特許第6183312号(P6183312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183312
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】X線撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/04 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   A61B6/04 332A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-149661(P2014-149661)
(22)【出願日】2014年7月23日
(65)【公開番号】特開2016-22247(P2016-22247A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2016年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100101753
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 隆司
(72)【発明者】
【氏名】渥美 圭大
(72)【発明者】
【氏名】濱中 宇意理
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−159815(JP,A)
【文献】 特開平9−168569(JP,A)
【文献】 特開2006−051403(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/172145(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線照射部と、被検者を載置した状態で水平方向に移動可能な天板を有するテーブルと、前記X線照射部から照射され前記被検者を通過したX線を検出するX線検出器と、を備えたX線撮影装置において、
前記天板を、水平方向を向く水平姿勢と、当該水平姿勢から傾斜する傾斜姿勢との間で揺動させる傾斜機構と、
前記天板の移動方向と移動速度とを検出する検出器と、を備え、
前記傾斜機構は、前記天板の移動開始時に、前記天板を当該天板の移動方向の先頭側が低くなるような傾斜姿勢とするとともに、前記天板の移動速度に基づいて、前記天板を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢に復帰させることを特徴とするX線撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線撮影装置において、
前記傾斜機構は、前記天板の移動速度が設定値以下となったときに、前記天板を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢に復帰させるX線撮影装置。
【請求項3】
請求項2に記載のX線撮影装置において、
前記傾斜機構は、前記天板の移動速度が前記設定値より大きい第2設定値以上となったときに、前記天板を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢に復帰させるX線撮影装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のX線撮影装置において、
前記天板を昇降させる昇降機構をさらに備え、
前記天板が前記傾斜機構により傾斜姿勢となったときに、前記天板を上昇させるX線撮影装置。
【請求項5】
請求項4に記載のX線撮影装置において、
前記昇降機構は、前記天板が前記傾斜機構により傾斜姿勢となった状態で前記X線照射部から前記X線検出器に至るX線の軸線上を通過するときに、前記X線照射部から前記X線検出器に至るX線の軸線上を通過する前記天板の表面の高さ位置が一定となるように、前記天板を昇降させるX線撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線管と、被検者を載置する天板を有するテーブルと、X線管から照射され被検者を通過したX線を検出するフラットパネルディテクタ等のX線検出器とを備えたX線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなX線撮影装置においては、被検者を載置した天板を水平方向に移動させるフローティング機構が採用されている。このようなフローティング機構を採用した場合には、X線撮影時に、撮影箇所を容易に変更することが可能となる(特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−93426号公報
【特許文献2】特開2001−190528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フローティング機構を利用して、オペレータが手動で天板をその長手方向に移動させる場合に、被検者と天板との重量により、天板が移動を開始するときに極めて大きな力が必要となるという問題がある。
【0005】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、極めて簡単な構成でありながら、天板をより小さな力でその長手方向に移動させることが可能なX線撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、X線照射部と、被検者を載置した状態で水平方向に移動可能な天板を有するテーブルと、前記X線照射部から照射され前記被検者を通過したX線を検出するX線検出器と、を備えたX線撮影装置において、前記天板を、水平方向を向く水平姿勢と、当該水平姿勢から傾斜する傾斜姿勢との間で揺動させる傾斜機構と、前記天板の移動方向と移動速度とを検出する検出器と、を備え、前記傾斜機構は、前記天板の移動開始時に、前記天板を当該天板の移動方向の先頭側が低くなるような傾斜姿勢とするとともに、前記天板の移動速度に基づいて、前記天板を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢に復帰させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記傾斜機構は、前記天板の移動速度が設定値以下となったときに、前記天板を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢に復帰させる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記傾斜機構は、前記天板の移動速度が前記設定値より大きい第2設定値以上となったときに、前記天板を前記傾斜姿勢から前記水平姿勢に復帰させる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記天板を昇降させる昇降機構をさらに備え、前記天板が前記傾斜機構により傾斜姿勢となったときに、前記天板を上昇させる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記昇降機構は、前記天板が前記傾斜機構により傾斜姿勢となった状態で前記X線照射部から前記X線検出器に至るX線の軸線上を通過するときに、前記X線照射部から前記X線検出器に至るX線の軸線上を通過する前記天板の表面の高さ位置が一定となるように、前記天板を昇降させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、天板の移動開始時に天板を傾斜姿勢とすることにより、小さな力で天板の移動を開始することができ、また、天板の移動速度に基づいて天板を水平姿勢に復帰させることが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、天板の移動速度が設定以下となって天板の移動が停止するときに、天板を水平姿勢に復帰させることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、天板の速度が速くなったときに、天板を水平姿勢に復帰させて天板が加速することを防止することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、天板が傾斜した場合においても、天板の移動方向の先頭側の端部の高さ位置を一定に維持することが可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、X線の軸線上を通過するときの天板の表面の高さ位置が一定となることから、傾斜した状態で天板を移動させた場合においても、被検者とX線照射部およびX線検出器との位置関係を一定に維持して、正確なX線撮影を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明に係るX線撮影装置の概要図である。
図2】テーブル10の構成を示す概要図である。
図3】永電磁石18の概要図である。
図4】この発明に係るX線撮影装置の制御系を示すブロック図である。
図5】天板11を移動させるフローティング動作を示す説明図である。
図6】天板11を移動させるフローティング動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係るX線撮影装置の概要図である。
【0018】
このX線撮影装置は、X線管とコリメータとを備えたX線照射部31と、X線照射部31から照射されてテーブル10上に横たわった被検者を通過したX線を検出するX線検出器としてのフラットパネルディテクタ(FPD)32と、これらのX線照射部31およびフラットパネルディテクタ32を支持するC型アーム33と、このC型アーム33をスライド可能に支持する支持部34と、この支持部34を旋回させる旋回部35と、この旋回部35を床面に対して立設した状態で支持する支持部36とを備える。
【0019】
C型アーム33には、円弧状の案内部37が形成されており、支持部34は、この案内部37と係合することにより、C型アーム33をスライド可能に支持している。そして、C型アーム33は、X線照射部31とフラットパネルディテクタ32とを、X線照射部31におけるX線管の焦点からフラットパネルディテクタ32に至るX線の軸線が、案内部37を形成する円弧の直径と一致する状態で支持している。また、旋回部35は、支持部34をC型アーム33等とともに、X線照射部31からフラットパネルディテクタ32に至るX線の軸線と直交する軸を中心に旋回させる。
【0020】
このような構成を有するX線撮影装置においては、C型アーム33をスライドおよび旋回させることにより、被検者に対して任意の方向から透視または撮影を実行することが可能となる。そして、被検者を通過しフラットパネルディテクタ32で検出されたX線に基づくX線画像は、後述する表示部55に表示される。
【0021】
図2は、テーブル10の構成を示す概要図である。
【0022】
このテーブル10は、被検者を載置する天板11を備える。この天板11にはレール12が付設されている。このレール12には、固定部13を介して操作ハンドル14が固定されている。この操作ハンドル14は、オペレータが天板11をその長手方向(図2における左右方向)に移動させるときに、オペレータにより把持される部分となる。また、この操作ハンドル14は、後述する永電磁石18による天板11の移動の規制を解除するためにも使用される。
【0023】
天板11は、天板11に付設されたレール15とベース部材19に付設されたスライダ16とから構成される直動ガイド17により、天板11の長手方向にスライド可能となっている。直動ガイド17におけるレール15の下方には、ラック21が配設されている。このラック21は、ポテンショメータ23に連結されたピニオン22と噛合している。このため、天板11のベース部材19に対する移動速度と移動方向とは、ポテンショメータ23により検出される。また、ベース部材19と天板11との間には、天板11の移動を規制するための永電磁石18が配設されている。
【0024】
ベース部材19は、L字状の支持部材44の上端に配設された軸41を中心に揺動可能となっている。また、この支持部材44には、支持部材44に配設された軸を中心に回転可能なピニオン25が配設されている。このピニオン25は、床面に接地された基台48に形成されたラック24と噛合している。そして、ピニオン25は、支持部材44に配設されたポテンショメータ26およびモータ27(図4参照)と連結している。このため、支持部材44はモータ27の駆動により昇降し、その高さ位置はポテンショメータ26により検出される。従って、支持部材44に対して軸41、ベース部材19および直動ガイド17を介して接続された天板11がモータ27の駆動により昇降し、その高さ位置がポテンショメータ26により検出されることになる。
【0025】
支持部材44の端部に配設された軸42とベース部材19の端部に配設された軸43との間には、ジャッキ45およびモータ47からなるチルト機構が配設されている。モータ47の駆動によりジャッキ45のネジ部46を回転させることにより、支持部材44の端部に配設された軸42とベース部材19の端部に配設された軸43との距離が変更され、これによりベース部材19は軸41を中心として、図2に示すように水平方向を向く水平姿勢と、この水平姿勢から傾斜する傾斜姿勢との間で揺動する。
【0026】
図3は、上述した永電磁石18の概要図である。
【0027】
この永電磁石18は、永久磁石71と、鉄芯72とこの鉄芯72の回りに配設されたコイル73とからなる電磁石とから構成される。コイル73に電流が流れていない状態では、永電磁石18は永久磁石71の作用により磁石としての機能を奏する。この場合には、ベース部材19に固定された永電磁石18が天板11に吸着することにより制動力が生じ、天板11の移動が制限されることになる。一方、オペレータが上述した操作ハンドル14を押圧することにより電磁石を構成するコイル73に対して電流を印加して、永久磁石71の磁力をキャンセルする磁力を電磁石に発生させた場合には、永久磁石71の作用による制動力が解除され、天板11の移動が可能となる。
【0028】
図4は、この発明に係るX線撮影装置の制御系を示すブロック図である。
【0029】
このX線撮影装置は、論理演算を実行するCPU、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM等を備え、装置全体を制御する制御部50を備える。この制御部50は、上述したX線照射部31、フラットパネルディテクタ32、操作ハンドル14、ポテンショメータ23、26、モータ27、47および永電磁石18と接続されている。また、この制御部50は、フラットパネルディテクタ32で検出されたX線に基づいてX線画像を表示する表示部55と接続されている。この制御部50は、後述するように、天板11を水平姿勢と傾斜姿勢との間で揺動させるための傾斜制御部51と、天板11の移動に伴って天板11を昇降させるための昇降制御部52とを備えている。
【0030】
次に、以上のような構成を有するX線撮影装置において、テーブル10における天板11上に被検者を載置した状態で、天板11をその長手方向に移動させるフローティング動作について説明する。図5および図6は、天板11を移動させるフローティング動作を示す説明図である。なお、これらの図においては、天板11を、X線照射部31からフラットパネルディテクタ32に至るX線の軸線に向かう方向(図5および図6における左方向)に移動させる場合を示している。
【0031】
テーブル10における天板11上に被検者を載置した状態で天板11をその長手方向に移動させるときには、最初に、オペレータが操作ハンドル14を押圧する。これにより、図3に永電磁石18におけるコイル73に電流が印加され、永久磁石71の磁力をキャンセルする磁力が電磁石に発生することにより永久磁石71の作用による制動力が解除され、天板11の移動が可能となる。
【0032】
この状態においてオペレータが操作ハンドル14を操作して天板11を図5に示す左方向に移動させる。天板11が移動を開始すると、図2および図3に示すポテンショメータ23が、天板11が移動を開始したことと、その移動方向とを検出する。制御部50における傾斜制御部51は、ポテンショメータ23からの信号を受け、天板11を、天板11の移動方向の先頭側(図5における左側)が低くなるような傾斜姿勢とする。より具体的には、傾斜制御部51は、図2に示すモータ47を回転させることでジャッキ45におけるネジ部46を回転させて、支持部材44の端部に配設された軸42とベース部材19の端部に配設された軸43との距離を大きくする。これにより、ベース部材19が軸41を中心に角度θだけ揺動し、これにより天板11が傾斜姿勢となる。
【0033】
天板11が移動方向の先頭側が低くなる傾斜姿勢となったときには、オペレータが小さな力で天板11を移動させることが可能となる。例えば、患者の体重が60kg〜250kgであり、天板11とその付属物の総重量が100kgであった場合には、天板11を水平方向から0.5度傾斜させた場合、0.8kg〜3kg程度、オペレータによる操作力が補助される。
【0034】
ここで、天板11が移動方向の先頭側が低くなる傾斜姿勢となった場合には、天板11の移動方向の先頭側端部の高さ位置が低くなる。この場合、X線照射部31やフラットパネルディテクタ32の配置によっては、天板11がこれらのX線照射部31やフラットパネルディテクタ32と衝突する可能性がある。このため、このX線撮影装置においては、昇降制御部52の作用により、図5において実線で示すように、天板11を傾斜姿勢とした時点で、図4に示すモータ27の駆動により、天板11をベース部材19および支持部材44とともに、距離Yだけ上昇させる構成を採用している。この距離Yは、図5に示す水平姿勢時の軸41aの位置と、傾斜姿勢時の軸41の位置41bとの距離と一致する。
【0035】
この距離Yは、図5に示すように、天板11の揺動の中心となる軸41と天板11の移動方向の先頭側端部との距離をX1としたとき、Y=X1・tanθとなる。これにより、天板11の移動方向の先頭側端部の高さ位置を、傾斜姿勢となる前の高さ位置と一致させることが可能となる。なお、θが小さい場合には、tanθの代わりにsinθとしてもよい。
【0036】
この状態から天板11をさらに移動させ、天板11が、図6において一点鎖線で示すX線照射部31からフラットパネルディテクタ32に至るX線の軸線に到達した後は、昇降制御部52は、モータ27の回転を制御することにより、上述した距離Yを天板11の移動に伴って、順次小さくする。この距離Yは、図5に示す水平姿勢時の軸41aの位置と、傾斜姿勢時の軸41の位置41bとの距離と一致する。
【0037】
このときの距離Yは、天板11の揺動の中心となる軸41とX線照射部31からフラットパネルディテクタ32に至るX線の軸線との距離をXとしたとき、Y=X・tanθとなる。これにより、X線の軸線上を通過するときの天板11の表面の高さ位置が一定となることから、傾斜した状態で天板11を移動させた場合においても、被検者とX線照射部31およびフラットパネルディテクタ32との位置関係を一定に維持して、正確なX線撮影を実行することが可能となる。なお、θが小さい場合には、tanθの代わりにsinθとしてもよい。
【0038】
天板11が所望の位置まで移動すれば、オペレータは操作ハンドル14を操作して天板11を停止させる。このとき、ポテンショメータ23が、天板11の速度が予め設定した設定値以下となったことを検出すれば、制御部50における傾斜制御部51は、ポテンショメータ23からの信号を受け、天板11を水平姿勢に復帰させる。なお、この速度の設定値をゼロとして、天板11が停止した時点で、天板11を水平姿勢とする構成を採用してもよい。
【0039】
なお、天板11の移動中において、天板11の移動速度が上述した設定速度より早い第2の設定速度となり、天板11が過剰な速度で移動した場合においても、制御部50における傾斜制御部51は、ポテンショメータ23からの信号を受け、天板11を水平姿勢に復帰させる。これにより、天板11がさらに加速されることを防止することが可能となる。なお、天板11を停止する前に、傾斜制御部51の制御により、一定の時間だけ天板11を移動方向の先頭側が高くなる逆の傾斜姿勢とした後、水平姿勢に復帰させるようにしてもよい。このような構成を採用した場合には、より迅速に天板11を減速させることが可能となる。
【0040】
以上のように、この発明に係るX線撮影装置においては、天板11を傾斜姿勢とすることにより、小さな力で天板11の移動を開始することができ、また、天板11の移動速度に基づいて天板11を水平姿勢に復帰させることが可能となる。そして、天板11の高さ位置を変更することにより、天板11のX線照射部31等との干渉を防止できるとともに、被検者とX線照射部31およびフラットパネルディテクタ32との位置関係を一定に維持して正確なX線撮影を実行することが可能となる。
【0041】
なお、上述した実施形態においては、天板11の移動開始時に、天板11を一定の角度θだけ傾斜させているが、天板11の移動開始時には大きな角度だけ天板11を傾斜させ、しかる後、天板11の傾斜角度を小さくするように設定してもよい。また、天板11の停止時において、傾斜制御部51の制御により一定の時間だけ天板11を移動方向の先頭側が高くなる逆の傾斜姿勢とした後、水平姿勢に復帰させることにより、天板11をより容易に停止し得るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 テーブル
11 天板
12 レール
14 操作ハンドル
17 直動ガイド
18 永電磁石
19 ベース部材
23 ポテンショメータ
26 ポテンショメータ
27 モータ
31 X線照射部
32 フラットパネルディテクタ
33 C型アーム
41 軸
43 軸
44 支持部材
45 ジャッキ
47 モータ
50 制御部
51 傾斜制御部
52 昇降制御部
55 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6