特許第6183218号(P6183218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183218
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】巡回モニタ機能を有する電話システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20170814BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20170814BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   H04M9/00 D
   H04M9/00 J
   H04Q3/58 101
   A61G12/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-3047(P2014-3047)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2015-133563(P2015-133563A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(72)【発明者】
【氏名】尾島 良一
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−075376(JP,A)
【文献】 特開2013−192900(JP,A)
【文献】 特開2007−037054(JP,A)
【文献】 特開2006−129229(JP,A)
【文献】 特開2010−081074(JP,A)
【文献】 特開2013−074444(JP,A)
【文献】 特開2003−143592(JP,A)
【文献】 特開平07−168991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 9/00−15/12、
99/00
G08B 23/00−31/00
H03J 9/00− 9/06
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00−11/10
H04N 7/18
H04Q 3/58− 3/62、
9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の内線を収容する主装置と、前記内線と接続される1以上の内線端末と、前記内線と接続され周囲音をモニタ音として入力する機能を有する複数のモニタ内線端末と、から成る電話システムであって、
前記モニタ内線端末は、自端末が備えるマイクにより自端末の周囲音をモニタ音として入力するモニタ音入力手段と、前記主装置から受信したモニタ起動コマンドに応答し前記モニタ音入力手段を起動するモニタ起動手段と、前記起動したモニタ音入力手段が入力したモニタ音をモニタ音信号として前記主装置へ送信するモニタ音送信手段と、を具備し、
前記内線端末のいずれかまたは全ては、前記モニタ内線端末のいずれか複数または全てから前記モニタ音信号を所定の巡回順で順次受信することを要求するモニタ音巡回受信要求コマンドを前記主装置へ送信するモニタ音巡回受信要求コマンド送信手段と、現在受信中のモニタ音信号を継続的に受信することを要求する継続受信要求コマンドを前記主装置へ送信する継続受信要求コマンド送信手段と、現在受信中のモニタ音信号の送信元のモニタ内線端末の所定順前のモニタ内線端末に巡回順を戻すことを要求する巡回戻し要求コマンドを前記主装置へ送信する巡回戻し要求コマンド送信手段と、前記モニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を前記主装置から受信するモニタ内線端末情報受信手段と、前記主装置からモニタ音信号を受信するモニタ音受信手段と、前記受信したモニタ音信号を再生するモニタ音再生手段と、前記受信したモニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を自端末が備える表示部また自端末と接続されている表示装置に表示するモニタ内線端末情報表示手段と、を具備し、
前記主装置は、前記モニタ音信号を送信する1以上のモニタ内線端末および前記モニタ音信号を受信する内線端末に係る情報を登録する内線端末登録手段と、前記内線端末のいずれかから前記モニタ音巡回受信要求コマンドを受信するモニタ音巡回受信要求コマンド受信手段と、前記内線端末から前記継続受信要求コマンドまたは前記巡回戻し要求コマンドを受信する巡回制御コマンド受信手段と、前記受信したモニタ音巡回受信要求コマンドまたは巡回戻し要求コマンドに応じて所定のモニタ内線端末へ前記モニタ起動コマンドを送信するモニタ起動コマンド送信手段と、前記送信したモニタ起動コマンドに応答したモニタ内線端末から前記モニタ音信号を受信するモニタ音受信手段と、前記受信したモニタ音信号を前記内線端末へ送信するモニタ音送信手段と、前記モニタ音信号の送信元のモニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を前記内線端末へ送信するモニタ内線端末情報送信手段と、を具備し、
前記主装置は、前記内線端末登録手段に登録されている内線端末または所定の識別情報を含む特定信号を送信してきた内線端末から前記モニタ音巡回受信要求コマンドを受信した場合に、所定時間が経過する毎に前記内線端末登録手段に登録されたモニタ内線端末の各々へ前記所定の巡回順で前記モニタ起動コマンドを順次送信し、前記モニタ音受信手段が受信した前記モニタ音信号および当該モニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を前記内線端末へ送信し、
前記モニタ音信号を送信中に前記継続受信要求コマンドを受信したならば、所定時間が経過しても次のモニタ内線端末へ前記モニタ起動コマンドを送信せず、
前記モニタ音信号を送信中に前記巡回戻し要求コマンドを受信したならば、現在受信中のモニタ音信号の送信元のモニタ内線端末を起点として所定順前のモニタ内線端末に巡回順を戻してから、前記モニタ内線端末の各々へ前記モニタ起動コマンドを順次送信することを特徴とする巡回モニタ機能を有する電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の巡回モニタ機能を有する電話システムにおいて、
前記モニタ内線端末は周囲音をモニタ音として入力する機能の周囲音入力感度を調整する入力感度調整手段と、前記周囲音入力感度に係る入力感度コマンドを前記主装置から受信する入力感度コマンド受信手段と、をさらに具備し、
前記主装置は、前記モニタ音信号を受信中の内線端末から前記継続受信要求コマンドを受信した場合に、前記周囲音入力感度を増大させる入力感度コマンドを、前記モニタ音信号を送信中のモニタ内線端末へ送信し、
前記入力感度コマンドを受信したモニタ内線端末は、前記受信した入力感度コマンドに応じて前記入力感度調整手段を制御して前記周囲音入力感度を増大することを特徴とする巡回モニタ機能を有する電話システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の巡回モニタ機能を有する電話システムにおいて、
前記内線端末は、所定のネットワークカメラまたは前記主装置から映像信号を受信する映像信号受信手段と、前記受信した映像信号を自端末が備える表示部また自端末と接続されている表示装置に表示する映像表示手段と、をさらに具備し、
前記主装置は、前記モニタ内線端末と連動するネットワークカメラを登録する連動カメラ登録手段と、前記登録したネットワークカメラから映像信号を取得する映像信号取得手段と、前記取得した映像信号を前記内線端末へ送信する映像信号送信手段と、をさらに具備し、
前記主装置は、予め登録されている所定の内線端末から前記モニタ音巡回受信要求コマンドを受信した場合または前記モニタ音信号の送信先の内線端末から映像信号の送信を要求するコマンドを受信した場合に、前記モニタ音信号の送信元のモニタ内線端末に連動するネットワークカメラから映像信号を取得し、前記取得した映像信号と前記モニタ音信号を前記内線端末へ送信することを特徴とする巡回モニタ機能を有する電話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の内線を収容する主装置と、前記内線と接続される1以上の内線端末と、前記内線と接続され周囲音をモニタ音として入力する機能を有する複数のモニタ内線端末と、から成る電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設等に於いて、被介護者と介護スタッフ間の連絡用にインターホンシステムやナースコールシステムが導入されている。一般的にこれらのシステムは、被介護者が緊急時に簡単な操作で介護スタッフを呼び出す機能や、介護スタッフ側から被介護者を個別に呼出す機能や一斉放送等の機能を備えている。
【0003】
更に、最近のナースコールシステム等では、内線電話的な通話機能に加え、被介護者が就寝する室内の様子に異常がないかを見守るために、ナースコール親機側から、被介護者が就寝する室内に設置された複数のナースコール子機のマイクに入力された音声を順次聴取する技術(例えば、特許文献1)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−129229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記された技術は、一定間隔のオートスキャン方式(巡回モニタ)であり、各部屋の状況を順次自動的にモニタできるため、介護スタッフ、管理人、看護師等の業務効率の向上を図る上では有効と思われる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記された技術の場合、各部屋の状況をモニタ操作する端末は介護スタッフルームやナースセンタ等に固定的に設置されたナースコール親機であり、即駆け付けを前提としているため、巡回モニタとしてのオートスキャン方式が固定であると共に、モニタ操作する場所や端末に対する柔軟性が不足している。
【0007】
そこで、本発明の課題は、モニタ操作する内線端末(無線含む)やモニタされる側の内線端末(以降「モニタ内線端末」)を自由に設定できると共に、一台のモニタ内線端末に対するモニタの継続や、巡回モニタの順番を簡単に戻して通り過ぎたモニタ先の状況の再確認が容易な巡回モニタ機能を有する電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、1以上の内線を収容する主装置と、前記内線と接続される1以上の内線端末と、前記内線と接続され周囲音をモニタ音として入力する機能を有する複数のモニタ内線端末と、から成る電話システムであって、前記モニタ内線端末は、自端末が備えるマイクにより自端末の周囲音をモニタ音として入力するモニタ音入力手段と、前記主装置から受信したモニタ起動コマンドに応答し前記モニタ音入力手段を起動するモニタ起動手段と、前記起動したモニタ音入力手段が入力したモニタ音をモニタ音信号として前記主装置へ送信するモニタ音送信手段と、を具備し、前記内線端末のいずれかまたは全ては、前記モニタ内線端末のいずれか複数または全てから前記モニタ音信号を所定の巡回順で順次受信することを要求するモニタ音巡回受信要求コマンドを前記主装置へ送信するモニタ音巡回受信要求コマンド送信手段と、現在受信中のモニタ音信号を継続的に受信することを要求する継続受信要求コマンドを前記主装置へ送信する継続受信要求コマンド送信手段と、現在受信中のモニタ音信号の送信元のモニタ内線端末の所定順前のモニタ内線端末に巡回順を戻すことを要求する巡回戻し要求コマンドを前記主装置へ送信する巡回戻し要求コマンド送信手段と、前記モニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を前記主装置から受信するモニタ内線端末情報受信手段と、前記主装置からモニタ音信号を受信するモニタ音受信手段と、前記受信したモニタ音信号を再生するモニタ音再生手段と、前記受信したモニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を自端末が備える表示部また自端末と接続されている表示装置に表示するモニタ内線端末情報表示手段と、を具備し、前記主装置は、前記モニタ音信号を送信する1以上のモニタ内線端末および前記モニタ音信号を受信する内線端末に係る情報を登録する内線端末登録手段と、前記内線端末のいずれかから前記モニタ音巡回受信要求コマンドを受信するモニタ音巡回受信要求コマンド受信手段と、前記内線端末から前記継続受信要求コマンドまたは前記巡回戻し要求コマンドを受信する巡回制御コマンド受信手段と、前記受信したモニタ音巡回受信要求コマンドまたは巡回戻し要求コマンドに応じて所定のモニタ内線端末へ前記モニタ起動コマンドを送信するモニタ起動コマンド送信手段と、前記送信したモニタ起動コマンドに応答したモニタ内線端末から前記モニタ音信号を受信するモニタ音受信手段と、前記受信したモニタ音信号を前記内線端末へ送信するモニタ音送信手段と、前記モニタ音信号の送信元のモニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を前記内線端末へ送信するモニタ内線端末情報送信手段と、を具備し、前記主装置は、前記内線端末登録手段に登録されている内線端末または所定の識別情報を含む特定信号を送信してきた内線端末から前記モニタ音巡回受信要求コマンドを受信した場合に、所定時間が経過する毎に前記内線端末登録手段に登録されたモニタ内線端末の各々へ前記所定の巡回順で前記モニタ起動コマンドを順次送信し、前記モニタ音受信手段が受信した前記モニタ音信号および当該モニタ内線端末を識別するモニタ内線端末情報を前記内線端末へ送信し、前記モニタ音信号を送信中に前記継続受信要求コマンドを受信したならば、所定時間が経過しても次のモニタ内線端末へ前記モニタ起動コマンドを送信せず、前記モニタ音信号を送信中に前記巡回戻し要求コマンドを受信したならば、現在受信中のモニタ音信号の送信元のモニタ内線端末を起点として所定順前のモニタ内線端末に巡回順を戻してから、前記モニタ内線端末の各々へ前記モニタ起動コマンドを順次送信することを特徴とする。
【0009】
また、前記電話システムにおいて、前記モニタ内線端末は周囲音をモニタ音として入力する機能の周囲音入力感度を調整する入力感度調整手段と、前記周囲音入力感度に係る入力感度コマンドを前記主装置から受信する入力感度コマンド受信手段と、をさらに具備し、前記主装置は、前記モニタ音信号を受信中の内線端末から前記継続受信要求コマンドを受信した場合に、前記周囲音入力感度を増大させる入力感度コマンドを、前記モニタ音信号を送信中のモニタ内線端末へ送信し、前記入力感度コマンドを受信したモニタ内線端末は、前記受信した入力感度コマンドに応じて前記入力感度調整手段を制御して前記周囲音入力感度を増大することを特徴とする。
【0010】
また、前記電話システムにおいて、前記内線端末は、所定のネットワークカメラまたは前記主装置から映像信号を受信する映像信号受信手段と、前記受信した映像信号を自端末が備える表示部また自端末と接続されている表示装置に表示する映像表示手段と、をさらに具備し、前記主装置は、前記モニタ内線端末と連動するネットワークカメラを登録する連動カメラ登録手段と、前記登録したネットワークカメラから映像信号を取得する映像信号取得手段と、前記取得した映像信号を前記内線端末へ送信する映像信号送信手段と、をさらに具備し、前記主装置は、予め登録されている所定の内線端末から前記モニタ音巡回受信要求コマンドを受信した場合または前記モニタ音信号の送信先の内線端末から映像信号の送信を要求するコマンドを受信した場合に、前記モニタ音信号の送信元のモニタ内線端末に連動するネットワークカメラから映像信号を取得し、前記取得した映像信号と前記モニタ音信号を前記内線端末へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、夜間等で介護スタッフが少なく部屋の見回りが困難な場合に、電話システムの内線端末を使って就寝している被介護者に異常がないか巡回モニタしている際に、何か音がするのでしばらく一つの部屋のモニタを継続したい、何も音がしないので次の部屋のモニタに直ぐに切り替えたい、何か音がしたが次の部屋のモニタに切り替わってしまったのでもう一度モニタ先を前の部屋に戻して再確認したい等、状況に応じて自動巡回モニタ以外のパターンを選択でき、異常がありそうなので入念にモニタしたり、異常がなさそうなので次の部屋にスキップしたりといった、柔軟なモニタ作業を行うことができる。
【0012】
また、モニタ操作を行う内線端末として複数の端末を登録することができるので、介護スタッフが持ち歩いているPHS端末を使って任意の場所でのモニタ操作も可能であり、モニタを行う際に専用端末が設置されている介護スタッフルームやナースセンタ等に移動せずに済むため、スタッフの負担を軽減することができる。
【0013】
また、映像表示が可能な内線端末を使用しネットワークカメラを設置することで、音声だけでなく映像によるモニタも可能になり、音だけでは異常状態が把握できない場合であっても映像によって判断が容易になり、異常が疑われる部屋へ出向いて確認する頻度を低減でき、スタッフの負担を更に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る全体構成図
図2】本発明に係る主装置1の機能ブロック図
図3】本発明に係るモニタ内線端末2の機能ブロック図
図4】本発明に係る内線端末3の機能ブロック図
図5】本発明に係る映像表示内線端末4の機能ブロック図
図6】本発明に係る巡回モニタ中に継続モニタおよび巡回戻しを行う場合のシーケンス図
図7】本発明に係る巡回モニタ中に巡回スキップを行う場合のシーケンス図
図8】本発明に係る巡回モニタ中に録音を行う場合のシーケンス図
図9】本発明に係るネットワークカメラと連動させた場合のシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る電話システムの全体構成図であって、1は主装置、2A,2B,2C,・・・2Nは複数のモニタ内線端末、3A,・・・3Mは内線端末、4は映像表示内線端末、5はスイッチングハブ、6A,6B,6C,・・・6Nはネットワークカメラである。なお、内線端末はM台、映像表示内線端末は1台、モニタ内線端末およびネットワークカメラはN台の例で説明しているが、台数は任意である。
【0017】
主装置1は複数の内線の接続を処理する装置であって、ボタン電話システムの主装置や構内電話交換機(PBX)に該当する。通常、主装置1には外線も接続されるが、本発明の実施形態には関係しないため省略している。モニタ内線端末2および内線端末3は主装置1の内線端末通信部14に接続され、映像表示内線端末4およびネットワークカメラ6はスイッチングハブ5を介して主装置1のLAN接続部16に接続される。なお、図1および以降説明する図2図4では、モニタ内線端末2および内線端末3は主装置1の内線端末通信部14に接続する形態としているが、映像表示内線端末4と同様にIP(Internet Protocol)回線による接続とし、スイッチングハブ5を介して主装置1のLAN接続部16に接続してもよい。また、モニタ内線端末2、内線端末3、映像表示内線端末4は有線接続でなく無線接続による接続としてもよい。
【0018】
モニタ内線端末2は、マイク24を有する端末であって、インターホン子機、ナースコール子機、またはハンズフリー通話が可能な電話機である。
【0019】
内線端末3は、送受器34と、スピーカ35と、キー操作部36と、表示部37を有する内線電話機である。同様に、映像表示内線端末4は、送受器44と、スピーカ45と、キー操作部46と、文字だけでなく映像表示も可能な映像対応表示部47を有する内線電話機である。
【0020】
ここで、巡回モニタの概略を説明する。例えば、内線端末3Aでモニタ内線端末2A,2B,2C,・・・2Nの順に巡回モニタを行う場合、内線端末3Aのキー操作部36Aを使ってモニタ開始端末としてモニタ内線端末2Aを起点としたモニタ音巡回受信要求コマンドを入力すると、内線端末3Aとモニタ内線端末2Aの通話路が主装置1の交換処理部13を介して接続され、モニタ内線端末2Aのマイク24Aに入力された音声が内線端末3Aの送受器34Aまたはスピーカ35Aにて聴取でき、表示部37Aにはモニタ内線端末2Aのモニタ内線端末情報として端末番号や名称が表示される。所定の時間が経過すると、モニタ内線端末2Aの接続は切断され、代わりにモニタ内線端末2Bが接続され、モニタ内線端末2Bのマイク24Bに入力された音声が内線端末3Aの送受器34Aまたはスピーカ35Aにて聴取でき、表示部37Aにはモニタ内線端末2Bのモニタ中内線端末情報として端末番号や名称が表示される。以降、接続されるモニタ内線端末2が順次切り替わり、最終的にはモニタ内線端末2Nが接続され、モニタ内線端末2Nのマイク24Nに入力された音声が内線端末3Aの送受器34Aまたはスピーカ35Aにて聴取できる。モニタ内線端末2Nのモニタが終了すると、モニタ内線端末2Aのモニタに戻る。
【0021】
映像表示内線端末4で巡回モニタを行う場合も内線端末3と同様の手順で巡回モニタを行うが、モニタ内線端末2A,2B,2C,・・・2Nと連動するネットワークカメラ6A,6B,6C,・・・6Nがあると、音声のモニタと同時に、映像対応表示部47にネットワークカメラ6A,6B,6C,・・・6Nが撮影した映像を表示することができる。
【0022】
図2は、主装置1の機能ブロック図であって、中央制御部11、記憶部12、交換処理部13、内線端末通信部14、録音・再生部15、LAN接続部16、映像配信部17から構成される。
【0023】
中央制御部11は、内線端末通信部14またはLAN接続部16経由で受信した内線端末3または映像表示内線端末4からの各種コマンドに従って、記憶部12、交換処理部13、録音・再生部15に対する処理を行う機能と、内線端末通信部14またはLAN接続部16経由でモニタ内線端末2、内線端末3または映像表示内線端末4にコマンドや文字情報等を送信する機能を有する。
【0024】
記憶部12は、モニタ対象とするモニタ内線端末およびモニタ操作が可能な内線端末に係る登録情報や、モニタ内線端末と連動するネットワークカメラの登録情報等を記憶している。これらの登録情報は、内線端末3のキー操作部36や映像表示内線端末4のキー操作部46からのデータ登録専用のコマンド入力や主装置1のLAN接続部16に接続したパーソナルコンピュータにより登録されるが、公知であるため詳細説明は省略する。
【0025】
交換処理部13は、モニタ内線端末2と内線端末3または映像表示内線端末4との通話路を接続する機能を有する。また、通話録音時や録音内容再生時は、モニタ内線端末2、内線端末3または映像表示内線端末4と録音・再生部15との接続も行う。
【0026】
内線端末通信部14は、主装置とモニタ内線端末2および内線端末3とを接続するためのインタフェースであり、コマンドや音声データの送受信を行う機能を有する。
【0027】
録音・再生部15は、モニタ内線端末2、内線端末3および映像表示内線端末4からの音声を録音する機能を有し、録音した音声をモニタ内線端末2、内線端末3および映像表示内線端末4に対して再生する機能を有する。
【0028】
LAN接続部16は、主装置と映像表示内線端末4とを接続するためのインタフェースであり、IP(Internet Protocol)パケットによるコマンドや音声データの送受信を行う機能を有する。
【0029】
映像配信部17は、映像表示内線端末4およびネットワークカメラ6とのコマンドの送受信を行う機能と、ネットワークカメラ6から映像信号を取得し、映像表示内線端末4で表示可能な形式に変換(例えば、Motion−JPEG形式をMPEG4形式に変換)した上で映像表示内線端末4に映像信号を送信する機能を有する。
【0030】
図3は、モニタ内線端末の機能ブロック図であって、制御部21、主装置通信部22、音声処理部23、マイク24、スピーカ25、キー操作部26、表示部27から構成される。
【0031】
制御部21は、キー操作部26からのキー情報を解析して主装置通信部22経由で主装置1にコマンドを送信する機能、主装置通信部22経由で受信したコマンドに対する解析や判断を行う機能、および各回路の制御を行う機能を有し、主装置1からモニタ起動コマンドを受信した場合は、マイク24を起動しマイク24から入力された音声を符号化して主装置通信部22に出力するよう、音声処理部23に対して制御を行う。
【0032】
主装置通信部22は、主装置1とのコマンドや音声データの送受信を行う機能を有する。
【0033】
音声処理部23は、音声の符号化/復号化、マイク24やスピーカ25の起動と通話パスの接続処理、および音量制御を行う機能を有し、主装置1から受信する入力感度コマンドに応じてマイク24の入力感度を調整しマイク24に入力される周囲音を増大することができる。
【0034】
マイク24は、内線端末3または映像表示内線端末4がモニタ内線端末2と通話時やモニタ内線端末2の周囲音をモニタ時に、マイク24の周囲音を音声処理部23に入力する機能を有する。
【0035】
スピーカ25は、モニタ内線端末2が内線端末3または映像表示内線端末4との通話時に、前記内線端末3または前記映像表示内線端末4からの音声を再生する機能を有する。
【0036】
キー操作部26は、内線端末3または映像表示内線端末4を呼び出す機能、および呼出・通話の復旧の機能を有しており、インターホン子機やナースコール子機の場合は、呼出ボタンおよび復旧ボタンで構成され、電話機の場合はフックスイッチ、ダイヤルボタン、スピーカボタン、および復旧ボタンやマイクボタン等の機能を割り付けできる1または複数の機能ボタンから構成される。
【0037】
表示部27は、モニタ内線端末2がインターホン子機やナースコール子機の場合に具備されるモニタ内線端末2の状態を表示するLEDランプであり、病院や介護施設等でモニタ内線端末2から呼出があった場合に処置対象がどのモニタ内線端末2かを明確にするため、通話終了後も点灯状態を継続することが可能である。更に、モニタ内線端末2と分離して表示部27と連動するランプ(以降「廊下灯」と称す、図示せず)を接続することにより、処置対象モニタ内線端末2を廊下灯によって容易に判断することができる。また、キー操作部26の復旧ボタンで表示部27のLEDランプおよび廊下灯を消灯することができる。なお、モニタ内線端末2が電話機の場合も、LEDランプやLCD表示器によってインターホン子機やナースコール子機と同様の機能を有してもよい。
【0038】
図4は、内線端末の機能ブロック図であって、制御部31、主装置通信部32、音声処理部33、送受器34、スピーカ35、キー操作部36、表示部37から構成される。
【0039】
制御部31は、キー操作部36からのモニタ音巡回受信要求コマンド、継続受信要求コマンド、巡回戻し要求コマンド等のキー情報を解析して主装置通信部32経由で主装置にコマンドを送信する機能、主装置通信部32経由で受信したコマンドに対する解析や判断を行う機能、主装置通信部32経由で受信したモニタ内線端末情報等の文字情報を表示部37に表示する機能、および各回路の制御を行う機能を有する。
【0040】
主装置通信部32は、主装置1とのコマンドや音声データの送受信を行う機能を有する。
【0041】
音声処理部33は、音声の符号化/復号化、送受器34やスピーカ35の起動と通話パスの接続処理、および音量制御を行う機能を有する。
【0042】
送受器34は、音声処理部33に接続され、モニタ内線端末2や他の内線端末3または映像表示内線端末4との通話時に音声の再生および入力を行ったり、モニタ内線端末2をモニタ時に音声を再生したりする機能を有する。
【0043】
スピーカ35は、送受器34の代わりに音声を拡声して再生する機能を有する。
【0044】
キー操作部36は、フックスイッチ、ダイヤルボタン、スピーカボタン、機能ボタンから構成され、モニタ内線端末2の周囲の音をモニタする場合のモニタ音巡回受信要求コマンド、継続受信要求コマンド、巡回戻し要求コマンド等の各種コマンドを入力する手段であり、モニタ対象とするモニタ内線端末およびモニタ操作が可能な内線端末に係る登録情報やモニタ内線端末と連動するネットワークカメラの登録情報等を登録する場合のデータ登録専用のコマンドを入力する手段としても用いられる。なお、各種コマンドやデータ登録は、1または複数桁のダイヤルボタン押下による方法、専用の機能ボタン押下による方法、ダイヤルボタンと機能ボタンとの組み合わせによる方法等があるが、特に入力方法は限定しない。
【0045】
表示部37は、日時や入力したダイヤル等を表示するLCD表示器であり、モニタ内線端末2の周囲の音をモニタしている場合は、モニタ内線端末情報として主装置1より受信した当該モニタ内線端末2の端末番号および名称を表示する機能を有する。なお、表示部37は内線端末3接続される表示装置(図示せず)としてもよい。
【0046】
図5は、映像表示内線端末4の機能ブロック図であって、制御部41、LAN接続部42、音声処理部43、送受器44、スピーカ45、キー操作部46、映像対応表示部47から構成される。
【0047】
制御部41は、内線端末3の制御部31の機能に加えて、LAN接続部42経由で、ネットワークカメラ6の映像表示の開始および終了を制御するための映像表示開始コマンドと映像表示終了コマンドとを主装置から受信し、ネットワークカメラ6の映像信号受信を開始する映像受信開始コマンドとネットワークカメラの映像信号受信を終了する映像受信終了コマンドとを主装置に送信する機能を有する。
【0048】
LAN接続部42は、IP(Internet Protocol)パケットによる主装置1とのコマンドや音声データの送受信、およびネットワークカメラ6の映像信号の受信を行う機能を有する。
【0049】
音声処理部43、送受器44、およびスピーカ45は、内線端末3の音声処理部33、送受器34、およびスピーカ35と同等の機能を有する。
【0050】
キー操作部46は、内線端末3のキー操作部36の機能に加えて、ネットワークカメラ6のズーム/ワイドやパン/チルト等の制御を行うためのネットワークカメラ制御用コマンドを入力する機能も有する。
【0051】
映像対応表示部47は、内線端末3の表示部37の機能に加えて、ネットワークカメラ6の映像表示を行う機能も有する。なお、映像対応表示部47は内線端末4に接続される表示装置(図示せず)としてもよい。
【0052】
次に、本発明の流れを図6図9のシーケンス図にて説明する。各図で示す内線端末3および映像表示内線端末4はモニタ操作が可能な内線端末として主装置1の記憶部12に登録されており、モニタ内線端末2A,2B,2Cは何れもモニタ対象とするモニタ内線端末として主装置1の記憶部12に登録されている。また、図6図8では内線端末3でモニタを行う場合で説明しているが、映像表示内線端末4でモニタを行う場合も同様の流れとなる。なお、各ステップの順番は一例を示すものであり、作用・効果を変更しない範囲で任意に入れ替えても良い。
【0053】
図6は、内線端末3が巡回モニタ中に継続モニタおよび巡回戻しを行う場合のシーケンス図である。モニタ内線端末は2A、2B、2Cの3台であり、巡回順は2A→2B→2C→2A→2B・・・の順とした例としており、内線端末3がオンフックによりモニタを終了するまでは巡回モニタを繰り返す。
【0054】
内線端末3のキー操作部36より入力された、モニタ内線端末2Aを起点とするモニタ音巡回受信要求コマンドが主装置1に送信されると(S601)、主装置1はモニタ内線端末2Aに対してモニタ起動コマンドを送信し(S602)、自動巡回モニタを行うためのタイマを起動する(S603)。
【0055】
なお、S601にて内線端末3が主装置1の記憶部12にモニタ操作が可能な内線端末として登録されていない場合であっても、所定のID番号や緊急時の専用特番等の入力によりモニタ音巡回受信要求コマンドの送信を有効とし、自動巡回モニタを開始することを可能としてもよい(図示せず)。
【0056】
主装置1からはモニタ内線端末情報としてモニタ内線端末2Aの端末番号や名称の情報が内線端末3に通知され、内線端末3の表示部37に表示される(S604)。
【0057】
S602で主装置1からモニタ起動コマンドを受信したモニタ内線端末2Aはモニタ起動状態となり(S605)、モニタ内線端末2Aのマイク24Aに入力された音声はモニタ音として主装置1を経由して内線端末3の送受器34またはスピーカ35から再生される(S606)。
【0058】
S606のあと、S603で起動したタイマが満了すると(S607)、主装置1はこれまでモニタを行っていたモニタ内線端末2Aに対してモニタ終了コマンドを送信し(S608)、モニタ内線端末2Aはモニタ終了となる(S609)。また、主装置1は、S608の直後に次の巡回モニタ対象であるモニタ内線端末2Bに対してモニタ起動コマンドを送信し(S610)、自動巡回モニタを行うためのタイマを再び起動する(S611)。
【0059】
主装置1からはモニタ内線端末情報としてモニタ内線端末2Bの端末番号や名称の情報が内線端末3に通知され、内線端末3の表示部37に表示される(S612)。
【0060】
S610で主装置1からモニタ起動コマンドを受信したモニタ内線端末2Bはモニタ起動状態となり(S613)、モニタ内線端末2Bのマイク24Bに入力された音声は、モニタ音として主装置1を経由して内線端末3の送受器34またはスピーカ35から再生される(S614)。
【0061】
モニタ内線端末2Bをモニタ中に、内線端末3のキー操作部36より入力された継続受信要求コマンドが主装置1に送信されると(S615)、S611で起動したタイマが停止し(S616)、モニタ内線端末2Bのモニタを継続する。
【0062】
なお、主装置1はS615で継続受信要求コマンドを受信した場合、現在モニタ中のモニタ内線端末2Bに対して入力感度コマンドを送信する処理を追加し、モニタ内線端末2Bは受信した入力感度コマンドに応じてマイク24Bの入力感度を調整しマイク24Bに入力される周囲音を増大させてもよい(図示せず)。
【0063】
モニタ内線端末2Bのモニタを継続中に、内線端末3のキー操作部36より入力された巡回戻し要求コマンドが主装置1に送信されると(S617)、主装置1はこれまでモニタを行っていたモニタ内線端末2Bに対してモニタ終了コマンドを送信し(S618)、モニタ内線端末2Bはモニタ終了となる(S619)。また、主装置1は、S618の直後に巡回順に対して逆方向であるモニタ内線端末2Aに対してモニタ起動コマンドを送信し(S620)、自動巡回モニタを行うためのタイマを再び起動する(S621)。
【0064】
主装置1からはモニタ内線端末情報としてモニタ内線端末2Aの端末番号や名称の情報が内線端末3に通知され、内線端末3の表示部37に表示される(S622)。
【0065】
なお、S617で巡回スキップ要求コマンドが送信される場合は、S620に於いてモニタ起動コマンドを巡回順に対して順方向であるモニタ内線端末2Cに対して送信する点を除き、巡回戻し要求コマンドが送信される場合と同様である(図示せず)。
【0066】
S620で主装置1からモニタ起動コマンドを受信したモニタ内線端末2Aはモニタ起動状態となり(S623)、モニタ内線端末2Aのマイク24Aに入力された音声はモニタ音として主装置1を経由して内線端末3の送受器34またはスピーカ35から再生される(S624)。
【0067】
以降、内線端末3からのコマンドが主装置1に送信されない場合は、タイマが満了するごとにS624でモニタ中のモニタ内線端末2Aを起点とし、巡回順に対して順方向でモニタ内線端末2が2A→2B→2C→2A・・・と順次切り替わる(図示せず)。
【0068】
図7は、内線端末3が巡回モニタ中に巡回スキップを行う場合のシーケンス図である。モニタ内線端末は2A、2B、2Cの3台の例とし、巡回順は2A→2B→2C→2A→2B・・・の順とし、内線端末3がオンフックによりモニタを終了するまでは巡回モニタを繰り返す。
【0069】
S701〜S714は図6のS601〜S614と共通のため、ここでは説明を省略する。
【0070】
モニタ内線端末2Bをモニタ中に、内線端末3のキー操作部36より入力された巡回スキップ要求コマンドが主装置1に送信されると(S715)、S711で起動したタイマが停止し(S716)、主装置1はこれまでモニタを行っていたモニタ内線端末2Bに対してモニタ終了コマンドを送信し(S717)、モニタ内線端末2Bはモニタ終了となる(S718)。また、主装置1は、S717の直後に巡回順が順方向であるモニタ内線端末2Cに対してモニタ起動コマンドを送信し(S719)、自動巡回モニタを行うためのタイマを再び起動する(S720)。
【0071】
主装置1からはモニタ内線端末情報としてモニタ内線端末2Cの端末番号や名称の情報が内線端末3に通知され、内線端末3の表示部37に表示される(S721)。
【0072】
S719で主装置1からモニタ起動コマンドを受信したモニタ内線端末2Cはモニタ起動状態となり(S722)、モニタ内線端末2Cのマイク24Cに入力された音声はモニタ音として主装置1を経由して内線端末3の送受器34またはスピーカ35から再生される(S723)。
【0073】
以降、内線端末3からのコマンドが主装置1に送信されない場合は、タイマが満了するごとにS723でモニタ中のモニタ内線端末2Cを起点とし、巡回順に対して順方向でモニタ内線端末2が2C→2A→2B→2C・・・と順次切り替わる(図示せず)。
【0074】
図8は、内線端末3が巡回モニタ中にモニタ音を録音する場合のシーケンス図である。モニタ内線端末は2A、2B、2Cの3台の例とし、巡回順は2A→2B→2C→2A→2B・・・の順とし、内線端末3がオンフックによりモニタを終了するまでは巡回モニタを繰り返す。
【0075】
S801〜S806は図6のS601〜S606と共通のため、ここでは説明を省略する。
【0076】
モニタ内線端末2Aをモニタ中に、内線端末3のキー操作部36より入力された録音開始要求コマンドが主装置1に送信されると(S807)、S803で起動したタイマが停止し(S808)、モニタ内線端末2Aのモニタを継続すると共に、主装置1は録音・再生部15によりモニタ内線端末2Aのモニタ音および内線端末3の送話音声をミキシングして録音を開始する(S809)。モニタ時は通話時と異なり内線端末3の送話音声はモニタ内線端末2A側には送出されないが、録音・再生部15には送出され、モニタ音だけでなくモニタ時の状況説明等のコメントを合わせて録音することができる。
【0077】
モニタ内線端末2Aのモニタを継続中に、内線端末3のキー操作部36より入力された巡回スキップ要求コマンドが主装置1に送信されると(S810)、主装置1はこれまでモニタを行っていたモニタ内線端末2Aに対してモニタ終了コマンドを送信し(S811)、モニタ内線端末2Aはモニタ終了となる(S812)。更に、主装置1は、S809で開始した録音を終了する(S813)。
【0078】
また、主装置1は、S811の直後に巡回順が順方向であるモニタ内線端末2Bに対してモニタ起動コマンドを送信し(S814)、自動巡回モニタを行うためのタイマを起動する(S815)。
【0079】
主装置1からはモニタ内線端末情報としてモニタ内線端末2Bの端末番号や名称の情報が内線端末3に通知され、内線端末3の表示部37に表示される(S816)。
【0080】
なお、S810で巡回戻し要求コマンドが送信される場合は、S814に於いてモニタ起動コマンドを巡回順に対して順方向であるモニタ内線端末2Cに対して送信する点を除き、巡回スキップ要求コマンドが送信される場合と同様である(図示せず)。
【0081】
S814で主装置1からモニタ起動コマンドを受信したモニタ内線端末2Bはモニタ起動状態となり(S817)、モニタ内線端末2Bのマイク24Bに入力された音声は、モニタ音として主装置1を経由して内線端末3の送受器34またはスピーカ35から再生される(S818)。
【0082】
以降、内線端末3からのコマンドが主装置1に送信されない場合は、タイマが満了するごとにS818でモニタ中のモニタ内線端末2Bを起点とし、巡回順に対して順方向でモニタ内線端末2が2B→2C→2A→2B・・・と順次切り替わる(図示せず)。
【0083】
図9は、モニタ内線端末2A,2Bがネットワークカメラ6A,6Bと連動しており、音声のモニタと共にネットワークカメラの映像表示を行う場合のシーケンス図である。モニタ内線端末は2A、2Bの2台の例とし、巡回順は2A→2B→2A→2B・・・の順とし、映像表示内線端末4がオンフックによりモニタを終了するまでは巡回モニタを繰り返す。なお、音声のモニタと共にネットワークカメラの映像表示を行えるのは映像表示内線端末4のみであり、内線端末3でモニタを行う場合には本シーケンスは適用しない。
【0084】
映像表示内線端末4のキー操作部46より入力された、モニタ内線端末2Aを起点とするモニタ音巡回受信要求コマンドが主装置1に送信されると(S901)、主装置1はモニタ内線端末2Aに対してモニタ起動コマンドを送信し(S902)、自動巡回モニタを行うためのタイマを起動する(S903)。
【0085】
主装置1からはモニタ内線端末情報としてモニタ内線端末2Aの端末番号や名称の情報が映像表示内線端末4に通知され、映像表示内線端末4の映像対応表示部47に表示される(S904)。
【0086】
S902で主装置1からモニタ起動コマンドを受信したモニタ内線端末2Aはモニタ起動状態となり(S905)、モニタ内線端末2Aのマイク24Aに入力された音声はモニタ音として主装置1を経由して映像表示内線端末4の送受器44またはスピーカ45から再生される(S906)。
【0087】
また、音声のモニタと共にネットワークカメラの映像表示を行うために、主装置1はS904とほぼ同時に、モニタ内線端末2Aに連動したネットワークカメラ6Aを指定した映像表示開始コマンドを映像表示内線端末4に送信し(S907)、映像表示内線端末4はネットワークカメラ6Aの映像受信開始コマンドを主装置1の映像配信部17に送信し(S908)、主装置1の映像配信部17はネットワークカメラ6Aに対して映像配信開始要求コマンドを送信する(S909)。
【0088】
S909で映像配信開始要求コマンドを受信したネットワークカメラ6Aは映像信号の配信を開始し(S910)、主装置1の映像配信部17で受信したネットワークカメラの映像信号は、映像表示内線端末4で表示可能な形式に変換されてから(S911)映像表示内線端末4に送信され、映像表示内線端末4の映像対応表示部47に表示される(S912)。
【0089】
S912のあと、S903で起動したタイマが満了すると(S913)、主装置1はこれまでモニタを行っていたモニタ内線端末2Aに対してモニタ終了コマンドを送信し(S914)、モニタ内線端末2Aはモニタ終了となる(S915)。
【0090】
また、音声モニタの終了と共にネットワークカメラの映像表示も終了するために、主装置1はS914とほぼ同時に、モニタ内線端末2Aに連動したネットワークカメラ6Aを指定した映像表示終了コマンドを映像表示内線端末4に送信し(S916)、映像表示内線端末4はネットワークカメラ6Aの映像受信終了コマンドを主装置1の映像配信部17に送信する(S917)と共に映像表示を終了する(S918)。
【0091】
S917で映像受信終了コマンドを受信した主装置1の映像配信部17は、ネットワークカメラ6Aに対して映像配信終了要求コマンドを送信し(S919)、ネットワークカメラ6Aは映像配信を終了する(S920)。
【0092】
また、主装置1は、S914の直後に次の巡回モニタ対象であるモニタ内線端末2Bに対してモニタ起動コマンドを送信し(S921)、自動巡回モニタを行うためのタイマを再び起動する(S922)。
【0093】
主装置1からはモニタ内線端末情報としてモニタ内線端末2Bの端末番号や名称の情報が映像表示内線端末4に通知され、映像表示内線端末4の映像対応表示部47に表示される(S923)。
【0094】
S921で主装置1からモニタ起動コマンドを受信したモニタ内線端末2Bはモニタ起動状態となり(S924)、モニタ内線端末2Bのマイク24Bに入力された音声はモニタ音として主装置1を経由して映像表示内線端末4の送受器44またはスピーカ45から再生される(S925)。
【0095】
また、音声のモニタと共にネットワークカメラの映像表示を行うために、主装置1はS923とほぼ同時に、モニタ内線端末2Bに連動したネットワークカメラ6Bを指定した映像表示開始コマンドを映像表示内線端末4に送信し(S926)、映像表示内線端末4はネットワークカメラ6Bの映像受信開始コマンドを主装置1の映像配信部17に送信し(S927)、主装置1の映像配信部17はネットワークカメラ6Bに対して映像配信開始要求コマンドを送信する(S928)。
【0096】
S928で映像配信開始要求コマンドを受信したネットワークカメラ6Bは映像信号の配信を開始し(S929)、主装置1の映像配信部17で受信したネットワークカメラの映像信号は、映像表示内線端末4で表示可能な形式に変換されてから(S930)映像表示内線端末4に送信され、映像表示内線端末4の映像対応表示部47に表示される(S931)。
【0097】
以降、タイマが満了するごとにS914〜S931と同様の動作を繰り返し、モニタ内線端末2および連動するネットワークカメラ6が順次切り替わる。
【符号の説明】
【0098】
1・・・主装置
11・・・中央制御部
12・・・記憶部
13・・・交換処理部
14・・・内線端末通信部
15・・・録音・再生部
16・・・LAN接続部
17・・・映像配信部
2・・・モニタ内線端末
21・・・制御部
22・・・主装置通信部
23・・・音声処理部
24・・・マイク
25・・・スピーカ
26・・・キー操作部
27・・・表示部
3・・・内線端末
31・・・制御部
32・・・主装置通信部
33・・・音声処理部
34・・・送受器
35・・・スピーカ
36・・・キー操作部
37・・・表示部
4・・・映像表示内線端末
41・・・制御部
42・・・LAN接続部
43・・・音声処理部
44・・・送受器
45・・・スピーカ
46・・・キー操作部
47・・・映像対応表示部
5・・・スイッチングハブ
6・・・ネットワークカメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9