側はエアコンが冷房運転中と認識しているため、判断部96a1で有効ボタンと判断されると(ステップS108でYes)、設定温度を1℃上げる設定指示データと、エアコン12aの状態情報返信要求信号とを送信する(ステップS110)。その間、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aには、
図9に示すように、通信中と表示され、エアコン12aの設定温度を28℃に変更する画面が表示される。しかし、操作された時点でリモコン側で有効ボタンと判断しても、液晶表示部(LCD)92aの消灯中に他のリモコンから操作されてエアコンの運転状態が変化すると、実際には運転操作の行えない無効ボタンの操作と判断部96a1によって判断される。つまり、エアコン12aのエアコン制御部84aは、リモコン14a側からの設定指示データと状態情報返信要求とを受信すると(ステップS112)、エアコン本体が運転中か否かを判断し、停止中であれば(ステップS114でNo)、設定指示を行わずに、エアコンの状態情報をリモコンへ返信すると共に、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDを返信する(ステップS118)。リモコン14aのリモコン制御部96aは、エアコンの状態情報とペアリングIDを受信し(ステップS120)、判断部96a1で受信したペアリングIDと記憶部96a2に記憶されたペアリングIDとを比較すると、IDが異なっているため、
図9に示すように、液晶表示部(LCD)92aに「別リモコンから操作あり」という表示を5.5秒間行った後、現在のエアコン12aの運転状態である停止状態に液晶表示を更新する(ステップS122)。ユーザは、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aに表示される「別リモコンから操作あり」という表示と、エアコン12aが現在停止状態であるという表示を確認したことで、リモコンを使って新たな設定指示を行うことができる。
【0042】
[液晶消灯中にエアコンがエラーで停止した場合の表示例]
例えば、
図10に示すように、ユーザがリモコン14aを使ってエアコン12aの設定温度を27℃の冷房運転に設定した後、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aが消灯している間に、エアコン12aがエラーで停止していた場合について説明する。まず、ユーザが任意のボタン(例えば温度ボタン28a)を操作すると、液晶表示部(LCD)92aを点灯させ、リモコン送受信部90aをオンする(ステップS106)。リモコン14aのリモコン制御部96aの判断部96a1は、ユーザが温度ボタン28aを押下すると、温度ボタン28aを操作した時点でリモコン側はエアコンが冷房運転中と認識しているため、有効ボタンと判断し(ステップS108でYes)、液晶表示部(LCD)92aに設定温度を1℃上げて28℃とする設定指示データ送信画面を表示し、設定指示データと状態情報返信要求信号とをエアコン12aに送信する(ステップS110)。エアコン12aのエアコン制御部84aは、設定指示データと状態情報返信要求信号とを受信するが(ステップS112)、エラーで停止しているので動作中でないため(ステップS114でNo)、運転操作の行えない無効ボタンの操作と判断し、設定温度を1℃上げる設定指示を行わずに、本体記憶部84a1に記憶されたエアコン12aのエラー情報を読み出してリモコンへ返信すると共に、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDを返信する(ステップS118)。リモコン14aのリモコン制御部96aは、受信したエラー情報に基づいて、液晶表示部(LCD)92aに、
図10に示すような「点検・修理が必要で、室内ユニットランプの点滅を確認して、お買い上げの販売店にご連絡ください」という文字とイラスト画面を表示した後、停止状態にある現在のエアコン12aの状態情報に液晶表示を更新する(ステップS122)。ここでも、受信したペアリングIDと記憶部96a2に記憶されたペアリングIDが一致する場合は、液晶表示部(LCD)92aの消灯中に他のリモコンからの運転操作が無かったと判断し、他のリモコンにより運転操作があったことの表示は行わない。
【0043】
[液晶消灯中に他のリモコンから設定指示が無くお知らせボタンを押下した表示例]
例えば、
図11に示すように、ユーザがリモコン14aを使ってエアコン12aの設定温度を27℃の冷房運転に設定した後、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aが消灯している間に、他のリモコン14bからの設定指示が無く、お知らせボタン32aが押下された場合について説明する。まず、ユーザがお知らせボタン32aを操作することで、液晶表示部(LCD)92aを点灯させる。リモコン14aのリモコン制御部96aの判断部96a1は、お知らせボタン32aが押下されると、
図6のステップS108で有効ボタンの操作と判断され(ステップS108でYes)、エアコン12aに対し設定指示データと状態情報返信要求信号を送信し(ステップS110)、
図11に示すように、液晶表示部(LCD)92aには消灯前の表示に通信中が追加表示される。エアコン12aのエアコン制御部84aは、設定指示データと状態情報返信要求信号を受信すると(ステップS112)、エアコン本体が動作中のため(ステップS114でYes)、データ受信完了信号をリモコンへ返信し(ステップS116)、エアコンの状態情報とリモコンのペアリングIDをリモコンへ返信する(ステップS118)。リモコンに返信するエアコンの状態情報には、本体記憶部84a1に記憶されているエアコン12aのお知らせ情報である温度情報、湿度情報、電気代情報の他、エアコンの運転状態を示す状態情報が含まれている。エアコン12aのエアコン制御部84aは、これらを読み出してリモコン14aに返信すると共に、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDをリモコン14aに返信する。リモコン14aのリモコン制御部96aは、受信したお知らせ情報に基づいて、液晶表示部(LCD)92aに、
図11に示すような「温度・しつど」および「電気代」情報と、どの部屋のエアコンかを示す「お部屋」情報とを一定時間表示した後、取得した現在のエアコンの運転状態に基づいて液晶表示を更新する(ステップS122)。
【0044】
[液晶消灯中に他のリモコンから設定指示が有った場合の表示例]
例えば、
図12に示すように、ユーザがリモコン14aを使ってエアコン12aの設定温度を27℃の冷房運転に設定した後、リモコン14aの液晶表示部(LCD)92aが消灯している間に、他のリモコン14bから設定温度を1℃下げる設定指示が有った場合について説明する。まず、ユーザがお知らせボタン32aを操作することで、液晶表示部(LCD)92aを点灯させる。リモコン14aのリモコン制御部96aの判断部96a1は、例えば機能選択時のみ有効となる上昇ボタン62a、下降ボタン64a、あるいは確定ボタン68aのいずれかのボタンが押下されたが機能選択時でなかった場合、
図6のステップS108で無効ボタンの操作と判断し(ステップS108でNo)、エアコン12aに対し状態情報返信要求信号を送信し(ステップS128)、液晶表示部(LCD)92aには消灯前の表示に通信中が追加表示される。エアコン12aのエアコン制御部84aは、状態情報返信要求信号を受信すると(ステップS130)、本体記憶部84a1に記憶された設定温度を1℃下げる設定指示のあったエアコン12aの状態情報を読み出し、エアコン12aを最終設定指示したリモコンのペアリングIDと共にリモコン14aに返信する(ステップS118)。リモコン14aのリモコン制御部96aの判断部96a1は、ステップS120で受信したペアリングIDと記憶部96a2に記憶されたペアリングIDとを比較し、異なるため(ステップS122でYes)、液晶表示部(LCD)92aの消灯中に他のリモコンからの運転操作があったとして、液晶表示部(LCD)92aに「別リモコンから操作あり」という表示を行った後、取得した現在のエアコンの運転状態を示す状態情報に基づいて液晶表示を更新する(ステップS124)。このため、液晶表示部(LCD)92aには、消灯前より設定温度が1℃低い26℃で冷房運転していることが表示される。
【0045】
[サブ機として登録されたエアコンをサブリモコンから操作する場合の状態情報の表示例]
まず、サブリモコンであるリモコン14bの液晶表示部92bには、
図13に示すように、リモコン14bから見たメイン機であるエアコン12bの運転状態が示される。ここでは、リビングにあるエアコン12bが停止状態で、室内温度が30℃であることを示している。この間に、ダイニングにあるエアコン12aのメインリモコンであるリモコン14aからエアコン12aに対して冷房運転開始の設定指示操作が行われ、何らかの理由でエラーが発生し、ダイニングにあるエアコン12aの運転が停止したとする。この時、エアコン12aに対するサブリモコンのリモコン14bからユーザがダイニングにあるエアコン12aを操作する場合は、
図13に示すように、リモコン14bの登録エアコンボタン70bを押下する。すると、リモコン14bの液晶表示部92bには、サブ機として登録されているエアコンの操作画面一覧が表示される。つまり、リモコン14bのリモコン制御部96bは、サブ機として登録されている全てのエアコンに対し最新の状態情報を返信するように要求し、受信した状態情報に基づいて登録されたエアコンの最新の運転状態の一覧を液晶表示部92bに表示させる。リモコン14bの液晶表示部92bには、
図13に示すように、ダイニングのエアコン12aが「エラー停止中」で、子供部屋が「停止 フィルタークリーン中」で、寝室が「自動 標準温度+2℃」で、その他は「停止」と表示されるため、各部屋のエアコンの運転状態が一目で把握できる。ここで、ユーザは、リモコン14bの上昇ボタン62bと下降ボタン64bを使ってカーソルを移動させ、確定ボタン68bを押下して操作対象や操作内容を確定すると、さらに詳細な操作画面に遷移する。例えば、
図13に示すように、ダイニングにあるエアコン12aを選んで確定ボタン68bを押下するとエラー内容を確認することができる。
【0046】
サブリモコンであるリモコン14bがサブ機登録したダイニングにあるエアコン12aの操作が終了すると、
図13に示すように、リモコン14bのメイン機であるリビングにあるエアコン12bの運転状態を示す最初の画面に戻る。
【0047】
このように、本実施例にかかる空気調和機にあっては、リモコンの操作部が一定時間操作されないとリモコンの表示部を消灯するとともにリモコン送受信部の消費電力を低下させてエアコンとの間の通信を停止し、リモコンの液晶表示部(LCD)が消灯している間にユーザが操作ボタンを操作した場合はリモコンへ電源を供給し、液晶表示部を表示させ、リモコン送受信部の動作をオンして、操作された操作ボタンに基づいてエアコンの設定指示データが送信される。このため、リモコンを操作する時だけリモコンへ電源が供給され、それ以外の時は消費電力を低減させるので、使用する電池の消耗を防ぎ、電池の長寿命化を図ることができる。
【0048】
また、本実施例にかかる空気調和機にあっては、リモコンの液晶表示部(LCD)が消灯している間にユーザがリモコンの操作を行うと、エアコンに対して最新の運転状態を示す状態情報を要求し、エアコンから状態情報を受信すると、その状態情報に合わせてリモコンの表示部の表示が更新される。このため、リモコンの液晶表示部の消灯中にエアコンの状態情報が変化したとしても、常にエアコンの最新の運転状態をリモコン側で確認できることから、誤操作を防ぐことができる。
【0049】
また、本実施例にかかる空気調和機にあっては、リモコンの液晶表示部の消灯中のエアコンの状態情報の変化が、他のリモコンからの操作による場合、あるいは、エアコンのエラーによる場合は、その旨をリモコンの液晶表示部に表示することで、リモコンの液晶表示部が消灯中であってもその間に起こったエアコンの状態情報の変更内容と、その原因をリモコンのユーザ側で把握することができる。
【0050】
また、本実施例にかかる空気調和機にあっては、エアコンの運転状態に応じて操作が有効となる有効ボタンが操作された場合は、設定指示データの送信と、エアコンの状態情報返信要求の両方を行うが、エアコンの運転状態に応じて操作が無効となる無効ボタンが押下された場合でも、エアコンの状態情報返信要求を行うことで、常にエアコンの最新の状態情報を取得して、リモコン側の液晶表示を更新し、エアコン側の状態とリモコン側の表示とを一致させることで、誤操作を防止することができる。
【0051】
また、本実施例にかかる空気調和機にあっては、サブ機として登録されたエアコンをサブリモコンから操作する場合、登録されたエアコンが複数あって、各エアコンの運転状態を一覧表示し、操作対象を選択できるようにしたため、家中のエアコンの運転状態をどのリモコンからでも把握することができ、どのリモコンからでも操作が行えるため、外出時等に一斉にエアコンをオフすることができ、エアコンの消し忘れ等の心配が無くなる。