(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直流電源及び平滑コンデンサと交流回転電機との間に介在されて複数のスイッチング素子を備えたインバータと、前記複数のスイッチング素子の駆動を制御する制御装置と、を備えたインバータ装置であって、
前記直流電源と前記インバータとを接続する電線を流れる電流を検出する電流センサを更に備え、
前記直流電源は、前記インバータとの電気的な接続を切り離すことが可能なリレーを備え、
前記平滑コンデンサは、前記直流電源と前記インバータとを接続する正極側の前記電線と負極側の前記電線との間に接続され、
前記電流センサと前記リレーとは、正極側又は負極側のうちの同じ側の電線に設けられ、
前記電流センサは、前記リレーと、前記平滑コンデンサとの接続部分と、の間に備えられ、
前記制御装置は、前記交流回転電機に電力を発電させる回生動作を行わせている場合における前記電流センサにより検出された電流に基づいて、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させるか否かを判定するインバータ装置。
前記遮断判定部は、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定した場合に、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させると判定し、前記駆動部に対して前記遮断信号を出力する請求項2に記載のインバータ装置。
前記遮断判定部は、前記直流電源と前記インバータとを接続する正極側の前記電線と負極側の前記電線との間の電圧が、予め定められた電圧判定閾値より大きくなった場合に、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させると判定し、
前記遮断判定部は、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定している場合に、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定していない場合に比べて、前記電圧判定閾値を低い値とする請求項2に記載のインバータ装置。
前記電流判定部は、前記電流センサにより検出された電流が前記電流判定閾値より小さい場合に低電流信号を出力する比較器と、前記低電流信号と前記回生信号との双方が入力された場合に、前記回生中電流低下状態であることを表す回生中電流低下信号を出力する論理回路と、を備える請求項2から4のいずれか一項に記載のインバータ装置。
直流電源及び平滑コンデンサと交流回転電機との間に介在されて複数のスイッチング素子を備えたインバータと、前記複数のスイッチング素子の駆動を制御する制御装置と、を備えたインバータ装置であって、
前記直流電源と前記インバータとを接続する電線を流れる電流を検出する電流センサを更に備え、
前記制御装置は、
前記複数のスイッチング素子を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御すると共に、前記駆動部を制御して前記交流回転電機に予め定められた判定電力以上の電力を発電させる回生動作を行わせている場合に、回生信号を出力する駆動制御部と、
前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させるか否かを判定し、停止させると判定した場合は、前記駆動部に対して、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させる信号である遮断信号を出力する遮断判定部と、を備え、
前記遮断判定部は、前記駆動制御部から前記回生信号が出力されている状態で、前記電流センサにより検出された電流が、予め定められた電流判定閾値より小さい回生中電流低下状態であるか否かを判定する電流判定部を備え、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定している場合に、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定していない場合に比べて、電圧判定閾値を低い値に設定し、
前記遮断判定部は、前記直流電源と前記インバータとを接続する正極側の前記電線と負極側の前記電線との間の電圧が、前記電圧判定閾値より大きくなった場合に、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させると判定するインバータ装置。
前記電流判定部は、前記電流センサにより検出された電流が前記電流判定閾値より小さい場合に低電流信号を出力する比較器と、前記低電流信号と前記回生信号との双方が入力された場合に、前記回生中電流低下状態であることを表す回生中電流低下信号を出力する論理回路と、を備える請求項6に記載のインバータ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、交流回転電機に回生動作を行わせているときに、何らかの要因によりリレーが閉状態から開状態になる故障が生じるなど、直流電源とインバータとの電気的接続が予期せず切断される可能性がある。インバータの制御装置が、このような切断を検出できず、回生動作を継続すると、正極側の電線と負極側の電線との間のシステム電圧が急速に上昇する。システム電圧が、スイッチング素子の耐圧を超えるまで上昇すると、スイッチング素子が破損するおそれがある。
そこで、できるだけ早期に切断を検出し、回生動作を停止させて、システム電圧の上昇を抑制することが望ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術は、リレーが開状態にされたことを正常に検出した後、平滑コンデンサに蓄えられた電荷を放電する技術であり、リレーが開状態にされたことを検出できないなど、異常が生じた場合において、システム電圧の急速な上昇を効果的に抑制することには対応できない。
【0007】
また、特許文献2の技術は、通常の回生動作におけるシステム電圧の上昇を抑制できると考えられる。しかし、特許文献2の技術は、システム電圧を観測しているため、直流電源とインバータとの電気的接続が切断された場合に、システム電圧が急速に上昇することを抑制するのに限界があると考えられる。
これは、切断が生じた後のシステム電圧の上昇には、平滑コンデンサの平滑化効果により応答遅れが生じるため、システム電圧を観測する方法では、切断が生じた後、システム電圧の上昇を抑制する動作を行うまでの判定遅れが大きくなると考えられるためである。
【0008】
そこで、交流回転電機に回生動作を行わせている状態で、直流電源とインバータとの電気的接続が予期せず切断された場合に、早期にシステム電圧の上昇を抑制する動作を行うことができるインバータ装置の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る、直流電源及び平滑コンデンサと交流回転電機との間に介在されて複数のスイッチング素子を備えたインバータと、前記複数のスイッチング素子の駆動を制御する制御装置と、を備えたインバータ装置の特徴構成は、
前記直流電源と前記インバータとを接続する電線を流れる電流を検出する電流センサを更に備え、
前記直流電源は、前記インバータとの電気的な接続を切り離すことが可能なリレーを備え、
前記平滑コンデンサは、前記直流電源と前記インバータとを接続する正極側の前記電線と負極側の前記電線との間に接続され、
前記電流センサと前記リレーとは、正極側又は負極側のうちの同じ側の電線に設けられ、
前記電流センサは
、前記リレーと、前記平滑コンデンサとの接続部分と、の間に備えられ、
前記制御装置は、前記交流回転電機に電力を発電させる回生動作を行わせている場合における前記電流センサにより検出された電流に基づいて、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させるか否かを判定する点にある。
【0010】
回生動作中に直流電源とインバータとの電気的接続が切断された場合、正極側の電線と負極側の電線との間のシステム電圧が急速に上昇し、直流電源とインバータとを接続する電線を流れる電流が急速に低下する。このとき、システム電圧の上昇には平滑コンデンサの平滑化効果による応答遅れが生じるが、電流の低下にはこのような応答遅れは生じ難い。
上記の特徴構成によれば、インバータ装置は、直流電源とインバータとを接続する電線を流れる電流を検出する電流センサを更に備えているため、電流センサにより、直流電源とインバータとの電気的接続の切断による接続電線を流れる電流の低下を直接検出することができる。制御装置は、システム電圧よりも切断後の応答遅れが小さい、電流センサにより検出された電流に基づいて判定しているので、直流電源とインバータとの電気的接続が切断されてから、スイッチング素子の駆動を停止させるまでの遅れを、システム電圧に基づいて判定する場合よりも短くできる。よって、直流電源とインバータとの電気的接続が切断された後、システム電圧の上昇を効果的に抑制することができる。
これにより、平滑コンデンサの容量を減少させたり、スイッチング素子の耐圧を低下させたりして、装置の低コスト化、小型化を図ることができる。
また、この構成によれば、直流電源とインバータとの電気的接続が切断された後も、平滑コンデンサの平滑化効果により、スイッチング素子側から平滑コンデンサに回生発電により生じた電流が流入する。この場合でも、電流センサは、平滑コンデンサの接続部よりも直流電源側の電線に設けられているので、スイッチング素子側から平滑コンデンサに流入する電流を検出しないようにできる。よって、直流電源とインバータとの電気的接続が切断され、切断部において電流が流れなくなった場合に、電流センサにより検出される電流も、それに応じて低下するので、電流の遮断を迅速に検出できる。
また、この構成によれば、何らかの要因によりリレーが閉状態から開状態になる故障が生じた場合に、リレーと平滑コンデンサとの接続部分との間に備えられた電流センサにより、電流の遮断を迅速に検出できる。
【0011】
ここで、前記制御装置は、前記複数のスイッチング素子を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御すると共に、前記駆動部を制御して前記交流回転電機に予め定められた判定電力以上の電力を発電させる回生動作を行わせている場合に、回生信号を出力する駆動制御部と、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させるか否かを判定し、停止させると判定した場合は、前記駆動部に対して、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させる信号である遮断信号を出力する遮断判定部と、を備え、前記遮断判定部は、前記駆動制御部から前記回生信号が出力されている状態で、前記電流センサにより検出された電流が、予め定められた電流判定閾値より小さい回生中電流低下状態であるか否かを判定する電流判定部を備え、前記電流判定部の判定結果に基づいて、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させるか否かを判定すると好適である。
【0012】
交流回転電機に発電させる電力に比例して、直流電源とインバータとの電気的接続が切断された後のシステム電圧の上昇速度が大きくなる。そのため、特に発電電力が大きい場合に、早期に電気的接続の切断を検出して、全てのスイッチング素子の駆動を停止させる必要性が高くなる。上記の構成によれば、交流回転電機の発電電力が判定電力以上に大きい場合に、切断後の応答遅れが小さい電流センサの検出電流に基づいて、電気的接続の切断後、早期にスイッチング素子の駆動を停止させ、システム電圧の上昇を効果的に抑制することができる。
また、交流回転電機に発電させる電力が小さいと、直流電源とインバータとの電気的接続が切断されていない正常状態でも、直流電源とインバータとの接続電線を流れる電流が小さくなり、電気的接続が切断された状態に近づくため、電流センサの検出電流に基づく判定精度が悪化する。上記の構成によれば、交流回転電機に発電させる電力が判定電力以上に大きく、電気的接続が切断されていない正常状態において、接続電線を流れる電流が大きくなる条件において、電流センサの検出電流に基づいて、電気的接続が切断されているか否かの判定を精度よく行い、スイッチング素子の駆動を停止させることができる。よって、交流回転電機の発電電力が小さい場合に、電気的接続が切断していないにもかかわらず、全てのスイッチング素子の駆動が停止され、交流回転電機の発電が停止されることを抑制できる。
【0013】
ここで、前記遮断判定部は、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定した場合に、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させると判定し、前記駆動部に対して前記遮断信号を出力すると好適である。
【0014】
この構成によれば、回生動作中に電流センサにより検出した電流が電流判定閾値より小さいと判定された後、速やかに、駆動部に対して遮断信号を出力し、スイッチング素子の駆動を停止させることができる。
【0015】
ここで、前記遮断判定部は、前記直流電源と前記インバータとを接続する正極側の前記電線と負極側の前記電線との間の電圧が、予め定められた電圧判定閾値より大きくなった場合に、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させると判定し、
前記遮断判定部は、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定している場合に、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定していない場合に比べて、前記電圧判定閾値を低い値とすると好適である。
【0016】
この構成によれば、回生動作中に電流センサにより検出した電流が電流判定閾値より小さいと判定された場合に、電圧判定値が低下されるので、システム電圧に基づいて判定する場合でも、スイッチング素子の駆動を停止させるまでの遅れを短くできる。
【0017】
ここで、前記電流判定部は、前記電流センサにより検出された電流が前記電流判定閾値より小さい場合に低電流信号を出力する比較器と、前記低電流信号と前記回生信号との双方が入力された場合に、前記回生中電流低下状態であることを表す回生中電流低下信号を出力する論理回路と、を備えると好適である。
【0018】
この構成によれば、ハードウェア回路を用いて判定するので、処理速度を速くすることができ、スイッチング素子の駆動を停止させるまでの遅れを短くできる。
【0019】
本発明に係る、直流電源及び平滑コンデンサと交流回転電機との間に介在されて複数のスイッチング素子を備えたインバータと、前記複数のスイッチング素子の駆動を制御する制御装置と、を備えたインバータ装置の
他の特徴構成は、
前記直流電源と前記インバータとを接続する電線を流れる電流を検出する電流センサを更に備え、
前記制御装置は、
前記複数のスイッチング素子を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御すると共に、前記駆動部を制御して前記交流回転電機に予め定められた判定電力以上の電力を発電させる回生動作を行わせている場合に、回生信号を出力する駆動制御部と、
前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させるか否かを判定し、停止させると判定した場合は、前記駆動部に対して、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させる信号である遮断信号を出力する遮断判定部と、を備え、
前記遮断判定部は、前記駆動制御部から前記回生信号が出力されている状態で、前記電流センサにより検出された電流が、予め定められた電流判定閾値より小さい回生中電流低下状態であるか否かを判定する電流判定部を備え、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定している場合に、前記電流判定部が前記回生中電流低下状態であると判定していない場合に比べて、電圧判定閾値を低い値に設定し、
前記遮断判定部は、前記直流電源と前記インバータとを接続する正極側の前記電線と負極側の前記電線との間の電圧が、前記電圧判定閾値より大きくなった場合に、前記複数のスイッチング素子の全ての駆動を停止させると判定する点にある。
【0020】
回生動作中に直流電源とインバータとの電気的接続が切断された場合、正極側の電線と負極側の電線との間のシステム電圧が急速に上昇し、直流電源とインバータとを接続する電線を流れる電流が急速に低下する。このとき、システム電圧の上昇には平滑コンデンサの平滑化効果による応答遅れが生じるが、電流の低下にはこのような応答遅れは生じ難い。
上記の特徴構成によれば、インバータ装置は、直流電源とインバータとを接続する電線を流れる電流を検出する電流センサを更に備えているため、電流センサにより、直流電源とインバータとの電気的接続の切断による接続電線を流れる電流の低下を直接検出することができる。制御装置は、システム電圧よりも切断後の応答遅れが小さい、電流センサにより検出された電流に基づいて判定しているので、直流電源とインバータとの電気的接続が切断されてから、スイッチング素子の駆動を停止させるまでの遅れを、システム電圧に基づいて判定する場合よりも短くできる。よって、直流電源とインバータとの電気的接続が切断された後、システム電圧の上昇を効果的に抑制することができる。
これにより、平滑コンデンサの容量を減少させたり、スイッチング素子の耐圧を低下させたりして、装置の低コスト化、小型化を図ることができる。
交流回転電機に発電させる電力に比例して、直流電源とインバータとの電気的接続が切断された後のシステム電圧の上昇速度が大きくなる。そのため、特に発電電力が大きい場合に、早期に電気的接続の切断を検出して、全てのスイッチング素子の駆動を停止させる必要性が高くなる。上記の構成によれば、交流回転電機の発電電力が判定電力以上に大きい場合に、切断後の応答遅れが小さい電流センサの検出電流に基づいて、電気的接続の切断後、早期にスイッチング素子の駆動を停止させ、システム電圧の上昇を効果的に抑制することができる。
また、交流回転電機に発電させる電力が小さいと、直流電源とインバータとの電気的接続が切断されていない正常状態でも、直流電源とインバータとの接続電線を流れる電流が小さくなり、電気的接続が切断された状態に近づくため、電流センサの検出電流に基づく判定精度が悪化する。上記の構成によれば、交流回転電機に発電させる電力が判定電力以上に大きく、電気的接続が切断されていない正常状態において、接続電線を流れる電流が大きくなる条件において、電流センサの検出電流に基づいて、電気的接続が切断されているか否かの判定を精度よく行い、スイッチング素子の駆動を停止させることができる。よって、交流回転電機の発電電力が小さい場合に、電気的接続が切断していないにもかかわらず、全てのスイッチング素子の駆動が停止され、交流回転電機の発電が停止されることを抑制できる。
また、この構成によれば、回生動作中に電流センサにより検出した電流が電流判定閾値より小さいと判定された場合に、電圧判定値が低下されるので、システム電圧に基づいて判定する場合でも、スイッチング素子の駆動を停止させるまでの遅れを短くできる。
【0021】
上記構成において、前記電流判定部は、前記電流センサにより検出された電流が前記電流判定閾値より小さい場合に低電流信号を出力する比較器と、前記低電流信号と前記回生信号との双方が入力された場合に、前記回生中電流低下状態であることを表す回生中電流低下信号を出力する論理回路と、を備えると好適である。
【0022】
この構成によれば、ハードウェア回路を用いて判定するので、処理速度を速くすることができ、スイッチング素子の駆動を停止させるまでの遅れを短くできる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係るインバータ装置2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るインバータIN及び制御装置1を備えるインバータ装置2などの概略構成を示す模式図である。
インバータINは、直流電源DC及び平滑コンデンサ5と交流回転電機MGとの間に介在されて複数のスイッチング素子3を備えている。制御装置1は、複数のスイッチング素子3の駆動を制御する。
インバータ装置2は、直流電源DCとインバータINを接続する電線4を流れる電流を検出する電流センサ6を備えている。
制御装置1は、交流回転電機MGに電力を発電させる回生動作を行わせている場合における電流センサ6により検出された電流に基づいて、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させるか否かを判定するように構成されている。
【0025】
1.インバータINの構成
インバータINは、直流電源DCに係る直流電力と、交流回転電機MGに係る交流電力とを変換する。
本実施形態では、直流電源DCから供給された直流電力を複数相(nを自然数としてn相、ここでは3相)の交流電力に変換して交流回転電機MGに供給すると共に、交流回転電機MGが発電(回生)した交流電力を直流電力に変換して直流電源DCに供給するように構成されている。
【0026】
インバータINは、複数のスイッチング素子3を備えている。スイッチング素子には、IGBT(insulated gate bipolar transistor)やパワーMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)などのパワー半導体素子が用いられる。
【0027】
例えば直流と多相交流(ここでは3相交流)との間で電力変換するインバータINは、よく知られているように多相(ここでは3相)のそれぞれに対応する数のアームを有するブリッジ回路により構成される。つまり、
図1に示すように、インバータINにおける正極側電線4aと、負極側電線4bとの間に2つのスイッチング素子3が直列に接続されて1つのアーム10Lが構成される。ここで、交流回転電機MGとの接続部よりも正極側電線4a側に接続されるスイッチング素子3を上段側スイッチング素子3U(上段側スイッチング素子又はハイサイドスイッチ)と称し、交流回転電機MGとの接続部よりも負極側電線4b側に接続されるスイッチング素子3を下段側スイッチング素子3L(負極側スイッチング素子又はローサイドスイッチ)と称す。なお、正極側電線4a及び極側電線4bには、バスバーも含まれる。
【0028】
3相交流の場合には、この直列回路(1つのアーム10L)が3回線(3相:10U,10V,10W)並列接続される。つまり、交流回転電機MGのU相、V相、W相に対応するステータコイルのそれぞれに一組の直列回路(アーム10L)が対応したブリッジ回路が構成される。各相の上段側スイッチング素子3Uのコレクタ端子は正極側電線4aに接続され、エミッタ端子は各相の下段側スイッチング素子3Lのコレクタ端子に接続される。また、各相の下段側スイッチング素子3Lのエミッタ端子は、負極側電線4bに接続される。対となる各相のスイッチング素子3による直列回路(アーム10L)の中間点、つまり、上段側スイッチング素子3Uと下段側スイッチング素子3Lとの接続点は、交流回転電機MGのステータコイルにそれぞれ接続される。
【0029】
なお、スイッチング素子3には、それぞれフリーホイールダイオード39(回生ダイオード)が並列に接続される。フリーホイールダイオード39は、カソード端子がスイッチング素子3のコレクタ端子に接続され、アノード端子がスイッチング素子3のエミッタ端子に接続される形で、各スイッチング素子3に対して並列に接続される。
【0030】
<平滑コンデンサ5>
平滑コンデンサ5は、正極側電線4aと負極側電線4bとの間に接続されており、正極側電線4aと負極側電線4bとの間の直流電圧(システム電圧Vdc)を平滑化する。
平滑コンデンサ5は、
図1に示すように、スイッチング素子3が備えられたインバータINの本体部と直流電源DCとの間に並列に設けられる。平滑コンデンサ5の正極端子は、正極側電線4aに接続され、負極端子は、負極側電線4bに接続される。
平滑コンデンサ5は、交流回転電機MGの消費電力の変動やスイッチング素子3のオンオフ動作に応じて変動する直流電圧を平滑化し安定化させる。平滑コンデンサ5の容量が大きいほど、平滑化作用が大きくなる。
【0031】
2.直流電源DCの構成
本実施形態では、直流電源DCは、バッテリなどの蓄電装置とされる。
なお、直流電源DCには、DC−DCコンバータが備えられていてもよい。DC−DCコンバータは、直流電圧を昇圧したり降圧したりする直流電力(直流電圧)の変換器である。DC−DCコンバータは、スイッチング素子やコイルなどから構成される。
【0032】
直流電源DCは、インバータINとの電気的な接続を切り離すことが可能なリレー9を備えている。リレー9は、直流電源DC(蓄電装置)とインバータINとの間の電気的な接続を、接続状態又は切断状態に切り替えることができるスイッチである。本実施形態では、リレー9には、電磁石により接点を物理的に動かして開閉する電磁リレーが用いられている。リレー9は、例えば、システム全体の電源のオンオフに連動して開閉される、システムメインリレー(SMR:system main relay)とされる。
【0033】
リレー9は、直流電源DC(蓄電装置)とインバータINと接続する電線4に設けられている。本実施形態では、リレー9は、正極側電線4aにおける、平滑コンデンサ5の接続部分8と直流電源DCとの間に設けられている。なお、リレー9は、負極側電線4bに設けられてもよく、或いは正極側電線4a及び負極側電線4bの双方に設けられてもよい。
【0034】
3.制御装置1の構成
制御装置1は、複数のスイッチング素子3の駆動を制御する。
制御装置1は、交流回転電機MGに電力を発電させる回生動作を行わせている場合における電流センサ6により検出された電流に基づいて、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させるか否かを判定するように構成されている。制御装置1は、停止させると判定した場合は、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させるように構成されている。
【0035】
本実施形態では、制御装置1は、駆動部20、駆動制御部30、及び遮断判定部40を備えている。
3−1.駆動部20
駆動部20は、複数のスイッチング素子3を駆動する。
駆動部20は、複数のスイッチング素子3のそれぞれに対応する複数の駆動回路を備えている。すなわち、駆動回路は、スイッチング素子3と同数設けられている。
各スイッチング素子3の制御端子であるゲート端子は、対応する駆動回路に接続されている。
各駆動回路は、駆動制御部30から伝達された、各スイッチング素子3のオン指令又はオフ指令に応じて、対応するスイッチング素子3に対してオン電圧信号又はオフ電圧信号を出力して、スイッチング素子3をオン状態又はオフ状態にさせる。
【0036】
駆動部20は、遮断判定部40から遮断信号SSが出力されている場合は、駆動制御部30からオン指令又はオフ指令が伝達されているかに関わらず、強制的に全ての駆動回路にオフ電圧信号を出力させて、全てのスイッチング素子3をオフ状態にさせる。
【0037】
3−2.駆動制御部30
駆動制御部30は、駆動部20に指令して、スイッチング素子3をオンオフ制御する。
駆動制御部30は、複数のスイッチング素子3(駆動回路)のそれぞれに対応する、オン指令又はオフ指令を駆動部20に伝達する。
駆動制御部30は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている。そして、駆動制御部30のROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、インバータIN及び交流回転電機MGを制御する機能部などが構成されている。
例えば、駆動制御部30は、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、駆動部20及びインバータINを介して交流回転電機MGを制御する各種機能部を備えている。
【0038】
<回生信号SGの出力>
駆動制御部30は、駆動部20を制御して交流回転電機MGに予め定められた判定電力以上の電力を発電させる回生動作を行わせている場合に、回生信号SGを出力するように構成されている。判定電力は、ゼロより大きい予め定められた値に設定される。
本実施形態では、判定電力は、後述する直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断されていない正常状態で、直流電源DCとインバータINとを接続する電線4を流れる電流が、電流判定部41において設定される電流判定閾値より大きい値になるような電力に設定される。例えば、判定電力は、1より大きい所定倍数(例えば2倍)を電流判定閾値に乗算した電流と、正常状態におけるシステム電圧Vdcと、を乗算した電力に設定される。
【0039】
本実施形態では、駆動制御部30は、交流回転電機MGに予め定められた判定電力以上の電力を発電させる回生動作を行わせている場合は、回生信号SGとして所定の高電圧(例えば1V)を出力し、それ以外の場合は、所定の低電圧(例えば0V)を出力することで、回生信号SG(所定の高電圧)を出力しないように構成されている。
【0040】
3−3.遮断判定部40
遮断判定部40は、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させるか否かを判定し、停止させると判定した場合は、駆動部20に対して、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させる信号である遮断信号SSを出力する。
本実施形態では、遮断判定部40は、停止させると判定した場合は、遮断信号SSとして所定の高電圧(例えば1V)を出力し、停止させないと判定した場合は、所定の低電圧(例えば0V)を出力することで、遮断信号SS(所定の高電圧)を出力しないように構成されている。
【0041】
<電流判定部41>
遮断判定部40は、駆動制御部30から回生信号SGが出力されている状態で、電流センサ6により検出された電流(絶対値)が、予め定められた電流判定閾値より小さくなった回生中電流低下状態であるか否かを判定する電流判定部41を備えている。
遮断判定部40は、電流判定部41の判定結果に基づいて、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させるか否かを判定するように構成されている。
電流判定閾値は、ゼロより大きい値に予め設定されている。
【0042】
本実施形態では、電流判定部41は、
図2に示すように、電流センサ6により検出された電流(絶対値)が電流判定閾値より小さい場合に低電流信号SLを出力する比較器42と、低電流信号SLと回生信号SGとの双方が入力された場合に、回生中電流低下状態であることを表す回生中電流低下信号SGLを出力する論理回路43と、を備えている。
【0043】
比較器42には、入力された2つの電圧又は電流信号を比較し、どちらが大きいかで出力信号が切り替わる素子(例えば、オペアンプ)が用いられる。
比較器42には、電流センサ6により検出された電流(絶対値)に比例する電圧信号SI(電流検出信号SIと称す)と、電流判定閾値に比例する電圧信号SIth(電流閾値信号SIthと称す)と、が入力される。そして、比較器42は、電流検出信号SIが電流閾値信号SIthより小さい場合に、低電流信号SLとして所定の高電圧(例えば1V)を出力し、電流検出信号SIが電流閾値信号SIthより大きい場合は、所定の低電圧(例えば0V)を出力することで、低電流信号SL(所定の高電圧)を出力しないように構成されている。
【0044】
図2に示すように、基準電圧Vref(例えば、5V)とグランドGNDとの間に、二つの抵抗器R1、R2が直列接続され、抵抗器R1と抵抗器R2との接続部の電圧が、電流閾値信号SIthとされる(SIth=R2/(R1+R2)×Vref)。電流判定閾値に対応する電圧(電流閾値信号SIth)が生成されるように、抵抗器R2の抵抗値と抵抗器R2の抵抗値とのバランスが予め調整されて各抵抗器R1、R2の抵抗値が設定されている。
或いは、電流閾値信号SIthは、駆動制御部30から出力された電圧信号とされてもよい。この場合は、駆動制御部30は、電流判定閾値に対応する電圧信号を出力する。
【0045】
論理回路43は、論理積回路とされている。論理回路43は、回生信号SG(所定の高電圧)が入力されており、且つ低電流信号SL(所定の高電圧)が入力されている場合に、回生中電流低下信号SGLとして所定の高電圧(例えば1V)を出力する。論理回路43は、それ以外の場合は、所定の低電圧(例えば0V)を出力することで、回生中電流低下信号SGL(所定の高電圧)を出力しないように構成されている。
【0046】
<電流センサ6>
図1に示すように、直流電源DCとインバータINとを接続する電線4には、当該電線4を流れる電流を検出する電流センサ6が備えられている。
本実施形態では、電流センサ6は、正極側又は負極側(ここでは正極側)の電線4における、平滑コンデンサ5との接続部分8よりも直流電源DC側に備えられている。
本実施形態では、電流センサ6は、電線4における、平滑コンデンサ5との接続部分8とリレー9との間に備えられている。
電流センサ6は、正極側電線4aにおける、インバータINの正極側の外部接続端子Pと、平滑コンデンサ5との接続部分8aと、の間に設けられている。ここで、正極側の外部接続端子P及び負極側の外部接続端子Nは、インバータINの外部接続端子であり、直流電源DCに接続される。
なお、電流センサ6は、負極側電線4bにおける、平滑コンデンサ5との接続部分8bよりも直流電源DC側に備えられてもよい。また、電流センサ6は、制御装置1を構成するものとしてもよいし、インバータINを構成するものとしてもよい。
【0047】
<電流判定部41の必要性>
交流回転電機MGに回生動作を行わせているときに、何らかの要因によりリレー9が閉状態から開状態になる故障が生じたり、直流電源DCとインバータINとを接続する電線4が断線したり、当該電線4を構成する一部の端子の接続が外れたりする等により、直流電源DCとインバータINとの電気的接続が予期せず切断される場合がある。
このように電気的接続が切断された後、交流回転電機MGに回生動作をさせると、回生発電により生じた電力が直流電源DCの蓄電装置に充電されないため、行き場のない電力が平滑コンデンサ5の両端に印加される。そのため、
図3のタイムチャートに示すように、時刻t11で直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断された後、正極側電線4aと負極側電線4bとの間のシステム電圧Vdcが、切断されていない正常状態の電圧から急速に上昇していく(時刻t11以降)。システム電圧Vdcが、スイッチング素子3の耐圧Vmxを超えるまで上昇すると、スイッチング素子3が破損するおそれがある。なお、交流回転電機MGに力行動作を行わせているときに、上記の切断が生じると、システム電圧Vdcは、低下するため、スイッチング素子3の耐圧Vmxを超えるおそれはない。
そのため、交流回転電機MGに回生動作を行わせている場合は、直流電源DCとインバータINとの電気的接続の切断を早期に検出して、交流回転電機MGの回生動作を停止させる必要がある。
交流回転電機MGの発電電力に応じて、切断時のシステム電圧Vdcの上昇速度が大きくなるので、特に、発電電力が大きい場合に、早期に切断を検出する必要性が高くなる。駆動制御部30における判定電力は、早期に切断を検出する必要性が高くなる発電電力の値に合わせて設定されてもよい。
【0048】
これに対して、システム電圧Vdcの上昇を観測することにより、交流回転電機MGの回生動作を停止させることが考えられる。
しかし、本実施形態とは異なり、システム電圧Vdcの上昇のみを観測することにより、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させるか否かを判定するように構成されている比較例の場合では以下の課題がある。すなわち、この比較例の場合は、直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断されてから、停止させると判定するまでの期間が長くなる。
これは、
図3に示すように、切断後のシステム電圧Vdcの上昇は、平滑コンデンサ5の平滑化効果により応答遅れを有するためである。すなわち、切断後、システム電圧Vdcが判定閾値に到達するまで(時刻t11から時刻t12)には、平滑コンデンサ5による応答遅れが生じるため、切断から停止判定されるまでの判定遅れ(時刻t11から時刻t12)が長くなる。そのため、システム電圧Vdcの上昇のみを観測する比較例の構成では、判定遅れの間におけるシステム電圧Vdcの上昇量が大きくなり、システム電圧Vdcがスイッチング素子3の耐圧Vmxに到達する可能性が高くなる。
【0049】
<電流判定部41による早期切断検出>
一方、電流センサ6により検出された電流には、システム電圧Vdcのような応答遅れが生じない。
特に、本実施形態では、電流センサ6は、正極側又は負極側の電線4における、平滑コンデンサ5との接続部分8よりも直流電源DC側に備えられているので、電流センサ6により検出された電流の応答遅れは小さくなる。
これは、直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断された後も、平滑コンデンサ5の平滑化効果により、スイッチング素子3側から平滑コンデンサ5に回生発電により生じた電流が流入する。この場合でも、電流センサ6は、平滑コンデンサ5の接続部よりも直流電源DC側の電線4に設けられているので、スイッチング素子3側から平滑コンデンサ5に流入する電流を検出しないようにできる。よって、直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断され、切断部において電流が流れなくなった場合に、電流センサ6により検出される電流も、それに応じて低下し、電流の遮断を応答遅れなく検出できる。
【0050】
本実施形態では、上記のように、遮断判定部40は、駆動制御部30から回生信号SGが出力されている状態で、電流センサ6により検出された電流(絶対値)が、予め定められた電流判定閾値より小さくなった回生中電流低下状態であるか否かを判定する電流判定部41を備えており、電流判定部41の判定結果に基づいて、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させるか否かを判定するように構成されている。
よって、本実施形態では、
図4のタイムチャートに示すように、システム電圧Vdcよりも切断後の応答遅れが小さい、電流センサ6により検出された電流に基づいて判定しているので、時刻21で直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断されてから、停止させると判定するまでの判定遅れ(時刻t21から時刻22)を、
図3に示したシステム電圧Vdcのみを用いて判定する場合よりも短くできる。
【0051】
<平滑コンデンサ5の容量低減>
また、本実施形態に係わる駆動部20では、遮断判定部40から遮断信号SSが出力されてから、実際に、駆動部20が、駆動制御部30の指令に応じた回生のためのスイッチング素子3のオンオフ駆動を停止して、全てのスイッチング素子3を強制的にオフ状態にさせるまでには、所定の停止遅れ時間(
図3における時刻t12から時刻t13、
図4における時刻t22から時刻t23)が生じる。そのため、遮断判定部40が遮断信号SSを出力した後も、全てのスイッチング素子3がオフ状態にされるまでは、システム電圧Vdcが上昇し続ける。
【0052】
この所定の停止遅れ時間の間に、システム電圧Vdcがスイッチング素子3の耐圧Vmxまで上昇しないようにするためには、平滑コンデンサ5の容量を増加させる方法がある。
システム電圧Vdcの上昇の応答遅れ(時定数)は、平滑コンデンサ5の容量に比例して大きくなる。よって、平滑コンデンサ5の容量を大きくすることで、同じ停止遅れ時間でも、システム電圧Vdcの上昇量を減少させ、スイッチング素子の耐圧に達しないようにすることができる。
しかし、平滑コンデンサ5の容量を、大きくすると、平滑コンデンサ5が大型化、高コスト化するという問題があった。
【0053】
上記したシステム電圧Vdcのみを観測する比較例では、判定遅れが長くなり、判定遅れの間におけるシステム電圧Vdcの上昇量が大きくなるので、スイッチング素子3の耐圧Vmxに達しないようにするために必要な平滑コンデンサ5の容量が大きくならざるを得ない。
【0054】
しかし、電流を観測する本実施形態では、判定遅れを短縮させることができるので、その分だけ、比較例に比べて平滑コンデンサ5の容量を小さくすることができる。これにより、本実施形態では、平滑コンデンサの小型化、軽量化や低コスト化を図ることができる。
【0055】
或いは、平滑コンデンサの容量を維持する場合には、スイッチング素子3の耐圧Vmxを低下させることができる。よって、スイッチング素子3の低コスト化を図ることができる。
【0056】
3−3−1.遮断判定部40の第一構成例
遮断判定部40の第一構成例について説明する。
遮断判定部40は、電流判定部41が回生中電流低下状態であると判定した場合に、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させると判定し、駆動部20に対して遮断信号SSを出力するように構成されている。
【0057】
本例では、
図2に示すように、遮断判定部40は、電流判定部41が出力した回生中電流低下信号SGLをそのまま遮断信号SSとして出力するように構成されている。
よって、
図4を用いて説明したように、第一構成例では、判定遅れを減少させることができ、判定遅れの間におけるシステム電圧Vdcの上昇量を減少させることができる。
【0058】
3−3−2.遮断判定部40の第二構成例
次に、遮断判定部40の第二構成例について説明する。
遮断判定部40は、直流電源DCとインバータINとを接続する正極側電線4aと負極側電線4bとの間の電圧であるシステム電圧Vdcが、予め定められた電圧判定閾値より大きくなった場合に、複数のスイッチング素子3の全ての駆動を停止させると判定し、駆動部20に対して遮断信号SSを出力する電圧判定部50を更に備えている。
そして、電圧判定部50は、電流判定部41が回生中電流低下状態であると判定している場合に、電流判定部41が回生中電流低下状態であると判定していない場合に比べて、電圧判定閾値を低い値とするように構成されている。
【0059】
本実施形態では、電圧判定部50は、
図5に示すように、電圧検出部7により検出されたシステム電圧Vdcが電圧判定閾値より大きい場合に遮断信号SSを出力する比較器52と、電流判定部41から回生中電流低下信号SGLが出力された場合に、回生中電流低下信号SGLが出力されていない場合に比べて、電圧判定閾値を低下させる出力切替器54と、を備えている。
すなわち、回生中電流低下状態と判定されている場合の電圧判定閾値は、回生中電流低下状態と判定されていない場合の電圧判定閾値より小さくされる。
【0060】
比較器52には、入力された2つの電圧又は電流信号を比較し、どちらが大きいかで出力信号が切り替わる素子(例えば、オペアンプ)が用いられる。
比較器52には、電圧検出部7により検出された、システム電圧Vdcに比例する電圧信号SV(電圧検出信号SVと称す)と、電圧判定閾値に比例する電圧信号SVth(電圧閾値信号SVthと称す)と、が入力される。そして、比較器52は、電圧検出信号SVが電圧閾値信号SVthより大きい場合に、遮断信号SSとして所定の高電圧(例えば1V)を出力し、電圧検出信号SVが電圧閾値信号SVthより小さい場合は、所定の低電圧(例えば0V)を出力することで、遮断信号SS(所定の高電圧)を出力しないように構成されている。
【0061】
出力切替器54は、基準電圧Vref(例えば、5V)とグランドGNDとの間に直列接続された、3つの抵抗器R3、R4、R5を備えており、抵抗器R3と抵抗器R4との接続部の電圧が、電圧閾値信号SVthとされる。また、出力切替器54は、スイッチング素子51を備えており、スイッチング素子51は、電流判定部41から回生中電流低下信号SGLが出力された場合に、抵抗器R4と抵抗器R5との接続部をグランドGNDに接続する。
よって、電流判定部41から回生中電流低下信号SGLが出力されている場合の電圧閾値信号SVthである第二電圧閾値信号SVthLは、抵抗器R3の抵抗値と抵抗器R4の抵抗値とのバランスにより定まる(SVthL=R4/(R3+R4)×Vref)。電流判定部41から回生中電流低下信号SGLが出力されていない場合の電圧閾値信号SVthである第一電圧閾値信号SVthHは、抵抗器R3の抵抗値と抵抗器R4及び抵抗器R5の抵抗値とのバランスにより定まる(SVthH=(R4+R5)/(R3+R4+R5)×Vref)。
【0062】
回生中電流低下状態と判定されていない場合の電圧閾値信号SVthである第一電圧閾値信号SVthHと、回生中電流低下状態と判定されている場合の電圧閾値信号SVthである第二電圧閾値信号SVthLが生成されるように、抵抗器R3の抵抗値と抵抗器R4の抵抗値と抵抗器R5の抵抗値とのバランスが予め調整されて各抵抗器R3、R4、R5の抵抗値が設定されている。
【0063】
電圧検出部7には、入力されたシステム電圧Vdcに比例する電圧検出信号SVを出力する、オペアンプ53を備えた差動増幅回路とされている。電圧検出信号SVは、システム電圧Vdcに応じて、基準電圧VrefとグランドGNDとの間で変化する。
【0064】
<タイムチャート>
第二構成例では、
図6のタイムチャートに示すように、時刻t31で直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断された後、電流判定部41が、電流センサ6の検出電流が電流判定閾値より小さくなり、回生中電流低下状態と判定した場合に(時刻t32)、電圧閾値信号SVthが、回生中電流低下状態と判定されていない場合の第一電圧閾値信号SVthHから、回生中電流低下状態と判定されている場合の第二電圧閾値信号SVthLに低下されている(時刻t32)。
電流低下の検出により、電圧閾値信号SVthが低下されたので、
図3に示した比較例の場合より、直流電源DCとインバータINとの電気的接続が切断されてから、全てのスイッチング素子3の駆動を停止させると判定されるまでの判定遅れ(時刻t31から時刻t33)を短くすることができている。従って、第二構成例でも、切断検出の早期化により、平滑コンデンサ5の容量を低減させることができたり、スイッチング素子3の耐圧Vmxを低下させることができたりする。
【0065】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0066】
(1)上記の実施形態においては、電流判定部41は、比較器42と論理回路43とにより構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、電流判定部41は、演算処理装置により構成され、電流判定部41の判定機能がソフトウェアにより構成されてもよい。
【0067】
(2)上記の実施形態においては、電圧判定部50は、比較器52と出力切替器54とにより構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、電圧判定部50は、演算処理装置により構成され、電圧判定部50の判定機能や判定閾値の切替機能がソフトウェアにより構成されてもよい。