特許第6183487号(P6183487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183487
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】発光装置とそれを用いた発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20170814BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20170814BHJP
【FI】
   H01L33/54
   H01L33/58
【請求項の数】17
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-34639(P2016-34639)
(22)【出願日】2016年2月25日
(65)【公開番号】特開2017-11257(P2017-11257A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2016年5月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-74227(P2015-74227)
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-131489(P2015-131489)
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(72)【発明者】
【氏名】有賀 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 善紀
(72)【発明者】
【氏名】山ノ井 拓也
(72)【発明者】
【氏名】岸川 大介
(72)【発明者】
【氏名】田中 善貴
【審査官】 大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−023219(JP,A)
【文献】 特開2009−158274(JP,A)
【文献】 特開2004−228143(JP,A)
【文献】 特開2013−254937(JP,A)
【文献】 特表2013−526075(JP,A)
【文献】 特開2014−099455(JP,A)
【文献】 特開2003−332634(JP,A)
【文献】 特開2006−114863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた発光素子と、
前記基板上で前記発光素子を被覆する透光性封止部材と、を有し、
前記透光性封止部材は、前記基板側から胴体部とレンズ部を有し、
前記基板と前記胴体部の外表面とがなす内角は、前記基板と前記レンズ部の端部の外表面とがなす内角よりも大きく、
前記レンズ部の外表面は、該外表面と前記レンズ部の光軸との交点である頂点と前記胴体部側の下端部との間において、前記頂点側及び前記下端部側よりも曲率半径が小さくなる領域を有する非球面からなり、
前記レンズ部の光軸方向の長さは、前記胴体部の光軸方向の長さより長く、
前記発光素子の発光面の最大幅をWmとしたとき、前記胴体部の径Diが、2.0≧Di/Wm≧1.4を満足するように設定されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記胴体部の径Diが、1.8≧Di/Wm≧1.5を満足するように設定されている請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記胴体部の前記レンズ部側の上端部は、前記光軸との角度が55°以上、65°以下である座標で表される範囲にある請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記レンズ部の外表面は、前記胴体部側の下端部と前記頂点の間の曲率半径が最小になる位置から前記下端部側及び前記頂点側に向かって曲率半径が大きくなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記レンズ部の外表面は、曲率半径が前記レンズ部の高さの2.8倍以上である平坦部を光軸の周りに含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記平坦部は、前記発光素子の発光面と前記胴体部の光軸との交点と前記平坦部の下端の任意の位置とを結ぶ直線と光軸とがなす角度が、15°以上、25°以下となるように設けられた請求項5記載の発光装置。
【請求項7】
前記胴体部は、円柱又は楕円柱である請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
前記胴体部は、逆円錐台又は逆楕円錐台である請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光素子は、紫外域の波長の光を出射する請求項1〜8のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項10】
放射角に対する光強度分布の半値全角が、70°以上、80°以下である請求項1〜9のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項11】
放射角60°以上の光強度が、放射角0°の光強度の2割以下である請求項1〜10のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項12】
放射角に対する光強度分布曲線における傾きの変化率が、放射角0°で極大値を有する請求項1〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項13】
前記レンズ部の光軸方向の長さは、前記胴体部の光軸方向の長さの1.1倍以上、1.5倍以下である請求項1〜12のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項14】
前記透光性封止部材の直径は、前記透光性封止部材の高さの1.1倍以上、1.4以下である請求項1〜13のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項15】
前記レンズ部の外表面において、曲率半径が最小になる位置は、前記発光素子の発光面と前記胴体部の光軸との交点と前記曲率半径が最小になる位置とを結ぶ直線と前記光軸とがなす角度が、15°以上、25°以下となる範囲に設定された請求項1〜14のうちのいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項16】
前記胴体部と前記レンズ部の間に連結部を含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1つに記載の前記発光装置が、ある一定の間隔で複数配置されてなる発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低消費電力、長寿命、高信頼性など多くの特長を有する発光ダイオード(LED)を用いた発光装置が種々の用途に幅広く用いられている。このような用途の拡大に伴い、それぞれの用途に応じた発光特性を有する発光装置が求められている。例えば、インクジェット記録装置において、インクを硬化させる光源に紫外線を出射する発光素子(LED)が用いられることがある(特許文献1)。このインクジェット記録装置は、主走査方向に移動しながら印刷対象であるメディアに対してインクヘッドからインクを射出するホルダと、ホルダと共に主走査方向に移動し、インクヘッドから射出したインクを硬化させる光を照射するランプと、を有する。
【0003】
特許文献1に記載されたインクジェット記録装置では、前記ランプとして複数のLEDが列状に配設された紫外線光源が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−51095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクジェット記録装置では、インクヘッドと紫外線光源とが比較的接近して配置されるために、光源からの光が、例えばメディア等で反射してインクヘッド方向に照射されることがあり、インクが硬化してしまうという課題があった。このような、インクヘッド方向、すなわち横方向に照射される光(以下、迷光と記載することがある)を抑えるために、インクジェット記録装置全体の構成を工夫したり、光源の構成を工夫したインクジェット記録装置が提案されたりしているが、全体の構成又は光源の構成が複雑になったり、迷光の抑制が不十分である場合がある。
また、インクジェット記録装置以外の用途であっても、不必要な方向に出射される光を抑制するために、用途に応じた配光特性が求められる場合がある。
【0006】
そこで、本発明の実施形態は、迷光の抑制が可能な配光特性を有する発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明の実施形態に係る発光装置は、基板と、前記基板上に設けられた発光素子と、前記基板上で前記発光素子を被覆する透光性封止部材と、を有し、前記透光性封止部材は、前記基板側から胴体部とレンズ部とを有し、前記基板と前記胴体部の外表面とがなす内角は、前記基板と前記レンズ部の前記下端部の外表面とがなす内角よりも大きく、前記レンズ部の外表面は、該外表面と前記光軸との交点である頂点と前記胴体部側の下端部との間において、前記頂点側及び前記下端部側よりも曲率半径が小さくなる領域を有する非球面からなり、前記レンズ部の光軸方向の長さは、前記胴体部の光軸方向の長さより長く、前記発光素子の発光面の最大幅をWmとしたとき、前記胴体部の径Diが、2.0≧Di/Wm≧1.4を満足するように設定されている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように構成された発光装置によれば、迷光の抑制が可能な配光特性を有する発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係る発光装置の構成を示す斜視図である。
図2】実施形態1に係る発光装置の透光性封止部材の平面図である。
図3】実施形態1に係る発光装置の透光性封止部材の断面図である。
図4】実施例1の発光装置と比較例1の発光装置の配光特性を示すグラフである。
図5】実施例1の発光装置において、透光性封止部材1の各部から出射される配光特性を示すグラフである。
図6A図3に示す胴体部と形状が異なる透光性封止部材の断面図である。
図6B図3に示す胴体部と形状が異なる透光性封止部材の断面図である。
図7A】本発明の実施形態2に係る発光装置の構成を示す斜視図である。
図7B図7Aに示す発光装置の側面図である。
図7C図7Aに示す発光装置の基板の平面図である。
図8A】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.1になるように、最大幅Wmを、2.73に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8B】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.2になるように、最大幅Wmを、2.5に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8C】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.3になるように、最大幅Wmを、2.31に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8D】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.4になるように、最大幅Wmを、2.12に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8E】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.6になるように、最大幅Wmを、1.88に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8F】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.7になるように、最大幅Wmを、1.76に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8G】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.8になるように、最大幅Wmを、1.67に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8H】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.9になるように、最大幅Wmを、1.58に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図8I】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が2.0になるように、最大幅Wmを、1.5に設定した。ときの配光特性を示すグラフである。
図8J】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が2.1になるように、最大幅Wmを、1.4に設定した。ときの配光特性を示すグラフである。
図8K】実施例2の発光装置において、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が3.1になるように、最大幅Wmを、0.85に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図9A】実施例3の発光装置において、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.5になるように、胴体部11の高さt11を、0.82に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図9B】実施例3の発光装置において、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.1になるように、胴体部11の高さt11を、1.12に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図9C】実施例3の発光装置において、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.0になるように、胴体部11の高さt11を、1.23に設定したときの配光特性を示すグラフである。
図10A】実施例4の発光装置において、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)が1.4になるように、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13を設定したときの配光特性を示すグラフである。
図10B】実施例4の発光装置において、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)が1.1になるように、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13を設定したときの配光特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光装置は、実施形態の技術的思想を具現化するためのものであって、本発明を、以下の具現化された形態に限定するものではない。特に、構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、単なる説明例であり、説明を明確にするために誇張していることがある。以下に記載される実施形態及び実施例は、各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
【0011】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る発光装置10の構造を示す斜視図である。図1に示されるように、発光装置10は、基板3と、基板3上に実装される発光素子2と、基板3上で発光素子2を直接被覆する透光性封止部材1とを有する。
そして、発光装置10において、
(1)透光性封止部材1が、基板3側から胴体部11と外表面が非球面であるレンズ部12とを有し、そのレンズ部12の光軸方向の長さが胴体部11の光軸方向の長さより長くなっており、
(2)発光素子2の発光面の最大幅をWmとしたとき、胴体部11の径Diが、2.0≧Di/Wm≧1.4を満足するように設定されている。
以上のように構成された発光装置10によれば、放射角に対する光強度分布の半値全角を小さくでき、例えば、インクジェット記録装置に使用される場合に、迷光の抑制が可能な発光装置を提供することが可能になる。
ここで、発光面の最大幅Wmとは、例えば、発光面が四角形である発光素子2では、発光面の対角間の長さをいい、発光面が円形である発光素子2では、発光面の直径をいい、発光面が楕円である発光素子2では、発光面の長径の長さをいう。
また、胴体部11の径Diは、胴体部11の基板3側の底面の径をいう。
なお、発光装置10は、必要に応じて保護素子4を含んでいてもよい。
以下、発光装置10の構成について詳細に説明する。
【0012】
実施形態1の基板3は、上面に第1電極31及び第2電極32を有する。第1電極31及び第2電極32は、正負の配線として機能する。発光素子2として、例えば、主に紫外域の波長の光(約200nm〜410nm)を出射する発光ダイオードを用いることができるが、これに限定されない。発光素子2は、例えば、発光面側の上面に正又は負の一方の電極を有し、その反対側の面上に設けられる他方の電極が、基板3の第1電極31上に導電性接着剤等で接続され、上面の正又は負の電極がワイヤーボンディングにより基板3の第2電極32と接続されてもよい。また、正負の電極が同一面上に設けられた発光素子を用いてフリップチップ実装してもよいし、電極が設けられる面と反対側の面を基板3上に実装し、正負の電極をワイヤーボンディングによって第1電極31と第2電極32とにそれぞれ接続してもかまわない。
保護素子4は、例えば、基板3の第1電極31と第2電極32との間に発光素子2と並列に接続することができる。
【0013】
(透光性封止部材1の構成)
透光性封止部材1は、基板3上で発光素子2を覆い、透光性封止部材1の光軸が発光素子2の発光部の中心に位置するように設けることができる。また、保護素子4を含む場合には、透光性封止部材1は、基板3上で発光素子2と保護素子4とを覆うように設けることができる。
【0014】
図2は、実施形態1に係る発光装置の透光性封止部材の平面図である。図3は、実施形態1に係る発光装置の透光性封止部材の断面図である。尚、図3は断面図であるが、図の明瞭化のためにハッチングは省略する。図4は、実施形態1に係る実施例1の発光装置と比較例1の発光装置の配光特性を示すグラフである。実施形態1の透光性封止部材1は、光軸方向に出射される光の相対強度が高くなるように、基板3側から胴体部11とレンズ部12とを含み、レンズ部12の外表面を非球面とし、レンズ部12の光軸方向の長さが胴体部11の光軸方向の長さより長くなっている(図3参照)。
【0015】
(レンズ部12の構成)
実施形態1において、レンズ部12の曲面形状は、主として、放射角が0°〜60°の範囲の配光特性を決定する。レンズ部12は、光軸との交点である頂点と胴体部11側の下端部との間において、頂点側及び下端部側よりも曲率半径Rが小さくなる領域を有する非球面の外表面を有する。具体的には、頂点と下端部の間で曲率半径Rが最小になる位置12aを有し、その位置12aから下端部側及び頂点側に近づくにつれて曲率半径Rが大きくなる非球面の外表面を有する。
【0016】
以下、レンズ部12の構成について具体的に説明する。尚、以下の説明において、レンズ部12及び胴体部11の外表面における位置は、発光素子2の発光面と透光性封止部材1の光軸との交点を原点(発光中心)とし、外表面上の任意の位置と原点とを結ぶ直線Lと光軸とがなす角度θにより示すものとする。また、発光素子2の配光分布の中心軸と発光素子の発光面とが交わる点を発光中心と呼ぶ。本実施形態において、好ましくは、発光素子2の配光分布の中心軸と透光性封止部材1の光軸とが一致するように発光素子2と透光性封止部材1とを配置する。
【0017】
実施形態1において、レンズ部12は、胴体部11側の下端部(レンズ部12と胴体部11との境界)と原点とを結ぶ直線Lと光軸とのなす角度θ(図3に示すθ3)が55°以上、65°以下の範囲に位置するように設けられることが好ましい。また、レンズ部12の外表面は、曲率半径が大きく実質的に平坦な平坦部121と、曲率半径が平坦部121より小さい曲面部とを有する。平坦部121は、レンズ部12の高さt12の2.8倍以上の曲率半径Rを有する実質的に平坦な面であり、図3に示すように、レンズ部12の頂点(光軸と外表面との交点)を含み、平坦部121と曲面部との境界と原点とを結ぶ直線Lと光軸とがなす角度θ1以下の部分である。また、曲面部は、直線Lと光軸とがなす角度θがθ1より大きい、平坦部121の外側に位置する外表面である。平坦部121と曲面部とを分ける境界は、直線Lと光軸とがなす角度θ1で示される外表面上の位置であり、その境界を規定する角度θ1は、15°≦θ1≦25°の範囲に設定することが好ましい。
【0018】
より具体的な一例を示せば、例えば、実施形態1のレンズ部12は、直線Lと光軸との角度θ3が60°以下である座標で表される範囲に設けられる。また、レンズ部12において、例えば、光軸からの角度θ1が19°以下である座標で表される範囲が、実質的に平坦な平坦部121となっている。実施形態1では、平面視で発光素子2に対応する領域を平坦部121とすることができる。
また、平坦部121は、レンズ部12の下端部の半径を1とした場合、相対値が0〜0.47で表される範囲に設けることができる。このような平坦部121は、上記相対値が0〜0.47で表される範囲において、発光素子2の上面からレンズ部12の頂点までの高さを1とした場合のサグ量zの相対値が、−0.0314以下となるように、外表面の形状を設定することにより構成できる。平坦部121は、完全に平坦な領域を含んでいても良い。なお、サグ量(sag)zとは、透光性封止部材1の頂点において光軸と直交する直線から、透光性封止部材1の外表面までの距離をいう。
【0019】
実施形態1では、透光性封止部材1が前述のような範囲にレンズ部12を有し、レンズ部12のうち光軸を中心とする一定の範囲に平坦部121を有することで、配光特性において放射角0°の光軸上でより効果的に光相対強度を高くできる。言い換えると、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)上に尖った頂部を有する尖形とすることができる。
【0020】
実施形態1では、レンズ部12の外表面は、曲面部において、曲率半径Rが最小になる位置12aを含む。この位置12aは、透光性封止部材1の光軸を含む縦断面において、一点で示される点であってもよいし、ある範囲にわたって同じ最少曲率半径を有する曲線で示される領域であってもよい。この曲率半径Rが最小になる位置12aと原点とを結ぶ直線Lと光軸との角度θ2は、35°≦θ2≦45°の範囲に設定することが好ましく、これにより、より効果的に光軸方向に集中して光が出射することが可能になる。
例えば、レンズ部12を、直線Lと光軸との角度θ3が60°以下である座標で表される範囲とし、レンズ部12において、光軸からの角度θ1が19°以下である座標で表される範囲が、実質的に平坦な平坦部121とした場合、曲率半径Rが最小になる位置12aは、例えば、直線Lと光軸との角度θ2が40°で表される位置に設定する。
【0021】
曲面部において、平坦部121の下端(平坦部121と曲面部との境界)から曲率半径Rが最小になる位置12aまでを第1領域122とし、位置12aからレンズ部12の下端(レンズ部12と胴体部11との境界)までを第2領域123とする。
第1領域122は、例えば、直線Lと光軸との角度θ2が19°≦θ2≦40°で表される範囲に設定できる。また、その場合、レンズ部12の下端部の半径を1とした場合、光軸からの距離の相対値が0.48〜0.72で表される範囲に設けることができ、発光素子2の上面からレンズ部12の頂点までの高さを1とした場合のサグ量zの相対値が、−0.0314より大きく、−0.277以下となるように、外表面の形状を設定することができる。
【0022】
また、第2領域123は、光軸からの角度θ3が40°<θ3≦60°以下である座標で表される範囲に設けることができる。
第2領域123は、レンズ部12の下端部の半径hを1とした場合、光軸からの距離の相対値が0.73〜1.0で表される範囲に設けることができ、発光素子2の上面からレンズ部12の頂点までの高さを1とした場合のサグ量zの相対値が、−0.277より大きく、−0.603となるように、外表面の形状を設定することができる。
【0023】
以上のように、レンズ部12の外表面は、縦断面において頂部から下端部側に、平坦部121、第1領域122、第2領域123、をこの順番に有する非球面の凸曲面形状となっている。曲率半径Rは、平坦部121及び第1領域122において、光軸との角度が大きい座標で表される位置ほど小さくなり、第2領域において、光軸との角度が大きい座標で表される位置ほど大きくなる。なお、曲率半径Rの変化量は、第1領域において最も大きく、平坦部及び第2領域における曲率半径Rの変化量は、第1領域の曲率半径Rの変化量に比べて小さい。このような構成とすることで、配光特性において、より効果的に放射角0°の光軸上でより効果的に光相対強度を高くできる。
【0024】
(胴体部11の構成)
胴体部11は、透光性封止部材1においてレンズ部12よりも基板3側に設けられる。実施形態1の胴体部11は、レンズ部12側の上端部が直線Lと光軸とのなす角度θが55°以上、65°以下の範囲に位置するように設けられることが好ましい。胴体部11は、その外表面と基板3の上面とがなす胴体部11の内角θ5(以下、胴体部11の内角θ5と記載することがある)が、レンズ部12の下端部の外表面と基板3の上面とがなすレンズ部の内角θ4(以下、レンズ部12の下端部の内角θ4と記載することがある)よりも大きくなるように構成される。したがって、実施形態1では、図3に示されるレンズ部12の下端部の接線よりも内側に傾斜するような胴体部11の外表面とすることができる。ここで、胴体部11の外表面は、基板3に対して垂直(90°)である場合も含む。尚、内角θ4は、光軸を含む断面において、レンズ部12の下端部表面の接線と基板3の上面とがなす角度として表すこともできる。
【0025】
前述のように規定される胴体部11の形状を具体的に説明すると、以下の3つに分けることができる。
(1)図3に示されるように、胴体部11の内角θ5がレンズ部12の下端部の内角θ4よりも大きく、基板3に対して垂直(90°)な外表面を有する胴体部11(すなわち、円柱形状又は楕円柱形状)、
(2)図6Aに示されるように、胴体部11の内角θ5がレンズ部12の下端部の内角θ4よりも大きく、かつ90°よりも小さくなる外表面を有する胴体部11(すなわち、円錐台形状又は楕円錐台形状)、
(3)図6Bに示されるように、胴体部11の内角θ5がレンズ部12の下端部の内角θ4よりも大きく、かつ90°よりも大きくなる外表面を有する胴体部11(すなわち、光軸からの距離が基板側ほど小さい逆傾斜、具体的には逆円錐台形状、逆楕円錐台形状)
【0026】
なお、実施形態1の胴体部11(円柱形状、楕円柱形状、(逆)円錐台形状及び(逆)楕円錐台形状)は、いずれも外表面が透光性封止部材1の光軸に直交する横断面において曲線であり、透光性封止部材1の光軸を含む縦断面において直線である。
【0027】
胴体部11は、主として、放射角が60°以上の放射角が大きい部分での配光特性を決定するものであり、胴体部11の内角θ5がレンズ部12の下端部の内角θ4よりも大きくなる外表面であるほど(すなわち、逆傾斜の外表面を有することで)、胴体部11の側面に入射する発光素子からの光の入射角が大きくなる。これにより、胴体部11の側面でより多くの光が反射されるようになり、放射角が大きい部分における光相対強度を特に低くすることができる。なお、胴体部11の形状は、円柱形状又は楕円柱形状であると好ましい。これにより、例えば、透光性封止部材1を金型で容易に成形することができる。
【0028】
なお、胴体部11の外表面は、縦断面において直線でなくてもよく、外表面が縦断面において曲線(例えば、外表面が外側に凸形状である変形円柱形状、変形楕円柱形状、変形(逆)円錐台形状及び変形(逆)楕円錐台形状等)の胴体部11であってもよい。また、胴体部11の外表面は、横断面において直線でもよく、例えば、胴体部11の形状は四角柱等の多角柱でもかまわない。
【0029】
実施形態1では、レンズ部12の光軸方向の高さt12は、胴体部11の光軸方向の高さt11の1.1倍以上、1.5倍以下とすることができ、より好ましくは、1.2倍以上、1.4倍以下とする。これにより、透光性封止部材1から取り出される光の取り出し効率を高く維持することができる。なお、胴体部11の光軸方向の高さt11は、被覆する発光素子2の高さよりも高いことが好ましい。そうすることで、放射角が大きい部分の光の相対強度を抑えることができる。
【0030】
以上、説明した胴体部11と、非球面で平坦部を有するレンズ部12とからなる透光性封止部材1を有する発光装置10は、図4に示されるように、放射角が0°のときに光強度分布曲線の傾きの変化率が極大値をとり、当該曲線において光軸上に尖った頂部が形成される。また、球面からなる透光性封止部材を有する比較例1の発光装置と比べ、放射角が大きい部分の光強度が抑えられた配光特性を有する。
【0031】
具体的には、放射角に対する光強度分布の半値全角を、70°以上、80°以下にでき、放射角60°以上の光強度を、放射角0°の光強度の2割以下にできる。したがって、実施形態1の発光装置10は、例えば、横方向に照射される迷光(すなわち、放射角が大きい部分に照射される光)の抑制が望まれるインクジェット記録装置等への使用に適した配光特性を有する。
【0032】
なお、実施形態1の発光装置10によれば、レンズ部12の外表面の非球面形状、胴体部11の外表面の基板3に対する傾斜(内角θ5)、レンズ部12の光軸方向の高さt12と胴体部11の光軸方向の高さt11の比率等を適宜変更することにより、要求に合わせて配光特性を適宜変更できる。
【0033】
また、以上のように構成された発光装置10を、ある一定の間隔で複数配置して発光モジュールを構成することができる。上記のような配光特性を有する発光装置10を用いる場合、例えば3.5mm〜8.0mm程度の一定の間隔で複数配置することで、メディア等の照射対象に対して均一に光を照射可能な発光モジュールを形成することができる。
【0034】
(連結部13、基部14、鍔部8)
実施形態1の発光装置10では、図3に示されるように、胴体部11とレンズ部12との間にさらに連結部13を含んでもよい。また、胴体部11の下端部と基板3との間に基部14を有してもよい。連結部13は、例えば胴体部11とレンズ部12と同様の横断面形状を有し、円錐台形状及び楕円錐台形状等に設けることができる。基部14は、基板3側に向かって横断面の面積が大きくなるように設けることができる。連結部13及び基部14は、主として、透光性封止部材1の金型成形を容易にするなど製造上の便宜のため設けられるものであり、胴体部11とレンズ部12とによって形成される配光特性を実質的に変化させないように形状が決定される。しかしながら、連結部13及び基部14は、胴体部11とレンズ部12とによって形成される配光特性よりさらに光軸方向に集中して光が出射されるように、又は胴体部11とレンズ部12とによって形成される配光特性を調整するように形状を決定してもよい。
発光装置10は、図2及び図3に示されるように、レンズ部12の基部14の下端側において、その外縁から外側に拡がった鍔部8を有していてもよい。鍔部8は、例えば、平面視で基板3と同様の矩形形状とすることができる。
【0035】
実施形態1の透光性封止部材1は、発光装置の配光特性を設定する基本機能の他に、発光素子2、ワイヤ5、第1電極31及び第2電極32、その他接合部などを封止して、埃や外力などから保護する機能も有する。これらの機能を果たすために、透光性封止部材1を構成する材料として、電気的絶縁性を有し、発光素子2から出射される光を透過する(好ましくは透過率70%以上)の材料を用いて形成することができる。具体的には、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂が挙げられる。ガラス等の無機材料を用いてもよい。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性や耐光性に優れ、固化後の体積収縮が少ないため好ましい。
【0036】
以下、実施形態1の発光装置10における透光性封止部材1以外の構成要素について説明する。
【0037】
(発光素子2)
発光素子2は、発光装置が仕様される用途に合わせて、半導体材料の選択やその混晶比を適宜設定することにより、紫外から赤外まで幅広い範囲で発光波長を選択することができる。例えば、インクジェット記録装置等に使用される発光装置の発光素子は、紫外域の光を発光するように構成される。そのため、例えば、短波長の光が発光可能な窒化物半導体(主として一般式InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表される)を用いることが好ましい。このほか、InAlGaAs系半導体、InAlGaP系半導体、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、炭化珪素などを用いることもできる。発光素子2の外形や寸法は種々選択できるが、実施形態1では、例えば、平面視1.0mm〜2.0mm角程度、厚み50μm〜400μm程度のLEDチップを用いることができる。
【0038】
(基板3)
基板3として、発光素子2に電流を供給可能な配線(実施形態1では、第1電極31及び第2電極32)と、配線を保持する絶縁性の母材とを有する配線基板を用いることができる。母材としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン又はこれらの混合物を含むセラミックス、ポリフタルアミドや液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ガラスエポキシ、ガラス、紙等が挙げられる。また、基材をポリイミドとし、可撓性の基板としてもよい。また、母材には、発光素子2からの光を効率良く反射させるために酸化チタンなどの白色顔料を配合してもよい。配線の材料としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はこれらの合金等を含む金属が挙げられる。配線の表面には、さらに金属等の被膜を有していてもよい。なお、基板3は配線のみで構成されていてもよい。基板3の外形は、平板形状、キャビティ形状等適宜選択でき、例えば、平面視3.5mm〜7.0mm角程度、厚み0.5〜3.0mm程度の平板形状のものを用いることができる。
【0039】
<実施例1>
実施例1として、図1に示す発光装置10を用いて配光特性のシミュレーションを行った。
実施例1では、平面視で1.4mm角、厚み0.3mm、発光ピーク波長約385nmの発光素子2が、銅を含む電極(配線)と母材であるアルミナセラミックスとからなる平板状の基板3(平面視3.5mm角、厚み0.4mm)にフリップチップ実装され、透光性封止部材1が基板3上で発光素子2を直接被覆するように設けられている。なお、透光性封止部材1は、光軸が発光素子2の発光部の中心(実施例1では平面視で発光素子2の中心)に位置するように配置される。本シミュレーションにおいて、発光素子2の上面全体が発光面であると仮定しており、ここでは、1.4mm角の発光素子2を用いている。したがって、発光面の最大幅Wmは、発光素子2の上面の対角かど間の距離(対角線の長さ)で与えられ、1.98mmである。
実施例1の透光性封止部材1において、レンズ部12の外表面(非球面形状)は、以下の式(1)により設定した。具体的には、レンズ部12の光軸を原点としたとき、レンズ部12の外表面上の位置が以下の式により決定される。ここで、zは高さ方向の座標(mm)であり、hは高さ方向に直交する方向の座標(mm)である。
【数1】

ここで、高次の非球面係数のうち、Aは、0.823421とし、より高次のB,C,D,・・・はゼロ(0)とした。また、円錐定数Kは、−0.8783894とし、曲率cは、−1.8227273とした。
【0040】
以上の式(1)により求めたz座標(mm)及びh座標(mm)を以下の表1に示す。また、表1には、レンズ部12の下端の半径を1としたときのh座標の相対値、発光素素子の発光中心とレンズ部の頂点間の距離を1としたときのとのz座標の相対値、h座標の相対値の変化量Δh及びz座標の相対値の変化量Δz(サグ量)、についても示している。
【0041】
【0042】
具体的には、透光性封止部材の光軸との角度θ3が60°以下である座標で表される範囲をレンズ部12とし、60°よりも大きく、90°以下である座標で表される範囲を胴体部11とした。
【0043】
レンズ部12の平坦部121は、光軸との角度θ1が0°≦θ<20である座標で表される範囲とした。実施例1では、光軸を中心とする直径1.4mmの範囲を平坦部とした。平坦部121におけるサグ量zは、−0.068以下となるように設定した。平坦部121の曲率半径Rは、例えば略2.44〜5.27(近似値3.65)とすることができる。
また、第1領域122を、光軸からの角度θ2が20°≦θ2≦40°である座標で表される範囲に設けた。実施例1では、平坦部121を除く、光軸を中心とする直径2.2mmの範囲を第1領域とした。第1領域122におけるサグ量zは、−0.068より大きく、−0.596以下となるように設定した。第1領域122の曲率半径Rは、例えば1.44〜2.44(近似値1.89)とすることができる。なお、光軸との角度が略40°である座標で表される範囲において、曲率半径Rが最小になる(例えば、曲率半径R=1.44)位置12aを有する構成とした。
また、光軸からの角度が40°<θ2≦60°である座標で表される範囲を、第2領域123とした。実施例1では、平坦部121及び第1領域122を除く、光軸を中心とする直径3.0mmの範囲を第2領域123とした。第2領域123におけるサグ量zは、−0.596より大きく、−1.30以下となるように設定した。第2領域123の曲率半径Rは、例えば1.44〜1.50(近似値1.49)とすることができる。基板3とレンズ部12(第2領域123)の下端部の外表面とがなす内角θ4は60°とした。なお、レンズ部12の下端部の半径は1.49である。
【0044】
実施例1の透光性封止部材1は、レンズ部12と胴体部11との間に連結部13を含む。連結部13はレンズ部12から基板3側に連なり、外表面が曲率半径R=0.75程度の変形円錐台形状とした。
【0045】
実施例1の胴体部11は、レンズ部12、連結部13から基板側3に連なり、半径1.5mmの円柱形状(基板3と胴体部11の外表面とがなす内角θ5が90°)である。
【0046】
なお、実施例1の透光性封止部材1の光軸方向の高さは2.42mmであり、レンズ部12の光軸方向の高さt12は1.3mm、連結部13の光軸方向の高さは0.12mm、胴体部11の光軸方向の高さt11は1.0mmとした。
【0047】
比較例1として、実施例1の透光性封止部材1に代えて、半球面(半径1.5mm、高さ1.8mm(発光素子の上面中心からレンズ部頂点までの高さ1.5mm)、曲率半径R=1.5)からなる透光性封止部材を用いた発光装置の配光特性のシミュレーションを行った。
【0048】
それらの結果を図4に示す。図4に示されるように、光軸との成す角度(放射角)が0°以外の部分において、実施例1の発光装置10の光強度は、比較例1の発光装置の光強度よりも小さくなることが確認できた。より具体的には、実施例1の発光装置の光強度分布曲線では光軸上に尖った頂部が形成され、放射角に対する光強度分布の半値全角が70°以上、80°以下となり、特に放射角60°以上の光強度が放射角0°の光強度の2割以下に抑えられた。
【0049】
図5は、実施例1の発光装置において、透光性封止部材1の各部から出射される配光特性を示すグラフである。図5に示されるように、X1で示す線はレンズ部12の平坦部から出射される光の配光特性であり、X2で示す線はレンズ部12における平坦部を除いた部分から出射される光の配光特性であり、X3で示す線は、胴体部11の外表面から出射される光の配光特性を示している。図5に示されるように、放射角が0°〜60°の配光特性は、主としてレンズ部12の非球面からなる外表面により決定されることが確認できた。また、胴体部11の外表面から放射角が60°以上の光が出射されるが、その出射される光の強度は、図4の比較例1に示した配光特性と比較すると明らかなように、胴体部11の外表面から出射される光の強度は大幅に抑制されることが確認できた。
【0050】
実施例2
実施例2では、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)により配光特性がどのように変化するか確認するために、比(Di/Wm)を変えてそれぞれの比(Di/Wm)における配光特性をシミュレーションにより求めた。具体的には、実施例1のシミュレーションに用いたパラメータから発光面の最大幅Wmのみを変更してシミュレーションを行った。
【0051】
シミュレーション2a
シミュレーション2aでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.1になるように、最大幅Wmを、2.73に設定した。得られた配光特性を図8Aに示す。
【0052】
シミュレーション2b
シミュレーション2bでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.2になるように、最大幅Wmを、2.5に設定した。得られた配光特性を図8Bに示す。
【0053】
シミュレーション2c
シミュレーション2cでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.3になるように、最大幅Wmを、2.31に設定した。得られた配光特性を図8Cに示す。
【0054】
シミュレーション2d
シミュレーション2dでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.4になるように、最大幅Wmを、2.12に設定した。得られた配光特性を図8Dに示す。
【0055】
シミュレーション2e
シミュレーション2eでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.6になるように、最大幅Wmを、1.88に設定した。得られた配光特性を図8Eに示す。
【0056】
シミュレーション2f
シミュレーション2fでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.7になるように、最大幅Wmを、1.76に設定した。得られた配光特性を図8Fに示す。
【0057】
シミュレーション2g
シミュレーション2gでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.8になるように、最大幅Wmを、1.67に設定した。得られた配光特性を図8Gに示す。
【0058】
シミュレーション2h
シミュレーション2hでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が1.9になるように、最大幅Wmを、1.58に設定した。得られた配光特性を図8Hに示す。
【0059】
シミュレーション2i
シミュレーション2iでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が2.0になるように、最大幅Wmを、1.5に設定した。得られた配光特性を図8Iに示す。
【0060】
シミュレーション2j
シミュレーション2jでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が2.1になるように、最大幅Wmを、1.4に設定した。得られた配光特性を図8Jに示す。
【0061】
シミュレーション2k
シミュレーション2kでは、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)が3.1になるように、最大幅Wmを、0.85に設定した。得られた配光特性を図8Kに示す。
【0062】
以上のシミュレーションの結果、以下のことが確認された。
(1)発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、1.1以上に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度を、実施例1で示した比較例より低くできる。
(2)発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、1.3以上、2.0以下に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度と放射角度±30°における光相対強度を共に、実施例1で示した比較例より低くできる。
(3)発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、1.4以上、1.8以下に設定することにより、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)上に尖った頂部を有する尖形とすることができる。
【0063】
以上のシミュレーションにより、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、2.0≧Di/Wm≧1.3を満足するように設定することが好ましく、1.8≧Di/Wm≧1.4を満足するように設定することがより好ましいことが確認された。また、発光素子2の発光面の最大幅Wmと胴体部の径Diの比(Di/Wm)を、1.8≧Di/Wm≧1.5を満足するように設定すると、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)頂部を鋭角の尖形にでき、さらに放射角度±60°における光相対強度と放射角度±30°における光相対強度を共により低くできる。
【0064】
実施例3
実施例3では、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)により配光特性がどのように変化するか確認するために、比(t12/t11)を変えてそれぞれの比(t12/t11)について配光特性をシミュレーションにより求めた。具体的には、実施例1のシミュレーションに用いたパラメータから胴体部11の高さt11のみを変更してシミュレーションを行った。
【0065】
シミュレーション3a
シミュレーション3aでは、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.5になるように、胴体部11の高さt11を、0.82に設定した。得られた配光特性を図9Aに示す。
【0066】
シミュレーション3b
シミュレーション3bでは、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.1になるように、胴体部11の高さt11を、1.12に設定した。得られた配光特性を図9Bに示す。
【0067】
シミュレーション3c
シミュレーション3cでは、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)が1.0になるように、胴体部11の高さt11を、1.23に設定した。得られた配光特性を図9Cに示す。
【0068】
以上のシミュレーションの結果、以下のことが確認された。
(1)胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)を、1.0以上に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度及び放射角度±30°における光相対強度を、実施例1で示した比較例より低くできる。
(2)胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)を、1.0以上に設定することにより、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)上に尖った頂部を有する尖形とすることができる。
また、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)を、1.1以上、1.5以下に設定すると、放射角度±60°における光相対強度と放射角度±30°における光相対強度を共により低くできる。
【0069】
実施例4
実施例4では、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)により配光特性がどのように変化するか確認するために、比(Di/t1)を変えてそれぞれの比(Di/t1)について配光特性をシミュレーションにより求めた。具体的には、実施例1のシミュレーションに用いたパラメータから透光性封止部材1の高さt1を変更してシミュレーションを行った。透光性封止部材1の高さt1は、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13の合計である。実施例4のシミュレーションにおいて、連結部13の高さt13は、0.12mmとし、胴体部11の高さt11とレンズ部12の高さt12の比(t12/t11)は、1.3になるようにした。
【0070】
シミュレーション4a
シミュレーション4aでは、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)が1.4になるように、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13を設定した。得られた配光特性を図10Aに示す。
【0071】
シミュレーション4b
シミュレーション4bでは、透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)が1.1になるように、胴体部11の高さt11、レンズ部12の高さt12及び連結部13の高さt13を設定した。得られた配光特性を図10Bに示す。
【0072】
以上のシミュレーションの結果、以下のことが確認された。
(1)透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)を、1.1以上に設定することにより、放射角度±60°における光相対強度及び放射角度±30°における光相対強度を、実施例1で示した比較例より低くできる。
(2)透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)を、1.1以上に設定することにより、光強度分布曲線を放射角0°(光軸)上に尖った頂部を有する尖形とすることができる。
(3)透光性封止部材1の高さt1と胴体部11の径Diの比(Di/t1)を、1.4を越えると、+30°〜+60°の放射角度における光相対強度及び−30°〜−60°の放射角度における光相対強度が大きくなる傾向がある。
【0073】
以上のことから、透光性封止部材1の直径(胴体部11の径Di)は、透光性封止部材1の高さの1.1倍以上、1.4以下であることが好ましい。
【0074】
<実施形態2>
図7Aは、本発明の実施形態2に係る発光装置20の構成を示す斜視図である。図7Bは、図7Aに示す発光装置20の側面図である。実施形態2の発光装置20は、主に、基板及び透光性封止部材の構成が実施形態1の発光装置10と異なる。具体的には、側壁7を有する基板3aを用い、該側壁7に、実施形態1で示した透光性封止部材1の胴体部11の側面がもつ反射・導光機能をもたせる。すなわち、基板3aの側壁7と、胴体部11を含まない形態の透光性封止部材1a(すなわち、実施形態1のレンズ部12に対応)とによって、放射角の大きい部分における光相対強度を低くして、迷光を抑制可能な配光特性を有する発光装置20を形成するものである。
その他の構成については、実施形態1の発光装置10の構成を適宜適用することができ、詳細な説明は省略する場合がある。
【0075】
実施形態2の発光装置20は、図7Aに示されるように、側壁7で囲まれた凹部6を有する基板3aと、凹部6の底面上(すなわち、凹部6の底面を形成する基板3a上)に接合される発光素子2aと、側壁7の上面に接合されて凹部6の開口を封止する透光性封止部材1aと、を有する。
【0076】
図7Cは、図7Aに示す発光装置20の基板3aの平面図である。実施形態2では、同一面上に正負の電極を有する発光素子2aを、導電性又は非導電性の接着剤によって凹部6の底面の配線(アノード電極31a及び/又はカソード電極32a)上に実装し、適宜発光素子2aの電極と配線とを導電性ワイヤ5で電気的に接続することができる。実施形態2では、平面視で、発光素子2aの発光部の中心が、凹部6の底面の中心にくるように配置される。
なお、発光素子2aは、実施形態1と同様に上下に電極を有するものを用いてもよいし、正負の電極が同一面上に設けられた発光素子を用いてフリップチップ実装してもよい。また、正負の電極が同一面上に設けられた発光素子を用い、電極を有する面と反対側の面を配線上に実装し、導電性ワイヤによって発光素子2aの電極と配線とを接続してもかまわない。発光素子2aの発光波長は、適宜所望の波長を選択することができる。また、発光素子2aの大きさや形状も特に限定されず、例えば、平面視が矩形で1.4mm角、厚み0.3mmのものを用いることができる。その他、六角形の発光素子を用いてもかまわない。なお、凹部6の底面上には、発光素子2aの他に保護素子が配置されていてもよい。
【0077】
実施形態2では、側壁7は、発光素子2aの上面よりも高い位置まで設けられる。また、実施形態2の側壁7の内面は、凹部6の底面とのなす角度が、90°以上となるように設けられることが好ましい。これにより、発光素子2aから出射された光を効率的にレンズ部212方向へ反射・導光させることができ、光の取り出しを向上させることができる。
【0078】
実施形態2では、側壁7の厚みは0.5mmとすることができる。そうすることで、発光素子2aからの光が側方へ透過することを抑え、上方(レンズ部212方向)へ効率よく導光させることができる。基板3a(側壁7)は、例えば平面視で3.5mm×2.83mmの矩形状とすることができるが、これに限らない。基板3aの材料としては、実施形態1と同様のものを用いることができ、耐光性の観点から、特に窒化アルミ二ウム等のセラミックスを用いることが好ましい。
【0079】
実施形態2では、透光性封止部材1aが基板3aの側壁7の上面に接合されて、凹部6を覆う。透光性封止部材1aは、使用環境を考慮して、凹部6の開口部を封止するように、側壁7の上面全体に接合されていてもよく、これにより凹部6内への水分等の浸入を防ぐことができ、発光素子2aの劣化を抑制することができる。透光性封止部材1aは、その光軸が発光素子2aの発光部の中心に位置するように、側壁7上に配置されることが好ましい。
実施形態2では、特に、紫外域の波長の光を出射する発光素子2aを用いるような場合、透光性封止部材1aの材料として前述のような樹脂材料の他、ガラス等の無機材料を好適に用いることができる。そうすることで、透光性封止部材1aの劣化を抑制することができる。なお、実施形態2では、凹部6内が空隙になっているが、適宜、樹脂や波長変換部材等の部材を設けてもよい。
【0080】
実施形態2の透光性封止部材1aは、非球面からなる外表面を有するレンズ部212を有する。実施形態2では、レンズ部212は、光軸との交点である頂点と基板3a側の下端部との間において、頂点側及び下端部側よりも曲率半径が小さくなる領域を有する非球面のレンズ形状とすることができる。具体的な形状については、実施形態1の透光性封止部材1のレンズ部12と同様の形状とすることができるので、詳細な説明は省略する。
このような形状のレンズ部212を、発光素子2aから出射した光と、発光素子2aから出射し、基板3aの側壁7で透光性封止部材1a方向に反射・導光された光と、が通過して発光装置20の外部へ取り出されることで、例えば半球面形状や平板形状の透光性封止部材を用いる場合と比べて、狭配光な発光装置20とすることができる。すなわち、実施形態1では、透光性封止部材1の胴体部11とレンズ部12とによって、迷光を抑制した配光特性を有する発光装置10が形成されたが、実施形態2では、基板3aの側壁7を実施形態1の胴体部11として作用させることで、該側壁7とレンズ部212とよって、迷光を抑制した配光特性を有する発光装置20を形成することができる。例えば、放射角に対する光強度分布の半値全角が、60°以上、70°以下となるような発光装置20を形成することができる。なお、上記のような配光特性を有する発光装置20を複数配置した発光モジュールは、メディア等の照射対象に対して均一な光を照射可能であり、色ムラを抑制することができる。
【0081】
実施形態2の透光性封止部材1aは、レンズ部212の基部14の下端側において、その外縁から外側に拡がった鍔部8を有する。鍔部8は、例えば、平面視で基板3aと同様の矩形形状を有する。実施形態2では、透光性封止部材1aは、鍔部8の外周部分(端面)が基板3aの側壁7の上面上に位置するように、例えば、4つの角部で接着剤50により基板3a(側壁7)に固定される。実施形態2では、鍔部8の外周部分の全体が側壁7の上面に接合されていてもよい。そうすることで、透光性封止部材1aは、凹部6を隙間なく封止することができる。鍔部8は、平面視で、凹部6の開口形状(側壁7の上面内縁形状)と略同じ又はよりも大きい相似形状であると好ましい。これにより、例えば凹部6の開口形状と透光性封止部材1aのレンズ212の外縁形状とが異なる場合でも、透光性封止部材1aによって凹部6を封止しやすい。
【0082】
透光性封止部材1aと基板3a(側壁7の上面)とを接合する接着剤50としては、前述の樹脂材料、Au−Sn等の半田等を用いることができる。特に、材料コストの観点から、シリコーン樹脂が好ましい。接着剤50は、例えば、対向する位置に複数(すなわち、対向する辺どうしや角部付近に)設けることで、透光性封止部材1aと基板3aとを安定的に接合することができる。なお、接着剤は、側壁7の上面の全域に設けてもよい。なお、接着剤を用いずに、例えば溶接・溶着等の方法で、透光性封止部材1aと基板3aとを接合してもかまわない。
【0083】
実施形態2では、例えば、凹部6の底面から側壁7の上面までの高さを0.6mmとすると、透光性封止部材1aの高さ(厚み)は1.8mm程度とすることができる。また、このとき、レンズ部212の厚みは1.45mm、鍔部8の厚みは0.35mm程度とすることができる。これにより、例えば、放射角に対する光強度分布の半値全角が、60°以上、70°以下となるような狭配光な発光装置20を形成することができる。
【0084】
実施形態2では、図7A図7Cに示すように、配線として凹部6の底面の中央部に正方形のアノード電極31aが設けられ、そのアノード電極31aを取り囲むようにカソード電極32aが設けられ、さらに1つの角部にアノード電極31a及びカソード電極32aから分離されたアノード電極31bが設けられている。
また、実施形態2では、図7Cに示されるように、発光装置20を実装する際、例えば、発光装置20の実装方向を識別するための識別マークを形成している。具体的には、開口部の形状が略矩形である凹部6において、4つの角部のうち3つをR面、1つをC面として、C面の部分を識別マークC1とすることができる。
【0085】
また、側壁7の上面にパターンを形成することで、識別マークC2,C3を形成している。具体的には、図7Cに示されるように、側壁7の上面に、凹部6の底面のカソード電極32aの外周に沿ってコの字型(すなわち、アルファベットのC)パターンを形成して識別マークC2とし、保護素子が載置されるアノード電極31bの外周に沿ってL字型の識別マークC3を形成することができる。このように、側壁7の上面にパターンを設けて識別マークとすることで、レンズ部212や鍔部8の外縁により、識別マークが認識しにくくなることを防止することができる。
パターンは、例えば、鍍金等で形成することができる。特に、パターンをAu等で設けることで、透光性封止部材1aを、半田等の接着剤を用いて側壁7上に接合する際に、接合性を高めることができる。
【0086】
なお、実施形態2では、透光性封止部材1aのレンズ部212の外表面を、光軸との交点である頂点と基板3a側の下端部との間において、頂点側及び下端部側よりも曲率半径が小さくなる領域を有する非球面としたが、これに限らない。例えば、レンズ部212の外表面は、光軸との交点である頂点と基板3a側の下端部との間において、曲率半径が小さくなる領域を有する非球面であってもよい。そうすることで、迷光を抑制した狭配光な配光特性を有する発光装置20を形成することができる。
【符号の説明】
【0087】
1,1a 透光性封止部材
2,2a 発光素子
3,3a 基板
4 保護素子
5 ワイヤ
10,20 発光装置
11 胴体部
12,212 レンズ部
121 平坦部
122 第1領域
123 第2領域
13 連結部
14 基部
31 第1電極
32 第2電極
6 凹部
7 側壁
8 鍔部
C1,C2,C3 識別マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図8K
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B