特許第6183617号(P6183617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許6183617-熱交換器、特に給気冷却器 図000002
  • 特許6183617-熱交換器、特に給気冷却器 図000003
  • 特許6183617-熱交換器、特に給気冷却器 図000004
  • 特許6183617-熱交換器、特に給気冷却器 図000005
  • 特許6183617-熱交換器、特に給気冷却器 図000006
  • 特許6183617-熱交換器、特に給気冷却器 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183617
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】熱交換器、特に給気冷却器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/16 20060101AFI20170814BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20170814BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   F28F9/16
   F28D1/053 A
   F28F1/02 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-508774(P2014-508774)
(86)(22)【出願日】2012年5月2日
(65)【公表番号】特表2014-513264(P2014-513264A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】EP2012057982
(87)【国際公開番号】WO2012150237
(87)【国際公開日】20121108
【審査請求日】2015年3月9日
(31)【優先権主張番号】102011075071.1
(32)【優先日】2011年5月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クラウス アウゲンシュタイン
(72)【発明者】
【氏名】ハラート ブローナー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ポセ
(72)【発明者】
【氏名】シルヴィアーヘレナ クリファン
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアート テェリュコヴスキー
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−122689(JP,U)
【文献】 特開2004−286358(JP,A)
【文献】 特開2004−293982(JP,A)
【文献】 特開2004−125334(JP,A)
【文献】 特開2005−3226(JP,A)
【文献】 特開2007−93188(JP,A)
【文献】 特開2007−205597(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/149838(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0038063(US,A1)
【文献】 特開平2−282698(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/003445(WO,A1)
【文献】 米国特許第7413006(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00− 9/26
F28D 1/053
F28F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(3)を有する少なくとも1つの収集タンク(2)を含む熱交換器であって、前記底部(3)から突出した張出し成形部(10)の中へ少なくとも1本の管(4)が前記底部に対してほぼ垂直方向に係入して、前記張出し成形部が管端部を包囲しており、かつ、前記張出し成形部(10)が前記管(4)の外周面に適合した矩形状の断面を有し、
前記張出し成形部(10)の肉厚が、前記張出し成形部(10)の少なくとも1つの角領域(11)において、前記張出し成形部(10)の幅狭側面(12)および幅広側面(13)に比べて薄化されており、
前記薄化された肉厚部が、前記角領域(11)を起点にして、前記幅狭側面(12)内および前記幅広側面(13)内へ延在しており、
前記幅狭側面(12)は、前記管(4)の方向に向けられた挿入補助具(14)を有し、前記幅広側面(13)は、前記管(4)の方向に向けられた挿入補助具(15)を有している、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記張出し成形部(10)の前記角領域(11)における前記薄化された肉厚部が、前記管(4)の半径方向に延在することを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記角領域(11)の前記薄化された肉厚部が、前記張出し成形部(10)における前記幅狭側面(12)および/または前記幅広側面(13)のそれぞれの肉厚部に連続的に適合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
少なくとも前記張出し成形部(10)の前記幅広側面(13)において、前記幅広側面(13)内へ延在しながら連続的に増大する前記薄化された肉厚部を起点にして前記幅広側面(13)の所定の肉厚部へ急激な移行が行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記張出し成形部(10)の前記角領域(11)における前記薄化された肉厚部が0.1mm〜0.8mmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記張出し成形部(10)の前記角領域(11)における前記薄化された肉厚部が前記管(4)の軸方向に延在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記張出し成形部(10)における前記薄化された肉厚部が、前記管(4)を起点にして前記収集タンク(2)の前記底部(3)の方向へ増大することを特徴とする、請求項6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記張出し成形部(10)の高さが、前記張出し成形部の角領域(11)において一定であるように形成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記張出し成形部(10)の高さが、前記張出し成形部の角領域(11)において、連続的に、前記幅広側面(13)の方向に増大することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底部を有する少なくとも1つの収集タンクを含む熱交換器、特に給気冷却器であって、前記底部から突出する張出し成形部の中へ少なくとも1本の管が前記底部に対してほぼ垂直方向に係入して、前記張出し成形部が管端部を包囲しており、かつ、前記張出し成形部が前記管の外周面に適合した矩形状の断面を有する熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の性能向上を実現するために、燃焼に供給される空気を、それが内燃機関の燃焼室に供給される前に例えばターボチャージャによって圧縮することが可能である。しかし、前記空気を圧縮することに伴って同時にまた前記空気は著しく加熱され、このことは燃焼過程の最適な経過にとって不都合なものとなる。例えば、この加熱によって、着火時点が早くなりすぎる恐れや、窒素酸化物排出量が増大する恐れが生じる。過加熱された空気が燃焼に供給されることによる不都合な結果を回避するために、ターボチャージャの下流側に給気冷却器として構成された熱交換器が接続され、この熱交換器によって、圧縮された空気が燃焼前に許容温度にまで冷却される。
【0003】
特許文献1によって公知である熱交換器は、管と少なくとも1つの収集タンクとを有し、前記収集タンクは、張出し成形部を備えた少なくとも1つの管底部を含み、前記張出し成形部はフランジによって包囲されている。これにより、管・底結合に対する機械的負荷が、材料コストを追加することなく低減される。管肉厚が低減されている場合、あるいは底肉厚が低減されている場合には、管・底結合の強度が必ずしも保証されておらず、このことは給気冷却器の寿命の低減に繋がる。
【0004】
この場合、給気冷却器の各構成部材が不均一に膨張し、その結果、変形あるいは変位が生じることによって、給気冷却器の機能不良の原因となる応力が発生する。このような応力は、給気冷却器に関する様々な熱的条件に起因すると考えられる。
【0005】
特許文献2よって、第1の流体と第2の流体との間における交換のための熱交換器が公知であり、この熱交換器の場合、少なくとも管の幅狭側面と管の幅広側面との間の移行部における間隔値が管の幅広側面における間隔値よりも小さく、その結果、前記移行部の領域における応力が低減されることによって、温度変化負荷に対する熱交換器の耐久性が延長される。
【0006】
特許文献3によって、張出し成形部の幾何学的形状に関する別の実施形態が公知であり、この場合、熱交換器内で使用するためのヘッドプレートが提示されている。管・底結合に対する負荷を改善するために、張出し成形部が、関連する管の外形に適合するように形成されている。
【0007】
しかし、管肉厚が更に0.5mm以下にまで低減された場合、あるいは底肉厚が更に3mm以下にまで低減された場合、特に管・底領域における給気冷却器の変形および変位がかなり大きくなる。この場合、特に管の角の丸み部分や、比較的剛性の高い張出し成形部と肉薄の管との間の移行部領域にピーク応力が生じ、このようなピーク応力は、底部と管との間の剥離を引き起こす。従って、管肉厚および底肉厚をそれ以上低減することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第10343239号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102007059673号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102007016528号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の根底をなす課題は、更に薄い肉厚を有する管と更に薄い肉厚を有する底部とを用いるにもかかわらず、熱交換器の寿命が低減することなく維持され続けるか、あるいは更に長くなることが可能である熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明において、この課題は、前記張出し成形部の肉厚が、少なくとも角領域において特に金型成形により幅狭側面および幅広側面に比べて薄化されていることによって解決される。このことが有する利点は、この領域において前記張出し成形部を意図的に薄化することによって、前記剛性の高い張出し成形部と前記肉薄の管との間における強度の急激な変化が低減されることである。この場合、熱交換器の管の前記角領域で温度作用によって引き起こされる変形が前記張出し成形部における更に大きな領域へ分散され、これによりピーク応力が低減される。その結果、熱交換器の寿命は、管肉厚および/または底肉厚の低減にもかかわらず延長される。金型成形による薄化とは、前記張出し成形部が加工工程中に、有利には、挿入された金型に両側において当接していることを意味するものとし、これにより、金型による前記張出し成形部の厚さの管理が実現される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
有利には、前記角領域における薄化された肉厚部は管に対して半径方向に延在する。この実施態様を用いることで、この角領域は、肉厚の薄化によって可能な限り高い軟性を有するように形成され、これにより、作用する応力に対応することができ、この領域における管の剥離を確実に防止することができる。
【0012】
一実施態様では、前記薄化された肉厚部は、前記張出し成形部の角領域を起点にして少なくとも部分的に前記張出し成形部の幅狭側面内および/または幅広側面内へ延びている。従って、前記肉厚の薄化は前記角領域に限定されているわけではない。前記薄化は、前記張出し成形部の前記幅狭側面内あるいは前記幅広側面内へ移行することによって、再び前記幅狭側面および前記幅広側面の通常の肉厚部に適合され、これによって、前記張出し成形部はその移行領域で弾性を有するように構成されていることから、この領域において底部と管との間の所定の移行部が実現可能となる。管の断面を熱力学的な見地から最適である矩形断面に維持することで、例えば管の補強部の組み立てあるいはブロック製造工程という形での補足的な製造ステップが必要ではなくなり、これにより、熱交換器の製造コストを低減することが可能となる。
【0013】
また別の実施態様では、前記角領域の薄化された肉厚部は、前記張出し成形部における前記幅狭側面および前記幅広側面のそれぞれの肉厚部に連続的に適合されている。これにより、前記張出し成形部の角領域に生じる応力は幅狭側面あるいは幅広側面の方向に分散されて徐々にこれらの側面に移行され、従って、これらの領域における剥離が確実に防止される。
【0014】
一変形態様では、少なくとも前記張出し成形部の幅に関して、前記幅広側面内へ延在しながら連続的に増大する前記薄化された肉厚部を起点にして前記幅広側面の所定の肉厚部へ急激な移行が行われる。この急激な移行部は既に前記幅広側面の領域内において位置決めされており、この領域は、生じる応力ピーク値が小さく、従って、前記張出し成形部の幅広側面に剥離が生じないと予想される領域である。
【0015】
有利には、前記張出し成形部の角領域における薄化された肉厚部は、0.1mm〜0.8mmである。これにより、前記角領域において管と底部との間に、非常に連続的で、かつとりわけ軟性を有する移行部が実現される。また、前記角領域は非常に肉薄に形成されているにもかかわらず、前記張出し成形部における非常に薄いが弾性を有するこの壁領域を用いた場合にも、熱交換器の寿命は更に延長される。
【0016】
また別の一実施態様では、前記張出し成形部の角領域における薄化された肉厚部が管に対して軸方向に延在する。この実施形態によって、前記張出し成形部に差し込まれた管が良好に支持される。
【0017】
また別の一実施態様では、前記張出し成形部における薄化された肉厚部は、管を起点にして前記収集タンクの底部の方向へ増大する。これにより、前記角領域は可能な限り高く形成することができ、これによって、管は確実に前記張出し成形部の中に位置決めされ、しかも前記角領域における剥離が防止される。
【0018】
また別の一実施態様では、前記張出し成形部の高さが前記角領域において一定であるように形成されている。これにより、張出し成形部を備えた底部の製造工程が簡素化される。
【0019】
一変形態様では、前記張出し成形部の高さが、前記張出し成形部の角領域において特に連続的に前記幅広側面の方向に増大する。これにより、前記張出し成形部の前記幅広側面が、前記張出し成形部に差し込まれた管を確実に収容して安定化できることが保証される。
【0020】
本発明では数多くの実施形態が可能である。そのうちの1つについて、図面を参照しながら更に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】熱交換器の長手方向断面を示す。
図2】本発明に係る管・底結合に関する実施例を示す。
図3図2における管・底結合の張出し成形部を示す部分平面図である。
図4図2における管・底結合の張出し成形部の角領域を45°の角度から見た図である。
図5図2の角領域における張出し成形部の材料厚さを示す。
図6】従来技術に従った角領域における張出し成形部の材料厚さを示す。
【実施例】
【0022】
同一の特徴は同一の符号で示されている。
【0023】
図1には熱交換器1が示されており、この熱交換器は互いに対向する2つの収集タンク2を有し、前記収集タンク2の各々は一側面に実質的に平坦なプレート状の底部3を備えている。この場合、前記収集タンク2は、それらの底部3が互いに向き合い、かつ互いに対して平行に延在するように熱交換器1に配置されている。前記収集タンク2の間あるいはそれらの底部3の間には、互いに並んで位置し、互いに対して平行に延在する管4、好ましくは扁平管が、前記底部3に対して垂直方向に配置されており、これらの管の端部は、そのために設けられた開口部5において前記底部3を貫通し、これにより、前記収集タンク2を互いに連通するように結合する。隣接し合う管4の間には冷却フィン6が設置されており、これらの冷却フィンは例えばジグザグ状に形成されている。前記管4は、ろう接によって前記収集タンク2あるいはそれらの底部3に固定されている。
【0024】
前記熱交換器1が給気冷却器として構成されている場合、図示されていないターボチャージャによって圧縮された高温の空気が、前記上部収集タンク2に備えられた入口開口7を通じて前記上部収集タンク2の内部スペース8の中へ流入する。冷却されるべきこの空気は、前記内部スペース8の中で分散され、前記管4内へ流入して前記管を貫流する。その際、前記高温の空気は冷却され、その冷却された空気は前記管4のもう一方の端部から再び前記第2の下部収集タンク2の内部スペース8内へ流入する。前記下部収集タンク2は出口開口9を有し、この出口開口を通じて、今や冷却された前記空気が当該の負荷、例えば内燃機関に供給される。
【0025】
前記管4の領域における空気の冷却は、前記管4の間に配置された冷却フィン6を利用して行われる。前記管4およびその間に配置された冷却フィン6は冷却空気流に曝される。その際、前記管4を貫流する高温の空気の熱エネルギーは前記管4へ伝えられ、更にまた前記管から前記冷却フィン6へ伝えられた後、冷却空気流によって放散される。
【0026】
図2には管4の一部分が示されており、この管は収集タンク2の底部3に固定されている。この場合、矩形状の断面を有する前記管4は張出し成形部10の中へ延通されており、この張出し成形部は前記底部3から打ち抜き加工されていて、前記底部3における図示されていない開口部5を取り囲んでいる。従って、前記張出し成形部10は前記底部3の構成要素であり、従ってまた管・底結合の構成要素でもある。前記張出し成形部10の角領域11は一方の側が幅狭側面12に繋がり、前記角領域11のもう一方の側は幅広側面13において上方へ進む。この場合、前記幅狭側面12および前記幅広側面13はいずれも、前記管4の方向に向けられた挿入補助具14あるいは15を有し、これらの挿入補助具は、前記張出し成形部10内への前記管4の組み立てを支援する。
【0027】
図3には、前記張出し成形部10の幅狭側面12を前記管4から見た平面図が示されており、長い幅広側面13が両側において前記幅狭側面12に至るまで延在する。ここでは、前記張出し成形部10が矩形状の断面を有することが示されており、この断面は、前記管4の断面に適合されており、熱力学的な観点から見て前記管4にとって最適な断面である。この場合、前記幅広側面13は約1.5mmの肉厚を有し、一方、前記幅狭側面12は1mmの肉厚を有する。前記幅狭側面12と前記幅広側面13との間に延在する前記張出し成形部10の角領域11は、前記幅広側面13あるいは前記幅狭側面12に比べて薄化された肉厚を有する。この場合、前記薄化された肉厚は1mm未満であり、好ましくは0.1mm〜0.8mmである。
【0028】
前記薄化された肉厚部は前記角領域11に限定されておらず、前記幅狭側面12および前記幅広側面13のそれぞれの開始部分内へも延びている。図3から見て取れるように、前記張出し成形部10の幅狭側面12において前記角領域11に繋がる0.5mm〜1.5mmの開始部分、および前記張出し成形部10の幅広側面13において同様に前記角領域11に繋がる0.5mm〜1.5mmの開始部分はいずれも、前記薄化された肉厚を有するように形成されている。この場合、有利には、前記薄化された肉厚部は、一定値の肉厚を有するようには形成されておらず、前記角領域11のちょうど丸み部分に形成された前記肉厚部の最も薄い箇所から、更に幅の広い例えば0.8mmの肉厚部に至るまで連続的に増大する。その際、前記肉厚が例えば前記幅広側面13の開始部分において0.8mmに達したとき、前記肉厚は急激に1.5mmまで増大される。
【0029】
前記張出し成形部10の外面は、この角領域11内へ、あるいは前記幅狭側面12もしくは前記幅広側面13の外部部分において、前記張出し成形部10の内輪郭に対して平行に延在すること、または連続的に上昇することが可能である。この場合、前記外面は、図2から明らかなようにややテーパ状に形成されている。
【0030】
図4には、前記張出し成形部10の角領域11を45°の角度から見た図が示されている。この図から明らかなように、前記張出し成形部10の高さは一定に形成されてはいない。前記角領域11における前記張出し成形部10の高さは、前記幅狭側面12の比較的低い高さを起点にして連続的に増大している。
【0031】
このことは、前記幅狭側面12あるいは前記幅広側面13の隣接する開始部分における薄化された肉厚部にも当てはまる。前記張出し成形部10の高さは、前記薄化された肉厚部の領域において理想的には3mm〜6mmであり、また、前記薄化された領域において連続的に増大してもよい(上昇部16)。前記角領域11全体と前記幅狭側面12および前記幅広側面13における隣接する開始部分とにわたって高さを一定に形成することも可能である。
【0032】
図5および図6には、前記張出し成形部10において前記角領域11に最大応力が加わる領域が領域Aとして示されている。本発明の場合、最大の応力ピーク値が生じる領域Aにおいて、前記張出し成形部10の肉厚部が最も薄く形成されており、例えば0.3mmである。
【0033】
前記張出し成形部10の肉厚を前記のように薄化することによって前記角領域11における材料厚さの急激な変化を低減することで、前記底部3の厚さおよび前記管4の肉厚のいずれもが非常に低減されるにもかかわらず、大きな応力と従ってまた応力ピーク値とを従来技術に比べて著しく低減することができる。
【0034】
本発明によって、材料の追加および製造ステップの追加を回避することを前提とし、熱力学的な観点から見た前記扁平管4の最適な矩形断面を保持した上で、前記管の肉厚および前記底板3の肉厚のいずれもが従来技術に比べて一層低減され、これにより熱交換器のコストが低減される熱交換器1が提案される。この材料低減にもかかわらず、前記熱交換器の寿命は延長される。
【符号の説明】
【0035】
1 熱交換器
2 収集タンク
3 底部、底板
4 管
5 開口部
6 冷却フィン
7 入口開口
8 内部スペース
9 出口開口
10 張出し成形部
11 角領域
12 幅狭側面
13 幅広側面
14 挿入補助具
15 挿入補助具
16 上昇部
図1
図2
図3
図4
図5
図6