特許第6183354号(P6183354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6183354電圧電流変換器およびそれを用いた積分回路、フィルタ回路、ならびに電圧電流変換方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183354
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】電圧電流変換器およびそれを用いた積分回路、フィルタ回路、ならびに電圧電流変換方法
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/34 20060101AFI20170814BHJP
   H03G 3/10 20060101ALI20170814BHJP
   H03H 11/04 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   H03F3/34 C
   H03G3/10 A
   H03H11/04 C
   H03H11/04 G
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-500091(P2014-500091)
(86)(22)【出願日】2013年2月7日
(86)【国際出願番号】JP2013000656
(87)【国際公開番号】WO2013121741
(87)【国際公開日】20130822
【審査請求日】2016年1月20日
(31)【優先権主張番号】特願2012-31862(P2012-31862)
(32)【優先日】2012年2月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】狐塚 正樹
【審査官】 ▲高▼橋 義昭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/149881(WO,A1)
【文献】 特開2010−056638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 3/34
H03G 3/10
H03H 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号に応じて開閉制御される第1の開閉素子を有し、入力された電圧を当該開閉制御により間欠的に取り込んで出力する電圧取込手段と、
前記電圧取込手段が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換手段とを有し、
変換利得が前記電圧取込手段の間欠動作比率で制御される
ことを特徴とする電圧電流変換器。
【請求項2】
前記電圧取込手段は、
前記第1の開閉素子の端子に電気的に接続され、前記制御信号を反転した信号に応じて開閉制御される第2の開閉素子をする
とを特徴とする請求項1に記載の電圧電流変換器。
【請求項3】
前記第2の開閉素子の端子は、接地されていることを特徴とする請求項2に記載の電圧電流変換器。
【請求項4】
前記電圧取込手段は、
前記制御信号に応じて開閉制御される第3の開閉素子を有し、
前記入力された電圧からみて差動的に入力された電圧を当該開閉制御により間欠的に取り込んで出力し、
前記制御信号を反転した信号に応じて開閉制御される第4の開閉素子を有し、
前記第4の開閉素子は、
前記第1の開閉素子の端子に接続される第1の端子と、
前記第3の開閉素子の端子に接続される第2の端子と、
を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電圧電流変換器。
【請求項5】
前記間欠動作比率は、開閉素子の開閉率で制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の電圧電流変換器。
【請求項6】
前記制御信号は矩形信号であり、前記開閉素子の開閉率は前記矩形信号のデューティ比で制御されることを特徴とする請項5に記載の電圧電流変換器。
【請求項7】
前記請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の電圧電流変換器と、
電圧電流変換器の出力端子に接続される容量とを有することを特徴とする積分回路。
【請求項8】
請求項7に記載の積分回路を1つ以上有することを特徴とするフィルタ回路。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載の前記電圧電流変換器を複数有し、
各々の電圧取込手段の間欠動作比率は独立に制御されることを特徴とする、請求項8に記載のフィルタ回路。
【請求項10】
入力された電圧を、開閉素子を制御信号に応じて開閉制御することで間欠的に取り込み、取り込まれた電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換方法であって、
電圧を取り込んでいる状態と電圧を取り込んでいない状態とで決まる、前記入力された電圧を間欠的に取り込む間欠動作比率によって、変換利得が制御されることを特徴とする電圧電流変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧電流変換器およびそれを用いた積分回路、フィルタ回路、ならびに電圧電流変換方法に関し、特に、変換利得が可変な電圧電流変換器および時定数が可変な積分回路、周波数特性が可変なフィルタ回路、ならびに変換利得が可変な電圧電流変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線技術の発展に伴い、様々なアプリケーションに応じた無線通信規格が実用化され、それに対応する送受信用の集積回路(IC:Integrated Circuit)が携帯電話等に代表される端末に搭載されている。対応する通信規格が増えるほど、数多くのICが必要になり、実装面積やコストが増大している。そこで、1チップで複数無線規格に対応できるような送受信ICの開発が盛んに行われている。
【0003】
複数無線規格対応の送受信ICのキーコンポーネントの1つに、周波数特性の可変なフィルタ回路がある。可変フィルタ回路は、対応する通信規格で使われている信号帯域に含まれる信号のみを通過させ、それ以外の周波数帯に存在する妨害信号を抑圧する。一般に、無線通信規格に応じて、所望の信号帯域幅や抑圧すべき妨害信号の強度が異なることから、可変フィルタ回路が必要となる。
【0004】
例えば、特許文献1に記載されている可変フィルタは、変換利得が可変の電圧電流変換器と容量で構成される。図10Aは特許文献1に記載された電圧電流変換器であり、図10Bはこの電圧電流変換器の電流取出部の具体例である。特許文献1に記載された電圧電流変換器は、図10Aに示すように、電圧電流変換部1と電流取出部2とで構成される。電流取出部2を制御し、電流を取り出す時間的な比率を変えることによって、時間平均的な変換利得を変えることができる。電流取出部2は、図10Bに示すように、開閉素子3、4と反転素子5を用いて構成される。電流取出部2に入力されるクロック信号によって、開閉素子3が閉状態のときには開閉素子4が開状態に、開閉素子3が開状態のときには開閉素子4が閉状態になるよう制御され、電流を取り出すか否かが制御される。この電圧電流変換器を用いて構成されたフィルタ回路では、各々の電圧電流変換器の変換利得を独立に制御することで、様々な周波数特性をもったフィルタ回路を再構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/149881号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された電圧電流変換器やこれを用いて構成されたフィルタ回路では、次のような課題がある。
【0007】
第1の課題は、電流取出部2を構成する開閉素子3のオン抵抗によって線形性が劣化する、すなわち、歪が発生することである。この原因は、電圧電流変換部1が出力する電流が開閉素子3を介して容量に流れ込む際に、開閉素子3の両端で電位差が生じ、それによって電圧電流変換部1の出力端子の電圧振幅が大きくなってしまうことにある。電圧電流変換部1の出力端子の電圧振幅が大きくなると、電圧電流変換部1内部のトランジスタの動作領域が変わり、信号が歪んでしまう。特許文献1では、これを防ぐために、電圧電流変換器を演算増幅器の仮想接地端子に接続した構成が開示されているが、演算増幅器の使用は、消費電力の増加や雑音の増加を伴う。
【0008】
第2の課題は、上述の歪を小さくするために開閉素子3のトランジスタのサイズを大きくすると、クロックバッファの消費電力が大きくなることである。この原因は、大きなトランジスタにはそれだけ大きなゲート・ソース間やゲート・ドレイン間の容量が寄生しているため、これらの寄生容量の充放電で消費電力が大きくなることによる。
【0009】
第3の課題は、上述の歪を小さくするために開閉素子3のトランジスタのサイズを大きくすると、クロック信号に起因する雑音が増えることである。この原因は、トランジスタのゲート・ソース間やゲート・ドレイン間に寄生する容量を介して、信号経路にクロック信号が漏れこみ、不要なスプリアスが立ってしまうことにある。また、クロックバッファでは瞬時に多くの電流が流れるため、半導体の電源や接地の電位が変化してしまい、雑音を誘起してしまう。
【0010】
本発明の目的は、線形性に優れ、消費電力が小さく、クロック信号に起因する雑音の少ない、変換利得が可変な電圧電流変換器および、時定数が可変な積分回路、周波数特性が可変なフィルタ回路、変換利得が可変な電圧電流変換方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明に係る電圧電流変換器は、入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込手段と、前記電圧取込手段が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換手段とを有し、変換利得が前記電圧取込手段の間欠動作比率で制御されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る積分回路は、前記電圧電流変換器と、前記電圧電流変換器の出力端子に接続される容量とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るフィルタ回路は、前記積分回路を1つ以上有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る電圧電流変換方法は、入力された電圧を間欠的に取り込み、前記取り込まれた電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換方法であって、電圧を取り込んでいる状態と電圧を取り込んでいない状態とで決まる、前記入力された電圧を間欠的に取り込む間欠動作比率によって、変換利得が制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、線形性に優れ、消費電力が小さく、クロック信号に起因する雑音の少ない、変換利得が可変な電圧電流変換器や電圧電流変換方法を提供できる。また、時定数が可変な積分回路や周波数特性が可変なフィルタ回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明の第1実施形態による電圧電流変換器を示す回路図である。
図1B】電圧電流変換器の電圧取込部に供給する制御信号の波形図である。
図2A】本発明の第1実施形態による電圧電流変換器の電圧取込部の一例を示す回路図である。
図2B図2Aの電圧取込部の開閉素子の一例を示す回路図である。
図2C】電圧電流変換器の電圧電流変換部の一例を示す回路図である。
図3】本発明の第2実施形態による電圧電流変換器を示す回路図である。
図4A】本発明の第2実施形態による電圧電流変換器の制御部の一例を示す回路図である。
図4B図4Aの制御部に用いる一致検出回路の一例を示す回路図である。
図5A】本発明の第3実施形態による電圧電流変換器を示す回路図である。
図5B図5Aの電圧電流変換器の電圧取込部の一例を示す回路図である。
図5C図5Aの電圧電流変換器の電圧電流変換部の一例を示す回路図である。
図6】発明の第3実施形態による電圧電流変換器の別の一例を示す回路図である。
図7】本発明の第4実施形態による積分回路を示す回路図である。
図8】本発明の第5実施形態によるフィルタ回路を示す回路図である。
図9】本発明の第6実施形態によるフィルタ回路を示す回路図である。
図10A】特許文献1の電圧電流変換器を示す回路図である。
図10B】電圧電流変換器の電流取出部の具体例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
初めに、本発明の第1実施形態として、電圧電流変換器を図面を参照しながら説明する。図1Aは本発明の第1実施形態による電圧電流変換器を示す回路図であり、図1Bは電圧電流変換器の電圧取込部に供給する制御信号の波形図である。図2Aは本発明の第1実施形態による電圧電流変換器の電圧取込部の一例を示す回路図であり、図2Bはこの電圧取込部の開閉素子の一例を示す回路図であり、図2Cは電圧電流変換器の電圧電流変換部の一例を示す回路図である。
【0018】
本実施形態の電圧電流変換器100は、図1Aに示すように、入力された電圧VINを間欠的に取り込んで出力する電圧取込部102と、この電圧取込部102が出力する電圧を電流IOUTに変換して出力する電圧電流変換部101とを有している。電圧取込部102には図1Bの波形図に示す制御信号が供給されており、電圧電流変換器100の変換利得が電圧取込部102の間欠動作比率で制御されるものである。図1Bに示す制御信号は、周期がTCLK、オン時間がTONの矩形の制御信号である。この図1Bに示す制御信号は、一定周期のもとで、ハイレベルとなる時間幅を変えられる信号を想定している。
【0019】
電圧取込部102は、電圧電流変換器100に入力される電圧信号を間欠的に取り込む。電圧取込部102が電圧を取り込んでいる状態では、それに対応する電流が電圧電流変換部101から出力される。一方、電圧取込部102が電圧を取り込んでいない状態では、電圧電流変換部101の入力電圧は0になり、したがって、電流は出力されない。電圧取込部102が、電圧を取り込むか否かは、制御信号によって切り替えられる。このような電圧取込部102の間欠的な電圧を取り込み動作の比率を、電圧取込部の間欠動作比率と呼ぶことにする。この切り替えを、入力電圧信号の周波数と比較して、十分に高速に行うことによって、電圧電流変換器100の変換利得を時間的に制御することができる。
【0020】
すなわち、電圧電流変換部101の変換利得をGm0とし、制御信号が、図1Bに示すような、周期がTCLK、オン時間がTONの信号であるとすると、本電圧電流変換器100の時間平均的な変換利得Gmは、次のように表される。
Gm=(TON/TCLK)・Gm0
これは、電圧電流変換器100の時間平均的な変換利得Gmが、制御信号のデューティ比(TON/TCLK)で制御されることを意味する。
【0021】
電圧取込部102は具体的には、図2Aに一例として示すように、制御信号が与えられて開閉が制御される開閉素子104と、制御信号を反転させて出力する反転素子106と、反転素子106の出力信号が与えられて開閉が制御される開閉素子105とで構成される。言い換えると、第1の制御信号の一例としての制御信号が与えられて開閉が制御される、第1の開閉素子の一例としての開閉素子104と、第1の制御信号を反転した第2の制御信号の一例としての、上記制御信号を反転させた出力信号を出力する反転素子106と、反転素子106が出力する出力信号が与えられて開閉が制御される、第2の開閉素子の一例としての開閉素子105とを備えている。
【0022】
開閉素子104、105は具体的には、図2Bに一例として示すように、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタで構成されるトランスミッションゲート107と、反転素子108とで構成される。ここで、NMOSトランジスタのゲート電圧がハイレベルおよびPMOSトランジスタのゲート電圧がローレベルにあるときに導通状態となる。このとき、開閉素子が閉状態となり、電圧取込部102が電圧を取り込む状態となる。NMOSトランジスタのゲート電圧がローレベルおよびPMOSトランジスタのゲート電圧がハイレベルにあるときに非導通状態とする。このとき、開閉素子が開状態となり、電圧取込部102が電圧を取り込んでいない状態となる。
【0023】
図2Bの制御信号のオン時間TON、すなわち制御信号がハイレベルにあるときは、開閉素子104が閉状態になり開閉素子105が開状態になり、電圧取込部102は入力電圧をそのまま出力する。制御信号がローレベルにあるときは、開閉素子104が開状態になり開閉素子105が閉状態となり、電圧取込部102から出力される電圧は0となる。開閉素子の開閉状態の比率を、開閉素子の開閉率と呼ぶことにする。上述した電圧取込部102の間欠動作比率は、電圧取込部102をこのような図2Aに示される回路で構成した場合、開閉素子104の開閉率で制御すると言うことができる。さらに、このような図2Aの開閉素子104の開閉率を図1Bに示される矩形信号で制御した場合、開閉素子104の開閉率は矩形信号の上記デューティ比で制御されると言うことができる。
【0024】
電圧電流変換部101は、シングルエンドの電圧電流変換部で構成される。具体的には、図2Cに一例として示すように、電流源109と、ゲートに電圧取込部102からの出力が与えられるトランジスタ110とで構成される。図2Cに示される電圧電流変換部は、NMOSトランジスタを用いた電流源負荷のソース接地型の増幅器であり、入力された電圧に対応する電流を出力する。電圧電流変換部101の変換利得は固定であっても良いし、可変であってもよい。可変とする方法としては、NMOSトランジスタのゲートバイアス電圧を調整する方法、電流源の電流量を調整する方法、電圧電流変換部を複数並べ、スイッチで切り替える方法などが挙げられる。このような方法を併用することによって、より広い範囲で電圧電流変換利得を可変とすることができる。
【0025】
本発明の本実施形態による電圧電流変換器100においては、電圧取込部102の後段に、電圧電流変換部101が配置される。電圧取込部102を、図2Aのような回路で構成した場合には、電圧取込部102の開閉素子104の後ろに、電圧電流変換部101が配置される。図2Cに示される回路構成の電圧電流変換部も含め、一般に、電圧電流変換部の入力インピーダンスは非常に高く、電流はほとんど流れ込まない。したがって、電圧取込部102の開閉素子104が0でないオン抵抗をもって導通状態にあるときにも、開閉素子104の両端の電位はほぼ等しくなる。この点が、電流取込部が電圧電流変換部の後ろ側に配置され、電流取込部の開閉素子のオン抵抗によって両端に電位差が発生し、電圧電流変換部の出力端子の電圧振幅が大きくなってしまう、背景技術による電圧電流変換器と異なっている。
【0026】
本発明の本実施形態による電圧電流変換器100によれば、背景技術による電圧電流変換器と異なり、電圧取込部102にオン抵抗の大きな開閉素子を用いても、歪の発生を抑制できる、という効果が得られる。
【0027】
また、オン抵抗の大きさについて回路設計の制約を小さくできるので、サイズの小さなトランジスタを用いて開閉素子を構成することができる。このことから、開閉素子を駆動する制御回路、例えばクロックバッファ回路、の消費電力を低減できる、という効果が得られる。
【0028】
同時に、開閉素子を構成するトランジスタのゲート容量を介したクロックのリークや、大きなクロックバッファ回路による電源や接地の電位の変化を抑え、低雑音化できる、という効果が得られる。
【0029】
なお、図1Bでは、一定周期のもとで、ハイレベルとなる時間幅を変えられる信号用いて説明した。これは、電圧電流変換利得をパルス幅変調していることに対応する。他にも、パルス密度変調などのパルス変調方式によって、時間平均的な変換利得を制御することも可能である。
【0030】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態として、電圧電流変換器を図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の第2実施形態による電圧電流変換器を示す回路図である。
【0031】
本実施形態は上述した第1実施形態による電圧電流変換器の別の一例である。第1実施形態による電圧電流変換器と比較して、電圧取込部102を制御する制御部103をさらに備える点が異なる。第1実施形態による電圧電流変換器と共通の要素には共通の参照番号を付与することとして、その詳細な説明は省略することとする。
【0032】
本実施形態による電圧電流変換器は、第1実施形態による電圧電流変換器100に、さらに電圧取込部102を制御する制御部103をさらに備えたものであり、図3に示すように、入力された電圧VINを間欠的に取り込んで出力する電圧取込部102と、この電圧取込部102が出力する電圧を電流IOUTに変換して出力する電圧電流変換部101と、電圧取込部102を制御する制御部103とを有している。第1実施形態による電圧電流変換器と同様に、電圧電流変換器100の変換利得が電圧取込部102の間欠動作比率で制御されるものである。制御部103は電圧取込部102に制御信号を供給し、電圧電流変換器100の変換利得が電圧取込部102の間欠動作比率で制御される。
【0033】
制御部103は、電圧電流変換器が用いられる通信システムが要求する仕様や、半導体製造プロセスでの素子値のばらつき具合に応じて制御信号のデューティ比を決定し、制御信号を生成する。実際に使用する回路素子の値に応じて、対応するシステムの要求仕様に見合うよう、電圧取込部102の間欠動作比率を決定し、制御部103が電圧取込部102を制御する。これによって、様々な通信システムに柔軟に対応でき、また、製造プロセスにおける素子ばらつきの影響を受けない電圧電流変換器が得られる。
【0034】
次に、制御部103の具体例について説明する。図4Aは本発明の第2実施形態による電圧電流変換器の制御部の一例を示す回路図であり、図4Bはこの制御部に用いる一致検出回路の一例を示す回路図である。
【0035】
図4Aに示される制御部は、第1の制御信号および第2の制御信号を生成する回路の一例である。初めに、第1の制御信号を生成する、この制御部の基本構成について説明する。本制御部は、計数回路111と、一致検出回路112、113と、遅延型フリップフロップ(D−type Flip Flop)115などから構成されている。遅延型フリップフロップは、以下ではDFFと呼ぶことにする。計数回路111は、入力される高速クロックの立ち上がりまたは立下りの度に、1つずつカウントアップまたはカウントダウンする回路である。一致検出回路112、113は、入力される2つのビット列が一致したときに出力がハイレベルとなる回路である。ビット列が5ビットの場合の、一致検出回路の具体的な回路例を図4Bに示した。A端子への入力ビット(A0〜A4)と、B端子への入力ビット(B0〜B4)との一致を検出して出力OUTを生成する回路である。図4Aの制御部では、一致検出回路112、113の一方の端子、ここではA端子、には、計数回路111の出力が接続されている。また、一致検出回路112のもう一方の端子、ここではB端子、は、全ビットがハイレベルに設定されている。さらに、一致検出回路113のB端子は、所望のデューティ比に対応するデータ列に設定されている。
【0036】
遅延型フリップフロップ(DFF)は、入力クロックがハイレベルになったときのD端子入力をQ端子から出力する回路であり、また、リセット端子が0になると強制的にQ端子が0になる。図4AのDFF115では、一致検出回路112の出力が入力クロックとして与えられており、一致検出回路113の出力がリセット端子に接続されており、D端子は常にハイレベルとなるようハイレベル電圧が供給されている。
【0037】
次に本制御部の動作を、5ビットの場合を例にとって説明する。計数回路111は0から31までをカウントアップする。31までカウントアップされたとき、一致検出回路112は一致を検出し、出力が立ち上がる。その結果、DFF115はこのときにD端子に与えられているハイレベルを、Q端子から出力する。計数回路111が再び0からカウントアップを始め、一致検出回路113のB端子のデータ列と一致するところまでカウントアップすると、一致検出回路113はハイレベルを出力し、DFF115のリセット端子が0となってDFF115はリセットされ、Q端子はローレベルとなる。再び計数回路が31までカウントアップされると、DFF115のQ端子はハイレベルとなる。
【0038】
このような制御部により、図1Bに示される波形のような、第1の制御信号が生成される。以上の動作によって、出力される第1の制御信号のデューティ比を、一致検出回路113のB端子のデータ列によって決めることができる。この第1の制御信号を制御信号として、図3の制御部103は電圧取込部102を制御する。
【0039】
本制御部においては図4Aに示すような、一致検出回路113のB端子とは異なるデータ列が入力される一致検出回路114と、一致検出回路114の出力がリセット端子に入力されるDFF116を追加すれば、第1の制御信号とは異なるデューティ比を持つ第2の制御信号を生成することができる。同様に本制御部に、一致検出回路とDFFを一組追加するごとに、デューティ比を独立に設定可能な制御信号を生成することができる。一致検出回路114も、図4Bに示される具体的な回路例で構成することができる。
【0040】
なお、ここでは、図1Bに示したような波形の制御信号を生成する回路を示したが、デルタシグマ変調器等を用いて、設定されたデータ列に対応するパルス密度を有する制御信号を生成してもよい。このような制御信号を生成する制御部として、電圧取込部102を制御するようにしてもよい。
【0041】
本実施形態による電圧電流変換器においても、第1実施形態による電圧電流変換器と同様に、背景技術による電圧電流変換器と異なり、電圧取込部102にオン抵抗の大きな開閉素子を用いても、歪の発生を抑制できる、という効果が得られる。また、オン抵抗の大きさについて回路設計の制約を小さくできるので、サイズの小さなトランジスタを用いて開閉素子を構成することができる。このことから、開閉素子を駆動する制御回路、例えばクロックバッファ回路、の消費電力を低減できる、という効果が得られる。同時に、開閉素子を構成するトランジスタのゲート容量を介したクロックのリークや、大きなクロックバッファ回路による電源や接地の電位の変化を抑え、低雑音化できる、という効果が得られる。
【0042】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態として、電圧電流変換器を図面を参照しながら説明する。図5Aは本発明の第3実施形態による電圧電流変換器を示す回路図であり、図5Bはこの電圧電流変換器の電圧取込部の一例を示す回路図であり、図5Cはこの電圧電流変換器の電圧電流変換部の一例を示す回路図である。図6は、本発明の第3実施形態による電圧電流変換器の別の一例を示す回路図である。
【0043】
本実施形態における電圧電流変換器は、第1および第2実施形態による電圧電流変換器と比較して、差動構成になっている点が異なる。すなわち、本実施形態の電圧電流変換器200は、図5Aに示すように、一対の入力された電圧VINを間欠的に取り込んで出力する差動電圧取込部202と、この差動電圧取込部202が出力する一対の電圧を一対の電流IOUTに変換して出力する差動電圧電流変換部201とを有している。さらに、差動電圧取込部202にも、例えば第1実施形態と同じように図1Bの波形図に示す制御信号が供給されており、電圧電流変換器200の変換利得が差動電圧取込部202の間欠動作比率で制御されるものである。
【0044】
本実施形態の差動電圧取込部202は具体的には、図5Bに一例として示すように、制御信号が与えられて開閉が制御される開閉素子204、205と、制御信号を反転させて出力する反転素子207と、反転素子207の出力信号が与えられて開閉が制御される開閉素子206とで構成される。開閉素子204は第1又は第3の開閉素子の一例であり、開閉素子206は第2の開閉素子の一例であり、開閉素子205は第1又は第3の開閉素子の一例である。開閉素子204、205、206もまた、図2Bに示される、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタで構成されるトランスミッションゲート107と、反転素子108とで構成することができる。
【0045】
図2Bの制御信号を本実施形態の差動電圧取込部202の制御に用いた場合、オン時間TON、すなわち制御信号がハイレベルにあるときは、開閉素子204、205が閉状態になり開閉素子206が開状態になり、差動電圧取込部202は一対の入力電圧をそのまま出力する。制御信号がローレベルにあるときは、開閉素子206が閉状態になり開閉素子204、205が開状態となり、電圧取込部102の一対の出力電圧の電位差は0となる。図5Bに示される電圧取込部では、開閉素子206を差動信号線間に配置しており、制御信号がローレベルにあるときは差動信号線間が短絡される構成を示しているが、図2Aに示したシングルエンドの電圧取込部を2つ並べるようにしてもよい。
【0046】
本実施形態の差動電圧電流変換部201は、差動構成の電圧電流変換部で構成される。すなわち、差動の動作を高めるためのテール電流源を付加したことを除けば、図2Cに示したシングルエンドの電圧電流変換部と同様である。具体的には、図5Cに一例として示すように、電流源208、209、210と、ゲートに差動電圧取込部202からの一対の出力が与えられるトランジスタ211、212とで構成される。図5Cに示される電圧電流変換部は、NMOSトランジスタを用いた電流源負荷の差動増幅器であり、入力された一対の電圧の電位差に対応して、一対の電流を出力する。
【0047】
本実施形態による電圧電流変換器によれば、上述した第1および第2実施形態による電圧電流変換器による効果に加えて、次の効果がもたらされる。すなわち、差動構成にすることによって、クロックのリークなどを含め、同相の雑音に対して耐性を持った回路を構成できる。また、信号振幅を2倍にできることから、ダイナミックレンジを大きく取れるという利点もある。
【0048】
本実施形態による電圧電流変換器は、図6に示すように、差動電圧取込部202を制御する制御部203をさらに備えてもよい。第1実施形態に対する第2実施形態のように、制御部203は、差動電圧電流変換器が用いられる通信システムが要求する仕様や、半導体製造プロセスでの素子値のばらつき具合に応じて制御信号のデューティ比を決定し、制御信号を生成する。これによって、様々な通信システムに柔軟に対応でき、また、製造プロセスにおける素子ばらつきの影響を受けない差動構成の電圧電流変換器が得られる。
【0049】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態として、積分回路を図面を参照しながら説明する。図7は、本発明の第4実施形態による積分回路を示す回路図である。本実施形態の積分回路は、上述した第2実施形態による電圧電流変換器を用いたものである。
【0050】
本実施形態による積分回路300は、上述した第2実施形態の電圧電流変換器と、容量で構成される。すなわち、図7に示すように、入力された電圧VINを間欠的に取り込んで出力する電圧取込部102と、この電圧取込部102が出力する電圧を電流IOUTに変換して出力する電圧電流変換部101と、電圧取込部102を制御する制御部103と、電圧電流変換器100の出力端子に接続される容量301とを有している。
【0051】
本積分回路300の時定数は、電圧電流変換器100の変換利得Gmと、容量301の容量値Cを用いて、C/Gmであらわされる。制御部103は、通信システムが要求する仕様や、半導体製造プロセスでの素子値のばらつき具合に応じて制御信号のデューティ比を決定し、制御信号を生成する。そして、制御部103は、電圧電流変換器100の変換利得Gmを電圧取込部102の間欠動作比率で制御する。このような制御により、時定数が可変な積分回路が得られる。これによって、様々な通信システムに柔軟に対応でき、また、製造プロセスにおける素子ばらつきの影響を受けない積分回路が得られる。
【0052】
なお、容量値は固定とせず、バラクタや容量アレイを用いた可変容量としてもよい。これによって、さらに広い範囲で時定数を変更することのできる積分回路を構成できるという利点がある。
【0053】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態として、フィルタ回路を図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の第5実施形態によるフィルタ回路を示す回路図である。本実施形態のフィルタ回路は、第4実施形態の積分回路を用いたものである。
【0054】
本実施形態によるフィルタ回路400は、図8に示すように、上述した第4実施形態による積分回路300と、第2実施形態のような電圧電流変換器の入出力を短絡したもので構成されている。すなわち、図8に示すように、入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込部102と、この電圧取込部102が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換部101と、電圧取込部102を制御する制御部103と、電圧電流変換器100の出力端子に接続される容量301と、入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込部403と、この電圧取込部403が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換部402と、電圧取込部403を制御する制御部404とを有しており、電圧電流変換器401の入出力が短絡されている。言い換えると、電圧電流変換器401の出力が入力側へ帰還されている。この構成により、1次の低域通過型フィルタを構成している。
【0055】
電圧電流変換器100、401の変換利得をそれぞれGm1、Gm2、容量301の容量値をCとすると、本フィルタ回路の−3dB帯域は、Gm1/Cで決定され、通過域利得は、Gm1/Gm2で決定される。したがって、制御部103、404が、電圧電流変換器100、401を、それぞれ独立の制御信号で制御することにより、−3dB帯域や通過利得を、様々な通信システムに応じて柔軟に変更でき、また、製造プロセスにおける素子ばらつきの影響を受けないフィルタを構成できる。周波数特性が可変なフィルタ回路を提供できる。
【0056】
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態として、フィルタ回路を図面を参照しながら説明する。図9は、本発明の第6実施形態によるフィルタ回路を示す回路図である。本実施形態のフィルタ回路は、フィルタ回路の次数は2であり、上述した第5実施形態によるフィルタ回路を用いたものである。言い換えると、第5実施形態によるフィルタ回路を用い、2次のフィルタ回路を構成した場合を示している。
【0057】
本実施形態によるフィルタ回路500は、第5実施形態のフィルタ回路と比較して、第2実施形態のような電圧電流変換器と容量とをさらに追加し、また、追加した電圧電流変換部502の電圧取込部を、電圧電流変換部403と共用することによって省略した点が異なる。
【0058】
すなわち、本実施形態によるフィルタ回路500は第5実施形態のフィルタ回路と同様に、図9に示すように、入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込部102と、この電圧取込部102が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換部101と、電圧取込部102を制御する制御部103と、電圧電流変換器100の出力端子に接続される容量301と、入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込部403と、この電圧取込部403が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換部402と、電圧取込部403を制御する制御部404とを有しており、電圧電流変換器401の入出力が短絡されている。
【0059】
さらに、図9に示すように、入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込部503と、この電圧取込部503が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換部502と、電圧電流変換器501の出力端子に接続される容量508と、入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込部506と、この電圧取込部506が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換部505と、電圧取込部506を制御する制御部507とを有している。電圧電流変換器501の入出力は、電圧電流変換器504の入出力を経由して接続されている。さらに、電圧取込部403と電圧電流変換部402との間の節点と、電圧取込部503と電圧電流変換部502との間の節点とが接続されている。これにより、電圧取込部403の出力は、電圧電流変換部402と電圧電流変換部502とにそれぞれ供給される。
【0060】
本実施形態のフィルタ回路によれば、第5実施形態のフィルタ回路と同様に、制御部が電圧電流変換器をそれぞれ独立の制御信号で制御することにより、帯域や通過利得を様々な通信システムに応じて柔軟に変更でき、また、製造プロセスにおける素子ばらつきの影響を受けないフィルタを構成できる。周波数特性が可変なフィルタ回路を提供できる。
【0061】
さらに、本実施形態のフィルタ回路によれば、複数の電圧電流変換部402、502に対して、1つの電圧取込部403で電圧を取り込むことで、電圧取込部を構成する開閉素子の個数を減らし、クロックバッファの消費電力を削減できる。また、クロックのリーク等、クロック動作に起因する雑音も削減できる。また、本フィルタ回路の次数は2であり、1次のフィルタ回路と比較して急峻な遮断特性を実現できる。
【0062】
なお、さらに高次のフィルタを構成することも可能である。
【0063】
また、ここで示したのは低域通過型フィルタであるが、高域通過型フィルタや帯域通過型フィルタ、帯域除去フィルタなどを構成することもできる。
【0064】
以上、好ましい実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0065】
この出願は、2012年2月16日に出願された日本出願特願2012−031862号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0066】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)入力された電圧を間欠的に取り込んで出力する電圧取込部と、前記電圧取込部が出力する電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換部とを有し、変換利得が前記電圧取込部の間欠動作比率で制御されることを特徴とする電圧電流変換器。
(付記2)前記電圧取込部は、制御信号に応じて開閉が制御される開閉素子を有し、前記電圧取込部の間欠動作比率は、前記開閉素子の開閉率で制御されることを特徴とする、付記1に記載の電圧電流変換器。
(付記3)前記制御信号は矩形信号であり、前記開閉素子の開閉率は前記矩形信号のデューティ比で制御されることを特徴とする、付記1又は付記2に記載の電圧電流変換器。
(付記4)前記電圧取込部の前記開閉素子は、第1の開閉素子と第2の開閉素子とを有し、
前記開閉素子を制御する信号は、第1の制御信号と、前記第1の制御信号を反転した第2の制御信号とを有し、前記第1の開閉素子は前記第1の制御信号で開閉が制御され、前記第2の開閉素子は前記第2の制御信号で開閉が制御されることを特徴とする、付記1乃至付記3のいずれか一つに記載の電圧電流変換器。
(付記5)前記入力された電圧は、差動形式の一対の入力された電圧であることを特徴とする、付記1乃至付記4のいずれか一つに記載の電圧電流変換器。
(付記6)前記電圧取込部の開閉素子は、前記第1の制御信号で開閉が制御される第3の開閉素子をさらに有することを特徴とする、付記5に記載の電圧電流変換器。
(付記7)前記付記1乃至付記6のいずれか一つに記載の電圧電流変換器と、電圧電流変換器の出力端子に接続される容量とを有することを特徴とする積分回路。
(付記8)付記7に記載の積分回路を1つ以上有することを特徴とするフィルタ回路。
(付記9)付記1乃至付記6の何れか一つに記載の前記電圧電流変換器を複数有し、各々の電圧取込部の間欠動作比率は独立に制御されることを特徴とする、付記8に記載のフィルタ回路。
(付記10)複数の電圧電流変換部に対して、1つの電圧取込部で電圧を取り込むことを特徴とする、付記8または付記9に記載のフィルタ回路。
(付記11)前記積分回路の出力端子に接続され、入力された電圧を間欠的に取り込み、前記取り込まれた電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換器であって、電圧を取り込んでいる状態と電圧を取り込んでいない状態とで決まる、前記入力された電圧を間欠的に取り込む間欠動作比率によって、変換利得が制御され、出力が入力に帰還されている電圧電流変換器をさらに備えていることを特徴とする付記8に記載のフィルタ回路。
(付記12)入力された電圧を間欠的に取り込み、前記取り込まれた電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換方法であって、電圧を取り込んでいる状態と電圧を取り込んでいない状態とで決まる、前記入力された電圧を間欠的に取り込む間欠動作比率によって、変換利得が制御されることを特徴とする電圧電流変換方法。
【符号の説明】
【0067】
100、200、401、501、504 電圧電流変換器
101、402、502、505 電圧電流変換部
102、403、503、506 電圧取込部
103、203、404、507 制御部
104、105、204、205、206 開閉素子
106、108、207 反転素子
107 トランスミッションゲート
110、211、212 トランジスタ
109、208、209、210 電流源
111 計数回路
112、113、114 一致検出回路
115、116 遅延型フリップフロップ(DFF)
201 差動電圧電流変換部
202 差動電圧取込部
300 積分回路
301、508 容量
400、500 フィルタ回路
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B