【文献】
Anna TARASOVA et al.,Modelling Atypical Small-Molecule Mimics of an Important Stem Cell Cytokine, Thrombopoietin,ChemMedChem,2009年,Vol.4,p.2002-2011
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1-{5-[(4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、又はその塩。
1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、又はその塩。
1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、又はその塩。
1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、又はその塩。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
ポジティブアロステリックモジュレーターとは、リガンド結合部位とは別のアロステリック部位へ結合し、主に受容体の構造変化を起こすことにより、アゴニストと受容体の結合力を増加させ、アゴニストのシグナルレベルを変化させる作用を有する化合物である。生体内でポジティブアロステリックモジュレーターはそれ自身ではアゴニスト作用を示さず、内因性アゴニストの作用を増強する。アゴニストと比較したポジティブアロステリックモジュレーターの利点として、(1)内因性アゴニスト刺激依存的な作用増強を示すことから、副作用が回避できること、(2)リガンド結合部位以外へ結合することから、高いサブタイプ選択性が得られる可能性があること、(3)アゴニストで見られる脱感作を生じにくいこと、等が挙げられる(Pharmacological Reviews, 63:pp. 59-126(2011))。
【0016】
本明細書において、ムスカリンM
3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターとは、アゴニスト刺激依存的または神経刺激依存的にムスカリンM
3受容体による作用を増強する化合物を意味する。よって、排尿時のみに膀胱収縮増強作用が期待され、排尿障害に伴う各種症状の改善剤として有用であると考えられる。また、このような排尿時特異的な作用により、ベタネコール塩化物やジスチグミン臭化物に知られるコリン作動性由来の副作用を回避できることが期待される。また、ムスカリンM
3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターは排尿時の膀胱収縮力を高めるため,尿道抵抗の増加が原因の排尿障害にも効果が期待できる。これら排尿障害の改善による残尿の減少は、有効膀胱容量を増大させることにつながり、蓄尿機能の改善ならびに腎障害の回避が期待できる。このように、ムスカリンM
3受容体ポジティブアロステリックモジュレーターはムスカリンM
3受容体による膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患の予防及び/又は治療剤として有用であることが期待される。本発明者らは当該モジュレーターとして作用する化合物を新たに見出して本発明を完成したものである。
【0017】
本明細書において、
「ムスカリンM
3受容体による膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患」としては、例えば、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動、神経因性膀胱、尿道弛緩不全、排尿筋-外尿道括約筋協調不全、過活動膀胱、頻尿、夜間頻尿、尿失禁、前立腺肥大症、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎及び尿路結石等における排尿障害や蓄尿障害であり、好ましくは、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動及び神経因性膀胱における排尿障害や蓄尿障害である。
「アルキル」とは、直鎖状のアルキル及び分枝状のアルキルを含む。従って、「C
1-6アルキル」とは、直鎖状又は分枝状の炭素数が1〜6のアルキルであり、具体的には、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルである。ある態様としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルである。
「シクロアルキル」とは、飽和炭化水素環基である。従って、「C
3-8シクロアルキル」は環員数が3〜8の飽和炭化水素環基であり、具体的には、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルである。ある態様としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、別の態様としては、シクロプロピルである。
「アリール」とは、C
6-14の単環乃至三環式芳香族炭化水素環基である。具体的には、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル又はインデニルである。ある態様としてはフェニルである。
【0018】
「単環式芳香族ヘテロ環」とは、環構成原子として、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、環員数が5〜7の単環式芳香族ヘテロ環基である。具体的には、例えばピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルである。ある態様としては、チエニル又はチアゾリルであり、別の態様としては、チエニルである。
「二環式芳香族ヘテロ環」とは、上記単環式芳香族ヘテロ環が、ベンゼン環若しくは単環式芳香族ヘテロ環と縮合した二環式芳香族ヘテロ環基であり、その部分的に水素化された環基を包含する。具体的には、例えばインドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フロピリジル、チエノピリジル、インドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロフロピリジル又はジヒドロチエノピリジルである。ある態様としては、ジヒドロベンゾフラニルである。
【0019】
「飽和ヘテロ環」とは、環構成原子として窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、低級アルキレンで架橋されていてもよく、また、環構成原子としての硫黄原子は酸化されていてもよい3〜8員の飽和環基である。
「環状アミノ」とは、前記飽和ヘテロ環のうち、当該環を構成する窒素原子に結合手を有する基であり、具体的には、例えばピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル、アゼパン-1-イル、アゾカン-1-イル、モルホリン-4-イル、チオモルホリン-4-イル、ピペラジン-1-イル、1,4-ジアゼパン-1-イル、1,4-オキサゼパン-4-イル又は1,4-チアゼパン-4-イルである。ある態様としては、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル又はモルホリン-4-イルである。別の態様としては、ピロリジン-1-イル又はピペリジン-1-イルである。
【0020】
R
1における環状アミノは、当該環状アミノとともにスピロ環を形成することもできる。この場合の環状アミノとしては、具体的には、例えば2-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、2-チア-6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル、6-オキサ-9-アザスピロ[4.5]デカン-9-イル又は3-オキサ-9-アザスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル等である。
【0021】
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。ある態様としては、フルオロ、クロロ又はブロモであり、別の態様としては、フルオロ又はクロロである。
【0022】
本明細書において、「置換されていてもよい」とは、無置換、若しくは置換基を1〜5個有していることを意味する。なお、複数個の置換基を有する場合、それらの置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
【0023】
「置換されていてもよい環状アミノ」、「置換されていてもよいC
1-6アルキル」、「置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環」及び「置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環」において許容される置換基としては、例えば下記G群の置換基である。別の態様としては、下記G群のうち、(a)〜(g)及び(m)〜(o)に記載される置換基である。
G群
(a)-OH、-O-(C
1-6アルキル)、-CN、-SO
2-C
1-6アルキル及びハロゲンからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよいC
1-6アルキル、
(b)-OH、
(c)-O-(-OH、-O-(C
1-6アルキル)、-CN、-SO
2-C
1-6アルキル及びハロゲンからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよいC
1-6アルキル)、
(d)C
3-8シクロアルキル、
(e)-O-(C
3-8シクロアルキル)、
(f)ハロゲン、
(g)-CN、
(h)-SO
2-C
1-6アルキル、
(i)-CO
2-C
1-6アルキル及び-COOH、
(j)-CO-N(C
1-6アルキル)
2、-CO-NH(C
1-6アルキル)及び-CONH
2、
(k)-CO-C
1-6アルキル、
(l)-SO
2-N(C
1-6アルキル)
2、-SO
2-NH(C
1-6アルキル)及び-SO
2NH
2、
(m)-N(C
1-6アルキル)
2、-NH(C
1-6アルキル)及び-NH
2、
(n)飽和ヘテロ環、及び
(o)-O-飽和ヘテロ環。
「置換されていてもよい環状アミノ」における置換基としては、更にオキソ(=O)が挙げられる。
【0024】
R
1における「置換されていてもよい環状アミノ」において許容される置換基のある態様としては、前記G群のうち、(a)〜(d)、(f)及び(g)に示される置換基である。
別の態様としては、下記G1群に示される置換基である。
G1群
-OH、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル;-O-(C
1-6アルキル);C
3-8シクロアルキル;ハロゲン;及び-CN。
更に別の態様としては、-OH、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群より選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルである。
また更に別の態様としては、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群より選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルである。
また更に別の態様としては、1〜3個の同一又は異なった-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキルである。
また更に別の態様としては、C
1-6アルキルである。
また更に別の態様としては、メチル又はエチルである。
【0025】
R
12における「置換されていてもよいC
1-6アルキル」において許容される置換基のある態様としては、前記G群のうち、(b)〜(o)に示される置換基である。
別の態様としては、C
3-8シクロアルキル、-O-(C
1-6アルキル)、-O-(C
3-8シクロアルキル)、ハロゲン、-CN又は環状アミノである。
別の態様としては、-O-(C
1-6アルキル)である。
【0026】
R
12における「置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル」において許容される置換基のある態様としては、前記G群の(a)〜(c)、(f)及び(g)に示される置換基である。
別の態様としては、-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキルである。
【0027】
R
2における「置換されていてもよいアリール」において許容される置換基のある態様としては、前記G群のうち、(a)〜(c)、(f)、(g)及び(m)〜(o)に示される置換基である。
別の態様としては、下記G2群に示される置換基である。
G2群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル、-O-(ハロゲン及び-O-(C
1-6アルキル)からなる群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル)、-O-飽和ヘテロ環、ハロゲン、-N(C
1-6アルキル)
2、-NH(C
1-6アルキル)、-NH
2及び環状アミノ。
更に別の態様としては、下記G21群に示される置換基である。
G21群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル、-O-(ハロゲン及び-O-(C
1-6アルキル)からなる群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル)、-O-飽和ヘテロ環、ハロゲン、-N(C
1-6アルキル)
2及び環状アミノ。
また更に別の態様としては、下記G22群に示される置換基である。
G22群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル、-O-(ハロゲン及び-O-(C
1-6アルキル)からなる群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキル)、ハロゲン及び-N(C
1-6アルキル)
2。
また更に別の態様としては、下記G23群に示される置換基である。
G23群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル、-O-(1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル)、ハロゲン及び-N(C
1-6アルキル)
2。
また更に別の態様としては、下記G24群に示される置換基である。
G24群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲン。
またさらに別の態様としては、下記G25群に示される置換基である。
G25群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル及び-O-(C
1-6アルキル)。
また更に別の態様としては、トリフルオロメチル及びメトキシである。
【0028】
R
2における「置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環」及び「置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環」において許容される置換基のある態様としては、前記G群の(a)〜(c)、(f)、(g)及び(m)〜(o)に示される置換基である。
別の態様としては、下記G3群に示される置換基である。
G3群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル、-O-(1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル)、ハロゲン、-N(C
1-6アルキル)
2、-NH(C
1-6アルキル)、-NH
2及び環状アミノ。
さらに別の態様としては、下記G31群に示される置換基である。
G31群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル、-O-(1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル)及びハロゲン。
更に別の態様としては、下記G32群に示される置換基である。
G32群
1〜5個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいC
1-6アルキル及びハロゲン。
また更に別の態様としては、ハロゲンである。
また更に別の態様としては、クロロである。
【0029】
式(I)の化合物又はその塩のある態様を以下に示す。
(1)R
1がG群及びオキソから選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい環状アミノであるか、又は、R
1が-N(-R
11)(-R
12)である化合物又はその塩。
別の態様として、R
1が、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル及びモルホリン-4-イルからなる群から選択される環状アミノであるか、-N(-R
11)(-R
12)であって、当該環状アミノは、G1群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、
R
11が、C
1-6アルキルであり、
R
12が、-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキル、又は、-O-(C
1-6アルキル)で置換されたC
1-6アルキルで置換されていてもよいC
3-8シクロアルキルである化合物又はその塩。
更に別の態様として、R
1が、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル及びモルホリン-4-イルからなる群から選択される環状アミノであるか、-N(-R
11)(-R
12)であって、当該環状アミノは、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換されていてもよく、
R
11がC
1-6アルキルであり、
R
12が-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキルである化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであるか、-N(-R
11)(-R
12)であって、当該環状アミノは、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換されていてもよく、
R
11がC
1-6アルキルであり、
R
12が-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキルである化合物又はその塩。
【0030】
(1−1)R
1が、G群及びオキソから選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい環状アミノである、化合物又はその塩。
別の態様として、R
1が、G1群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい環状アミノである化合物又はその塩。
別の態様として、R
1がピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル、及びモルホリン-4-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノはG群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい、化合物又はその塩。
更に別の態様として、R
1が、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル、及びモルホリン-4-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、G1群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい、化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
1が、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル及びモルホリン-4-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換されていてもよい、化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換された化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、1〜3個の同一又は異なった-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換された化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、C
1-6アルキルで置換された化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、メチル及びエチルからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換された化合物又はその塩。
【0031】
(1−2)R
1が-N(-R
11)(-R
12)であり、R
11がメチル、エチル、n-プロピル、又はイソブチルである化合物又はその塩。
(1−3)R
1が-N(-R
11)(-R
12)であり、R
12が-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキル、又は、-O-(C
1-6アルキル)で置換されたC
1-6アルキルで置換されていてもよいC
3-8シクロアルキルである化合物又はその塩。
別の態様として、R
1が-N(-R
11)(-R
12)であり、R
12が-O-(C
1-6アルキル)で置換されたC
1-6アルキルである化合物又はその塩。
更に別の態様として、R
1が-N(-R
11)(-R
12)であり、R
12が2-メトキシエチルである化合物又はその塩。
【0032】
(1−4)前記(1−2)および(1−3)に記載される任意の組み合わせである化合物又はその塩。
【0033】
(2)R
2が、G群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいアリール、G群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい単環式芳香族ヘテロ環、又は、G群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい二環式芳香族ヘテロ環である化合物又はその塩。
別の態様として、R
2がG群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニル、G群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニル、G群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチアゾリル、又は、G群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラニルである化合物又はその塩。
更に別の態様として、R
2がG2群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニル、G3群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニル、G3群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチアゾリル又はG3群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい2,3-ジヒドロベンゾフラニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG21群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、G32群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG22群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、1〜3個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよい化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG24群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、1〜3個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよい化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG25群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、1〜3個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよい化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはトリフルオロメチル及びメトキシからなる群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、1個のクロロで置換されていてもよい化合物又はその塩。
【0034】
(2−1)R
2がG群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
別の態様としては、R
2がG2群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
更に別の態様としては、R
2がG21群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
2がG22群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
2がG23群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
2がG24群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
2がG25群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
2がトリフルオロメチル及びメトキシからなる群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物又はその塩。
(2−2)R
2がG群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニルである化合物又はその塩。
別の態様としては、R
2がG3群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニルである化合物又はその塩。
更に別の態様としては、R
2がG31群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様としては、R
2がG32群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
2が、1〜3個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよいチエニルである化合物又はその塩。
また更に別の態様として、R
2が1個のクロロで置換されていてもよいチエニルである化合物又はその塩。
【0035】
(3)R
3が、-H、-OH、メトキシ又はフルオロである化合物又はその塩。
別の態様として、R
3が、-H、-OH又はフルオロである化合物又はその塩。
更に別の態様として、R
3が、-Hである化合物又はその塩。
【0036】
(4)前記(1)、(1−1)又は(1−4)に記載されたいずれかの態様、(2)、(2−1)又は(2−2)に記載されたいずれかの態様、及び、(3)に記載されたいずれかの態様の組み合わせである化合物又はその塩。
【0037】
(4−1)R
1が、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、アゼチジン-1-イル、及びモルホリン-4-イルからなる群から選択される環状アミノであるか、-N(-R
11)(-R
12)であって、当該環状アミノはG1群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、
R
11がC
1-6アルキルであり、
R
12が-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキル、又は、-O-(C
1-6アルキル)で置換されたC
1-6アルキルで置換されていてもよいC
3-8シクロアルキルであり、
R
2がG2群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニル、G3群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニル、G3群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチアゾリル又はG3群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい2,3-ジヒドロベンゾフラニルであり、
R
3が-H、-OH、メトキシ又はフルオロである化合物又はその塩。
【0038】
(4−2)R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG21群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、G32群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい、上記(4−1)記載の化合物又はその塩。
【0039】
(4−3)R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであるか、-N(-R
11)(-R
12)であって、当該環状アミノは、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換されていてもよく、
R
12が-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキルであり、
R
2が、フェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG22群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、1〜3個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよく、
R
3が-H、-OH又はフルオロである、上記(4−2)記載の化合物又はその塩。
【0040】
(4−4)R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、1〜3個の同一又は異なった-O-(C
1-6アルキル)で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換されており、
R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG24群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、1〜3個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよく、
R
3が-Hである、上記(4−3)記載の化合物又はその塩。
【0041】
(4−5)R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、C
1-6アルキルで置換されており、
R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルはG25群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは、1〜3個の同一又は異なったハロゲンで置換されていてもよい、上記(4−4)記載の化合物又はその塩。
【0042】
(4−6)R
1が、ピロリジン-1-イル及びピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであって、当該環状アミノは、メチル及びエチルからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されており、
R
2がフェニル又はチエニルであり、当該フェニルは、トリフルオロメチル及びメトキシからなる群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよく、当該チエニルは1個のクロロで置換されていてもよい、上記(4−5)記載の化合物又はその塩。
【0043】
(4−7)R
2が、トリフルオロメチル及びメトキシからなる群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルである、上記(4−6)記載の化合物又はその塩。
【0044】
(4−8)R
2が、1個のクロロで置換されていてもよいチエニルである、上記(4−6)記載の化合物又はその塩。
【0045】
(4−9)R
1がG群及びオキソから選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい環状アミノであり、
R
2がG群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニル、G群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチエニル、G群から選択される1〜2個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいチアゾリル、又は、G群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよい2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラニルであり、
R
3が-H、-OH、メトキシ又はフルオロである化合物又はその塩。
【0046】
(4−10)R
2がG群から選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよいフェニルである、上記(4−9)記載の化合物又はその塩。
【0047】
(4−11)R
2がG群から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいチエニルである、上記(4−9)記載の化合物又はその塩。
【0048】
(4−12)R
1が、ピロリジン-1-イル又はピペリジン-1-イルからなる群から選択される環状アミノであり、当該環状アミノは、-O-(C
1-6アルキル)及びハロゲンからなる群から選択される1〜3個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいC
1-6アルキルで置換されており、
R
2が、G23群から選択される1〜5個の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
R
3が-Hである、上記(4−10)記載の化合物又はその塩。
【0049】
本発明に包含される具体的化合物の例として、以下の化合物又はその塩が挙げられる。
1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(4-[4-イソプロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-プロピルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[4-(3-クロロ-5-フルオロ-4-メトキシフェニル)-5-{[(2S)-2-(エトキシメチル)ピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(5-{[(2S)-2-(エトキシメチル)ピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-4-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[4-(3,5-ジクロロ-4-メトキシフェニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-プロピルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-[5-({5-[(2-イソプロピルピロリジン-1-イル)メチル]-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、及び
1-{5-[(4-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸。
【0050】
本発明に包含される具体的化合物の例のうち、別の態様としては以下の化合物又はその塩が挙げられる。
1-{5-[(4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸、及び
1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸。
【0051】
式(I)の化合物には、置換基の種類によって、互変異性体や幾何異性体が存在しうる。本明細書中、式(I)の化合物が異性体の一形態のみで記載されることがあるが、本発明は、それ以外の異性体も包含し、異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
また、式(I)の化合物には、不斉炭素原子や軸不斉を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明は、式(I)の化合物の光学異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
【0052】
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグも包含する。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等に変換されうる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog. Med., 5, 2157-2161(1985)や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に示される基が挙げられる。
【0053】
また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩であり、置換基の種類によって、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合がある。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リシン、オルニチン等の有機塩基との塩、アセチルロイシン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
【0054】
さらに、本発明は、式(I)の化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多形の物質も包含する。また、本発明は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物も包含する。
【0055】
(製造法)
式(I)の化合物及びその塩は、その基本構造あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料から中間体へ至る段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような保護基としては、例えば、ウッツ(P. G. M. Wuts)及びグリーン(T. W. Greene)著、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に示される保護基等を挙げることができ、これらの反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行なったあと、必要に応じて保護基を除去することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、式(I)の化合物のプロドラッグは、上記保護基と同様、原料から中間体へ至る段階で特定の基を導入、あるいは得られた式(I)の化合物を用いてさらに反応を行なうことで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者に公知の方法を適用することにより行うことができる。
以下、式(I)の化合物の代表的な製造法を説明する。各製法は、当該説明に付した参考文献を参照して行うこともできる。なお、本発明の製造法は以下に示した例には限定されない。
【0056】
【化4】
(式中、Rは低級アルキル又はベンジルを示す。以下同様。)
本反応は式(a)の化合物を脱保護して、本発明化合物である式(I)の化合物を製造する方法である。
本反応は、式(a)の化合物と脱保護試薬を当量若しくは一方を過剰量用い、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、通常0.1時間から5日間撹拌することによって行われる。又は、Rがベンジルの場合は、本反応は式(a)の化合物を水素雰囲気下、金属触媒を用いる水素添加反応に付すことで行うこともできる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、メタノール、エタノール、n-プロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド(DMF)やテトラヒドロフラン等が挙げられる。また、上記溶媒と水との混合溶媒にすることで反応に好適な場合がある。脱保護試薬の例としては、特に限定はされないが、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の塩基、塩酸、トリフルオロ酢酸等の酸が挙げられる。また、水素添加条件の際に用いることができる金属触媒としては、パラジウム担持炭素、水酸化パラジウム等が挙げられる。
【0058】
(第一工程)
本工程は式(b)の化合物と式(c)の化合物とをアミド化反応に付すことにより、式(d)の化合物を得る工程である。
この反応では、式(b)の化合物と式(c)の化合物とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、縮合剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは-20℃〜150℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン若しくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、アセトニトリル又は水、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤の例としては、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸アジド、オキシ塩化リン、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。添加剤(例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)を用いることが反応に好ましい場合がある。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また、反応混合物をマイクロ波照射により加熱することが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
また、カルボン酸(c)を反応性誘導体へ変換した後にアミン(b)と反応させる方法も用いることができる。カルボン酸の反応性誘導体の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸ハロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反応して得られる混合酸無水物、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等と縮合して得られる活性エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体と化合物(b)との反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下、好ましくは、-20℃〜60℃で行うことができる。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」16巻(2005年)(丸善)
【0059】
(第二工程)
本工程は、マンニッヒ(Mannich)反応を用いて、式(d)の化合物のチアゾール5位にアミノメチル基を導入し、式(a)の化合物を製造する工程である。Albertson, N.F. : Journal of American Chemistry 1948, 70, 669.やBhargava, P. N.; Sharma, S. C. ; Bulletin of the Chemical Society of Japan 1965, 38, 909.に示される方法、あるいはそれに準じた方法を採用することができる。
【0061】
(第一工程)
本工程は、式(d)の化合物のチアゾール5位にアセトキシメチル基を導入して、式(e)の化合物を製造する工程である。式(d)の化合物に対し、酢酸溶媒下、ホルムアルデヒド水溶液若しくはパラホルムアルデヒドを作用させ、室温乃至加熱下、若しくは室温乃至還流下に行うことができる。なお、酢酸溶媒に代えて、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、酢酸を加えて反応させることもできる。また、さらに無水酢酸を加えて反応を行うこともできる。
【0062】
(第二工程)
本工程は、塩基性条件下、式(e)の化合物に対して、式(f)の化合物による求核置換反応により、式(a)の化合物を製造する工程である。求核置換反応は、式(e)の化合物に対し、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、アセトニトリル、DMF、DMSO等の反応に不活性な有機溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、及び/又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下、式(f)の化合物を作用させることにより行うことができる。なお、反応を加速させるためにジメチルアミノピリジン等の触媒を加えてもよい。また、有機塩基/又は無機塩基に代えて、式(f)の化合物を過剰に用いてもよい。反応は、冷却乃至室温下、室温下乃至加熱下、室温下乃至還流下に行うことができる。
【0063】
(原料合成2)
【化7】
(式中、Pは保護基を示し、例えばアセチル基である。)
(第一工程)
本工程は、式(g)の化合物をマンニッヒ反応の後、脱保護反応により式(h)の化合物を製造する工程である。マンニッヒ反応は原料合成1-1の第二工程と同様である。続くアミノ基の保護基であるPの脱保護は、先述のグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、John Wiley & Sons Inc、2006年を参照して実施することができる。
【0064】
(第二工程)
本工程は、式(h)の化合物と式(i)の化合物とのアミド化反応により式(a)の化合物を製造する工程である。反応条件は原料合成1−1の第一工程と同様である。
【0065】
(原料合成3)
【化8】
(式中、Lは脱離基を示し、例えばクロロである。)
【0066】
(第一工程)
本工程は式(h)の化合物と式(j)の化合物とのアミド化反応により式(k)の化合物を製造する方法である。反応条件は原料合成1−1の第一工程と同様である。
【0067】
(第二工程)
本工程は式(k)の化合物と式(m)の化合物との反応により、式(a)の化合物を製造する工程である。
この反応では、化合物(k)と化合物(m)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、アセトニトリル、N-メチルピロリドン及びこれらの混合物が挙げられる。トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン若しくはN-メチルモルホリン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機塩基の存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
【0068】
式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、水和物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質として単離され、精製される。式(I)の化合物の塩は、常法の造塩反応に付すことにより製造することもできる。
単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行なわれる。
各種の異性体は、適当な原料化合物を選択することにより製造でき、あるいは異性体間の物理化学的性質の差を利用して分離することができる。例えば、光学異性体は、ラセミ体の一般的な光学分割法(例えば、光学活性な塩基又は酸とのジアステレオマー塩に導く分別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロマトグラフィー等)により得られ、また、適当な光学活性な原料化合物から製造することもできる。
【0069】
式(I)の化合物の薬理活性は、以下の試験により確認した。
試験例1:ムスカリンM
3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性の評価
a)ヒトムスカリンM
3受容体発現ベクターの構築
ヒトムスカリンM
3受容体遺伝子(GenBank登録番号:NM_000740.2)を、発現ベクターpcDNA3.1
TM(Life Technologies)に導入した。
b)ヒトムスカリンM
3受容体安定発現細胞の構築
ヒトムスカリンM
3受容体発現ベクターを、CHO-K1細胞(ATCC番号:CCL-61)に導入した。導入には、遺伝子導入試薬Lipofectoamine(登録商標)2000試薬(Life Technologies)を用いて、添付説明書に準じて行った。2 mMグルタミン酸、10%ウシ胎児血清、2.0 mg/mL Geneticin(登録商標)(Life Technologies)を含むalpha Modified Eagle Minimum Essential Medium(α-MEM)にて4週間細胞を培養し、薬剤耐性クローンを取得した。
c)細胞内Ca
2+濃度の測定
上記b)で得られた細胞を、実験前日に2 mMグルタミン酸、10%ウシ胎児血清、0.2 mg/mL Geneticin(登録商標)を含むα-MEMに縣濁し、1.2〜1.5×10
4細胞/ウェルとなるように384ウェルプレート(型番355962、BD Biosciences)に分注し、37℃、5% CO
2にて一晩培養した。培地をローディングバッファー(3.1 μM Fluo 4-AM(同仁化学研究所)を含むアッセイバッファー(ハンクスバランス塩溶液(HBSS)、1 g/L BSA、20 mM HEPES(pH7.5)、2.5 mMプロベネシド))に置き換え、室温にて約2時間静置した。その後、アッセイバッファーをセットしたプレートウォッシャーELx405
TM(BIO-TEK Instrument)にて細胞を洗浄し、細胞内Ca
2+濃度測定システム(FLIPR
tetra(登録商標)、Molecular Device)にセットした。あらかじめアッセイバッファーでそれぞれ溶解させた被験物質(最終濃度1又は10 μM)及びカルバコール(Sigma、最終濃度0.0024 nM-100 μM)をFLIPR
tetra(登録商標)にセットした。装置内で被験物質を細胞に添加し、その約5分後にカルバコールを細胞に添加し、カルバコールによる細胞内Ca
2+濃度上昇を測定した(励起波長470-495 nm、蛍光波長515-575 nm)。
ムスカリンM
3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性は、被験物質によるカルバコール濃度反応曲線の低濃度側へのシフトを指標とした。すなわち、カルバコールの濃度反応曲線よりカルバコール反応の最小値を0%、カルバコール反応の最大値を100%とし、Logistic回帰法で50%反応を示すカルバコールの濃度をEC
50値として算出し、被験物質非存在下のカルバコールのEC
50値を被験物質存在下のEC
50値で除することで求めた。例えば、被験物質非存在下のカルバコールのEC
50値が0.1 μMで、被験物質存在下のカルバコールのEC
50値が0.01 μMである時に値は10となり、この被験物質はカルバコール濃度反応曲線を低濃度側へ10倍シフトしたことを示す。後記表中、10 μM(倍シフト)の欄には被験物質を最終濃度10 μM添加した場合の値を、1 μM(倍シフト)の欄には被験物質を最終濃度1 μM添加した場合の値を示す。
【0070】
試験例2:ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用の評価
ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用は以下の方法で測定した。
ポジティブコントロールとして、前記式A1に示す特許文献1に実施例315として開示される1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-フルオロピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸 塩酸塩を用いた。なお、当該化合物は特許文献1の表1に開示されるように良好なヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用を有することが知られている。
a)ヒトc-Mpl受容体発現ベクターの構築
ヒトc-mpl受容体遺伝子(GenBank登録番号:M90102.1)を、発現ベクターpEF-BOS(Nucleic Acids Res. 18, 5322, 1990)に導入した。
b)ヒトc-Mpl受容体安定発現細胞の構築
ヒトc-Mpl受容体の発現ベクターを、Ba/F3細胞(理研BRC:RCB0805)に導入した。導入には、エレクトロポレーション法を用いた。pEF-BOS-c-mpl(10 μg)、pSV2bsr(1 μg、科研製薬)及びBa/F3細胞1×10
7個をギャップ幅0.4 cmのキュベットに入れ、Gene Pulser(登録商標)(BioRad)にて1.5 kV(25 μF)の条件でエレクトロポレートした。細胞を0.5% WEHI condition media(BD Biosciences)、10%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地で3日間培養し、その後10 μg/mL ブラストサイジンを更に添加したRPMI-1640培地にて30日間細胞を培養し、薬剤耐性クローンを取得した。
c)細胞増殖作用の測定
上記b)で得られた細胞を、0.5% WEHI condition media、10%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地で培養して使用した。実験前日に、アッセイ用培地(10%ウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地)にて溶解させた被験物質(最終濃度100 nM-10 μM)を、384ウェルプレート(型番781185、Greiner bio-one)に添加した。培地をアッセイ用培地に置換した細胞を、あらかじめ被験物質を添加した384ウェルプレートに、1×10
4細胞/ウェルで分注し、37℃、5% CO
2にて一晩培養した。実験日に384ウェルプレートの各ウェルにCell counting kit(同仁化学研究所)の溶液を添加し、37℃、5% CO
2にて約5時間培養した。その後、各ウェルの吸光度(吸光波長450 nm)をSafire
2TM(TECAN)を用いて測定し、細胞数の指標とした。また、ネガティブコントロールとして、被験物質非添加のウェルを準備した。
被験物質を添加しないウェルの吸光度を0%、ポジティブコントロールを最終濃度1 μM 添加した場合の吸光度を100%として、被験物質を添加した場合の吸光度から細胞増殖率(%)を算出した。得られた結果よりLogistic回帰法で30%増殖を示す被験物質濃度をEC
30値として算出した。
【0071】
いくつかの本発明の実施例化合物のムスカリンM
3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性(倍シフト)、及び、ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用(EC
30値、nM)を合わせて表1に示す。ただし、Exは後記実施例番号を示す(以下同様)。
【0073】
また、試験例1において、本試験を行った多くの実施例化合物は、10 μM添加時でカルバコール濃度反応曲線をほぼ100倍又はそれ以上低濃度側にシフトさせ、1 μM添加時でカルバコール濃度反応曲線をほぼ10倍又はそれ以上低濃度側にシフトさせた。また、いくつかの実施例化合物について化合物単独では細胞内Ca
2+濃度を変化させないことを確認していることから、これらの化合物はムスカリンM
3受容体アゴニスト活性を有さないことを確認した。
【0074】
また、試験例2において、本試験を行った実施例化合物の多くは、ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用を有さない又は弱いことを確認した。本発明化合物のある態様としては、ヒトc-Mpl導入Ba/F3細胞増殖作用のEC
30値が0.3μM以上であり、好ましくは1 μM以上であり、更に好ましくは10 μM以上である化合物である。
【0075】
試験例3:摘出ラット膀胱経壁電気刺激誘発収縮における作用
In vitroにおける神経刺激依存的な膀胱収縮の作用として、摘出ラット膀胱の経壁電気刺激誘発収縮における本発明の実施例化合物の作用を以下の方法で測定した。すなわち、Spraque-Dawley(SD)系雌性ラット(日本エスエルシー)から摘出した膀胱より、幅約2 mm、長さ約10 mmの縦走方向の膀胱標本を作製した。作製した膀胱標本をKrebs-Henseleite液10 mLを満たしたオルガンバスに懸垂した。Krebs-Henseleite液は95% O
2、5% CO
2で通気し、37℃に保温した。初期張力1 gで安定化後60 mM KClで2回収縮を惹起させた。Krebs-Henseleite液で標本を洗浄し安定化後、電気刺激装置(日本光電)で20 V(刺激頻度8 Hz、パルス幅0.3 m秒、刺激時間10秒間)で経壁電気刺激し収縮を惹起させた。2分間隔で経壁電気刺激を繰り返し、収縮高が20 Vによる収縮反応の約50% になるように電圧を調整した。経壁電気刺激による収縮が安定した後にあらかじめ100% ジメチルスルホキシドに溶解した被験物質10 μL(最終濃度3, 10, 30 μM)を添加した。被験物質は低濃度の収縮反応が安定した後に、次の濃度を累積投与した。反応はPowerLab(登録商標)(AD Instruments社)を介してパーソナルコンピューターに取り込み、LabChart(登録商標)(AD Instruments社)にて解析した。それぞれの収縮反応の反応下面積(area under curve、AUC)を算出し、被験物質処置前の値を100%として被験物質処置後の摘出膀胱収縮増強率(% of pre)を算出した。
【0076】
式(I)の化合物である、いくつかの実施例化合物10 μMによる摘出膀胱収縮増強率を表2に示す。
また、本試験を行った実施例化合物はいずれも電気刺激がない状態では収縮を惹起せず、化合物単独では膀胱収縮作用を示さないことを確認した。
【0078】
以上より、本試験を行った実施例化合物は、摘出ラット膀胱において、化合物単独では収縮作用を示さないが、経壁電気刺激誘発収縮を増強する作用を有することを確認した。
【0079】
試験例4:麻酔ラット骨盤神経電気刺激誘発膀胱内圧上昇における作用
In vivoにおける神経刺激依存的な膀胱収縮の作用として、ラットを用いた骨盤神経電気刺激誘発膀胱内圧上昇における本発明の実施例化合物の作用を以下の方法で測定した。すなわち、SD系雌性ラット(日本エスエルシー)を用いて、ペントバルビタール麻酔(50 mg/kg ip)下で、下腹部を正中線にて切開した。両側の尿管を結紮切断した後、膀胱内圧測定用カニューレ(PE-50)を外尿道口より膀胱内に挿入しクリップにより固定した。膀胱内に挿入したカニューレを介して約200 μLの生理食塩水を注入した後、他方を圧トランスデューサーに接続し膀胱内圧を測定した。実体顕微鏡観察下に膀胱近傍の骨盤神経を剥離し神経刺激用電極(ユニークメディカル)を留置した。腹腔内にはミネラルオイル(MP BIOMEDICALS)を満たした。術後安定期間をおいた後、電気刺激装置(日本光電)を用いて骨盤神経を電気刺激(刺激頻度8 Hz、パルス幅0.3 m秒、刺激時間10秒間)し膀胱内圧上昇を惹起させた。電圧を調整しながら2分間隔で電気刺激を繰り返し、膀胱内圧の上昇幅が10 V刺激時の約50〜70% になるように電圧を調整した。その後、10分間隔の電気刺激を繰り返し、電気刺激による膀胱内圧上昇が3回以上安定した後、被験物質(投与量3 mg/kg)を静脈に留置したカテーテルより1 mL/kgの容量で投与し、被験物質の膀胱内圧上昇に対する作用を1時間測定した。被験物質は、10% ジメチルスルホキシド、10% クレモフォールを含む水に溶解した。
反応はPowerLab(登録商標)を介してパーソナルコンピューターに取り込み、LabChart(登録商標)にて解析した。それぞれの膀胱内圧上昇のAUCを算出し、被験物質処置前3回の平均値を100%として被験物質処置後の膀胱内圧上昇率(% of pre)を算出し、化合物投与後1時間の間での最大作用を被験物質の作用とした。
【0080】
式(I)の化合物である、いくつかの実施例化合物を3 mg/kg投与した際の膀胱内圧上昇率(% of pre)を表3に示す。
【0082】
また、本試験にて評価した前記実施例化合物はいずれも電気刺激を与えない状態では膀胱内圧上昇を惹起せず、化合物単独では膀胱内圧上昇作用を示さないことを確認した。
【0083】
以上より、表3に記載の実施例化合物は、麻酔ラットにおいて、化合物単独では膀胱内圧上昇作用を示さないが、骨盤神経電気刺激誘発膀胱内圧上昇を増強する作用を有することが確認された。
【0084】
上記各試験の結果に示すように、式(I)の化合物は、ムスカリンM
3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター活性を有することが確認され、また、in vitroにおいて神経刺激依存的に膀胱収縮を増強し、in vivoにおいても神経刺激依存的に膀胱内圧上昇を増強することが確認された。従って、式(I)の化合物はムスカリンM
3受容体による膀胱収縮が関与する膀胱・尿路系疾患、殊に、膀胱・尿路系疾患における排尿障害や蓄尿障害の予防又は治療に使用できる。例えば、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動、神経因性膀胱、尿道弛緩不全、排尿筋-外尿道括約筋協調不全、過活動膀胱、頻尿、夜間頻尿、尿失禁、前立腺肥大症、間質性膀胱炎、慢性前立腺炎及び尿路結石等における排尿障害や蓄尿障害の予防又は治療に使用できる。特に、低活動膀胱、低緊張性膀胱、無収縮膀胱、排尿筋低活動及び神経因性膀胱における排尿障害や蓄尿障害の予防又は治療に使用できる。
さらに、式(I)の化合物は、化合物単独ではムスカリンM
3受容体に対するアゴニスト作用を示さず神経刺激依存的な膀胱収縮増強作用を有することから、既存の薬剤に報告されるコリン作動性由来の副作用を回避できる点で、より安全性に優れた治療薬となり得る。
【0085】
式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
【0086】
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合させる。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0087】
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
【0088】
外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ローション剤等を包含する。一般に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含有する。
【0089】
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体又は半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば公知の賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
【0090】
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.1〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
【0091】
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01〜100重量%、ある態様としては0.01〜50重量%の有効成分である1種またはそれ以上の式(I)の化合物又はその塩を含有する。
【0092】
式(I)の化合物は、前述の式(I)の化合物が有効性を示すと考えられる疾患の種々の治療剤又は予防剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与製剤は、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
【実施例】
【0093】
以下、実施例に基づき、式(I)の化合物の製造法をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また、原料化合物の製法を製造例に示す。また、式(I)の化合物の製造法は、以下に示される具体的実施例の製造法のみに限定されるものではなく、式(I)の化合物はこれらの製造法の組み合わせ、あるいは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
【0094】
なお、本明細書において、化合物の命名にACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development, Inc.)等の命名ソフトを使用している場合がある。
【0095】
また、実施例、製造例及び後記表中において、以下の略号を用いることがある。
PEx:製造例番号、Ex:実施例番号、PSyn:同様の方法で製造した製造例番号、Syn:同様の方法で製造した実施例番号、No.:化合物番号、Str:化学構造式(Me:メチル、Et:エチル、nPr:n-プロピル、iPr:イソプロピル、cPr:シクロプロピル、nBu:n-ブチル、iBu:イソブチル、Boc:tert-ブチルオキシカルボニル、Ac:アセチル、Z:ベンジルオキシカルボニル、Ts:4-メチルフェニルスルホニルを示す。)、DATA:物理化学的データ、ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M+H]
+)、ESI-:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M-H]
-)、APCI/ESI+:APCI/ESI-MS(大気圧化学イオン化法APCI、APCI/ESIはAPCIとESIの同時測定を意味する。断りのない場合[M+H]
+)、EI:質量分析におけるm/z値(イオン化法EI、断りのない場合[M]
+)、CI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法CI、断りのない場合[M+H]
+)、m.p.:融点、NMR(DMSO-d6):DMSO-d
6中の
1H-NMRにおけるピークのδ(ppm))、s:一重線(スペクトル)、d:二重線(スペクトル)、t:三重線(スペクトル)、q:四重線(スペクトル)、br:幅広線(スペクトル)(例:brs)、m:多重線(スペクトル)。さらに、構造式中のHClは、その化合物が一塩酸塩であることを、2HClはその化合物が二塩酸塩であること、並びに、3HClはその化合物が三塩酸塩であることを示す。
【0096】
また、便宜上、濃度mol/LをMとして表す。例えば、1M水酸化ナトリウム水溶液は1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液であることを意味する。
【0097】
なお、以下の条件にて測定して得られたDSC曲線のオンセット温度を、融点として下記表中に記載した。
DSC測定は、TA Instruments DSC Q20を用い、測定温度範囲:室温〜300℃、昇温速度:10℃/min、窒素流量:50 mL/minの条件で、アルミニウム製サンプルパンを用いて行った。
【0098】
粉末X線回折は,RINT-TTRIIを用い,管球:Cu,管電流:300 mA,管電圧:50 kV,サンプリング幅:0.020°,走査速度:4°/min,波長:1.54056Å,測定回折角範囲(2θ):2.5〜40°の条件で測定した。
なお、粉末X線回折スペクトルはデータの性質上、結晶の同一性認定においては、結晶格子間隔や全体的なパターンが重要であり、回折角及び回折強度は結晶成長の方向、粒子の大きさ、測定条件によって多少変わりうるものであるから、厳密に解されるべきではない。
【0099】
製造例1
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1 g)のアセトニトリル(10 mL)溶液に、1-ブロモプロパン(0.90 mL)、炭酸カリウム(1.7 g)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(180 mg)を加え室温にて終夜撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.16 g)を油状物として得た。
【0100】
製造例2
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1 g)、ヨードエタン(1.19 mL)、炭酸セシウム(1.92 g)およびN,N-ジメチルホルムアミド(15 mL)の混合物を60℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-エトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.1 g)を固体として得た。
【0101】
製造例3
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1 g)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液に、2-プロパノール(0.46 mL)、ジエチルアゾジカルボキシレート40%トルエン溶液(2.3 mL)およびトリフェニルホスフィン(1.55 g)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-イソプロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(1.05 g)を油状物として得た。
【0102】
製造例4
アルゴン雰囲気下、亜鉛末(1.86 g)、臭化コバルト(II)(520 mg)およびアセトニトリル(20 mL)を混合し、トリフルオロ酢酸(0.14 mL)を加え、室温にて15分間撹拌した。反応混合物に1-ブロモ-3-メトキシ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(4.61 g)のアセトニトリル(10 mL)溶液および無水酢酸(1.93 mL)を加え、室温にて5時間撹拌した。反応混合物に1 M塩酸を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エタノン(2.29 g)を油状物として得た。
【0103】
製造例5
1-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(15 g)とテトラヒドロフラン(270 mL)を混合し、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(28.42 g)を加え、室温にて30分間撹拌した。析出した不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣とエタノール(260 mL)を混合し、チオ尿素(6.81 g)を加え、80℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水、1 M水酸化ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えた。有機層を1 M水酸化ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(16.18 g)を固体として得た。
【0104】
製造例6
5-クロロピラジン-2-カルボン酸(3.00 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(30 mL)、エチル ピペリジン-4-カルボキシレート(5.83 mL)およびジイソプロピルエチルアミン(6.50 mL)を混合し、80℃にて終夜撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。混合物をクエン酸水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥して5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(3.96 g)を固体として得た。
【0105】
製造例7
4-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(1.27 g)、5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(1.29 g)およびピリジン(20 mL)の混合物に、オキシ塩化リン(0.44 mL)を -10℃にて滴下し、同温にて1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルおよびクエン酸水溶液を加えて不溶物を溶解させた後、シリカゲルを加えて撹拌した。不溶物を濾別し、濾液の水層を分離して酢酸エチルにて抽出した。有機層を合わせ、塩基性シリカゲルを加えて撹拌した後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルを加えて撹拌し、固体を濾取し、乾燥してエチル 1-[5-({4-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(1.38 g)を固体として得た。
【0106】
製造例8
アルゴン雰囲気下、1-tert-ブチル 3-エチル 3-メチル ピペリジン-1,3,3-トリカルボキシレート(2.35 g)のテトラヒドロフラン(28 mL)溶液に3 M水素化ホウ素リチウム/テトラヒドロフラン溶液(19.87 mL)を内温-5℃以下にて加え、30分間撹拌後、60℃にて20時間撹拌した。反応混合物を氷冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール)にて精製し、tert-ブチル 3,3-ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1.22 g)を得た。
【0107】
製造例9
4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(500 mg)、テトラヒドロフラン(10 mL)、5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(560 mg)、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(645 mg)およびジイソプロピルエチルアミン(0.69 mL)を混合し、マイクロ波照射下145℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。混合物を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥してエチル 1-[5-({4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(704 mg)を固体として得た。
【0108】
製造例10
5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(1.75 g)、5-クロロピラジン-2-カルボン酸(1.13 g)、N-[({[(1Z)-1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン]アミノ}オキシ)(モルホリン-4-イル)メチレン]-N-メチルメタンアミニウム ヘキサフルオロホスフェート(3.1 g)、ジオキサン(20 mL)およびジイソプロピルエチルアミン(2.43 mL)を混合し、室温にて1時間撹拌し、反応混合物に酢酸エチルを加えた。混合物を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、5-クロロ-N-(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(1.71 g)を得た。
【0109】
製造例11
5-クロロピラジン-2-カルボン酸 (15.0 g)と酢酸エチル(200 mL)を混合し、塩化チオニル(30 mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(0.28 mL)を加え、55-60℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、トルエンを加え濃縮する操作を2度行った。
4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(19.96 g)とシクロペンチルメチルエーテル(200 mL)を混合し、その混合物に、先に得られた残渣のシクロペンチルメチルエーテル(40 mL)溶液を10℃以下にて滴下した後、反応混合物を室温に昇温して5時間撹拌した。反応混合物を氷冷し、水(600 mL)を15℃以下にて滴下した後室温にて終夜撹拌した。析出した固体を濾取し、メチルエチルケトンにて洗浄後乾燥して5-クロロ-N-{4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピラジン-2-カルボキサミド(29 g)を固体として得た。
【0110】
製造例12
5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(895 mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(1.34 g)およびジイソプロピルエチルアミン(1.10 mL)を混合し、10分間撹拌した。窒素雰囲気下、4-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(1.0 g)およびN,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)を混合し、氷冷下水素化ナトリウム(154 mg)を加えて10分間撹拌した後、先に調製した反応混合物を加え、80℃に加熱して30分間撹拌した。反応混合物を120℃に加熱してさらに1時間撹拌した後、4-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(0.72 g)を加え、同温でさらに2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。混合物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-酢酸エチル)にて精製した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加え、得られた固体を濾取し、乾燥してエチル1-[5-({4-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(167 mg)を固体として得た。
【0111】
製造例13
4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(3-メトキシ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル]-1,3-チアゾール-2-アミン(80 mg)、5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(64 mg)、N-[({[(1Z)-1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン]アミノ}オキシ)(モルホリン-4-イル)メチレン]-N-メチルメタンアミニウム ヘキサフルオロホスフェート(101 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.082 mL)およびジオキサン(1.2 mL)を混合し、マイクロ波照射下80℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-ヘキサン)および塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル-ヘキサン)にて精製した。得られた固体を酢酸エチル-ヘキサンにて洗浄し、乾燥してエチル 1-[5-({4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-[(3-メトキシ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(71 mg)を固体として得た。
【0112】
製造例14
4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(500 mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)、5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(764 mg)、N-[({[(1Z)-1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデン]アミノ}オキシ)(モルホリン-4-イル)メチレン]-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート(1.17 g)、ジイソプロピルエチルアミン(0.94 mL)を混合し、マイクロ波照射下150℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。混合物を、水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、得られた残渣をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥してエチル 1-[5-({4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(476 mg)を固体として得た。
【0113】
製造例15
4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(748 mg)、5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(500 mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(10 mL)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(1.02 g)およびジイソプロピルエチルアミン(0.93 mL)を混合し、100℃にて終夜撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。混合物を、水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-酢酸エチル)にて精製し、得られた残渣をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥してエチル 1-[5-({4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(294 mg)を固体として得た。
【0114】
製造例16
4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(5.68 g)、ピリジン(17 mL)および無水酢酸(7.8 mL)を混合し、60℃にて1 時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。混合物を水、1 M塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥してN-{4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(6.21 g)を固体として得た。
【0115】
製造例17
エチル 1-[5-({4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(2.0 g)に酢酸(50 mL)および36%ホルムアルデヒド水溶液(1.5 mL)を加え、100℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物に無水酢酸(0.71 mL)を加え、同温にてさらに1.5時間撹拌した後、再度無水酢酸(0.71 mL)を加え、0.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にエタノールを加え撹拌した。生じた固体を濾取し、乾燥してエチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(1.77 g)を固体として得た。
【0116】
製造例18
エチル 1-[5-({4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(1.87 g)、酢酸(8 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(2.69 mL)および無水酢酸(3.30 mL)を混合し、マイクロ波照射下150℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-酢酸エチル)にて精製し、得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥してエチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(705 mg)を固体として得た。
【0117】
製造例19
エチル 1-[5-({4-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(1.38 g)に酢酸(35 mL)、無水酢酸(1.2 mL)および36%ホルムアルデヒド水溶液(0.98 mL)を加え、100℃にて3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-酢酸エチル)にて精製した。得られた残渣をピリジン(14 mL)に溶解させ、無水酢酸(1.4 mL)を加えて室温にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-酢酸エチル)にて精製し、得られた固体を酢酸エチル-ジイソプロピルエーテル混合溶媒中撹拌し、濾取、乾燥してエチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(771 mg)を固体として得た。
【0118】
製造例20
エチル 1-[5-({4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(1.15 g)、酢酸(12.0 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(2.0 mL)および無水酢酸(2.5 mL)を混合し、マイクロ波照射下150℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にピリジン(8 mL)及び無水酢酸(2.5 mL)を加えて室温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた固体をクロロホルム-酢酸エチル混合溶媒にて洗浄し、乾燥してエチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(564 mg)を固体として得た。
【0119】
製造例21
5-クロロ-N-{4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピラジン-2-カルボキサミド(4.27 g)、酢酸(50 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(4.0 mL)および(2R)-2-エチルピロリジン塩酸塩(7.0 g)を混合し、90℃にて1時間撹拌した後、ジクロロエタン(50 mL)を加え終夜撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮し、得られた残渣に酢酸エチルを加えた。混合物を、1 M 水酸化ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、不溶物を濾別した後、濾液を減圧下濃縮し、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製した。得られた固体をヘキサンにて洗浄し、乾燥して5-クロロ-N-(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(954 mg)を固体として得た。
【0120】
製造例22
エチル 1-[5-({4-[4-(ジメチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(200 mg)、酢酸(3 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(0.14 mL)および(2R)-2-メチルピロリジン L-(+)-酒石酸塩(425 mg)を混合し、マイクロ波照射下110℃にて30分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を1 M水酸化ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、エチル 1-{5-[(4-[4-(ジメチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボキシレート(110 mg)を固体として得た。
【0121】
製造例23
エチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(2.5 g)、(2R)-2-エチルピロリジン塩酸塩(690 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(1.42 mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(25 mL)を混合し、90℃にて1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、不溶物を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-酢酸エチル)にて精製してエチル 1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボキシレート(2.28 g)を得た。
【0122】
製造例24
エチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(160 mg)のテトラヒドロフラン(1.6 mL)溶液に、(2R)-2-メチルピロリジン塩酸塩(64 mg)およびジイソプロピルエチルアミン(0.18 mL)を加え、マイクロ波照射下150℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、エチル 1-{5-[(4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボキシレート(117 mg)を油状物として得た。
【0123】
製造例25
ベンジル (2S)-2-(2-メトキシプロパン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(650 mg)のエタノール(6.5 mL)溶液に、10%パラジウム担持炭素(50%含水、150 mg)を加え、1気圧水素雰囲気下室温にて1時間撹拌した。不溶物を濾別し、濾液に4 M塩化水素/ジオキサン溶液(2 mL)を加え、減圧下濃縮した。残渣を終夜乾燥して(2S)-2-(2-メトキシプロパン-2-イル)ピロリジン 塩酸塩(438 mg)を固体として得た。
【0124】
製造例26
tert-ブチル (2R)-2-エチルピロリジン-1-カルボキシレート(3.41 g)のジオキサン(25 mL)溶液に、4 M塩化水素/ジオキサン溶液(25 mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加え撹拌した。析出した固体を濾取し、乾燥して、(2R)-2-エチルピロリジン 塩酸塩(2.1 g)を固体として得た。
【0125】
製造例27
N-(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)アセタミド(3.05 g)、エタノール(20 mL)および6 M水酸化ナトリウム水溶液(12 mL)を混合し、マイクロ波照射下120℃にて15分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(1.75 g)を油状物として得た。
【0126】
製造例28
2-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-[3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール(280 mg)のエタノール(2.5 mL)および水(0.84 mL)の混合物に、ヒドロキシルアミン 塩酸塩(828 mg)およびトリエチルアミン(0.55 mL)を加え、マイクロ波照射下130℃にて30分間撹拌した。エタノールを減圧下留去し、残渣に水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール)にて精製し、4-[3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(113 mg)を固体として得た。
【0127】
製造例29
アルゴン雰囲気下、tert-ブチル 3,3-ビス(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(0.9 g)のテトラヒドロフラン(18 mL)溶液に、2.69 M n-ブチルリチウム/テトラヒドロフラン溶液(1.39 mL)を-5℃以下にて加え、20分間撹拌した。反応混合物に塩化トルエンスルホニル(0.7 g)のテトラヒドロフラン(4.5 mL)溶液を-5℃以下にて滴下し、40分間撹拌した。得られた混合物に2.69 M n-ブチルリチウム/テトラヒドロフラン溶液(1.43 mL)を加え、30分間撹拌後、60℃に加熱してさらに1時間撹拌した。反応混合物を氷冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、tert-ブチル 2-オキサ-6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-カルボキシレート(436 mg)を得た。
【0128】
製造例30
(3R)-テトラヒドロフラン-3-オール(1.0 g)のN-メチルピロリドン(20 mL)溶液に、氷冷下60%油性水素化ナトリウム(430 mg)を加え、同温にて10分間撹拌した。反応混合物に1-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(2.0 g)のN-メチルピロリドン(10 mL)溶液を滴下し、混合物を氷冷下1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-{4-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ]-3-(トリフルオロメチル)フェニル}エタノン(1.84 g)を油状物として得た。
【0129】
製造例31
1-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(2.0 g)、ピロリジン(10 mL)、炭酸カリウム(2.0g)およびアセトニトリル(3.0 mL)の混合物を80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-(ピロリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(2.5 g)を油状物として得た。
【0130】
製造例32
2-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール(300 mg)のテトラヒドロフラン(2.4 mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(60 mg)を加え、マイクロ波照射下100℃にて30分間撹拌した。反応混合物にナトリウムメトキシド(90 mg)を加えマイクロ波照射下130℃にて1時間、さらにナトリウムメトキシド(150 mg)を加えマイクロ波照射下150℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、2-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-[3-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール(289 mg)を油状物として得た。
【0131】
製造例33
4-(5-クロロ-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-アミン(4.30 g)、ジクロロメタン(80 mL)およびジイソプロピルエチルアミン(4.2 mL)を混合し、氷冷下トリフルオロ酢酸無水物(4.2 mL)を加え、室温に昇温して1時間撹拌した。反応混合物をクロロホルムにて希釈し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、得られた固体をヘキサンにて洗浄し、乾燥してN-[4-(5-クロロ-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2,2,2-トリフルオロアセタミド(5.56 g)を固体として得た。
【0132】
製造例34
4-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(600 mg)のトルエン(3.6 mL)溶液に、ヘキサン-2,5-ジオン(0.32 mL)およびp−トルエンスルホン酸(44 mg)を加え、マイクロ波照射下170℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、2-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-4-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール(634 mg)を固体として得た。
【0133】
製造例35
(2-メチルピロリジン-2-イル)メタノール(300 mg)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液に、室温にてジtert-ブチルジカーボネート(0.85 g)のテトラヒドロフラン(1.5 mL)溶液を加え、室温にて3日間撹拌した後、反応混合物に1 M水酸化ナトリウム水溶液(1.8 mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、tert-ブチル 2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルピロリジン-1-カルボキシレート(396 mg)を油状物として得た。
【0134】
製造例36
2-[(2S)-ピロリジン-2-イル]プロパン-2-オール塩酸塩(1.0 g)のジクロロエタン(15 mL)溶液に、トリエチルアミン(2.52 mL)を加えて水冷し、クロロ炭酸ベンジル(1.29 mL)を加えた後、室温まで昇温して2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、ベンジル (2S)-2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.01 g)を油状物として得た。
【0135】
製造例37
N-[4-(5-クロロ-3-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-2,2,2-トリフルオロアセタミド(5.56 g)、(2R)-2-メチルピロリジン(3.36 g)、酢酸(60 mL)および36%ホルムアルデヒド水溶液(2.75 mL)を混合し、60℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣とエタノール(60 mL)、6 M水酸化ナトリウム水溶液(15 mL)を混合し、90℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、4-(5-クロロ-3-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-アミン(2.28 g)を得た。
【0136】
製造例38
1-[4-ヒドロキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(3.0 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(36 mL)および水(3.6 mL)を混合し、クロロ(ジフルオロ)酢酸ナトリウム(5.76 g)および炭酸セシウム(7.2 g)を加え、100℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(3.80 g)を油状物として得た。 1-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(3.80 g)とテトラヒドロフラン(50 mL)を混合し、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(5.66 g)を加え、室温にて45分間撹拌した。析出した不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣とエタノール(50 mL)を混合し、チオ尿素(1.47 g)を加え、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(30 mL)、1 M水酸化ナトリウム水溶液(30 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、混合物を減圧下濃縮した後、再度ジイソプロピルエーテルおよびヘキサンを加え、生じた固体を濾取し、乾燥して4-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-アミン(3.48 g)を固体として得た。
【0137】
製造例39
3-ブロモ-5-(トリフルオロメトキシ)フェノール(4.84 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(50 mL)、炭酸カリウム(3.12 g)およびヨウ化メチル(2.35 mL)を混合し、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-ブロモ-3-メトキシ-5-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(4.61 g)を油状物として得た。
【0138】
製造例40
ベンジル (2S)-2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.0 g)、プロトンスポンジ(登録商標)(2.44 g)及びジクロロメタン(15 mL)の混合物に、氷冷下トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(1.77 g)を加え、室温に昇温して終夜撹拌した。不溶物を濾別し、濾液に水および10%クエン酸水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、ベンジル (2S)-2-(2-メトキシプロパン-2-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(664 mg)を油状物として得た。
【0139】
製造例41
ジイソプロピルアミン(5.05 mL)のテトラヒドロフラン(30 mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、-78℃にて2.66 M n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(12.86 mL)を加え、15分間撹拌した。反応混合物に1-tert-ブチル 3-エチル ピペリジン-1,3-ジカルボキシレート(4.0 g)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液を10分間にわたり滴下し、30分間撹拌した。反応混合物にヨウ化メチル(1.455 mL)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液を10分間にわたり滴下し、得られた混合物を1時間で0℃まで昇温し、同温にて30分間撹拌した後、さらに室温まで昇温し、3時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-tert-ブチル 3-エチル 3-メチルピペリジン-1,3-ジカルボキシレート(3.29 g)を油状物として得た。
【0140】
製造例42
アルゴン雰囲気下、55%油性水素化ナトリウム(126 mg)のテトラヒドロフラン(3 mL)懸濁液を水冷し、tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(442 mg)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を加え、室温にて5分間撹拌後、60℃にて30分間撹拌した。反応混合物を氷冷し、ヨウ化メチル(0.3 mL)を加えた後、室温まで昇温し、1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、tert-ブチル 3-(メトキシメチル)-3-メチルピペリジン-1-カルボキシレート(414 mg)を油状物として得た。
【0141】
製造例43
N-{4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}アセタミド(2.84 g)、酢酸(20 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(3.6 mL)および無水酢酸(4.40 mL)を混合し、マイクロ波照射下170℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた固体をメタノールにて洗浄し、乾燥して白色固体を得た。
得られた固体とN-メチルピロリドン(20 mL)、(2R)-2-メチルピロリジン(608 mg)およびジイソプロピルエチルアミン(2.45 mL)を混合し、100℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、N-(4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)アセタミド(1.38 g)を固体として得た。
【0142】
製造例44
3-ブロモ-1,1,1-トリフルオロアセトン(3.0 g)、エチル アミノ(チオキソ)アセテート(2.10 g)およびエタノール(45 mL)を混合し、15時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50 mL)および水(50 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、エチル 4-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾール-2-カルボキシレート(2.19 g)を油状物として得た。エチル 4-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾール-2-カルボキシレート(2.07 g)のエタノール(50 mL)溶液に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(30 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M塩酸(30 mL)および水(100 mL)を加え、クロロホルム-イソプロパノール混合溶媒にて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮して固体を得た。得られた固体にヘキサンを加え、デカンテーションにより溶媒を除いた後、固体を乾燥して4-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾール-2-カルボン酸(832 mg)を固体として得た。
【0143】
製造例45
4-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾール-2-カルボン酸(790 mg)に塩化チオニル(4.0 mL)、ジクロロメタン(6 mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(1滴)を加え、40℃にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、トルエン共沸を二度行った後、減圧下乾燥した。塩化マグネシウム(382 mg)およびトルエン(12 mL)の混合物にマロン酸ジメチル(0.55 mL)およびトリエチルアミン(1.3 mL)を加え、混合物を室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に先に得られた残渣のトルエン(3 mL)溶液を滴下し、室温にて16時間撹拌した。反応混合物に6 M塩酸(5 mL)をゆっくりと加えた後、水(30 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をジメチルスルホキシド(4 mL)および水(0.4 mL)に溶解させ、160℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(30 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-[4-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]エタノン(498 mg)を油状物として得た。
【0144】
製造例46
tert-ブチル (2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(17 g)、トリエチルアミン(17.66 mL)、1-メチル-1H-イミダゾール(10.05 mL)のジクロロメタン(255 mL)溶液に、氷冷下塩化 p-トルエンスルホニル(17.71 g)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジクロロメタンにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、tert-ブチル (2S)-2-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(29.51 g)を油状物として得た。
【0145】
製造例47
ヨウ化銅(I)(9.4 g)およびジエチルエーテル(180 mL)の混合物に、約1 M メチルリチウム/ジエチルエーテル溶液(100 mL)を内温0-5℃にて30分間にわたり滴下し、滴下後、15分間撹拌した。反応混合物にtert-ブチル (2S)-2-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}メチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(7.0 g)のジクロロメタン(30 mL)溶液を内温5℃以下に保って20分間にわたり滴下した後、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、tert-ブチル (2R)-2-エチルピロリジン-1-カルボキシレート(3.52 g)を油状物として得た。
【0146】
製造例48
アルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアミン(10.09 mL)のテトラヒドロフラン(60 mL)溶液に、-78℃にて2.69 M n-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(25.43 mL)を加え、同温にて15分間撹拌した後、-20℃に昇温して30分間撹拌した。反応混合物を再度-78℃に冷却し、1-tert-ブチル 3-エチル ピペリジン-1,3-ジカルボキシレート(8.0 g)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液を20分間にわたり滴下し、-20℃に昇温して30分間撹拌した。得られた混合物を-78℃に冷却し、クロロ炭酸メチル(5.98 mL)のテトラヒドロフラン(16 mL)溶液を15分間にわたり滴下した後、室温まで昇温して2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を滴下し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、1-tert-ブチル 3-エチル 3-メチル ピペリジン-1,3,3-トリカルボキシレート(5.63 g)を油状物として得た。
【0147】
製造例92
5-クロロ-N-{4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}ピラジン-2-カルボキサミド(29 g)とN-メチルピロリドン(150 mL)の混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(18 mL)およびエチル ピペリジン-4-カルボキシレート(14 mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物を氷冷し、水を加え、室温にて1時間撹拌した。固体を濾取し、乾燥してエチル 1-[5-({4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(36.85 g)を固体として得た。
【0148】
製造例209
1-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(3.75 g)およびジメチルアミン(2 Mテトラヒドロフラン溶液、22.3 mL)の混合物を、マイクロ波照射下110℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。得られた化合物にジメチルアミン(2 Mテトラヒドロフラン溶液、15 mL)を加え、マイクロ波照射下130℃にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、1-[4-(ジメチルアミノ)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]エタノン(2.89 g)を得た。
【0149】
製造例1〜48、92及び209の方法と同様にして、後記表に示す製造例49〜91、93〜208及び210〜212の化合物を製造した。製造例化合物の構造、物理化学的データ及び製造法を表4〜表36に示す。
【0150】
実施例1
エチル 1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボキシレート(159 mg)のジオキサン(2 mL)溶液に1 M 水酸化ナトリウム水溶液(2 mL)を加え、60℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M 塩酸を加えて中和し、クロロホルムにて抽出し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール)にて精製し、淡黄色固体を得た。
得られた固体をジオキサン(2 mL)に溶解させ、4 M塩化水素/ジオキサン溶液(0.25 mL)を加え、析出固体をアセトニトリル中撹拌後、濾取し、乾燥して1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-プロポキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸 二塩酸塩(132 mg)を固体として得た。
【0151】
実施例2
エチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(100 mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)、(2R)-2-メチルピペリジン 塩酸塩(45 mg)およびジイソプロピルエチルアミン(0.115 mL)を混合し、100℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにて希釈した。得られた混合物を水、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製した。得られた残渣をエタノール(2 mL)およびテトラヒドロフラン(1 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液(0.83 mL)を加え、50℃にて 20分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M塩酸(0.83 mL)および水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルと混合し、4 M塩化水素/酢酸エチル溶液(0.3 mL)を加え、減圧下濃縮した。得られた固体を酢酸エチルにて洗浄し、乾燥して1-{5-[(4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸 二塩酸塩(56 mg)を固体として得た。
【0152】
実施例3
5-クロロ-N-(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)ピラジン-2-カルボキサミド(170 mg)、N-メチルピロリドン(3 mL)、エチル 4-フルオロピペリジン-4-カルボキシレート(120 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.23 mL)を混合し、70℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにて希釈した。混合物を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製した。
得られた残渣をエタノール(4 mL)およびテトラヒドロフラン(2 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液(1.7 mL)を加え、50℃にて20分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、1 M 塩酸(1.7 mL)および水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルと混合し、4 M塩化水素/酢酸エチル溶液(0.5 mL)を加え、減圧下濃縮した。得られた固体を酢酸エチルにて洗浄し、乾燥して4-フルオロ-1-{5-[(5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[3-メチル-5-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸 二塩酸塩(116 mg)を固体として得た。
【0153】
実施例4
エチル 1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボキシレート(26.27 g)、酢酸(545 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(16.98 mL)および(2R)-2-メチルピロリジンL-(+)-酒石酸塩(51.71 g)を混合し、110℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルにて希釈した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製した。
得られた残渣をエタノール(450 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液(150 mL)を加え、70℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および1 M塩酸(150 mL)を加え、析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、減圧下乾燥した。得られた固体を酢酸エチルと混合し、過剰量の4 M塩化水素/酢酸エチル溶液を加え、室温にて1時間撹拌した。固体を濾取し、乾燥して1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸 二塩酸塩(23 g)を固体として得た。
【0154】
実施例5
4-(5-クロロ-3-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-アミン(300 mg)とジクロロメタン(6 mL)を混合し、5-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]ピラジン-2-カルボン酸(347 mg)、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩 (240 mg)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン(35 mg)を加え、40℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルにて希釈した。水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)および塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製した。得られた残渣をエタノール(4 mL)およびテトラヒドロフラン(2 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液(3 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および1 M塩酸(3 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄した。得られた固体を酢酸エチルと混合し、4 M塩化水素/酢酸エチル溶液(1 mL)を加え、減圧下濃縮した。得られた固体を酢酸エチルにて洗浄し、乾燥して1-[5-{[4-{5-クロロ-3-チエニル}-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸 二塩酸塩(143 mg)を固体として得た。
【0155】
実施例6
エチル 1-[5-({4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(1.45 g)、酢酸(10 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(1.50 mL)および無水酢酸(1.8 mL)を混合し、マイクロ波照射下170℃にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-酢酸エチル)にて精製した。得られた残渣をN,N-ジメチルホルムアミド(15 mL)、N-(2-メトキシエチル)-2-メチルプロパン-1-アミン 塩酸塩(685 mg)およびジイソプロピルエチルアミン(1.4 mL)と混合し、100℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた。混合物を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製し、得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄した。得られた固体をエタノール(5 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液(2.8 mL)を加え、60℃にて15分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および1 M塩酸(2.8 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥して1-{5-[(5-{[イソブチル(2-メトキシエチル)アミノ]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸(224 mg)を固体として得た。
【0156】
実施例7
tert-ブチル 2-オキサ-6-アザスピロ[3,5]ノナン-6-カルボキシレート(110 mg)のジクロロメタン(1.1 mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(0.30 mL)を加え、室温まで昇温して2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して2-オキサ-6-アザスピロ[3,5]ノナン トリフルオロ酢酸塩を得た。得られた2-オキサ-6-アザスピロ[3,5]ノナン トリフルオロ酢酸塩はこれ以上の精製を行わず以下の工程に用いた。
エチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(118 mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.4 mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.33 mL)および先に合成した2-オキサ-6-アザスピロ[3,5]ノナン トリフルオロ酢酸塩を加え、100℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、生じた固体を濾取し、乾燥後、塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)にて精製した。得られた残渣(66 mg)のエタノール(2 mL)溶液に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(0.29 mL)を加え、60℃にて1時間撹拌した。反応混合物に1 M塩酸を加えて中和し、水、飽和塩化ナトリウム水溶液およびクロロホルムを加え、フェーズセパレータ(International Sorbent Technology社)を用いて有機層を分離し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール)にて精製し、得られた固体をエタノールにて洗浄し、乾燥して1-[5-({4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-(2-オキサ-6-アザスピロ[3,5]ノン-6-イルメチル)-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボン酸(52 mg)を固体として得た。
【0157】
実施例8
エチル 1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボキシレート(21.6 g)とエタノール(216 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(74 mL)を加え、50-55℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物に1 M水酸化ナトリウム水溶液(36 mL)をさらに加え、同温にて2時間撹拌した。反応混合物に酢酸(6.5 mL)を同温にて加えて混合物のpHを5-6に調整し、水(106 mL)を加え、55℃にて終夜撹拌した。混合物を室温まで冷却し、固体を濾取した。
得られた固体とエタノール(80 mL)を混合し、加熱還流下溶解させた。室温まで冷却後、析出した固体を濾取し、再度エタノール(80 mL)を加えて1時間加熱還流した後、室温まで冷却した。析出した固体を濾取し、乾燥して、1-{5-[(5-{[(2R)-2-エチルピロリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸(12.78 g)を結晶として得た。
実施例8で得られた結晶は、粉末X線回折で2θ(°)5.0、7.1、10.0、11.0、11.8、12.0、15.6、17.1、20.4、23.1、24.9及び26.8付近にピークを有するものである。
【0158】
実施例103
エチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(110 mg)およびN,N-ジメチルホルムアミド(2.2 mL)の混合物に、(3-メチルピペリジン-3-イル)メタノール 塩酸塩(65 mg)およびジイソプロピルエチルアミン(0.16 mL)を加え、100℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。得られた化合物をエタノール(1.8 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液(0.35 mL)を加え、60℃にて1時間撹拌した。反応混合物に1 M塩酸を加えて中和した後、減圧下濃縮した。残渣に水およびクロロホルムを加え、フェーズセパレータ(International Sorbent Technology社)を用いて有機層を分離し、減圧下濃縮した。得られた固体をエタノール/ジイソプロピルエーテルにて洗浄し、濾取、乾燥して1-{5-[(5-{[3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-4-[4-メトキシ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸(36 mg)を得た。
【0159】
実施例107
エチル 1-[5-({5-(アセトキシメチル)-4-[4-(モルホリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボキシレート(300 mg)、(2R)-2-プロピルピロリジン塩酸塩(150 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.40 mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(5.0 mL)の混合物を100℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製し、固体(200 mg)を得た。得られた化合物をテトラヒドロフラン(5 mL)およびエタノール(5 mL)と混合し、1 M水酸化ナトリウム水溶液を加え、60℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣をODSシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリル‐水)にて精製した。得られた固体にヘキサン(20 mL)を混合し、固体を濾取、乾燥して1-{5-[(4-[4-(モルホリン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-プロピルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸ナトリウム(190 mg)を得た。
【0160】
実施例141
エチル 1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボキシレート(200 mg)、酢酸(4 mL)、36%ホルムアルデヒド水溶液(0.113 mL)および2-エチルピロリジン(208 mg)を混合し、90℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルにて希釈し、1 M水酸化ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン‐酢酸エチル)にて精製した。得られた化合物とエタノール(4 mL)を混合し、テトラヒドロフラン(2 mL)および1 M水酸化ナトリウム水溶液(2.10 mL)を加え、50℃にて20分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水および1 M塩酸(2.10 mL)を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、濾取、乾燥して1-[5-({4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-[(2-エチルピロリジン-1-イル)メチル]-1,3-チアゾール-2-イル}カルバモイル)ピラジン-2-イル]ピペリジン-4-カルボン酸(129 mg)を得た。
【0161】
実施例206
エチル 1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボキシレート(695 mg)とエタノール(5 mL)およびテトラヒドロフラン(5 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(5 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物に酢酸(0.29 mL)を加え、減圧下濃縮した後、水(5 mL)を加えた。混合物を50℃にて3時間撹拌した後室温に冷却し、終夜撹拌した後、析出した固体を濾取した。得られた固体とエタノール(4 mL)を混合し、80℃にて30分撹拌した。混合物を室温まで冷却し18時間撹拌した。固体を濾取し、乾燥して1-(5-{[4-(4-クロロ-2-チエニル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル]カルバモイル}ピラジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(567 mg)の結晶を得た。
実施例206で得られた結晶は、粉末X線回折で2θ(°)4.8、6.6、9.1、10.3、13.3、14.5、15.7、17.2、18.3、19.0、24.7及び26.0付近にピークを有するものである。
【0162】
実施例207
エチル 1-{5-[(4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボキシレート(987 mg)とエタノール(5 mL)の混合物に、1 M水酸化ナトリウム水溶液(5 mL)を加え、50℃にて30分間撹拌した。反応混合物に酢酸(0.29 mL)および水を加えた。混合物を50℃にて3時間撹拌した後室温に冷却し、終夜撹拌した後、析出した固体を濾取した。得られた固体とエタノール(4 mL)を混合し、80℃にて3時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し3日間撹拌した。析出した固体を濾取し、1-{5-[(4-[3-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-{[(2R)-2-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1,3-チアゾール-2-イル)カルバモイル]ピラジン-2-イル}ピペリジン-4-カルボン酸(275 mg)の結晶を得た。
実施例207で得られた結晶は、粉末X線回折で2θ(°)4.7、7.5、9.6、10.4、13.7、16.9、17.1、18.0、18.3、19.2、20.1及び25.9付近にピークを有するものである。
【0163】
実施例1〜8の方法と同様にして、後記表に示す実施例9〜205の化合物を製造した。実施例化合物の構造を表37〜表81に、物理化学的データ及び製造法を表82〜表97にそれぞれ示す。
【0164】
また、表98〜表113に、式(I)の化合物の別の化合物の構造を示す。これらは、上記の製造例や実施例に記載の方法、及び当業者にとって自明である方法、又はこれらの変法を用いることにより、容易に製造することができる。
【0165】
【表4】
【0166】
【表5】
【0167】
【表6】
【0168】
【表7】
【0169】
【表8】
【0170】
【表9】
【0171】
【表10】
【0172】
【表11】
【0173】
【表12】
【0174】
【表13】
【0175】
【表14】
【0176】
【表15】
【0177】
【表16】
【0178】
【表17】
【0179】
【表18】
【0180】
【表19】
【0181】
【表20】
【0182】
【表21】
【0183】
【表22】
【0184】
【表23】
【0185】
【表24】
【0186】
【表25】
【0187】
【表26】
【0188】
【表27】
【0189】
【表28】
【0190】
【表29】
【0191】
【表30】
【0192】
【表31】
【0193】
【表32】
【0194】
【表33】
【0195】
【表34】
【0196】
【表35】
【0197】
【表36】
【0198】
【表37】
【0199】
【表38】
【0200】
【表39】
【0201】
【表40】
【0202】
【表41】
【0203】
【表42】
【0204】
【表43】
【0205】
【表44】
【0206】
【表45】
【0207】
【表46】
【0208】
【表47】
【0209】
【表48】
【0210】
【表49】
【0211】
【表50】
【0212】
【表51】
【0213】
【表52】
【0214】
【表53】
【0215】
【表54】
【0216】
【表55】
【0217】
【表56】
【0218】
【表57】
【0219】
【表58】
【0220】
【表59】
【0221】
【表60】
【0222】
【表61】
【0223】
【表62】
【0224】
【表63】
【0225】
【表64】
【0226】
【表65】
【0227】
【表66】
【0228】
【表67】
【0229】
【表68】
【0230】
【表69】
【0231】
【表70】
【0232】
【表71】
【0233】
【表72】
【0234】
【表73】
【0235】
【表74】
【0236】
【表75】
【0237】
【表76】
【0238】
【表77】
【0239】
【表78】
【0240】
【表79】
【0241】
【表80】
【0242】
【表81】
【0243】
【表82】
【0244】
【表83】
【0245】
【表84】
【0246】
【表85】
【0247】
【表86】
【0248】
【表87】
【0249】
【表88】
【0250】
【表89】
【0251】
【表90】
【0252】
【表91】
【0253】
【表92】
【0254】
【表93】
【0255】
【表94】
【0256】
【表95】
【0257】
【表96】
【0258】
【表97】
【0259】
【表98】
【0260】
【表99】
【0261】
【表100】
【0262】
【表101】
【0263】
【表102】
【0264】
【表103】
【0265】
【表104】
【0266】
【表105】
【0267】
【表106】
【0268】
【表107】
【0269】
【表108】
【0270】
【表109】
【0271】
【表110】
【0272】
【表111】
【0273】
【表112】
【0274】
【表113】