(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記寸法設定手段は、前記切欠部検出手段により検出された前記検知走査線上先端部と前記切欠一端部と前記切欠他端部との内の何れか2端部の位置に基づく予め決められた対応表により設定することを特徴とする請求項1または2記載の印面製版装置。
前記切欠部検出手段により検出された前記切欠他端部の位置に基づいて前記印面材に対する印面製版を開始する製版開始手段を更に有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の印面製版装置。
前記寸法設定工程は、前記切欠部検出工程により検出された前記検知走査線上先端部と前記切欠一端部と前記切欠他端部との内の何れか2端部の位置に基づく予め決められた対応表により設定することを特徴とする請求項6または7記載の印面材寸法検出方法。
前記切欠部検出工程により検出された前記切欠他端部の位置に基づいて前記印面材に対する印面製版を開始する製版開始工程を更に含む、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか記載の印面材寸法検出方法。
前記媒体ホルダの前記側端部に対応する位置に光学センサが配置されており、当該光学センサにより前記媒体ホルダの形状の検出を行うことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか記載の印面材寸法検出方法。
前記切欠部は、前記切欠部の位置または/および大きさを変更可能とする複数の切り取り線のうちの任意の線に沿って切り取られることによって形成された部位であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか記載の媒体ホルダ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る媒体ホルダの印面材の寸法を検出し適正な製版を行う製版用サーマルプリンタ(以下、単にプリンタという)のシステム構成のブロック図である。
【0015】
図1に示すように、プリンタ1は、中央制御回路2を備え、中央制御回路2には、センサ3、サーマルヘッド4、電源回路5、モータードライバ6、表示画面制御回路7、メモリ制御回路8、UI(ユーザインターフェイス)制御回路9、USB制御回路10、Bluetooth(登録商標)モジュール・無線LANモジュール11を有している。
【0016】
また、モータードライバ6にはステッピングモーター12が接続され、表示画面制御回路7には表示デバイス13が接続され、USB制御回路10には、PC(パーソナルコンピュータ)14が接続されている。
【0017】
なお、センサ3は、本例の場合、反射型光学センサで構成されている。また、表示デバイス13、表示画面制御回路7、UI制御回路9、USB通信制御回路11、又はBluetooth(登録商標)モジュール・無線LANモジュール11等は、必ずしも全てが必要な訳ではない。
【0018】
図1において、中央制御回路2は、システム全体の制御を行っている。なお、この図では各回路のほとんどは中央制御回路2とのみ接続されているが、バスを通じて各回路同士がデータ通信を行うことももちろん可能である。中央制御回路2は、CPU(central processing unit)を含む回路であり、当該CPUが必要に応じてコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、後述する○○手段(例えば、搬送量検出手段、寸法設定手段、寸法判定手段、位置検出手段、など)を実現する。
【0019】
メモリ制御回路8は、ROM(read only memory)やRAM(Random Access Memory)等のデバイスを含み、それらの制御を行っている。表示デバイス13は、例えばLCD(liquid crystal display)等の表示装置を指し、表示画像制御回路7では、表示デバイス13へのデータ転送等やバックライトの点灯、消灯等の制御をしている。
また、後述する各種の対応表(対応テーブル)は、ROM等に格納されており、必要に応じてRAMに書き込まれて参照され、利用される。この印面製版装置は、パソコン側にドライバソフトをインストールし、USB接続などにより連携して動作するものである。したがって、対応表を印面製版装置側に置かずに、パソコン側に置くことも可能である。
【0020】
例えば、PC14と接続または無線接続が必須の機種の場合は、ユーザは、PC14又は不図示の携帯電話端末等のGUI(Graphical User Interface)上で操作を実施するため、ハードウェア側において表示画面制御回路7と表示デバイス13は必須ではない。
【0021】
UI制御回路9は、キーボードやマウス、リモコンやボタン、タッチパネル等の入力デバイスから入力された情報をもとに、メニュー画面表示等の制御を行う。電源回路5は、電源IC(integrated circuit)等からなり、各回路に必要な電源を作り出して供給している。
【0022】
サーマルヘッド4、中央制御回路2から出力されたデータと印刷信号を受け取り、ヘッド内部のドライバICにて通電ドットの制御を行い、ヘッドに接している多孔質エチレン酢酸ビニル・コポリマー(以下、EVA)などの印面材に対して印刷(製版又は印字、以下同様)を行う。
【0023】
なお、本システムの構成例では、中央制御回路2から他の回路が受け取るのはデータと信号のみであり、印刷に必要な電力は電源回路5から得ている。因みに、本例の装置では、サーマルヘッド4は、200ドット/25.4mmの解像度で48mmの有効印字幅を有している。
【0024】
モータードライバ6は、ステッピングモーター12を駆動する駆動回路であり、中央制御回路2から出力される信号を受け取り、駆動用のパルス信号及び電力をステッピングモーター12に供給する。なお、中央制御回路2から受け取るのは励磁信号のみで、実際の駆動電力は電源回路5から得ている。
【0025】
中央制御回路2は、モータードライバ6に出力した信号のパルス数を数えることによりステッピングモーター12をどれだけ回転させたか、つまり印字媒体(本例では後述する媒体ホルダ)を何mm搬送したかを正確に把握することが出来る。
【0026】
なお、本例におけるプリンタ1は、1−2相励磁駆動を採用しており、ギア比は1ライン(0.125mm)当たり16ステップとなるように構成されている。すなわち、1ステップで、0.0078mmの搬送を行う。
【0027】
図2は、上記プリンタ1を媒体ホルダと共に示す外観斜視図である。
図2では、プリンタ1の印字媒体挿入口(製版挿入部)15に媒体ホルダ16が挿入され、その先端16aが排出口17から外部に出ている状態を示している。16には印面材18が保持されている。
【0028】
図3(a)は、
図2(a)の平面図であり、
図3(b)は
図3(a)の側断面図である。
図3(a),(b)は、プリンタ1の印字媒体挿入口15に媒体ホルダ16が挿入された直後の状態を示している。媒体ホルダ16の先端16aは、センサ3の配設位置近傍まで挿入されている。その搬送路の前方にはサーマルヘッド4と、プラテンローラ19が配設されている。
【0029】
図4(a)は、印面材18を保持する媒体ホルダ16の平面図、
図4(b)は、そのA−A´断面矢視図、
図4(c)は
図4(a)の背面図である。
【0030】
図4(a),(b)に示すように、媒体ホルダ16は、印面材18を位置固定して保持している。なお、
図4(a)に示す矢印aは、プリンタ1における媒体ホルダ16の搬送方向を示している。
【0031】
この媒体ホルダ16は、コートボールから成る2枚の厚板紙21(上部厚板紙21a、下部厚板紙21b)を貼り合わせて構成されている。この媒体ホルダ16の一方(
図4(a)では右方)の側部のセンサ3が検出する位置に合わせて切欠部22が形成されている(
図3(a)も参照)。
【0032】
プリンタ1は、この切欠部22を、一点鎖線で示す検知走査線23に沿って、センサ3を用いて検出することにより、詳しくは後述するが、印面材18の縦横の寸法と、印字(製版、以下同様)開始位置を識別する。
【0033】
上部厚板紙21aには、印面材18を位置固定するための位置決め孔24が設けられている。この位置決め孔24に、印面材18が下部を嵌め込まれて位置固定されている。
【0034】
ここで、印面材18の上面は、上部厚板紙21aの上面よりも若干突出するように構成されている。本例において、印面材18の厚さは1.5mmであるが、これに対する上部厚板紙21aの厚さは、0.79mmとして設計されている。
【0035】
これは、サーマルヘッド4が、印面材18のEVAを若干潰しながら熱処理(印字、製版)することで、安定した製版制御を可能とするためである。
【0036】
下部厚板紙21bは、上部厚板紙21aと外形が同一に形成され、内部全面が平面に形成されている。下部厚板紙21bと上部厚板紙21aとは貼り合せにより一体化され、下部厚板紙21bは、印面材18の下面に接して印面材18を下から保持している。
【0037】
この下部厚板紙22bには、
図4(c)に示すように、
図4(a)に示す位置決め孔24に沿って、ミシン目25が入れられている。ミシン目25の上部は、左右が下部厚板紙22bの両側端部まで延びるミシン目25aを形成している。
【0038】
この媒体ホルダ16に保持される印面材18は、インクが含浸可能な多孔質のスポンジ体で構成されている。このスポンジ体の素材としては、例えばエチレン酢酸ビニル・コポリマーが用いられている。
【0039】
そして、
図4(b)に示すように、上部厚板紙21aの表面と、上部厚板紙21aの位置決め孔24から外部に露出する印面材18の表面と側面は、フィルム26により被覆されている。
【0040】
フィルム26は、PET(Polyethylene Terephthalate)またはポリイミド等を基材として作られており、耐熱性・熱伝導性・表面平滑性を有するものを用いる。耐熱性に関しては、印面材18の溶融点よりも高い温度に耐熱性を有するものを用いる。
【0041】
図5は、
図4(b)において破線丸bで囲んだ部分の拡大図である。
図5に示すように、上部厚板紙21aと下部厚板紙21bは、両面接着シート27bにより接着されている。
【0042】
また、フィルム26は、媒体ホルダ16の周囲部の表面、つまり印面材18を嵌め込まれている上部厚板紙21a位置決め孔24の周囲部表面に両面接着シート27aにより接着されて、媒体ホルダ16の周囲部の表面を被覆している。
【0043】
フィルム26は、さらに、位置決め孔24から上部に露出している印面材18の側面18bと表面18aも被覆しているが、接着はされていない。したがって、印面材18の製版が完了した後、下部厚板紙21bを、
図4(c)に示すミシン目25aに沿って裏側に折り曲げ、ミシン目25と25aに囲まれた部分を上部厚板紙21aから引き離すと、印面材18を容易に媒体ホルダ16から取り出すことができる。
【0044】
ここで、印面材18を構成する多孔質EVAの表面をサーマルヘッドで加熱することで、スタンプの印面を製版する原理を簡単に説明する。まず、多孔質EVA(以下、多孔質EVAを、単にEVAと書く)は無数の気泡を有しているため、インク等の液体をスポンジの様に内部に含浸させることが出来る。
【0045】
また、EVAは熱可塑性の物性を有するので、例えば70度〜120度の熱で加熱すると、熱を加えた箇所は軟化し、一度軟化した箇所は冷えると硬化する。そして、硬化した箇所は気泡部分が埋まり非多孔質化され、その部分はインク等の液体を通さなくなる。
【0046】
そこで、この特性を利用して、サーマルヘッドでEVAの表面の任意の箇所を約1ミリ秒から5ミリ秒程度加熱すると、EVAの表面の任意の箇所を非多孔質化させ、その部分のインクの通過を禁止することが出来る。
【0047】
つまり、作成するスタンプの印影において、「インクを透過させる部分は加熱せず、透過させない部分は加熱する」ということで、印影に応じたインク透過部分を形成することができる。
【0048】
このサーマルヘッドによる加熱処理の動作を、従来のサーマルプリンタの印字処理の動作に置き換えると、印影を表す印字データの白と黒が反転している。また、印面に対する印影であるので、印字データは、ユーザが作製した印影データの鏡面データである。
【0049】
この原理を用いて、EVAの表面を所望の印影に従って白黒反転させて選択的に加熱することにより、加熱部分のインク通過を禁止して、内部に含浸させたインクを非加熱部分で形成された印影に応じて押し出すことができる。
【0050】
ところで、上記EVA表面の加熱処理において、加熱しなかった部分からは当然のことながらインクが染み出して来る。したがって、ユーザが意図する印影以外の部分は、そこからインクが出てこないように必ず加熱しなければならない。
【0051】
ところが、量産工程における組み立て誤差などで、サーマルヘッドの中心線に対して、EVAの中心の位置が設計値に対して多少ズレることがあることは避けられない。このままでは、ユーザが意図していない箇所(例えばEVAの端部など)からインクが漏れ出てしまう。
【0052】
具体的に例をあげると、例えば、ユーザの作成した印影データが30mm×30mmであるとする。これに対して、サーマルヘッドで印影データを熱処理する部分も30mm×30mmであるとする。
【0053】
ここで、組み立て誤差によりEVAの位置が走査方向に1mmずれていた場合は、印面中心が単に1mmずれるだけでなく、端部の1mmが加熱されていないため、端部からインクが漏れ出てしまうという不具合が起きる。
【0054】
この不具合を回避するため、本例のサーマルプリンタによる加熱処理では、ユーザが編集した印影データの外側に、インクの漏出を禁止するための加熱マージン領域を設定するために黒ベタ印字データを付加した印字データを実際に実行する印影製版用のデータとしている。
【0055】
このため、例えば、印面の大きさを30mm×30mm用と表示して媒体ホルダをユーザに提供するときは、実際の印面材の寸法は(30+L)×(30+L)mmとなる。Lは例えば1mm〜2mmである。
【0056】
また、当然ながら、ユーザが作成・編集するのは押印対象物に押印後の印影データである。したがって、ユーザが作成した所望の印影データを鏡像反転させたデータを、実際にはEVAに製版することになる。
【0057】
以上を纏めると、ユーザが作成・編集した印影データに対し、「白黒反転」と「鏡像反転」の処理をし、さらに加熱マージン用の黒ベタデータを周囲に付加したデータが、最終的にサーマルヘッドに入力する印字データとなる。
【0058】
この印字データを用いてサーマルヘッドでEVA表面を加熱することにより、ユーザ独自の印影を有する製版を印面材に簡単に行うことが出来る。印面材を製版して出来上がった印面版を媒体ホルダ16から取り出すには、前述したように、下部厚板紙21bをミシン目25、25aに沿って上部厚板紙21aから引き離すだけでよい。
【0059】
ところで、EVAは1.5mmの厚さを持つ部材であり、高い弾性と摩擦係数を有する。このため、EVAをそのままサーマルプリンタに挿入して搬送を行おうとしても、サーマルヘッドとEVAとの摩擦力が大きく、安定した直進性の搬送を行うことが出来ない。
【0060】
つまり、EVAは摩擦力が大きいことと、ゴムのように柔らかいため、たとえサーマルプリンタ側に直進安定性を得るためのガイドが取り付けられていても、搬送中に少しでも曲がりができると、EVA自体が屈曲してしまい、結果的にすぐに斜行が発生する。
【0061】
上記のEVAの搬送上の困難は、サーマルヘッドが発熱していない非加熱の状態の場合でも起きる現象であるが、サーマルヘッドが発熱した場合、サーマルヘッドは発熱開始後の数ミリ秒で約200度近くまで温度が上がるため、EVA表面を加熱した瞬間に表面が軟化し、軟化した部分にサーマルヘッドが埋まってしまい、EVAの搬送が全く出来なくなってしまうという現象が生じる。
【0062】
端面ヘッドを用いる方式や、ヘッドを移動駆動するためにキャリッジを組み込む方式の場合は、上記の問題が起きないが、この方式は、機構の大型化と使用部材のコストの大幅な上昇を招くという不都合があることは前述した。
【0063】
本発明においては、機構の大型化とコストの大幅上昇を招くことなく、通常のサーマルヘッドを用いた本例の
図1〜
図3(a),(b)に示したプリンタ1により、上記のように搬送性に難のあるEVAを印面版として製版を行うために、
図2乃至
図5に示した媒体ホルダ16を用いる。
【0064】
先ず、媒体ホルダ16の位置決め孔24に保持されている印面材18の四辺は、熱裁断機によって裁断されている。これにより、内部に含浸されたインクは印面材18の四辺から滲みでてくることはない。
【0065】
また、印面材18は、上部厚板紙21aの位置決め孔24で位置固定され、下部厚板紙21bにより下面から保持されると共に上面をフィルム26により被覆されているので媒体ホルダ16に保持された状態のまま、どのように外力が加えられても変型できない。
【0066】
したがって、媒体ホルダ16が搬送される通りに搬送される。媒体ホルダ16が直進搬送されれば、印面材18もその通りに直進搬送される。また、フィルム26は、印面材18、つまりEVAの溶融点よりも高い温度に耐熱性を有している。
【0067】
したがって、サーマルヘッド4の発熱で印面材18の表面が溶融してもフィルム26は溶融しない。つまりフィルムとしての被覆性を失うことはない。また、フィルム26は、サーマルヘッド4との摩擦力は極めて低い。
【0068】
このため、サーマルヘッド4は、フィルム26の被覆性により、溶融して軟化した印面材18の中に埋没することなく、また、フィルム26との間の低摩擦性により、フィルム26の面に沿って容易に発熱印字(製版)を続けていくことができる。このようにして印面材18への製版が完了する。
【0069】
図6は、製版が完了して媒体ホルダ16から取り出された印面版が、スタンプ台の台木に取り付けられて印鑑として完成した状態を示す図である。
図6に示すように、印面材18は、製版された印面版として印面を下に向けて、球状の持ち手28と押圧部29から成る台木30の下面に両面接着シート31で貼り付けられている。
【0070】
印面を一定時間インクに浸しておけば、インクが印面版の内部に含浸する。ユーザは、印面表面の余剰のインク汚れをふき取った後、持ち手28を指で持って、押印対象物に押圧部29を押し付けると、印面から含浸インクが押し出されて印影が押印される。
【0071】
ところで、
図4(a)に示した印面材18は正方形で、媒体ホルダ16は長方形をしているが、それぞれの形状・寸法は
図4(a)のものに限るものではない。
図2及び
図3(a),(b)に示したプリンタ1に挿入可能な幅以内であれば、媒体ホルダ16の形状・寸法は任意であり、その媒体ホルダ16に保持できる寸法内であれば印面材18の形状・寸法は任意である。
【0072】
図7(a)〜(f)は、媒体ホルダと印面材の種々ある形状・寸法のうち、参考として3例のみを取り出して表裏を示す図である。
図7(a),(b)は縦長の長方形の媒体ホルダに縦長の長方形の印面材を保持した例を示している。
【0073】
図7(c),(d)は、ほぼ正方形の媒体ホルダに縦長の長方形の印面材を保持した例を示し、
図7(e),(f)は、正方形の媒体ホルダに正方形の印面材を保持した例を示している。このように、媒体ホルダと印面材の形状・寸法はそれぞれ任意である。
【0074】
このように任意な寸法・形状の印面材の大きさと印字開始位置を、プリンタ1の制御部が検出するための媒体ホルダの構成について、再び
図4(a)を用いて説明する。
図4(a)に示すように、媒体ホルダ16は、切欠部22によって、α、β、γの3通りの値を示すことができる。
【0075】
αは、媒体ホルダ16の一点鎖線で示す検知走査線23に沿った挿入方向先端から切欠部22の始端までの長さであり、例えば「(1/α)×a」(aは定数)、又はαと印面材の縦の長さの対応表で、印面材18の長さを表すことができる。
【0076】
βは、切欠部22の始端から終端までの長さであり、例えば「β×b」(bは定数)、又はβと印面材の幅の対応表で、印面材18の幅を表すことができる。γは切欠部22の終端から印面材18の先端までの長さであり、センサ3からサーマルヘッド4までの長さに対応しており、印字開始タイミングを示すことができる。
【0077】
プリンタ1は、センサ3を用い、一点鎖線で示す検知走査線23に沿って、媒体ホルダ16の挿入方向検知走査線上先端部と、切欠部22の始端と終端を検知し、α、βの長さを、ステッピングモータ12のステップ数で計測し、一方では印面材18の縦横の寸法を演算し、又は対応表から求め、他方では印字開始タイミングを取得する。
【0078】
図8は、プリンタ1の中央制御回路2(以下、単に制御部という)により行われる製版処理の動作を説明するフローチャートである。なお、この処理は、プリンタ1に電源が投入され、PC14から印影データが送信されたことによって開始される。
【0079】
先ず、制御部は、印字媒体挿入口15から媒体ホルダ16が挿入されることを待機する(ステップS1)。そして、センサ3による媒体ホルダ16の検知走査線上先端が検出されたか否かを判別し(ステップS2)、検出されなければ(ステップS2の判別がNo)、検出されるまで待機する。
【0080】
センサ3によって媒体ホルダ16の検知走査線上先端が検出されたならば(ステップS2の判別がYes)、モータドライバ6を介して、ステッピングモータ12にパルス信号を供給して回転駆動し、ステッピングモータ12に供給するパルス信号のステップ数の測定を開始する(ステップS3)。続いて、制御部は、ステッピングモータ12を1ステップ分回転させて、その1ステップの回転分だけ媒体ホルダ16を搬送する(ステップS4)。
【0081】
次に、制御部は、切欠部22の切り欠き開始端がセンサ3の位置に到達したか否か判別する(ステップS5)。そして、到達していなければ(ステップS5の判別がNo)、ステップS4に戻り、ステップS4とステップS5の処理を繰り返す。
【0082】
やがて、切欠部22の切り欠き開始端(切欠開始部)がセンサ3の位置に到達したことをセンサ3が検出すれば(ステップS5の判別がYes)、制御部は、媒体ホルダ16の検知走査線上先端から切欠部22の切り欠き開始端までの搬送距離を、ステッピングモータ12の測定したステップ数に基づいて演算により算出する(ステップS6)。この算出結果は、第1搬送距離αとして、メモリ制御回路8を介して所定のメモリ装置の記憶領域に格納される。
【0083】
続いて、制御部は、ステッピングモーター12のステップ数の測定を0ステップから再開する(ステップS7)。続いて、制御部は、ステッピングモーター12を1ステップ回転させて、その1ステップの回転分だけ媒体ホルダ16を搬送する(ステップS8)。
【0084】
次に、制御部は、切欠部22の切り欠き終端がセンサ3の位置に到達したか否か判別する(ステップS9)。そして、到達していなければ(ステップS9の判別がNo)、ステップS8に戻り、ステップS8とステップS9の処理を繰り返す。
【0085】
やがて、切欠部22の切り欠き終端がセンサ3の位置に到達したことをセンサ3が検出すれば(ステップS9の判別がYes)、制御部は、切欠部22の始端から終端までの搬送距離(切欠部22の長さ)をステッピングモーター12の測定したステップ数に基づいて演算により算出する(ステップS10)。この算出結果は、第2搬送距離βとして、メモリ制御回路8を介して所定のメモリ装置の記憶領域に格納される。
【0086】
ここで制御部は、上記メモリ装置に格納した第1搬送距離αを読み出す。そして、予め
設定されている例えば「(1/α)×a」(aは定数)、又はαと印面材の縦の長さの対応表に基づいて、印面材18の長さを決定する。
【0087】
更に、制御部は、上記メモリ装置に格納した第2搬送距離βを読み出す。そして、予め設定されている例えば「β×b」(bは定数)、又はβと印面材の幅の対応表に基づいて、印面材18の幅を決定する。
【0088】
そして、制御部は、上記決定した印面材18の長さと幅それぞれから加熱マージン領域を取り除いた長さと幅が、PC14から送信された印影データの長さと幅に一致するか否か判別し(ステップS11)、一致していれば(ステップS11の判別がYes)、印刷を開始する(ステップS12)。そして、印刷が完了すれば製版処理を終了する。
【0089】
切欠部22の切り欠き終端がセンサ3の位置に到達したことをセンサ3が検出した時点のサーマルヘッド4は、印面材18の先端の直前に位置しているため、上記の印刷処理は、この切り欠き終端の検出により製版を開始する。この製版では、PC14から送信された印影データの前後左右に所定の加熱マージン領域が付加された印刷データが用いられる。
【0090】
また、上記ステップS11の判別で、決定した印面材18の長さと幅それぞれから加熱マージン領域を取り除いた長さと幅が、PC14から送信された印影データの長さと幅に一致していないときは(ステップS11の判別がNo)、印刷処理を開始せずに中止して、不一致エラーを表示デバイス13に表示するか、USB制御回路10を経由してPC14に報知するなどし、直ちに製版処理を終了する。
【0091】
このように、本発明の実施例によれば、保持する印面材18の寸法ごとに、媒体ホルダ16の一側部に設ける切欠部22の位置と長さを変えるだけで、媒体ホルダ16に保持されている印面材18のサイズを正しく検出することができる。これにより、ユーザによる印面材サイズの間違いによる製版ミスを防止することが出来る。
【0092】
また、そのための初期投資は媒体ホルダ16を作成する際の裁断刃型のみであり、非常に安価に実現することが出来る。例えば、裁断刃型は一種類につきせいぜい5万円〜10万円程度であり、成形品の金型等に比べると非常に安価である。
【0093】
以下、媒体ホルダの切欠部の形状について、実施例を示す。
【0094】
[実施例2 くさび形の切欠部]
図9は、実施例2に係る媒体ホルダの形状を示す図である(くさび形)。
図9(a)は表面側、すなわち印面材を載せる側を示す。
図9(b)は、A−A‘断面を示す。
図9(c)は、裏面側を示す。
図9に示されるように、切欠部の形状以外については、
図4に示す媒体ホルダと同様である。
図9に示すように、切欠部の形状が内側に食い込む三角形(くさび形)である。この形状の場合、四角形の切欠部の場合と同様に、端部の切欠部をその形状とした裁断刃型を作り、プレス式押し切りなどによりカット可能である。しかし、押し切りでは1枚〜数枚ずつのカットが限度である。
この三角形(くさび形)の場合は、切欠部のカットラインが奥側で交わる2本の直線であるため、切欠部の無い媒体ホルダを作製しておき、例えば、糸鋸盤の様な機器で直線的にカットして切欠部を形成することが可能である。この方法であれば、プレス式押し切りなどで媒体ホルダを作製する裁断刃型も切欠部の無い形状のものを1種類のみ用意すればよくなる。更に、糸鋸盤の様な機器であれば、より多くの枚数を重ねて、まとめて切欠部をカットして形成することが可能であるため、製造効率が非常に良い。
【0095】
[実施例3 U字型の切欠部]
図10は、実施例3に係る媒体ホルダの形状を示す図である(U字型)。
図10(a)は表面側、すなわち印面材を載せる側を示す。
図10(b)は、A−A‘断面を示す。
図10(c)は、裏面側を示す。
図10に示されるように、切欠部の形状以外については、
図4に示す媒体ホルダと同様である。
図10に示すように、切欠部の形状が内側の部分が丸い形状(U字型)である。この形状の場合、四角形の切欠部の場合と同様に、端部の切欠部をその形状とした裁断刃型を作り、プレス式押し切りなどによりカット可能である。しかし、押し切りでは1枚〜数枚ずつのカットが限度である。
この丸い形状(U字型)の場合は切欠部の無い形状の媒体ホルダを作製しておき、例えばフライス盤の様な機器でエンドミル刃を使用してフライス加工による形成が可能である。この方法であれば、プレス式押し切りなどで媒体ホルダを作製する裁断刃型も切欠部の無い形状のものを1種類のみ用意すればよくなる。更に、フライス盤の様な機器であれば、より多くの枚数を重ねて、まとめて切欠部を形成することが可能であるため、製造効率が非常に良い。
【0096】
[実施例4 切り取り構造]
図11は、実施例4に係る媒体ホルダの形状を示す図である(折り取り構造)。切欠部に予めミシン目の切り取り線を施しておき、必要な部分を切り取る(折り取って切り離す)構造にしたものである。
図11に示したものでは、折取部41、42、43の3箇所がミシン目により折取りできるようになっている。3個の折取部のうちの1個だけを折取る仕方が3通りあり、2個折取る仕方が3通りあり、3個折取る仕方が1通りあるので、折取るバリエーションが7通りある。したがって、印面材のサイズの7通りに対応可能となる。
【0097】
[実施例5 抜き差し構造]
図12は、実施例6に係る媒体ホルダの形状を示す図である(抜き差し構造)。ジャンパピンの様に必要箇所を何度でも抜き差し変更できる構造である。
抜差部51、52、53を設けて、ピン61、62により接続できるようにしてある。したがって、抜差部51、52、53は、何度でも抜いたり、差したりできる。抜差部51、52、53に接続ピンが埋め込まれ、そこを塞ぐ部材を抜き差しする形式で、あらゆる組合せの切り欠きを形成でき、変更も可能な構造にしたものである。
ピン61、62の長さは、センサ3による検知には影響しない長さとするか、又は、抜差部51、52、53側に接続ピンを埋め込み、媒体ホルダ側にはピンを挿入する穴のみを設けることで、塞ぐ部材の奥行きを短くすることも可能である。この抜差部を
図12に示すように3個設ける構成では、実施例5と同様に7通りの切欠部を構成するバリエーションが得られる。しかも、実施例5の場合は、一旦折り取った折取部は、再度付けることができないが、実施例6では、繰り返し抜差が可能である。
【0098】
上記実施例において、媒体ホルダは、2枚の厚板紙であると記載したが、これに限らず、1枚から成って、印面材を位置固定するための位置決め凹部が設けられるようにしてもよく、或いは、また、製版時に位置固定できるのであれば、孔や凹部でなくともよく、例えば鉤状の爪などでもよいし、印面材の裏側の四隅か二隅を粘着性の物質で脱着可能に位置固定するようにしてもよい。
【0099】
また、媒体ホルダの材質は、上記実施例に記載のコートボールに限らず、印面材が位置固定でき、製版時に安定して搬送できるものであれば、適宜変更してよい。
【0100】
また更に、媒体ホルダの表面を被覆しているフィルムは、上記実施例に記載の様に媒体ホルダ表面全体を被覆するに限らず、印面材が位置固定でき、製版時に安定して搬送できるものであれば、印面材の一部のみ及び印面材周囲部の一部のみを被覆するようにしてもよい。そして、上記実施例では、媒体ホルダの印面材周囲部表面の全体にフィルムを両面接着シートにより接着するとしているが、これに限らず、例えば、媒体ホルダの搬送方向前半部までのフィルムは、印面材周囲部表面に両面接着シートにより接着し、残る後半部のフィルムは、被覆しているが接着はされていないようにすることで、印面材の脱着を何度も自由に行えるようにしてもよい。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0102】
製版挿入部と、
印面材を保持し側端部に切欠部を有する媒体ホルダが前記製版挿入部に挿入された際に、前記切欠部の切欠始端位置から前記切欠部の切欠終端位置までの前記媒体ホルダの搬送量を第1搬送量として検出する第1搬送量検出手段と、
前記第1搬送量検出手段により検出された前記第1搬送量に基づいて、前記印面材の搬送方向の寸法と、
前記印面材の搬送方向に直交する方向の寸法の少なくとも一方の寸法を設定する寸法設定手段と、
を有することを特徴とする印面製版装置。
[付記2]
【0103】
制御部と、
製版用画像を記憶する記憶部と、を有し、
前記制御部は、
前記製版用画像を前記記憶部から読み出し、該製版用画像の寸法が前記寸法設定手段により設定された前記印面材の寸法と同一寸法かどうかを判定する寸法判定手段を有し、
前記寸法判定手段による判定の結果が同一寸法の場合、前記印面材に対する印面製版を開始し、前記寸法判定手段による判定の結果が同一寸法ではない場合、前記印面材に対する印面製版を開始せずに寸法不一致であることを報知する、
ことを特徴とする付記1記載の印面製版装置。
[付記3]
【0104】
前記寸法設定手段は、前記第1搬送量に基づく予め決められた対応表により設定するこ
とを特徴とする付記1または2記載の印面製版装置。
[付記4]
【0105】
前記媒体ホルダの挿入方向先端部から前記切欠部の切欠始端位置までの搬送量と前記第1搬送量に基づいて前記印面材に対する印面製版開始位置を算出検出する製版開始位置算出検出手段を更に有する、ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか記載の印面製版装置。
[付記5]
【0106】
製版挿入部と、
印面材を保持し側端部に切欠部を有する媒体ホルダが前記製版挿入部に挿入された際に、挿入方向先端部から前記切欠部の切欠始端位置までの前記媒体ホルダの搬送量を第2搬送量として検出する第2搬送量検出手段と、
前記第2搬送量検出手段により検出された前記第2搬送量に基づいて、前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法の少なくとも一方の寸法を設定する寸法設定手段と、
を有することを特徴とする印面製版装置。
[付記6]
【0107】
制御部と、
製版用画像を記憶する記憶部と、を有し、
前記制御部は、
前記製版用画像を前記記憶部から読み出し、該製版用画像の寸法が前記寸法設定手段により設定された前記印面材の寸法と同一寸法かどうかを判定する寸法判定手段を有し、
前記寸法判定手段による判定の結果が同一寸法の場合、前記印面材に対する印面製版を開始し、前記寸法判定手段による判定の結果が同一寸法ではない場合、前記印面材に対する印面製版を開始せずに寸法不一致であることを報知する、
ことを特徴とする付記5記載の印面製版装置。
[付記7]
【0108】
前記寸法設定手段は、前記第2搬送量に基づく予め決められた対応表により設定することを特徴とする付記5または6記載の印面製版装置。
[付記8]
【0109】
前記第2搬送量と前記媒体ホルダの前記切欠部の切欠始端位置から前記切欠部の切欠終端位置までの搬送量に基づいて前記印面材に対する印面製版開始位置を検出する製版開始位置検出手段を更に有する、ことを特徴とする付記5乃至7のいずれか記載の印面製版装置。
[付記9]
【0110】
製版挿入部と、
印面材を保持し側端部に切欠部を有する媒体ホルダが前記製版挿入部に挿入された際に、挿入方向先端部から前記切欠部の切欠始端位置までの前記媒体ホルダの搬送量を第3搬送量として検出し、前記切欠部の切欠始端位置から前記切欠部の切欠終端位置までの前記媒体ホルダの搬送量を第4搬送量として検出する複数搬送量検出手段と、
前記複数搬送量検出手段により検出された前記第3搬送量に基づいて、前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法のどちらか一方の寸法を設定し、前記複数搬送量検出手段により検出された前記第4搬送量に基づいて、前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法の他方の寸法を設定する複数寸法設定手段と、
を有することを特徴とする印面製版装置。
[付記10]
【0111】
制御部と、
製版用画像を記憶する記憶部と、を有し、
前記制御部は、
前記製版用画像を前記記憶部から読み出し、該製版用画像の縦寸法と該製版用画像の幅寸法が、前記複数寸法設定手段により設定された前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法と、それぞれ同一寸法かどうかを判定する複数寸法判定手段を有し、
前記複数寸法判定手段による判定の結果が縦寸法も幅寸法も同一寸法の場合、前記印面材に対する印面製版を開始し、前記複数寸法判定手段による判定の結果の縦寸法または幅寸法の少なくとも一方が同一寸法ではない場合、前記印面材に対する印面製版を開始せずに寸法不一致であることを報知する、
ことを特徴とする付記9記載の印面製版装置。
[付記11]
【0112】
前記複数寸法設定手段は、前記第3搬送量と前記第4搬送量に基づく予め決められた対応表により設定することを特徴とする付記9または10記載の印面製版装置。
[付記12]
【0113】
前記第3搬送量と前記第4搬送量に基づいて前記印面材に対する印面製版開始位置を検出する製版開始位置検出手段を更に有する、ことを特徴とする付記9乃至11のいずれか記載の印面製版装置。
[付記13]
【0114】
前記媒体ホルダの前記側端部に対応する位置に光学センサが配置されていることを特徴とする付記1乃至12のいずれか記載の印面製版装置。
[付記14]
【0115】
前記媒体ホルダは、板状体であることを特徴とする付記1乃至13のいずれか記載の印面製版装置。
[付記15]
【0116】
前記切欠部は、四角形またはくさび形またはU字型のいずれかの形状の切欠部であることを特徴とする付記1乃至14のいずれか記載の印面製版装置。
[付記16]
【0117】
前記切欠部は、位置または/および大きさを変更可能な切欠部であることを特徴とする付記1乃至15のいずれか記載の印面製版装置。
[付記17]
【0118】
前記切欠部は、抜き差し可能な複数の部材からなることを特徴とする付記16記載の印面製版装置。
[付記18]
【0119】
印面材のサイズを検出する印面材を保持し側端部に切欠部を有する媒体ホルダの、前記切欠部の切欠始端位置から前記切欠部の切欠終端位置までの距離を第1距離として検出する第1距離検出工程と、
前記第1距離検出工程により検出された前記第1距離に基づいて前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法の少なくとも一方の寸法を設定する寸法設定工程と、
を含むことを特徴とする印面材寸法検出方法。
[付記19]
【0120】
製版用画像を記憶部から読み出し、該製版用画像の寸法が前記寸法設定工程により設定された前記印面材の寸法と同一寸法かどうかを判定する寸法判定工程と、
前記寸法判定工程による判定の結果が同一寸法の場合、前記印面材に対する印面製版を開始する印面製版開始工程と、
前記寸法判定工程による判定の結果が同一寸法ではない場合、前記印面材に対する印面製版を開始せずに寸法不一致であることを報知する寸法不一致報知工程と、
を含むことを特徴とする付記18記載の印面材寸法検出方法。
[付記20]
【0121】
前記寸法設定工程は、前記第1距離に基づく予め決められた対応表により設定することを特徴とする付記18または19記載の印面材寸法検出方法。
[付記21]
【0122】
前記媒体ホルダの挿入方向先端部から前記切欠部の切欠始端位置までの距離と前記第1距離に基づいて前記印面材に対する印面製版開始位置を検出する製版開始位置検出工程を更に含む、ことを特徴とする付記18記載の印面材寸法検出方法。
[付記22]
【0123】
印面材を保持し側端部に切欠部を有する媒体ホルダの、挿入方向先端部から前記切欠部の切欠始端位置までの距離を第2距離として検出する第2距離検出工程と、
前記第2距離検出工程により検出された前記第2距離に基づいて、前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法の少なくとも一方の寸法を設定する寸法設定工程と、
を含むことを特徴とする印面材寸法検出方法。
[付記23]
【0124】
前記第2距離と前記媒体ホルダの前記切欠部の切欠始端位置から前記切欠部の切欠終端位置までの距離に基づいて前記印面材に対する印面製版開始位置を検出する製版開始位置検出工程を更に含む、ことを特徴とする付記22記載の印面材寸法検出方法。
[付記24]
【0125】
印面材を保持し側端部に切欠部を有する媒体ホルダの、挿入方向先端部から前記切欠部の切欠始端位置までの距離を第3距離として検出し、前記切欠部の切欠始端位置から前記切欠部の切欠終端位置までの距離を第4距離として検出する複数距離検出工程と、
前記複数距離検出工程により検出された前記第3距離に基づいて、前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法のどちらか一方の寸法を設定し、前記複数距離検出工程により検出された前記第4距離に基づいて、前記印面材の搬送方向の寸法と搬送方向に直交する方向の寸法の他方の寸法を設定する複数寸法設定工程と、
を含むことを特徴とする印面材寸法検出方法。
[付記25]
【0126】
前記第3距離と前記第4距離に基づいて前記印面材に対する印面製版開始位置を検出する製版開始位置検出工程を更に含む、ことを特徴とする付記24記載の印面材寸法検出方法。
[付記26]
【0127】
前記媒体ホルダの前記側端部に対応する位置に光学センサが配置されており、当該光学センサにより前記媒体ホルダの形状の検出を行うことを特徴とする付記18乃至25のいずれか記載の印面材寸法検出方法。
[付記27]
【0128】
前記媒体ホルダは、板状体であることを特徴とする付記18乃至26のいずれか記載の印面材寸法検出方法。
[付記28]
【0129】
前記切欠部は、四角形またはくさび形またはU字型のいずれかの形状の切欠部であることを特徴とする付記18乃至27のいずれか記載の印面材寸法検出方法。
[付記29]
【0130】
前記切欠部は、位置または/および大きさを変更可能な切欠部であることを特徴とする付記18乃至27のいずれか記載の印面材寸法検出方法。
[付記30]
【0131】
前記切欠部は、抜き差し可能な複数の部材からなることを特徴とする付記29記載の印面材寸法検出方法。
[付記31]
【0132】
インクが含浸可能な多孔質のスポンジ体からなる印面材を着脱可能に保持し、側端部に切欠部が形成された保持体を有することを特徴とする媒体ホルダ。
[付記32]
【0133】
前記保持体は、前記印面材を位置固定する位置決め凹部を形成されていることを特徴とする付記31記載の媒体ホルダ。
[付記33]
【0134】
前記保持体は、少なくとも1枚の板状体で構成されていることを特徴とする付記31または32記載の媒体ホルダ。
[付記34]
【0135】
前記切欠部は、四角形またはくさび形またはU字型のいずれかの形状の切欠部であることを特徴とする付記31乃至33のいずれか記載の媒体ホルダ。
[付記35]
【0136】
前記切欠部は、位置または/および大きさを変更可能な切欠部であることを特徴とする付記31乃至34のいずれか記載の媒体ホルダ。
[付記36]
【0137】
前記切欠部は、抜き差し可能な複数の部材からなることを特徴とする付記35記載の媒体ホルダ。
[付記37]
【0138】
前記保持体に保持された前記印面材は、少なくとも一部がフィルムにより被覆されていることを特徴とする付記31乃至36のいずれか記載の媒体ホルダ。
[付記38]
【0139】
印面材を着脱可能に保持するための保持体を裁断刃型を使用して形成する保持体形成工程と、
前記印面材を前記保持体に載置する載置工程と、
を備えることを特徴とする媒体ホルダ製造方法。
[付記39]
【0140】
前記印面材の寸法を検知するための前記保持体の切欠部は、前記裁断刃型を使用して形成することを特徴とする付記38記載の媒体ホルダ製造方法。
[付記40]
【0141】
前記印面材の寸法を検知するための前記保持体の切欠部は、糸鋸状工作機械を使用して形成することを特徴とする付記38記載の媒体ホルダ製造方法。
[付記41]
【0142】
前記印面材のサイズを検知するための前記保持体の切欠部は、フライス加工により形成することを特徴とする付記38記載の媒体ホルダ製造方法。
[付記42]
【0143】
前記印面材は、少なくとも一部がフィルムにより被覆されており、前記保持体の前記印面材が載置された周囲部表面の少なくとも1部面には接着して被覆し、他部面と前記印面材には非接着で被覆することを特徴とする付記38乃至41のいずれか記載の媒体ホルダ製造方法。