【文献】
CATT, CMCC,Optimization of soft buffer allocation for TDD[online], 3GPP TSG-RAN WG1#58b R1-094120,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58b/Docs/R1-094120.zip>,2009年10月12日
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);Multiplexing and channel coding(Release 10),3GPP TS 36.212 V10.6.0 (2012-06),3GPP,2012年 6月,第17頁
【文献】
LG Electronics,TDD DL-UL Reconfiguration Methods for eIMTA[online], 3GPP TSG-RAN WG1#69 R1-122318,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122318.zip>,2012年 5月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
3GPP LTEでは、下り回線の通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用されている。3GPP LTEが適用された無線通信システムでは、基地局が予め定められた通信リソースを用いて同期信号(Synchronization Channel:SCH)及び報知信号(Broadcast Channel:BCH)を送信する。そして、端末は、まず、SCHを捕まえることによって基地局との同期を確保する。その後、端末は、BCH情報を読むことにより基地局独自のパラメータ(例えば、周波数帯域幅など)を取得する(非特許文献1、2、3参照)。
【0003】
また、端末は、基地局独自のパラメータの取得が完了した後、基地局に対して接続要求を行うことにより、基地局との通信を確立する。基地局は、通信が確立された端末に対して、必要に応じてPDCCH(Physical Downlink Control Channel)等の下り回線制御チャネルを介して制御情報を送信する。
【0004】
そして、端末は、受信したPDCCH信号に含まれる複数の制御情報(下り割当制御情報:DL Assignment(Downlink Control Information:DCIと呼ばれることもある))をそれぞれ「ブラインド判定」する。すなわち、制御情報は、CRC(Cyclic Redundancy Check)部分を含み、このCRC部分は、基地局において、送信対象端末の端末IDによってマスクされる。従って、端末は、受信した制御情報のCRC部分を自機の端末IDでデマスクしてみるまでは、自機宛の制御情報であるか否かを判定できない。このブラインド判定では、デマスクした結果、CRC演算がOKとなれば、その制御情報が自機宛であると判定される。
【0005】
また、3GPP LTEでは、基地局から端末への下り回線データに対してARQ(Automatic Repeat Request)が適用される。つまり、端末は下り回線データの誤り検出結果を示す応答信号を基地局へフィードバックする。端末は下り回線データに対しCRCを行って、CRC=OK(誤り無し)であればACK(Acknowledgment)を、CRC=NG(誤り有り)であればNACK(Negative Acknowledgment)を応答信号として基地局へフィードバックする。この応答信号(つまり、ACK/NACK信号。以下、単に「A/N」と表記することもある)のフィードバックには、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上り回線制御チャネルが用いられる。
【0006】
ここで、基地局から送信される上記制御情報には、基地局が端末に対して割り当てたリソース情報等を含むリソース割当情報が含まれる。この制御情報の送信には、前述の通りPDCCHが用いられる。このPDCCHは、1つ又は複数のL1/L2CCH(L1/L2 Control Channel)から構成される。各L1/L2CCHは、1つ又は複数のCCE(Control Channel Element)から構成される。すなわち、CCEは、制御情報をPDCCHにマッピングするときの基本単位である。また、1つのL1/L2CCHが複数(2,4,8個)のCCEから構成される場合には、そのL1/L2CCHには偶数のインデックスを持つCCEを起点とする連続する複数のCCEが割り当てられる。基地局は、リソース割当対象端末に対する制御情報の通知に必要なCCE数に従って、そのリソース割当対象端末に対してL1/L2CCHを割り当てる。そして、基地局は、このL1/L2CCHのCCEに対応する物理リソースにマッピングして制御情報を送信する。
【0007】
また、ここで、各CCEは、PUCCHの構成リソース(以下、PUCCHリソースと呼ぶことがある)と1対1に対応付けられている。従って、L1/L2CCHを受信した端末は、このL1/L2CCHを構成するCCEに対応するPUCCHの構成リソースを特定し、このリソースを用いて応答信号を基地局へ送信する。ただし、L1/L2CCHが連続する複数のCCEを占有する場合には、端末は、複数のCCEにそれぞれ対応する複数のPUCCH構成リソースのうち一番インデックスが小さいCCEに対応するPUCCH構成リソース(すなわち、偶数番号のCCEインデックスを持つCCEに対応付けられたPUCCH構成リソース)を利用して、応答信号を基地局へ送信する。こうして下り回線の通信リソースが効率良く使用される。
【0008】
複数の端末から送信される複数の応答信号は、
図1に示すように、時間軸上でZero Auto-correlation特性を持つZAC(Zero Auto-correlation)系列、ウォルシュ(Walsh)系列、及び、DFT(Discrete Fourier Transform)系列によって拡散され、PUCCH内でコード多重されている。
図1において(W
0,W
1,W
2,W
3)は系列長4のウォルシュ系列を表し、(F
0,F
1,F
2)は系列長3のDFT系列を表す。
図1に示すように、端末では、ACK又はNACKの応答信号が、まず周波数軸上でZAC系列(系列長12)によって1SC−FDMAシンボルに対応する周波数成分へ1次拡散される。すなわち、系列長12のZAC系列に対して複素数で表される応答信号成分が乗算される。次いで1次拡散後の応答信号及び参照信号としてのZAC系列がウォルシュ系列(系列長4:W
0〜W
3。ウォルシュ符号系列(Walsh Code Sequence)と呼ばれることもある)、DFT系列(系列長3:F
0〜F
2)それぞれに対応させられて2次拡散される。すなわち、系列長12の信号(1次拡散後の応答信号、又は、参照信号としてのZAC系列(Reference Signal Sequence))のそれぞれの成分に対して、直交符号系列(Orthogonal sequence:ウォルシュ系列又はDFT系列)の各成分が乗算される。さらに、2次拡散された信号が、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)によって時間軸上の系列長12の信号に変換される。そして、IFFT後の信号それぞれに対しCPが付加され、7つのSC−FDMAシンボルからなる1スロットの信号が形成される。
【0009】
異なる端末からの応答信号同士は、異なる巡回シフト量(Cyclic Shift Index)に対応するZAC系列、又は、異なる系列番号(Orthogonal Cover Index : OC index)に対応する直交符号系列を用いて拡散されている。直交符号系列は、ウォルシュ系列とDFT系列との組である。また、直交符号系列はブロックワイズ拡散コード系列(Block-wise spreading code)と称されることもある。従って、基地局は、従来の逆拡散及び相関処理を用いることにより、これらコード多重された複数の応答信号を分離することができる(非特許文献4参照)。
【0010】
ただし、各端末が各サブフレームにおいて自分宛の下り割当制御信号をブラインド判定するので、端末側では、必ずしも下り割当制御信号の受信が成功するとは限らない。端末が或る下り単位バンドにおける自分宛の下り割当制御信号の受信に失敗した場合、端末は、当該下り単位バンドにおいて自分宛の下り回線データが存在するか否かさえも知り得ない。従って、或る下り単位バンドにおける下り割当制御信号の受信に失敗した場合、端末は、当該下り単位バンドにおける下り回線データに対する応答信号も生成しない。このエラーケースは、端末側で応答信号の送信が行われないという意味での、応答信号のDTX(DTX (Discontinuous transmission) of ACK/NACK signals)として定義されている。
【0011】
ところで、3GPP LTEシステム(以下、「LTEシステム」と呼ばれることがある)では、基地局は上り回線データ及び下り回線データに対してそれぞれ独立にリソース割当を行う。そのため、LTEシステムでは、上り回線において、端末(つまり、LTEシステム対応の端末(以下、「LTE端末」という))が、下り回線データに対する応答信号と、上り回線データとを同時に送信しなければならない状況が発生する。この状況では、端末からの応答信号及び上り回線データは、時間多重(Time Division Multiplexing:TDM)を用いて送信される。このように、TDMを用いて応答信号と上り回線データとを同時に送信することで、端末の送信波形のシングルキャリア特性(Single carrier properties)を維持している。
【0012】
また、
図2に示すように、時間多重(TDM)では、端末から送信される応答信号(「A/N」)は、上り回線データ向けに割り当てられたリソース(PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)リソース)の一部(参照信号(RS(Reference Signal))がマッピングされるSC−FDMAシンボルに隣接するSC−FDMAシンボルの一部)を占有して基地局に送信される。ただし、
図2における縦軸の「Subcarrier」は「Virtual subcarrier」、又は「Time contiguous signal」と呼ばれることもあり、SC−FDMA送信機においてDFT(Discrete Fourier Transform)回路に纏めて入力される「時間的に連続する信号」を便宜上「subcarrier」として表したものである。すなわち、PUSCHリソースでは、応答信号によって、上り回線データのうちの任意のデータがパンクチャ(puncture)される。このため、符号化後の上り回線データの任意のビットがパンクチャされることで、上り回線データの品質(例えば、符号化利得)が大幅に劣化する。そのため、基地局は、例えば、端末に対して非常に低い符号化率を指示したり、非常に大きな送信電力を指示したりすることで、パンクチャによる上り回線データの品質劣化を補償する。
【0013】
また、3GPP LTEよりも更なる通信の高速化を実現する3GPP LTE−Advancedの標準化が行われている。3GPP LTE−Advancedシステム(以下、「LTE−Aシステム」と呼ばれることがある)は、LTEシステムを踏襲する。3GPP LTE−Advancedでは、最大1Gbps以上の下り伝送速度を実現するために、40MHz以上の広帯域周波数で通信可能な基地局及び端末が導入される。
【0014】
LTE−Aシステムにおいては、LTEシステムにおける伝送速度の数倍もの超高速伝送速度による通信、及び、LTEシステムに対する後方互換性(バックワードコンパチビリティー:Backward Compatibility)を同時に実現するために、LTE−Aシステム向けの帯域が、LTEシステムのサポート帯域幅である20MHz以下の「単位バンド」に区切られる。すなわち、「単位バンド」は、ここでは、最大20MHzの幅を持つ帯域であって、通信帯域の基本単位として定義される。FDD(Frequency Division Duplex)システムでは、さらに、下り回線における「単位バンド」(以下、「下り単位バンド」という)は基地局から報知されるBCHの中の下り周波数帯域情報によって区切られた帯域、又は、下り制御チャネル(PDCCH)が周波数領域に分散配置される場合の分散幅によって定義される帯域として定義されることもある。また、上り回線における「単位バンド」(以下、「上り単位バンド」という)は、基地局から報知されるBCHの中の上り周波数帯域情報によって区切られた帯域、又は、中心付近にPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)領域を含み、両端部にLTE向けのPUCCHを含む20MHz以下の通信帯域の基本単位として定義されることもある。なお、「単位バンド」は、3GPP LTE−Advancedにおいて、英語でComponent Carrier(s)又はCellと表記されることがある。また、略称としてCC(s)と表記されることもある。
【0015】
TDD(Time Division Duplex)システムでは、下り単位バンドと上り単位バンドとが同一周波数帯域であり、時分割で下り回線と上り回線とを切り替えることによって、下り通信と上り通信とを実現する。そのためTDDシステムの場合、下り単位バンドは、「単位バンドにおける下り通信タイミング」とも表現できる。上り単位バンドは、「単位バンドにおける上り通信タイミング」とも表現できる。下り単位バンドと上り単位バンドとの切り替えは、
図3に示すように、UL-DL Configurationに基づく。UL-DL Configurationは、SIB1(System Information Block Type 1)と呼ばれる報知信号で端末に通知され、その値はシステム全体で同じ値であり、値の変更を頻繁には行わないことが想定されている。
図3に示すUL-DL Configurationでは、1フレーム(10msec)あたりの下り通信(DL:Downlink)と上り通信(UL:Uplink)とのサブフレーム単位(すなわち、1msec単位)のタイミングが設定される。UL-DL Configurationは、下り通信と上り通信とのサブフレーム割合を変更することにより、下り通信に対するスループット及び上り通信に対するスループットの要求に柔軟に対応できる通信システムを構築することができる。例えば、
図3は、下り通信と上り通信とのサブフレーム割合が異なるUL-DL Configuration(Config#0〜6)を示す。また、
図3において、下り通信サブフレームを「D」で表し、上り通信サブフレームを「U」で表し、スペシャルサブフレームを「S」で表す。ここで、スペシャルサブフレームは、下り通信サブフレームから上り通信サブフレームへの切替時のサブフレームである。また、スペシャルサブフレームでは、下り通信サブフレームと同様、下りデータ通信が行われる場合がある。なお、
図3に示す各UL-DL Configurationでは、2フレーム分のサブフレーム(20サブフレーム)を、下り通信に用いられるサブフレーム(上段の「D」及び「S」)と上り通信に用いられるサブフレーム(下段の「U」)とに分けて2段で表している。また、
図3に示すように、下りデータに対する誤り検出結果(ACK/NACK)は、当該下りデータが割り当てられたサブフレームの4サブフレーム以上後の上り通信サブフレームで通知される。
【0016】
LTE−Aシステムでは、UL-DL Configurationを変更すること(以下、TDD eIMTA(enhancement for DL-UL Interference Management and Traffic Adaptation)と呼ばれることがある)が検討されている。TDD eIMTAの目的は、UL/DL比率の柔軟な変更によるユーザのニーズに合ったサービスの提供、又は、トラフィックロードの低い時間帯にUL比率を増やすことによる基地局での消費電力の低減などが挙げられる。UL-DL Configurationの変更方法として、変更する目的に応じて、(1)SI(System Information)シグナリングベースの通知による方法、(2)RRC(higher layer)シグナリングベースの通知方法、及び、(3)L1(Physical Layer)シグナリングベースの通知方法がそれぞれ検討されている。
【0017】
方法(1)は、最も低頻度のUL-DL Configurationの変更である。方法(1)は、例えば、トラフィックロードの低い時間帯(例えば深夜又は早朝)にUL比率を増やすことによる基地局での消費電力の低減を目的とする場合に適する。方法(3)は、最も高頻度のUL-DL Configurationの変更である。ピコセルなどの小さいセルにおいては、マクロセルなどの大きいセルよりも接続する端末数は少ない。ピコセルでは、ピコセルに接続される少数の端末におけるUL/DLトラフィックの多寡によってピコセル全体のUL/DLトラフィックが決定される。このため、ピコセルでは、UL/DLトラフィックの時間変動が激しい。よって、ピコセルのような小さいセルにおけるUL/DLトラフィックの時間変動に追従してUL-DL Configurationを変更する場合には、方法(3)が適する。方法(2)は、方法(1)と方法(3)との間に位置し、中程度のUL-DL Configurationの変更頻度である場合に適する。
【0018】
また、LTEシステム及びLTE−Aシステムでは、下り回線データのHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)(以下、「DL HARQ」と呼ぶ)をサポートする。DL HARQにおいて、LTE端末及びLTE−A端末は、誤りが検出された下り回線データに対するLLR(Log Likelihood Ratio)(またはソフトビット(Soft bit)と呼ばれることもある)をソフトバッファに格納する。ソフトバッファに格納されるLLRは、再送される下り回線データ(再送データ)に対するLLRと合成される。ソフトバッファ(バッファ容量:N
soft)は、
図4及び次式(1)に示すように、端末がサポートする下り単位バンド数(K
C)と、端末がサポートする多重レイヤ数(K
MIMO)と、端末に設定されたUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数(M
DL_HARQ)とに基づいて等分割され、1トランスポートブロック(Transport Block(またはTB))あたりのIR(Incremental Redundancy)バッファサイズ(N
IR)が算出される。なお、最大DL HARQプロセス数は、各UL-DL Configuration(Config#0〜#6)における、DL HARQでの下り回線データの送信から当該下り回線データの再送までの再送間隔(RTT(Round Trip Time)と呼ばれることもある)の最大値に基づいて設定された再送プロセス数(DL HARQプロセス数)を示す(
図5参照)。
【数1】
【0019】
また、
図5に示すように、最大DL HARQプロセス数は、UL-DL Configuration毎に異なる値を有する。
【0020】
端末は、誤りが検出された下り回線データに対するLLRを、式(1)により算出される1TBあたりのIRバッファサイズの範囲で、各DL HARQプロセスに対応するIRバッファに格納する。ここで、式(1)に示すM
limitは、ソフトバッファに格納されるDL HARQプロセス数の、端末が対応可能な許容値であり、例えばM
limitの値は8である。また、ソフトバッファの総容量(ソフトバッファ容量)を抑えるために、1TBあたりのIRバッファは、必ずしも、1TBあたりの全てのシステマチックビット(LLR)および全てのパリティビット(LLR)を格納できるわけではない。そのため、限られたソフトバッファ容量の中で、1TBあたりのIRバッファサイズを可能な限り大きくすることが、IRバッファに格納できるLLRの総量を増やすことに繋がり、結果として、HARQ再送性能の向上に繋がる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0032】
(実施の形態1)
図7は、本実施の形態に係る端末200の主要構成図である。端末200は、1フレームを構成するサブフレームの構成パターンであって、下り回線の通信に用いられる下り通信サブフレーム(DLサブフレーム)及び上り回線の通信に用いられる上り通信サブフレーム(ULサブフレーム)を含む構成パターン(UL-DL Configuration)を設定変更することが可能である。端末200において、復号部210が、基地局から送信された下り回線データを再送用のバッファ(ソフトバッファ)に格納するとともに、下り回線データを復号し、無線送信部222が、下り回線データの誤り検出結果を用いて生成される応答信号を送信する。ここで、上記ソフトバッファは、端末200に設定可能な複数の構成パターンにそれぞれ規定された再送プロセス数(最大DL HARQプロセス数)の中の最大値に基づいて、再送プロセス毎の複数の領域(IRバッファ)に分割される。
【0033】
なお、以下の説明では、説明を簡略にするため、端末200には1つの下り単位バンドが設定される場合について説明する。また、端末200にはMIMO(Multiple Input Multiple Output)が設定されていない場合(non−MIMO)について説明する。つまり、式(1)において、K
C=1(1つの下り単位バンドを使用)とし、K
MIMO=1(non−MIMO。多重レイヤ数:1)とする。すなわち、以下の説明では、式(1)に示す最大DL HARQプロセス数(M
DL_HARQ)に着目する。
【0034】
[基地局の構成]
図8は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図8において、基地局100は、制御部101と、制御情報生成部102と、符号化部103と、変調部104と、符号化部105と、データ送信制御部106と、変調部107と、マッピング部108と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部109と、CP付加部110と、無線送信部111と、無線受信部112と、CP除去部113と、PUCCH抽出部114と、逆拡散部115と、系列制御部116と、相関処理部117と、A/N判定部118と、束A/N逆拡散部119と、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)部120と、束A/N判定部121と、再送制御信号生成部122とを有する。
【0035】
制御部101は、リソース割当対象端末(以下「宛先端末」又は単に「端末」ともいう)200に対して、制御情報を送信するための下りリソース(つまり、下り制御情報割当リソース)、及び、下り回線データを送信するための下りリソース(つまり、下りデータ割当リソース)を割り当てる(Assignする)。このリソース割当は、リソース割当対象端末200に設定される単位バンドグループに含まれる下り単位バンドにおいて行われる。また、下り制御情報割当リソースは、下り単位バンドにおける下り制御チャネル(PDCCH)に対応するリソース内で選択される。また、下りデータ割当リソースは、下り単位バンドにおける下りデータチャネル(PDSCH)に対応するリソース内で選択される。また、リソース割当対象端末200が複数有る場合には、制御部101は、リソース割当対象端末200のそれぞれに異なるリソースを割り当てる。
【0036】
下り制御情報割当リソースは、上記したL1/L2CCHと同等である。すなわち、下り制御情報割当リソースは、1つ又は複数のCCEから構成される。
【0037】
また、制御部101は、リソース割当対象端末200に対して制御情報を送信する際に用いる符号化率を決定する。この符号化率に応じて制御情報のデータ量が異なるので、このデータ量の制御情報をマッピング可能な数のCCEを持つ下り制御情報割当リソースが、制御部101によって割り当てられる。
【0038】
そして、制御部101は、制御情報生成部102に対して、下りデータ割当リソースに関する情報を出力する。また、制御部101は、符号化部103に対して、符号化率に関する情報を出力する。また、制御部101は、送信データ(つまり、下り回線データ)の符号化率を決定し、符号化部105に出力する。また、制御部101は、下りデータ割当リソース及び下り制御情報割当リソースに関する情報をマッピング部108に対して出力する。ただし、制御部101は下り回線データと当該下り回線データに対する下り制御情報を同一の下り単位バンドにマッピングするよう制御する。
【0039】
制御情報生成部102は、下りデータ割当リソースに関する情報を含む制御情報を生成して符号化部103へ出力する。この制御情報は下り単位バンド毎に生成される。また、リソース割当対象端末200が複数有る場合に、リソース割当対象端末200同士を区別するために、制御情報には、宛先端末200の端末IDが含まれる。例えば、宛先端末200の端末IDでマスキングされたCRCビットが制御情報に含まれる。この制御情報は、「下り割当制御情報(Control information carrying downlink assignment)」又は「Downlink Control Information(DCI)」と呼ばれることがある。また、制御情報生成部102は、例えば再送制御信号生成部122が生成する再送制御信号を参照して(図示せず)、データ送信制御部106において送信制御される下り回線データの送信が初回送信であるか再送であるかを表す再送情報を制御情報に含める。
【0040】
符号化部103は、制御部101から受け取る符号化率に従って、制御情報を符号化し、符号化された制御情報を変調部104へ出力する。
【0041】
変調部104は、符号化後の制御情報を変調し、得られた変調信号をマッピング部108へ出力する。
【0042】
符号化部105は、宛先端末200毎の送信データ(つまり、下り回線データ)及び制御部101からの符号化率情報を入力として送信データを符号化し、データ送信制御部106に出力する。
【0043】
データ送信制御部106は、初回送信時には、符号化後の送信データを保持すると共に変調部107へ出力する。符号化後の送信データは、宛先端末200毎に保持される。
【0044】
また、データ送信制御部106は、再送制御信号生成部122から下り単位バンドで送信した下り回線データに対するNACK又はDTXを受け取ると、この下り単位バンドに対応する保持データを変調部107へ出力する。データ送信制御部106は、再送制御信号生成部122から或る下り単位バンドで送信した下り回線データに対するACKを受け取ると、この下り単位バンドに対応する保持データを削除する。
【0045】
変調部107は、データ送信制御部106から受け取る符号化後の送信データを変調し、変調信号をマッピング部108へ出力する。
【0046】
マッピング部108は、制御部101から受け取る下り制御情報割当リソースの示すリソースに、変調部104から受け取る制御情報の変調信号をマッピングし、IFFT部109へ出力する。
【0047】
また、マッピング部108は、制御部101から受け取る下りデータ割当リソース(すなわち、制御情報に含まれる情報)の示すリソース(PDSCH(下りデータチャネル))に、変調部107から受け取る送信データの変調信号をマッピングし、IFFT部109へ出力する。
【0048】
マッピング部108にて下り単位バンドにおける複数のサブキャリアにマッピングされた制御情報及び送信データは、IFFT部109で周波数領域信号から時間領域信号に変換され、CP付加部110にてCPが付加されてOFDM信号とされた後に、無線送信部111にてD/A(Digital to Analog)変換、増幅及びアップコンバート等の送信処理が施され、アンテナを介して端末200へ送信される。
【0049】
無線受信部112は、端末200から送信された上り応答信号又は参照信号を、アンテナを介して受信し、上り応答信号又は参照信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行う。
【0050】
CP除去部113は、受信処理後の上り応答信号又は参照信号に付加されているCPを除去する。
【0051】
PUCCH抽出部114は、受信信号に含まれるPUCCH信号から、予め端末200に通知してある束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域の信号を抽出する。具体的には、PUCCH抽出部114は、束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域のデータ部分(すなわち、束ACK/NACK信号が配置されているSC−FDMAシンボル)と参照信号部分(すなわち、束ACK/NACK信号を復調するための参照信号が配置されているSC−FDMAシンボル)を抽出する。PUCCH抽出部114は、抽出したデータ部分を束A/N逆拡散部119に出力し、参照信号部分を逆拡散部115−1に出力する。
【0052】
また、PUCCH抽出部114は、受信信号に含まれるPUCCH信号から、下り割当制御情報(DCI)の送信に用いられたPDCCHが占有していたCCEに対応付けられているA/Nリソース及び予め端末200に通知してある複数のA/Nリソースに対応する複数のPUCCH領域を抽出する。ここで、A/Nリソースとは、A/Nが送信されるべきリソースである。具体的には、PUCCH抽出部114は、A/Nリソースに対応するPUCCH領域のデータ部分(上り制御信号が配置されているSC−FDMAシンボル)と参照信号部分(上り制御信号を復調するための参照信号が配置されているSC−FDMAシンボル)を抽出する。そして、PUCCH抽出部114は、抽出したデータ部分及び参照信号部分の両方を、逆拡散部115−2に出力する。このようにして、CCEに関連付けられたPUCCHリソース及び端末200に対して通知した特定のPUCCHリソースの中から選択されたリソースで応答信号が受信される。
【0053】
系列制御部116は、端末200から通知されるA/N、A/Nに対する参照信号、及び、束ACK/NACK信号に対する参照信号のそれぞれの拡散に用いられる可能性があるBase sequence(すなわち、系列長12のZAC系列)を生成する。また、系列制御部116は、端末200が用いる可能性のあるPUCCHリソースにおいて、参照信号が配置され得るリソース(以下「参照信号リソース」という)に対応する相関窓をそれぞれ特定する。そして、系列制御部116は、束ACK/NACKリソースにおいて参照信号が配置され得る参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを相関処理部117−1に出力する。系列制御部116は、参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを、相関処理部117−1に出力する。また、系列制御部116は、A/N及びA/Nに対する参照信号が配置されるA/Nリソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを相関処理部117−2に出力する。
【0054】
逆拡散部115−1及び相関処理部117−1は、束ACK/NACKリソースに対応するPUCCH領域から抽出された参照信号の処理を行う。
【0055】
具体的には、逆拡散部115−1は、端末200が束ACK/NACKリソースの参照信号において2次拡散に用いるべきウォルシュ系列で参照信号部分を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部117−1に出力する。
【0056】
相関処理部117−1は、参照信号リソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを用いて、逆拡散部115−1から入力される信号と、端末200において1次拡散に用いられる可能性のあるBase sequenceとの相関値を求める。そして、相関処理部117−1は、相関値を束A/N判定部121に出力する。
【0057】
逆拡散部115−2及び相関処理部117−2は、複数のA/Nリソースに対応する複数のPUCCH領域から抽出された参照信号及びA/Nの処理を行う。
【0058】
具体的には、逆拡散部115−2は、端末200が各A/Nリソースのデータ部分及び参照信号部分において2次拡散に用いるべきウォルシュ系列及びDFT系列でデータ部分及び参照信号部分を逆拡散し、逆拡散後の信号を相関処理部117−2に出力する。
【0059】
相関処理部117−2は、各A/Nリソースに対応する相関窓を示す情報及びBase sequenceを用いて、逆拡散部115−2から入力される信号と、端末200において1次拡散に用いられる可能性のあるBase sequenceとの相関値をそれぞれ求める。そして、相関処理部117−2は、それぞれの相関値をA/N判定部118に出力する。
【0060】
A/N判定部118は、相関処理部117−2から入力される複数の相関値に基づいて、端末200からどのA/Nリソースを用いて信号が送信されているか、若しくは、いずれのA/Nリソースも用いられていないかを判定する。そして、A/N判定部118は、端末200からいずれかのA/Nリソースを用いて信号が送信されていると判定した場合、参照信号に対応する成分及びA/Nに対応する成分を用いて同期検波を行い、同期検波の結果を再送制御信号生成部122に出力する。一方、A/N判定部118は、端末200がいずれのA/Nリソースも用いていないと判定した場合には、A/Nリソースが用いられていない旨を再送制御信号生成部122に出力する。
【0061】
束A/N逆拡散部119は、PUCCH抽出部114から入力される束ACK/NACKリソースのデータ部分に対応する束ACK/NACK信号をDFT系列によって逆拡散し、その信号をIDFT部120に出力する。
【0062】
IDFT部120は、束A/N逆拡散部119から入力される周波数領域上の束ACK/NACK信号を、IDFT処理によって時間領域上の信号に変換し、時間領域上の束ACK/NACK信号を束A/N判定部121に出力する。
【0063】
束A/N判定部121は、IDFT部120から入力される束ACK/NACKリソースのデータ部分に対応する束ACK/NACK信号を、相関処理部117−1から入力される束ACK/NACK信号の参照信号情報を用いて復調する。また、束A/N判定部121は、復調後の束ACK/NACK信号を復号し、復号結果を束A/N情報として再送制御信号生成部122に出力する。ただし、束A/N判定部121は、相関処理部117−1から入力される相関値が閾値よりも小さく、端末200から束A/Nリソースを用いて信号が送信されていないと判定した場合には、その旨を再送制御信号生成部122に出力する。
【0064】
再送制御信号生成部122は、束A/N判定部121から入力される情報、A/N判定部118から入力される情報、及び、予め端末200に設定したグループ番号を示す情報に基づいて、下り単位バンドで送信したデータ(下り回線データ)を再送すべきか否かを判定し、判定結果に基づいて再送制御信号を生成する。具体的には、再送制御信号生成部122は、下り単位バンドで送信した下り回線データに対して再送する必要があると判断した場合には、当該下り回線データの再送命令を示す再送制御信号を生成して、再送制御信号をデータ送信制御部106へ出力する。また、再送制御信号生成部122は、下り単位バンドで送信した下り回線データに対して再送する必要が無いと判断した場合には、当該下り単位バンドで送信した下り回線データを再送しないことを示す再送制御信号を生成して、再送制御信号をデータ送信制御部106へ出力する。
【0065】
[端末の構成]
図9は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図9において、端末200は、無線受信部201と、CP除去部202と、FFT(Fast Fourier Transform)部203と、抽出部204と、復調部205と、復号部206と、判定部207と、制御部208と、復調部209と、復号部210と、CRC部211と、応答信号生成部212と、符号化・変調部213と、1次拡散部214−1,214−2と、2次拡散部215−1,215−2と、DFT部216と、拡散部217と、IFFT部218−1,218−2,218−3と、CP付加部219−1,219−2,219−3と、時間多重部220と、選択部221と、無線送信部222とを有する。
【0066】
無線受信部201は、基地局100から送信されたOFDM信号を、アンテナを介して受信し、受信OFDM信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行う。なお、受信OFDM信号には、PDSCH内のリソースに割り当てられたPDSCH信号(下り回線データ)又はPDCCH内のリソースに割り当てられたPDCCH信号が含まれる。
【0067】
CP除去部202は、受信処理後のOFDM信号に付加されているCPを除去する。
【0068】
FFT部203は、受信OFDM信号をFFTして周波数領域信号に変換し、得られた受信信号を抽出部204へ出力する。
【0069】
抽出部204は、入力される符号化率情報に従って、FFT部203から受け取る受信信号から下り制御チャネル信号(PDCCH信号)を抽出する。すなわち、符号化率に応じて下り制御情報割当リソースを構成するCCEの数が変わるので、抽出部204は、その符号化率に対応する個数のCCEを抽出単位として、下り制御チャネル信号を抽出する。また、下り制御チャネル信号は、下り単位バンドごとに抽出される。抽出された下り制御チャネル信号は、復調部205へ出力される。
【0070】
また、抽出部204は、後述する判定部207から受け取る自装置宛の下りデータ割当リソースに関する情報に基づいて、受信信号から下り回線データ(下りデータチャネル信号(PDSCH信号))を抽出し、復調部209へ出力する。このように、抽出部204は、PDCCHにマッピングされた下り割当制御情報(DCI)を受信し、PDSCHで下り回線データを受信する。
【0071】
復調部205は、抽出部204から受け取る下り制御チャネル信号を復調し、得られた復調結果を復号部206に出力する。
【0072】
復号部206は、入力される符号化率情報に従って、復調部205から受け取る復調結果を復号して、得られた復号結果を判定部207に出力する。
【0073】
判定部207は、復号部206から受け取る復号結果に含まれる制御情報が自装置宛の制御情報であるか否かをブラインド判定(モニタ)する。この判定は、上記した抽出単位に対応する復号結果を単位として行われる。例えば、判定部207は、自装置の端末IDでCRCビットをデマスキングし、CRC=OK(誤り無し)となった制御情報を自装置宛の制御情報であると判定する。そして、判定部207は、自装置宛の制御情報に含まれる、自装置に対する下りデータ割当リソースに関する情報を抽出部204へ出力する。
【0074】
また、判定部207は、自装置宛の制御情報に含まれる、自装置に対する下り回線データの送信が初回送信であるか再送であるかを表す再送情報を復号部210へ出力する。
【0075】
また、判定部207は、自装置宛の制御情報(すなわち、下り割当制御情報)を検出した場合、ACK/NACK信号が発生(存在)する旨を制御部208に通知する。また、判定部207は、自装置宛の制御情報をPDCCH信号から検出した場合、当該PDCCHが占有していたCCEに関する情報を制御部208に出力する。
【0076】
制御部208は、判定部207から入力されるCCEに関する情報から、当該CCEに関連付けられたA/Nリソースを特定する。そして、制御部208は、CCEに関連付けられたA/Nリソース、又は、予め基地局100から通知されているA/Nリソースに対応するBase sequence及び循環シフト量を、1次拡散部214−1へ出力し、当該A/Nリソースに対応するウォルシュ系列及びDFT系列を2次拡散部215−1へ出力する。また、制御部208は、A/Nリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−1に出力する。
【0077】
また、制御部208は、束ACK/NACK信号を束ACK/NACKリソースを用いて送信すると判断した場合、予め基地局100から通知されている束ACK/NACKリソースの参照信号部分(参照信号リソース)に対応するBase sequence及び循環シフト量を、1次拡散部214−2へ出力し、ウォルシュ系列を2次拡散部215−2へ出力する。また、制御部208は、束ACK/NACKリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−2に出力する。
【0078】
また、制御部208は、束ACK/NACKリソースのデータ部分の拡散に用いるDFT系列を拡散部217に出力し、束ACK/NACKリソースの周波数リソース情報をIFFT部218−3に出力する。
【0079】
また、制御部208は、束ACK/NACKリソース又はA/Nリソースのいずれかを選択し、選択したリソースを無線送信部222に出力するよう選択部221に指示する。更に、制御部208は、選択したリソースに応じて、束ACK/NACK信号又はACK/NACK信号のいずれかを生成するよう応答信号生成部212に指示する。
【0080】
復調部209は、抽出部204から受け取る下り回線データを復調し、復調後の下り回線データ(LLR)を復号部210へ出力する。
【0081】
復号部210は、判定部207から受け取る再送情報が初回送信を指示する場合、復調部209から受け取る下り回線データ(LLR)を再送バッファ(ソフトバッファ)に格納する。さらに、復号部210は、復調部209から受け取る下り回線データを復号し、復号後の下り回線データをCRC部211へ出力する。一方、復号部210は、判定部207から受け取る再送情報が再送を指示する場合、復調部209から受け取る下り回線データと再送バッファから読み出した下り回線データとを合成し、合成後の下り回線データを、再送バッファに再度格納する。さらに、復号部210は、合成後の下り回線データを復号し、復号後の下り回線データをCRC部211へ出力する。なお、当該再送バッファサイズの計算方法(分割方法)、及び、当該再送バッファへの下り回線データの格納方法についての詳細は後述する。
【0082】
CRC部211は、復号部210から受け取る復号後の下り回線データを生成し、CRCを用いて誤り検出し、CRC=OK(誤り無し)の場合にはACKを、CRC=NG(誤り有り)の場合にはNACKを、応答信号生成部212へそれぞれ出力する。また、CRC部211は、CRC=OK(誤り無し)の場合には、復号後の下り回線データを受信データとして出力する。
【0083】
応答信号生成部212は、CRC部211から入力される、下り単位バンドにおける下り回線データの受信状況(下り回線データの誤り検出結果)、及び、予め設定されたグループ番号を示す情報に基づいて応答信号を生成する。すなわち、応答信号生成部212は、制御部208から束ACK/NACK信号を生成するように指示された場合には、下り単位バンド毎の誤り検出結果の各々が個別データとして含まれている束ACK/NACK信号を生成する。一方、応答信号生成部212は、制御部208からACK/NACK信号を生成するように指示された場合には、1シンボルのACK/NACK信号を生成する。そして、応答信号生成部212は生成した応答信号を符号化・変調部213に出力する。
【0084】
符号化・変調部213は、束ACK/NACK信号が入力された場合には、入力された束ACK/NACK信号を符号化・変調し、12シンボルの変調信号を生成し、DFT部216へ出力する。また、符号化・変調部213は、1シンボルのACK/NACK信号が入力された場合には、当該ACK/NACK信号を変調し、1次拡散部214−1に出力する。
【0085】
A/Nリソース、及び、束ACK/NACKリソースの参照信号リソースに対応する1次拡散部214−1及び214−2は、制御部208の指示に従ってACK/NACK信号又は参照信号を、リソースに対応するBase sequenceによって拡散し、拡散した信号を2次拡散部215−1,215−2へ出力する。
【0086】
2次拡散部215−1,215−2は、制御部208の指示により、入力された1次拡散後の信号をウォルシュ系列又はDFT系列を用いて拡散しIFFT部218−1,218−2に出力する。
【0087】
DFT部216は、入力される時系列の束ACK/NACK信号を12個纏めてDFT処理を行うことにより、12個の周波数軸上の信号成分を得る。そして、DFT部216は12個の信号成分を拡散部217に出力する。
【0088】
拡散部217は、制御部208から指示されたDFT系列を用いて、DFT部216から入力された12個の信号成分を拡散し、IFFT部218−3に出力する。
【0089】
IFFT部218−1,218−2,218−3は、制御部208の指示により、入力された信号を、配置されるべき周波数位置に対応付けてIFFT処理を行う。これにより、IFFT部218−1,218−2,218−3に入力された信号(すなわち、ACK/NACK信号、A/Nリソースの参照信号、束ACK/NACKリソースの参照信号、束ACK/NACK信号)は時間領域の信号に変換される。
【0090】
CP付加部219−1,219−2,219−3は、IFFT後の信号の後尾部分と同じ信号をCPとしてその信号の先頭に付加する。
【0091】
時間多重部220は、CP付加部219−3から入力される束ACK/NACK信号(すなわち、束ACK/NACKリソースのデータ部分を用いて送信される信号)と、CP付加部219−2から入力される束ACK/NACKリソースの参照信号とを、束ACK/NACKリソースに時間多重し、得られた信号を選択部221へ出力する。
【0092】
選択部221は、制御部208の指示に従って、時間多重部220から入力される束ACK/NACKリソースとCP付加部219−1から入力されるA/Nリソースのいずれかを選択し、選択したリソースに割り当てられた信号を無線送信部222へ出力する。
【0093】
無線送信部222は、選択部221から受け取る信号に対しD/A変換、増幅及びアップコンバート等の送信処理を行い、アンテナから基地局100へ送信する。
【0094】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。
【0095】
基地局100は、端末200に対して、設定可能なUL-DL Configurationのセットを予め通知する。この設定可能なUL-DL Configurationのセットは、TDD eIMTAにおいて変更可能なUL-DL Configurationを示す情報である。
【0096】
端末200は、設定可能なUL-DL Configurationのセットの各UL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数のうち、最も大きい、最大DL HARQプロセス数に基づいて、ソフトバッファを複数のIRバッファに等分割する。これにより、IRバッファサイズが求まる。
【0097】
端末200におけるIRバッファサイズ(N
IR)の計算方法について、
図10、
図11および式(2)を用いて説明する。なお、以下の説明では、式(2)において、K
C=1(1つの下り単位バンドを使用)とし、K
MIMO=1(non−MIMO)とする。
【数2】
【0098】
図10及び
図11では、端末200において、TDD eIMTAによって変更可能なUL-DL Configurationのセット(eIMTA_Config)は、UL-DL Configuration#0(以下、「Config#0」と表すことがある。他のUL-DL Configurationについても同様である。)、Config#1、および、Config#6である(すなわち、eIMTA_Config={#0, #1, #6})。
【0099】
図10は、各UL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数(M
DL_HARQ)を示す。
図10に示すように、端末200のeIMTA_ConfigであるConfig#0、Config#1及びConfig#6が規定する最大DL HARQプロセス数は、それぞれ、4、7、6である。つまり、式(2)に示すM
DL_HARQ,eIMTA_Config={4,6,7}である。
【0100】
したがって、変更可能なUL-DL Configurationのセットの各UL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数のうち、最も大きい、最大DL HARQプロセス数(最大値)は、7プロセスである。つまり、式(2)に示すmax(M
DL_HARQ,eIMTA_Config)=7である。
【0101】
ソフトバッファ(バッファ容量:N
soft)は、この最大DL HARQプロセス数の最大値(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config)=7)、及び、端末200が対応可能なDL HARQプロセス数の最大許容値(M
limit=8)のうち小さい値(min(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config),M
limit)=7)に相当する数のIRバッファに等分割(ここでは7分割)される。
【0102】
図11は、eIMTA_Config={#0, #1, #6}が設定された端末200におけるUL-DL ConfigurationがConfig#0からConfig#1に変更された場合のソフトバッファの分割方法の一例を示す。
【0103】
変更前後の異なるUL-DL Configuration間では最大DL HARQプロセス数が異なる。ただし、上述したように、端末200が有するソフトバッファは、変更前後のUL-DL Configurationに依らず、7等分される(N
IR=N
soft/7)。
【0104】
そして、7個のIRバッファのうち、端末200に現時点で設定されているUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数分のIRバッファ(IRバッファ群)には、当該UL-DL Configurationにおける各DL HARQプロセスがそれぞれ割り振られる。具体的には、
図11に示すように、変更前(Config#0)では、ソフトバッファを7分割して得られる7個のIRバッファのうち、左から1番目〜4番目のIRバッファ(Config#0が規定する最大DL HARQプロセス数分)には、DL HARQプロセス番号1〜4のDL HARQプロセスがそれぞれ割り振られる。同様に、変更後(Config#0)では、7個のIRバッファ(Config#1が規定する最大DL HARQプロセス数分)には、DL HARQプロセス番号1〜7のDL HARQプロセスがそれぞれ割り振られる。
【0105】
すなわち、
図11に示すように、変更前(Config#0)では、端末200は、7個のIRバッファのうち、Config#0が規定する最大DL HARQプロセス数に対応する4個のIRバッファを用いてDL HARQを実行する。一方、
図11に示すように、変更後(Config#1)では、端末200は、7個のIRバッファ全て(Config#1が規定する最大DL HARQプロセス数に対応)を用いてDL HARQを実行する。
【0106】
これにより、変更前(Config#0)と変更後(Config#1)とにおいて、最大DL HARQプロセス数が異なるものの、DL HARQプロセス番号1〜4のDL HARQプロセスに関するIRバッファの位置(下り回線データの配置位置)は同一となる。よって、端末200は、UL-DL Configurationの変更前後においてソフトバッファ上の同一位置のIRバッファに格納された、同一DL HARQプロセス(
図11ではDL HARQプロセス番号2)の下り回線データ(LLR)を正しく読み出すことができる。すなわち、端末200は、UL-DL Configurationの変更前後においてもDL HARQプロセスを継続することができる。
【0107】
なお、
図11に示すように、端末200に設定可能なUL-DL Configurationのセットの各UL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数のうち、最も大きい、最大DL HARQプロセス数(例えば
図10及び
図11では7)よりも、端末200が使用中のUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数(例えばConfig#0では4)の方が小さい場合、その差分のDL HARQプロセス数に対するIRバッファ(
図11に示すN/A(Not Available)で示されたIRバッファ領域)は使用されない。すなわち、ソフトバッファを分割して得られる複数のIRバッファのうち、端末200に現時点で設定されているUL-DL Configurationの各DL HARQプロセスに割り振られたIRバッファ以外の残りのIRバッファは使用されない。以下、上記使用されないIRバッファ領域は、「余剰IRバッファ領域」と呼ばれることがある。
【0108】
以上のように、本実施の形態では、端末200は、端末200に設定可能なUL-DL Configurationのそれぞれが規定する最大DL HARQプロセス数の中の最大値に基づいて、ソフトバッファを、DL HARQプロセス毎の複数のIRバッファに分割する。こうすることで、端末200に設定可能なUL-DL Configurationのそれぞれが規定する最大DL HARQプロセス数のうち、少なくとも1つのUL-DL Configurationが8(M
limit)未満の場合(
図10では、少なくともConfig#0、Config#1またはConfig#6のいずれか1つのUL-DL Configurationに変更可能な場合)でも、端末200は、UL-DL Configurationの変更前後において、同一DL HARQプロセスに対応するIRバッファの格納データを正しく読み出すことができる。すなわち、端末200では、UL-DL Configurationの変更前後においてDL HARQを継続することができる。よって、本実施の形態によれば、UL-DL Configurationの変更前後において下り回線データに対するDL HARQプロセスを継続することにより、HARQ再送性能の劣化を抑えることができる。
【0109】
(実施の形態2)
実施の形態1では、余剰IRバッファ領域を使用しない場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、余剰IRバッファ領域を有効に利用する方法について説明する。
【0110】
以下、余剰IRバッファ領域の利用方法1(
図12A)及び利用方法2(
図12B)について説明する。
【0111】
なお、以下の説明では、実施の形態1と同様、端末200に対して、TDD eIMTAによって変更可能なUL-DL Configurationのセットを、Config#0、Config#1、Config#6とする(すなわち、eIMTA_Config={#0, #1, #6})。つまり、
図12A及び
図12Bに示すように、端末200ではソフトバッファは7分割される。
【0112】
つまり、利用方法1(
図12A)では、UL-DL Configurationの変更前(Config#0:最大DL HARQプロセス数:4)において余剰IRバッファ領域(3個のIRバッファ)が発生する。一方、利用方法2(
図12B)では、UL-DL Configurationの変更後(Config#0)において余剰IRバッファ領域(3個のIRバッファ)が発生する。
【0113】
<利用方法1>
図12Aでは、端末200は、余剰IRバッファ領域を、使用中のUL-DL Configurationにおいて存在するDL HARQプロセス用の追加IRバッファ領域として用いる。具体的には、
図12Aでは、端末200は、3個の余剰IRバッファ領域を、端末200が使用中のConfig#0において存在する4つのDL HARQプロセス(DL HARQプロセス番号1〜4)のうち、3つのDL HARQプロセス(DL HARQプロセス番号1〜3)に対する追加IRバッファ領域として用いる。
【0114】
つまり、余剰IRバッファ領域には、ソフトバッファを分割して得られたIRバッファの総数(
図12Aでは7個)と、使用中のUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数(
図12Aでは4プロセス)との差分に相当する数のDL HARQプロセス(
図12Aでは3プロセス)が割り振られる。
【0115】
これにより、端末200は、DL HARQプロセス番号1〜3のDL HARQプロセスについては、2つのIRバッファを用いることができる。
【0116】
なお、端末200は、UL-DL Configurationの変更を基地局100から指示された場合、余剰IRバッファ領域(追加IRバッファ領域)に格納された下り回線データをリセットする。
【0117】
以上のように、端末200に現時点で設定されているUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数がIRバッファ数(ソフトバッファの分割数)よりも少ない場合、複数のIRバッファのうち、当該UL-DL ConfigurationにおけるDL HARQプロセスが割り振られたIRバッファ(第1の領域群に相当)以外の残りのIRバッファ(第2の領域群に相当。つまり、余剰IRバッファ領域)には、当該UL-DL ConfigurationにおけるDL HARQプロセスのいずれかが割り振られる。
【0118】
このように、端末200が、余剰IRバッファ領域を、使用中のUL-DL Configurationに存在するDL HARQプロセス用の追加IRバッファ領域として用いることにより、DL HARQプロセスあたりのIRバッファサイズを大きくすることができる。これにより、余剰IRバッファ領域を使わない場合(例えば、
図11参照)と比較して、誤り訂正能力を向上させることができ、HARQ再送性能を向上することができる。
【0119】
また、実施の形態1と同様、端末200は、UL-DL Configurationの変更前後においても、同一DL HARQプロセス(
図12AではDL HARQプロセス番号1〜4)に対応するIRバッファ(余剰IRバッファ領域以外のIRバッファ)の格納データを正しく読み出すことができる。このため、端末200は、UL-DL Configurationの変更により余剰IRバッファ領域(追加IRバッファ領域)に格納された下り回線データがリセットされたとしても、DL HARQプロセスを継続することができる。
【0120】
なお、
図12Aでは、複数の追加IRバッファ領域に、使用中のUL-DL Configurationに存在する複数のDL HARQプロセスが割り振られる場合について説明した。しかし、複数の追加IRバッファ領域には、使用中のUL-DL Configurationに存在する単一のDL HARQプロセスのみが割り振られてもよい。
【0121】
また、
図12Aでは、追加IRバッファ領域全体を3等分(IRバッファサイズと同一サイズに分割)して3つのDL HARQプロセスにそれぞれ割り振る場合について説明したが、これに限定されない。例えば、追加IRバッファ領域全体を、使用中のUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数で均等に再分割(
図12Aに示すConfig#0では4等分)して、再分割された各領域に対して、当該UL-DL Configurationにおける全てのDL HARQプロセスをそれぞれ割り振ってもよい。
【0122】
また、上述したように、余剰IRバッファ領域は、UL-DL Configurationの変更に伴うDL HARQプロセス数の増加によってリセットされる可能性がある。そこで、余剰IRバッファ領域を追加IRバッファ領域として用いる場合、端末200は、追加IRバッファ領域にパリティビットを優先的に格納してもよい。こうすることで、重要度の高いシステマチックビットがリセットされるのを回避することができる。
【0123】
<利用方法2>
図12Bでは、端末200は、余剰IRバッファ領域を、使用中のUL-DL Configurationに存在しないDL HARQプロセス用のIRバッファ領域として用いる。具体的には、
図12Bでは、端末200は、3個の余剰IRバッファ領域を、端末200が使用中のConfig#0のDL HARQプロセス(DL HARQプロセス番号1〜4)には存在せず、かつ、変更直前に端末200が使用していたConfig#1において存在するDL HARQプロセス(DL HARQプロセス番号5〜7)に対するIRバッファ領域として用いる。
【0124】
すなわち、端末200に現時点で設定されているUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数がIRバッファ数(ソフトバッファの分割数)よりも少ない場合、複数のIRバッファのうち、当該UL-DL ConfigurationにおけるDL HARQプロセスが割り振られたIRバッファ(第1の領域群に相当)以外の残りのIRバッファ(第2の領域群に相当。つまり、余剰IRバッファ領域)には、端末200に前回設定されていたUL-DL ConfigurationにおけるDL HARQプロセスのうち、余剰IRバッファ領域に相当する領域内に割り振られていたDL HARQプロセスが継続して割り振られる。
【0125】
これにより、端末200は、UL-DL ConfigurationをConfig#1からConfig#0へ変更するように基地局100から指示された場合でも、余剰IRバッファ領域となるIRバッファ領域(DL HARQプロセス番号5〜7)に格納された下り回線データをリセットせず、当該余剰IRバッファ領域に対するDL HARQプロセスを継続する。
【0126】
以上のように、端末200は、余剰IRバッファ領域を、使用中のUL-DL Configurationに存在しないDL HARQプロセス用のIRバッファ領域として用いる。これにより、特に、UL-DL Configurationの変更に伴いDL HARQプロセス数が減少する場合でも、減少分のDL HARQプロセスにおいて、DL HARQを継続することができる。すなわち、端末200は、上記減少分のDL HARQプロセスについて、UL-DL Configurationの変更時に完了していない状態であっても、DL HARQを継続することができる。これにより、余剰IRバッファ領域を使わない場合(例えば
図11参照)と比較して、HARQ再送性能を向上することができる。
【0127】
なお、
図12Bでは、複数の余剰IRバッファ領域に、前回設定されたUL-DL Configurationに存在する複数のDL HARQプロセスが割り振られる場合について説明した。しかし、複数の余剰IRバッファ領域には、前回設定されたUL-DL Configurationに存在する単一のDL HARQプロセスのみが割り振られてもよい。
【0128】
以上、余剰IRバッファ領域の利用方法1及び利用方法2について説明した。
【0129】
このようにして、本実施の形態では、ソフトバッファを分割して得られる複数のIRバッファの数(ソフトバッファの分割数)よりも、端末200が使用中のUL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数の方が小さい場合でも、その差分のDL HARQプロセス数に対するIRバッファ(余剰IRバッファ領域)を有効に利用することができる。これにより、本実施の形態では、実施の形態1と比較して、HARQ再送性能を更に向上することができる。
【0130】
なお、余剰IRバッファ領域を使用中のUL-DL Configurationに存在するDL HARQプロセス用の追加IRバッファ領域として用いるか(利用方法1:
図12A)、余剰IRバッファ領域を使用中のUL-DL Configurationに存在しないDL HARQプロセス用のIRバッファ領域として用いるか(利用方法2:
図12B)、については、何れか一方が予め規定されてもよいし、設定により切替可能であってもよい。例えば、端末200は、UL-DL Configurationの変更後においても変更前のDL HARQプロセスの継続が必要であれば利用方法2(
図12B)を設定し、UL-DL Configurationの変更後において変更前のDL HARQプロセスの継続が不要であれば利用方法1(
図12A)を設定してもよい。
【0131】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2と同様にして余剰IRバッファ領域を利用する際、余剰IRバッファ領域をどのDL HARQプロセスに割り振るかを更に規定する場合について説明する。
【0132】
実施の形態2(
図12A及び
図12B)では、どのDL HARQプロセスに対してどれだけのサイズの余剰IRバッファ領域を割り振るかは規定されていない。そのため、UL-DL Configurationの変更によって、IRバッファ毎にリセット又はDL HARQプロセスの継続(単に「HARQ継続」と呼ぶこともある)が繰り返されるうちに、再び同一のUL-DL Configurationに変更されたとしても、余剰IRバッファ領域が割り振られたDL HARQプロセス番号の順序が、最初に割り振られたDL HARQプロセス番号の順序とは異なってしまうことが考えられる。
【0133】
例えば、
図13は、Config#0、Config#1、Config#6、Config#0の順にUL-DL Configurationが変更された場合における余剰IRバッファ領域におけるDL HARQプロセスの割り振りを示す。
【0134】
図13に示すように、最初にConfig#0が設定された時点において、3個の余剰IRバッファ領域にはDL HARQプロセス番号1、2、3の順にDL HARQプロセスがそれぞれ割り振られている。次いで、Config#1に設定変更されることで余剰IRバッファ領域が全てリセットされ、Config#6に設定変更されることで1個の余剰IRバッファ領域にはDL HARQプロセス番号1のDL HARQプロセスが割り振られる。そして、再びConfig#1に設定変更されると、設定変更前に既に存在していた余剰IRバッファ領域においてDL HARQプロセス番号1のDL HARQプロセスが継続され、新たに発生した2個の余剰IRバッファ領域には、DL HARQプロセス番号2、3の順に、DL HARQプロセスがそれぞれ割り振られる。
【0135】
すなわち、
図13では、Config#0に再設定されたときに余剰IRバッファ領域に割り振られるDL HARQプロセスの順序(DL HARQプロセス番号2、3、1の順)は、最初にConfig#0が設定されたときに余剰IRバッファ領域に割り振られたDL HARQプロセスの順序(DL HARQプロセス番号1、2、3の順)とは異なってしまう。このように、余剰IRバッファ領域に格納されるDL HARQプロセスの順序は、UL-DL Configurationの変遷に伴って異なってしまう。
【0136】
その結果、
図13の例では、DL HARQプロセス番号1に対応するIRバッファ(余剰IRバッファ領域を含む)は、左から1番目のみである場合(Case 1:Config#1設定時)と、左から1番目及び5番目である場合(Case 2:最初のConfig#0設定時)と、左から1番目及び7番目である場合(Case 3:Config#6設定時及びConfig#0再設定時)と、の3通りに分かれてしまう。これは、端末におけるソフトバッファへのアクセス処理が複雑化していることを意味する。
【0137】
そこで、本実施の形態では、端末200におけるソフトバッファへのアクセス処理を簡易化する方法について説明する。
【0138】
図14及び
図15は、本実施の形態におけるソフトバッファ構成を示す。
【0139】
なお、以下の説明では、実施の形態2と同様、端末200に対する、TDD eIMTAによって変更可能なUL-DL Configurationのセットを、Config#0、Config#1、Config#6とする(すなわち、eIMTA_Config={#0, #1, #6})。つまり、端末200では、ソフトバッファは7分割される。
【0140】
図14は、Config#0、Config#6、Config#1の順にUL-DL Configurationが変更される場合を示し、
図15は、Config#1、Config#6、Config#0の順にUL-DL Configurationが変更される場合を示す。
図14及び
図15では、Config#0設定時において、最大3個の余剰IRバッファ領域(左から5番目〜7番目のIRバッファ)が発生し、Config#6設定時において、1個の余剰IRバッファ領域(左から7番目のIRバッファ)が発生する。
【0141】
本実施の形態では、ソフトバッファを分割して得られる複数のIRバッファの各々と、各UL-DL Configurationにおける各DL HARQプロセスとが予め対応付けられている。
【0142】
具体的には、
図14及び
図15では、7個のIRバッファのうち、左から1番目〜4番目のIRバッファには、DL HARQプロセス番号1〜4のDL HARQプロセスがそれぞれ対応付けられる。
【0143】
また、
図14及び
図15では、7個のIRバッファのうち、左から5番目のIRバッファには、DL HARQプロセス番号1のDL HARQプロセスと、DL HARQプロセス番号1のDL HARQプロセスとが対応付けられる。同様に、左から6番目のIRバッファには、DL HARQプロセス番号6のDL HARQプロセスと、DL HARQプロセス番号2のDL HARQプロセスとが対応付けられる。また、左から7番目のIRバッファには、DL HARQプロセス番号7のDL HARQプロセスと、DL HARQプロセス番号3のDL HARQプロセスが対応付けられる。
【0144】
つまり、DL HARQプロセス番号5に対応付けられたIRバッファ領域と、DL HARQプロセス番号1に対応付けられた余剰IRバッファ領域とは共通のIRバッファとなる。同様に、DL HARQプロセス番号6に対応付けられたIRバッファ領域と、DL HARQプロセス#2に対応付けられた余剰IRバッファ領域とは共通のIRバッファとなる。また、DL HARQプロセス番号7に対応付けられたIRバッファ領域と、DL HARQプロセス#3に対応付けられた余剰IRバッファ領域とは共通のIRバッファとなる。つまり、
図14及び
図15では、DL HARQプロセス番号n(ただし、n=1,2,3)と、DL HARQプロセス番号n+4とに対して共通のIRバッファ領域が割り振られている。換言すると、各余剰IRバッファ領域には、DL HARQプロセス番号が、UL-DL Configurationの変遷によらず、固定的に対応付けられている。
【0145】
図16は、本実施の形態におけるメモリ構成の簡易化の効果を示すために、
図13と同一のUL-DL Configurationの変遷時の、余剰IRバッファ領域におけるDL HARQプロセスの割り振りを示す。
【0146】
図16では、UL-DL Configurationに依らず、3個の余剰IRバッファ領域には、常に、DL HARQプロセス番号1、2、3の順にDL HARQプロセスがそれぞれ割り振られる。これにより、
図16の例では、DL HARQプロセス番号1に対応するIRバッファ(余剰IRバッファ領域を含む)は、左から1番目のみである場合(Case 1:Config#1設定時)と、左から1番目及び5番目である場合(Case 2:Config#0設定時)と、の2通りに分かれる。すなわち、DL HARQプロセス番号1に対応するIRバッファのとり得る位置は、
図13では3通りであるのに対して、本実施の形態では、2通りに減らすことができる。すなわち、
図16では、
図13と比較して、端末200におけるソフトバッファへのアクセス処理を簡易化することができる。
【0147】
図17は、IRバッファとDL HARQプロセス番号との対応関係の概念図を示す。
【0148】
図17では、ソフトバッファ(バッファ容量N
soft)が8(=min(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))等分されたIRバッファを1単位(したがって、全部でmin(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit)=8単位)とする。また、端末200に設定可能な複数のUL-DL Configurationの各々において、各UL-DL Configurationが規定する最大DL HARQプロセス数分のDL HARQプロセスには、同一の番号(ここでは‘1’)から昇順にDL HARQプロセス番号がそれぞれ付されている。また、
図17では、端末200に設定可能な複数のUL-DL Configurationにそれぞれ規定された最大DL HARQプロセス数の中の最小値(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config))を、6プロセスとする。すなわち、ソフトバッファを分割して得られるIRバッファの数と上記最小値との差分(=min(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit)-min(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))は2である。
【0149】
図17では、8単位のIRバッファのうち、6(=min(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))単位が、1単位ずつ、6(=min(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))個のDL HARQプロセス(DL HARQプロセス番号1〜6)にそれぞれ割り振られる(実線矢印で示す対応関係)。すなわち、複数のIRバッファのうち、上記最大DL HARQプロセス数の中の最小値(6プロセス)に相当する数のIRバッファ(第3の領域群に相当)には、DL HARQプロセス番号1から昇順に、DL HARQプロセス番号6までの、上記最小値に相当する数のDL HARQプロセスがそれぞれ固定的に対応付けられる。
【0150】
一方、8単位のIRバッファのうち、残りの2(=min(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit)-min(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))単位は、残りの2(=min(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit)-min(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))個のDL HARQプロセス(DL HARQプロセス番号7,8)に割り振られると同時に、既に1単位ずつ割り振られた6(=min(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))個のDL HARQプロセスのうち、2(=min(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit)-min(min(M
DL_HARQ,eIMTA_Config), M
limit))個のDL HARQプロセスにも割り振られる(点線矢印で示す対応関係)。すなわち、複数のIRバッファのうち、上記最小値(6プロセス)に相当する数のDL HARQプロセスが割り振られたIRバッファ(第3の領域群に相当)以外の残りのIRバッファ(第4の領域群に相当)の各々には、DL HARQプロセス番号6の次の、DL HARQプロセス番号7から昇順に上記差分に相当する数(2プロセス)のDL HARQプロセスと、DL HARQプロセス番号1〜6までのDL HARQプロセスの中の上記差分に相当する数(2プロセス)のDL HARQプロセス(ここではDL HARQプロセス番号1,2)と、がそれぞれ固定的に対応付けられている。
【0151】
以上のように、本実施の形態によれば、UL-DL Configurationの変遷によらず、DL HARQプロセス番号に対するソフトバッファのアクセス位置(バッファアドレス)が固定される。これにより、端末200におけるソフトバッファへのアクセス処理を簡易化することができる。
【0152】
なお、
図14及び
図15では、DL HARQプロセス番号n(ただし、n=1,2,3)とDL HARQプロセス番号n+4とが共通のIRバッファ領域に割り振られる場合について説明した。しかし、共通のIRバッファ領域に割り振られるDL HARQプロセス番号の組み合わせはこれに限定しない。
【0153】
また、
図16では、左から1番目のIRバッファと5番目のIRバッファとがソフトバッファ上の離散した位置に配置されているが、これはIRバッファの論理配置(論理アドレス)の一例であり、これらのIRバッファの物理配置(物理アドレス)は、ソフトバッファ上の隣接した位置に配置されていてもよい。
【0154】
また、
図14及び
図15に示すDL HARQプロセス#1〜#4に対応するIRバッファのうち、DL HARQプロセス#5〜#7のいずれかと共通の1単位のIRバッファ(すなわち余剰IRバッファ領域)には、パリティビットを優先的に格納してもよい。こうすることで、UL-DL Configurationの変更に伴って重要度の高いシステマチックビットがリセットされるのを回避することができる。
【0155】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0156】
なお、上記実施の形態において、端末200に対して変更可能なUL-DL Configurationのセットを端末200へ通知せずに、基地局100は、式(2)に示すmin(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config, M
limit))の計算を行い、その計算結果を端末200に通知してもよい。この場合、min(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config, M
limit))の計算結果は、4、6、7または8しか取り得ないため、基地局100は、2ビットの情報を端末200に通知すればよい。よって、変更可能なUL-DL Configurationのセットの通知に要するビット数(3n(n≧2)ビット)よりも、端末200に通知するビット数を低減することができる。
【0157】
また、上記実施の形態において、M
limit=8であること、及び、
図5に示すように、7個のUL-DL Configurationのうち、4個のUL-DL Configuration(Config#2〜#5)が規定する最大DL HARQプロセス数(M
HARQ)が8(=M
limit)よりも大きいこと、更に、eIMTAによって変更可能なUL-DL Configurationは複数であること、を考慮すると、式(2)に示すmin(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config, M
limit))の計算結果は、多くの場合、8になる可能性が高い。そこで、基地局100は、TDD eIMTAが設定された端末200に対して、変更可能なUL-DL Configurationのセット又はmin(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config, M
limit))の計算結果を通知せずに、端末200は、常にmin(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config, M
limit))=8として、IRバッファサイズ(N
IR)を計算してもよい。すなわち、TDD eIMTAが設定されない場合には、端末200は、式(1)に従ってIRバッファサイズを計算し、TDD eIMTAが設定される場合、端末200は、次式(3)に従ってIRバッファサイズを計算してもよい。この場合、変更可能なUL-DL Configurationのセット又はmin(max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config, M
limit))の計算結果等の、端末200へのシグナリング無しで、端末200では、UL-DL Configuration変更前後においてDL HARQプロセスを継続できる。
【数3】
【0158】
また、上記実施の形態では、式(1)〜(3)に従って、M
DL_HARQ,eIMTA_ConfigとM
limitとのうち小さい値でソフトバッファを分割する場合について説明した。しかし、端末200は、これに限らず、例えば、閾値であるM
limitを用いずに、max(M
DL_HARQ,eIMTA_Config)でソフトバッファを分割してもよい。
【0159】
また、上記実施の形態では、式(1)〜(3)に示すM
limit=8の場合について説明した。これは、例えば、FDDシステムにおいて基地局(eNB)が対応可能な最大DL HARQプロセス数に対応する値である。ただし、M
limitの値は8に限らない。特にTDDシステムにおいては、基地局100が対応可能な最大DL HARQプロセス数は、FDDシステムにおいて、基地局が対応可能な最大DL HARQプロセス数(8)よりも大きい。例えばUL-DL Config#5では、基地局100が対応可能な最大DL HARQプロセス数は15である。そこで、M
limitの値は、基地局100が対応可能なDL HARQプロセス数を超えない値であればよい。
【0160】
また、上記実施の形態において、DL HARQプロセスを継続しない場合、IRバッファを「リセット」すると表現した。しかし、IRバッファが実際にリセット(フラッシュ)される必要はなく、当該IRバッファに格納済みの下り回線データが読み出されて復号に使用されなければよい。したがって、当該IRバッファに対応するDL HARQプロセスにおいて、初回送信であるか否かが通知されていればよい。なお、初回送信であるか再送信であるかを指示する信号は、下り回線データの割当情報(すなわち、DL assignment)におけるNDI(New Data Indicator)によって通知される。当該IRバッファに対応するDL HARQプロセスにおける下り回線データを指示するDL assignmentにおいて、NDIが前回受信時と反転した値である場合、初回送信であることを表し、反転した値でない場合、再送信であることを表す。
【0161】
また、上記実施の形態では、各アンテナとして説明したが、本発明はアンテナポート(antenna port)でも同様に適用できる。
【0162】
アンテナポートとは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0163】
例えばLTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0164】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0165】
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0166】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0167】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0168】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0169】
以上、上記実施の形態に係る端末装置は、1フレームを構成するサブフレームの構成パターンであって、下り回線の通信に用いられる下り通信サブフレーム及び上り回線の通信に用いられる上り通信サブフレームを含む前記構成パターンを設定変更可能である端末装置であって、基地局装置から送信された下り回線データを再送用のバッファに格納するとともに、前記下り回線データを復号する復号手段と、前記下り回線データの誤り検出結果を用いて生成される応答信号を送信する送信手段と、を具備し、前記バッファは、前記端末装置に設定可能な複数の前記構成パターンにそれぞれ規定された再送プロセス数の中の最大値に基づいて、再送プロセス毎の複数の領域に分割される構成を採る。
【0170】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記複数の領域のうち、前記端末装置に現時点で設定されている第1の構成パターンに規定された第1の再送プロセス数分の第1の領域群の各領域には、前記第1の構成パターンにおける各再送プロセスがそれぞれ割り振られる。
【0171】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記第1の再送プロセス数が前記複数の領域の数よりも少ない場合、前記複数の領域のうち、前記第1の領域群以外の残りの第2の領域群には、前記第1の構成パターンにおける再送プロセスのいずれかが割り振られる。
【0172】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記第2の領域群の各領域には、前記複数の領域の数と前記第1の再送プロセス数との差分に相当する数の再送プロセスがそれぞれ割り振られる。
【0173】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記第2の領域群全体は、前記第1の再送プロセス数分の領域に再分割され、前記再分割された各領域には、前記第1の構成パターンにおける全ての再送プロセスがそれぞれ割り振られる。
【0174】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記第2の領域群には、前記第1の構成パターンにおける1つの再送プロセスのみが割り振られる。
【0175】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記第1の再送プロセス数が前記複数の領域の数よりも少ない場合、前記複数の領域のうち、前記第1の領域群以外の残りの第2の領域群には、前記端末装置に前回設定されていた第2の構成パターンにおける再送プロセスのうち、前記第2の領域群内の領域に割り振られていた再送プロセスが継続して割り振られる。
【0176】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記第2の領域群には、前記第2の構成パターンにおける1つの再送プロセスのみが割り振られる。
【0177】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記複数の構成パターンの各々において、各構成パターンに規定された再送プロセス数分の再送プロセスには、同一の第1の番号から昇順に番号がそれぞれ付され、前記複数の領域のうち、前記複数の構成パターンにそれぞれ規定された再送プロセス数の中の最小値に相当する数の第3の領域群の各領域には、前記第1の番号から昇順に第2の番号までの前記最小値に相当する数の再送プロセスがそれぞれ固定的に対応付けられ、前記複数の領域のうち、前記第3の領域群以外の残りの第4の領域群の各領域には、前記第2の番号の次の第3の番号から昇順に前記複数の領域の数と前記最小値との差分に相当する数の再送プロセスと、前記第1の番号から前記第2の番号までの再送プロセスの中の前記差分に相当する数の再送プロセスと、がそれぞれ固定的に対応付けられている。
【0178】
また、上記実施の形態に係る端末装置では、前記複数の領域の数は、前記最大値および所定の閾値のうち小さい値である。
【0179】
また、上記実施の形態に係るバッファ分割方法は、1フレームを構成するサブフレームの構成パターンであって、下り回線の通信に用いられる下り通信サブフレーム及び上り回線の通信に用いられる上り通信サブフレームを含む前記構成パターンを設定変更可能である端末装置におけるバッファ分割方法であって、基地局装置から送信された下り回線データを再送用のバッファに格納し、前記下り回線データを復号し、前記下り回線データの誤り検出結果を用いて生成される応答信号を送信し、前記バッファは、前記端末装置に設定可能な複数の前記構成パターンにそれぞれ規定された再送プロセス数の中の最大値に基づいて、再送プロセス毎の複数の領域に分割される。
【0180】
2012年7月18日出願の特願2012−159759の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。